JP2014010078A - 固液混合体の移送方法及び固液混合体の移送装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便な手法により、遠隔位置から放射性物質を含む固液混合体を移送することが可能な固液混合体の移送方法等を提供する。
【解決手段】放射性物質を含む液体と固形分との固液混合体の層が形成された容器から、この固液混合体を移送する方法であって、一端側がホースポンプの吸込側に接続された移送管の他端側の吸込口を、前記固液混合体の層の上面側から、当該固液混合体の層内に挿入する。次いで、前記ホースポンプを作動させ、前記移送管を介して固液混合体を吸い上げて、移送先へ移送する。
【選択図】図1

Description

本発明は、放射性物質を含む固液混合体を移送する技術に関する。
原子力発電所等で発生する放射性廃棄物には、放射性の廃水を処理した後のイオン交換樹脂(以下、単に「樹脂」という)と、廃水とを含んでいるものがある。このように廃水(液体)と樹脂(固形分)とを含む放射性廃棄物は、例えば処理が行われるまでの期間中、タンク(容器)に貯蔵され、その後、タンクから抜出されて処理設備へと移送される。廃水処理に用いられる樹脂は、直径がサブミリメートル〜数ミリメートル程度の例えば粒状に成型され、タンク内に沈降した状態で固液混合体の層を形成する。
また、放射性廃棄物である廃水をタンクに貯蔵した後、タンク内で沈殿した沈殿物を廃水と共にスラッジとして処理設備へと移送する作業が必要となることもある。このスラッジも固形分である沈殿物と、液体である廃水との固液混合体に相当する。
しかしながら、この種のタンクには、固形分と液体との固液混合体ように流動性の低い物質を移送する設備を備えていないものもある。一方で、固液混合体を抜き出す設備を後付けでタンクに接続する作業は、作業環境の確保の観点から困難な場合も多い。
例えば特許文献1〜3には、ホースなどの先端に取り付けたポンプをタンク内に挿入し、底部に溜まった放射性のスラッジを流動化させながらこのポンプによりスラッジを抜き出す手法が記載されている。これらの特許文献に記載された技術は、いずれもタンク内へのポンプの挿入操作、及びスラッジの流動化操作を行っている。このような操作が行われる理由は、抜き出しに利用されているポンプが、インペラーポンプ(例えば引用文献1の段落0004、図2(b)参照)などのように、空引きを防ぐため吸込圧力を与える必要があるものであり、また、スラッジに十分な流動性がないと、移送を行えないためであると考えられる。
しかしながら、実際にタンク内でこの種のポンプを作動させようとすると、自身の振動によってポンプが振れ、安定した状態で抜き出し作業が行えないことから、ポンプを固定する架構をタンク内に設置しなければならないおそれがある。また、スラッジの層の上層に上澄層(液体層)が存在するタンク内でスラッジを流動化するためには、これらの層の界面を特定し、この界面近傍で流動化操作を行わなければ、上澄の液体だけが抜出されてしまう場合もある。
特開平9−281295:段落0004、0011、図1、図2 特開2011−237320:段落0029〜0031、図1 特開2012−37271:段落0034〜0036、図1
本発明はこのような事情の下になされたものであり、その目的は、簡便な手法により、遠隔位置から放射性物質を含む固液混合体を移送することが可能な固液混合体の移送方法及び固液混合体の移送装置を提供することにある。
本発明における固液混合体の移送方法は、放射性物質を含む液体と固形分との固液混合体の層が形成された容器から、この固液混合体を移送する方法であって、
一端側がホースポンプの吸込側に接続された移送管の他端側の吸込口を、前記固液混合体の層の上面側から、当該固液混合体の層内に挿入する工程と、
前記ホースポンプを作動させ、前記移送管を介して固液混合体を吸い上げて、移送先へ移送する工程と、を含むことを特徴とする。
前記固液混合体の移送方法は以下の特徴を備えていてもよい。
(a)前記ホースポンプにより移送される固液混合体の前記吸込口からの吸い上げ高さが3〜30mであること。
(b)前記放射性物質は、固形分として、放射性廃液を処理した粒状のイオン交換樹脂、または放射性廃液から沈殿した沈殿物を含むこと。
(c)前記移送管の吸込口が前記固液混合体の層内に挿入された状態を維持するために、当該固液混合体の層の上面の位置の低下に合わせて吸込口の位置を降下させる工程を含むこと。
(d)前記固液混合体の層内に挿入された前記移送管の吸込口に希釈液を供給して、この吸込口から吸い込まれる固液混合体を希釈する工程を含むこと。このとき、前記容器内の固液混合体の層の上層側には液体層が形成されており、前記希釈液は、この液体層から供給されること。
本発明によれば、自吸能力が高く、流動性の低い固液混合体を移送可能なホースポンプを利用するので、放射性物質を含む固液混合体を離れた位置から簡便に移送することができる。
実施の形態に関わる移送装置の構成を示す説明図である。 前記移送装置に設けられているホースポンプの作用説明図である。 前記移送装置に設けられている吸込ノズルの縦断側面図である。 前記移送装置の第1の作用説明図である。 前記移送装置の第2の作用説明図である。
本発明の固液混合体の移送装置の実施の形態として、放射性廃水を処理した樹脂を廃水と共に貯蔵する容器である廃樹脂タンク1から、当該樹脂の移送を行う移送装置の構成について、図1〜図3を参照しながら説明する。
本例の廃樹脂タンク1は、例えば原子力発電設備の建屋内に設けられた収容室12に収容され、この廃樹脂タンク1には建屋の2階側からアクセスすることができる。廃樹脂タンク1には、マンホールや保守点検用穴などからなる開口部11が設けられており、この開口部11を介して各種のライン310、510、520を構成するホースや配管が挿入される。
廃樹脂タンク1内には、固形分である樹脂と液体である廃水とが貯蔵され、その底部側には比重の重い樹脂が沈降し、これら樹脂同士の隙間に廃水が入り込んで、固液混合体の層(樹脂層101)を形成している。樹脂の例としては、アニオン樹脂やカチオン樹脂など、イオン交換樹脂を挙げることができ、例えばサブミリメートル〜数ミリメートル程度の粒状に成型されている。
この樹脂層101の上層側には、主として廃水のみを含む液体層である上澄層102が形成されている。上澄層102は、廃樹脂タンク1を収容する建屋の2階側を、放射性物質を吸着した樹脂が溜まっている樹脂層101から遮蔽する役割も果たしている。
この廃樹脂タンク1から樹脂と廃水との固液混合体を移送する移送装置は、固液混合体の移送を行う移送管である移送ライン310と、この移送ライン310の先端部に設けられ、吸込口を構成する吸込ノズル4と、移送ライン310の基端側に接続された移送ポンプ2aと、を備えている。
移送ポンプ2aは、例えば収容室12の2階の床部13上に配置され、樹脂層101の上面から少なくとも1m以上高い位置に設置されている。移送ポンプ2aは、ホースポンプ2によって構成され、高い自吸能力により、高さ距離の離れた位置から固液混合体を吸い上げて移送することができる。
図2(a)、(b)に示すように、ホースポンプ2は、例えば扁平な円筒形状のケーシング211の内壁面に沿って、ゴムなどの可塑性のある材料からなるポンプホース212を配置し、このポンプホース212の内周側に、回転軸215を中心に回転する円板状のローター213を設けた構造となっている。このローター213には、ケーシング211の内壁面側へ向けて突出した半円状の押圧部214が、例えばローター213の直径方向に対向するように、2箇所に設けられている。
そして、ローター213を回転させると、前記押圧部214がポンプホース212の内周面をしごくようにして、ポンプホース212をケーシング211の内壁面に向けて押しつぶす。この結果、押圧部214の移動方向(ローター213の回転方向)、即ち、ホースポンプ2の吸込側から吐出側へ向けて、ホースポンプ2の内容物を押し出すことができる。
このようにホースポンプ2は、ケーシング211と押圧部214との間に形成される空間を強制的に移動させて内容物を押し出す容積ポンプの一種である。このため、インペラーポンプなどとは異なり、高さ距離の離れた場所からものを吸い上げる自吸能力や、高い場所に移送対象物を持ち上げる能力を持つ。また、弾力性のあるポンプホース212を介して内容物を押し出すので、固形物を含んだ固液混合体などの移送にも適している。
従来、ホースポンプ2は、主としてビル建築などにおける生コンクリートの移送など、ホースポンプ2の吐出側から移送対象物を高所へと持ち上げる場合などに利用されてきた。一方で、3m以上も高さ距離が離れた位置から吸込側へ向けて移送対象物を吸い上げるといった用途にホースポンプ2を適用した例はあまり知られていない。これは、放射性廃棄物のように、近付くことが困難な固形混合物を移送するという課題に対して、ホースポンプ2の自吸能力を利用することが有効であることが見出されていなかったためであると考えられる。一方で、従来の放射性物質を含む固液混合体のタンクからの輸送は、タンク内にポンプを挿入して行われてきたことは、背景技術において説明した通りである。
以上に説明したホースポンプ2によって構成される移送ポンプ2aは、図1に示すように、ローター213を回転させるためのモーター22aを備えている。このモーター22aは、インバーター23aにより回転速度を変えることによって固液混合体の流量を調節することができる。モーター22a、インバーター23aは、本例の第1の流量調節部に相当する。
移送ライン310は、その一端側が上記移送ポンプ2aの吸込側に接続されている一方、その中段部分を把持昇降機構6aにて把持され、他端側の吸込ノズル4を吊り下げるように配置されている。そして、この吸込ノズル4は開口部11を介して廃樹脂タンク1内に挿入されている。移送ライン310には、ゴムホースや金属配管など、樹脂を含む固液混合体の移送に適した強度を持つ材料からなる配管が利用される。
把持昇降機構6aは、移送ライン310の配管を把持する把持部62aと、この把持部62aを支持する支柱部61aとから構成され、把持部62aは例えば不図示のリニアモーターなどを備え、支柱部61aに沿って上下方向に昇降自在に構成されている。また、把持部62aによって把持された移送ライン310の下流側の部位は、把持部62aの昇降動作に伴って、伸縮、または変形可能な部材で構成された可動部311となっている。把持昇降機構6aは吸込ノズル4(吸込口)の高さ位置を移動させるための昇降機構に相当する。
把持部62aによって把持され、廃樹脂タンク1内に吊り下げられるようにして移送ライン310の先端に設けられた吸込ノズル4は、図1、図3に示すように、上澄層102を介して樹脂層101の上面側から、当該樹脂層101の層内に挿入される。吸込ノズル4は、把持昇降機構6aから吊り下げられた状態で樹脂層101の層内に挿入されたとき、その先端部をほぼ下方側へ向けた状態を維持できるように、十分な重量を備えた例えば金属製の部材によって構成されている。
吸込ノズル4が樹脂層101に挿入されていることの判断は、廃樹脂タンク1への樹脂を含む廃液の払い出し量などあるいは界面計等により樹脂層101の上面のおおよその位置を予め把握しておき、この予測位置よりも十分に下方側に吸込ノズル4が位置するように把持部62aを降下させてもよい。また、吸込ノズル4を吊り下げた状態で把持部62aを徐々に降下させていき、吸込ノズル4が樹脂層101の上面に当たったり、移送ライン310の配管がたわんだりするなど、吸込ノズル4が樹脂層101に挿入されたことを示す「手応え」があった位置にて樹脂の移送を開始してもよい。このほか、移送ポンプ2aを稼働させながら吸込ノズル4を降下させ、吐出側から樹脂が出てきた位置を樹脂層101の上面として特定するなどしてもよい。いずれにしても、従来技術にて利用されてきたインペラーポンプなどのように、樹脂層101と上澄層102との界面を正確に特定する必要はなく、吸込ノズル4が樹脂層101に挿入された状態を確認できればよい。
ここで図1に示した例においては、吸込ノズル4から移送ポンプ2aの吸込側までの移送ライン310のうち、吸込ノズル4の下端からの高さ方向の最大距離(本例では吸込ノズル4の下端から把持昇降機構6aに保持された可動部311の上端の位置までの距離)はH[m]となっている。従って、移送ポンプ2aを構成するホースポンプ2は、この距離(H[m])以上の吸上げ高さ(自吸能力)を備えるものが必要となる。放射性廃棄物を貯蔵した廃樹脂タンク1からの固液混合体の移送においては、この固液混合体の吸上げ高さが3〜30mの範囲、好適には5〜20mの範囲が選択される。なお、移送ライン310における、吸込ノズル4の下端からの高さ方向の最大距離は、移送ライン310の配置状態によって適宜変更され、例えば移送ポンプ2aが可動部311よりも高い位置に配置されていれば、吸込ノズル4の下端から移送ポンプ2aの吸込側までの高さ距離が前記最大距離となる。
図3に示すように本例の吸込ノズル4は、移送ライン310の先端部に接続された直管状の部材からなる内管部411と、この内管部411を外周側から覆って二重円筒を構成するように設けられた直管状の部材からなる外管部412と、を備えている。吸込ノズル4が樹脂層101に挿入された状態のとき、内管部411及び外管部412の先端部は樹脂層101に向けて開口している。
また、外管部412は、基端部が塞がれている一方、その側面には、外管部412に向けて樹脂層101の樹脂(固液混合体)を希釈するための希釈液を供給する導入管部413が接続されている。この外管部412から希釈液を供給し、吸込ノズル4が挿入された樹脂層101の周囲の樹脂を希釈して、樹脂を含む固液混合体が流れやすくすることにより、移送ポンプ2aを利用した移送をしやすくしている。吸込ノズル4に設けられた外管部412や導入管部413は、本例の希釈液供給部に相当する。
本実施の形態においては、外管部412から供給される希釈液として、上澄層102の廃水が利用される。図1、図3に示すように吸込ノズル4(導入管部413)は、供給ライン520(供給管)を介して希釈水ポンプ2bの吐出側に接続されており、希釈水ポンプ2bの吸込側は抜出ライン510(抜出管)に接続されている。抜出ライン510の先端は、開口部11を介して廃樹脂タンク1内の上澄層102に挿入されている。
希釈水ポンプ2bはホースポンプ2によって構成されており、希釈水ポンプ2bが設けられた床部13上の位置よりも1m以上も下方側にある上澄層102から廃水を吸引することができる。移送ポンプ2aの場合と同様に、希釈水ポンプ2bのモーター22bにもローター213の回転速度を変えて、廃水の流量を調節するためのインバーター23bが設けられている。モーター22b、インバーター23bは、本例の第2の流量調節部に相当する。
なお、第1の流量調節部、第2の流量調節部による調節を行わず、あらかじめ設定された流量に固定して固液混合体を移送してもよい。
また、樹脂層101に挿入される供給ライン520の中段部分は、支柱部61bと把持部62bとを備え、上下方向に昇降自在に構成された把持昇降機構6bによって把持されている。そして、把持昇降機構6bは樹脂層101の上面の位置の移動に合わせて供給ライン520を降下させることができる点、及び把持部62bの昇降動作に伴って、伸縮、または変形可能な部材で構成された可動部521が設けられている点については移送ライン310の場合と同様である。この把持昇降機構6bについても、吸込ノズル4(吸込口)の高さ位置を移動させるための昇降機構に相当する。
樹脂の固液混合体の希釈液として上澄層102の廃水を用いることにより、外部から新たな希釈水を受け入れる場合に比べて、放射性廃水の増加を防ぐことができる。但し、供給ライン520には、必要な場合に外部から新たな希釈水の受け入れを行うための補給水ライン530が接続されている。
このように、本例の吸込ノズル4には、樹脂層101の樹脂に希釈液を供給するための希釈液供給部(外管部412、導入管部413)、及び上澄層102の廃水をこの希釈液供給部に供給するための供給系統が設けられている。しかしながら、インペラーポンプなどを利用する場合とは異なり、樹脂層101の樹脂(固液混合体)を希釈する操作は必須ではない。上澄層102の下層側に沈降している樹脂層101を構成する樹脂程度の流動性があれば、希釈を行わなくても十分に移送可能な自吸能力を移送ポンプ2aは備えている。
また移送装置は、制御部7と接続されている。制御部7は図示しないCPUと記憶部とを備えたコンピュータからなり、記憶部には移送装置の作用、即ち移送ポンプ2a、希釈水ポンプ2bや把持昇降機構6a、6bを作動させて、廃樹脂タンク1内の樹脂層101から樹脂を移送する動作に係わる制御についてのステップ(命令)群が組まれたプログラムが記録されている。
特に制御部7は、樹脂層101内の樹脂が移送されたことに伴い、樹脂層101の上面の位置が低下したとき、吸込ノズル4が当該樹脂層101内に挿入された状態を維持するために、吸込ノズル4(吸込口)の位置を降下させるように把持昇降機構6a、6bに制御信号を出力する。この観点において制御部7は、吸込ノズル4の高さ位置制御部としての機能を備えている。
また制御部7は、移送ライン310を介して移送される樹脂の流量と、抜出ライン510及び供給ライン520を介して吸込ノズル4に供給される希釈液の流量と、の流量比が予め設定した範囲内の値となるように、第1、第2の流量調節部を構成するインバーター23a、23bに、モーター22a、22bの回転速度を制御する制御信号を出力する。この観点において制御部7は、流量制御部としての機能を備えている。
以上に説明した構成を備えた移送装置を用いた固液混合体の移送方法の作用について図4、図5を参照しながら説明する。初めに、樹脂層101の上面側から、当該樹脂層101内に吸込ノズル4を挿入する。そして、希釈水ポンプ2bのモーター22bをオンにして樹脂の希釈を開始する。希釈液の供給を開始すると、図3に模式的に示すように樹脂100が分散し、移送ライン310による移送が行われやすい状態となる。
本例においては、移送ライン310を移送される樹脂の単位時間あたりの体積流量と、供給ライン520から供給される希釈液の単位時間当たりの体積流量との比が例えば1:1〜3:1の範囲に調整されている。円筒形状の廃樹脂タンク1において、樹脂層101の高さと上澄層102の高さとの比が1:1であれば、移送される樹脂(希釈液を含む)と希釈液との流量比が2:1程度となるように調節することにより、樹脂層101及び上澄層102の高さの比を変えずに樹脂を抜き出すことができる。
しかる後、図4に示すように移送ポンプ2aのモーター22aをオンにして樹脂層101の樹脂(固液混合体)の移送を開始する。樹脂は、移送ライン310内を上方側へ向けて移動し、移送ポンプ2aのポンプホース212に進入したあと、吐出側に接続された送出ライン320を介して処理設備等へ移送される。
このようにして樹脂の移送を継続すると、樹脂層101の上面の位置が下がっていくので、この位置の低下に合わせて把持昇降機構6a、6bを作動させ、吸込ノズル4(吸込口)を降下させる(図5)。樹脂層101の上面の位置の低下は、例えば廃樹脂タンク1の側面にガラス窓などを設けて目視により観察してもよいし、上澄層102の廃水よりも重く、樹脂層101の樹脂よりも軽い浮きなどを利用した界面計などを利用して特定してもよい。また、送出ライン320から送り出された樹脂の量から前記上面の位置の変化を算出してもよい。
図5に示した例では、樹脂層101や上澄層102のレベルが低下し、上澄層102の上面の位置が抜出ライン510の下端の位置よりも低くなった後は、希釈水ポンプ2bの稼働を停止し、補給水ライン530から新たな希釈水を受け入れて樹脂の希釈を行っている。但し、補給水ライン530からの希釈水の受け入れは必須の要件ではない(抜出ライン510、供給ライン520、補給水ライン530を設置しなくてもよい)。例えば抜出ライン510を昇降させる昇降機構をさらに設けて、上澄層102の上面の位置の低下に合わせて抜出ライン510を降下させてもよいし、上澄層102から希釈水を抜き出すことができなくなった後は、吸込ノズル4への希釈液の供給を停止してもよい。
本実施の形態に関わる移送装置によれば以下の効果がある。自吸能力が高く、インペラーポンプなどと比べて流動性の低い固液混合体であっても移送可能なホースポンプ2を利用するので、放射性物質を含む樹脂を高さ距離の離れた位置から簡便に移送することができる。
ここで、図1においては、建屋の収容室12内に廃樹脂タンク1が収容され、ホースポンプ2が上階に設置されている例を挙げたが、例えば、廃樹脂タンク1のルーフ上に移送ポンプ2a等を設けたり、廃樹脂タンク1の周囲に架構を建設して移送ポンプ2aを配設したりすることもできる。
また、図1に示した移送装置は、樹脂の希釈液として、上澄層102の廃水を利用する抜出ライン510及び供給ライン520と、外部から希釈水を受け入れる補給水ライン530との双方を備えている。このように2つの系統から希釈水を供給することも必ずしも必要ではなく、抜出ライン510、供給ライン520のみを備えていてもよいし、放射性廃水の増加の問題が大きくなければ補給水ライン530のみを設けてもよい。
さらに移送ライン310、供給ライン520を降下させる把持昇降機構6a、6bを設けることも必須の要件ではなく、例えば樹脂層101の上面の低下に合わせて移送ライン310、供給ライン520を構成する配管を継ぎ足したり、巻き取られていたホースを伸ばしたりしてもよい。
また、本実施の形態の移送装置を利用して移送可能な放射性物質を含む固液混合体は、固形分として放射性廃液を処理した樹脂を含む場合に限定されず、放射性廃液から沈殿した沈殿物と廃液とを含むスラッジの移送にも適用することができる。
(検討及び実験)
自吸能力を持つ各種のポンプについて、樹脂を含む固液混合体の移送の適否を検討、実験した。実験に際しては、平均直径0.7mmの樹脂に30体積%の水を含む固液混合体を利用した。
A.実験、検討条件
(実施例1)自吸能力9.8m水柱のホースポンプ2を用いて検討を行った。
(比較例1)自吸能力7.8m水柱の空気駆動式のダイヤフラムポンプを用いて検討を行った。
(比較例2)自吸能力8.0m水柱の自吸式遠心ポンプを用いて検討を行った。
B.実験、検討結果
実施例1及び比較例1、2に係る自給式ポンプの評価結果を表1に示す。
Figure 2014010078
実施例1に係るホースポンプ2は、希釈水なしで上記樹脂の固液混合体の移送が可能であることを確認した。一方、比較例1は、ポンプ内、逆止弁等に樹脂が滞留し、希釈水なしでは固液混合体の移送は行えなかった。なお、大量の希釈水を伴う場合(樹脂と希釈水が2:8)には移送できた。また、比較例2については、運転初期に真空を発生する機構を備えており、構造が複雑なため、樹脂が詰まることが明らかであり、樹脂の移送実験は行えなかった。
このように、低い位置にある移送対象物を吸い上げる能力を持つ種々の自給式ポンプの中でも、ホースポンプ2が放射性物質を含む固液混合体の移送に好適であることが確認された。
1 廃樹脂タンク
101 樹脂層
102 上澄層
2 ホースポンプ
2a 移送ポンプ
2b 希釈水ポンプ
モーター
23a、23b
インバーター
310 移送ライン
320 送出ライン
4 吸込ノズル
6a、6b 把持昇降機構
61a、61a
7 制御部

Claims (13)

  1. 放射性物質を含む液体と固形分との固液混合体の層が形成された容器から、この固液混合体を移送する方法であって、
    一端側がホースポンプの吸込側に接続された移送管の他端側の吸込口を、前記固液混合体の層の上面側から、当該固液混合体の層内に挿入する工程と、
    前記ホースポンプを作動させ、前記移送管を介して固液混合体を吸い上げて、移送先へ移送する工程と、を含むことを特徴とする固液混合体の移送方法。
  2. 前記ホースポンプにより移送される固液混合体の前記吸込口からの吸い上げ高さが3〜30mであることを特徴とする請求項1に記載の固液混合体の移送方法。
  3. 前記放射性物質は、固形分として、放射性廃液を処理した粒状のイオン交換樹脂、または放射性廃液から沈殿した沈殿物を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の固液混合体の移送方法。
  4. 前記移送管の吸込口が前記固液混合体の層内に挿入された状態を維持するために、当該固液混合体の層の上面の位置の低下に合わせて吸込口の位置を降下させる工程を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の固液混合体の移送方法。
  5. 前記固液混合体の層内に挿入された前記移送管の吸込口に希釈液を供給して、この吸込口から吸い込まれる固液混合体を希釈する工程を含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一つに記載の固液混合体の移送方法。
  6. 前記容器内の固液混合体の層の上層側には液体層が形成されており、前記希釈液は、この液体層から供給されることを特徴とする請求項5に記載の固液混合体の移送方法。
  7. 放射性物質を含む液体と固形分との固液混合体の層が形成された容器から、この固液混合体を移送する装置であって、
    固液混合体の移送用のホースポンプと、
    一端側がこのホースポンプの吸込側に接続され、前記固液混合体の層の上面側から、当該混合体の層内に挿入される吸込口が他端側に設けられた移送管と、を備えたことを特徴とする固液混合体の移送装置。
  8. 前記ホースポンプにより移送される固液混合体の前記吸込口からの吸い上げ高さが3〜30mであることを特徴とする請求項7に記載の固液混合体の移送装置。
  9. 前記放射性物質は、固形分として、放射性廃液を処理した粒状のイオン交換樹脂、または放射性廃液から沈殿した沈殿物を含むことを特徴とする請求項7または8に記載の固液混合体の移送装置。
  10. 前記移送管に設けられ、前記吸込口の高さ位置を移動させる昇降機構と、
    前記吸込口が前記固液混合体の層内に挿入された状態を維持するために、当該固液混合体の層の上面の位置の低下に合わせて吸込口の位置を降下させるように前記昇降機構に制御信号を出力する高さ位置制御部と、を備えることを特徴とする請求項7ないし9のいずれか一つに記載の固液混合体の移送装置。
  11. 前記吸込口には、当該吸込口から吸い込まれる固液混合体を希釈するための希釈液を供給する希釈液供給部が設けられていることを特徴とする請求項7ないし10のいずれか一つに記載の固液混合体の移送装置。
  12. 前記容器内には、前記容器内の固液混合体の層の上層側には液体層が形成されており、
    この液体層から液体を抜き出すための抜出管と、
    前記液体層から抜出された液体を希釈液として前記希釈液供給部に供給する供給管と、
    吸込側が前記抜出管に接続される一方、吐出側が前記供給管に接続された希釈液移送用のホースポンプと、を備えることを特徴とする請求項11に記載の固液混合体の移送装置。
  13. 前記固液混合体移送用のホースポンプに設けられ、前記移送管を移送される固液混合体の流量を調節するための第1の流量調節部と、
    前記希釈液移送用のホースポンプに設けられ、前記希釈液供給部に供給される希釈液の流量を調節するための第2の流量調節部と、
    前記固液混合体の流量と希釈液の流量との流量比が予め設定された範囲内の値となるように制御信号を出力する流量制御部と、を備えることを特徴とする請求項12に記載の固液混合体の移送装置。
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