JP2014008200A - 脈波信号処理装置、血圧測定装置、及び脈波信号処理プログラム - Google Patents

脈波信号処理装置、血圧測定装置、及び脈波信号処理プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】脈波信号を処理して血圧を精度良く演算する。
【解決手段】脈波信号処理装置は、脈波信号に基づく特徴量を抽出する特徴量抽出部と、前記特徴量を保持する特徴量保持部と、前記特徴量に基づき血圧を演算する血圧演算部とを備える。前記血圧演算部は、過去に前記特徴量保持部に保持された前記特徴量から算出される値と、前記特徴量抽出部によって抽出された現在の前記特徴量から算出される値とから血圧を演算する。
【選択図】図1

Description

本発明は、脈波信号を処理して血圧を演算する脈波信号処理装置及びそれを備える血圧測定装置及び脈波信号処理プログラムに関する。
従来より、生体の血流循環により生じる脈波を用いて血圧を測定する技術が提案されている(例えば特許文献1〜3参照)。
特許文献1には、脈波に含まれる進行波成分と反射波成分を抽出することで脈波伝播時間を算出し、脈波伝播時間から血圧を算出する方法が開示されている。特許文献1で開示されている血圧の算出式は、次の通りである。
血圧=α×脈波伝播時間+β
なお、特許文献1には、係数α、βは固定値、もしくは、他の方法(カフによる測定や観血的な測定)で得られた実測値と、対応する時点の脈波伝播時間とを用いて都度最適な値となるよう更新するように構成することも可能であると記載されている。
特開2007−7055号公報 特開平10−295657号公報 特開平11−155826号公報
しかしながら、α、βが固定値である場合は、血圧の測定対象である生体毎に係数α、βの最適値が異なるため、血圧を精度良く算出することはできない。また、係数α、βの値を最適値に更新するには、他の方法で血圧を測定しなければならない。
図9A及び図9Bは、複数の被験者に対して、本発明者が試行錯誤して係数α、βを最適な固定値になるように調整した場合の、脈波伝播時間の一次関数式から算出した血圧とカフを用いる血圧計で計測した血圧との相関を示す図である。図9Aは係数α、βをそれぞれ−0.2、164とした場合の最高血圧に関する相関図であり、図9Bは係数α、βをそれぞれ−0.2、123とした場合の最低血圧に関する相関図である。図9A及び図9Bから、測定対象である被験者が複数である場合、被験者毎に係数α、βの最適値が異なるため、脈波伝播時間の一次関数式から算出した血圧とカフを用いる血圧計で計測した血圧との相関は低く、脈波伝播時間の一次関数式から算出した血圧は精度が良くないことが分かる。
また、特許文献2及び3では、脈波信号から一拍毎の脈波波形を複数個抽出して基線を合わせて平均し、平均的な脈波信号を求める工夫や部位毎に演算された血圧の平均値を演算する工夫等が行われているが、血圧を精度良く算出する算出式に関する開示はない。
本発明は、上記の状況に鑑み、脈波信号を処理して血圧を精度良く演算する脈波信号処理装置及びそれを備える血圧測定装置及び脈波信号処理プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明に係る脈波信号処理装置は、脈波信号に基づく特徴量を抽出する特徴量抽出部と、前記特徴量を保持する特徴量保持部と、前記特徴量に基づき血圧を演算する血圧演算部とを備え、前記血圧演算部は、過去に前記特徴量保持部に保持された前記特徴量から算出される値と、前記特徴量抽出部によって抽出された現在の前記特徴量から算出される値とから血圧を演算する。なお、本明細書において、「現在の前記特徴量」とは、最新の脈波測定によって得られる脈波信号に基づいて抽出される特徴量を意味している。また、複数の生体の血圧演算が可能な仕様にする場合には、最新の脈波測定に関して、複数の生体全部の範囲で「最新」を定義するのではなく、生体毎の範囲で「最新」を定義する。すなわち、n(nは2以上の自然数)個の生体それぞれに対して少なくとも一回は脈波測定が行われた場合、最新の脈波測定はn個存在することになり、各最新の脈波測定が各生体に一対一対応する。
上記目的を達成するために本発明に係る血圧測定装置は、生体の血流循環により生じる脈波を検出する脈波検出部と、前記脈波検出部から出力される脈波信号を処理する上記構成の脈波信号処理装置とを備える。
上記目的を達成するための脈波信号処理方法は、脈波信号に基づく特徴量を抽出する特徴量抽出ステップと、前記特徴量を保持する特徴量保持ステップと、前記特徴量に基づき血圧を演算する血圧演算ステップとを備え、前記血圧演算ステップは、過去に前記特徴量保持ステップにおいて保持された前記特徴量から算出される値と、前記特徴量抽出ステップにおいて抽出された現在の前記特徴量から算出される値とから血圧を演算するステップである。
上記目的を達成するために本発明に係る脈波信号処理プログラムは、コンピュータを、脈波信号に基づく特徴量を抽出する特徴量抽出部、前記特徴量を保持する特徴量保持部、及び前記特徴量に基づき血圧を演算する血圧演算部として機能させるための脈波信号処理プログラムであって、前記血圧演算部は、過去に前記特徴量保持部に保持された前記特徴量から算出される値と、前記特徴量抽出部によって抽出された現在の前記特徴量から算出される値とから血圧を演算する。
本発明によると、過去に保持された特徴量から算出される値と、現在の特徴量から算出される値とから血圧を演算するので、現在の特徴量のみから血圧を演算する従来の技術に比べて、血圧を精度良く演算することができる。
本発明の一実施形態に係る血圧測定装置を示すブロック図である。 脈波信号、速度脈波信号、及び加速度脈波信号の各波形例を示すタイムチャートである。 標準血圧に関連する指標の平均値とカフを用いる血圧計で計測した最高血圧の平均値との相関を示す図である。 標準血圧に関連する指標の平均値とカフを用いる血圧計で計測した最低圧の平均値との相関を示す図である。 血圧演算部が算出した現在の最高血圧とカフを用いる血圧計で計測した最高血圧との相関を示す図である。 血圧演算部が算出した現在の最低血圧とカフを用いる血圧計で計測した最低血圧との相関を示す図である。 図1に示す血圧測定装置が実施する血圧測定処理方法の一例を示すフローチャートである。 スマートフォンの一例を示す斜視図である。 スマートフォンの他の例を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る血圧測定装置の変形例を示すブロック図である。 脈波伝播時間の一次関数式から算出した最高血圧とカフを用いる血圧計で計測した最高血圧との相関を示す図である。 脈波伝播時間の一次関数式から算出した最低血圧とカフを用いる血圧計で計測した最低血圧との相関を示す図である。
本発明の実施形態について図面を参照して以下に説明する。
<<血圧測定装置の構成>>
図1は、本発明の一実施形態に係る血圧測定装置を示すブロック図である。図1に示す血圧測定装置は、LED等の発光部1と、フォトトランジスタ等の受光部2と、A/D変換部3と、加速度脈波信号算出部4と、特徴量第1抽出部5と、特徴量第2抽出部6と、不揮発性メモリ7と、血圧演算部8とを備えている。発光部1、受光部2、及びA/D変換部3が本発明の「脈波検出部」の一例に該当し、加速度脈波信号算出部4、特徴量第1抽出部5、及び特徴量第2抽出部6が本発明の「特徴量抽出部」の一例に該当し、不揮発性メモリ7が本発明の「特徴量保持部」の一例に該当し、血圧演算部8が本発明の「血圧演算部」の一例に該当し、本発明の「脈波信号処理装置」は、「特徴量抽出部」、「特徴量保持部」及び「血圧演算部」によって構成される。なお、A/D変換部3を本発明の「脈波検出部」の一例の構成要素から除いて、本発明の「脈波信号処理装置」の一例がA/D変換部3を備えるようにしてもよい。
発光部1及び受光部2はフォトリフレクタを構成している。当該フォトリフレクタの発光面及び受光面の上に人の指100が置かれると、発光部1から人の指100内に照射された光の反射光が受光部2によって受光され、光電変換される。血液中のヘモグロビンが光を吸収するため、上記反射光の光量は、血管の膨張収縮の度合いに応じて変動する。したがって、心拍に同期したアナログ電気信号である脈波信号が受光部2から出力される。
なお、発光部1及び受光部2の配置を図1の場合とは逆にしてもよい。すなわち、発光部1を指先側に配置し、受光部2の指の根元側に配置してもよい。また、図1の場合とは異なり、指差し方向に垂直な方向に発光部1及び受光部2が並ぶようにしてもよい。この場合、発光部1を指の爪側に配置し、受光部2の指の腹側に配置してもよく、これとは逆に、発光部1を指の腹側に配置し、受光部2の指の爪側に配置してもよい。本実施形態では反射光を利用して脈波信号を生成する光電脈波検出部を用いたが、透過光を利用して脈波信号を生成する光電脈波検出部を用いても構わない。また、光電脈波検出部以外の脈波検出部を用いることも可能である。また、脈波の測定箇所は、指に限らず、生体の血流循環により生じる脈波を皮膚を通して検出できる箇所であればよく、例えば耳たぶ等であってもよい。
A/D変換部3は、受光部2から送られてくるアナログ脈波信号をデジタル脈波信号に変換してから、加速度脈波信号算出部4及び特徴量第1抽出部5に出力する。加速度脈波信号算出部4は、脈波信号を2回微分した加速度脈波信号を生成して特徴量第2抽出部6に出力する。
特徴量第1抽出部5は、脈波信号に関する特徴量を抽出して不揮発性メモリ7及び血圧演算部8に出力する。特徴量第2抽出部6は、加速度脈波信号に関する特徴量を抽出して不揮発性メモリ7及び血圧演算部8に出力する。
不揮発性メモリ7は、特徴量第1抽出部5から送られてくる脈波信号に関する特徴量と、特徴量第2抽出部6から送られてくる加速度脈波信号に関する特徴量を記憶する。後述する標準血圧は生体毎に異なるので、図1に示す血圧測定装置を複数の生体の血圧測定が可能な仕様にする場合には、不揮発性メモリ7が生体毎に特徴量を記憶するようにし、血圧測定対象の生体に応じた特徴量が不揮発性メモリ7から読み出されるようにすればよい。
不揮発性メモリ7は、血圧測定装置内に固定的に設けられている記憶媒体であってもよく、血圧測定装置本体に対して着脱可能な記憶媒体であってもよい。また、不揮発性メモリ7は血圧測定装置本体から物理的に離れた場所に設けられ、血圧測定装置本体側と不揮発性メモリ7側との双方にデータ通信部を設けてデータ通信部を介して不揮発性メモリ7への特徴量の書き込み及び不揮発性メモリ7からの特徴量の読み出しを行うようにしてもよい。
血圧演算部8は、過去に不揮発性メモリ7に記憶された特徴量を不揮発性メモリ7から読み出し、過去に不揮発性メモリ7に記憶された脈波信号に関する特徴量及び過去に不揮発性メモリ7に記憶された加速度脈波信号に関する特徴量から算出される値と、特徴量第1抽出部5によって抽出された現在の脈波信号に関する特徴量及び特徴量第2抽出部6によって抽出された現在の加速度脈波信号に関する特徴量から算出される値とから血圧を演算する。
血圧演算部8が不揮発性メモリ7から読み出す過去に不揮発性メモリ7に記憶された特徴量は、過去に不揮発性メモリ7に記憶された特徴量の全てであっても一部であっても良い。一部を読み出す場合、例えば、所定の期間(例えば、直近の1ヶ月間、前年同月同日から直近の1ヶ月間)の特徴量を読み出しても良く、また、例えば、同一種類の他の特徴量と比較して著しく値が異なる特徴量を除いて読み出しても良い。
<<血圧演算部が実施する演算の内容>>
ここで、脈波信号、脈波信号を1回微分した速度脈波信号、及び脈波信号を2回微分した加速度脈波信号の各波形例を図2に示す。なお、図2中の太実線は脈波信号の波形を示しており、図2中の細実線は速度脈波信号の波形を示しており、図2中の一点鎖線は加速度脈波信号の波形を示している。また、図2の左側の縦軸は脈波信号の値(電圧値)を示しており、図2の右側の縦軸は速度脈波信号、加速度脈波信号の相対値を示している。
以下、図2を参照にして、血圧演算部8が実施する演算の内容をより詳細に説明する。
<反射波伝搬時間の算出>
血圧演算部8は、血流の反射波が生体の2点間を伝搬するのに要する時間(反射波伝搬時間)を算出する。
例えば、脈波信号の1周期の最小点eでの時間t_eの直後の加速度脈波信号の極大点dでの時間t_dから脈波信号の1周期の最小点eでの時間t_eを引くことで、血圧演算部8が反射波伝搬時間tを算出するとよい。すなわち、下記(1)式により反射波伝搬時間tを算出するとよい。
t=t_d−t_e ・・・(1)
また、例えば、脈波信号の1周期の最小点eでの時間t_eの直後の加速度脈波信号の極小点cでの時間t_cから、脈波信号の1周期の最小点eでの時間t_eの直前の加速度脈波信号の極小点aでの時間t_aを引くことで、血圧演算部8が反射波伝搬時間tを算出してもよい。すなわち、下記(2)式により反射波伝搬時間tを算出してもよい。
t=t_c−t_a ・・・(2)
また、例えば、脈波信号の1周期の最小点eでの時間t_eの直後の加速度脈波信号の極大点dでの時間t_dから、脈波信号の1周期の最小点eでの時間t_eの直前の加速度脈波信号の極大点bでの時間t_bを引くことで、血圧演算部8が反射波伝搬時間を算出してもよい。すなわち、下記(3)式により反射波伝搬時間tを算出してもよい。
t=t_d−t_b ・・・(3)
<脈波周期の算出>
血圧演算部8は、脈波周期を算出する。
例えば、脈波信号の1周期の最大点fでの時間t_fを2回連続で取得し、後の時間t_fから前の時間t_fを引くことで、血圧演算部8が脈波周期Tを算出するとよい。
また、例えば、脈波信号の1周期の最小点eでの時間t_eを2回連続で取得し、後の時間t_eから前の時間t_eを引くことで、血圧演算部8が脈波周期Tを算出してもよい。同様に、加速度脈波信号の1周期の最大点を2回連続で取得して脈波周期Tを算出してもよく、加速度脈波信号の1周期の最小点を2回連続で取得して脈波周期Tを算出してもよい。同様に、速度脈波信号の1周期の最大点を2回連続で取得して脈波周期Tを算出することもでき、速度脈波信号の1周期の最小点を2回連続で取得して脈波周期Tを算出することもできる。このように速度脈波信号に関する特徴量を用いる場合、脈波信号処理装置が脈波信号から速度脈波信号を算出する速度脈波信号算出部を備えるようにすればよい。
<現在の血圧の算出>
血圧演算部8は、血圧の測定対象である生体毎に個体差がある生体の標準血圧と、現在の血圧が標準血圧からどれだけ高いか或いは低いかを示す血圧変動とを合わせて、現在の血圧を算出する。以下に示すように、標準血圧は、過去に不揮発性メモリ7に記憶された特徴量から算出することができ、血圧変動は、過去に不揮発性メモリ7に記憶された特徴量と現在の特徴量とから算出することができる。
<標準血圧の算出>
血圧演算部8は、血圧の測定対象である生体毎に個体差がある生体の標準血圧を算出する。例えば、加速度脈波信号の極値を用いて、標準血圧を算出するようにしてもよい。標準血圧を算出するために用いる加速度脈波信号の極値としては、例えば、血管の硬さを表すと考えられている加速度脈波信号の3つの極値、すなわち脈波信号の1周期の最小点eでの時間t_eの直前の加速度脈波信号の極小点aでの極小値y_a、脈波信号の1周期の最小点eでの時間t_eの直前の加速度脈波信号の極大点bでの極大値y_b、及び脈波信号の1周期の最小点eでの時間t_eの直後の加速度脈波信号の極大点dでの極大値y_dを用いるようにしてもよい。さらに、血圧演算部8は、反射波伝搬時間tも用いて、標準血圧を算出するようにしてもよい。
例えば、極大値y_dから極大値y_bを引いて得られる第1の値を極小値y_aで除して第2の値を得て、反射波伝搬時間tに係数αを掛けて得られる第3の値を第2の値から引いて指標Wを得た場合、すなわち、下記(4)式により指標Wを算出した場合、図3A及び図3Bから分かるように、指標Wの平均値(例えば1日1回特定の人の脈波を測定して算出した指標Wの1ヶ月間の平均値)とカフを用いる血圧計で計測した血圧の平均値(例えば1日1回特定の人の血圧を測定した結果の1ヶ月間の平均値)とに高い相関がある。なお、図3A及び図3Bは、反射波伝搬時間tの単位をmsecとし、係数αを0.001とした時の値を示している。
Figure 2014008200
図3Aは、指標Wの平均値WAVEとカフを用いる血圧計で計測した最高血圧の平均値SBPAVEとの相関を示す図であり、図中の一次関数は下記(5)式で表される。
SBPAVE=210WAVE+20 ・・・(5)
図3Bは、指標Wの平均値WAVEとカフを用いる血圧計で計測した最低血圧の平均値DBPAVEとの相関を示す図であり、図中の一次関数は下記(6)式で表される。
DBPAVE=170WAVE ・・・(6)
したがって、血圧演算部8は、指標Wの平均値WAVEを用いて標準血圧を算出するようにしてもよい。
<血圧変動の算出>
血圧演算部8は、現在の血圧が標準血圧からどれだけ高いか或いは低いかを示す血液変動を算出する。例えば、過去の反射波伝搬時間の平均値及び現在の反射波伝搬時間を用いて血液変動を算出するようにしてもよい。さらに、過去の脈波周期の平均値及び現在の脈波周期の平均値も用いて血液変動を算出するようにしてもよい。
例えば、現在の反射波伝搬時間と現在の脈波周期に係数βを掛けた値とを加算した現在の加算値から、反射波伝搬時間と脈波周期に係数βを掛けた値とを加算した加算値の過去の平均値を引いて得られる値に係数γを掛けて得られる値を血圧変動としてもよい。この血圧変動の算出例と上記(5)式及び上記(6)式と組み合わせて血圧演算部8が血圧を演算する場合、現在の最高血圧SBPCURは下記(7)式で表され、現在の最低血圧DBPCURは下記(8)式で表される。
SBPCUR=210WAVE+20+γ×(現在のV−Vの過去の平均値)・・・(7)
ただし、V=t+βT
DBPCUR=170WAVE+γ×(現在のV−Vの過去の平均値)・・・(8)
ただし、V=t+βT
図4Aは、血圧演算部8が上記(7)式に基づいて演算した現在の最高血圧SBPCURとカフを用いる血圧計で計測した最高血圧との相関を示す図である。図4Bは、血圧演算部8が上記(8)式に基づいて演算した現在の最低血圧DBPCURとカフを用いる血圧計で計測した最低血圧との相関を示す図である。
脈波伝播時間の一次関数式から算出した血圧すなわち特許文献1の血圧の算出式から算出されていた血圧とカフを用いる血圧計で計測した血圧との相関が低い(図9A及び図9B参照)のに対して、血圧演算部8が上記(7)式及び上記(8)式に基づいて演算した現在の血圧(SBPCUR、DBPCUR)とカフを用いる血圧計で計測した血圧との相関は高い(図4A及び図4B参照)。なお、図4A及び図4Bは、反射波伝搬時間tと脈波周期Tの単位をmsecとし、係数βを0.01とし、係数γを−0.2とした時の値である。
このように本発明は、過去に保持された特徴量から算出される値と、現在の特徴量から算出される値とから血圧を演算するので、現在の特徴量のみから血圧を演算する従来の技術に比べて、血圧を精度良く演算することができる。
<<血圧測定装置が実施する血圧測定処理方法>>
次に、図1に示す血圧測定装置が実施する血圧測定処理方法の一例について図5のフローチャートを参照して説明する。例えば、図1に示す血圧測定装置に設けられている操作部(不図示)が、血圧測定の開始を指示するユーザ操作を受け付けると、図5のフローチャートの動作が開始される。なお、図5のステップS20〜S60が脈波信号処理方法の一例に該当する。
ステップS10では、発光部1、受光部2、及びA/D変換部3がデジタル信号である脈波信号を生成する。ステップS10によって生成される脈波信号は、数秒から数十秒程度の期間の信号であることが好ましい。
ステップS10に続くステップS20では、加速度脈波信号算出部4が、脈波信号を2回微分処理して加速度脈波信号を算出する。
ステップS20に続くステップS30では、特徴量第1抽出部5が、脈波信号に関する特徴量(例えば、図2中に示されている時間t_eや2回連続の時間t_fなど)を抽出し、特徴量第2抽出部6が、加速度脈波信号に関する特徴量(例えば、図2中に示されている時間t_dや極大値y_d、極大値y_b、極小値y_aなど)を抽出する。ステップS10によって生成された脈波信号の期間が長く、同一種類の特徴量が複数個抽出できる場合は、任意の1個のみを抽出してもよいが、複数個抽出したのちに平均を求め、その平均を抽出した特徴量としてもよい。複数個抽出したのちに平均を求める場合、時間に関しては周期毎に所定の基準時点(時間t_e)を設け、その所定の基準時点からの相対時間を用いるとよい。
ステップS30に続くステップS40では、血圧演算部8が、過去(現在の血圧測定開始よりも前)に不揮発性メモリ7に記憶された特徴量を読み出す。
ステップS40に続くステップS50では、特徴量第1抽出部5及び特徴量第2抽出部6によって抽出された現在の特徴量が不揮発性メモリ7に書き込まれる。なお、ステップS40とステップS50との実行順序は逆であっても構わない。また、ステップS40とステップS50とが並列して実行されても構わない。
ステップS50に続くステップS60では、血圧演算部8が、不揮発性メモリ7から読み出した特徴量から算出される値(例えば、上述した指標Wの平均値WAVEやVの過去の平均値など)と、現在の特徴量から算出される値(例えば、上述した現在のV)とから血圧を演算する。そして、演算された血圧の値は、例えば図1に示す血圧測定装置に設けられている表示部(不図示)に表示させるとよい。
<<脈波信号処理プログラム>>
図1に示す血圧測定装置は、専用装置によって実現してもよく、脈波検出部を備えるコンピュータ或いは脈波検出部から脈波信号を受け取ることができるコンピュータと、本発明の一実施形態に係る脈波信号処理プログラムとによって実現してもよい。
本発明の一実施形態に係る脈波信号処理プログラムは、電気通信回線を介して、或いは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体(例えばCD−ROM)を介して、脈波検出部を備えるコンピュータ或いは脈波検出部から脈波信号を受け取ることができるコンピュータに供給されてインストールされる。そして、インストールされた本発明の一実施形態に係る脈波信号処理プログラムが実行されると、当該コンピュータが図1に示す血圧測定装置の加速度脈波信号算出部4、特徴量第1抽出部5、特徴量第2抽出部6、不揮発性メモリ7、及び血圧演算部8として機能する。
脈波検出部を備えるコンピュータの例としては、図6に示すようにフォトリフレクタを備え、フォトリフレクタの発光面9及び受光面10が筐体表面に露出しているスマートフォン11を挙げることができる。また、脈波検出部から脈波信号を受け取ることができるコンピュータの例としては、例えば図7に示すようなI/Oインターフェース12を備え、図1に示す血圧測定装置の発光部1、受光部2、及びA/D変換部3に相当する脈波検出ユニット13のコネクタ部14から出力される脈波信号をI/Oインターフェース12によって受け取ることができるスマートフォン15を挙げることができる。
当然の事ながら、スマートフォン以外の携帯型コンピュータやデスクトップパーソナルコンピュータなどの据置型コンピュータも、脈波検出部を備えるコンピュータ或いは脈波検出部から脈波信号を受け取ることができるコンピュータとなり得る。
<<その他>>
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実行することができる。例えば、加速度脈波信号算出部4をアナログ回路とし、図8に示すように、加速度脈波信号算出部4が受光部2から送られてくるアナログ脈波信号を用いてアナログ加速度脈波信号を生成し、A/D変換部16が加速度脈波信号算出部4から送られてくるアナログ加速度脈波信号をデジタル加速度脈波信号に変換してから特徴量第2抽出部6に出力するようにしてもよい。なお、A/D変換部3とA/D変換部16は同一のハードウェア構成にすることができるので、A/D変換部3とA/D変換部16を共用化してもよい。
1 発光部
2 受光部
3、16 A/D変換部
4 特徴量第1抽出部
5 加速度脈波信号算出部
6 特徴量第2抽出部
7 不揮発性メモリ
8 血圧演算部
9 フォトリフレクタの発光面
10 フォトリフレクタの受光面
11、15 スマートフォン
12 I/Oインターフェース
13 脈波検出ユニット
14 脈波検出ユニットのコネクタ部
100 人の指

Claims (6)

  1. 脈波信号に基づく特徴量を抽出する特徴量抽出部と、
    前記特徴量を保持する特徴量保持部と、
    前記特徴量に基づき血圧を演算する血圧演算部とを備え、
    前記血圧演算部は、過去に前記特徴量保持部に保持された前記特徴量から算出される値と、前記特徴量抽出部によって抽出された現在の前記特徴量から算出される値とから血圧を演算する脈波信号処理装置。
  2. 前記特徴量は、前記脈波信号を2回微分した加速度脈波信号に関する特徴量を含み、
    前記過去に前記特徴量保持部に保持された前記特徴量から算出される値は、前記加速度脈波信号の極値を用いて算出される請求項1に記載の脈波信号処理装置。
  3. 前記過去に前記特徴量保持部に保持された前記特徴量から算出される値は、前記脈波信号が1周期の最小値になるタイミングの直前の前記加速度脈波信号の極小値、前記脈波信号が1周期の最小値になるタイミングの直前の前記加速度脈波信号の極大値、及び前記脈波信号が1周期の最小値になるタイミングの直後の前記加速度脈波信号の極大値を用いて算出される請求項2に記載の脈波信号処理装置。
  4. 前記特徴量保持部は、生体毎に前記特徴量を保持する請求項1〜3のいずれか1項に記載の脈波信号処理装置。
  5. 生体の血流循環により生じる脈波を検出する脈波検出部と、
    前記脈波検出部から出力される脈波信号を処理する請求項1〜4のいずれか1項に記載の脈波信号処理装置とを備える血圧測定装置。
  6. コンピュータを、
    脈波信号に基づく特徴量を抽出する特徴量抽出部、
    前記特徴量を保持する特徴量保持部、及び
    前記特徴量に基づき血圧を演算する血圧演算部として機能させるための脈波信号処理プログラムであって、
    前記血圧演算部は、過去に前記特徴量保持部に保持された前記特徴量から算出される値と、前記特徴量抽出部によって抽出された現在の前記特徴量から算出される値とから血圧を演算する脈波信号処理プログラム。
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