JP2014015068A - 電動キャリヤ - Google Patents

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治 安永
Hidemasa Matsumura
秀正 松村
Yasuhiro Ishida
康弘 石田
Nobuyuki Ichihara
信幸 市原
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Abstract

【課題】ブレーキ量入力手段を操作することなく、エンジンブレーキのような感覚で停止又は減速できる電動キャリヤを提供すること。
【解決手段】電動キャリヤ1は、コンプレッサ20によって生成された圧縮空気を貯留するブレーキタンク40と、ブレーキタンク40とエアブレーキ装置7との間に少なくとも2系統の配管系統を有する。一の配管系統は、ブレーキペダル14によって開閉されるブレーキバルブ50と、そのブレーキバルブ50とエアブレーキ装置7との間にダブルチェックバルブ80とを備える。他の配管系統は、アクセルペダル13を緩める動作に基づいて制御信号Voutを生成する制御コントローラ90の出力に基づいて開閉される電空変換器70を備えるとともに、ダブルチェックバルブ80に接続される。このダブルチェックバルブ80は、2つの配管系統の内で圧力の高い配管系統に連通してエアブレーキ装置7に圧縮空気を供給する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、発電機の発生電力によって走行モータが車輪を回転駆動させる電動キャリヤに関し、特に、エンジンブレーキのような感覚で停止又は減速できる電動キャリヤに関する。
主に、製鉄所や造船所でコイルや大型鋼材等の重量物を搬送するための搬送車両として、電動キャリヤがある。この電動キャリヤは、発電機で発生した電力によって車輪を回転駆動するとともに、油圧ポンプで発生した油圧によって車輪を操舵駆動するようになっている。このような電動キャリヤとして、例えば下記特許文献1に記載されたものがある。
下記特許文献1に記載された電動キャリヤは、本出願人が提案したものであって、図7に、電動キャリヤの走行装置が示されている。この走行装置では、図7に示すように、荷台102の下にサスペンションブラケット103が取付けられていて、このサスペンションブラケット103にスイングアーム104を介して車輪105が連結されている。そして、走行モータ106が、車輪105に取付けられていて、発電機で発生した電力によって回転する。こうして、電動キャリヤは、荷台102で重量物を積載しつつ、走行モータ106が車輪105を回転駆動させることによって、走行するようになっている。このような駆動方式が電動である電動キャリヤは、駆動方式が油圧である油圧式キャリヤに比べて、整備の負担を軽減することができる。
特開2011−148394号公報
しかし、上述したような電動キャリヤにおいて、以下の問題点があった。即ち、電動キャリヤでは、アクセルペダル(アクセル量入力手段)を緩める動作をしたときに、油圧式キャリヤに比べて、エンジンブレーキのブレーキ力がほとんど得られない。このため、運転者が電動キャリヤを停止又は減速させるときには、ブレーキペダル(ブレーキ量入力手段)を適宜操作することによって、ブレーキ装置の制動力を得る必要があった。しかしながら、電動キャリヤにおいて、ブレーキペダルを操作することによって得られる制動力は、あくまで緊急停止用のために大きく設定されていて、立ちあがりが急に大きくなることがあり、微調整が難しい。このため、ブレーキペダルを操作することなく、エンジンブレーキのような感覚で停止又は減速することが望まれていた。特に、電動キャリヤは数十トン〜数百トンもの重量物を積載するため、ブレーキペダルの操作によって得られる制動力では、積載物に前方への急な荷重が作用して、積載物のバランスがくずれ、積載物が落下するおそれがあるという問題点があった。
そこで、本発明は、上記した課題を解決すべく、ブレーキ量入力手段を操作することなく、エンジンブレーキのような感覚で停止又は減速できる電動キャリヤを提供することを目的とする。
本発明に係る電動キャリヤは、エンジンにより駆動される発電機と、前記発電機から出力される電力により車輪を回転駆動させる走行モータと、前記車輪を制動するブレーキ装置と、コンプレッサによって生成された圧縮空気を貯留するブレーキタンクとを備えたものであって、前記ブレーキタンクと前記ブレーキ装置との間に少なくとも2系統の配管系統を有し、一の配管系統は、ブレーキ量入力手段によって開閉されるブレーキバルブと、そのブレーキバルブと前記ブレーキブレーキ装置との間にダブルチェックバルブとを備え、他の配管系統は、アクセル量入力手段を緩める動作に基づいて制御信号を生成する制御装置の出力に基づいて開閉される電空変換器を備えるとともに、前記ダブルチェックバルブに接続され、前記ダブルチェックバルブは、前記2つの配管系統の内で圧力の高い配管系統に連通して前記ブレーキ装置に圧縮空気を供給することを特徴とする。
この場合には、電動キャリヤを停止又は減速させるとき、運転者はアクセル量入力手段(アクセルペダル)を緩めると、制御信号が電空変換器に出力されて、電空変換器が圧縮空気を出力する。これにより、電空変換器から出力された圧縮空気は、ダブルチェックバルブを通って、ブレーキチャンバに供給される。この結果、ブレーキチャンバは、供給された圧縮空気のエア圧によってエアブレーキ装置を作動させて、制動力を得ることができる。こうして、運転者はブレーキ量入力手段を操作することなく、アクセル量入力手段を緩めると、エンジンブレーキのような感覚で電動キャリヤを停止又は減速させることができる。
また、緊急時の停止又は減速においては、運転者がブレーキ量入力手段(ブレーキペダル)を操作するため、圧縮空気がブレーキバルブを通って、ダブルチェックバルブに向かって流れる。このとき、運転者が直前にアクセル量入力手段を緩めていた場合には、圧縮空気が電空変換器を通って、ダブルチェックバルブに向かって流れる。しかし、この場合、エア圧が高い方の圧縮空気がダブルチェックバルブを通過するため、エア圧が高い方の圧縮空気をブレーキチャンバへ送り込むことができる。従って、緊急時の停止又は減速において、より強力な制動力を得ることができるようになっている。
また、本発明に係る電動キャリヤにおいて、前記制御信号は、車両により予め設定される初期設定値と、車両の総重量に基づいて算出される重量加算値と、車両の走行速度に基づいて算出される速度加算値とによって決定されることが好ましい。
この場合には、制御信号は車両の総重量が大きくなるほど大きくなるように決定されるため、例えば積載物が多いことによって車両の総重量が大きくなり、より強力な制動力が必要な状況においては、制御信号が大きくなる。この結果、この状況では、電空変換器から出力される圧縮空気が多くなり、より強力な制動力を得ることができる。
また、制御信号は車両の走行速度が大きくなるほど大きくなるように決定されるため、例えば下り坂等で車両の走行速度が大きくなり、より強力な制動力が必要な状況においては、制御信号が大きくなる。この結果、この状況では、電空変換器から出力される圧縮空気が多くなり、より強力な制動力を得ることができる。
こうして、車両の総重量及び逐次変化する車両の走行速度をパラメータとして、制御信号を決定することで、より的確に制動力を得ることができる。
また、本発明に係る電動キャリヤにおいて、前記アクセル量入力手段を緩める動作に基づいて前記ブレーキ装置を作動させるハーフブレーキを有効又は無効に切り替える選択手段を備えることが好ましい。
この場合には、例えば微低速でカーブを曲がる状況においては、ハーフブレーキを無効に切り替えることで、ハーフブレーキが作動しなくて電動キャリヤが停止することを防止できる。また、例えば平坦路を長距離移動するようなハーフブレーキを作動させる必要がない状況にまで、ハーフブレーキが作動することを防止できる。更に、運転者がアクセル量入力手段を不意に瞬間的に戻した場合にまで、ハーフブレーキが作動することを防止できる。
本発明によれば、ブレーキ量入力手段を操作することなく、エンジンブレーキのような感覚で停止又は減速できる電動キャリヤを提供することができる。
本実施形態の電動キャリヤの側面図である。 図1に示した電動キャリヤの平面図である。 電動キャリヤの空気圧回路を示した図である。 制御コントローラが入力する信号及び出力する信号の関係を示した図である。 制御信号が決定される方法を示した図である。 (A)走行速度が18km/hのときに総重量と制御信号とブレーキ圧力との関係を示した図である。(B)走行速度が10km/hのときに総重量と制御信号とブレーキ圧力との関係を示した図である。 従来の電動キャリヤの走行装置を示した図である。
本発明に係る電動キャリヤについて、図面を参照しながら以下に説明する。図1は、電動キャリヤ1の側面図であり、図2は、図1に示した電動キャリヤ1の平面図である。なお、図2では、荷台2が透視して示されている。
電動キャリヤ1は、主に製鉄所や造船所でコイルや大型鋼材等の重量物を搬送するための搬送車両である。この電動キャリヤ1は、図1及び図2に示すように、搬送物を積載する荷台2と、この荷台2をサスペンションブラケット3及びスイングアーム4を介して支持する複数の車輪5とを備えている。これら複数の車輪5の一部には、回転駆動力を付与する走行モータ6と、制動力を付与するエアブレーキ装置7(図3参照)が取付けられている。
この電動キャリヤ1には、前方及び後方(図1及び図2の左右両側)に2台のディーゼルエンジン8と発電機9とが搭載されていて、各ディーゼルエンジン8の動力によって各発電機9が電力を発生し、各発電機9の発生電力によって走行モータ6が車輪5を回転駆動するようになっている。そして、図2に示すように、各車輪5には操舵アクチュエータ10が取付けられていて、各操舵アクチュエータ10が油圧によって作動することによって、各車輪5が操舵駆動するようになっている。
また、電動キャリヤ1には、前方及び後方にそれぞれ運転席11が設けられていて、各運転席11には、ハンドル12とアクセル量入力手段としてのアクセルペダル13とブレーキ量入力手段としてのブレーキペダル14とが設けられている。これにより、運転者は、運転席11にてハンドル12を回動操舵することで車輪5を操舵駆動させることができ、アクセルペダル13を操作することで電動キャリヤ1を前方又は後方に加減速させることができ、ブレーキペダル14を操作することで電動キャリヤ1を停止又は減速させることができる。
ここで、図3は、電動キャリヤ1の空気圧回路KAを示した図である。なお、この電動キャリヤ1においては前方側の構成と後方側の構成とが同様であるため、図3に示した空気圧回路KAでは一方側の構成のみが示されている。空気圧回路KAは、図3に示すように、主にコンプレッサ20と、メインタンク30と、ブレーキタンク40と、ブレーキバルブ50と、ブレーキチャンバ60及びマキシチャンバ61と、電空変換器70と、ダブルチェックバルブ80とを備えて構成されている。
コンプレッサ20は、ディーゼルエンジン8の動力によって圧縮空気を生成するものである。このコンプレッサ20とメインタンク30とが第1エア通路A1によって連通接続されていて、コンプレッサ20によって生成された圧縮空気がメインタンク30に送り込まれるようになっている。第1エア通路A1には、圧縮空気を冷やすためのアフタークーラ21と、上昇し過ぎた圧力を下げるためのリリーフバルブ22と、圧縮空気中の不純物を取り除くためのオイルミストセパレータ23と、圧縮空気の逆流を防止するためのチェックバルブ24と、圧縮空気中の水分を取り除くためのエアドライヤ25とが設けられている。
メインタンク30は、圧縮空気を貯留するものである。このメインタンク30とブレーキタンク40とが第2エア通路A2によって連通接続されていて、メインタンク30に貯留された圧縮空気がブレーキタンク40に送り込まれるようになっている。ここで、圧縮空気が第2エア通路A2から分岐して、分岐した部分P1からブレーキバルブ50を通ってダブルチェックバルブ80まで流れる通路を、第3エア通路A3と呼ぶことにする。また、圧縮空気がダブルチェックバルブ80からリレーバルブ31,31を通ってブレーキチャンバ60及びマキシチャンバ61まで流れる通路を第4エア通路A4と呼ぶことにする。なお、メインタンク30に貯留されている圧縮エアは、図示しないサイドミラーを移動させたり、図示しないエアホーンを作動させるためにも用いられている。
ブレーキタンク40は、ブレーキチャンバ60及びマキシチャンバ61を作動させる圧縮空気を貯留するものである。ここで、第2エア通路A2には、ブレーキタンク40からメインタンク30への流れを規制するチェックバルブ41が設けられているため、ブレーキタンク40に貯留された圧縮空気は第2エア通路A2から分岐した部分P1を通ってブレーキバルブ50へ供給されるようになっている。なお、ブレーキタンク40に貯留されている圧縮空気(エア圧)が故障等によって不足した場合、締切弁42を開けてカプラプラグ43から圧縮空気を補充できるようになっている。
ブレーキバルブ50は、ブレーキペダル14の操作によって開閉するものである。即ち、ブレーキバルブ50は、運転者がブレーキペダル14を踏み込む量に応じて、開閉量を変化させるようになっている。こうして、ブレーキバルブ50が開いたとき、圧縮空気が、ブレーキタンク40から第2エア通路A2及び第3エア通路A3を通ってダブルチェックバルブ80に向かって流れ、更にダブルチェックバルブ80から第4エア通路A4を通ってブレーキチャンバ60及びマキシチャンバ61へ流れることができるようになっている。
ブレーキチャンバ60は、供給された圧縮空気のエア圧によってエアブレーキ装置7を作動させるものである。このブレーキチャンバ60は、供給された圧縮空気に応じてプッシュロッド62を伸縮させるようになっている。ここで、エアブレーキ装置7では、ブレーキドラム(図示省略)が回転可能に取付けられていて、内側からブレーキシュー(図示省略)が拡張するようになっている。そして、ブレーキシューの拡張動作は、ブレーキチャンバ60から突設されたプッシュロッド62が伸長することによって、行われる。こうして、ブレーキチャンバ60がプッシュロッド62を伸長させることで、エアブレーキ装置7によって制動力が得られる。マキシチャンバ61は、ブレーキチャンバ60と同様のエアブレーキ装置7を作動させる機能の他に、駐車ブレーキスイッチの操作により、電磁弁44を作動させマキシチャンバ61内の圧縮空気を供給及び排出させることで、駐車ブレーキを解放及び作動させるものである。
ところで、本実施形態のような駆動方式が電動である電動キャリヤでは、駆動方式が油圧である油圧式キャリヤに比べて、エンジンブレーキのブレーキ力がほとんど得られない。従って、従来においては、運転者が電動キャリヤ1を停止又は減速させる場合、ブレーキペダル14を適宜踏み込んで制動力を得る必要があった。しかしながら、電動キャリヤにおいて、ブレーキペダル14を操作することによって得られる制動力は、あくまで緊急停止用のために大きく設定されていて、立ちあがりが急に大きくなることがあり、微調整が難しかった。そこで、本実施形態の電動キャリヤ1では、ブレーキペダル14を操作することなく、エンジンブレーキのような感覚で停止又は減速できるように、以下のように構成されている。
図3に示すように、第2エア通路A2から分岐した部分P2とダブルチェックバルブ80との間に第5エア通路A5が形成されている。即ち、第5エア通路A5は、第2エア通路A2から分岐して第3エア通路A3及び第4エア通路A4の一端に連通接続している。この第5エア通路A5に電空変換器70が設けられていている。
電空変換器70は、制御コントローラ90から出力された制御信号(電気信号)Voutによって開閉して圧縮空気を出力するものである。即ち、電空変換器70は、制御コントローラ90から制御信号Voutを入力したとき、ブレーキタンク40の圧縮空気をダブルチェックバルブ80に向けて出力するようになっている。そして、制御コントローラ90が生成する制御信号Voutは、運転者がアクセルペダル13を緩めたとき、出力される電気信号(電圧)である。制御信号Voutが出力される詳細な条件、及び制御信号Voutの具体的な値については、後に説明する。
ダブルチェックバルブ80は、ブレーキバルブ50を通る一の配管系統と電空変換器70を通る他の配管系統との2つの配管系統の内で、圧力の高い配管系統に連通してブレーキチャンバ60(エアブレーキ装置7)に圧縮空気を供給するものである。即ち、ブレーキタンク40とエアブレーキ装置7との間の上記した2つの配管系統の内で、エア圧が高い圧縮空気はダブルチェックバルブ80を通って流れることができるのに対して、エア圧が低い圧縮空気はダブルチェックバルブ80を通って流れることができないようになっている。次に、上述したように構成された空気回路KAの作動を、場合を分けて説明する。
<通常時の停止又は減速>
通常時において、運転者は電動キャリヤ1を停止又は減速させるとき、アクセルペダル13を緩める。これにより、制御コントローラ90が制御信号Voutを出力して、第5エア通路A5において電空変換器70が圧縮空気をダブルチェックバルブ80に向けて出力する。これに対して、通常時では、運転者がブレーキペダル14を操作しなくて、ブレーキバルブ50が閉じている。このため、第3エア通路A3において圧縮空気がブレーキバルブ50を通らず、ダブルチェックバルブ80に向かって流れない。
従って、ダブルチェックバルブ80では、電空変換器70側から流れ込む圧縮空気のエア圧が高くて、圧縮空気が、電空変換器70からダブルチェックバルブ80及びリレーバルブ31を通ってブレーキチャンバ60へ供給される。こうして、通常時の停止又は減速において、運転者はアクセルペダル13を緩めることで、ブレーキペダル14を操作することなく、エンジンブレーキのような感覚でエアブレーキ装置7にて制動力を得ることができる。ここで、上述したようにアクセルペダル13を緩めるように操作してエアブレーキ装置7で得られるブレーキを「ハーフブレーキ」と呼ぶことにする。
<緊急時の停止又は減速>
緊急時の停止又は減速において、運転者はブレーキペダル14を踏み込むため、ブレーキバルブ50が開く。このため、第3エア通路A3において圧縮空気がブレーキバルブ50を通って、ダブルチェックバルブ80に向かって流れる。これに対して、このときには運転者がアクセルペダル13から足を離してアクセルペダル13を操作していないため、制御コントローラ90が制御信号Voutを出力しない。このため、第5エア通路A5において圧縮空気が電空変換器80からダブルチェックバルブ80に向かって流れない。
従って、ダブルチェックバルブ80では、ブレーキバルブ50側から流れ込む圧縮空気のエア圧が高くて、圧縮空気がブレーキバルブ50からダブルチェックバルブ80及びリレーバルブ31を通ってブレーキチャンバ60へ供給される。こうして、緊急時の停止又は減速において、運転者はブレーキペダル14を操作することで、的確に停止又は減速することができる。
なお、アクセルペダル13を緩めた直後に、運転者がブレーキペダル14を踏み込んだときには、ダブルチェックバルブ80では、電空変換器70側から圧縮空気が流れ込むとともに、ブレーキバルブ50側から圧縮空気が流れ込む。しかし、この場合であっても、エア圧が高い方の圧縮空気がダブルチェックバルブ80及びリレーバルブ31を通ってブレーキチャンバ60へ供給されるため、エアブレーキ装置7にてより強力な制動力を得ることができる。従って、緊急時の停止又は減速において、問題になることはない。
次に、制御コントローラ90が制御信号Voutを出力する詳細な条件について、図4を用いて説明する。図4は、制御コントローラ90が入力する信号及び出力する信号の関係を示した図である。図4に示すように、制御コントローラ90は、アクセルペダル13と速度センサ91と選択部92とから各信号を入力するようになっている。この制御コントローラ90では、アクセルペダル13の入力量が減少するように操作されたとき、信号x1を入力し、アクセルペダル13の入力量が維持又は増加するように操作されたとき、信号x1を入力しないようになっている。
速度センサ91は、電動キャリヤ1の走行速度Vを検出するものである。この速度センサ91は、移動している電動キャリヤ1の速度を逐次検出して、走行速度Vとして制御コントローラ90へ逐次出力するようになっている。この速度センサ91は、例えば車輪5の回転速度やディーゼルエンジン8の回転数等によって、走行速度Vを算出している。
選択部92は、上述した「ハーフブレーキ」の有効又は無効を任意で切り替えるものである。この選択部92は図示しない制御タッチパネルに組み込まれていて、運転者が制御タッチパネルをタッチすることで、「ハーフブレーキ」が有効であるON状態、又は「ハーフブレーキ」が無効であるOFF状態を選択できるようになっている。選択部92は、「ハーフブレーキ」のON状態が選択されたときにのみ、ON信号を制御コントローラ90へ出力するようになっている。なお、選択部(選択手段)92の構成は、ボタン式やレバー式であっても良い。
こうして、本実施形態の制御コントローラ90は、入力した走行速度Vが設定速度である10km/h以上であり、選択部92からON信号を入力し、且つ信号x1を入力した状態が1.0秒(一定時間)満たした場合にのみ、制御信号Voutを出力するように構成されている。なお、設定速度である10km/h、及び一定時間である1.0秒は、適宜変更可能である。
これにより、走行速度Vが10km/h未満であるような微低速時に、例えば微低速でカーブを曲がる状況においては、「ハーフブレーキ」をOFF状態に切り替えることで、「ハーフブレーキ」が作動しなくて電動キャリヤ1が停止することを防止できる。また、例えば平坦路を長距離移動するような「ハーフブレーキ」を作動させる必要がない状況にまで、「ハーフブレーキ」が作動することを防止できる。更に、運転者がアクセルペダル13を不意に瞬間的に(0.5秒程度)戻した場合にまで、「ハーフブレーキ」が作動することを防止できる。
続いて、制御コントローラ90が出力する制御信号Voutの具体的な値について、図5を用いて説明する。図5は、制御信号Voutが決定される方法を示した図である。図5に示すように、制御コントローラ90は、初期ブレーキ力(初期設定値)Bと、車両の総重量Wと重量ゲイン定数K1を乗じたもの(重量加算値)と、逐次入力した車両の走行速度Vと速度ゲイン定数K2とを乗じたもの(速度加算値)との和によって、制御信号Voutを決定している。ここで、初期ブレーキ力Bは、車両により予め設定されるものであり、重量ゲイン定数K1及び速度ゲイン定数K2は、実車走行試験によって決定されたプラスの一定値である。
こうして、制御信号Voutは、車両の総重量W、言い換えると積載物の荷重に応じて変化するようになっている。即ち、制御信号Voutは、車両の総重量W(積載物の荷重)が大きくなるほど大きくなるように制御されている。これにより、例えば積載物が多いことによって車両の総重量が大きくなり、より強力な制動力が必要な状況においては、制御信号Voutが大きくなるように制御されることになる。この結果、この状況では、電空変換器70から出力される圧縮空気が多くなり、ブレーキ圧力(エア圧)Pを大きくすることができて、より強力な制動力を得ることができる。
更に、制御信号Voutは、逐次入力する車両の走行速度Vに応じて変化するようになっている。即ち、制御信号Voutは、車両の走行速度Vが大きくなるほど大きくなるように制御されている。これにより、例えば下り坂等で走行速度V大きくなり、より強力な制動力が必要な状況においては、制御信号Voutが大きくなるように制御されることになる。この結果、この状況では、電空変換器70から出力される圧縮空気が多くなり、ブレーキ圧力Pを大きくすることができて、より強力な制動力を得ることができる。
ここで、本実施形態では、制御コントローラ90が以下の[式1]を用いて制御信号Voutを決定するようになっている。
[式1]Vout=K3+{(W/Wmax)×K1+(V/Vmax)×K2}+B
ここで、上述したように、Wは車両の総重量であり、K1は重量ゲイン定数であり、Vは走行速度であり、K2は速度ゲイン定数であり、Bは初期ブレーキ力である。そして、K3は電空変換器70のゲイン定数であり、Wmaxは最大車両総重量であり、Vmaxは最高走行速度である。
上記した[式1]を用いた場合に得られたブレーキ圧力Pが、図6に示されている。図6(A)は、走行速度が18km/hのときに、総重量Wと制御信号Voutとブレーキ圧力Pとの関係を示した図であり、図6(B)は、走行速度が10km/hのときに、総重量Wと制御信号Voutとブレーキ圧力Pとの関係を示した図である。
図6(A)と図6(B)との比較から明らかなように、走行速度Vが大きい図6(A)の方が、走行速度Vが小さい図6(B)の場合よりも、制御信号Voutが大きくなり、より大きなブレーキ圧力Pを得られることが分かる。また、図6(A)及び図6(B)において、総重量W、即ち積載荷重が大きくなるほど、制御信号Voutが大きくなり、より大きなブレーキ圧力Pを得られることが分かる。こうして、制御コントローラ90が車両の総重量W及び逐次変化する車両の走行速度Vをパラメータとして、制御信号Voutを決定することで、より的確にブレーキ圧力Pを得ることができることが確認できる。
本実施形態の作用効果について説明する。
電動キャリヤ1を停止又は減速させるとき、運転者はアクセルペダル13の入力量を緩めると、図3に示すように、制御信号Voutが電空変換器70に出力されて、電空変換器70が圧縮空気を出力する。これにより、電空変換器70から出力された圧縮空気は、ダブルチェックバルブ80を通って、ブレーキチャンバ60に供給される。この結果、ブレーキチャンバ60は、供給された圧縮空気のエア圧によってエアブレーキ装置7を作動させて、制動力を得ることができる。こうして、運転者はブレーキペダル14を操作することなく、アクセルペダル13を緩めると、エンジンブレーキのような感覚で電動キャリヤ1を停止又は減速させることができる。
また、この電動キャリヤ1によれば、緊急時の停止又は減速において、運転者がブレーキペダル14を踏み込むため、圧縮空気がブレーキバルブ50を通って、ダブルチェックバルブ80に向かって流れる。このとき、運転者が直前にアクセルペダル13を緩めていた場合には、圧縮空気が電空変換器70を通って、ダブルチェックバルブ80に向かって流れる。しかし、この場合、エア圧が高い方の圧縮空気がダブルチェックバルブ80を通過するため、エア圧が高い方の圧縮空気をブレーキチャンバ60へ送り込むことができる。従って、緊急時の停止又は減速において、より強力な制動力を得ることができるようになっている。
以上、本発明に係る電動キャリヤ1について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
本実施形態では、電動キャリヤ1は2台のディーゼルエンジン8と発電機9とを搭載したものであるが、1台のディーゼルエンジン8と発電機9とを搭載したものであっても良い。また、エンジンの形式は、ディーゼルエンジンに限定されるものではなく、適宜変更可能である。
1 電動キャリヤ
5 車輪
6 走行モータ
7 エアブレーキ装置
8 ディーゼルエンジン
9 発電機
13 アクセルペダル
14 ブレーキペダル
20 コンプレッサ
30 メインタンク
40 ブレーキタンク
50 ブレーキバルブ
60 ブレーキチャンバ
70 電空変換器
80 ダブルチェックバルブ
90 制御コントローラ
Vout 制御信号
B 初期ブレーキ力
W 総重量
V 走行速度
K1 重量ゲイン定数
K2 速度ゲイン定数

Claims (3)

  1. エンジンにより駆動される発電機と、
    前記発電機から出力される電力により車輪を回転駆動させる走行モータと、
    前記車輪を制動するブレーキ装置と、
    コンプレッサによって生成された圧縮空気を貯留するブレーキタンクとを備えた電動キャリヤにおいて、
    前記ブレーキタンクと前記ブレーキ装置との間に少なくとも2系統の配管系統を有し、
    一の配管系統は、ブレーキ量入力手段によって開閉されるブレーキバルブと、そのブレーキバルブと前記ブレーキ装置との間にダブルチェックバルブとを備え、
    他の配管系統は、アクセル量入力手段を緩める動作に基づいて制御信号を生成する制御装置の出力に基づいて開閉される電空変換器を備えると共に、前記ダブルチェックバルブに接続され、
    前記ダブルチェックバルブは、前記2つの配管系統の内で圧力の高い配管系統に連通して前記ブレーキ装置に圧縮空気を供給することを特徴とする電動キャリヤ。
  2. 請求項1に記載された電動キャリヤにおいて、
    前記制御信号は、
    車両により予め設定される初期設定値と、
    車両の総重量に基づいて算出される重量加算値と、
    車両の走行速度に基づいて算出される速度加算値とによって決定されることを特徴とする電動キャリヤ。
  3. 請求項1又は請求項2に記載された電動キャリヤにおいて、
    前記アクセル量入力手段を緩める動作に基づいて前記ブレーキ装置を作動させるハーフブレーキを有効又は無効に切り替える選択手段を備えることを特徴とする電動キャリヤ。
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