JP2014004078A - 制振装置及びこれを備えた洗濯機 - Google Patents

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祐樹 松岡
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Abstract

【課題】製造にかかる手間と時間を抑制し、低コスト且つ小型で品質の高い制振装置を提供するとともにこのような制振装置を採用することで、製造コストを抑えつつ品質の高い洗濯機を提供することができる。
【解決手段】中空円環状の制振容器40を複数個の分割空間404に分割する隔壁403と、分割空間404のそれぞれを個別に外部空間と連通させ、制振容器40の周方向に近接した位置に形成された貫通孔415と、複数個の貫通孔415を同時に塞ぐことができる蓋部材43とを有し、分割空間404の内部に液体が封入されているとともに密閉されている制振装置4。
【選択図】図2

Description

本発明は、衣類等の洗濯物を行う洗濯機に関するものであり、洗濯機に用いられる洗濯物の偏りによる回転槽の振動を制する制振装置に関するものである。
洗濯機は、内部に回転槽(例えば、洗濯兼脱水槽)を備えており、前記回転槽が回転することで、内部に収容された洗濯物に対し洗濯動作、濯ぎ動作、脱水動作等を行う。前記洗濯物を収容した前記回転槽全体の中心軸に対する重量のバランスが偏る(重量が偏心している)場合があり、この状態で前記回転槽が回転すると振動が発生する。特に前記脱水動作は、他の動作に比べ前記回転槽を高速回転させるため、前記回転槽全体が偏心していると、偏心していない(或いは、ほとんど偏心していない)場合に比べ、前記回転槽が回転するときの振幅が大きくなり、騒音が発生する。
このような、前記回転槽の重量の偏心は、前記洗濯物が前記回転槽の中心軸に対して偏在することで発生することが多い。そして、前記洗濯物の偏在は、前記脱水動作開始時の洗濯物の状態によって異なるものであり、常に洗濯物が偏在しないようにするのは困難である。そこで、前記洗濯機では、高回転時の前記回転槽の重量の偏心による振動及び騒音を抑制するため、制振装置(流体バランサー)を前記回転槽に取り付ける対策がなされている場合が多い。
この流体バランサーは、円環状の空間の内部に水、塩水等の流体が封入された構成を有している。そして、流体バランサーは、重量バランスが偏心した回転槽が高速回転するとき、内部の流体が、前記中心軸を挟んで前記回転槽の重量の偏りと反対側に移動する。このような前記円環状の空間内部の流体の移動によって、前記回転槽の偏心が緩和され、前記回転槽の回転時(主に、脱水時)の振動(の振幅)が小さくなる。
前記流体バランサーは前記円環状の空間を径方向に分割することで、振動を抑制する(振幅を小さくする)効果が高くなり、さらに、径方向の分割数が多いほど、振動抑制効果が高くなることが知られている。そして、流体バランサーは、複数の同心円状に配置された仕切りリブを備えた上部部材と、同心円状に配置された同数の仕切りリブを備えた下部部材とを、前記仕切りリブの先端がきっちり重なるように組み合わせ、前記仕切りリブを熱溶着することで製造される。すなわち、仕切りリブが径方向に分割された空間(以下、分割空間と称する)を仕切る隔壁として作用している。
近年、洗濯機は、筐体を大型化することなく洗濯容量を大きくする要求が強くなっており、流体バランサーについても小型化が求められている。前記流体バランサーは、小型化しても、十分な振動抑制効果を得るために必要な数の分割空間を確保するとともに、各空間の容積を振動抑制に必要な大きさとするため、前記隔壁が薄く形成されている。このように、前記隔壁が薄くなると、熱溶着不良により水漏れ(リーク)が発生し、振動抑制効果が低減する場合がある。
そこで、前記流体バランサーの製造後に、前記分割空間がそれぞれ独立しているとともに、密閉されていることを確認するためのテスト(リークテスト)が行われる。そして前記流体バランサーには、リークテスト用の貫通孔が形成されており、この貫通孔にリークテスト用のノズルを挿入し、各分割空間を加圧する。そして、この加圧状態を保持した状態で、各ノズルの圧力により、隔壁にリークが発生しているかどうか判断する。このリークテストが完了したのち、リークテスト用の貫通孔より流体を注入し、前記貫通孔を外側より蓋部材で密封している。
しかしながら、上述の流体バランサーでは、各貫通孔に対して密栓作業が必要になり、作業工数が増加する。この作業工数は、分割空間の数に比例して増加するので、振動抑制効率の高い流体バランサー程、作業工数が多くなり、コストアップにつながる。
そこで、上述のような密栓作業の作業工数を減らすため、例えば、実開昭63−192990号公報には、貫通孔を分断するように形成した隔壁を備えた流体バランサーを備えた洗濯機が記載されている。つまり、前記貫通孔は、前記隔壁によって分割されており、分割された貫通孔のそれぞれは、異なる分割空間に繋がっている。そして、前記貫通孔全体を密栓することで、異なる分割空間を1度に密栓することができるので、密栓作業に要する作業工数を減らすことができる。
実開昭63−192990号公報
しかしながら、実開昭63−192990号公報では、隔壁で貫通孔を分割する構造であり、同心円状に2個以上の隔壁を有する構造の場合、隔壁ごとに貫通孔が必要となり、1度の密栓作業で、流体バランサーの密栓を完了できない。
また、前記貫通孔にノズルを装着し、リークテストを行う場合、分割された貫通孔のそれぞれに同時に空気が流入する。この状態で、圧力を維持した場合、前記貫通孔が形成された2つの分割空間の両方を同じ空気圧に維持するので、ノズルの空気圧を検出しても隔壁のリークを検出できない。この構成の液体バランサーでリークテストを行おうとすると、前記ノズルの貫通孔に挿入される部分の形状を、前記分割された貫通孔に対応させる必要があり、コストが高くなる。
さらに、前記隔壁が前記貫通孔にも形成されており、前記貫通孔を密栓したときの蓋部材と隔壁との隙間のリークについて、確認することは困難である。
そこで本発明は、製造にかかる手間と時間を抑制し、製造コストを抑えつつ、小型で品質が高い制振装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、製造コストを抑えつつ、小型で品質の高い洗濯機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、中空円環状の制振容器と、前記制振容器の内部空間を、径方向に隣り合う複数個の円環形状の分割空間に分割する隔壁と、前記分割空間のそれぞれを個別に外部空間と連通させるとともに、前記制振容器の周方向に近接した位置に形成された複数個の貫通孔と、前記制振容器に取り付けられ、前記複数個の貫通孔を同時に塞ぐことができる蓋部材とを有し、前記分割空間の内部に液体が封入されているとともに密閉されていることを特徴とする制振装置を提供する。
この構成によると、前記分割空間の欠陥である漏れの検査や前記分割空間内部への流体の注入に前記貫通孔を利用するとき、前記複数個の貫通孔が周方向の近接した部分に形成されているため前記貫通孔に検査用のノズルや流体注入用のノズルを1ヵ所に集中させることが可能である。
これにより前記検査又は前記流体の注入の作業に要する手間と時間を減らすことができ、品質に問題のある制振装置を手間と時間をかけずに検出することが可能である。すなわち、製造(検査)にかかるコストを抑えつつ、品質の高い制振装置を提供することが可能である。
また、前記複数個の貫通孔を同時に密栓することが可能な蓋部材を用いるので、制振装置の小型化が可能であり、密栓作業に要する手間と時間を低減することが可能である。このことからも、製造コストを低減することが可能となっている。
上記構成において、前記蓋部材が前記周方向に近接して形成された複数個の貫通孔の全ての外側を覆うことができる板状部と、前記板状部を前記制振容器に取り付けたとき、前記貫通孔に嵌合する凸部とを備えていてもよい。
この構成によると、前記板状部と前記制振容器、前記凸部と前記貫通孔のように、前記蓋部材と前記制振容器との接触面積が広くなり、それだけ、前記分割空間の密閉性を高めることができる。また、前記凸部を前記貫通孔に挿入し、必要に応じて前記蓋部材と前記制振容器とを接合するため、製造に要する手間と時間を削減できる。これにより、製造コストを抑えつつ、品質の高い制振装置を提供することが可能となる。
なお、前記凸部は必ずしも前記蓋部材が覆う全ての貫通孔に対して形成されている必要はない。例えば、2個以上の凸部を形成しておき、これらの凸部を対応する貫通孔に挿入することで、前記蓋部材は、前記貫通孔の全てを覆うことができる。すなわち、凸部は2個以上形成しておき、その凸部を対応する貫通孔に挿入することで、前記蓋部材を近接して配置された前記貫通孔の全てを前記板状部で覆うように位置決めできる。これにより、製造に要する手間と時間を減らすことが可能である。
上記構成において、前記制振容器には、前記蓋部材の板状部が前記制振容器より突出しないように嵌合する凹部を備えており、前記貫通孔の全てが前記凹部の中に形成されていてもよい。
この構成によると、前記制振装置が回転するとき、前記蓋部材の前記制振容器より突出した部分が通過する領域分だけ、前記制振装置を小型化することが可能である。
上記構成において、前記制振容器の外面に、前記制振容器の重量バランスの偏りを修正するための重りを取り付けてもよい。なお、このとき、前記貫通孔が前記分割空間の漏れを確認する検査用に用いられる検査用孔であり、前記重りを取り付ける部分に前記分割空間に流体を注入する注入孔を形成しておき、前記重りが前記注入孔を密栓するように形成されていてもよい。
このように、前記重りを取り付けることで、前記蓋部材を取り付けることによって発生する、重量バランスの偏りを修正し、制振効果が低下するのを抑制することが可能である。なお、前記重りは、予め決められた位置に取り付けてもよく、前記制振装置の製造完了後、重量バランスを確認しながら取り付けるようにしてもよい。このように、重量バランスを確認しながら取り付けるようにすることで、蓋部材取り付け以外の理由による重量バランスの偏りも修正されるので、さらなる品質の向上を期待できる。
このような構成の制振装置を用いる機器として、例えば、前記制振装置を回転槽に対し、中心軸が一致するように取り付けた洗濯機を挙げることができる。
本発明によると、製造にかかる手間と時間を抑制し、製造コストを抑えつつ、小型で品質が高い制振装置を提供することができる。
本発明によると、このような制振装置を採用することで、製造コストを抑えつつ小型で品質が高い洗濯機を提供することができる。
本発明にかかる洗濯機の断面図である。 本発明にかかる制振装置である流体バランサーの斜視図である。 図2に示す流体バランサーの一部を切り取り拡大した斜視図である。 図2に示す流体バランサーの分解斜視図である。 図4に示す流体バランサーの一部を切り取り拡大した分解斜視図である。 本発明にかかる制振装置である流体バランサーの他の例の一部を切り取り拡大した斜視図である。 図6に示す流体バランサーをVII−VII線で切断した断面図である。 本発明にかかる制振装置である流体バランサーの平面図である。 本発明にかかる制振装置である流体バランサーのさらに他の例の分解斜視図である。 本発明にかかる洗濯機に用いられている流体バランサーのさらに他の例の断面図である。
以下に本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は本発明にかかる洗濯機の断面図である。なお、図1に示す洗濯機Aでは、図中左側が正面であり、洗濯運転、濯ぎ運転、脱水運転が自動的に行われる全自動式のドラム型洗濯機である。図1に示すように、洗濯機Aは、外装筐体である外箱1と、外箱1の内部に配置された水槽2と、水槽2の内部に回転可能に配置された回転ドラム3(回転槽)と、回転ドラム3に取り付けられた流体バランサー4(制振装置)と、回転ドラム3を回転させる動力源である電動モーター5とを備えている。
外箱1は、正面に洗濯物を出し入れするための開口11が形成された箱体である。また、外箱1の正面には、ドア12がヒンジ(不図示)を介して取り付けられており、ドア12がヒンジを中心に回動することで、開口11が開閉される構成となっている。また、ドア12には、透明あるいは略透明な窓121が備えられており、ドア12が閉じられた状態であっても、窓121より洗濯機Aの内部を確認できるようになっている。窓121として、透明ガラスで形成されているものとしているが、これに限定されるものではなく、内部を視認可能な材料で、破損しにくい材料及び形状で形成されているものを広く採用することが可能である。
水槽2は、有底筒形状を有している。水槽2は、筒形状部21と、筒形状部21の軸方向一方の端部に形成された底部22と、筒形状部21の底部22と反対側の端部に形成された水槽開口部23とを備えている。水槽2は、水槽開口部23が正面を向くとともに、外箱1の開口11と水槽開口部23とが連通するように外箱1内部に配置されている。また、水槽2の底部22には、後述の軸部51を回転可能に支持するベアリング221が備えられているとともに、底部22の外側には、電動モーター5が固定されている。
水槽開口部23の開口縁には、ゴム、軟質樹脂、シリコン樹脂等の弾性体で形成されたパッキン13が固定されている。ドア12を閉じるとパッキン13に密着し、水槽開口部23(水槽2)がドア12によって水密に閉鎖される。このように、ドア12を閉じることで、水槽2内部の水が外部に漏れるのを抑制することができる。
なお、図1に示しているように、水槽2は、中心軸Rが水平に対して傾斜するように配置されている。また、洗濯機Aが乾燥機能を有する場合、水槽2には、乾燥システム(不図示)が取り付けられる。また、水槽2は外箱1に設置したとき最も低くなる部分に、洗濯の終了、濯ぎ、脱水時等で水槽2の内部に溜まった水を排水するための排水口24が形成されており、排水口24に排水パイプ25が接続されている。
水槽2の排水口24には、排水パイプ25が取り付けられており、排水パイプ25の排水口24と反対側の端部は、外箱1と接続されている。この状態で水槽2が振動すると、排水口24と排水パイプ25との接合部が外れやすくなったり、排水パイプ25が破損しやすくなったりする。そこで、洗濯機Aでは、水槽2の振動を抑制するため、サスペンション14を介して外箱1に取り付けられている。
回転ドラム3は、洗濯物の洗濯(濯ぎを含む)を行う洗濯槽と、脱水を行う脱水槽とを兼ね備えており、水槽2と同様、有底筒形状を有している。すなわち、回転ドラム3は、筒形状部31と、底部32と、ドラム開口部33とを備えている。回転ドラム3は一般的にステンレス鋼材より構成されている。図1に示すように筒形状部31及び底部32には、給水、排水及び通気を行うための小孔34が複数個形成されている。
また、回転ドラム3の底部32には、電動モーター5の出力軸である軸部51が、底部32と直交するように、すなわち、軸部51の中心軸と回転ドラム3の中心軸とが重なるように圧入されている。なお、軸部51の固定は圧入によるものとしているが、これに限定されるものではなく、回転ドラム3に対して移動しないように固定する方法を広く採用できる。そして、回転ドラム3の重量(回転ドラム3本体及び洗濯物の重量)は、底部22の軸部51が圧入されている部分に集中する。この重量を支持するため、底部32には、リブ等の凹凸面を形成し、強度の向上が図られている。
なお、回転ドラム3は、水分を含んだ洗濯物を回転させる回転槽であり、強度が必要な部材となっている。そのため、ステンレス鋼材で形成され、リブ等の補強部を備えた構造を有しているが、これに限定されるものではなく、十分な強度を確保できれば、ステンレス鋼材以外の材料で形成してもよいし、リブ等の補強部を形成しない形状であってもよい。
軸部51は水槽2の底部22を貫通するとともに、ベアリング221に回転可能に支持されている。なお、底部22の軸部51が貫通する貫通孔には、不図示のパッキン等が配置されており、水槽2内の水が漏れるのを抑制している。このように、底部32が軸部51に固定されることで、回転ドラム3は、ドラム開口部33が開口11及び水槽開口部23と対向する。また、回転ドラム3は、水槽2と同様、中心軸Rが水平に対して傾斜している。なお、静止状態において、回転ドラム3の中心軸(R)は、水槽2の筒形状部22の中心軸Rと一致する。
そして、回転ドラム3のドラム開口部33の開口縁には制振装置である流体バランサー4が取り付けられている。流体バランサー4は、後述の中心軸C1が回転ドラム3の中心軸Rと一致するように回転ドラム3に取り付けられている。流体バランサー4の詳細については後述する。
次に、本発明にかかる洗濯機Aの動作について説明する。洗濯機Aでは、例えば、外箱1の上面に操作部(不図示)を備えており、操作部を介してユーザーの指示が入力されるようになっている。洗濯機Aでは、少なくとも、洗濯動作、濯ぎ動作及び脱水動作を行うことが可能であり、ユーザーはこれらの動作の1つ或いは2つ以上を組み合わせた動作を行うように操作部で指示する。
洗濯動作は、回転ドラム3の内部に洗濯物を収容し、ドア12を閉じた状態で、水槽2に洗剤及び水(洗濯液)を注入する。水槽2内部の洗濯液が所定水位に達したのち、回転ドラム3を回転させ、洗濯物を洗濯する動作である。
濯ぎ動作は、通常、洗濯動作の後に行われる動作であり、洗濯動作で用いられた洗剤を洗濯ものから取り除く動作である。濯ぎ動作は、水槽2の内部に給水を行った後、洗濯物が収容された回転ドラム3を回転させ、洗濯物に含まれた洗剤等を取り除く動作である。例えば、洗濯動作が終了したのち濯ぎ動作を行う場合、洗濯動作で用いた洗濯液を排出した後、所定水位になるまで給水を行う。
そして、回転ドラム3を回転させることで、洗濯物の間に水を通過させ、洗濯物に含まれた洗剤等の洗濯液を取り除く。また、濯ぎ動作は1回で終わることは少なく、水を入れ替えつつ数回行う場合が多い。なお、洗濯物に水洗いのみで落ちる汚れが付着している場合、洗濯動作でも濯ぎ動作でも洗濯物の汚れを落とすことができる。
脱水動作は、通常、濯ぎ動作の後に行われる動作であり、濯ぎ動作時の水を排出させた後、洗濯物が収容された回転ドラム3を回転させ、その時の遠心力で洗濯物が含んでいる水を取り除く動作である。脱水動作は、洗濯物に遠心力を作用させる動作であるため、洗濯動作或いは濯ぎ動作に比べて回転ドラム3の回転速度が速い(高速回転する)。例えば、濯ぎ動作が終了したのち脱水動作を行う場合、濯ぎ動作で利用した水が水槽2の内部に溜まっている。この水槽2の水を排水したのち、回転ドラム3を高速回転させ、脱水を行う。
洗濯機Aにおいて、通常の運転では、洗濯動作、濯ぎ動作及び脱水動作は順に行われる。また、濯ぎ動作と脱水動作を交互に行うことで、濯ぎ動作の効率を高める場合もある。そして、それぞれ1つ又は2つの動作を選択して行うことも可能になっている。さらに、これら3つの動作以外にも、例えば、回転ドラム3を回転させつつ、熱風を吹き付ける乾燥動作等の動作が付与された洗濯機もある。
上述した洗濯機Aの動作のうち、回転ドラム3が高速回転する脱水動作を行うとき、回転ドラム3の重量バランスに偏り(重量偏心)があると、回転ドラム3の回転が振れ振動が発生する。また、回転速度が速いと振動とともに騒音も発生する。回転ドラム3の重量偏心は、回転ドラム3に収容された洗濯物の回転ドラム3の中心軸Rに対する偏在が主な原因である
洗濯機Aでは、回転ドラム3に流体バランサー4を取り付けることで、重量偏心した回転ドラム3が回転するときの振動及び騒音を低減している。
(第1実施形態)
本発明にかかる洗濯機の要部である流体バランサーの一例について図面を参照して説明する。図2は本発明にかかる制振装置である流体バランサーの斜視図であり、図3は図2に示す流体バランサーの一部を切り取り拡大した斜視図である。
図2、図3に示すように、流体バランサー4は、ドーナツ型の円板形状の天面部410、底面部420と、天面部410、底面部420の外周縁部と連設された円筒形状の外周壁部401と、内周縁部と連設された円筒形状の内周壁部402とで囲まれた内部空間400を備えている。なお、天面部410、底面部420、外周壁部401及び内周壁部402とで中空であり中心軸C1とするドーナツ型の制振容器40を形成している。そして、制振容器40には、外周壁部401及び内周壁部402と同一中心軸C1を持つように形成され、天面部410及び底面部420と接続した円筒形状の隔壁403を複数個(ここでは2個)備えている。
内部空間400は2個の隔壁403によって径方向に3分割され、分割空間404が形成されている。そして、それぞれの分割空間404には、予め決められた量の水、塩水等の流体が封入されている。
流体バランサー4は回転ドラム3に取り付けられており、回転ドラム3が回転するとき、分割空間404に封入された液体が、分割空間404内を移動する。この流体の移動によって、流体バランサー4を取り付けた回転ドラム3の重量偏心による振動を抑制するように作用する。流体バランサー4において、封入された流体が分割空間404内を移動する場合、流体は遠心力で各分割空間404の外側の隔壁403又は外周壁部401に押し付けられる。このとき、外側の隔壁403又は外周壁部401に液漏れがある場合、流体バランサー4の回転ドラム3の振動を抑制する効果が低減してしまう。
次に、流体バランサー4の外周壁部401、内周壁部402及び隔壁403の液漏れについて説明するため、流体バランサー4の製造について図面を参照して説明する。図4は図2に示す流体バランサーの分解斜視図であり、図5は図4に示す流体バランサーの一部を切り取り拡大した分解斜視図である。
流体バランサー4は、円環形状の上部部材41と、同じく円環形状の下部部材42とを接合することで作製される。上部部材41は、ドーナツ型の円板形状の天面部410と、天面部410の外周縁部より下方に突出した円筒形状の外周垂下部411と、内周縁部より下方に突出した円筒形状の内周垂下部412とを備えている。
また、外周垂下部411及び内周垂下部412と同心円筒形状となる上リブ413が、天面部410の外周垂下部411と内周垂下部412との間の部分から下方に突出している。上部部材41は、上リブ413を2個備えている。さらに、上部部材41には、外周垂下部411と上リブ413の間、内周垂下部412と上リブ413の間、上リブ413の間にそれぞれ独立した円環状溝部414が形成されている。上部部材41において、円環状溝部414は、径方向の幅が等しくなるように形成されているが、これに限定されない。
また、下部部材42は、ドーナツ型の円板形状の底面部420と、底面部420の外周縁部より上方に突出した円筒形状の外周直立部421と、内周縁部より上方に突出した円筒形状の内周直立部422とを備えている。
外周直立部421及び内周直立部422と同心円筒形状となる下リブ423が、底面部420の外周直立部421と内周直立部422との間の部分から上方に突出している。さらに、下部部材42には、下リブ423は2個形成されており、外周直立部421と下リブ423の間、内周直立部422と下リブ423の間、下リブ423の間にそれぞれ独立した円環状溝部424が形成されている。下部部材42において、円環状溝部424は、径方向の幅が等しくなるように形成されているが、これに限定されるものではない。
上部部材41と下部部材42とを上下に重ね合せると、3個の円環状溝部414と3個の円環状溝部424とがそれぞれ重なる。すなわち、上部部材41と下部部材42とを上下に重ね合せたとき、外周垂下部411と外周直立部421、内周垂下部412と内周直立部422及び上リブ413と下リブ423が重なる。
上部部材41及び下部部材42が熱可塑性樹脂で形成されており、上部部材41と下部部材42とを上下に重ねた状態で熱溶着により接合する。つまり、各垂下部411、412と直立部421、422及び上リブ413と下リブ423を熱溶着で接合し、流体バランサー4が作製される。外周垂下部411と外周直立部421とを接合することで、外周壁部401が形成される。同様に、内周垂下部412と内周直立部422との接合で内周壁部402が、上リブ413と下リブ423との接合で隔壁403がそれぞれ形成される。
このように上部部材41と下部部材42とを接合することで、円環状溝部414と円環状溝部424とが分割空間404を構成する。
なお、上部部材及び下部部材の両方が熱可塑性樹脂で形成されている必要はなく、少なくとも一方が熱可塑性樹脂であり、他方に接合するような構成であってもよい。また、接合方法も熱溶着に限定されるものではなく、例えば、接着剤を用いた接着であってもよい。この場合、上部部材及び下部部材は熱可塑性樹脂以外の材料で形成されていてもよい。
外周垂下部411、内周垂下部412、外周直立部421、内周直立部422、上リブ413及び下リブ423は薄肉であり、上部部材41及び(又は)下部部材42の製造誤差や組立誤差で、きっちり重ならない場合がある。この状態で、上部部材41及び下部部材42を加熱し溶着を行うと、隙間が形成され、内部に封入した流体の漏れが発生する。
このような、内部に封入した流体の漏れが発生している流体バランサー4を用いても、回転ドラム3の重量偏心による振動の抑制効果が低く、洗濯機Aの振動、騒音の抑制が十分でない。そこで、洗濯機Aの製造工程では、流体バランサー4を回転ドラム3に取り付ける前に、流体バランサー4に対し、分割空間404に液体の漏れが発生していないかどうかの検査(リークテスト)を行う。
流体バランサー4のリークテストは、各分割空間404の内部に一定の圧力の空気を充填し、空気圧の変動をチェックすることで、外周壁部401、内周壁部402又は隔壁403に漏れが発生している、すなわち、欠陥があるか否か判断している。
そして、リークテストの結果、漏れの発生していない流体バランサー4のみを採用すれば、回転ドラム4の不良による、洗濯機Aの品質の低下を抑制することが可能である。
流体バランサー4(天面部410)には、リークテストを行うとき、分割空間404に一定の圧力の空気を送入するための貫通孔415が形成されている。貫通孔415は、各分割空間404に空気を送入するため、分割空間404ごとに1個ずつ形成されている。リークテストでは、貫通孔415にリークテスト用のノズル(不図示)を、気密状態で挿入し、ノズルから空気を送ることで分割空間404内の空気圧力を予め決められた圧力とする。そして、分割空間404の内部に空気を一定圧力で充填した状態を保ちつつ、ノズルの空気圧を確認する。
例えば、一定期間経過後、ノズルの空気圧が低下していない場合、外周壁部401、内周壁部402、隔壁403で漏れが発生していない、すなわち、不良品でないと判断する。逆に、一定期間経過後、ノズルの空気圧が低下している場合、外周壁部401、内周壁部402、隔壁403のいずれかで漏れが発生している、すなわち、不良品であると判断する。
このリークテストは、分割空間404ごとに行ってもよいし、全ての分割空間404に対して、同時に行ってもよい。全ての分割空間404に対して同時にリークテストを行う場合、隣合う分割空間404に充填する空気の圧力が同じにならないようにすればよい。このようにしておくことで、隔壁403に欠陥あった場合、高圧側から低圧側に空気が流れ、分割空間404内部の圧力が変動するため、隔壁403の欠陥を検知できる。なお、複数個備えられている分割空間404のうち、1つおきに、空気を充填するものと、充填しないものとに分けてリークテストを行うようにしてもよい。
そして、この貫通孔415は分割空間404に水、塩水等の流体を注入するための注入孔としても利用される。リークテストが終了し、漏れが確認されなかった、すなわち、品質に問題がない流体バランサー4の各分割空間404に、貫通孔415を介して予め決められた量の流体を注入する。分割空間404を密閉とするため、流体バランサー4は、貫通孔415を密栓するための蓋部材43を備えている。
以下に貫通孔415及び蓋部材43について詳しく説明する。図5に示すように、貫通孔415は上部部材41の天面部410に形成されている。貫通孔415は、各分割空間404と外部とを連通させる孔であり、分割空間404ごとに(ここでは、3個)形成されている。
つまり、貫通孔415は、上部部材41の天面部410の外周垂下部411と上リブ413との間、2個の上リブ413の間、上リブ413と内周垂下部412との間にそれぞれ1個ずつ形成されている。そして、図4、図5等に示しているように、貫通孔415は、流体バランサー4の周方向に近接した位置に設置されている。
そして、蓋部材43は、上部部材41の天面部410に形成された3個の貫通孔415の全てを覆うことができる形状及び面積を有している。なお、蓋部材43は三角形状を有しているが、これに限定されるものではない。
蓋部材43は、流体バランサー4の外側から、天面部410に接触するとともに、全ての貫通孔415を覆うとともに、熱溶着によって貫通孔415を密栓する。そのため、蓋部材43は熱可塑性樹脂で形成されている。蓋部材43は、平板部431と、平板部431より突出する凸部432とを備えている。凸部432は平板部431に3個備えられており、蓋部材43を天面部410の外側に取り付けたとき、3個の凸部432がそれぞれ異なる貫通孔415と嵌合するように形成されている。
凸部432が貫通孔415に嵌合するように蓋部材43を設置したのち、蓋部材43を加熱することで、溶着により蓋部材43を天面部410に接合し、貫通孔415を密栓する。これにより、分割空間406がそれぞれ内部に流体を含む独立した密閉空間として形成される。
なお、蓋部材43と天面部410とを熱溶着で接合するものとしているが、これに限定されるものではなく、接着剤を用いる接着方法、超音波溶着法等、従来よく知られた方法を用いることが可能である。
貫通孔415を流体バランサー4の周方向に近接して設置していることより、貫通孔415の全てを覆うように形成される蓋部材43の平板部431を小型化することが可能である。これにより、上述したような接合手法を用い、一括して全ての貫通孔415を密栓することが可能である。
また、複数の分割空間404のリークテスト用の貫通孔415が天面部410の周方向に近接する構成であることで、リークテスト用のノズルの抜き差し作業及び流体の注入作業の作業性が高くなり、作業に要する手間と時間を低減することができる。
さらに、蓋部材43を小型化することが可能であるので、流体バランサー4の重量増加を抑えることが可能である。
なお、隣合う分割空間404に形成される貫通孔415を一定の間隔を開けて形成することで、流体バランサー4が動作するとき、貫通孔415の周囲の応力集中を抑制することが可能となる。これにより、流体バランサー4の破損等が発生するのを抑制することが可能である。
本実施形態において、流体バランサー4は3個の分割空間404及び各分割空間404に備えられた3個の貫通孔415を備えているものとしているが、これに限定されるものではなく、さらに多くの分割空間及び貫通孔を備えていてもよい。なお、流体バランサーでは、多くの分割空間を有するものの方が、制振効果が高くなる。分割空間及び貫通孔の個数については、以下の実施形態においても同様である。
また、貫通孔415をリークテスト用兼流体注入用としているが、予め下部部材42の円環状溝部424に流体を注入しておき、上部部材41と下部部材42とを接合すれば、貫通孔415より流体を注入する必要がないので、貫通孔415はリークテスト用としてのみ用いられる。
なお、下部部材42の円環状溝部424に予め流体を注入しておく構成であるため、下部部材42の外周直立部421、内周直立部422及び下リブ423の突出長さが、上部部材41の外周垂下部411、内周垂下部412及び上リブ413よりも長く形成する、すなわち、円環状溝部424を円環状溝部414よりも深く形成しておくことが好ましい。また、貫通孔415より流体を注入する構成の場合でも、円環状溝部424を円環状溝部414よりも深く形成していてもよい。
このように、少なくともリークテストを行うための貫通孔415を周方向に接近させて形成し、一括して密栓できる蓋部材43を備えることで、流体バランサー4のリークテストに要する手間及び時間を減らすことが可能である。これにより、回転ドラム3に品質が低い(制振効果が低い)流体バランサー4が取り付けられるのを抑制し、洗濯機Aに不良品が発生する割合を下げることができる。
また、蓋部材43で一括して貫通孔415を密栓することができる。この構成とすることで、貫通孔415をそれぞれ個別に密栓する場合に比べて、接合時に加熱する部材、ここでは、蓋部材43が大きくなる。これにより、加熱部位を細かく調整する必要がないので、小型の流体バランサー4でも、製造にかかる手間を削減し、コストアップを抑制することが可能である。
(第2実施形態)
本発明にかかる洗濯機の要部である流体バランサーの他の例について図面を参照して説明する。図6は本発明にかかる制振装置である流体バランサーの他の例の一部を切り取り拡大した斜視図であり、図7は図6に示す流体バランサーをVII−VII線で切断した断面図である。
図6、図7に示す流体バランサー4Bは、天面部410bに蓋部材43の平板部431が嵌る凹部416が形成されている。また、これ以外の部分は、図2等に示す流体バランサー4と同じ構成を有しており、実質上同じ部分には、同じ符号を付すとともに、同じ部分の詳細な説明は省略する。
図6、図7に示すように、流体バランサー4Bにおいて、貫通孔415が凹部416の内部に形成されている。そして、凹部416は蓋部材43の平板部431を嵌めることが可能な形状を有している。凹部416は、天面部410の厚さが厚い場合、切削によって形成勢することが可能である。また、天面部410に絞り加工を施すことで作製したものであってもよい。
流体バランサー4Bでは、リークテスト終了及び流体注入後、蓋部材43が、3個の凸部432をそれぞれ対応した貫通孔415に挿入するとともに、平板部431が凹部416内に収まるように配置される。その後、蓋部材43と天面部410bとを上述している接合方法で接合することで、貫通孔415を密栓し、分割空間406をそれぞれ独立した密閉空間として形成している。
図6、図7に示すように、蓋部材43の天面部410bへの接合が完了したとき、蓋部材43の平板部431が、天面部410bの外側の面と同一面となるよう、凹部416が形成されている。このように、蓋部材43が天面部410bと同一面であることで、流体バランサー4Bの回転時に蓋部材43が実質的に占有する体積を減らすことができ、流体バランサー4Bを実質的に小型化することが可能である。このことにより、回転ドラム3の容量を増加させることができ、洗濯機Aを大型化することなく、洗濯容量を増やすことが可能である。
また、蓋部材43の平板部431の辺縁部と凹部416の内平面とも接触する構成であり、蓋部材43と天面部410bとの接触面が増える。このことから、蓋部材43による密栓効果が高くなり、漏れの発生を抑制する効果がさらに高くなる。
なお、流体バランサー4Bでは、天面部410bの外面と蓋部材43の平板部431とが同一面となるように形成されているが、底板部431が凹むように形成されていてもよい。
また、第2実施形態のその他の効果については、第1実施形態と同様である。
(第3実施形態)
本発明にかかる制振装置である流体バランサーのさらに他の例について説明する。図8は本発明にかかる洗濯機に用いられている流体バランサーのさらに他の例の平面図である。図8に示す流体バランサー4Cでは、天面部410の蓋部材43の軸線を挟んで対向する位置に、カウンターウェイト44(重り)が備えられている以外、図2等に示す流体バランサー4と同じ構成を有している。そのため、以下の説明では、流体バランサー4と実質上同じ部分には同じ符号を付すとともに、同じ部分の詳細な説明を省略する。
流体バランサー4は、回転ドラム3の重量偏心による振動を抑制するための装置であり、回転ドラム3の大きさによって、その大きさ及び重量が異なってくる。流体バランサー4の重量が重い場合、蓋部材43の流体バランサー4に対する重量の割合が小さい。そのため、蓋部材43を1ヵ所に取り付けたとしても、流体バランサー4全体の重量バランスはほとんど崩れない。しかしながら、流体バランサー4を軽量化した場合、蓋部材43の流体バランサー4に対する重量の割合が大きくなり、蓋部材43を1ヵ所に取り付けたことで、流体バランサー4の重量バランスが崩れ、回転ドラム3の振動を抑制する効果が低下する場合がある。
そこで、流体バランサー4Cでは、中心軸C1を挟んで天面部410の蓋部材43が取り付けられている部分と対向する部分に、カウンターウェイト44を取り付けている。このカウンターウェイト44は、流体バランサー4Cに蓋部材43を取り付けたときの重量バランスの偏りを修正するものである。
カウンターウェイト44を取り付けることで、流体バランサー4C自体の重量バランスの偏りを修正することができるので、回転ドラム3の重量偏心による振動の発生を抑制する効果を高めることができる。
なお、本実施形態では、蓋部材43を取り付けたことによる流体バランサー4Cの重量バランスの偏りを抑制するためカウンターウェイト44を取り付けている。しかしながら、上部部材41或いは下部部材42自体が重量偏心している場合があり、その重量偏心を含む、流体バランサー4Cの重量バランスの偏りを修正するために、カウンターウェイト44を取り付けてもよい。この場合、カウンターウェイト44の取り付け位置は、蓋部材43の中心軸C1を挟んで対向する部分とは限らない。
第3実施形態のその他の効果については、第1実施形態と同じである。
(第4実施形態)
本発明にかかる制振装置である流体バランサーのさらに他の例について説明する。図9は本発明にかかる洗濯機に用いられている流体バランサーのさらに他の例の分解斜視図である。図9に示す流体バランサー4Dでは、天面部410dに、蓋部材43が取り付けられる位置と中心軸C1を挟んで反対側の部分に、貫通孔415とは異なる、貫通孔417が形成されている。また、この貫通孔417を密栓する蓋部材45を備えている。また、これ以外の部分は、図2等に示す流体バランサー4と同じ構成を有しており、実質上同じ部分には、同じ符号を付すとともに、同じ部分の詳細な説明を省略する。
図9に示すように、流体バランサー4Dは、天面部410dにリークテスト用の貫通孔415と、流体注入用の貫通孔417とを備えている。そして、蓋部材43で貫通孔415を、蓋部材45で貫通孔417を密栓する。
流体バランサー4は、回転ドラム3の重量偏心による振動を抑制するための装置であり、回転ドラム3の大きさによって、その大きさ及び重量が異なってくる。流体バランサー4の重量が重い場合、蓋部材43の流体バランサー4に対する重量の割合が小さい。そのため、蓋部材43を1ヵ所に取り付けたとしても、流体バランサー4全体の重量バランスはほとんど崩れない。しかしながら、流体バランサー4を軽量化した場合、蓋部材43の流体バランサー4に対する重量の割合が大きくなり、蓋部材43を1ヵ所に取り付けたことで、流体バランサー4の重量バランスが崩れ、回転ドラム3の振動を抑制する効果が低下する場合がある。
流体バランサー4Dでは、蓋部材44及び蓋部材45を用いる構成とすることで、蓋部材45がカウンターウェイトとして作用するため、流体バランサー4Dの重量バランスの偏りを抑制することが可能である。
なお、流体バランサー4Dでは、分割空間404ごとに2個の貫通孔415、417が形成されているため、このままではリークテストができない。そこで、流体注入用の貫通孔417を一時的に密栓する治具を用い、貫通孔417を密栓した状態で貫通孔415のノズルを送入して、リークテストを行ってもよいし、流体注入用の貫通孔417より流体を注入したのち、貫通孔417を密栓した状態でリークテストを行ってもよい。
この構成によると、蓋部材43、45それぞれを取り付ける工程が必要となるが、流体バランサー4Dの重量バランスの精度を高めることができる。また、蓋部材43、45はそれぞれ、一括で貫通孔415、417を密栓できる構成としているので、増加する工数を抑えつつ、流体バランサー4Dの回転ドラム3の重量偏心による振動の抑制効果を高めることが可能である。
さらに、リークテスト用の貫通孔415と、流体注入用の貫通孔417を離れた位置に形成していることで、それぞれ、リークテスト用の装置と流体注入等の装置とを併設することも可能であり、製造ラインを簡略化できる利点もある。
なお、第4実施形態のその他の効果については、第1実施形態及び第3実施形態と同じである。
(第5実施形態)
本発明にかかる制振装置である流体バランサーのさらに他の例について説明する。図10は本発明にかかる洗濯機に用いられている流体バランサーのさらに他の例の断面図である。図10に示す流体バランサー4Eは、蓋部材46が異なる以外、図2等に示す流体バランサー4と同じ構成を有しており、実質上同じ部分には、同じ符号を付すとともに、同じ部分の詳細な説明を省略する。
図10に示すように、蓋部材46は、平板状の部材である。蓋部材46は天面部410の上面より、貫通孔415の全て覆うように設置され、その後、超音波接合法等の接合方法で天面部410と接合される。これにより、貫通孔415の密栓を行っている。
この構成によると、蓋部材46に貫通孔415と対応した、凸部を形成しなくてもよく、蓋部材46に高い精度が要求されない。これにより、蓋部材46の製造にかかるコストを低減することが可能である。
なお、蓋部材46を全ての貫通孔415の上部を確実に覆うため、天面部410eに、天面部410bの凹部416のようなガイドが形成されていることが好ましい。ガイドが形成されていることで、蓋部材46をガイドに合わせて天面部410eに配置することで、簡単に蓋部材46ですべての貫通孔415を覆うことが可能である。また、作業者の目視或いは機械によるチェックの工程を簡略化することができるので、流体バランサー4Eの製造工数を減らすことができ、製造コストを抑えることができる。
なお、上述したガイドとしては、凹部のような構成であってもよいし、蓋部材46の辺縁部形状の少なくとも一部で、位置決め可能な形状の内周壁を備えた凸部を備える構造であってもよい。また、複数個(ここでは3個)の貫通孔415のうち、2個と嵌合する凸部を蓋部材46に形成しておき、その凸部を対応する貫通孔415に嵌合させることで、位置決めするようにしてもよい。
なお、第5実施形態のその他の効果については、第1実施形態〜第4実施形態と同じである。
また、上述した各実施形態では、断面矩形状の制振容器を例に説明しているが、これに限定されるものではなく、円形、楕円形或いは多角形状に形成されているものであってもよい。このとき、蓋部材の平板部は平板に限るものではなく、貫通孔415が形成されている部分の面形状に合わせて形成されていることが好ましい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこの内容に限定されるものではない。また本発明の実施形態は、発明の趣旨を逸脱しない限り、種々の改変を加えることが可能である。
本発明の低コストかつ高品質で小型の流体バランサー(制振装置)を用いることで、低コストかつ高品質で、洗濯機の外形サイズを大型化することなく、洗濯容量の大きい洗濯機を提供することができ、有用である。また、本発明の流体バランサーを用いることで、洗濯機に限らず、その他の回転機械の振動抑制に適用した場合でも、制振性能を低下させることなく、外形サイズを小型化することが可能であり、有用である。
A 洗濯機
1 外箱
11 開口
12 ドア
13 パッキン
121 窓
2 水槽
21 筒形状部
22 底部
221 ベアリング
23 水槽開口部
24 排水口
25 排水パイプ
3 回転ドラム
31 筒形状部
32 底部
33 ドラム開口部
34 小孔
4、4B、4C、4D、4E 流体バランサー
40 内部空間
401 外周壁部
402 内周壁部
403 隔壁
404 分割空間
41 上部部材
410 天面部
411 外周垂下部
412 内周垂下部
413 上リブ
414 円環状溝部
415 貫通孔
416 凹部
417 貫通孔
42 下部部材
421 外側直立部
422 内側直立部
423 下リブ
424 円環状溝部
43 蓋部材
431 平板部
432 凸部
44 カウンターウェイト
45 蓋部材
46 蓋部材

Claims (6)

  1. 中空円環状の制振容器と、
    前記制振容器の内部空間を、径方向に隣り合う複数個の円環形状の分割空間に分割する隔壁と、
    前記分割空間のそれぞれを個別に外部空間と連通させるとともに、前記制振容器の周方向に近接した位置に形成された複数個の貫通孔と、
    前記制振容器に取り付けられ、前記複数個の貫通孔を同時に塞ぐことができる蓋部材とを有し、
    前記分割空間の内部に液体が封入されているとともに密閉されていることを特徴とする制振装置。
  2. 前記蓋部材が前記周方向に近接して形成された複数個の貫通孔の全ての外側を覆うことができる板状部と、
    前記板状部を前記制振容器に取り付けたとき、前記貫通孔に嵌合する凸部とを備えている請求項1に記載の制振装置。
  3. 前記制振容器には、前記蓋部材の板状部が前記制振容器より突出しないように嵌合する凹部を備えており、
    前記貫通孔の全てが前記凹部の中に形成されている請求項2に記載の制振装置。
  4. 前記制振容器の外面に、前記制振容器の重量バランスの偏りを修正するための重りを取り付けた請求項1から請求項3のいずれかに記載の制振装置。
  5. 前記貫通孔は前記分割空間の漏れを確認する検査用に用いられる検査用孔であり、
    前記重りを取り付ける部分に前記分割空間に流体を注入する注入孔を形成しておき、
    前記重りが前記注入孔を密栓するように形成されている請求項4に記載の制振装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の制振装置を、回転槽に中心軸が一致するように取り付けたことを特徴とする洗濯機。
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CN114616370A (zh) * 2019-11-06 2022-06-10 青岛海尔洗衣机有限公司 洗衣机

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