JP2014013297A - 光学系、この光学系を有する撮像装置、及び、光学系の製造方法 - Google Patents

光学系、この光学系を有する撮像装置、及び、光学系の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】小型で、構成枚数が少なく、ゴーストやフレアをより低減させ、高性能で、収差の少ない光学系、撮像装置、及び、光学系の製造方法を提供する。
【解決手段】光学系OSは、正の屈折力を有する第1レンズ群Gaと、負の屈折力を有する第2レンズ群Gbと、第3レンズ群Gcと、正の屈折力を有する第4レンズ群Gdと、を有し、第2レンズ群Gbおよび第3レンズ群Gcにおける光学面のうち少なくとも1面に、ウェットプロセスを用いて形成された層を少なくとも1層含む反射防止膜が設けられ、第1レンズ群Gaは、少なくとも1枚の正レンズ成分Laを有し、第2レンズ群Gbは、少なくとも1枚の負レンズ成分Lb2を有し、第3レンズ群Gcは、物体側に凹面を向けた接合レンズLcを有し、第4レンズ群Gdは、接合正レンズLdを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学系、この光学系を有する撮像装置、及び、光学系の製造方法に関する。
従来、所謂変形ガウス型レンズは多数提案されている(例えば、特許文献1参照)。また近年、このような光学系に対しては、収差性能だけではなく、光学性能を損なう要因の一つであるゴーストやフレアに関する要求も厳しさを増しており、そのためレンズ面に施される反射防止膜にもより高い性能が要求され、要求に応えるべく多層膜設計技術や多層膜成膜技術も進歩を続けている(例えば、特許文献2参照)。
特開2009−251398号公報 特開2000−356704号公報
しかしながら、従来のガウス型レンズはコマ収差の補正が不十分で、特にサジタルコマ収差の改善は困難であった。それと同時に、このような光学系における光学面からは、ゴーストやフレアとなる反射光が発生しやすいという課題もあった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、小型で、構成枚数が少なく、ゴーストやフレアをより低減させ、高性能で、コマ収差、特にサジタルコマ収差、球面収差の少ない光学系、この光学系を有する撮像装置、及び、光学系の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明に係る光学系は、光軸に沿って物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群と、を有し、前記第2レンズ群および前記第3レンズ群における光学面のうち少なくとも1面に反射防止膜が設けられ、前記反射防止膜はウェットプロセスを用いて形成された層を少なくとも1層含んで形成され、第1レンズ群は、少なくとも1枚の正レンズ成分を有し、第2レンズ群は、少なくとも1枚の負レンズ成分を有し、第3レンズ群は、物体側に凹面を向けた負レンズと正レンズとの接合による接合レンズを有し、第4レンズ群は、少なくとも正レンズと負レンズと正レンズとが接合された接合正レンズを有し、以下の条件式を満足することを特徴とする。
0.01 < ((Ndp1+Ndp2)/2)−Ndn < 0.50
0.000 < Ncp−Ncn < 0.500
但し、
Ndp1:第4レンズ群中の接合正レンズの最も物体側の正レンズの媒質のd線に対する屈折率
Ndp2:第4レンズ群中の接合正レンズの最も像側の正レンズの媒質のd線に対する屈折率
Ndn:第4レンズ群中の接合正レンズの中央に位置する負レンズの媒質のd線に対する屈折率
Ncp:第3レンズ群中の接合レンズの正レンズの媒質のd線に対する屈折率
Ncn:第3レンズ群中の接合レンズの負レンズの媒質のd線に対する屈折率
このような光学系において、反射防止膜は多層膜であり、ウェットプロセスで形成された層は、多層膜を構成する層のうち最も表面側の層であることが好ましい。
また、このような光学系は、ウェットプロセスを用いて形成された層の屈折率をndとしたとき、この屈折率ndは1.30以下であることが好ましい。
また、このような光学系は、開口絞りを有し、反射防止膜が設けられた光学面は、開口絞りから見て凹形状のレンズ面であることが好ましい。
また、このような光学系において、開口絞りから見て凹形状のレンズ面は、物体側のレンズ面であることが好ましい。
また、このような光学系において、開口絞りから見て凹形状のレンズ面は、像面側のレンズ面であることが好ましい。
また、このような光学系は、以下の条件式を満足することが好ましい。
−1.0 < (rd2+rd1)/(rd2−rd1) < 2.0
但し、
rd1:第4レンズ群中の接合正レンズ中の中央の負レンズの物体側の面の曲率半径
rd2:第4レンズ群中の接合正レンズ中の中央の負レンズの像側の面の曲率半径
また、このような光学系は、以下の条件式を満足することが好ましい。
0.00 < (rc2−rc1)/(rc2+rc1) < 1.00
但し、
rc1:第3レンズ群中の接合レンズの最も物体側の面の曲率半径
rc2:第3レンズ群中の接合レンズの最も像側の面の曲率半径
また、このような光学系は、以下の条件式を満足することが好ましい。
0.10 < fd/f0 < 4.00
但し、
fd:第4レンズ群の焦点距離
f0:無限遠合焦時の全系の焦点距離
また、このような光学系は、以下の条件式を満足することが好ましい。
1.00 < fa/f0 < 10.0
但し、
fa:第1レンズ群の焦点距離
f0:無限遠合焦時の全系の焦点距離
また、このような光学系は、以下の条件式を満足することが好ましい。
0.30 < (−fb)/f0 < 30.00
但し、
fb:第2レンズ群の焦点距離
f0:無限遠合焦時の全系の焦点距離
また、このような光学系において、第3レンズ群は負の屈折力を有し、以下の条件式を満足することが好ましい。
0.3 < (−fc)/f0 < 30.0
但し、
fc:第3レンズ群の焦点距離
f0:無限遠合焦時の全系の焦点距離
また、このような光学系は、Fナンバーを決定する開口絞りを、第2レンズ群と第3レンズ群との間、または、第3レンズ群と第4レンズ群との間に有することが好ましい。
また、このような光学系において、第1レンズ群または第2レンズ群は、少なくとも1面の非球面を有することが好ましい。
また、このような光学系において、第4レンズ群は、少なくとも1面の非球面を有することが好ましい。
また、このような光学系において、第4レンズ群中の接合正レンズは、正レンズと負レンズと正レンズの3枚からなる接合正レンズであることが好ましい。
また、本発明に係る撮像装置は、上述の光学系のいずれかを有することを特徴とする。
また、本発明に係る光学系の製造方法は、光軸に沿って物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群と、を有し、第2レンズ群および第3レンズ群における光学面のうち少なくとも1面に反射防止膜が設けられ、この反射防止膜はウェットプロセスを用いて形成された層を少なくとも1層含んで形成する光学系の製造方法であって、第1レンズ群として、少なくとも1枚の正レンズ成分を配置し、第2レンズ群として、少なくとも1枚の負レンズ成分を配置し、第3レンズ群として、物体側に凹面を向けた負レンズと正レンズとの接合による接合レンズを配置し、第4レンズ群として、少なくとも正レンズと負レンズと正レンズとが接合された接合正レンズを配置し、以下の条件式を満足することを特徴とする。
0.01 < ((Ndp1+Ndp2)/2)−Ndn < 0.50
0.000 < Ncp−Ncn < 0.500
但し、
Ndp1:第4レンズ群中の接合正レンズの最も物体側の正レンズの媒質のd線に対する屈折率
Ndp2:第4レンズ群中の接合正レンズの最も像側の正レンズの媒質のd線に対する屈折率
Ndn:第4レンズ群中の接合正レンズの中央に位置する負レンズの媒質のd線に対する屈折率
Ncp:第3レンズ群中の接合レンズの正レンズの媒質のd線に対する屈折率
Ncn:第3レンズ群中の接合レンズの負レンズの媒質のd線に対する屈折率
本発明によれば、小型で、構成枚数が少なく、ゴーストやフレアをより低減させ、高性能で、コマ収差、特にサジタルコマ収差、球面収差の少ない光学系、この光学系を有する撮像装置、及び、光学系の製造方法を提供することができる。
第1実施例に係る光学系の無限遠合焦状態におけるレンズ構成を示す断面図である。 第1実施例に係る光学系の無限遠合焦状態における諸収差図である。 第1実施例に係る光学系のレンズ構成を示す断面図であって、入射した光線が第1番目の反射光発生面と第2番目の反射光発生面で反射する様子の一例を説明する図である。 第2実施例に係る光学系の無限遠合焦状態におけるレンズ構成を示す断面図である。 第2実施例に係る光学系の無限遠合焦状態における諸収差図である。 第3実施例に係る光学系の無限遠合焦状態におけるレンズ構成を示す断面図である。 第3実施例に係る光学系の無限遠合焦状態における諸収差図である。 第4実施例に係る光学系の無限遠合焦状態におけるレンズ構成を示す断面図である。 第4実施例に係る光学系の無限遠合焦状態における諸収差図である。 光学系を搭載する一眼レフカメラの断面図を示す。 光学系の製造方法を説明するためのフローチャートである。 反射防止膜の層構造の一例を示す説明図である。 反射防止膜の分光特性を示すグラフである。 変形例に係る反射防止膜の分光特性を示すグラフである。 変形例に係る反射防止膜の分光特性の入射角度依存性を示すグラフである。 従来技術で作成した反射防止膜の分光特性を示すグラフである。 従来技術で作成した反射防止膜の分光特性の入射角度依存性を示すグラフである。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態に係る光学系OSは、光軸に沿って物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群Gaと、負の屈折力を有する第2レンズ群Gbと、第3レンズ群Gcと、正の屈折力を有する第4レンズ群Gdと、を有して構成される。また、第1レンズ群Gaは、少なくとも1枚の正レンズ成分Laを有し、第2レンズ群Gbは、少なくとも1枚の負レンズ成分Lb2を有し、第3レンズ群Gcは物体側に凹面を向けた負レンズLcnと正レンズLcpとの接合による接合レンズLcを有し、第4レンズ群Gdは少なくとも正レンズLdp1と負レンズLdnと正レンズLdp2とが接合された接合正レンズLdを有する。なお、以降の説明において、「レンズ成分」とは、1枚の単レンズ(レンズ要素)、若しくは、2枚以上の単レンズ(レンズ要素)を接合した接合レンズを指すものとする。
本実施形態に係る光学系OSは、基本的に正負負正に代表される、所謂ガウス型、クセノター型等の光学系の欠点であるコマ収差、特にサジタルコマ収差を、色収差、像面湾曲及び非点収差を悪化させること無く、改善したものである。以下、このような光学系OSを構成するための条件について説明する。
本実施形態に係る光学系OSは、次の条件式(1)を満足することが望ましい。
0.01 < ((Ndp1+Ndp2)/2)−Ndn < 0.50 (1)
但し、
Ndp1:第4レンズ群Gd中の接合正レンズLdの最も物体側の正レンズLdp1の媒質のd線に対する屈折率
Ndp2:第4レンズ群Gd中の接合正レンズLdの最も像側の正レンズLdp2の媒質のd線に対する屈折率
Ndn:第4レンズ群Gd中の接合正レンズLdの中央に位置する負レンズLdnの媒質のd線に対する屈折率
条件式(1)は、第4レンズ群Gd中の、接合正レンズLdを構成する正レンズLdp1、負レンズLdn及び正レンズLdp2の媒質のd線(波長λ=587.6nm)における屈折率の差を規定する条件である。この式は2枚の正レンズの平均屈折率と負レンズの屈折率との差を求めるものである。この条件を外れた場合、ペッツバール和の最適値の設定が損なわれ、結果的に像面湾曲が悪化する。
この条件式(1)の上限値を上回る場合、屈折率差が著しく大きくなることを意味している。この場合でも、ペッツバール和が最適な値から悪化し、結果的に像面湾曲の補正が悪化し好ましくない。また、球面収差の補正能力も低下し、最適な色収差のための硝材の選択ができなくなり好ましくない。なお、条件式(1)の上限値を0.40に設定すると、より上述の諸収差の補正が有利になる。また、条件式(1)の上限値を0.35に設定すると、より上述の諸収差の補正が有利になる。また、条件式(1)の上限値を0.32に設定することによって、本願の効果を最大限に発揮できる。
また、条件式(1)の下限値を下回る場合、屈折率差が著しく小さくなり、ついには正レンズLdp1,Ldp2の屈折率より負レンズLdnの屈折率のほうが大きくなってしまう。この場合、正負の屈折率の高低が逆になり、ペッツバール和を小さく抑えることが困難になる。従って、ペッツバール和が最適な値から大きく逸脱し、結果的に像面湾曲の補正、及び、非点収差の補正が悪化し好ましくない。また、コマ収差の補正も悪化し好ましくない。なお、条件式(1)の下限値を0.05に設定すると、像面湾曲及び非点収差等の諸収差の補正に有利となる。また、条件式(1)の下限値を0.17に設定すると、像面湾曲及び非点収差等の諸収差の補正に有利となる。また、条件式(1)の下限値を0.23に設定することによって、本願の効果を最大限に発揮できる。
また、本実施形態に係る光学系OSは、第2レンズ群Gbおよび第3レンズ群Gcにおける光学面のうち少なくとも1面に反射防止膜が設けられ、この反射防止膜はウェットプロセスを用いて形成された層を少なくとも1層含んでいる。このように構成することで、本実施形態に係る光学系OSは、物体からの光が光学面で反射されて生じるゴーストやフレアをさらに低減することができ、高い結像性能を達成することができる。
また、本実施形態に係る光学系OSにおいて、反射防止膜は多層膜であり、ウェットプロセスで形成された層は、多層膜を構成する層のうち最も表面の層であることが好ましい。このようにすれば、空気との屈折率差を小さくすることができるため、光の反射をより小さくすることが可能になり、ゴーストやフレアをさらに低減させることができる。
また、本実施形態に係る光学系OSは、ウェットプロセスを用いて形成された層の屈折率をndとしたとき、この屈折率ndが1.30以下であることが好ましい。このようにすれば、空気との屈折率差を小さくすることができるため、光の反射をより小さくすることが可能になり、ゴーストやフレアをさらに低減させることができる。
また、本実施形態に係る光学系OSは、開口絞りSを有し、第2レンズ群Gb及び第3レンズ群Gcにおける光学面のうち反射防止膜が設けられた光学面は、開口絞りSから見て凹形状のレンズ面であることが好ましい。第2レンズ群Gb及び第3レンズ群Gcにおける光学面のうち開口絞りSから見て凹形状のレンズ面で反射光が発生し易いため、このようにすれば、ゴーストやフレアを効果的に低減させることができる。
また、本実施形態に係る光学系OSの第2レンズ群Gb及び第3レンズ群Gcにおいて反射防止膜が設けられた、開口絞りSから見て凹形状のレンズ面は、物体側のレンズ面であることが好ましい。第2レンズ群Gb及び第3レンズ群Gcにおける光学面のうち開口絞りSから見て凹形状のレンズ面で反射光が発生し易いため、このような光学面に反射防止膜を形成することでゴーストやフレアを効果的に低減させることができる。
また、本実施形態に係る光学系OSの第2レンズ群Gb及び第3レンズ群Gcにおいて反射防止膜が設けられた、開口絞りSから見て凹形状のレンズ面は、像面側のレンズ面であることが好ましい。第2レンズ群Gb及び第3レンズ群Gcにおける光学面のうち開口絞りSから見て凹形状のレンズ面で反射光が発生し易いため、このような光学面に反射防止膜を形成することでゴーストやフレアを効果的に低減させることができる。
また、本実施形態に係る光学系OSにおいて、反射防止膜は、ウェットプロセスに限らず、ドライプロセス等により形成しても良い。この際、反射防止膜は屈折率が1.30以下となる層を少なくとも1層含むようにすることが好ましい。反射防止膜が、屈折率が1.30以下となる層を少なくとも1層含むようにすることで、この反射防止膜をドライプロセス等で形成しても、ウェットプロセスを用いた場合と同様の効果を得ることができる。なおこのとき、屈折率が1.30以下になる層は、多層膜を構成する層のうち最も表面側の層であることが好ましい。
また、本実施形態に係る光学系OSは、次の条件式(2)を満足することが望ましい。
0.000 < Ncp−Ncn < 0.500 (2)
但し、
Ncp:第3レンズ群Gc中の接合レンズLcの正レンズLcpの媒質のd線に対する屈折率
Ncn:第3レンズ群Gc中の接合レンズLcの負レンズLcnの媒質のd線に対する屈折率
条件式(2)は、第3レンズ群Gc中の、物体側に凹面を向けた接合レンズLcを構成する正レンズLcp及び負レンズLcnの媒質のd線(波長λ=587.6nm)における屈折率の差を規定する条件である。この条件をはずれた場合も、ペッツバール和の最適値の設定が損なわれ、結果的に像面湾曲が悪化する。
この条件式(2)の上限値を上回る場合、屈折率差が著しく大きくなることを意味している。この場合でも、ペッツバール和が最適な値から悪化し、結果的に像面湾曲の補正が悪化し好ましくない。また、球面収差の補正能力も低下し、最適な色収差のための硝材の選択ができなくなり好ましくない。なお、条件式(2)の上限値を0.400に設定すると、より上述の諸収差の補正が有利になる。また、条件式(2)の上限値を0.300に設定すると、より上述の諸収差の補正が有利になる。また、条件式(2)の上限値を0.200に設定することによって、本願の効果を最大限に発揮できる。
また、条件式(2)の下限値を下回る場合、屈折率差が著しく小さくなり、ついには正レンズLcpの屈折率より負レンズLcnの屈折率のほうが大きくなってしまう。この場合、正負の屈折率の高低が逆になり、ペッツバール和を小さく抑えることが困難になる。従って、ペッツバール和が最適な値から大きく逸脱し、結果的に像面湾曲の補正、非点収差の補正が悪化し好ましくない。負レンズの曲率半径が強くなることによって、サジタルコマ収差も悪化し好ましくない。なお、条件式(2)の下限値を0.010に設定すると、像面湾曲及び非点収差等の諸収差の補正に有利となる。また、条件式(2)の下限値を0.030に設定すると、像面湾曲及び非点収差等の諸収差の補正に有利となる。また、条件式(2)の下限値を0.063に設定することによって、本願の効果を最大限に発揮できる。
また、本実施形態に係る光学系OSは、次の条件式(3)を満足することが望ましい。
−1.0 < (rd2+rd1)/(rd2−rd1) < 2.0 (3)
但し、
rd1:第4レンズ群Gd中の接合正レンズLd中の中央の負レンズLdnの物体側の面の曲率半径
rd2:第4レンズ群Gd中の接合正レンズLd中の中央の負レンズLdnの像側の面の曲率半径
条件式(3)は、第4レンズ群Gd中の3枚接合正レンズLdの中央に位置する負レンズLdnの形状因子を規定する条件である。この条件は球面収差とコマ収差の補正に大きく関わっている。この条件式(3)に設定されている値が−1を越えると両凹形状からはずれ、物体側に平面、さらには物体側に凸面を向けたメニスカス形状になる。また+1を超えた場合、像側に平面、さらには像側に凸面を向けたメニスカス形状になる。この負レンズLdnの最適な形状が良好にサジタルコマ収差、メリジオナルコマ収差、球面収差の良好な補正が可能になる。
条件式(3)の上限値を上回る場合、3枚接合正レンズLdの中央に位置する負レンズLdnの形状が、像面側に凸面を向けた強い負メニスカス形状になる。この場合、サジタルコマ収差、メリジオナルコマ収差も悪化し、結果的にペッツバール和も最適な値に保てなくなり、像面湾曲も悪化し好ましくない。なお、条件式(3)の上限値を1.5に設定すると、より上述の諸収差の補正が有利になる。また、条件式(3)の上限値を1.0に設定すると、より上述の諸収差の補正が有利になる。また、条件式(3)の上限値を0.8に設定することによって、本願の効果を最大限に発揮できる。
また、条件式(3)の下限値を下回る場合、3枚接合正レンズLdの中央に位置する負レンズLdnの形状が、物体側に平面を向けた平凹形状から負メニスカス形状になる。この場合、球面収差の補正、メリジオナルコマ収差、非点収差が悪化し好ましくない。なお、条件式(3)の下限値を−0.8に設定すると、上述の諸収差の補正に有利となる。また、条件式(3)の下限値を−0.7に設定すると、上述の諸収差の補正に有利となる。また、条件式(3)の下限値を−0.5に設定することによって、本願の効果を最大限に発揮できる。
なお、理想的には、第4レンズ群Gdに含まれる3枚接合正レンズLdの中央に位置する負レンズLdnは両凹形状の範囲内であることが好ましい。
また、本実施形態に係る光学系OSは、次の条件式(4)を満足することが望ましい。
0.00 < (rc2−rc1)/(rc2+rc1) < 1.00 (4)
但し、
rc1:第3レンズ群Gc中の接合レンズLcの最も物体側の面の曲率半径
rc2:第3レンズ群Gc中の接合レンズLcの最も像側の面の曲率半径
条件式(4)は、第3レンズ群Gc中の物体側に凹面を向けた接合レンズLcの全体での形状因子の逆数を規定する条件である。この条件は球面収差とサジタルコマ収差の補正に大きく関わっている。この条件式(4)に設定されている値が負(0を越え−1までの範囲)であると言うことは、物体側に凸面を向けた負メニスカス形状であることを示している。また、この条件式(4)に設定されている値が正(0を超え+1未満範囲)であると言うことは、像側に凸面を向けた負メニスカス形状であることを示し、さらに+1を越えると、像側に平面を向けた平凹形状を越えて、両凹形状の負レンズになることを意味する。
条件式(4)の上限値を上回る場合、接合レンズLcが負レンズの場合、像側に凸面を向けた負メニスカス形状から大きく形状を変え、平凹形状から両凹形状となる。その場合、球面収差、コマ収差の補正、非点収差が悪化し好ましくない。なお、条件式(4)の上限値を0.90に設定すると、より上述の諸収差の補正が有利になる。また、条件式(4)の上限値を0.85に設定すると、より上述の諸収差の補正が有利になる。また、条件式(4)の上限値を0.80に設定することによって、本願の効果を最大限に発揮できる。
また、条件式(4)の下限値を下回る場合、接合レンズLcが負レンズの場合、物体側に凸面を向けた負メニスカス形状に変化し、まったく逆の形状になることを意味する。その場合、球面収差はもとより、サジタルコマ収差、メリジオナルコマ収差の補正が悪化し好ましくない。なお、条件式(4)の下限値を0.10に設定すると、上述の諸収差の補正に有利となる。また、条件式(4)の下限値を0.30に設定すると、上述の諸収差の補正に有利となる。また、条件式(4)の下限値を0.36に設定することによって、本願の効果を最大限に発揮できる。
また、本実施形態に係る光学系OSは、次の条件式(5)を満足することが望ましい。
0.10 < fd/f0 < 4.00 (5)
但し、
fd:第4レンズ群Gdの焦点距離
f0:無限遠合焦時の全系の焦点距離
条件式(5)は、第4レンズ群Gdの焦点距離の大小、言い換えれば屈折力の大小を規定する条件である。
この条件式(5)の上限値を上回る場合、この第4レンズ群Gdの焦点距離が著しく長くなり、正の屈折力が弱くなることを意味している。この場合、サジタルコマ収差、像面湾曲、非点収差の補正が悪化し好ましくない。なお、条件式(5)の上限値を3.00に設定すると、より上述の諸収差の補正が有利になる。また、条件式(5)の上限値を2.00に設定すると、より上述の諸収差の補正が有利になる。また、条件式(5)の上限値を0.92に設定することによって、本願の効果を最大限に発揮できる。
また、条件式(5)の下限値を下回る場合、第4レンズ群Gdの焦点距離が著しく短くなり、正の屈折力が著しく強くなることを意味している。その場合、結果的に球面収差、サジタルコマ収差、メリジオナルコマ収差の補正が悪化し好ましくない。また偏芯に対する敏感度も増し好ましくない。なお、条件式(5)の下限値を0.20に設定すると、球面収差等の諸収差の補正に有利となる。また、条件式(5)の下限値を0.30に設定すると、球面収差等の諸収差の補正に有利となる。また、条件式(5)の下限値を0.40に設定することによって、本願の効果を最大限に発揮できる。
また、本実施形態に係る光学系OSは、次の条件式(6)を満足することが望ましい。
1.00 < fa/f0 < 10.0 (6)
但し、
fa:第1レンズ群Gaの焦点距離
f0:無限遠合焦時の全系の焦点距離
条件式(6)は前記第1レンズ群Gaの最適な焦点距離を規定する条件である。
この条件式(6)の上限値を上回る場合、正の屈折力が弱くなることを意味している。この場合、球面収差の補正が悪化し好ましくない。また、前玉径の増大をまねき好ましくない。なお、条件式(6)の上限値を8.00に設定すると、より上述の諸収差の補正が有利になる。また、条件式(6)の上限値を7.00に設定すると、より上述の諸収差の補正が有利になる。また、条件式(6)の上限値を5.00に設定することによって、本願の効果を最大限に発揮できる。
また、条件式(6)の下限値を下回る場合、正の屈折力が強くなることを意味している。その場合、結果的にコマ収差、球面収差、歪曲収差の補正が悪化し好ましくない。なお、条件式(6)の下限値を1.15に設定すると、球面収差等の諸収差の補正に有利となる。また、条件式(6)の下限値を1.20に設定すると、球面収差等の諸収差の補正に有利となる。また、条件式(6)の下限値を1.33に設定することによって、本願の効果を最大限に発揮できる。
また、本実施形態に係る光学系OSは、次の条件式(7)を満足することが望ましい。
0.30 < (−fb)/f0 < 30.00 (7)
但し、
fb:第2レンズ群Gbの焦点距離
f0:無限遠合焦時の全系の焦点距離
条件式(7)は第2レンズ群Gbの焦点距離を規定する条件である。
この条件式(7)の上限値を上回る場合、第2レンズ群Gbの負の屈折力が弱くなることを意味している。この場合、像面湾曲、非点収差の補正が悪化し好ましくない。なお、条件式(7)の上限値を20.00に設定すると、より上述の諸収差の補正が有利になる。また、条件式(7)の上限値を10.00に設定すると、より上述の諸収差の補正が有利になる。また、条件式(7)の上限値を8.00に設定することによって、本願の効果を最大限に発揮できる。
また、条件式(7)の下限値を下回る場合、前記第2レンズ群Gbの負の屈折力が強くなることを意味している。その場合、結果的にコマ収差、球面収差、歪曲収差の補正が悪化し好ましくない。なお、条件式(7)の下限値を1.00に設定すると、球面収差等の諸収差の補正に有利となる。また、条件式(7)の下限値を1.20に設定すると、球面収差等の諸収差の補正に有利となる。また、条件式(7)の下限値を1.35に設定することによって、本願の効果を最大限に発揮できる。
また、本実施形態に係る光学系OSは、第3レンズ群Gcが負の屈折力を有する場合、次の条件式(8)を満足することが望ましい。
0.3 < (−fc)/f0 < 30.0 (8)
但し、
fc:第3レンズ群Gcの焦点距離
f0:無限遠合焦時の全系の焦点距離
条件式(8)は第3レンズ群Gcの焦点距離を規定する条件である。
この条件式(8)の上限値を上回る場合、第3レンズ群Gcの負の屈折力が弱くなることを意味している。この場合、像面湾曲、非点収差の補正が悪化し好ましくない。なお、条件式(8)の上限値を20.0に設定すると、より上述の諸収差の補正が有利になる。また、条件式(8)の上限値を10.0に設定すると、より上述の諸収差の補正が有利になる。また、条件式(8)の上限値を5.0に設定することによって、本願の効果を最大限に発揮できる。
また、条件式(8)の下限値を下回る場合、第3レンズ群Gcの負の屈折力が強くなることを意味している。その場合、結果的にサジタルコマ収差、メリジオナルコマ収差、球面収差の補正が悪化し好ましくない。なお、条件式(8)の下限値を0.4に設定すると、球面収差等の諸収差の補正に有利となる。また、条件式(8)の下限値を0.5に設定すると、球面収差等の諸収差の補正に有利となる。また、条件式(8)の下限値を0.7に設定することによって、本願の効果を最大限に発揮できる。
また、本実施形態に係る光学系OSは、第2レンズ群Gbと第3レンズ群Gcとの間、または第3レンズ群Gcと第4レンズ群Gdとの間に、この光学系OSのFナンバーを決定する開口絞りSを有することが、倍率色収差、歪曲収差の良好な補正のために好ましい。
また、このような光学系OSにおいて、第1レンズ群Gaまたは第2レンズ群Gbに、少なくとも1面の非球面を有することが、下方コマ収差、サジタルコマ収差、球面収差の補正が良好になり好ましい。
また、このような光学系において、第4レンズ群Gdには、少なくとも1面の非球面を有することが、上方コマ収差、サジタルコマ収差、球面収差、歪曲収差等の補正を良好にするので好ましい。
なお、開口絞りSを挟んで前後に1面ずつの非球面を有することは、球面収差、サジタルコマ収差、メリジオナルコマ収差等の大口径に起因する収差を補正するのに有効である。
また、このような光学系OSにおいて、第4レンズ群Gd中の接合正レンズLdは、正負正の3枚接合レンズであることが、球面収差、サジタルコマ収差の補正に好ましい。
また、本実施形態に係る光学系OSにおいて、第1レンズ群Gaを構成する正レンズ成分La並びに、第2レンズ群Gb中の像側の負レンズ成分Lb2は、図1、図4、図6及び図8においては単レンズで構成されているが、2枚以上の単レンズを接合した接合レンズで構成しても良い。
図10に、上述の光学系OSを備える撮像装置として、一眼レフカメラ1(以後、単にカメラと記す)の略断面図を示す。このカメラ1において、不図示の物体(被写体)からの光は、撮影レンズ2(光学系OS)で集光されて、クイックリタ−ンミラ−3を介して焦点板4に結像される。そして、焦点板4に結像された光は、ペンタプリズム5中で複数回反射されて接眼レンズ6へと導かれる。これにより、撮影者は、物体(被写体)像を、接眼レンズ6を介して正立像として観察することができる。
また、撮影者によって不図示のレリ−ズボタンが押されると、クイックリタ−ンミラ−3が光路外へ退避し、撮影レンズ2で集光された不図示の物体(被写体)の光は撮像素子7上に被写体像を形成する。これにより、物体(被写体)からの光は、当該撮像素子7により撮像され、物体(被写体)画像として不図示のメモリに記録される。このようにして、撮影者は本カメラ1による物体(被写体)の撮影を行うことができる。なお、図10に記載のカメラ1は、撮影レンズ2を着脱可能に保持するものでも良く、撮影レンズ2と一体に成形されるものでも良い。また、カメラ1は、いわゆる一眼レフカメラでも良く、クイックリタ−ンミラ−等を有さないコンパクトカメラ若しくはミラ−レスの一眼レフカメラでも良い。
ここで、本カメラ1に撮影レンズ2として上述した光学系OSを搭載することにより、その特徴的なレンズ構成によって、ゴーストやフレアをより低減させ、球面収差、サジタルコマフレアー、像面湾曲、コマ収差の少ない大口径レンズを実現している。これにより本カメラ1は、ゴーストやフレアをより低減させ、球面収差、サジタルコマ収差、像面湾曲、メリジオナルコマ収差の少なく、大口径を有し、広角撮影可能な撮像装置を実現することができる。
また、以下に記載の内容は、光学性能を損なわない範囲で適宜採用可能である
本実施形態では、4群構成の光学系OSを示したが、以上の構成条件等は、5群、6群等の他の群構成にも適用可能である。また、最も物体側にレンズまたはレンズ群を追加した構成や、最も像側にレンズまたは前群後群間等にレンズ群を追加した構成、若しくは各レンズ群の間にレンズ群を追加した構成でも構わない。
また、本実施形態では全体(全群)繰り出しによって無限遠物体から近距離物体に対して合焦するが、単独または複数のレンズ群、または部分レンズ群を光軸方向に移動させて、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う合焦レンズ群としても良い。すなわち、第1レンズ群Ga等を用いる方式や第3レンズ群Gc、第4レンズ群Gdを用いたリヤフォーカスでも良い。この場合、前記合焦レンズ群はオートフォーカスにも適用でき、オートフォーカス用の(超音波モーター等を用いた)モーター駆動にも適している。
また、レンズ群または部分レンズ群を光軸に垂直な方向の成分を持つように移動させ、または、光軸を含む面内方向に回転移動(揺動)させて、手ぶれによって生じる像ぶれを補正する防振レンズ群としても良い。特に、第3レンズ群Gc、第4レンズ群Gdの少なくとも一枚を防振レンズ群とするのが好ましい。
また、レンズ面は、球面または平面で形成されても、非球面で形成されても構わない。レンズ面が球面または平面の場合、レンズ加工及び組立調整が容易になり、加工及び組立調整の誤差による光学性能の劣化を妨げるので好ましい。また、光軸方向に像面がずれた場合でも描写性能の劣化が少ないので好ましい。レンズ面が非球面の場合、非球面は、研削加工による非球面、ガラスを型で非球面形状に形成したガラスモ−ルド非球面、ガラスの表面に樹脂を非球面形状に形成した複合型非球面のいずれの非球面でも構わない。また、レンズ面は回折面としても良く、レンズを屈折率分布型レンズ(GRINレンズ)あるいはプラスチックレンズとしても良い。
また、開口絞りSは光学系OSの中央近傍に配置されるのが好ましいが、開口絞りとしての部材を設けずに、レンズの枠でその役割を代用しても良い。
さらに、各レンズ面には、フレアやゴ−ストを軽減し高コントラストの高い光学性能を達成するために、広い波長域で高い透過率を有する反射防止膜を施しても良い。
以下、本実施形態に係る光学系OSの製造方法の概略を、図11を参照して説明する。この光学系OSの製造方法は、光軸に沿って物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群Gaと、負の屈折力を有する第2レンズ群Gbと、第3レンズ群Gcと、正の屈折力を有する第4レンズ群Gdと、を配置する。そして、第2レンズ群Gbおよび第3レンズ群Gcにおける光学面のうち少なくとも1面に反射防止膜が設けられ、反射防止膜はウェットプロセスを用いて形成された層を少なくとも1層含んでいる。
具体的には、第1レンズ群Gaとして、少なくとも1枚の正レンズ成分Laを配置し(ステップS100)、第2レンズ群Gbとして、少なくとも1枚の負レンズ成分Lb2を配置し(ステップS200)、第3レンズ群Gcとして、物体側に凹面を向けた負レンズLcnと正レンズLcpとの接合による接合レンズLcを配置し(ステップS300)、第4レンズ群Gdとして、少なくとも正レンズLdp1と負レンズLdnと正レンズLdp2とが接合された接合正レンズLdを配置する(ステップS400)。このとき、各群は、上述の条件式(1)及び条件式(2)を満足する。
以上説明したように、本実施形態に係る光学系OSによれば、カメラ等の撮像装置、印刷用レンズ、複写用レンズに好適な、小型で高性能なレンズ、およびそれを用いた撮像装置を提供することができる。
以下、光学系OSの実施例を、図面に基づいて説明する。なお、図1、図4、図6及び図8は、各実施例に係る光学系OS(OS1〜OS4)の構成を示している。
各実施例において、非球面は、光軸に垂直な方向の高さをyとし、高さyにおける各非球面の頂点の接平面から各非球面までの光軸に沿った距離(サグ量)をS(y)とし、基準球面の曲率半径(近軸曲率半径)をrとし、円錐定数をκとし、n次の非球面係数をAnとしたとき、以下の式(a)で表される。なお、以降の実施例において、「E−n」は「×10-n」を示す。
S(y)=(y2/r)/[1+{1−κ(y2/r2)}1/2
+A4×y4+A6×y6+A8×y8+A10×y10
+A12×y12+A14×y14 (a)
なお、各実施例において、2次の非球面係数A2は0である。また、各実施例の表中において、非球面には面番号の左側に*を付している。
[第1実施例]
図1は、第1実施例に係る光学系OS1のレンズ構成を示す断面図である。
この光学系OS1は、光軸に沿って物体側から順に、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズ(正レンズ成分)Laよりなる第1レンズ群Gaと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズLb1pと物体側に凸面を向け、像側に非球面を有した負メニスカスレンズLb1nとの接合による接合正レンズLb1、及び、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズ(負レンズ成分)Lb2よりなり、全体で負の屈折力を有する第2レンズ群Gbと、開口絞りSと、両凹形状の負レンズLcnと両凸形状の正レンズLcpとが接合された接合負レンズLcからなる第3レンズ群Gcと、両凸形状の正レンズLdp1と両凹形状の負レンズLdnと像側の面に非球面を有する両凸形状の正レンズLdp2との3枚接合によりなる接合正レンズLdを有する第4レンズ群Gdと、から構成される。
本第1実施例に係る光学系OS1は、第2レンズ群Gbの負メニスカスレンズLb1nの像面側レンズ面(面番号5)と、第2レンズ群Gbの負メニスカスレンズLb2の物体側レンズ面(面番号6)に、後述する反射防止膜が形成されている。
なお、この光学系OS1の第4レンズ群Gdと像面との間には、オプティカル・ローパス・フィルター相当のダミーガラスFLが配置されている。
以下の表1に、本第1実施例に係る光学系OS1の諸元の値を掲げる。この表1の全体諸元において、fは焦点距離、FNOはFナンバー、ωは半画角(単位:度)、Yは像高、TLは光学系OS1の全長、及び、Bfはバックフォーカスをそれぞれ表している。なお、全長TLは、この光学系OS1の最も物体側のレンズ面(第1面)から像面までの光軸上の距離を示し、空気換算バックフォーカスBfは、ダミーガラスFLを取り除いたときの、この光学系OS1の最も像側のレンズ面(第15面)から像面までの光軸上の距離を表している。また、レンズデータにおいて、第1欄mは、光線の進行する方向に沿った物体側からの光学面の順序(面番号)を、第2欄rは、各光学面の曲率半径を、第3欄dは、各光学面から次の光学面までの光軸上の距離(面間隔)を、第4欄νd及び第5欄ndは、それぞれd線(波長λ=587.6nm)に対するアッべ数及び屈折率を示している。なお、この表1に示す面番号1〜17は、図1に示す番号1〜17に対応している。また、物面及び像面の曲率半径「∞」、曲率半径0.0000は平面を示す。また、空気の屈折率1.00000は省略してある。また、最終面(第17面)の面間隔は、像面までの光軸上の距離である。また、レンズ群焦点距離は、各レンズ群が開始する面番号(始面)および各レンズ群の焦点距離をそれぞれ示している。
ここで、以下の全ての諸元値において掲載されている焦点距離f、曲率半径r、面間隔d、その他長さの単位は一般に「mm」が使われるが、光学系は、比例拡大または比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、これに限られるものではない。また、これらの符号の説明及び諸元表の説明は以降の実施例においても同様である。
(表1)第1実施例
[全体諸元]
f = 58.0216
FNO= F1.450
ω = 20.82
Y = 21.6
TL = 93.67772
空気換算Bf = 38.71868

[レンズデータ]
m r d νd nd
(物面) ∞
1 51.7941 6.0000 49.53 1.744430
2 191.5939
3 39.9792 6.0000 52.34 1.755000
4 546.9494 1.5000 70.31 1.487490
* 5 42.1536 3.0776
6 153.1313 1.5000 31.16 1.688930
7 29.6376 7.0000
8 0.0000 7.0000 開口絞りS
9 -31.4836 1.7000 28.46 1.728250
10 29.5494 7.0000 40.77 1.883000
11 -215.6486 0.1000
12 91.3538 6.8000 40.66 1.883000
13 -38.7052 1.5000 48.78 1.531720
14 64.0255 5.0000 49.53 1.744430
*15 -83.7702 37.0000
16 0.0000 2.0000 64.12 1.516800
17 0.0000 0.4001
(像面) ∞

[レンズ群焦点距離]
レンズ群 始面 焦点距離
第1レンズ群 1 93.63734
第2レンズ群 3 -115.37445
第3レンズ群 9 -75.09440
第4レンズ群 12 33.97007
この第1実施例に係る光学系OS1において、第5面及び第15面の各レンズ面は非球面形状に形成されている。次の表2に、非球面データ、すなわち円錐定数κ及び各非球面定数A4〜A14の値を示す。
(表2)
κ A4 A6 A8 A10
第 5面 1.1611 1.40711E-06 -3.99157E-09 3.28658E-11 -3.91067E-14
A12 A14
-0.33074E-15 0.95281E-18

κ A4 A6 A8 A10
第15面 17.1429 9.22239E-06 5.47649E-09 1.42127E-11 1.99956E-14
A12 A14
-0.53856E-16 0.20086E-18
次の表3に、この第1実施例に係る光学系OS1に対する各条件式対応値を示す。但し、Ndp1は第4レンズ群Gd中の接合正レンズLdの最も物体側の正レンズLdp1の媒質のd線に対する屈折率を、Ndp2は第4レンズ群Gd中の接合正レンズLdの最も像側の正レンズLdp2の媒質のd線に対する屈折率を、Ndnは第4レンズ群Gd中の接合正レンズの中央に位置する負レンズLdnの媒質のd線に対する屈折率を、Ncpは第3レンズ群Gc中の接合レンズLc中の正レンズLcpの媒質のd線に対する屈折率を、Ncnは第3レンズ群Gc中の接合レンズLc中の負レンズLcnの媒質のd線に対する屈折率を、rd1は第4レンズ群Gd中の接合正レンズLd中の中央の負レンズLdnの物体側の面の曲率半径を、rd2は第4レンズ群Gd中の接合正レンズLd中の中央の負レンズLdnの像側の面の曲率半径を、rc1は第3レンズ群Gc中の接合レンズLc中の最も物体側の面の曲率半径を、rc2は第3レンズ群Gc中の接合レンズLc中の最も像側の面の曲率半径を、fdは第4レンズ群Gdの焦点距離を、f0は無限遠合焦時の全系の焦点距離を、faは第1レンズ群Gaの焦点距離を、fbは第2レンズ群Gbの焦点距離を、fcは第3レンズ群Gcの焦点距離をそれぞれ示す。これらの符号の説明は以降の実施例においても同様である。
(表3)
(1)((Ndp1+Ndp2)/2)−Ndn=0.2820
(2)Ncp−Ncn=0.1548
(3)(rd2+rd1)/(rd2−rd1)=0.2465
(4)(rc2−rc1)/(rc2+rc1)=0.7452
(5)fd/f0 =0.5855
(6)fa/f0 =1.6138
(7)(−fb)/f0=1.9885
(8)(−fc)/f0=1.2943
このように、第1実施例に係る光学系OS1は、上記条件式(1)〜(8)を全て満足している。
図2に、この第1実施例に係る光学系OS1の無限遠合焦状態における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差、及び、コマ収差の諸収差図を示す。各収差図において、FNOはFナンバーを、Yは像高を、ωは半画角[単位:度]を、それぞれ示している。また、各収差図において、dはd線(波長λ=587.6nm)、及び、gはg線(波長λ=435.8nm)に対する収差を表している。また、非点収差図において、実線はサジタル像面を示し、破線はメリジオナル像面を示している。また、コマ収差図は、各半画角ωにおいて、実線はd線及びg線に対するメリジオナルコマ収差を表し、原点より左側の破線はd線に対してメリジオナル方向に発生するサジタルコマ収差、原点より右側の破線はd線に対してサジタル方向に発生するサジタルコマ収差を表している。なお、この収差図の説明は以降の実施例においても同様である。この図2に示す各収差図から明らかなように、この第1実施例に係る光学系OS1では、球面収差、サジタルコマ収差、像面湾曲、非点収差、メリジオナルコマ収差を含め諸収差が良好に補正されており、高い光学性能を有していることが分かる。
図3において、物体側からの光線BMが図示のように光学系に入射すると、負メニスカスレンズLb2における物体側のレンズ面(第1番目の反射光発生面でありその面番号は6)で反射し、その反射光は負メニスカスレンズLb1nにおける像面側のレンズ面(第2番目の反射光発生面でありその面番号は5)で再度反射して像面Iに到達し、ゴーストやフレアを発生させてしまう。なお、第1番目の反射光発生面6は、開口絞りから見て凹形状のレンズ面、第2番目の反射光発生面5は開口絞りから見て凹形状のレンズ面である。このような面に、より広い波長範囲で広入射角に対応した反射防止膜を形成することで、ゴーストやフレアを効果的に低減させることができる。
[第2実施例]
図4は、第2実施例に係る光学系OS2のレンズ構成を示す断面図である。
この光学系OS2は、光軸に沿って物体側から順に、物体側に凸面を向け、物体側に非球面を有した正メニスカスレンズ(正レンズ成分)Laよりなる第1レンズ群Gaと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズLb1pと物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズLb1nとの接合による接合正レンズLb1、及び、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズ(負レンズ成分)Lb2よりなり、全体で負の屈折力を有する第2レンズ群Gbと、開口絞りSと、両凹形状の負レンズLcnと両凸形状の正レンズLcpとが接合された接合負レンズLcからなる第3レンズ群Gcと、両凸形状の正レンズLdp1と両凹形状の負レンズLdnと像側の面に非球面を有する両凸形状の正レンズLdp2との3枚接合によりなる接合正レンズLdを有する第4レンズ群Gdと、から構成される。
本第2実施例に係る光学系OS2は、第2レンズ群Gbの負メニスカスレンズLb2の物体側レンズ面(面番号6)と、第2レンズ群Gbの負メニスカスレンズLb2の像面側レンズ面(面番号7)に、後述する反射防止膜が形成されている。
以下の表4に、本第2実施例に係る光学系OS2の諸元の値を掲げる。なお、この表4に示す面番号1〜15は、図4に示す番号1〜15に対応している。
(表4)第2実施例
[全体諸元]
f = 58.0216
FNO= F1.450
ω = 20.86
Y = 21.6
TL = 92.20380
Bf = 38.70000

[レンズデータ]
m r d νd nd
(物面) ∞
* 1 52.8577 6.0000 49.53 1.744430
2 229.3475 0.1000
3 40.3738 6.0000 52.34 1.755000
4 354.9744 1.5000 70.31 1.487490
5 42.4134 4.1038
6 290.8467 1.5000 31.16 1.688930
7 31.6359 6.0000
8 0.0000 6.0000 開口絞りS
9 -30.7873 1.7000 28.46 1.728250
10 35.1427 7.0000 40.77 1.883000
11 -131.1407 0.1000
12 118.7661 6.0000 40.66 1.883000
13 -44.2318 1.5000 48.78 1.531720
14 44.2683 6.0000 49.53 1.744430
*15 -77.2943 38.7000
(像面) ∞

[レンズ群焦点距離]
レンズ群 始面 焦点距離
第1レンズ群 1 90.95005
第2レンズ群 3 -104.24131
第3レンズ群 9 -84.89588
第4レンズ群 12 35.19680
この第2実施例に係る光学系OS2において、第1面及び第15面の各レンズ面は非球面形状に形成されている。次の表5に、非球面データ、すなわち円錐定数κ及び各非球面定数A4〜A14の値を示す。
(表5)
κ A4 A6 A8 A10
第 1面 0.5721 1.10084E-07 6.21998E-10 -4.25694E-13 0.00000E+00
A12 A14
0.00000 0.00000

κ A4 A6 A8 A10
第15面 14.1597 8.65514E-06 4.15194E-09 1.25812E-11 1.22728E-14
A12 A14
0.00000 0.00000
次の表6に、この第2実施例に係る光学系OS2に対する各条件式対応値を示す。
(表6)
(1)((Ndp1+Ndp2)/2)−Ndn=0.2820
(2)Ncp−Ncn=0.1548
(3)(rd2+rd1)/(rd2−rd1)=0.0004124
(4)(rc2−rc1)/(rc2+rc1)=0.6197
(5)fd/f0 =0.6066
(6)fa/f0 =1.5675
(7)(−fb)/f0=1.7966
(8)(−fc)/f0=1.4632
このように、第2実施例に係る光学系OS2は、上記条件式(1)〜(8)を全て満足している。
図5に、この第2実施例に係る光学系OS2の無限遠合焦状態における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差、及び、コマ収差の諸収差図を示す。この図5に示す各収差図から明らかなように、この第2実施例に係る光学系OS2では、球面収差、サジタルコマ収差、像面湾曲、非点収差、メリジオナルコマ収差を含め諸収差が良好に補正されており、高い光学性能を有していることが分かる。
[第3実施例]
図6は、第3実施例に係る光学系OS3のレンズ構成を示す断面図である。
この光学系OS3は、光軸に沿って物体側から順に、物体側に凸面を向け、物体側の面に非球面を有した正メニスカスレンズ(正レンズ成分)Laよりなる第1レンズ群Gaと、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズLb1、及び、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズ(負レンズ成分)Lb2よりなり、全体で負の屈折力を有する第2レンズ群Gbと、開口絞りSと、両凹形状の負レンズLcnと両凸形状の正レンズLcpとが接合された接合負レンズLcからなる第3レンズ群Gcと、両凸形状の正レンズLdp1と両凹形状の負レンズLdnと像側の面に非球面を有する両凸形状の正レンズLdp2との3枚接合によりなる接合正レンズLdを有する第4レンズ群Gdと、から構成される。
本第3実施例に係る光学系OS3は、第2レンズ群Gbの負メニスカスレンズLb2の像面側レンズ面(面番号6)と、第3レンズ群Gcの両凹形状の負レンズLcnの物体側レンズ面(面番号8)に、後述する反射防止膜が形成されている。
以下の表7に、本第3実施例に係る光学系OS3の諸元の値を掲げる。なお、この表7に示す面番号1〜14は、図6に示す番号1〜14に対応している。
(表7)第3実施例
[全体諸元]
f = 58.0216
FNO= F1.440
ω = 20.87
Y = 21.6
TL = 93.82445
Bf = 38.69998

[レンズデータ]
m r d νd nd
(物面) ∞
* 1 54.7137 7.0000 49.53 1.744430
2 308.4327 0.1000
3 42.3272 9.4730 52.34 1.755000
4 55.7512 3.7515
5 205.5926 1.5000 32.19 1.672700
6 30.2418 6.0000
7 0.0000 6.0000 開口絞りS
8 -28.1625 1.7000 28.46 1.728250
9 36.4172 7.0000 40.77 1.883000
10 -87.6276 0.1000
11 147.1989 5.0000 40.66 1.883000
12 -43.9773 1.5000 48.78 1.531720
13 48.6565 6.0000 49.53 1.744430
*14 -68.4596 38.7000
(像面) ∞

[レンズ群焦点距離]
レンズ群 始面 焦点距離
第1レンズ群 1 88.30720
第2レンズ群 3 -91.08435
第3レンズ群 8 -96.49809
第4レンズ群 11 35.74226
この第3実施例に係る光学系OS3において、第1面及び第14面の各レンズ面は非球面形状に形成されている。次の表8に、非球面データ、すなわち円錐定数κ及び各非球面定数A4〜A14の値を示す。
(表8)
κ A4 A6 A8 A10
第 1面 0.6352 1.81344E-07 2.27541E-10 -6.87261E-14 8.40488E-17
A12 A14
0.00000 0.00000

κ A4 A6 A8 A10
第14面 10.2309 8.16757E-06 7.51032E-09 -1.01253E-11 4.97307E-14
A12 A14
0.00000 0.00000
次の表9に、この第3実施例に係る光学系OS3に対する各条件式対応値を示す。
(表9)
(1)((Ndp1+Ndp2)/2)−Ndn=0.2820
(2)Ncp−Ncn=0.1548
(3)(rd2+rd1)/(rd2−rd1)=0.05051
(4)(rc2−rc1)/(rc2+rc1)=0.5136
(5)fd/f0 =0.6160
(6)fa/f0 =1.5172
(7)(−fb)/f0=1.5698
(8)(−fc)/f0=1.6631
このように、第3実施例に係る光学系OS3は、上記条件式(1)〜(8)を全て満足している。
図7に、この第3実施例に係る光学系OS3の無限遠合焦状態における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差、及び、コマ収差の諸収差図を示す。この図7に示す各収差図から明らかなように、この第3実施例に係る光学系OS3では、球面収差、サジタルコマ収差、像面湾曲、非点収差、メリジオナルコマ収差を含め諸収差が良好に補正されており、高い光学性能を有していることが分かる。
[第4実施例]
図8は、第4実施例に係る光学系OS4のレンズ構成を示す断面図である。
この光学系OS4は、光軸に沿って物体側から順に、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズ(正レンズ成分)Laよりなる第1レンズ群Gaと、両凸形状の正レンズLb1pと像側に非球面を有した両凹形状の負レンズLb1nとの接合による接合正レンズLb1、及び、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズ(負レンズ成分)Lb2よりなり、全体で負の屈折力を有する第2レンズ群Gbと、開口絞りSと、両凹形状の負レンズLcnと両凸形状の正レンズLcpとが接合された接合負レンズLcからなる第3レンズ群Gcと、両凸形状の正レンズLdp1と両凹形状の負レンズLdnと像側の面に非球面を有する両凸形状の正レンズLdp2との3枚接合によりなる接合正レンズLdを有する第4レンズ群Gdと、から構成される。
本第4実施例に係る光学系OS4は、第2レンズ群Gbの両凹形状の負レンズLb1nの像面側レンズ面(面番号5)と、第2レンズ群Gbの負メニスカスレンズLb2の像面側レンズ面(面番号7)に、後述する反射防止膜が形成されている。
以下の表10に、本第4実施例に係る光学系OS4の諸元の値を掲げる。なお、この表10に示す面番号1〜15は、図8に示す番号1〜15に対応している。
(表10)第4実施例
[全体諸元]
f = 51.600
FNO= F1.450
ω = 23.15
Y = 21.6
TL = 87.0000
Bf = 39.0000

[レンズデータ]
m r d νd nd
(物面) ∞
1 51.9367 4.0000 49.53 1.744430
2 118.3912 0.1000
3 35.6219 6.5000 52.34 1.755000
4 -603.0226 1.3000 70.31 1.487490
* 5 27.7222 2.0000
6 42.6946 1.5000 30.13 1.698950
7 24.9009 6.0000
8 0.0000 5.5000 開口絞りS
9 -24.0074 1.5000 28.38 1.728250
10 25.5171 9.0000 40.66 1.883000
11 -58.7113 0.1000
12 1020.4761 4.0000 40.66 1.883000
13 -53.0354 1.5000 52.20 1.517420
14 179.3667 5.0000 49.53 1.744430
*15 -46.5050 39.0000
(像面) ∞

[レンズ群焦点距離]
レンズ群 始面 焦点距離
第1レンズ群 1 121.17989
第2レンズ群 3 -238.64960
第3レンズ群 9 -144.06235
第4レンズ群 12 40.91319
この第4実施例に係る光学系OS4において、第5面及び第15面の各レンズ面は非球面形状に形成されている。次の表11に、非球面データ、すなわち円錐定数κ及び各非球面定数A4〜A14の値を示す。
(表11)
κ A4 A6 A8 A10
第 5面 2.6344 -3.50171E-06 -3.30561E-08 1.23094E-10 -6.19348E-13
A12 A14
0.15186E-18 0.11305E-19

κ A4 A6 A8 A10
第15面 -17.4521 -1.78976E-05 7.31749E-08 -1.76238E-10 2.30364E-13
A12 A14
-0.18570E-17 0.12234E-19
次の表12に、この第4実施例に係る光学系OS4に対する各条件式対応値を示す。
(表12)
(1)((Ndp1+Ndp2)/2)−Ndn=0.2963
(2)Ncp−Ncn=0.1548
(3)(rd2+rd1)/(rd2−rd1)=0.5436
(4)(rc2−rc1)/(rc2+rc1)=0.4195
(5)fd/f0 =0.7929
(6)fa/f0 =2.3485
(7)(−fb)/f0=4.6250
(8)(−fc)/f0=2.7919
このように、第4実施例に係る光学系OS4は、上記条件式(1)〜(8)を全て満足している。
図9に、この第4実施例に係る光学系OS4の無限遠合焦状態における球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差、及び、コマ収差の諸収差図を示す。この図9に示す各収差図から明らかなように、この第4実施例に係る光学系OS4では、球面収差、サジタルコマ収差、像面湾曲、非点収差、メリジオナルコマ収差を含め諸収差が良好に補正されており、高い光学性能を有していることが分かる。
ここで、本願の光学系に用いられる反射防止膜(多層広帯域反射防止膜とも言う)について説明する。図12は、反射防止膜の膜構成の一例を示す図である。この反射防止膜101は7層からなり、レンズ等の光学部材102の光学面に形成される。第1層101aは真空蒸着法で蒸着された酸化アルミニウムで形成されている。また、この第1層101aの上に更に真空蒸着法で蒸着された酸化チタンと酸化ジルコニウムの混合物からなる第2層101bが形成される。さらに、この第2層101bの上に真空蒸着法で蒸着された酸化アルミニウムからなる第3層101cが形成され、この第3層101cの上に真空蒸着法で蒸着された酸化チタンと酸化ジルコニウムの混合物からなる第4層101dが形成される。またさらに、この第4層101dの上に真空蒸着法で蒸着された酸化アルミニウムからなる第5層101eが形成され、この第5層101eの上に真空蒸着法で蒸着された酸化チタンと酸化ジルコニウムの混合物からなる第6層101fが形成される。
そして、このようにして形成された第6層101fの上に、ウェットプロセスによりフッ化マグネシウムとシリカの混合物からなる第7層101gが形成されて本実施形態の反射防止膜101が形成される。第7層101gの形成には、ウェットプロセスの一種であるゾル−ゲル法を用いている。ゾル−ゲル法とは、原料を混合することにより得られたゾルを、加水分解・重縮合反応などにより流動性のないゲルとし、このゲルを加熱・分解して生成物を得る方法であり、光学薄膜の作製においては、光学部材の光学面上に光学薄膜材料ゾルを塗布し、乾燥固化によりゲル膜とすることで膜を生成することができる。なお、ウェットプロセスとして、ゾル−ゲル法に限らず、ゲル状態を経ないで固体膜を得る方法を用いるようにしてもよい。
このように、この反射防止膜101の第1層101a〜第6層101fまではドライプロセスである電子ビーム蒸着により形成され、最上層である第7層101gは、フッ酸/酢酸マグネシウム法で調製したゾル液を用いるウェットプロセスにより以下の手順で形成されている。まず、予めレンズ成膜面(上述の光学部材102の光学面)に真空蒸着装置を用いて第1層101aとなる酸化アルミニウム層、第2層101bとなる酸化チタン−酸化ジルコニウム混合層、第3層101cとなる酸化アルミニウム層、第4層101dとなる酸化チタン−酸化ジルコニウム混合層、第5層101eとなる酸化アルミニウム層、第6層101fとなる酸化チタン−酸化ジルコニウム混合層を順に形成する。そして、蒸着装置より光学部材102を取り出した後、フッ酸/酢酸マグネシウム法により調製したゾル液にシリコンアルコキシドを加えたものをスピンコート法により塗布することにより、第7層101gとなるフッ化マグネシウムとシリカの混合物からなる層を形成する。フッ酸/酢酸マグネシウム法によって調製される際の反応式を以下の式(b)に示す。
2HF+Mg(CH3COO)2→MgF2+2CH3COOH (b)
この成膜に用いたゾル液は、原料混合後、オートクレーブで140℃、24時間高温加圧熟成処理を施した後、成膜に用いられる。この光学部材102は、第7層101gの成膜終了後、大気中で160℃、1時間加熱処理して完成される。このようなゾル−ゲル法を用いることにより、大きさが数nmから数十nmの粒子が空隙を残して堆積することにより第7層101gが形成される。
このようにして形成された反射防止膜101を有する光学部材の光学的性能について図13に示す分光特性を用いて説明する。
本実施形態に係る反射防止膜を有する光学部材(レンズ)は、以下の表13に示す条件で形成されている。ここで表13は、基準波長をλとし、基板(光学部材)の屈折率が1.62、1.74及び1.85について反射防止膜101の各層101a(第1層)〜101g(第7層)の光学膜厚をそれぞれ求めたものである。なお、表13では、酸化アルミニウムをAl2O3、酸化チタンと酸化ジルコニウム混合物をZrO2+TiO2、フッ化マグネシウムとシリカの混合物をMgF2+SiO2とそれぞれ表している。
(表13)
物質 屈折率 光学膜厚 光学膜厚 光学膜厚
媒質 空気 1.00
第7層 MgF2+SiO2 1.26 0.268λ 0.271λ 0.269λ
第6層 ZrO2+TiO2 2.12 0.057λ 0.054λ 0.059λ
第5層 Al2O3 1.65 0.171λ 0.178λ 0.162λ
第4層 ZrO2+TiO2 2.12 0.127λ 0.13λ 0.158λ
第3層 Al2O3 1.65 0.122λ 0.107λ 0.08λ
第2層 ZrO2+TiO2 2.12 0.059λ 0.075λ 0.105λ
第1層 Al2O3 1.65 0.257λ 0.03λ 0.03λ
基板の屈折率 1.62 1.74 1.85
図13は、表13において基準波長λを550nmとして反射防止膜101の各層の光学膜厚を設計した光学部材に光線が垂直入射する時の分光特性を表している。
図13から、基準波長λを550nmで設計した反射防止膜101を有する光学部材は、光線の波長が420nm〜720nmの全域で反射率を0.2%以下に抑えられることが判る。また、表13において基準波長λをd線(波長587.6nm)として各光学膜厚を設計した反射防止膜101を有する光学部材でも、その分光特性にはほとんど影響せず、図13に示す基準波長λが550nmの場合とほぼ同等の分光特性を有する。
次に、本反射防止膜の変形例について説明する。この反射防止膜は5層からなり、表13と同様、以下の表14で示される条件で基準波長λに対する各層の光学膜厚が設計される。本変形例では、第5層の形成に前述のゾル−ゲル法を用いている。
(表14)
物質 屈折率 光学膜厚 光学膜厚
媒質 空気 1.00
第5層 MgF2+SiO2 1.26 0.275λ 0.269λ
第4層 ZrO2+TiO2 2.12 0.045λ 0.043λ
第3層 Al2O3 1.65 0.212λ 0.217λ
第2層 ZrO2+TiO2 2.12 0.077λ 0.066λ
第1層 Al2O3 1.65 0.288λ 0.290λ
基板の屈折率 1.46 1.52
図14は、表14において、基板の屈折率が1.52及び基準波長λを550nmとして各光学膜厚を設計した反射防止膜を有する光学部材に光線が垂直入射する時の分光特性を示している。図14から本変形例の反射防止膜は、光線の波長が420nm〜720nmの全域で反射率が0.2%以下に抑えられることがわかる。なお、表14において基準波長λをd線(波長587.6nm)として各光学膜厚を設計した反射防止膜を有する光学部材でも、その分光特性にはほとんど影響せず、図14に示す分光特性とほぼ同等の特性を有する。
図15は、図14に示す分光特性を有する光学部材への光線の入射角が30度、45度、60度の場合の分光特性をそれぞれ示す。なお、図15、図14には表14に示す基板の屈折率が1.46の反射防止膜を有する光学部材の分光特性が図示されていないが、基板の屈折率が1.52とほぼ同等の分光特性を有していることは言うまでもない。
また比較のため、図16に、従来の真空蒸着法などのドライプロセスのみで成膜した反射防止膜の一例を示す。図16は、表14と同じ基板の屈折率1.52に以下の表15で示される条件で構成される反射防止膜を設計した光学部材に光線が垂直入射する時の分光特性を示す。また、図17は、図16に示す分光特性を有する光学部材への光線の入射角が30度、45度、60度の場合の分光特性をそれぞれ示す。
(表15)
物質 屈折率 光学膜厚
媒質 空気 1.00
第7層 MgF2 1.39 0.243λ
第6層 ZrO2+TiO2 2.12 0.119λ
第5層 Al2O3 1.65 0.057λ
第4層 ZrO2+TiO2 2.12 0.220λ
第3層 Al2O3 1.65 0.064λ
第2層 ZrO2+TiO2 2.12 0.057λ
第1層 Al2O3 1.65 0.193λ
基板の屈折率 1.52
図13〜図15で示される本実施形態に係る反射防止膜を有する光学部材の分光特性を、図16および図17で示される従来例の分光特性と比較すると、本実施形態に係る反射防止膜はいずれの入射角においてもより低い反射率を有し、しかもより広い帯域で低い反射率を有することが良くわかる。
なお、本反射防止膜は、平行平面の光学面に設けて光学素子として利用することも可能であるし、曲面状に形成されたレンズの光学面に設けて利用することも可能である。
次に、本願の第1実施例から第4実施例に、上記表13および表14に示す反射防止膜を適用した例について説明する。
本第1実施例の光学系OS1において、第2レンズ群Gbの負メニスカスレンズLb1nの屈折率は、表1に示すように、nd=1.487490であり、第2レンズ群Gbの負メニスカスレンズLb2の屈折率は、nd=1.688930であるため、第2レンズ群Gbの負メニスカスレンズLb1nにおける像面側のレンズ面に基板の屈折率が1.46に対応する反射防止膜101(表14参照)を用い、第2レンズ群Gbの負メニスカスレンズLb2における物体側のレンズ面に、基板の屈折率が1.74に対応する反射防止膜(表13参照)を用いることで各レンズ面からの反射光を少なくでき、ゴーストやフレアを低減することができる。
本第2実施例の光学系OS2において、第2レンズ群Gbの負メニスカスレンズLb2の屈折率は、nd=1.688930であるため、第2レンズ群Gbの負メニスカスレンズLb2における物体側のレンズ面に基板の屈折率が1.74に対応する反射防止膜101(表13参照)を用い、第2レンズ群Gbの負メニスカスレンズLb2における像面側のレンズ面に、基板の屈折率が1.74に対応する反射防止膜(表13参照)を用いることで各レンズ面からの反射光を少なくでき、ゴーストやフレアを低減することができる。
本第3実施例の光学系OS3において、第2レンズ群Gbの負メニスカスレンズLb2の屈折率は、表7に示すように、nd=1.672700であり、第3レンズ群Gcの両凹形状の負レンズLcnの屈折率は、nd=1.728250であるため、第2レンズ群Gbの負メニスカスレンズLb2における像面側のレンズ面に基板の屈折率が1.62に対応する反射防止膜101(表13参照)を用い、第3レンズ群Gcの両凹形状の負レンズLcnにおける物体側のレンズ面に、基板の屈折率が1.74に対応する反射防止膜(表13参照)を用いることで各レンズ面からの反射光を少なくでき、ゴーストやフレアを低減することができる。
本第4実施例の光学系OS4において、第2レンズ群Gbの両凹形状の負レンズLb1nの屈折率は、表10に示すように、nd=1.487490であり、第2レンズ群Gbの負メニスカスレンズLb2の屈折率は、nd=1.698950であるため、第2レンズ群Gbの両凹形状の負レンズLb1nにおける像面側のレンズ面に基板の屈折率が1.46に対応する反射防止膜101(表14参照)を用い、第2レンズ群Gbの負メニスカスレンズLb2における像面側のレンズ面に、基板の屈折率が1.74に対応する反射防止膜(表13参照)を用いることで各レンズ面からの反射光を少なくでき、ゴーストやフレアを低減することができる。
以上の各実施例によれば、2ω=41.8〜46.3°程度の包括角を有し、さらに大口径F1.4の口径を有し、ゴーストやフレアをより低減させ、高性能で球面収差、サジタルコマ収差、像面湾曲、メリジオナルコマ収差が良好に補正された光学系OSが実現できる。
なお、以上の各実施例に示す光学系OS1〜OS4を、上述したカメラ1に搭載することにより、上述した効果を奏することは言うまでもない。また、上記各実施例は本発明の一具体例を示しているものであり、本発明はこれらに限定されるものではない。
OS(OS1〜OS4) 光学系
Ga 第1レンズ群 Gb 第2レンズ群 Gc 第3レンズ群
Gd 第4レンズ群 La 第1レンズ群中正レンズ成分
Lb2 第2レンズ群中負レンズ成分 Lc 第3レンズ群中接合レンズ
Ld 第4レンズ群中接合正レンズ
Ldp1 接合正レンズ中の物体側の正レンズ
Ldn 接合正レンズ中の負レンズ
Ldp2 接合正レンズ中の像側の正レンズ
S 開口絞り 1 一眼レフカメラ(撮像装置) I 像面
101 反射防止膜 101a 第1層 101b 第2層
101c 第3層 101d 第4層 101e 第5層
101f 第6層 101g 第7層 102 光学部材

Claims (18)

  1. 光軸に沿って物体側から順に、
    正の屈折力を有する第1レンズ群と、
    負の屈折力を有する第2レンズ群と、
    第3レンズ群と、
    正の屈折力を有する第4レンズ群と、を有し、
    前記第2レンズ群および前記第3レンズ群における光学面のうち少なくとも1面に反射防止膜が設けられ、前記反射防止膜はウェットプロセスを用いて形成された層を少なくとも1層含んで形成され、
    前記第1レンズ群は、少なくとも1枚の正レンズ成分を有し、
    前記第2レンズ群は、少なくとも1枚の負レンズ成分を有し、
    前記第3レンズ群は、物体側に凹面を向けた負レンズと正レンズとの接合による接合レンズを有し、
    前記第4レンズ群は、少なくとも正レンズと負レンズと正レンズとが接合された接合正レンズを有し、以下の条件式を満足することを特徴とする光学系。
    0.01 < ((Ndp1+Ndp2)/2)−Ndn < 0.50
    0.000 < Ncp−Ncn < 0.500
    但し、
    Ndp1:前記第4レンズ群中の前記接合正レンズの最も物体側の前記正レンズの媒質のd線に対する屈折率
    Ndp2:前記第4レンズ群中の前記接合正レンズの最も像側の前記正レンズの媒質のd線に対する屈折率
    Ndn:前記第4レンズ群中の前記接合正レンズの中央に位置する前記負レンズの媒質のd線に対する屈折率
    Ncp:前記第3レンズ群中の前記接合レンズの前記正レンズの媒質のd線に対する屈折率
    Ncn:前記第3レンズ群中の前記接合レンズの前記負レンズの媒質のd線に対する屈折率
  2. 前記反射防止膜は多層膜であり、
    前記ウェットプロセスで形成された層は、前記多層膜を構成する層のうち最も表面側の層であることを特徴とする請求項1に記載の光学系。
  3. 前記ウェットプロセスを用いて形成された層の屈折率をndとしたとき、前記屈折率ndは1.30以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学系。
  4. 開口絞りを有し、
    前記反射防止膜が設けられた前記光学面は、前記開口絞りから見て凹形状のレンズ面であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学系。
  5. 前記開口絞りから見て凹形状のレンズ面は、物体側のレンズ面であることを特徴とする請求項4に記載の光学系。
  6. 前記開口絞りから見て凹形状のレンズ面は、像面側のレンズ面であることを特徴とする請求項4に記載の光学系。
  7. 以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の光学系。
    −1.0 < (rd2+rd1)/(rd2−rd1) < 2.0
    但し、
    rd1:前記第4レンズ群中の前記接合正レンズ中の中央の前記負レンズの物体側の面の曲率半径
    rd2:前記第4レンズ群中の前記接合正レンズ中の中央の前記負レンズの像側の面の曲率半径
  8. 以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の光学系。
    0.00 < (rc2−rc1)/(rc2+rc1) < 1.00
    但し、
    rc1:前記第3レンズ群中の前記接合レンズの最も物体側の面の曲率半径
    rc2:前記第3レンズ群中の前記接合レンズの最も像側の面の曲率半径
  9. 以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の光学系。
    0.10 < fd/f0 < 4.00
    但し、
    fd:前記第4レンズ群の焦点距離
    f0:無限遠合焦時の全系の焦点距離
  10. 以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の光学系。
    1.00 < fa/f0 < 10.0
    但し、
    fa:前記第1レンズ群の焦点距離
    f0:無限遠合焦時の全系の焦点距離
  11. 以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の光学系。
    0.30 < (−fb)/f0 < 30.00
    但し、
    fb:前記第2レンズ群の焦点距離
    f0:無限遠合焦時の全系の焦点距離
  12. 前記第3レンズ群は負の屈折力を有し、
    以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の光学系。
    0.3 < (−fc)/f0 < 30.0
    但し、
    fc:前記第3レンズ群の焦点距離
    f0:無限遠合焦時の全系の焦点距離
  13. Fナンバーを決定する開口絞りを、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間、または、前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間に有することを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の光学系。
  14. 前記第1レンズ群または前記第2レンズ群は、少なくとも1面の非球面を有することを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の光学系。
  15. 前記第4レンズ群は、少なくとも1面の非球面を有することを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の光学系。
  16. 前記第4レンズ群中の前記接合正レンズは、正レンズと負レンズと正レンズの3枚からなる接合正レンズであることを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載の光学系。
  17. 請求項1〜16のいずれか一項に記載の光学系を有することを特徴とする撮像装置。
  18. 光軸に沿って物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群と、を有し、前記第2レンズ群および前記第3レンズ群における光学面のうち少なくとも1面に反射防止膜が設けられ、前記反射防止膜はウェットプロセスを用いて形成された層を少なくとも1層含んで形成される光学系の製造方法であって、
    前記第1レンズ群として、少なくとも1枚の正レンズ成分を配置し、
    前記第2レンズ群として、少なくとも1枚の負レンズ成分を配置し、
    前記第3レンズ群として、物体側に凹面を向けた負レンズと正レンズとの接合による接合レンズを配置し、
    前記第4レンズ群として、少なくとも正レンズと負レンズと正レンズとが接合された接合正レンズを配置し、以下の条件式を満足することを特徴とする光学系の製造方法。
    0.01 < ((Ndp1+Ndp2)/2)−Ndn < 0.50
    0.000 < Ncp−Ncn < 0.500
    但し、
    Ndp1:前記第4レンズ群中の前記接合正レンズの最も物体側の前記正レンズの媒質のd線に対する屈折率
    Ndp2:前記第4レンズ群中の前記接合正レンズの最も像側の前記正レンズの媒質のd線に対する屈折率
    Ndn:前記第4レンズ群中の前記接合正レンズの中央に位置する前記負レンズの媒質のd線に対する屈折率
    Ncp:前記第3レンズ群中の前記接合レンズの前記正レンズの媒質のd線に対する屈折率
    Ncn:前記第3レンズ群中の前記接合レンズの前記負レンズの媒質のd線に対する屈折率
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