JP2014006078A - 走査型赤外線センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、人体やその他の熱物体の空間分布を高精度に測定可能な小型の赤外線センサを提供することを目的とする。
【解決手段】この目的を達成するために本発明は、固定部2と、固定部2に一端が接続された第一の振動部3aと、第一の振動部3aの他端に接続されたセンサ部4aを有した可動部を備え、第一の振動部3aは、第一の下部電極層7と、第一の下部電極層7上に形成された圧電体層8と、圧電体層8上に形成された第一の上部電極層9により構成された駆動部5aを有し、駆動部5aがセンサ部4aを駆動部5aの回動軸10周りに回動させるように走査することにより熱物体の空間分布を測定する構成とした。
【選択図】図1
【解決手段】この目的を達成するために本発明は、固定部2と、固定部2に一端が接続された第一の振動部3aと、第一の振動部3aの他端に接続されたセンサ部4aを有した可動部を備え、第一の振動部3aは、第一の下部電極層7と、第一の下部電極層7上に形成された圧電体層8と、圧電体層8上に形成された第一の上部電極層9により構成された駆動部5aを有し、駆動部5aがセンサ部4aを駆動部5aの回動軸10周りに回動させるように走査することにより熱物体の空間分布を測定する構成とした。
【選択図】図1
Description
本発明は、人体及び熱物体を検知する走査型赤外線センサに関する。
近年、赤外線センサにより人体の存在を検知し、その結果に応じて照明やエアコンの使用状況をコントロールすることにより、無駄なエネルギーを低減するといった取組みが積極的に行われている。特に、人体やその他の熱物体の空間分布を測定する必要がある場合、量子型赤外線センサをアレイ状に配置する、もしくは熱型赤外線センサを走査するといった手段が用いられる。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
量子型赤外線センサアレイは、検出感度は高いが、動作温度が低い。そのため、冷却機構が必要となることから、サイズが大きくコストも高いといった課題を有している。
また、熱型赤外線センサは、常温での使用が可能であるが、検出感度が低くアレイ状に配置する場合にはサイズを大きくする必要がある。また、1つのセンサを二次元方向に走査する場合には、複雑な機構部材が必要となるため、こちらもサイズが大きくなるといった課題を有している。即ち、人体やその他の熱物体の空間分布を高精度に測定する場合には、赤外線センサのサイズが大きくなるといった課題を有していた。
そこで、本発明は、人体やその他の熱物体の空間分布を高精度に測定可能な赤外線センサの小型化を目的とする。
この目的を達成するために、本発明は、固定部と、前記固定部に一端が接続された第一の振動部と、前記第一の振動部の他端に接続された可動部を備え、前記第一の振動部は、第一の下部電極層と、前記第一の下部電極層上に形成された圧電体層と、前記圧電体層上に形成された第一の上部電極層により構成された駆動部を有し、前記可動部は、赤外線を検出する赤外線センサ部を有し、前記駆動部が前記可動部を前記駆動部の回動軸周りに回動させるように走査することにより熱物体の空間分布を測定する構成とし、これにより所期の目的を達する。
以上のように、本発明は、圧電体層で赤外線センサを走査することにより、赤外線センサを二次元方向へ走査するデバイスを単一デバイスとできることから、人体やその他の熱物体の空間分布を高精度に測定可能な赤外線センサの小型化を実現することができる。
(実施例1)
まず、図1に示すように本実施例1の走査型赤外線センサ1は、固定部2と、この固定部2に一端が接続された第一の振動部3aと、この第一の振動部3aの他端に接続されたセンサ部4a(可動部)とを備えている。本実施例1において、センサ部と可動部は一体化しているため、センサ部として説明をする。
まず、図1に示すように本実施例1の走査型赤外線センサ1は、固定部2と、この固定部2に一端が接続された第一の振動部3aと、この第一の振動部3aの他端に接続されたセンサ部4a(可動部)とを備えている。本実施例1において、センサ部と可動部は一体化しているため、センサ部として説明をする。
第一の振動部3aはトーションバー形状に形成され、駆動部5aを有している。図2は図1のA−A線による断面図を示しており、図2に示すように、駆動部5aは基板6上に形成された第一の下部電極層7と、第一の下部電極層7上に形成された第一の圧電体層8と、圧電体層8上に形成された第一の上部電極層9から構成されている。ここで、第一の下部電極層7と第一の上部電極層9の間に電界を印加した場合には、逆圧電効果により第一の圧電体層8が平面方向に伸縮する。このとき、第一の圧電体層8にて発生した力は、第一の振動部3aの厚み方向にモーメントとして働き、第一の振動部3aは撓む。ここで、隣接した駆動部5aに夫々逆位相の電界を印加する。その結果、第一の振動部3aに接続されたセンサ部4aの傾きが変動し、第一の回動軸10周りに回動する。
また、センサ部4aは、赤外線センサ部11aを有しており、図2に示すように、赤外線センサ部11aは第二の下部電極層12と、第二の下部電極層12上の焦電体層13と、焦電体層13上に形成された第二の上部電極層14から構成されている。ここで、赤外線センサ部11aが赤外線を受光した場合には、焦電効果によって焦電体層13の表面に電荷が誘起され、第二の下部電極層12と第二の上部電極層14間で生じる電荷量を測定することで、赤外線をセンシングできる。
本実施例1の走査型赤外線センサ1は、センサ部4aの傾きを駆動部5aにより変動させながら、赤外線センサ部11aで赤外線をセンシングすることが可能である。即ち、人体やその他の熱源を、赤外線センサを走査することで広範囲に測定することができ、またその空間分布についても測定することが可能となる。
ここで、赤外線センサ部11aはセンサ部4aの第一の回動軸10に対して線対称となるように配置することが望ましい。図3に第一の回動軸10に対して線対称に赤外線センサ部11aを形成したセンサ部4aの拡大図を示す。センサ部4aを回転動作させる際には、そのサイズや動作スピードに応じてセンサ部4a自身が変形することが知られている。ここで生じる変形に伴い、赤外線センサ部11aでは、赤外線を受けていない場合にも、圧電効果により電荷が発生する。即ち、赤外線センサ部11aで生じる電荷量は、赤外線を受けて焦電効果により発生する電荷量と、センサ部4aの変形を受けて圧電効果により生じる電荷量の和で出力され、その結果赤外線センサ部11aで検出される赤外線のS/N比が低下するといった課題が生じる。しかしながら、赤外線センサ部11aを第一の回動軸10に対して線対称となるように配置することにより、センサ部4aが第一の回動軸10に対して互いに逆方向に変形するので、圧電効果により生じる電荷量が打消しあい、赤外線センサ部11aで生じるノイズを低減することが可能となる。
本実施例1において、圧電体層8に用いる材料としては、チタン酸ジルコン酸鉛、ニオブ酸カリウムナトリウム等を用いても良い。また、焦電体層13としては、チタン酸ジルコン酸鉛やタンタル酸リチウム等を用いても良い。
ここで、本実施例1の走査型赤外線センサ1は、圧電体層8と焦電体層13を、例えばチタン酸ジルコン酸鉛のような、圧電性能と焦電性能がいずれも高い同一材料で構成することにより、走査型赤外線センサ1が、簡便なプロセスにより単一のデバイスにて形成されることから、従来に比べて小型化が可能となる。
次に、本発明の実施例1における走査型赤外線センサ1の製造方法を、以下に説明する。
まず、図4(a)に示すように、シリコン基板15aと酸化シリコンからなる犠牲層15bとシリコン基板15cから構成されるシリコン積層基板15上の一面に、下部電極層として白金16と、圧電体層及び焦電体層としてチタン酸ジルコン酸鉛17と、上部電極層として金18をスパッタ法等により順に積層形成する。
次に、感光性を有する弾性樹脂層をエッチングマスクとして用い、ICPドライエッチングによって第一の下部電極層7及び第二の下部電極層12と、圧電体層8及び焦電体層13と、第一の上部電極層9及び第二の上部電極層14を加工し、図4(b)に示すように駆動部5aと赤外線センサ部11aを形成する。
次に図4(c)に示すように、シリコン基板15cをエッチング処理する。
最後に、シリコン基板15a側から、感光性樹脂からなる弾性樹脂層をエッチングマスクとして用い、図4(d)に示すようにシリコン基板15a及び犠牲層15bをエッチング処理することで、走査型赤外線センサ1を形成する。
このように、圧電体層8と焦電体層13を同一材料とすることで、駆動部5aと赤外線センサ部11aを同時に形成できることから、走査型赤外線センサ1の作製プロセスが簡便なものとなる。
また、第一の振動部3bは、図5に示すとおり、センサ部4aとほぼ平行に複数延接され、同一平面状で折り返し連結されてなるミアンダ形状とすることが好ましい。このとき、第一の振動部3b上の駆動部5bに対し、ミアンダ形状の折り返し毎に、逆方向へ電界を印加することで、センサ部4aに沿って生じる撓みが重畳される。このことにより、第一の振動部3bに接続されたセンサ部4aの傾きを、さらに大きくすることが可能となる。即ち、人体やその他の熱源を、より広範囲に測定することができる。
図6(a)、図6(b)に赤外線のS/N比を向上させたセンサ部の拡大図を示す。図6(a)に示すように、赤外線センサ部11bの第一の振動部3をミアンダ形状に形成したときのように、センサ部4bが第一の回動軸10に対して互いに逆方向に変形しない場合には、センサ部4bで生じる変形に応じて圧電効果により生じる電荷量が打消しあうように赤外線センサ部11bを形成することにより第一の振動部3をトーションバー形状に形成したときと同様に、赤外線センサ部11bで生じる電荷量は、赤外線を受けて焦電効果により発生する電荷量と、センサ部4bの変形を受けて圧電効果により生じる電荷量の和で出力され、その結果赤外線センサ部11bで検出される赤外線のS/N比が低下するといった課題を解決することが出来る。
さらに、図6(b)に示すように、赤外線センサ部11cと第一の振動部3とを、センサ部4cの第一の回動軸10に対してセンサ部4cが一方向に大きく変形するように接続した場合には、センサ部4cの変形が対称となる変形中心線19に対して、赤外線センサ部11cを線対称となるように2つ形成し、その一方の表面に例えば酸化シリコンのような赤外線吸収膜(図示せず)を形成するとよい。そして、赤外線吸収膜を有する赤外線センサ部11cで生じる電荷量から、赤外線吸収膜のない赤外線センサ部11cで生じる電荷量の差分を測定することで、圧電効果によって生じるノイズを低減し、S/N比を向上させることが可能となる。
また、図7に示すとおり、固定部2を方形状とし、一対の第一の振動部3bを、センサ部4aを挟むように対向配置することが好ましい。これにより、センサ部4aの傾きが変動する際、回動軸10を中心に回転動作させることが可能となり、センサ部4aが有する赤外線センサ部11aの回転位置を、安定的に変動させることができる。
また、第一の振動部3bの動作速度は、人体やその他の熱源の移動速度に比べて速いことが好ましい。焦電体は、赤外線を照射されると、その熱エネルギーを吸収して自発分極に変化を起こし、その変化量に比例して電荷が誘起される。ここで、焦電体が常に一定の赤外線を照射されている場合には、変化量がゼロとなるため、人体やその他の熱源を正確にセンシングできない。しかしながら、第一の振動部3bの動作速度、即ち赤外線センサ部11aの動作速度を、熱源の移動速度に比べて速く設定することによれば、このようなセンシングできないといった不具合を抑制することができる。
また、第一の振動部3bの動作周波数を、一定時間毎に変動させることが好ましい。このことにより、人体やその他の熱源の移動速度が不均一な場合であっても、熱源の移動速度と赤外線センサ部11aの動作速度が常時一定となることがないため、センシングできないといった不具合を抑制することができる。
また、第一の振動部3bは、駆動部5bと共に、位置検出部を有していることが好ましい。なお、位置検出部は、第三の下部電極層と、第三の下部電極層上に形成された位置検出用圧電体層と、位置検出用圧電体層上に形成された第三の上部電極層から構成されている(図示せず)。なお、位置検出部はトーションバー形状なら駆動部5aと固定部2との接続部近傍、ミアンダ形状ならミアンダ形上の直線部分など変位の大きい箇所に設けると効果的である。この位置検出部を用いて、圧電効果により第一の振動部3aの動作状況、即ちセンサ部4aの位置情報を正確に読取ることで、人体やその他の熱源の存在位置を高精度にセンシングすることが可能となる。
(実施例2)
まず、図8に示すように本実施例2の走査型赤外線センサ21は、固定部2と、この固定部2に一端が回動軸10方向に接続された第一の振動部3aと、この第一の振動部3aの他端に接続された可動部24を備えている。
まず、図8に示すように本実施例2の走査型赤外線センサ21は、固定部2と、この固定部2に一端が回動軸10方向に接続された第一の振動部3aと、この第一の振動部3aの他端に接続された可動部24を備えている。
第一の振動部3aは、第一の駆動部5aを有しており、第一の駆動部5aは第一の下部電極層7と、第一の下部電極層7上に形成された第一の圧電体層8と、第一の圧電体層8上に形成された第一の上部電極層9から構成されている。
また、可動部24は、枠体25と、この枠体25の内側から、第一の回動軸10と略直交する方向(第二の回動軸26)に一端が接続された第二の振動部27aと、この第二の振動部27aの他端に接続されたセンサ部28とを備えている。
そして、第二の振動部27aは、第一の回動軸10方向にほぼ平行に延接されている。また、第二の振動部27aは、第二の駆動部29aを有しており、第四の下部電極層と、第四の下部電極層上に形成された第二の圧電体層と、第二の圧電体層上に形成された第四の上部電極層から構成されている(図示せず)。
ここで、第一の下部電極層7と第一の上部電極層9の間に電界を印加した場合には、逆圧電効果により第一の圧電体層8が平面方向に伸縮する。このとき、第一の圧電体層8にて発生した力は、第一の振動部3aの厚み方向にモーメントとして働き、第一の振動部3aは撓む。その結果、第一の振動部3aに接続された可動部24の傾きが変動する。また、第四の下部電極層と第四の上部電極層の間に電界を印加した場合には、同様に第二の振動部27aが撓み、第二の振動部27aに接続されたセンサ部28の傾きが変動する。ここで、第一の振動部3aと第二の振動部27aの延接される方向が略直交していることから、可動部24とセンサ部28の傾き方向も直交し、その結果センサ部28は二次元方向に傾きを変動させることが可能となる。
また、センサ部28は、赤外線センサ部30を有しており、赤外線センサ部30は第二の下部電極層と、第二の下部電極層上の焦電体層と、焦電体層上に形成された第二の上部電極層から構成されている。ここで、赤外線センサ部が赤外線を受光した場合には、焦電効果によって焦電体層の表面に電荷が誘起され、第二の下部電極層と第二の上部電極層間で生じる電荷量を測定することで、赤外線をセンシングできる(図示せず)。
本実施例2の走査型赤外線センサ21は、センサ部28の傾きを、第一の駆動部5aと第二の駆動部29aにより二次元方向へ変動させながら、赤外線センサ部30で赤外線をセンシングすることが可能である。即ち、人体やその他の熱源を、赤外線センサ部30を二次元方向へ走査することで広範囲に測定することができ、またその空間分布についても測定することが可能となる。
また、本実施例2の走査型赤外線センサ21は、第一の圧電体層、第二の圧電体層及び焦電体層を、例えばチタン酸ジルコン酸鉛のような、圧電性能と焦電性能がいずれも高い同一材料で構成している。これにより、二次元方向への走査型赤外線センサ21が、簡便なプロセスにより単一のデバイスにて形成されることから、従来に比べて小型化が可能となる。
なお、本発明の実施例2における走査型赤外線センサ21の製造方法については、実施例1における走査型赤外線センサ1の場合と同様であるため、説明を省略する。
また、第二の振動部27bは、図9に示すとおり、第二の回動軸方向にほぼ平行に複数延接され、同一平面状で折り返し連結されてなるミアンダ形状とすることが好ましい。このとき、第二の振動部27b上の第二の駆動部29bに対し、ミアンダ形状の折り返し毎に、逆方向へ電界を印加することで、センサ部28に沿って生じる撓みが重畳される。本実施例2における二次元方向への走査型赤外線センサ21は、第二の振動部27bを可動部24の内側に設ける関係上、第二の振動部27bを形成する面積が、第一の振動部3aを形成する面積に比べて小さく、第二の振動部27bによって変動するセンサ部28の傾きは、第一の振動部3aによって変動する可動部24の傾きより小さい傾向にある。しかしながら、第二の振動部27bをミアンダ形状とすることにより、第二の振動部27bに接続されたセンサ部28の傾きを大きくすることが可能となり、第一の振動部3aに接続された可動部24の傾きと同程度とすることが可能となる。即ち、人体やその他の熱源を、二軸方向へ広範囲に測定することができる。
また、図10に示すとおり、一対の第一の振動部3bを、可動部24を挟むように対向配置し、さらには一対の第二の振動部27bを、センサ部28を挟むように対向配置することが好ましい。これにより、可動部24及びセンサ部28の傾きが変動する際、それぞれ一定の軸を中心に回転動作させることが可能となり、センサ部28が有する赤外線センサ部30の回転位置を、安定的に変動させることができる。
また、第一の振動部3b、第二の振動部27bの動作速度は、人体やその他の熱源の移動速度に比べて速いことが好ましい。焦電体は、赤外線を照射されると、その熱エネルギーを吸収して自発分極に変化を起こし、その変化量に比例して電荷が誘起される。ここで、焦電体が常に一定の赤外線を照射されている場合には、変化量がゼロとなるため、人体やその他の熱源を正確にセンシングできない。しかしながら、第一の振動部3b、第二の振動部27bの動作速度、即ち赤外線センサ部30の動作速度を、熱源の移動速度に比べて速く設定することによれば、このようなセンシングできないといった不具合を抑制することができる。
また、第一の振動部3b、第二の振動部27bの動作周波数を、一定時間毎に変動させることが好ましい。このことにより、人体やその他の熱源の移動速度が不均一な場合であっても、熱源の移動速度と赤外線センサ部30の動作速度が常時一定となることがないため、センシングできないといった不具合を抑制することができる。
また、第一の振動部3b、第二の振動部27bは、それぞれ、第一の駆動部5b、第二の駆動部29bと共に、第一の位置検出部、第二の位置検出部を有していることが好ましい(図示せず)。なお、第一の位置検出部、第二の位置検出部は、第三の下部電極層と、第三の下部電極層上に形成された位置検出用圧電体層と、位置検出用圧電体層上に形成された第三の上部電極層から構成されている。この第一の位置検出部を用いて、第一の振動部3bの動作状況を、第二の位置検出部を用いて第二の振動部27bの動作状況を測定できる。このことにより、センサ部28の二次元方向の位置情報を正確に読取ることができ、人体やその他の熱源の存在位置を高精度にセンシングすることが可能となる。
また、第二の振動部27bが有する第二の駆動部29bを除去し、第一の振動部3bが有する第一の駆動部5bのみを用いて、第一の振動部3bと第二の振動部27bを同時に駆動することが好ましい。特に、図10に示すような第一の振動部3b、第二の振動部27bがそれぞれ一対のミアンダ形状とした場合には、第一の振動部3bを用いて可動部24を傾ける固有振動モードの固有振動数において、ミアンダ形状の折り返し毎に、逆方向へ電界を印加し、且つ第二の振動部27bを用いてセンサ部28を傾ける固有振動モードを固有振動数において、一方の第一の振動部3bが有する第一の駆動部5bに全て同位相の電界を印加し、他方の第一の振動部3bが有する第一の駆動部5bに全て逆位相の電界を印加することで、第二の駆動部29bを除去した場合にも、センサ部28を二次元方向へ傾けることができる。このような構成にした場合には、電極パターンを簡素化でき、さらなる小型化が可能となる。また、赤外線センサ部30を、信号が入力される駆動部から遠ざけることができ、結果としてセンシング時のノイズ成分を低減することが可能となる。
本発明の走査型赤外線センサは、広範囲に走査可能で、且つ小型化できるため、ナイトビジョンや防犯カメラなどの人体検知用途に有用である。
1、21 走査型赤外線センサ
2 固定部
3、3a、3b 第一の振動部
4a、4b、4c、28 センサ部
5a、5b 駆動部
6 基板
7 第一の下部電極層
8 圧電体層
9 第一の上部電極層
10 回動軸
11a、11b、11c、30 赤外線センサ部
12 第二の下部電極層
13 焦電体層
14 第二の上部電極層
15 シリコン積層基板
15a、15c シリコン基板
15b 犠牲層
16 白金
17 チタン酸ジルコン酸鉛
18 金
19 変形中心線
24 可動部
25 枠体
26 第二の回動軸
27a、27b 第二の振動部
29a、29b 第二の駆動部
2 固定部
3、3a、3b 第一の振動部
4a、4b、4c、28 センサ部
5a、5b 駆動部
6 基板
7 第一の下部電極層
8 圧電体層
9 第一の上部電極層
10 回動軸
11a、11b、11c、30 赤外線センサ部
12 第二の下部電極層
13 焦電体層
14 第二の上部電極層
15 シリコン積層基板
15a、15c シリコン基板
15b 犠牲層
16 白金
17 チタン酸ジルコン酸鉛
18 金
19 変形中心線
24 可動部
25 枠体
26 第二の回動軸
27a、27b 第二の振動部
29a、29b 第二の駆動部
Claims (11)
- 固定部と、
前記固定部に一端が接続された第一の振動部と、
前記第一の振動部の他端に接続された可動部を備え、
前記第一の振動部は、
第一の下部電極層と、
前記第一の下部電極層上に形成された圧電体層と、
前記圧電体層上に形成された第一の上部電極層により構成された駆動部を有し、
前記可動部は、
赤外線を検出する赤外線センサ部を有し、
前記駆動部が前記可動部を前記可動部の回動軸周りに回動させるように走査することにより熱物体の空間分布を測定することを特徴とする走査型赤外線センサ。 - 前記赤外線センサ部は、前記可動部の回動軸に対して対称に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の走査型赤外線センサ。
- 前記赤外線センサ部は、前記可動部の変形中心に対して線対称に2つ形成し、
前記2つの赤外線センサ部のうちのいずれか1つの上に赤外線吸収膜を形成したことを特徴とする請求項2に記載の走査型赤外線センサ。 - 前記赤外線センサ部は、
第二の下部電極層と、
前記第二の下部電極層上に形成された焦電体層と、
前記焦電体層上に第二の上部電極層を有していることを特徴とする請求項1に記載の走査型赤外線センサ。 - 前記圧電体層と前記焦電体層が同一の材料で形成されていることを特徴とする請求項4に記載の走査型赤外線センサ。
- 前記固定部は方形状に形成され、
前記可動部は前記固定部の内側に一端が接続され、前記可動部を挟むように対向して他端が接続された一対の第一の振動部で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の走査型赤外線センサ。 - 前記可動部は、
枠体と、
前記枠体の内側から前記第一の振動部と略直交する方向に一端が接続された第二の振動部と、
前記第二の振動部の他端に接続されたセンサ部により構成されていることを特徴とする請求項1に記載の走査型赤外線センサ。 - 前記第一の振動部と前記第二の振動部のうち少なくともいずれか一方がミアンダ形状に形成されていることを特徴とする請求項7に記載の走査型赤外線センサ。
- 前記センサ部は前記枠体の内側に一端が接続され、前記赤外線センサ部を挟むように対向して他端が接続された一対の第二の振動部で構成されていることを特徴とする請求項7に記載の走査型赤外線センサ。
- 前記第一の振動部および前記第二の振動部の動作周波数を、
一定時間毎に変動させることを特徴とする請求項7に記載の走査型赤外線センサ。 - 前記第一の振動部または前記第二の振動部の少なくともいずれか一方には、
第三の下部電極層と、この第三の下部電極層上に形成された圧電体層と、この圧電体層上に形成された第三の上部電極層により構成された位置検出部を有していることを特徴とする請求項7〜請求項10に記載の走査型赤外線センサ。
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2012140075A Pending JP2014006078A (ja) | 2012-06-21 | 2012-06-21 | 走査型赤外線センサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014006078A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10712156B2 (en) | 2016-03-22 | 2020-07-14 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Structure using ferroelectric film and sensor using said structure |
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2012
- 2012-06-21 JP JP2012140075A patent/JP2014006078A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US10712156B2 (en) | 2016-03-22 | 2020-07-14 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Structure using ferroelectric film and sensor using said structure |
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