本願は、ここにおいて参照によって組み込まれている「複数のアップリンクについてのネットベースのQoS制御された転送ポリシー(Net-Based QoS Controlled Forwarding Policy for Multiple Uplinks)」について2008年6月9日に出願された米国特許出願第61/060,078号の優先権に関連しており、そしてその優先権を主張するものである。
本開示は、一般に無線通信システムに関する。さらに詳細には、本開示は、モバイルIP(インターネットプロトコル)やプロキシモバイルIPなどのような、モビリティ(mobility)を容易にすることに関係づけられた通信プロトコルをインプリメントする無線通信システムに関する。
無線通信システムは、通常、それぞれ1つの基地局によってサービスされうる複数のモバイルデバイスに対して通信を提供する。
モバイルIPは、モバイルデバイスユーザが、恒久的なIPアドレスを保持しながら1つのネットワークから別のネットワークへと移動することを可能にするように設計された通信プロトコルである。モバイルIPは、ユーザが、複数のアクセスネットワークを通して彼らのモバイルデバイスを持ち運ぶ無線環境の中で見出されることができる。例えば、モバイルIPは、オーバーラップする無線システム、例えば、無線LAN(WLAN)上のIP(IP over wireless LAN (WLAN))、高レートパケットデータ(High Rate Packet Data)(HRPD)、ロングタームエボリューション(Long Term Evolution)(LTE)などの間でローミングする際に使用されることができる。モバイルIPに関連して、モバイルデバイスは、モバイルノードと称されることができる。
モバイルIPの最新バージョンは、モバイルIPバージョン6(MIPv6)である。MIPv6によれば、モバイルノードが、1つのアクセスネットワークを離れ、そして別のアクセスネットワーク(ここにおいて、新しいアクセスネットワークと称される)に接続するときに、それは、新しいアクセスネットワークから気付アドレス(care-of address)を受信する。次いで、モバイルノードは、バインディングアップデート(binding update)をそのホームエージェントへと送信し、このホームエージェントは、インターネットの中の固定された場所に(例えば、モバイルノードのホームネットワークに)ある。バインディングアップデートは、ホームエージェントに、その現在の気付アドレスと、モバイルノードのホームアドレスをバインドするようにさせる。モバイルノードのホームアドレスに送信されるパケットは、ホームエージェントへと経路指定され、そしてホームエージェントは、これらのパケットをモバイルノードの気付アドレスへとトンネルさせる。
プロキシMIPv6(PMIPv6)は、モバイルノードがシグナリング(signaling)に関与していないMIPv6の変形である。モバイルノードが1つのモビリティアクセスゲートウェイ(mobility access gateway)から次のモビリティアクセスゲートウェイへと移動するときに、PMIPv6は、モバイルノードの代わりにMIPv6信号をプロキシする(proxy)ために、ネットワークの中でモビリティアクセスゲートウェイを使用する。モバイルノードのホームネットワークは、ローカルモビリティアンカ(local mobility anchor)を含み、このローカルモビリティアンカは、MIPv6におけるホームエージェントに類似している。モバイルノードが、1つのアクセスネットワークを離れるときに、それは、新しいアクセスネットワークと、対応するモビリティアクセスゲートウェイとにアタッチする(attaches)。新しいモビリティアクセスゲートウェイは、ローカルモビリティアンカに対してプロキシバインディングアップデート(proxy binding update)を送信し、これは、その現在のモビリティアクセスゲートウェイと、モバイルノードのホームアドレスをバインドする。モバイルノードのホームアドレスに送信されるパケットは、ローカルモビリティアンカへと経路指定され、ローカルモビリティアンカは、これらのパケットをモビリティアクセスゲートウェイへとトンネルさせる。次いで、モビリティアクセスゲートウェイは、それらのパケットをモバイルノードへと配信する。
図1は、無線通信システムを示している。
図2は、モバイルIPバージョン6(MIPv6)に従って動作するシステムを示している。
図3は、プロキシモバイルIPバージョン6(PMIPv6)に従って動作するシステムを示している。
図4は、PMIPv6に従って動作するシステムを示しており、ここでモバイルノードは、第1のアクセスネットワークと、第2のアクセスネットワークとに同時にアクセスすることができる。
図5は、PMIPv6に従って動作する別のシステムを示しており、ここでモバイルノードは、第1のアクセスネットワークと、第2のアクセスネットワークとに同時にアクセスすることができる。
図6は、モバイルノードによって使用される転送ポリシーのネットワークベース制御を容易にするように構成されたシステムを示している。
図7は、モバイルノードによって使用される転送ポリシーのネットワークベース制御を容易にするように構成されたシステムを示している。
図8は、モバイルノードによって使用される転送ポリシーのネットワークベース制御を容易にするための方法を示している。
図9は、モバイルノードによって使用される転送ポリシーのネットワークベース制御を容易にするように構成された装置のハードウェアインプリメンテーションの一部分を示している。
詳細な説明
転送ポリシーのネットワークベース制御を容易にするように構成されたモバイルノードが、開示される。モバイルノードは、プロセッサと、そのプロセッサに結合された回路と、を含む。その回路は、インターネットプロトコル(IP)フローに関係づけられたアクセスネットワーク特定シグナリング(access network-specific signaling)を受信するように構成されている。回路は、アクセスネットワーク特定シグナリングに基づいてIPフローを送信するために多元接続ネットワーク(multiple access networks)のうちのどれを使用すべきかを決定するようにも構成されている。
アクセスネットワーク特定シグナリングは、アクセスネットワークから受信されることができる。アクセスネットワーク特定シグナリングは、前記アクセスネットワーク上のIPフローについてのサービス品質(quality of service)(QoS)をセットアップする要求を含むことができる。代わりに、アクセスネットワーク特定シグナリングは、前記アクセスネットワーク上のIPフローについてのベアラ確立メッセージ(bearer establishment message)を含むこともできる。さらに代わりに、アクセスネットワーク特定シグナリングは、前記アクセスネットワーク上のIPフローについてのベアラ修正メッセージ(bearer modification message)を含むこともできる。
多元接続ネットワークのうちのどれを使用すべきかを決定することは、モバイルノードにおける転送ポリシーをアップデートすることを含むことができる。より詳細には、多元接続ネットワークのうちのどれを使用すべきかを決定することは、アクセスネットワーク特定シグナリングが受信されたアクセスネットワーク上でIPフローを送信するコマンドとしてアクセスネットワーク特定シグナリングを解釈することと、IPフローが、アクセスネットワーク特定シグナリングが受信されたアクセスネットワーク上で送信されるべきことを示すように、モバイルノードにおける転送ポリシーをアップデートすることと、を含むことができる。
アクセスネットワーク特定シグナリングは、ベアラ解放メッセージを含むことができる。この場合には、多元接続ネットワークのうちのどれを使用すべきかを決定することは、IPフローを別のアクセスネットワークへと移動するコマンドとして、ベアラ解放メッセージを解釈することを含むことができる。
アクセスネットワーク特定シグナリングは、ベアラに、そのトラフィックフローテンプレート(Traffic Flow Template)(TFT)が、もはやIPフローをカバーしないようにするために修正されるようにさせるベアラ修正メッセージを含むことができる。この場合には、多元接続ネットワークのうちのどれを使用すべきかを決定することは、IPフローを別のアクセスネットワークへと移動するコマンドとしてベアラ修正メッセージを解釈することを含むことができる。
回路は、複数の多元接続ネットワークに同時にアクセスするように構成されていることもできる。アクセスネットワーク特定シグナリングは、アクセスネットワークの中のアクセスゲートウェイから受信されることができる。
転送ポリシーのネットワークベース制御を容易にするための方法が、開示される。モバイルノードは、インターネットプロトコル(IP)フローに関係づけられたアクセスネットワーク特定シグナリングを受信する。モバイルノードは、アクセスネットワーク特定シグナリングに基づいてIPフローを送信するために多元接続ネットワークのうちのどれを使用すべきかを決定する。
転送ポリシーのネットワークベース制御を容易にするための装置もまた、開示される。本装置は、インターネットプロトコル(IP)フローに関係づけられたアクセスネットワーク特定シグナリングを受信するための手段を含んでいる。本装置は、アクセスネットワーク特定シグナリングに基づいてIPフローを送信するために多元接続ネットワークのうちのどれを使用すべきかを決定するための手段も含んでいる。
転送ポリシーのネットワークベース制御を容易にするためのコンピュータプログラムプロダクト(computer-program product)もまた、開示される。コンピュータプログラムプロダクトは、命令をその上に有するコンピュータ可読媒体を含んでいる。命令は、インターネットプロトコル(IP)フローに関係づけられたアクセスネットワーク特定シグナリングを受信するためのコードを含んでいる。命令は、アクセスネットワーク特定シグナリングに基づいてIPフローを送信するために多元接続ネットワークのうちのどれを使用すべきかを決定するためのコードも含んでいる。
ここにおいて説明される技法は、符号分割多元接続(code division multiple access)(CDMA)システム、時分割多元接続(time division multiple access)(TDMA)システム、周波数分割多元接続(frequency division multiple access)(FDMA)システム、直交周波数分割多元接続(orthogonal frequency division multiple access)(OFDMA)システム、単一キャリア周波数分割多元接続(single carrier- frequency division multiple access)(SC−FDMA)システム、他のシステムなど、様々な無線通信システムのために使用されることができる。用語「システム」と、「ネットワーク」とは、ここにおいて交換可能に使用されることができる。CDMAシステムは、ユニバーサル地上波無線アクセス(Universal Terrestrial Radio Access)(UTRA)、CDMA2000などの無線技術をインプリメントすることができる。UTRAは、広帯域−CDMA(Wideband-CDMA)(W−CDMA)と、CDMAの他の変形と、を含む。CDMA2000は、IS−2000規格と、IS−95規格と、IS−856規格と、をカバーする。TDMAシステムは、移動通信用グローバルシステム(Global System for Mobile Communications)(GSM(登録商標))などの無線技術をインプリメントすることができる。OFDMAシステムは、進化型(Evolved)UTRA(E−UTRA)、ウルトラモバイルブロードバンド(Ultra Mobile Broadband)(UMB)、IEEE802.11(Wi−Fi)、IEEE802.16(WiMAX)、IEEE802.20、フラッシュ−OFDM(Flash-OFDM)などの無線技術をインプリメントすることができる。UTRAと、E−UTRAとは、ユニバーサルモバイル電気通信システム(Universal Mobile Telecommunication System)(UMTS)の一部分である。3GPPロングタームエボリューション(Long Term Evolution)(LTE)は、E−UTRAを使用するUMTSの来るべきリリースであり、これは、ダウンリンク上のOFDMAと、アップリンク上のSC−FDMAとを使用する。
図1は、無線通信システム100を示している。システム100は、各セル102が、対応する基地局104によってサービスされる複数のセル102に対して通信を提供する。基地局104は、移動局106と通信する固定局とすることができる。基地局104は、代わりに、アクセスポイント、ノードB(Node B)、または何らかの他の専門用語と称されることもできる。
1つまたは複数の移動局106は、時間にわたってシステム100内に分散されることができる。移動局106は、代わりに、リモート局、アクセス端末、端末、加入者ユニット、ユーザ装置、モバイルノードなどと称されることもできる。移動局106は、システム100上で通信するための、セルラー電話、スマートフォン、携帯情報端末(personal digital assistants)(PDA)、ハンドヘルド通信デバイス、無線モデム、ラップトップコンピュータ、他の適切な任意のデバイスなどの無線デバイスとすることができる。
BS104からMS106への送信を容易にする通信リンクは、ダウンリンク108と称されることができ、そしてMS106からBS104への送信を容易にする通信リンクは、アップリンク110と称されることができる。代わりに、ダウンリンク108は、順方向リンクまたは順方向チャネルと称されることもでき、そしてアップリンク110は、逆方向リンクまたは逆方向チャネルと称されることもできる。周波数分割二重化(frequency division duplex)(FDD)システムにおいて、ダウンリンク108は、アップリンク110によって使用される周波数帯域とは異なる周波数帯域を利用することができる。時分割二重化(time division duplex)(TDD)システムにおいては、ダウンリンク108とアップリンク110とは、共通の周波数帯域を利用することができる。
図2は、モバイルIPバージョン6(MIPv6)に従って動作するシステム200を示している。MIPv6に従って、モバイルノード206は、恒久的ホームアドレス212を割り当てられ、この恒久的ホームアドレスは、モバイルノード206のホームアクセスネットワーク214に関連づけられたIPアドレスである。
モバイルノード206は、それのホームアクセスネットワーク214を離れ、そして訪問アクセスネットワーク(visited access network)216aへと移動することができる。訪問アクセスネットワーク216aは、アクセスルータ218aを含んでいる。アクセスルータ218aは、モバイルノード206に気付アドレス219aを割り当てる。モバイルノード206はホームアクセスネットワーク214におけるホームエージェント220に対してバインディングアップデートを送信し、これは、ホームアドレス212をその気付アドレス219aに対してバインドする。MIPトンネル222aは、ホームエージェント220とモバイルノード206との間に確立される。対応するノード224が、パケットをモバイルノード206へと送信するときに、パケットの宛先アドレスは、モバイルノード206のホームアドレス212である。パケットは、ホームエージェント220へと経路指定され、次いで、このホームエージェントは、パケットをモバイルノード206へとトンネルさせる。
モバイルノード206は、訪問アクセスネットワーク216aを離れ、そして別の訪問アクセスネットワーク216bへと移動することができる。訪問アクセスネットワーク216bもまた、アクセスルータ218bを含んでいる。第2のアクセスルータ218bは、モバイルノード206に第2の気付アドレス219bを割り当てる。モバイルノード206は、ホームエージェント220に対して第2のバインディングアップデートを送信し、これは、ホームアドレス212を第2の気付アドレス219bに対してバインドする(binds)。MIPトンネル222bが、ホームエージェント220とモバイルノード206との間に確立される。対応するノード224が、パケットをモバイルノード206のホームアドレス212に対して送信するときに、パケットは、ホームエージェント220へと経路指定され、次いで、このホームエージェントは、MIPトンネル222bを経由してパケットをモバイルノード206へとトンネルさせる。
図3は、プロキシモバイルIPバージョン6(PMIPv6)に従って動作するシステム300を示している。モバイルノード306が、1つのモビリティアクセスゲートウェイ326から次のモビリティアクセスゲートウェイへと移動するときに、PMIPv6は、モバイルノード306の代わりにモビリティ管理信号をプロキシするためにモビリティアクセスゲートウェイ326を使用する。モバイルノード306が、それのホームアクセスネットワーク314を離れ、そして訪問アクセスネットワーク316aへと移動するときに、訪問アクセスネットワーク316aについてのモビリティアクセスゲートウェイ326aは、ホームアクセスネットワーク314の中のローカルモビリティアンカ328に対してプロキシバインディングアップデートを送信し、これは、モビリティアクセスゲートウェイ326aのアドレス330aとモバイルノード306のホームアドレス312をバインドする。PMIPトンネル332aが、ローカルモビリティアンカ328と、モビリティアクセスゲートウェイ326aとの間に確立される。対応するノード324が、モバイルノード306のホームアドレス312に対してパケットを送信するときに、パケットは、ローカルモビリティアンカ328へと経路指定され、このローカルモビリティアンカは、PMIPトンネル332aを経由してモビリティアクセスゲートウェイ326aへとパケットをトンネルさせる。次いで、モビリティアクセスゲートウェイ326aは、パケットをモバイルノード306へと配信する。
モバイルノード306が、訪問アクセスネットワーク316aを離れ、そして別の訪問アクセスネットワーク316bへと移動するときに、新しい訪問アクセスネットワーク316bについてのモビリティアクセスゲートウェイ326bは、ローカルモビリティアンカ328に対して別のプロキシバインディングアップデートを送信し、これは、モビリティアクセスゲートウェイ326bのアドレス330bと、モバイルノード306のホームアドレス312をバインドする。PMIPトンネル332bが、ローカルモビリティアンカ328と、モビリティアクセスゲートウェイ326bとの間に確立される。対応するノード324が、モバイルノード306のホームアドレス312に対してパケットを送信するときに、パケットは、ローカルモビリティアンカ328へと経路指定され、次いで、このローカルモビリティアンカは、PMIPトンネル332bを経由してモビリティアクセスゲートウェイ326bへとパケットをトンネルさせる。次いで、モビリティアクセスゲートウェイ326bは、パケットをモバイルノード306へと配信する。
図4は、モバイルノード406が、第1のアクセスネットワーク416aと、第2のアクセスネットワーク416bとに同時にアクセスすることができる、PMIPv6に従って動作するシステム400を示している。別の言い方をすれば、モバイルノード406は、複数のダウンリンクとアップリンクとを有すると言うことができる。例えば、第1のアクセスネットワーク416aは、無線ローカルエリアネットワークとすることができ、そして第2のアクセスネットワーク416bは、高レートパケットデータ(high rate packet data)(HRPD)ネットワークとすることができる。別の例としては、第1のアクセスネットワーク416aは、無線ローカルエリアネットワークとすることができ、第2のアクセスネットワーク416bは、ロングタームエボリューション(LTE)ネットワークとすることができる。第1のアクセスネットワーク416aと、第2のアクセスネットワーク416bとは、異なる周波数を利用することができ、そしてモバイルノード406は、異なるアクセスネットワーク416a、416bにアクセスするために異なる無線を利用することができる。
PMIPトンネル432aは、第1のアクセスネットワーク416aの中でローカルモビリティアンカ428と、モビリティアクセスゲートウェイ426aとの間で確立され、そしてPMIPトンネル432bは、第2のアクセスネットワーク416bの中でローカルモビリティアンカ428と、モビリティアクセスゲートウェイ426bとの間で確立される。
音声、ビデオ、ファイルダウンロード、電子メールなどのような、モバイルノード406上で実行される複数のアプリケーションが、存在することができる。それ故に、モバイルノード406へと/から送信されている複数のIPフロー434が、存在することができる。ここにおいて使用されるように、用語「IPフロー」は、同じヘッダ情報、例えば、ソースおよび宛先のIPアドレスと、ソースおよび宛先のポートと、同じトランスポートプロトコルとを含めて同じ5−タプルを有するIPパケットのシーケンスを意味することができる。例えば、IPsecヘッダの中でIPv6フローラベル、またはSPI(セキュリティパラメータインデックス(Security Parameter Index))を使用して、IPフローを同様に識別する他のやり方が存在することを理解すべきである。本願において説明されるメカニズムは、どのようにしてIPフローが識別されているかに関わらず適用される。2つのIPフロー434a、434bが、図4のシステム400の中に示されている。異なるIPフロー434は、異なるアクセスネットワーク416を経由して送信され/受信されることができる。例えば、第1のIPフロー434aは、第1のアクセスネットワーク416aを経由して送信され/受信されることができ、そして第2のIPフロー434bは、第2のアクセスネットワーク416bを経由して送信され/受信されることができる。
図5は、モバイルノード506が、第1のアクセスネットワーク516aと、第2のアクセスネットワーク516bとに同時にアクセスすることができる、PMIPv6に従って動作する別のシステム500を示している。音声、ビデオ、ファイルダウンロード、電子メールなどを含めて複数のアプリケーション536が、モバイルノード506上で実行されることができる。モバイルノード506はまた、IPスタック538を含み、このIPスタックは、インターネットプロトコル(IP)をインプリメントする1組のコンポーネントである。
モバイルノード506はまた、仮想インターフェース540と、複数の物理インターフェース544a、544bとを含む。仮想インターフェース540は、IPアドレス512に関連づけられる。しかしながら、物理インターフェース544a、544bのどちらも、IPアドレスに関連づけられていない。第1の物理インターフェース544aは、第1のアクセスネットワーク516aに対してデータを送信するために利用され、そして第2の物理インターフェース544bは、第2のアクセスネットワーク516bに対してデータを送信するために利用される。
アップリンク送信では、IPスタック538は、仮想インターフェース540に対してアプリケーション536によって生成されるパケットを送信する。仮想インターフェース540は、転送ポリシー542を含んでいる。転送ポリシー542は、それらの最終的な宛先に対してパケットを送信するために複数の物理インターフェース544のうちのどちらが使用されるべきかを示す。例えば、転送ポリシー542は、IPフローB534bに対応するパケットが、第1の物理インターフェース544aを経由して送信されるべきであることを示す表示546aを含むことができる。転送ポリシー542は、IPフローA534aに対応するパケットが、第2の物理インターフェース544bを経由して送信されるべきであることを示す表示546bを含むこともできる。仮想インターフェース540は、転送ポリシー542に基づいて適切な物理インターフェース544a、544bに対して異なるIPフロー534a、534bに対応するパケットを送信する。
モバイルノード506が、PMIP/GTPタイプのネットワークにおけるように、複数の番号付けされていない物理インターフェース544(すなわち、それらに関連するIPアドレスを持たない物理インターフェース544)を有する仮想インターフェース540を使用するときに、どのようにして使用可能な物理インターフェース544の間でIPフロー534を転送すべきかをモバイルノード506の転送ポリシー542に指示する方法はない。言い換えれば、モビリティ管理を提供するモビリティアクセスゲートウェイ326と他のコアネットワークエンティティとは、どのようにしてモバイルノード506が使用可能なアップリンクを使用するかについて制御できない。
図6および7は、モバイルノード606によって使用される転送ポリシーのネットワークベース制御を容易にするように構成されたシステム600を示している。モバイルノード606は、図5に示されるモバイルノード506にいくつかの点で類似している。特に、モバイルノード606は、複数のアプリケーション636と、IPスタック638と、仮想インターフェース640(関連するIPアドレス612を有する)と、複数の物理インターフェース644a、644bと、を含む。第1の物理インターフェース644aは、第1のアクセスネットワーク616aに対してデータを送信するために利用され、そして第2の物理インターフェース644bは、第2のアクセスネットワーク616bに対してデータを送信するために利用される。
図6に示されるように、モバイルノード606は、特定のIPフロー634(例えば、図7の中のIPフローA634a)に関係づけられたアクセスネットワーク特定シグナリング648を受信することができる。アクセスネットワーク特定シグナリング648は、アクセスネットワーク616aから、例えば、アクセスネットワーク616aの中のモビリティアクセスゲートウェイ626aから受信されることができる。
ここにおいて使用されるように、語句「アクセスネットワーク特定シグナリング(access network-specific signaling)」は、モバイルノード606と特定のアクセスネットワーク(例えば、第1のアクセスネットワーク616a)との間の対話に関係づけられた信号を意味し、そして信号のフォーマットは、多くの場合にアクセスネットワークに依存する。例えば、アクセスネットワーク特定シグナリング648は、特定のIPフロー634についてのサービス品質(QoS)をセットアップする要求を含むことができる。そのような要求は、IPフロー634を搬送するために使用されることになるある種のQoS(例えば、ある種のビットレート、遅延、ジッタ、パケット脱落確率、ビットエラーレートなどを保証するための)を有するリソースをセットアップする目的のためにモバイルノード606へと送信されることができる。
別の例として、アクセスネットワーク特定シグナリング648は、特定のIPフロー634についてのベアラ確立メッセージを含むことができる。モバイルノード606が、IPパケットをネットワークへと送信することができる前に、ネットワークは、モバイルノード606に対してベアラをセットアップする。これは、ベアラ確立メッセージをモバイルノード606へと送信することを必要とする。例えば、LTEネットワークにおいて、ベアラ確立メッセージは、デフォルトEPSベアラコンテキスト要求アクティブ化(ACTIVATE DEFAULT EPS BEARER CONTEXT REQUEST)メッセージや、専用EPSベアラコンテキスト要求アクティブ化(ACTIVATE DEDICATED EPS BEARER CONTEXT REQUEST)メッセージ(ここで、EPSは、進化型パケットシステム(Evolved Packet System)を表す)など、デフォルトまたは専用のベアラアクティブ化メッセージに対応することができる。これらのメッセージは、IPフロー634についてのパケットフィルタを含むTFT(トラフィックフローテンプレート(Traffic Flow Template))情報を含んでいる。モバイルノード606は、アクセスネットワーク特定シグナリング648が受信されたアクセスネットワーク616a上でIPフロー634aを送信するコマンドとしてアクセスネットワーク特定シグナリング648を解釈することができる。
別の例として、アクセスネットワーク特定シグナリング648は、特定のIPフロー634についてのベアラ修正メッセージを含むことができる。特定のモバイルノード606についてのベアラは、変更されることができる。これは、ベアラ修正メッセージをモバイルノード606へと送信することを必要とする。例えば、LTEネットワークにおいて、ベアラ修正メッセージは、EPSベアラコンテキスト要求修正(MODIFY EPS BEARER CONTEXT REQUEST)メッセージなどのEPSベアラコンテキスト修正メッセージに対応することができる。これらのメッセージは、IPフロー634についてのパケットフィルタを含むTFT情報を含み、それで修正されたベアラは、IPフロー634を搬送することを可能にされる。
さらに別の例として、アクセスネットワーク特定シグナリング648は、特定のIPフロー634についてのベアラ解放メッセージ、またはベアラ修正メッセージを含むことができる。例えば、LTEネットワークにおいて、ベアラ解放メッセージは、EPSベアラコンテキスト要求非アクティブ化(DEACTIVATE EPS BEARER CONTEXT REQUEST)メッセージなどのEPSベアラ非アクティブ化メッセージに対応することができ、そしてベアラ修正メッセージは、EPSベアラコンテキスト要求修正(MODIFY EPS BEARER CONTEXT REQUEST)メッセージなどのEPSベアラコンテキスト修正メッセージに対応することができる。これらのメッセージの結果として、IPフロー634を搬送するためのベアラが、解放されるか、あるいは修正されたベアラについてのアップデートされたTFTが、もはやIPフロー634をカバーしないかのいずれかになる。以前の例からの主要な違いは、IPフロー634についてのリソースが、アクセスネットワーク616aから取り除かれているので、そのときにはモバイルノード606は、ベストエフォートベアラ(best effort bearer)がすべてのIPフローについて存在することができる場合に、IPフロー634を他のアクセスネットワーク616bへと移動するコマンドとしてこれを解釈することができることである。
特定のIPフロー634aについてのアクセスネットワーク特定シグナリング648を受信することに応じて、モバイルノード606は、アクセスネットワーク特定シグナリング648に基づいてIPフロー634aを送信するために多元接続ネットワーク616a、616bのうちのどちらを使用すべきかを決定する。例えば、モバイルノード606は、ネットワーク特有の信号648が受信されたアクセスネットワーク616a上でIPフロー634aを送信するコマンドとしてアクセスネットワーク特定シグナリング648を解釈することができる。次いで、モバイルノード606は、アクセスネットワーク特定シグナリング648が受信されたアクセスネットワーク616a上でIPフロー634aが送信されるべきことを示すためにモバイルノード606において転送ポリシー642をアップデートすることができる。これは、内部ポリシーアップデート信号650を経由して達成されることができ、この内部ポリシーアップデート信号は、物理インターフェース644a上のアクセスネットワーク特有の処理機能(handling functions)から転送ポリシー642を導き出すための機能へと送信されることができる。
転送ポリシー642がアップデートされた後に、転送ポリシー642は、IPフローA634aに対応するパケットが、第1の物理インターフェース644aを経由して送信されるべきであることを示す表示646aを含むことができる。その後に、仮想インターフェース640は、転送ポリシー642の中で指定されるように、第1の物理インターフェース644aを経由して第1のアクセスネットワーク616aに対してIPフローA634aに対応するパケットを送信する。これは、図7に示されている。
IPフロー634が、特定の物理インターフェース644に関連づけられ、そして特定のアクセスネットワーク616を通して送信された後に、異なるアクセスネットワーク616に対してIPフロー634を移動する決定が、1つまたは複数のネットワークエンティティによって行われることができる。例えば、IPフローA634aが、第1の物理インターフェース644aに関連づけられ、そして第1のアクセスネットワーク616aを通して送信された後に、第2のアクセスネットワーク616bに対してIPフローA634aを移動する決定が、続いて行われることができる。これは、第2のアクセスネットワーク616bを有することによって達成されることができ、例えば、モビリティアクセスゲートウェイ626bは、IPフローA634aに関連したアクセスネットワーク特定シグナリングをモバイルノード606に対して送信する(これは、図の中には示されていない)。
図8は、モバイルノード606によって使用される転送ポリシーのネットワークベース制御を容易にするための方法800を示すフローチャートである。モバイルノード606は、特定のIPフロー634aに関係づけられたアクセスネットワーク特定シグナリング648を受信することができる(802)。アクセスネットワーク特定シグナリング648は、アクセスネットワーク616aから、例えば、アクセスネットワーク616aの中のモビリティアクセスゲートウェイ626aから受信されることができる。アクセスネットワーク特定シグナリング648は、アクセスネットワーク616a上のIPフロー634aについてのサービス品質(QoS)をセットアップする要求を含むことができる。別の例として、アクセスネットワーク特定シグナリング648は、IPフロー634aについてのベアラ確立メッセージを含むことができる。別の例として、アクセスネットワーク特定シグナリング648は、IPフロー634aについてのベアラ修正メッセージを含むことができる。
特定のIPフロー634aについてのアクセスネットワーク特定シグナリング648を受信すること802に応じて、モバイルノード606は、アクセスネットワーク特定シグナリング648に基づいてIPフロー634aを送信するために多元接続ネットワーク616a、616bのうちのどちらを使用すべきかを決定する。例えば、モバイルノード606は、アクセスネットワーク特定シグナリング648が受信されたアクセスネットワーク616a上でIPフロー634aを送信するコマンドとしてアクセスネットワーク特定シグナリング648を解釈することができる(804)。次いで、モバイルノード606は、アクセスネットワーク特定シグナリング648が受信されたアクセスネットワーク616a上でIPフロー634aが送信されるべきことを示すためにモバイルノード606において転送ポリシー642をアップデートすることができる(806)。
本方法および本装置は、PMIPについて説明されたが、GTPベースのネットワークを含めて(GTPは、GPRSトンネリングプロトコル(GPRS Tunneling Protocol)を表し、そしてGPRSは、汎用パケット無線サービス(General Packet Radio Service)を表す)、任意のネットワークベースのモビリティメカニズムのために、同じメカニズムが使用できることを理解すべきである。
図9は、モバイルノードによって使用される転送ポリシーのネットワークベース制御を容易にするように構成された装置900のハードウェアインプリメンテーションの一部分を示している。回路装置は、参照番号900によって示され、そしてネットワークエンティティ(例えば、モバイルノード606)の形でインプリメントされることができる。
装置900は、いくつかの回路を一緒にリンクする中央データバス902を備える。回路は、プロセッサ904と、受信回路906と、送信回路908と、メモリ910と、を含む。メモリ910は、プロセッサ904と電子通信しており、すなわち、プロセッサ904は、メモリ910から情報を読み取り、かつ/またはメモリ910に情報を書き込むことができる。
プロセッサ904は、汎用プロセッサ、中央演算処理装置(central processing unit)(CPU)、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor)(DSP)、コントローラ、マイクロコントローラ、状態機械、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit)(ASIC)、プログラマブル論理デバイス(programmable logic device)(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array)(FPGA)などとすることができる。プロセッサ904は、処理デバイスの組合せ、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わされた1つまたは複数のマイクロプロセッサ、または他のそのような任意のコンフィギュレーション、を含むことができる。
受信回路906と送信回路908とは、RF(無線周波数(Radio Frequency))回路に接続されることができるが、RF回路は、図面の中に示されてはいない。受信回路906は、データバス902に対して信号を送り出す前に受信信号を処理し、そしてバッファすることができる。他方、送信回路908は、デバイス900からのデータを送る前にデータバス902からのデータを処理し、そしてバッファすることができる。プロセッサ904は、メモリ910の指導内容を実行することを含めて、データバス902のデータ管理の機能と、さらに汎用データ処理の機能とを実行することができる。
図9に示されるように別々に配置される代わりに、代替案として、送信回路908と受信回路906とは、プロセッサ904の中にインプリメントされることもできる。
メモリユニット910は、参照番号912によって全般的に示される1組の命令を含んでいる。命令912は、ここにおいて説明される方法をインプリメントするようにプロセッサ904によって実行可能とすることができる。命令912は、アクセスネットワーク616aからの特定のIPフロー634aに関係づけられたアクセスネットワーク特定シグナリング648を受信するためのコード914を含むことができる。命令912は、アクセスネットワーク特定シグナリング648が受信されたアクセスネットワーク616a上でIPフロー634aを送信するコマンドとしてアクセスネットワーク特定シグナリング648を解釈するためのコード916を含むこともできる。命令912は、IPフロー634aが、アクセスネットワーク特定シグナリング648が受信されたアクセスネットワーク616a上で送信されるべきことを示すために、モバイルノード606において転送ポリシー642をアップデートするためのコード918を含むこともできる。
メモリ910の中に示される命令912は、任意のタイプのコンピュータ可読ステートメント(単数または複数)を備えることができる。例えば、メモリ910の中の命令912は、1つまたは複数のプログラム、ルーチン、サブルーチン、モジュール、ファンクション、プロシージャ、データセットなどを意味することができる。命令912は、単一のコンピュータ可読ステートメント、または多数のコンピュータ可読ステートメントを備えることができる。
メモリ910は、RAM(ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory))回路とすることができる。メモリ910は、揮発性タイプまたは不揮発性タイプのいずれともすることができる別のメモリ回路(図示されず)に結びつけられることができる。代替案として、メモリ910は、EEPROM(電気的消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory))、EPROM(電気的プログラマブルリードオンリーメモリ(Electrical Programmable Read Only Memory))、ROM(リードオンリーメモリ(Read Only Memory))、ASIC(特定用途向け集積回路)、磁気ディスク、光ディスク、それらの組合せ、当技術分野においてよく知られている他のものなど他の回路タイプから成ることができる。メモリ910は、命令912がその中に記憶されたコンピュータ可読媒体(computer-readable medium)を備えるコンピュータプログラムプロダクト(computer-program product)の一例であるように考えられることができる。
ここにおいて説明される機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せの形でインプリメントされることができる。ソフトウェアの形でインプリメントされる場合、機能は、コンピュータ可読媒体上に1つまたは複数の命令として記憶されることができる。用語「コンピュータ可読媒体」は、コンピュータによってアクセスされることができる使用可能な任意の媒体を意味する。例として、限定するものではないが、コンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMまたは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気ストレージデバイス、あるいは命令またはデータ構造の形態で望ましいプログラムコードを記憶するために使用されることができ、そしてコンピュータによってアクセスされることができる他の任意の媒体、を備えることができる。ここにおいて使用されるようなディスク(Disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(compact disc)(CD)、レーザーディスク(登録商標)(laser disc)、光ディスク(optical disc)、デジタル多用途ディスク(digital versatile disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(floppy(登録商標) disk)、およびブルーレイ(Blu-ray)(登録商標)ディスク(disc)を含み、ここでディスク(disks)は通常、磁気的にデータを再生するが、ディスク(discs)は、レーザを用いて光学的にデータを再生する。
ソフトウェアまたは命令は、送信媒体上で送信されることもできる。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア(twisted pair)、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、無線、マイクロ波などの無線技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、そのときには同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、マイクロ波などの無線技術は、送信媒体の定義の中に含まれる。
ここにおいて開示される方法は、説明された方法を達成するための1つまたは複数のステップまたはアクションを備える。方法のステップおよび/またはアクションは、特許請求の範囲の範囲を逸脱することなく、互いに交換されることができる。言い換えれば、ステップまたはアクションの特定の順序が、説明されている方法の適切なオペレーションのために必要とされない限り、特定のステップおよび/またはアクションの順序および/または使用は、特許請求の範囲の範囲を逸脱することなく修正されることができる。
特許請求の範囲は、上記に示される正確なコンフィギュレーションおよびコンポーネントだけには限定されないことを理解すべきである。様々な修正、変更および変形が、特許請求の範囲の範囲を逸脱することなく、ここにおいて説明されるシステム、方法、および装置の構成、オペレーションおよび詳細の中で行われることができる。