JP2014010113A - 原子力プラントの非常用炉心冷却設備 - Google Patents

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孝男 伊東
Eiichi Hosomi
栄一 細見
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正樹 永野
Keiichi Meguro
圭一 目黒
Naoharu Ito
直治 伊藤
Kazumi Yamamoto
一巳 山本
Hironori Takahashi
寛則 高橋
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Abstract

【課題】原子力プラントの更なる安全性と信頼性を確保するため、全電源喪失が発生した場合にも、外部電源を使用する冷却設備の復旧を待つことなく、タービン動補助給水ポンプによって原子炉を温態停止状態から冷態停止状態まで移行できる、非常用炉心冷却設備を提供すること。
【解決手段】タービン動補助給水ポンプ28の駆動源を原子炉内部もしくは蒸気発生器3から発生する蒸気で駆動するタービン26から内燃機関28に切り替えることができる。これにより、全交流電源喪失時においても、外部電源を使用する冷却設備の復旧を待つことなく、タービン動補助給水ポンプ28により、原子炉を冷態停止状態まで冷却できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、原子力プラントの非常用炉心冷却設備に関する。
日本の原子力プラントは軽水炉と呼ばれる原子炉を使用している。軽水炉は加圧水型原始炉(Pressurized Water Reactor PWR)と沸騰水型原始炉(Boiling Water Reactor BWR)に大別できる。加圧水型原子炉は、核分裂反応によって生じた熱エネルギーで一次冷却材である加圧水を300℃以上に熱して蒸気発生器に通し、そこにおいて発生した二次冷却材の軽水の高温高圧蒸気によりタービン発電機を回すことで発電を行っている。沸騰水型原子炉は、軽水を原子炉冷却材とし、この軽水を炉心で沸騰させて蒸気を発生させ、その蒸気を直接タービン発電機に導き発電を行っている。
原子力プラントでは、例えば、地震等による災害で冷却材用の配管が損傷し冷却材が失われた場合や、外部電源が喪失して冷却材用ポンプが停止した場合も想定し、緊急用の冷却装置を備えることで、継続的に炉心冷却ができるよう設計されている。例えば、加圧水型原子炉では、高圧で蓄えてある冷却水を炉心に入れる蓄圧注入系、ポンプを使い高圧の冷却水を炉心に送り込む高圧注入系、炉心内の圧力が下がってから使用する低圧注入系の3系統で構成される非常用炉心冷却設備(Emergency Core Cooling System ECCS)と、原子炉格納容器全体を冷却する格納容器スプレイ設備を備えている。
これらの装置の使用には交流電源を必要とする。そのため、プラント全体に影響する大規模地震等で、いわゆる外部電源喪失(Black Out BO)が発生した場合にも備えるため、プラント内には予備電源として非常用ディーゼル発電機も準備されている。さらに、これらの予備電源が一時的に使用できない全交流電源喪失(Station Black Out SBO)も想定し、蒸気発生器で得られた蒸気で駆動するタービンを動力源とする非常冷却用給水ポンプも備えている。この給水ポンプをタービン動給水ポンプと呼び、復水タンクまたはピットにためた冷却水を蒸気発生器や炉心に送ることができるようになっている。
このように原子力プラントは、全交流電源を一時的に喪失した場合でも、タービン動補助給水ポンプによって炉心冷却を継続させ、その間に非常用ディーゼル発電機の運転開始と所内電源の復旧を行うことで、通常設備での原子炉冷却が回復できるような安全設計が行われている。このような原子力発電所における工学系安全施設に関する技術については、例えば、下記に記載した特許文献1や非特許文献1に記載されている。
特公平07−015506号公報
「軽水炉発電所のあらまし」(改訂版)、原子力安全研究協会発行、平成4年10月発行
従来のタービン動補助給水ポンプは電源喪失という事態においても、原子炉の一次冷却材温度を100℃以上の一定値に止める、いわゆる温態停止状態(このとき、原子炉内は未臨界状態になっている)を保ち続けることができる。PWRの場合、温態停止状態の間も、蒸気発生器から発生した蒸気によってタービン動補助給水ポンプが駆動するので、補助給水ポンプによって復水タンクまたはピットから蒸気発生器へ冷却水を供給して一次系を冷却し、それと同時に蒸気発生器の蒸気を主蒸気逃がし弁から放出することで、温態停止状態を継続することができる。
しかし、これら設備機能に満足することなく、更なる安全性と信頼性を確保するため、補助給水ポンプの冷却によって、冷態停止状態まで移行させることが可能になるような検討をしている。冷態停止状態とは、原子炉の核分裂反応が停止し、かつ一次冷却材の温度が95℃以下に冷却され、定期検査や長期間におよぶ保修作業を伴うような場合に実施される原子力プラントの停止状態である。
本発明は、前記に鑑みてなされたものであって、原子力プラントの更なる安全性と信頼性を確保するため、全電源喪失が発生した場合にも、外部電源を使用する冷却設備の復旧を待つことなく、タービン動補助給水ポンプによって原子炉を温態停止状態から冷態停止状態まで移行できる、原子力プラントの非常用炉心冷却設備を提供することを目的とする。
本発明は、原子力プラントにおいて、前記原子力プラントが備える原子炉の冷却のために原子炉の炉心と蒸気発生器に冷却水を供給する補助給水ポンプと、前記補助給水ポンプを駆動する蒸気タービン及び内燃機関と、前記蒸気タービンの出力軸及び前記内燃機関の出力軸と前記補助給水ポンプに動力を入力する入力軸との間に配置されて、前記蒸気タービンの出力軸または前記内燃機関の出力軸から出力された動力を前記入力軸に伝達する伝達装置と、前記蒸気タービンの出力軸と前記伝達装置との間に配置されて、前記蒸気タービンの出力軸から出力された動力の伝達または遮断をする第1クラッチと、前記内燃機関の出力軸と前記伝達装置との間に配置されて、前記内燃機関の出力軸から出力された動力の伝達または遮断をする第2クラッチと、を含むことを特徴とする原子力プラントの非常用炉心冷却設備である。
本発明において、前記内燃機関はディーゼルエンジンであることが好ましい。
本発明において、前記内燃機関はガスタービンであり、前記伝達装置は、前記ガスタービンの出力軸の回転速度を減速して前記補助給水ポンプの入力軸へ伝達することが好ましい。
本発明は、原子力プラントにおいて、原子炉の炉心と蒸気発生器に冷却水を供給する補助給水ポンプと、前記補助給水ポンプを駆動する蒸気タービンと内燃機関と、前記補助給水ポンプを駆動する蒸気タービンと内燃機関の出力軸と前記補助給水ポンプに動力を入力する入力軸との間に前記蒸気タービンの出力軸から出力された動力の伝達または遮断をする第1クラッチと、前記内燃機関の出力軸から出力された動力の伝達または遮断をする第2クラッチを含むので、前記第1クラッチの遮断と第2クラッチの伝達により、前記補助給水ポンプの駆動源を前記蒸気タービンから前記内燃機関に切り替えることができる。その結果、前記炉心または蒸気発生器から蒸気が発生しなくなる冷態停止状態に移行する際は、前記内燃機関を駆動源として前記補助給水ポンプを継続して使用できるので、冷態停止状態においても、前記補助給水ポンプによって、原子炉の冷却を継続することができるという効果が得られる。
本発明は、前記内燃機関にディーゼルエンジンを使用することが好ましい。ディーゼルエンジンを使用することで、前記蒸気タービンからの切り替え時の始動が速く、動作の信頼性が高く、保守点検が容易であり、さらに、燃料として軽油を使用するので、ガソリンエンジンよりも安全性が高いという効果が得られる。
本発明は、前記内燃機関にガスタービンを使用することにより、装置を小型化することができることに加え、内燃機関の冷却が不要になるという効果が得られる。
図1は、第1の実施の形態の加圧水型原子力発電プラントの非常用炉心冷却設備の系統図である。 図2は、第1の実施の形態の非常用炉心冷却設備の補助給水ポンプの概略構成を示す図である。 図3は、第2の実施の形態の非常用炉心冷却設備の補助給水ポンプの概略構成を示す図である。
以下に、本発明に係わる原子炉の非常用炉心冷却設備であるタービン動補助給水ポンプの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
(第1の実施の形態)
図1に第1の実施の形態の加圧水型原子力プラントの非常用炉心冷却設備100の系統図を示す。原子炉格納容器1内には、加圧水型原子炉炉心2、蒸気発生器3、中性子吸収剤であるほう酸水が貯蔵された蓄圧タンク4、一次冷却材ポンプ5が格納されており、加圧水型原子炉炉心2、蒸気発生器3、前記蓄圧タンク4は、冷却材配管6、7、8を介して連結され、一次冷却材ポンプ5により、一次冷却材が循環するようになっている。
加圧水型原子炉炉心2は、炉心内部で沸騰しない高圧高温水(温度約325℃、圧力約15.4MPa)をつくり、これを蒸気発生器3に導き、蒸気発生器3の中の図示しない伝熱管によって一次系から二次系に熱を伝えることで、二次側に飽和蒸気(温度約277℃、圧力約6MPa)を発生させ、この飽和蒸気によりタービン9を駆動し、その回転エネルギーを発電機10で電気に変換することで発電を行っている。
前記タービン9に送られた飽和蒸気は、復水器11で蒸気から水に戻され主給水ポンプ12で蒸気発生器3に輸送される。一方、復水器11で蒸気を冷却した海水は温排水となって海へ排出される。
原子力プラントでは、例えば、地震等による災害で冷却材用の配管が損傷し冷却材が失われた場合や、外部電源が喪失して冷却材用ポンプが停止した場合も想定し、緊急用の冷却装置を備えることで、継続的に炉心冷却ができるよう設計されている。例えば、加圧水型原子炉では、高圧で蓄えてある冷却水を炉心に入れる蓄圧注入系、ポンプを使い高圧の冷却水を炉心に送り込む高圧注入系、炉心内の圧力が下がってから使用する低圧注入系の3系統で構成される非常用炉心冷却設備(Emergency Core Cooling System ECCS)と、原子炉格納容器全体を冷却する格納容器スプレイ設備を備えている。
蓄圧注入系は、蓄圧タンク4と図示しない逆止弁、入口弁などから構成され、一次冷却材喪失で一次冷却系内の圧力が蓄圧タンク4内の圧力以下に低下すると、逆止弁が自動的に開き、中性子吸収剤であるほう酸水が炉心2に注水され、炉心2が冷却される。これにより、燃料と燃料被覆管の損傷が防止され、かつ、燃料被覆管のジルコニウムと水の反応による水素発生を十分小さな量に抑えることができる。
高圧注入系は、高圧注入ポンプ14、配管15、図示しない電磁弁などから構成され、一次冷却材が喪失した場合に、高圧注入ポンプ14が起動し、燃料取替用水タンクまたはピット13のホウ酸水が炉心2に注入される。燃料取替用水タンクまたはピット13の水位が低くなると水源を格納容器サンプ16に切り替えて注水が継続され、再循環モードに移行する。
低圧注入系は、余熱除去ポンプ17、及び配管18、図示しない電磁弁、図示しない余熱除去冷却器などから構成されており、燃料取替用水タンクまたはピット13のホウ酸水が炉心2に注入され、外部電源喪失時には図示しないディーゼル発電機から給電される。低圧注入系においても、燃料取替用水タンクまたはピット13の水位が低くなると、水源を格納容器サンプ16に切り替えて注水が継続され、再循環モードに移行する。
格納容器スプレイ設備は、格納容器スプレイポンプ19、図示しない格納容器スプレイ冷却器、図示しないヨウ素除去薬品タンク、配管20などから構成されており、冷却水を噴射ノズル21で噴射することで原子炉格納容器1内全体を冷却する。
なお、高圧注入系、低圧注入系、格納容器スプレイ設備に使用されている電動のポンプ14、17、19、電磁弁は外部からの電力供給を得て駆動するが、全交流電源喪失時においては、図示しない非常用ディーゼル発電機からポンプ14、17、19に給電するようになっている。
以上の安全対策に加え、さらに加圧水型原子力発電プラントの冷却系には、全交流電源喪失時に非常用ディーゼル発電機や海水ポンプが一時的に使用できなくなった場合も想定し、蒸気発生器3で得られた蒸気で駆動するタービン26を動力源とする非常冷却用給水ポンプである、タービン動補助給水ポンプ22を備えている。発電用タービン9への蒸気輸送は弁25を閉鎖することで停止し、一方で、弁27を開放する操作によりタービン動補助給水ポンプ22の蒸気タービン26へ蒸気が輸送される。これにより、タービン動補助給水ポンプ22は復水タンクまたはピット23内の水を水源として蒸気発生器3の二次系に給水を行って、蒸気発生器3の中で伝熱管を介して一次系を冷却する。
タービン動補助給水ポンプ22による冷却と同時に主蒸気逃がし弁24も開放することで放射性物質を含まない二次系の蒸気を大気放出し、一次系を冷却することができる。
タービン動補助冷却ポンプ22は、原子炉格納容器1内の蒸気発生器3から得られる蒸気を動力源として駆動している。したがって、全交流電源喪失時においても、原子炉の一次冷却材温度を100℃以上の一定値に止めることで、蒸気発生器3から得られる蒸気でタービン動補助冷却ポンプ22を駆動することにより、冷却水の供給を継続でき、いわゆる温態停止状態(このとき、原子炉内は未臨界状態になっている)を保ち続けることができる。
しかし、原子力プラントにおいては、これら設備機能に満足することなく、更なる安全性と信頼性を確保するため、補助給水ポンプの冷却によって、冷態停止状態まで移行させることが可能になるような検討している。冷態停止状態とは、原子炉の核分裂反応が停止しており、かつ一次冷却材温度を93℃以下で冷却された状態で、定期検査や長期間におよぶ保修作業を伴うような場合の停止状態である。蒸気発生器3において二次冷却材が蒸発しないため、タービン動補助冷却ポンプ22の蒸気タービン26は駆動しない。
そこで、本発明に係わる非常用炉心冷却設備100の第1の実施の形態においては、図2に示すように、補助給水ポンプ22の動力源を蒸気タービン26から内燃機関28に切り替えて使用できるようにした。
図2に示すように、補助給水ポンプ22と、蒸気タービン26と、内燃機関28とは、それぞれ第1クラッチ32、第2クラッチ33を介して、伝達装置31に係合し、その回転エネルギーを補助給水ポンプ22に伝達するようになっている。
伝達装置31は、例えば歯車機構になっており、これにより蒸気タービンの回転軸36及び内燃機関の回転軸38の回転を補助給水ポンプの回転軸42に伝達することができる。伝達装置31には、蒸気タービンの回転軸36と第1クラッチ32を介して係合する第1入力軸37と、内燃機関の回転軸38と第2クラッチ33を介して係合する第2入力軸39の2つの入力軸があり、伝達装置31内部の歯車等によって、第1入力軸37の回転と第2入力軸39の回転を補助給水ポンプの回転軸42に伝達できる。なお、蒸気タービン26と内燃機関28を同時に使用することはないので、第1クラッチ32、第2クラッチ33を同時に締結することはない。例えば、第1クラッチ32を係合し、第2クラッチ33を非係合にすると、蒸気タービン26の回転は補助給水ポンプ22に伝達されると同時に入力軸39にも伝達されるが、第2クラッチ33が非係合なので、入力軸39は空転し、内燃機関28側に回転が伝達されることはない。
原子炉格納容器1内の蒸気発生器3で発生した二次冷却材の高温高圧蒸気は、配管30を経由し、蒸気タービン26を回転させる。第1クラッチ32により、伝達装置31の第1入力軸37と係合(同時に第2クラッチは非係合)することにより、蒸気タービン26の回転が伝達装置31を経由して補助給水ポンプ22に伝達して、補助給水ポンプ22が駆動し、復水タンクまたはピット23から冷却水をくみ上げ、配管29を経由して、蒸気発生器3に供給する。なお、第1クラッチ32、第2クラッチは、全交流電源喪失時にも使用できるよう、手動によって係合及び非係合の操作ができるようにするが、電動モータや油圧を動力として係合及び非係合の操作をすることも可能とする。
次に、第1クラッチ32を非係合にし、第2クラッチ33を係合することにより、内燃機関の回転軸38と第2入力軸39が係合し、内燃機関28の回転が伝達装置31を経由して補助給水ポンプの回転軸41に伝達する。この操作により、補助給水ポンプ22の駆動源を蒸気タービン26から内燃機関28へ切り替えることができる。このとき、蒸気を供給する配管30に設置した弁27を閉鎖し、タービン26への蒸気の供給を停止することで、タービンの空転を停止する。なお、補助給水ポンプ22に必要となるポンプ動力は、最大出力1,000kW程度、回転速度1,000〜7,000rpmであり、発電用ディーゼルエンジン等の内燃機関が特段の支障なく使用できる。
発電所の機器を駆動するための所内電源及び外部電源が喪失し、かつ非常用電源装置が全て起動に支障が発生し、交流電源が給電できなくなる、全交流電源喪失(SBO)が発生する(ステップS01)。
すると、直ちに、タービン動補助給水ポンプ22が自動起動し、復水タンクまたはピット23内の水を水源として、蒸気発生器3の二次系に給水を開始するので、蒸気発生器3を介して一次系が冷却される。これにより、一次系の減圧も開始する。このとき、タービン動補助給水ポンプ22は蒸気発生器3から発生した蒸気によって駆動している。(ステップS02)
一方、手動にて主蒸気逃がし弁24を開放し、原子炉格納容器1内にある蓄圧タンク4の出口弁(図示せず)の閉止圧力に向けて、一次系の冷却・減圧を開始する(ステップS03)。
一次系の圧力が蓄圧タンク4の保持圧力以下に低下すると、蓄圧タンク4出口部分の図示しない逆止弁が自動的に開き、蓄圧タンク4より炉心2に中性子吸収剤であるほう酸水が注水されることで、炉心2が冷却される。これにより、燃料と燃料被覆管の損傷が防止され、かつ、燃料被覆管のジルコニウムと水の反応(水素発生)を十分小さな量に抑えることができ、また、原子炉の停止に必要な負の反応度(反応度が負の場合は時間とともに中性子の数が減少し、臨界未満の状態と呼ばれる)が添加される(ステップS04)。
蓄圧タンク4出口弁(図示せず)の閉止圧力に達すれば、一旦、冷却を停止して、圧力を一定に保った上で、蓄圧タンク4内窒素が一次系へ放出されることを防止するため、蓄圧タンク4出口弁を閉鎖する(ステップS05)。
タービン動補助給水ポンプ22と主蒸気逃がし弁24を用いて、温態停止状態(温度約170℃、圧力約0.7MPa)に向けて、冷却を開始する(ステップS06)。
温態停止状態(温度約170℃、圧力約0.7MPa)に達する前から内燃機関28の起動準備を行っておき、温態停止状態までは蒸気タービン26を駆動源して補助給水ポンプ22を使用し、温態停止状態において内燃機関28が起動した時点で第1クラッチ32を非係合にし、第2クラッチ33を係合にすることにより、補助給水ポンプ22の駆動源を蒸気タービン26から内燃機関28へ切り替えを行う。内燃機関28を駆動源とする補助給水ポンプ22によって、冷態停止状態(温度約95℃以下)への冷却を開始する(ステップS07)。
以上のように、タービン動補助給水ポンプ22の動力源を蒸気タービン26から内燃機関28に切り替えることで、外部交流電源を使用することなく、原子炉2を温態停止状態から冷態停止状態まで移行することができる。なお、外部電源や非常用ディーゼル発電機が復旧・起動した時点においても、本発明の非常用炉心冷却設備100も併用して原子炉2の冷却を継続することが好ましい。
(第2の実施の形態)
本発明に係わる非常用炉心冷却設備100の第2の実施の形態においては、前記内燃機関28としてディーゼルエンジンを使用する。補助給水ポンプ31に必要となるポンプ動力は、最大出力1,000kW程度、回転速度1,000〜7,000rpmであり、ディーゼルエンジンを特段の支障なく使用できる。ディーゼルエンジンは始動が速く、動作の信頼性が高く、保守点検が容易であり、さらに、燃料として軽油を使用するので、ガソリンエンジンに比べて安全性が高いという効果が得られる。また、エンジン冷却については、空冷方式とすることで、水冷のための給水設備が不要にすることができる。
本発明に係わる非常用炉心冷却設備100の第2の実施の形態を使用した全交流電源喪失時の冷却の手順についても、第1の実施の形態と同じである。つまり、温態停止状態(温度約170℃、圧力約0.7MPa)に達する前からディーゼルエンジン28の運転準備を行い、温態停止状態までは蒸気タービン26を駆動源して補助給水ポンプ22を使用し、温態停止状態においてディーゼルエンジン28が起動した時点で、第1クラッチ32を非係合にし、第2クラッチ33を係合にすることにより、補助給水ポンプ22の駆動源を蒸気タービン26からディーゼルエンジン28へ切り替えを行う。ディーゼルエンジン28を駆動源とする補助給水ポンプ22によって、冷態停止状態(温度約93℃以下)への冷却を開始する(図3のステップS07)。
(第3の実施の形態)
本発明に係わる非常用炉心冷却設備100の第2の実施の形態では、内燃機関として、ガスタービンエンジン34を使用する。本発明に係わる第2の実施の形態を図3に示す。ガスタービンエンジン34を補助給水ポンプ22の駆動源として使用する場合は、回転数を減速してから補助給水ポンプポンプ22に係合する必要があり、ガスタービンエンジン34の回転を補助給水ポンプ22に伝達するための伝達装置として、伝達装置31の他に減速機35が必要になる。しかし、ガスタービンエンジン34を使用すれば、必要なポンプ出力を発生するためのエンジンサイズがディーゼルエンジンよりもコンパクトになり、また、水冷が不要なため、水冷のための給水設備が不要になる利点がある。
ガスタービンエンジンの回転軸41は、減速機35に係合して、回転速度を1,000〜1,800rpm程度に減速する。減速機35は、ガスタービンエンジンの回転軸41を入力軸とし、その内部に歯車等の減速機構によって、ガスタービンエンジンの回転数を減速して減速機の出口回転軸40より出力する。出口回転軸40は、第2クラッチ33を介して、伝達装置31の第1入力軸39に係合する。これにより、ガスタービンエンジンの回転軸41の回転が減速機35と伝達装置31を介して、補助給水ポンプの回転軸42に伝達し、補助給水ポンプ22が駆動する。
第1クラッチ32を非係合にし、第2クラッチ33を係合することにより、補助給水ポンプ22の駆動源を蒸気タービン26からガスタービンエンジン34へ切り替えることができる。このとき、蒸気を供給する配管30に設置した弁27を閉鎖し、蒸気タービン26への蒸気の供給を停止することで、タービンの空転を停止する。補助給水ポンプ031に必要となるポンプ動力は、最大出力1,000kW程度、回転速度1,000〜1,800rpmである。これに対しガスタービンエンジン34回転数は、出力1,000kW程度で、数万rpm程度になるため減速機が必要になる。しかし、上記の出力・回転数の範囲であれば、通常考えうる範囲の性能のガスタービンと減速機の組み合わせで、支障なく使用できる。
本発明に係わる非常用炉心冷却設備100の第3の実施の形態を使用した全交流電源喪失時の冷却の手順についても、第1の実施の形態と同じである。つまり、温態停止状態(温度約170℃、圧力約0.7MPa)に達する前からガスタービンエンジン34の運転準備を行い、温態停止状態までは蒸気タービン26を駆動源して補助給水ポンプ22を使用し、温態停止状態においてガスタービンエンジン34が起動した時点で、第1クラッチ32を非係合にし、第2クラッチ33を係合にすることにより、補助給水ポンプ22の駆動源を蒸気タービン26からガスタービンエンジン34へ切り替えを行う。ガスタービンエンジン34を駆動源とする補助給水ポンプ22によって、冷態停止状態(温度約93℃以下)への冷却を開始する(図3のステップS07)。
本発明に係わる非常用炉心冷却設備100のタービン動給水ポンプ22は、沸騰水型原子炉においても使用される。したがって、沸騰水型原子炉においても本発明の第1、第2、第3の形態を使用することができる。沸騰水型原子炉においては、原子炉内部(図示せず)において発生した蒸気にてタービン26を回転させタービン動給水ポンプ22を駆動する。原子炉を冷却していき、蒸気が発生しなくなった時点で、動力源をディーゼルエンジン28、ガスタービン34に切り替えることで、タービン動給水ポンプ22で原子炉の冷却を継続することができる。
1 原子炉格納容器
2 加圧水型原子炉炉心
3 蒸気発生器
4 蓄圧タンク
5 一次冷却材ポンプ
6 冷却材配管
7 冷却材配管
8 冷却材配管
9 タービン
10 発電機
11 復水器
12 主給水ポンプ
13 燃料取替用水タンクまたはピット
14 高圧注入ポンプ
15 配管
16 格納容器サンプ
17 余熱除去ポンプ
18 配管
19 格納容器スプレイポンプ
20 配管
21 噴射ノズル
22 補助給水ポンプ
23 復水タンクまたはピット
24 主蒸気逃がし弁
25 弁
26 蒸気タービン
27 弁
28 内燃機関
29 配管
30 配管
31 伝達装置
32 第1クラッチ
33 第2クラッチ
34 ガスタービンエンジン
35 減速機
36 蒸気タービンの回転軸
37 第1入力軸
38 内燃機関の回転軸
39 第2入力軸
40 減速機の出口回転軸
41 ガスタービンエンジンの回転軸
42 補助給水ポンプの回転軸
100 原子力プラントの非常用炉心冷却設備

Claims (3)

  1. 原子力プラントにおいて、
    前記原子力プラントが備える原子炉の冷却のために原子炉の炉心と蒸気発生器に冷却水を供給する補助給水ポンプと、
    前記補助給水ポンプを駆動する蒸気タービン及び内燃機関と、
    前記蒸気タービンの出力軸及び前記内燃機関の出力軸と前記補助給水ポンプに動力を入力する入力軸との間に配置されて、前記蒸気タービンの出力軸または前記内燃機関の出力軸から出力された動力を前記入力軸に伝達する伝達装置と、
    前記蒸気タービンの出力軸と前記伝達装置との間に配置されて、前記蒸気タービンの出力軸から出力された動力の伝達または遮断をする第1クラッチと、
    前記内燃機関の出力軸と前記伝達装置との間に配置されて、前記内燃機関の出力軸から出力された動力の伝達または遮断をする第2クラッチと、
    を含むことを特徴とする原子力プラントの非常用炉心冷却設備。
  2. 前記内燃機関はディーゼルエンジンである、請求項1に記載の原子力プラントの非常用炉心冷却設備。
  3. 前記内燃機関はガスタービンエンジンであり、前記伝達装置は、前記ガスタービンエンジンの出力軸の回転数を減速して前記補助給水ポンプの入力軸へ伝達する、請求項1に記載の原子力プラントの非常用炉心冷却設備。
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