JP2014005182A - セラミックス形成用組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】塩基性有機酸アルミニウムを用いた場合において、セラミックス成形における脱型時の機械的強度の向上、及び、不定形耐火物におけるさらなるスレーキング抑制効果の向上を目的とする。
【解決手段】有機酸が乳酸のみ、又は、乳酸とグリコール酸の双方であり、乳酸とグリコール酸との割合がモル比で100:0〜20:80であり、有機酸/Al2O3のモル比が1以上3以下である塩基性有機酸アルミニウムと、水溶性金属硫酸塩とを含有することを特徴とするセラミックス形成用組成物である。
【選択図】なし
【解決手段】有機酸が乳酸のみ、又は、乳酸とグリコール酸の双方であり、乳酸とグリコール酸との割合がモル比で100:0〜20:80であり、有機酸/Al2O3のモル比が1以上3以下である塩基性有機酸アルミニウムと、水溶性金属硫酸塩とを含有することを特徴とするセラミックス形成用組成物である。
【選択図】なし
Description
本発明は、塩基性有機酸アルミニウムと金属硫酸塩とを含有することを特徴とするセラミックス形成用組成物に関し、該組成物は、セラミックス全般の強度を向上させる結合剤として適用でき、また、アルミナセメント含有不定形耐火物のスレーキング抑制剤としても適用できる。
塩基性乳酸アルミニウムや塩基性[グリコール酸・乳酸]アルミニウム等の塩基性有機酸アルミニウムは、定形耐火物や不定形耐火物等の耐火物を含め各種セラミックスの結合剤として広く用いられている。
セラミックスの成形においては、脱型時の機械的強度が大きいことが要望されている。
また、アルミナセメント含有不定形耐火物においては、塩基性骨材を使用した場合に生じる消化、即ち水和反応を抑制することが課題となっており、特許文献1にはグリコール酸・乳酸アルミニウム化合物またはクエン酸・乳酸アルミニウム化合物が優れたスレーキング抑制効果を有することが開示されている。
また、アルミナセメント含有不定形耐火物においては、塩基性骨材を使用した場合に生じる消化、即ち水和反応を抑制することが課題となっており、特許文献1にはグリコール酸・乳酸アルミニウム化合物またはクエン酸・乳酸アルミニウム化合物が優れたスレーキング抑制効果を有することが開示されている。
本発明者らは、塩基性有機酸アルミニウムを用いた場合において、セラミックス成形における脱型時の機械的強度の向上について鋭意検討した。
本発明者らは上記課題について鋭意検討した結果、有機酸としてグリコール酸と乳酸のうち少なくとも乳酸を含有した特定の塩基性有機酸アルミニウムと、水溶性金属硫酸塩とを含有した組成物によって、上記課題が解決されることを見出し、更にこの研究過程に於いて両者の併用により不定形耐火物におけるスレーキング抑制効果が著しく向上することを見出し、本発明を完成させたものである。
即ち、本発明は、有機酸が乳酸のみ、又は、乳酸とグリコール酸の双方であり、乳酸とグリコール酸との割合がモル比で100:0〜20:80であり、有機酸/Al2O3のモル比が1以上3以下である塩基性有機酸アルミニウムと、水溶性金属硫酸塩とを含有することを特徴とするセラミックス形成用組成物に関するものである。更にまた、本発明は、上記セラミックス形成用組成物を用いることによるアルミナセメント含有不定形耐火物のスレーキング抑制方法に関するものである。
本発明のセラミックス形成用組成物は、セラミックス原料と混合し成形型に入れて乾燥した場合、脱型強度が大きく、さらに焼成時の曲げ強度が大きくなるという優れた特徴を有する。
また、本発明のセラミックス形成用組成物を塩基性骨材を用いた不定形耐火物、とりわけアルミナセメント含有不定形耐火物に適用した場合は、顕著に優れたスレーキング抑制効果を発揮する。
また、本発明のセラミックス形成用組成物を塩基性骨材を用いた不定形耐火物、とりわけアルミナセメント含有不定形耐火物に適用した場合は、顕著に優れたスレーキング抑制効果を発揮する。
本発明のセラミックス形成用組成物は、有機酸が乳酸のみ、又は、乳酸とグリコール酸の双方であり、乳酸とグリコール酸との割合がモル比で100:0〜20:80であり、有機酸/Al2O3のモル比が1以上3以下である塩基性有機酸アルミニウムと、水溶性金属硫酸塩とを含有することを特徴とする。
塩基性有機酸アルミニウムは、公知の製造方法で製造することができる。例えば、特開昭58−67644号公報記載の方法によれば、硫酸アルミニウムと乳酸または乳酸アルミニウムの混合水溶液にアルカリ土類金属の炭酸塩、重炭酸塩を反応させ、沈殿物(水不溶性の沈殿物)を除去することにより製造することができる。尚、この製造方法においては沈殿物を可能な限り除去することが望ましい。
あるいは、特許文献1記載の方法を参考とし、先ず塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、塩基性塩化アルミニウム等の水溶性アルミニウム塩と、アルカリ金属またはアンモニウムの炭酸塩、重炭酸塩等とを反応させ、アルミナ水和物を得る。次いで、該アルミナ水和物を乳酸中、または、グリコール酸と乳酸の混合液中に溶解させることにより塩基性有機酸アルミニウムを得ることができる。
また別の製造方法として、例えば、有機酸として乳酸とグリコール酸とを共に含有する塩基性有機酸アルミニウムにあっては、塩基性乳酸アルミニウムにグリコール酸を添加することによっても製造できる。
本発明の塩基性有機酸アルミニウムは、どのような製造方法で製造されたとしても、塩基性有機酸アルミニウム中の乳酸とグリコール酸との割合がモル比で100:0〜20:80であり、有機酸/Al2O3のモル比が1以上3以下となるように製造することが肝要である。
あるいは、特許文献1記載の方法を参考とし、先ず塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、塩基性塩化アルミニウム等の水溶性アルミニウム塩と、アルカリ金属またはアンモニウムの炭酸塩、重炭酸塩等とを反応させ、アルミナ水和物を得る。次いで、該アルミナ水和物を乳酸中、または、グリコール酸と乳酸の混合液中に溶解させることにより塩基性有機酸アルミニウムを得ることができる。
また別の製造方法として、例えば、有機酸として乳酸とグリコール酸とを共に含有する塩基性有機酸アルミニウムにあっては、塩基性乳酸アルミニウムにグリコール酸を添加することによっても製造できる。
本発明の塩基性有機酸アルミニウムは、どのような製造方法で製造されたとしても、塩基性有機酸アルミニウム中の乳酸とグリコール酸との割合がモル比で100:0〜20:80であり、有機酸/Al2O3のモル比が1以上3以下となるように製造することが肝要である。
塩基性有機酸アルミニウムの有機酸としては、乳酸のみを用いることができるし、乳酸とグリコール酸の双方を用いることもできる。乳酸とグリコール酸との割合は、モル比で100:0〜20:80である。このモル比の範囲よりもグリコール酸が多くなると、不定形耐火物の作製時に硬化速度が速くなり、可使時間を確保することが困難となる。
塩基性有機酸アルミニウム中の有機酸の割合としては、有機酸/Al2O3のモル比が1以上3以下である。この範囲において、本発明の目的とする機械的強度が大きいセラミックス成形体を製造することができる。加えて、この範囲においてスレーキング抑制効果が最も大きくなる。
本発明に用いる水溶性金属硫酸塩としては、水に対する溶解性の高い金属硫酸塩であれば特に限定されることはなく、金属元素としては、Li、Na、K、Mg、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al及びSnからなる群より選ばれた1種以上であることが好ましく、さらに好ましくは、Na、K、Mg、Ti、Fe、Cu、Zn及びAlからなる群より選ばれた1種以上である。
本発明のセラミックス形成用組成物の製造方法としては、溶液状の塩基性有機酸アルミニウムに水溶性金属硫酸塩を溶解させる方法が好ましく、さらに噴霧乾燥、通気乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等任意の手段によって乾燥させて粉体化させてもよい。また、塩基性有機酸アルミニウムの乾燥粉と水溶性金属硫酸塩の粉とを混合した粉体品を調製してもよく、必要に応じてさらに粉砕してもよい。上記溶液状の塩基性有機酸アルミニウムに水溶性金属硫酸塩を溶解させる場合には、必要により加熱してもよいが、加熱温度は90℃を超えないことが望ましい。
本発明のセラミックス形成用組成物における塩基性有機酸アルミニウムと水溶性金属硫酸塩との割合は、水溶性金属硫酸塩由来のSO4が、塩基性有機酸アルミニウム由来のAl2O3に対して、モル比で、0.05以上9以下の範囲であることが好ましい。脱型強度は、特に上記モル比が0.2〜9において強く発揮され、スレーキング抑制効果は、上記モル比が0.05〜3においてより強く発揮される。
本発明のセラミックス形成用組成物は、セラミックス全般の強度を向上させる結合剤として極めて有用であり、また、塩基性骨材を用いた不定形耐火物、特に硬化剤としてアルミナセメントを用いた場合のスレーキング抑制剤として優れた効果を発揮する。前記両用途における本発明のセラミックス形成用組成物の使用量については、それぞれの用途において最大限の効果が発揮されるように適宜設定することが望ましい。
本発明のセラミックス形成用組成物は、塩基性有機酸アルミニウムと水溶性金属硫酸塩とを含有しているため、塩基性有機酸アルミニウム単体及び水溶性金属硫酸塩単体よりも顕著に優れたスレーキング抑制効果と脱型強度の向上効果が発揮される。
本発明のセラミックス形成用組成物の使用量としては、スレーキング抑制を目的とする場合にあっては、塩基性骨材に対して概ね固形分として0.05質量%以上10質量%以下であることが好ましい。0.05質量%を下回るとスレーキング抑制効果が十分発現されず、また10質量%を超えて添加しても添加量に見合うだけの効果が期待できないため経済的でない。
他方、脱型強度向上を目的とする場合にあっては、セラミックスの種類、使用目的、セラミックス成形体の製造方法、要求強度等により異なり一概に論じることはできないが、例えば骨材に対して概ね固形分として0.05質量%以上20質量%以下である。
本発明のセラミックス形成用組成物の使用量としては、スレーキング抑制を目的とする場合にあっては、塩基性骨材に対して概ね固形分として0.05質量%以上10質量%以下であることが好ましい。0.05質量%を下回るとスレーキング抑制効果が十分発現されず、また10質量%を超えて添加しても添加量に見合うだけの効果が期待できないため経済的でない。
他方、脱型強度向上を目的とする場合にあっては、セラミックスの種類、使用目的、セラミックス成形体の製造方法、要求強度等により異なり一概に論じることはできないが、例えば骨材に対して概ね固形分として0.05質量%以上20質量%以下である。
本発明のセラミックス形成用組成物の作用機構は定かではないが、100℃の低温加熱では有機酸と硫酸とが脱型強度の向上に寄与し、高温焼成ではアルミニウムと金属塩が結晶構造を形成し、例えば硫酸マグネシウムを用いた場合はAl2O3-MgO系スピネルを形成し、これにより結合強度の向上が発揮されるものと推定される。
本発明のセラミックス形成用組成物には、必要に応じて、ポリアクリル酸系、リグニンスルホン酸系、β−ナフタレンスルホン酸系、ポリカルボン酸系などの高分子、あるいはリン酸ナトリウム、水ガラス、粘土、シリカ、アルミナ、チタニア、クロミナ、炭化珪素、カーボン等を添加することができる。
以下に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。尚、実施例において%は、特に断らない限り全て質量%を示す。
[骨材組成物]
・骨材組成物1
伊藤忠セラテック社製の焼結アルミナ骨材(28メッシュ)135g、伊藤忠セラテック社製の焼結アルミナ骨材(325メッシュ)165gを混合したものをセラミックスの強度試験用の骨材組成物1として用いた。
・骨材組成物2
アルマティス社製の焼結アルミナ骨材(1-3mm)215g、伊藤忠セラテック社製の焼結アルミナ骨材(28メッシュ)54g、伊藤忠セラテック社製の焼結アルミナ骨材(325メッシュ)107g、及び、宇部マテリアルズ社製の海水マグネシア骨材(200メッシュ)24g、電気化学社製のハイアルミナセメント(スーパーES)20g、シリカヒューム4gを混合したものをアルミナセメント含有不定形耐火物のスレーキング試験用の骨材組成物2として用いた。
・骨材組成物1
伊藤忠セラテック社製の焼結アルミナ骨材(28メッシュ)135g、伊藤忠セラテック社製の焼結アルミナ骨材(325メッシュ)165gを混合したものをセラミックスの強度試験用の骨材組成物1として用いた。
・骨材組成物2
アルマティス社製の焼結アルミナ骨材(1-3mm)215g、伊藤忠セラテック社製の焼結アルミナ骨材(28メッシュ)54g、伊藤忠セラテック社製の焼結アルミナ骨材(325メッシュ)107g、及び、宇部マテリアルズ社製の海水マグネシア骨材(200メッシュ)24g、電気化学社製のハイアルミナセメント(スーパーES)20g、シリカヒューム4gを混合したものをアルミナセメント含有不定形耐火物のスレーキング試験用の骨材組成物2として用いた。
〔1.セラミックスの強度試験〕
(試験1−1)
特許文献1に従い、塩化アルミニウム水溶液と炭酸ナトリウムを反応させて得られたアルミナ水和物を乳酸に溶解させ、乳酸/Al2O3のモル比が1.6であり、Al2O3が8.7%である塩基性乳酸アルミニウム水溶液を得た。
(試験1−1)
特許文献1に従い、塩化アルミニウム水溶液と炭酸ナトリウムを反応させて得られたアルミナ水和物を乳酸に溶解させ、乳酸/Al2O3のモル比が1.6であり、Al2O3が8.7%である塩基性乳酸アルミニウム水溶液を得た。
上記塩基性乳酸アルミニウム水溶液に対して、表1のように、硫酸マグネシウムをSO4/Al2O3(モル比)=1.1〜6.4の範囲で添加し溶解させて、セラミックス形成用組成物を作製した。尚、比較例1では、上記塩基性乳酸アルミニウム水溶液を単独で用いた。
骨材組成物1にセラミックス形成用組成物を表1に記載した量で添加した後、3分間混練し、混練物を得た。
骨材組成物1にセラミックス形成用組成物を表1に記載した量で添加した後、3分間混練し、混練物を得た。
[曲げ強度]
混練物を2cm×2cm×8cmの鋳型に流し込み、硬化後、脱型して成形体を得た。成形体を105℃で24時間乾燥させた。次に、前記乾燥品を表1の温度(600℃、1000℃)で焼成した。乾燥品または焼成品の曲げ強度(N/cm2)を丸菱科学機械製作所製三点曲げ試験機(支点間距離:50mm)で測定した。
混練物を2cm×2cm×8cmの鋳型に流し込み、硬化後、脱型して成形体を得た。成形体を105℃で24時間乾燥させた。次に、前記乾燥品を表1の温度(600℃、1000℃)で焼成した。乾燥品または焼成品の曲げ強度(N/cm2)を丸菱科学機械製作所製三点曲げ試験機(支点間距離:50mm)で測定した。
表1の結果より、塩基性乳酸アルミニウム水溶液単独の比較例1に比べて、硫酸マグネシウム添加の塩基性乳酸アルミニウム水溶液を用いた実施例1〜4はいずれの乾燥・焼成処理においても曲げ強度が顕著に大きくなったことが示された。
(試験1−2)
試験1−1と同様にして調製した塩基性乳酸アルミニウム水溶液(有機酸/Al2O3のモル比が1.6、Al2O3が9.1%)に対して、表2のように、硫酸マグネシウムをSO4/Al2O3(モル比)=0.05〜1.56の範囲で添加し溶解させ、最終溶液のAl2O3濃度が7.8%になるように調整して、セラミックス形成用組成物を作製した。尚、比較例2では、上記塩基性乳酸アルミニウム水溶液をAl2O3濃度7.8%に調整したものを用いた。
骨材組成物1にセラミックス形成用組成物を42.8g添加した後、3分間混練し、混練物を得た。
混練物を試験1−1と同様に曲げ強度試験に供した。
試験1−1と同様にして調製した塩基性乳酸アルミニウム水溶液(有機酸/Al2O3のモル比が1.6、Al2O3が9.1%)に対して、表2のように、硫酸マグネシウムをSO4/Al2O3(モル比)=0.05〜1.56の範囲で添加し溶解させ、最終溶液のAl2O3濃度が7.8%になるように調整して、セラミックス形成用組成物を作製した。尚、比較例2では、上記塩基性乳酸アルミニウム水溶液をAl2O3濃度7.8%に調整したものを用いた。
骨材組成物1にセラミックス形成用組成物を42.8g添加した後、3分間混練し、混練物を得た。
混練物を試験1−1と同様に曲げ強度試験に供した。
表2の結果より、塩基性乳酸アルミニウム水溶液単独の比較例2に比べて、硫酸マグネシウム添加の塩基性乳酸アルミニウム水溶液を用いた実施例5〜10はいずれの乾燥・焼成処理においても曲げ強度が大きくなった。また、硫酸マグネシウムの添加量が多くなるに従い曲げ強度が大きくなったことが示された。
(試験1−3)
試験1−1と同様にして調製した塩基性乳酸アルミニウム水溶液(有機酸/Al2O3のモル比が1.6、Al2O3が8.7%)に対して、表3のように、硫酸ナトリウム、硫酸鉄、硫酸チタン、硫酸アルミニウム、硫酸銅、硫酸ジルコニウムを添加し溶解させ、最終溶液のAl2O3濃度が7.8%になるように調整して、セラミックス形成用組成物を作製した。
骨材組成物1にセラミックス形成用組成物を43.5g添加した後、3分間混練し、混練物を得た。
混練物を試験1−1と同様に曲げ強度試験に供した。
試験1−1と同様にして調製した塩基性乳酸アルミニウム水溶液(有機酸/Al2O3のモル比が1.6、Al2O3が8.7%)に対して、表3のように、硫酸ナトリウム、硫酸鉄、硫酸チタン、硫酸アルミニウム、硫酸銅、硫酸ジルコニウムを添加し溶解させ、最終溶液のAl2O3濃度が7.8%になるように調整して、セラミックス形成用組成物を作製した。
骨材組成物1にセラミックス形成用組成物を43.5g添加した後、3分間混練し、混練物を得た。
混練物を試験1−1と同様に曲げ強度試験に供した。
表3の結果より、水溶性金属硫酸塩添加の塩基性乳酸アルミニウム水溶液を用いた実施例11〜16はいずれも曲げ強度が大きかったことが示された。
〔2.アルミナセメント含有不定形耐火物のスレーキング試験〕
(試験2−1)
試験1−1と同様にして調製した塩基性乳酸アルミニウム水溶液に対して、表4のように、硫酸マグネシウムをSO4/Al2O3(モル比)=0.05〜1.0の範囲で添加し溶解させ、最終溶液のAl2O3濃度が7.1%になるように調整した。次に、約230℃で乾燥させて、粉体のセラミックス形成用組成物を作製した。尚、比較例3では、上記塩基性乳酸アルミニウム水溶液をAl2O3濃度7.1%に調整した後、約230℃で乾燥したものを用いた。
(試験2−1)
試験1−1と同様にして調製した塩基性乳酸アルミニウム水溶液に対して、表4のように、硫酸マグネシウムをSO4/Al2O3(モル比)=0.05〜1.0の範囲で添加し溶解させ、最終溶液のAl2O3濃度が7.1%になるように調整した。次に、約230℃で乾燥させて、粉体のセラミックス形成用組成物を作製した。尚、比較例3では、上記塩基性乳酸アルミニウム水溶液をAl2O3濃度7.1%に調整した後、約230℃で乾燥したものを用いた。
骨材組成物2にセラミックス形成用組成物を4g添加し、1分間空練りを行った後、水を33g加えて3分間混練し、混練物を得た。
試験1−1と同様に混練物の成形体を105℃で24時間乾燥させたものを曲げ強度試験に供した。
試験1−1と同様に混練物の成形体を105℃で24時間乾燥させたものを曲げ強度試験に供した。
[スレーキング時間]
混練物を2cm×2cm×8cmの鋳型に流し込み、硬化後、脱型して成形体を得た。成形体をオートクレーブ(145℃の飽和水蒸気下)に静置し、スレーキングにより、テストピースの長辺が0.3%増加した時点でスレーキングしたと定義し、その状態になるまで静置した時間によって評価を行った。
混練物を2cm×2cm×8cmの鋳型に流し込み、硬化後、脱型して成形体を得た。成形体をオートクレーブ(145℃の飽和水蒸気下)に静置し、スレーキングにより、テストピースの長辺が0.3%増加した時点でスレーキングしたと定義し、その状態になるまで静置した時間によって評価を行った。
表4の結果より、塩基性乳酸アルミニウム単独の比較例3は大きな曲げ強度と長いスレーキング時間が得られたが、硫酸マグネシウム添加の塩基性乳酸アルミニウムを用いた実施例17〜22は、比較例3よりもさらに曲げ強度が大きくなり、また、スレーキング時間がさらに長くなったことより高いスレーキング抑制効果が得られたことが分かった。
(試験2−2)
試験1−1と同様にして調製した塩基性乳酸アルミニウム水溶液(乳酸/Al2O3のモル比が1.6、Al2O3が8.7%)に対して、表5のように、硫酸マグネシウムをSO4/Al2O3(モル比)=1.0、2.0の割合で添加し溶解させ、最終溶液のAl2O3濃度が6.6%になるように調整して、セラミックス形成用組成物を作製した。尚、比較例4では水を用い、比較例5ではMgSO4濃度が15.7%である硫酸マグネシウム水溶液を用い、比較例6ではAl2O3濃度を6.6%に調整した上記塩基性乳酸アルミニウム水溶液を用いた。
試験1−1と同様にして調製した塩基性乳酸アルミニウム水溶液(乳酸/Al2O3のモル比が1.6、Al2O3が8.7%)に対して、表5のように、硫酸マグネシウムをSO4/Al2O3(モル比)=1.0、2.0の割合で添加し溶解させ、最終溶液のAl2O3濃度が6.6%になるように調整して、セラミックス形成用組成物を作製した。尚、比較例4では水を用い、比較例5ではMgSO4濃度が15.7%である硫酸マグネシウム水溶液を用い、比較例6ではAl2O3濃度を6.6%に調整した上記塩基性乳酸アルミニウム水溶液を用いた。
骨材組成物2にセラミックス形成用組成物を21g添加し、1分間空練りを行った後、セラミックス形成用組成物に含有される水と添加する水の合計量が33gになるように水を加えて3分間混練し、混練物を得た。
混練物を試験2−1と同様にスレーキング試験と曲げ強度試験に供した。また、以下の方法により、可使時間と流動性を評価した。
混練物を試験2−1と同様にスレーキング試験と曲げ強度試験に供した。また、以下の方法により、可使時間と流動性を評価した。
[可使時間]
混練物を鋳型で直径3cmの球形に成型した後、触診にて可塑性がなくなるまでの時間を測定した。
混練物を鋳型で直径3cmの球形に成型した後、触診にて可塑性がなくなるまでの時間を測定した。
[流動性]
混練物を円柱鋳型(内径5cm×高さ7cm)に流し込み、15秒間バイブレーションを行った後、鋳型を引き上げたときのキャスタブルの崩れ具合を、流動が停止したときの高さで次のように評価した。
高さが7cm以上の状態を「×」(流動性が不足する場合、鋳型引き上げ時に伸長されて7cm以上になる場合がある)、7cm未満〜6cm以上の状態を「△」、6cm未満〜5cm以上の状態を「○」。5cm未満の状態を「◎」とした。
混練物を円柱鋳型(内径5cm×高さ7cm)に流し込み、15秒間バイブレーションを行った後、鋳型を引き上げたときのキャスタブルの崩れ具合を、流動が停止したときの高さで次のように評価した。
高さが7cm以上の状態を「×」(流動性が不足する場合、鋳型引き上げ時に伸長されて7cm以上になる場合がある)、7cm未満〜6cm以上の状態を「△」、6cm未満〜5cm以上の状態を「○」。5cm未満の状態を「◎」とした。
表5の結果より、比較例4はスレーキング時間が短かったことよりスレーキング抑制効果に劣り、比較例5は曲げ強度以外の評価項目が不十分であった。
塩基性乳酸アルミニウム水溶液単独の比較例6は全評価項目において優れた結果が得られたが、硫酸マグネシウム添加の塩基性乳酸アルミニウム水溶液を用いた実施例23と24は、比較例6よりもさらに曲げ強度が大きくなり、また、スレーキング時間がさらに長くなったことより高いスレーキング抑制効果が得られたことが分かった。
塩基性乳酸アルミニウム水溶液単独の比較例6は全評価項目において優れた結果が得られたが、硫酸マグネシウム添加の塩基性乳酸アルミニウム水溶液を用いた実施例23と24は、比較例6よりもさらに曲げ強度が大きくなり、また、スレーキング時間がさらに長くなったことより高いスレーキング抑制効果が得られたことが分かった。
(試験2−3)
試験1−1と同様にして調製した塩基性乳酸アルミニウム水溶液(乳酸/Al2O3のモル比が1.6、Al2O3が8.7%)に対して、表6のように、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸ナトリウム、硫酸鉄をSO4/Al2O3(モル比)=0.5〜0.7の範囲で添加し溶解させ、最終溶液のAl2O3濃度が6.9%になるように調整して、セラミックス形成用組成物を作製した。尚、比較例7ではAl2O3濃度を6.9%に調整した上記塩基性乳酸アルミニウム水溶液を用いた。
試験1−1と同様にして調製した塩基性乳酸アルミニウム水溶液(乳酸/Al2O3のモル比が1.6、Al2O3が8.7%)に対して、表6のように、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸ナトリウム、硫酸鉄をSO4/Al2O3(モル比)=0.5〜0.7の範囲で添加し溶解させ、最終溶液のAl2O3濃度が6.9%になるように調整して、セラミックス形成用組成物を作製した。尚、比較例7ではAl2O3濃度を6.9%に調整した上記塩基性乳酸アルミニウム水溶液を用いた。
骨材組成物2にセラミックス形成用組成物を18.4g添加し、1分間空練りを行った後、セラミックス形成用組成物に含有される水と添加する水の合計量が33gになるように水を加えて3分間混練し、混練物を得た。
混練物を試験2−1と同様にスレーキング試験と曲げ強度試験に供した。また、試験2−2と同様に可使時間を評価した。
混練物を試験2−1と同様にスレーキング試験と曲げ強度試験に供した。また、試験2−2と同様に可使時間を評価した。
表6の結果より、塩基性乳酸アルミニウム水溶液単独の比較例7は全評価項目において優れた結果が得られたが、水溶性金属硫酸塩添加の塩基性乳酸アルミニウム水溶液を用いた実施例25〜28は比較例7よりもさらに曲げ強度が大きくなり、また、スレーキング時間が長くなったことよりスレーキング抑制効果が高かったことが示された。
Claims (6)
- 有機酸が乳酸のみ、又は、乳酸とグリコール酸の双方であり、乳酸とグリコール酸との割合がモル比で100:0〜20:80であり、有機酸/Al2O3のモル比が1以上3以下である塩基性有機酸アルミニウムと、水溶性金属硫酸塩とを含有することを特徴とするセラミックス形成用組成物。
- 水溶性金属硫酸塩由来のSO4が、塩基性有機酸アルミニウム由来のAl2O3に対して、モル比で、0.05以上9以下の範囲である請求項1記載のセラミックス形成用組成物。
- 水溶性金属硫酸塩の金属元素が、Li、Na、K、Mg、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al及びSnからなる群より選ばれた1種以上である請求項1又は2記載のセラミックス形成用組成物。
- 水溶性金属硫酸塩の金属元素が、Na、K、Mg、Ti、Fe、Cu、Zn及びAlからなる群より選ばれた1種以上である請求項3記載のセラミックス形成用組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項記載のセラミックス形成用組成物を用いて製造したセラミックス組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項記載のセラミックス形成用組成物を用いることによるアルミナセメント含有不定形耐火物のスレーキング抑制方法。
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KR101865434B1 (ko) * | 2010-11-02 | 2018-06-07 | 말레 인터내셔널 게엠베하 | 조사될 대상물에 있는 구조의 위치를 x-선 컴퓨터 단층 촬영기로 결정하는 방법 및 평가 장치 |
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2012
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