JP2014005312A - 喘息の増悪の予防および/または治療のためのフォルモテロールおよびジプロピオン酸ベクロメタゾンを含む組成物の使用 - Google Patents
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Abstract
【課題】向上した効能を特徴とすると共に優れた安全性プロフィールを示す別の組み合わせを提案する。
【解決手段】本発明は、(a)フォルモテノール、その医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物、またはそのような塩の溶媒和物と(b)ジプロピオン酸ベクロメタゾンとの一定の組み合わせを含む組成物の、必要なときに症状軽減用に同じ組成物を用いる喘息の維持療法中における喘息、間欠型喘息および/または慢性喘息エピソードの増悪の予防および/または治療において用いるための薬剤の製造のための使用に関する。
【選択図】なし
【解決手段】本発明は、(a)フォルモテノール、その医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物、またはそのような塩の溶媒和物と(b)ジプロピオン酸ベクロメタゾンとの一定の組み合わせを含む組成物の、必要なときに症状軽減用に同じ組成物を用いる喘息の維持療法中における喘息、間欠型喘息および/または慢性喘息エピソードの増悪の予防および/または治療において用いるための薬剤の製造のための使用に関する。
【選択図】なし
Description
本発明は、(a)フォルモテロール、その医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物、またはそのような塩の溶媒和物と、(b)ジプロピオン酸ベクロメタゾンと、の一定の組み合わせを含む組成物の、必要なときに症状軽減用に同じ組成物を用いる喘息の維持療法中における、喘息、間欠型喘息および/または慢性喘息エピソードの増悪の予防および/または治療において用いるための薬剤の製造のための使用に関する。
本発明は、さらに、先に定義した有効成分(a)および(b)を含む組成物を、必要なときに症状軽減用に同じ組成物を用いる喘息の維持療法中、吸入により投与することにより、喘息、間欠型喘息および/または慢性喘息エピソードの増悪を予防および/または治療する方法に関する。
喘息は、より流行しつつある疾患であり、子供の最も一般的な病気である。これは、反復性喘鳴と間欠的気流制限により識別することができる。その理解がかなり進歩しているにも拘わらず、喘息は依然としてあまり理解されず多くの場合あまり治療されていない疾患である。以前には、気道平滑筋の収縮が喘息の最も重要な特徴であると見なされていた。近年、喘息が慢性炎症性疾患であるとの認識の事実に起因して、喘息を管理する方法に顕著な変化があった。制御されない気道炎症により、粘膜が損傷し構造が変化し、それにより気道が不可逆的に狭窄し肺組織が線維化する。従って、その治療は、気道閉塞に関連する症状(例えば、喘鳴、呼吸困難)を制御し、同時に、潜在的炎症を治療する基礎を提供することを目的とすべきである。
急性喘息症状は、サルブタモール、フェノテロールおよびテルブタリンのような第1世代β−2アドレナリン受容体作動薬(短時間作用型β−2作動薬)、または特に夜間型喘息患者に対する短い作用時間の不利益を克服するフォルモテロールおよびサルメテロールのような第2世代β−2アドレナリン受容体作動薬(長時間作用型β−2作動薬)により軽減することができる。
維持療法は、典型的には、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ブデソニド、プロピオン酸フルチカゾン、フロ酸モメタゾンおよびシクレソニドのような抗炎症性グルココルチコステロイドにより提供される。最近の治療方策は、症状を制御することと、長時間作用型β−2作動薬とグルココルチコステロイドとの組み合わせにより炎症を減少させることとの両方を目的としている。
吸入は、喘息の治療における主な投与経路となっている。吸入性薬剤の典型的送達系としては、加圧式定量投与吸入器、乾燥粉末吸入器またはネブライザー(超音波、ジェット、ソフトミスト等)がある。
いずれにしても、維持療法として喘息の重症度に応じた投与量で吸引器を組み合わせて1日2回、場合により1回適用すること、および喘息の増悪のような急進展症状および急性状態を軽減するために必要なサルブタモールまたはテルブタリンのような短時間作用型β−2作動薬を用いることが通常の臨床的行為である。
これらの急性状態は、頻度および重症度を増加させ、疾患の制御を損ない、そのために短時間作用型β−2作動薬のさらなる投与が必要となる。
異なる薬剤および器具を用いる治療では、患者の治療順守が低下し、その結果、完全に治療されない可能性があり、生活の質に悪影響が及ぶことになる。
特に、維持治療および救命治療のために単一の吸入器が利用できると、患者の治療順守および喘息制御が優れたものになり得る。
この方向で、WO99/64014は、喘息の急性症状の予防または治療のために、ブデソニドとフォルモテロールとの組み合わせを使用することを提案している。
本発明は、向上した効能を特徴とすると共に優れた安全性プロフィールを示す別の組み合わせを提案するものである。
本発明は、喘息の維持療法の補足として、急性エピソードの予防および/または救命治療のための薬剤の製造のための適切な組成物の使用を提供する。
より詳しくは、本発明は、(a)フォルモテロール、その医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物、またはそのような塩の溶媒和物と、(b)ジプロピオン酸ベクロメタゾンと、の一定の組み合わせを含む組成物の、必要なときに症状軽減用に同じ組成物を用いる喘息の維持療法中における、喘息、間欠型喘息および/または慢性喘息エピソードの増悪の治療において用いるための薬剤の製造のための使用に関する。
さらなる態様において、本発明は、(a)フォルモテロール、その医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物、またはそのような塩の溶媒和物と、(b)ジプロピオン酸ベクロメタゾンと、の一定の組み合わせを含む組成物の、必要なときに症状軽減用に同じ組成物を用いる喘息の維持療法中における、喘息、間欠型喘息および/または慢性喘息エピソードの増悪の予防において用いるための薬剤の製造のための使用に関する。
本組成物の使用は、必要な場合、一または複数の以下の症状における使用に関する:
i)喘息の増悪または喘息の急性症状が、不規則状態の患者が、花粉、ウイルス感染、冷たい空気、運動、香料、または喘息発作を引き起こす他の剤に晒され得る場合の、急性喘息発作である;
ii)間欠型喘息、すなわち希発(週2回未満)、短時間増悪(数時間乃至数日)の場合であり、夜間型増悪が月2回未満;
iii)エピソード、すなわち慢性喘息における短期間の気管支痙攣急性発作。
i)喘息の増悪または喘息の急性症状が、不規則状態の患者が、花粉、ウイルス感染、冷たい空気、運動、香料、または喘息発作を引き起こす他の剤に晒され得る場合の、急性喘息発作である;
ii)間欠型喘息、すなわち希発(週2回未満)、短時間増悪(数時間乃至数日)の場合であり、夜間型増悪が月2回未満;
iii)エピソード、すなわち慢性喘息における短期間の気管支痙攣急性発作。
(本発明の詳細な説明)
本発明によれば、喘息、間欠性喘息および/または慢性喘息エピソードの増悪または急性症状の治療のために、定期的に、慢性喘息の維持療法に加えて、フォルモテロールとジプロピオン酸ベクロメタゾンとの一定の組み合わせを投与することができる。
本発明によれば、喘息、間欠性喘息および/または慢性喘息エピソードの増悪または急性症状の治療のために、定期的に、慢性喘息の維持療法に加えて、フォルモテロールとジプロピオン酸ベクロメタゾンとの一定の組み合わせを投与することができる。
さらに、喘息、間欠性喘息および/または慢性喘息エピソードの増悪または急性症状の予防のために、定期的に、慢性喘息の維持療法に加えて、フォルモテロールとジプロピオン酸ベクロメタゾンとの一定の組み合わせを投与することができる。
実際、フォルモテロール単独またはプラセボと比較して、フォルモテロールとジプロピオン酸ベクロメタゾンとの組み合わせの高度累積投与の急性耐性を調べる際に、我々は驚くべきことに、フォルモテロール単独では、前記一定の組み合わせまたはプラセボの場合よりも、血清カリウム値が著しく低下することを発見した。
従って、提案された組み合わせは、喘息の救命治療の場合、特に喘息の維持療法中の増悪の場合における推奨臨床投与量を大幅に超える投与量で投与したとしても、実施例3に示すように、フォルモテロール単独より安全である。
本発明組成物を定期的に投与、すなわち毎日2回投与して喘息を維持療法している間に増悪した場合、更なる投与量の同じ組成物を用いて症状に対抗することができる、すなわち更なるグルココルチコステロイド成分(ジプロピオン酸ベクロメタゾン)により増加した気道炎症をできるだけ早期に抑制させると共に、さらなる長時間作用型β−2作動薬(フォルモテロール)により直ちに気管支狭窄を軽減させて、異なる吸入器からの頻繁過ぎる投与の危険性を最小限にさせる。
本発明によれば、必要な場合にフォルモテロールとジプロピオン酸ベクロメタゾンとの組み合わせを投与すると、増悪の重症度が低下され、グルココルチコステロイド(低投与量または高投与量)の、および別の吸入器で使用される短時間作用型または長時間作用型β−2作動薬の最良の投与方式を推測する困難が最少化される。
本発明の組成物は、フォルモテロールとジプロピオン酸ベクロメタゾンとの一定の組み合わせを含む。
フォルモテロール、すなわち(+)N−[2−ヒドロキシ−5−(1−ヒドロキシ−2−((2−(4−メトキシフェニル)−1−メチルエチル)アミノ)エチル)フェニル]ホルムアミド、特にそのフマル酸塩の状態のものは、炎症性または閉塞性気道疾患の治療において用いられる気管支拡張薬である。フォルモテロールは、4種類の立体化学的形状で存在し得る。本発明は、個々の立体異性体、特に、(R,R)−エナンチオマー、およびそれらの混合物、好ましくはそのラセミ混合物を包含する。
フォルモテロールは、組成物中に遊離塩基または医薬的に許容される塩として存在し得る。フォルモテロールの医薬的に許容される塩としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、燐酸のような無機酸の塩、およびマレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、4−メトキシ安息香酸、2−または4−ヒドロキシ安息香酸、4−クロロ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、アスコルビン酸、サリチル酸、酢酸、コハク酸、乳酸、トリカルバリル酸、ヒドロキシ−ナフタレン−カルボン酸、グルコン酸、オレイン酸のような有機酸の塩が挙げられる。
フォルモテロールまたはその塩は、組成物中に特定の結晶性形で存在し得る。好ましいフォルモテロールの塩は、フマル酸フォルモテロール、特にその二水和物の状態のものである。
ジプロピオン酸ベクロメタゾン、すなわち(1−β,16−β)−9−クロロ−11,17,21−トリヒドロキシ−16−メチルプレグナ−1,4−ジエン−3,20−ジオン17,21−ジプロピオネートは、抗喘息性化合物として吸入で用いられる良く知られた抗炎症性グルココルチコステロイドである。
フォルモテロール対ジプロピオン酸ベクロメタゾンとして計算される、一定の組み合わせ中でのフォルモテロールまたはその医薬的に許容される塩とジプロピオン酸ベクロメタゾンとのモル比は、通常1:1〜1:500、好ましくは1:1〜1:100、より好ましくは1:1〜1:60、さらにより好ましくは1:3〜1:30、最も好ましくは1:12〜1:26であり、最も好ましい比は1:12.8〜1:25.6である。
成人用のジプロピオン酸ベクロメタゾンと組み合わされるフォルモテロールの推奨される最大日用量は、24μgである。
成人用のフォルモテロールと組み合わされるジプロピオン酸ベクロメタゾンの推奨される最大日用量は、400μgである。
これらの投与量は、高濃度の活性化合物に患者を晒すことを避けるものであることが勧められる。しかしながら、本発明において、患者がこの混合物を短時間にわたって必要な限り頻繁に投与することができることが発見された。
特に、維持療法を含む成人用のフォルモテロールの日用量は168μg、好ましくは100μg、より好ましくは84μg、さらにより好ましくは72μgである。
維持療法を含む成人用のジプロピオン酸ベクロメタゾンの日用量は5600μg、好ましくは2800μg、より好ましくは2400μg、さらにより好ましくは1400μg、最も好ましくは1200μgである。
投与方式は、軽症、中等度または重症喘息かという疾患の重症度に依存し、患者の年齢、性別、体重などに依存する。
組成物は、経口吸入または鼻腔内吸入により投与することができる。組合せは、好ましくは、乾燥粉末吸入器、加圧式定量投与吸入器またはネブライザーにより投与される。
本発明の組み合わせが、乾燥粉末吸引器、例えば単回投与または複数回投与吸入器により投与される乾燥粉末組成物として調製される場合、両方の有効成分が微小化粒子の状態、好ましくは粒径10μ未満の粒子の状態である。
この組成物は、ラクトース、デキストラン、マンニトールまたはグルコースのような一種または複数の適切な希釈剤またはキャリアを含み得る。好ましくはラクトースが用いられ、より好ましくはα−ラクトース一水和物が用いられる。本発明の組み合わせの両方の有効成分および希釈剤/キャリアは微小化状態であり得る。これらの混合物を、任意に凝集および/または球状化に付することができる。
あるいは、微小化粒子である組み合わせの有効成分および任意の希釈剤/キャリアを含む組成物に粗希釈剤/キャリアを加えて、規格混合物を形成することができる。この規格混合物は、任意に有効成分の放出を促進するための添加剤を含むことができる。
適切な添加剤は、抗付着性、滑性または潤滑性を有する物質である。ステアリン酸マグネシウムが特に好ましい添加剤である。
本発明の組み合わせが加圧式定量投与吸入器として調製される場合、有効成分はいずれも液状推進剤混合物中に懸濁した微小化状態である、またはより好ましくはいずれも液状推進剤混合物中に完全に溶解されていてよい。あるいは、2つの有効成分の一方が液状推進剤混合物中に懸濁し、他方が液状推進剤混合物中に完全に溶解されていてよい。
用いることができる推進剤としては、クロロフルオロカーボン(CFC)、炭化水素またはヒドロフルオロカーボン(HFA)が挙げられる。特に好ましい推進剤は、HFA 134a(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)、HFA 227(1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン)またはそれらの混合物である。有効成分推進剤混合物は、任意に、一または複数の他の推進剤および/または一または複数の添加剤、例えば、エタノールのような共溶媒、界面活性剤および/または一または複数の潤滑剤、酸化防止剤、安定化剤および防腐剤、例えば、無機酸水溶液、好ましくは1M塩酸と組み合わせて用いられる。
本発明の組み合わせが加圧式定量投与吸入器として調製される場合、組成物の2つの有効成分が推進剤混合物に溶解されている溶液製剤が特に好ましい。より好ましくは、推進剤混合物は、ヒドロフルオロカーボン、例えばHFA 134a、HFA 227またはそれらの混合物、共溶媒、例えばエタノール、および安定化剤としての無機酸水溶液、例えば1M塩酸を含むおよび/またはそれらからなる。
特に好ましいのはHFA溶液製剤(以下の実施例1、2および4の一つ)であり、加圧式定量投与吸入器の作動時に、推進剤混合物が蒸発したとき、2つの有効成分の平均粒径が1.1μm以下であることを特徴とする。これらの製剤は、ここで超微小製剤とも呼ばれる。超微小製剤は、両方の有効成分粒子の肺領域内での共付着を確実にする。この共付着により、向上した治療的気管支拡張効果が得られ、より安全な薬剤が得られる。
実際、その最適化された粒子分布および末梢気道における増加した付着により、本発明の溶液製剤組み合わせは、WO 99/64014(実施例3〜4)に記載の市販のブデソニド−フォルモテロール乾燥粉末吸入器製剤に関して、グルココルチコステロイド投与量を減少させ、その結果全身的露出を減少させる。実際、GINA(Global Initiative for Asthma)国際ガイドライン、Workshop Report Updated 2003によれば、ジプロピオン酸ベクロメタゾンHFA(超微小加圧式溶液製剤)の日用量400μgと、ブデソニド乾燥粉末吸入器製剤800μgとは等価である。
従って、本発明の組み合わせの超微小HFA溶液製剤の利用により、喘息の救命治療におけるように組み合わせの複数回投与の場合、特に喘息の維持療法中の増悪の場合、従来技術の製剤と比べて危険/利益比をさらに改善することができる。
本発明の組み合わせがネブライザーとして調製される場合、適切にpHまたは等張力を調節してまたは調節せずに、安定化剤および/または防腐剤を任意に添加する条件で、有効成分をいずれも懸濁した微小化状態、溶解した状態、または一方を溶解し他方を懸濁した状態として、噴霧化水性または水性アルコール性懸濁液または溶液を得ることができ、単回投与または複数回投与製剤として利用することができる。
本発明の他の特徴が、例示的態様の以下の記載において明らかとなる。
以下の実施例において、各成分の粒径範囲が吸入による投与に適しているように、従来法により微小化を行う。
(実施例1)
フマル酸フォルモテロール+ジプロピオン酸ベクロメタゾンの組み合わせからなる加圧式定量投与吸入器溶液製剤は、フマル酸フォルモテロール二水和物6μg/投与(製剤の合計重量に対して0.010%w/w)、ジプロピオン酸ベクロメタゾン100μg/投与(0.172%w/w)、共溶媒としてのエタノール12%w/w、安定化剤としての塩酸(1M)0.024%w/w、および推進剤としてのHFA 134a(100%にする量)を含んでいた。製剤を50μl弁が取り付けられたアルミニウム缶に詰めた。
フマル酸フォルモテロール+ジプロピオン酸ベクロメタゾンの組み合わせからなる加圧式定量投与吸入器溶液製剤は、フマル酸フォルモテロール二水和物6μg/投与(製剤の合計重量に対して0.010%w/w)、ジプロピオン酸ベクロメタゾン100μg/投与(0.172%w/w)、共溶媒としてのエタノール12%w/w、安定化剤としての塩酸(1M)0.024%w/w、および推進剤としてのHFA 134a(100%にする量)を含んでいた。製剤を50μl弁が取り付けられたアルミニウム缶に詰めた。
(実施例2)
フマル酸フォルモテロール+ジプロピオン酸ベクロメタゾンの組み合わせからなる加圧式定量投与吸入器溶液製剤は、フマル酸フォルモテロール二水和物6μg/投与(製剤の合計重量に対して0.008%w/w)、ジプロピオン酸ベクロメタゾン200μg/投与(0.271%w/w)、共溶媒としてのエタノール12%w/w、安定化剤としての塩酸(1M)0.019%w/w、および推進剤としてのHFA 134a(100%にする量)を含んでいた。製剤を63μl弁が取り付けられたアルミニウム缶に詰めた。
フマル酸フォルモテロール+ジプロピオン酸ベクロメタゾンの組み合わせからなる加圧式定量投与吸入器溶液製剤は、フマル酸フォルモテロール二水和物6μg/投与(製剤の合計重量に対して0.008%w/w)、ジプロピオン酸ベクロメタゾン200μg/投与(0.271%w/w)、共溶媒としてのエタノール12%w/w、安定化剤としての塩酸(1M)0.019%w/w、および推進剤としてのHFA 134a(100%にする量)を含んでいた。製剤を63μl弁が取り付けられたアルミニウム缶に詰めた。
(実施例3)
フマル酸フォルモテロール+ジプロピオン酸ベクロメタゾンの組み合わせからなる乾燥粉末吸入器製剤は、微小化フマル酸フォルモテロール二水和物6μg/投与(製剤の合計重量に対して0.06%w/w)、微小化ジプロピオン酸ベクロメタゾン100μg/投与(1%w/w)、微小化ラクトースとステアリン酸マグネシウムと(98:2w/w)からなる予備ブレンド混合物(9.89%w/w)989μg/投与、および粒径が212〜355μである粗α−ラクトース一水和物(89.04%w/w)8904μg/投与を含んでいた。
フマル酸フォルモテロール+ジプロピオン酸ベクロメタゾンの組み合わせからなる乾燥粉末吸入器製剤は、微小化フマル酸フォルモテロール二水和物6μg/投与(製剤の合計重量に対して0.06%w/w)、微小化ジプロピオン酸ベクロメタゾン100μg/投与(1%w/w)、微小化ラクトースとステアリン酸マグネシウムと(98:2w/w)からなる予備ブレンド混合物(9.89%w/w)989μg/投与、および粒径が212〜355μである粗α−ラクトース一水和物(89.04%w/w)8904μg/投与を含んでいた。
(実施例4)
一定の組み合わせフォルモテロール/ジプロピオン酸ベクロメタゾンまたはフォルモテロールの高度累積投与量の耐性を、最大推奨日用量でその組み合わせを用いる定期的治療において喘息患者に投与した場合に、プラセボと比較して評価するために研究を行った(フォルモテロール6μg/ジプロピオン酸ベクロメタゾン100μg、2回噴霧して合計日用量がフォルモテロール24μgとジプロピオン酸ベクロメタゾン400μgに相当)。
一定の組み合わせフォルモテロール/ジプロピオン酸ベクロメタゾンまたはフォルモテロールの高度累積投与量の耐性を、最大推奨日用量でその組み合わせを用いる定期的治療において喘息患者に投与した場合に、プラセボと比較して評価するために研究を行った(フォルモテロール6μg/ジプロピオン酸ベクロメタゾン100μg、2回噴霧して合計日用量がフォルモテロール24μgとジプロピオン酸ベクロメタゾン400μgに相当)。
この研究は、喘息の維持療法中に、実施例1の組み合わせ(フォルモテロール6μg+ジプロピオン酸ベクロメタゾン100μg)またはフォルモテロール(6μg)またはプラセボの加圧式定量投与吸入器溶液製剤を10回噴霧した場合と、実施例1のフォルモテロール/ジプロピオン酸ベクロメタゾンの組み合わせを2回噴霧した場合との、二重盲検臨床比較研究であった。
朝用維持投与(2回噴霧)に加えて、別々の3日に累積投与(10回噴霧)を行った。累積投与後12時間にわたって調べた血清カリウムが主要評価項目であった。さらに、ECG(心電図)、QTc(心臓電気周期の補正されたQT間隔)、血圧および心拍への治療の効果を、投与後12時間にわたって一定間隔で評価した。血漿乳酸およびグルコースを、投与後3時間にわたって決めた。
フォルモテロール単独では、前記一定の組み合わせまたはプラセボと比べて、血清カリウム値が著しく低下した。前記一定の組み合わせとプラセボとの間では、血清カリウムパラメーターの有意の相違は観察されなかった。
組み合わせを用いて観察されたQTc、血漿乳酸および他のバイタルサインは、フォルモテロール単独を用いて観察されたものと統計的な差はなかった。
結果として、フォルモテロール/ジプロピオン酸ベクロメタゾンの組み合わせを用いる維持療法における喘息患者においてフォルモテロール/ジプロピオン酸ベクロメタゾンの組み合わせを高度累積投与しても、血清カリウム値は、フォルモテロール単独の場合と異なって、著しく低下することはない。従って、組み合わせは、喘息の救命治療の場合、特に喘息の維持療法中における増悪の場合における推奨臨床投与量を大幅に超える量で投与したとしても、喘息患者において、フォルモテロールよりも安全である。
Claims (27)
- (a)フォルモテロール、その医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物、またはそのような塩の溶媒和物と
(b)ジプロピオン酸ベクロメタゾン
との一定の組み合わせを含む組成物の、
必要なときに症状軽減用に同じ組成物を用いる喘息の維持療法中における、喘息、間欠型喘息および/または慢性喘息エピソードの増悪の予防および/または治療において用いるための薬剤の製造のための使用。 - フォルモテロール対ジプロピオン酸ベクロメタゾンとして計算される(a):(b)のモル比が1:1〜1:500である、請求項1に記載の使用。
- フォルモテロール対ジプロピオン酸ベクロメタゾンとして計算される(a):(b)のモル比が1:1〜1:100である、請求項2に記載の使用。
- フォルモテロール対ジプロピオン酸ベクロメタゾンとして計算される(a):(b)のモル比が1:3〜1:30である、請求項3に記載の使用。
- フォルモテロール対ジプロピオン酸ベクロメタゾンとして計算される(a):(b)のモル比が1:12.8である、請求項4に記載の使用。
- フォルモテロール対ジプロピオン酸ベクロメタゾンとして計算される(a):(b)のモル比が1:25.6である、請求項4に記載の使用。
- 第一の有効成分がフマル酸フォルモテロール二水和物である、請求項1〜6のいずれかに使用。
- 第一の有効成分が、フォルモテロールのR,R−エナンチオマー、その医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物、またはそのような塩の溶媒和物である、請求項1〜6のいずれかに使用。
- 維持療法を含む、成人用のフォルモテロールの日用量が168μg、好ましくは100μg、より好ましくは84μg、さらにより好ましくは72μgである、請求項1〜8のいずれかに記載の使用。
- 維持療法を含む、成人用のジプロピオン酸ベクロメタゾンの日用量が、5600μg、好ましくは2800μg、より好ましくは2400μg、さらにより好ましくは1400μg、最も好ましくは1200μgである、請求項1〜9のいずれかに記載の使用。
- 組成物を経口吸引または鼻腔内吸引により投与する、請求項1〜10のいずれかに記載の使用。
- 組み合わせを、乾燥粉末吸入器、加圧式定量投与吸入器またはネブライザーにより投与する、請求項11に記載の使用。
- 組み合わせが、乾燥粉末組成物として調製され、ラクトース、デキストラン、マンニトールまたはグルコースのような一種または複数種の適当な希釈剤またはキャリア、好ましくはα−ラクトース一水和物を含んでよい、請求項12に記載の使用。
- 組み合わせの両方の有効成分(a)および(b)および希釈剤/キャリアが微小化状態であってよい、請求項13に記載の使用。
- 粗希釈剤/キャリアを組成物に加えて規格混合物を形成してよい、請求項14に記載の使用。
- 前記規格混合物が、ステアリン酸マグネシウムのような抗付着性、滑性または潤滑性を有する物質から選択される有効成分の放出を促進するための添加剤を任意に含んでよい、請求項15に記載の使用。
- 組み合わせが、加圧式定量投与吸入器として調製され、微小化状態の両方の有効成分(a)および(b)が液状推進剤混合物中に懸濁されている、請求項12に記載の使用。
- 組み合わせが、加圧式定量投与吸入器として調製され、2つの有効成分の一方が液状推進剤混合物中に懸濁され他方が液状推進剤混合物中に完全に溶解されている、請求項12に記載の使用。
- 組み合わせが、加圧式定量投与吸入器として調製され、両方の有効成分(a)および(b)が液状推進剤混合物中に完全に溶解されている、請求項12に記載の使用。
- 液状推進剤混合物が、HFA 134a(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)、HFA 227(1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン)またはそれらの混合物を、任意に、一種または複数種の共溶媒、界面活性剤、潤滑剤、酸化防止剤、安定化剤および/または防腐剤と組み合わせて含む、請求項19に記載の使用。
- 液状推進剤混合物が、HFA 134a(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)、共溶媒としてのエタノール、および安定化剤としての無機酸水溶液を含む、請求項20に記載の使用。
- 無機酸水溶液が1M塩酸である、請求項21に記載の使用。
- 加圧式定量投与吸入器の作動時、推進剤混合物が蒸発したときに、2つの有効成分の平均粒径が1.1μm以下であることを特徴とする、請求項19〜22のいずれかに記載の使用。
- 組み合わせが、単回投与または複数回投与製剤としてネブライザーとして調製される、請求項12に記載の使用。
- 適切にpHまたは等張力を調節してまたは調節することなく、安定化剤および/または防腐剤を任意に加えて、微小化状態の両方の有効成分(a)および(b)を懸濁させて噴霧化水性または水性アルコール性懸濁液を得る、請求項24に記載の使用。
- 適切にpHまたは等張力を調節してまたは調節することなく、安定化剤および/または防腐剤を任意に加えて、両方の有効成分(a)および(b)を溶解させて噴霧化水性または水性アルコール性溶液を得る、請求項25に記載の使用。
- 適切にpHまたは等張力を調節してまたは調節することなく、安定化剤および/または防腐剤を任意に加えて、2つの有効成分の一方を懸濁させると共に他方を完全に溶解させて噴霧化水性または水性アルコール性懸濁液を得る、請求項24に記載の使用。
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