JP2014000501A - カーボン系固体酸触媒の再生方法及び再生装置 - Google Patents

カーボン系固体酸触媒の再生方法及び再生装置 Download PDF

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Yukikazu Hara
亨和 原
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Abstract

【課題】カーボン系固体酸触媒の再生に要するエネルギーコストを従来よりも低減させる方法を提供する。
【解決手段】可溶化物の処理に供された使用済みカーボン系固体酸触媒を硫酸の雰囲気下に置くスルホン化手段反応管3a、入口三方弁3b、出口三方弁3c、硫酸タンク3d、硫酸供給ポンプ3e、硫酸供給弁3f、硫酸供給管3g、エタノールタンク3h、エタノール供給ポンプ3i、エタノール供給弁3j、吸引ポンプ3k、排出弁3mを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、触媒としての性能が劣化したカーボン系固体酸触媒の再生方法及び再生装置に関する。
下記特許文献1には、使用によって機能が劣化した固体酸触媒を再生(再活性)させる方法が開示されている。この再生方法は、カーボン系固体酸触媒として知られているスルホ基含有炭素質材料を硫酸(濃硫酸あるいは発煙硫酸)の存在下で80℃〜200℃に加熱処理することにより行われるものである。なお、カーボン系固体酸触媒は、炭素材料をスルホン化することによって得られる固体酸触媒である。
また、下記特許文献2には、バイオマスを加圧熱水処理した後に固体酸触媒で単糖化するバイオマスの糖化方法が開示されている。この特許文献2における固体酸触媒は、ゼオライト、アルミナ、シリカアルミナ、活性炭、陽イオン交換樹脂、スルホン化活性炭、スルホン化メソポーラスシリカ、スルホン化炭素材料、硫酸ジルコニア、タングステン酸ジルコニア、リン酸ジルコニウム等であるが、スルホン化炭素材料はカーボン系固体酸触媒である。
再公表WO2009/004949号公報 特開2010−279255号公報
ところで、上記特許文献1の固体酸触媒の再生方法では、スルホ基含有炭素質材料を硫酸(濃硫酸あるいは発煙硫酸)の存在下で80℃〜200℃に加熱処理するものなので、再生処理に必要なエネルギーコストが嵩むという問題がある。上記特許文献2に記載されるようなバイオマスの糖化方法にカーボン系固体酸触媒を実用に供するためには、カーボン系固体酸触媒の再生処理に要するエネルギーコストを低減することは極めて重要な技術課題である。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、カーボン系固体酸触媒の再生に要するエネルギーコストを従来よりも低減させることを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明では、カーボン系固体酸触媒の再生方法に係る第1の解決手段として、可溶化物の処理に供された使用済みカーボン系固体酸触媒を硫酸の雰囲気下に置くスルホン化工程を有する、という手段を採用する。
カーボン系固体酸触媒の再生方法に係る第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、スルホン化工程は、脱水工程後の使用済みカーボン系固体酸触媒を濃硫酸に浸漬させる濃硫酸浸漬工程と、該濃硫酸浸漬工程後の使用済みカーボン系固体酸触媒に三酸化硫黄ガスを供給して残留濃硫酸を高濃度化あるいは発煙硫酸化する三酸化硫黄ガス供給工程とを含む、という手段を採用する。
カーボン系固体酸触媒の再生方法に係る第3の解決手段として、上記第1または第2の解決手段において、使用済みカーボン系固体酸触媒を硫酸の雰囲気下に置く前に該使用済みカーボン系固体酸触媒に脱水処理を施すことで硫酸の濃度を維持する、という手段を採用する。
カーボン系固体酸触媒の再生方法に係る第4の解決手段として、上記第3の解決手段において、スルホン化工程は、脱水処理の前に使用済みカーボン系固体酸触媒を洗浄する洗浄処理を備える、という手段を採用する。
また、本発明では、カーボン系固体酸触媒の再生装置に係る第1の解決手段として、可溶化物の処理に供された使用済みカーボン系固体酸触媒を硫酸の雰囲気下に置くスルホン化手段を有する、という手段を採用する。
カーボン系固体酸触媒の再生装置に係る第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、スルホン化手段は、脱水処理後の使用済みカーボン系固体酸触媒を濃硫酸にさせる濃硫酸浸漬手段と、該濃硫酸浸漬手段後の使用済みカーボン系固体酸触媒に三酸化硫黄ガスを供給して残留濃硫酸を高濃度化あるいは発煙硫酸化する三酸化硫黄ガス供給手段とを含む、という手段を採用する。
カーボン系固体酸触媒の再生装置に係る第3の解決手段として、上記第1または第2の解決手段において、使用済みカーボン系固体酸触媒を硫酸の雰囲気下に置く前に該使用済みカーボン系固体酸触媒に脱水処理を施すことで硫酸の濃度を維持する、という手段を採用する。
カーボン系固体酸触媒の再生装置に係る第4の解決手段として、上記第3の解決手段において、スルホン化手段は、脱水処理の前に使用済みカーボン系固体酸触媒を洗浄する洗浄処理を備える、という手段を採用する。
本発明によれば、可溶化物の処理に供された使用済みカーボン系固体酸触媒を硫酸の雰囲気下に置くスルホン化工程を有するので、つまり硫酸の濃度を維持するにより従来の加熱処理に必要なコストを低減できるので、使用済みカーボン系固体酸触媒の再生に要するエネルギーコストを従来よりも低減できる。
本発明の第1実施形態に係るカーボン系固体酸触媒の再生装置3Aを備えるエタノール製造プラントAの機能構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態に係るカーボン系固体酸触媒の再生装置3Aの詳細構成を示す模式図である。 本発明の第1実施形態の変形例に係るカーボン系固体酸触媒の再生装置3Bの詳細構成を示す模式図である。 本発明の第1実施形態においてカーボン系固体酸触媒の再生結果を示す第1のグラフである。 本発明の第1実施形態においてカーボン系固体酸触媒の再生結果を示す第2のグラフである。 本発明の第2実施形態に係るカーボン系固体酸触媒の再生装置3C及び固体酸触媒糖化装置13の詳細構成を示す模式図である。 本発明の第2実施形態における再生反応槽31の構成例を示す模式図である。 本発明の第1実施形態のさらなる変形例に係るカーボン系固体酸触媒の再生装置の詳細構成を示す模式図である。 本発明の第1実施形態のさらなる変形例に係るカーボン系固体酸触媒の再生装置の詳細構成を示す模式図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
〔第1実施形態〕
第1実施形態に係るカーボン系固体酸触媒の再生装置3A(以下、固体酸触媒再生装置3Aと略記する。)は、図1に示すように、エタノール製造プラントAに一体として設けられている。
すなわち、エタノール製造プラントAは、熱水処理装置1、酵素糖化装置2、固体酸触媒糖化装置3、エタノール発酵装置4及び蒸留装置5から構成されるが、これら構成要素のうち、固体酸触媒糖化装置3は、本実施形態に係る固体酸触媒再生装置3Aをも構成する。このようなエタノール製造プラントAは、バイオマスの一種である木材チップや廃建材など、主成分としてセルロース、ヘミセルロース及びリグニンを含有する木質系バイオマスを原料としてバイオエタノールを生成する化学プラントである。
熱水処理装置1は、例えば熱水流通式反応装置であり、加圧熱水を上記木質系バイオマスに作用させることにより、木質系バイオマスに含まれるヘミセルロース(固体)を選択的に加水分解して可溶化させる装置である。木質系バイオマスは、セルロース、ヘミセルロース及びリグニンを主成分とするセルロース系バイオマスである。
これら主成分のうち、ヘミセルロースは、比較的低温の200〜230℃の加圧熱水を作用させると容易に加水分解されて五炭糖が重合したヘミセルロース由来のオリゴ糖を主成分とする多糖類(ヘミセルロース分解物)に分解(可溶化)するが、セルロースは、200〜230℃の加圧熱水では殆ど分解しない。特に、セルロースを加圧熱水で加水分解するためには、200〜230℃を超える例えば240〜300℃程度の加圧熱水を木質系バイオマスに作用させる必要がある。
熱水処理装置1は、このようなセルロース、ヘミセルロース及びリグニンの加圧熱水に対する性質を利用することにより、木質系バイオマスに含まれるヘミセルロースを五炭糖が重合したヘミセルロース由来のオリゴ糖を主成分とする多糖類(ヘミセルロース分解物)に選択的に分解(可溶化)させ、この多糖類を含む多糖液とセルロース及びリグニンを含む固形物とを酵素糖化装置2に供給する。なお、上記加圧熱水とは、亜臨界状態の熱水であって、液体状態を維持するために加圧された加圧熱水である。
酵素糖化装置2は、熱水処理装置1から流入する多糖液及び固形物に糖化酵素であるセルラーゼを添加し、固形物中のセルロースにセルラーゼを作用させることによってセロビオース(グルコースが2量体重合したもの)を主成分とする水溶性オリゴ糖(グルコースが2〜7量体重合したもの)に加水分解し、この水溶性オリゴ糖等の多糖類を含む多糖液を固体酸触媒糖化装置3に供給する。セルラーゼは、セルロースを水溶性オリゴ糖に加水分解するための糖化酵素であるβ−グルカナーゼを含み、このβ−グルカナーゼの作用によってセルロースから水溶性オリゴ糖を生成する。
固体酸触媒糖化装置3は、粒状のカーボン系固体酸触媒が内部に充填された管状体であり、酵素糖化装置2から流入する多糖液中の多糖類にカーボン系固体酸触媒を作用させて加水分解することによって単糖類(グルコース及びキシロース)を生成し、当該単糖類を主成分とする単糖液をエタノール発酵装置4に送出する。
このような固体酸触媒糖化装置3は、上述したように固体酸触媒再生装置3Aをも構成するものである。すなわち、固体酸触媒再生装置3Aは、図2に示すように、上記カーボン系固体酸触媒が内部に充填された反応管3a、入口三方弁3b、出口三方弁3c、硫酸タンク3d、硫酸供給ポンプ3e、硫酸供給弁3f、硫酸供給管3g、エタノールタンク3h、エタノール供給ポンプ3i、エタノール供給弁3j、吸引ポンプ3k及び排出弁3mから構成されている。
このような固体酸触媒再生装置3Aは、反応管3a内に充填されると共に多糖液中の多糖類の加水分解に使用されたカーボン系固体酸触媒を再生処理する装置である。すなわち、この固体酸触媒再生装置3Aは、木質系バイオマスに含まれるセルロースまたはヘミセルロース(固体)が可溶した多糖液(可溶化物)の加水分解に供された使用済みカーボン系固体酸触媒の触媒活性を回復させる装置である。
上記各構成要素のうち、反応管3a、入口三方弁3b、出口三方弁3c、硫酸供給弁3f、エタノール供給弁3j及び排出弁3mは、固体酸触媒糖化装置3を構成している。反応管3aは、断面が円形の直管状容器であり、一端(左端)に配管を介して入口三方弁3bが接続され、他端(右端)には配管を介して出口三方弁3cが接続されている。また、この反応管3aには、周面の上側に硫酸供給管3gが接続されると共に周面の上側かつ一端(左端)側に配管を介してエタノール供給弁3jが接続されている。さらに、この反応管3aには、周面の下側に配管を介して排出弁3mが接続されている。
入口三方弁3bは、このような反応管3aと酵素糖化装置2とを接続する配管に取り付けられた三方弁であり、酵素糖化装置2から反応管3aへの多糖液の供給と吸気口から反応管3aへの空気の供給とを切り替える。出口三方弁3cは、反応管3aとエタノール発酵装置4とを接続する配管に取り付けられた三方弁であり、反応管3aからエタノール発酵装置4への単糖液の排出と反応管3aから吸引ポンプ3kへの空気(水分を帯びたもの)の排出とを切り替える。
硫酸タンク3dは、硫酸を貯留する所定容量の容器であり、硫酸を硫酸供給ポンプ3eに供給する。硫酸供給ポンプ3eは、硫酸タンク3dから硫酸を汲み出して硫酸供給弁3fに供給するポンプである。硫酸供給弁3fは、硫酸供給ポンプ3eと硫酸供給管3gとを接続する配管に取り付けられた開閉弁であり、当該配管の流路(硫酸流路)を開閉する。
硫酸供給管3gは、硫酸供給弁3fと反応管3aとを接続する配管であり、図示するように複数に分岐して反応管3aの周面に接続されている。このような硫酸供給管3gは、直管状容器である反応管3aの各所に分散して硫酸を供給し得るものである。エタノールタンク3hは、エタノールを貯留する所定容量の容器であり、エタノールをエタノール供給ポンプ3iに供給する。エタノール供給ポンプ3iは、エタノールタンク3hからエタノールを汲み出してエタノール供給弁3jに供給する。
エタノール供給弁3jは、エタノール供給ポンプ3iと反応管3aとを接続する配管に取り付けられた開閉弁であり、当該配管の流路(エタノール流路)を開閉する。吸引ポンプ3kは、出口三方弁3cに接続され、反応管3a内の空気(水分を帯びたもの)を強制排気する。排出弁3mは、反応管3a内の液体(単糖液、エタノール、硫酸等)を外部に排出するための開閉弁である。
エタノール発酵装置4は、固体酸触媒糖化装置3から流入する単糖液に、酵母等のエタノール発酵微生物と、窒素、リン等の栄養源とを添加し、適切な温度、pH等の条件下で微生物を培養してアルコール発酵させる装置である。このエタノール発酵装置4は、アルコール発酵によって生成されたバイオエタノールを蒸留装置5に供給する。エタノール発酵微生物としては、サッカロミセス属酵母などの公知の各種微生物を用いることができる。蒸留装置5は、上記エタノール発酵装置4から流入するエタノールの蒸留及び濃縮を行うことにより純度の高いエタノールを生成し、製品として外部に送出する。
なお、図示していないが、上記入口三方弁3b、出口三方弁3c、硫酸供給ポンプ3e、硫酸供給弁3f、エタノール供給ポンプ3i、エタノール供給弁3j、吸引ポンプ3k及び排出弁3mは、所定の制御装置によって統一的かつ自動的に制御される。この制御装置は、例えば所定の制御プログラムに基づいて上記各ポンプや各弁を所定の手順で駆動する。
次に、このように構成されたエタノール製造プラントAの動作について説明する。
このエタノール製造プラントAには、エタノール製造モードと固体酸触媒再生モードとの2つの動作モードがある。この2つの動作モードは、上記制御装置によって自動的に切り替えられる。
エタノール製造モードは、入口三方弁3bが酵素糖化装置2と反応管3aとを接続すると共に出口三方弁3cが反応管3aとエタノール発酵装置4とを接続し、かつ、硫酸供給弁3f、エタノール供給弁3j及び排出弁3mが閉状態に設定されることにより、反応管3aが固体酸触媒糖化装置3として機能する動作モードである。一方、固体酸触媒再生モードは、入口三方弁3b、出口三方弁3c、硫酸供給ポンプ3e、硫酸供給弁3f、エタノール供給ポンプ3i、エタノール供給弁3j、吸引ポンプ3k及び排出弁3mを適宜制御することにより、反応管3aが固体酸触媒再生装置3Aとして機能する動作モードである。
上記制御装置は、エタノール製造モードにおいて、上述したように入口三方弁3b、出口三方弁3c、硫酸供給弁3f、エタノール供給弁3j及び排出弁3mを自動制御する。この結果、反応管3aには、入口三方弁3bを介して多糖液が供給される。制御装置は、反応管3aに所定量の多糖液が溜まると、制御信号を入口三方弁3bに出力することにより入口三方弁3bを閉状態として反応管3aを密閉状態とすることにより、多糖液中の多糖類を90℃〜120℃の加熱温度下において反応管3a内に充填されたカーボン系固体酸触媒に反応させる。
そして、制御装置は、エタノール製造モードにおいて、上述したカーボン系固体酸触媒の反応処理(単糖化処理)を繰り返すことによってカーボン系固体酸触媒の継続使用が所定時間(例えば1000時間使用)を超えた場合には、カーボン系固体酸触媒の触媒機能が低下するので、動作モードをエタノール製造モードから固体酸触媒再生モードに切り替える。この結果、固体酸触媒再生装置3Aは、制御装置による制御に基づいて以下の使用済みカーボン系固体酸触媒の再生処理(スルホン化処理)を行う。
〔洗浄処理〕
まず、固体酸触媒再生装置3Aは、再生処理(スルホン化処理)の最初の処理として、使用済みカーボン系固体酸触媒の洗浄処理を行う。つまり、固体酸触媒再生装置3Aでは、入口三方弁3bが酵素糖化装置2と反応管3aとを接続すると共に出口三方弁3cが反応管3aとエタノール発酵装置4とを接続し、かつ、硫酸供給弁3f、エタノール供給弁3j及び排出弁3mが閉状態に設定される。この結果、反応管3aは、熱水処理装置1内で生成される熱水(蒸留水)が酵素糖化装置2を介して供給されると共に内部を流通し、該熱水を出口三方弁3c介して排出する。
固体酸触媒再生装置3Aは、この処理を所定時間(例えば1〜24時間)実行する。これにより、使用済みカーボン系固体酸触媒は、熱水あるいは水によって洗浄される。なお、熱水処理装置1及び酵素糖化装置2内は、バイオマスやバイオマスの分解物(多糖類等)が無い状態であるので、上記熱水には、バイオマスやバイオマスの分解物等の不純物は含まれていない。また、処理条件として、熱水の温度は100℃付近が好ましいが、100℃以下の温水や常温の水でも同様な効果が期待できる。また、熱水の供給量は5ml/minである。
〔脱水処理〕
次に、固体酸触媒再生装置3Aは、上記洗浄処理が完了すると、使用済みカーボン系固体酸触媒の脱水処理を行う。例えば、固体酸触媒再生装置3Aは、使用済みカーボン系固体酸触媒の吸引ろ過処理を行う。つまり、固体酸触媒再生装置3Aでは、入口三方弁3bが酵素糖化装置2と反応管3aとを遮断すると共に吸気口と反応管3aとを接続し、出口三方弁3cが反応管3aとエタノール発酵装置4とを遮断すると共に反応管3aと吸引ポンプ3kとを接続し、さらに吸引ポンプ3kが稼動する。また、硫酸供給弁3f、エタノール供給弁3j及び排出弁3mは閉状態に設定される。この結果、反応管3aは、吸気口を介して流入した空気が流通し、該空気を出口三方弁3cを介して排出する。これによって、使用済みカーボン系固体酸触媒に付着した水分は、乾燥して、流通する空気と共に反応管3aの外に排出される。
そして、固体酸触媒再生装置3Aは、上記吸引ろ過処理の後に、使用済みカーボン系固体酸触媒をエタノールに浸漬させて脱水する。つまり、固体酸触媒再生装置3Aでは、エタノール供給弁3jが開状態に設定されると共にエタノール供給ポンプ3iが稼動し、かつ、入口三方弁3b、出口三方弁3c、硫酸供給弁3f及び排出弁3mが閉状態に設定される。これによって、反応管3a内には、エタノール供給弁3jを介してエタノールが供給されると共に溜まる。
固体酸触媒再生装置3Aでは、反応管3aに所定量のエタノールが溜まると、エタノール供給弁3jが閉状態に設定されると共にエタノール供給ポンプ3iが停止する。この結果、反応管3a内の使用済みカーボン系固体酸触媒は、エタノールに浸漬した状態となって脱水される。固体酸触媒再生装置3Aでは、所定時間(例えば1〜24時間)使用済みカーボン系固体酸触媒をエタノールに浸漬すると、排出弁3mが開状態に設定されて反応管3a内のエタノールを排出する。なお、上述した流路を閉鎖してエタノールに浸漬させる方式(バッチ方式)ではなく、エタノールを所定時間流通させて置換させる方式であってもよい。これによって、脱水の程度は排出されるエタノール中の含水率から確認することが可能になる。また排出と浸漬を繰り返す方式(セミバッチ方式)であってもよい。
〔硫酸浸漬処理〕
次に、固体酸触媒再生装置3Aは、上記脱水処理が完了すると、使用済みカーボン系固体酸触媒の硫酸浸漬処理を行う。つまり、固体酸触媒再生装置3Aでは、硫酸供給弁3fが開状態に設定されると共に硫酸供給ポンプ3eが稼動し、かつ、入口三方弁3b、出口三方弁3c、エタノール供給弁3j及び排出弁3mが閉状態に設定される。これによって、反応管3a内には、硫酸供給管3gを介して硫酸が供給されると共に溜まる。
固体酸触媒再生装置3Aでは、反応管3aに所定量の硫酸が溜まると、硫酸供給弁3fが閉状態に設定されると共に硫酸供給ポンプ3eが停止する。この結果、反応管3a内の使用済みカーボン系固体酸触媒は、硫酸に浸漬した状態となってスルホン化される。固体酸触媒再生装置3Aでは、所定時間(例えば5時間)使用済みカーボン系固体酸触媒を硫酸に浸漬すると、排出弁3mが開状態に設定されて反応管3a内の硫酸を排出する。この硫酸浸漬処理の処理条件として、硫酸の濃度は92%以上(濃硫酸)が望ましく、発煙硫酸を用いることも可能である。
このような硫酸浸漬処理によって、使用済みカーボン系固体酸触媒のスルホ基を復活させることができる。また、使用済みカーボン系固体酸触媒を硫酸に浸漬する前に使用済みカーボン系固体酸触媒を脱水しているので使用済みカーボン系固体酸触媒に付着した水分によって硫酸が希釈されることを防ぐことができる。また、流路を閉鎖して硫酸に浸漬させる方式(バッチ方式)ではなく、硫酸を所定時間流通させてスルホン化させる方式、また排出と浸漬を繰り返す方式(セミバッチ方式)であってもよい。
〔第2の洗浄処理〕
次に、固体酸触媒再生装置3Aは、上記硫酸浸漬処理が完了すると、エタノールを用いてカーボン系固体酸触媒(触媒活性が復活したもの)の洗浄処理(第2の洗浄処理)を行う。つまり、固体酸触媒再生装置3Aでは、エタノール供給弁3jが開状態に設定されると共にエタノール供給ポンプ3iが稼動し、出口三方弁3cが反応管3aとエタノール発酵装置4とを接続し、かつ、入口三方弁3b、硫酸供給弁3f及び排出弁3mが閉状態に設定される。この結果、反応管3aは、エタノール供給弁3jを介してエタノールが供給されると共に内部を流通し、該エタノールを出口三方弁3cを介して排出する。固体酸触媒再生装置3Aは、上記処理を所定時間行う。この結果、反応管3a内のカーボン系固体酸触媒は、エタノールによって洗浄される。カーボン系固体酸触媒は、上記処理によって洗浄された後、室温かつ減圧状態(吸引ろ過)で乾燥される。なお、この第2の洗浄処理については場合によって省略することが可能である。
次に、固体酸触媒再生装置3Aの変形例である固体酸触媒再生装置3Bについて図3を参照して説明する。この固体酸触媒再生装置3Bは、硫酸タンク3d、硫酸供給ポンプ3e、硫酸供給弁3f及び硫酸供給管3gに代わり濃硫酸タンク3n、濃硫酸供給ポンプ3p、濃硫酸供給弁3q及び濃硫酸供給管3rを備えると共に三酸化硫黄ガスタンク3s、三酸化硫黄ガス供給弁3t及び三酸化硫黄ガス供給管3uを新たに備え、さらにエタノールタンク3h、エタノール供給ポンプ3i及びエタノール供給弁3jを削除した点において固体酸触媒再生装置3Aと相違する。
したがって、固体酸触媒再生装置3Bにおいて固体酸触媒再生装置3Aと同一の機能構成要素には同一符号を付し、説明を省略する。これら各構成要素のうち、反応管3a、入口三方弁3b、出口三方弁3c、排出弁3m、濃硫酸供給弁3q及び三酸化硫黄ガス供給弁3tは、固体酸触媒糖化装置3を構成している。また、反応管3a、入口三方弁3b、出口三方弁3c及び吸引ポンプ3kは、本実施形態における脱水手段を構成する。また、反応管3a、入口三方弁3b、出口三方弁3c、排出弁3m、濃硫酸タンク3n、濃硫酸供給ポンプ3p及び濃硫酸供給弁3q、濃硫酸供給管3r、三酸化硫黄ガスタンク3s、三酸化硫黄ガス供給弁3t及び三酸化硫黄ガス供給管3uは、本実施形態におけるスルホン化手段を構成する。
濃硫酸タンク3nは、濃硫酸を貯留する所定容量の容器であり、濃硫酸を濃硫酸供給ポンプ3pに供給する。濃硫酸供給ポンプ3pは、濃硫酸タンク3nから濃硫酸を汲み出して濃硫酸供給弁3qに供給するポンプである。濃硫酸供給弁3qは、濃硫酸供給ポンプ3pと濃硫酸供給管3rとを接続する配管に取り付けられた開閉弁であり、当該配管の流路(濃硫酸流路)を開閉する。濃硫酸供給管3rは、濃硫酸供給弁3qと反応管3aとを接続する配管であり、図示するように複数に分岐して反応管3aの周面に接続されている。このような濃硫酸供給管3rは、直管状容器である反応管3aの各所に分散して濃硫酸を供給し得るものである。
三酸化硫黄ガスタンク3sは、三酸化硫黄ガスを貯留する所定容量の容器であり、三酸化硫黄ガスを三酸化硫黄ガス供給弁3tに供給する。三酸化硫黄ガス供給弁3tは、三酸化硫黄ガスタンク3sと三酸化硫黄ガス供給管3uとを接続する配管に取り付けられた開閉弁であり、当該配管の流路(三酸化硫黄ガス流路)を開閉する。三酸化硫黄ガス供給管3uは、三酸化硫黄ガス供給弁3tと反応管3aとを接続する配管であり、図示するように複数に分岐して反応管3aの周面に接続されている。このような三酸化硫黄ガス供給弁3tは、直管状容器である反応管3aの各所に分散して三酸化硫黄ガスを供給し得るものである。
なお、図示していないが、入口三方弁3b、出口三方弁3c、吸引ポンプ3k及び排出弁3mに加えて濃硫酸供給ポンプ3p、濃硫酸供給弁3q及び三酸化硫黄ガス供給弁3tは、所定の制御装置によって統一的かつ自動的に制御される。
次に、このように構成された固体酸触媒再生装置3Bの使用済みカーボン系固体酸触媒の再生処理(スルホン化処理)について説明する。
〔洗浄処理〕
まず、固体酸触媒再生装置3Bは、再生処理(スルホン化処理)の最初の処理として、使用済みカーボン系固体酸触媒の洗浄処理を行う。つまり、固体酸触媒再生装置3Bでは、入口三方弁3b及び出口三方弁3cが固体酸触媒再生装置3Aと同様に制御され、かつ、濃硫酸供給弁3q、排出弁3m及び三酸化硫黄ガス供給弁3tが閉状態に設定される。これによって、反応管3a内には所定時間(例えば24時間)熱水(蒸留水)が流通して、反応管3a内の使用済みカーボン系固体酸触媒が洗浄される。なお、熱水の温度及び熱水の供給量の条件については、固体酸触媒再生装置3Aと同様である。
〔脱水処理〕
次に、固体酸触媒再生装置3Bは、上記洗浄処理が完了すると、使用済みカーボン系固体酸触媒の脱水処理を行う。つまり、固体酸触媒再生装置3Bでは、入口三方弁3b、出口三方弁3c及び吸引ポンプ3kが固体酸触媒再生装置3Aと同様に制御されると共に濃硫酸供給弁3q、排出弁3m及び三酸化硫黄ガス供給弁3tが閉状態に設定されることによって吸引ろ過処理を行う。
〔硫酸浸漬処理〕
次に、固体酸触媒再生装置3Bは、上記脱水処理が完了すると、使用済みカーボン系固体酸触媒の硫酸浸漬処理を行う。まず、ここで、固体酸触媒再生装置3Bは、濃硫酸浸漬処理を行う。つまり、固体酸触媒再生装置3Bでは、濃硫酸供給弁3qが開状態に設定されると共に濃硫酸供給ポンプ3pが稼動し、かつ、入口三方弁3b、出口三方弁3c、排出弁3m及び三酸化硫黄ガス供給弁3tが閉状態に設定される。これによって、反応管3a内には、濃硫酸供給管3rを介して濃硫酸供が供給されると共に溜まる。固体酸触媒再生装置3Bでは、反応管3aに所定量の濃硫酸供が溜まると、濃硫酸供給ポンプ3pが閉状態に設定されると共に濃硫酸供給ポンプ3pが停止する。この結果、反応管3a内の使用済みカーボン系固体酸触媒は、濃硫酸に浸漬した状態となって脱水される。
固体酸触媒再生装置3Bでは、所定時間(例えば24時間)使用済みカーボン系固体酸触媒を濃硫酸に浸漬すると、三酸化硫黄ガス供給弁3tが開状態に設定されて三酸化硫黄ガスタンク3sから三酸化硫黄ガス供給管3uを介して反応管3aに三酸化硫黄ガスを供給する。つまり、反応管3a内の濃流酸に三酸化硫黄ガスが供給されるので、濃流酸中の水と三酸化硫黄ガスとが反応して硫酸(HO+SO→HSO)が生成され、さらに三酸化硫黄ガスの供給を続けると発煙硫酸が生成される。すなわち、この固体酸触媒再生装置3Bでは、使用済みカーボン系固体酸触媒の周囲の濃流酸が高濃度化あるいは発煙硫酸化される。
そして、固体酸触媒再生装置3Bでは、反応管3aに所定量の三酸化硫黄ガスを供給すると、三酸化硫黄ガス供給弁3tが閉状態に設定される。この結果、反応管3a内の使用済みカーボン系固体酸触媒は、硫酸に浸漬した状態となってスルホン化される。固体酸触媒再生装置3Bでは、所定時間(例えば5時間)使用済みカーボン系固体酸触媒を硫酸に浸漬すると、排出弁3mが開状態に設定されて反応管3a内の硫酸を排出する。なお、硫酸の濃度の条件については92%以上が望ましい。このような硫酸浸漬処理によって、使用済みカーボン系固体酸触媒のスルホ基を復活させることができる。また、使用済みカーボン系固体酸触媒を硫酸に浸漬する前に使用済みカーボン系固体酸触媒を脱水しているので使用済みカーボン系固体酸触媒に付着した水分によって硫酸が希釈されることを防ぐことができる。
〔第2の洗浄処理〕
次に、固体酸触媒再生装置3Bは、上記硫酸浸漬処理が完了すると、水(蒸留水)を用いてカーボン系固体酸触媒(触媒活性が復活したもの)の洗浄処理(第2の洗浄処理)を行う。つまり、固体酸触媒再生装置3Bでは、入口三方弁3bが酵素糖化装置2と反応管3aとを接続すると共に出口三方弁3cが反応管3aとエタノール発酵装置4とを接続し、かつ、入口三方弁3b、硫酸供給弁3f及び排出弁3mが閉状態に設定される。この結果、反応管3aは、熱水処理装置1内水が酵素糖化装置2を介して供給されると共に内部を流通し、該水を出口三方弁3cを介して排出する。固体酸触媒再生装置3Bは、上記処理を所定時間行う。カーボン系固体酸触媒は、上記処理によって洗浄された後、80℃の温度下で乾燥される。
上記固体酸触媒再生装置3Aによる使用済みカーボン系固体酸触媒の再生処理に加えて、使用済みカーボン系固体酸触媒を硫酸に5時間浸漬する際に攪拌した再生結果は、図4(a)に示す結果となる。つまり、図4(a)には、使用済みカーボン系固体酸触媒(6g)を吸引ろ過後に、エタノールに浸漬させることにより脱水し、使用済みカーボン系固体酸触媒を硫酸(発煙硫酸20ml)に5時間浸漬すると共に攪拌し、その後エタノールによって洗浄して、室温及び減圧状態(吸引ろ過)で乾燥させた場合の使用済みカーボン系固体酸触媒の再生結果について示されている。再生結果としては、セルビオースの転化率及びグルコースの収率が示されている。図4(a)に示すように、使用済みカーボン系固体酸触媒の触媒機能は初期に近い状態まで再生する。
また、上記固体酸触媒再生装置3Bによる使用済みカーボン系固体酸触媒の再生処理に加えて、使用済みカーボン系固体酸触媒を硫酸に5時間浸漬する際に攪拌した再生結果は、図4(b)に示す結果となる。つまり、図4(b)には、使用済みカーボン系固体酸触媒(6g)を吸引ろ過後に、使用済みカーボン系固体酸触媒を濃流酸に浸漬することにより脱水し、その後、該濃流酸に三酸化硫黄ガスを供給することよって発煙硫酸を生成し、使用済みカーボン系固体酸触媒をこの発煙硫酸(発煙硫酸20ml)に5時間の間浸漬すると共に攪拌し、その後蒸留水によって洗浄して、80℃で乾燥させた場合の使用済みカーボン系固体酸触媒の再生結果について示されている。図4(b)に示すように、ここでも、使用済みカーボン系固体酸触媒の触媒機能は初期に近い状態まで再生する。
また、図5(a)、(b)は、上記条件以外の再生結果である。つまり、図5(a)には、使用済みカーボン系固体酸触媒を吸引ろ過後に、使用済みカーボン系固体酸触媒(6g)を発煙硫酸(発煙硫酸20ml)に5時間の間浸漬すると共に攪拌し、その後蒸留水によって洗浄し、80℃で乾燥させた場合の使用済みカーボン系固体酸触媒の再生結果について示されている。また、図5(b)には、使用済みカーボン系固体酸触媒を吸引ろ過後に、使用済みカーボン系固体酸触媒(6g)を発煙硫酸(発煙硫酸13ml)に5時間の間浸漬させると共に、その後蒸留水によって洗浄し、80℃で乾燥させた場合の使用済みカーボン系固体酸触媒の再生結果について示されている。
ここで、図5(a)、(b)の場合、脱水処理が吸引ろ過のみであり、図4(a)、(b)の場合のようにエタノールや濃硫酸に浸漬する処理を行っていないので、使用済みカーボン系固体酸触媒の表面にある程度の水分が付着している。この結果、発煙硫酸は、この水分によって多少希釈され、濃度が92%程度の濃硫酸になっている。この図5(a)、(b)に示すように、このような濃硫酸によっても、使用済みカーボン系固体酸触媒の触媒機能は十分に再生する。
このような本実施形態によれば、セルロースまたはヘミセルロースの可溶化物(多糖液)の加水分解に供された使用済みカーボン系固体酸触媒を発煙硫酸あるいは濃硫酸の雰囲気下に置く再生処理(スルホン化処理)を行うことにより、従来の加熱処理に必要なコストを低減できるので、使用済みカーボン系固体酸触媒の再生に要するエネルギーコストを従来よりも低減できる。
また、本実施形態によれば、反応管3a内において使用済みカーボン系固体酸触媒の再生処理を実行するので、反応管3a内から使用済みカーボン系固体酸触媒を別の容器に移し替える手間を省くことができる。また、本実施形態によれば、固体酸触媒再生装置3A、3Bに固体酸触媒糖化装置3が一体化されているので、固体酸触媒再生装置3A、3Bと固体酸触媒糖化装置3とが別々に設けられる場合に比べて、省スペース化を実現できる。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態に係るカーボン系固体酸触媒の再生装置3C(以下、固体酸触媒再生装置3Cと略記する。)について説明する。固体酸触媒再生装置3Cは、後述する固体酸触媒糖化装置13の触媒反応槽13c(第1実施形態における反応管3aに相当)内ではなく、別途設けられた再生反応槽31内において使用済みカーボン系固体酸触媒の再生を行う点において、第1実施形態に係る固体酸触媒再生装置3A、3Bと相違する。なお、固体酸触媒再生装置3C及び固体酸触媒糖化装置13以外のエタノール製造プラントAにおける機能構成要素、すなわち熱水処理装置1、酵素糖化装置2、エタノール発酵装置4及び蒸留装置5については、第1実施形態の説明の中のものと同一であるので、図6には図示せず、説明を省略する。
上記固体酸触媒糖化装置13は、図6に示すように、多糖液供給ポンプ13a、流量計13b、触媒反応槽13c、攪拌装置13d、酸化還元電位計13e、pH計13f、触媒分離槽13g、触媒返送装置13h、第2の酸化還元電位計13i、第2のpH計13j、触媒回収ポンプ13k、触媒回収槽13m、液返送ポンプ13n、フロートスイッチ13p、触媒排出弁13q、閉塞防止用ガスブロワ13r、開閉弁13s、13t、13uによって構成されている。このような固体酸触媒糖化装置13は、酵素糖化装置2から供給された多糖液中の多糖類を単糖化する装置であり、使用済みカーボン系固体酸触媒を固体酸触媒再生装置3Cに排出する。
多糖液供給ポンプ13aは、酵素糖化装置2から多糖液を汲み出して触媒反応槽13cに供給するポンプである。流量計13bは、上記多糖液供給ポンプ13aと触媒反応槽13cとを接続する配管の途中に設けられ、多糖液の供給流量を計測する流量計測器である。
触媒反応槽13cは、多糖液中の多糖類にカーボン系固体酸触媒を作用させて多糖類を単糖化処理するものである。この触媒反応槽13cは、図示するように所定容量の多糖液を収容する円筒状容器であり、中心軸が鉛直方向となる姿勢で設けられている。また、触媒反応槽13cの底部には、粒状のカーボン系固体酸触媒を取り込む触媒取込部c1が設けられ、また上部周縁には処理済み液を排出する排出口c2が設けられている。つまり、触媒反応槽13c内に貯留される液は、多糖液に粒状のカーボン系固体酸触媒が混合された混合液である。
攪拌装置13dは、触媒反応槽13cにおける混合液を攪拌する装置である。この攪拌装置13dは、図示するように、鉛直姿勢の回転軸に固定されると共に触媒反応槽13cの混合液に浸漬されたパドル(攪拌翼)を、モータによって所定速度で回転させることにより混合液を攪拌するものである。攪拌装置13dにおけるパドルは、円筒状の触媒反応槽13cにおける混合液を上下位置で偏ることなく均一に混合するために、図示するように回転軸に対して上下2段に設けられているが、上下高さが増加すれば3段以上の多段がよい。このような攪拌装置13dによる混合液の攪拌によって、触媒反応槽13c内においてカーボン系固体酸触媒を多糖液に対して均一に分散させることができる。
酸化還元電位計13eは、触媒反応槽13cにおける混合液の酸化還元電位を計測する計測器である。pH計13fは、触媒反応槽13cにおける混合液のpHを計測する計測器である。酸化還元電位は、周知のように、化学反応の種別によって、また化学反応の平衡状態(進行状態)によって異なる値を示すものである。また、カーボン系固体酸触媒の触媒としての活性状態は、混合液のpH(水素イオン指数)として現れる。
触媒反応槽13cにおける混合液内の多糖類が単糖化する反応について、当該反応が良好な状態と不調な状態とで酸化還元電位とpHとに差異が生じる。すなわち、酸化還元電位計13e及びpH計13fは、触媒反応槽13c内における多糖類から単糖類への分解反応、つまりカーボン系固体酸触媒を用いて混合液内の多糖類を単糖化する分解反応の状態を把握するためのものである。
なお、酸化還元電位は、周知のように反応系のpHに対して依存性があるので、pH計13fの計測値は、酸化還元電位計13eの計測値を正確に評価するためにも有効活用される。また、図示していないが、酸化還元電位計13eの計測値及びpH計13fの計測値に基づく上記分解反応の状態評価は、専用の評価用プログラムを搭載する制御装置(コンピュータ)によって自動的かつ客観的に行われる。
触媒分離槽13gは、触媒反応槽13cから受け取った処理済み液からカーボン系固体酸触媒を分離する沈殿槽である。この触媒分離槽13gは、図示するように所定容量の処理済み液を収容する円筒状容器であり、中心軸が鉛直方向となる姿勢で設けられている。また、触媒分離槽13gの上部中心には、図示するように処理済み液を受け入れる筒状部材g1が鉛直姿勢で設けられ、触媒分離槽13gの底部には、沈殿した粒状のカーボン系固体酸触媒を排出する触媒排出口g2が設けられ、また上部周縁には処理済み液からカーボン系固体酸触媒が分離された単糖液(単糖類を主成分として含む液体)をエタノール発酵装置4に排出する単糖液排出口g3が設けられている。
触媒返送装置13hは、図示するようにスクリューコンベヤであり、上記触媒排出口g2から排出されたカーボン系固体酸触媒を触媒取込部c1に供給する搬送装置である。第2の酸化還元電位計13iは、触媒分離槽13gにおける上澄み液つまり単糖液の酸化還元電位を計測する計測器である。第2のpH計13jは、触媒分離槽13gにおける上澄み液つまり単糖液のpHを計測する計測器である。このような第2の酸化還元電位計13i及び第2のpH計13jは、単糖液の性状及びカーボン系固体酸触媒の活性状態を評価するためのものである。なお、このような第2の酸化還元電位計13iの計測値及び第2のpH計13jの計測値に基づく単糖液の性状評価及びカーボン系固体酸触媒の活性状態評価は、図示しないが、専用の評価用プログラムを搭載する制御装置によって自動的かつ客観的におこなわれてもよい。
触媒回収ポンプ13kは、触媒反応槽13cから混合液の一部を汲み出して触媒回収槽13mに供給するポンプである。触媒回収槽13mは、上記触媒回収ポンプ13kから供給された混合液を一時的に貯留する容器であり、混合液からカーボン系固体酸触媒を分離して底部から排出する。液返送ポンプ13nは、混合液からカーボン系固体酸触媒を分離した液(多糖液がカーボン系固体酸触媒によってある程度処理されたもの)を触媒回収槽13mから汲み出して触媒反応槽13cに返送するポンプである。
フロートスイッチ13pは、触媒回収槽13mの喫水に応じて作動する機械式のスイッチであり、上記触媒回収ポンプ13kの作動をON/OFFするものである。すなわち、フロートスイッチ13pは、触媒回収槽13mの喫水が所定値以下になるとONして触媒回収ポンプ13kを作動させる。触媒排出弁13qは、触媒回収槽13mの底部に連通する配管に設けられた開閉弁であり、触媒回収槽13mから固体酸触媒再生装置3Cへのカーボン系固体酸触媒の排出をON/OFFする。
閉塞防止用ガスブロワ13rは、図示するように、上記触媒取込部c1、触媒返送装置13h及び触媒回収槽13mの底部に連通する配管に、カーボン系固体酸触媒による閉塞を防止するための圧縮空気を供給するポンプである。開閉弁13sは、閉塞防止用ガスブロワ13rと触媒取込部c1との間に設けられ、開閉弁13tは、閉塞防止用ガスブロワ13rと触媒返送装置13hとの間に設けられ、また開閉弁13uは、触媒回収槽13mの底部に連通する配管と閉塞防止用ガスブロワ13rとの間に設けられている。
一方、固体酸触媒再生装置3Cは、図6に示すように、再生反応槽31、硫酸タンク32、硫酸供給ポンプ33、硫酸供給弁34、硫酸排出弁35及び触媒返送ポンプ36から構成されている。このような固体酸触媒再生装置3Cは、固体酸触媒糖化装置13から排出された使用済みカーボン系固体酸触媒を再生処理する装置である。
再生反応槽31は、触媒回収槽13mから供給された使用済みカーボン系固体酸触媒を収容する所定容量の容器であり、上部(例えば上面)に配管を介して固体酸触媒糖化装置13の触媒排出弁13qが接続されると共に別の配管を介して硫酸供給弁34が接続され、下部(例えば底面)に配管を介して硫酸排出弁35が接続されると共に別の配管を介して触媒返送ポンプ36が接続されている。
硫酸タンク32は、硫酸を貯留する所定容量の容器であり、硫酸を硫酸供給ポンプ33に供給する。硫酸供給ポンプ33は、硫酸タンク32から硫酸を汲み出して硫酸供給弁34に供給するポンプである。硫酸供給弁34は、硫酸供給ポンプ33と再生反応槽31とを接続する配管に取り付けられた開閉弁であり、当該配管の流路(硫酸流路)を開閉する。
硫酸排出弁35は、再生反応槽31内の液体(硫酸)を外部に排出するための開閉弁である。触媒返送ポンプ36は、再生反応槽31内から使用済みカーボン系固体酸触媒を汲み出して固体酸触媒糖化装置13の触媒反応槽13cに返送するポンプである。なお、上記固体酸触媒糖化装置13及び固体酸触媒再生装置3C全体は、上述した制御装置によって統一的かつ自動的に制御される。
ここで、上述した再生反応槽31は、例えば図7のように構成されている。すなわち、再生反応槽31は、再生容器31a、三酸化硫黄ガスタンク31b、三酸化硫黄ガス供給弁31c、スクリューコンベア31d及び回収容器31eから構成されている。再生容器31aは、図示するように垂直断面が「レ字」形状つまり垂直壁部と垂直方向に対して一定角度で傾斜する傾斜壁部とを備えた容器であり、上述した触媒排出弁13qを介して使用済みカーボン系固体酸触媒を上方から受け入れて収容すると共に、硫酸供給弁34を介して硫酸を上方から受け入れて収容する。
三酸化硫黄ガスタンク31bは、三酸化硫黄ガスを貯留する所定容量の容器であり、三酸化硫黄ガスを三酸化硫黄ガス供給弁31cに供給する。三酸化硫黄ガス供給弁31cは、三酸化硫黄ガスタンク31bと再生容器31aとを接続する配管に取り付けられた制御弁であり、当該配管の流路(三酸化硫黄ガス流路)を開閉する。この三酸化硫黄ガス供給弁31cは、上述した制御装置によって開閉状態(開口率)が自動制御される。なお、このような三酸化硫黄ガスタンク31b及び三酸化硫黄ガス供給弁31cは必須の構成要素ではなく必要に応じて削除してもよい。
スクリューコンベア31dは、図示するように上記傾斜壁部に沿って設けられることにより再生容器31aの内部空間から外部空間にかけて延在する。すなわち、スクリューコンベア31dは、垂直方向に対して一定角度で傾斜した状態に設けられており、一端(下端の取入口)が再生容器31aの内部空間において硫酸に浸漬された使用済みカーボン系固体酸触媒に埋没する一方、他端(上端の吐出口)が再生容器31aの外部空間に達している。
このようなスクリューコンベア31dは、上記取入口からカーボン系固体酸触媒(触媒活性が復活したもの)を順次取り込んで吐出口から排出する。回収容器31eは、図示するように上部が開放された容器であり、上記スクリューコンベア31dの吐出口から落下したカーボン系固体酸触媒を収容する。回収容器31e内のカーボン系固体酸触媒は、触媒返送ポンプ36によって触媒反応槽13cに返送される。
次に、このように構成された固体酸触媒糖化装置13及び固体酸触媒再生装置3Cの動作について説明する。固体酸触媒糖化装置13及び固体酸触媒再生装置3Cは、上記制御装置によって制御される。
つまり、固体酸触媒糖化装置13では、制御装置による制御の下、多糖液が多糖液供給ポンプ13aによって触媒反応槽13cに所定の流量で順次連続的に供給される。そして、多糖液は、カーボン系固体酸触媒と混合された状態つまり混合液として触媒反応槽13c内に一定時間滞留し、この滞留の間にカーボン系固体酸触媒の触媒作用によって単糖化される。そして、当該単糖化後の処理済み液は、触媒反応槽13cの上部周縁に設けられた排出口c2から上澄み液として排出されて触媒分離槽13gの筒状部材g1内に供給される。
このような触媒反応槽13c内における多糖類の単糖類への分解反応の進行状態は、酸化還元電位計13e及びpH計13fによってモニタされる。すなわち、酸化還元電位計13eの計測結果である酸化還元電位値は、上記分解反応の進行状態を示すものであり、またpH計13fの計測結果であるpH値は、上記分解反応に応じた水素イオン濃度を示すものである。
例えば、多糖液に含まれる多糖類がセロオリゴ糖を主成分とする場合、触媒反応槽13c内ではカーボン系固体酸触媒の触媒作用によってセロオリゴ糖がグルコースに分解されるが、この分解反応が正常に進行している場合の酸化還元電位値は、−1100(mV vs. SHE)より小さな値となる。また、触媒反応槽13c内の混合液が4.0より小さいpH値を示している場合、カーボン系固体酸触媒は酸として十分な触媒作用を示している。
したがって、酸化還元電位計13eが出力する計測値が−1100(mV vs. SHE)より小さな値であり、かつ、pH計13fが出力する計測値が4.0より小さい値を示しているとき、触媒反応槽13c内では順調に分解反応が進行していると評価することができる。これに対して、酸化還元電位計13eが出力する計測値が−1100(mV vs. SHE)以上、かつ、pH計13fが出力する計測値が4.0以上のとき、触媒反応槽13c内における分解反応が何らかの原因で不調な状態にあると判断することができる。
また、固体酸触媒糖化装置13では、上述した様に処理済み液が触媒反応槽13cから触媒分離槽13gの筒状部材g1内に順次連続的に供給される。触媒分離槽13gでは、処理済み液から固体酸触媒が分離された液、つまり上澄み液が単糖類を主成分として含む単糖液として単糖液排出口g3からエタノール発酵装置4に排出される一方、触媒分離槽13gで回収されたカーボン系固体酸触媒は、触媒返送装置13hによって触媒排出口g2から触媒反応槽13cに順次返送される、このような触媒反応槽13cと触媒分離槽13gとの間におけるカーボン系固体酸触媒の循環によって、触媒反応槽13cにおけるカーボン系固体酸触媒の濃度はほぼ一定に維持される。
ここで、固体酸触媒糖化装置13の運転を継続すると、カーボン系固体酸触媒の活性は徐々に低下する。触媒分離槽13gにおける上澄み液つまり単糖液の酸化還元電位を第2の酸化還元電位計13iによって計測し、また第2のpH計13jによって単糖液のpHを計測するので、単糖液の性状及びカーボン系固体酸触媒の活性状態を的確に評価することができる。
例えば、多糖液に含まれる多糖類がセロオリゴ糖を主成分とする場合には、単糖液はグルコースを主に含むものとなるが、このような単糖液の性状が良好であると言える酸化還元電位値は、−900(mV vs. SHE)より小さな範囲である。また、単糖液が5.0より小さいpH値を示している場合、カーボン系固体酸触媒は、酸として十分な活性状態にあると言える。
第2のpH計13jが出力する計測値に基づいてカーボン系固体酸触媒の活性がある程度まで低下したことが確認されると、触媒回収ポンプ13kが起動して触媒反応槽13c内のカーボン系固体酸触媒の触媒回収槽13mへの回収を開始する。触媒回収ポンプ13kは、このようにして起動すると、フロートスイッチ13pによる制御に基づいて混合液を触媒反応槽13cから回収する。ここで、カーボン系固体酸触媒の触媒回収槽13mへの回収によって触媒反応槽13cにおけるカーボン系固体酸触媒の濃度が低下するので、これを補うようにカーボン系固体酸触媒が、固体酸触媒再生装置3Cから触媒反応槽13cに供給される。
そして、触媒反応槽13cから触媒回収槽13mに回収された混合液は、カーボン系固体酸触媒が分離され、当該カーボン系固体酸触媒は触媒排出弁13qを介して固体酸触媒再生装置3Cの再生反応槽31に使用済みカーボン系固体酸触媒として排出される一方、当該使用済みカーボン系固体酸触媒が分離された液は、触媒返送ポンプ36によって触媒反応槽13cに戻される。また、触媒取込部c1、触媒返送装置13h及び触媒回収槽13mの底部に連通する配管は、粒状の使用済みカーボン系固体酸触媒が通過するので閉塞が発生する可能性があるが、閉塞防止用ガスブロワ13rから圧縮空気が供給されるので、上記閉塞を効果的に防止することができる。
続いて、固体酸触媒再生装置3Cは、制御装置による制御に基づいて再生反応槽31内に固体酸触媒糖化装置13から供給されて収容される使用済みカーボン系固体酸触媒に対して以下の再生処理(スルホン化処理)を行う。
〔硫酸浸漬処理〕
固体酸触媒再生装置3Cは、再生処理(スルホン化処理)として硫酸浸漬処理を行う。つまり、固体酸触媒再生装置3Cでは、硫酸供給弁34が開状態に設定されると共に硫酸供給ポンプ33が稼動し、かつ、硫酸排出弁35が開状態に設定される。これによって、再生反応槽31内には、硫酸供給弁34から硫酸が供給されると共に硫酸排出弁35から排出される。
つまり、固体酸触媒再生装置3Cでは、再生反応槽31内に硫酸を流通させつつ、使用済みカーボン系固体酸触媒を浸漬させる。この結果、再生反応槽31内の使用済みカーボン系固体酸触媒は、硫酸に浸漬した状態となってスルホン化される。固体酸触媒再生装置3Cでは、所定時間(例えば5時間)使用済みカーボン系固体酸触媒を硫酸に浸漬すると、硫酸供給弁3fが閉状態に設定されると共に硫酸供給ポンプ3eが停止されて再生反応槽31内への硫酸の供給が停止する。
この硫酸浸漬処理の処理条件として、硫酸の濃度は例えば92%以上である。また、固体酸触媒再生装置3Cでは、硫酸を流通させてスルホン化させる方法以外にも、硫酸供給弁34、硫酸供給ポンプ33及び硫酸排出弁35の制御を変えることによって、再生反応槽31内における硫酸の貯留と排出を繰り返すセミバッチ方式を用いて使用済みカーボン系固体酸触媒をスルホン化させてもよい。
このような硫酸浸漬処理によって、使用済みカーボン系固体酸触媒のスルホ基を復活させることができる。また、硫酸を流通するので、使用済みカーボン系固体酸触媒に付着した水分によって硫酸が希釈されることを防いで、硫酸の濃度を維持できる。なお、本実施形態では、使用済みカーボン系固体酸触媒の洗浄を行っていないが、使用済みカーボン系固体酸触媒に付着した不純物が硫酸により分解されて除去されるので問題にならず、また脱水も行っていないが、硫酸の流通またはセミバッチ処理により硫酸の濃度が確保でき、また硫酸と水の接触による発熱についても再生反応槽31を予め耐熱性を考慮して製造すれば問題ない。
このような本実施形態によれば、硫酸の流通またはセミバッチ処理によってセルロースあるいはヘミセルロースの可溶化物(多糖液)の加水分解に供された使用済みカーボン系固体酸触媒を硫酸の雰囲気下に置く再生処理(スルホン化処理)を行うことにより、従来の加熱処理に必要なコストを低減できるので、使用済みカーボン系固体酸触媒の再生に要するエネルギーコストを従来よりも低減できる。
また、図7に示した再生反応槽31では、使用済みカーボン系固体酸触媒が再生容器31aにおいて硫酸に浸漬されることによって使用済みカーボン系固体酸触媒の触媒活性が回復する。この回復はスルホ基が硫酸から使用済みカーボン系固体酸触媒に供給されることによって行われるので、回復過程において硫酸の濃度は低下する。しかしながら、三酸化硫黄ガスタンク31bから再生容器31aに三酸化硫黄ガスが供給されるので、再生容器31a内におけるスルホ基の量は一定に維持される。したがって、本実施形態によれば、再生容器31a内における硫酸の再生能力が低下しないので、効果的に使用済みカーボン系固体酸触媒を再生処理することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような変形例が考えられる。
(1)上記第1、第2実施形態では、反応管3aまたは再生反応槽31内において使用済みカーボン系固体酸触媒を硫酸に浸漬しただけであるが、硫酸内と使用済みカーボン系固体酸触媒とを攪拌して反応をより活性化させてもよい。例えば、反応管3aまたは再生反応槽31内に攪拌装置を設け、この攪拌装置によって固体酸触媒と硫酸とを攪拌するようにしてもよい。
(2)上記第1実施形態では、脱水処理として吸引ろ過処理に加えてエタノールや濃硫酸を用いた脱水も行っているが、ろ過処理やエタノールあるいは濃硫酸用いた脱水を単独で行うようにしてもよい。また、吸引ろ過や、硫酸またはエタノールを用いた脱水以外にも加熱によって蒸発する方法があり、これらの方法を適宜組み合わせて用いるようにしてもよい。
(3)上記第1、第2実施形態では、エタノール、濃硫酸または硫酸に使用済みカーボン系固体酸触媒を浸漬させるが、浸漬以外にもシャワー管などによってこれら液体をシャワー状に使用済みカーボン系固体酸触媒に向けて噴射するようにして使用済みカーボン系固体酸触媒をこれら液体の雰囲気下に置くようにしてもよい。つまり、使用済みカーボン系固体酸触媒がこれら液体の雰囲気下に置くことができれば、その方法はどのような方法であってもよい。
(4)上記第1、第2実施形態では、木質系バイオマスを原料とし用いているが、草本系バイオマスを用いてもよいし、またバイオマス以外のものを原料として用いてもよい。
(5)上記第1実施形態に係る固体酸触媒再生装置3A、3Bに一体化した固体酸触媒糖化装置3は、固定状態に収納されたカーボン系固体酸触媒に多糖液を通過させて多糖液中の多糖類を加水分解する固定床型の装置であるが、攪拌装置を用いて粉末状のカーボン系固体酸触媒と水溶性オリゴ糖とを撹拌混合させて反応させる攪拌型の装置であってもよい。また、逆に、上記第2実施形態に係る固体酸触媒再生装置3Cに分離して設けられた固体酸触媒糖化装置13は、攪拌型の装置であるが、固定床型の装置であってもよい。
(6)上記第1実施形態における第2の洗浄処理においてエタノールまたは水を洗浄液として使用しているが、洗浄液については適宜選択すればよい。また、洗浄処理についても、洗浄液を熱水として用いているが、熱水以外にも常温の水であってもよいし、またエタノールを用いるようにしてもよい。
(7)上記第1実施形態に係る固体酸触媒再生装置3A、3Bと固体酸触媒糖化装置3とが一体化されているが、本発明はこれに限定されない。固体酸触媒再生装置3A、3Bと固体酸触媒糖化装置3とが一体化されることによって、反応管3a内に硫酸が供給されることになるが、硫酸による反応管3aの腐食に対する対策コスト等が原因で、固体酸触媒再生装置3A、3Bと固体酸触媒糖化装置3とを一体化した場合の方が、固体酸触媒再生装置3A、3Bと固体酸触媒糖化装置3とを別々に設けた場合よりもコスト高になる場合には、第2実施形態のように固体酸触媒再生装置3A、3Bと固体酸触媒糖化装置3とを分離して設けるようにしてもよい。また、逆に、第2実施形態に係る固体酸触媒再生装置3Cと固体酸触媒糖化装置13とを一体化させてもよい。
(8)上記第1実施形態では、洗浄処理、脱水処理、硫酸浸漬処理及び第2の洗浄処理を行っているが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1実施形態が、第2実施形態と同様に煙硫酸浸漬処理のみを行うようにしてもよいし、また硫酸浸漬処理に組み合わせて洗浄処理、脱水処理、及び第2の洗浄処理を適宜用いればよい。一方、上記第2実施形態では、硫酸浸漬処理のみを行っているが、新たな構成を追加して第1実施形態と同様に洗浄処理、脱水処理、硫酸浸漬処理及び第2の洗浄処理を行うようにしてもよいし、また硫酸浸漬処理に組み合わせて洗浄処理、脱水処理、及び第2の洗浄処理を適宜用いればよい。
(9)上記第1実施形態では、図2や図3に示したように固体酸触媒糖化装置3及び固体酸触媒再生装置3Aに1本の反応管3aを用いたが、本発明はこれに限定されない。固体酸触媒糖化装置3及び固体酸触媒再生装置3Aを構成する反応管として、図8に示すように直列接続あるいは並列接続された複数(3本)のユニット管3a1〜3a3を採用してもよい。このように、複数のユニット管3a1〜3a3を反応管として採用することにより、ユニット管3a1〜3a3を外部に取り出して使用済みカーボン系固体酸触媒の再生処理を行う場合に、ユニット管3a1〜3a3の取り外しや交換が容易である。
(10)また、上記図8に示すように、3本のユニット管3a1〜3a3の入口側と出口側とを出口側開閉弁3v、循環ポンプ3w、三酸化硫黄ガス添加装置3x及び入口側開閉弁3yを介して接続することにより、使用済みカーボン系固体酸触媒の再生用に各ユニット管3a1〜3a3内に充填された硫酸を上記入口側と出口側との間で循環させてもよい。
本実施形態におけるエタノール製造プラントAはセルロースまたはヘミセルロースの可溶化物(多糖液)の加水分解に供された使用済みカーボン系固体酸触媒を再生対象とするので、使用済みカーボン系固体酸触媒の表面における付着物が極めて少ない。したがって、使用済みカーボン系固体酸触媒の再生に使用された硫酸は、使用済みカーボン系固体酸触媒に由来する不純物を殆ど含んでいないので、そのまま使用済みカーボン系固体酸触媒の再生に再利用できる。これに対して、セルロースまたはヘミセルロースを可溶化せず固体のままカーボン系固体酸触媒で処理した場合の使用済みカーボン系固体酸触媒は、表面に固形の不純物が多く付着するので再利用することが困難であり、再利用するためには不純物除去の処理を施す必要があるのでコスト的に不利であり、結局のところ廃液とせざるを得ない。
図8の構成では、使用済みカーボン系固体酸触媒の再生に供された硫酸が不純物を殆ど含んでいないことに着目して、循環ポンプ3wによって3本のユニット管3a1〜3a3の出口側から出口側開閉弁3vを介して硫酸を抜き取り、当該硫酸に三酸化硫黄ガス添加装置3xによって三酸化硫黄ガスを添加し、入口側開閉弁3yを介して3本のユニット管3a1〜3a3の入口側に戻す。すなわち、上述したように使用済みカーボン系固体酸触媒の再生によって失われるスルホ基の補充を行いつつ、硫酸を3本のユニット管3a1〜3a3の入口側から出口側に対流させることによって使用済みカーボン系固体酸触媒との反応性を向上させることが可能である。
(11)また、固体酸触媒糖化装置3の反応管3aでは、出口側近傍のカーボン系固体酸触媒よりも入口側近傍のカーボン系固体酸触媒の方が劣化し易い。すなわち、固体酸触媒糖化装置3では、反応管3aが管状形状であり、また一端から他端に多糖液を流通させるので、反応管3a内の位置によってカーボン系固体酸触媒の劣化状態が異なる。このようなカーボン系固体酸触媒の劣化傾向に対して、図8(a)に示す3本のユニット管3a1〜3a3を直列接続する構成は、使用済みカーボン系固体酸触媒の効率的な再生処理を提供することができる。
すなわち、直列接続された3本のユニット管3a1〜3a3のうち、劣化が最も著しい第1のユニット管3a1の使用済みカーボン系固体酸触媒を優先して選択的に再生処理するために、図9に示すように第1のユニット管3a1の出口側に中間三方弁3zを設ける構成が考えられる。このような中間三方弁3zによって第1のユニット管3a1の出口側と循環ポンプ3wの吸引側とを接続することにより、第1のユニット管3a1に充填された硫酸を第1のユニット管3a1の出口側から入口側に循環させることにより第1のユニット管3a1内の使用済みカーボン系固体酸触媒のみを選択的に再生処理することができる。
一方、中間三方弁3zによって第1のユニット管3a1の出口側と第2のユニット管3a2の入口側とを接続することにより、3本のユニット管3a1〜3a3内の使用済みカーボン系固体酸触媒を再生処理することができる。したがって、図9に示す構成によれば、多糖液の処理に必要なカーボン系固体酸触媒の全量のうち劣化の著しい一部を効率的に再生処理することができる。
(12)上記各実施形態では、熱水処理装置1及び酵素糖化装置2によってセルロースまたはヘミセルロースが可溶化した可溶化物(多糖液)の分解処理に供された使用済みカーボン系固体酸触媒を再生処理の対象としたが、本発明はこれに限定されない。セルロースまたはヘミセルロースの可溶化処理のプロセスとしては、熱水処理装置1と酵素糖化装置2との組み合わせ以外に、単独の熱水処理処理、単独の酵素処理、単独の酸処理、単独のアルカリ処理、単独の生物学的処理等の様々な処理が公知である。したがって、これら公知の可溶化処理を単独で用いるものあるいは当該公知の可溶化処理を複数組み合わせたものによってセルロースまたはヘミセルロースの可溶化物の分解処理に供された使用済みカーボン系固体酸触媒についても、本願発明は適用可能である。
(13)上記各実施形態では、濃硫酸または発煙硫酸を用いて使用済みカーボン系固体酸触媒を再生処理することについて説明したが、本発明はこれに限定されない。濃硫酸または発煙硫酸に代えて濃硫酸(一般的に90%以上の濃度)程に濃度が高くない硫酸(ただし希硫酸を除く)を使用して使用済みカーボン系固体酸触媒を再生処理することも考えられる。
A…エタノール製造プラント、1…熱水処理装置、2…酵素糖化装置、3…固体酸触媒糖化装置、3A、3B、3C…固体酸触媒再生装置、4…エタノール発酵装置、5…蒸留装置、3a…反応管、3b…入口三方弁、3c…出口三方弁、3d…硫酸タンク、3e…硫酸供給ポンプ、3f…硫酸供給弁、3g…硫酸供給管、3h…エタノールタンク、3i…エタノール供給ポンプ、3j…エタノール供給弁、3k…吸引ポンプ、3m…排出弁、3n…濃硫酸タンク、3p…濃硫酸供給ポンプ、3q…濃硫酸供給弁、3r…濃硫酸供給管、3s…三酸化硫黄ガスタンク、3t…三酸化硫黄ガス供給弁、3u…三酸化硫黄ガス供給管、3a1〜3a3…ユニット管、3v…出口側開閉弁、3w…循環ポンプ、3x…三酸化硫黄ガス添加装置、3y…入口側開閉弁、3z…中間三方弁、13…固体酸触媒糖化装置、13a…多糖液供給ポンプ、13b…流量計、13c…触媒反応槽、13d…攪拌装置、13e…酸化還元電位計、13f…pH計、13g…触媒分離槽、13h…触媒返送装置、13i…第2の酸化還元電位計、13j…第2のpH計、13k…触媒回収ポンプ、13m…触媒回収槽、13n…液返送ポンプ、13p…フロートスイッチ、13q…触媒排出弁、13r…閉塞防止用ガスブロワ、13s、13t、13u…開閉弁、c1…触媒取込部、c2…排出口、g1…筒状部材、g2…触媒排出口、g3…単糖液排出口、31…再生反応槽、31a…再生容器、31b…三酸化硫黄ガスタンク、31c…三酸化硫黄ガス供給弁、31d…スクリューコンベア、31e…回収容器、3z…中間三方弁、32…硫酸タンク、33…硫酸供給ポンプ、34…硫酸供給弁、35…硫酸排出弁、36…触媒返送ポンプ

Claims (7)

  1. 可溶化物の処理に供された使用済みカーボン系固体酸触媒を硫酸の雰囲気下に置くスルホン化工程を有することを特徴とするカーボン系固体酸触媒の再生方法。
  2. 前記スルホン化工程は、
    前記脱水工程後の使用済みカーボン系固体酸触媒を濃硫酸に浸漬させる濃硫酸浸漬工程と、
    該濃硫酸浸漬工程後の使用済みカーボン系固体酸触媒に三酸化硫黄ガスを供給して残留濃硫酸を高濃度化あるいは発煙硫酸化する三酸化硫黄ガス供給工程と
    を含むことを特徴とする請求項1記載のカーボン系固体酸触媒の再生方法。
  3. 使用済みカーボン系固体酸触媒を硫酸の雰囲気下に置く前に該使用済みカーボン系固体酸触媒に脱水処理を施すことで前記硫酸の濃度を維持することを特徴とする請求項1または2記載のカーボン系固体酸触媒の再生方法。
  4. 前記スルホン化工程は、前記脱水処理の前に使用済みカーボン系固体酸触媒を洗浄する洗浄処理を備えることを特徴とする請求項3に記載のカーボン系固体酸触媒の再生方法。
  5. 可溶化物の処理に供された使用済みカーボン系固体酸触媒を硫酸の雰囲気下に置くスルホン化手段を備えることを特徴とするカーボン系固体酸触媒の再生装置。
  6. 前記スルホン化手段は、
    前記脱水処理後の使用済みカーボン系固体酸触媒を濃硫酸に浸漬させる濃硫酸浸漬手段と、
    該濃硫酸浸漬手段後の使用済みカーボン系固体酸触媒に三酸化硫黄ガスを供給して残留濃硫酸を高濃度化あるいは発煙硫酸化する三酸化硫黄ガス供給手段と
    を含むことを特徴とする請求項5記載のカーボン系固体酸触媒の再生装置。
  7. 使用済みカーボン系固体酸触媒を硫酸の雰囲気下に置く前に該使用済みカーボン系固体酸触媒に脱水処理を施すことで前記硫酸の濃度を維持することを特徴とする請求項5または6記載のカーボン系固体酸触媒の再生装置。
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