JP2014006247A - 被検体情報取得装置、被検体情報取得方法及びプログラム - Google Patents

被検体情報取得装置、被検体情報取得方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】干渉パターンの変化のうち、被検体以外の原因による変化の分布の情報の取得や、その変化の分布による影響を軽減した、被検体の位相情報の取得が可能な被検体情報取得装置、被検体情報取得方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】被検体情報取得装置は干渉計810と、演算部610とを備える。干渉計810は、光源110からの光が入射することで干渉パターンを形成する光学素子310と、干渉パターンを検出する検出器510とを有する。演算部610は、検出器510により検出された第1の検出結果と第2の検出結果とから取得した干渉計の変化の分布の情報を用いて、被検体の位相に関する情報を取得する。
【選択図】図1

Description

本発明は被検体情報取得装置、被検体情報取得方法及びプログラムに関し、特に電磁波の干渉を用いた被検体情報取得装置とその被検体情報取得装置に用いられる被検体情報取得方法及びプログラムに関する。
従来精密に物質を測定する手段として、光と放射線を含む電磁波の干渉を用いた測定方法(干渉法)が用いられてきた。一般的に、干渉法は波面のそろった電磁波を被検体に入射させ、その電磁波を干渉させて干渉パターン(干渉縞)を形成し、その干渉パターンを検出、解析することで、被検体による電磁波の波面変化を測定する。本明細書では、被検体による電磁波の波面変化を被検体の情報の一種とみなす。干渉を利用した装置を干渉計と呼ぶ。干渉計には微分干渉計と、(微分干渉計でない)干渉計があり、微分干渉計からは電磁波の波面の位相変化を微分したもの(微分位相)を、干渉計からは電磁波の波面の位相変化を夫々得ることができる。尚、微分干渉計により得られた微分位相を積分すると位相が得られる。本明細書では、微分位相と位相をまとめて位相に関する情報又は位相情報と呼ぶ。
干渉パターンから位相情報を取得する手法である位相回復方法として主なものは大きく分けて2つある。1つ目はフーリエ変換法である。この手法では干渉パターンをフーリエ変換し、干渉パターンのキャリア周波数スペクトルと周りのスペクトルデータから位相情報を取得する。
2つ目は位相シフト法である。この手法では一般的に光学素子を干渉パターンの周期の数分の一の幅で移動させることで位相をシフトさせて干渉パターンを変化させ断続的に干渉パターンの検出を行い、検出結果毎の変化から位相を取得する。
上記のほかあるいは位相シフト法とミックスしたような手法も考えられる。
位相シフト法を用いて位相回復を行う場合、所定の量ずつ位相をシフトさせることが求められるが、検出毎の位相変化量を制御することは難しく、位相シフト量の誤差が位相回復により得られる位相情報の誤差につながっていた。
このような位相情報の誤差を補正する方法として特許文献1には位相シフト法を用いた場合に生じる位相シフト量とその誤差を取得し、この誤差を補正した位相情報を得るための方法が開示されている。特許文献1に記載の方法では位相シフト前後の干渉パターンをそれぞれフーリエ変換し、干渉パターンのキャリア周波数のピークの値を比較することでシフト量誤差と参照面と被検面の相対傾きを取得している。取得した値を補正に用いれば、シフト量誤差と参照面と被検面の相対傾きを補正した位相情報を取得することができる。
特許第4583619号公報
特許文献1の方法を用いると、位相シフト法を行う際に、干渉パターン全体のシフト量を取得したり、このシフト量の誤差を補正した位相情報を得たり、することが可能である。しかし、位相シフト法を用いて位相回復を行うと、位相シフト量の誤差だけでなく、温度や環境変化によっておこる光学素子そのものの微小な歪みや変形、あるいは光源から射出する光の照射ムラ、等が起きる可能性がある。これらが起きると、干渉パターンの部分的な変化(以下、部分変化と呼ぶことがある。)が生じ、位相回復により取得される位相情報に影響を及ぼすことがある。
フーリエ変換法を用いて位相回復を行う場合は位相をシフトさせて干渉パターンを複数回検出する必要はない。しかし、被検体を配置せずに検出した参照データの検出時と被検体を配置して検出した被検体データ検出時の間に光学素子のドリフトが生じたり、上述のような干渉パターンの部分変化が生じたりすることがあった。これにより、位相回復により得られる位相情報に影響を及ぼすことがあった。
そこで本発明は、干渉パターンの変化のうち、被検体以外の原因による変化の分布の情報の取得や、その変化の分布による影響を軽減した、被検体の位相情報の取得が可能な被検体情報取得装置、被検体情報取得方法及びプログラムを提供することを目的とする。
被検体情報取得装置は、光源からの光が入射することで干渉パターンを形成する光学素子と、前記干渉パターンを検出する検出器とを有する干渉計と、前記検出器により検出された第1の検出結果と第2の検出結果とを用いて被検体の位相に関する情報を取得する演算部と、を備え、前記演算部は、前記第1の検出結果と前記第2の検出結果とから取得した干渉計の変化の分布の情報を用いて前記被検体の位相に関する情報を取得することを特徴とする。
本発明のその他の側面については、以下で説明する実施の形態で明らかにする。
本発明によれば、干渉パターンの変化のうち、被検体以外の原因による変化の分布の情報の取得や、その変化の分布による影響を軽減した、被検体の位相情報の取得が可能な被検体情報取得装置、被検体情報取得方法及びプログラムを提供することを目的とする。
実施形態に係るX線トールボット干渉計の概略図である。 実施形態に係る参照データの例の拡大図である。 実施形態に係る被検体データの例である。 参考例及び実施例で用いる被検体とその理論上の位相情報を表す図である。 参考例及び実施例で用いた被検体データである。 実施例1によるシミュレーション結果を示す図である。 実施例2における位相情報取得方法のフローチャートの図である。 実施例2によるシミュレーション結果を示す図である。 実施例3によるシミュレーション結果を示す図である。 実施例4によるシミュレーション結果を示す図である。 参考例1及び2によるシミュレーション結果を示す図である。 参考例3によるシミュレーション結果を示す図である。
以下本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
本実施形態の被検体情報取得装置は、干渉計と演算部を備える。干渉計は、電磁波源からの電磁波が入射することで干渉パターンを形成する光学素子と、干渉パターンを検出する検出器を有し、演算部は検出器による検出結果を用いて被検体の位相に関する情報を取得する。
本実施形態に用いられる干渉計は、電磁波の干渉により干渉パターンを形成し、その干渉パターンを検出するものであれば良いが、以下、例としてX線を用いた微分干渉計であるX線トールボット干渉計を用いた場合について説明をする。尚、本実施形態においてX線とは、2KeV以上200KeV以下の電磁波のことを指す。
図1は本実施形態の被検体情報取得装置の構成を示した概略図である。図1に示した被検体情報取得装置1は、X線トールボット干渉計810と演算部610を備える。X線トールボット干渉計810は、X線を発生させるX線源(光源)110と、干渉パターンを形成する光学素子としてX線源からのX線を回折する回折格子310と、遮蔽格子からのX線を検出する検出器510を備えている。さらに、X線トールボット干渉計810は回折格子からのX線の一部を遮る遮蔽格子410も備えている。また、演算部610は検出器510と接続されており、検出器510による検出結果に基づいて被検体の位相情報を取得する。更に被検体情報取得装置1は、演算部610により取得した被検体の位相情報に基づいた画像を表示する画像表示装置710と接続されて撮像システムを構成している。
X線源110からのX線は被検体を透過して位相の変調を受けた後、回折格子310により回折され、トールボット距離と呼ばれる所定の距離をおいて明部と暗部が配列方向に並んだ干渉パターンを形成する。この干渉パターンを検出し、演算部610により位相回復を行うと被検体の位相に関する情報が得られる。
しかし、X線を用いたトールボット干渉計の場合、一般的に回折格子310により形成される干渉パターンの周期は数μmから十数μm程度である。一方、一般的なX線の検出器の検出素子のサイズは数十μm以上である。そこで、干渉パターンの周期とわずかに異なる周期で遮蔽部と透過部が配列した遮蔽格子410を干渉パターンが形成される位置に配置する。このように遮蔽格子を用いると、干渉パターンと遮蔽格子によりモアレが形成され、干渉パターンの周期を数十ミクロン以上に拡大することができる。これによって数十μm程度の検出素子を持つ検出器510を用いても干渉パターンを検出することができる。このように、遮蔽格子を用いてモアレを形成する等して間接的に干渉パターンを検出することも、本明細書では干渉パターンを検出するという。尚、X線トールボットを行う場合であっても、回折格子と検出器の距離を大きくして干渉パターンの周期を大きくしたり、検出素子のサイズが小さい検出器を用いたりして干渉パターンを直接検出しても良い。
検出器はX線を検出できる検出器であれば良く、例えば間接変換型フラットパネル検出器又は直接変換型フラットパネル検出器を用いることができる。但し、検出素子のサイズはモアレ(直接検出する場合は干渉パターン)が検出できるようなサイズを選ぶ。
尚、図1に示した被検体情報取得装置はX線源と回折格子の間に被検体を配置したが、回折格子と位相格子(位相格子を用いない場合は検出器)の間に被検体を配置しても良い。
本実施形態で検出されるモアレの一例の拡大図を図2に示す。ただし、図2に示したこの2つモアレの例は被検体210がX線源と位相格子の間に配置されていないときに検出器上に形成されるモアレの例であり、参照データの例である。図2(a)は回折格子310および遮蔽格子410に1次元のパターンを用いた場合の1次元のモアレの例である。また、図2(b)は、回折格子310および遮蔽格子410に2次元のパターンを用いた場合の2次元のモアレの例である。
X線源と回折格子の間に被検体を配置すると、図2(a)、(b)に示したモアレに被検体によるX線の波面変化の微分量が重畳する。そのときに検出器上に形成されるモアレをそれぞれ図3(a)および(b)に示す。被検体によって、X線は回折、吸収され、モアレの形状は被検体の形状と構成する元素に従って変形する。前述のようにトールボット干渉計は微分干渉計なので、被検体によるX線の波面変化の微分量がモアレに重畳する。トールボット干渉計の代わりに微分干渉計でない干渉計を用いると、被検体によるX線の波面の変化がモアレ(又は干渉パターン)に重畳する。
演算部610は検出器510と接続されており、少なくとも2つの検出結果を用いて被検体の位相情報を取得する。本実施形態の演算部による被検体の位相情報取得方法について説明をする。
位相情報取得方法の概要は以下の通りである。
1.第1の検出結果と第2の検出結果を用いて位相回復することにより、被検体の仮の位相情報(以下、仮情報と呼ぶことがある。)を取得する。
2.第1の検出結果と第2の検出結果との差のうち、光源を含めた干渉計に起因する変化(以下、干渉計の変化と呼ぶことがある。)の分布の情報を取得する。
3.干渉計の変化の分布の情報を用いて仮情報を補正することにより、(補正した)被検体の位相情報を取得する。
上述の方法により、干渉計の変化による影響を軽減した被検体の位相情報を取得することができる。ここで、干渉計の変化とは、光学素子の位置の変化、光学素子の歪み、膨張、収縮などによる干渉パターンの変化のことであり、干渉パターンの変化のうち、被検体以外の原因による変化のことを指す。
以下、各工程について説明をする。
1.の位相回復には位相シフト法を用いても良いし、フーリエ変換法を用いても良い。ここでは第1の検出結果として参照データを、第2の検出結果として被検体データを用いてフーリエ変換法により仮の位相情報を取得する例について説明する。
まず、一般的なフーリエ変換法について簡単に説明する。フーリエ変換法では検出したモアレをフーリエ変換し、モアレの周期に由来する周波数であるキャリア周波数スペクトルをもとめる。次に、キャリア周波数スペクトルから一定の領域のスペクトルを抽出し、抽出したスペクトルを波数空間の原点に移動して逆フーリエ変換する。これにより、電磁波の波面の位相が取得(位相回復)できる。そのあと必要に応じてアンラップ(位相接続)などをして位相を整える。モアレを形成しない場合は、検出した干渉パターンに対してフーリエ変換法を行うが、フーリエ変換法の処理自体はトールボット以外の干渉計の場合も同様である。
第1の検出結果として参照データを、第2の検出結果として被検体データを用いてフーリエ変換法を行う場合、第1の検出結果と第2の検出結果の差分をとり、相対強度分布の情報を取得する。この相対強度分布の情報に対して上述したフーリエ変換法を行うと、被検体の仮の位相情報として、仮の微分位相像の情報が取得できる。尚、第1の検出結果と第2の検出結果の夫々にフーリエ変換法を行い、第2の検出結果から得られた仮の位相情報から第1の検出結果から得られた仮の位相情報を引いても良い。
次に、干渉計の変化の分布の情報を取得する。干渉計の変化の分布とは、第1の検出結果と第2の検出結果を比較したときの変化量(差)のうち、被検体に起因する位相の変化量以外の変化量の分布である。つまり、本実施形態では、第1の検出結果と第2の検出結果の差は被検体に起因するものと干渉計に起因するものとに分けられると考え、干渉計に起因する位相の変化量の分布を干渉計の変化の分布と呼ぶ。本実施形態では、第1の検出結果と第2の検出結果との差のうち、低次成分が干渉計の変化の情報を含み、高次成分が被検体の情報を含むものとみなす。つまり、第1の検出結果と第2の検出結果との差のうちの低次成分の分布を干渉計の変化の分布とする。
尚、本実施形態のように微分干渉計を用いると、干渉計の変化の分布として干渉計に起因する位相の変化量の微分量の分布が得られる。微分干渉計でない干渉計を用いると、干渉計の変化の分布として干渉計に起因する位相の変化量の分布が得られる。
本実施形態では干渉計の変化の情報を1つの値としてだけでなく、分布で得る。これにより、干渉パターンと遮蔽格子の相対位置と相対的な傾斜の変化量(全体的な変化量)だけでなく、回折格子又は遮蔽格子の部分的な歪みのような部分的な干渉計の変化量の情報も取得することができる。このように、干渉計の変化の分布の情報を補正に用いれば、部分的な干渉計の変化による影響を補正した被検体の位相情報を取得することができる。
尚、3つ以上の検出結果を用いて位相回復を行う場合も同様に、2つの検出結果を検出している間に生じた干渉計の変化量を求めたいもの同士の検出結果を用いて、干渉計の変化の分布の情報を取得すればよい。つまり、第1の検出結果を検出したときと第3の検出結果を検出したときとの間に生じた干渉計の変化量を求めたい場合は第1の検出結果と第3の検出結果を用いて干渉計の変化の分布の情報を求めればよい。
また、演算部に以上のような演算をさせ、被検体の位相情報を得るためには、以上のような演算をするプログラムを演算部に実行させればよい。
上述のように、本実施形態では第1の検出結果と第2の検出結果との差のうち、低次成分の分布を干渉計の変化の分布とするため、干渉計の変化の分布をフーリエ変換を用いて取得することができる。第1の検出結果と第2の検出結果との差の低次成分は、第1の検出結果と第2の検出結果との差の分布をフーリエ変換すると、キャリア周波数の周辺(低次成分が現れる領域)に現れる。そのため、波数空間上のキャリア周波数周辺の領域を用いれば干渉計の変化の分布の情報を求めることができる。干渉計の変化の分布の情報の具体的な取得方法は実施例として後述する。
次に、取得した干渉計の変化の分布を用いて、仮情報を補正することで、被検体の情報を取得する。
補正の方法は特に問わない。例えば、仮情報と、干渉計の変化の分布との差分をとっても良い。
本実施形態では、上述の1〜3の工程を用いて補正した被検体の位相情報を取得する。他の実施形態として、干渉計の変化の分布の情報と仮情報を取得せずに、干渉計の変化の分布の情報を有する領域の除去しつつ位相回復を行うことで、補正した被検体の位相情報を得ることもできる。
本実施形態のように干渉計として微分干渉計を用いる場合、干渉計の変化による微分位相の分布への影響がたとえ微小であっても、微分位相分布の情報を積分して位相の分布の情報を取得する際に微小な誤差が重畳し、大きな影響となって現れることがある。そのため、干渉計として微分干渉計を用い、微分位相分布の情報を積分して位相分布の情報を取得する被検体情報取得装置に本実施形態を適用すると、干渉計の変化の影響を軽減するという本実施形態の効果が特に得られやすい。
また、特にX線の波長は可視光に比べて短いため、X線の干渉計に要求される精度は可視光の干渉計に要求される精度よりも高い。そのため、本実施形態を適用することによるメリットは、可視光の干渉計よりも、X線のように波長の短い電磁波を用いる干渉計の方が大きい。しかし、本実施形態の被検体情報取得装置が備える干渉計は、微分干渉計でなくても良いし、電磁波として例えば可視光を用いても良い。
(参考例1)
参考例1では、相対位相分布は求めず、参照データを用いて位相回復を行う方法について説明をする。尚、干渉計は上述の実施形態に記載の2次元X線トールボット干渉計と同じであるとする。
本参考例の2次元トールボット干渉計で検出器上に形成されるモアレは図2(b)に示したような井桁格子状のモアレである。
被検体としては図4(a)のように球状の被検体を用意した。図4(b)と(c)は図4(a)の被検体を用いた場合に2次元トールボット干渉計によって得られるx方向、y方向それぞれの理論上の微分位相像を示した図である。但し、x方向を図面の横方向、y方向を図面の縦方向とする。また、図4(d)は図4(b)と(c)を積分することによって取得される理論上の位相像である。
図5は、本参考例で被検体データとして用いた、被検体の情報が重畳したモアレ(以下、被検体データと呼ぶことがある。)である。被検体データには、参照データと比較して干渉パターンと遮蔽格子の相対位置と相対傾斜のずれによる全体的な変化と、回折格子と遮蔽格子の歪みが生じることによる部分的な変化を生じた場合の一例を再現した。
本参考例では、被検体データ(第2の検出結果)と参照データ(第1の検出結果)の差分である相対強度分布から、フーリエ変換法により位相回復を行う。
図11(a)および(b)は本参考例により得られたx方向及びy方向の微分位相像のシミュレーション結果である。図11(a)および(b)には、微分位相像のバックグラウンドに不均一な分布が生じている。図11(c)は図11(a)と(b)の微分位相像のデータを積分して取得した位相像である。理論上の位相像である図4(d)と比べて、被検体の位相情報がゆがめられ、正確性が低いことがわかる。
本参考例では、参照データを用いることで、回折格子と遮蔽格子が持つ面内の歪み、X線の照射ムラ、などに起因する干渉計の不均一性を補正した被検体の位相情報を取得することができる。しかし本参考例では、参照データを検出したときと、被検体データを検出したときとで上述した干渉計の不均一性が変化することを考慮していない。そのため、図11(a)〜(c)に示したようにバックグラウンドに不均一な分布が生じたり、位相情報がゆがめられたりしたと考えられる。
(参考例2)
参考例2では、上述の特許文献1に開示されている方法をフーリエ変換法に適用して被件体の相対位相値を取得し、位相像を取得した。被検体データとしては参考例1と同様に図5に示したモアレを用いた。
まず、参照データ(第1の検出結果)と被検体データ(第2の検出結果)の差分をとり、得られた相対強度分布にフーリエ変換を施して空間周波数スペクトルを取得する。以下、相対強度分布にフーリエ変換を施して得られた空間周波数スペクトルを、相対空間周波数スぺクトルと呼ぶことがある。相対空間周波数スペクトルの複素振幅を求めて位相シフト素子の変位誤差の値を取得する。この変位誤差の値は、参照データと被検体データを比較したときに、データ全体に生じる変化の平均値である。図11の(a)と(b)に示した微分位相像から位相像を取得する際にこの変位誤差の値を補正に用いた。その結果を図11(d)に示した。参考例1により得られた位相像(図11(c))に比べると、全体的な位相の傾き誤差が補正できたことが分かる。
これは、変位誤差の値を補正に用いることで、干渉パターンと遮蔽格子の、相対位置、相対傾斜と相対回転角度の変位により生じた干渉計の全体的な変化を補正できたものによると考えられる。
(実施例1)
実施例1では実施形態の一実施例に関する干渉計の変化の分布の情報の取得方法について説明をする。本実施例では窓フーリエ変換を用いて干渉計の変化の分布の情報を取得し、それを用いて微分位相像と位相像を取得する。
窓フーリエ変換は画像をフーリエ変換する前にあらかじめ窓関数を使ってその一部を切り取り、その切り取った領域のみをフーリエ変換することで局所的な情報のみを抽出する技術である。尚、このように画像に窓フーリエ変換をすることは窓関数を掛けてからフーリエ変換することなので、画像を窓フーリエ変換することも画像をフーリエ変換することに含まれる。窓フーリエ変換は次の式で定義される。

・・・(式1)
ここで、(x,y)は座標、(kx,ky)は波数、f(x、y)が元関数、g(x,y)が窓関数を表す。
参照データ(第1の検出結果)検出時と被検体のデータ(第2の検出結果、図5)検出時の間位に生じた干渉計の変化の値を分布として取得するには、被検体データから参照データを引いて相対強度分布を取得し、この相対強度分布に窓フーリエ変換を施せばよい。つまり、式(1)の元関数f(x、y)として、相対強度分布を用いる。波数(kx,ky)をモアレのキャリア周波数(ωx,ωy)として、干渉計の変化の分布をR(x,y)とすると、干渉計の変化の分布R(x,y)は次の式で求められる。

・・・(式2)
ここでArgとは複素数の偏角をとることを表す。つまり、干渉計の変化の分布R(x,y)は相対強度分布を窓フーリエ変換し、偏角をとって相対位相値を取得することを複数回行うことで得られる分布である。窓フーリエ変換を施すと、窓関数の影響により、高次成分が偏角に対して与える影響はほとんどないため、偏角は被検体の有無による影響をほとんど受けない。よって、偏角の分布は参照データ検出時と被検体データ検出時の間に生じた干渉計の変化量の分布とみなすことができる。但し、窓フーリエ変換を施して得られた波数空間において、窓関数の大きさが大きいほど、偏角は高次成分の影響を受けやすくなる。一方、窓関数の大きさが小さいほど、偏角は高次の成分の影響を受けにくくなるが、干渉計の変化の情報も取りこぼしやすくなる。よって、被検体の観察対象と、干渉計に生じる変化に応じて窓関数の大きさを設定する。このように取得した干渉計の変化の分布を補正に用いることで参照データ検出時と被検体データ検出時の間に生じた干渉計の変化による影響を軽減した被検体の位相情報を取得することができる。尚、本実施例では、窓関数としてガウシアン窓を用いた。高次成分が偏角に対して与える影響を小さく抑え、且つ、干渉計に生じる変化の情報を効果的に取得するためには、ガウシアン窓を用いる場合、偏差σの大きさは縦横数百ピクセルの画像に対し、数十ピクセル程度であることが望ましい。より好的には画像の縦横のピクセル数n対してσはn/10〜n/3程度が良い。ここでは、縦横508ピクセルの画像に対しおよそn/4の64ピクセルを偏差σとした。
本実施例により算出された相対位相分布のシミュレーション結果を図6(a)と(b)に示す。図6(a)および(b)はそれぞれ、本実施例により取得したx方向(図面中の横方向)とy方向(図面中の縦方向)の干渉計の変化の分布である。干渉計の変化の分布の情報を補正に用いて被検体の位相情報を取得する方法について説明をする。まず、参考例1に記載の方法で参照データと被検体データを用いてフーリエ変換法を行い、微分位相を求める。ここで得られた微分位相像は、参考例1により得られた微分位相像(図11(a)と(b))と同じであり、仮情報の一種である仮の微分位相像である。次に、x方向の微分位相には図6(a)に示したx方向の干渉計の変化の分布を、y方向の微分位相には図6(b)に示したy方向の干渉計の変化の分布を用いて補正した微分位相像を取得する。図6(c)は、図11(a)に示したx方向の仮の微分位相像と図6(a)に示したx方向の干渉計の変化の分布の差分を取ることで取得した、補正したx方向の微分位相像である。図6(d)も同様に、図11(b)に示したy方向の仮の微分位相像と図6(b)に示したy方向の干渉計の変化の分布の差分を取ることで取得した、補正したy方向の微分位相像である。補正する前の仮の微分位相像よりも、補正した後の微分位相像の方が理論上の微分位相像である図4(b)と(c)に近づいたことから、干渉計の変化の分布の情報を用いた補正により微分位相像の正確性が向上したことが分かる。また、この図6(c)と(d)に示した補正したx方向とy方向の微分位相像の情報を積分することで取得した位相像を図6(e)に示す。参考例1、2により得られた位相像と比べて理論上の位相像である図4(d)に近づいていることから、干渉計の変化の分布の情報を用いた補正により位相像の正確性が向上していることが分かる。
本実施例では、参照データと被検体のデータの差である相対強度分布の情報に窓フーリエ変換を施して偏角を取ることで干渉計の変化の分布の情報を取得した。しかし、参照データと被検体のデータをそれぞれ窓フーリエ変換してから干渉計の変化の分布の情報を取得しても良い。例えば、参照データ(第1の強度分布)に窓フーリエ変換を施して偏角を取って第1の位相分布を取得し、同様に被検体データ(第2の強度分布)に窓フーリエ変換を施して偏角を取って第2の位相分布を取得する。その後、第1の位相分布と第2の位相分布の差分を取ることで干渉計の変化の分布を取得しても良い。
(実施例2)
実施例2では、実施例1と異なる方法で干渉計の変化の分布の情報を取得する方法について説明をする。本実施例ではフーリエ変換法のプロシージャ中において、干渉計の変化の分布の情報を取得する。図7に本実施例において、微分位相像の情報(位相情報)を取得するフローチャートを示した。
仮の微分位相像の情報を取得する方法は上述のフーリエ変換法による位相回復方法と同様である。つまり、相対強度分布の情報をフーリエ変換し(E1)波数空間上のキャリア周波数ピークを求める(E2)。フーリエ変換法により仮の微分位相像を取得するために、キャリア周波数スペクトルから一定の領域を抽出し(E3)、抽出したキャリア周波数スペクトルを原点に移動して(E4)逆フーリエ変換を行う(E5)。次にアンラップを行い(E6)、仮の微分位相像の情報を取得する(E7)。本実施例では、干渉計の変化の分布の情報を求めるために、E3で切り出した領域から、キャリアスペクトルとその近傍の狭い領域のスペクトルを抽出する(E8)。ここで抽出したスペクトルを原点に移動させ(E9)逆フーリエ変換を行うことで(E10)干渉計の変化の分布の情報を抽出する。
キャリアスペクトルとその近傍の領域のスペクトルには低次成分が含まれている。上述のように、空間周波数スペクトルにおいて、干渉計の変化の方が被検体による変化よりも低次成分として現れる傾向がある。そのため、キャリアスペクトルとその近傍の狭い領域のスペクトルから干渉計の変化の分布の情報を取得することができる。E8で抽出するスペクトルの領域が狭いほど低次の成分のみを抽出することができるため、被検体による変化の情報を含みにくいが、干渉計の変化の情報も取りこぼしやすくなる。反対に、E8で抽出するスペクトルの領域が広いほど干渉計の変化の情報を取りこぼしにくくなるが、被検体による変化の情報まで含みやすくなる。そこで、本実施例においてE8で抽出するスペクトルの領域の幅は、E3で仮の情報を取得するために抽出する領域の幅の1/10より小さく、1/30より大きいことが望ましい。ここで言う幅とは、波数空間上の周波数軸における幅である。具体的には、キャリアスペクトルの中心から、2乃至10ピクセル程度の領域が望ましい。ここでは4ピクセルの領域を抽出し、干渉計の変化の分布の情報を求めた。その結果を図8(a)、(b)に示した。
図8(a)はx方向の干渉計の変化の分布、(b)はy方向の干渉計の変化の分布である。図8(c)は、図11(a)に示したx方向の仮の微分位相像と図8(a)に示したx方向の干渉計の変化の分布の差分を取ることで取得した、補正したx方向の微分位相像である。図8(d)も同様に、図10(b)に示したy方向の仮の微分位相像と図8(b)に示したy方向の干渉計の変化の分布の差分を取ることで取得した、補正したy方向の微分位相像である。補正する前の仮の微分位相像よりも、補正した後の微分位相像の方が理論上の微分位相像である図4(b)と(c)に近づいたことから、本実施例で取得した干渉計の変化の分布の情報を用いた補正により微分位相像の正確性が向上したことが分かる。また、この図8(c)と(d)に示した補正したx方向とy方向の微分位相像の情報を積分することで取得した位相像を図8(e)に示す。参考例1、2により得られた位相像と比べて理論上の位相像である図4(d)に近づいていることから、干渉計の変化の分布の情報を用いた補正により位相像の正確性が向上していることが分かる。
尚、本実施例でも相対強度分布の情報を用いて干渉計の変化の分布の情報を取得したが、参照データと被検体のデータをそれぞれをフーリエ変換してから干渉計の変化の分布の情報を取得しても良い。例えば、参照データ(第1の強度分布)をフーリエ変換してキャリアスペクトルとその近傍のスペクトルを抽出して第1の位相分布を取得する。同様に被検体データ(第2の強度分布)をフーリエ変換してキャリアスペクトルとその近傍のスペクトルを抽出して第2の位相分布を取得し、第1の位相分布と第2の位相分布の差分を取ることで干渉計の変化の分布の情報を取得しても良い。
実施例1と実施例2では干渉計の変化の分布の情報を用いて仮の微分位相像の補正を行ったが、干渉計の変化の分布の情報に基づいて、直接装置にフィードバックをかけてもよい。こうすることで、経時変化の累積をリセットすることができるため、次回の強度分布検出時の干渉計の変化量を少なくすることができることがある。
(実施例3)
実施例3では、実施例2の変形例として、干渉計の変化の分布の情報と仮情報を取得せずに、干渉計の変化の分布の情報を有する領域の除去しつつ位相回復を行うことで、直接補正した被検体の位相情報を取得する方法について説明をする。
まず、実施例2と同様に相対強度分布をフーリエ変換して空間スペクトルを求める。次に、取得した空間スペクトルからキャリアスペクトルとその近傍の領域のスペクトル(実施例2においてE8で取り出したスペクトル)を取り除くことで、低次成分を除去した空間スペクトルを取得する。その低次成分を除去した空間スペクトルを用いて、一般的なフーリエ変換法と同様にキャリアスペクトルから一定の領域を取り出して原点へ移動し、逆フーリエ変換することにより、補正された微分位相像の情報を取得することができる。また、取り除かれたスペクトルを逆フーリエ変換すると相対強度分布を取得できる。ここで取り除くスペクトルの領域も3から10ピクセル程度の大きさが望ましい。ここでは2ピクセル分のスペクトルを取り除いて相対強度分布を取得したシミュレーション結果を図9(a)と(b)に示す。
図9(a)および(b)はそれぞれ、本実施例により取得したx方向(図面中の横方向)とy方向(図面中の縦方向)の相対位相分布である。
また、図9(c)、(d)はそれぞれ、本実施例により取得された補正されたx方向とy方向の微分位相像である。また、図9(e)は図9(c)、(d)に示した微分位相像を積分することによって取得した位相像である。実施例1、2と同様に、参考例1,2よりも理論上の微分位相像と位相像に近い像を得ることができた。
尚、この低次成分を除去した空間スペクトルをそのまま(キャリアスペクトルから一定領域を取り出して原点へ移動することなく)逆フーリエ変換を行うと、低次成分を除去した相対強度分布を得ることができる。
(実施例4)
以上の参考例及び実施例はフーリエ変換法を用いて被検体の情報を取得したが、これらの手法は位相シフト法にも同様にも適用することができる。位相シフト法では干渉パターンと遮蔽格子の相対位置を変えつつX線の検出を行うことで複数枚のモアレ像を取得し、それら複数回分の検出結果の情報から位相を取得する。しかし、各々の検出の間に、干渉計の変化(干渉パターンと遮蔽格子の相対位置変化以外の変化と、相対位置変化の誤差)が生じることがある。この干渉計の変化が、検出結果の情報から得られる被検体の情報に影響を及ぼす。そこで、本実施例では、位相シフト法を用いる場合に複数回分の検出結果同士に生じた干渉計の変化の補正に干渉計の変化の分布を用いる方法について説明をする。
位相シフト法に用いるモアレは、大きく分けると二種類ある。一つ目は特許文献1のようにフーリエ変換法と同様に周期の短いフリンジを有するものであり、二つ目は周期の長い(周期無限大を含む)フリンジを有するものである。尚、本実施例においてモアレは干渉パターンと遮蔽格子により検出器の検出面上に形成される強度分布そのものを指し、フリンジはモアレが有する周期的な強度分布のことを指す。フリンジの周期に関わらず、干渉計の変化分布を求めることで、微分位相像の情報を補正することができる。この補正により、被検体の微分位相像の情報の定量性を上げることができる。
周期の短いフリンジを有するモアレを用いる場合について説明をする。
ここで、周期が短いフリンジとは、画像の縦横のピクセル数nに対してn/32よりも短い周期を有するフリンジのことを指す。位相シフト法に用いるフリンジの周期が、n/32よりも小さい場合には、まず、実施例2の場合と同様にフーリエ変換によって波数空間スペクトルの情報を取得する。
そして、波数空間スペクトルからキャリアスペクトル近傍の狭い領域を除去する。これにより、キャリアスペクトル近傍の狭い領域に含まれる干渉計変化の分布の情報を除去することができる。その狭い領域を除去した波数空間スペクトルを逆フーリエ変換することによって、補正されたモアレを求める。除去する領域の幅は波数空間上におけるキャリアスペクトルの中心と原点の距離の1/10より小さく1/30より大きいことが望ましい。
これをすべての検出結果の情報に対して実施し、複数の補正されたモアレの情報を取得する。そして、得られた複数の補正されたモアレの情報から被検体の情報を取得する。この方法は、キャリアスペクトル近傍の狭い領域を除去して補正されたモアレを求める点が従来の位相シフト法と異なるが、複数のモアレを用いて位相回復することで、被検体の情報を取得する点は従来の位相シフト法と共通する。つまり、補正されたモアレの情報から被検体の情報を取得する際には、位相シフト法に用いられる種々のアルゴリズムを用いることができる。
周期の長いフリンジを有するモアレを用いる場合について説明をする。
ここで、周期が長いフリンジとは、画像の縦横のピクセル数nに対してn/32よりも長い周期を有するフリンジのことを指す。位相シフト法に用いるフリンジの周期が、n/32よりも長い場合には、上述のようにフーリエ変換によって波数空間スペクトルの情報を取得しても、キャリア周波数スペクトルと波数空間原点の距離が短い。そのため、干渉計変化の分布を有する領域(低次成分の情報を有する領域)の除去が難しくなる。このような場合は、位相シフトによる位相回復を実施して仮の微分位相像を求め、これをフーリエ変換することで仮の微分位相像の周波数スペクトルを取得する。
この波数空間スペクトルにおいて、キャリア周波数スペクトルは波数空間の原点にピークを持っているため、このスペクトルから一定の距離の領域(つまり、原点から一定の距離の領域)を除去することで、干渉計の変化の分布の情報を除去することができる。尚、除去する領域の幅は、画像の縦横のピクセル数n対してn/10以上、n/3以下であることが好ましい。原点に現れるピークから一定の距離の領域を除去した波数空間スペクトルを逆フーリエ変換することで、仮の微分位相像の情報を補正した情報、つまり、微分位相像の情報を取得することができる。尚、この方法は周期が長いフリンジを持つモアレを用いて位相シフト法を行う場合だけでなく、周期が短いフリンジを持つモアレを用いて位相シフト法を行う場合にも用いることができる。また、フーリエ変換法を用いて仮の微分位相像を求める場合にも用いることができる。つまり、フーリエ変換を用いて求めた仮の微分位相像の情報を再度フーリエ変換し、得られた波数空間スペクトルの原点から一定の領域を除去して逆フーリエ変換することで微分位相像を求めても良い。
図10(c)は、図10(a),(b)に示した微分位相像を仮の微分位相像として本実施例の方法で被検体の位相像の情報を取得したシミュレーション結果である。尚、図10(a)が図中の横方向に微分した微分位相像であり、図10(b)が図中の縦方向に微分した微分位相像である。図10(a),(b)は、周期が無限大のモアレを用いて取得した微分位相像であるため、上述した二つの方法のうち、周期が長いモアレに用いられる方法を用いて被検体の位相像の情報を算出した。つまり、図10(a)、(b)のそれぞれの情報をフーリエ変換し、2つの波数空間スペクトルを取得する。取得した2つの波数空間スペクトルにおいて、原点から一定の領域の情報を除去し、この周波数スペクトルを逆フーリエ変換することで2つの補正した微分位相像(不図示)の情報を取得する。
更に、得られた2つの補正した微分位相像の情報を積分して被検体の位相像(図10(c))の情報を取得した。図10(a),(b)に示した微分位相像の情報を積分して得られた被検体の位相像を図12に示す。
表1は参考例1、2および位相シフト法における従来例(参考例3とする)と実施例1、2、3、4で取得した位相像の情報と、理論上の位相像(図4(d)に示した像)の情報と誤差を偏差で表した表である。位相像を構成する一つ一つの値と理論上の位相像の情報の一つ一つの値の誤差を算出し、偏差で表した。数値が小さいほど取得した位相が正確であることを示す。
表1を見ても、実施例1、2、3、4を用いることで、参考例よりも正確な位相像を取得できることが分かる。
尚、実施例1、2、3および4では2次元トールボット干渉計を用いたが、干渉計として1次元のモアレを形成する1次元トールボット干渉計に用いることができる。また、その他の1次元又は2次元の干渉パターン(モアレを含む)を形成する干渉計にも同様に適用可能である。微分干渉計ではない干渉計に適用する場合、上述の方法で取得される干渉計の変化の分布は、干渉計による位相の変化量の分布なので、位相像の情報の補正に用いる。
(その他の実施形態)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の演算装置の演算方法を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給する。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
1 被検体情報取得装置
110 X線源
210 被検体
310 回折格子
410 遮蔽格子
510 検出器
610 演算部
810 X線トールボット干渉計

Claims (20)

  1. 光源からの光が入射することで干渉パターンを形成する光学素子と、前記干渉パターンを検出する検出器とを有する干渉計と、
    前記検出器により検出された第1の検出結果と第2の検出結果とを用いて被検体の位相に関する情報を取得する演算部と、を備え、
    前記演算部は、前記第1の検出結果と前記第2の検出結果とから取得した干渉計の変化の分布の情報を用いて前記被検体の位相に関する情報を取得することを特徴とする被検体情報取得装置。
  2. 前記干渉計の変化の分布の情報は、
    前記第1の検出結果と前記第2の検出結果との差のうち、低次成分の分布の情報であることを特徴とする請求項1に記載の被検体情報取得装置。
  3. 前記干渉計の変化の分布の情報は、
    フーリエ変換を用いて取得され、
    前記被検体の位相に関する情報を取得する際に補正に用いられることを特徴とする請求項1又は2に記載の被検体情報取得装置。
  4. 前記演算部は、
    前記第1の検出結果と前記第2の検出結果のそれぞれ、又は前記第1の検出結果と前記第2の検出結果との差分である相対強度分布の情報を窓フーリエ変換し、偏角をとることを複数回行うことで前記干渉計の変化の分布の情報を取得することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の被検体情報取得装置。
  5. 前記演算部は、
    前記第1の検出結果と前記第2の検出結果のそれぞれ、又は前記第1の検出結果と前記第2の検出結果との差分である相対強度分布の情報をフーリエ変換することで空間周波数スペクトルを取得し、
    前記空間周波数スペクトルからキャリア周波数を中心とする領域を抽出して前記被検体の位相に関する仮情報を取得し、
    前記キャリア周波数を中心とし、且つ、前記被検体の位相に関する仮情報を取得する際に抽出した領域よりも狭い領域を抽出して前記干渉計の変化の分布の情報を取得し、前記干渉計の変化の分布の情報を用いて前記被検体の位相に関する仮情報を補正することにより前記被検体の位相に関する情報を取得することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の被検体情報取得装置。
  6. 前記被検体の位相に関する仮情報を取得する際に抽出した領域の幅の1/30よりも大きく、1/10よりも小さい幅の領域を用いて前記干渉計の変化の分布の情報を取得することを特徴とする請求項5に記載の被検体情報取得装置。
  7. 前記演算部は、
    前記第1の検出結果から第1の位相分布の情報を、前記第2の検出結果から第2の位相分布の情報を、夫々取得し、
    前記第1の位相分布の情報と前記第2の位相分布の情報とから前記干渉計の変化の分布の情報を取得することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の被検体情報取得装置。
  8. 前記第1の位相分布の情報は、前記第1の検出結果が有する低次成分の分布の情報であり、
    前記第2の位相分布の情報は、前記第2の検出結果が有する低次成分の分布の情報であることを特徴とする請求項7に記載の被検体情報取得装置。
  9. 前記演算部は、前記第1の検出結果と前記第2の検出結果との差分である相対強度分布の情報から前記干渉計の変化の分布の情報を取得する請求項1乃至3のいずれかに記載の被検体情報取得装置。
  10. 前記演算部は、
    前記第1の検出結果と前記第2の検出結果とを用いた位相シフト法により前記被検体の位相に関する仮情報を取得し、
    前記仮情報をフーリエ変換して取得した波数空間スペクトルの原点から一定の距離の領域を除去することを特徴とする請求項1に記載の被検体情報取得装置。
  11. 光源からの光が入射することで干渉パターンを形成する光学素子と、前記干渉パターンを検出する検出器とを有する干渉計と、
    前記検出器により検出された第1の検出結果と第2の検出結果とを用いて被検体の位相に関する情報を取得する演算部と、を備え、
    前記演算部は、前記第1の検出結果と前記第2の検出結果との差のうち干渉計の変化の分布の情報を有する領域を除去して前記被検体の位相に関する情報を取得することを特徴とする被検体情報取得装置。
  12. 前記演算部は、
    前記第1の検出結果と前記第2の検出結果のそれぞれ、又は前記第1の検出結果と前記第2の検出結果との差である相対強度分布をフーリエ変換することにより空間周波数スペクトルを取得し、
    前記空間周波数スペクトルからキャリア周波数を中心とする、干渉計の変化の分布の情報を有する領域を除去することで、前記第1の検出結果と前記第2の検出結果との差のうち干渉計の変化の分布の情報を取り除くことを特徴とする請求項11に記載の被検体情報取得装置。
  13. 前記干渉計の変化の分布の情報を有する領域とは、
    低次成分の分布の情報を有する領域であることを特徴とする請求項11又は12に記載の被検体情報取得装置。
  14. 前記干渉計の変化の分布の情報を有する領域とは、前記キャリア周波数を中心とする2乃至10ピクセルの領域であることを特徴とする請求項12に記載の被検体情報取得装置。
  15. 前記演算部は、前記干渉計の変化の分布の情報を有する領域を除去した空間周波数スペクトルを用いて、位相シフト法又はフーリエ変換法による位相回復を行うことより被検体の情報を取得することを特徴とする請求項11乃至14のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  16. 前記被検体の位相に関する情報は、前記被検体の微分位相像の情報、前記被検体の位相像の情報のうちの少なくともいずれか1つであることを特徴とする請求項1乃至15のいずれ1項に記載の被検体情報取得装置。
  17. 前記演算部は、前記検出器による3つ以上の検出結果から前記位相に関する情報を取得することを特徴とする請求項1乃至16のいずれ1項に記載の被検体情報取得装置。
  18. 前記干渉計は微分干渉計であることを特徴とする請求項1乃至15のいずれ1項に記載の被検体情報取得装置。
  19. 干渉計が備える検出器による、第1の検出結果と第2の検出結果とから被検体の位相に関する情報を取得するプログラムであって、
    前記第1の検出結果と前記第2の検出結果とから干渉計の変化の分布の情報を取得し、
    前記干渉計の変化の分布の情報を用いて前記被検体の位相に関する情報を取得するプログラム。
  20. 干渉計が備える検出器による、第1の検出結果と第2の検出結果とから被検体の位相に関する情報を取得するプログラムであって、
    前記第1の検出結果と前記第2の検出結果との差のうち干渉計の変化の分布の情報を有する領域を除去して前記被検体の位相に関する情報を取得することを特徴とするプログラム。
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