JP2014013172A - Ae位置標定装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複合材タンクなどの高減衰材料のタンクに適用することができ、耐圧試験など液体を満たした状態時のタンクのAE計測で、液中を伝播したAE波を抽出して、発生位置を正確に標定することができる複合材タンクなどの高減衰材料のAE位置標定方法と装置を提供する。
【解決手段】複合材タンク1のタンク外壁1aに、監視範囲Aとこれに対しタンク中心に対して対向するセンサ設置範囲Bを画定し、センサ設置範囲Bのタンク外壁1aに4以上のAEセンサ12を取り付け、監視範囲Aで発生し液中伝播するAE波3をAEセンサ12で検出し、最初に検出したAEセンサ12の検出時刻と残りのAEセンサ12の検出時刻との検出時間差からAE波3の発生位置の三次元位置標定を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、FRPなどの複合材料で構成されるタンクや容器について、タンクや容器の耐圧試験時などにタンクや容器内に液体を満たした状態で発生するアコースティックエミッション(以下AEとする)信号の発生位置を特定するAE位置標定装置及び方法に関するものである。
AE(アコースティックエミッション:音響発生)とは、材料の変形又は破損に伴い材料から発生する音波を意味する。また、AE信号とは、AEで発生した音波信号を意味し、AEセンサとはAE信号を受信又は検出するセンサを意味する。更にAE試験又はAE法は、AE信号に基づき材料の変形又は破損の程度やその位置を特定する試験又は試験方法を意味する。
金属製底板と金属製側板の溶接構造で構成されるタンク(例えば原油タンクや天然ガスタンク等が該当する)の底板の腐食状況を評価するためにAE検査方法が使用される非特許文献1の規格がある。非特許文献1においてはAE音源の発生位置を求める方法、すなわちAE位置標定方法については定めがない。
金属製底板と金属製側板の溶接構造で構成されるタンクのAE位置標定については特許文献1が提案されている。特許文献1においては底板の4隅にAEセンサを配置し底板を伝播するラム波と呼ばれる板波を4つのAEセンサで検知し、ラム波の伝播時間からAE信号の音源を求めるものである。
また、金属製底板の腐食位置を特定するためとして、側板に複数のAEセンサを取り付け、タンクの底板等に発生するAE信号を検出して、AE発生源の位置を特定する手法が提案されている(例えば、非特許文献2、3)。これらの非特許文献2及び3においては、タンク内に存在する液中を伝播するAE信号を検知し、AE発生源を求める方法が示されている。
いずれにしても、金属製底板と金属製側板からなる溶接構造のタンクのAE検査におけるAE試験は金属製底板の腐食状況を知ることが目的となっている。更に、金属製底板と側板からなる溶接構造のタンクのAE計測においては、いずれの特許文献及び非特許文献とも30kHzから50kHzの共振型のAEセンサを適用することが示されている。
一方、CFRP等の複合材を外殻とするタンク・容器においてもAE計測が行われている(非特許文献4、5)。非特許文献4においては複合材のタンク・容器のAE計測手順が定められているが、AE発生源を特定するAE位置標定方法についての記載はない。非特許文献5において音源位置標定法の動向が述べられているが、タンク・容器の外殻の板厚が薄い場合にタンク・容器の表面を伝播するラム波を使う方法が紹介されているに過ぎない。
特開2005−17089号公報、「タンク検査方法およびタンク検査装置」
「AE法による石油タンク底部の腐食損傷評価手法に関する技術指針」、HPIS G 110 TR、社団法人日本圧力技術協会、2005 「タンク底板の腐食損傷診断における国内外のAE試験適用の現状」、湯山茂徳、他、圧力技術 第40巻第4号、2002 「タンクAE計測における液滴ノイズの識別及び除去方法の検討」、中村英之、他、圧力技術、第46号、第1巻、2008 「ASME Code Sec.V 1998 Article 11 −ACOUSTIC EMISSION EXAMINATION OF FIBER−REINFORCED PLASTIC VESSELS−」 「実用化期の複合材料技術と課題 3.損傷・破壊モニタリングと評価」、上野谷敏之、水谷義弘、材料、第55巻、第3号、2006
上述した従来のAE位置標定では、金属製底板と金属製側板の溶接構造のタンクを対象とした場合には、タンク底板の腐食状況を評価することを目的としており、側板の損傷状況は評価の対象となっていない。
一方、FRPなどの複合材料からなるタンク・容器(以下、「複合材タンク」)は、強化材にガラス繊維、金属繊維、炭素繊維、セラミック繊維、高分子繊維などが用いられ、母材にエポキシ樹脂などの高分子、ゴム、セラミック、金属などが用いられている。また、複合材タンクは溶接やボルト締結部等の無い一体成型をされていることが一般的である。
従って、金属製タンクを対象とした従来のAE位置標定手段をそのまま複合材タンクに適用すると、以下の問題点があった。
(1)金属製タンクが底板と側板の溶接構造であるのに対して、一般に複合材タンクは継手部分の無い球形や円筒形の一体構造である。また、金属製タンクが底板の腐食の監視を主とするAE計測をするのに対して、複合材タンクは腐食しないが、タンクが加圧された際に母材の微小損傷、層間剥離及び繊維破断等の欠陥が複合材タンクの不特定部位から発生する。よって、AE音源は複合材タンクの全域に存在する。そのため、AE音源を特定する部位が音響的に複雑であるという問題がある。
(2)複合材料は補強材の繊維方向に依存して音速異方性があり、同一音源からのAE信号であっても、伝播する方向によりAE信号の伝播速度に差異がある。そのため、前記特許文献1のようなラム波伝播を使用した位置標定はできたとしても、非常に限定された部位となる。
(3)複合材料中を伝播する弾性波、すなわちAE信号は、金属に比べて距離に対する減衰率が大きい。位置標定に必要な有意なAE信号が受信できずに位置標定に失敗する。
(4)内部に水などの液体を満たして行う複合材タンクの耐圧試験においては、複合材料中を伝播するAE信号は減衰が大きい。一方、音源から液中に伝播したAE信号は減衰が小さく伝播する。そのため、AE発生源に極めて近傍のAEセンサでは複合材表面を伝播するAE信号を主に検知し、AE発生源から離れていくと複合材中を伝播したAE信号と液中を伝播したAE波の両方が受信されるが、音源から十分に離れた位置では液中を伝播するAE信号が支配的になる。このように複合材タンクでは複雑なAE信号伝播経路となる。
本発明は、上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、複合材タンクなどの高減衰材料のタンクに適用することができ、耐圧試験など液体を満たした状態時のタンクのAE計測で、液中を伝播したAE波を抽出して、発生位置を正確に標定することができる複合材タンクなどの高減衰材料のAE位置標定方法と装置を提供することにある。
本発明によれば、複合材タンクのタンク外壁に、監視範囲とこれに対しタンク中心に対して対向するセンサ設置範囲を画定し、
センサ設置範囲のタンク外壁に4以上のAEセンサを取り付け、
監視範囲で発生し液中伝播するAE波をAEセンサで検出し、
最初に検出したAEセンサの検出時刻と残りのAEセンサの検出時刻との検出時間差からAE波の発生位置の三次元位置標定を行う、ことを特徴とするAE位置標定方法が提供される。
また、本発明によれば、複合材タンクのタンク外壁に、監視範囲とこれに対しタンク中心に対して対向するセンサ設置範囲を画定し、
センサ設置範囲のタンク外壁に取り付けられた4以上のAEセンサと、
監視範囲で発生し液中伝播するAE波をAEセンサで検出した検出時刻を記憶する記憶装置と、
最初に検出したAEセンサの検出時刻と残りのAEセンサの検出時刻との検出時間差からAE波の発生位置の三次元位置標定を行う演算装置と、を備えることを特徴とするAE位置標定装置が提供される。
上記本発明の方法と装置によれば、最初に液中を伝播するAE波を検出したAEセンサの検出時刻と残りの3以上のAEセンサがAE波を検出した検出時刻との検出時間差Δt1、Δt2、Δt3・・・・・が測定される。この時のAE波を検知した検出時間差Δtは次式(1)で表される。
VΔtj=|X−Xi|−|X−Xj|・・・(1)
ここで、X,Xi,Xjはベクトル位置であり、Xは音源位置(x,y,z)、Xjは最初に受信したセンサの位置(xj,yj,zj)、Xiはi番目に受信したセンサの位置(xi,yi,zi)、Vは試験体中の音速である。
ここで未知数は、音源位置X(x,y,z)であるので、3以上の式があれば、数値的解法を用いて音源位置を求めることができる。すなわち、最初に受信するAEセンサを含めて、4以上のAEセンサを用いることでAE波の発生位置(音源位置)を三次元的に得ることができる。
本発明の方法と装置によれば、液中を伝播するAE信号を用いるため、固体中の場合には音速の異なる縦波、横波、板波など種々の波が混在するのに対し、液中を伝播する波は音速の一定な縦波のみであり、AE波の発生位置の三次元位置標定を正確に行うことができる。
また、従来のCFRPなど複合材タンクのAEによる位置標定には外殻を伝播するAE波を用いているが(非特許文献5)、この場合にはAE波の減衰が大きく、また音速異方性があるために正確な位置標定が困難である。しかし、本発明の方法と装置によれば液中を伝播するAE波を用いており、液中のAE波の減衰は小さく、かつ音速異方性もないので遠方に音源位置が存在しても正確にAE波の発生位置の三次元位置標定が可能になる。
本発明のAE位置標定装置の全体構成図である。 複合材タンクの断面が円形である一断面を用いて、液中を伝播するAE波の経路と外壁を伝播するAE波の経路の説明図である。 本発明の第1実施例を示すセンサ配置図である。 本発明の第1実施例におけるAE信号である。 本発明の第2実施例を示す図である。 図5を正面から見た位置標定結果である。 本発明の第3実施例を示すセンサ配置図である。 本発明の第4実施例を示すセンサ配置図である。
以下、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して説明する。なお各図において、共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
図1は、本発明のAE位置標定装置の全体構成図である。
この図において、1は複合材タンクであり、複合材タンク1のタンク外壁1aに、監視範囲Aとこれに対しタンク中心に対して対向するセンサ設置範囲Bを予め画定する。
本発明のAE位置標定装置は、4以上のAEセンサ12、記憶装置14、及び演算装置16を備える。
4以上のAEセンサ12は、センサ設置範囲Bのタンク外壁1aに取り付けられている。
記憶装置14は、4以上のAEセンサ12と信号線で接続されており、監視範囲Aで発生しAEセンサ12で検出された液中伝播するAE波3の検出時刻をそれぞれ記憶する。
演算装置16は、記憶装置14と信号線で接続されており、最初に検出したAEセンサ12の検出時刻と残りのAEセンサ12の検出時刻との検出時間差からAE波3の発生位置の三次元位置標定を行う。
本発明の試験対象である複合材タンク1は、例えばFRPやCFRPなどの複合材料からなるタンクである。なお、複合材タンク1は、FRP、CFRP以外の複合材料からなるタンクであってもよい。また、超音波の伝播が困難な減衰の大きな材料のタンクであってもよい。
複合材タンク1は、内部に液体2を充填している。この液体2は、圧力を上昇又は下降させる耐圧試験時あるいは加圧による破壊試験時に使用される淡水であってもよく、また液体天然ガス(LNG)や液体水素などの加圧された常時貯蔵物であってもよい。複合材タンク1の形状は、この例では球形であるが、円筒形、その他の形状であってもよい。
タンク外壁1aの形状は、好ましくは断面が円形の球形又は円筒形であるが、その他の形状であってもよい。
複数のAEセンサ12は、被検体であるタンク外壁1aの予め画定したセンサ設置範囲Bに、互いに間隔Lijを隔てて設置され、複合材タンク1に充填された液体2からAE波3を受信するようになっている。
AEセンサ12の数は、好ましくは6以上であるが、4以上であれば5以下でもよい。
複数のAEセンサ12の間隔Lijは、好ましくは均等であるが、相違してもよい。
複数のAEセンサ12は、センサ設置範囲Bに対しタンク中心に対して対向する監視範囲AからのAE波3を監視する。タンク外壁1aの形状が、断面が円形の球形又は円筒形である場合、監視範囲Aとセンサ設置範囲Bはタンク中心に対して対称位置であるのがよい。
AEセンサ12は監視範囲AからのAE波3を効率よく受信する超音波指向性を有するものが用いられる。超音波の指向性は、圧電素子の直径Dと受信する超音波の波長λより次式(2)で与えられる。
=2J(m)/m・・・(2)
ここで、J(m):ベッセル関数、m=k・a・sinφ、k=2π/λ、a=D/2、φ:注目する方向の音軸である。
図2は、複合材タンク1の断面が円形である一断面を用いて、液中を伝播するAE波3の経路とタンク外壁1aを伝播するAE波3の経路の説明図である。ここで、AEセンサ12はセンサ設置範囲Bの内角αの範囲のタンク外壁1a上に設置されており、音源位置を監視範囲Aの内角βの範囲とし、センサ設置範囲Bと監視範囲Aは、中心Oを挟んで対向している。ここで、液中を伝播するAE波3(超音波)の指向角θが最も大きくなる条件は、監視範囲Aの最も外側に位置するa点が音源位置となり、センサ設置範囲Bの最も外側に位置するb点にAEセンサ12が位置する条件となる。このときの指向角θは、幾何学的に次式(3)で表される。
θ=(α+β)/4・・・(3)
液中のAE波3の減衰は小さく無視できると考えると、監視範囲Aで発生する音源位置aからの液中伝播のAE波3を1〜0.3の範囲で均一に受信する条件は、次式(4)となる。
λ/D>(π/2.78)・sin((α+β)/4)・・・(4)
図2の構成において、監視範囲A内で発生したAE波3は液中を伝播すると共に、タンク外壁1aをも伝播する。この時に、最も液中伝播と外壁伝播の伝播距離の差が小さくなるのは、a点が音源位置で、b点のAEセンサ12で受信するときである。
このときのタンク外壁1aの音速をV1とすると伝播時間は、(π―((α+β)/2))r/V1・・・(5)で表され、液中を伝播する伝播時間は、液中の音速をV2として、2rcosθ/V2・・・(6)で表される。
一般に液中の音速は、タンク外壁1aの音速の1/2以下であることが多く、一般に、a点が音源位置の場合にはタンク外壁1aを伝わるAE波3がセンサ設置範囲Bに取り付けられたAEセンサ12に入る最初のAE波3になる。従って、液中を伝播するAE波3はそれ以降の受信波となり、最初に入ったタンク外壁1aを伝播したAE波3との伝播時間差が計測され、位置標定に失敗する。従って、タンク外壁1aを伝播するAE波3が減衰し、b点のAEセンサ12に到達する時点で設定した閾値を下回る音圧になる必要がある。
図3は、本発明の第1実施例を示すセンサ配置図であり、図4は、第1実施例におけるAE信号である。
この実施例では、疑似AE送信器5としてランジュバン振動子を用いた疑似AE伝播試験により、AE波3の伝播経路の確認を行った。
図3において、複合材タンク1は、タンク外壁1aが球形のCFRPタンクである。タンク外壁1aの直径は300mmであり、その中心Oを原点とする直交3軸x−y−zを設定し、x−y平面上の180°の位置に疑似AE送信器5としてランジュバン振動子を設置し、245°と315°の位置に疑似AE受信器として2つAEセンサ12を設置した。
この実施例には、AEセンサ12として、95kHz以上、850kHz以下の広域範囲でAE波3を検出可能な第1圧電センサを用いた。
以下、245°位置のAEセンサ12を「245°センサ」、315°位置のAEセンサ12を「315°センサ」と呼ぶ。ランジュバン振動子から245°センサと315°センサまでのタンク外壁1aを伝播する距離は、それぞれ約170mm、約353mmである。
図4において、(A)(B)は、複合材タンク1内が空の場合の検出波形であり、(C)(D)は、水注入後加圧0MPaの際の検出波形である。また図中の左側(A)(C)は、245°センサの検出波形、右側(B)(D)は、315°センサの検出波形である。また各図において、横軸は経過時間、縦軸は検出出力である。
図4(A)(B)から、複合材タンク1内が空の場合、245°センサでは疑似AE波3を受信しているが、315°センサではほとんど疑似AE波3を受信していないことがわかる。複合材タンク1内が空の場合の疑似AE波3は、タンク外壁1aを伝播する板波のみである。従ってこの例において、95kHz以上、850kHz以下の範囲で、タンク外壁1aを伝播する板波3Aの板波減衰距離L1は、170mm以上、350mm以下であることがわかる。
なお、板波減衰距離L1は、複合材タンク1の大きさ、形状、タンク外壁1aの材質、液体2の温度、圧力により変動すると考えられる。従って、板波減衰距離L1は、予備試験等により予め設定するのがよい。
また図4(C)(D)から、水注入後の波形に着目すると、245°センサと315°センサの両方で疑似AE波3を受信している。また、複合材タンク1内が空の場合(図4(A)(B))と比較すると、疑似AE波3の到達時間及び受信出力が大きく異なることがわかる。
従って、タンク外壁1aを伝播する板波の伝播速度(音速)はAE波3の広域周波数に依存するため一定ではないが、液中波の液中伝播速度(例えば約1500m/s)よりも高速であることがわかる。
なお、図4(C)(D)の条件において、水注入後の加圧が2.5MPaの場合と、4.5MPaの場合の検出波形も別途計測した。この結果から、疑似AE波3の到達時間及び受信出力は、0MPaの場合とほぼ同じであった。
図5は本発明の第2実施例を示す図である。この例で複合材タンク1は、直径530mm、高さ200mmの円筒形である。
タンク外壁1aの上端と下端の断面円状の周囲に8個のセンサを配置して位置標定を検討した。上段の円周上には、θが22.5度、112.5度、202.5度、292.5度の90度間隔にAE1、AE3、AE5、AE7のAEセンサ12を配置した。一方、下段の円周上には、67.5度(−292.5度)、157.5度(−202.5度)、247.5度(−112.5度)、337.5度(−22.5度)の90度間隔にAE2、AE4、AE6、AE8のAEセンサ12を配置した。
AEセンサ12として、95kHz以上、850kHz以下の広域範囲でAE波3を検出可能な圧電センサを用いた。
AE5のAEセンサ12(θが202.5度)の下方100mm(上段と下段の円周間のほぼ中央)の位置に疑似AE送信器5としてランジュバン振動子を取り付け、疑似AEを送信した。
図6は、図5を正面から見た位置標定結果である。
図6(A)は、全てのAEセンサ12を用いて位置標定した結果である。最初にAE波3を受信する疑似AE送信器5に最も近いAE5のセンサ位置に位置標定されており、AE波3が実際に送信された疑似AE送信器5の位置とは異なった位置に位置標定されている。
図6(B)は、疑似AE送信器5と反対側にあるAE1、AE7、AE2、AE8のAEセンサ12を用いて位置標定した結果である。この図からAE波3が実際に送信された疑似AE送信器5の位置とほぼ一致した標定結果が得られ、タンク外壁1aを伝播するAE波3が減衰する位置のAEセンサ12で位置標定することが必要であることがわかる。
図7は、本発明の第3実施例を示すセンサ配置図である。この例で複合材タンク1は、断面が円形の球形又は円筒形である。
複数のAEセンサ12は、複合材タンク1の円形断面の外周に取り付けられている。
この例では、予め、規定の感度より10dB(×3倍)高めた感度のAE波3が閾値を下回る減衰距離Lが測定される。
次いで、内角(π―L/r)ラジアン内に位置する4以上のAEセンサ12(ここでは12A〜12D)を用いて、中心Oを挟んで対称位置の内角(π―L/r)ラジアンの範囲の位置標定を行う。同時に、12DのAEセンサ12とそれに隣接する4以上の内角(π―L/r)ラジアンの範囲のAEセンサ12で、中心Oに対して対称位置の範囲の位置標定を行う。これを順次繰り返すことで、タンク外壁全体の位置標定が可能になる。
なお、この時に使用するAEセンサ12はλ/D>(π/2.78)・sin((α+β)/4)を満たすものとすることで、指向角θの影響を10dB以内に抑えて全てのAEセンサ12で液中伝播のAE波3の受信が可能になる。ここで、λは発生するAE波3の周波数であり、一般に30kHz〜200kHzである。
また、図にはAEセンサ12を円周上に一列に配置しているが、一列でなく、奥行きのあるエリア内に分散していてよい。
図8は、本発明の第4実施例を示すセンサ配置図である。この例で複合材タンク1は、断面が円形の球形である。
この例で球形の複合材タンク1のタンク外壁1aに接する立方体6を想定し、立方体6の頂点に当たる位置に8個のAEセンサ12を配置している。この図では、更に、立方体6の頂点に当たる4つのAEセンサ12の中央にそれぞれ1つずつ計6個のAEセンサ12を追加して示している。ここで、立方体6を構成する一つの平面6a側のAEセンサ12を用いて反対側の面6b側の位置標定を行う。それぞれの相対する側の位置標定を繰り返して、立方体全体の位置標定を行う。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲の記載によって示され、更に特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含むものである。
1 複合材タンク、1a タンク外壁、2 液体、3 AE波、
5 疑似AE送信器、6 立方体、6a、6b 平面、
12 AEセンサ、14 記憶装置、16 演算装置

Claims (9)

  1. 複合材タンクのタンク外壁に、監視範囲とこれに対しタンク中心に対して対向するセンサ設置範囲を画定し、
    センサ設置範囲のタンク外壁に4以上のAEセンサを取り付け、
    監視範囲で発生し液中伝播するAE波をAEセンサで検出し、
    最初に検出したAEセンサの検出時刻と残りのAEセンサの検出時刻との検出時間差からAE波の発生位置の三次元位置標定を行う、ことを特徴とするAE位置標定方法。
  2. 複合材タンクは、断面が円形のタンク外壁を伝わるAE信号の減衰が大きな材料からなる、ことを特徴とする請求項1に記載のAE位置標定方法。
  3. 監視範囲は、複合材タンクのタンク外壁全体であり、
    タンク外壁全体に複数のAEセンサを配置し、隣接する4以上のAEセンサで、タンク中心の対称範囲を順次対象として、タンク外壁全体の三次元位置標定を行う、ことを特徴とする請求項1に記載のAE位置標定方法。
  4. 予め外郭を伝播するAE波が所定の閾値以下まで減衰する減衰距離Lを求め、内角(π―L/r)ラジアン内に位置する4以上のAEセンサを用いて、中心点を挟んで対称の位置の内角(π―L/r)ラジアンの範囲の位置標定を行う、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のAE位置標定方法。
  5. 規定の感度より10dB高めた感度のAE波が閾値を下回る減衰距離Lを求め、かつ、センサにλ/D>(π/2.78)・sin((α+β)/4)の条件を満たすセンサを用いる、ことを特徴とする請求項4に記載のAE位置標定方法。
  6. 球形の複合材タンクのタンク外壁に接する立方体の各頂点とその間に8以上のAEセンサを配置し、立方体を構成する一つの平面側のAEセンサを用いて反対側の面側の位置標定を行い、各平面での計測を繰り返してタンク外壁全体の三次元位置標定を行う、ことを特徴とする請求項3に記載のAE位置標定方法。
  7. 断面形状が円状のタンクにおいて、少なくとも円周上に5以上のAEセンサを配置し、5以上のAEセンサが液中を伝播するAE信号を受信しているとして位置標定を行い、最初に検知したAEセンサと二番目に検知したAEセンサの円周上の位置が円状断面を中心とした角度で90°以上の位相差があれば、最初に検知したAEセンサを位置標定として使用せずに、再度他のAEセンサの信号を用い、AE信号の伝播速度をタンクに充填された液の音速を用いて位置標定を行う、ことを特徴とする請求項1に記載のAE位置標定方法。
  8. 複合材タンクのタンク外壁に、監視範囲とこれに対しタンク中心に対して対向するセンサ設置範囲を画定し、
    センサ設置範囲のタンク外壁に取り付けられた4以上のAEセンサと、
    監視範囲で発生しAEセンサで検出された液中伝播するAE波の検出時刻をそれぞれ記憶する記憶装置と、
    最初に検出したAEセンサの検出時刻と残りのAEセンサの検出時刻との検出時間差からAE波の発生位置の三次元位置標定を行う演算装置と、を備えることを特徴とするAE位置標定装置。
  9. 断面形状が円状のタンクにおいて、少なくとも円周上に5以上のAEセンサを配置し、5以上のAEセンサが液中を伝播するAE信号を受信しているとして位置標定を行い、最初に検知したAEセンサと二番目に検知したAEセンサの円周上の位置が円状断面を中心とした角度で90°以上の位相差があれば、最初に検知したAEセンサを位置標定として使用せずに、再度他のAEセンサの信号を用い、AE信号の伝播速度をタンクに充填された液の音速を用いて位置標定を行う、ことを特徴とする請求項8に記載のAE位置標定装置。
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