JP2014006731A - 仮想チップ表示プログラム、および、仮想チップ表示装置 - Google Patents

Abstract

【課題】立体的な形状を含むデザインが施されたネイルチップを仮想的に他視点で表示させる。
【解決手段】爪形状情報を取得する爪形状情報取得部１５４と、突出形状を含むデザインを示すデザイン情報を取得するデザイン取得部１４５と、前記爪形状情報に前記デザイン情報をマッチングさせたマッチング情報を作成するマッチング部１１３と、前記マッチング情報に基づく仮想チップ３００を仮想的に照らす光源に関する情報である光源情報を取得する光源情報取得部１４６と、仮想チップ３００を看取する方向を示す視点情報を取得する視点情報取得部１４７と、前記マッチング情報と前記光源情報と前記視点情報とに基づき仮想チップ３００を表示装置に表示させる画像表示部とをコンピュータにより機能させる。
【選択図】図１

Description

本願発明は、爪に貼り付けて手などを装飾するいわゆるネイルチップであって、使用者の好みのデザインが付されたネイルチップを仮想的に表示する仮想チップ表示プログラム、および、仮想チップ表示装置に関する。

近年、好みのデザインが付されたネイルチップを使用者の手指の爪に貼り付けて装飾することが広く行われている。従前は、ネイルサロン等と称される店舗において専門の技能を有する者によって手作業にてネイルチップが使用者の手指の爪に取り付けられ、筆などによって花などをあしらったデザインが手作業によって付されていた。

しかしながら、ネイルチップを手作業で取り付けてデザインを付する場合、相当の時間が必要となり、また、十分な費用が必要となるため、デザインが異なるネイルチップを頻繁に変更しておしゃれを楽しむことは容易ではなかった。

そこで、機械的にネイルチップを製造したり、機械を用いて直接爪に装飾を施したりする技術が従来種々提案されている。

例えば、特許文献１に記載の技術は、ネイルチップ用の複数のデザインを画面に表示し、操作者が画面から任意に選択したデザインを人間の爪に直接印刷する技術が記載されている。

また、特許文献２には、選択されたデザインを使用者の指の画像と合成して使用者側の視点から表示したり、デザインが合成された使用者の指と手と顔とを合成した他人から見た状態のネイルチップの状態を表示したりする技術が記載されている。

特開２００１−２５３１号公報 特開２０００−３０１７７８号公報

ところが、昨今のネイルチップには表面から突出した立体形状を含むデザインが施される場合があるが、特許文献１に記載の技術では、ネイルチップのデザインを選択することはできるものの、デザインを施したネイルチップの立体的なデザインを直感的に看取することはできない。一方、特許文献２に記載の技術では、選択したデザインのネイルチップを手の爪に装着した際の色及び絵柄の見栄えや、使用者のフェイスメークとの相性も含めた全体的な出来映えを直感的に看取することはできるが、立体的な形状を含むデザインが施されたネイルチップを多角的に看取することは困難である。

本願発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、立体形状を含むデザインが施されたネイルチップの照明に照らされた状態を仮想的に複数の視点で表示させることのできる仮想チップ表示プログラム、および、仮想チップ表示装置の提供を目的とする。

上記目的を達成するために、本願発明にかかる仮想チップ表示プログラムは、デザインが付された仮想的なネイルチップである仮想チップを表示装置に表示させる仮想チップ表示プログラムであって、爪の立体的な表面形状を示す爪形状情報を取得する爪形状情報取得部と、ネイルチップの表面から突出する突出形状を含むデザインを示すデザイン情報を取得するデザイン取得部と、前記爪形状情報に前記デザイン情報をマッチングさせたマッチング情報を作成するマッチング部と、前記マッチング情報に基づく仮想チップを仮想的に照らす光源に関する情報である光源情報を取得する光源情報取得部と、仮想チップを看取する方向を示す視点情報を取得する視点情報取得部と、前記マッチング情報と前記光源情報と前記視点情報とに基づき仮想チップを表示装置に表示させる画像表示部とをコンピュータにより機能させることを特徴とする。

これによれば、照射する光の状態と看取する視点を種々変化させて仮想チップを看取することができ、立体的な形状を含むデザインが施されたネイルチップを現実に近い仮想的な状態で把握することができる。

さらに、右手、および、左手の少なくとも一方の立体的な表面形状を示す手形状情報を取得する手情報取得部を備え、前記画像表示部は、前記マッチング情報を前記手形状情報に適用させた仮想チップ、および、仮想的な手である仮想手を表示装置に表示させるものでもよい。

これによれば、手の爪に取り付けられたネイルチップを現実に近い仮想的な状態で把握することができる。

また、前記手情報取得部は、手の肌の色を示す肌色情報を取得し、前記画像表示部は、前記肌色情報を前記手形状情報に適用させた仮想チップ、および、仮想手を表示装置に表示させるものでもよい。

これによれば、肌の色に似合うネイルチップのデザインか否かを容易に把握することができる。

さらに、背景として配置される小道具の立体的な表面形状を示す小道具情報を取得する小道具情報取得部を備え、前記画像表示部は、前記小道具情報に基づき仮想チップ、および、仮想的な手、および、仮想的な小道具である仮想小道具を表示装置に表示させるものでもよい。

これによれば、ネイルチップのデザインが所望のシチュエーションに似合うか否かを容易に把握することが可能となる。

また、上記目的を達成するために、本願発明にかかる仮想チップ表示装置は、デザインが付された仮想的なネイルチップである仮想チップを表示装置に表示させる仮想チップ表示装置であって、爪の立体的な表面形状を示す爪形状情報を取得する爪形状情報取得部と、ネイルチップの表面から突出する突出形状を含むデザインを示すデザイン情報を取得するデザイン取得部と、前記爪形状情報に前記デザイン情報をマッチングさせたマッチング情報を作成するマッチング部と、前記マッチング情報に基づく仮想チップを仮想的に照らす光源に関する情報である光源情報を取得する光源情報取得部と、仮想チップを看取する方向を示す視点情報を取得する視点情報取得部と、前記マッチング情報と前記光源情報と前記視点情報とに基づき仮想チップを表示装置に表示させる画像表示部とを備えることを特徴とする。

これによれば、照射する光の状態と看取する視点を種々変化させて仮想チップを看取することができ、立体的な形状を含むデザインが施されたネイルチップを現実に近い仮想的な状態で把握することができる。

なお、仮想チップ表示プログラムを実施することも本願発明の実施に該当する。無論、仮想チップ表示プログラムが記録された記録媒体を実施することも本願発明の実施に該当する。

本願発明によれば、立体的な形状を含むデザインが施された仮想チップに照明をあて、複数の視点で仮想チップを表示し、看取させることが可能である。

図１は、ネイルチップ製造システムの機能構成を装置構成と共に示す図である。 図２は、表示装置の具体的な態様を示す図である。 図３は、デザイン作成部によりデザインを作成する場合を示す図である。 図４は、一の視点で仮想チップや仮想小道具が表示装置に表示された状態を示す図である。 図５は、他の視点で仮想チップや仮想小道具が表示装置に表示された状態を示す図である。 図６は、位相シフト法により立体形状を測定する形状測定装置の要部を示す斜視図である。 図７は、ネイルチップ製造装置を模式的に示す斜視図である。 図８は、ネイルチップ製造装置のヘッドが備える装置を模式的に示す図である。 図９は、シートの断面を示す側面図である。 図１０は、ネイルチップ製造装置で製造されたネイルチップを示す図である。 図１１は、店舗設置型のネイルチップデザイン作成装置を模式的に示す斜視図である。

次に、本願発明に係る仮想チップ表示プログラム、および、仮想チップ表示装置の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施の形態は、本願発明に係る仮想チップ表示プログラム、および、仮想チップ表示装置の一例を示したものに過ぎない。従って本願発明は、以下の実施の形態を参考に請求の範囲の文言によって範囲が画定されるものであり、以下の実施の形態のみに限定されるものではない。

図１は、ネイルチップ製造システムの機能構成を装置構成と共に示す図である。

同図に示すように、ネイルチップ製造システム１００は、ネイルチップ２０２を製造するシステムであって、仮想チップ表示プログラムを備えるネイルチップデザイン作成装置１０３と、形状測定装置１０２と、ネイルチップ製造装置１０１とを備えている。本実施の形態の場合、ネイルチップ製造システム１００は、一つ、または、複数のネイルチップデザイン作成装置１０３を備えている。

ネイルチップデザイン作成装置１０３は、ネイルチップの複数のデザインから、一つまたは複数のデザインを選択し、さらにデザインを加えるなどしてネイルチップ用のデザインを作成する装置であって、表示装置１３４と、入力装置１３５と、デザイン表示部１３２と、仮想チップ表示部１３６と、デザイン作成部１３７と、デザイン情報出力部１３３とを備えている。

表示装置１３４は、液晶ディスプレイや有機ＥＬディスプレイのような画像を表示することのできる装置である。本実施の形態の場合、表示装置１３４は、図２に示すように、１０インチ程度の画面を備えるタブレット型コンピュータの構成要素として機能するものである。なお、表示装置１３４は、特に限定されるものではない。例えば、テレビ受像器やコンピュータ用のモニタでもよく、スマートフォンや携帯電話に搭載される３インチや７インチの表示装置でも良い。

入力装置１３５は、操作者の操作を受け付ける装置である。本実施の形態の場合、入力装置１３５は、表示装置１３４の画面上に配置され、指などが接触した位置を検出することにより位置情報をコンピュータに送信することのできるいわゆるタッチパネルである。なお、入力装置１３５は、マウスやキーボード（ソフトウエアキーボードを含む）などのマンマシンインターフェースであってもかまわない。また、複数のマンマシンインターフェースを組み合わせたものでもよい。

デザイン表示部１３２は、ネイルチップ用の複数のデザインを表示装置１３４の画面３０９に表示させる処理部であり、コンピュータに実行させることにより前記処理を実現することができるプログラムである。本実施の形態の場合、デザイン表示部１３２は、片手（五指）の全ての爪に対応するネイルチップ用の統一されたデザイン（例えば図２中のデザインＣで示す）を表示装置１３４の画面３０９に一列に並べてデザイン群として表示させており、さらに、その他のデザインＤ、デザインＥ、デザインＦ等も同様にネイルチップの列状に並ぶデザイン群として画面３０９の群デザイン選択部Ｊに表示させている。なお、デザインＡ、デザインＢ、デザインＧ、デザインＨは、スクロールの関係上、一部のみを表示させている。

なお、本明細書、および、特許請求の範囲において、一列（列状）とは、直線状に並んだ場合ばかりでなく、ある程度湾曲した線に沿って並べて配置したような場合でも一列（列状）に含まれる。

以上のように、デザイン表示部１３２が、片手分のネイルチップのデザインを一群として画面３０９の左右方向、あるいは、上下方向にスライド可能な長尺状の群デザイン選択部Ｊに提示することにより、操作者がネイルチップの総合的なデザインをイメージし易くなる。特に、片手分のネイルチップのデザインを並べることによって一つの絵が完成するようなデザインである場合や、片手分のデザインが観念的に統一されるがそれぞれが異なるデザイン、例えば、「犬」として観念が統一されているが、指毎に異なる犬種を示すデザインであった場合や、「花」として観念が統一されているが、指毎に異なる花種を示すデザインであった場合などに有効である。

デザイン作成部１３７は、入力装置１３５への操作者の操作に基づき、デザイン表示部１３２により表示されたデザインの中から選択された選択デザインにさらにデザインを付け加える、または、一からネイルチップ用のデザインを作成する処理部であり、コンピュータに実行させることにより前記処理を実現することができるプログラムである。本実施の形態の場合、デザイン作成部１３７は、選択されたデザインＣが付された右手中指（図３中のハッチングで示す）の仮想チップ３００に月や星などの種々のデザインを付け加えることができる処理部である。また、デザインを作成する操作は任意であるが、例えば、操作者が、画面３０９の個別デザイン選択部Ｌに表示されている月や星、ａ−ｃのデザイン（または、アイテム）を画面３０９のデザイン編集部Ｍにネイルチップが拡大表示されたデザイン作成中の画像３０６までドラッグアンドドロップする操作を挙示することができる。また、操作者が、月や星などのデザインの向きや大きさを任意に変更できるものでもよい。

仮想チップ表示部１３６は、デザインが付された仮想チップである仮想チップを表示装置に表示させる処理部であり、コンピュータに実行させることにより前記処理を実現することができるプログラムである。仮想チップ表示部１３６は、爪形状情報取得部１５４と、デザイン取得部１４５と、マッチング部１１３と、光源情報取得部１４６と、視点情報取得部１４７と、画像表示部１４８とを備えている。さらに本実施の形態の場合、仮想チップ表示部１３６は、手情報取得部１４９と、小道具情報取得部１５３とを備えている。

爪形状情報取得部１５４は、爪の立体的な表面形状を示す爪形状情報を取得する処理部であり、コンピュータに実行させることにより前記処理を実現することができるプログラムである。爪形状情報取得部１５４は、例えば、形状測定装置１０２で得られた立体形状情報をネットワークＮを通じて取得、あるいは、使用者の立体的な爪に対応する表面形状の情報を画面３０９に表示された選択テーブル（図示せず）などから操作者が選択することにより取得、あるいは、使用者の爪に合う形状番号やバーコードなどの識別情報を操作者が入力してすることにより取得する。

デザイン取得部１４５は、ネイルチップの表面から突出する突出形状を含むデザインを示すデザイン情報を取得する処理部であり、コンピュータに実行させることにより前記処理を実現することができるプログラムである。デザイン取得部１４５は、デザイン表示部１３２により表示されたデザインの中の群デザイン選択部Ｊから選択された選択デザインや、デザイン作成部１３７により個別デザイン選択部Ｌより選択、編集により作成されたデザインをデザイン情報として取得する。

マッチング部１１３は、爪形状情報にデザイン情報をマッチングさせたマッチング情報を作成する処理部であり、コンピュータに実行させることにより前記処理を実現することができるプログラムである。マッチング部１１３は、爪形状情報取得部１５４が取得した爪形状情報にデザイン取得部１４５が取得したデザイン情報をマッチングさせてマッチング情報を作成する。

具体的にマッチング部１１３は、デザイン情報を使用者が希望する指（左右の手の親指、人差し指、中指、薬指、小指など）の爪に取り付けるネイルチップの形状にマッチングさせてマッチング情報を作成する。従って、一つのデザイン情報からネイルチップの曲率や大きさなどの立体形状にマッチングした複数の立体的なマッチング情報が作成される。

これにより、ネイルチップデザイン作成装置１０３などで作成された立体的なデザインが、実際に爪に取り付けられた際のネイルチップに現されたデザインとほぼ一致した状態で仮想チップ３００を表示することができる。

光源情報取得部１４６は、マッチング情報に基づく仮想チップを仮想的に照らす光源に関する情報である光源情報を取得する処理部であり、コンピュータに実行させることにより前記処理を実現することができるプログラムである。

具体的に光源情報とは、仮想的な光源の光軸の方向や強さ、光源が放射する光の色などが含まれる情報であり、光源情報取得部１４６は、例えば、操作者が入力装置１３５を用いて、任意に設定するパラメータを光源情報として取得する。

視点情報取得部１４７は、仮想チップを看取する方向を示す視点情報を取得する処理部であり、コンピュータに実行させることにより前記処理を実現することができるプログラムである。

具体的に視点情報とは、仮想チップを看取する人の目の位置などが含まれる情報であり、視点情報取得部１４７は、例えば、操作者が入力装置１３５を用いて、任意に設定するパラメータを視点情報として取得する。

手情報取得部１４９は、右手、および、左手の少なくとも一方の立体的な表面形状を示す手形状情報や手の肌の色を示す肌色情報を取得する処理部であり、コンピュータに実行させることにより前記処理を実現することができるプログラムである。

具体的に手形状情報とは、予め作成された情報や、爪形状情報から類推される大きさの手の形状情報などである。また、肌色情報は、操作者が入力装置１３５を用いて、任意に設定するパラメータを手情報取得部１４９が肌色情報として取得してもよい。

小道具情報取得部１５３は、背景として配置される小道具の立体的な表面形状を示す小道具情報を取得する処理部であり、コンピュータに実行させることにより前記処理を実現することができるプログラムである。

具体的に小道具情報とは、例えば、テーブルやグラス、ボトルなどの手の近くに配置されるような物品の表面形状や色、質感などを含む情報であり、例えば、入力装置１３５に表示される小道具（図示せず）から操作者が任意に選択し、選択された小道具から小道具情報取得部１５３は、小道具情報を取得する。

画像表示部１４８は、マッチング情報と光源情報と視点情報とに基づき仮想チップを表示装置に表示させる処理部であり、コンピュータに実行させることにより前記処理を実現することができるプログラムである。また、画像表示部１４８は、マッチング情報を手形状情報に適用させた仮想チップ、および、仮想的な手である仮想手を表示させてもよく、さらに、肌色情報や小道具情報に基づき仮想チップ、および、仮想的な手、および、仮想的な小道具である仮想小道具を表示装置に表示させる。

図４は、一の視点で仮想チップや仮想小道具が表示装置に表示された状態を示す図である。

図５は、他の視点で仮想チップや仮想小道具が表示装置に表示された状態を示す図である。

これらの図に示すように、本実施の形態の場合、画像表示部１４８は、マッチング情報と光源情報と視点情報と手形状情報と肌色情報と小道具情報とに基づき、仮想チップ３００が取り付けられた仮想手３０５を仮想小道具の一つである仮想テーブル３０１、仮想ボトル３０２、仮想グラス３０３と共にある視点から、かつ、波長や照度等の色や明るさなどが設定された光源で照らされた状態で表示させている。なお、同図中には示されていないが、仮想手３０５は、設定された肌色が光源によって照らされて見える状態で表示されており、それらが置かれる仮想テーブル３０１には、仮想手３０５や仮想ボトル３０２や仮想グラス３０３の影が表示可能となっている。

操作者は、画面３０９に表示されている矢印に対応する入力装置１３５の部分をドラッグすることにより、任意に視点を変更することができるものとなっている。

以上により、操作者は、選択し、または、作成したネイルチップのデザインが、使用者に使用された状態を、種々のシチュエーションで看取することができる。従って、デザインが施されたネイルチップが使用者に似合っているか否かをシチュエーション毎により直感的に把握することができ、ネイルチップの表面から突出する突出形状の見え方なども容易に把握することができる。

ネイルチップデザイン作成装置１０３が備えるデザイン情報出力部１３３は、仮想チップ表示部１３６により表示された仮想チップ３００に対応するデザイン情報を出力する処理部であり、コンピュータに実行させることにより前記処理を実現することができるプログラムである。

なお、デザイン情報出力部１３３がデザイン情報を出力する出力先は、インターネットやＬＡＮなどのネットワークＮに接続されるサーバやコンピュータなどでもよい。また、デザイン情報出力部１３３のデザイン情報の出力先はメモリカードなどの可搬型の記憶媒体などでもよい。より具体的には、使用者が保持する携帯電話やスマートフォンが備える記憶媒体にデザイン情報を出力するデザイン情報出力部１３３を例示することができる。

形状測定装置１０２は、使用者の爪の立体形状を測定し、立体形状情報を作成する装置であって、形状測定部１２１と、爪形状情報出力部１２３とを備えている。

形状測定部１２１は、ネイルチップを使用する使用者の爪の立体的な表面形状を測定して立体形状情報を作成する処理部である。

爪の立体的な表面形状を測定する装置としては、特に限定されるものでは無いが、細いプローブの先端を爪の表面に接触させ、プローブを移動させながらプローブの進退距離を測定して爪の立体的な表面形状を機械的に測定する機械式の装置や、レーザー光線等の出射光と反射光とを用いて距離を測定する装置を用いて爪に対してスキャンし、爪の立体的な表面形状を光学的に測定する光学式の装置、その他光切断法を用いた光学式の装置、簡易的に爪の立体的な要部の寸法を測定する測定治具などが例示できる。本実施の形態の場合、位相シフト法により爪の立体的な形状を測定する装置が形状測定装置１０２として採用されている。

図６は、位相シフト法により立体形状を測定する形状測定装置の要部を示す斜視図である。

位相シフト法とは次の様な測定方法である。正弦波など周期的に照度の異なる縞模様の輝度変化光を測定対象物である爪およびその周辺に対し照射手段１２４を用いて斜めから照射する。当該光は、同図中Ｘ軸方向には照度が揃い、Ｙ軸方向に照度が周期的に変化するものである。そして、縞模様の光が照射された爪などの像を正面（Ｚ軸方向）から撮像手段１２５を用いて撮像する。測定対象物に対する縞模様の位置をＹ軸方向に少しずつ（例えば１／４波長）相対的にずらして測定対象物の測定される部位である測定部位Ｐに対応する測定対象物の像を複数回（例えば４回）撮像する。得られた複数の像の情報から測定対象物上の同一の測定部位Ｐにおける輝度のデータを形状測定部１２１が抽出し、当該複数のデータに基づき正弦波を形成し、基準の正弦波と形成された正弦波との位相のずれ（位相差）から前記測定部位Ｐの高さを算出する。前記位相のずれの算出を爪全体にわたって走査して行うことで、使用者の爪の立体的な表面形状を示す立体形状情報が作成される。

本実施の形態の場合、形状測定装置１０２は１本の指の爪の立体形状情報を測定するものであるが、指を入れ替えることにより他の指の爪の立体形状を測定することも可能である。なお、形状測定装置１０２は、複数の指（例えば両手の全ての指）の爪を一度に測定するものでもかまわない。この場合、手の甲全体の画像から、画像処理等により爪の立体的な形状だけを抽出してもよい。

爪形状情報出力部１２３は、形状測定部１２１で測定された立体形状情報を出力する処理部である。本実施の形態の場合、爪形状情報出力部１２３は、爪情報を識別するための識別子の入力を受け付ける識別子作成手段（図示せず）を備えてもよく、また、乱数などを発生させて識別子を作成する識別子作成手段を備えてもよい。爪形状情報出力部１２３は、前記識別子作成手段により作成された識別子と爪情報とを紐付けて出力するものとなっている。

なお、爪形状情報出力部１２３が爪情報を出力する出力先はインターネットやＬＡＮなどのネットワークＮに接続されるサーバやコンピュータなどでもよい。また、爪形状情報出力部１２３の爪情報の出力先はメモリカードなどの可搬型の記憶媒体などでもよい。より具体的には、使用者が保持する携帯電話やスマートフォンが備える記憶媒体に爪情報を出力する爪形状情報出力部１２３を例示することができる。

図７は、ネイルチップ製造装置を模式的に示す斜視図である。

図８は、ネイルチップ製造装置のヘッドが備える装置を模式的に示す図である。

同図に示すようにネイルチップ製造装置１０１は、可撓性のある樹脂製のシート２０１上の所望の位置にインクなどの比較的低粘度の塗料、および、硬化性の樹脂などの比較的高粘度の高粘度樹脂を別々に、または、同時に吐出してシート２０１上に平面的なデザインや、ネイルチップ表面から突出した突出形状２２１を含むデザインを形成することができる装置である。また、ネイルチップ製造装置１０１は、シート２０１を切断、または、半切断することができる装置であり、ヘッド１１４と、シート２０１を支持するステージ１１５とを備えている。

ヘッド１１４は、ステージ１１５上に載置されたシート２０１に対し、平行に相対的に移動することができる装置であり、第一のディスペンサである高粘度ディスペンサ１４１と、第二のディスペンサである低粘度ディスペンサ１４２と、カッター１４３と、硬化手段１４４等の各工程ツールとを例えばＸ軸方向に列状（一列、あるいは多列状）に配置して備えている。なお、第一のディスペンサと第二のディスペンサの吐出する樹脂の粘度は互いに異なる粘度である。相対的に高粘度の樹脂を吐出してネイルチップ２０２表面に突出形状２２１を形成し、相対的に低粘度の樹脂を吐出して突出形状２２１の表面を塗装する。

これにより、ネイルチップ製造装置１０１のネイルチップ形成部１１１は、平坦で可撓性のある樹脂製のシート２０１に対して、マッチング情報を二次元に展開した情報に基づき互いに異なる粘度の樹脂を吐出させてデザインを形成させ、かつ、シートを切断、または、半切断するようにネイルチップ製造装置１０１を制御することによりネイルチップ２０２が製造される。

本実施の形態の場合、Ｘ軸方向に列状に各工程ツールを有したヘッド１１４は、装置基台１１６に支持されたヘッド移動装置１１７によって主走査方向（図７に示すＸ軸方向）に往復移動する。これにより、ヘッド１１４をヘッド移動装置１１７に対してコンパクトに構成できる。ステージ１１５は、樹脂製のシート２０１を平坦な状態で載置するとともに、静電気や真空吸着や端部の挟持によりシート２０１を保持するテーブルであり、装置基台１１６に支持されたステージ移動装置１１８によって副走査方向（図７に示すＹ軸方向）に往復移動するものとなっている。以上の動作によりヘッド１１４は、ＸＹ平面（シート２０１と平行な面）内を自在に移動することができるものとなっている。

なお、ステージ１１５が固定し、ヘッド１１４がＸＹ平面を移動するものでも良く、また、ヘッド１１４が固定で、ステージ１１５がＸＹ平面を移動するものでもよい。

また、ヘッド１１４に備えられた各工程ツールは、Ｙ軸方向に列状に配置してもよい。

高粘度ディスペンサ１４１は、比較的高粘度（例えば２０ｍＰａ・ｓ以上）の樹脂である高粘度樹脂をネイルチップ２０２の表面、すなわちシート２０１の表面に付着させてデザインに含まれる突出形状を形成する装置である。

高粘度ディスペンサ１４１とは、ノズルから所定量の高粘度樹脂を吐出することができる装置であり、例えば、シリンジに収容される高粘度樹脂をエアーの圧力でノズルから押し出すタイプの装置や、モノーポンプなどのようにシリンジ内の高粘度樹脂を機械的に押し出すタイプの装置などを挙示することができる。本実施の形態の場合、高粘度ディスペンサ１４１として高粘度樹脂に対応したジェットディスペンサが採用されている。なお、ジェットディスペンサとは、液体や高粘度樹脂を液滴として断続的に吐出することのできる装置であり、例えば少量の高粘度樹脂を貯留した貯留室の堆積を圧電素子などを用いて瞬間的に減少させ、発生した圧力によりノズルから少量の高粘度樹脂を液滴として吐出する装置である。

低粘度ディスペンサ１４２は、高粘度ディスペンサ１４１により形成された突出形状２２１の表面に高粘度樹脂に比べて比較的低粘度（例えば２０ｍＰａ・ｓ未満、好ましくは５〜１０ｍＰａ・ｓ以下）の塗料を付着させる装置である。

低粘度ディスペンサ１４２とは、ノズルから所定量の低粘度の塗料（インクなど）を吐出することができる装置であり、本実施の形態の場合、インクジェットなどと称される低粘度ディスペンサ１４２が採用されている。また、低粘度ディスペンサ１４２は、複数色の塗料を独立して吐出してカラー印刷ができるものとなっている。

カッター１４３は、展開情報またはマッチング情報に基づきシート２０１をネイルチップの形状に切断、または、半切断する装置である。ここで、半切断とは、図９に示すように、シート２０１を完全に切断するのではなく、シート２０１の厚み方向の一部に切れ込み２１１（溝）を形成することを言う。当該半切断を行うと、指などによって切れ込み２１１の部分に力を加えると、容易に切れ込み２１１の部分に沿ってシート２０１を破断してネイルチップを取り出すことができる。

なお、シート２０１に対し半切断を行った後、切れ込み２１１の部分に塗料２１２などの液体を低粘度ディスペンサ１４２が吐出することで、ネイルチップ２０２の端面にもデザインを施すことができ、製造されたネイルチップ２０２の商品価値を向上させることが可能となる。

硬化手段１４４は、高粘度ディスペンサ１４１によりネイルチップ２０２の表面、すなわち、シート２０１の表面に付着させた高粘度樹脂の硬化を促進させる装置である。例えば、高粘度樹脂が光硬化性樹脂である場合、硬化手段１４４は、当該高粘度樹脂に対応した光（紫外光など）を照射することができる装置である。また、高粘度樹脂が熱硬化性樹脂である場合、硬化手段１４４は、当該高粘度樹脂に熱を供給することができるヒーターである。

ネイルチップ製造装置１０１は、上記構成によって、ヘッド１１４とステージ１１５上のシート２０１とを相対移動させながら、ヘッド１１４に備えられた高粘度ディスペンサ１４１、および、低粘度ディスペンサ１４２からシート２０１に向かって塗料（インク）や高粘度樹脂などを吐出し、シート２０１上にマッチング情報に基づいた突出形状２２１を含むデザインを形成することができる。また、ヘッド１１４に備えられたカッター１４３によってマッチング情報を二次元に展開した展開情報に基づいた切断、または、半切断を行うことができる。

図１０は、ネイルチップ製造装置で製造されたネイルチップを示す図である。

同図に示すように、ネイルチップ２０２は、平坦なシート２０１にデザインが付され、かつ、切断、または、半切断の状態でネイルチップ製造装置１０１により製造される。

ここで、シート２０１は、ネイルチップ２０２として切り出された後、爪に貼り付ける際に爪の湾曲に柔軟に沿う可撓性（柔軟性）を有し、貼り付けた状態で湾曲が維持されると共に、爪に負担がかからない程度の復元力以下の復元力を有する。

具体的にシート２０１は、ポリプロピレンやポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートなどの一般的な樹脂からなり、シート２０１の厚みは、１ｍｍ以下、好ましくは５００μｍ以下、さらに好ましくは３００μｍ以下程度が好ましい。

以上のネイルチップデザイン作成装置１０３によれば、ネイルチップ２０２に付すためのデザインを仮想チップ３００として表示し、実際にネイルチップ２０２を使用している状態に近い状態で操作者に提示することができる。従って、操作者が選択したデザインが好みに適しているかどうかを直感的に把握しやすくなり、デザインの選択操作に対する興趣製を向上させることが可能となる。さらに、操作者側から見て主観的状態と客観的状態とを切り替えるなど多視点で仮想チップ３００を提示することができ、また、照明の状態や周囲に配置される小道具などを選択して提示することができるため、前記効果をさらに高めることが可能となる。

また、以上のネイルチップ製造システム１００は、ネイルチップデザイン作成装置１０３の種々の形態として、たとえば双方向テレビ、パーソナルコンピュータや、スマートフォンやタブレット型のコンピュータなどをネイルチップデザイン作成装置や入出力装置として用いて、外出先や家庭内等のパーソナルな空間でネイルチップ２０２のデザインを選択し、任意のデザインのネイルチップ２０２を宅配便などで入手するビジネスモデルに適用することができる。また、ネイルチップ製造装置１０１を備えたアミューズメント施設に、ネイルチップデザイン作成装置１０３を持ち込み、任意のデザインのネイルチップ２０２を直接入手するビジネスモデルに適用することもできる。

さらに、インターネット上で、ネイルチップのデザインを共有したり、著名人が選択したデザインを入手することもできる。

なお、本願発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、本明細書において記載した構成要素を任意に組み合わせて、また、構成要素のいくつかを除外して実現される別の実施の形態を本願発明の実施の形態としてもよい。また、上記実施の形態に対して本願発明の主旨、すなわち、請求の範囲に記載される文言が示す意味を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例も本願発明に含まれる。

例えば、上記実施の形態では、ネイルチップデザイン作成装置１０３は、タブレット型の端末として説明したが、図１１に示すように、店舗設置型のネイルチップデザイン作成装置１０３であってもかまわない。

また、片手だけを表示する場合を例示したが、両方の手を表示してもよい。また、手首より先だけでなく、腕や体全体も表示して良い。

本願発明は、アミューズメント施設などに設置されるネイルチップ製造システムに利用可能であり、また、作成したデザインをインターネット等で送信し、当該デザインに基づき製造されたネイルチップを使用者に送付するサービスなどにも利用可能である。

１００ ネイルチップ製造システム
１０１ ネイルチップ製造装置
１０２ 形状測定装置
１０３ ネイルチップデザイン作成装置
１１１ ネイルチップ形成部
１１３ マッチング部
１１４ ヘッド
１１５ ステージ
１１６ 装置基台
１１７ ヘッド移動装置
１１８ ステージ移動装置
１２１ 形状測定部
１２３ 爪形状情報出力部
１２４ 照射手段
１２５ 撮像手段
１３２ デザイン表示部
１３３ デザイン情報出力部
１３４ 表示装置
１３５ 入力装置
１３６ 仮想チップ表示部
１３７ デザイン作成部
１４１ 高粘度ディスペンサ
１４２ 低粘度ディスペンサ
１４３ カッター
１４４ 硬化手段
１４５ デザイン取得部
１４６ 光源情報取得部
１４７ 視点情報取得部
１４８ 画像表示部
１４９ 手情報取得部
１５３ 小道具情報取得部
１５４ 爪形状情報取得部
２０１ シート
２０２ ネイルチップ
２１２ 塗料
２２１ 突出形状
３００ 仮想チップ
３０１ 仮想テーブル
３０２ 仮想ボトル
３０３ 仮想グラス
３０５ 仮想手
３０９ 画面

Claims (5)

1. デザインが付された仮想的なネイルチップである仮想チップを表示装置に表示させる仮想チップ表示プログラムであって、
   爪の立体的な表面形状を示す爪形状情報を取得する爪形状情報取得部と、
   ネイルチップの表面から突出する突出形状を含むデザインを示すデザイン情報を取得するデザイン取得部と、
   前記爪形状情報に前記デザイン情報をマッチングさせたマッチング情報を作成するマッチング部と、
   前記マッチング情報に基づく仮想チップを仮想的に照らす光源に関する情報である光源情報を取得する光源情報取得部と、
   仮想チップを看取する方向を示す視点情報を取得する視点情報取得部と、
   前記マッチング情報と前記光源情報と前記視点情報とに基づき仮想チップを表示装置に表示させる画像表示部と
   をコンピュータにより機能させるための仮想チップ表示プログラム。
2. さらに、
   右手、および、左手の少なくとも一方の立体的な表面形状を示す手形状情報を取得する手情報取得部を備え、
   前記画像表示部は、前記マッチング情報を前記手形状情報に適用させた仮想チップ、および、仮想的な手である仮想手を表示装置に表示させる
   請求項１に記載の仮想チップ表示プログラム。
3. 前記手情報取得部は、手の肌の色を示す肌色情報を取得し、
   前記画像表示部は、前記肌色情報を前記手形状情報に適用させた仮想チップ、および、仮想手を表示装置に表示させる
   請求項２に記載の仮想チップ表示プログラム。
4. さらに、
   背景として配置される小道具の立体的な表面形状を示す小道具情報を取得する小道具情報取得部を備え、
   前記画像表示部は、前記小道具情報に基づき仮想チップ、および、仮想的な手、および、仮想的な小道具である仮想小道具を表示装置に表示させる
   請求項３に記載の仮想チップ表示プログラム。
5. デザインが付された仮想的なネイルチップである仮想チップを表示装置に表示させる仮想チップ表示装置であって、
   爪の立体的な表面形状を示す爪形状情報を取得する爪形状情報取得部と、
   ネイルチップの表面から突出する突出形状を含むデザインを示すデザイン情報を取得するデザイン取得部と、
   前記爪形状情報に前記デザイン情報をマッチングさせたマッチング情報を作成するマッチング部と、
   前記マッチング情報に基づく仮想チップを仮想的に照らす光源に関する情報である光源情報を取得する光源情報取得部と、
   仮想チップを看取する方向を示す視点情報を取得する視点情報取得部と、
   前記マッチング情報と前記光源情報と前記視点情報とに基づき仮想チップを表示装置に表示させる画像表示部と
   を備える仮想チップ表示装置。

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