JP2014008177A - 滅菌装置 - Google Patents

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好成 前薗
Takayuki Hiraishi
隆之 平石
Hidenori Watanabe
英典 渡邊
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Abstract

【課題】滅菌対象物全体にわたって均一にかつ確実に滅菌処理を行うことができる滅菌装置を提供する。
【解決手段】滅菌対象物を収納する、両端が閉塞された筒状の収納容器と、この収納容器の内周面に沿って設けられた接地電極と、前記収納容器の外部に設けられた、3〜500MHzの高周波電流を供給する高周波電源と、この高周波電源から前記収納容器内に伸び、当該収納容器内において前記接地電極に離間して対向するよう配置された線状電極とを備えてなる滅菌装置において、前記収納容器内における前記線状電極の最大長さをL1(m)、前記線状電極における前記高周波電源から供給される高周波電流の波長をλ(m)、前記線状電極における実効電力をW(W)としたとき、比L1/λが1/4未満であり、比(200−W)/L1が30超でかつ240以下の範囲にあることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラズマを利用して滅菌対象物を滅菌処理する滅菌装置に関する。
一般に、滅菌対象物を滅菌処理する方法としては、消毒薬などの薬剤を用いた滅菌法、火炎滅菌法,乾熱滅菌法,オートクレーブ等による高圧蒸気滅菌法,煮沸滅菌法などの加熱滅菌法、γ線,紫外線,高エネルギーの電子線等の放射線を照射する放射線照射滅菌法、エチレンオキサイドガスや過酸化水素などの滅菌ガスを作用させるガス滅菌法,ろ過フィルターを用いるろ過滅菌法などが知られており、滅菌対象物の材質および形態や、滅菌対象物に要求される滅菌処理の程度などに応じて、それぞれ適した滅菌法が利用されている。
而して、例えば医療分野における滅菌法として、近年、プラズマを利用して滅菌対象物を滅菌処理するプラズマ滅菌法が検討されている。このプラズマ滅菌法は、有害物質が残留することがなくて安全性が高いこと、低温で滅菌処理を行うことが可能であること、ドライプロセスによる滅菌処理であること、比較的短時間で滅菌処理を行うことが可能であることなどの利点を有する。
そして、このようなプラズマ滅菌法による滅菌装置としては、滅菌対象物が収納される滅菌処理空間を形成する円筒状の収納容器と、この収納容器内において滅菌処理空間を取り囲むよう配置された、プラズマ放電用の線状電極と、収納容器内にプラズマ用ガスを供給するガス供給手段と、線状電極に高周波電流を供給する高周波供給手段とを備えてなるものが提案されている(例えば特許文献1および特許文献2参照。)。
特開2010−263962号公報 国際公開第2011/125252号
しかしながら、上記の滅菌装置においては、滅菌対象物の滅菌処理においてムラが生じる、という問題があることが判明した。
この問題は、以下の理由によるものと考えられる。線状電極の一端を高周波電源に接続すると共に、当該線状電極の他端を開放端とした場合において、この線状電極に高周波電源から高周波電流を供給すると、当該線状電極には、その開放端である他端が最高電位となる定在波が生じる。そのため、線状電極においては、定在波の腹となる部分およびその近傍に生じるプラズマ放電の強度と、定在波の節となる部分およびその近傍に生じるプラズマ放電の強度との間で大きな差が生じる結果、滅菌対象物の滅菌処理にムラが生じると考えられる。
また、線状電極における定在波の節となる部分およびその近傍に強度の高いプラズマ放電を発生させるため、大電力の高周波電流を供給した場合には、線状電極の長さ方向に沿って均一なプラズマ放電が得られず、また、定在波の腹となる部分およびその近傍に生じるプラズマ放電は、強度が過剰に高いものとなるため、滅菌対象物が局所的に過熱されることにより、当該滅菌対象物が損傷するおそれがある。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、滅菌対象物全体にわたって均一にかつ確実に滅菌処理を行うことができる滅菌装置を提供することにある。
本発明の滅菌装置は、滅菌対象物を収納する、両端が閉塞された筒状の収納容器と、この収納容器の内周面に沿って設けられた接地電極と、前記収納容器の外部に設けられた、3〜500MHzの高周波電流を供給する高周波電源と、この高周波電源から前記収納容器内に伸び、当該収納容器内において前記接地電極に離間して対向するよう配置された線状電極とを備えてなる滅菌装置において、
前記収納容器内における前記線状電極の最大長さをL1(m)、前記線状電極における前記高周波電源から供給される高周波電流の波長をλ(m)、前記線状電極における実効電力をW(W)としたとき、比L1/λが1/4未満であり、比(200−W)/L1が30超でかつ240以下の範囲にあることを特徴とする。
本発明の滅菌装置においては、前記線状電極は、互いに電気的に接続された複数の電極素子を有し、これらの複数の電極素子は、それぞれ前記収納容器の周方向に沿って伸び、かつ互いに前記収納容器の筒軸方向に離間して配置されていることが好ましい。
また、前記収納容器は金属よりなり、当該収納容器の内周面によって接地電極が構成されていてもよい。
本発明の滅菌装置によれば、収納容器内における線状電極の最大長さ(L1)が、当該線状電極における高周波電源から供給される高周波電流の波長(λ)の1/4未満であることにより、線状電極に生ずる高周波電流の定在波における腹および節の両方が、線状電極における収納容器内に位置する部分に現れることがないため、線状電極に生ずるプラズマ放電の強度の最高値と最低値との差が小さく、従って、滅菌対象物全体にわたって均一に滅菌処理を行うことができる。
また、収納容器内における線状電極の最大長さ(L1)に対する200Wから当該線状電極における実効電力(W)を減じた値の比((200−W)/L1)が特定の範囲にあるため、線状電極の長さ方向に沿って均一でかつ十分な強度を有するプラズマ放電が得られ、その結果、滅菌対象物に対して確実に滅菌処理を行うことができる。
本発明の滅菌装置の一例における要部の構成を示す説明図である。 本発明の滅菌装置の他の例における要部の構成を示す説明図である。 本発明の滅菌装置の更に他の例における要部の構成を示す説明図である。 実施例において作製した滅菌装置Bにおける線状電極の電極素子の構成示す説明図である。 実施例において作製した滅菌装置Cにおける線状電極の電極素子の構成示す説明図である。 実施例において作製した滅菌装置Dにおける線状電極の電極素子の構成示す説明図である。
以下、本発明の滅菌装置の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の滅菌装置の一例における要部の構成を示す説明図である。この滅菌装置は、両端が閉塞された円筒状の収納容器10を有し、この収納容器10内に、滅菌対象物が収納される滅菌処理空間Sが形成されている。また、この例の収納容器10は金属よりなり、この収納容器10が接地されることにより、当該収納容器10の内周面によって接地電極11が構成されている。
収納容器10の外部には、高周波電流を供給する高周波電源20が設けられている。この高周波電源20の一方の端子には、当該高周波電源20から収納容器10内に伸びる金属よりなる線状電極15が電気的に接続され、当該高周波電源20の他方の端子は接地されている。
線状電極15は、収納容器10内において、当該収納容器10の内周面すなわち接地電極11に離間して対向するよう配置されている。図示の例では、線状電極15は、それぞれ収納容器10の周方向に沿って伸びて滅菌処理空間Sを取り囲む、当該収納容器10の内径より小さい外径のC字型の複数の電極素子16と、これらの複数の電極素子16を相互に電気的に接続する導電線17と、高周波電源20から伸びて導電線17に電気的に接続された接続線18とにより構成されている。この線状電極15における複数の電極素子16は、収納容器10内において、当該収納容器10の筒軸方向に互いに離間して並ぶよう配置されている。
また、収納容器10には、当該収納容器10内の滅菌処理空間Sの圧力を減圧する減圧手段25が、バルブ27を備えた排気管26を介して接続されていると共に、当該収納容器10内の滅菌処理空間Sにプラズマ用ガスを供給するガス供給手段30が、バルブ32を備えたガス供給管31を介して接続されている。
図示の例において、収納容器10を構成する金属すなわち接地電極11を構成する金属としては、ステレンス、銅、アルミニウムなどを用いることができる。
また、収納容器10における周壁の肉厚は、例えば3〜20mmである。
線状電極15および導電線16を構成する金属としては、ステレンス、銅、アルミニウムなどを用いることができる。
線状電極15の線径は、例えば1〜6mmである。
また、線状電極15は、素線よりなるものであっても、内部が中空のチューブ状のものであってもよく、チューブ状のものを用いる場合には、内部に冷却水を供給することによって、当該線状電極15を冷却することができる。
また、接地電極11(図示の例では収納容器10の内周面)と線状電極15との離間距離は、例えば5〜50mmである。
収納容器10および線状電極15の寸法の具体的な一例を示すと、収納容器10は、内径が300mm、筒軸方向の長さが700mm、周壁の肉厚が8mmであり、線状電極15は、線径が3mm、C字の外径が260mm、隣接する線状電極15間の離間距離は150mm、接地電極11(図示の例では収納容器10の内周面)と線状電極15との離間距離が20mmである。
このような滅菌装置においては、滅菌対象物が収納容器10内に収納された後、減圧手段25によって収納容器10内の滅菌処理空間Sが所要の圧力に減圧されると共に、ガス供給手段30によって収納容器10内にプラズマ用ガスが供給される。そして、この状態で、高周波電源20から線状電極15に高周波電流が供給されると、接地電極11と線状電極15との間にプラズマ放電が生じ、これにより、プラズマ用ガスによるラジカルなどの活性物質が生成し、この活性物質を滅菌対象物に作用させることにより、当該滅菌対象物の滅菌処理が達成される。
以上において、ガス供給手段30から供給されるプラズマ用ガスとしては、酸素ガス、空気、水蒸気あるいはそれらを混合したガスなどを用いることができる。
また、収納容器10内の圧力は、通常、30〜200Pa、好ましくは60〜150Paである。
高周波電源20から線状電極15に供給される高周波電流の周波数は、3〜500MHzとされ、好ましくは12.5〜100MHzとされる。この高周波電流の周波数が3MHz未満である場合には、パルス一回一回の放電持続時間が長いため、生成したプラズマを長い間加熱してしまう。その結果、放電のエネルギーが強くなりすぎて、望ましくない強力なイオン種を生成する可能性があり、滅菌対象物の温度上昇あるいは著しい損傷を起こす。一方、この高周波電流の周波数が500MHzを超える場合には、放電持続時間が短くなるため望ましくない強力なイオン種を生成する可能性は低くなるものの、放電には電気エネルギーを一点に集中させることが必要となるため大容量の均一放電には向かない。
そして、本発明の滅菌装置においては、収納容器10内における線状電極15の最大長さをL1(m)、高周波電源20から供給される高周波電流の波長をλ(m)、線状電極15における実効電力をW(W)としたとき、比L1/λが1/4未満、好ましくは1/40〜1/10とされ、比(200−W)/L1が30超でかつ240以下の範囲、好ましくは40〜200の範囲とされる。
本発明において、「収納容器内における線状電極の最大長さ」とは、高周波電源から収納容器内に伸びる線状電極を収納容器の外部から内部に向かって辿ったときに、当該線状電極において、収納容器の内部に最初に露出する位置を起点とし、この起点から最も遠い位置までの長さを意味する。
収納容器10内における線状電極15の最大長さ(L1)は0.25〜2mであることが好ましい。
また、本発明において、線状電極における高周波電流の波長λ(m)は、高周波電流の周波数をf(Hz)、線状電極における高周波電流の位相速度(高周波電流が線状電極中を伝搬する速度)をv(m/s)としたとき、λ=v/fで求められるものである。
また、本発明において、「実効電力」とは、プラズマの形成に寄与する電力を意味し、投入電力の値のみによって一義的に定まるものではない。例えば線状電極としてチューブ状のものを用い、その内部に冷却水を供給する場合には、線状電極に供給される電力によるエネルギーの一部が熱エネルギーとして冷却水に奪われるため、プラズマの形成に寄与する電力すなわち実効電力は、投入電力よりも低い値となる。ここで、線状電極に供給される電力よるエネルギーのうち、冷却水に奪われるエネルギー(J)は、線状電極を通過した冷却水の質量をM(g)、線状電極を通過する前の冷却水の温度をt0 (℃)、線状電極を通過した後の冷却水の温度をt1 (℃)、水の比熱に基づくカロリーとジュールとの変換係数をkとしたとき、M×(t1 −t0 )×kによって求めることができる。
高周波電源20から線状電極15に供給される高周波電流の実効電力は、プラズマ放電を確実に生じさせることができる点で、40W以上であることが好ましく、より好ましくは40〜180Wである。
上記の比L1/λが1/4以上である場合には、線状電極15に生ずる高周波電流の定在波における腹および節の両方が、線状電極15における収納容器10内に位置する部分に現れるため、線状電極15に生ずるプラズマ放電の強度の最高値と最低値との差が大きく、その結果、滅菌対象物全体にわたって均一に滅菌処理を行うことが困難となる。
また、上記の比(200−W)/L1が240を超える場合には、接地電極11と線状電極15との間に十分な強度を有するプラズマ放電を発生させることが困難となる。一方、上記の比(200−W)/L1が30以下である場合には、接地電極11と線状電極15との間で、線状電極15の長さ方向に沿って均一なプラズマ放電が生じず、その結果、滅菌対象物に対して確実に滅菌処理を行うことが困難となる。
上記の滅菌装置によれば、収納容器10内における線状電極15の最大長さ(L1)が、当該線状電極15における高周波電源20から供給される高周波電流の波長(λ)の1/4未満であることにより、線状電極15に生ずる高周波電流の定在波における腹および節の両方が、線状電極15における収納容器10内に位置する部分に現れることがないため、線状電極15に生ずるプラズマ放電の強度の最高値と最低値との差が小さく、従って、滅菌対象物全体にわたって均一に滅菌処理を行うことができる。
また、収納容器10内における線状電極15の最大長さ(L1)に対する200Wから当該線状電極15における実効電力(W)を減じた値の比((200−W)/L1)が特定の範囲にあるため、線状電極15の長さ方向に沿って均一でかつ十分な強度を有するプラズマ放電が得られ、その結果、滅菌対象物に対して確実に滅菌処理を行うことができる。
以上、本発明の滅菌装置の実施の形態について説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されず、種々の変更を加えることが可能である。
例えば、接地電極11は、図1に示す例では収納容器10の内周面によって構成されているが、収納容器10とは別個に当該収納容器10の内周面に沿って設けられていてもよい。このような構成においては、収納容器10は、金属以外の材料例えばガラスなどによって構成することができる。
また、収納容器10は、両端が閉塞されて気密な滅菌処理空間Sが形成されているものであれば、その形状は円筒に限られず、例えば多角形の筒状のものであってもよい。
また、線状電極15は、複数のC字型の電極素子16が収納容器10の筒軸方向に互いに離間して配置されてなるものに限定されず、例えば図2に示すように、それぞれ収納容器10の周方向に沿って伸びて1回巻き回されてなるコイル型の複数の電極素子16が、収納容器10の筒軸方向に互いに離間して配置され、これらの複数の電極素子16が収納容器10の軸方向に沿って伸びる導電線17によって互いに電気的に接続されてなるものであってもよく、図3に示すように、収納容器10の筒軸方向に伸びる複数の電極素子16が、収納容器10の周方向に沿って互いに離間して配置され、これらの電極素子16が収納容器10の半径方向に伸びる複数の導電線17によって互いに電気的に接続されてなるものであってもよい。
以下、本発明の滅菌装置の具体的な実施例について説明するが、本発明と下記の実施例に限定されるものではない。
図1に示す構成に従い、下記の仕様の収納容器および線状電極を有する滅菌装置A〜Dを作製した。
〈滅菌装置A〉
[収納容器(10)]
収納容器(10)は、ステンレスよりなる、両端が閉塞された円筒状のものであって、その内径が300mm、筒軸方向の長さが700mm、周壁の肉厚が8mmで、内周面によって接地電極(11)が構成されたものである。
[線状電極(15)]
線状電極(15)は、線径が3mmの銅よりなるC字型の電極素子(16)を8個有し、電極素子(16)の各々は、C字の輪郭の半径が130mmのものであり、これらの電極素子(16)は、収納容器(10)の筒軸方向にそれぞれ50mmの間隔で離間して並ぶよう配置され、線径が3mmの銅よりなる導電線(17)によって互いに電気的に接続されている。また、収納容器(10)の内周面(接地電極)と線状電極(15)における各電極素子(16)との離間距離は20mmである。
また、収納容器(10)内における線状電極(15)の最大長さ(L1)は、0.5mである。
〈滅菌装置B〉
[収納容器(10)]
収納容器(10)は、ステンレスよりなる、両端が閉塞された円筒状のものであって、その内径が300mm、筒軸方向の長さが700mm、周壁の肉厚が8mmで、内周面によって接地電極(11)が構成されたものである。
[線状電極(15)]
線状電極(15)は、線径が3mmの銅よりなる、図4に示す構造の電極素子(16)を4個有する。電極素子(16)の各々は、収納容器(10)の筒軸方向に垂直な平面に対して傾斜した状態で配置された、輪郭の半径が130mmのC字型の湾曲部(16a)と、この湾曲部(16a)における上側部分および下側部分の各々から収納容器(10)の筒軸方向に50mmの間隔で離間して配置された、それぞれ輪郭の半径が130mmの半円型の湾曲部(16b)と、C字型の湾曲部(16a)および半円型の湾曲部(16b)の各々の端部を互いに連結する、収納容器(10)の筒軸方向に伸びる連結部(16c)とにより構成されている。これらの電極素子(16)は、収納容器(10)の筒軸方向にそれぞれ50mmの間隔で離間して並ぶよう配置され、隣接する電極素子(16)同士が、線径が3mmの銅よりなる導電線(17)によって互いに電気的に接続されている。また、収納容器(10)の内周面(接地電極)と線状電極(15)における各電極素子(16)との離間距離は20mmである。
また、収納容器(10)内における線状電極(15)の最大長さ(L1)は、1mである。
〈滅菌装置C〉
[収納容器(10)]
収納容器(10)は、ステンレスよりなる、両端が閉塞された円筒状のものであって、その内径が300mm、筒軸方向の長さが700mm、周壁の肉厚が8mmで、内周面によって接地電極(11)が構成されたものである。
[線状電極(15)]
線状電極(15)は、線径が3mmの銅よりなる、図5に示す構造の電極素子(16)を2個有する。電極素子(16)の各々は、収納容器(10)の筒軸方向に垂直な平面に対して傾斜した状態で配置された、輪郭の半径が130mmのC字型の湾曲部(16a)と、この湾曲部(16a)における上側部分および下側部分の各々から収納容器(10)の筒軸方向にそれぞれ50mmの等間隔で離間して3つずつ(合計6つ)並ぶよう配置された、それぞれ輪郭の半径が130mmの半円型の湾曲部(16b)と、C字型の湾曲部(16a)およびこれに隣接する半円型の湾曲部(16b)の各々の端部並びに隣接する半円型の湾曲部(16b)の各々の端部を互いに連結する、収納容器(10)の筒軸方向に伸びる連結部(16c)とにより構成されている。これらの電極素子(16)は、収納容器(10)の筒軸方向に50mmの間隔で離間して配置され、線径が3mmの銅よりなる導電線(17)によって互いに電気的に接続されている。また、収納容器(10)の内周面(接地電極)と線状電極(15)における各電極素子(16)との離間距離は20mmである。
また、収納容器(10)内における線状電極(15)の最大長さ(L1)は、2mである。
〈滅菌装置D〉
[収納容器(10)]
収納容器(10)は、ステンレスよりなる、両端が閉塞された円筒状のものであって、その内径が300mm、筒軸方向の長さが700mm、周壁の肉厚が8mmで、内周面によって接地電極(11)が構成されたものである。
[線状電極(15)]
線状電極(15)は、線径が3mmの銅よりなる、図6に示す構造の電極素子(16)を有する。この電極素子(16)は、それぞれ収納容器(10)の筒軸方向に垂直な平面に対して傾斜した状態で、収納容器(10)の筒軸方向に50mmの間隔で離間して並ぶよう配置された、それぞれ半径が130mmの半円型の8つの湾曲部(16b)と、隣接する湾曲部(16b)の一端を互いに連結する連結部(16c)とにより構成されている。また、収納容器(10)の内周面(接地電極)と線状電極(15)における各電極素子(16)との離間距離は20mmである。
また、収納容器(10)内における線状電極(15)の最大長さ(L1)は、4mである。
〈試験例1〜16〉
上記の滅菌装置A〜Dの各々を用い、以下のようにして滅菌試験を行った。
収納容器(10)内に、当該収納容器(10)内における全領域にわたって合計で50個のバイオロジカルインジケータ[ジョンソン&ジョンソン社製,商品名「ステラッドサイクルシュア24」]を配置した。そして、減圧手段によって収納容器(10)内の圧力を60Paに減圧すると共に、ガス供給手段によって収納容器(10)内にプラズマ用ガスとして酸素ガスを供給した。そして、下記表1に示す条件に従って、滅菌装置を作動させ、収納容器(10)内に配置された全てのバイオロジカルインジケータについて滅菌処理の効果が現れるまでの時間(以下、「滅菌処理完了時間」という。)を測定した。結果を下記表1に示す。
Figure 2014008177
試験例2〜4、試験例7および試験例8においては、滅菌処理完了時間が30分間未満であり、短時間で滅菌処理が達成されることが確認された。
試験例1においては、線状電極の端部において激しい放電が起こり、均一なプラズマ放電が生じなかった。また、試験例6、試験例10および試験例14においては、収納容器(10) の内周面と線状電極(15)との間で、均一なプラズマ放電が生じなかった。その結果、試験例1、試験例6、試験例10および試験例14については、全てのバイオロジカルインジケータについて滅菌処理の効果を得ることができなかった。試験例1と、試験例6、試験例10および試験例14とでは、放電の状態は異なるが、いずれも不均一なプラズマ放電であり、このような現象が生じるのは、比(200−W)/L1の値が30以下であるためと考えられる。
〈試験例17〜33〉
収納容器(10)内の圧力を60Paから100Paに変更し、下記表2に示す条件に従って、滅菌装置を作動させたこと以外は、試験例1〜16と同様にして滅菌試験を行い、滅菌処理完了時間を測定した。結果を下記表2に示す。
Figure 2014008177
試験例18〜20、試験例23および試験例24においては、滅菌処理完了時間が30分間未満であり、短時間で滅菌処理が達成されることが確認された。
試験例17においては、比(200−W)/L1の値が0であるため、線状電極の端部において激しい放電が起こり、均一なプラズマ放電が生じなかった。また、試験例22、試験例26、試験例30および試験例31においては、比(200−W)/L1の値が30以下であるため、収納容器(10) の内周面と線状電極(15)との間で、均一なプラズマ放電が生じなかった。その結果、試験例17、試験例22、試験例26、試験例30および試験例31については、全てのバイオロジカルインジケータについて滅菌処理の効果を得ることができなかった。
〈試験例34〜44〉
収納容器(10)内の圧力を60Paから200Paに変更し、下記表3に示す条件に従って、滅菌装置を作動させたこと以外は、試験例1〜17と同様にして滅菌試験を行い、滅菌処理完了時間を測定した。結果を下記表3に示す。
Figure 2014008177
試験例35〜37、試験例40および試験例41においては、滅菌処理完了時間が30分間未満であり、短時間で滅菌処理が達成されることが確認された。
試験例34においては、比(200−W)/L1の値が0であるため、線状電極の端部において激しい放電が起こり、均一なプラズマ放電が生じなかった。また、試験例39および試験例43においては、比(200−W)/L1の値が30以下であるため、収納容器(10) の内周面と線状電極(15)との間で、均一なプラズマ放電が生じなかった。その結果、試験例34、試験例39および試験例43については、全てのバイオロジカルインジケータについて滅菌処理の効果を得ることができなかった。
10 収納容器
11 接地電極
15 線状電極
16 電極素子
16a,16b 湾曲部
16c 連結部
17 導電線
18 接続線
20 高周波電源
25 減圧手段
26 排気管
27 バルブ
30 ガス供給手段
31 ガス供給管
32 バルブ
S 滅菌処理空間

Claims (3)

  1. 滅菌対象物を収納する、両端が閉塞された筒状の収納容器と、この収納容器の内周面に沿って設けられた接地電極と、前記収納容器の外部に設けられた、3〜500MHzの高周波電流を供給する高周波電源と、この高周波電源から前記収納容器内に伸び、当該収納容器内において前記接地電極に離間して対向するよう配置された線状電極とを備えてなる滅菌装置において、
    前記収納容器内における前記線状電極の最大長さをL1(m)、前記線状電極における前記高周波電源から供給される高周波電流の波長をλ(m)、前記線状電極における実効電力をW(W)としたとき、比L1/λが1/4未満であり、比(200−W)/L1が30超でかつ240以下の範囲にあることを特徴とする滅菌装置。
  2. 前記線状電極は、互いに電気的に接続された複数の電極素子を有し、これらの複数の電極素子は、それぞれ前記収納容器の周方向に沿って伸び、かつ互いに前記収納容器の筒軸方向に離間して配置されていることを特徴とする請求項1に記載の滅菌装置。
  3. 前記収納容器は金属よりなり、当該収納容器の内周面によって接地電極が構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の滅菌装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016197956A (ja) * 2015-04-03 2016-11-24 富士電機株式会社 ゲート駆動装置及びそれを備えた電力変換装置
KR102233675B1 (ko) * 2019-11-13 2021-03-29 김영욱 바이오 필름 형성 억제용 배수망

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