JP2014000630A - 切削工具におけるクーラント供給機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】クーラント供給用の接続器と螺合する雌ネジ部が形成されたキャップ部材を緩んだり外れたりすることなく取付穴に取付可能とする。
【解決手段】工具本体1後端部のシャンク部2に形成された取付穴9の中心線Oから偏心した位置にクーラント穴10が開口させられ、取付穴9には外形円柱状のキャップ部材11が嵌挿させられ、キャップ部材11には、取付穴9内に開口して工具本体1のクーラント穴10と連通するクーラント供給路12と、クーラント供給路12に連通するとともに取付穴9の開口部に露出したキャップ部材11の後端面に中心線Oと同軸に開口する雌ネジ部11aとが形成され、キャップ部材11は回り止め部材14を介して取付穴9に着脱可能に取り付けられ、回り止め部材14はクーラント穴10の開口部を避けて中心線Oから偏心した位置に配設される。
【選択図】図1

Description

本発明は、ドリルやボーリングバーなどの穴加工工具を初めとする切削工具において、切刃や被削材の切削部位にクーラントを供給するための切削工具におけるクーラント供給機構に関するものである。
切削工具による切削加工においては、切刃の刃先や被削材の切削部位に発生する切削熱に対する冷却、これら刃先や切削部位の潤滑、あるいは切刃によって被削材の切削部位から生成される切屑の排出性向上のため、切削油剤等のクーラントの供給が欠かせない。特に、ドリルやボーリングバーのような穴加工工具による切削加工では、被削材の切削部位が加工穴の底面や下穴の内周面となることから、切削熱が籠もり易くなったり切屑詰まりが生じ易くなったりする一方、切削工具の工具本体の外部からクーラントを供給しようとしても、切削部位に確実かつ効率的にクーラントを供給することは困難となる。
そこで、例えば特許文献1には、ドリル本体先端部のランド部分にクーラント穴を形成してその先端を切刃の近傍に開口させるとともに、このクーラント穴の後端は、ドリル本体後端部のシャンク部後端面に形成した取付穴内に開口させて、この取付穴に、クーラントが供給されるホースの接続器が接続される雌ネジ部が形成された保持器を取り付け、ドリル本体内部のこれら取付穴およびクーラント穴を介してクーラントを切刃や被削材の切削部位に供給するようにしたクーラントの供給機構が提案されている。
このようなクーラントの供給機構では、クーラント穴がドリル本体の内部に形成されているため、被削材や生成される切屑に遮られることなく切刃や被削材の切削部位に確実かつ効率的にクーラントを供給することができる。また、特にクーラント穴がドリル本体先端部では切屑排出溝の間のランド部分に形成されているので、例えばドリル本体の中心軸線に沿ってクーラント穴を形成するのに比べて心厚を小さくすることができ、逆に切屑排出溝の断面積は大きくすることができるので、切屑排出性を向上させることができる。
特開2009−142984号公報
ところが、この特許文献1に記載されたクーラントの供給機構では、上記雌ネジ部が形成された保持器が接着や焼き嵌めのような手段によって固定的にドリル本体の取付穴に取り付けられており、雌ネジ部のネジ山が潰れるなどして保持器に損傷が生じたときに保持器だけを交換するのは容易ではなく、場合によってはドリル本体ごと廃棄しなければならなくなる。また、接着によって保持器を取り付けた場合には十分な取付強度を確保することが難しく、さらに焼き嵌めによって保持器を取り付ける場合にはドリル本体を加熱して取付穴を拡径させる加熱手段が必要となり、しかも加熱によってドリル本体に歪みが生じるため、保持器の取付後にドリル本体を最終仕上げ加工する必要もある。
ここで、このような問題を解決するには保持器をドリル本体に着脱可能とすることが考えられ、こうして保持器を着脱可能とする着脱手段としてはネジ止めが一般的に考えられる。しかしながら、単に取付穴内周面に雌ネジ部を形成するとともに保持器の外周面にはこの雌ネジ部と螺合する雄ネジ部を形成してネジ止めしたり、あるいは保持器に挿通した取付ネジを取付穴底面に形成したネジ穴にねじ込んでネジ止めしたりしたのでは、保持器内周面の雌ネジ部にクーラント供給用のホースの接続器外周面の雄ネジ部をねじ込んで接続するときや、この雄ネジ部を緩めて接続器を取り外すときに、保持器が接続器と共回りして緩んだり取付穴から外れてしまったりするおそれがある。
一方、ドリル本体のシャンク部後端面に接続器の雄ネジ部と螺合する雌ネジ部を直接形成することも考えられるが、この雌ネジ部のネジ山が潰れるなどして損傷すると、やはりドリル本体ごと廃棄しなければならない。しかも、特許文献1に記載のクーラント供給機構のようにクーラント穴がドリル本体先端部のランド部に形成されていて、ドリル本体やシャンク部および取付穴の中心線から偏心していると、雌ネジ部の内径は接続されるクーラント供給用の接続器の雄ネジ部に応じて一定であるため、クーラント穴を取付穴の雌ネジ部が形成された部分以外の位置に確実に開口させることができなくなるおそれもあり、場合によってはクーラント穴が雌ネジ部と重なってしまってクーラント漏れが生じるおそれがある。
本発明は、このような背景の下になされたもので、上述のようにクーラント穴が取付穴の中心線から偏心している場合に、クーラント供給用の接続器の雄ネジ部と螺合する雌ネジ部を取付穴に着脱可能に取り付けられるキャップ部材に形成し、このキャップ部材を緩んだり外れたりすることなく取付穴に取付可能な切削工具におけるクーラント供給機構を提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、切削工具の工具本体後端部のシャンク部から上記工具本体先端部に向けて延びるクーラント穴にクーラントを供給する切削工具におけるクーラント供給機構であって、上記シャンク部には取付穴が形成されて、上記クーラント穴はこの取付穴の中心線から偏心した位置に開口させられており、上記取付穴には外形円柱状のキャップ部材が嵌挿させられていて、このキャップ部材にはクーラント供給路と雌ネジ部とが形成され、上記クーラント供給路は上記取付穴内に開口して上記クーラント穴と連通し、上記雌ネジ部は上記クーラント供給路に連通するとともに上記取付穴の開口部に露出した上記キャップ部材の後端面に上記中心線と同軸に開口しており、上記キャップ部材は回り止め部材を介して上記取付穴に着脱可能に取り付けられていて、上記回り止め部材は上記クーラント穴の開口部を避けて上記中心線から偏心した位置に配設されていることを特徴とする。
このように構成されたクーラント供給機構においては、クーラント穴が工具本体後端部のシャンク部に形成された取付穴に開口させられており、クーラント供給用の接続器の雄ネジ部と螺合する雌ネジ部が形成されたキャップ部材が、この取付穴に嵌挿させられて取り付けられる。このため、クーラント穴が取付穴やシャンク部あるいは工具本体の中心線から偏心していても、取付穴と外形円柱状のキャップ部材の内外径を適当に設定することにより、クーラント穴を確実に取付穴内に開口させてキャップ部材のクーラント供給路を介し接続器に接続される雌ネジ部に連通させることができる。
そして、このキャップ部材は、クーラント穴と同じく取付穴の中心線から偏心した位置に配設された回り止め部材を介して嵌挿された取付穴に着脱可能に取り付けられており、雌ネジ部が取付穴の中心線と同軸であっても、接続器を接続するときや取り外すときにキャップ部材が共回りして緩んだり取付穴から外れたりするのを防ぐことができる。また、キャップ部材が着脱可能であるので、損傷が生じた場合でもキャップ部材だけを交換することができて工具本体ごと廃棄する必要がなく、また熱による歪みが工具本体に生じることもないため、キャップ部材の取付後に最終仕上げ加工する必要もない。
ここで、このようにキャップ部材を中心線から偏心した回り止め部材を介して取付穴に着脱可能に取り付けるには、上記雌ネジ部の底面からキャップ部材の先端面に貫通穴を形成して、この貫通穴に挿通されるネジ軸部と貫通穴の内径よりも大きな外径の頭部とを備えた取付ネジによってキャップ部材を取付穴に着脱可能に取り付けるとともに、回り止め部材は、キャップ部材の先端面と取付穴の底面の上記中心線から偏心した位置に形成された嵌合穴に嵌合させられる回り止めピンとするのが簡単であり、この場合には貫通穴が上記中心線と同軸に形成されていても、回り止めピンによってキャップ部材の共回りを防止することができる。
ただし、このように回り止めピンによってキャップ部材の共回りを防止する場合にキャップ部材を着脱可能とするには、回り止めピンと嵌合穴の間には僅かながらのクリアランスが必要となり、共回りは防ぐことができてもキャップ部材にがたつきが生じるおそれがある。また、特に上述のように貫通穴が取付穴の中心線と同軸になるように形成されていると、シャンク部の外径が小さくて取付穴とキャップ部材の内外径も小さくならざるを得ない場合には、嵌合穴と回り止めピンの内外径も小さくならざるを得ず、回り止めに対する十分な強度を確保することができなくなるおそれもある。
そこで、頭部とネジ軸部を備えてキャップ部材を取付穴に着脱可能に取り付ける取付ネジ自体を回り止め部材とすることにより、ネジ軸部をねじ込むことによって頭部がクリアランス無くキャップ部材を押圧して取り付けることができるので、がたつきを防止することができる。また、このような取付ネジ自体が回り止め部材とされて、上記中心線から偏心した位置に配設され、すなわちねじ込まれるため、シャンク部の外径が小さくて取付穴とキャップ部材の内外径も小さくならざるを得ない場合でも、取付ネジのネジ軸部や頭部の外径は比較的大きく確保することができて、回り止めに対する強度も十分に確保することが可能となる。
ところで、このように取付ネジを回り止め部材として取付穴の中心線から偏心した位置にねじ込む場合、雌ネジ部の内径が十分に大きければ、回り止めピンを回り止め部材とする場合と同様に、雌ネジ部の底面からキャップ部材の先端面に貫通する貫通穴を上記中心線から偏心した位置に形成し、雌ネジ部内周を通して取付ネジのネジ軸部を貫通穴に挿通して、取付ネジの頭部に形成された係合部にレンチ等の作業用工具を係合させて回転させることにより、ネジ軸部を取付穴底面に形成されるネジ穴にねじ込んでキャップ部材を取り付けるとともに回り止めすることができる。
ところが、上述したように雌ネジ部の内径は接続されるクーラント供給用の接続器の雄ネジ部に応じて一定であるため、取付穴の中心線と同軸となる雌ネジ部の内周を通して、この中心線から偏心した位置に形成された貫通穴にネジ軸部が挿通されるように、頭部も含めて取付ネジを挿入しようとしても、貫通穴の中心線からの偏心量によっては頭部やネジ軸部が雌ネジ部と干渉して取付ネジを挿入できなくなるおそれがある。
そこで、このような雌ネジ部との干渉を防ぎつつ取付穴の中心線から偏心した位置に取付ネジをねじ込むには、キャップ部材の雌ネジ部よりも先端側に、キャップ部材の先端面と外周面に開口して内周側に延びるとともに上記中心線から離れた位置に内周端を有するスリットを形成し、このスリットの先端部を上記ネジ軸部の直径よりも大きくて上記頭部よりも小さなスリット幅とし、またスリットの後端部は上記頭部よりも大きなスリット幅とするとともに上記内周端側を雌ネジ部の底面に開口させるようにして、ネジ軸部をスリット先端部に挿通させるとともに頭部をスリット後端部に挿通させて取付ネジを上記内周端に配設し、この内周端に配設された状態で、頭部に形成された係合部が上記雌ネジ部底面の開口部から露出して作業用工具と係合可能となるようにすればよい。
このように構成することにより、キャップ部材の雌ネジ部よりも先端側に形成されたスリットに、雌ネジ部と干渉することなく取付ネジをキャップ部材の外周から挿入させて、上記中心線から偏心した位置のスリット内周端に配設させることができ、こうして内周端に配設された状態で、雌ネジ部内周を通してその底面開口部に露出した取付ネジ頭部の係合部に作業用工具を係合させることにより取付ネジを回転させて、取付穴底面の上記内周端に対応した位置に形成されたネジ穴にネジ軸部をねじ込み、キャップ部材を取付穴に着脱可能に取り付けることができる。
なお、キャップ部材に複数の上記スリットを周方向に等間隔に形成し、これらのスリットのそれぞれに取付ネジを挿通してねじ込むようにすれば、キャップ部材の取付強度や回り止めに対する強度を向上させることができる。また、このように取付ネジ自体を回り止め部材とする場合や、上述のように回り止めピンを回り止め部材とする場合でも、取付穴内におけるキャップ部材の上記クーラント供給路の開口部よりも後端側において、取付穴内周面とキャップ部材外周面との間にシール部材を介装すれば、クーラントの漏れをさらに確実に防止することができる。
以上説明したように、本発明によれば、キャップ部材を着脱可能に取付穴に取り付けることにより、雌ネジ部に損傷が生じた場合でもキャップ部材だけを交換することができて工具本体ごと廃棄する必要がなく、そしてこの雌ネジ部にクーラント供給用の接続器を接続したり雌ネジ部から接続器を取り外したりするときでも、キャップ部材が緩んだり取付穴から外れてしまったりするのを防ぐことができる。
本発明をドリルに適用した場合の第1の実施形態を示す(a)側面図、(b)背面図、(c)図(b)におけるCC断面図、(d)図(b)におけるDD断面図である。 図1に示す実施形態におけるドリル本体の(a)側面図、(b)背面図、(c)図(b)におけるCC断面図、(d)図(b)におけるDD断面図、(e)図(a)におけるEE断面図である。 図1に示す実施形態におけるキャップ部材の(a)正面図、(b)図(a)における矢線B方向視の一部破断側面図、(c)図(a)における矢線C方向視の一部破断側面図、(d)背面図、(e)図(c)におけるEE断面図である。 図3に示すキャップ部材の変形例を示す(a)正面図、(b)図(a)における矢線B方向視の一部破断側面図、(c)図(a)における矢線C方向視の一部破断側面図、(d)背面図、(e)図(c)におけるEE断面図である。 本発明をドリルに適用した場合の第2の実施形態を示す(a)側面図、(b)背面図、(c)図(b)におけるCC断面図、(d)図(b)におけるDD断面図である。 図5に示す実施形態におけるドリル本体の(a)側面図、(b)背面図、(c)図(b)におけるCC断面図、(d)図(b)におけるDD断面図、(e)図(a)におけるEE断面図である。 図5に示す実施形態におけるキャップ部材の(a)正面図、(b)図(a)における矢線B方向視の一部破断側面図、(c)図(a)における矢線C方向視の一部破断側面図、(d)背面図である。 本発明をボーリングバーに適用した場合の第3の実施形態を示す(a)側面図、(b)背面図、(c)図(b)におけるCC断面図、(d)図(b)におけるDD断面図である。
図1ないし図3は、本発明を刃先交換式のドリルに適用した場合の第1の実施形態を示すものである。本実施形態における切削工具の工具本体としてのドリル本体1は、鋼材等の金属材料により形成されて図1および図2に示すように外形が中心線Oを中心とした多段の略円柱状をなし、その長手方向の後端部(図1(a)において右側部分)が外形円柱状のシャンク部2とされるとともに、このシャンク部2の先端側(図1(a)において左側)には一段僅かに縮径する部分を介して外径が最大となる円盤状の鍔部3が形成され、この鍔部3のさらに先端側には再び外形円柱状をなす切刃部4が形成されている。シャンク部2の外周面には中心線Oに略平行な切欠面2aが形成されている。
このようなドリルは、通常は上記シャンク部2が工作機械の主軸に把持されて中心線O回りに図1(b)に示すドリル回転方向Tに回転されつつ該中心線O方向先端側に送り出され、切刃部4の先端に設けられた切刃によって被削材に穴あけ加工を行う。ただし、これとは逆に、上記シャンク部2を刃物台に保持してドリル本体1を固定し、被削材を中心線O回りにドリル回転方向Tとは反対方向に回転させ、刃物台をドリル本体1の中心線O方向先端側に送り出すことにより、被削材に穴あけ加工を行う場合もある。
切刃部4の外周には、切刃部4の先端から鍔部3の円錐台面状の先端面にかけて、後端側に向かうに従い中心線O回りにドリル回転方向T後方側に捩れる一対の螺旋状の切屑排出溝5が周方向に等間隔に形成されており、これらの切屑排出溝5の間の部分が一対のランド部6とされる。また、各切屑排出溝5のドリル回転方向T側を向く壁面の先端にはインサート取付座7が形成されて、超硬合金等の硬質材料により形成された切削インサート8が取り付けられており、この切削インサート8に上記切刃が形成されている。
シャンク部2には、その後端面から先端側に向けて取付穴9が形成されている。この取付穴9は中心線Oを中心とした一定内径の断面円形をなしており、シャンク部2の後端面からシャンク部2の長手方向中央部の手前当たりにまで形成され、その穴底面は中心線Oに垂直とされている。また、図2(b)に示すように、この穴底面の内周寄りで、ただし取付穴9の中心線Oから偏心した位置には、複数(本実施形態では2つ)の取付ネジ穴9aが中心線Oに関して対称に、すなわち周方向に等間隔に、また穴底面に垂直に形成されている。
さらに、この取付穴9の穴底面からドリル本体1の先端側に向けては一対のクーラント穴10が穿設されている。これらのクーラント穴10は、やはり図2(b)に示すように取付穴10の穴底面の外周寄りの位置において中心線Oから偏心して開口させられ、この中心線Oに対して捩れの関係となるようにして直線的に先端側に延び、鍔部3から切刃部4の上記一対のランド部6内を通って、例えばドリル本体1の先端面(先端逃げ面)に開口させられている。なお、工具本体1の背面視において、これら一対のクーラント穴10の中心同士を結ぶ直線と上記2つの取付ネジ穴9aの中心同士を結ぶ直線とは、図2(b)に示すように垂直に近い角度で交差するようにされている。
なお、鍔部3の外周面には中心線Oに平行な平面状の切欠面3aが形成されており、この切欠面3aからは止まり穴状のクーラント連通穴10aが中心線Oに垂直に穿設されている。このクーラント連通穴10aは、各クーラント穴10よりは大径で、取付穴9よりは小径の内径を有しており、図2(e)に示すように鍔部3内において上記一対のクーラント穴10と交差して連通させられている。また、クーラント連通穴10aの切欠面3aへの開口部には雌ネジ部10bが形成されており、この雌ネジ部10bは次述するキャップ部材11の雌ネジ部11aと同径で内周側に向かうに従い漸次縮径するテーパネジとされている。
取付穴9には、図3に示すような外形円柱状のキャップ部材11が嵌挿されて中心線Oと同軸となるように取り付けられる。このキャップ部材11もドリル本体1と同様に鋼材等の金属材料によって形成され、その後端面(図3(b)、(c)において右側を向く面)からは、クーラント連通穴10aの上記雌ネジ部10bと同径で先端側(図3(b)、(c)において左側)に向かうに従い漸次縮径するテーパネジ状の雌ネジ部11aが、やはり中心線Oと同軸となるように、キャップ部材11の長手方向(図3(b)、(c)における左右方向)の略中央部にまで形成されている。なお、この雌ネジ部11aが形成されたキャップ部材11の後端部の外周面には、断面コ字状の環状溝11bが形成されている。
また、キャップ部材11の雌ネジ部11aよりも先端側にはクーラント供給路12が形成されていて、雌ネジ部11aはこのクーラント供給路12に連通させられている。このクーラント供給路12は、雌ネジ部11aのネジ穴底面から先端側に延びる縦穴部12aと、この縦穴部12aに交差してキャップ部材11の外周側に延びる横穴部12bと、この横穴部12bの外周側開口部においてキャップ部材11の外周面を切り欠くように形成された切欠部12cとにより構成されている。
縦穴部12aは、雌ネジ部11aのネジ穴底面における内径より僅かに小さな一定の内径の中心線Oを中心とした円形穴とされ、ただしその穴底部分は凹円錐面状とされる。また、横穴部12bは縦穴部12aよりも小径の円形穴とされて中心線Oに直交する方向に延び、縦穴部12aに交差して連通するとともに一対の横穴部12bがキャップ部材11の外周面において周方向に互いに反対側に開口させられる。さらに、切欠部12cは、これら一対の横穴部12bの外周側開口部においては、各横穴部12bにそれぞれ垂直な平面によってキャップ部材11の外周面を切り欠くようにして形成され、またキャップ部材11の先端部においては上記垂直な平面からさらに一段内周側に平行に凹むように形成されている。
また、キャップ部材11の雌ネジ部11aよりも先端側には、キャップ部材11の先端面と外周面に開口して内周側に延びるスリット13が形成されている。本実施形態では、取付穴9の穴底面に形成された取付ネジ穴9aと同数の複数(2つ)のスリット13が周方向に等間隔に、中心線Oに関して対称となるように形成されている。これらのスリット13は、図3(b)に示すようにその先端部13aが後端部13bよりもスリット幅が一段幅狭とされた断面T字状をなしており、そのスリット幅方向(図3(a)、(b)、(d)、(e)において上下方向)の中心に位置する平面が中心線Oを含み、クーラント供給路12の横穴部12bの中心線に直交する方向に延びるようにされている。
スリット13の先端部13aのスリット幅は、取付ネジ穴9aの内径よりも僅かに大きくされている。また、スリット13の後端部13bの後端面は、中心線O方向(長手方向)において雌ネジ部11aのネジ穴底面と面一となるようにされており、従ってスリット13はクーラント供給路12の縦穴部12aと交差させられ、縦穴部12aの凹円錐面状の上記穴底部分は、このスリット13によって部分的に切り欠かれることになる。
さらに、スリット13は、その内周端13cが中心線Oには達せずに該中心線Oから外周側に離れた位置に配設されている。ここで、本実施形態におけるスリット13は、キャップ部材11の外周面から内周側に延びる部分では先端部13aと後端部13bとがそれぞれ一定のスリット幅とされ、内周部の中心線O近傍では該中心線Oに直交する断面が図3(e)に示すようにこれら先端部13aと後端部13bのスリット幅を直径として内周側に凹となる同心の半円弧状に形成されており、この半円弧の中心がスリット13の内周端13cとされている。
従って、本実施形態では、上記複数のスリット13の先端部13aの間には、キャップ部材11先端部の肉厚が中心線O上に残されることになる。なお、スリット13の後端部13bは、本実施形態では複数のスリット13同士で重なり合うようにされ、従ってこの部分にキャップ部材11の肉厚は残されない。また、スリット13の先端部13aと後端部13bとの間の段差面は、中心線Oに垂直な平面状とされている。さらに、取付穴9の穴底面に形成された2つの取付ネジ穴9aの中心同士の間隔は、これらスリット13の内周端13c同士の間隔と略等しくされている。
このようなキャップ部材11は、頭部14aとネジ軸部14bとを備えた取付ネジ14によって取付穴9に着脱可能に取り付けられる。本実施形態ではスリット13と同数の2本の取付ネジ14が用いられる。スリット13の先端部13aのスリット幅は取付ネジ14のネジ軸部14bの外径よりも僅かに大きくされ、後端部13bのスリット幅はネジ軸部14bの外径よりは大きく、頭部14aの外径よりは小さくされている。さらに、頭部14aの後端面には作業用工具である六角レンチに係合する六角穴状の係合部14cが形成され、また頭部14aの裏面は取付ネジ14の中心線に垂直な平面状とされ、そしてネジ軸部14bは取付穴9の取付ネジ穴9aにねじ込み可能とされている。
この取付ネジ14は、スリット13の先端部13aにネジ軸部14bが、後端部13bに頭部14aが挿通されて、キャップ部材11の外周側からスリット13に挿入され、取付ネジ14の中心線がスリット13の上記内周端13cと略一致したところで、この内周端13cに配設される。こうして取付ネジ14がスリット13の内周端13cに配設された状態で、頭部14aに形成された係合部14cは、図1(b)に示すようにキャップ部材11の雌ネジ部11aのネジ穴底面に開口したクーラント供給路12の縦穴部12aから露出するように、すなわち係合部14cの全体がキャップ部材11の背面視においてこの縦穴部12a内に位置するようにされ、係合部14cが作業用工具としての六角レンチと係合可能とされる。
このように各スリット13に取付ネジ14が挿入されたキャップ部材11は、スリット13の内周端13cがドリル本体1の背面視において取付ネジ穴9aの中心と一致するようにして取付穴9に嵌挿される。このとき、キャップ部材11外周面の環状溝11bにはOリング等のシール部材15が収容されて、このキャップ部材11の外周面と取付穴9の内周面との間に介装される。さらに、取付ネジ14の係合部14cはクーラント供給路12の縦穴部12a内に露出しているので、この雌ネジ部11aから縦穴部12aを通して作業用工具としての六角レンチを挿入し、係合部14cと係合させて取付ネジ14を回転させることにより、ネジ軸部14bが取付ネジ穴9aにねじ込まれてキャップ部材11が取付穴9に着脱可能に取り付けられる。
このとき、取付穴9の底面において一対のクーラント穴10は外周寄りにあってその中心同士を結ぶ直線と2つの取付ネジ穴9aの中心同士を結ぶ直線とは垂直に近い角度で交差するようにされ、またキャップ部材11において取付ネジ14が挿通されるスリット13はクーラント供給路12の横穴部12bの中心線に直交する方向に延びるようにされているので、この横穴部12bに垂直な平面によってキャップ部材11外周面が切り欠かれて形成されたクーラント供給路12の切欠部12cは、クーラント穴10と連通させられることになる。
こうしてキャップ部材11が取り付けられたドリルを用いて被削材に穴あけ加工を施す際に、このキャップ部材11のクーラント供給路12を介してクーラント供給するには、図1(a)に2点鎖線で示すように工作機械側のクーラントの供給手段に連結されたクーラント供給用のホースの接続器あるいはチューブ継ぎ手Cの先端外周のテーパネジとされた雄ネジ部をキャップ部材11の雌ネジ部11aに螺合させて接続器あるいはチューブ継ぎ手Cをキャップ部材11に接続するとともに、鍔部3のクーラント連通穴10aは雌ネジ部10bに封止ネジ16をねじ込んで封止する。なお、この図1(a)に示すのは、上述したようにドリル本体1を刃物台に固定して被削材を回転することにより穴あけ加工を行う場合である。
このようにキャップ部材11の雌ネジ部11aに接続器あるいはチューブ継ぎ手Cを接続してクーラントを供給すると、クーラントは雌ネジ部11aのネジ穴底面に開口したクーラント供給路12の縦穴部12aから横穴部12bに流れ込み、次いで切欠部12cと取付穴9との間隙を介してクーラント穴10に供給される。さらに、こうしてクーラント穴10に供給されたクーラントは、鍔部3内のクーラント連通穴10aを経て切刃部4のランド部6内を通り、ドリル本体1の先端から噴出して切刃や被削材の切削部位に供給される。
従って、上記構成のクーラント供給機構を備えた切削工具(ドリル)によれば、これら切刃や被削材の切削部位に工具本体(ドリル本体1)の内部から直接的にクーラントを供給することができるので、確実かつ効率的な冷却、潤滑を図ることができるとともに、切刃によって生成された切屑の排出性向上を図ることができる。特に、本実施形態のドリルでは、クーラント穴10が切刃部4のランド6部分に形成されていて、切刃部4におけるドリル本体1の中心線部分すなわち取付穴9の中心線O上の部分は中実であるので、この中心線Oに直交する断面において該中心線Oを中心として切屑排出溝5の底面に接する心厚円の直径を小さくすることができ、逆に切屑排出溝5の断面積は大きく確保することができるので、一層の切屑排出性の向上を図ることができる。
また、このようにランド部6に通されるのに伴いクーラント穴10が中心線Oから偏心した位置に延びていても、このクーラント穴10はシャンク部2に形成された大径の取付穴9に開口させられるとともに、この取付穴9には、該取付穴9に開口してクーラント穴10に連通するクーラント供給路12と、このクーラント供給路12に連通してクーラント供給手段に連結された接続器あるいはチューブ継ぎ手Cが接続される雌ネジ部11aとを備えたキャップ部材11が取り付けられているので、このキャップ部材11を介して取付穴9からクーラント穴10に確実にクーラントを供給することができる。
さらに、キャップ部材11は取付穴9に着脱可能に取り付けられているので、雌ネジ部11aのネジ山が潰れるなどして損傷したときにはキャップ部材11だけを交換すればよく、効率的かつ経済的である。また、焼き嵌めによる取付のように工具本体(ドリル本体1)を加熱する必要もないので、加熱後の歪みを修正するために最終仕上げ処理をドリル本体1に施す必要もない。
そして、このキャップ部材11は、本実施形態では取付ネジ14によって取付穴9に着脱可能に取り付けられており、この取付ネジ14は取付穴9の中心線Oから偏心した位置に配設されていて本実施形態における回り止め部材とされているので、雌ネジ部11aに接続器あるいはチューブ継ぎ手Cを接続する際や、雌ネジ部11aから接続器あるいはチューブ継ぎ手Cを取り外す際に、キャップ部材11が共回りして緩んだり取付穴9から外れてしまうことがない。このため、キャップ部材11に緩みが生じたままクーラントが供給されてクーラント漏れを生じたり、取付穴9から外れたキャップ部材11を取り付け直す手間が生じたりすることがなく、円滑な切削加工を行うことができる。
また、本実施形態では、このようにキャップ部材11を取付穴9に着脱可能に取り付ける取付ネジ14が回り止め部材とされており、この取付ネジ14のネジ軸部14bを取付ネジ穴9aにねじ込むことによって頭部14aの裏面がスリット13の先後端部13a、13b間の段差面を押圧することにより、キャップ部材11をがたつき無く安定的に取り付けることができる。
さらに、こうして中心線Oから偏心した位置にねじ込まれる取付ネジ14によってキャップ部材11が回り止めされるとともに固定されるため、中心線O上にはキャップ部材11固定用の他の取付ネジなどを設ける必要がない。従って、このような他の取付ネジとの干渉が生じることもないので、取付ネジ14の頭部14aやネジ軸部14bの外径を比較的大きくすることができ、キャップ部材11の取付強度や回り止め強度を十分に確保することが可能となる。
さらにまた、本実施形態では、このように取付ネジ14を回り止め部材として中心線Oから偏心した位置に配設するのに、キャップ部材11の雌ネジ部11aよりも先端側に、先端部13aのスリット幅がネジ軸部14bの直径よりも大きくて頭部14aの直径よりは小さく、後端部13bのスリット幅は頭部14aの直径よりも大きくされたスリット13を、キャップ部材11の先端面と外周面に開口して内周側に延び、中心線Oから離れた位置に内周端13cを有するように形成し、このスリット13に外周側から取付ネジ14を挿通するようにしている。
しかるに、この点、キャップ部材11の雌ネジ部11aおよびクーラント供給路12の縦穴部12aの内径を十分に大きくすることができれば、この縦穴部12aの穴底からキャップ部材11の先端面にかけて中心線Oから偏心した位置に貫通穴を形成し、この貫通穴にネジ軸部14bを挿通するとともに頭部14aを縦穴部12aに収容して取付ネジ14を取付ネジ穴9aにねじ込むことができるが、雌ネジ部11aの大きさは、工作機械側のクーラント供給手段の接続器あるいはチューブ継ぎ手Cの雄ネジ部によって決まっていて共通化されているため、これよりも大きくすることはできない。このため、回り止めに対する強度を高めようとして上記貫通穴の偏心量を大きくしようとすると、頭部14aやネジ軸部14bが雌ネジ部11aと干渉して取付ネジ14を貫通穴に挿通することができなくなってしまう。
ところが、これに対して本実施形態では、スリット13に外周側から取付ネジ14が挿通されて中心線Oから偏心した内周端13cに配設されるため、こうして内周端13cに配設された取付ネジ14の頭部14aに形成された係合穴14cが雌ネジ部11a底面の縦穴部12aの開口部から露出していて、この開口部を通して作業用工具を挿入して係合させることができれば、頭部14aの外周部が図1(b)に示すように上記開口部からはみ出して隠れていても、取付ネジ14を回転させて取付ネジ穴9aにねじ込むことができる。このため、本実施形態によれば、回り止め部材としての取付ネジ14を中心線Oからより離れた位置で取付ネジ穴9aにねじ込むことができ、回り止め強度の向上を図ることが可能となる。
さらにまた、本実施形態では、このようなスリット13がキャップ部材11に複数(2つ)形成されていて、これらのスリット13にそれぞれ取付ネジ14が挿通されて取付ネジ穴9aにねじ込まれているので、キャップ部材11を確実かつ一層強固に取り付けるとともに回り止めすることができる。しかも、これらのスリット13はキャップ部材11の周方向に等間隔に形成されているので、安定的にキャップ部材11を取り付けるとともに回り止めすることができ、さらには取付ネジ14同士が干渉してしまうのも防ぐことができる。
ただし、本実施形態では、このように複数のスリット13をキャップ部材11の周方向に等間隔に形成しているが、例えば図4に示す第1の実施形態の変形例のキャップ部材21のように、1つのスリット13だけが内周端13cを中心線Oから偏心した位置に配設して形成されていてもよい。なお、この変形例を初め、後述する第2、第3の実施形態でも、第1の実施形態と共通する部分には同一の符号を配して説明を省略する。
このような変形例のキャップ部材21を用いた切削工具におけるクーラント供給機構でも、中心線Oから偏心した位置に配設される1つの取付ネジ14によってキャップ部材21をドリル本体1の取付穴9に取り付けるとともに回り止めすることができる。なお、この場合には、取付穴9の取付ネジ穴9aも1つであってもよい。さらに、他の取付ネジ14との干渉が生じることもないので、例えば頭部14aの直径を第1の実施形態よりも大きくして、さらに強固にキャップ部材21を取り付けるようにしてもよい。
次に、図5ないし図7は本発明をドリルに適用した場合の第2の実施形態を示すものである。本実施形態において取付ネジ穴9aは、第1の実施形態のように取付穴9の中心線Oから偏心した位置ではなく、中心線O上に1つだけ形成されており、これに合わせてキャップ部材31にもスリット13は形成されずに、クーラント供給路12の縦穴部12aの穴底からキャップ部材31の先端面にかけて、段付き穴とされた貫通穴32が中心線Oに沿って形成されている。
一方、キャップ部材31の先端面と取付穴9の穴底面には、クーラント穴10の開口部を避けて中心線Oから互いに等しい偏心量で偏心した位置に略等しい内径の嵌合穴33、34が形成されており、このうちキャップ部材31の嵌合穴33には、図7(c)に示すように本実施形態における回り止め部材としての回り止めピン35が嵌合させられている。なお、図7(a)に示すようにキャップ部材31の嵌合穴33は、中心線Oを含んでクーラント供給路12の横穴部12bの中心線に直交する平面上に中心が位置するようにされ、図6(b)に示すように取付面9の嵌合穴34は、この嵌合穴34の中心と中心線Oとを結ぶ直線が一対のクーラント穴10の開口部を結ぶ直線と略直交する方向に位置するようにされている。
このような第2の実施形態において、キャップ部材31は、嵌合穴33に嵌合させられた回り止めピン35を嵌合穴34に嵌合させるようにして取付穴9に嵌挿させられ、貫通穴32に挿通された取付ネジ36を取付ネジ穴9aにねじ込むことにより取付穴9に着脱可能に取り付けられる。そして、この場合にも、取付穴9の中心線Oから偏心した位置に配設された回り止め部材としての回り止めピン35によってキャップ部材31の回転が拘束されるので、クーラント供給手段の接続器あるいはチューブ継ぎ手を雌ネジ部11aに接続するときや取り外すときにキャップ部材31が共回りするのを防ぐことができ、キャップ部材31の緩みや外れを防止することができる。
なお、この第2の実施形態や上記第1の実施形態においても、ドリル本体1の鍔部3にはクーラント連通穴10aが形成されて切欠面3aに開口させられており、シャンク部2に取り付けられたキャップ部材11、21、31の雌ネジ部11aに接続器あるいはチューブ継ぎ手Cを接続するときには、このクーラント連通穴10a開口部の雌ネジ部10bは上述のように封止ネジ16によって封止されるが、ドリル本体1を固定する刃物台の形状等によってキャップ部材11、21、31の雌ネジ部11aに接続器あるいはチューブ継ぎ手Cを接続することができない場合などには、このクーラント連通穴10aの雌ネジ部10bに接続器あるいはチューブ継ぎ手Cを接続して、キャップ部材11、21、31の雌ネジ部11aは封止ネジ16によって封止すればよい。
また、これら第1、第2の実施形態では、このようにドリル本体1を刃物台に固定して被削材を中心線O回りに回転させることにより被削材に穴あけ加工を行う場合について説明したが、上述した通常のドリルによる穴あけ加工のようにドリル本体1のシャンク部2を工作機械の回転駆動される主軸に取り付けて、ドリル本体1を中心線O回りに回転させつつ、固定された被削材に対して中心線O方向先端側に送り出して穴あけ加工を行うようにしてもよい。この場合には、クーラント連通穴10aの雌ネジ部10bは封止ネジ16によって封止され、キャップ部材11、21、31の雌ネジ部11aに接続器あるいはチューブ継ぎ手Cを介して、または直接に工作機械側からクーラントが供給される。
さらに、図8は、本発明をボーリングバーに適用した場合の第3の実施形態を示すものである。本実施形態において、ボーリングバー本体41はドリル本体1と同様に鋼材等の金属材料により形成されて中心線Oを中心とした多段の概略円柱軸状をなし、後端部がシャンク部42とされるとともに、先端部はシャンク部42よりも僅かに小径とされた切刃部43とされている。切刃部43には、1条の切屑排出溝44がボーリングバー本体41の先端から中心線Oに平行にシャンク部42の手前にまで形成され、この切屑排出溝44の先端に形成されたインサート取付座7に切削インサート8が着脱可能に取り付けられている。
そして、シャンク部42の後端面には取付穴9が形成されていて、この取付穴9には、第1の実施形態と同様のキャップ部材11が着脱可能に取り付けられている。また、この取付穴9の穴底面外周部からは中心線Oに平行に1つのクーラント穴10が先端側に向けて延びていて、このクーラント穴10は切刃部43において切屑排出溝44が形成されていない部分を通り、切刃部43先端部において曲折させられて切削インサート8の切削に使用される切刃に向けて開口させられている。なお、本実施形態では、クーラント穴10にクーラント連通穴10aは形成されていない。
このような第3の実施形態のボーリングバーは、例えば上述した第1の実施形態のドリルにおいて穴あけ加工を行う場合と同様にボーリングバー本体41のシャンク部42が工作機械の刃物台に取り付けられて固定され、中心線Oと平行な回転軸線回りに回転させられる被削材に予め形成された下穴に中心線O方向先端側に送り出されて挿入され、この下穴の仕上げ加工に用いられる。従って、このような第3の実施形態でも、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、この第3の実施形態において、第1の実施形態の変形例のキャップ部材21や第2の実施形態のキャップ部材31を用いてもよい。
また、この第3の実施形態を初めとして上記第1、第2の実施形態でも、キャップ部材11、21、31外周面におけるクーラント供給路12の開口部となる切欠部12cの後端よりも後端側には環状溝11bが形成されてOリング等のシール部材15が収容され、このシール部材15がキャップ部材11、21、31の外周面と取付穴9の内周面との間に介装されている。このため、取付穴9とキャップ部材11、21、31との間からのクーラント漏れを確実に防止することができて、ドリル本体1やボーリングバー本体41の汚れを防ぐとともに、クーラントの消費量を削減することができる。
なお、このように第1、第2の実施形態では本発明をドリルに適用した場合について、また第3の実施形態では本発明をボーリングバーに適用した場合について、いずれも本発明を穴加工に用いる穴加工工具に適用した場合について説明したが、このような穴加工工具以外の他の種の切削工具に本発明を適用することも可能である。ただし、上述したように穴加工工具による切削加工では、穴内での加工になるため切削熱が籠もり易くなったり切屑詰まりが生じ易くなったりする一方、切削工具の工具本体の外部からクーラントを供給するのは困難であるため、そのような穴加工工具に本発明を適用するのはより効果的である。
1 ドリル本体(工具本体)
2、42 シャンク部
9 取付穴
10 クーラント穴
11、21、31 キャップ部材
11a キャップ部材11、21、31の雌ネジ部
12 クーラント供給路
13 スリット
13a スリット13の先端部
13b スリット13の後端部
13c スリット13の内周端
14 取付ネジ(回り止め部材)
14a 取付ネジ14の頭部
14b 取付ネジ14のネジ軸部
14c 係合部
15 シール部材
33、34 嵌合穴
35 回り止めピン(回り止め部材)
41 ボーリングバー本体(工具本体)
O 取付穴9の中心線

Claims (6)

  1. 切削工具の工具本体後端部のシャンク部から上記工具本体先端部に向けて延びるクーラント穴にクーラントを供給する切削工具におけるクーラント供給機構であって、上記シャンク部には取付穴が形成されて、上記クーラント穴はこの取付穴の中心線から偏心した位置に開口させられており、上記取付穴には外形円柱状のキャップ部材が嵌挿させられていて、このキャップ部材にはクーラント供給路と雌ネジ部とが形成され、上記クーラント供給路は上記取付穴内に開口して上記クーラント穴と連通し、上記雌ネジ部は上記クーラント供給路に連通するとともに上記取付穴の開口部に露出した上記キャップ部材の後端面に上記中心線と同軸に開口しており、上記キャップ部材は回り止め部材を介して上記取付穴に着脱可能に取り付けられていて、上記回り止め部材は上記クーラント穴の開口部を避けて上記中心線から偏心した位置に配設されていることを特徴とする切削工具におけるクーラント供給機構。
  2. 上記回り止め部材は、頭部とネジ軸部とを備えて、上記キャップ部材を上記取付穴に着脱可能に取り付ける取付ネジであることを特徴とする請求項1に記載の切削工具におけるクーラント供給機構。
  3. 上記取付ネジの上記頭部には作業用工具と係合する係合部が形成されており、上記キャップ部材には、上記雌ネジ部よりも先端側に、該キャップ部材の先端面と外周面に開口して内周側に延びるとともに上記中心線から離れた位置に内周端を有するスリットが形成され、このスリットの先端部は上記ネジ軸部の直径よりも大きくて上記頭部よりも小さなスリット幅とされ、該スリットの後端部は上記頭部よりも大きなスリット幅とされるとともに上記内周端側が上記雌ネジ部の底面に開口させられており、上記取付ネジは上記ネジ軸部を上記スリットの先端部に挿通させるとともに上記頭部を上記スリットの後端部に挿通させて上記内周端に配設させられ、この内周端に配設させられた状態で上記係合部が上記雌ネジ部底面の開口部から露出して上記作業用工具と係合可能とされていることを特徴とする請求項2に記載の切削工具におけるクーラント供給機構。
  4. 上記キャップ部材には複数の上記スリットが周方向に等間隔に形成されており、これらのスリットのそれぞれに上記取付ネジが挿通させられていることを特徴とする請求項3に記載の切削工具におけるクーラント供給機構。
  5. 上記雌ネジ部の底面から上記キャップ部材の先端面には貫通穴が形成されていて、この貫通穴に挿通される取付ネジによって該キャップ部材が上記取付穴に着脱可能に取り付けられるとともに、上記回り止め部材は、上記キャップ部材の先端面と上記取付穴の底面の上記中心線から偏心した位置に形成された嵌合穴に嵌合させられる回り止めピンであることを特徴とする請求項1に記載の切削工具におけるクーラント供給機構。
  6. 上記取付穴内における上記クーラント供給路の開口部よりも後端側には、上記取付穴の内周面と上記キャップ部材の外周面との間にシール部材が介装されていることを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載の切削工具におけるクーラント供給機構。
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CN110281075A (zh) * 2019-07-23 2019-09-27 大连新钢液压管件有限公司 一种机床用高压冷却装置
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