JP2014012272A - 重金属吸着剤及び重金属回収方法 - Google Patents

重金属吸着剤及び重金属回収方法 Download PDF

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Abstract

【課題】液体中の金属、特に廃水中の重金属を迅速に吸着した後、効率よく回収できる吸着剤及びそれを用いた重金属の回収方法を提供することを目的とする。また、本発明は、安全性が高く、入手が容易な材料を使用することができ、製造及び使用が簡便で、経済的にも有利な吸着剤及び重金属の回収方法を提供する。
【解決手段】担子菌の死菌体を含有する重金属吸着剤、及び重金属の回収方法であって、重金属を含有させた前記重金属吸着剤を、酸性液体と接触させることにより、前記酸性液体中に重金属を回収する工程を含む、方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、金属の吸着剤、さらに詳しくは担子菌の死菌体又はこれを含有する廃菌床を利用した重金属吸着剤、及びこれらを使用する重金属回収方法等に関する。
廃水中に存在する金属類を微生物の細胞表面などに吸着させるバイオソープション技術は、有害金属の除去、希少金属のリサイクルなどに重要であり、各種の材料、化学物質及び多様な微生物の細胞を吸着剤として利用することが研究されている。
微生物の細胞を利用した吸着剤として細菌、カビ、酵母が研究されている。しかし、微生物を利用した金属吸着剤の実用化に向けては菌体の確保が大きな課題となる。カビは、成長過程で大量の胞子を産生する菌種が多いため、毒性の少ない菌種であってもアレルギーなどの問題を引き起こす可能性がある。また、細菌や酵母の多くは単細胞で、細胞の寸法が小さく、吸着後の回収が難しいという問題点がある。
カビと同様に真菌である担子菌については、担子菌(レイシ、Ganoderma lucidum)の成長に伴って菌体内に金属を蓄積させる方法が報告されている(特許文献1)。しかし、微生物の成長に伴って菌体内外に金属を蓄積させる方法は、生きた細胞を利用するため、微生物の成長を促すための栄養を定期的に与える必要があり、吸着に時間を要する。また、成長阻害が生じるような高濃度金属廃水には適用できないこと、細胞内に蓄積された金属の回収が困難であることなどの問題がある。
担子菌を材料として製造した吸着剤については、ロシア特許第2073015号公報(特許文献2)及び特表2002−506979号公報(特許文献3)において細胞壁由来のキチン−グルカン−メラミン複合体を含む物質を放射性核種等の吸着剤として用いることが記載されている。これらの文献に記載された吸着剤では、ColtriciaCoriolusDaedaleaなどの担子菌を使用した吸着剤に放射性核種等及び金属を吸着させたことが記載されているが、吸着後の金属の回収については記載されていない。
特開2008−183473号公報 ロシア特許第2073015号公報 特表2002−506979号公報 再公表WO2004/022728号公報 特開2004−202449号公報
そこで、本発明は、液体中の金属、特に廃水中の重金属を迅速に吸着した後、効率よく回収できる吸着剤及びそれを用いた重金属の回収方法を提供することを目的とする。また、本発明は、安全性が高く、入手が容易な材料を使用することができ、製造及び使用が簡便で、経済的にも有利な吸着剤及び重金属の回収方法を提供することを目的とする。
本発明は、
〔1〕 担子菌の死菌体を含有する重金属吸着剤;
〔2〕 前記担子菌の死菌体が、乾燥処理、アルカリ処理、オゾン処理、又はアルカリ処理及びオゾン処理されたものである、〔1〕記載の重金属吸着剤;
〔3〕 前記担子菌の死菌体が、廃菌床に含まれている、〔1〕記載の重金属吸着剤;
〔4〕 粉体状である、〔1〕記載の重金属吸着剤;
〔5〕 前記担子菌が、ハラタケ目(Agaricales)又はチョレマイタケ目(Polyporales)に属する担子菌である、〔1〕記載の重金属吸着剤;
〔6〕 前記担子菌が、Pleurotus属、Hypsizygus属、Lentinula属、Flammulina属及びGrifola属からなる群より選択された一種以上の担子菌である、〔1〕記載の重金属吸着剤;
〔7〕 前記担子菌が、エリンギ(Pleurotus eryngii)、ブナシメジ(Hypsizygus marmoreus)、シイタケ(Lentinula edodes)、エノキタケ(Flammulina velutipes)及びマイタケ(Grifola frondosa)からなる群より選択された一種以上の担子菌である、〔1〕記載の重金属吸着剤;
〔8〕 重金属の回収方法であって、重金属を含有させた〔1〕〜〔7〕のいずれか1項記載の重金属吸着剤を、酸性液体と接触させることにより、前記酸性液体中に重金属を回収する工程を含む、方法;
〔9〕 前記酸性液体が、pH4以下の塩酸又は硫酸である、〔8〕記載の方法;
〔10〕 回収される重金属が、ニッケル、コバルト及びセシウムからなる群より選択される一以上の重金属である、〔8〕記載の方法;
〔11〕 担子菌の死菌体を含有する重金属吸着剤の製造方法であって、担子菌又は担子菌を含む廃菌床を、オゾン処理した後にアルカリ処理をする工程を含む、方法
を提供する。
本発明によれば、重金属吸着速度が速く、吸着した重金属の脱離回収が容易な重金属吸着剤が提供される。本発明の吸着剤は、担子菌、及び廃菌床等の担子菌含有物における担子菌の、死細胞を利用するので、細胞の成長を必要としない。したがって、細胞の成長のための栄養分添加の必要がなく、また、重金属による担子菌の成長阻害を考慮する必要がない。そのため、本発明によれば、簡便な方法で、低コストで高濃度の廃水からの重金属の回収が可能である。
また、本発明の吸着剤は重金属の吸収効率が高く、さらに、吸着した重金属を簡便な操作で90%以上もの高い回収率で容易に回収することができる。そのため、廃液から有害な重金属を除去する目的のほか、希少又は高価な重金属を吸着後に回収して、再利用することが可能となる。
さらに、担子菌の菌体はある程度成長すると目視で確認できる程度の大きさがあるため、菌体を回収する際などの取り扱いが容易である。また、本発明において使用される担子菌としては、食用の担子菌を利用することができ、製造中及び使用中の安全性が高い。
特に、食用の担子菌は食用キノコとしておがくず等による菌床栽培が行われており、キノコを収穫した後には多量の菌糸を含むおがくず等が廃菌床として残る。これを利用することにより、通常は廃棄される廃菌床の有効利用にもなり、経済的にもさらに有利に吸着剤を製造することができる。
図1は、4種の担子菌(Pleurotus eryngiiHypsizygus marmoreusLentinula edodes及びGrifola frondosa)のニッケル平衡吸着量を表す図である。無処理(左)、アルカリ処理(中央)、又はアルカリ処理及びオゾン処理(右)後の担子菌を吸着剤として用いた。 図2は、アルカリ処理担子菌(Pleurotus eryngiiHypsizygus marmoreusLentinula edodesFlammulina velutipes及びGrifola frondosa)の重金属イオン(ニッケル)飽和吸着量及び時間を調べた結果を表す図である。 図3は、アルカリ処理担子菌(Pleurotus eryngiiHypsizygus marmoreusLentinula edodesFlammulina velutipes及びGrifola frondosa)のニッケル吸着特性(金属吸着等温線)を表す図である。 図4は、アルカリ処理担子菌(Pleurotus eryngiiHypsizygus marmoreusLentinula edodesFlammulina velutipes及びGrifola frondosa)のコバルト吸着特性(金属吸着等温線)を表す図である。 図5は、アルカリ処理担子菌(Pleurotus eryngiiHypsizygus marmoreusLentinula edodesFlammulina velutipes及びGrifola frondosa)のセシウム吸着特性(金属吸着等温線)を表す図である。 図6は、4種の担子菌(Pleurotus eryngiiHypsizygus marmoreusLentinula edodesFlammulina velutipes)についての酸性溶液のpH条件の違いによるニッケル回収率を表す図である。 図7は、Freundlichモデルでの吸着等温線解析から得られたニッケル吸着強度と回収率との関係を表す図である。 図8−Aは、水銀圧入式細孔分布測定法による無処理担子菌(Flammulina velutipes)の細孔分布を表す図である。 図8−Bは、水銀圧入式細孔分布測定法によるアルカリ処理担子菌(Flammulina velutipes)の細孔分布を表す図である。 図9は、アルカリ処理担子菌(Flammulina velutipes)の走査電子顕微鏡(SEM)画像(250倍)を表す図である。
本発明の吸着剤は、担子菌、又は廃菌床等の担子菌含有物中の担子菌の、死菌体を含むことを特徴とする。本発明に使用される担子菌種としては、特に制限はないが、子実体を形成する担子菌、特にハラタケ目(Agaricales)又はチョレマイタケ目(Polyporales)の担子菌を使用することができる。
本発明の担子菌として、食用キノコとして栽培されている種類の担子菌、たとえばPleurotus属、Hypsizygus属、Lentinula属、Flammulina属、Grifola属の担子菌(代表的なものとして、具体的にはPleurotus eryngii(エリンギ)、Hypsizygus marmoreus(ブナシメジ)、Lentinula edodes(シイタケ)、Flammulina velutipes(エノキタケ)、Grifola frondosa(マイタケ)などが挙げられる)などを使用することができる。このような食用キノコとして栽培されている担子菌は、一般に成長が早く、安全性が高いうえ、容易に入手可能である点で有利である。特に、このような食用として菌床栽培されている担子菌の、可食部を収穫した後の廃菌床は、一回又は数回使用された後に廃棄物として処分されることが多く、大量に入手可能であり、廃物の有効利用となる点で好ましい。
廃菌床とは、担子菌を栽培した後の菌床であり、栽培対象の担子菌(及び場合によってはその他の微生物)と、菌床を構成する成分との混合物である。菌床を構成する成分は、栽培対象の菌種によって異なるが、一般に、おがくず、コーンコブなどの植物細胞を含む培養基材、米糠、フスマなどの栄養剤、各種の微量添加剤などを含む。本発明に使用される廃菌床は、担子菌が含まれていればよく、これらの菌床構成成分のすべてを含むことは必要としない。
本発明の吸着剤においては、担子菌の死菌体を利用する。死菌体は、担子菌又は廃菌床などの担子菌含有物を乾燥させることにより容易に得ることができるが、オートクレーブ処理など、公知のいずれの手段によって得てもよい。
本発明の吸着剤は、死菌体を含む担子菌又は担子菌含有物を、乾燥させた後、粉砕することにより、製造することができる。重金属の吸着量及び速度を向上させるためには、吸着剤の表面積を増大させることが望ましいと考えられる。したがって、本発明の吸着剤は、粉体状であることが好ましい。粉体は、本明細書においては、特定の粒子サイズを意図するものではなく、細かい粒状の固体の集合体を意味するものであり、粉粒体、微粒子、(微)粉末などの用語と互換的なものとして使用される。粉砕は、公知の任意の機械的方法などを用いて行うことができ、さらに必要に応じてふるい分けを行うことなどにより、粒子サイズを所望の範囲にそろえることができる。
本発明の吸着剤は、死菌体をそのまま利用することもできるが、これをさらにアルカリ処理、オゾン処理などの処理をすることにより、吸着効率の高い吸着剤とすることができる。具体的には、たとえば、アルカリ処理は、死菌体をアルカリ性の溶液(たとえば水酸化ナトリウムなどの溶液)と接触させることで行うことができ、その後、菌体を蒸留水、イオン交換水及び超純水などで洗浄することにより中性のpHに戻し、再度乾燥(通常、約70℃以下)させることができる。アルカリ処理及び洗浄は、通常、約4℃〜約100℃で約5分間〜約60分間程度行うことができるが、特に制限はない。本発明におけるアルカリ処理は、室温に近い温度(たとえば約10℃〜約40℃)で簡便に行うことができる。当業者は適宜条件を選択することができる。
オゾン処理は、死菌体をアルカリ処理した後に、あるいはアルカリ処理を行う前に、あるいはアルカリ処理を行わずに単独で、行うことができる。オゾン処理は、オゾン発生装置などで発生させたオゾンを含む雰囲気中で、死菌体を保持することにより行うことができる。当業者は適宜条件を選択することができるが、一般的には、たとえば約4℃〜約40℃、約5分間〜約3時間程度で処理を行うことができる。アルカリ処理を行う前にオゾン処理を行うことにより、吸着剤の金属吸着量を増大させることができる。したがって、アルカリ処理とオゾン処理とを両方行う場合は、オゾン処理を行った後にアルカリ処理を行うことが望ましい。
本発明の吸着剤は、吸着すべき対象の重金属を含有する液体、たとえば廃水と接触させることにより、使用することができる。ここで、重金属とは、比重が5以上の金属を指し、クロム、コバルト、ニッケル、亜鉛、銀、金、ウランなどが挙げられる。また、セシウムのような原子量50以上のアルカリ金属も吸着し得る。本発明の吸着剤により吸着すべき対象の金属としては、水溶液中で陽イオン化するものが適している。
本発明の吸着剤と重金属を含む液体との接触は、吸着剤を液体中に投入し、必要に応じて攪拌することで容易に実施することができる。接触時の温度、時間などは、吸着対象の金属の種類、濃度、吸着剤の使用量などによって適宜調整することができるが、約4℃〜約60℃、約5分〜約3時間程度とすることができる。本発明の吸着剤は室温に近い温度で非常に迅速に重金属を飽和濃度まで吸着することができる。
吸着した重金属は、吸着剤を酸性の溶液と接触させることにより、容易に吸着剤から溶液中に脱離させることができる。酸性の溶液としては、pH4以下のものが好ましく、特にpH1〜3のものが好ましい。酸性の溶液として、具体的には、塩酸、硫酸、硝酸、乳酸などが挙げられるが、塩酸又は硫酸が好ましい。
酸性溶液と吸着剤との接触は、吸着剤を酸性溶液中に投入し、必要に応じて攪拌することによって容易に実施することができる。吸着剤からの重金属の脱離に要する時間は、酸性溶液のpH、酸の種類、吸着した金属の種類、吸着量、菌種などによって変動し得るが、概ね約4℃〜約100℃、約5分〜約3時間程度とすることができる。本発明の吸着剤は室温に近い温度で非常に迅速に重金属を酸性溶液中に放出することができる。
重金属を含む酸性溶液は、回収した金属の種類、濃度及び単一金属溶液か複合金属溶液かなどによって選択した公知の方法でそれぞれ適宜処理することにより、目的の金属をさらに濃縮したり固体として取り出したりすることができる。
1.担子菌を含む吸着剤の製造
Pleurotus eryngii(エリンギ)、Hypsizygus marmoreus(ブナシメジ)、Lentinula edodes(シイタケ)、Flammulina velutipes(エノキタケ)及びGrifola frondosa(マイタケ)の担子菌類5菌種の子実体を用いた。
子実体を、乾燥機で60℃、3日間乾燥させ、それを粉砕機で20秒間粉砕し、目開き355μmのふるい通過分をさらに60℃、24時間乾燥させた(「無処理担子菌」とする)。
無処理担子菌10gを0.2M 水酸化ナトリウム溶液1Lに投入し、室温で30分間マグネチックスターラーを用いて撹拌することにより、アルカリ処理を行った。この菌体を、洗浄液のpHが中性域に達するまでイオン交換水を用いて洗浄した。その後、遠心分離及び吸引ろ過によって菌体を回収し、乾燥器で60℃、2日間乾燥させ、それを粉砕機で粉砕し、目開き355μmのふるい通過分をさらに60℃、24時間乾燥させた(「アルカリ処理担子菌」とする)。
アルカリ処理担子菌の一部について、さらにオゾン処理を行った。10Lのガラス製デシケータ内に担子菌0.1gを静置し、オゾン発生装置(日本オゾン株式会社製、ON−3−2型)を用いて発生させたオゾンをデシケータ内に導入した。オゾンの発生量は3.0mg/minでオゾンの導入は約1時間とした(「オゾン処理担子菌」とする)。
2.液体からの金属の吸着実験
ニッケル(Ni2+)、コバルト(Co2+)、リチウム(Li+)、ホウ素([B(OH)4]-)、又はセシウム(Cs+)を含む金属溶液は、それぞれNi(NO32・6H2O(関東化学(株))、Co(NO32・6H2O(関東化学(株))、LiCl(関東化学(株))、H3BO3(関東化学(株)又はCsCl(関東化学(株))を1ppm〜50ppmになるように蒸留水に溶解して調製した。各金属溶液のpHは、0.1M 水酸化ナトリウム及び/又は0.1M 硝酸(HNO3)を使用してpH6に調整した。
2.1 吸着量の測定
1ppm〜50ppmの金属溶液1Lに対して無処理担子菌及びアルカリ処理担子菌又はオゾン処理担子菌を1gの割合で添加した。混合液は30℃に設定した恒温器内でマグネチックスターラーを用いて攪拌した。吸着処理後の溶液は随時採取し、0.45μmのアクリルスチロール製メンブランフィルター(東洋濾紙(株)製、25AS045AN)で直ちにろ過した。
ろ過後の溶液に含まれるニッケル、コバルトの濃度は、誘導結合プラズマ発光分光分析装置(ICP−AES,株式会社島津製作所製 ICPS−7510)を用いて定量した。検量線の作成には、関東化学株式会社の原子吸光分析用標準液(1000mg/L)を適宜希釈して使用した。分析試料、及び検量線作成用標準試料は、全て硝酸酸性とした。ろ過後の溶液に含まれるセシウムの濃度は、イオンクロマトグラフ(DIONEX製 DX−500)を用いて定量した。分離カラムには、DIONEX製「IonPac(商標) CG12A」と「IonPac(商標) CS12A」を使用し、溶離液には18mmol/Lのメタンスルホン酸水溶液を使用した。溶離液の流速は1.0mL/minとした。
担子菌の乾燥重量当たりの金属イオン吸着量は、以下の(1)の式によって計算した。
式(1):
Q=(Ci−Cf/m)V
ここで、Qは担子菌の乾燥重量(g)当たりの金属イオン吸着量(mg)、Ciは金属イオンの初期濃度(mg/L)、Cfは金属イオンの最終濃度(mg/L)、mは吸着に使用した担子菌の乾燥重量(g)、Vは反応混合物の体積(L)である。
結果を図1に示す。図1において各菌種(Pleurotus eryngii(エリンギ)、Hypsizygus marmoreus(ブナシメジ)、Lentinula edodes(シイタケ)、及びGrifola frondosa(マイタケ))のカラムのうち左が無処理担子菌、中央がアルカリ処理担子菌、右がオゾン処理担子菌の結果である。
いずれの菌種でも、無処理担子菌で1.7〜2.8mg/gのニッケルを吸着しており、無処理でも高い吸着量を有することが示された。さらに、無処理担子菌とアルカリ処理担子菌のニッケル吸着量を比較するとPleurotus eryngiiではアルカリ処理7.2mg/g、無処理2.3mg/gであり、アルカリ処理担子菌のニッケル吸着量は無処理担子菌の3.1倍であった。同様に、Lentinula edodesではアルカリ処理4.8mg/gで無処理1.7mg/gの2.8倍、Hypsizygus marmoreusではアルカリ処理6.4mg/gで無処理2.8mg/gの2.3倍、及びGrifola frondosaではアルカリ処理4.9mg/gで無処理2.3mg/gの2.1倍であった。この結果から、本発明の吸着剤は、アルカリで処理する工程を行うことにより、ニッケル吸着量が大幅に増大することがわかった。特に、Pleurotus eryngiiはアルカリ処理によるニッケル吸着量の増大が顕著であり、無処理でのニッケル吸着量はHypsizygus marmoreusを下回っていたが、アルカリ処理をすることによってHypsizygus marmoreusの吸着量を0.8mg/g上回る結果を示した。
糸状菌について、アルカリ溶液中で95〜100℃、4〜6時間の加熱処理を行い細胞壁のキチンを脱アセチル化させることで金属吸着量が増加することが報告されている(Muzzarelli R. A. A.ら:BiotechnoLBioeng, 22, 885-896 (1980))。本発明の担子菌を含む吸着剤の製造において行ったアルカリ処理は室温で30分間と温度が低く、時間も短いため、報告された糸状菌と同程度の脱アセチル化に至っていないと考えられるが、担子菌においても金属吸着量の増加にアルカリ処理が有効であることが示された。
アルカリ処理後にさらにオゾン処理を行った場合、ニッケル吸着量はそれぞれ、Pleurotus eryngiiで4.4mg/g、Lentinula edodesで2.6mg/g、Hypsizygus marmoreusで4.1mg/g及びGrifola frondosaで3.0mg/gであった。オゾン処理担子菌は、アルカリ処理担子菌と比較した場合、ニッケル吸着量の減少が見られたものの、いずれも無処理担子菌の1.3〜1.9倍の吸着量であった。したがって、オゾン処理でも一定の吸着量が期待できる。
2.2 吸着速度の測定
アルカリ処理担子菌(Pleurotus eryngiiHypsizygus marmoreusLentinula edodesFlammulina velutipes及びGrifola frondosa)を用いて、金属イオンを吸着する際の飽和吸着に達するまでの時間を調べた。使用した金属溶液は10ppmのニッケル溶液(pH6)とした。サンプリングは吸着時間5分、15分、30分、45分、60分の5回実施し、それぞれ吸着後の溶液中の残存ニッケル濃度を上記と同様にして測定した。
結果を図2に示す。ニッケルは、いずれの担子菌においても吸着開始5分後までに概ね吸着平衡に達しており、水溶液中のニッケルイオンは担子菌に速やかに吸着されることが明らかになった。また、菌種によって金属イオンの吸着量は異なるが、吸着に要する時間には大きな差がないことがわかった。
2.3 吸着特性
アルカリ処理担子菌による金属吸着特性をさらに調べた。吸着剤としてアルカリ処理担子菌(Pleurotus eryngiiHypsizygus marmoreusLentinula edodesFlammulina velutipes及びGrifola frondosa)を用い、吸着質としてニッケル、コバルト、リチウム、ホウ素、セシウムを含む金属溶液を用いた。金属濃度はそれぞれ1ppm、5ppm、10ppm、25ppm、50ppmとした。pH6の金属溶液1Lに対してアルカリ処理担子菌を1gの割合で投入し、混合液とした。混合液は30℃に設定した恒温器内においてマグネチックスターラーで攪拌した。ニッケル溶液を用いた吸着速度の実験結果から、すべての担子菌菌種で吸着平衡に達する時間よりも長い30分間を攪拌時間として設定した。
各種担子菌の金属吸着等温線を図3〜5に示す。
また、Langmuir式及びFreundlich式の2種類の吸着等温式を用いて吸着等温線の解析を行った。Langmuirモデルは式(2)に従った。
式(2):
W=aWS C/(1+aC)
ここで、Wは担子菌単位重量当たりの吸着量(mg/g)、Cは溶質の平衡濃度(mg/L)、WSを飽和吸着量、aは吸着平衡定数とする。
Langmuir式(2)を変形した直線式(3)に測定値をあてはめてC及びC/Wでプロットし、直線関係が成立している場合には直線の傾きと切片から吸着平衡定数及び飽和吸着量を算出した。
式(3):
C/W=(1/aWS)+(1/WS)C
Freundlichモデルは式(4)にしたがった。
式(4):
W=KC1/n
ここで、K及び1/nは吸着定数である。両辺の対数をとると式(5)のような直線一次式が得られる。その直線の傾きから1/nが得られ、C=1のときの吸着量からKを求めた。
式(5):
log W=log K+(1/n)log C
前処理をした担子菌5菌種での重金属ニッケル、コバルト、セシウムの吸着等温線をLangmuir式及びFreundlich式によって解析した吸着パラメーターを表1に示した。
Langmuir式の吸着等温線で解析した結果、ニッケルの飽和吸着量はPleurotus eryngiiHypsizygus marmoreusLentinula edodesFlammulina velutipesGrifola frondosという結果を示し、Pleurotus eryngiiHypsizygus marmoreusの飽和吸着量は8.0mg/gを上回った。コバルトではPleurotus eryngiiHypsizygus marmoreusLentinula edodesGrifola frondosaFlammulina velutipesという結果を示し、最も吸着量が多いPleurotus eryngiiで7.96mg/g、次いでHypsizygus marmoreusで6.86mg/gであった。セシウムでは、Grifola frondosHypsizygus marmoreusLentinula edodesPleurotus eryngiiFlammulina velutipesという結果を示した。Hypsizygus marmoreusはニッケル、コバルト、セシウムのいずれも比較的高い飽和吸着量を示した。一方、Pleurotus eryngii及びGrifola frondosaでは重金属を選択的に吸着する傾向が見られた。すなわち、Pleurotus eryngiiではニッケル及びコバルトで高い吸着能が見られたが、セシウムでは飽和吸着量が低く、反対にGrifola frondosaではセシウムの吸着能が高く、ニッケル及びコバルトの飽和吸着量が比較的低くなる結果であった。
このことから、担子菌の菌種を選択することで廃水中から目的の重金属を高濃度に回収できる可能性があることが推察された。また、Langmuir式の吸着等温線解析ではいずれの担子菌及び重金属の組み合わせにおいても0.9以上の高い相関性が得られた。Langmuir式は単分子層での吸着及び化学吸着の挙動を示す式であることから、担子菌への重金属の吸着メカニズムは化学吸着であることが明らかになった。
Freundlich式によって計算した吸着パラメーターK値は大きいほど吸着能が大きくなり、n値は吸着強度を表している。ニッケル、コバルトは吸着特性が類似しており、いずれもPleurotus eryngiiが最も吸着能が高く、次いでHypsizygus marmoreusLentinula edodesと続くことがわかった。n値の比較からLentinula edodesGrifola frondosの吸着強度が比較的高いことが示された。このことから、担子菌に吸着した重金属を回収する際、親和力が小さい3菌種、Pleurotus eryngiiHypsizygus marmoreusFlammulina velutipesは回収効率が比較的良いことが推察された。
なお、リチウム、ホウ素についても、5種類のアルカリ処理担子菌を用いて同様の実験を行ったが、いずれの担子菌に対しても吸着は全く見られなかった。リチウムイオンは水素イオンやナトリウムイオンよりも陽イオン交換樹脂への吸着性が低いことが知られており、担子菌における吸着メカニズムがイオン交換樹脂等と同様の反応による可能性が考えられる。一方、ホウ素は水溶液中で1価の陰イオンとなるが、担子菌体は陰イオンを吸着できる官能基を保有していないものと推察される。
3.吸着した重金属の脱離回収
前記1.と同様にして、4菌種の担子菌(Pleurotus eryngiiHypsizygus marmoreusGrifola frondosaFlammulina velutipes)を用いてアルカリ処理担子菌を製造し、前記2.1と同様にしてニッケルを吸着させ、吸着量を測定した。Pleurotus eryngiiHypsizygus marmoreusGrifola frondosaFlammulina velutipesのそれぞれのニッケル吸着量は5.63、5.45、4.08及び3.84mg/gであった。
その後、アルカリ処理担子菌に吸着させたニッケルの脱離回収を、酸性溶液を用いて行った。酸性溶液としては、塩酸(関東化学(株)製、有害金属測定用、濃度35〜37%)及び蒸留水を使用してpH1、2、3、及び4に調整したものを用いた。重金属の脱離法は、酸性溶液1Lに対して、重金属吸着後の担子菌含有廃菌床1gを投入し、室温、30分間マグネチックスターラーで攪拌して行った。溶液中のニッケルイオン濃度はICP-AESを用いて定量した。回収率を、以下の計算式によって算出した:
回収率(%)=回収量/吸着量×100
酸性溶液のpH条件の違いによるニッケル回収率を菌種ごとに調べた結果を、図6に示す。酸性溶液がpH1のときの回収率は、それぞれ、Pleurotus eryngiiで98.2%、Hypsizygus marmoreusで97.6%、Lentinula edodesで90.7%、Flammulina velutipesで96.4%であった。pH3以下の酸性溶液におけるニッケル回収率の変動はあまり大きくなく、pH3以下の酸性溶液を用いることで、いずれの担子菌においても吸着したニッケルを約90%以上の高い効率で回収できることが明らかになった。
一方、pHが4に上がるといずれの菌種でもニッケル回収率が急激に下がった。これは、担子菌の陽イオン吸着サイトに対して重金属イオンと水素イオンが競合し、pH3付近ではプロトン濃度の上昇に伴い陽イオン吸着サイトの多くがプロトン化し、重金属イオンの脱離が進むことに起因すると考えられる。
また、Freundlichモデルでの吸着等温線解析から得られたニッケル吸着強度と回収率との関係を図7に示した。ニッケルの吸着強度と回収率との間にはほぼ負の相関関係が得られ、ニッケルの吸着強度が最も高いLentinula edodesのニッケル回数率が最も低い結果となった。これにより、吸着強度が重金属回収率に影響を及ぼす可能性が示唆された。
4.細孔分布測定及び吸着メカニズムの解明
水銀圧入式細孔分布測定装置(島津製作所製、オートポアIV9500)を用いて、子実体の無処理担子菌、アルカリ処理担子菌(いずれもFlammulina velutipes)の細孔分布図をそれぞれ求めた。水銀と試料の接触角を140度として細孔分布を算出した。
水銀圧入式細孔分布測定法による無処理担子菌及びアルカリ処理担子菌の細孔分布を図8に示す。無処理担子菌(図8−A)では複数見られた細孔のピークが、アルカリ処理担子菌(図8−B)においては15μm付近に集中することがわかった。重金属吸着量はアルカリ処理によって増加したが、担子菌へのアルカリ処理前後で物理吸着に必要な微細孔の発達は見られなかった。
なお、アルカリ処理担子菌(Flammulina velutipes)の走査型電子顕微鏡像(SEM、エリオニクス社製、ERA−8900FE、250倍)を図9に示した。
担子菌の細胞壁は主にグルカン、キチン、タンパク質からなり、菌体表面にアミノ基及び水酸基等の陽イオンを吸着できる官能基を有している。一方、重金属イオンは水溶液中で電荷をもっており、実験の結果から、担子菌に吸着した重金属がpH4以下、特にpH3以下の酸性溶液中で効率的に脱離することがわかった。また、吸着等温線解析の結果から、化学吸着で用いるLangmuir式の吸着等温式が成り立つことがわかった。
これらのことから、担子菌が重金属イオンを吸着する主なメカニズムはイオン間相互作用による化学吸着であることが示された。
5.吸着剤の製造方法の検討
Pleurotus eryngii(エリンギ)及びLentinula edodes(シイタケ)の担子菌類2菌種の子実体を用い、前記1.に記載したとおりに、無処理担子菌、アルカリ処理担子菌を製造した。
すなわち、まず、子実体を、乾燥機で60℃、3日間乾燥させ、それを粉砕機で20秒間粉砕し、目開き355μmのふるい通過分をさらに60℃、24時間乾燥させた(「無処理担子菌」)。
無処理担子菌10gを0.2M 水酸化ナトリウム溶液1Lに投入し、室温で30分間マグネチックスターラーを用いて撹拌することにより、アルカリ処理を行った。この菌体を、洗浄液のpHが中性域に達するまでイオン交換水を用いて洗浄した。その後、遠心分離及び吸引ろ過によって菌体を回収し、乾燥器で60℃、2日間乾燥させ、それを粉砕機で粉砕し、目開き355μmのふるい通過分をさらに60℃、24時間乾燥させた(「アルカリ処理担子菌」)。
アルカリ処理担子菌の一部について、さらにオゾン処理を行った。10Lのガラス製デシケータ内に担子菌0.1gを静置し、オゾン発生装置(日本オゾン株式会社製、ON−3−2型)を用いて発生させたオゾンをデシケータ内に導入した。オゾンの発生量は3.0mg/minでオゾンの導入は約1時間とした(「アルカリ処理後オゾン処理担子菌」とする。前記1.における「オゾン処理担子菌」に相当する)。
アルカリ処理及びオゾン処理の順序を変えて吸着剤を製造した。すなわち、無処理担子菌10gを、10Lのガラス製デシケータ内に静置し、オゾン発生装置(日本オゾン株式会社製、ON−3−2型)を用いて発生させたオゾンをデシケータ内に導入した。オゾンの発生量は3.0mg/minでオゾンの導入は約1時間とした。その後、オゾン処理した無処理担子菌10gを0.2M 水酸化ナトリウム溶液1Lに投入し、室温で30分間マグネチックスターラーを用いて撹拌することにより、アルカリ処理を行った。この菌体を、洗浄液のpHが中性域に達するまでイオン交換水を用いて洗浄した。その後、遠心分離及び吸引ろ過によって菌体を回収し、乾燥器で60℃、2日間乾燥させ、それを粉砕機で粉砕し、目開き355μmのふるい通過分をさらに60℃、24時間乾燥させた(「オゾン処理後アルカリ処理担子菌」とする)。
前記2.1と同様にして、各吸着剤を用いて10ppmのニッケル(Ni2+)を含む金属溶液からの金属の吸着量を測定した(吸着処理のための攪拌時間は30分間とした)。結果を表2に示す。
オゾン処理後にアルカリ処理をした場合は、アルカリ処理後にオゾン処理をしたものと比較して、ニッケル吸着量がシイタケで208%、エリンギで168%となることがわかった。したがって、アルカリ及びオゾンによる処理を行う順番が吸着量に大きな影響を与えること、及びオゾン処理後にアルカリ処理を行うことによって各担子菌による金属吸着量が顕著に増大することが明らかになった。
6.担子菌を含む廃菌床を用いた吸着剤の製造及び金属吸着量の測定
Lentinula edodes(シイタケ)を含む、シイタケ栽培後の廃菌床を用いたこと以外は前記5.と同様にして、「無処理担子菌」、「アルカリ処理担子菌」及び「オゾン処理後アルカリ処理担子菌」を製造した。この各種吸着剤を用いて、前記5.と同様にしてニッケル吸着量を測定し、子実体を用いて製造した吸着剤による吸着量と比較した。結果を表3に示す。
シイタケを栽培した後の廃菌床を用いた吸着剤は、シイタケの子実体を用いた吸着剤よりも多量のニッケルを吸着することが明らかになった。また、廃菌床を用いた吸着剤の場合も、子実体を用いた吸着剤と同様に、無処理のものと比較してアルカリ処理を施した場合の方が吸着量が多く、オゾン処理後にアルカリ処理を施すことによってさらに吸着量が増大することがわかった。これは、オゾン処理で酸化分解することにより吸着剤表面の陽イオン吸着サイトが増加し、吸着量が増加したためである可能性が考えられる。

Claims (11)

  1. 担子菌の死菌体を含有する重金属吸着剤。
  2. 前記担子菌の死菌体が、乾燥処理、アルカリ処理、オゾン処理、又はアルカリ処理及びオゾン処理されたものである、請求項1記載の重金属吸着剤。
  3. 前記担子菌の死菌体が、廃菌床に含まれている、請求項1記載の重金属吸着剤。
  4. 粉体状である、請求項1記載の重金属吸着剤。
  5. 前記担子菌が、ハラタケ目(Agaricales)又はチョレマイタケ目(Polyporales)に属する担子菌である、請求項1記載の重金属吸着剤。
  6. 前記担子菌が、Pleurotus属、Hypsizygus属、Lentinula属、Flammulina属及びGrifola属からなる群より選択された一種以上の担子菌である、請求項1記載の重金属吸着剤。
  7. 前記担子菌が、エリンギ(Pleurotus eryngii)、ブナシメジ(Hypsizygus marmoreus)、シイタケ(Lentinula edodes)、エノキタケ(Flammulina velutipes)及びマイタケ(Grifola frondosa)からなる群より選択された一種以上の担子菌である、請求項1記載の重金属吸着剤。
  8. 重金属の回収方法であって、重金属を含有させた請求項1〜7のいずれか1項記載の重金属吸着剤を、酸性液体と接触させることにより、前記酸性液体中に重金属を回収する工程を含む、方法。
  9. 前記酸性液体が、pH4以下の塩酸又は硫酸である、請求項8記載の方法。
  10. 回収される重金属が、ニッケル、コバルト及びセシウムからなる群より選択される一以上の重金属である、請求項8記載の方法。
  11. 担子菌の死菌体を含有する重金属吸着剤の製造方法であって、担子菌又は担子菌を含む廃菌床を、オゾン処理した後にアルカリ処理をする工程を含む、方法。
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