JP2014006165A - 伝熱管の振動抑制装置及び蒸気発生器 - Google Patents

伝熱管の振動抑制装置及び蒸気発生器 Download PDF

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Abstract

【課題】伝熱管の振動抑制装置及び蒸気発生器において、伝熱管の振動を適正に抑制することができる。
【解決手段】可撓性を有して伝熱管66の内部に配置されるワイヤ101と、このワイヤ101の外周部に所定の第1隙間S1をもって装着されると共に伝熱管66の内周面に所定の第2隙間S2a,S2bをもって配置される複数のスリーブ102,103とを設ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、熱交換器に用いられる多数の伝熱管の振動を抑制するための伝熱管の振動抑制装置、並びに、この伝熱管の振動抑制装置が適用された蒸気発生器に関するものである。
原子力発電プラントは、原子炉、蒸気発生器、蒸気タービン、発電機などにより構成されている。例えば、加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)は、軽水を原子炉冷却材及び中性子減速材として使用し、炉心全体にわたって沸騰しない高温高圧水を生成する。蒸気発生器は、この高温高圧水(一次冷却水)と二次冷却水との間で熱交換し、蒸気を生成する。蒸気タービンは、この蒸気によりタービンを駆動し、発電機はこの駆動力により発電する。
この蒸気発生器は、中空密閉形状をなす胴部内に、その内壁面と所定間隔をもって管群外筒が配設され、この管群外筒内に逆U字形状をなす複数の伝熱管が配設され、各伝熱管の端部が管板に支持され、胴部の下端部に一次冷却水の入口側水室鏡と出口側水室鏡が形成されている。また、胴部は、内部に管群外筒の上方に位置して二次冷却水の入口部が設けられると共に、気水分離器及び湿分分離器が上下に並んで配設され、その上方に蒸気出口が設けられている。
従って、冷却水配管より入口側水室鏡を通して複数の伝熱管に一次冷却水が供給される一方、入口部からこの胴部内に二次冷却水が供給される。すると、複数の伝熱管内を流れる一次冷却水(熱水)と胴部内を循環する二次冷却水(冷水)との間で熱交換を行われることで、二次冷却水が熱を吸収して水蒸気が生成される。そして、生成された蒸気が気水分離器により水分が除去され、湿分分離器により湿分が除去された蒸気が蒸気出口から排出される一方、熱交換を終了した一次冷却水が出口側水室鏡から排出される。
ところで、蒸気発生器は、複数の伝熱管内に一次冷却水としての高圧水が供給され、外部の二次冷却水を加熱して蒸気を生成することから、この伝熱管が振動しやすい。この場合、伝熱管は、下端部が管板に支持されており、上部のUベンド部が各伝熱管の間に挿入された振れ止め金具により支持されている。しかし、伝熱管は、長期間の使用により部分的に劣化するおそれがあり、また、管支持板の貫通孔や振れ止め金具との接触部で磨耗が発生し、薄肉化を招いてしまうことがある。伝熱管は、劣化したり、薄肉化したりしてしまうと、機能が損なわれる可能性があることから使用不能とし、伝熱管の各端部に栓を固定して一次冷却水の流入を阻止すると共に、内部にスタビライザ(ワイヤなど)を挿入して振動を抑制するようにしている。
このような技術として、通常の振動安定方法としては、単一または複数のワイヤのみから構成するスタビライザがある。更に、機能を強化したものとして、例えば、下記特許文献に記載されてものがある。特許文献1に記載された熱交換管振動安定方法及び装置は、ケーブルに軸方向に所定間隔で複数のスリーブを固定すると共に、先端部に先端組立体を固定する一方、管プラグ取付けシール組立体をして構成され、この振動安定装置を伝熱管内に挿入して固定することで、劣化した管の振動を安定させるようにしている。また、特許文献2に記載された振動状態にある管の振動エネルギの吸収方法及び装置は、ケーブル先端部材に複数のケーブルを介してケーブル端部取付具を連結して構成され、この吸収装置を伝熱管内に挿入することで、管の振動エネルギを吸収させるようにしている。
特開昭60−159595号公報 特許第2759090号公報
ところが、単純なワイヤのみの構造のものはもちろんのこと、機能を強化した場合にあっても、上述した従来の熱交換管振動安定装置は、ケーブルに複数のスリーブが固定されていることから、伝熱管が振動したとき、振動安定装置が一体に振動してしまうおそれがあり、伝熱管の振動を十分に抑制することができない。また、管の振動エネルギの吸収装置にあっては、管内に複数のケーブルが配置されているだけであり、この場合であっても、伝熱管が振動したとき、ケーブルが一体に振動してしまうおそれがあり、伝熱管の振動を十分に抑制することができない。
本発明は、上述した課題を解決するものであり、伝熱管の振動を適正に抑制することができる伝熱管の振動抑制装置及び蒸気発生器を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明の伝熱管の振動抑制装置は、可撓性を有して伝熱管の内部に配置される索状部材と、前記索状部材の外部に所定の第1隙間をもって装着されると共に前記伝熱管の内面に所定の第2隙間をもって配置される複数のスリーブと、を有することを特徴とするものである。
従って、スリーブが、第1隙間だけ索状部材と離間し、第2隙間だけ伝熱管と離間していることから、伝熱管と索状部材とスリーブが径方向に対して互いに相対移動可能となっている。そのため、伝熱管が振動すると、索状部材と各スリーブが伝熱管の径方向に相対移動し、索状部材とスリーブと伝熱管が互いに干渉することとなり、伝熱管の振動エネルギがスリーブの振動エネルギにより消散され、伝熱管の振動を効果的に吸収して抑制することができる。
本発明の伝熱管の振動抑制装置では、前記スリーブは、外面が球面形状をなすことを特徴としている。
従って、スリーブの外面が球面形状であることから、スリーブを伝熱管内に挿入するとき、伝熱管が湾曲していても、複数のスリーブを容易に挿入することができ、伝熱管の形状に拘わらず、複数のスリーブを適正に挿入して作業性を向上することができる。球体に対して貫通孔を加工するだけでスリーブを形成することができ、製造コストを低減することができる。
本発明の伝熱管の振動抑制装置では、前記スリーブは、外径が相違する第1スリーブと第2スリーブを有することを特徴としている。
従って、索状部材に外径が相違する2種類のスリーブを配置することで、伝熱管が振動するとき、第1スリーブが第2隙間だけ伝熱管に対して相対移動するが、第2スリーブは、第1スリーブが伝熱管の内面に接触した位置から大きい第2隙間だけ更に伝熱管に対して相対移動することとなり、伝熱管の振動に対して、第2スリーブが逆方向へ大きく振動することとなり、伝熱管の振動エネルギを効率良く消散することができる。
本発明の伝熱管の振動抑制装置では、前記第1スリーブは、外面が球面形状をなし、前記第2スリーブは、外面が円形状をなし、前記第1スリーブの外径が前記第2スリーブの外径より大きく設定されることを特徴としている。
従って、球面形状をなす第1スリーブが円形状をなす第2スリーブより大径に設定されることで、伝熱管が振動するとき、第1スリーブが移動して伝熱管の内面に接触した後、第2スリーブが移動することができ、伝熱管の振動を効率良く抑制することができる。
本発明の伝熱管の振動抑制装置では、前記複数の第1スリーブの間に前記第2スリーブが配置されることを特徴としている。
従って、伝熱管の振動に対して、第1スリーブと第2スリーブを効率良く相対移動させることができる。
本発明の伝熱管の振動抑制装置では、前記複数のスリーブは、前記索状部材に対して該索状部材の長手方向に移動自在に装着されることを特徴としている。
従って、スリーブは、伝熱管に対して軸心方向に相対移動可能となっている。そのため、伝熱管が振動すると、各スリーブが伝熱管の軸心方向に相対移動し、スリーブと伝熱管が互いに干渉することとなり、伝熱管の振動エネルギがスリーブの振動エネルギにより消散され、伝熱管の振動を効果的に吸収して抑制することができる。
本発明の伝熱管の振動抑制装置では、前記索状部材に一対の位置決め部材が所定間隔をあけて固定され、前記一対の位置決め部材の間に前記スリーブが移動自在に配置されることを特徴としている。
従って、一対の位置決め部材によりスリーブの移動範囲が規定されることで、伝熱管に対するスリーブの位置を規定することが可能となり、伝熱管における振動範囲にスリーブを効果的に配置することができる。
本発明の伝熱管の振動抑制装置では、前記位置決め部材と前記スリーブとの間、または、前記複数のスリーブの間に所定の第3隙間が設けられることを特徴としている。
従って、スリーブは、一対の位置決め部材の間で、第3隙間だけ伝熱管に対して軸心方向に相対移動可能となっている。そのため、伝熱管が振動したとき、スリーブは、伝熱管に対して第3隙間だけ相対移動することとなり、伝熱管の振動を効果的に吸収して抑制することができる。
本発明の伝熱管の振動抑制装置では、前記位置決め部材と前記スリーブとの間、または、前記複数のスリーブの間に付勢部材が介装されることを特徴としている。
従って、伝熱管が振動したとき、スリーブは、伝熱管に対して相対移動することとなり、また、このとき、付勢部材の弾性力によりその移動が促進されることとなり、伝熱管の振動を効果的に吸収して抑制することができる。
本発明の伝熱管の振動抑制装置では、前記複数のスリーブは、前記索状部材の外部に前記第1隙間をもって装着される内側スリーブと、該内側スリーブの外部に所定の第4隙間をもって装着されると共に前記伝熱管の内面に前記第2隙間をもって配置される外側スリーブを有することを特徴としている。
従って、スリーブは、伝熱管に対して径方向及び軸心方向に相対移動可能であることから、伝熱管が振動する方向に拘わらず、スリーブが適正に相対移動することで、伝熱管の振動を効果的に吸収して抑制することができる。
本発明の伝熱管の振動抑制装置では、前記索状部材は、先端部に牽引部が連結され、後端部に前記伝熱管の端部を閉塞する施栓部材を連結できることを特徴としている。
従って、牽引部により索状部材を介してスリーブを容易に伝熱管内の所定の位置に配置することができると共に、施栓部材により伝熱管の端部を容易に閉塞することができ、作業性を向上することができる。
本発明の伝熱管の振動抑制装置では、前記伝熱管は、U字形状部を有し、前記複数のスリーブは、前記U字形状部に配置されることを特徴としている。
従って、複数のスリーブの相対移動により伝熱管のU字形状部の振動を適正に抑制することができる。
また、本発明の蒸気発生器は、中空密閉形状をなす胴部と、前記胴部内に逆U字形状をなすように配設されて一次冷却水が流動する複数の伝熱管からなる伝熱管群と、前記胴部内の下部に固定されて前記複数の伝熱管の端部を支持する管板と、前記胴部の下端部に設けられて前記複数の伝熱管の各端部に連通する入口側水室鏡及び出口側水室鏡と、前記胴部内に二次冷却水を供給する給水部と、前記胴部の上端部に設けられる蒸気出口と、を備える蒸気発生器において、いずれか一つの伝熱管の振動抑制装置が設けられる、ことを特徴とするものである。
従って、複数の伝熱管の内部に一次冷却水としての高圧水が流動し、胴部内を流れる二次冷却水を加熱して蒸気を生成するとき、伝熱管が振動しやすい。このとき、伝熱管が振動すると、索状部材と各スリーブが伝熱管の径方向に互いに相対移動し、索状部材とスリーブと伝熱管が互いに干渉することとなり、伝熱管の振動エネルギが索状部材及びスリーブの振動エネルギにより消散され、伝熱管の振動を効果的に吸収して抑制することができる。
本発明の伝熱管の振動抑制装置及び蒸気発生器によれば、可撓性を有する索状部材と、索状部材の外部に第1隙間をもって装着されると共に伝熱管の内面に第2隙間をもって配置される複数のスリーブとを設けるので、伝熱管に対して索状部材とスリーブが相対移動することで、伝熱管の振動を適正に、且つ、効果的に吸収して抑制することができる。
図1は、本発明の実施例1に係る伝熱管の振動抑制装置の蒸気発生器への取付状態を表す概略図である。 図2は、実施例1の伝熱管の振動抑制装置の正面図である。 図3は、実施例1の伝熱管の振動抑制装置の要部断面図である。 図4は、振動抑制装置の要部断面を表す図2のIV−IV断面図である。 図5は、振動抑制装置の要部断面を表す図2のV−V断面図である。 図6は、振動抑制装置の要部断面を表す図2のVI−VI断面図である。 図7は、実施例1の蒸気発生器が適用された原子力発電プラントの概略構成図である。 図8は、実施例1の蒸気発生器を表す概略構成図である。 図9は、本発明の実施例2に係る伝熱管の振動抑制装置の正面図である。 図10は、実施例2の伝熱管の振動抑制装置の要部断面図である。 図11は、本発明の実施例3に係る伝熱管の振動抑制装置の正面図である。 図12は、実施例3の伝熱管の振動抑制装置の要部断面図である。 図13は、本発明の実施例4に係る伝熱管の振動抑制装置の正面図である。 図14は、実施例4の伝熱管の振動抑制装置の要部断面図である。 図15は、本発明の実施例5に係る伝熱管の振動抑制装置の要部断面図である。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る伝熱管の振動抑制装置及び蒸気発生器の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではなく、また、実施例が複数ある場合には、各実施例を組み合わせて構成するものも含むものである。
図1は、本発明の実施例1に係る伝熱管の振動抑制装置の蒸気発生器への取付状態を表す概略図、図2は、実施例1の伝熱管の振動抑制装置の正面図、図3は、実施例1の伝熱管の振動抑制装置の要部断面図、図4は、振動抑制装置の要部断面を表す図2のIV−IV断面図、図5は、振動抑制装置の要部断面を表す図2のV−V断面図、図6は、振動抑制装置の要部断面を表す図2のVI−VI断面図、図7は、実施例1の蒸気発生器が適用された原子力発電プラントの概略構成図、図8は、実施例1の蒸気発生器を表す概略構成図である。
実施例1の原子炉は、軽水を原子炉冷却材及び中性子減速材として使用し、炉心全体にわたって沸騰しない高温高圧水とし、この高温高圧水を蒸気発生器に送って熱交換により蒸気を発生させ、この蒸気をタービン発電機へ送って発電する加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)である。
実施例1の加圧水型原子炉を有する原子力発電プラントにおいて、図7に示すように、原子炉格納容器11は、内部に加圧水型原子炉12及び蒸気発生器13が格納されており、この加圧水型原子炉12と蒸気発生器13とは高温側送給配管14と低温側送給配管15を介して連結されており、高温側送給配管14に加圧器16が設けられ、低温側送給配管15に一次冷却水ポンプ17が設けられている。この場合、減速材及び一次冷却水(冷却材)として軽水を用い、炉心部における一次冷却水の沸騰を抑制するために、一次冷却系統は加圧器16により150〜160気圧程度の高圧状態を維持するように制御している。
従って、加圧水型原子炉12にて、燃料(原子燃料)として低濃縮ウランまたはMOXにより一次冷却水として軽水が加熱され、高温の一次冷却水が加圧器16により所定の高圧に維持された状態で、高温側送給配管14を通して蒸気発生器13に送られる。この蒸気発生器13では、高温高圧の一次冷却水と二次冷却水との間で熱交換が行われ、冷やされた一次冷却水は低温側送給配管15を通して加圧水型原子炉12に戻される。
蒸気発生器13は、加熱された二次冷却水、つまり、蒸気を送給する配管31を介して蒸気タービン32と連結されており、この配管31に主蒸気隔離弁33が設けられている。蒸気タービン32は、高圧タービン34と低圧タービン35を有すると共に、発電機(発電装置)36が接続されている。また、高圧タービン34と低圧タービン35は、その間に湿分分離加熱器37が設けられており、配管31から分岐した冷却水分岐配管38が湿分分離加熱器37に連結される一方、高圧タービン34と湿分分離加熱器37は低温再熱管39により連結され、湿分分離加熱器37と低圧タービン35は高温再熱管40により連結されている。
更に、蒸気タービン32の低圧タービン35は、復水器41を有しており、この復水器41は、配管31からバイパス弁42を有するタービンバイパス配管43が接続されると共に、冷却水(例えば、海水)を給排する取水管44及び排水管45が連結されている。この取水管44は、循環水ポンプ46を有し、排水管45と共に他端部が海中に配置されている。
そして、この復水器41は、配管47が接続されており、復水ポンプ48、グランドコンデンサ49、復水脱塩装置50、復水ブースタポンプ51、低圧給水加熱器52が接続されている。また、配管47は、脱気器53が連結されると共に、主給水ポンプ54、高圧給水加熱器55、主給水制御弁56が設けられている。
従って、蒸気発生器13にて、高温高圧の一次冷却水と熱交換を行って生成された蒸気は、配管31を通して蒸気タービン32(高圧タービン34から低圧タービン35)に送られ、この蒸気により蒸気タービン32を駆動して発電機36により発電を行う。このとき、蒸気発生器13からの蒸気は、高圧タービン34を駆動した後、湿分分離加熱器37で蒸気に含まれる湿分が除去されると共に加熱されてから低圧タービン35を駆動する。そして、蒸気タービン32を駆動した蒸気は、復水器41で海水を用いて冷却されて復水となり、グランドコンデンサ49、復水脱塩装置50、低圧給水加熱器52、脱気器53、高圧給水加熱器55などを通して蒸気発生器13に戻される。
このように構成された原子力発電プラントの蒸気発生器13において、図8に示すように、胴部61は、密閉された中空円筒形状をなし、上部に対して下部が若干小径となっている。この胴部61は、その下部に内壁面と所定間隔をもって円筒形状をなす管群外筒62が配設されている。この管群外筒62は、内部に所定の高さ位置に対応して複数の管支持板63が配設されると共に、この管支持板63の下方に管板64が固定されており、各管支持板63は、管板64から上方に延設された複数のステーロッド65により支持されている。そして、この管群外筒62は、内部に逆U字形状をなす複数の伝熱管66からなる伝熱管群67が配設されている。
伝熱管群67にて、各伝熱管66は、上部がU字形状部としてのUベンド部68が構成され、下端部が管板64に拡管して支持されると共に、中間部(中途部)が複数の管支持板63により支持されている。Uベンド部68は、複数の伝熱管が管群外筒62の内外方向(上下方向)に略平行をなして配置されると共に、管群外筒62の径方向(水平方向)に略平行をなして配置されている。そして、管群外筒62の径方向に配置された各伝熱管は、その間に複数の振れ止め金具69が介装されている。
また、胴部61は、下部が球面形状をなし、管板64の下方に隔壁70により入室71と出室72が区画形成されると共に、入口ノズル73及び出口ノズル74が形成され、各伝熱管66の一端部が入室71に連通し、他端部が出室72に連通している。
また、胴部61は、伝熱管群67の上方に給水を蒸気と熱水とに分離する気水分離器75と、この分離された蒸気の湿分を除去して乾き蒸気に近い状態とする湿分分離器76が設けられている。また、胴部61は、伝熱管群67と気水分離器75との間に、内部に二次冷却水の給水を行う給水管77が連結される一方、天井部に蒸気出口78が形成されている。即ち、給水管77から内部に給水された二次冷却水は、管群外筒62との間を流下し、管板64にて上方に循環し、伝熱管群67内を上昇するときに各伝熱管66内を流れる熱水(一次冷却水)との熱交換を行う。
従って、図7及び図8に示すように、加圧水型原子炉12で加熱された一次冷却水が高温側送給配管14を通して蒸気発生器13の入室71に送られ、多数の伝熱管66内を通って循環して出室72に至る。一方、復水器41で冷却された二次冷却水が冷却水配管47を通して蒸気発生器13の給水管77に送られ、胴部61内を通って伝熱管66内を流れる熱水(一次冷却水)と熱交換を行う。即ち、胴部61は、内部で高圧高温の一次冷却水と二次冷却水との間で熱交換が行われ、冷やされた一次冷却水は出室72から冷却水配管15を通して加圧水型原子炉12に戻される。一方、高圧高温の一次冷却水と熱交換を行った二次冷却水は、胴部61内を上昇し、気水分離器75で蒸気と熱水とに分離され、湿分分離器76でこの蒸気の湿分を除去され、蒸気出口78から配管31を通して蒸気タービン32に送られる。
このように構成された蒸気発生器13にて、図1に示すように、複数の伝熱管66は、内部に一次冷却水としての高圧水が流動し、胴部61内を流れる二次冷却水を加熱して蒸気を生成することから、振動しやすい。伝熱管66は、下端部が管板64に支持され、Uベンド部68が振れ止め金具69により支持されているものの、振動の発生の可能性がある。そのため、伝熱管66は、長期間の使用により管支持板63の貫通孔や振れ止め金具69との接触部で磨耗が発生したりすることがある。この場合、伝熱管66は、機能が損なわれる可能性があることから使用不能とし、伝熱管66の各端部に栓を装着して一次冷却水の流入を阻止すると共に、内部に振れ止め部材を挿入して振動を抑制している。
実施例1の伝熱管の振動抑制装置100は、蒸気発生器13にて、使用不能となった伝熱管66内に装着することで、この伝熱管66の端部をプラグ108により施栓して一次冷却水の流入を阻止し、プラグ108により施栓した伝熱管66、特に、Uベンド部68の振動を抑制するものである。
この振動抑制装置100は、図2から図6に示すように、可撓性を有して伝熱管66の内部に配置されるワイヤ(索状部材)101と、このワイヤ101の外部に所定の第1隙間S1をもって装着されると共に伝熱管66の内面に所定の第2隙間S2a,S2bをもって配置される複数のスリーブ102,103とを有している。そして、ワイヤ101は、先端部にフック(牽引部)104が連結され、後端部に伝熱管66の端部を閉塞するプラグ(施栓部材)108と締結可能な端部金具105が連結されている。
ワイヤ101は、ステンレス製であって、外径が伝熱管66の内径より小さく、長さが伝熱管66の長さより短いものとなっている。フック104は、ワイヤ101の先端部が所定長さだけ連結部111内に嵌入し、溶接により連結されている。このフック104は、外径が伝熱管66の内径より小さく、この伝熱管66内に挿通可能となっており、端部に連結孔112が形成され、後述する牽引用ワイヤ107の端部が連結可能となっている。
また、端部金具105は、ワイヤ101の後端部が所定長さだけ連結部113内に嵌入し、溶接により連結されている。この端部金具105は、外径が伝熱管66の内径より若干小さく、この伝熱管66内に挿通可能であると共に、端部にねじ部を有し、同様なねじ部を有するプラグ108を連結することが可能となっている。
スリーブ102,103は、外径が相違する第1スリーブ102と第2スリーブ103である。第1スリーブ102は、外面が球面形状をなし、第2スリーブ103は、外面が円筒形状をなし、第1スリーブ102の外径が第2スリーブ103の外径より大径に設定されている。この場合、第1スリーブ102と第2スリーブ103は、外径が相違するものの、長さはほぼ同様のものとなっており、第1スリーブ102の重量が第2スリーブ103の重量より重く設定されている。
即ち、第1スリーブ102は、筒形状をなし、ワイヤ101が挿通する挿通孔121が形成され、ワイヤ101の外周面と挿通孔121の内周面との間に第1隙間S1が設けられている。また、第1スリーブ102は、外面が球面形状をなし、伝熱管66の内周面と第1スリーブ102の外面との間に第2隙間S2aが設けられている。一方、第2スリーブ103は、筒形状をなし、ワイヤ101が挿通する挿通孔122が形成され、ワイヤ101の外周面と挿通孔122の内周面との間に第1隙間S1が設けられている。また、第2スリーブ103は、外周面が円形状をなし、伝熱管66の内周面と第2スリーブ103の外面との間に第2隙間S2bが設けられている。
ワイヤ101は、フック104から所定距離だけ離間した位置に固定スリーブ(位置決め部材)123が、例えば、かしめにより固定される一方、端部金具105から所定距離だけ離間した位置に固定スリーブ(位置決め部材)124が、例えば、かしめにより固定されている。この固定スリーブ123,124は、筒形状をなし、ワイヤ101が挿通する挿通孔125,126が形成され、ワイヤ101の外周面と挿通孔125,126の内周面が密着している。また、固定スリーブ123,124は、外面が円形状をなし、伝熱管66の内周面と固定スリーブ123,124の外周面との間に第2隙間S2cが設けられている。
そして、この一対の位置決め部材123,124は、その間に第1スリーブ102と第2スリーブ103が所定数ずつ交互に配置されている。実施例1では、固定スリーブ123に隣接して3つの第2スリーブ103が配置され、この第2スリーブ103に隣接して3つの第1スリーブ102が配置され、この第1スリーブ102に隣接して4つの第2スリーブ103が配置されている。その後、3つの第1スリーブ102と4つの第2スリーブ103が交互に配置されている。つまり、第1スリーブ103の間に4つの第2スリーブ103が配置されている。
なお、実施例1の振動抑制装置100は、異なる外径の第1スリーブ102と第2スリーブ103がワイヤ101の長手方向に交互に配置されていればよいものであり、第1スリーブ102や第2スリーブ103の数は、上述の説明に限定されるものではなく、第1スリーブ102と第2スリーブ103を一つずつ交互に配置してもよく、一方のスリーブを一つ、他方のスリーブを複数交互に配置してもよい。
また、この振動抑制装置100は、図2及び図3では直線状に形成され、2つの固定スリーブ123,124の間で、複数のスリーブ102,103が密着して配置されているように記載されているが、この複数のスリーブ102,103間には、最低限の隙間が確保されている。即ち、伝熱管66は、Uベンド部68を有し、振動抑制装置100は、一部のスリーブ102,103がこのUベンド部68に配置されることとなる。そのため、振動抑制装置100を伝熱管66内に挿入して一部のスリーブ102,103をUベンド部68まで移動して配置するとき、少なくとも、振動抑制装置100がUベンド部68に沿って湾曲することができるように、複数のスリーブ102,103間に隙間が設けられている。
このように構成された振動抑制装置100は、図1に示すように、フック104に牽引用ワイヤ107の一端部が連結されている。作業者は、胴部61の入室71にて、牽引用ワイヤ107の他端部を伝熱管66の一端部66aへ挿入し、Uベンド部68を通して伝熱管66の他端部66bへ移動する。そして、作業者は、胴部61の出室72にて、牽引用ワイヤ107の他端部を伝熱管66の他端部66bから抜き出す。この作業により、牽引用ワイヤ107により振動抑制装置100が牽引され、伝熱管66の一端部66aから挿入してUベンド部68まで移動することができる。
そして、作業者は、胴部61の入室71にて、振動抑制装置100の端部金具105が伝熱管66の一端部66aに嵌入すると、拡径作業により端部金具105に連結されたプラグ108を伝熱管66の一端部66aに固定して施栓する。また、作業者は、胴部61の出室72にて、牽引用ワイヤ107を切断して振動抑制装置100のフック104から離脱させ、プラグ108とほぼ同様の構成をなすプラグ106を伝熱管66の他端部66bに嵌入し、拡径作業によりこのプラグ106を固定して施栓する。なお、牽引用ワイヤ107を切断してフック104から切り離したが、その後、この牽引用ワイヤ107の切断端に錘を連結したり、牽引用ワイヤ107の切断端をプラグ106に連結したりすることで、振動抑制装置100の配置の安定化を図ってもよい。
使用しない伝熱管66の端部66a,66bをプラ部108,106により施栓し、内部、特に、Uベンド部68に振動抑制装置100を配置したことで、伝熱管66の振動を抑制することができる。即ち、伝熱管66のUベンド部68が面内方向(図1にて、左右方向及び上下方向)に振動すると、ワイヤ101と各スリーブ102,103が伝熱管66の径方向に相対移動し、ワイヤ101とスリーブ102,103と伝熱管66が互いに干渉する。そのため、伝熱管66の振動エネルギがワイヤ101及び各スリーブ102,103の振動エネルギにより消散され、つまり、伝熱管66とワイヤ101と各スリーブ102,103が互いに異なる方向に移動することで、伝熱管66の振動エネルギとワイヤ101及びスリーブ102,103の振動エネルギとが互いに打ち消し合い、伝熱管66の振動が吸収されて抑制される。
特に、第1スリーブ102と第2スリーブ103は、互いの外径が相違することから、伝熱管66が面内方向に振動するとき、第1スリーブ102が第2隙間S2aだけ伝熱管66に対して相対移動するが、第2スリーブ103は、第1スリーブ102が伝熱管66の内面に接触した位置から第2隙間S2bだけ更に伝熱管66に対して相対移動することとなる。そのため、伝熱管66の移動(振動)に対して、各スリーブ102,103、特に、第2スリーブ103が逆方向へ移動(振動)することとなり、伝熱管66の振動エネルギを効率良く消散することができる。また、第1スリーブ102と第2スリーブ103は、互いの重量が相違することから、伝熱管66が面内方向に振動するとき、第1スリーブ102と第2スリーブ103との間で、重量のアンバランスが生じ、伝熱管66の振動に対して、各スリーブ102,103がランダムに振動することとなり、伝熱管66の振動エネルギを効率良く消散することができる。
このように実施例1の伝熱管の振動抑制装置にあっては、可撓性を有して伝熱管66の内部に配置されるワイヤ101と、このワイヤ101の外周部に所定の第1隙間S1をもって装着されると共に伝熱管66の内周面に所定の第2隙間S2a,S2bをもって配置される複数のスリーブ102,103とを設けている。
従って、スリーブ102,103が、第1隙間S1だけワイヤ101と離間し、第2隙間S2a,S2bだけ伝熱管66と離間していることから、伝熱管66とワイヤ101とスリーブ102,103が伝熱管66に対して互いに径方向に相対移動可能となっている。そのため、伝熱管66が振動すると、ワイヤ101と各スリーブ102,103が伝熱管66の径方向に相対移動し、ワイヤ101とスリーブ102,103と伝熱管66が互いに干渉することとなり、伝熱管66の振動エネルギがワイヤ101及びスリーブ102,103の振動エネルギにより消散され、伝熱管66の振動を適正に、且つ、効果的に吸収して抑制することができる。
実施例1の伝熱管の振動抑制装置では、第1スリーブ102は、外面が球面形状をなしている。従って、ワイヤ101と共に第1スリーブ102を伝熱管66内に挿入するとき、伝熱管66のUベンド部68に対しても、複数の第1スリーブ102を容易に挿入することができ、伝熱管66の形状に拘わらず、複数の第1スリーブ102を適正に挿入して作業性を向上することができる。また、球体に対して貫通孔(挿通孔121)を加工するだけで、第1スリーブ102を形成することができ、製造コストを低減することができる。
実施例1の伝熱管の振動抑制装置では、外径が相違する第1スリーブ102と第2スリーブ103を設けている。従って、伝熱管66が振動するとき、径の大きい第1スリーブ102が伝熱管66に対して相対移動し、径の小さい第2スリーブ103が、第1スリーブ102が伝熱管66の内面に接触した位置から、更に伝熱管66に対して相対移動することとなる。そのため、伝熱管66の振動に対して、第2スリーブ103が逆方向へ大きく振動することとなり、伝熱管66の振動エネルギを効率良く消散することができる。
実施例1の伝熱管の振動抑制装置では、第1スリーブ102は、外面が球面形状をなし、第2スリーブ103は、外面が円形状をなし、第1スリーブ102の外径を第2スリーブ103の外径より大きく設定している。従って、伝熱管66が振動するとき、第1スリーブ102が移動して伝熱管66の内面に接触した後、第2スリーブ103が移動することができ、伝熱管66の振動を効率良く抑制することができる。
実施例1の伝熱管の振動抑制装置では、複数の第1スリーブ102の間に複数の第2スリーブ103を配置している。従って、伝熱管66の振動に対して、第1スリーブ102と第2スリーブ103を効率良く相対移動させることができる。
実施例1の伝熱管の振動抑制装置では、ワイヤ101の先端部にフック104を連結し、後端部に伝熱管66の端部66aを閉塞する端部金具105を連結している。従って、フック104の牽引用ワイヤ107を連結することで、ワイヤ101を介して複数のスリーブ102,103を容易に伝熱管66内の所定の位置に配置することができると共に、端部金具105に連結されたプラグ108により伝熱管66の端部66aを容易に閉塞することができ、作業性を向上することができる。
実施例1の伝熱管の振動抑制装置では、複数のスリーブ102,103を伝熱管66におけるUベンド部68に配置している。従って、Uベンド部68に配置された伝熱管66が面内方向に振動しても、複数のスリーブ102,103が相対移動することで、伝熱管66の振動を適正に抑制することができる。
実施例1の伝熱管の振動抑制装置では、ワイヤ101に一対の固定スリーブ123,124を固定し、この一対の位置決め部材123,124の間に第1スリーブ102と第2スリーブ103を所定数ずつ交互に配置している。従って、第1スリーブ102及び第2スリーブ103は、ワイヤ101における所定の位置に配置することができ、各スリーブ102,103を、伝熱管66における振動が発生しやすい位置を適正に配置することができる。
また、実施例1の蒸気発生器にあっては、胴部61と、Uベンド部68を有して胴部61内に配設されて一次冷却水が流動する複数の伝熱管66からなる伝熱管群67と、胴部61内の下部に固定されて複数の伝熱管66の端部を支持する管板64と、胴部61内の中間に固定されて複数の伝熱管66の中途部を支持する複数の管支持板63と、前述した伝熱管の振動抑制装置100とを設けている。
従って、複数の伝熱管66の内部に一次冷却水としての高圧水が流動し、胴部61内を流れる二次冷却水を加熱して蒸気を生成するとき、伝熱管66が振動しやすい。このとき、伝熱管66が振動すると、各スリーブ102,103が伝熱管66に対して相対移動することとなり、伝熱管66の振動エネルギがスリーブ102,103の振動エネルギにより消散され、伝熱管66の振動を効果的に吸収して抑制することができる。
図9は、本発明の実施例2に係る伝熱管の振動抑制装置の正面図、図10は、実施例2の伝熱管の振動抑制装置の要部断面図である。なお、上述した実施例1と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
実施例2にて、図9及び図10に示すように、伝熱管の振動抑制装置200は、蒸気発生器13(図8参照)にて、使用不能となった伝熱管66内に装着することで、端部をプラグ108にて施栓して一次冷却水の流入を阻止された伝熱管66、特に、Uベンド部68の振動を抑制するものである。
この振動抑制装置200は、可撓性を有して伝熱管66の内部に配置されるワイヤ101と、このワイヤ101の外部に所定の第1隙間S1をもって装着されると共に伝熱管66の内面に所定の第2隙間S2aをもって配置される複数のスリーブ102とを有している。そして、ワイヤ101は、先端部にフック104が連結され、後端部に伝熱管66の端部を閉塞するプラグ108と締結可能な端部金具105が連結されている。
スリーブ102は、前述した第1スリーブ102(図2参照)と同様の構成をなし、外面が球面形状をなしている。即ち、スリーブ102は、筒形状をなし、ワイヤ101が挿通する挿通孔121が形成され、ワイヤ101の外周面と挿通孔121の内周面との間に第1隙間S1が設けられている。また、スリーブ102は、外面が球面形状をなし、伝熱管66の内周面とスリーブ102の外面との間に第2隙間S2aが設けられている。
ワイヤ101は、フック104から所定距離だけ離間すると共に、端部金具105から所定距離だけ離間した領域にて、複数のスリーブ組立体201が所定の距離Lをあけて配置されている。この各スリーブ組立体201は、同様の構成をなし、一対の固定スリーブ(位置決め部材)202,203が、所定距離をあけてワイヤ101に固定され、この一対の固定スリーブ202,203の間に複数(本実施例では、3個)のスリーブ102が移動自在に配置されて構成されている。
即ち、一対の固定スリーブ202,203は、筒形状をなし、ワイヤ101が挿通する挿通孔204,205が形成され、ワイヤ101の外周面と挿通孔204,205の内周面が密着し、例えば、かしめによりワイヤ101に固定されている。そして、この固定スリーブ202,203は、外面が円形状をなし、伝熱管66の内周面との間に第2隙間S2cが設けられている。
そして、この一対の位置決め部材202,203は、その間に3つのスリーブ102が配置されており、位置決め部材202,203と各スリーブ102との間、各スリーブ102の間に所定の第3隙間S3が設けられている。即ち、3つのスリーブ102は、ワイヤ101に固定された一対の位置決め部材202,203の間で、第3隙間S3の距離だけワイヤ101の長手方向に沿って移動自在に装着されている。
この実施例2の振動抑制装置200は、ワイヤ101に対して、複数のスリーブ102が伝熱管66の径方向及び長手方向(軸心方向)に移動可能となっている。
なお、この場合、ワイヤ101に設けられるスリーブ組立体201の数、一対の位置決め部材202,203の間に配置されるスリーブ102の数は、上述したものに限定されるものではない。
この振動抑制装置200は、前述した実施例1と同様に、蒸気発生器13における使用しない伝熱管66内に配置されることで、伝熱管66の振動を抑制することができる。即ち、伝熱管66が振動すると、ワイヤ101及び各スリーブ102が伝熱管66の径方向に相対移動すると共に、各スリーブ102が伝熱管66の長手方向に相対移動し、ワイヤ101とスリーブ102と伝熱管66が互いに干渉する。そのため、伝熱管66の振動エネルギがワイヤ101や各スリーブ102の振動エネルギにより消散され、特に、伝熱管66と各スリーブ102が逆方向に移動することで、伝熱管66の振動エネルギとスリーブ102の振動エネルギとが互いに打ち消し合い、伝熱管66の振動が吸収されて抑制される。
このように実施例2の伝熱管の振動抑制装置にあっては、可撓性を有して伝熱管66の内部に配置されるワイヤ101と、このワイヤ101の外周部に所定の第1隙間S1をもって装着されると共に伝熱管66の内周面に所定の第2隙間S2aをもって配置されてワイヤ101の長手方向に移動自在となる複数のスリーブ102とを設けている。
従って、スリーブ102は、ワイヤ101に対して伝熱管66の径方向及び長手方向に移動可能となっているため、伝熱管66が振動すると、各スリーブ102が伝熱管66の径方向及び長手方向に相対移動し、スリーブ102と伝熱管66が互いに干渉することとなり、伝熱管66の振動エネルギがスリーブ102の振動エネルギにより消散され、伝熱管66の振動を適正に、且つ、効果的に吸収して抑制することができる。
実施例2の伝熱管の振動抑制装置では、ワイヤ101に一対の固定スリーブ202,203を所定間隔だけあけて固定し、この位置決め部材202,203の間にスリーブ102を移動自在に配置している。従って、一対の固定スリーブ202,203によりスリーブ102の移動範囲が規定されることで、伝熱管66に対するスリーブ102の位置を規定することが可能となり、伝熱管66における振動範囲にスリーブ102を効果的に配置することができる。
実施例2の伝熱管の振動抑制装置では、固定スリーブ202,203とスリーブ102との間、または、複数のスリーブ102の間に所定の第3隙間S3を設けている。従って、スリーブ102は、第3隙間S3距離だけ伝熱管66に対して軸心方向に相対移動可能となっているため、伝熱管66が振動したとき、スリーブ102は、伝熱管66に対して第3隙間の距離だけ相対移動することとなり、伝熱管66の振動を効果的に吸収して抑制することができる。
実施例2の伝熱管の振動抑制装置では、ワイヤ101における所定の領域に、複数のスリーブ組立体201を所定の距離Lをあけて配置している。従って、伝熱管66の振動に対して、各スリーブ組立体201が個別に振動することが可能となり、また、各スリーブ組立体201のスリーブ102も相対移動することで、この振動を抑制することができる。また、各スリーブ組立体201の間で、可撓性を有するワイヤ101が自由に動くことができることから、振動抑制装置200を伝熱管66内に容易に挿入することができ、作業性を向上することができる。
図11は、本発明の実施例3に係る伝熱管の振動抑制装置の正面図、図12は、実施例3の伝熱管の振動抑制装置の要部断面図である。なお、上述した実施例2と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
実施例3にて、図11及び図12に示すように、伝熱管の振動抑制装置300は、蒸気発生器13(図8参照)にて、使用不能となった伝熱管66内に装着することで、端部をプラグ108にて施栓して一次冷却水の流入を阻止された伝熱管66、特に、Uベンド部68の振動を抑制するものである。
この振動抑制装置300は、可撓性を有して伝熱管66の内部に配置されるワイヤ101と、このワイヤ101の外部に所定の第1隙間S1をもって装着されると共に伝熱管66の内面に所定の第2隙間S2aをもって配置される複数のスリーブ102とを有している。そして、ワイヤ101は、先端部にフック104が連結され、後端部に伝熱管66の端部を閉塞するプラグと締結可能な端部金具105が連結されている。
ワイヤ101は、フック104から所定距離だけ離間すると共に、端部金具105から所定距離だけ離間した領域にて、複数のスリーブ組立体301が所定の距離Lをあけて配置されている。この各スリーブ組立体301は、同様の構成をなし、一対の固定スリーブ202,203が、所定距離をあけてワイヤ101に固定され、この一対の固定スリーブ202,203の間に2個のスリーブ102が移動自在に配置され、このスリーブ102の間にコイルばね(付勢部材)302が介装されて構成されている。
即ち、一対の位置決め部材202,203は、その間に2つのスリーブ102が配置されており、2つのスリーブ102は、その間にコイルばね302が配置されており、位置決め部材202,203と各スリーブ102との間、各スリーブ102の間に所定の第3隙間S3が設けられている。即ち、2つのスリーブ102及びコイルばね302は、ワイヤ101に固定された一対の位置決め部材202,203の間で、第3隙間S3の距離だけワイヤ101の長手方向に沿って移動自在に装着されている。
この実施例3の振動抑制装置200は、ワイヤ101に対して、複数のスリーブ102が伝熱管66の径方向及び長手方向(軸心方向)に移動可能となっている。
なお、この場合、ワイヤ101に設けられるスリーブ組立体301の数、一対の位置決め部材202,203の間に配置されるスリーブ102の数は、上述したものに限定されるものではない。また、2つのスリーブ102の間にコイルばね302を配置したが、固定スリーブ202,203とスリーブ102との間にコイルばね302を配置してもよく、また、2つのスリーブ102の間と、固定スリーブ202,203とスリーブ102との間の両方にコイルばね302を配置してもよい。
この振動抑制装置300は、前述した実施例2と同様に、蒸気発生器13における使用しない伝熱管66内に配置されることで、伝熱管66の振動を抑制することができる。即ち、伝熱管66が振動すると、各スリーブ102が伝熱管66の径方向に相対移動すると共に長手方向に相対移動し、スリーブ102と伝熱管66が互いに干渉する。このとき、2つの固定スリーブ202,203の間で各スリーブ102が伝熱管66の長手方向に移動するとき、このスリーブ102は、コイルばね302の弾性力により増幅されて移動する。そのため、伝熱管66の振動エネルギが各スリーブ102の振動エネルギにより効果的に消散され、つまり、伝熱管66と各スリーブ102が逆方向に移動することで、伝熱管66の振動エネルギとスリーブ102の振動エネルギとが互いに打ち消し合い、伝熱管66の振動が吸収されて抑制される。
このように実施例3の伝熱管の振動抑制装置にあっては、ワイヤ101における所定の領域に複数のスリーブ組立体301を所定の距離Lをあけて配置し、このスリーブ組立体201にて、ワイヤ101に一対の固定スリーブ202,203を所定間隔だけあけて固定し、この位置決め部材202,203の間に複数スリーブ102を移動自在に配置すると共に、各スリーブ102の間にコイルばね302を介装している。
従って、伝熱管66が振動すると、各スリーブ102が伝熱管66の径方向及び長手方向に相対移動する。このとき、各スリーブ102は、移動時にコイルばね302の弾性力により増幅され、その移動が促進されることとなり、伝熱管66の振動エネルギをスリーブ102の振動エネルギにより効果的に消散し、伝熱管66の振動を適正に吸収して抑制することができる。
なお、この実施例3では、付勢部材としてコイルばね302を適用したが、これに限定されるものではなく、板ばね、ゴム部材、合成樹脂、空気ばねなどいずれのものであってもよい。
図13は、本発明の実施例4に係る伝熱管の振動抑制装置の正面図、図14は、実施例4の伝熱管の振動抑制装置の要部断面図である。なお、上述した実施例と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
実施例4にて、図13及び図14に示すように、伝熱管の振動抑制装置400は、蒸気発生器13(図8参照)にて、使用不能となった伝熱管66内に装着することで、端部をプラグ108にて施栓して一次冷却水の流入を阻止された伝熱管66の、特に、Uベンド部68の振動を抑制するものである。
この振動抑制装置400は、可撓性を有して伝熱管66の内部に配置されるワイヤ101と、このワイヤ101の外部に所定の第1隙間S1をもって装着される内側スリーブ404と、この内側スリーブ404の外部に所定の第4隙間S4をもって装着されると共に伝熱管66の内面に第2隙間S2dをもって配置される外側スリーブ405とを有している。そして、ワイヤ101は、先端部にフック104が連結され、後端部に伝熱管66の端部を閉塞するプラグと締結可能な端部金具105が連結されている。
ワイヤ101は、フック104から所定距離だけ離間すると共に、端部金具105から所定距離だけ離間した領域にて、複数のスリーブ組立体401が所定の距離Lをあけて配置されている。この各スリーブ組立体401は、同様の構成をなし、一対の固定スリーブ(位置決め部材)402,403が、所定距離をあけてワイヤ101に固定され、この一対の固定スリーブ402,403の間に複数(本実施例では、2個)のスリーブ404,405が移動自在に配置されて構成されている。
即ち、一対の固定スリーブ402,403は、筒形状をなし、ワイヤ101が挿通する挿通孔411,412が形成され、ワイヤ101の外周面と挿通孔411,412の内周面が密着し、例えば、かしめによりワイヤ101に固定されている。また、この固定スリーブ402,403は、対向する端部にフランジ413,414が一体に形成されており、このフランジ413,414は、外面が円形状をなし、伝熱管66の内周面との間に第2隙間S2cが設けられている。
そして、この一対の位置決め部材402,403は、その間に2つのスリーブ404,405が配置されており、位置決め部材402,403と内側スリーブ404との間に所定の第3隙間S3aが設けられ、位置決め部材402,403と外側スリーブ405との間に所定の第3隙間S3bが設けられている。この場合、内側スリーブ404の軸心方向(ワイヤ101の長手方向)の長さは、外側スリーブ405の軸心方向の長さより長く設定されており、内側スリーブ404は、ワイヤ101に固定された一対の位置決め部材402,403の間で、第3隙間S3aの距離だけワイヤ101の長手方向に沿って移動自在に装着され、外側スリーブ405は、ワイヤ101に固定された一対の位置決め部材402,403の間で、第3隙間S3bの距離だけワイヤ101の長手方向に沿って移動自在に装着されている。
また、内側スリーブ404は、円筒形状をなし、ワイヤ101が挿通する挿通孔421が形成され、ワイヤ101の外周面と挿通孔421の内周面との間に第1隙間S1が設けられている。外側スリーブ405は、円筒形状をなし、内側スリーブ404が挿通する挿通孔422が形成され、外側スリーブ405の外周面と挿通孔422の内周面との間に第4隙間S4が設けられている。また、外側スリーブ405は、円筒形状をなし、伝熱管66の内周面と外面との間に第2隙間S2dが設けられている。
この実施例4の振動抑制装置400は、ワイヤ101に対して、内外のスリーブ404,405が伝熱管66の径方向及び長手方向(軸心方向)に移動可能となっている。
なお、この場合、ワイヤ101に設けられるスリーブ組立体401の数、一対の位置決め部材402,403の間に配置されるスリーブ404,405の数は、上述したものに限定されるものではない。例えば、内外のスリーブ404,405をワイヤ101の長手方向に複数組設けてもよく、また、ワイヤ101の外側に重なるスリーブ404,405の数を3個以上としてもよい。
この振動抑制装置400は、前述した実施例1と同様に、蒸気発生器13における使用しない伝熱管66内に配置されることで、伝熱管66の振動を抑制することができる。即ち、伝熱管66が振動すると、各スリーブ404,405が伝熱管66の径方向に相対移動すると共に長手方向に相対移動し、スリーブ404,405と伝熱管66が互いに干渉する。このとき、2つの固定スリーブ402,403の間で内外のスリーブ404,405が伝熱管66の径方向及び長手方向に移動するとき、慣性力により移動力が増幅されて移動する。そのため、伝熱管66の振動エネルギが各スリーブ404,405の振動エネルギにより消散され、つまり、伝熱管66と各スリーブ404,405が逆方向に移動することで、伝熱管66の振動エネルギとスリーブ102の振動エネルギとが互いに打ち消し合い、伝熱管66の振動が吸収されて抑制される。
このように実施例4の伝熱管の振動抑制装置にあっては、可撓性を有して伝熱管66の内部に配置されるワイヤ101と、このワイヤ101の外部に所定の第1隙間S1をもって装着される内側スリーブ404と、この内側スリーブ404の外部に所定の第4隙間S4をもって装着されると共に伝熱管66の内面に第2隙間S2dをもって配置される外側スリーブ405とを設けている。
従って、スリーブ404,405は、ワイヤ101に対して伝熱管66の径方向及び長手方向に移動可能となっているため、伝熱管66が振動すると、各スリーブ404,405が伝熱管66の径方向及び長手方向に相対移動し、スリーブ404,405と伝熱管66が互いに干渉することとなり、伝熱管66の振動エネルギがスリーブ404,405の振動エネルギにより消散され、伝熱管66の振動を適正に、且つ、効果的に吸収して抑制することができる。
図15は、本発明の実施例5に係る伝熱管の振動抑制装置の要部断面図である。なお、上述した実施例と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
実施例5にて、図15に示すように、伝熱管の振動抑制装置500は、蒸気発生器13(図8参照)にて、使用不能となった伝熱管66内に装着することで、端部をプラグ108にて施栓して一次冷却水の流入を阻止された伝熱管66、特に、Uベンド部68の振動を抑制するものである。
この振動抑制装置500は、可撓性を有して伝熱管66の内部に配置されるワイヤ101と、このワイヤ101の外部に所定の第1隙間S1をもって装着されると共に伝熱管66の内面に所定の第2隙間S2a,S2bをもって配置される複数のスリーブ102,103とを有している。
ワイヤ101は、所定の領域にて、複数のスリーブ組立体501が所定の距離をあけて配置されている。この各スリーブ組立体501は、同様の構成をなし、一対の固定スリーブ(位置決め部材)502,503が、所定距離をあけてワイヤ101に固定され、この一対の固定スリーブ502,503の間に複数(本実施例では、4個)のスリーブ102,103が移動自在に配置されて構成されている。
即ち、一対の固定スリーブ502,503は、筒形状をなし、ワイヤ101が挿通する挿通孔504,505が形成され、ワイヤ101の外周面と挿通孔504,505の内周面が密着し、例えば、かしめによりワイヤ101に固定されている。そして、この固定スリーブ502,503は、外面が円形状をなし、伝熱管66の内周面との間に第2隙間S2cが設けられている。
そして、この一対の位置決め部材502,503は、その間に2つの第1スリーブ102が配置され、この2つの第1スリーブ102の間に2つの第2スリーブ103が配置されており、位置決め部材502,503と各スリーブ102,103との間、各スリーブ102,103の間に所定の第3隙間S3(S3/2が2箇所)が設けられている。即ち、各スリーブ102,103は、ワイヤ101に固定された一対の位置決め部材502,503の間で、第3隙間S3の距離だけワイヤ101の長手方向に沿って移動自在に装着されている。
この実施例5の振動抑制装置500は、ワイヤ101に対して、複数のスリーブ102,103が伝熱管66の径方向及び長手方向(軸心方向)に移動可能となっている。
この振動抑制装置500は、前述した実施例1と同様に、蒸気発生器13における使用しない伝熱管66内に配置されることで、伝熱管66の振動を抑制することができる。即ち、伝熱管66が振動すると、各スリーブ102,103が伝熱管66の径方向に相対移動すると共に長手方向に相対移動し、スリーブ102,103と伝熱管66が互いに干渉する。そのため、伝熱管66の振動エネルギが各スリーブ102,103の振動エネルギにより消散され、つまり、伝熱管66と各スリーブ102,103が逆方向に移動することで、伝熱管66の振動エネルギとスリーブ102,103の振動エネルギとが互いに打ち消し合い、伝熱管66の振動が吸収されて抑制される。
このように実施例5の伝熱管の振動抑制装置にあっては、ワイヤ101に一対の固定スリーブ502,503を所定間隔だけあけて固定し、この位置決め部材502,503の間に2種類のスリーブ102,103を移動自在に配置している。
従って、スリーブ102,103は、伝熱管66に対して径方向及び長手方向に相対移動可能となっているため、伝熱管66が振動したとき、スリーブ102,103は、伝熱管66に対して相対移動することとなり、伝熱管66の振動を効果的に吸収して抑制することができる。
なお、上述した実施例では、本発明の伝熱管の振動抑制装置を、逆U字形状の伝熱管のUベンド部に配置して効果的であるとしたが、スリーブが索状部材の径方向に移動可能であることから、直線部に適用してもほぼ同様の作用効果を奏することができる。また、上述した実施例では、本発明の伝熱管の振動抑制装置を、加圧水型原子炉(PWR)の蒸気発生器に使用される伝熱管に適用したが、ここに限定されるものではなく、一般的な熱交換器に適用してもほぼ同様の作用効果を奏することができるものであり、伝熱管の形状に左右されるものではない。
11 原子炉格納容器
12 加圧水型原子炉
13 蒸気発生器
32 蒸気タービン
36 発電機
61 胴部
62 管群外筒
63 管支持板
64 管板
66 伝熱管
67 伝熱管群
100,200,300,400,500 振動抑制装置
101 ワイヤ(索状部材)
102 第1スリーブ、スリーブ
103 第2スリーブ
104 フック
105 端部金具
106,108 プラグ
107 牽引用ワイヤ
123,124,202,203,402,403,502,503 固定スリーブ(位置決め部材)
201,301,401,501 スリーブ組立体
302 コイルばね(付勢部材)
404 内側スリーブ
405 外側スリーブ
S1 第1隙間
S2a,S2b,S2c,S2d 第2隙間
S3,S3a,S3b 第3隙間
S4 第4隙間
L 距離

Claims (13)

  1. 可撓性を有して伝熱管の内部に配置される索状部材と、
    前記索状部材の外部に所定の第1隙間をもって装着されると共に前記伝熱管の内面に所定の第2隙間をもって配置される複数のスリーブと、
    を有することを特徴とする伝熱管の振動抑制装置。
  2. 前記スリーブは、外面が球面形状をなすことを特徴とする請求項1に記載の伝熱管の振動抑制装置。
  3. 前記スリーブは、外径が相違する第1スリーブと第2スリーブを有することを特徴とする請求項1または2に記載の伝熱管の振動抑制装置。
  4. 前記第1スリーブは、外面が球面形状をなし、前記第2スリーブは、外面が円形状をなし、前記第1スリーブの外径が前記第2スリーブの外径より大きく設定されることを特徴とする請求項3に記載の伝熱管の振動抑制装置。
  5. 前記複数の第1スリーブの間に前記第2スリーブが配置されることを特徴とする請求項4に記載の伝熱管の振動抑制装置。
  6. 前記複数のスリーブは、前記索状部材に対して該索状部材の長手方向に移動自在に装着されることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の伝熱管の振動抑制装置。
  7. 前記索状部材に一対の位置決め部材が所定間隔をあけて固定され、前記一対の位置決め部材の間に前記スリーブが移動自在に配置されることを特徴とする請求項6に記載の伝熱管の振動抑制装置。
  8. 前記位置決め部材と前記スリーブとの間、または、前記複数のスリーブの間に所定の第3隙間が設けられることを特徴とする請求項7に記載の伝熱管の振動抑制装置。
  9. 前記位置決め部材と前記スリーブとの間、または、前記複数のスリーブの間に付勢部材が介装されることを特徴とする請求項7または8に記載の伝熱管の振動抑制装置。
  10. 前記複数のスリーブは、前記索状部材の外部に前記第1隙間をもって装着される内側スリーブと、該内側スリーブの外部に所定の第4隙間をもって装着されると共に前記伝熱管の内面に前記第2隙間をもって配置される外側スリーブを有することを特徴とする請求項1から9のいずれか一つに記載の伝熱管の振動抑制装置。
  11. 前記索状部材は、先端部に牽引部が連結され、後端部に前記伝熱管の端部を閉塞する施栓部材を連結できることを特徴とする請求項1から10のいずれか一つに記載の伝熱管の振動抑制装置。
  12. 前記伝熱管は、U字形状部を有し、前記複数のスリーブは、前記U字形状部に配置されることを特徴とする請求項1から11のいずれか一つに記載の伝熱管の振動抑制装置。
  13. 中空密閉形状をなす胴部と、
    前記胴部内に逆U字形状をなすように配設されて一次冷却水が流動する複数の伝熱管からなる伝熱管群と、
    前記胴部内の下部に固定されて前記複数の伝熱管の端部を支持する管板と、
    前記胴部の下端部に設けられて前記複数の伝熱管の各端部に連通する入口側水室鏡及び出口側水室鏡と、
    前記胴部内に二次冷却水を供給する給水部と、
    前記胴部の上端部に設けられる蒸気出口と、
    を備える蒸気発生器において、
    前記請求項1から12のいずれか一つの伝熱管の振動抑制装置が設けられる、
    ことを特徴とする蒸気発生器。
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