JP2014014227A - 電源装置、マイクロ波処理装置、コンピュータプログラム及び制御方法 - Google Patents

電源装置、マイクロ波処理装置、コンピュータプログラム及び制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】所定の大きさの電圧をマイクロ波源に対して出力することができる電源装置の小型化及び低価格化を実現する。
【解決手段】電源装置40は、変換回路41と、スイッチング回路42と、平滑回路43と、トランス44と、スイッチングコントローラ45とを備えている。スイッチング回路42は、複数の第1の種類のスイッチと複数の第2の種類のスイッチとを含み、パルス状電圧を出力する。スイッチングコントローラ45は、トランス44に流れる電流の方向が周期的に入れ替わるように、第1及び第2の種類のスイッチの組み合わせを周期的に変更し、第2の種類の被選択スイッチを導通状態に切り替えたまま、第1の種類の被選択スイッチにおいて、導通状態と非導通状態とを繰り返し切り替えることによってパルス状電圧を生成する。
【選択図】図7

Description

本発明は、所定の大きさの電圧をマイクロ波源に対して出力することができる電源装置、この電源装置を備えたマイクロ波処理装置、この電源装置を制御するコンピュータプログラム及び制御方法に関する。
半導体デバイスの製造過程では、被処理基板である半導体ウエハに対して、成膜処理、エッチング処理、酸化拡散処理、改質処理、アニール処理等の種々の熱処理が施される。このような熱処理は、一般的には、加熱用のランプやヒータを備えた基板処理装置を用いて、半導体ウエハを加熱することによって行われる。
近年、半導体ウエハに対して熱処理を施す装置として、ランプやヒータの代わりにマイクロ波を使用する装置が知られている。マイクロ波処理装置では、半導体ウエハに対してマイクロ波を照射することによって、所定の処理が行われる。
また、特許文献1には、マイクロ波発生装置によりマイクロ波を発生させて、チャンバ内にマイクロ波を放射することにより、処理ガスをプラズマ化して所定のプラズマ処理を実行するマイクロ波プラズマ処理装置が記載されている。
特開2008−113473号公報
一般的に、マイクロ波を生成するマイクロ波源としては、マグネトロンが用いられる。マグネトロンには、マイクロ波を生成するための高電圧が供給される。この高電圧を供給する電源装置には、通常、インバータ回路が設けられている。インバータ回路としては、例えば、4つのスイッチで構成されるフルブリッジ(Hブリッジとも言う。)回路によって構成されたスイッチング回路が用いられる。マグネトロンに高電圧を供給する際には、スイッチング回路においてPWM(Pulse Width Modulation)制御が行われ、パルス状の電圧波形(以下、パルス状電圧とも言う。)が生成される。スイッチング回路の後段には、平滑回路とトランスが設けられており、パルス状電圧は、平滑回路において平滑化されて、トランスにおいて所定の大きさの電圧に昇圧される。
一般的なPWM制御では、対となる2つのスイッチのオン・オフを同期させながら繰り返し切り替えることによりパルス状電圧を生成する。この対となる2つのスイッチのうち、一方は、電源電圧(VDD)と平滑回路及びトランスとの間のオン・オフを切り替えるものであり、他方は、グランド(GND)と平滑回路及びトランスとの間のオン・オフを切り替えるものである。ここで、平滑回路が直列に接続された抵抗とキャパシタを含む場合、以下のような問題が発生する。
まず、対となる2つのスイッチが同時にオン状態に切り替わった場合、キャパシタの電源電圧側の電極には正の電荷が蓄積される。次に、対となる2つのスイッチが同時にオフ状態に切り替わった場合、トランスのコイルには、同一方向に電流を流し続けるような起電力が発生すると共に、キャパシタの電源電圧側の電極に蓄積された電荷が放出される。ここで、キャパシタが過放電すると、キャパシタのグランド側の電極には正の電荷が蓄積され、キャパシタの電源電圧側の電極には負の電荷が蓄積される。
このような状態で、次に、対となる2つのスイッチが同時にオン状態に切り替わった場合、電源電圧側のスイッチとキャパシタとの間の電位差は、電源電圧よりも大きくなり、最大で電源電圧の2倍程度の電位差になる。ここで、平滑回路の抵抗が、電源電圧側のスイッチとキャパシタとの間に存在すると、平滑回路の抵抗には、上記の電位差に起因して、大きな突入電流が流れることになる。そのため、従来は、突入電流に起因する発熱を抑制するために、平滑回路の抵抗及び電源装置にヒートシンクを設けたり、平滑回路の抵抗として、少なくとも電源電圧の2倍の電圧に耐える耐電圧特性を有する抵抗を用いたりする必要があった。これらは、電源装置の小型化や低価格化の妨げとなる。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、直列に接続された抵抗とキャパシタを有する平滑回路を備えた電源装置であって、小型化及び低価格化を実現することができる電源装置、マイクロ波処理装置、コンピュータプログラム及び制御方法を提供することにある。
本発明の電源装置は、変換回路と、スイッチング回路と、平滑回路と、トランスと、制御部とを備えている。変換回路は、交流を直流に変換し、直流電圧を出力する。スイッチング回路は、直流電圧に基づいて、所定の周期のパルス状電圧を出力する。平滑回路は、直列に接続された抵抗及びキャパシタを有し、パルス状電圧を平滑化する。トランスは、平滑回路において平滑化されたパルス状電圧に基づく電圧波形を所定の大きさの電圧に昇圧する。制御部は、スイッチング回路を制御する。
変換回路は、交流が入力される電源ポートと、第1の出力ポートと、グランドに電気的に接続された第2の出力ポートとを有し、第1の出力ポートと第2の出力ポートとの間に、第2の出力ポートにおける電位を基準電位とする直流電圧を発生させる。スイッチング回路、平滑回路及びトランスは、第1及び第2の出力ポートの後段に順に接続され、第1の出力ポートからトランスに至る第1の電気的経路と、トランスから第2の出力ポートに至る第2の電気的経路を構成する。
スイッチング回路は、その両端間における導通状態と非導通状態とが選択される複数のスイッチを有している。複数のスイッチは、第1の電気的経路の一部を構成する複数の第1の種類のスイッチと、第2の電気的経路の一部を構成する複数の第2の種類のスイッチとを含んでいる。抵抗及びキャパシタは、第1の電気的経路と第2の電気的経路との間に設けられている。
制御部は、
トランスに電流が流れるように、第1及び第2の種類のスイッチを選択すると共に、トランスに流れる電流の方向が、パルス状電圧の周期よりも長い周期で周期的に入れ替わるように、第1及び第2の種類のスイッチの組み合わせを周期的に変更し、
選択された第2の種類のスイッチである第2の種類の被選択スイッチを導通状態に切り替えたまま、選択された第1の種類のスイッチである第1の種類の被選択スイッチにおいて、導通状態と非導通状態とを繰り返し切り替えることによってパルス状電圧を生成する。
本発明の電源装置において、制御部は、第1の種類の被選択スイッチによって一連のパルス状電圧が生成される間、選択されなかった第1及び第2の種類のスイッチを非導通状態に切り替えたままにしてもよい。
また、本発明の電源装置において、制御部は、第1の種類の被選択スイッチが一連のパルス状電圧のうち最初のパルス状電圧を生成するために非導通状態から導通状態に切り替わるタイミングと同時、又はこのタイミングよりも前に、第2の種類の被選択スイッチを非導通状態から導通状態に切り替えてもよい。また、制御部は、第1の種類の被選択スイッチが一連のパルス状電圧のうち最後のパルス状電圧を生成して導通状態から非導通状態に切り替わった後に、第2の種類の被選択スイッチを導通状態から非導通状態に切り替えてもよい。
また、本発明の電源装置において、制御部は、第2の種類の被選択スイッチが導通状態から非導通状態に切り替わるタイミングよりも前であって、第1の種類の被選択スイッチが一連のパルス状電圧のうち最後のパルス状電圧を生成して導通状態から非導通状態に切り替わった後に、選択されなかった第2の種類のスイッチを、次の周期の第2の種類の被選択スイッチとして、非導通状態から導通状態に切り替えてもよい。
また、本発明の電源装置において、制御部は、一連のパルス状電圧が生成される間の、第1の種類の被選択スイッチにおける導通状態と非導通状態の比率を制御することにより、パルス状電圧のパルス幅を制御するPWM制御を行ってもよい。
また、本発明の電源装置において、複数のスイッチは、複数の第1の種類のスイッチとして第1及び第3のスイッチを含み、複数の第2の種類のスイッチとして第2及び第4のスイッチを含んでいてもよい。この場合、トランスに流れる電流の方向は、第1及び第4のスイッチの組み合わせと第2及び第3のスイッチの組み合わせにおいて互いに反対方向になってもよい。
また、この場合、第1のスイッチの一端と第3のスイッチの一端は、互いに電気的に接続され、且つ第1の出力ポートに電気的に接続され、第2のスイッチの一端と第4のスイッチの一端は、互いに電気的に接続され、且つ第2の出力ポートに電気的に接続され、第1のスイッチの他端と第2のスイッチの他端は、互いに電気的に接続され、第3のスイッチの他端と第4のスイッチの他端は、互いに電気的に接続されてもよい。また、平滑回路及びトランスは、第1のスイッチと第2のスイッチの接続点及び第3のスイッチと第4のスイッチの接続点の後段に順に接続されてもよい。
また、本発明の電源装置において、複数のスイッチは、それぞれ、スイッチング素子としてMOSFETを含んでいてもよい。
また、本発明の電源装置において、トランスは、所定の大きさに昇圧された電圧を、マイクロ波を生成するマイクロ波源に対して出力するものであってもよい。
本発明のマイクロ波処理装置は、本発明の電源装置と、被処理体を収容する処理容器と、マイクロ波導入装置とを備えている。マイクロ波導入装置は、被処理体を処理するためのマイクロ波を生成する少なくとも1つのマイクロ波源を有し、マイクロ波を処理容器に導入する。本発明の電源装置は、マイクロ波源の電源として用いられる。
本発明のコンピュータプログラムは、変換回路と、スイッチング回路と、平滑回路と、トランスとを備えた電源装置において、コンピュータにスイッチング回路を制御させるものである。この電源装置における変換回路、スイッチング回路、平滑回路及びトランスの構成は、本発明の電源装置における変換回路、スイッチング回路、平滑回路及びトランスの構成と同じである。
本発明のコンピュータプログラムは、コンピュータに、
トランスに電流が流れるように、第1及び第2の種類のスイッチを選択すると共に、トランスに流れる電流の方向が、パルス状電圧の周期よりも長い周期で周期的に入れ替わるように、第1及び第2の種類のスイッチの組み合わせを周期的に変更する手順と、
選択された第2の種類のスイッチである第2の種類の被選択スイッチを導通状態に切り替えたまま、選択された第1の種類のスイッチである第1の種類の被選択スイッチにおいて、導通状態と非導通状態とを繰り返し切り替えることによってパルス状電圧を生成する手順とを実行させる。
本発明の制御方法は、変換回路と、スイッチング回路と、平滑回路と、トランスとを備えた電源装置において、スイッチング回路を制御する方法である。この電源装置における変換回路、スイッチング回路、平滑回路及びトランスの構成は、本発明の電源装置における変換回路、スイッチング回路、平滑回路及びトランスの構成と同じである。
本発明の制御方法は、
トランスに電流が流れるように、第1及び第2の種類のスイッチを選択すると共に、トランスに流れる電流の方向が、パルス状電圧の周期よりも長い周期で周期的に入れ替わるように、第1及び第2の種類のスイッチの組み合わせを周期的に変更し、
選択された第2の種類のスイッチである第2の種類の被選択スイッチを導通状態に切り替えたまま、選択された第1の種類のスイッチである第1の種類の被選択スイッチにおいて、導通状態と非導通状態とを繰り返し切り替えることによってパルス状電圧を生成する。
本発明の電源装置、マイクロ波処理装置、コンピュータプログラム及び制御方法では、スイッチング回路の複数のスイッチは、第1の電気的経路の一部を構成する複数の第1の種類のスイッチと、第2の電気的経路の一部を構成する複数の第2の種類のスイッチとを含んでいる。本発明では、第2の種類の被選択スイッチを導通状態に切り替えたまま、第1の種類の被選択スイッチにおいて、導通状態と非導通状態とを繰り返し切り替えることによってパルス状電圧を生成する。これにより、第1の種類の被選択スイッチが非導通状態から導通状態に切り替わる際における、第1の種類の被選択スイッチと平滑回路のキャパシタとの間の電位差が小さくなる。その結果、本発明によれば、電源装置の小型化及び低価格化を実現することが可能になる。
本発明の一実施の形態に係るマイクロ波処理装置の概略の構成を示す断面図である。 本発明の一実施の形態に係る電源装置の概略の構成を示す説明図である。 本発明の一実施の形態に係る電源装置の回路構成の一例を示す回路図である。 図1に示した処理容器の天井部の上面を示す平面図である。 図1に示した制御部の構成を示す説明図である。 図3に示したスイッチング回路、平滑回路及びトランスを簡略化して示す回路図である。 本発明の一実施の形態に係る電源装置における複数のスイッチの動作を模式的に示す説明図である。 比較例の電源装置における複数のスイッチの動作を模式的に示す説明図である。
[マイクロ波処理装置]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。始めに、図1を参照して、本発明の一実施の形態に係るマイクロ波処理装置の概略の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係るマイクロ波処理装置の概略の構成を示す断面図である。本実施の形態に係るマイクロ波処理装置1は、連続する複数の動作を伴って、例えば半導体デバイス製造用の半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」と記す。)Wに対して、マイクロ波を照射して、成膜処理、改質処理、アニール処理等の所定の処理を施す装置である。
マイクロ波処理装置1は、被処理体であるウエハWを収容する処理容器2と、処理容器2内にマイクロ波を導入するマイクロ波導入装置3と、処理容器2内においてウエハWを支持する支持装置4と、処理容器2内にガスを供給するガス供給装置5と、処理容器2内を減圧排気する排気装置6と、これらマイクロ波処理装置1の各構成部を制御する制御部8とを備えている。なお、処理容器2内にガスを供給する手段としては、ガス供給装置5の代わりに、マイクロ波処理装置1の構成には含まれない外部のガス供給装置を使用してもよい。
<処理容器>
処理容器2は、例えば略円筒形状をなしている。処理容器2は、金属材料によって形成されている。処理容器2を形成する材料としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス等が用いられる。なお、処理容器2は、円筒形形状に限らず、例えば角筒形状をなしていてもよい。マイクロ波導入装置3は、処理容器2の上部に設けられ、処理容器2内に電磁波(マイクロ波)を導入する。マイクロ波導入装置3の構成については、後で詳しく説明する。
処理容器2は、板状の天井部11及び底部13と、天井部11と底部13とを連結する側壁部12と、天井部11を上下に貫通するように設けられた複数のマイクロ波導入ポート11aと、側壁部12に設けられた搬入出口12aと、底部13に設けられた排気口13aとを有している。搬入出口12aは、処理容器2に隣接する図示しない搬送室との間でウエハWの搬入出を行うためものである。処理容器2と図示しない搬送室との間には、ゲートバルブGが設けられている。ゲートバルブGは、搬入出口12aを開閉する機能を有し、閉状態で処理容器2を気密にシールすると共に、開状態で処理容器2と図示しない搬送室との間でウエハWの移送を可能にする。
<支持装置>
支持装置4は、処理容器2内に配置された板状且つ中空のリフト板15と、リフト板15の上面から上方に延びる管状の複数の支持ピン14と、リフト板15の下面から底部13を貫通して処理容器2の外部まで延びる管状のシャフト16とを有している。シャフト16は、処理容器2の外部において図示しないアクチュエータに固定されている。
複数の支持ピン14は、処理容器2内においてウエハWに当接してウエハWを支持するためのものである。複数の支持ピン14は、その上端部がウエハWの周方向に並ぶように配置されている。また、複数の支持ピン14、リフト板15及びシャフト16は、図示しないアクチュエータによってウエハWを上下に変位させることができるように構成されている。
また、複数の支持ピン14、リフト板15及びシャフト16は、排気装置6によってウエハWを複数の支持ピン14に吸着させることができるように構成されている。具体的には、複数の支持ピン14及びシャフト16は、それぞれリフト板15の内部空間に連通する管状の形状を有している。また、複数の支持ピン14の上端部には、ウエハWの裏面を吸引するための吸着孔が形成されている。
複数の支持ピン14及びリフト板15は、誘電体材料によって形成されている。複数の支持ピン14及びリフト板15を形成する材料としては、例えば、石英、セラミックス等を用いることができる。
<排気機構>
マイクロ波処理装置1は、更に、排気口13aと排気装置6とを接続する排気管17と、シャフト16と排気管17とを接続する排気管18と、排気管17の途中に設けられた圧力調整バルブ19と、排気管18の途中に設けられた開閉バルブ20及び圧力計21とを備えている。排気管18は、シャフト16の内部空間に連通するように、シャフト16に直接又は間接的に接続されている。圧力調整バルブ19は、排気口13aと、排気管17と排気管18の接続点との間に設けられている。
排気装置6は、ドライポンプ等の真空ポンプを有している。排気装置6の真空ポンプを作動させることにより、処理容器2の内部空間が減圧排気される。このとき、開閉バルブ20を開状態にすることにより、ウエハWの裏面を吸引して、ウエハWを複数の支持ピン14に吸着させて固定することができる。
<ガス導入機構>
マイクロ波処理装置1は、更に、処理容器2内においてウエハWが配置される予定の位置の下方に配置されたシャワーヘッド部22と、シャワーヘッド部22と側壁部12との間に配置された環状の整流板23と、シャワーヘッド部22とガス供給装置5とを接続する配管24と、ガス供給装置5に接続され、処理容器2内に処理ガスを導入する複数の配管25とを備えている。
シャワーヘッド部22は、ウエハWに対して比較的低温の処理が施される場合に、冷却ガスによってウエハWを冷却するためのものである。シャワーヘッド部22は、配管24に連通するガス通路22aと、ガス通路22aに連通し、ウエハWに向かって冷却ガスを噴出する複数のガス噴出孔22bとを有している。図1に示した例では、複数のガス噴出孔22bは、シャワーヘッド部22の上面側に形成されている。シャワーヘッド部22は、誘電率の小さい誘電体材料によって形成されている。シャワーヘッド部22の材料としては、例えば、石英、セラミックス等を用いることができる。なお、シャワーヘッド部22は、マイクロ波処理装置1における必須の構成要素ではなく、設けられていなくてもよい。
整流板23は、整流板23を上下に貫通するように設けられた複数の整流孔23aを有している。整流板23は、処理容器2内においてウエハWが配置される予定の領域の雰囲気を整流しながら排気口13aに向かって流すためのものである。
ガス供給装置5は、処理ガス又は冷却ガスとして、例えば、N、Ar、He、Ne、O、H等のガスを供給できるように構成されている。なお、マイクロ波処理装置1において成膜処理が行われる場合には、ガス供給装置5は、成膜原料ガスを処理容器2内に供給する。
図示しないが、マイクロ波処理装置1は、更に、配管24,25の途中に設けられたマスフローコントローラ及び開閉バルブを備えている。シャワーヘッド部22及び処理容器2内に供給されるガスの種類や、これらのガスの流量等は、マスフローコントローラ及び開閉バルブによって制御される。
<温度計測部>
マイクロ波処理装置1は、更に、ウエハWの表面温度を測定する複数の放射温度計26と、複数の放射温度計26に接続された温度計測部27とを備えている。なお、図1では、ウエハWの中央部の表面温度を測定する放射温度計26を除いて、複数の放射温度計26の図示を省略している。複数の放射温度計26は、その上端部がウエハWの裏面に接近するように、底部13からウエハWが配置される予定の位置に向かって延びている。
<マイクロ波攪拌機構>
マイクロ波処理装置1は、更に、処理容器2内においてウエハWが配置される予定の位置の上方に配置され、複数の羽根によって構成されたスターラファン91と、処理容器2の外部に設けられた回転モータ93と、天井部11を貫通してスターラファン91と回転モータ93とを接続する回転軸92とを備えている。スターラファン91は、回転することにより処理容器2内に導入されたマイクロ波を反射及び撹拌するためのものである。スターラファン91の羽根の数は、例えば4つである。スターラファン91は、スターラファン91に衝突したマイクロ波が熱に変換されたり吸収されたりしないように、誘電正接(tanδ)の小さな誘電材料によって形成されている。スターラファン91を形成する材料としては、例えば金属やチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等よりなる複合セラミックスや、クオーツ、サファイア等を用いることができる。なお、スターラファン91の配置は、図1に示した例に限られない。例えば、スターラファン91は、処理容器2内においてウエハWが配置される予定の位置の下方に配置されていてもよい。
<制御部>
マイクロ波処理装置1の各構成部は、それぞれ制御部8に接続されて、制御部8によって制御される。制御部8は、典型的にはコンピュータである。図5は、図1に示した制御部8の構成を示す説明図である。図5に示した例では、制御部8は、CPU(中央演算処理装置)を備えたプロセスコントローラ81と、このプロセスコントローラ81に接続されたユーザーインターフェース82及び記憶部83とを備えている。
プロセスコントローラ81は、マイクロ波処理装置1において、例えば温度、圧力、ガス流量、マイクロ波出力等のプロセス条件に関係する各構成部(例えば、マイクロ波導入装置3、支持装置4、ガス供給装置5、排気装置6、温度計測部27等)を統括して制御する制御手段である。
ユーザーインターフェース82は、工程管理者がマイクロ波処理装置1を管理するためにコマンドの入力操作等を行うキーボードやタッチパネル、マイクロ波処理装置1の稼働状況を可視化して表示するディスプレイ等を有している。
記憶部83には、マイクロ波処理装置1で実行される各種処理をプロセスコントローラ81の制御によって実現するための制御プログラム(ソフトウエア)や、処理条件データ等が記録されたレシピ等が保存されている。プロセスコントローラ81は、ユーザーインターフェース82からの指示等、必要に応じて、任意の制御プログラムやレシピを記憶部83から呼び出して実行する。これにより、プロセスコントローラ81による制御下で、マイクロ波処理装置1の処理容器2内において所望の処理が行われる。
上記の制御プログラム及びレシピは、例えば、CD−ROM、ハードディスク、フレキシブルディスク、フラッシュメモリ、DVD、ブルーレイディスク等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納された状態のものを利用することができる。また、上記のレシピは、他の装置から、例えば専用回線を介して随時伝送させてオンラインで利用することも可能である。
<マイクロ波導入装置>
次に、図1ないし図4を参照して、マイクロ波導入装置3の構成について詳しく説明する。図2は、本実施の形態に係る電源装置の概略の構成を示す説明図である。図3は、本実施の形態に係る電源装置の回路構成の一例を示す回路図である。図4は、図1に示した処理容器2の天井部11の上面を示す平面図である。図1に示したように、マイクロ波導入装置3は、マイクロ波を処理容器2に導入する複数のマイクロ波ユニット30と、複数のマイクロ波ユニット30に接続された電源装置40とを備えている。
(マイクロ波ユニット)
本実施の形態では、複数のマイクロ波ユニット30の構成は全て同一である。各マイクロ波ユニット30は、ウエハWを処理するためのマイクロ波を生成するマグネトロン31と、マグネトロン31において生成されたマイクロ波を処理容器2に伝送する導波管32と、マイクロ波導入ポート11aを塞ぐように天井部11に固定された透過窓33とを有している。マグネトロン31は、本発明における「マイクロ波源」に対応する。
図4に示したように、本実施の形態では、処理容器2は、天井部11において周方向に等間隔に配置された4つのマイクロ波導入ポート11aを有している。また、本実施の形態では、マイクロ波ユニット30の数は4つである。以下、4つのマイクロ波ユニット30のそれぞれのマグネトロン31を互いに区別して表す場合には、符号31A,31B,31C,31Dを付して表す。
マグネトロン31は、電源装置40によって供給される高電圧が印加される陽極及び陰極を有している。また、マグネトロン31としては、種々の周波数のマイクロ波を発振することができるものを用いることができる。マグネトロン31によって生成されるマイクロ波は、被処理体の処理毎に最適な周波数を選択し、例えばアニール処理においては、2.45GHz、5.8GHz等の高い周波数のマイクロ波であることが好ましく、5.8GHzのマイクロ波であることが特に好ましい。
導波管32は、断面が矩形且つ環状の角筒状の形状を有し、処理容器2の天井部11の上面から上方に延びている。マグネトロン31は、導波管32の上端部の近傍に接続されている。導波管32の下端部は、透過窓33の上面に接している。マグネトロン31において生成されたマイクロ波は、導波管32及び透過窓33を介して処理容器2内に導入される。
透過窓33は、誘電体材料によって形成されている。透過窓33の材料としては、例えば、石英、セラミックス等を用いることができる。
マイクロ波ユニット30は、更に、導波管32の途中に設けられたサーキュレータ34、検出器35及びチューナ36と、サーキュレータ34に接続されたダミーロード37とを有している。サーキュレータ34、検出器35及びチューナ36は、導波管32の上端部側からこの順に設けられている。サーキュレータ34及びダミーロード37は、処理容器2からの反射波を分離するアイソレータを構成する。すなわち、サーキュレータ34は、処理容器2からの反射波をダミーロード37に導き、ダミーロード37は、サーキュレータ34によって導かれた反射波を熱に変換する。
検出器35は、導波管32における処理容器2からの反射波を検出するためのものである。検出器35は、例えばインピーダンスモニタ、具体的には、導波管32における定在波の電界を検出する定在波モニタによって構成されている。また、検出器35は、進行波と反射波を検出することが可能な方向性結合器によって構成されていてもよい。
チューナ36は、マグネトロン31と処理容器2との間のインピーダンスを整合する機能を有している。チューナ36によるインピーダンス整合は、検出器35における反射波の検出結果に基づいて行われる。
(電源装置)
電源装置40は、マグネトロン31に対してマイクロ波を生成するための高電圧を供給する電源として用いられるものである。図2に示したように、電源装置40は、AC−DC変換回路(以下、単に「変換回路」と記す。)41と、スイッチング回路42と、平滑回路43と、トランス44と、スイッチングコントローラ45とを備えている。
変換回路41は、商用電源からの交流(例えば、三相200Vの交流)を整流して直流に変換し、直流電圧を出力する回路である。変換回路41は、商用電源からの交流が入力される電源ポート41aと、第1の出力ポート41bと、グランドに電気的に接続される第2の出力ポート41cとを有している。本実施の形態では、第2の出力ポート41cにおける電位を基準電位とする。変換回路41は、第1の出力ポート41bと第2の出力ポート41cとの間に直流電圧を発生させる。
スイッチング回路42、平滑回路43及びトランス44は、第1及び第2の出力ポート41b,41cの後段に順に接続され、第1の出力ポート41bからトランス44に至る第1の電気的経路と、トランス44から第2の出力ポート41cに至る第2の電気的経路を構成する。なお、電気的経路とは、電気的に接続された回路の構成要素及び配線によって構成された経路である。マグネトロン31は、トランス44の後段に接続される。第1及び第2の電気的経路については、後で詳しく説明する。
スイッチング回路42は、インバータ回路として用いられるものであり、変換回路41から出力された直流電圧に基づいて、所定の周期のパルス状の電圧波形(以下、パルス状電圧と言う。)を出力する回路である。スイッチング回路42は、その両端間における導通状態と非導通状態とが選択される複数のスイッチを有し、複数のスイッチは、第1の電気的経路の一部を構成する複数の第1の種類のスイッチと、第2の電気的経路の一部を構成する複数の第2の種類のスイッチとを含んでいる。本実施の形態では、スイッチングコントローラ45は、例えばCPU又はFPGA(プログラマブルゲートアレイ)を備えており、スイッチング回路42を制御するための信号(PWM(Pulse Width Modulation)信号を含む。)を生成する。スイッチング回路42では、スイッチングコントローラ45によるPWM制御が行われて、パルス幅が制御されたパルス状電圧が生成される。スイッチングコントローラ45は、本発明における「制御部」に対応する。パルス状電圧の生成方法については、後で詳しく説明する。
平滑回路43は、直列に接続された抵抗及びキャパシタを有している。平滑回路43の抵抗及びキャパシタは、第1の電気的経路と第2の電気的経路との間に設けられている。平滑回路43は、スイッチング回路42から出力されたパルス状電圧を平滑化する回路である。平滑回路43によって複数のパルス状電圧が平滑化されることにより、1つの連続した電圧波形が生成される。
トランス44は、平滑回路43において平滑化されたパルス状電圧に基づく電圧波形を所定の大きさの電圧に昇圧し、この昇圧された電圧を、マグネトロン31に対して出力する。
以下、図3を参照して、マイクロ波導入装置3が4つのマイクロ波ユニット30を備えている場合の電源装置40の構成の一例について説明する。この例では、電源装置40は、1つの変換回路41と、2つのスイッチング回路42A,42Bと、2つの平滑回路43A,43Bと、2つのトランス44A,44Bと、1つのスイッチングコントローラ45と、配線61,62とを備えている。
変換回路41は、電源ポート41aと第1及び第2の出力ポート41b,41cとの間に順に設けられた整流回路51、平滑回路52、パワーFET53及び平滑回路54を有している。整流回路51は、入力端と2つの出力端とを有している。整流回路51の入力端は、電源ポート41aに電気的に接続されている。配線61,62は、それぞれ、整流回路51の2つの出力端に電気的に接続されている。また、配線62は、グランドに電気的に接続されている。第1の出力ポート41bは、配線61上に設けられている。第2の出力ポート41cは、配線62上に設けられており、配線62によってグランドに電気的に接続される。なお、電源装置40は、配線61,62以外にも、回路の構成要素を接続する複数の配線を備えている。
平滑回路52は、配線61と配線62との間に設けられたキャパシタによって構成されている。パワーFET53は、力率改善のためのものであり、配線61上に設けられている。平滑回路54は、配線61上に設けられたコイルと、配線61と配線62との間に設けられたキャパシタによって構成されている。
スイッチング回路42Aは、複数の第1の種類のスイッチとして第1のスイッチ55及び第3のスイッチ57を含み、複数の第2の種類のスイッチとして第2のスイッチ56及び第4のスイッチ58を含んでいる。第1ないし第4のスイッチ55〜58は、以下のようなフルブリッジ(Hブリッジとも言う。)回路を構成している。第1のスイッチ55の一端と第3のスイッチ57の一端は、互いに電気的に接続され、且つ第1の出力ポート41bに電気的に接続されている。第2のスイッチ56の一端と第4のスイッチ58の一端は、互いに電気的に接続され、且つ第2の出力ポート41cに電気的に接続されている。第1のスイッチ55の他端と第2のスイッチ56の他端は、互いに電気的に接続されている。第3のスイッチ57の他端と第4のスイッチ58の他端は、互いに電気的に接続されている。
スイッチ55〜58は、それぞれ、スイッチング素子を含んでいる。スイッチング素子としては、効率の観点から電界効果型トランジスタ(FET)を用いることができる。本実施の形態では、スイッチ55〜58のスイッチング素子として、MOSFETを用いている。なお、MOSFETの代わりに、MOSFETに比べて高耐圧であり、高パワー用に適しているIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)を用いてもよい。スイッチ55〜58は、更に、スイッチング素子に対してそれぞれ並列に接続されたダイオード及び共振コンデンサを含んでいる。
平滑回路43A及びトランス44Aは、第1のスイッチ55と第2のスイッチ56の接続点及び第3のスイッチ57と第4のスイッチ58の接続点の後段に順に接続されている。平滑回路43Aは、直列に接続された抵抗R及びキャパシタCを有している。抵抗Rの一端は、第1のスイッチ55と第2のスイッチ56の接続点に電気的に接続されている。キャパシタCの一端は、第3のスイッチ57と第4のスイッチ58の接続点に電気的に接続されている。抵抗Rの他端とキャパシタCの他端は、互いに電気的に接続されている。
トランス44Aは、2つの入力端と2つの出力端とを有している。トランス44Aの2つの入力端の一方は、第1のスイッチ55と第2のスイッチ56の接続点に電気的に接続され、他方は、第3のスイッチ57と第4のスイッチ58の接続点に電気的に接続されている。
マグネトロン31A,31Bは、トランス44Aの出力端の後段に並列に接続されている。電源装置40は、更に、トランス44Aとマグネトロン31A,31Bとの間に設けられた4つのダイオードを備えている。これら4つのダイオードは、トランス44Aの2つの出力端のうち一方からマグネトロン31Aのみに電流が流れ、他方からマグネトロン31Bのみに電流が流れるように構成されている。
スイッチング回路42B、平滑回路43B及びトランス44Bの構成は、スイッチング回路42A、平滑回路43A及びトランス44Aの構成と同じである。マグネトロン31C,31Dは、トランス44Bの出力端の後段に並列に接続されている。電源装置40は、更に、トランス44Bとマグネトロン31C,31Dとの間に設けられた4つのダイオードを備えている。これら4つのダイオードは、トランス44Bの2つの出力端のうち一方からマグネトロン31Cのみに電流が流れ、他方からマグネトロン31Dのみに電流が流れるように構成されている。
[処理手順]
次に、ウエハWに対してアニール処理を施す場合を例に挙げて、マイクロ波処理装置1における処理の手順について説明する。まず、例えばユーザーインターフェース82から、マイクロ波処理装置1においてアニール処理を行うように、プロセスコントローラ81に指令が入力される。次に、プロセスコントローラ81は、この指令を受けて、記憶部83又はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に保存されたレシピを読み出す。次に、レシピに基づく条件によってアニール処理が実行されるように、プロセスコントローラ81からマイクロ波処理装置1の各エンドデバイス(例えば、マイクロ波導入装置3、支持装置4、ガス供給装置5、排気装置6等)に制御信号が送出される。
次に、ゲートバルブGが開状態にされて、図示しない搬送装置によって、ウエハWが、ゲートバルブG及び搬入出口12aを通って処理容器2内に搬入される。ウエハWは、支持ピン14の上に載置される。次に、ゲートバルブGが閉状態にされて、排気装置6によって、処理容器2内が減圧排気される。このとき、開閉バルブ20が開状態にされて、ウエハWの裏面が吸引されて、ウエハWが支持ピン14に吸着固定される。次に、ガス供給装置5によって、所定の流量の処理ガス及び冷却ガスが導入される。処理容器2の内部空間は、排気量及びガス供給量を調整することによって、所定の圧力に調整される。
次に、電源装置40からマグネトロン31に対して電圧を供給してマイクロ波を生成する。マグネトロン31において生成されたマイクロ波は、導波管32を伝搬し、次に、透過窓33を透過して、処理容器2内におけるウエハWの上方の空間に導入される。本実施の形態では、複数のマグネトロン31において同時に複数のマイクロ波を生成し、複数のマイクロ波を同時に処理容器2内に導入する。マイクロ波の生成方法については、後で詳しく説明する。
処理容器2に導入された複数のマイクロ波は、ウエハWの表面に照射されて、ジュール加熱、磁性加熱、誘導加熱等の電磁波加熱により、ウエハWが迅速に加熱される。その結果、ウエハWに対してアニール処理が施される。
プロセスコントローラ81からマイクロ波処理装置1の各エンドデバイスにプラズマ処理を終了させる制御信号が送出されると、マイクロ波の生成が停止されると共に、処理ガス及び冷却ガスの供給が停止されて、ウエハWに対するアニール処理が終了する。次に、ゲートバルブGが開状態にされて、図示しない搬送装置によって、ウエハWが搬出される。
<パルス状電圧の生成方法>
次に、図3及び図6を参照して、パルス状電圧の生成方法について説明する。図6は、図3に示したスイッチング回路42(42A,42B)、平滑回路43(43A,43B)及びトランス44(44A,44B)を簡略化して示す回路図である。図6において、符号63は、第1及び第2のスイッチ55,56の接続点とトランス44とを接続する配線を示し、符号64は、第3及び第4のスイッチ57,58の接続点とトランス44とを接続する配線を示している。
スイッチングコントローラ45は、トランス44に電流が流れるように、第1及び第2の種類のスイッチを選択すると共に、トランス44に流れる電流の方向が周期的に入れ替わるように、第1及び第2の種類のスイッチの組み合わせを周期的に変更する。図3及び図6に示した例では、スイッチング回路42(42A,42B)における第1及び第2の種類のスイッチの組み合わせとして、第1及び第4のスイッチ55,58の組み合わせと、第2及び第3のスイッチ56,57の組み合わせが選択される。
第1及び第4のスイッチ55,58の組み合わせでは、スイッチ55,58が導通状態に切り替わった場合、スイッチ55,56の接続点からトランス44(44A,44B)を経由してスイッチ57,58の接続点に向かう方向に電流が流れる。この場合、第1の出力ポート41bからトランス44に至る第1の電気的経路は、スイッチ55及び配線63によって構成され、トランス44から第2の出力ポート41cに至る第2の電気的経路は、配線64及びスイッチ58によって構成される。
第2及び第3のスイッチ56,57の組み合わせでは、スイッチ56,57が導通状態に切り替わった場合、スイッチ57,58の接続点からトランス44(44A,44B)を経由してスイッチ55,56の接続点に向かう方向に電流が流れる。この場合、第1の電気的経路は、スイッチ57及び配線64によって構成され、第2の電気的経路は、配線63及びスイッチ56によって構成される。
以下、図7を参照して、スイッチ55〜58の動作について説明する。図7は、電源装置40における複数のスイッチの動作を模式的に示す説明図である。図7において、(a)はスイッチ55の動作を示し、(b)はスイッチ56の動作を示し、(c)はスイッチ57の動作を示し、(d)はスイッチ58の動作を示している。また、図7において、「ON」はスイッチが導通状態であることを表し、「OFF」はスイッチが非導通状態であることを表している。なお、以下の説明では、スイッチ55〜58のスイッチング素子としてMOSFETが用いられているものとする。
まず、第1及び第4のスイッチ55,58の組み合わせが選択された場合の動作について説明する。この場合、第1のスイッチ55は、本発明における「第1の種類の被選択スイッチ」に対応し、第4のスイッチ58は、本発明における「第2の種類の被選択スイッチ」に対応する。スイッチングコントローラ45は、第2の種類の被選択スイッチであるスイッチ58を導通状態に切り替えたまま、第1の種類の被選択スイッチであるスイッチ55において、導通状態と非導通状態とを繰り返し切り替えることによって、パルス状電圧を生成する。具体的には、スイッチ58のスイッチング素子には、スイッチングコントローラ45からゲートドライブ信号が入力される。これにより、スイッチ58が導通状態に切り替わる(図7(d)参照)。また、スイッチ55のスイッチング素子には、スイッチングコントローラ45からゲートドライブ信号としてのPWM信号が入力される。これにより、スイッチ55において、導通状態と非導通状態とが繰り返し切り替わる(図7(a)参照)。その結果、所定の周期のパルス状電圧が生成される。パルス状電圧のパルス幅は、PWM信号によって導通状態と非導通状態の比率(デューティー比)を制御することによって制御される。
なお、パルス状電圧の周期、すなわち連続する2つのパルス状電圧が生成される間隔は、例えば100μ秒である。また、パルス状電圧のパルス幅は、例えばパルス状電圧の周期の10%〜75%の範囲内で制御される。また、スイッチ55が一連のパルス状電圧を生成する時間は、パルス状電圧の周期よりも十分に長く、例えば19.2m秒である。
スイッチ58が導通状態に切り替わるタイミングは、スイッチ55が一連のパルス状電圧のうち最初のパルス状電圧を生成するために非導通状態から導通状態に切り替わるタイミングと同時であってもよいし、このタイミングよりも前であってもよい。また、スイッチ58が非導通状態に切り替わるタイミングは、スイッチ55が一連のパルス状電圧のうち最後のパルス状電圧を生成して導通状態から非導通状態に切り替わった後であることが好ましい。例えば、パルス状電圧の周期が100μ秒の場合、スイッチ58が非導通状態に切り替わるタイミングは、スイッチ55が導通状態から非導通状態に切り替わるタイミングから100μ秒以上後であることが好ましい。なお、スイッチングコントローラ45は、スイッチ55によって一連のパルス状電圧が生成される間、スイッチ56,57を非導通状態に切り替えたままにする。
次に、第2及び第3のスイッチ56,57の組み合わせが選択された場合の動作について説明する。この場合、第2のスイッチ56は、本発明における「第2の種類の被選択スイッチ」に対応し、第3のスイッチ57は、本発明における「第1の種類の被選択スイッチ」に対応する。第2及び第3のスイッチ56,57の動作は、基本的には、上述の第1及び第4のスイッチ55,58の動作と同じである。すなわち、スイッチングコントローラ45は、第2の種類の被選択スイッチであるスイッチ56を導通状態に切り替えたまま、第1の種類の被選択スイッチであるスイッチ57において、導通状態と非導通状態とを繰り返し切り替えることによって、パルス状電圧を生成する。具体的には、スイッチ56のスイッチング素子には、スイッチングコントローラ45からゲートドライブ信号が入力される。これにより、スイッチ56が導通状態に切り替わる(図7(b)参照)。また、スイッチ57のスイッチング素子には、スイッチングコントローラ45からゲートドライブ信号としてのPWM信号が入力される。これにより、スイッチ57において、導通状態と非導通状態とが繰り返し切り替わる(図7(c)参照)。その結果、所定の周期のパルス状電圧が生成される。このパルス状電圧の周期及びパルス幅は、スイッチ55によって生成されるパルス状電圧の周期及びパルス幅と同じであってもよい。また、スイッチ57が一連のパルス状電圧を生成する時間は、スイッチ55が一連のパルス状電圧を生成する時間と同じであってもよい。
スイッチ57が、一連のパルス状電圧のうち最初のパルス状電圧を生成するために、非導通状態から導通状態に切り替わるタイミングは、スイッチ55,58がいずれも導通状態から非導通状態に切り替わった後である。スイッチ56が導通状態に切り替わるタイミングは、スイッチ57が最初のパルス状電圧を生成ために非導通状態から導通状態に切り替わるタイミングと同時であってもよいし、このタイミングよりも前であってもよい。また、スイッチ56が導通状態に切り替わるタイミングは、スイッチ58が導通状態から非導通状態に切り替わるタイミングよりも前であって、スイッチ55が一連のパルス状電圧のうち最後のパルス状電圧を生成して導通状態から非導通状態に切り替わった後であってもよい。
また、スイッチ56が非導通状態に切り替わるタイミングは、スイッチ57が一連のパルス状電圧のうち最後のパルス状電圧を生成して導通状態から非導通状態に切り替わった後であることが好ましい。例えば、パルス状電圧の周期が100μ秒の場合、スイッチ56が非導通状態に切り替わるタイミングは、スイッチ57が導通状態から非導通状態に切り替わるタイミングから100μ秒以上後であることが好ましい。なお、スイッチングコントローラ45は、スイッチ57によって一連のパルス状電圧が生成される間、スイッチ55,58を非導通状態に切り替えたままにする。
スイッチングコントローラ45は、上述のスイッチ55,58の組み合わせとスイッチ56,57の組み合わせを、パルス状電圧の周期よりも十分に長い周期で周期的に変更する。この周期は、スイッチ55,57が一連のパルス状電圧を生成する時間以上である。このように、スイッチングコントローラ45によってスイッチング回路42を制御することにより、トランス44に、平滑回路43によって平滑化された交流を流すことができる。この交流の波形は、例えば正弦波形である。
なお、上述のように生成されるパルス状電圧の波形(パルス幅)は、例えば、スイッチングコントローラ45によるPWM信号及びマグネトロン31によるマイクロ波の出力波形と関連付けされたテーブルの形式で制御部8の記憶部83に保存しておくことができる。このテーブルでは、マグネトロン31におけるマイクロ波の出力波形と、それを生成させるための上記パルス状電圧の波形と、この電圧波形をスイッチング回路42(42A,42B)において生成させるためのPWM信号とが、対応付けられて規定されている。そして、例えばユーザーインターフェース82からの指示に基づき、スイッチングコントローラ45は、上位の制御部であるプロセスコントローラ81と協働して、記憶部83に保存されたテーブルから、目的とするマイクロ波の出力波形に対応したパルス状の電圧波形が得られるように、PWM信号を送出する。
<マイクロ波の生成方法>
次に、図3を参照して、マグネトロン31(31A〜31D)においてマイクロ波を生成する方法について説明する。スイッチング回路42Aのスイッチ55によって一連のパルス状電圧が生成されると、トランス44Aから見たときに正方向の電圧波形が生成されると共に、スイッチング回路42Aのスイッチ55、トランス44A、スイッチング回路42Aのスイッチ58を順に経由する方向に電流が流れる。これにより、トランス44Aの二次側(出力端側)では、マグネトロン31Aを経由する方向に電流が発生する。また、トランス44Aによって、一次側(入力端側)の電圧は、二次側(出力端側)では所定の大きさに昇圧される。このようにして、マグネトロン31Aに対してマイクロ波を生成するための高電圧が供給されて、マグネトロン31Aにおいてマイクロ波が生成される。
また、スイッチング回路42Aのスイッチ57によって一連のパルス状電圧が生成されると、トランス44Aから見たときに負方向の電圧波形が生成されると共に、スイッチング回路42Aのスイッチ57、トランス44A、スイッチング回路42Aのスイッチ56を順に経由する方向に電流が流れる。これにより、トランス44Aの二次側(出力端側)では、マグネトロン31Bを経由する方向に電流が発生する。また、トランス44Aによって、一次側(入力端側)の電圧は、二次側(出力端側)では所定の大きさに昇圧される。このようにして、マグネトロン31Bに対してマイクロ波を生成するための高電圧が供給されて、マグネトロン31Bにおいてマイクロ波が生成される。
また、スイッチング回路42Bのスイッチ55によって一連のパルス状電圧が生成されると、トランス44Bから見たときに正方向の電圧波形が生成されると共に、スイッチング回路42Bのスイッチ55、トランス44B、スイッチング回路42Bのスイッチ58を順に経由する方向に電流が流れる。これにより、トランス44Bの二次側(出力端側)では、マグネトロン31Cを経由する方向に電流が発生する。また、トランス44Bによって、一次側(入力端側)の電圧は、二次側(出力端側)では所定の大きさに昇圧される。このようにして、マグネトロン31Cに対してマイクロ波を生成するための高電圧が供給されて、マグネトロン31Cにおいてマイクロ波が生成される。
また、スイッチング回路42Bのスイッチ57によって一連のパルス状電圧が生成されると、トランス44Bから見たときに負方向の電圧波形が生成されると共に、スイッチング回路42Bのスイッチ57、トランス44B、スイッチング回路42Bのスイッチ56を順に経由する方向に電流が流れる。これにより、トランス44Bの二次側(出力端側)では、マグネトロン31Dを経由する方向に電流が発生する。また、トランス44Bによって、一次側(入力端側)の電圧は、二次側(出力端側)では所定の大きさに昇圧される。このようにして、マグネトロン31Dに対してマイクロ波を生成するための高電圧が供給されて、マグネトロン31Dにおいてマイクロ波が生成される。
スイッチングコントローラ45は、例えば、マグネトロン31A〜31Dにおいて同時に2つマイクロ波が生成されて、2つのマイクロ波が同時に処理容器2に導入されるように、スイッチング回路42A,42Bを制御する。なお、スイッチングコントローラ45は、制御部8のプロセスコントローラ81によって制御される。
[効果]
次に、本実施の形態に係る電源装置40、マイクロ波処理装置1、電源装置40を制御するコンピュータプログラム及び制御方法の効果について、比較例の電源装置と比較しながら説明する。始めに、比較例の電源装置について説明する。比較例の電源装置の構成は、本実施の形態に係る電源装置40の構成と同じである。比較例の電源装置は、本実施の形態に係る電源装置40と同様に、変換回路41と、スイッチング回路42と、平滑回路43と、トランス44と、スイッチングコントローラ45とを備えている。スイッチング回路42は、第1のスイッチ55と、第2のスイッチ56と、第3のスイッチ57と、第4のスイッチ58とを有している。
比較例の電源装置では、パルス状電圧の生成方法が、本実施の形態と異なっている。以下、これについて、図8を参照して説明する。図8は、比較例の電源装置における複数のスイッチの動作を模式的に示す説明図である。図8において、(a)は比較例におけるスイッチ55の動作を示し、(b)は比較例におけるスイッチ56の動作を示し、(c)は比較例におけるスイッチ57の動作を示し、(d)は比較例におけるスイッチ58の動作を示している。また、図8において、「ON」はスイッチが導通状態であることを表し、「OFF」はスイッチが非導通状態であることを表している。
比較例の電源装置では、本実施の形態に係る電源装置40と同様に、スイッチング回路42における第1及び第2の種類のスイッチの組み合わせとして、第1及び第4のスイッチ55,58の組み合わせと、第2及び第3のスイッチ56,57の組み合わせが選択される。比較例では、スイッチ55,58の組み合わせが選択された場合、スイッチングコントローラ45は、スイッチ55,58の導通状態と非導通状態を同期させながら繰り返し切り替えることにより、パルス状電圧を生成する(図8(a)、(d)参照)。また、比較例では、スイッチ56,57の組み合わせが選択された場合、スイッチングコントローラ45は、スイッチ56,57の導通状態と非導通状態を同期させながら繰り返し切り替えることにより、パルス状電圧を生成する(図8(b)、(c)参照)。そして、スイッチングコントローラ45は、上述のスイッチ55,58の組み合わせとスイッチ56,57の組み合わせを、パルス状電圧の周期よりも十分に長い周期で周期的に変更する。
このように、比較例の電源装置では、対となる2つのスイッチの導通状態と非導通状態を同期させながら繰り返し切り替えることにより、パルス状電圧を生成する。これにより、比較例の電源装置では、以下のような問題が発生する。まず、対となる2つのスイッチが同時に導通状態に切り替わった場合、平滑回路43のキャパシタC(図3及び図6参照)の第1の出力ポート41b側の電極には正の電荷が蓄積される。次に、対となる2つのスイッチが同時に非導通状態に切り替わった場合、トランス44のコイルには、同一方向に電流を流し続けるような起電力が発生すると共に、キャパシタCの第1の出力ポート41b側の電極に蓄積された電荷が放出される。ここで、キャパシタCが過放電すると、キャパシタCの第2の出力ポート41c側の電極には正の電荷が蓄積され、キャパシタCの第1の出力ポート41b側の電極には負の電荷が蓄積される。
このような状態で、次に、対となる2つのスイッチが同時に導通状態に切り替わった場合、第1の出力ポート41bに電気的に接続されたスイッチ(スイッチ55又は57)とキャパシタCとの間の電位差は、変換回路41から出力される直流電圧よりも大きくなり、最大でこの直流電圧の2倍の電位差になる。また、第2の出力ポート41cに電気的に接続されたスイッチ(スイッチ56又は58)とキャパシタCとの間の電位差は、最大で変換回路41から出力される直流電圧に等しい電位差になる。そのため、平滑回路43の抵抗Rには、上記の電位差に起因して、大きな突入電流が流れることになる。そのため、比較例の電源装置では、突入電流に起因する発熱を抑制するために、平滑回路43の抵抗R及び電源装置40にヒートシンクを設けたり、平滑回路43の抵抗Rとして、少なくとも、変換回路41から出力される直流電圧の2倍の電圧に耐える耐電圧特性を有する抵抗を用いたりする必要があった。
これに対し、本実施の形態では、第2の種類の被選択スイッチ(スイッチ56,58)を導通状態に切り替えたまま、第1の種類の被選択スイッチ(スイッチ55,57)において、導通状態と非導通状態とを繰り返し切り替えることによってパルス状電圧を生成する。従って、一連のパルス状電圧が生成される間、キャパシタCの第2の出力ポート41c側の電極は、第2の種類の被選択スイッチを介してグランドと導通状態になる。そのため、キャパシタCが過放電した場合であっても、キャパシタCの第2の出力ポート41c側の電極には正の電荷が蓄積されず、キャパシタCの第1の出力ポート41b側の電極にも負の電荷が蓄積されない。従って、次に、第1の種類の被選択スイッチが導通状態に切り替わった場合、第1の種類の被選択スイッチとキャパシタCとの間の電位差は、最大でも変換回路41から出力される直流電圧に等しい電位差となる。
このように、本実施の形態によれば、比較例の電源装置に比べて、第1の種類の被選択スイッチとキャパシタCとの間の電位差を小さくすることができる。従って、本実施の形態によれば、比較例の電源装置に比べて、平滑回路43の抵抗Rに流れる突入電流の大きさを小さくすることができると共に、突入電流に起因する発熱を小さくすることができる。そのため、本実施の形態によれば、平滑回路43の抵抗R又は電源装置40に設けるヒートシンクを小型化したり、平滑回路43の抵抗Rとして耐電圧特性の低い安価な抵抗を用いたりすることができる。これにより、本実施の形態によれば、電源装置40の小型化及び低価格化を実現することが可能になる。
また、本実施の形態によれば、スイッチング素子に突入する突入電流も小さくなる。そのため、スイッチング素子として、定格電流が小さい安価なスイッチング素子を使用することができる。これによっても、電源装置40の低価格化を実現することが可能になる。
以下、本実施の形態におけるその他の効果について説明する。本実施の形態では、マイクロ波導入装置3は、複数のマグネトロン31と複数の導波管32とを有し、複数のマイクロ波を同時に処理容器2に導入することが可能である。本実施の形態によれば、各マグネトロン31の出力が、ウエハWに対して不足する場合であっても、複数のマイクロ波を同時に処理容器2に導入することにより、ウエハWに対して処理を行うことが可能になる。
また、本実施の形態では、マイクロ波は、ウエハWに照射されてウエハWを処理するためのものである。これにより、本実施の形態によれば、プラズマ処理に比べて、ウエハWに対して低温の加熱処理を行うことが可能である。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、本発明のマイクロ波処理装置は、半導体ウエハを被処理体とする場合に限らず、例えば太陽電池パネルの基板やフラットパネルディスプレイ用基板を被処理体とするマイクロ波処理装置にも適用できる。
また、実施の形態では、マグネトロン31A,31Bがトランス44Aに接続され、マグネトロン31C,31Dがトランス44Bに接続されている例について説明したが、マグネトロン31A〜31Dは、それぞれ別のトランスに接続されていてもよい。この場合、同時にマイクロ波を生成するマグネトロン31A〜31Dの組み合わせを任意に変更することが可能になる。
また、マイクロ波ユニット30の数(マグネトロン31の数)や、処理容器2に導入されるマイクロ波の数は、実施の形態で説明した数に限られない。
1…マイクロ波処理装置、2…処理容器、3…マイクロ波導入装置、4…支持装置、5…ガス供給装置、6…排気装置、8…制御部、30…マイクロ波ユニット、31…マグネトロン、32…導波管、33…透過窓、34…サーキュレータ、35…検出器、36…チューナ、37…ダミーロード、40…電源装置、41…AC−DC変換回路、42…スイッチング回路、43…平滑回路、44…トランス、45…スイッチングコントローラ、55…第1のスイッチ、56…第2のスイッチ、57…第3のスイッチ、58…第4のスイッチ、81…プロセスコントローラ、82…ユーザーインターフェース、83…記憶部、W…半導体ウエハ。

Claims (12)

  1. 交流を直流に変換し、直流電圧を出力する変換回路と、
    前記直流電圧に基づいて、所定の周期のパルス状電圧を出力するスイッチング回路と、
    直列に接続された抵抗及びキャパシタを有し、前記パルス状電圧を平滑化する平滑回路と、
    前記平滑回路において平滑化された前記パルス状電圧に基づく電圧波形を所定の大きさの電圧に昇圧するトランスと、
    前記スイッチング回路を制御する制御部とを備えた電源装置であって、
    前記変換回路は、交流が入力される電源ポートと、第1の出力ポートと、グランドに電気的に接続された第2の出力ポートとを有し、前記第1の出力ポートと前記第2の出力ポートとの間に、前記第2の出力ポートにおける電位を基準電位とする直流電圧を発生させ、
    前記スイッチング回路、平滑回路及びトランスは、前記第1及び第2の出力ポートの後段に順に接続され、前記第1の出力ポートから前記トランスに至る第1の電気的経路と、前記トランスから前記第2の出力ポートに至る第2の電気的経路を構成し、
    前記スイッチング回路は、その両端間における導通状態と非導通状態とが選択される複数のスイッチを有し、
    前記複数のスイッチは、前記第1の電気的経路の一部を構成する複数の第1の種類のスイッチと、前記第2の電気的経路の一部を構成する複数の第2の種類のスイッチとを含み、
    前記抵抗及びキャパシタは、前記第1の電気的経路と前記第2の電気的経路との間に設けられ、
    前記制御部は、
    前記トランスに電流が流れるように、前記第1及び第2の種類のスイッチを選択すると共に、前記トランスに流れる電流の方向が、前記パルス状電圧の周期よりも長い周期で周期的に入れ替わるように、前記第1及び第2の種類のスイッチの組み合わせを周期的に変更し、
    選択された前記第2の種類のスイッチである第2の種類の被選択スイッチを導通状態に切り替えたまま、選択された前記第1の種類のスイッチである第1の種類の被選択スイッチにおいて、導通状態と非導通状態とを繰り返し切り替えることによって前記パルス状電圧を生成することを特徴とする電源装置。
  2. 前記制御部は、前記第1の種類の被選択スイッチによって一連の前記パルス状電圧が生成される間、選択されなかった前記第1及び第2の種類のスイッチを非導通状態に切り替えたままにすることを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
  3. 前記制御部は、
    前記第1の種類の被選択スイッチが一連の前記パルス状電圧のうち最初の前記パルス状電圧を生成するために非導通状態から導通状態に切り替わるタイミングと同時、又はこのタイミングよりも前に、前記第2の種類の被選択スイッチを非導通状態から導通状態に切り替え、
    前記第1の種類の被選択スイッチが一連の前記パルス状電圧のうち最後の前記パルス状電圧を生成して導通状態から非導通状態に切り替わった後に、前記第2の種類の被選択スイッチを導通状態から非導通状態に切り替えることを特徴とする請求項1又は2に記載の電源装置。
  4. 前記制御部は、前記第2の種類の被選択スイッチが導通状態から非導通状態に切り替わるタイミングよりも前であって、前記第1の種類の被選択スイッチが一連の前記パルス状電圧のうち最後の前記パルス状電圧を生成して導通状態から非導通状態に切り替わった後に、選択されなかった前記第2の種類のスイッチを、次の周期の第2の種類の被選択スイッチとして、非導通状態から導通状態に切り替えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電源装置。
  5. 前記制御部は、一連の前記パルス状電圧が生成される間の、前記第1の種類の被選択スイッチにおける導通状態と非導通状態の比率を制御することにより、前記パルス状電圧のパルス幅を制御するPWM制御を行うことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電源装置。
  6. 前記複数のスイッチは、前記複数の第1の種類のスイッチとして第1及び第3のスイッチを含み、前記複数の第2の種類のスイッチとして第2及び第4のスイッチを含み、
    前記トランスに流れる電流の方向は、前記第1及び第4のスイッチの組み合わせと前記第2及び第3のスイッチの組み合わせにおいて互いに反対方向になることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の電源装置。
  7. 前記第1のスイッチの一端と前記第3のスイッチの一端は、互いに電気的に接続され、且つ前記第1の出力ポートに電気的に接続され、
    前記第2のスイッチの一端と前記第4のスイッチの一端は、互いに電気的に接続され、且つ前記第2の出力ポートに電気的に接続され、
    前記第1のスイッチの他端と前記第2のスイッチの他端は、互いに電気的に接続され、
    前記第3のスイッチの他端と前記第4のスイッチの他端は、互いに電気的に接続され、
    前記平滑回路及びトランスは、第1のスイッチと第2のスイッチの接続点及び第3のスイッチと第4のスイッチの接続点の後段に順に接続されることを特徴とする請求項6に記載の電源装置。
  8. 前記複数のスイッチは、それぞれ、スイッチング素子としてMOSFETを含むことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の電源装置。
  9. 前記トランスは、所定の大きさに昇圧された電圧を、マイクロ波を生成するマイクロ波源に対して出力するものであることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の電源装置。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の電源装置と、
    被処理体を収容する処理容器と、
    前記被処理体を処理するためのマイクロ波を生成する少なくとも1つのマイクロ波源を有し、マイクロ波を前記処理容器に導入するマイクロ波導入装置とを備え、
    前記電源装置は、前記マイクロ波源の電源として用いられることを特徴とするマイクロ波処理装置。
  11. 交流を直流に変換し、直流電圧を出力する変換回路と、
    前記直流電圧に基づいて、所定の周期のパルス状電圧を出力するスイッチング回路と、
    直列に接続された抵抗及びキャパシタを有し、前記パルス状電圧を平滑化する平滑回路と、
    前記平滑回路において平滑化された前記パルス状電圧に基づく電圧波形を所定の大きさの電圧に昇圧するトランスとを備えた電源装置であって、
    前記変換回路は、交流が入力される電源ポートと、第1の出力ポートと、グランドに電気的に接続された第2の出力ポートとを有し、前記第1の出力ポートと前記第2の出力ポートとの間に、前記第2の出力ポートにおける電位を基準電位とする直流電圧を発生させ、
    前記スイッチング回路、平滑回路及びトランスは、前記第1及び第2の出力ポートの後段に順に接続され、前記第1の出力ポートから前記トランスに至る第1の電気的経路と、前記トランスから前記第2の出力ポートに至る第2の電気的経路を構成し、
    前記スイッチング回路は、その両端間における導通状態と非導通状態とが選択される複数のスイッチを有し、
    前記複数のスイッチは、前記第1の電気的経路の一部を構成する複数の第1の種類のスイッチと、前記第2の電気的経路の一部を構成する複数の第2の種類のスイッチとを含み、
    前記抵抗及びキャパシタは、前記第1の電気的経路と前記第2の電気的経路との間に設けられた構成の、前記電源装置において、コンピュータに前記スイッチング回路を制御させるコンピュータプログラムであって、
    コンピュータに、
    前記トランスに電流が流れるように、前記第1及び第2の種類のスイッチを選択すると共に、前記トランスに流れる電流の方向が、前記パルス状電圧の周期よりも長い周期で周期的に入れ替わるように、前記第1及び第2の種類のスイッチの組み合わせを周期的に変更する手順と、
    選択された前記第2の種類のスイッチである第2の種類の被選択スイッチを導通状態に切り替えたまま、選択された前記第1の種類のスイッチである第1の種類の被選択スイッチにおいて、導通状態と非導通状態とを繰り返し切り替えることによって前記パルス状電圧を生成する手順とを実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
  12. 交流を直流に変換し、直流電圧を出力する変換回路と、
    前記直流電圧に基づいて、所定の周期のパルス状電圧を出力するスイッチング回路と、
    直列に接続された抵抗及びキャパシタを有し、前記パルス状電圧を平滑化する平滑回路と、
    前記平滑回路において平滑化された前記パルス状電圧に基づく電圧波形を所定の大きさの電圧に昇圧するトランスとを備えた電源装置であって、
    前記変換回路は、交流が入力される電源ポートと、第1の出力ポートと、グランドに電気的に接続された第2の出力ポートとを有し、前記第1の出力ポートと前記第2の出力ポートとの間に、前記第2の出力ポートにおける電位を基準電位とする直流電圧を発生させ、
    前記スイッチング回路、平滑回路及びトランスは、前記第1及び第2の出力ポートの後段に順に接続され、前記第1の出力ポートから前記トランスに至る第1の電気的経路と、前記トランスから前記第2の出力ポートに至る第2の電気的経路を構成し、
    前記スイッチング回路は、その両端間における導通状態と非導通状態とが選択される複数のスイッチを有し、
    前記複数のスイッチは、前記第1の電気的経路の一部を構成する複数の第1の種類のスイッチと、前記第2の電気的経路の一部を構成する複数の第2の種類のスイッチとを含み、
    前記抵抗及びキャパシタは、前記第1の電気的経路と前記第2の電気的経路との間に設けられた構成の、前記電源装置において、前記スイッチング回路を制御する方法であって、
    前記トランスに電流が流れるように、前記第1及び第2の種類のスイッチを選択すると共に、前記トランスに流れる電流の方向が、前記パルス状電圧の周期よりも長い周期で周期的に入れ替わるように、前記第1及び第2の種類のスイッチの組み合わせを周期的に変更し、
    選択された前記第2の種類のスイッチである第2の種類の被選択スイッチを導通状態に切り替えたまま、選択された前記第1の種類のスイッチである第1の種類の被選択スイッチにおいて、導通状態と非導通状態とを繰り返し切り替えることによって前記パルス状電圧を生成することを特徴とする制御方法。
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