JP2014005333A - 架橋環状オレフィン樹脂フィルム、積層体及び積層体の製造方法 - Google Patents

架橋環状オレフィン樹脂フィルム、積層体及び積層体の製造方法 Download PDF

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Satoshi Iwabuchi
智 岩渕
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Abstract

【課題】架橋環状オレフィン樹脂を含み、金属材料との密着性が優れる架橋環状オレフィン樹脂フィルムを提供する。
【解決手段】架橋環状オレフィン樹脂フィルムを、(a)環状オレフィンモノマー100質量部、(b)芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物、変性芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物及び芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体からなる群より選ばれる重合体0.5〜8質量部、及び(c)重合触媒を含有する重合性組成物を基材上に塗布した後、メタセシス重合し、その後、得られたフィルム状重合体を当該基体から剥離し、その表面をコロナ処理して得る。
【選択図】なし

Description

本発明は、金属材料との接着性が優れる架橋環状オレフィン樹脂フィルム、当該架橋環状オレフィン樹脂フィルムと金属箔が接着されてなる積層体、及び当該積層体の製造方法に関する。
ノルボルネン系モノマー等の環状オレフィンモノマーを含む重合性単量体を、メタセシス重合触媒の存在下で重合させて得られる環状オレフィン樹脂の吸水率は低く、その電気特性、機械特性、耐衝撃性、耐熱性、耐光性等は優れており、当該環状オレフィン樹脂は幅広い分野の成形体の原料として使用されている。
はんだ等の利用により形成されるプリント配線基板の配線層を絶縁する電気絶縁材料、プリント配線基板に実装される電子部品の端子電極を封止する電気絶縁材料は、電気特性に加え、はんだ耐熱性を必要とする。そこで、優れた電気特性及び耐熱性を有する環状オレフィン樹脂は、プリント配線基板、電子部品の端子電極等の電気絶縁材料として使用されている。
しかし、環状オレフィン樹脂がプリント配線基板等の絶縁材料として使用されると、プリント配線基板、電子部品の端子電極等を構成する金属材料と環状オレフィン樹脂の接着性が低く、信頼性が不十分になっていた。
そこで、環状オレフィン樹脂と接着させる金属材料の表面を予め所定のカップリング剤で処理し、環状オレフィン樹脂と金属材料の接着性を向上させることが検討された(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、カップリング剤による金属材料の前処理は、製造工程を煩雑にする。
特開2009−255380号公報
最近、環状オレフィンモノマーをメタセシス重合して得られる架橋環状オレフィン樹脂を含み、金属材料との接着性が優れる架橋環状オレフィン樹脂フィルムが希求されていたが、このようなフィルムは見出されていなかった。
本発明が解決しようとする課題は、架橋環状オレフィン樹脂を含み、金属材料との接着性が優れる架橋環状オレフィン樹脂フィルム、当該架橋環状オレフィン樹脂フィルムと金属箔が接着されてなる積層体、及び当該積層体の製造方法の提供である。
本発明の発明者らは、鋭意検討の結果、(a)環状オレフィンモノマー、(b)芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物、変性芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物及び芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体からなる群より選ばれる重合体、及び(c)重合触媒を含有する重合性組成物を基材上に塗布した後、メタセシス重合し、その後、得られたフィルム状重合体を当該基体から剥離し、その表面をコロナ処理して得られる架橋環状オレフィン樹脂フィルムが、金属材料との接着性に優れていることを見出し、本発明の架橋環状オレフィン樹脂フィルム、当該架橋環状オレフィン樹脂フィルムと金属箔が接着されてなる積層体、及び当該積層体の製造方法を完成させるに至った。
本発明の架橋環状オレフィン樹脂フィルムは、(a)環状オレフィンモノマー100質量部、(b)芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物、変性芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物及び芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体からなる群より選ばれる重合体0.5〜8質量部、及び(c)重合触媒を含有する重合性組成物を基材上に塗布した後、メタセシス重合し、その後、得られたフィルム状重合体を当該基材から剥離し、その表面をコロナ処理して得られる。好ましい上記(a)環状オレフィンモノマーはノルボルネン系モノマーである。好ましい上記(b)重合体は、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物のカルボン酸変性物である。好ましい上記(c)重合触媒はルテニウムカルベン錯体である。
本発明の積層体は、上記架橋環状オレフィン樹脂フィルムと(d)金属箔が、当該架橋環状オレフィン樹脂フィルムのコロナ処理された面で接着されてなる。好ましい上記(d)金属箔は銅箔である。本発明の積層体は、好ましくは、フレキシブルプリント基板に使用される。
本発明の積層体の製造方法は、上記重合性組成物を基材上に塗布した後、メタセシス重合し、その後、得られたフィルム状重合体を当該基材から剥離し、その表面をコロナ処理して架橋環状オレフィン樹脂フィルムを得る工程、及び、上記架橋環状オレフィン樹脂フィルムと(d)金属箔を、当該架橋環状オレフィン樹脂フィルムのコロナ処理された面で接触させ、その後、加圧しながら加熱して両者を接着させる工程を実施する。
本発明の架橋環状オレフィン樹脂フィルムは、金属材料との優れた接着性を有する。
本発明の架橋環状オレフィン樹脂フィルムの原料の1つである(a)環状オレフィンモノマーは、炭素原子で形成される環構造を有し、該環中に炭素−炭素二重結合を有する化合物である。その具体例は、ノルボルネン系モノマー、単環環状オレフィン等である。好ましい(a)環状オレフィンモノマーはノルボルネン系モノマーである。ノルボルネン系モノマーは、ノルボルネン環を含むモノマーである。ノルボルネン系モノマーの具体例は、ノルボルネン類、ジシクロペンタジエン類、テトラシクロドデセン類などである。これらは、アルキル基、アルケニル基、アルキリデン基、アリール基などの炭化水素基;カルボキシル基、酸無水物基などの極性基を置換基として含有し得る。
ノルボルネン系モノマーは、ノルボルネン環の二重結合以外に、さらに二重結合を有していてもよい。好ましいノルボルネン系モノマーは、非極性の、すなわち炭素原子と水素原子のみで構成されるノルボルネン系モノマーである。
非極性のノルボルネン系モノマーの具体例は、ジシクロペンタジエン、メチルジシクロペンタジエン、ジヒドロジシクロペンタジエン(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エンとも言う。)などの非極性のジシクロペンタジエン類;
テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−メチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−エチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−シクロヘキシルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−シクロペンチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−メチレンテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−エチリデンテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−ビニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−プロペニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−シクロヘキセニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−シクロペンテニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−フェニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エンなどの非極性のテトラシクロドデセン類;
2−ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−ヘキシル−2−ノルボルネン、5−デシル−2−ノルボルネン、5−シクロヘキシル−2−ノルボルネン、5−シクロペンチル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−プロペニル−2−ノルボルネン、5−シクロヘキセニル−2−ノルボルネン、5−シクロペンテニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノルボルネン、テトラシクロ[9.2.1.02,10.03,8]テトラデカ−3,5,7,12−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロ−9H−フルオレンとも言う。)、テトラシクロ[10.2.1.02,11.04,9]ペンタデカ−4,6,8,13−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9,9a,10−ヘキサヒドロアントラセンとも言う。)などの非極性のノルボルネン類;
ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカ−4,10−ジエン、ペンタシクロ[9.2.1.14,7.02,10.03,8]ペンタデカ−5,12−ジエン、ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]ヘプタデカ−4−エンなどの五環体以上の非極性の環状オレフィン類;などである。
入手容易性とフィルムの耐熱性向上の観点から、好ましい非極性ノルボルネン系モノマーは、非極性ジシクロペンタジエン類、非極性テトラシクロドデセン類であり、より好ましい非極性ノルボルネン系モノマーは、非極性ジシクロペンタジエン類である。
極性基を含むノルボルネン系モノマーの具体例は、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸メチル、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−メタノール、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸無水物、5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチル、2−メチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチル、酢酸5−ノルボルネン−2−イル、5−ノルボルネン−2−メタノール、5−ノルボルネン−2−オール、5−ノルボルネン−2−カルボニトリル、2−アセチル−5−ノルボルネン、7−オキサ−2−ノルボルネンなどである。
単環環状オレフィンの具体例は、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン、シクロドデセン、1,5−シクロオクタジエン、及び置換基を有するこれらの誘導体などである。
これらの(a)環状オレフィンモノマーは1種単独で若しくは2種以上を組み合わせて用いられる。単環環状オレフィンの添加量は、(a)環状オレフィンモノマーの全量に対して、好ましくは40質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。単環環状オレフィンの添加量が多すぎると、フィルムの耐熱性が不十分となる場合がある。
本発明の架橋環状オレフィン樹脂フィルムを得る際には、少なくとも、(a)環状オレフィンモノマー、(b)芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物、変性芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物及び芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体からなる群より選ばれる重合体及び(c)重合触媒を含有する重合性組成物を基材上に塗布した後、メタセシス重合する。(c)重合触媒は、(a)環状オレフィンモノマーを開環メタセシス重合させる。当該重合触媒は特定の触媒に限定されない。
遷移金属原子を中心にして、イオン、原子、多原子イオン及び/又は化合物が複数結合してなる錯体が、重合触媒として用いられる。5族、6族及び8族(長周期型周期表、以下同じ)の原子が、遷移金属原子として使用される。それぞれの族の原子は特に限定されないが、好ましい5族の原子はタンタルであり、好ましい6族の原子はモリブデン、タングステンであり、好ましい8族の原子はルテニウム、オスミウムである。
好ましいメタセシス重合触媒は、8族のルテニウム、オスミウムの錯体であり、特に好ましいメタセシス重合触媒は、ルテニウムカルベン錯体である。ルテニウムカルベン錯体は、塊状重合時の触媒活性に優れるため、残留未反応モノマーが少ない架橋環状オレフィン重合体が生産性よく得られる。
ルテニウムカルベン錯体の具体例は、触媒活性の観点から、以下の式(1)又は式(2)で表される錯体である。
Figure 2014005333
式(1)及び(2)において、R1及びR2はそれぞれ独立して、水素原子;ハロゲン原子;又はハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子若しくは珪素原子を含んでいてもよい、環状又は鎖状の、炭素数1〜20の炭化水素基を表す。X1及びX2はそれぞれ独立して、任意のアニオン性配位子を示す。L1及びL2はそれぞれ独立して、中性電子供与性化合物を表す。また、R1とR2は互いに結合して、ヘテロ原子を含んでいてもよい、脂肪族環又は芳香族環を形成していてもよい。さらに、R1、R2、X1、X2、L1及びL2は、任意の組合せで互いに結合して多座キレート化配位子を形成していてもよい。
本発明におけるヘテロ原子は、周期表15族及び16族の原子である。ヘテロ原子の具体例は、窒素原子(N)、酸素原子(O)、リン原子(P)、硫黄原子(S)、砒素原子(As)、セレン原子(Se)などである。カルベン化合物の安定性の観点から、好ましいヘテロ原子はN、O、P、及びSであり、特に好ましいヘテロ原子はNである。
中性電子供与性化合物は、ヘテロ原子含有カルベン化合物とその他の中性電子供与性化合物に大別される。重合触媒の活性の観点から、好ましい中性電子供与性化合物は、ヘテロ原子含有カルベン化合物である。カルベン炭素の両側にヘテロ原子が隣接して結合しているヘテロ原子含有カルベン化合物が好ましく、カルベン炭素原子とその両側のヘテロ原子とを含んでヘテロ環が形成されているヘテロ原子含有カルベン化合物がより好ましい。カルベン炭素に隣接するヘテロ原子は、好ましくは嵩高い置換基を有している。
好ましいヘテロ原子含有カルベン化合物の具体例は、以下の式(3)又は式(4)で示される化合物である。
Figure 2014005333
式(3)及び式(4)において、R3〜R6はそれぞれ独立して、水素原子;ハロゲン原子;又はハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子若しくは珪素原子を含んでもよい、環状又は鎖状の、炭素数1〜20個の炭化水素基を表す。R3〜R6は任意の組合せで互いに結合して環を形成していてもよい。
前記式(3)又は式(4)で表される化合物の具体例は、1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジ(1−アダマンチル)イミダゾリジン−2−イリデン、1−シクロヘキシル−3−メシチルイミダゾリジン−2−イリデン、1,3−ジメシチルオクタヒドロベンズイミダゾール−2−イリデン、1,3−ジイソプロピル−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジ(1−フェニルエチル)−4−イミダゾリン−2−イリデン、1,3−ジメシチル−2,3−ジヒドロベンズイミダゾール−2−イリデンなどである。
前記式(3)又は式(4)で示される化合物のほかに、1,3,4−トリフェニル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イリデン、1,3−ジシクロヘキシルヘキサヒドロピリミジン−2−イリデン、N,N,N’,N’−テトライソプロピルホルムアミジニリデン、1,3,4−トリフェニル−4,5−ジヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イリデン、3−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−2,3−ジヒドロチアゾール−2−イリデンなどのヘテロ原子含有カルベン化合物を用い得る。
ヘテロ原子含有カルベン化合物以外の中性電子供与性化合物は、中心金属から引き離されたときに中性の電荷を持つ配位子である。当該中性電子供与性化合物の具体例は、カルボニル類、アミン類、ピリジン類、エーテル類、ニトリル類、エステル類、ホスフィン類、チオエーテル類、芳香族化合物、オレフィン類、イソシアニド類、チオシアネート類などである。好ましい中性電子供与性化合物は、ホスフィン類、エーテル類及びピリジン類であり、より好ましい中性電子供与性化合物はトリアルキルホスフィンである。
前記式(1)及び式(2)において、アニオン(陰イオン)性配位子X1とX2は、中心金属原子から引き離されたときに負の電荷を持つ配位子であり、その具体例は、弗素原子(F)、塩素原子(Cl)、臭素原子(Br)、沃素原子(I)などのハロゲン原子、ジケトネート基、置換シクロペンタジエニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、カルボキシル基などである。好ましいアニオン性配位子はハロゲン原子であり、より好ましい配位子は塩素原子である。
前記式(1)において、X2とL2が互いに結合して多座キレート化配位子を形成しているルテニウムカルベン錯体の例は、下式(5)で表されるシフ塩基配位錯体である。
Figure 2014005333
式(5)において、Zは、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、NR12、PR12又はAsR12を表し、R12は、R1およびR2で例示したものと同様である。
式(5)中、R7〜R9は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、又はヘテロ原子を含んでいてもよい1価の有機基を表す。ヘテロ原子を含んでいてもよい1価の有機基の具体例は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、アリール基、炭素数1〜20のアルコキシル基、炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、炭素数2〜20のアルキニルオキシ基、アリールオキシ基、炭素数1〜8のアルキルチオ基、炭素数1〜20のカルボニルオキシ基、炭素数1〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、炭素数1〜20のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜20のアルキルスルホン酸基、アリールスルホン酸基、炭素数1〜20のホスホン酸基、アリールホスホン酸基、炭素数1〜20のアルキルアンモニウム基、アリールアンモニウム基等である。
これらのヘテロ原子を含んでいてもよい1価の有機基は、置換基を有していてもよく、互いに結合して環を形成していてもよい。置換基の例は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシル基、アリール基である。1価の有機基が環を形成する場合、環は、芳香環、脂環及びヘテロ環のいずれであってもよい。
式(5)中、R10及びR11は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、又はヘテロアリール基を表し、これらの基は、置換基を有していてもよく、互いに結合して環を形成していてもよい。当該置換基の例は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシル基、アリール基である。R10及びR11が環を形成する場合、環は、芳香環、脂環及びヘテロ環のいずれであってもよい。
前記式(1)で表される錯体化合物の具体例は、ベンジリデン(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリジン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3−ジメシチル−4,5−ジブロモ−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(3−フェニル−1H−インデン−1−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリジン−2−イリデン)(3−メチル−2−ブテン−1−イリデン)(トリシクロペンチルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3−ジメシチル−オクタヒドロベンズイミダゾール−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン[1,3−ジ(1−フェニルエチル)−4−イミダゾリン−2−イリデン](トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3−ジメシチル−2,3−ジヒドロベンズイミダゾール−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(トリシクロヘキシルホスフィン)(1,3,4−トリフェニル−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イリデン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジイソプロピルヘキサヒドロピリミジン−2−イリデン)(エトキシメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデン(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリジン−2−イリデン)ピリジンルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリジン−2−イリデン)(2−フェニルエチリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(2−フェニルエチリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチル−4,5−ジブロモ−4−イミダゾリン−2−イリデン)[(フェニルチオ)メチレン](トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(1,3−ジメシチル−4,5−ジブロモ−4−イミダゾリン−2−イリデン)(2−ピロリドン−1−イルメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリドなどの、ヘテロ原子含有カルベン化合物及び中性電子供与性化合物が各々1つ結合したルテニウム錯体化合物;
ベンジリデンビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(3−メチル−2−ブテン−1−イリデン)ビス(トリシクロペンチルホスフィン)ルテニウムジクロリドなどの、2つの中性電子供与性化合物が結合したルテニウム錯体化合物;
ベンジリデンビス(1,3−ジシクロヘキシル−4−イミダゾリジン−2−イリデン)ルテニウムジクロリド、ベンジリデンビス(1,3−ジイソプロピル−4−イミダゾリン−2−イリデン)ルテニウムジクロリドなどの、2つのヘテロ原子含有カルベン化合物が結合したルテニウム錯体化合物;
式(6)で表される、X2とL2が互いに結合して多座キレート化配位子を形成しているルテニウムカルベン錯体;などである。
Figure 2014005333
式(6)において、Mesはメシチル基を表す。R7及びR8は、それぞれ、水素原子又はメチル基であって、少なくとも一方はメチル基である。R13及びR14は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、又はヘテロ原子を含んでいてもよい1価の有機基を表す。なお、「1価の有機基」は、式(5)の説明において上述したR7〜R9と同様のものである。
前記式(2)で表される錯体化合物の具体例は、(1,3−ジメシチル−4−イミダゾリジン−2−イリデン)(フェニルビニリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウムジクロリド、(t−ブチルビニリデン)(1,3−ジイソプロピル−4−イミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロペンチルホスフィン)ルテニウムジクロリド、ビス(1,3−ジシクロヘキシル−4−イミダゾリン−2−イリデン)フェニルビニリデンルテニウムジクロリドなどである。
特に好ましい錯体化合物は、前記式(1)で表され、かつ配位子として前記式(3)または(4)で表される化合物を1つ有するものである。
これらのルテニウムカルベン錯体は、(a)Org. Lett.,1999年、第1巻、953頁、(b)Tetrahedron. Lett.,1999年、 第40巻、2247頁、(c)国際公開第2003/062253号パンフレットなどに記載された方法によって製造される。
(c)重合触媒の使用量は、(重合触媒中の金属原子:(a)環状オレフィンモノマー)のモル比で、通常1:2,000〜1:2,000,000、好ましくは1:5,000〜1:1,000,000、より好ましくは1:10,000〜1:500,000の範囲である。重合触媒の量が少なすぎると、重合反応率が低下して重合体中にモノマーが残留したり、架橋重合体の架橋度が低下して、得られるフィルムの耐熱性が低下したりするおそれがある。重合触媒の量が多すぎると、製造コストの上昇を招き、また反応速度が速くなりすぎて、後述する塊状重合時のフィルム成形が困難になる場合がある。
(c)重合触媒は、重合活性を制御し、重合反応率を向上させる目的で活性剤(共触媒)と併用され得る。活性剤の具体例は、アルミニウム、スカンジウム、スズ、珪素のアルキル化物、ハロゲン化物、アルコキシ化物及びアリールオキシ化物などである。活性剤の更なる具体例は、トリアルコキシアルミニウム、トリフェノキシアルミニウム、ジアルコキシアルキルアルミニウム、アルコキシジアルキルアルミニウム、トリアルキルアルミニウム、ジアルコキシアルミニウムクロリド、アルコキシアルキルアルミニウムクロリド、ジアルキルアルミニウムクロリド等のアルミニウム化合物;トリアルコキシスカンジウム等のスカンジウム化合物;テトラアルコキシチタン等のチタン化合物;テトラアルキルズズ、テトラアルコキシスズ等のスズ化合物;テトラアルコキシジルコニウム等のジルコニウム化合物;ジメチルモノクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、テトラクロロシラン、ビシクロヘプテニルメチルジクロロシラン、フェニルメチルジクロロシラン、ジヘキシルジクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、メチルトリクロロシラン等のシラン化合物;などである。
活性剤の使用量は、(重合触媒中の金属原子:活性剤)のモル比で、通常、1:0.05〜1:100、好ましくは1:0.2〜1:20、より好ましくは1:0.5〜1:10の範囲である。
(c)重合触媒は、重合活性を制御し、重合反応速度を調節する目的で重合調節剤と併用され得る。重合調節剤の具体例は、トリフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリブチルホスフィン、1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタンなどのリン化合物;エーテル、エステル、ニトリルなどのルイス塩基等である。これらの使用量は、重合触媒1モルに対し通常0.01〜50モル、好ましくは0.05〜10モルである。
本発明の架橋環状オレフィン樹脂フィルムの製造にあたり、重合法は、溶液重合法、塊状重合法のいずれでもよいが、溶媒除去の工程が不要で、重合と同時にフィルム形状に成形された樹脂組成物を得られるとの観点から、塊状重合法が好ましい。
塊状重合法は、(a)環状オレフィンモノマー、(b)芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物又は変性芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物及び(c)重合触媒を含有する重合性組成物を、必要に応じ用いられる添加剤の存在下に開環メタセシス重合してフィルム形状に成形する工程を含む。
(a)環状オレフィンモノマーは開環メタセシス重合されて、環状オレフィン重合体が得られ、更に、当該環状オレフィン重合体は、開環メタセシス重合後または開環メタセシス重合と同時に、架橋されて架橋環状オレフィン重合体が得られると考えられる。
本発明の熱硬化性架橋環状オレフィン樹脂フィルムは、(b)芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物、変性芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物及び芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体からなる群より選ばれる重合体(単に「(b)重合体」と称することがある。)を含有する。
(b)重合体を構成する芳香族ビニル化合物の具体例は、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、ジビニルベンゼン、N,N−ジメチル−p−アミノエチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、 N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、2,4−ジエチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等である。中でも、スチレン、α−メチルスチレンが特に好ましい芳香族ビニル化合物である。1種又は2種以上の芳香族ビニル化合物が使用される。
(b)重合体を構成する共役ジエン化合物の具体例は、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジメチル−1,3−オクタジエン等である。中でも、1,3−ブタジエン、イソプレンが特に好ましい共役ジエン化合物である。1種又は2種以上の共役ジエン化合物が使用される。
(b)重合体中に占める芳香族ビニル化合物単位の含有率は、通常、10〜65質量%である。芳香族ビニル化合物単位の含有率が高すぎると、熱硬化性架橋環状オレフィン樹脂フィルムの接着性が低下する。
芳香族ビニル−共役ジエン共重合体の具体例は、芳香族ビニル化合物重合体ブロック(P)および共役ジエン重合体ブロック(Q)を含有し、かつブロック構造が(P−Q)nPまたは(P−Q)m(ただし、nは1以上の整数、好ましくは1〜10の整数、mは1以上の整数、好ましくは2〜10の整数)で表されるブロック共重合体である。芳香族ビニル−共役ジエン共重合体水素添加物の具体例は、スチレン−エチレン−ブテン−スチレンブロック共重合体(SEBS);スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS);(それぞれ、S:スチレン、E:エチレン、B:ブテン、P:プロピレン、の略称)、等である。
(b)重合体の重量平均分子量は、好ましくは5,000〜1,000,000、さらに好ましくは10,000〜500,000の範囲である。
芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物又は変性芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物は、好ましくは、重合体鎖中の不飽和二重結合の80〜99.9モル%、より好ましくは90〜99.9モル%、更に好ましくは95〜99.9モル%が水素化されている。芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物は市販されており、その具体例はクレイトンジャパン社製クレイトン(登録商標)G1650M、クレイトン(登録商標)G1657Mなどのクレイトン(登録商標)Gシリーズ;旭化成ケミカルズ株式会社製タフテック(登録商標)H1031、タフテック(登録商標)H1051などのタフテック(登録商標)Hシリーズ;クラレ株式会社製セプトン(登録商標)2002、セプトン(登録商標)2004などのセプトン(登録商標)シリーズ;等である。
変性芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物としては、極性基変性芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物及び非極性基変性芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物が挙げられる。
極性基変性芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物の例としては、アクリル変性芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物、メタクリル変性芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物、ハロゲン変性芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物、水酸基変性芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物、カルボン酸変性芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物、アミン変性芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物、エポキシ変性芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物、等を挙げることができる。
非極性基変性芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物の例としては、ポリエチレンマクロマー変性芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物、ポリプロピレンマクロマー変性芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物、等を挙げることができる。
中でも、極性基変性芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物が好ましい。
より好ましい変性芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物は、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物が、カルボン酸、アミン等の極性基を有する化合物で変性されている。さらに好ましい変性芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物は、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物のカルボン酸変性物である。なお、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物のカルボン酸変性物には、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物の無水カルボン酸変性物も含まれる。
変性芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物は市販されており、その具体例は旭化成ケミカルズ(株)製タフテック(登録商標)M1943(無水マレイン酸変成SEBS)、同じくMP10(アミン変性SEBS)、等のタフテック(登録商標)シリーズである。
芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体は市販されており、その具体例は旭化成ケミカルズ(株)製アサプレン(登録商標)T412(SBS)等のアサプレン(登録商標)シリーズである。
(b)重合体の含有量は、(a)環状オレフィンモノマー100質量部に対して0.5〜8質量部、好ましくは3〜8質量部、より好ましくは5〜7質量部である。(b)重合体の含有量が少なすぎる場合、金属材料に対する接着性の向上効果が得られなくなるおそれがある。一方、(b)重合体の含有量が多すぎる場合、環状オレフィンモノマーに溶解しない部分が生じたり、重合組成物が重合前に固化したりし、結果として架橋環状オレフィン樹脂フィルムが得られない。
各種の添加剤を、各種の用途、目的に応じたフィルムの特性改質、機能付与、成形作業性の改善などを目的として、本発明の架橋環状オレフィン樹脂フィルムに含有させられる。そのような添加剤の具体例は、重合禁止剤、充填材、消泡剤、発泡剤、着色剤、紫外線吸収剤、安定剤、難燃剤、湿潤剤、分散剤、離型滑剤、可塑剤などである。好ましくは、安定剤を、架橋環状オレフィン重合体の耐久性および保存安定性を向上するため、含有させる。
重合禁止剤の具体例は、パラベンゾキノン、トルキノン、ナフトキノン等のキノン類;ハイドロキノン、パラ−t−ブチルカテコール、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン等のハイドロキノン類;ナフテン酸銅やオクテン酸銅等の銅塩;トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、トリメチルベンジルアンモニウムマレエート、フェニルトリメチルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩類;キノンジオキシムやメチルエチルケトオキシム等のオキシム類;トリエチルアミン塩酸塩やジブチルアミン塩酸塩等のアミン塩酸塩類;等である。これらの1種類又は複数種が併用されて使用される。
充填材の具体例は、カーボンブラック、天然黒鉛、シリカ、珪砂、ガラス粉、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、クレーなどの無機充填材;木粉、ポリエステルビーズ、ポリスチレンビーズなどの有機充填材;等である。これらの1種類又は複数種が併用されて使用される。充填材は、架橋環状オレフィン重合体の収縮率、弾性率、熱伝導率、導電性などの物性を向上させる。
充填材の粒径、形状、アスペクト比、品位などのグレードは、熱硬化性架橋環状オレフィン重合体の物性により、適宜決定される。これらの充填材の使用量は、(a)環状オレフィンモノマー100質量部に対し、好ましくは400質量部以下、より好ましくは300質量部以下である。
離型滑剤の具体例は、シリコーンオイル、ステアリン酸亜鉛等である。これらの1種類又は複数種が併用されて使用される。
好ましい安定剤はフェノール系安定剤、リン系安定剤及びヒンダードアミン系光安定剤である。フェノール系安定剤の具体例は、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート] 、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,9−ビス{ 2−〔3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニロキシ〕−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,1 0−テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール等である。これらの1種類又は複数種が併用されて使用される。
リン系安定剤の具体例は、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6 −メチルフェニル]エチルエステル亜リン酸塩、ビス−(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリル[(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル]ホスフォネート、ジエチル{[(3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル)メチル]ホスフォネート}、6−〔3−(3−t ert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル)プロポキシ〕−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチルジベンズ〔d,f〕〔1,3,2 〕−ジオキサホスフェピン、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等である。これらの1種類又は複数種が併用されて使用される。
ヒンダードアミン系光安定剤の具体例は、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−アリル−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−ベンジル−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(4−t−ブチル−2−ブテニル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−エチル−4−サリチロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−メタクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル−β(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1−ベンジル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニルマレイネート(maleinate)、(ジ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−アジペート、(ジ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−セバケート、(ジ−1,2,3,6−テトラメチル−2,6−ジエチル−ピペリジン−4−イル)−セバケート、(ジ−1−アリル−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−4−イル)−フタレート、1−アセチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−アセテート、トリメリット酸−トリ−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)エステル、1−アクリロイル−4−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ジブチル−マロン酸−ジ−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−ピペリジン−4−イル)−エステル、ジベンジル−マロン酸−ジ−(1,2,3,6−テトラメチル−2,6−ジエチル−ピペリジン−4−イル)−エステル、ジメチル−ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オキシ)−シラン,トリス−(1−プロピル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−ホスフィット、トリス−(1−プロピル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−ホスフェート,N,N’−ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−ヘキサメチレン−1,6−ジアミン、N,N’−ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−ヘキサメチレン−1,6−ジアセトアミド、1−アセチル−4−(N−シクロヘキシルアセトアミド)−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン、4−ベンジルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、N,N’−ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−N,N’−ジブチル−アジパミド、N,N’−ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−N,N’−ジシクロヘキシル−(2−ヒドロキシプロピレン)、N,N’−ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−p−キシリレン−ジアミン、4−(ビス−2−ヒドロキシエチル)−アミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−メタクリルアミド−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、α−シアノ−β−メチル−β−[N−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)]−アミノ−アクリル酸メチルエステル等である。これらの1種類又は複数種が併用されて使用される。
これらの安定剤の種類及び量は、架橋環状オレフィン重合体の高温時の機械的特性、フィルム形成作業性、保存安定性等の条件により適宜選択される。安定剤の使用量は、(a)環状オレフィンモノマー100質量部に対し通常20質量部以下である。
本発明の架橋環状オレフィン樹脂フィルムを得る際には、少なくとも、(a)環状オレフィンモノマー、(b)重合体、(c)重合触媒、及び必要に応じて用いられる添加剤を含む重合性組成物をメタセシス重合する。(c)重合触媒は、必要に応じて、少量の不活性溶剤に溶解又は懸濁して使用される。当該溶媒の具体例は、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、流動パラフィン、ミネラルスピリットなどの鎖状脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジエチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、ジシクロヘプタン、トリシクロデカン、ヘキサヒドロインデン、シクロオクタンなどの脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;インデン、テトラヒドロナフタレンなどの脂環と芳香環とを有する炭化水素;ニトロメタン、ニトロベンゼン、アセトニトリルなどの含窒素炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどの含酸素炭化水素;などである。好ましい溶媒は、含酸素炭化水素、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、および脂環と芳香環とを有する炭化水素である。(c)重合触媒としての活性を低下させない液状の老化防止剤又は可塑剤を溶剤として用いてもよい。
(a)環状オレフィンモノマー、(b)重合体、(c)重合触媒、及び必要に応じて用いられる添加剤を含む重合性組成物の室温における粘度は、所望のフィルムの厚みにもよるが、3〜500Pa・sが好ましい。粘度が上記の好ましい範囲内にあることにより、フィルム形状に形成することが容易となる。上記重合性組成物の粘度は、(a)環状オレフィンモノマー及び(b)重合体の種類および使用量により調整される。
上記重合性組成物を塊状重合してフィルム形状に成形する方法の具体例は、上記重合性組成物を支持体上に塗布し塊状重合する方法である。
樹脂、ガラスなど一般公知の素材が、上記支持体として選択される。樹脂の具体例は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレートなどのポリエステル;ポリカーボネート;ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン;ナイロンなどのポリアミド;ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂;であり、入手が容易なポリエステルが好ましい。支持体の好ましい形状は、材料が樹脂であればドラム又はベルトである。好ましい支持体は、入手が容易で安価な樹脂フィルムである。
上記重合性組成物を、必要に応じ(c)重合触媒が活性を発現する温度まで加熱して塊状重合する。重合温度は、通常0〜250℃、好ましくは20〜200℃である。上記重合性組成物の加熱方法は特に制約されない。当該加熱方法の具体例は、加熱プレート上で加熱する方法、プレス機を用いて加圧しながら加熱(熱プレス)する方法、加熱したローラーで押圧する方法、加熱炉を用いる方法などである。重合反応時間は、(c)重合触媒の量および加熱温度により適宜決定されるが、通常1分間〜24時間である。
環状オレフィン重合体は架橋される。架橋は重合後又は重合と同時に行われる。重合と同時に行う架橋は、より少ない工程で工業的に有利に本発明の架橋環状オレフィン樹脂フィルムを得られるので、より好ましい。
架橋方法の具体例は、(A)(a)環状オレフィンモノマーの少なくとも一部として架橋性モノマーを用いて、これを重合させ三次元架橋構造を有する重合体を得る方法;(B)上記組成物に架橋剤を添加して塊状重合を行い、さらに重合と同時または重合後に架橋反応を行って架橋する方法;(C)環状オレフィン重合体に光または電子線を照射し、重合後に架橋反応を行って架橋する方法;などである。これらの方法は、そのうちの1法を用いてもよく、2法以上を併用してもよい。フィルムの物性制御のし易さと経済性の点から、(A)の方法が好ましい。
炭素−炭素二重結合を2以上有する(a)環状オレフィンモノマーが、(A)の方法に用いられる架橋性モノマーとして用いられる。当該環状オレフィンモノマーの具体例は、ジシクロペンタジエン、トリシクロペンタジエン等である。架橋性モノマーの使用量及び重合時の加熱温度により架橋密度を制御できる。架橋性モノマーの使用量は、フィルムの用途に応じて適正な架橋密度が様々であるため特に限定されない。架橋性モノマーの好ましい使用量は、環状オレフィンモノマー全量中の架橋性モノマーの割合で0.1〜100モル%である。
公知の熱架橋剤及び光架橋剤が、(B)の方法に用いられる架橋剤として用いられる。好ましい熱架橋剤は、有機過酸化物、ジアゾ化合物、非極性ラジカル発生剤などのラジカル発生剤である。架橋剤の使用量は、(a)環状オレフィンモノマー100質量部に対して、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは0.5〜5質量部である。熱架橋剤を用いる場合の架橋を行う温度は、通常100〜250℃、好ましくは150〜200℃である。架橋する時間は特に制約されないが、通常数分間から数時間である。
本発明における塊状重合および架橋は、好ましくは酸素分子および水の不存在下で行われる。当該塊状重合及び架橋方法の具体例は、(1)窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下で塊状重合および架橋を行う方法(2)真空下で塊状重合および架橋を行う方法、(3)支持体上に塗布した上記組成物を樹脂フィルムなどで覆って密閉した状態で塊状重合および架橋を行う方法などである。当該樹脂フィルムの具体例は、前記支持体として例示したものである。酸素分子または水の存在下で塊状重合および架橋を行うと、得られるフィルムの表面が酸化され、所望の屈曲性を発揮することが困難となる場合がある。
本発明の架橋環状オレフィン樹脂フィルムの厚さは、用途に応じて適正値が様々であり、特に限定されないが、通常、0.5〜5,000μmであり、ハンドリング性の観点から、好ましい当該厚さは5〜500μmである。本発明の熱硬化性架橋環状オレフィン樹脂フィルムの表面は、平滑であってもよいが、エンボス加工により凹凸形状を形成されていてもよい。
本発明の架橋環状オレフィン樹脂フィルムと(d)金属箔を、当該架橋環状オレフィン樹脂フィルムのコロナ処理された面で接触させ、その後、加圧しながら加熱して両者を接着させ、積層体が製造される。本発明の架橋環状オレフィン樹脂フィルムと(d)金属箔は、金属板、金属部品等の他の材料と共に熱プレスされてもよい。熱プレス圧力は、通常、0.5〜20MPa、好ましくは1〜10MPaである。熱プレスは真空又は減圧下で行われてもよい。熱プレスは、平板成形用のプレス枠型を有する公知のプレス機、シートモールディングコンパウンド(SMC)、バルクモールドコンパウンド(BMC)等のプレス機により行われ得る。
上記他の材料は特定のものに限定されない。上記他の材料の具体例は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ナイロン等の樹脂;鉄、ステンレス、銅、アルミニウム、ニッケル、42アロイ、クロム、金、銀等の金属;からなるものである。好ましい他の材料は、金属からなるものである。他の材料の形状は限定されない。他の材料の好ましい形状は金属板、金属部品、金属フレーム等である。なお、(d)金属箔が銅箔である場合、樹脂付き銅箔(Resin Coated Copper(RCC))が得られる。(d)金属箔の好ましい厚さは、作業性等の観点から、通常、1〜150μm、好ましくは2〜100μm、より好ましくは3〜75μmである。他の材料として好ましいものである金属板及び金属フレームは、ニッケル−パラジウム−金メッキ処理等が施された銅(最外層からニッケル、パラジウム、金の順にメッキ処理された銅)からなるものである。当該銅板及び銅フレームの耐熱性及び耐食性は優れている。金属板及び金属フレームの厚みは適宜設定される。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。実施例および比較例における部および%は、特に断りのない限り質量基準である。
実施例1〜7及び比較例1〜3
表1に示される、[芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物、変性芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物及び芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体からなる群より選ばれる重合体]、フェノール系安定剤、リン系安定剤及びヒンダードアミン系光安定剤を、ジシクロペンタジエン90部及びトリシクロペンタジエン10部からなるノルボルネン系モノマー混合液に溶解して反応原液を得た。次に、表1及び表2に示される質量の式(7)の構造を有するルテニウム触媒を前記反応原液に添加し、ラインミキサーで混合し、25℃で、厚さ0.075mmのポリエチレンテレフタラート製キャリアフィルム上に塗工しキャスト製膜を行い、次いで直ぐに、塗布層の上から別に用意した前記同様のキャリアフィルムをラミネートした。その後、200℃で3分間加熱を行い、その後、20℃まで冷却した後、上下のキャリアフィルムをそれぞれ剥離し、架橋環状オレフィン樹脂フィルムを得た。
次に、コロナ処理装置(高周波電源;春日電機(株)製 CT−0212、発信機本体;春日電機(株)製 CT−0212、高圧トランス;春日電機(株)製 CT−T022)を用い、架橋環状オレフィン樹脂フィルム表面とコロナ処理装置の電極との距離が2mmとなるように調整し、出力0.15KW、ラインスピード0.5m/min、周囲温度23℃、周囲相対湿度55%RHの条件で、架橋環状オレフィン樹脂フィルム表裏面をそれぞれ1回ずつコロナ処理した。
300mm×300mmの、コロナ処理を施した架橋環状オレフィン樹脂フィルムを、表面がエッチングされた厚さ0.1mmで同サイズの銅板の上に載せ、同サイズの電解銅箔(古河電工(株)製、表面GTS処理、厚さ0.018mm)を当該フィルム上に、銅箔の粗化処理面が当該フィルムに接するように載せた。得られた銅板/樹脂フィルム/銅箔積層体を真空プレスに挿入し、面圧9.0MPa、180℃で60分間熱圧着し、その後、20℃まで冷却して得られた試料を真空プレスから取り出し、銅板と架橋環状オレフィン樹脂フィルムと銅箔とがこの順序でそれぞれ接着され積層されている積層体を得た。その後、架橋環状オレフィン樹脂フィルムの対銅箔接着力を下記のとおりに測定した。架橋環状オレフィン樹脂フィルムと銅箔との積層体を、10mm×150mmの大きさに切り出して試験片とし、当該試験片における、架橋環状オレフィン樹脂フィルムの銅箔に対する180度接着力をJIS K 6854-2に従って測定した。測定で得られた最大接着力を対銅箔接着力とした。結果を表1に示す。
Figure 2014005333
Figure 2014005333
1)BASFジャパン(株)製IRGANOX1076
2)(株)ADEKA製アデカスタブHP−10
3)BASFジャパン(株)製TINUVIN770
4)ダウ・ケミカル日本(株)製クレイトンG1657M(スチレン含有量13%)
5)旭化成ケミカルズ(株)製タフテックH1051(スチレン含有量42%)
6)クラレ(株)製セプトン2104(スチレン含有量65%)
7)旭化成ケミカルズ(株)製アサプレンT412(スチレン含有量20%)
8)旭化成ケミカルズ(株)製タフテックM1943(スチレン含有量20%、酸価10)
9)旭化成ケミカルズ(株)製タフテックMP10(スチレン含有量30%、スチレンブロック/エチレンブロック及びブテンブロックのモル比=30/70)
10)RIMTEC(株)製VC843(ルテニウム触媒の1.8%シクロペンタノン溶液)
実施例1〜7の重合性組成物から得られた架橋環状オレフィン樹脂フィルムの対銅箔接着力は高かった。
芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物も変性芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物も芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体も含有しない比較例1の重合性組成物から得られた架橋環状オレフィン樹脂フィルムの対銅箔接着力は低かった。芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物も変性芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物も芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体も含有せず、コロナ処理がされていない比較例2の重合性組成物から得られた架橋環状オレフィン樹脂フィルムの対銅箔接着力は非常に低かった。変性芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物の含有量が多すぎる比較例3の反応原液は固化してしまい、フィルムが当該反応原液から得られなかった。
本発明の架橋環状オレフィン樹脂フィルムは、各種電子材料として好適に使用され、特に、コイル、コンデンサー、半導体等の封止材、フレキシブル基板、多層回路基板、LED用基板等に好適に用いられる。

Claims (12)

  1. (a)環状オレフィンモノマー100質量部、(b)芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物、変性芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物及び芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体からなる群より選ばれる重合体0.5〜8質量部、及び(c)重合触媒を含有する重合性組成物を基材上に塗布した後、メタセシス重合し、その後、得られたフィルム状重合体を当該基材から剥離し、その表面をコロナ処理して得られる架橋環状オレフィン樹脂フィルム。
  2. 上記(a)環状オレフィンモノマーがノルボルネン系モノマーである、請求項1に記載されている架橋環状オレフィン樹脂フィルム。
  3. 上記(b)重合体が、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物のカルボン酸変性物である、請求項1又は2に記載されている架橋環状オレフィン樹脂フィルム。
  4. 上記(c)重合触媒がルテニウムカルベン錯体である、請求項1〜3のいずれか1項に記載されている架橋環状オレフィン樹脂フィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載されている架橋環状オレフィン樹脂フィルムと(d)金属箔が、当該架橋環状オレフィン樹脂フィルムのコロナ処理された面で接着されている積層体。
  6. 上記(d)金属箔が銅箔である、請求項5に記載されている積層体。
  7. フレキシブルプリント基板用である、請求項6に記載されている積層体。
  8. (a)環状オレフィンモノマー100質量部、(b)芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物、変性芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物及び芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体からなる群より選ばれる重合体0.3〜8質量部、及び(c)重合触媒を含有する重合性組成物を基材上に塗布した後、メタセシス重合し、その後、得られたフィルム状重合体を当該基体から剥離し、その表面をコロナ処理して架橋環状オレフィン樹脂フィルムを得る工程、及び、
    上記架橋環状オレフィン樹脂フィルムと(d)金属箔を、当該架橋環状オレフィン樹脂フィルムのコロナ処理された面で接触させ、その後、加圧しながら加熱して両者を接着させる工程、が実施される、積層体の製造方法。
  9. 上記(a)環状オレフィンモノマーがノルボルネン系モノマーである、請求項8に記載されている積層体の製造方法。
  10. 上記(b)重合体が、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体水素添加物のカルボン酸変性物である、請求項8又は9に記載されている架橋環状オレフィン樹脂フィルム。
  11. 上記(c)重合触媒がルテニウムカルベン錯体である、請求項8〜10のいずれか1項に記載されている積層体の製造方法。
  12. 上記(d)金属箔が銅箔である、請求項8〜11のいずれか1項に記載されている積層体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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