JP2014006412A - 表示素子、及びこれを用いた電気機器 - Google Patents

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Tomoko Teranishi
知子 寺西
Takuma Tomori
拓馬 友利
Toshiki Matsuoka
俊樹 松岡
Takashi Ueki
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Abstract

【課題】極性液体に異常が生じるのを防ぐことができる表示性能に優れた表示素子、及びこれを用いた電気機器を提供する。
【解決手段】上部基板(第1の基板)2と、下部基板(第2の基板)3と、上部基板2及び下部基板3の間に形成された表示用空間の内部で有効表示領域側または非有効表示領域側に移動可能に封入された極性液体16とを具備した表示素子において、複数の画素領域の外側で、かつ、上部基板2と下部基板3の外周部に枠状に設けられるとともに、上部基板2及び下部基板3の間を封止するシール剤Fを備える。また、複数の画素領域とシール剤Fとの間に設けられて、シール剤Fの成分fが複数の画素領域側に拡散するのを阻止する拡散阻止部30を設ける。
【選択図】図8

Description

本発明は、極性液体を移動させることにより、画像や文字などの情報を表示する表示素子、及びこれを用いた電気機器に関する。
近年、表示素子では、エレクトロウェッティング方式の表示素子に代表されるように、外部電界による極性液体の移動現象を利用して、情報の表示を行うものが開発され、実用化されている。
具体的にいえば、上記のような従来の表示素子では、例えば下記特許文献1に記載されているように、第1及び第2の基板の間に表示用空間を形成するとともに、リブ(仕切壁)によって当該表示用空間の内部を複数の各画素領域に応じて区切っていた。また、この従来の表示素子では、上記の各画素領域において、導電性液体(極性液体)が封入されるとともに、信号電極と、互いに平行に設けられた走査電極及び基準電極(参照電極)とが交差するように設けられていた。そして、この従来の表示素子では、各画素領域において、信号電極、走査電極、及び基準電極に対し電圧印加を適宜行うことにより、導電性液体を走査電極側または基準電極側に移動させて、表示面側の表示色を変更するようになっていた。
国際公開第2008/155925号パンフレット
しかしながら、上記のような従来の表示素子では、導電性液体(極性液体)に異常が生じるおそれがあり、さらにはこの導電性液体の異常によって表示性能の低下を発生するおそれがあった。
具体的にいえば、従来の表示素子では、第1及び第2の基板の外周部において、シール剤(封止剤)が枠状に設けられており、当該シール剤によって第1及び第2の基板の間を封止していた。また、従来の表示素子では、画素領域の内部での導電性液体の移動速度を向上させるために、画素領域はリブによって完全に密閉されておらず、例えば矩形状に構成された画素領域の四隅部に、隣接する画素領域の内部どうしが連通する隙間が設けられていた。
さらに、従来の表示素子では、導電性液体の移動速度を向上させるために、導電性液体とは混じり合わないオイル(絶縁性流体)を画素領域の内部に移動可能に封入していた。このため、従来の表示素子では、シール剤とオイルとが互いに接触することによって、シール剤の成分の一部がオイル中に溶出することがあった。これにより、従来の表示素子では、オイル中に溶出したシール剤の成分が導電性液体に含まれた顔料と化学反応を生じて、当該顔料を凝集させることがあった。この結果、従来の表示素子では、導電性液体に異常が生じるおそれがあった。また、この従来の表示素子では、凝集した顔料が導電性液体と第1及び第2の各基板との界面に固着して、導電性液体の駆動性能の著しい低下を招いたり、導電性液体が移動しなかったりして、表示性能の低下を発生するおそれがあった。
詳細にいえば、図22に示すように、従来の表示素子は、第1の基板52と、第2の基板53を備えており、この従来の表示素子では、シール剤Fによって第1及び第2の基板52、53の間が封止されていた。また、この従来の表示素子では、第1及び第2の基板52、53の間に設けられた複数の各画素領域に応じて、リブ55が形成されており、各画素領域内には、導電性液体57が充填されていた。さらに、この導電性液体57と混じり合わないオイル58が、第1及び第2の基板52、53の間に封入されていた。また、この従来の表示素子では、導電性液体57の移動特性を向上させるために、第1及び第2の基板52及び53の互いに対向する表面上に、撥水膜54及び56がそれぞれ形成されていた。
以上のような従来の表示素子では、オイル58がシール剤Fと接触して、シール剤Fの一部の成分fがオイル58中に溶出することがあった。そして、この従来の表示素子では、溶出したシール剤Fの成分fが導電性液体57’に含まれた顔料と化学反応を起こし、当該導電性液体57’を変質させた。すなわち、従来の表示素子では、導電性液体57’に含まれた顔料を凝集させることがあった。この結果、この従来の表示素子では、導電性液体57’に異常が生じるおそれがあったり、この導電性液体57’の異常によって、表示性能の低下を発生するおそれがあったりした。
上記の課題を鑑み、本発明は、極性液体に異常が生じるのを防ぐことができる表示性能に優れた表示素子、及びこれを用いた電気機器を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明にかかる表示素子は、表示面側に設けられた第1の基板と、所定の表示用空間が前記第1の基板との間に形成されるように、当該第1の基板の非表示面側に設けられた第2の基板と、前記表示用空間に対して設定された有効表示領域及び非有効表示領域と、前記表示用空間の内部で前記有効表示領域側または前記非有効表示領域側に移動可能に封入された極性液体とを具備し、前記極性液体を移動させることにより、前記表示面側の表示色を変更可能に構成された表示素子であって、
前記極性液体と接触するように、前記表示用空間の内部に設置されるとともに、所定の配列方向に沿って設けられた複数の信号電極、
前記有効表示領域側及び前記非有効表示領域側の一方側に設置されるように、前記極性液体に対して電気的に絶縁された状態で、前記第1及び第2の基板の一方側に設けられるとともに、前記複数の信号電極と交差するように設けられた複数の走査電極、及び
前記複数の信号電極と前記複数の走査電極との交差部単位に設けられた複数の画素領域を備え、
前記複数の画素領域の外側で、かつ、前記第1及び第2の基板の外周部に枠状に設けられるとともに、前記第1及び第2の基板の間を封止するシール剤と、
前記複数の画素領域と前記シール剤との間に設けられて、前記シール剤の成分が前記複数の画素領域側に拡散するのを阻止する拡散阻止部を備えていることを特徴とするものである。
上記のように構成された表示素子では、拡散阻止部が複数の画素領域とシール剤との間に設けられて、シール剤の成分が複数の画素領域側に拡散するのを阻止する。これにより、上記従来例と異なり、極性液体に異常が生じるのを防ぐことができる表示性能に優れた表示素子を構成することができる。
また、上記表示素子において、前記拡散阻止部では、その表面張力が前記複数の画素領域での表面張力よりも高い値に設定されていることが好ましい。
この場合、複数の画素領域での表面張力よりも高い値に設定された表面張力を有する拡散阻止部によってシール剤の成分を吸着することができ、当該シール剤の成分が複数の画素領域側に拡散するのを阻止することができる。
また、上記表示素子において、前記複数の画素領域では、撥水膜が前記第1及び第2の基板の前記表示用空間側の各表面上に設けられ、
前記拡散阻止部では、撥水膜が前記第1及び第2の基板の前記表示用空間側の各表面上に設けられていなくてもよい。
この場合、拡散阻止部での第1及び第2の基板の前記表示用空間側の各表面の表面張力を、複数の画素領域での表面張力よりも高い値にすることができ、シール剤の成分が複数の画素領域側に拡散するのを阻止することができる。
また、上記表示素子において、前記第1及び第2の基板の前記表示用空間側の各表面上には、撥水膜が設けられるとともに、
前記拡散阻止部として、前記撥水膜上に設けられるとともに、当該撥水膜の表面張力よりも高い表面張力を有する極性材料が用いられてもよい。
この場合、上記極性材料によってシール剤の成分を吸着することができ、当該シール剤の成分が複数の画素領域側に拡散するのを阻止することができる。
また、上記表示素子において、前記第1及び第2の基板の前記表示用空間側の各表面上には、撥水膜が設けられるとともに、
前記拡散阻止部として、前記撥水膜に対して、親水化処理を施した親水化部が用いられてもよい。
この場合、上記親水化部での表面張力を、複数の画素領域での表面張力よりも高い値にすることができ、シール剤の成分が複数の画素領域側に拡散するのを阻止することができる。
また、上記表示素子において、前記拡散阻止部として、前記第1及び第2の基板の少なくとも一方側に設けられるとともに、前記第1及び第2の基板の一方側及び他方側の一方から他方に向かって突出した突起部材が用いられていることが好ましい。
この場合、上記突起部材によってシール剤の成分が複数の画素領域側に拡散するのを阻止することができる。
また、上記表示素子において、前記突起部材は、前記シール剤と密着していることが好ましい。
この場合、突起部材がシール剤と密着しているので、当該シール剤の成分が溶出するのを抑えることができ、シール剤の成分が複数の画素領域側に拡散するのを容易に阻止することができる。
また、上記表示素子において、前記複数の信号電極に接続されるとともに、前記複数の各信号電極に対して、前記表示面側に表示される情報に応じた所定の電圧範囲内の信号電圧を印加する信号電圧印加部と、
前記複数の走査電極に接続されるとともに、前記複数の各走査電極に対して、前記極性液体が前記信号電圧に応じて、前記表示用空間の内部を移動するのを許容する選択電圧と、前記極性液体が前記表示用空間の内部を移動するのを阻止する非選択電圧との一方の電圧を印加する走査電圧印加部を備えていることが好ましい。
この場合、複数の各画素領域での階調表示を容易に行うことができる。
また、上記表示素子において、前記有効表示領域側及び前記非有効表示領域側の他方側に設置されるように、前記極性液体及び前記走査電極に対して電気的に絶縁された状態で、前記第1及び第2の基板の一方側に設けられるとともに、前記複数の信号電極と交差するように設けられた複数の参照電極と、
前記複数の参照電極に接続されるとともに、前記複数の各参照電極に対して、前記極性液体が前記信号電圧に応じて、前記表示用空間の内部を移動するのを許容する選択電圧と、前記極性液体が前記表示用空間の内部を移動するのを阻止する非選択電圧との一方の電圧を印加する参照電圧印加部とが設けられていることが好ましい。
この場合、スイッチング素子を画素領域毎に設けることなく、階調表示を行うときでも、表示品位が低下するのを防ぐことができるマトリクス駆動方式の表示素子を構成することができる。
また、上記表示素子において、前記参照電極及び前記走査電極の表面上には、誘電体層が積層されていることが好ましい。
この場合、誘電体層が極性液体に印加する電界を確実に大きくして、当該極性液体の移動速度をより容易に向上することができる。
また、上記表示素子において、前記複数の各画素領域に応じて、前記表示用空間の内部を区切るように、設けられたリブが設けられていることが好ましい。
この場合、リブにより、複数の各画素領域に応じて、表示用空間の内部を区切ることができ、複数の各画素領域の極性液体が隣接する画素領域の内部に移動するのを容易に防ぐことができる。
また、上記表示素子において、前記複数の画素領域が、前記表示面側でフルカラー表示が可能な複数の色に応じてそれぞれ設けられていることが好ましい。
この場合、複数の各画素において対応する極性液体が適切に移動されることにより、カラー画像表示を行うことができる。
また、上記表示素子において、前記表示用空間の内部には、前記極性液体と混じり合わない絶縁性流体が当該表示用空間の内部を移動可能に封入されていることが好ましい。
この場合、極性液体の移動速度の高速化を容易に図ることができる。
また、上記表示素子において、前記非有効表示領域は、前記第1及び第2の基板の一方側に設けられた遮光膜によって設定され、
前記有効表示領域は、前記遮光膜に形成された開口部によって設定されていることが好ましい。
この場合、表示用空間に対し、有効表示領域及び非有効表示領域を適切に、かつ、確実に設定することができる。
また、本発明の電気機器は、文字及び画像を含んだ情報を表示する表示部を備えた電気機器であって、
前記表示部に、上記いずれかの表示素子を用いたことを特徴とするものである。
上記のように構成された電気機器では、極性液体に異常が生じるのを防ぐことができる表示性能に優れた表示素子が表示部に用いられているので、優れた表示品位を有する表示部を備えた高性能な電気機器を容易に構成することができる。
本発明によれば、極性液体に異常が生じるのを防ぐことができる表示性能に優れた表示素子、及びこれを用いた電気機器を提供することが可能となる。
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる表示素子、及び画像表示装置を説明する平面図である。 図2は、図1に示した表示素子における、有効表示領域、拡散阻止部の領域、及びシール剤による封止領域を説明する図である。 図3は、表示面側から見た場合での図1に示した上部基板側の要部構成を示す拡大平面図である。 図4は、非表示面側から見た場合での図1に示した下部基板側の要部構成を示す拡大平面図である。 図5(a)及び図5(b)は、それぞれ非CF着色表示時及びCF着色表示時における、図1に示した表示素子の要部構成を示す断面図である。 図6は、図1に示した表示素子の要部の製造工程を説明する図であり、図6(a)〜図6(c)は、一連の主な製造工程を説明している。 図7は、図1に示した表示素子の要部の製造工程を説明する図であり、図7(a)〜図7(c)は、図6(c)に示した工程の終了後に行われる、一連の主な製造工程を説明している。 図8は、図2に示した拡散阻止部の作用効果を説明する図である。 図9は、上記画像表示装置の動作例を説明する図である。 図10は、本発明の第2の実施形態にかかる表示素子における、有効表示領域、拡散阻止部の領域、及びシール剤による封止領域を説明する図である。 図11は、図10に示した表示素子の要部の製造工程を説明する図であり、図11(a)〜図11(c)は、一連の主な製造工程を説明している。 図12は、本発明の第3の実施形態にかかる表示素子における、有効表示領域、拡散阻止部の領域、及びシール剤による封止領域を説明する図である。 図13は、本発明の第4の実施形態にかかる表示素子における、有効表示領域、拡散阻止部の領域、及びシール剤による封止領域を説明する図である。 図14は、図13に示した表示素子の要部の製造工程を説明する図であり、図14(a)〜図14(c)は、一連の主な製造工程を説明している。 図15は、本発明の第5の実施形態にかかる表示素子における、有効表示領域、拡散阻止部の領域、及びシール剤による封止領域を説明する図である。 図16は、図15に示した表示素子の要部の製造工程を説明する図であり、図16(a)〜図16(c)は、一連の主な製造工程を説明している。 図17は、図15に示した拡散阻止部の作用効果を説明する図である。 図18は、本発明の第6の実施形態にかかる表示素子における、有効表示領域、拡散阻止部の領域、及びシール剤による封止領域を説明する図である。 図19は、図18に示した表示素子の要部を説明する断面図である。 図20は、本発明の第7の実施形態にかかる表示素子における、有効表示領域、拡散阻止部の領域、及びシール剤による封止領域を説明する図である。 図21は、図20に示した表示素子の要部の製造工程を説明する図であり、図21(a)〜図21(c)は、一連の主な製造工程を説明している。 図22は、従来の表示素子での問題点を説明する図である。
以下、本発明の表示素子及び電気機器の好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。尚、以下の説明では、カラー画像表示を表示可能な表示部を備えた画像表示装置に本発明を適用した場合を例示して説明する。また、各図中の構成部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び各構成部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる表示素子、及び画像表示装置を説明する平面図である。図1において、本実施形態の画像表示装置1では、本発明の表示素子10を用いた表示部が設けられており、この表示部には矩形状の表示面が構成されている。すなわち、表示素子10は、図1の紙面に垂直な方向で互いに重ね合うように配置された上部基板2及び下部基板3を備えており、これらの上部基板2と下部基板3との重なり部分によって上記表示面の有効表示領域が形成されている(詳細は後述。)。
また、表示素子10では、複数の信号電極4が互いに所定の間隔をおいて、かつ、X方向に沿ってストライプ状に設けられている。また、表示素子10では、複数の参照電極5及び複数の走査電極6が、互いに交互に、かつ、Y方向に沿ってストライプ状に設けられている。これら複数の信号電極4と、複数の参照電極5及び複数の走査電極6とは、互いに交差するように設けられており、表示素子10では、信号電極4と走査電極6との交差部単位に、複数の各画素領域が設定されている。
また、これら複数の信号電極4、複数の参照電極5、及び複数の走査電極6は、互いに独立して、第1の電圧としてのHigh電圧(以下、“H電圧”という。)と、第2の電圧としてのLow電圧(以下、“L電圧”という。)との間の所定の電圧範囲内の電圧が印加可能に構成されている(詳細は後述。)。
さらに、表示素子10では、後に詳述するように、上記複数の各画素領域が仕切壁にて区切られるとともに、複数の画素領域が、上記表示面側でフルカラー表示が可能な複数の色に応じてそれぞれ設けられている。そして、表示素子10では、マトリクス状に設けられた複数の画素(表示セル)毎に、エレクトロウェッティング現象にて後述の極性液体を移動させ、表示面側での表示色を変更するようになっている。
また、複数の信号電極4、複数の参照電極5、及び複数の走査電極6では、各々一端部側が表示面の有効表示領域の外側に引き出されて、端子部4a、5a、及び6aが形成されている。
複数の信号電極4の各端子部4aには、配線7aを介して信号ドライバ7が接続されている。信号ドライバ7は、信号電圧印加部を構成するものであり、画像表示装置1が文字及び画像を含んだ情報を表示面に表示する場合に、複数の各信号電極4に対して、情報に応じた信号電圧Vdを印加するように構成されている。
また、複数の参照電極5の各端子部5aには、配線8aを介して参照ドライバ8が接続されている。参照ドライバ8は、参照電圧印加部を構成するものであり、画像表示装置1が文字及び画像を含んだ情報を表示面に表示する場合に、複数の各参照電極5に対して、参照電圧Vrを印加するように構成されている。
また、複数の走査電極6の各端子部6aには、配線9aを介して走査ドライバ9が接続されている。走査ドライバ9は、走査電圧印加部を構成するものであり、画像表示装置1が文字及び画像を含んだ情報を表示面に表示する場合に、複数の各走査電極6に対して、走査電圧Vsを印加するように構成されている。
また、走査ドライバ9では、複数の各走査電極6に対して、上記極性液体が移動するのを阻止する非選択電圧と、極性液体が信号電圧Vdに応じて移動するのを許容する選択電圧との一方の電圧を走査電圧Vsとして印加するようになっている。また、参照ドライバ8は、走査ドライバ9の動作を参照して動作するように構成されており、参照ドライバ8は、複数の各参照電極5に対して、上記極性液体が移動するのを阻止する非選択電圧と、極性液体が信号電圧Vdに応じて移動するのを許容する選択電圧との一方の電圧を参照電圧Vrとして印加するようになっている。
そして、画像表示装置1では、走査ドライバ9が例えば図1の左側から右側の各走査電極6に対し、選択電圧を順次印加し、かつ、参照ドライバ8が走査ドライバ9の動作に同期して図1の左側から右側の各参照電極5に対し、選択電圧を順次印加することにより、ライン毎の走査動作が行われるように構成されている(詳細は後述。)。
また、信号ドライバ7、参照ドライバ8、及び走査ドライバ9には、直流電源または交流電源が含まれており、対応する信号電圧Vd、参照電圧Vr、及び走査電圧Vsを供給するようになっている。
また、参照ドライバ8は、参照電圧Vrの極性を所定の時間(例えば、1フレーム)毎に切り替えるように構成されている。さらに、走査ドライバ9は、参照電圧Vrの極性の切り替えに対応して、走査電圧Vsの各極性を切り替えるように構成されている。このように、参照電圧Vr及び走査電圧Vsの各極性が所定の時間毎に切り替えられるので、参照電極5及び走査電極6に対して常時同じ極性の電圧を印加するときに比べて、これらの参照電極5及び走査電極6での電荷の局在化を防ぐことができる。さらに、電荷の局在化に起因する表示不良(残像現象)や信頼性(寿命低下)の悪影響を防止することができる。
次に、図2を参照して、本実施形態の表示素子10の要部構成について具体的に説明する。
図2は、図1に示した表示素子における、有効表示領域、拡散阻止部の領域、及びシール剤による封止領域を説明する図である。
図2に示すように、本実施形態の表示素子10では、有効表示領域Aが中央部に設けられている。この有効表示領域Aでは、上記複数の画素領域が設置されており、情報を実質的に表示する。また、有効表示領域Aの周囲には、拡散阻止部30の領域B(図2にハッチングにて図示)、及びシール剤Fによる封止領域C(図2にクロスハッチングにて図示)が当該有効表示領域Aを囲むように順次設定されている。つまり、領域B、及び封止領域Cは、各々枠状に構成されており、封止領域Cは、上記上部基板(第1の基板)2と下部基板(第2の基板)3との重なり部分の最外周部に設定されている。
また、封止領域Cでは、複数の画素領域の外側で、かつ、上部基板2と下部基板3の外周部に枠状に設けられるとともに、これら上部基板2及び下部基板3の間を封止するシール剤Fが設けられている(詳細は後述。)。
また、領域Bでは、後に詳述するように、拡散阻止部30が複数の画素領域とシール剤Fとの間に設けられており、シール剤Fの成分が複数の画素領域(有効表示領域A)側に拡散するのを阻止するようになっている。
ここで、図3〜図5も参照して、表示素子10の画素構造について具体的に説明する。
図3は、表示面側から見た場合での図1に示した上部基板側の要部構成を示す拡大平面図である。図4は、非表示面側から見た場合での図1に示した下部基板側の要部構成を示す拡大平面図である。図5(a)及び図5(b)は、それぞれ非CF着色表示時及びCF着色表示時における、図1に示した表示素子の要部構成を示す断面図である。なお、図3及び図4では、図面の簡略化のために、上記表示面に設けられた複数の画素のうち、図1の左上端部に配設された12個の画素を図示している。
図3〜図5において、表示素子10は、表示面側に設けられた第1の基板としての上記上部基板2と、上部基板2の背面側(非表示面側)に設けられた第2の基板としての上記下部基板3とを備えている。また、表示素子10では、上部基板2と下部基板3が互いに所定の間隔をおいて配置されることにより、これら上部基板2及び下部基板3の間に所定の表示用空間Sが形成されている。また、この表示用空間Sの内部には、上記極性液体16及びこの極性液体16と混じり合わない絶縁性流体としてのオイル17が当該表示用空間Sの内部で上記X方向(図5の左右方向)に移動可能に封入されており、極性液体16は後述の有効表示領域P1側または非有効表示領域P2側に移動できるようになっている。
極性液体16には、例えば溶媒としての水と、溶質としての所定の電解質を含んだ水溶液が用いられている。具体的には、例えば1mmol/Lの塩化カリウム(KCl)の水溶液が極性液体16に用いられている。また、極性液体16には、所定色、例えば自己分散型顔料によって黒色に着色されたものが使用されている。
また、極性液体16は黒色に着色されているので、当該極性液体16は、各画素において、光の透過を許容または阻止するシャッターとして機能するようになっている。つまり、表示素子10の各画素では、後に詳述するように、極性液体16が表示用空間Sの内部を参照電極5側(有効表示領域P1側)または走査電極6側(非有効表示領域P2側)にスライド移動することによって表示色が黒色またはRGBのいずれかの色に変更されるよう構成されている。
また、オイル17には、例えば側鎖高級アルコール、側鎖高級脂肪酸、アルカン炭化水素、シリコーンオイル、マッチングオイルから選択された1種または複数種からなる無極性で、かつ、無色透明なオイルが用いられている。また、このオイル17は、極性液体16のスライド移動に伴って、表示用空間Sの内部を移動するようになっている。
上部基板2には、無アルカリガラス基板などの透明なガラス材またはアクリル系樹脂などの透明な合成樹脂等の透明な透明シート材が用いられている。また、上部基板2の非表示面側の表面には、カラーフィルタ層11及び信号電極4が順次形成されており、さらにはカラーフィルタ層11及び信号電極4を覆うように撥水膜12が設けられている。
また、下部基板3には、上部基板2と同様に、無アルカリガラス基板などの透明なガラス材またはアクリル系樹脂などの透明な合成樹脂等の透明な透明シート材が用いられている。また、下部基板3の表示面側の表面には、上記参照電極5及び上記走査電極6が設けられており、さらに、これらの参照電極5及び走査電極6を覆うように、誘電体層13が形成されている。また、この誘電体層13の表示面側の表面には、Y方向及びX方向にそれぞれ平行となるように設けられた第1のリブ部材14a及び第2のリブ部材14bを有するリブ14が設けられている。さらに、下部基板3では、誘電体層13及びリブ14を覆うように、撥水膜15が設けられている。
また、下部基板3の背面側(非表示面側)には、例えば白色の照明光を発光するバックライト18が一体的に組み付けられており、透過型の表示素子10が構成されている。尚、バックライト18には、冷陰極蛍光管やLEDなどの光源が用いられている。
カラーフィルタ(Color Filter)層11には、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)のカラーフィルタ部11r、11g、及び11bと、遮光膜としてのブラックマトリクス部11sとが設けられており、RGBの各色の画素を構成するようになっている。つまり、カラーフィルタ層11では、図2に例示するように、RGBのカラーフィルタ部11r、11g、11bがX方向に沿って順次設けられるとともに、各々4つのカラーフィルタ部11r、11g、11bがY方向に沿って設けられており、X方向及びY方向にそれぞれ3個及び4個、合計12個の画素が配設されている。
また、表示素子10では、図3に例示するように、各画素領域Pにおいて、画素の有効表示領域P1に対応する箇所にRGBのいずれかのカラーフィルタ部11r、11g、及び11bが設けられ、非有効表示領域P2に対応する箇所にブラックマトリクス部11sが設けられている。つまり、表示素子10では、上記表示用空間Sに対し、ブラックマトリクス部(遮光膜)11sによって非有効表示領域P2(非開口部)が設定され、そのブラックマトリクス部11sに形成された開口部(つまり、いずれかのカラーフィルタ部11r、11g、及び11b)によって有効表示領域P1が設定されている。
また、表示素子10では、カラーフィルタ部11r、11g、11bの各面積は、有効表示領域P1の面積に対し、同一または若干小さい値が選択されている。一方、ブラックマトリクス部11sの面積は、非有効表示領域P2の面積に対し、同一または若干大きい値が選択されている。尚、図2では、隣接する画素の境界部を明確にするために、隣接する画素に応じた2つのブラックマトリクス部11s間の境界線を点線にて示しているが、実際のカラーフィルタ層11では、ブラックマトリクス部11s間の境界線は存在しない。
さらに、表示素子10では、図3及び図4に示すように、複数の画素領域Pが設けられた有効表示領域Aの外側に、領域B及び封止領域Cが順次設けられている。この封止領域Cでは、上述したように、シール剤Fが設けられており、表示素子10の内部(有効表示領域A及び領域B)側の空間を封止するようになっている。
また、領域Bには、上述したように、拡散阻止部30が設けられている。具体的にいえば、複数の画素領域P(有効表示領域A)では、撥水膜12及び15が上部基板2の表示用空間S側の表面上及び下部基板3の表示用空間S側の表面上にそれぞれ設けられている。一方、領域Bでは、撥水膜12及び15が上部基板2の表示用空間S側の表面上及び下部基板3の表示用空間S側の表面上にそれぞれ設けられておらず、本実施形態の表示素子10では、拡散阻止部30として、上部基板2の表示用空間S側の表面、下部基板3の表示用空間S側の表面、及びこれらの表面上に設置された信号電極4、参照電極5、及び走査電極6が用いられている。つまり、本実施形態の表示素子10では、拡散阻止部30の表面張力が複数の画素領域Pでの表面張力よりも高い値に設定されている。
具体的には、複数の画素領域Pでの表面張力、つまり撥水膜12、15の表面張力は、5〜30(mN/m)程度であるのに対して、拡散阻止部30に配置される上部基板2、下部基板3、信号電極4、参照電極5、及び走査電極6は無機材料からなり、その表面張力は、一般的に数百〜数千(mN/m)と極めて高い。これにより、本実施形態の表示素子10では、拡散阻止部30において、オイル17中に溶出したシール剤Fの成分を吸着し、捕獲して、当該シール剤Fの成分が複数の画素領域P側に拡散するのを阻止することができる。
また、表示素子10では、上記仕切壁としてのリブ14により表示用空間Sが画素領域P単位に区切られている。すなわち、表示素子10では、各画素の表示用空間Sは、図4に例示するように、互いに対向する2つの第1のリブ部材14aと、互いに対向する2つの第2のリブ部材14bとによって区画されている。さらに、表示素子10では、第1及び第2のリブ部材14a、14bによって極性液体16が隣接する画素領域Pの表示用空間Sの内部に流入するのが防がれている。すなわち、第1及び第2のリブ部材14a、14bには、例えばエポキシ樹脂系レジスト材料が用いられており、これら第1及び第2のリブ部材14a、14bでは、隣接する画素間で極性液体16の流入出が防止されるように、誘電体層13からの突出高さ(リブ高さ)が決定されている。
尚、上記の説明では、枠状の四隅部に隙間を設けた構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば下部基板3上で枠状に構成されたリブを画素単位に設けてもよい。
撥水膜12、15には、透明な合成樹脂、好ましくは電圧印加時に極性液体16に対し親水層となる、例えばフッ素系樹脂が使用されている。これにより、表示素子10では、上部基板2及び下部基板3の表示用空間S側の各表面側での極性液体16との間の濡れ性(接触角)を大きく変化させることができ、極性液体16の移動速度の高速化を図ることができる。また、誘電体層13は、例えばパリレンや窒化シリコン、酸化ハフニウム、酸化亜鉛、二酸化チタン、あるいは酸化アルミニウムを含有した透明な誘電体膜によって構成されている。尚、各撥水膜12、15の具体的な厚さ寸法は、数十nm〜数μmであり、誘電体層13の具体的な厚さ寸法は、数百nmである。また、撥水膜12は、信号電極4と極性液体16とを電気的に絶縁することはなく、極性液体16の応答性向上を阻害しないようになっている。
参照電極5及び走査電極6には、酸化インジウム系(ITO)、酸化スズ系(SnO2)、または酸化亜鉛系(AZO、GZO、あるいはIZO)などの透明な電極材料が用いられている。これらの各参照電極5及び各走査電極6は、スパッタ法等の公知の成膜方法により、下部基板3上に帯状に形成されている。
信号電極4には、X方向に平行となるように配置された線状配線が用いられている。また、この信号電極4には、ITO等の透明電極材料が用いられている。さらに、信号電極4は、カラーフィルタ層11上で、各画素領域PのY方向でのほぼ中心部を通るように設置されており、撥水膜12を介して極性液体16に電気的に接触するように構成されている。これにより、表示素子10では、表示動作時での極性液体16の応答性の向上が図られている。
上記のように構成された表示素子10の各画素では、図5(a)に例示するように、極性液体16がカラーフィルタ部11rと参照電極5との間で保持されると、バックライト18からの光が極性液体16により遮光されて、黒色表示(非CF着色表示)が行われる。一方、図5(b)に例示するように、極性液体16がブラックマトリクス部11sと走査電極6との間で保持されると、バックライト18からの光は極性液体16に遮光されることなく、カラーフィルタ部11rを通過することにより、赤色表示(CF着色表示)が行われる。
ここで、図6及び図7を参照して、本実施形態の表示素子10の製造工程を具体的に説明する。
図6は、図1に示した表示素子の要部の製造工程を説明する図であり、図6(a)〜図6(c)は、一連の主な製造工程を説明している。図7は、図1に示した表示素子の要部の製造工程を説明する図であり、図7(a)〜図7(c)は、図6(c)に示した工程の終了後に行われる、一連の主な製造工程を説明している。なお、図6及び図7では、図面の簡略化のために、信号電極4、参照電極5、走査電極6、カラーフィルタ層11、誘電体層13、及び第2のリブ部材14bの図示は省略している(後掲の図8、図11、図14、図16、図17、図19、及び図21においても、同様。)。
図6(a)において、上部基板2及び下部基板3には、各々例えば厚さ0.7mmの無アルカリガラス基板が用いられており、互いに対向する側の表面(つまり、表示用空間Sに対向する表面)の全面を覆うように、レジスト膜rが形成されている。
続いて、図6(b)に示すように、上部基板2及び下部基板3では、有効表示領域A(複数の画素領域P)に対応する部分のレジスト膜rが剥離される。すなわち、上部基板2及び下部基板3の各レジスト膜rにおいて、領域B及び封止領域Cに対応する部分に対してのみ、マスキングが行われて、上部基板2及び下部基板3の各レジスト膜rの剥離処理が行われることにより、領域B及び封止領域Cに対応する部分のレジスト膜rが上部基板2及び下部基板3の各表面上に残される。
次に、図6(c)に示すように、上部基板2及び下部基板3では、第1のリブ部材14aの形成工程が行われる。具体的には、例えばフォトリソ法を用いて、下部基板3の表面に対して、UV硬化樹脂を用いた第1のリブ部材14aが画素領域P単位に形成される。
続いて、図7(a)に示すように、上部基板2及び下部基板3では、撥水膜12及び15の成膜工程がそれぞれ行われる。つまり、上部基板2、下部基板3、第1のリブ部材14a、及びレジスト膜rの各表面に対し、例えばフッ素系樹脂材をディッピング法によって塗布して、80℃で30分間焼成することにより、撥水膜12及び15が成膜される。撥水膜12及び15の各膜厚は、例えば60nmである。
次に、図7(b)に示すように、上部基板2及び下部基板3では、レジスト膜rを剥離することにより、領域B及び封止領域Cに対応する部分の撥水膜12及び15のリフトオフ処理が行われる。すなわち、上部基板2及び下部基板3では、領域B及び封止領域Cに対応する部分において、レジスト膜rと撥水膜12及び15とが除去される。そして、例えばディスペンサ装置により、複数の各画素領域P内に極性液体16が充填される。その後、下部基板3の封止領域Cに対応する部分上に、UV硬化樹脂及び/または熱硬化樹脂からなるシール剤Fが枠状に載置される。
尚、上記の説明以外に、感光性撥水材料を用いて、撥水膜12及び15を構成する場合、フォトリソグラフィーによるパターニングが可能であるため、レジスト膜rを形成することなく、有効表示領域Aに対応する部分のみに、撥水膜12及び15を形成することができる。
その後、図7(c)に示すように、上部基板2及び下部基板3では、シール剤Fが封止領域Cに硬化されることにより、上部基板2及び下部基板3が互いに貼り合わせられる。また、有効表示領域Aと封止領域Cとの間の領域Bには、拡散阻止部30が設けられている。
次に、図8も参照して、拡散阻止部30の作用効果について具体的に説明する。
図8は、図2に示した拡散阻止部の作用効果を説明する図である。
図8において、本実施形態の表示素子10では、シール剤Fの成分fがオイル17中に溶出することがある。この成分fは、シール剤Fに含まれた重合開始剤、樹脂モノマー、未硬化モノマーなどであり、経年変化や周囲の光及び/または熱などの影響などによって、シール剤Fからオイル17中に溶け出すことがある。このように溶け出した成分fは、有効表示領域A(複数の画素領域P)に達する前に、領域Bに設けられた拡散阻止部30によって、捕獲される。すなわち、拡散阻止部30では、その表面張力が上述したように高い値に設定されており、オイル17との界面において、高い極性を有する界面が構成されているので、図8に示すように、当該界面において、成分fを吸着(捕獲)できるようになっている。
また、拡散阻止部30では、その表面張力が有効表示領域Aでの撥水膜12、15の表面張力に比べて、50mN/m以上、好ましくは100mN/m以上となるように構成されており、成分fを容易に吸着できるようになっている。また、領域Bの図8の左右方向の寸法、つまり有効表示領域Aと封止領域Cとの間の寸法は、10μm以上、好ましくは100μm以上に設定されており、拡散阻止部30において、シール剤Fの成分fを確実に捕獲できるようになっている。
ここで、図9も参照して、上記のように構成された本実施形態の画像表示装置1の表示動作について具体的に説明する。
図9は、上記画像表示装置の動作例を説明する図である。
図9において、参照ドライバ8及び走査ドライバ9は、例えば同図の左側から右側に向かう所定の走査方向で、参照電極5及び走査電極6に対して、それぞれ参照電圧Vr及び走査電圧Vsとして上記選択電圧を順次印加する。具体的には、参照ドライバ8及び走査ドライバ9は、参照電極5及び走査電極6に対して、選択電圧としてH電圧(第1の電圧)及びL電圧(第2の電圧)をそれぞれ順次印加して選択ラインとする走査動作を行う。また、この選択ラインでは、信号ドライバ7は外部からの画像入力信号に応じて、対応する信号電極4に対して、H電圧またはL電圧を信号電圧Vdとして印加する。これにより、選択ラインの各画素では、極性液体16が有効表示領域P1側または非有効表示領域P2側に移動されて、表示面側の表示色が変更される。
一方、非選択ライン、つまり残り全ての参照電極5及び走査電極6に対しては、参照ドライバ8及び走査ドライバ9は、それぞれ参照電圧Vr及び走査電圧Vsとして上記非選択電圧を印加する。具体的には、参照ドライバ8及び走査ドライバ9は、残り全ての参照電極5及び走査電極6に対して、非選択電圧として、例えば上記H電圧とL電圧の中間の電圧である中間電圧(Middle電圧、以下、“M電圧”という。)を印加する。これにより、非選択ラインの各画素では、極性液体16が有効表示領域P1側または非有効表示領域P2側で不必要な変動を生じることなく静止され、表示面側の表示色が変更されない。
上記のような表示動作を行う場合、参照電極5、走査電極6、及び信号電極4への印加電圧の組み合わせは、表1に示されるものとなる。さらに、極性液体16の挙動及び表示面側の表示色は、表1に示すように、印加電圧に応じたものとなる。なお、表1では、H電圧、L電圧、及びM電圧をそれぞれ"H"、"L"、及び“M”にて略記している(後掲の表2でも同様。)。また、H電圧、L電圧、及びM電圧の具体的な値は、それぞれ例えば+16V、0V、及び+8Vである。
Figure 2014006412
<選択ラインでの動作>
選択ラインでは、信号電極4に対して例えばH電圧が印加されているときでは、参照電極5と信号電極4との間では、共にH電圧が印加されているので、これらの参照電極5と信号電極4との間には、電位差が生じていない。一方、信号電極4と走査電極6との間では、走査電極6に対して、L電圧が印加されているので、電位差が生じている状態となる。このため、極性液体16は、信号電極4に対して、電位差が生じている走査電極6側に表示用空間Sの内部を移動する。この結果、極性液体16は、図5(b)に例示したように、非有効表示領域P2側に移動した状態となり、オイル17を参照電極5側に移動させて、バックライト18からの照明光がカラーフィルタ部11rに達するのを許容する。これにより、表示面側での表示色は、カラーフィルタ部11rによる赤色表示(CF着色表示)の状態となる。また、画像表示装置1では、隣接するRGBの3つの全画素において、それらの極性液体16が非有効表示領域P2側に移動して、CF着色表示が行われたときに、当該RGBの画素からの赤色光、緑色光、及び青色光が白色光に混色して、白色表示が行われる。
一方、選択ラインにおいて、信号電極4に対してL電圧が印加されているときでは、参照電極5と信号電極4との間では、電位差が生じ、信号電極4と走査電極6との間には、電位差が生じていない。従って、極性液体16は、信号電極4に対して、電位差が生じている参照電極5側に表示用空間Sの内部を移動する。この結果、極性液体16は、図5(a)に例示したように、有効表示領域P1側に移動した状態となり、バックライト18からの照明光がカラーフィルタ部11rに達するのを阻止する。これにより、表示面側での表示色は、極性液体16による黒色表示(非CF着色表示)の状態となる。
<非選択ラインでの動作>
非選択ラインでは、信号電極4に対して例えばH電圧が印加されているときでは、極性液体16は現状の位置に静止した状態で維持されて、現状の表示色で維持される。すなわち、参照電極5及び走査電極6の双方に対して、M電圧が印加されているので、参照電極5と信号電極4との間の電位差及び走査電極6と信号電極4との間の電位差は、共に同じ電位差が生じるからである。この結果、表示色は、現状の黒色表示またはCF着色表示から変更されずに維持される。
同様に、非選択ラインにおいて、信号電極4に対してL電圧が印加されているときでも、極性液体16は現状の位置に静止した状態で維持されて、現状の表示色で維持される。すなわち、参照電極5及び走査電極6の双方に対して、M電圧が印加されているので、参照電極5と信号電極4との間の電位差及び走査電極6と信号電極4との間の電位差は、共に同じ電位差が生じるからである。
以上のように、非選択ラインにおいては、信号電極4がH電圧及びL電圧のいずれかの電圧であっても、極性液体16は移動せずに、静止して、表示面側での表示色は変化しない。
一方、選択ラインにおいては、信号電極4への印加電圧に応じて、上述のように、極性液体16を移動させることができ、表示面側での表示色を変更させることができる。
また、画像表示装置1では、表1に示した印加電圧の組み合わせによって、選択ライン上の各画素での表示色は、例えば図9に示すように、各画素に対応する信号電極4への印加電圧に応じて、カラーフィルタ部11r、11g、11bによるCF着色(赤色、緑色、あるいは青色)または極性液体16による非CF着色(黒色)となる。また、参照ドライバ8及び走査ドライバ9が、それぞれ参照電極5及び走査電極6の選択ラインを、例えば図9の左から右へ走査動作を行う場合、画像表示装置1の表示部での各画素の表示色もまた同図9の左から右に向かって順次変化することとなる。したがって、参照ドライバ8及び走査ドライバ9による選択ラインの走査動作を高速で行うことにより、画像表示装置1において、表示部での各画素の表示色も高速に変化させることが可能となる。さらに、選択ラインの走査動作に同期させて信号電極4への信号電圧Vdの印加を行うことにより、画像表示装置1では、外部からの画像入力信号に基づいて、動画像を含んだ種々の情報を表示することが可能となる。
また、参照電極5、走査電極6、及び信号電極4への印加電圧の組み合わせは、表1に限定されるものではなく、表2に示すものでもよい。
Figure 2014006412
すなわち、参照ドライバ8及び走査ドライバ9は、例えば同図の左側から右側に向かう所定の走査方向で、参照電極5及び走査電極6に対して、選択電圧としてL電圧(第2の電圧)及びH電圧(第1の電圧)をそれぞれ順次印加して選択ラインとする走査動作を行う。また、この選択ラインでは、信号ドライバ7は外部からの画像入力信号に応じて、対応する信号電極4に対して、H電圧またはL電圧を信号電圧Vdとして印加する。
一方、非選択ライン、つまり残り全ての参照電極5及び走査電極6に対しては、参照ドライバ8及び走査ドライバ9は、非選択電圧としてM電圧を印加する。
<選択ラインでの動作>
選択ラインでは、信号電極4に対して例えばL電圧が印加されているときでは、参照電極5と信号電極4との間では、共にL電圧が印加されているので、これらの参照電極5と信号電極4との間には、電位差が生じていない。一方、信号電極4と走査電極6との間では、走査電極6に対して、H電圧が印加されているので、電位差が生じている状態となる。従って、極性液体16は、信号電極4に対して、電位差が生じている走査電極6側に表示用空間Sの内部を移動する。この結果、極性液体16は、図5(b)に例示したように、非有効表示領域P2側に移動した状態となり、オイル17を参照電極5側に移動させて、バックライト18からの照明光がカラーフィルタ部11rに達するのを許容する。これにより、表示面側での表示色は、カラーフィルタ部11rによる赤色表示(CF着色表示)の状態となる。また、表1に示した場合と同様に、隣接するRGBの3つの全画素において、CF着色表示が行われたときには、白色表示が行われる。
一方、選択ラインにおいて、信号電極4に対してH電圧が印加されているときでは、参照電極5と信号電極4との間では、電位差が生じ、信号電極4と走査電極6との間には、電位差が生じていない。従って、極性液体16は、信号電極4に対して、電位差が生じている参照電極5側に表示用空間Sの内部を移動する。この結果、極性液体16は、図5(a)に例示したように、有効表示領域P1側に移動した状態となり、バックライト18からの照明光がカラーフィルタ部11rに達するのを阻止する。これにより、表示面側での表示色は、極性液体16による黒色表示(非CF着色表示)の状態となる。
<非選択ラインでの動作>
非選択ラインでは、信号電極4に対して例えばL電圧が印加されているときでは、極性液体16は現状の位置に静止した状態で維持されて、現状の表示色で維持される。すなわち、参照電極5及び走査電極6の双方に対して、M電圧が印加されているので、参照電極5と信号電極4との間の電位差及び走査電極6と信号電極4との間の電位差は、共に同じ電位差が生じるからである。この結果、表示色は、現状の黒色表示またはCF着色表示から変更されずに維持される。
同様に、非選択ラインにおいて、信号電極4に対してH電圧が印加されているときでも、極性液体16は現状の位置に静止した状態で維持されて、現状の表示色で維持される。すなわち、参照電極5及び走査電極6の双方に対して、M電圧が印加されているので、参照電極5と信号電極4との間の電位差及び走査電極6と信号電極4との間の電位差は、共に同じ電位差が生じるからである。
以上のように、表2に示した場合でも、表1に示した場合と同様に、非選択ラインにおいては、信号電極4がH電圧及びL電圧のいずれかの電圧であっても、極性液体16は移動せずに、静止して、表示面側での表示色は変化しない。
一方、選択ラインにおいては、信号電極4への印加電圧に応じて、上述のように、極性液体16を移動させることができ、表示面側での表示色を変更させることができる。
また、本実施形態の画像表示装置1では、表1及び表2に示した印加電圧の組み合わせ以外に、信号電極4への印加電圧を、H電圧またはL電圧の2値だけではなく、これらのH電圧とL電圧との間の電圧を、表示面側に表示される情報に応じて変化させることもできる。すなわち、画像表示装置1では、信号電圧Vdを制御することにより、階調表示が可能となる。これにより、表示性能に優れた表示素子10を構成することができる。
以上のように構成された本実施形態の表示素子10では、拡散阻止部30が複数の画素領域Pとシール剤Fとの間に設けられて、シール剤Fの成分fが複数の画素領域P側に拡散するのを阻止する。これにより、本実施形態では、上記従来例と異なり、極性液体16に異常が生じるのを防ぐことができる表示性能に優れた表示素子10を構成することができる。
また、本実施形態の表示素子10では、複数の画素領域Pにおいて、撥水膜12及び15がそれぞれ上部基板(第1の基板)2及び下部基板(第2の基板)3の表示用空間S側の表面上にそれぞれ設けられ、拡散阻止部30では、撥水膜が上部基板2及び下部基板3の表示用空間S側の各表面上に設けられていない。これにより、本実施形態の表示素子10では、拡散阻止部30での上部基板2及び下部基板3の表示用空間S側の各表面の表面張力を、複数の画素領域Pでの表面張力よりも高い値にすることができ、シール剤Fの成分fが複数の画素領域P側に拡散するのを阻止することができる。
また、本発明の発明者等による検証試験によれば、拡散阻止部30を設けることにより、シール剤Fの成分fによる極性液体16の異常の発生率を1%以下に低減できることが確認された。
また、本実施形態の画像表示装置(電気機器)1では、極性液体16に異常が生じるのを防ぐことができる表示性能に優れた表示素子10が表示部に用いられているので、優れた表示品位を有する表示部を備えた高性能な画像表示装置(電気機器)1を容易に構成することができる。
また、本実施形態の表示素子10では、信号ドライバ(信号電圧印加部)7、参照ドライバ(参照電圧印加部)8、及び走査ドライバ(走査電圧印加部)9が信号電極4、参照電極5、及び走査電極6に対して、信号電圧Vd、参照電圧Vr、及び走査電圧Vsを印加するようになっている。これにより、本実施形態では、優れた表示品位を有するマトリクス駆動方式の表示素子10を容易に構成することができるとともに、各画素領域の表示色を適切に変更することができる。
[第2の実施形態]
図10は、本発明の第2の実施形態にかかる表示素子における、有効表示領域、拡散阻止部の領域、及びシール剤による封止領域を説明する図である。図11は、図10に示した表示素子の要部の製造工程を説明する図であり、図11(a)〜図11(c)は、一連の主な製造工程を説明している。
図において、本実施形態と上記第1の実施形態との主な相違点は、拡散阻止部として、撥水膜上に設けられるとともに、当該撥水膜の表面張力よりも高い表面張力を有する有機化合物からなる極性材料を用いた点である。なお、上記第1の実施形態と共通する要素については、同じ符号を付して、その重複した説明を省略する。
すなわち、図10に示すように、本実施形態の表示素子10では、領域Bにおいて、拡散阻止部としての有機化合物からなる極性材料31が枠状に設けられている。この極性材料31は、上部基板2及び下部基板3の互いに対向する各表面側に設けられており、シール剤Fの成分fが複数の画素領域P側に拡散するのを阻止するようになっている。
具体的にいえば、極性材料31には、例えば極性が比較的高く、かつ、オイル17と相溶性がないメラニン樹脂(表面張力値、例えば52(mN/m))ポリビニルブチラール(表面張力値、例えば53.6(mN/m))、ユリア樹脂(表面張力値、例えば45(mN/m))、エポキシ樹脂(表面張力値、例えば46〜47(mN/m))、ポリ塩化ビニル(表面張力値、例えば41.9〜69(mN/m))、ポリメタクリル酸エチル(表面張力値、例えば39〜41(mN/m))、ポリ酢酸ビニル(表面張力値、例えば36.5(mN/m))、ナイロン(表面張力値、例えば46(mN/m))、ポリエチレンテレフタレート(表面張力値、例えば43(mN/m))、ポリビニルアルコール(表面張力値、例えば37(mN/m))などの樹脂が用いられている。これらの極性材料31は、撥水膜12及び15より高い表面張力を有するため、オイル17中に溶出した成分fを吸着できるようになっている。
また、本実施形態の表示素子10では、図11(a)に示すように、上部基板2及び下部基板3に対して、それらの各表面の全面を覆うように、撥水膜12及び15がそれぞれ形成された後、例えば加熱ディスペンサ装置により、領域Bにおいて、撥水膜12及び15の各表面上に、これらの撥水膜12及び15の表面張力よりも高い表面張力を有する極性材料31を形成する。
次に、図11(b)に示すように、例えばディスペンサ装置により、複数の各画素領域P内に極性液体16が充填される。その後、下部基板3の封止領域Cに対応する部分上に、UV硬化樹脂及び/または熱硬化樹脂からなるシール剤Fが枠状に載置される。
その後、図11(c)に示すように、上部基板2及び下部基板3では、シール剤Fが封止領域Cに硬化されることにより、上部基板2及び下部基板3が互いに貼り合わせられる。また、有効表示領域Aと封止領域Cとの間の領域Bには、拡散阻止部としての極性材料31が設けられている。
以上の構成により、本実施形態では、上記第1の実施形態と同様な作用・効果を奏することができる。また、本実施形態では、上部基板2及び下部基板3の表示用空間S側の表面上には、撥水膜12及び15が全面を覆うようにそれぞれ設けられる。また、本実施形態では、上記拡散阻止部として、撥水膜12及び15上に設けられるとともに、当該撥水膜12及び15の表面張力よりも高い表面張力を有する極性材料31が用いられている。これにより、本実施形態では、極性材料31によってシール剤Fの成分fを吸着することができ、当該シール剤Fの成分fが複数の画素領域P側に拡散するのを阻止することができる。
尚、上記の説明以外に、撥水膜12及び15を有効表示領域A及び領域Bの部分にのみ形成する構成でもよい(後掲の第3及び第4の各実施形態においても同様。)。
[第3の実施形態]
図12は、本発明の第3の実施形態にかかる表示素子における、有効表示領域、拡散阻止部の領域、及びシール剤による封止領域を説明する図である。
図において、本実施形態と上記第2の実施形態との主な相違点は、拡散阻止部として、撥水膜上に設けられるとともに、当該撥水膜の表面張力よりも高い表面張力を有する無機化合物からなる極性材料を用いた点である。なお、上記第2の実施形態と共通する要素については、同じ符号を付して、その重複した説明を省略する。
すなわち、図12に示すように、本実施形態の表示素子10では、領域Bにおいて、拡散阻止部としての無機化合物からなる極性材料31’が枠状に設けられている。この極性材料31’は、上部基板2及び下部基板3の互いに対向する各表面側に設けられており、シール剤Fの成分fが複数の画素領域P側に拡散するのを阻止するようになっている。
具体的にいえば、極性材料31’には、例えばオイル17の腐食による変質のおそれがない金属や金属酸化膜、金属窒化膜等の無機材料が用いられている。また、極性材料31’には、第2の実施形態のものと同様に、撥水膜12、15の表面張力よりも高い表面張力、具体的には数百〜数千(mN/m)程度の表面張力を有するものが用いられており、オイル17中に溶出した成分fを吸着できるようになっている。また、この極性材料31’は、例えばマスクを用いた蒸着法により、領域Bにおいて、上部基板2及び下部基板3の表示用空間S側の表面全面を覆うようにそれぞれ設けられた撥水膜12及び15上に形成されている。
以上の構成により、本実施形態では、上記第2の実施形態と同様な作用・効果を奏することができる。
[第4の実施形態]
図13は、本発明の第4の実施形態にかかる表示素子における、有効表示領域、拡散阻止部の領域、及びシール剤による封止領域を説明する図である。図14は、図13に示した表示素子の要部の製造工程を説明する図であり、図14(a)〜図14(c)は、一連の主な製造工程を説明している。
図において、本実施形態と上記第1の実施形態との主な相違点は、拡散阻止部として、撥水膜に対して、親水化処理を施した親水化部を用いた点である。なお、上記第1の実施形態と共通する要素については、同じ符号を付して、その重複した説明を省略する。
つまり、図13に示すように、本実施形態の表示素子10では、領域Bにおいて、拡散阻止部としての親水化部32が枠状に設けられている。この親水化部32は、少なくとも領域Bにおいて、上部基板2及び下部基板3の表示用空間S側の表面上にそれぞれ設けられた撥水膜12及び15に対し、親水化処理を施すことにより、形成されたものである。また、このように親水化処理が施されているので、親水化部32は、第2の実施形態のものと同様に、撥水膜12、15の表面張力よりも高い表面張力を有しており、オイル17中に溶出した成分fを吸着できるようになっている。
また、本実施形態の表示素子10では、図14(a)に示すように、上部基板2及び下部基板3に対して、それらの各表面の全面を覆うように、撥水膜12及び15がそれぞれ形成された後、領域B及び封止領域Cにおいて、例えばナトリウムナフタレン錯体などの親水化部材32aを撥水膜12及び15上に設けることにより、親水化部32を形成する。
次に、図14(b)に示すように、例えばディスペンサ装置により、複数の各画素領域P内に極性液体16が充填される。その後、下部基板3の封止領域Cに対応する部分上に、UV硬化樹脂及び/または熱硬化樹脂からなるシール剤Fが枠状に載置される。
その後、図14(c)に示すように、上部基板2及び下部基板3では、シール剤Fが封止領域Cに硬化されることにより、上部基板2及び下部基板3が互いに貼り合わせられる。また、領域B及び封止領域Cには、拡散阻止部としての親水化部32が設けられている。
尚、上記の説明以外に、領域Bの部分のみに対して、親水化部材32aを撥水膜12及び15上に設けて、親水化部32を形成してもよい。
以上の構成により、本実施形態では、上記第1の実施形態と同様な作用・効果を奏することができる。また、本実施形態では、上部基板2及び下部基板3の表示用空間S側の表面上には、撥水膜12及び15が全面を覆うようにそれぞれ設けられる。また、本実施形態では、上記拡散阻止部として、撥水膜12及び15に対して、親水化処理を施した親水化部32が用いられている。これにより、本実施形態では、親水化部32での表面張力を、複数の画素領域Pでの表面張力よりも高い値にすることができ、シール剤Fの成分fが複数の画素領域P側に拡散するのを阻止することができる。
[第5の実施形態]
図15は、本発明の第5の実施形態にかかる表示素子における、有効表示領域、拡散阻止部の領域、及びシール剤による封止領域を説明する図である。図16は、図15に示した表示素子の要部の製造工程を説明する図であり、図16(a)〜図16(c)は、一連の主な製造工程を説明している。
図において、本実施形態と上記第1の実施形態との主な相違点は、拡散阻止部として、下部基板側に設けられるとともに、下部基板から上部基板に向かって突出した突起部材を用いた点である。なお、上記第1の実施形態と共通する要素については、同じ符号を付して、その重複した説明を省略する。
つまり、図15に示すように、本実施形態の表示素子10では、領域Bにおいて、拡散阻止部としての突起部材33が枠状に設けられている。この突起部材33は、下部基板3から上部基板2に向かって突出するように、下部基板3の表示用空間S側の表面側に設けられたものであり、オイル17中に溶出した成分fが複数の画素領域P側に拡散するのを阻止するようになっている。
また、本実施形態の表示素子10では、図16(a)に示すように、下部基板3の表面に対して、例えばフォトリソ法を用いて、UV硬化樹脂を用いた第1のリブ部材14aが画素領域P単位に形成される。また、この第1のリブ部材14aの形成と同時に、領域Bにおいて、例えばUV硬化樹脂を用いた突起部材33が、フォトリソ法によって形成される。その後、上部基板2及び下部基板3に対して、それらの各表面の全面を覆うように、撥水膜12及び15がそれぞれ形成される。
次に、図16(b)に示すように、例えばディスペンサ装置により、複数の各画素領域P内に極性液体16が充填される。その後、下部基板3の封止領域Cに対応する部分上に、UV硬化樹脂及び/または熱硬化樹脂からなるシール剤Fが枠状に載置される。
その後、図16(c)に示すように、上部基板2及び下部基板3では、シール剤Fが封止領域Cに硬化されることにより、上部基板2及び下部基板3が互いに貼り合わせられる。また、有効表示領域Aと封止領域Cとの間の領域Bには、拡散阻止部としての突起部材33が設けられている。
次に、図17も参照して、突起部材33の作用効果について具体的に説明する。
図17は、図15に示した拡散阻止部の作用効果を説明する図である。
図17に示すように、本実施形態の表示素子10では、突起部材(拡散阻止部)33が領域Bに設けられている。これにより、本実施形態の表示素子10では、オイル17中に溶出したシール剤Fの成分fが複数の画素領域P側に進行するのを阻害することができ、当該シール剤Fの成分fの複数の画素領域P側に拡散するのを阻止することができる。
以上の構成により、本実施形態では、上記第1の実施形態と同様な作用・効果を奏することができる。また、本実施形態では、拡散阻止部として、下部基板3に設けられるとともに、当該下部基板3から上部基板2に向かって突出した突起部材33が用いられている。これにより、本実施形態では、突起部材33によってシール剤Fの成分fが複数の画素領域P側に拡散するのを阻止することができる。
[第6の実施形態]
図18は、本発明の第6の実施形態にかかる表示素子における、有効表示領域、拡散阻止部の領域、及びシール剤による封止領域を説明する図である。図19は、図18に示した表示素子の要部を説明する断面図である。
図において、本実施形態と上記第5の実施形態との主な相違点は、拡散阻止部として、下部基板側に設けられるとともに、下部基板から上部基板に向かって突出した突起部材、及び上部基板側に設けられるとともに、上部基板から下部基板に向かって突出した突起部材を用いた点である。なお、上記第5の実施形態と共通する要素については、同じ符号を付して、その重複した説明を省略する。
つまり、図18に示すように、本実施形態の表示素子10では、領域Bにおいて、拡散阻止部としての突起部材33a及び33bが各々枠状に設けられている。
また、図19に示すように、突起部材33aは、下部基板3から上部基板2に向かって突出するように、下部基板3の表示用空間S側の表面側に設けられている。一方、突起部材33bは、上部基板2から下部基板3に向かって突出するように、上部基板2の表示用空間S側の表面側に設けられている。そして、本実施形態の表示素子10では、突起部材33a、33bにより、オイル17中に溶出した成分fが複数の画素領域P側に拡散するのを阻止するようになっている。
以上の構成により、本実施形態では、上記第5の実施形態と同様な作用・効果を奏することができる。また、本実施形態では、領域Bにおいて、拡散阻止部としての突起部材33a及び33bが各々枠状に設けられているので、第5の実施形態のものに比べて、オイル17中に溶出した成分fが複数の画素領域P側に拡散するのを容易に阻止することができる。
[第7の実施形態]
図20は、本発明の第7の実施形態にかかる表示素子における、有効表示領域、拡散阻止部の領域、及びシール剤による封止領域を説明する図である。図21は、図20に示した表示素子の要部の製造工程を説明する図であり、図21(a)〜図21(c)は、一連の主な製造工程を説明している。
図において、本実施形態と上記第5の実施形態との主な相違点は、シール剤と密着するように突起部材を設けた点である。なお、上記第5の実施形態と共通する要素については、同じ符号を付して、その重複した説明を省略する。
つまり、図20に示すように、本実施形態の表示素子10では、領域Bにおいて、拡散阻止部としての突起部材33cが枠状に設けられている。この突起部材33cは、下部基板3から上部基板2に向かって突出するように、下部基板3の表示用空間S側の表面側に設けられたものであり、オイル17中に溶出した成分fが複数の画素領域P側に拡散するのを阻止するようになっている。また、この突起部材33cは、第5の実施形態のものと異なり、封止領域Cに設けられたシール剤Fと密着するように設けられている。
また、本実施形態の表示素子10では、図21(a)に示すように、下部基板3の表面に対して、例えばフォトリソ法を用いて、UV硬化樹脂を用いた第1のリブ部材14aが画素領域P単位に形成される。また、この第1のリブ部材14aの形成と同時に、領域Bにおいて、例えばUV硬化樹脂を用いた突起部材33cが、フォトリソ法によって形成される。その後、上部基板2及び下部基板3に対して、それらの各表面の全面を覆うように、撥水膜12及び15がそれぞれ形成される。
次に、図21(b)に示すように、例えばディスペンサ装置により、複数の各画素領域P内に極性液体16が充填される。その後、下部基板3の封止領域Cに対応する部分上に、UV硬化樹脂及び/または熱硬化樹脂からなるシール剤Fが枠状に載置される。
その後、図21(c)に示すように、上部基板2及び下部基板3では、シール剤Fが封止領域Cに硬化されることにより、上部基板2及び下部基板3が互いに貼り合わせられる。また、有効表示領域Aと封止領域Cとの間の領域Bには、拡散阻止部としての突起部材33が封止領域Cに設けられたシール剤Fと密着するように設けられている。
以上の構成により、本実施形態では、上記第5の実施形態と同様な作用・効果を奏することができる。また、本実施形態では、突起部材33cは、シール剤Fと密着するように設けられているので、当該シール剤Fの成分fが溶出するのを抑えることができ、シール剤Fの成分fが複数の画素領域P側に拡散するのを容易に阻止することができる。
尚、上記の実施形態はすべて例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって規定され、そこに記載された構成と均等の範囲内のすべての変更も本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば、上記の説明では、表示部を備えた画像表示装置に本発明を適用した場合について説明したが、本発明は文字及び画像を含んだ情報を表示する表示部が設けられた電気機器であれば何等限定されるものではなく、例えば電子手帳等のPDAなどの携帯情報端末、パソコンやテレビなどに付随する表示装置、あるいは電子ペーパーその他、各種表示部を備えた電気機器に好適に用いることができる。
また、上記の説明では、極性液体への電界印加に応じて、当該極性液体を移動させるエレクトロウェッティング方式の表示素子を構成した場合について説明したが、本発明の表示素子は、これに限定されるものではなく、外部電界を利用して、表示用空間の内部で極性液体を動作させることにより、表示面側の表示色を変更可能な電界誘導型の表示素子であれば何等限定されるものではなく、電気浸透方式、電気泳動方式、誘電泳動方式などの他の方式の電界誘導型表示素子に適用することができる。
但し、上記各実施形態のように、エレクトロウェッティング方式の表示素子を構成する場合の方が、極性液体を低い駆動電圧で高速に移動させることが可能となる。また、エレクトロウェッティング方式の表示素子では、極性液体の移動に応じて表示色が変更されており、液晶層などの複屈折材料を用いた液晶表示装置等と異なり、情報表示に使用される、バックライトからの光や外光の光利用効率に優れた高輝度な表示素子を容易に構成できる点でも好ましい。さらには、画素毎にスイッチング素子を設ける必要がないので、構造簡単で高性能なマトリクス駆動方式の表示素子を低コストで構成できる点でも好ましい。
また、上記の説明では、信号電極、走査電極、及び参照電極と、信号ドライバ(信号電圧印加部)、走査ドライバ(走査電圧印加部)、及び参照ドライバ(参照電圧印加部)とを用いた構成について説明した。しかしながら、本発明は、複数の画素領域の外側で、かつ、第1及び第2の基板の外周部に枠状に設けられるとともに、第1及び第2の基板の間を封止するシール剤と、複数の画素領域とシール剤との間に設けられて、シール剤の成分が複数の画素領域側に拡散するのを阻止する拡散阻止部を設けたものであれば何等限定されない。
具体的にいえば、複数の信号電極と複数の走査電極とを互いに交差するように、マトリクス状に設けるとともに、信号電極と走査電極との交差部単位に設けられた複数の画素領域毎に、スイッチング素子、例えば薄膜トランジスタ(TFT)を設置する。そして、薄膜トランジスタのゲートに走査電極を接続して走査電圧印加部から電圧印加を行うよう構成する。さらに、薄膜トランジスタのソースに信号電極を接続して信号電圧印加部から電圧印加を行うよう構成するとともに、画素領域毎に設けた画素電極に薄膜トランジスタのドレインを接続して信号電極からの電圧を供給することで極性液体の移動動作を行わせるよう構成するものでよい。
但し、上記の各実施形態のように、参照電極及び参照ドライバ(参照電圧印加部)を設ける場合の方が、スイッチング素子を画素領域毎に設けることなく、階調表示を行うときでも、表示品位が低下するのを防ぐことができるマトリクス駆動方式の表示素子を構成することができる点で好ましい。
また、上記の説明では、バックライトを備えた透過型の表示素子を構成した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、拡散反射板などの光反射部を有する反射型や、前記光反射部とバックライトとを併用した半透過型の表示素子にも適用することができる。
また、上記の説明では、塩化カリウムの水溶液を極性液体に用いた場合について説明したが、本発明の極性液体はこれに限定されるものではない。具体的にいえば、極性液体には、塩化亜鉛、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アルカリ金属水酸化物、酸化亜鉛、塩化ナトリウム、リチウム塩、リン酸、アルカリ金属炭酸塩、酸素イオン伝導性を有するセラミックスなどの電解質を含んだものを使用することができる。また、溶媒には、水以外に、アルコール、アセトン、ホルムアミド、エチレングリコールなどの有機溶媒を使用することもできる。さらに、本発明の極性液体には、ピリジン系、脂環族アミン系、または脂肪族アミン系などの陽イオンと、フッ化物イオンやトリフラート等のフッ素系などの陰イオンとを含んだイオン液体(常温溶融塩)を使用することもできる。
また、本発明の極性液体には、導電性を有する導電性液体と、所定以上の比誘電率、好ましくは15以上の比誘電率を有する高誘電性を有する液体が含まれている。
但し、上記の各実施形態のように、所定の電解質を溶かした水溶液を極性液体に使用する場合の方が、取扱性に優れるとともに、製造が簡単な表示素子を容易に構成することができる点で好ましい。
また、上記の説明では、無極性のオイルを用いた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、極性液体と混じり合わない絶縁性流体であればよく、例えばオイルに代えて、空気を使用してもよい。また、オイルとして、シリコーンオイル、脂肪系炭化水素などを使用することができる。また、本発明の絶縁性流体には、所定以下の比誘電率、好ましくは5以下の比誘電率を有する流体が含まれている。
但し、上記の各実施形態のように、極性液体と相溶性がない無極性のオイルを用いた場合の方が、空気と極性液体とを用いる場合よりは、無極性のオイル中で極性液体の液滴がより移動し易くなって、当該極性液体を高速移動させることが可能となり、表示色を高速に切り換えられる点で好ましい。
また、上記の説明では、信号電極を上部基板(第1の基板)側または下部基板(第2の基板)側に設け、参照電極及び走査電極を下部基板側に設けた場合について説明した。しかしながら、本発明は、極性液体と接触するように、表示用空間の内部に信号電極を設置し、かつ、極性液体及び互いに電気的に絶縁された状態で、走査電極及び参照電極を第1及び第2の基板の一方側に設けるものであればよい。具体的にいえば、例えば信号電極を第1及び第2の基板の中間部分に設けるとともに、参照電極及び走査電極を第1の基板側に設けてもよい。
また、上記の説明では、参照電極及び走査電極を有効表示領域側及び非有効表示領域側にそれぞれ設置した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、参照電極及び走査電極を非有効表示領域側及び有効表示領域側にそれぞれ設置してもよい。
また、上記の説明では、参照電極及び走査電極を下部基板(第2の基板)の表示面側の表面に設けた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、絶縁材料からなる上記第2の基板の内部に埋設した参照電極及び走査電極を用いることもできる。このように構成した場合には、第2の基板を誘電体層として兼用させることができ、当該誘電体層の設置を省略することができる。さらに、誘電体層を兼用した第1及び第2の基板上に信号電極を直接的に設け、表示用空間の内部に当該信号電極を設置する構成でもよい。
また、上記の説明では、透明な電極材料を用いて参照電極及び走査電極を構成した場合について説明したが、本発明は参照電極及び走査電極のうち、画素の有効表示領域に対向するように設置される一方の電極だけを透明な電極材料によって構成すればよく、有効表示領域に対向されない他方の電極には、アルミニウム、銀、クロム、その他の金属などの不透明な電極材料を使用することができる。
また、上記の説明では、帯状の参照電極及び走査電極を用いた場合について説明したが、本発明の参照電極及び走査電極の各形状はこれに何等限定されない。例えば透過型に比べて、情報表示に用いられる光の利用効率が低下する反射型の表示素子では、線状や網状などの光ロスが生じ難い形状としてもよい。
また、上記の説明では、信号電極に線状配線を用いた場合について説明したが、本発明の信号電極はこれに限定されるものではなく、網状配線などの他の形状に形成された配線も使用することができる。
また、上記の説明では、黒色に着色された極性液体及びカラーフィルタ層を用いて、RGBの各色の画素を表示面側に設けた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数の画素領域が、表示面側でフルカラー表示が可能な複数の色に応じてそれぞれ設けられているものであればよい。具体的には、RGB、シアン(C)、マゼンタ(M)、及びイエロー(Y)のCMY、またはRGBYCなどに着色された複数色の極性液体を用いることもできる。
また、上記の説明では、カラーフィルタ層を上部基板(第1の基板)の非表示面側の表面に形成した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1の基板の表示面側の表面や下部基板(第2の基板)側にカラーフィルタ層を設置することもできる。このように、カラーフィルタ層を用いる場合の方が、複数色の極性液体を用意する場合に比べて、製造簡単な表示素子を容易に構成できる点で好ましい。また、このカラーフィルタ層に含まれたカラーフィルタ部(開口部、遮光膜の開口部分)及びブラックマトリクス部(遮光膜)により、表示用空間に対し、有効表示領域及び非有効表示領域をそれぞれ適切に、かつ、確実に設定することができる点でも好ましい。
また、上記第1の実施形態では、有効表示領域(複数の画素領域)における、第1及び第2の基板の表示用空間側の各表面上に撥水膜を設け、拡散阻止部の領域における、第1及び第2の基板の表示用空間側の各表面上には撥水膜を設けていない構成について説明した。また、上記第2及び第3の各実施形態では、拡散阻止部として、撥水膜の表面張力よりも高い表面張力を有する極性材料を用いた構成について説明した。また、上記第4の実施形態では、拡散阻止部として、撥水膜に対して、親水化処理を施した親水化部を用いた構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、拡散阻止部での表面張力が複数の画素領域での表面張力よりも高い値に設定されているものであればよく、当該拡散阻止部によってシール剤の成分を吸着することができ、シール剤の成分が複数の画素領域側に拡散するのを阻止することができる。
また、上記第5及び第7の各実施形態では、第2の基板側に突起部材(拡散阻止部)を設ける構成について説明し、第6の実施形態では、第1及び第2の各基板側に突起部材(拡散阻止部)を設ける構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、第1及び第2の基板の少なくとも一方側に設けられるとともに、第1及び第2の基板の一方側及び他方側の一方から他方に向かって突出した突起部材を用いたものであればよい。例えば有効表示領域(複数の画素領域)の内部側を気密に区切るように、先端部が互いに密接するよう形成された突起部材を、第1及び第2の各基板に設ける構成でもよい。
また、上記の説明以外に、上記第1〜第7の各実施形態を適宜組み合わせたものでよい。
本発明は、極性液体に異常が生じるのを防ぐことができる表示性能に優れた表示素子、及びこれを用いた電気機器に対して有用である。
1 画像表示装置(電気機器)
2 上部基板(第1の基板)
3 下部基板(第2の基板)
4 信号電極
5 参照電極
6 走査電極
7 信号ドライバ(信号電圧印加部)
8 参照ドライバ(参照電圧印加部)
9 走査ドライバ(走査電圧印加部)
10 表示素子
11 カラーフィルタ層
11r、11g、11b カラーフィルタ部(開口部)
11s ブラックマトリクス部(遮光膜)
12、15 撥水膜
13 誘電体層
14 リブ
16 極性液体
17 オイル(絶縁性流体)
30 拡散阻止部
31、31’ 極性材料(拡散阻止部)
32 親水化部(拡散阻止部)
33、33a、33b、33c 突起部材(拡散阻止部)
S 表示用空間
P 画素領域
P1 有効表示領域
P2 非有効表示領域
F シール剤
f 成分

Claims (15)

  1. 表示面側に設けられた第1の基板と、所定の表示用空間が前記第1の基板との間に形成されるように、当該第1の基板の非表示面側に設けられた第2の基板と、前記表示用空間に対して設定された有効表示領域及び非有効表示領域と、前記表示用空間の内部で前記有効表示領域側または前記非有効表示領域側に移動可能に封入された極性液体とを具備し、前記極性液体を移動させることにより、前記表示面側の表示色を変更可能に構成された表示素子であって、
    前記極性液体と接触するように、前記表示用空間の内部に設置されるとともに、所定の配列方向に沿って設けられた複数の信号電極、
    前記有効表示領域側及び前記非有効表示領域側の一方側に設置されるように、前記極性液体に対して電気的に絶縁された状態で、前記第1及び第2の基板の一方側に設けられるとともに、前記複数の信号電極と交差するように設けられた複数の走査電極、及び
    前記複数の信号電極と前記複数の走査電極との交差部単位に設けられた複数の画素領域を備え、
    前記複数の画素領域の外側で、かつ、前記第1及び第2の基板の外周部に枠状に設けられるとともに、前記第1及び第2の基板の間を封止するシール剤と、
    前記複数の画素領域と前記シール剤との間に設けられて、前記シール剤の成分が前記複数の画素領域側に拡散するのを阻止する拡散阻止部
    を備えていることを特徴とする表示素子。
  2. 前記拡散阻止部では、その表面張力が前記複数の画素領域での表面張力よりも高い値に設定されている請求項1に記載の表示素子。
  3. 前記複数の画素領域では、撥水膜が前記第1及び第2の基板の前記表示用空間側の各表面上に設けられ、
    前記拡散阻止部では、撥水膜が前記第1及び第2の基板の前記表示用空間側の各表面上に設けられていない請求項2に記載の表示素子。
  4. 前記第1及び第2の基板の前記表示用空間側の各表面上には、撥水膜が設けられるとともに、
    前記拡散阻止部として、前記撥水膜上に設けられるとともに、当該撥水膜の表面張力よりも高い表面張力を有する極性材料が用いられている請求項2に記載の表示素子。
  5. 前記第1及び第2の基板の前記表示用空間側の各表面上には、撥水膜が設けられるとともに、
    前記拡散阻止部として、前記撥水膜に対して、親水化処理を施した親水化部が用いられている請求項2に記載の表示素子。
  6. 前記拡散阻止部として、前記第1及び第2の基板の少なくとも一方側に設けられるとともに、前記第1及び第2の基板の一方側及び他方側の一方から他方に向かって突出した突起部材が用いられている請求項1〜5のいずれか1項に記載の表示素子。
  7. 前記突起部材は、前記シール剤と密着している請求項6に記載の表示素子。
  8. 前記複数の信号電極に接続されるとともに、前記複数の各信号電極に対して、前記表示面側に表示される情報に応じた所定の電圧範囲内の信号電圧を印加する信号電圧印加部と、
    前記複数の走査電極に接続されるとともに、前記複数の各走査電極に対して、前記極性液体が前記信号電圧に応じて、前記表示用空間の内部を移動するのを許容する選択電圧と、前記極性液体が前記表示用空間の内部を移動するのを阻止する非選択電圧との一方の電圧を印加する走査電圧印加部を備えている請求項1〜7のいずれか1項に記載の表示素子。
  9. 前記有効表示領域側及び前記非有効表示領域側の他方側に設置されるように、前記極性液体及び前記走査電極に対して電気的に絶縁された状態で、前記第1及び第2の基板の一方側に設けられるとともに、前記複数の信号電極と交差するように設けられた複数の参照電極と、
    前記複数の参照電極に接続されるとともに、前記複数の各参照電極に対して、前記極性液体が前記信号電圧に応じて、前記表示用空間の内部を移動するのを許容する選択電圧と、前記極性液体が前記表示用空間の内部を移動するのを阻止する非選択電圧との一方の電圧を印加する参照電圧印加部とが設けられている請求項1〜8のいずれか1項に記載の表示素子。
  10. 前記参照電極及び前記走査電極の表面上には、誘電体層が積層されている請求項9に記載の表示素子。
  11. 前記複数の各画素領域に応じて、前記表示用空間の内部を区切るように、設けられたリブが設けられている請求項1〜10のいずれか1項に記載の表示素子。
  12. 前記複数の画素領域が、前記表示面側でフルカラー表示が可能な複数の色に応じてそれぞれ設けられている請求項1〜11のいずれか1項に記載の表示素子。
  13. 前記表示用空間の内部には、前記極性液体と混じり合わない絶縁性流体が当該表示用空間の内部を移動可能に封入されている請求項1〜12のいずれか1項に記載の表示素子。
  14. 前記非有効表示領域は、前記第1及び第2の基板の一方側に設けられた遮光膜によって設定され、
    前記有効表示領域は、前記遮光膜に形成された開口部によって設定されている請求項1〜13のいずれか1項に記載の表示素子。
  15. 文字及び画像を含んだ情報を表示する表示部を備えた電気機器であって、
    前記表示部に、請求項1〜14のいずれか1項に記載の表示素子を用いたことを特徴とする電気機器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2018225713A1 (ja) * 2017-06-07 2018-12-13 シャープ株式会社 液滴制御装置の製造方法、液滴制御装置、表示装置

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