JP2014000528A - 混合液体の分離装置および混合液体の分離方法 - Google Patents

混合液体の分離装置および混合液体の分離方法 Download PDF

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Abstract

【課題】混合液体の分離精度を向上すること。
【解決手段】分離装置100は、チャンバ12(容器の一例)と、チャンバ12内に第1の液体と該第1の液体よりも高い沸点を有する第2の液体とを含む混合液体Lを噴霧する噴霧ノズル8(噴霧手段の一例)と、チャンバ12内に配設され、表面に付着した混合液体Lが流れ落ちる鎖状ガイド部材30(液滴ガイド部材の一例)と、第1の液体の沸点よりも高い温度の加熱ガスHをチャンバ12内に供給して混合液体Lを加熱し、第1の液体を気化させる加熱ガス供給器13(加熱ガス供給手段の一例)と、チャンバ12に設けられた排出口12Aから排出された気体状態の第1の液体を含む混合ガスGから第2の液体CLを分離する分離器16(分離手段の一例)と、を有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、混合液体の分離に用いられる混合液体の分離装置および混合液体の分離方法に関する。
従来、混合液体から一方の液体を回収するための液−液分離方法としては、蒸留や浸透膜を用いた方法が中心であった。しかし、例えば蒸留の場合、加熱面と蒸発面とが異なり、また、加熱される液体中で対流が生じるなどエネルギーロスがあり、加熱エネルギーから蒸発エネルギーへの変換効率に優れているとはいえない。また、一般的に蒸留で目的物質を分離するためには、混合液体中の目的物質の濃度が10%程度であることが望ましい。さらに浸透膜を用いての目的物質の抽出では高濃度溶液を得ることが難しく、更なる工程が必要となる。このため、これら液−液分離方法は、エネルギー単位量当たりの効率が悪く時間を要する上、分離精度が低いといった問題があった。また、更に大きな設備を必要とすることも多いといった難点があった。
中国特許出願公開第101224933号明細書
例えば、一方の液体に対して他方の液体が極微量含まれている場合、上述の問題に加えて、蒸留等においては分離作業自体が困難な場合も多い。このような場合に、例えば、ナノ濾過部材等を用い、濃縮・乾燥等をおこなって、濃度95〜99%程度のイオン液体の濃縮液を回収する方法が提案されている(特許文献1参照)。
しかし、このような回収方法であっても、当初イオン液体(第1回目の回収物)の組成質量濃度が30%程度と十分ではなく、より効率的に混合液体中から所定の液体を回収できる分離方法が求められている。
本発明は、前記問題を解決すべく成されたもので、混合液体の分離精度を向上させることを目的とする。
本発明の第1の態様の混合液体の分離装置は、容器と、前記容器に接続され、前記容器内に第1の液体と前記第1の液体よりも高い沸点を有する第2の液体とを含む混合液体を噴霧する噴霧手段と、前記容器内に配設され、表面に付着した前記混合液体が流れ落ちる液滴ガイド部材と、前記容器に接続され、前記第1の液体の沸点よりも高い温度の加熱ガスを前記容器内に供給して前記混合液体を加熱し、前記第1の液体を気化させる加熱ガス供給手段と、前記容器に設けられた排出口から排出された気体状態の前記第1の液体を含む混合ガスから前記第2の液体を分離する分離手段と、を有している。
第1の態様の混合液体の分離装置では、噴霧手段を用いて容器内に混合液体を噴霧し、加熱ガス供給手段を用いて容器内に供給した加熱ガスで容器内の混合液体を加熱して第1の液体を気化させる。
ここで、上記分離装置では、容器内に液滴ガイド部材を配設していることから、液滴ガイド部材の表面に付着した混合液体が液滴ガイド部材の表面を伝って流れ落ちるまでの間、加熱される。これにより、液滴ガイド部材の表面を伝って流れ落ちる混合液体(第2の液体含む)から第1の液体を十分に気化させることができる。すなわち、液滴ガイド部材の表面を伝って流れ落ちる混合液体(第2の液体含む)から第1の液体を精度よく分離させることができる。
そして、上記分離装置では、容器の排出口から排出された気体状態の第1の液体を含む混合ガスから分離手段を用いて第2の液体を分離させる。なお、ここで言う「混合ガス」は、気化した第1の液体、霧化(微小液滴化)した第2の液体、及び加熱ガスを混合したものである。
以上のことから、上記分離装置では、混合液体に含まれる第1の液体と第2の液体を容器内で時間をかけて精度よく分離することができ、その後、分離手段においても第1の液体と第2の液体を分離することができるため、混合液体を第1の液体と第2の液体とに分離する分離精度を向上させることができる。
本発明の第2の態様の混合液体の分離装置は、第1の態様の混合液体の分離装置において、前記液滴ガイド部材は、表面に付着し該表面を流れる前記混合液体を前記容器の底部へガイドしている。
第2の態様の混合液体の分離装置では、液滴ガイド部材の表面に付着し該表面を流れる(伝う)混合液体を容器の底部へガイドすることから、液滴ガイド部材から流れ落ちた混合液体(第2の液体を含む)が容器の底部に集められる。これにより、第1の液体が分離された混合液体(第2の液体を含む)を効率よく回収することができる。
本発明の第3の態様の混合液体の分離装置は、第2の態様の混合液体の分離装置において、前記液滴ガイド部材は、鎖状、筒状、螺旋状のいずれかの形状とされている。
第3の態様の混合液体の分離装置では、液滴ガイド部材を鎖状、筒状、螺旋状のいずれかの形状としていることから、液滴ガイド部材の表面積及びガイド長さを確保することができる。これにより、液滴ガイド部材に付着した混合液体が液滴ガイド部材の表面を伝って流れ落ちるまでの時間を長くすることができ、混合液体の分離精度及び分離効率をより効果的に向上させることができる。
本発明の第4の態様の混合液体の分離装置は、第1〜第3の態様のいずれか一態様の混合液体の分離装置において、前記容器の底部は、前記底部に流れ落ちた前記第2の液体を回収する回収容器に接続されている。
第4の態様の混合液体の分離装置では、容器の底部に流れ落ちた混合液体(第2の液体を含む)が回収容器によって回収されるため、第2の液体の回収作業が容易になる。
本発明の第5の態様の混合液体の分離装置は、第4の態様の混合液体の分離装置において、前記回収容器は、前記分離手段に接続され、前記分離手段によって分離された前記第2の液体も回収している。
第5の態様の混合液体の分離装置では、分離手段によって分離された第2の液体も回収容器で回収しているため、第2の液体の回収作業を効率よく行うことができる。
本発明の第6の態様の混合液体の分離装置は、第1〜第5の態様のいずれか一態様の混合液体の分離装置において、前記容器内に供給される前記加熱ガスの温度が、前記第1の液体の沸点よりも高く且つ前記第2の液体の沸点よりも低い。
第6の態様の混合液体の分離装置では、加熱ガスの温度を第1の液体の沸点よりも高く且つ第2の液体の沸点よりも低くしていることから、第2の液体と第1の液体を効率よく、高い精度で分離させることができる。
本発明の第7の態様の混合液体の分離装置は、第1〜第6の態様のいずれか一態様の混合液体の分離装置において、前記分離手段は、前記混合ガスを冷却する冷却手段を備えている。
第7の態様の混合液体の分離装置では、冷却手段によって混合ガスを冷却することで、混合ガスから第2の液体を精度よく分離させることができる。
本発明の第8の態様の混合液体の分離装置は、第1〜第7の態様のいずれか一態様の混合液体の分離装置において、前記第1の液体及び前記第2の液体の少なくとも一方が、無機溶媒及び有機溶媒のいずれか一方の溶媒である。
第8の態様の混合液体の分離装置では、第1の液体及び第2の液体の少なくとも一方が溶媒である場合でも、第1の液体と第2の液体を分離することができる。
また、第1の液体及び第2の液体の両者を溶媒とする際には、それぞれ沸点の異なる溶媒を用いることとなる。これにより、例えば、第1の溶媒/第2の溶媒の混合液体を、第1の溶媒と第2の溶媒とに分離することができる。
本発明の第9の態様の混合液体の分離装置は、第1〜第8の態様のいずれか一態様の混合液体の分離装置において、前記第1の液体及び前記第2の液体は、一方が有機溶媒であり、他方が水である。
第9の態様の混合液体の分離装置では、有機溶媒/水の混合液体を水と有機溶媒に分離することができる。
本発明の第10の態様の混合液体の分離装置は、第9の態様の混合液体の分離装置において、前記有機溶媒がイオン液体である。
第10の態様の混合液体の分離装置では、例えば、イオン液体/水の混合液体をイオン液体と水に分離することができる。
本発明の第11の態様の混合液体の分離方法は、第1の液体と前記第1の液体よりも高い沸点を有する第2の液体とを含む混合液体を容器内に噴霧する噴霧工程と、前記第1の液体の沸点よりも高い温度の加熱ガスを前記容器内に供給して霧状の前記混合液体及び前記容器内に配設された液滴ガイド部材の表面に付着し流れ落ちる前記混合液体を加熱し、前記第1の液体を気化させる気化工程と、前記容器に設けられた排出口から気体状態の前記第1の液体を含む混合ガスを排出させる排出工程と、前記混合ガスから前記第2の液体を分離する分離工程と、を有している。
第11の態様の混合液体の分離方法によれば、噴霧工程では、容器内に混合液体を噴霧し、気化工程では、容器内に加熱ガスを供給して霧状の混合液体及び液滴ガイド部材の表面に付着し流れ落ちる混合液体を加熱して第1の液体を気化させる。
ここで、上記気化工程では、液滴ガイド部材の表面に付着した混合液体が液滴ガイド部材の表面を伝って流れ落ちるまでの間、加熱される。これにより、液滴ガイド部材の表面を伝って流れ落ちる混合液体(第2の液体含む)から第1の液体を十分に気化させることができる。すなわち、容器内において混合液体(第2の液体を含む)から第1の液体を精度よく分離させることができる。
次に、排出工程では、気体状態の第1の液体を含む混合ガスが容器の排出口から排出される。そして、分離工程では、排出された混合ガスに含まれる霧化(微小液滴化)した第2の液体を当該混合ガスから分離させる。
以上のことから、上記分離方法では、気化工程において混合液体に含まれる第1の液体と第2の液体を容器内で時間をかけて精度よく分離することができ、その後、分離工程においても第1の液体と第2の液体を分離することができるため、混合液体を第1の液体と第2の液体とに分離する分離精度及び分離効率を向上させることができる。
以上説明したように、本発明の混合液体の分離装置及び混合液体の分離方法によれば、混合液体の分離精度及び分離効率を向上させることができる。
第1実施形態の混合液体の分離装置の構成を示す概略構成図である。 第1実施形態の分離装置の容器上部の側断面図である。 第1実施形態の分離装置の容器内に配設される液滴ガイド部材の斜視図である。 第1実施形態の分離装置の容器下部の側断面図である。 第1実施形態の分離装置を用いた混合液体の分離方法の流れを説明するためのフローチャートである。 第2実施形態の分離装置の容器内に配設される液滴ガイド部材の斜視図である。 第3実施形態の分離装置の容器内に配設される液滴ガイド部材の斜視図である。 第4実施形態の分離装置の容器内に配設される液滴ガイド部材の斜視図である。
以下、本発明に係る第1実施形態の混合液体の分離装置及び混合液体の分離方法を図面に基づいて説明する。
図1には、第1実施形態の混合液体の分離装置の全体構成が示されている。また、図5には、第1実施形態の混合液体の分離装置によって実施される混合液体の分離方法の流れを説明するためのフローチャートが示されている。
図1に示すように、混合液体の分離装置(以下、「分離装置」という)100は、第1の液体とこの第1の液体と沸点の異なる第2の液体とを含む混合液体Lから一方の液体(本実施形態では第2の液体)を分離するための装置である。
分離装置100は、容器の一例としてのチャンバ12と、このチャンバ12内に混合液体Lを噴霧する噴霧手段の一例としての噴霧ノズル8と、第1の液体の沸点よりも高い温度の加熱ガスHをチャンバ12内に供給して混合液体Lを加熱し、この混合液体Lに含まれる第1の液体を気化させる加熱ガス供給手段の一例としての加熱ガス供給器13と、気体の流れ方向の下流側(還元すれば、分離工程の下流側)で気体を吸引する吸引手段の一例としてのブロワ10と、ブロワ10の気体吸引によりチャンバ12の排出口12Aから排出された気体状態の第1の液体を含む混合ガスGから第2の液体を分離する分離手段の一例としての分離器16と、分離器16の分離作用により混合ガスGから分離された第2の液体及びチャンバ12内で第1の液体の気化により分離された第2の液体を回収する回収容器18と、を含んで構成されている。なお、混合液体Lについては後述する。
噴霧ノズル8は、金属材料を略円筒状に形成したものであり、図2に示すように、チャンバ12の上部に設けられた蓋部12Bに、後述する加熱ガス供給器13を介して取り付けられている。
なお、図2の矢印Uは分離装置100の上方を示し、矢印Dは分離装置100の下方を示している。また、分離装置100の上下方向は、重力方向(重力に沿った方向(鉛直方向と言い換えることもできる。))と同じ方向である。
また、本実施形態では、噴霧ノズル8のノズル口8Aを下向きにしているため、混合液体Lの噴霧方向が下向きとなる。
図2に示すように、噴霧ノズル8のノズル口8A側に対して反対側(図2では上側)には、液体(本実施形態では、後述する混合液体Lである)と気体(本実施形態では、後述する加圧空気Aである)を混合する混合器9が設けられている。この混合器9で加圧空気Aと混合された混合液体Lは、霧化(言い換えると、微細な液滴化(微小液滴化))して噴霧ノズル8の内部流路を通ってノズル口8Aからチャンバ12内へ噴霧される。
なお、本実施形態の噴霧ノズル8は、加圧空気Aと混合液体Lを用いる二流体方式のノズル構造であるが、混合液体Lのみを用いる一流体方式のノズル構造であってもよく、それ以外のノズル構造であってもよい。
図1に示すように、混合器9には、混合液体L(第1の液体と第2の液体とを含む液体)を収容した試料容器2から延びる液体供給配管3が接続されている。この液体供給配管3には、途中に送液ポンプ4が設けられている。この送液ポンプ4が作動すると、試料容器2内の混合液体Lが液体供給配管3を通って混合器9に送られるようになっている。
また、混合器9には、加圧気体供給源の一例としてのコンプレッサ(図示省略)から延びる気体供給配管7が接続されている。この気体供給配管7には、途中に圧力調整用のニードル弁6が設けられている。上記コンプレッサが作動すると、このコンプレッサにより生成された加圧空気Aが気体供給配管7を通って混合器9に送られるようになっている。
一方、噴霧ノズル8のノズル口8Aの径(ノズル径)は、所望の液滴の粒径に合わせて適宜選択することができる。ノズル径としては、例えば、400〜700μmが好ましく、500〜700μmが更に好ましい。
また、ノズル口8Aから噴霧される混合液体Lの液滴の粒径としては、特に限定はないが、20〜700μmが好ましく、400〜500μmが更に好ましい。なお、ノズル口8Aのノズル径や噴霧圧力などは、噴霧される混合液体Lの液滴の粒径を基準に適宜設定することができる。
なお、ノズル口8Aの目詰まりや噴霧効率を高めるために、液体供給配管3に混合液体L中の不純物や固形物を除去するためのフィルターを設けてもよい。
図1に示すように、噴霧ノズル8から混合液体Lがチャンバ12内に噴霧されることで、本発明の混合液体の分離方法における噴霧工程が実施される(図5参照)。
図2に示すように、チャンバ12の上部には、加熱ガス供給器13が接続されている。この加熱ガス供給器13の加熱ガス供給路14は、噴霧ノズル8を中心としてその周りを加熱ガスHが流通できるように構成されている。
具体的には、加熱ガス供給路14を構成する配管部材の先端側(チャンバ12側)は、天井部(上部)が形成された円筒状とされており、この円筒状の天井部を噴霧ノズル8が挿通し、円筒状の下部がチャンバ12内に開放されてガス供給口14Aを構成している。この構成により、加熱ガス供給路14を流通する加熱ガスHにより噴霧ノズル8及びその周囲が加熱される。この加熱により、噴霧ノズル8を伝って内部流路を流通する混合液体Lが加熱される。
また、ガス供給口14Aは、ノズル口8Aと同じ向き(すなわち下向き)となるように、ノズル口8Aの周囲に配置されている。具体的には、ガス供給口14Aは、ノズル口8Aの周囲を囲うように円環状に開口している。
図1に示すように、加熱ガス供給路14内には、ヒータ15が設けられている。このヒータ15は、チャンバ12内に供給する加熱ガスHを所望の温度に加熱するためのものである。
また、加熱ガス供給路14内には、温度センサ20が設けられている。この温度センサ20は、ヒータ15で加熱された加熱ガス供給路14中の加熱ガスHの温度(入口温度)をモニタリングするものである。
なお、本実施形態では、第1の液体の沸点よりも高い温度に加熱ガスHを加熱している。具体的には、加熱ガスHの温度は、第1の液体の沸点よりも高く且つ第2の液体の沸点よりも低い温度とされている。
図2に示すように、チャンバ12は、その内部において、噴霧ノズル8から噴霧された混合液体Lと加熱ガス供給器13から供給された加熱ガスHとを接触させるものである。混合液体Lと加熱ガスHが接触して混合液体Lが加熱されると、混合液体Lに含まれる第1の液体が気化される。
このように、チャンバ12内では、噴霧された混合液体Lと加熱ガスHとが接触し、混合液体Lが加熱されることで、第1の液体を気化させる気化工程が実施される(図5参照)。実際には、ノズル口8Aから噴霧された混合液体Lは、噴霧と同時に、ノズル口8Aの周りを囲むように形成されたガス供給口14Aから供給される加熱ガスHと接触して加熱されるため、噴霧工程と気化工程はほぼ同時に行われる。
また、気化工程において、チャンバ12内で気化した第1の液体は、加熱ガスHや混合液体Lの噴霧に使用された加圧空気Aと混合されて混合ガスGとなる。なお、この混合ガスGの後述する排出時には、混合ガスGに霧状(微細な液滴状)の第2の液体が混ざった状態で排出される。
図1及び図2に示すように、チャンバ12の下部には、チャンバ12内の混合ガスGを排出するための排出口12Aが設けられている。具体的には、チャンバ12の下部の側壁に筒状の排出口12Aが設けられている(図3参照)。なお、チャンバ12の混合ガスG等の排出側を、単に「出口側」と称することがある。
なお、分離装置100は、液状(霧状)の第2の液体が、気化された第1の液体を含む混合ガスGと共に、排出口12Aから排出されるように設計されている。この排出口12Aにより、混合液体の分離方法における排出工程が実施される(図5参照)
図1〜図3に示すように、チャンバ12内には、液滴ガイド部材の一例としての鎖状ガイド部材30が配設されている。この鎖状ガイド部材30は、所謂チェーンであり、チャンバ12内の上部に取り付けられた支持部材32に吊り下げられている。
図3に示すように、支持部材32は、チャンバ12の内壁に取り付けられる棒状の取付部32Aと、鎖状ガイド部材30が引っ掛けられる円環状の吊下部32Bと、を含んで構成されている。また、本実施形態では、吊下部32Bに鎖状ガイド部材30を4本吊り下げているが、本発明はこの構成に限定されない。チャンバ12内には、4本以上の鎖状ガイド部材30を吊り下げることが好ましい。
この鎖状ガイド部材30の表面には、チャンバ12内に噴霧された混合液体Lが付着し、該表面を伝って流れ落ちるようになっている。また、鎖状ガイド部材30は、支持部材32に吊り下げられていることから、表面に付着し該表面を流れる(伝う)混合液体Lがチャンバ12の底部12Cへガイドされる。
なお、本実施形態では、鎖状ガイド部材30を熱伝導性に優れる金属材料(例えば、鉄、アルミなど)で形成しているが、本発明はこの構成に限定されず、鎖状ガイド部材30を樹脂材料などで形成してもよい。
また、チャンバ12の下方には、分離器16と兼用の回収容器18が配設されている。この回収容器18とチャンバ12は、排液管34を介して連結されている。この排液管34は、一端がチャンバ12の底部12Cに形成された下方に延びる排液口12Dに接続され、他端が回収容器18の上部側壁に接続されている。また、排液管34は、チャンバ12から回収容器18に向かって略一定の勾配をもっており、排液口12Dから流れ出した第2の液体CLを、重力を利用して回収容器18へ流すことができる。
なお、本実施形態では、チャンバ12の下方に分離器16と兼用の回収容器18を配設する構成としているが、本発明はこの構成に限定されず、チャンバ12で回収した第2の液体を回収する回収容器と、分離器16で回収した第2の液体を回収する回収容器を別々に配設する構成としてもよく、チャンバ12の任意の場所(例えば、底部12C)を第2の液体の回収容器として用いてもよい。
チャンバ12は、所定の工程に耐えうる程度の強度を有し、当該強度を発揮する材質で構成され、中空のものであれば特に構造について限定しない。また、チャンバ12の容積は、混合液体Lの処理量に応じて適宜選択される。
また、チャンバ12の内圧も特に限定されるものではないが、例えば、0.05〜0.15MPa程度が好ましく、0.08〜0.10MPaが更に好ましい。また、チャンバ12内の温度は、加熱ガスHによって、第1の沸点よりも高く、且つ、第2の沸点よりも低い温度に維持されることが好ましい。
チャンバ12は、加熱ガス供給器13から供給される加熱ガスHで満たされている。加熱ガスHはそのガス温度が供給時点で第1の液体の沸点よりも高いものであれば特に限定なく用いることができる。但し、混合液体Lに対して反応性の少ないガスを用いることが好ましく、例えば、空気、窒素ガス、又は、不活性ガス等を用いることができる。また、チャンバ12に対する加熱ガスHの供給量及び供給速度は、特に限定はないが、チャンバ12内にかかる圧力を所望の程度に保つことができる程度の流量として、0m/minを超えて1.0m/min以下であることが好ましく、さらに0.1m/min以上0.7m/min以下であることがさらに好ましい。また、加熱ガスHのガス供給口14Aは1つに限らず、複数箇所からの流入でもよく、流入場所についても特に制限は無い。
加熱ガスHの温度は、例えば、チャンバ12に供給される際の加熱ガスHの温度(以下、「入口温度」と称する場合がある。)を、入口温度及び出口温度の両者において、ガス温度(チャンバ12内の温度)が第1の液体の沸点よりも高い(好ましくは、第1の液体の沸点よりも高く且つ第2の液体の沸点よりも低い)ようにヒータ15を用いて制御することもできる。加熱ガスHの温度の制御は、例えば、水と他の液体とを含む混合液体Lを分離する場合には、出口温度を水の沸点を基準に設定することができる。
更に、チャンバ12の排出口12Aの周辺には、温度センサ22が備えられており、チャンバ12内から排出される際の混合ガスGの温度(出口温度)をモニタリングすることができる。また、チャンバ12の排出口12Aには、排出管24を介して分離器16が接続されている。
この際、温度センサ22でモニタリングした温度を加熱ガスHの温度へフィードバックして、入口温度と出口温度とが一定に保たれるようにヒータ15において加熱温度を制御できるよう構成してもよい。また、チャンバ12の排出口12Aにおける混合ガスGの温度(出口温度)は、第1の液体が気化した状態を保つことが出来る程度に設定することができる。このように出口温度を設定することで、混合ガスGがチャンバ12から排出される際に、第1の液体が気化された状態を維持することができる。当該出口温度は、第1及び第2の液体の沸点や排出口付近におけるガスの流速によって適宜設定することができるが、例えば、第1の液体の沸点よりも高く且つ第2の液体の沸点よりも低いように設定することもできる。
分離器16は、混合ガスと第2の液体とを分離するために用いられる。図1に示すように、排出管24のガス流れ方向の下流側端部は、分離器16の上部に接続されている(図1参照)。分離器16は、横方向の断面が略円形の筒状体からなり、上部側から下部側に向かって内径が徐々に小さくなるように形成されている。分離器16の内部では、排出管24から導入された混合ガスGが分離器16の内壁面に沿って流れることで、螺旋状に気流が旋回するように形成されており、ブロワ10の吸引によって気流のサイクロンが生じ、遠心力によって混合ガスGから第2の液体を分離できるように構成されている。分離器16の下方にはチャンバ12と兼用の前述の回収容器18が接続されており、混合ガスGから分離された第2の液体を回収できるようになっている。これにより、混合液体の分離方法における分離工程(液−気分離工程)が実施される(図5参照)。
また、分離器16内部に冷却器17が設けられている。冷却器17は、配管内に冷媒を循環させた構成であり、混合ガスGを冷却することで第2の液体の分離(回収)効率を高めることができる。上記冷却器17の設置は任意であり、他にも分離器16内に混合ガスGとの接触面積が増加する部位を設けて第2の液体の凝集を促す凝集手段を設けることもでき、より効率的な液体の回収を行うことが可能である。
更に、分離器16の上方には、分離器16によって第2の液体と分離された混合ガスGを排出する排出管26が接続されている。側面視にて排出管26は、分離器16の上面部から上方に延びて、途中で略U字状に屈曲し、下方に向かって延びている。排出管26のガス流れ方向の下流側端部には、ブロワ10が接続されており、ブロワ10による吸引によって、第2の液体と分離された混合ガスGが排出されるように構成されている。さらに、ブロワ10による吸引によって、混合ガスGの温度が低下するため液体をより効率よく回収することができる。
以下では、分離装置100で用いられる混合液体Lについて詳細に説明する。混合液体Lに含まれる第1の液体及び第2の液体は、沸点の異なる液体である。また、第1の液体には、第2の液体よりも沸点の低い液体が選択される。本実施形態の分離装置100によれば、混合液体から第1の液体のみを気化させた状態で分離することで、効率よく第1の液体と第2の液体とを分離することができる。
ここで、「液体」とは、1気圧・25℃において一定の体積を持ち、流動性を有している液体状態の化合物を意味し、詳細には、消防危第11号に示された、消防法の危険物の規制に関する政令等の一部を改正する政令(危険物の試験及び性状に係る部分)並びに危険物の試験及び性状に関する省令(平成元年2月公布)において別添2で示された方法に記載される手順に従って確認されるものを意味する。
また、「沸点」とは、1気圧における沸点を意味し、詳細には、JISK2233:1984に規定される方法で測定される沸点を意味する。
なお、「沸点」を有しない液体(例えばイオン液体)の場合には、ここでは便宜上「分解点」を「沸点」として加熱温度等の基準として使用する。
本発明において「沸点」には、沸点を有さない液体の場合における当該液体の「分解点」が含まれる。
ここで「分解点」とは熱重量測定装置(TGA)を用いて昇温速度を10℃/分で測定を行う際に、液体の分子構造が変化して液体の重量が10%減少する温度を指す。
更に、「気体」とは、物質の状態の一つで、自ら広がろうとする性質を持ち、従って一定の形や体積を持たず、容器全体に広がろうとする性質を持つ状態を意味する。
第1の液体と第2の液体との組合せは、沸点が異なる液体同士であれば特に限定はないが、例えば、少なくとも一方に溶媒を用いてもよく、第1の液体及び第2の液体の両者を溶媒としてもよい。
第1及び第2の液体の両者を溶媒とした場合には、それぞれ沸点の異なる溶媒を用いることとなる。
また、上記溶媒は無機溶媒もしくは有機溶媒のいずれであってもよい。
このため、第1及び第2の液体の組合せとしては、有機溶媒同士、無機溶媒同士若しくは有機溶媒と無機溶媒との組合せや、具体的には、有機溶媒と水との組合せ、有機溶媒とイオン液体との組合せ、水とイオン液体との組合せ、イオン液体同士の組合せ等が挙げられる。この際、沸点の低いものが第1の液体となる。
ここで、「イオン液体」とは、塩より構成される化学物質であって1気圧・25℃において液体状態の有機化合物を意味し、水(HO)は含まない。
上記有機溶媒としては、N−メチルモルフォリンオキシド(NMMO)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、エタノール、イソプロピルアルコール、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート(C2mimAc)、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジエチルフォスフェイト(C2mimDEP)、1−アリル−3−メチルイミダゾリウム塩化物(AmimCl)、1−エチルピリジニウム塩化物、ジメチルスルフォキシド(DMSO)、ピリジン、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ポリエチレングリコール(PEG)、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメチルスルフォネート、ジメチルホルムアミド(DMF)が挙げられる。
また、このうち、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート(C2mimAc)、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジエチルフォスフェイト(C2mimDEP)、1−アリル−3−メチルイミダゾリウム塩化物(AmimCl)、1−エチルピリジニウム塩化物、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメチルスルフォネートが上記イオン液体に該当する。
また、上記無機溶媒としては、例えば、水(HO)や溶融塩等を用いることができる。
具体的な第1の液体と第2の液体との組合せは特に限定されるものではないが、例えば、水(沸点:約100℃)とC2mimAc(沸点(分解点)約210℃)との組合せ、水とC2mimDEP(沸点(分解点)約255℃)との組合せ、水とAmimCl(沸点(分解点)約245℃)との組合せ、水とNMMO(沸点120℃)との組合せ、水とTHF(沸点約66℃)との組合せ、水とピリジン(沸点約115.2℃)との組合せ、水とポリエチレングリコール(沸点約250℃以上)との組合せ、水とDMSO(沸点約189℃)との組合せ、水とDMF(沸点約153℃)との組合せ等が挙げられる。
尚、以上の組合せにおいては沸点(分解点)の高い液体が第2の液体に該当する。
また、本実施形態の分離装置100によれば、第1の液体及び第2の液体の含有比率に影響されず、高い分離効率を達成することができる。例えば、第2の液体の含有量が1質量%以下の場合であっても、高い効率(回収率)で第2の液体を分離・回収することができる。
また、第1の液体と第2の液体との組合せとしては、混合した際に共沸混合物を構成しない組合せが好ましい。例えば、共沸混合物を構成する液体の組合せとしては水とエタノールとの組合せや、水とイソプロピルアルコールとの組合せなどが挙げられる。
ここで「共沸」とは、液体の混合物から沸騰する際に液相と気相とが同じ組成になる現象を言う。
第1の液体及び第2の液体間の沸点の差は特に限定されないが、例えば、第1の液体と第2の液体とは沸点の差が20〜200℃のものが好ましく、100〜200℃が更に好ましい。
次に、分離装置100を用いた本実施形態の混合液体の分離方法の流れについて説明する。
以下の例においては、水(沸点約100℃:第1の液体)中に1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート(C2mimAc)(分解点:210℃:第2の液体)を約0.4%含む混合液体を用いた例について説明するが、本発明はこの態様に限定されるものではない。
まず、試料容器2中の混合液体Lが、送液ポンプ4によって混合器9に送流される。また、同時に図示しないコンプレッサ等から加圧空気Aがニードル弁6によって圧力を調整されながら混合器9に供給される。混合器9において混合液体Lと加圧空気Aは混合され、噴霧ノズル8のノズル口8Aからチャンバ12内に噴霧される(噴霧工程)。この際、噴霧条件は、出口温度を監視しながら適宜決定され、例えば、噴霧圧力は0.08MPa〜0.1MPa、送液速度は8〜10g/min程度とされている。
混合液体Lが噴霧される際、チャンバ12内は既に常圧付近に保たれた加熱ガスHで満たされている。ヒータ15は、ブロワ10からの吸引によって外部から吸引したガス(例えば、窒素ガス)を加熱する。この際、加熱ガスHの温度は温度センサ20によって監視されており、加熱ガス供給路14中に配設されたヒータ15にて所望の入口温度にまで加熱される。
ヒータ15にて加熱された加熱ガスHは、加熱ガス供給路14のガス供給口14Aを介してチャンバ12内に供給される。この際、加熱ガスHの入口温度は、おおよそ220℃程度であり、第1の液体(水)と第2の液体(C2mimAc)との沸点の間に設定されている。
また、噴霧ノズル8の一部が加熱ガス供給路14内に配置されていることから、加熱ガス供給路14内の加熱ガスHにより噴霧ノズル8が加熱される。これにより、噴霧ノズル8の内部流路を通る混合液体Lも加熱される。この加熱により混合液体Lの粘度が低下する。結果、噴霧ノズル8内の混合液体Lをスムーズに送ることができる。
チャンバ12内に噴霧された混合液体Lは、粒径20μm程度の液滴であり、チャンバ12内に供給された加熱ガスHと接触して加熱される。この加熱により霧状(微小液滴状)の混合液体L中の第1の液体(水)が蒸発して気化する(気化工程)。この際、噴霧された混合液体Lと加熱ガスHとの接触面積は非常に大きくなっているため、極めて短い時間で第1の液体は気化する。
また、第1の液体(水)の一部または全部が気化した混合液体Lは、少なくとも一部がチャンバ12内の鎖状ガイド部材30に付着する。鎖状ガイド部材30に付着した混合液体Lは、鎖状ガイド部材30の表面を伝って該鎖状ガイド部材30を流れ落ちるまでの間、チャンバ12内で加熱ガスHにより加熱される。これにより、鎖状ガイド部材30からチャンバ12の底部12C側へ流れ落ちた混合液体Lからは、第1の液体(水)が長い時間をかけて気化される。つまり、混合液体Lから第1の液体(水)が精度よく分離される。言い換えると、混合液体Lを第1の液体(水)と第2の液体CLとに精度よく分離することができる。
一方、チャンバ12内で気化した第1の液体(水)は、加熱ガスHや噴霧に用いられた加圧空気Aと混合され混合ガスGとなり、ブロワ10の吸引によってチャンバ12内の混合ガスGは排出口12Aから排出される。このとき、霧状(微細な液滴状)となり、鎖状ガイド部材30に付着していない第2の液体(C2mimAc)も混合ガスGに混ざって排出口12Aから排出される(排出工程)。
この際、排出口12Aにおける混合ガスGの温度(出口温度)は、温度センサ22によって監視されており、ガス温度(出口温度)が、第1の液体(水)と第2の液体(C2mimAc)との沸点の間となるように制御されており、例えば、60〜110℃となるように設定することができるが、第1の液体が水の場合には100℃前後とすることが好ましい。混合ガスGの出口温度の制御は、例えば、チャンバ12に供給される加熱ガスHの温度が入口温度からチャンバ12内でどの程度下がるかを計測しておき、これを基準としてヒータ15にて加熱ガスHの入口温度をある程度高めに設定して出口温度が所望の温度となるようにコントロールすることができる。このため、加熱ガスHの入口温度が第2の液体の沸点よりも高くなることもある。
チャンバ12の排出口12Aから排出された混合ガスGと液滴状の第2の液体とはブロワ10の吸引によって排出管24を通って分離器16に供給される。分離器16内では、螺旋状に気流が旋回するように形成されているため、気流のサイクロンが生じている。この気流のサイクロンによって生じる遠心力及び冷却器17によって第2の液体CLが凝集することで、混合ガスGから第2の液体(C2mimAc)を分離することができる(分離工程)。その後分離された第2の液体(C2mimAc)は、分離器16の下方(重力方向下側)に設けられた回収容器18にて捕集される。また、回収容器18には、第2の液体CLから固形物等を除去するフィルターを設けてもよい。
そして、第2の液体を分離した混合ガスGは、気化した第1の液体(水)を含んだまま排出管26を通って装置外に排出される。
また、これらの工程は所望量の混合液体Lについて連続的に行われる。
以上の例によれば、例えば、C2mimAcを0.4%程度含む水溶液からC2mimAcを低エネルギー且つ短時間で回収することができ、更に、回収されたC2mimAcの組成質量濃度も約90%以上と高効率で回収することができる。
なお、上述の例においては、加熱ガスHの入口温度を第1の液体(水)との沸点と第2の液体(C2mimAc)との分解点の間の温度となるように設定したが、本発明の混合液体の分離装置100はこれに限定されず、出口温度が第1の液体が気化状態を保てる温度となるように構成されていればよく、加熱ガスHの入口温度が第2の液体の沸点を超えるものであってもよい。
また、上述の例においては、気化された第1の液体を含む混合ガスGを装置外に排出する構成としているが、回収容器など別途第1の液体を回収する回収手段を設けてもよい。この場合、回収手段は、例えば回収容器の温度を第1の液体の沸点以下の温度(上記例の場合には、約30℃など)としたり、冷却器を設けてこれと接触させることで、混合ガスGから第1の液体を回収し、回収後の混合ガスGを装置外に排出することができる。特に、第1の液体として、水以外の液体(例えば、有機溶媒等)を用いた場合には、このように第1の液体を回収する回収工程を別途設けることが好ましい。
次に、第1実施形態の分離装置100の作用効果について説明する。
分離装置100では、図4に示すように、チャンバ12内に鎖状ガイド部材30を配設していることから、鎖状ガイド部材30の表面に付着した混合液体Lが鎖状ガイド部材30の表面を伝って流れ落ちるまでの間、加熱される。これにより、鎖状ガイド部材30の表面を伝って流れ落ちる混合液体L(第2の液体CL含む)から第1の液体を十分に気化させることができる。すなわち、チャンバ12内において鎖状ガイド部材30の表面を伝って流れ落ちる混合液体Lから第1の液体を精度よく分離させることができる。
また、分離装置100では、チャンバ12の排出口12Aから排出された混合ガスGから分離器16を用いて第2の液体CLが精度よく分離される。
以上のことから、分離装置100では、混合液体Lに含まれる第1の液体と第2の液体CLをチャンバ12内で時間をかけて精度よく分離することができ、その後、分離器16においても第1の液体と第2の液体CLを精度よく分離することができるため、混合液体Lを第1の液体と第2の液体CLに分離する分離精度を向上させることができる。
また、図3に示すように、分離装置100では、吊り下げられた鎖状ガイド部材30の表面に付着し該表面を流れる(伝う)混合液体CLをチャンバ12の底部12Cへガイドすることから、鎖状ガイド部材30から流れ落ちた混合液体(第2の液体CLを含む)がチャンバ12の底部12Cに集められる。これにより、第1の液体が気化した混合液体(第2の液体CL含む)をチャンバ12の底部12C側に集めて、排液管34を介して回収容器18で効率よく回収することができる。
分離装置100では、液滴ガイド部材の一例として鎖状部材を用いていることから、混合液体Lが付着するための表面積を確保することができ、さらに、鎖状ガイド部材30を構成する複数のチェーンピース30Aの数量を変更するだけでガイド長さの調整を容易に行うことができる。
これにより、鎖状ガイド部材30に付着した混合液体Lが鎖状ガイド部材30の表面を伝って流れ落ちるまでの時間をより長くすることができる。さらに、加熱ガスHで鎖状ガイド部材30の表面を十分に加熱することで混合液体Lが鎖状ガイド部材30の表面を伝う際の混合液体Lの加熱速度(第1の液体の蒸発速度)も早めることができる。特に、本実施形態では、鎖状ガイド部材30を熱伝導性に優れる金属材料で構成していることから、鎖状ガイド部材30の表面を伝う混合液体Lの加熱速度をさらに速めることができる。
また、分離装置100では、鎖状ガイド部材30の表面を伝って該鎖状ガイド部材30から流れ落ちた混合液体L(第2の液体CL含む)と分離器16で分離された第2の液体CLを、同一の回収容器18で回収するため、第2の液体CLの回収作業を効率よく行うことができる。
第1実施形態の分離装置100では、図3に示すように、液滴ガイド部材の一例として鎖状ガイド部材30を用いる構成としているが、本発明はこの構成に限定されず、図6に示す第2実施形態の分離装置102のように液滴ガイド部材の一例としてワイヤ状ガイド部材40(詳細は後述)を用いる構成としてもよく、図7に示す第3実施形態の分離装置104のように液滴ガイド部材の一例として筒状ガイド部材50(詳細は後述)を用いる構成としてもよく、図8に示す第4実施形態の分離装置106のように液滴ガイド部材の一例として螺旋状ガイド部材60(詳細は後述)を用いる構成としてもよい。
図6に示す分離装置102では、チャンバ12内の上部に取り付けられた支持部材32(図示省略)に金属繊維を撚り合せて構成されたワイヤ状ガイド部材40が複数本(本実施形態では4本)吊り下げられている。このワイヤ状ガイド部材40は、本実施形態では、金属ワイヤとしているが、それ以外のものであってもよい。上記分離装置102によれば、液滴ガイド部材をワイヤ状ガイド部材40としていることから、ガイド長(全長)の調整がし易く、また、部材費を低くすることができる。
図7に示す分離装置104では、チャンバ12内の上部に取り付けられた支持部材32(図示省略)に筒状ガイド部材50(本実施形態では円筒状)が複数個(本実施形態では2個)吊り下げられている。なお、この筒状ガイド部材50の表面には、通気用に貫通孔などが設けられていてもよい。上記分離装置104によれば、筒状ガイド部材50は表面(外面及び内面)の面積が広いため、筒状ガイド部材50の外面及び内面に混合液体Lを十分な量付着させつつ、表面を伝って流れさせることができる。これにより、混合液体Lの分離効率を向上させることができる。
図8に示す分離装置106では、チャンバ12内の上部に取り付けられた支持部材32(図示省略)に螺旋状ガイド部材60(本実施形態では、針金を螺旋状に形成した部材)が複数個(本実施形態では2個)吊り下げられている。上記分離装置106によれば、針金を螺旋状にして螺旋状ガイド部材60を形成していることから、螺旋状ガイド部材60は、重力方向の長さよりも全長(ガイド長)が長くなるため、螺旋状ガイド部材60に付着した混合液体Lが螺旋状ガイド部材60から流れ落ちるまでの時間をより長くすることができる。これにより。混合液体Lの分離精度及び分離効率を向上させることができる。
前述の実施形態では、液滴ガイド部材の一例としての鎖状ガイド部材30、ワイヤ状ガイド部材40、筒状ガイド部材50、及び螺旋状ガイド部材60のいずれも下端部を自由端状態としているが、本発明はこの構成に限定されず、鎖状ガイド部材30、ワイヤ状ガイド部材40、筒状ガイド部材50、及び螺旋状ガイド部材60のいずれの下端部も底部12Cに図示しない取付部材などを用いて取り付けてもよい。
また、第1実施形態では、複数本の鎖状ガイド部材30を1本ずつ独立して支持部材32に吊り下げているが、本発明はこの構成に限定されず、隣接する鎖状ガイド部材30や対向する鎖状ガイド部材30同士をチェーンまたはワイヤなどで連結してもよい。これらのチェーンまたはワイヤを上下方向に対して斜めに配置することで、より混合液体Lの分離精度を向上させられる。なお、上記構成は、第2〜第4実施形態にも適用することができる。
以上、実施形態を挙げて本発明の実施の形態を説明したが、これらの実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲がこれらの実施形態に限定されないことは言うまでもない。
8 噴霧ノズル(噴霧手段)
12 チャンバ(容器)
12A 排出口
12C 底部
13 加熱ガス供給器(加熱ガス供給手段)
16 分離器(分離手段)
18 回収容器
30 鎖状ガイド部材(液滴ガイド部材)
40 ワイヤ状ガイド部材(液滴ガイド部材)
50 筒状ガイド部材(液滴ガイド部材)
60 螺旋状ガイド部材(液滴ガイド部材)
100 分離装置(混合液体の分離装置)
102 分離装置(混合液体の分離装置)
104 分離装置(混合液体の分離装置)
106 分離装置(混合液体の分離装置)
L 混合液体
H 加熱ガス
G 混合ガス
CL 第2の液体

Claims (11)

  1. 容器と、
    前記容器に接続され、前記容器内に第1の液体と前記第1の液体よりも高い沸点を有する第2の液体とを含む混合液体を噴霧する噴霧手段と、
    前記容器内に配設され、表面に付着した前記混合液体が流れ落ちる液滴ガイド部材と、
    前記容器に接続され、前記第1の液体の沸点よりも高い温度の加熱ガスを前記容器内に供給して前記混合液体を加熱し、前記第1の液体を気化させる加熱ガス供給手段と、
    前記容器に設けられた排出口から排出された気体状態の前記第1の液体を含む混合ガスから前記第2の液体を分離する分離手段と、
    を有する混合液体の分離装置。
  2. 前記液滴ガイド部材は、表面に付着し該表面を流れる前記混合液体を前記容器の底部へガイドする、請求項1に記載の混合液体の分離装置。
  3. 前記液滴ガイド部材は、鎖状、筒状、螺旋状のいずれかの形状とされている、請求項2に記載の混合液体の分離装置。
  4. 前記容器の底部は、前記底部に流れ落ちた前記第2の液体を回収する回収容器に接続されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の混合液体の分離装置。
  5. 前記回収容器は、前記分離手段に接続され、前記分離手段によって分離された前記第2の液体も回収する、請求項4に記載の混合液体の分離装置。
  6. 前記容器内に供給される前記加熱ガスの温度が、前記第1の液体の沸点よりも高く且つ前記第2の液体の沸点よりも低い、請求項1〜5のいずれか1項に記載の混合液体の分離装置。
  7. 前記分離手段は、前記混合ガスを冷却する冷却手段を備えている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の混合液体の分離装置。
  8. 前記第1の液体及び前記第2の液体の少なくとも一方が、無機溶媒及び有機溶媒のいずれか一方の溶媒である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の混合液体の分離装置。
  9. 前記第1の液体及び前記第2の液体は、一方が有機溶媒であり、他方が水である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の混合液体の分離装置。
  10. 前記有機溶媒がイオン液体である、請求項9に記載の混合液体の分離装置。
  11. 第1の液体と前記第1の液体よりも高い沸点を有する第2の液体とを含む混合液体を容器内に噴霧する噴霧工程と、
    前記第1の液体の沸点よりも高い温度の加熱ガスを前記容器内に供給して霧状の前記混合液体及び前記容器内に配設された液滴ガイド部材の表面に付着し流れ落ちる前記混合液体を加熱し、前記第1の液体を気化させる気化工程と、
    前記容器に設けられた排出口から気体状態の前記第1の液体を含む混合ガスを排出させる排出工程と、
    前記混合ガスから前記第2の液体を分離する分離工程と、
    を有する混合液体の分離方法。
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