JP2013545124A - 高充填比電子ビームステアリング - Google Patents
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Abstract
本明細書では、電子ビームステアリングに基づく絞り内での高速スキャン光位相アレイ(OPA)の使用について記載される。
【選択図】図1
【選択図】図1
Description
[0001]本明細書中に記載されるシステムおよび技術は、一般に光位相アレイに関し、特に光位相アレイのビームをステアリングすることに関する。
[0002]当該技術分野において知られるように、空間的に位相同期された光エネルギおよび画像を送信し、受信し、急速にステアリングできる光学系を提供することが望ましく、そのような光学系は、それぞれが透過型でなければならない複数の個々の絞りを備える複合絞り(すなわち、複合絞りは絞りのアレイである)を有する。
[0003]位相歪みの適応補正が各絞りに直接に組み込まれる小型位相固定絞りのアレイを含む1つのそのような光学系は、適応光通信位相固定素子(APPLE)と称される。APPLEシステムでは、従来の高分解能適応光学素子(AO)システムが、並行して動作する低分解能「局部」AOサブシステム(分散型AO)に取って代えられる。
[0004]したがって、APPLEシステムは、空間的に位相同期された光エネルギおよび画像を送信して急速にステアリングできる絞りのアレイを含み、その場合、各絞りは透過型でなければならない。
[0005]幾つかの用途においては、APPLEシステムなどのシステムが約3−5°/秒で連続的に回転できる能力を有することが望ましい(なお、用語「スキャン」は、用語「回転(slew)」よりも慣用的であると考えられ得る)。約2msの切り換え時間を伴う既存の現在の光位相アレイ(OPA)は、たった0.5−1°/秒でスキャンできる(1−2dBの回転損失を伴う)。更に速い回転は更に高い回転損失をもたらし、これは幾つかの用途では許容できない。
[0006]OPAと機械的なステアリングとの組み合わせが、OPAの精度および敏捷性と機械的なステアリングの速度の大部分とを維持しつつ、OPAのみを用いて利用できる回転速度(slew rate)を超える回転速度を増大し得ることが分かってきた。
[0007]しかし、高いスループットをもって約3−5°/秒の範囲またはそれ以上の速度で連続的に回転できる光位相アレイを提供することが望ましい。
McManamon et al.,「Optical Phased Array Technology」(1996)
McManamon et al.,「Review of Phased Array Steering for Narrow−band Electrooptical Systems」in IEEE|Vol.97,No.6,June 2009
[0008]機械的な(リズリー)回転機構または高速光位相アレイ(OPA)を使用して場合により約3−5°/秒の範囲を上回る回転速度を満たすことができることが分かってきた。そのような回転速度は、APPLEシステムなどのシステムにおいて望ましい。
[0009]したがって、本明細書中には、例えば適応光通信位相固定素子(APPLE)システムなどのシステムで用いるのに適する電子ビームステアリングに基づく絞り内での高速スキャン光位相アレイ(OPA)の使用について記載される。1つの実施形態では、粗いOPAおよびAOを光学トレインのコリメータ内に配置することにより、FS OPAが提供される。
[0010]また、偏光格子の積層体についても記載され、各偏光格子は、APPLE型システムで使用されてもよい液晶波長板により制御される。
[0011]また、高速OPAを提供するための1つの実現可能な道筋は、約200マイクロ秒の全波切り換え時間が測定される二重周波数液晶(DFLC)の導入であることも分かってきた。そのような切り換え時間を伴うOPAは、約5−10°/秒の回転をサポートする。しかし、それらの速度のDFLC切り換えは、200V駆動信号の印加によって得られる。また、そのような電圧レベルは高密度集積回路と適合しないと考えられ、したがって、200V駆動信号の使用は、現在、一般に数千の電極を扱わなければならないOPAにおいて実用的でないと考えられる。更に低い駆動電圧を伴うDFLCを開発することは実現可能と考えられるが、そのようなDFCLは未だ使用可能な形態で存在しない。
[0012]DFLC適応光学素子(AO)を形成することが実用的であることも分かってきた。AOは、一般に、OPAが有するよりもかなり少ない電極を有するとともに、電圧制限されるアドレス指定特定用途向け集積回路(ASIC)を使用する必要がなく、そのため、より高い電圧を用いて駆動され得る。例えば、APPLE AOの1つの実施形態は、OPAにおける数千個と比べて、127個のピクセル(電極)しか有さない。APPLEシステムで使用されるある1つのAO構造は、別個のリードアウト導体に対する127個のAOピクセルのそれぞれの直接的な接続の一例を与える。そのような構造をおそらく200V程度の信号を用いて駆動させることは、実用的であると思われ、また、現在利用できるDFLC材料を使用して、非常に速いDFLC AOへの短期的な道筋を示す。
[0013]そのようなDFLC AOの考えられる実用性は、同様に少ない電極数を伴うOPAも実用的であることを意味する。そのようなOPAは、非常に限られたステアリングレンジを有する。しかし、サッカード動作は、角度範囲が小さいが高速であるOPAを使用して、比較的高速の回転を伴うAPPLEシステムなどの光学システムをもたらすための手段を与えることが分かってきた。
[0014]OPAと機械的なステアリングとの組み合わせを使用するという概念が解析されてモデリングされた。次に、そのようなハイブリッド回転システムがどのように機能するのかについて説明する。
[0015]1つの既存のAPPLEシステムは、ビーム拡大コリメータの焦点面内でのファイバ供給を使用する。この場合、圧電(PZT)アクチュエータがファイバチップの(±100μm程度の)小さな横方向動作量を与える。この動作は、平行出力ビームの(コリメータの有効焦点距離に応じて±50μラジアン程度の)小さな角度動作へと変換される。この機能は、既存のAPPLEシステムにおける適応光学素子の急速チップ/傾き補正を行う。小さい角度のみにわたっているにもかかわらず、出力ビームの回転を与えるために同じPZTアクチュエータも使用できることが分かった。しかし、PZTアクチュエータがそのレンジの端に達して、PZTアクチュエータをそのダイナミックレンジの反対側の端へリセットすることができると、第2の「従来の」OPAがPZTリセットを補償するために同時に再びステアリングされて、回転が続けられ、それにより、APPLE動眼視野(FoR)の全体にわたる角度的に連続した(しかし、時間的に変調された)回転がもたらされる。この動作方式を用いると、OPAは、漸進的なスポット動作ごとに1回以上更新されるのではなく、PZTアクチュエータがその全体のダイナミックレンジにわたってスキャンされるたびに1回更新されるだけで済み、これにより、OPAがそれら自体で与えることができるよりも高い正味回転速度が得られる。この動作モードは「サッカード」動作と称される。
[0016]APPLEシステムの1つの実施形態において、そのPTZファイバアクチュエータは、約±2スポット動作のみを与え、1.5kHzの帯域幅でのみそのようにする。角度動作または速度のいずれかを増大させることができる見込みは、高出力アレイ構造に関してはありそうもないと考えられるが、両方の増大は、サッカード動作からの利益を享受して所望の回転速度得るために必要とされる。
[0017]しかし、この機能を果たすために小角度高速ステアリングOPA(FSOPA)が開発され得ることが分かってきた。FSOPAが可能な限り大きいステアリングレンジを有することが望ましい。これは、それにより、通常の(遅い)OPAリセットの頻度が減少し、したがって、より高い正味回転速度が得られるからである。しかし、FoRが大きくなればなるほど、更に多くのOPA電極が必要とされ、また、所定のパッケージサイズ(例えば、APPLEt直径と適合するサイズ)においてどのくらいの数の電極を高電圧で駆動できるのかについては(今までのところ未知の)限界もあるが、少なくとも100個程度の電極総数が許容できなければならないと考えられる。
[0018]1つの実施形態(例えば、位相2APPLEt)において、OPAおよびAOは、ビームが出力ビーム直径の約半分であるコリメータ内に位置される(すなわち、デバイスは約13mmの有効口径を有さなければならない)。したがって、1つのFSOPA実施形態では、100個の電極を必要とする、約97%のステアリング効率(位相ランプごとに約10個の位相ステップを意味する)を伴う±10スポットの角度動作が考慮される。このことは、電極が130ミクロンピッチを有することを意味し、また、デバイスは20スポット動眼視野(FoR)を有する。
[0019]これは、従来のPZTアクチュエータにおける約5スポットFoRに匹敵する。
[0020]約4kHzの更新レートで連続的な相変化をサポートするDFLCデバイスのための制御方式が明らかにされてきた。また、ほぼ10kHzまでの伸びが実現可能に見える。このモードにおいて、デバイスは、更新周期の開始時の1つの相状態から、周期の終わりの第2の相状態へと直線的に移動する。1つのスキャン損失モデルがこのケースにほぼ当てはまり、その場合、更新周期の有効時定数(例えば、4kHzで250μs)を1.8で除した値である。このスキャン損失モデルは、応答時定数、ここでは140μsごとに波長/絞り直径の0.25倍のスキャンレートでスキャン損失が1dBであることを示す。したがって、1dB損失における物体空間での回転速度は毎秒0.076ラジアン(4.4°)である。この損失は、回転速度に直線的に対応する。4.4°/sでは、20スポット(840マイクロラジアン)サッカード周期が11msとなる。従来のOPAがリセットするブロッキング時間は約2msであり、そのため、この間隔にわたって平均化される更なる損失も約1dBである。ポイント設計が適切に問題に取り組むと思われる。システムシミュレーションは、更に幾分最適なFSOPA構造もたらすと期待される。
[0021]なお、サッカード動作は、多くの方法でシステム性能に影響を与える。以下では、そのうちの2つについて論じる。
[0022]FSOPAが20スポットFoRのエッジに達すると、FSOPAがリセットし、「標準的な」大角度OPAは、20スポットの角度変化を補償するように更新される。カルマン推定器は、更新が行われるときにビームを標的に戻すことができるように標的がリセット中にどこへ移動すべきだったかを予測するために使用することができる。リセット時間が短くなればなるほど、標的が予期されるカルマン不確実性を越えてコースを変えなかったという仮定が更に良好になる。現在の2msのリセット時間の場合、これは、標的ダウンレンジ軌道に沿う動きに関して妥当な予想であるように思える。標的が2msで複数のスポットクロスレンジにわたって移動しそうである(あるいは、プラットフォームジッターを介して移動するように見える)かどうかが考慮される必要がある。
[0023]サッカード動作のリセットは、標的での出力を効果的に減少させる。APPLEtのアレイにおいて、リセット損失は、異なるAPPLEtに関して異なる時間に生じるようにリセットをプログラムすることによって軽減され得る。軽減度合いは、サッカードスキャンの長さと比べられるリセット時間の長さによって決まる。
[0024]これらのサッカード欠点のいずれも、より速いリセットOPAにより軽減できる。リセットをサポートする粗いOPAは、100よりもかなり少ないピン配列を有していると思われ、そのため、これらのデバイスは、DFLCの使用の候補でもある。その場合、サッカード中のデッドタイムは単に1更新間隔にすぎない。
[0025]FSOPAステアリングシステムの開発は、既存のAPPLEシステムにおける前述したPZTファイバアクチュエータの排除を可能にする。FSOPAは、更に高速であり(殆ど大きさの程度により)、また、APPLEシステムで使用される現在のPZTファイバアクチュエータが有するよりも4倍大きい角度範囲を有する。FSOPAは、PZTアクチュエータと同じ作業、すなわち、適応光学素子のためのチップ/傾き補正を行うことができるが、それを更に高速で行うことができると同時に、必要とされる高速回転をサポートできる。
[0026]したがって、各部分絞り(APPLEシステムなど)に直接に組み込まれる位相歪みの適応補正を伴う位相固定部分絞りのアレイは、FSOPAがPZTファイバアクチュエータに取って代わる状態(それぞれの寸法ごとに1つのFSOPAが必要とされることに留意されたい)でより良好に機能できる。
[0027]PZTファイバアクチュエータをFSOPAと置き換えると、APPLEシステムにおける機械的な動きが排除され、それにより、真の非機械的な全電子システム、および、かなりロバストなシステムが得られる。FSOPAは、少なくとも従来のOPAと同じ程度のロバスト性があり、これは、試験から、数百gの衝撃加速度まで使用できる。
[0028]また、現在のAPPLEシステムに伴う1つの想定し得る問題は、オーバーモード伝送用ファイバにおける高次モードの明らかな存在である。これらのモードは、ファイバが曲げられるときにファイバコア内で動き回り、相対位相を変化させ、および、出力ビームを変形させるとともに動き回らせ、また、その動きは、望ましい指向精度を満たすことができないようにすると思われる。PZTファイバアクチュエータをFSOPAと置き換えることは、ファイバがもはや移動する必要がなく強固に固定され得ること、それにより、モード動作がおそらくかなり減少されることを意味する。
[0029]また、固定された供給ポイントは、APPLEシステムが自由空間レーザによって供給され得るようにもする。したがって、APPLE型システムはもはやファイバレーザに制限されない。ファイバレーザは、それらの高い効率により、ある意味では好ましいが、他のレーザタイプは他の想定し得る利点を与え、新たなAPPLE構造によりトレードオフを行うことができる。一例として、Raytheon Space and Airborne System(SAS),El Segundo California 90245,USAによって開発された、いわゆる半導波型高アスペクト比コア(SHARC)レーザは、誘導ブリルアン散乱(SBS)の軽減への代わりの道筋を与える。これは、有効コアサイズが、APPLEで現在使用されるオーバーモード25ミクロンコアファイバよりもかなり大きいからである。RIFL(数GHzでの位相変調)によってとられる現在のSBS軽減手法がAPPLE制御システムと適合しないことが分かれば、SHARCは素早い解決策を与える。SHARCは、コンパクトであり、効率が比較的高い(壁コンセントで25%の効率が予測される)。また、SHARCは、シングルモードファイバレ−ザにおいて予測される(3−5kW)よりも高い出力(10kW)で動作する見込みを与え、このことは、APPLEシステムの部分絞りごとの出力が、ファイバレーザではなくAPPLEt構成要素の損傷レベルによって制限されることを意味する。アレイを所望の出力レベルにスケーリングするために必要なAPPLEtの数を減少させる(あるいは理想的には最小限に抑える)ために、部分絞りごとに可能な限り高い出力を使用することが望ましいと考えられる。SHARCレーザはその見込みを与え、また、本明細書中に記載されるAPPLEアーキテクチャは、SHARCレーザの使用を実現可能にする。
[0030]複数の絞りの使用を必要とする広角電子ビームステアリングシステムが高出力指向性エネルギ兵器(DEW)用途において有用であることが分かってきた。これらのシステムにおいては、高い充填比、高いスループット、および、高いスキャン速度のすべてが必要とされる。ここで、「充填比」とは、支持構造に託される非放射領域とは対照的に、実際に個々の絞りの放射領域内にある複合絞りの表面領域の割合のことである。高面積充填比は、離れた標的でコンパクトな高効率のビームを維持するために重要であり、また、本明細書に開示されるアーキテクチャによって直接に可能にされる。
[0031]本発明によれば、ゾーン充填OPAの面積オーバーヘッドの排除は、ビームが更に小さく且つオーバーヘッドのための空間がその周囲に存在する場所の内部でこれらのOPAを移動させることによって達成できる。また、角度アドレス指定されるのではなく電気的に制御される偏光格子(PG)を使用して、これらの格子を通じたステアリング可能ビームの伝達を行うこともできる。また、少なくとも1つの非常に速い二重周波数液晶(DFLC)に基づくOPA対を高速スキャンのために実装できる。
[0032]DFLCに基づくOPAが概念的に説明されてきたが、電圧要件は、内蔵制御ASICのための新規で高価な開発を要とすると考えられる。しかし、本明細書には、妥当なピン配列により基板外で制御され得る非常に小さい角度範囲を有するDFLC OPAが記載される。また、発散ビーム中でのOPAの使用は、困難であると考えられてきた。しかし、本発明によれば、これらの要素は、非自明的な良好に最適化されたシステム概念においてPGと組み合わされる。
[0033]これは、デバイス効率と所望のスキャン速度を満たすのに十分な高速でスキャンできる能力とを向上させる際の1つの重要なファクタである。
[0034]本発明の更なる態様によれば、5つのステージを有する絞りが提供され、各ステージは、約1°、2°、4°、8°および16°の偏向Sを有する単一の受動偏光格子(PG)がその後に続く切り換え可能な1/2波長板(SHWP)を備える。この構造は、2°の分解能をもって±31°の動眼視野(FoR)をサポートする(ゼロ偏向状態は利用できない)。
[0035]例えば、16°の偏向を除きすべてのPGにおいて−Sを選択することにより、システムは1度(1°)の角度を与える。次の利用可能な角度+3°は{+1°,−2°,−4°,−8°,+16°}である。したがって、受動PGのケースにおいて、前述した手法は、前述した従来技術の手法で提案されるのと同じ分解能に関してPGの数が約半分で済む。
[0036]ここで、能動PGのケースについて考えると、1°、3°、9°および27°の偏向が使用される場合には、約±30°をカバーするために従来技術の手法で使用される同じ数のPGを用いて、±40°をカバーすることができ、また、本発明の手法は、1°の分解能の向上も与える。すべてのPGを+Sに設定することにより+40°を得ることができる。最初を除いてすべてのPGをゼロにすることにより(すなわち、偏向を排除するようにPGに電圧を印加することにより)1°を得ることができる。
[0037]前述した手法を用いると、3°;4°=3°+1°,5°=9°−3°−1°;等を除くすべてに関して2°=3°−1°;3°=ゼロを得ることができる。
[0038]本明細書中に記載されるシステムおよび技術の概念によれば、光学絞りは、複数のゾーン充填光位相アレイ(OPA)と、複数のバイナリステージを備える偏光格子積層体とを含み、各バイナリステージは、少なくとも1つの液晶波長板(LCWP)と、少なくとも1つの偏光格子とを備え、各ステージが選択可能な偏角を与え、ステージは、最も大きい偏角の大きさを伴うステージが絞り出力に最も近くなるように偏角の大きさを増大させる順序で配置される。そのような角度増大配置は、「ウォークオフ」、すなわち、光学系の中心線からのビーム中心線の逸脱により引き起こされるビーム出力の損失を制御するために望ましい。
[0039]1つの実施形態において、偏光格子積層体は、該積層体に与えられる光信号の二次元角度制御を行う。
[0040]1つの実施形態において、偏光格子積層体中の複数のバイナリステージの少なくとも一部は、入射ビームを第1の平面内にほぼある角度にわたって方向付ける第1の組を備え、また、偏光格子積層体中の前記複数のバイナリステージの少なくとも一部は、第1の平面に対して角度を成して位置する第2の異なる平面内にある角度にわたって入射ビームを方向付ける第2の組を備え、第1の組のステージの少なくとも一部は、第2の組のステージの少なくとも一部と交互に配置される。この場合も先と同様に、角度増大(したがって、二次元ステアリングにおいては交互配置される)配置は、「ウォークオフ」、すなわち、光学系の中心線からのビーム中心線の逸脱により引き起こされるビーム出力の損失を制御するために望ましい。
[0041]1つの実施形態において、偏光格子積層体中の前記複数のバイナリステージの少なくとも一部は、入射ビームを第1の平面内にほぼある角度にわたって方向付け、また、前記偏光格子積層体中の前記複数のバイナリステージの少なくとも一部は、第1の平面に対して角度を成して位置する第2の異なる平面内にほぼある角度にわたって入射ビームを方向付ける。
[0042]1つの実施形態において、入射ビームを第1の平面内にほぼある角度にわたって方向付ける偏光格子積層体中の複数のバイナリステージの少なくとも一部は、入射ビームを第2の平面内にほぼある角度にわたって方向付ける前記偏光格子積層体中の前記複数のバイナリステージの少なくとも一部と交互に配置される。
[0043]1つの実施形態において、第1の組のステージの少なくとも2つの対は、絞りの出力端の近傍の第2の組のステージの2つの対と交互に配置される。
[0044]1つの実施形態において、ステージの第1の組に対応する偏光格子積層体中のバイナリステージのそれぞれは、ステージの第2の組に対応する前記偏光格子積層体中のバイナリステージの少なくとも1つに隣接する。
[0045]1つの実施形態において、各組の格子の偏角は、各格子の偏角の正弦がその組の後段の部分の偏角の正弦の1/2となるように選択される。
[0046]1つの実施形態において、組中の格子の格子ピッチは、各格子の格子ピッチが後続の格子のピッチの2倍となるように選択される。
[0047]1つの実施形態において、前記偏光格子積層体の各組中のそれぞれのステージは、単一の受動偏光格子(PG)がその後に続く切り換え可能な1/2波長板(SHWP)を備え、各組の格子の偏角は、各格子の偏角の正弦がその組の後段の部分の偏角の正弦の1/2となるように選択される。
[0048]1つの実施形態では、複数のゾーン充填OPAが1つ以上の粗いOPAを備える。
[0049]1つの実施形態において、絞りは、波面誤差(WFE)補正のための透過型適応光学素子を更に備える。
[0050]1つの実施形態において、絞りは、前記PG積層体の端部と絞りの出力との間に配置される切り換え可能な波長板を更に備え、前記切り換え可能な波長板は、絞りの偏光を所望の状態に設定するために使用される。
[0051]1つの実施形態において、ゾーン充填OPAの有効口径は、前記偏光格子積層体の有効口径よりもかなり小さい。
[0052]1つの実施形態において、絞りは、光ビームを前記絞りへ与えるように配置される固定ファイバ供給部、または、光ビームを前記絞りへ与えるように配置される自由空間供給部のうちの少なくとも一方を更に備える。
[0053]1つの実施形態において、絞りは、外部収差を補償するために一般に必要とされる数よりも多い数のピクセルを有する適応光学素子(AO)を更に備え、絞りの内部で生じる収差を排除するために前記AOも波面誤差(WFE)の細かい制御をサポートする。
[0054]1つの実施形態において、複数のゾーン充填OPAは、前記適応光学素子と前記PG積層体との間に配置される少なくとも1つの粗いOPAを備える。
[0055]本明細書中に記載されるシステムおよび技術の概念の更なる他の態様によれば、光学絞りは、複数のゾーン選択光位相アレイ(OPA)と、偏光格子(PG)積層体とを含む。PG積層体はN個のバイナリステージを含み、N個のステージのそれぞれがN個の偏角のうちの1つを与え、N個のステージは、最も大きい偏角の大きさを伴うステージが絞り出力に最も近くなるように偏角の大きさを増大させる順序で配置される。
[0056]1つの実施形態では、PG積層体中の複数のバイナリステージの少なくとも一部が第1の組を形成し、PG積層体中の複数のバイナリステージの少なくとも一部が第2の組を形成する。第1の組は、入射ビームを第1の平面内にほぼある角度にわたって方向付け、第2の組は、第2の異なる平面内にある角度にわたって入射ビームを方向付ける。1つの実施形態において、第1の組のステージの少なくとも一部は、第2の組のステージの少なくとも一部と交互に配置される。1つの実施形態において、N個の各ステージは、少なくとも1つの液晶波長板(LCWP)と、少なくとも1つの偏光格子とを備える。
[0057]1つの実施形態において、第1の平面内で信号をステアリングするように配置されるステージは、第2の平面内で信号をステアリングするように配置されるステージと交互に配置される。1つの実施形態において、第1の組のステージのそれぞれは、第2の組のステージのそれぞれと交互に配置される。
[0058]1つの実施形態において、PG積層体のそれぞれのステージは、単一の受動偏光格子(PG)がその後に続く切り換え可能な1/2波長板(SHWP)を備える。
[0059]本明細書中に記載されるシステムおよび技術の概念の更なる他の態様によれば、光学絞りが偏光格子の積層体を備え、それぞれの偏光格子は、選択可能な偏角を有する能動偏光格子(PG)がその後に続く切り換え可能な1/2波長板(SHWP)から成り、ステージは、最も大きい偏角の大きさを伴うステージが絞り出力に最も近くなるように偏角の大きさを増大させる順序で配置される。
[0060] 本明細書中に記載されるシステムおよび技術の概念の更なる他の態様によれば、光学絞りは、高速ステアリング光位相アレイ(FSOPA)を備えるとともに、全電子ビームステアリングシステムを有するFSOPAが設けられるようにサッカードスキャンモードを使用するアーキテクチャを有する。
[0061]本明細書中に記載されるシステムおよび技術の概念の更なる他の態様によれば、光学絞りは、複数のゾーン充填光位相アレイ(OPA)と、複数のターナリステージを備える偏光格子積層体とを含み、前記各ターナリステージは、少なくとも1つの液晶波長板(LCWP)と、少なくとも1つの能動偏光格子とを備え、各ステージが選択可能な偏角を与え、ステージは、最も大きい偏角の大きさを伴うステージが絞り出力に最も近くなるように偏角の大きさを増大させる順序で配置される。
[0062]1つの実施形態において、絞りは、前記PG積層体の端部と絞りの出力との間に配置される切り換え可能な波長板を更に備え、前記切り換え可能な波長板は、絞りの偏光を所望の状態に設定するために使用される。
[0063]本明細書中に記載されるシステムおよび技術の概念の更なる他の態様によれば、複合絞りが複数の絞りを含み、各絞りは、PG積層体と、偏光を所望の状態に設定して遠視野における複数の絞りの出力のコヒーレント結合を可能にするために絞りの出力にある最後の切り換え可能な波長板とを備える(遠視野における複数の絞りの出力のコヒーレント結合は、すべての絞りエミッタがほぼ同じ偏光を発することを必要とするため)。
[0064]本明細書中に記載される回路および技術の前述の特徴は、図面の以下の説明から更に十分に理解され得る。
[0069]本明細書中には、例えば適応光通信位相固定素子(APPLE)システムなどのシステムで用いるのに適する電子ビームステアリングに基づく絞り内での高速スキャン光位相アレイ(FS OPA)の使用について記載される。
[0070]また、偏光格子(PG)の積層体についても記載され、各偏光格子は、APPLEシステムで使用されてもよい液晶波長板により制御される。
[0071]高速スキャン光位相アレイおよび偏光格子のアーキテクチャについて説明する前に、幾つかの専門用語が規定される。本明細書中で使用される用語「絞りモジュール」、または、より簡単に「絞り」とは、1つ以上のOPAデバイス、少なくとも幾つかのインターリーブPG素子を有する偏光格子(PG)積層体、適応光学素子(AO)部、粗いOPA、および、1つ以上の1/2波長板を有する光学トレインのことである。1つの典型的な絞りは、「APPLEt」と称される改良APPLEアーキテクチャである。用語「複合絞り」、「光位相アレイ」、または、より簡単に「アレイ」とは、互いに協働するように配置される複数の絞りのことである。光位相アレイビームステアリングとの関連で、「スポット」はλ/Dの角度シフトとして定義され、ここで、λは動作波長であり、Dはビーム直径である。当該技術分野において良く知られるように、ビームが平行にされて直径D1を有する光学トレイン中の一点での1スポット角度シフト(すなわち、λ/D1のシフト)は、ビーム直径をD1からD2へと変換する任意のアフォーカルレンズ系によって異なる角度λ/D2へと変えられる。これは、新たなビーム直径においても依然として1つの「スポット」である。すなわち、複数のスポットで測定される1つの角度は拡大下で不変である。
[0072]ここで、図1を参照すると、光学絞り10は、PG積層体12、レンズ14、粗いステアリング部16、適応光学素子(AO)部18、および、レンズ20、並びに、波長板22(例えば、切り換え可能な波長板)を含む。絞りを通じて伝搬する光が参照符号23を用いて表される。波長板22は、PG積層体の一端と絞りの出力との間に配置される。波長板22は、絞り10の偏光を所望の状態に設定するように制御される。言うまでもなく、絞りの出力端での偏光切り換えサブシステムの使用は、PG積層体内の様々な切り換え可能デバイスの設定によって決まる出力偏光状態をもたらす。複合絞り(または、例えば図2に示されるようなマルチ絞りアレイ)において、遠視野における出力のコヒーレント結合は、すべてのエミッタがほぼ同じ偏光を発することを必要とする。したがって、切り換え可能な波長板22は、偏光を所望の状態に設定するために使用される。
[0073]1つの実施形態では、PG積層体12が複数のバイナリステージ12a−12Nを備え、この場合、各ステージは、少なくとも1つのOPAデバイスと、受動PGとを備える。代わりの実施形態では、PG積層体12が1つ以上の能動液晶1/2波長板(LCWHP)を含む。1つの実施形態では、PG積層体12が複数のバイナリステージを備え、各バイナリステージは、少なくとも1つの液晶波長板(LCWP)と、少なくとも1つの偏光格子とを備え、その場合、各ステージが選択可能な偏角を与える。重要なことには、ステージは、最も大きい偏角の大きさを伴うステージが絞り出力に最も近くなるように偏角の大きさを増大させる順序で配置される。一般に、偏角の大きさおよびPG積層体中のステージの数Nは、所望の動眼視野(FoR)を与えるように選択される。
[0074]PG積層体12は、該積層体に与えられる光信号の二次元角度制御を行う。そのような二次元角度制御を行うために、PGステージの第1の組に対応するPG積層体12中の複数のバイナリステージの少なくとも一部は、入射ビームを第1の平面内にほぼある角度にわたって方向付け、また、PG積層体12中の複数のバイナリステージの少なくとも一部は、第1の平面に対して角度を成して位置する第2の異なる平面内にある角度にわたって入射ビームを方向付けるPGステージの第2の組に対応する。第1および第2の平面は、互いに直交してもよく、あるいは、直交していなくてもよい。したがって、広範囲な二次元角度制御が利用できる。重要なことには、第1の組のステージの少なくとも一部は、第2の組のステージの少なくとも一部と交互に配置される。1つの実施形態において、ステージの第1の組に対応するPG積層体12中のバイナリステージのそれぞれは、ステージの第2の組に対応するPG積層体12中のバイナリステージの少なくとも1つに隣接する。
[0075]複数のバイナリステージを得るために、それぞれの組の格子の偏角は、各格子の偏角の正弦がその組の後段の部分の偏角の正弦の1/2となるように選択される。1つの実施形態において、組中の格子の格子ピッチは、各格子の格子ピッチが後続の格子のピッチの2倍となるようになっている。
[0076]図1に示されるアーキテクチャを用いると、固定ファイバレーザおよび/または自由空間レーザによってシステムに供給できるようにする所定の供給ポイントを有する絞り10を提供できる。
[0077]ここで、図1Aを参照すると、図1の絞り10と同じであってもよいあるいは類似してもよい光学絞り10’の一部は、PG積層体32の一端の近傍に(ここでは、隣接して)配置される液晶1/2波長板(LCHWP)30を含む。この典型的な実施形態において、PG積層体30は、第1のステアリング方向のための第1の複数のあるいは一組の、ここでは7個のバイナリステージ32a−32gと、第2の異なるステアリング方向のための第2の複数のあるいは一組の、ここでは7個のバイナリステージ34a−34gとを備える。したがって、PG積層体32は二次元でのステアリングを可能にする。ステアリング方向は、2つの直交する方向(例えば、方位角および仰角)または非直交方向に対応してもよい。
[0078]第1の組のステージの数を第2の組のステージの数に等しくする必要がないことは言うまでもない。また、第1の組によって与えられる偏角の大きさは、第2の組における偏角の大きさと等しい必要はない。
[0079]それぞれのバイナリステージは、図1Aに全体的に36で示される少なくとも1つの液晶波長板(LCWP)(OPAデバイス)と、少なくとも1つの偏光格子38a−38g,40a−40gとを備える。したがって、各ステージ32a−32g,34a,34gは選択可能な偏角を与え、また、ステージは、最も大きい偏角の大きさを伴うステージが絞り出力に最も近くなるように偏角の大きさを増大させる順序で配置される。この典型的な実施形態において、PG積層体32のステージにより与えられる偏角は、おおよそ、±0.25°、±0.5°、±1.0°、±2.0°、±4.0°、±8.0°、±16.0°である。勿論、他の偏角の大きさが使用されてもよい。一般に、偏角の大きさおよびPG積層体中のステージの数は、所望の動眼視野(FoR)を与えるように選択される。
[0080]図1Aの実施形態において、第1の組のステージ38a−38gは第2の組のステージ40a−40gと交互に配置される。1つの実施形態において、ステージの第1の組に対応するPG積層体中のバイナリステージのそれぞれは、ステージの第2の組に対応するPG積層体12中のバイナリステージのうちの少なくとも1つに隣接する。1つの実施形態では、第1の組のステージの少なくとも2つの対が、絞りの出力端の近傍の第2の組のステージの2つの対と交互に配置される。したがって、幾つかの実施形態では、幾つかのステージが交互に配置され、他のステージが交互に配置されなくてもよい。そのような実施形態では、交互配置されるステージが絞り出力の近傍にあることが好ましい。
[0081]粗いステアリング部が、複数の、ここでは2つのOPAデバイス46a,46bから与えられ、また、AO部が、複数の、ここでは3つのOPAデバイス(TTOPA)48a,48b,48cから与えられる。
[0082]前述した改良APPLEアーキテクチャは、幾つかの用途にとって望ましい3−5°/秒以上の範囲の連続する回転速度を与える。アーキテクチャは、いわゆる「サッカード」スキャンモードを使用するが、高速ステアリングOPA(FSOPA)が実装される。
[0083]この手法は、高電圧アドレス指定(例えば、約200Vの範囲まで)のために電極を配線接続でき、そのため、電極が比較的低い電圧OPAよりもかなり高速で切り換わることができるように選択される十分に少ない電極を有する二重周波数液晶(DFLC)に基づくFSOPAの構造によって可能にされる。したがって、本明細書中に記載される手法は、機械的なファイバアクチュエータの必要性を排除する一方で、同時に、既存のOPAにより達成できる回転速度よりも十分に高い(すなわち、速い)速度での回転を可能にする。
[0084]1つの実施形態において、初期性能評価は、FSOPAを有するAPPLEシステムが、約1°/秒の回転速度を有する現在のAPPLEシステムの回転損失レベルと同様の回転損失レベルを有しつつ、約8°/秒で回転することを示唆する。これは、ほぼ大きさの程度の改善を表す。
[0085]この手法の大きな利点としては、以下の利点、すなわち、(1)この手法が既存のLC材料を利用する;(2)この手法が、既存の特定用途向け集積回路(ASIC)を利用して、所望の制御信号をOPAへ与える;(3)この手法が、偏光格子ワークのために使用される既存のDFLCアドレス指定技術を利用する;(4)この手法が圧電ファイバアクチュエータを必要としない;(5)この手法によりファイバを強固に装着でき、それにより、ファイバ動作により誘発される高次モードを軽減してパッケージングを簡略化するのに役立つはずである;(6)この手法は、更に高い出力または更に少ない高次モードのための自由空間レーザ源の今後の使用を可能にする;(7)FSOPAは、幾つかの用途では、高速ステアリングミラー(FSM)に取って代わることができるかもしれない;および、(8)FSOPAは、ほぼ同じ角度範囲を有しつつ且つFSMよりも優れた他の性能パラメータを有しつつ、現在利用できる機械的なFSMよりも約10倍速い、という利点が挙げられるが、これらに限定されない。
[0086]AOは、一般に、OPAが有するよりもかなり少ない電極を有するとともに、電圧制限されるアドレス指定特定用途向け集積回路(ASIC)を使用する必要がなく、そのため、より高い電圧を用いて駆動され得る。現在のAPPLE AOは、OPAにおける数千個と比べて、127個のピクセル(電極)しか有さない。ある1つのAO構造(例えば、APPLE位相0の下で開発された構造)は、別個のリードアウト導体に対する127個のAOピクセルのそれぞれの直接的な接続の一例を与える。1つの実施形態において、そのようなAO構造をおそらく200V程度の信号を用いて駆動させることは、実用的であると思われ、また、現在利用できるDFLC材料を使用してDFLC AOとして与えられる非常に速いAOへの短期的な道筋を示す。なお、127個というピクセルの数は、大気を通じた伝搬などの外部収差を補償するために一般に必要とされる数よりもかなり多いが、我々は、波面誤差(WFE)の細かい制御をサポートして、我々のシステム内部で生じる収差を排除するために、そのようなAOを含める。そのような収差は、(製造コストを低減するために)意図的に緩和される製造公差に起因して、あるいは、高出力レーザ源と共に使用されるシステムでのエネルギの吸収によって促される熱誘導WFEに起因して存在する場合がある。
[0087]そのようなOFLC AOの実用性は、同様に少ない電極総数を有するOPAも実用的であることを意味する。そのようなOPAは、非常に限られたステアリングレンジを有する。しかし、サッカード動作は、小さい角度範囲を有するがAPPLEに高速回転を与えるために高い速度を有するOPAを使用するための手段を与える。
[0088]OPAと機械的なステアリングとの組み合わせが、OPAの精度および敏捷性と機械的なステアリングの速度の大部分とを維持しつつ、OPAのみを用いて利用できる回転速度を超える回転速度を増大し得ることが分かってきた。以下では、そのようなハイブリッド回転システムがいわゆるサッカード動作に基づいてどのように作用するのかについて説明する。
[0089]APPLEは、ビーム拡大コリメータの焦点面内でのファイバ供給を使用する。圧電(PZT)アクチュエータがファイバチップの(±100μm程度の)小さな横方向動作量を与え、この動作は、平行出力ビームの(コリメータの有効焦点距離に応じて±50μラジアン程度の)小さな角度動作へと変換される。この機能は、現在のAPPLEシステムにおける適応光学素子に急速チップ/傾き補正を与える。小さい角度のみにわたっているにもかかわらず、出力ビームの回転を与えるために同じPZTアクチュエータも使用できることが分かった。しかし、PZTアクチュエータがそのレンジの端に達して、PZTアクチュエータをそのダイナミックレンジの反対側の端へリセットすることができると、第2の「従来の」OPAがPZTリセットを補償するために同時に再びステアリングされて、回転が続けられ、それにより、APPLE動眼視野の全体にわたる角度的に連続した(しかし、時間的に変調された)回転がもたらされる。この動作方式を用いると、OPAは、漸進的なビーム動作ごとに1回以上更新されるのではなく、PZTアクチュエータがその全体のダイナミックレンジにわたってスキャンされるたびに1回更新されるだけで済み、これにより、OPAがそれら自体で与えることができるよりも高い正味回転速度が得られる。この動作モードは、人の視力を促進させる急速眼球運動に類似する「サッカード」動作と称される。
[0090]現在のAPPLEシステムのPZTファイバアクチュエータは、約±2スポット動作のみを与え、1.5kHzの帯域幅でのみそのようにする。角度動作または速度のいずれかを増大させることができる見込みは、高出力アレイ構造に関してはありそうもないと考えられるが、両方の増大は、サッカード動作からの利益を享受して所望の回転速度得るために必要とされる。しかし、本明細書中に記載されるように、小角度高速ステアリングOPAを使用してこの課題を達成できる。
[0091]FSOPAが所定の平均スループットで可能な限り大きいステアリングレンジを有することが望ましい。これは、それにより、通常の(遅い)OPAリセットの頻度が減少し、したがって、より高い正味回転速度が得られるからである。しかし、FoRが大きくなればなるほど、許容できるほど高いステアリング効率を維持するために更に多くのOPA電極が必要とされ、また、現在利用できる相互接続技術は、高電圧を10〜20mmサイズのOPAに接続する100〜200を越えるトレースをサポートしない。したがって、少なくとも100個程度の電極総数が許容できなければならないと考えられる。
[0092]APPLEシステム(例えば、127個のピクセル/リードアウトを有する、APPLE位相0AO)とのパッケージング経験に基づき、200Vで駆動される100個の電極が可能であると考えられる。なお、ランプごとにN個の位相ステップを伴うステアリングが、sinc2(Π/N)のステアリング効率、すなわち、N>4の場合に、約1−2/N2の効率を意味することに留意すべきである(McManamonらの文献「Optical Phased Array Technology」(1996)を参照)(非特許文献1)。位相2の場合、APPLEt、OPA、および、AOは、ビームが出力ビーム直径の約半分であるコリメータ内に位置されなければならない。すなわち、デバイスは約13mmの有効口径を有さなければならない。したがって、1つの実施形態では、100個の電極を必要とする、約97%のステアリング効率(位相ランプごとに約10個の位相ステップを意味する)を伴う±10スポットの角度動作を考慮されたい。このことは、電極が130ミクロンピッチを有することを意味する。デバイスは20スポットFoRを有する。これは、PZTアクチュエータを使用するシステムにおける約5スポットに匹敵する。
[0093]ここで、図2を参照すると、複合絞り50は、一般に52で示される複数の絞りを備える。絞り52は、図1および図1Aと関連して前述した絞り10,30と同じあるいは類似するタイプを成してもよい。前述したように、絞りの出力端での偏光切り換えサブシステムの使用は、前述したPG積層体内の様々な切り換え可能デバイスの設定によって決まる出力偏光状態をもたらす。したがって、複合絞り50において、遠視野における出力のコヒーレント結合は、すべてのエミッタがほぼ同じ偏光を発することを必要とする。したがって、図1および図1Aと関連して前述した波長板22,30などの切り換え可能な波長板は、偏光を所望の状態に設定するため、したがって、出力のコヒーレント結合を可能にするために使用される。
[0094]ここで、図3を参照すると、約4kHzの更新レートで連続的な相変化をサポートするDFLCデバイスのための制御方式が示されており、また、ほぼ10kHzまでの伸びが実現可能に見える。このモードにおいて、OPAデバイス内の各移相器は、更新周期の開始時の1つの相状態から、周期の終わりの第2の相状態へと直線的に移動する。1つの既存のスキャン損失モデルがこのケースにほぼ当てはまり、その場合、更新周期の有効時定数(例えば、4kHzで250μs)を1.8で除した値である。このスキャン損失モデルは、応答時定数、ここでは140μsごとに波長/絞り直径の0.25倍のスキャンレートでスキャン損失が1dBであることを示す。したがって、1dB損失における物体空間での回転速度は、出力絞り直径が25mm(すなわち、約2の倍率)で、波長が1.064μmであるとすると、毎秒0.076ラジアン(4.4°)である。
[0095]この損失は、回転速度に直線的に対応する。4.4°/sでは、20スポット(840μラジアン)サッカード周期が11msとなる。従来のOPAがリセットするブロッキング時間は約2msであり、そのため、この間隔にわたって平均化される更なる損失も約1dBである。ポイント設計が適切に問題に取り組むと思われる。
[0096]なお、「従来の」OPAは、全角度アドレス指定能力を有する必要がない。すなわち、従来のOPAは、当該技術分野において良く知られるように「粗い」OPAとなり得る(McManamonを再び参照されたい)。そのようなデバイスは、周期的態様で互いに接続される多くの電極を有することができる。すなわち、デバイスは、多くの同一のサブアレイから形成される。
[0097]本明細書中に記載されるデバイスは、一方では、僅かなピン配列を必要としつつ、良好な効率をもって更に大きな角度へとステアリングできる。その利用可能なステアリング角は、サブアレイ構造に内在する周期性要件により量子化され、したがって、位相パターンは、サブアレイ幅で周期的でなければならない。これは、その周期が±10スポットFSOPAステアリングレンジと一致するように選択されれば、大きな制限ではない。
[0098]サッカード動作は、多くの方法でシステム性能に影響を与える。以下では、2つの問題について考慮する。
[0099]20スポットFoRを伴うFSOPAを有する1つの実施形態において、FSOPAが20スポットFoRのエッジに達すると、FSOPAがリセットし、「標準的な」大角度OPAは、20スポットの角度変化を補償するように更新される。カルマン推定器は、更新が行われるときにビームを標的に戻すことができるように標的がリセット中にどこへ移動すべきだったかを予測するために使用することができる。リセット時間が短くなればなるほど、標的が予期されるカルマン不確実性を越えてコースを変えなかったという仮定が更に良好になる。2msのリセット時間の場合、これは、標的ダウンレンジ軌道に沿う動きに関して妥当な予想であるように思える。標的が2msで複数のスポットクロスレンジにわたって移動しそうである(あるいは、プラットフォームジッターを介して移動するように見える)かどうかが考慮される必要がある。
[00100]サッカード動作のリセットは、標的での出力を効果的に減少させる。APPLEtのアレイにおいて、リセット損失は、異なるAPPLEtに関して異なる時間に生じるようにリセットをプログラムすることによって軽減され得る。6個の絞りのアレイを伴う先の例において、これは、リセット出力減少を約15%に減らす。
[00101]これらのサッカード欠点のいずれも、より速いリセットOPAにより軽減できる。ここに記載されるシステムの場合、リセットをサポートする粗いOPAは、100よりもかなり少ないピン配列を有し、そのため、これらのデバイスは、DFLCの使用の候補でもある。その場合、サッカード中のデッドタイムは単に1更新間隔にすぎない。
[00102]FSOPAステアリングシステムの開発は、本装置で使用されるPZTファイバアクチュエータの排除を可能にする。
[00103]本明細書中に記載されるFSOPAは、更に高速であり(殆ど大きさの程度により)、また、既存の光学絞りで利用されるPZTファイバアクチュエータが有するよりも4倍大きい角度範囲を有する。また、本明細書中に記載されるFSOPAは、PZTアクチュエータと同じ作業、すなわち、適応光学素子のためのチップ/傾き補正を行うことができるが、それを更に高速で行うことができると同時に、必要とされる高速回転をサポートできる。したがって、APPLEシステムは、2つのFSOPA(それぞれの寸法ごとに1つのFSOPAが必要とされることに留意されたい)がPZTファイバアクチュエータに取って代わる状態で、より良好に機能でき、また、PZTアクチュエータを排除するための他の現実的な理由が存在する。
[00104]また、PZTファイバアクチュエータをFSOPAと置き換えると、APPLEシステムにおける最後の機械的な動きが排除され、それにより、真の非機械的な全電子システム、および、かなりロバストなシステムが得られる。
[00105]FSOPAは、少なくとも従来のOPAと同じ程度のロバスト性があり、これは、試験から、数百gの衝撃加速度まで使用できる。
[00106]現在のAPPLEシステムに伴う1つの想定し得る問題は、オーバーモード伝送用ファイバにおける高次モードの明らかな存在である。これらのモードは、ファイバが曲げられるときにファイバコア内で動き回り、相対位相を変化させ、および、出力ビームを変形させるとともに動き回らせ、また、その動きは、幾つかの用途にとって望ましい指向精度を満たすことができないようにすると思われる。
[00107]PZTファイバアクチュエータをFSOPAと置き換えることは、ファイバがもはや移動せずに強固に固定され、それにより、モード動作がおそらくかなり減少されることを意味する。
[00108]固定された供給ポイントは、APPLEシステムが自由空間レーザによって供給され得るようにする。すなわち、APPLEはもはやファイバレーザに制限されない。ファイバレーザは高い効率を与えるが、他のレーザタイプは他の想定し得る利点を与え、新たなAPPLE構造によりトレードオフを行うことができる。一例として、Raytheon SASによって開発された、いわゆる半導波型高アスペクト比コア(SHARC)レーザは、誘導ブリルアン散乱の軽減への代わりの道筋を与える。これは、有効コアサイズが、APPLEで現在使用されるオーバーモード25ミクロンコアファイバよりもかなり大きいからである。RIFL(数GHzでの位相変調)によってとられる現在のSBS軽減手法がAPPLE制御システムと適合しないことが分かれば、SHARCは素早い解決策を与える。SHARCは、コンパクトであり、効率が比較的高い(壁コンセントで25%の効率が予測される)。また、SHARCは、シングルモードファイバレ−ザにおいて予測される(3−5kW)よりも高い出力(10kW)で動作する見込みを与え、このことは、APPLEシステムの絞りごとの出力が、ファイバレーザではなくAPPLEt構成要素の損傷レベルによって制限されることを意味する。おそらく人は、アレイを所望の出力レベルにスケーリングするために必要なAPPLEtの数を最小限に抑えるために、部分絞りごとに可能な限り高い出力を使用したいと考える。SHARCレーザはその見込みを与え、また、新規なAPPLEアーキテクチャは、SHARCレーザの使用を実現可能にする。
[00109]APPLEを駆動させるために自由空間レーザを使用することは、高出力APPLEシステムの利用可能性を加速させるために更に多くの成熟した固体レーザまたは更にはHELLADS型レーザを使用できることを意味する。部分絞りの開発時間または開発数がレーザ効率よりも重要なトレードオフである状況が存在する場合があり、その場合、本明細書中に記載される新規なアーキテクチャが有望な候補になるように思われる。
[00110]次に、それぞれが液晶波長板(LCHWP)により制御される偏光格子の積層体について説明する。
[00111]1つの用途において、格子のこの積層体は、適応光通信位相固定素子(APPLE)プログラムで用いるのに適する構成要素を備える。
[00112]光ビームの非機械的なステアリングを行うためのシステムの概説は、McManamonらによって書かれてIEEEの議事録|Vol.97,No.6,2009年6月6日において発表された「Review of Phased Array Steering for Narrow−band Electrooptical Systems」で与えられる(非特許文献2)。この論文は、ビームステアリングのための高性能短ピッチ偏光格子(PG)に関するEscutiおよび他の者による研究について論じている。
[00113]本明細書中に開示されるものは、従来の1/2波長板−PGアーキテクチャと比べて改善される1/2波長板−PGアーキテクチャである。一般に、すべてのそのようなアーキテクチャはゾーンセレクタとしての機能を果たす。本明細書中において、「ゾーン」は、ゾーン充填(zoneーfill)OPAサブシステムがゼロ偏角のために設定される場合にPG積層体がその中心へ入力ビームを方向付ける出力角度空間の領域である。その後、ゾーン充填OPAサブシステムを適切にステアリングすることによってゾーン全体がアクセス可能にされる。
[00114]前述したMcManamon文献(例えば、Escutiおよび他の者により記述される文献)に記載されるデバイスは、名目上、光軸がデバイスの平面内にあるが絶えず変化する面内方向に向けられる1/2波長板である。この回転のピッチP、すなわち、全回転が行われる面内距離は、それらが円偏光で照射されるときの回折角を規定する。出力偏光はどこでも同じである(入力光とは反対側)が、配向の変化の面内方向に沿って連続的に変わる位相シフトが存在するがために、回折が生じる。なお、様々な理論的取り扱いがピッチを異なって規定する。これは、例えば、光軸が180°回転までしか規定されず、ピッチの他の想定し得る規定が我々がここで使用する規定の半分だからである。ここでの取り扱いは、全回転に関するPの我々の規定とつじつまが合う。
[00115]配向が変化する方向と表面法線とを含む面内において角度θ1で入射する光は、以下のように、反対の円偏光へ変換されて新たな方向θ2にステアリングされる。
sinθ2=sinθ1+M(2λ/P) 方程式(1)
ここで、
Mは、入力光の正規化ストークスベクトルのS3成分の値であり、RCPまたはLCP光のそれぞれにおいて+1または−1のいずれかの値を有する。
sinθ2=sinθ1+M(2λ/P) 方程式(1)
ここで、
Mは、入力光の正規化ストークスベクトルのS3成分の値であり、RCPまたはLCP光のそれぞれにおいて+1または−1のいずれかの値を有する。
[00116]小角度概算において、この方程式は、入力がLCPまたはRCPとして選択されれば、出力光がその初期の方向から±2λ/Pだけそれぞれステアリングされることを示す。切り換え可能な(例えば、液晶)1/2波長板(SHWP)と交互に入れ替わるそのようなPGデバイスの積層体は、McManamonによって記述されており、潜在的に低損失の大角度離散的ビームステア、すなわち、2つのそのような積層体が組み合わされる場合に二次元で機能するゾーンセレクタを構成する。更に、そのようなデバイスのバイナリツリーについて論じられ、各デバイスは、ピッチの(ほぼ)1/2、したがって、ステアリング角の2倍をあけて後続される。また、各PGデバイスが「能動的」である、すなわち、各PGデバイスが実際に定まった様々な配向を有する液晶層であるそのような積層体も論じられ、この場合、大きい電圧の印加が、分子を断続的に立たせて、効果的な複屈折を排除し、したがって、「受動」PGによりサポートされるプラスおよびマイナスの偏向状態に加えてゼロ偏向状態を与える。なお、絞りの出力端でのそのような偏光切り換えサブシステムの使用は、PG積層体中の様々な切り換え可能なデバイスの設定によって決まる出力偏光状態をもたらす。マルチ絞りアレイにおいて、遠視野における出力のコヒーレント結合は、すべてのエミッタがほぼ同じ偏光を発することを必要とする。したがって、そのようなアーキテクチャの標準的な部分は、偏光を所望の状態に設定するために使用される最後の切り換え可能な波長板である。
[00117]従来技術の文献は、偏角ステージの真のバイナリツリーを提案しない。1つの従来技術の文献において、各ステージは、0、+S、および、−Sの偏向を与え、また、Sは、1つのステージから次のステージへとバイナリ態様で変化する。例えば、2°の分解能をもって±30°範囲をカバーするため、S=それぞれ2°、4°、8°、および、16°である4つのステージが必要とされる。+30°の角度は、2°+4°+8°+16°として与えられる。−2°の角度は、+16°の代わりに−16°を使用して同じ態様で、あるいは、より簡単には、第1のステージに関して−2°としておよびすべての他のステージに関してゼロとして得られる。2つのステージタイプが記載される。能動PGが使用される場合、1つのステージは、その後に単一のPGが続くSHWPから成る。受動PGが使用される場合には、1つのステージは、偏向S/2の2つのPGから成り、各PGがSHWPによって先行される。
[00118]なお、各ステージは、2つの能動デバイス、2つのSHWPまたは1つのSHWPのいずれか、および能動PGを含むが、2つの入力制御により真のバイナリケースで利用できる4つの出力状態ではなく3つの出力状態のみを達成する。SHWPの状態に応じて、2つの偏向は、+Sをもたらす(++)、−Sをもたらす(−−)、または、ゼロをもたらす(+−)もしくは(−+)であってもよい。したがって、受動アーキテクチャは8個のPGを必要とし、能動アーキテクチャは4つのPGを必要とする。いずれの場合にも、全偏角の多くに関して制御設定(SHWPまたは能動PG)の複数の組が存在する。したがって、以上を考慮すると、従来技術のシステムに開示されるアーキテクチャが、かなりの光学損失源であり制御を複雑にする能動的な構成要素を無駄にしているのが分かる。
[00119]一方、1°、2°、4°、8°、および、16°の偏向Sを有する単一の受動PGをその後に伴うSHWPをそれぞれが含む5つのステージを考慮されたい。これは、2°の分解能をもって±31°のFoRをサポートする(ゼロ偏向状態を利用できない)。例えば、1°は、16°の偏向を除きすべてのPGにおいて−Sを選択することにより与えられる。次の利用可能な角度+3°は(+1°−2°−4°−8°+16°)として与えられる。したがって、受動PGのケースにおいて、前述した新規な手法は、前述した文献に記載される従来技術の手法で提案されるのと同じ分解能に関してPGの数が約半分で済む。
[00120]ここで、能動PGのケースについて考えると、1°、3°、9°および27°の偏向が使用される場合には、1°の分解能の向上を達成しつつ、従来システムで使用される同じ数のPGを用いて、±40°をカバーすることができる。+40°を得るために、すべてのPGが+Sに設定される。最初を除いてすべてのPGをゼロにすることにより(すなわち、偏向を排除するようにPGに電圧を印加することにより)1度(1°)が得られる。
[00121]3°;4°=3°+1°;5°=9°−3°−1°;等を除くすべてに関して2°=3°−1°;3°=ゼロを得る。従来技術は、単一面内でのビーム偏向に関してそのような「ターナリ」積層体(各格子は、以前のものより3倍偏向する)を開示し、あるいは、2つの面内での偏向に関して直列の2つのそのようなシステム、すなわち、完全二次元ステアリングを開示する。しかし、出力端付近に大角度PGのすべてを伴うターナリツリーを配置することは教示されておらず、知る限りにおいて不可能でもある。つまり、必要とされる偏光状態は、所望のゾーンの一部に関して常に対立する。そのような角度増大(したがって、二次元ステアリングにおいて交互的な)配置は、「ウォークオフ」、すなわち、光学系の中心線からのビーム中心線の逸脱により引き起こされるビーム出力の損失を制御するために望ましい。この交互配置が行われなければ、システム絞りがかなり大きくされなければならず、あるいは、少なくとも有用となるように大きい角度(例えば、±30°のFoR)にわたるステアリングにおいて大きな損失が許容されなければならない。いずれの代替案も魅力的ではない。しかし、ターナリ能動PGケースに関しては、更なる構成要素、例えばより多くのSHWPを付加することなく2つのステアリング方向のそれぞれで格子を交互配置する手段は知られていない。本明細書に教示されて記載されるような真のバイナリツリーは、この制限に見舞われない。
[00122]前述したように、角度が2倍または3倍変化するにつれて、格子ピッチは、1/2倍または1/3倍だけほぼ逆に変化する。好ましい実施形態は、角度を2倍または3倍だけ正確に変化させるのではなく、格子ピッチを1/2倍または1/3倍だけそれぞれ正確に変化させることである。これにより、ゾーン中心が均一に離間され、これは、ゾーン充填OPAサブシステムのステアリング効率が過大なゾーンで低下されないようにするのに役立つ。なお、格子偏角は、法線入射で格子に衝突するビームを格子が偏向させる角度として規定され、実際の偏角は、前記方程式1にしたがって入射角に伴って変化する。その方程式は、それが、加法的であって角度それ自体ではない偏角の正弦であることを示す。一例として、公称−3°(見込まれた偏向{−16°,+8°,+4°,+2°,−1°})と−1°({−16°,+8°,+4°,+2°,+1°})との間およびその後の−1°と+1°({+16°,−8°,−4°,−2°,−1°})との間の2つの連続する移行部を考慮されたい。方程式1を使用して、格子偏角が正確に公称値であると仮定すると、我々は、3つの実際の出力角が−2.8236°、−0.8226°、および、+0.8226°であることを見出し、これは、第1の移行部(2.0010°)において第2の移行部(1.6451°)よりもかなり大きいステップを示す。一方、1°格子が正確に1°となるように設計されるとともに、他の格子がarcsin(N×sin(1°))として設計されれば、すなわち、ピッチが1/2倍だけ正確に変化すれば、公称16°の格子は実際にarcsin(16×sin(1°))=16.2148°となる。方程式1により計算される3つの角度は、−3.0012°、−1.0000°、および、+1.0000°であることが分かり、これは望ましい均一なゾーン間隔を呈する。
[00123]PGに対する光の入射外角αが増大するにつれて、デバイスの各領域の遅延は、所定の角度の1/2波長板である理想的な挙動から逸脱する。特に、遅延Rは、入射面と光軸を含む面との間の角度βに依存して公称(法線入射)遅延R0とは異なる。
[00124]依存度は、おおよそ以下の式によって与えられる。
R≒R0(1+(αi 2/2)cos2β 方程式(1)
R≒R0(1+(αi 2/2)cos2β 方程式(1)
[00125]αiは入射内角arcsin([sinα]/n)≒α/nであり、nは屈折率である。なお、通常の屈折率が意味されているのかあるいは異常な屈折率が意味されているのかどうかの問題は、この近似の性質によって議論の余地があり、全体の計算は、実際には、Rsoftなどの解析パッケージを使用して達成されてもよい「四波」ベクトル計算を必要とする。この変化から生じる損失は、2つの効果が存在することに気付くことによって推定される。第1に、遅延が不正確であるため、出力光は、一般に、楕円形であり、したがって、平均偏光へ不十分につながる(また、それは、法線入射で起こるのと同じ、すなわち、円形であると仮定される)。第2に、位相シフトもエラー状態となる。
[00126]第1の効果は、小誤差近似(small−error approximation)を使用して処理される。ポアンカレ球上で角距離Dによって分けられる2つの偏光状態間の分数乗結合(fractional power coupling)1−Lp(ここでは、損失Lpに関して規定される)は、cos2(D/2)≒1−D2/4であることが良く知られている。遅延R0は、1/2波、すなわち、πラジアンであり、名目上、出現する反対の円偏光へ向かう球の周囲の途中で最初の円偏光を伝える。したがって、D=R−R0であることが分かり、最終的に以下のようになる。
Lp=D2/4=1/4(π+(αi 2/2)cos2β)2
=(π2α4/16n4)cos22β 方程式(2)
Lp=D2/4=1/4(π+(αi 2/2)cos2β)2
=(π2α4/16n4)cos22β 方程式(2)
[00127]PG全体にわたって、すなわち、βの均一な分布にわたって平均化すると、損失の概算値を以下のように表すことができ、
Lp=π2α4/32n4 方程式(3)
これは、40°のαに関して1%であり(n=1.5であると仮定する)、それは、非常に小さな効果である。
Lp=π2α4/32n4 方程式(3)
これは、40°のαに関して1%であり(n=1.5であると仮定する)、それは、非常に小さな効果である。
[00128]位相誤差から生じる第2の損失メカニズムは、関連する位相が、偏光が伝えられる円弧によって範囲が定められるポアンカレ球上の立体角に関連付けられるベリー位相であることに気付くことによって近似され得る。したがって、位相誤差φは、最大で遅延誤差R−R0の(π/2)倍である。通常のストレール議論を適用すると、すなわち、位相依存損失がLφ=φ2であると解釈すると、以下の方程式(4)が得られる。φ
Lφ=φ2=((π2α2/2)cos2β)2)
=π4α4/32n4 方程式(4)
Lφ=φ2=((π2α2/2)cos2β)2)
=π4α4/32n4 方程式(4)
[00129]これは、偏光損失Lpよりもπ2倍大きい。これは、伝送状態の軌跡に関して考慮すべき幾つかの事項のため、過大評価となる場合がある。いずれにせよ、損失は、適応光通信位相固定素子(APPLE)プログラムなどのプログラムの必要性を優に上回る入射角の場合であってもかなり小さい。したがって、本明細書中に記載される概念、構造、および、技術は、広角ビームステアリング用途において角度調整されるホログラフィック光学素子(HOE)の代わりに適すると考えられる。
[00130]次に、有限厚のデバイスにおける光線偏向による格子のスミアの効果について論じる。PGは何らかの有限厚Tを有する。入射角度αの光線は、法線に対して内角αiでデバイスを横切る。Xを厚さとし、Yをビームステアリングの横断方向とする座標を選択する。PGの要素を形成するHWPの局所的な配向は、厚さにわたって一定である、すなわち、Xに関係ないと想定される。この配向βは、β=2πy/Pであるため、Yに沿って変化することから、光線は、それがデバイスを通過する際に、所定範囲の配向値Δβ=2πT/Ptanαiをとるのが分かる。方程式は、これが出力光の位相および偏光にどのような影響を及ぼすのかを示す。
[00131]一次効果は、厚さを2つの層へ分割することによってモデリングすることができる。各層の配向は、その層における平均配向であると解釈される。したがって、HWPは、配向−Δβ/4の1/4波長板としてモデリングされ、この配向から離れると、+Δβ/4に対応する配向エラーを有する1/4波長板が後続するようになっている。この積層体のポアンカレ球上の一次可視化は、結果として生じる出力偏光状態があたかもΔβの遅延誤差を経るかのように所望の状態から離れてシフトされることを示す。先の方程式2の場合と同様に、前述のように小角度近似を使用して、tanαiをα/nと置き換えると、損失D2/4=Δβ2/4、すなわち、以下の方程式(5)によって与えられる「傾斜損失」L0が予期される。
L0=Δβ2/4=1/4((2πTα)/(nP))2
=((παTΔθ)/(2λn))2
=((παΔθ)/(4nΔn))2 方程式(5)
L0=Δβ2/4=1/4((2πTα)/(nP))2
=((παTΔθ)/(2λn))2
=((παΔθ)/(4nΔn))2 方程式(5)
[00132]3番目の式では、Δθ≒sinθ2−sinθ1に関してPが方程式1からのその等価物と置き換えられる。4番目の式では、Tが、複屈折Δnの最適に薄いデバイスに適するλ/(2Δn)と置き換えられる。±40°動眼視野を伴うPGに基づくシステムを設計する場合には、複屈折が約0.35(HWP層に関してT/λ=1.5)であると仮定すると、最後のPGがα=Δθ=20°(すなわち、0.35ラジアン)および約3%のL0を有する。
[00133]次に、最小システム損失のためのアーキテクチャ選択について論じる。ゾーン選択のためのPGの積層がゾーン充填のための一対のOPAによって先行されるシステムを考慮されたい。
[00134]小さいステアリング角でOPAを動作させる場合、ステアリング損失がステアリング角θSにおいてほぼ線形であると仮定すると、OPA損失はLS=GθSであると想定される。同様に、PGのN個のステージのそれぞれが損失LGを有すると想定し得る。最小PGステアリング角はθ0である。システム動眼視野Fは所定値と解釈され、Nは、全損失を減少させるあるいは理想的には最小限に抑えるように選択されるNである。以下の計算は1Dステアリングに関するものであり、全2Gカバレッジにおいては倍の損失(dB)である。
バイナリステージアーキテクチャ(受動PG)
[00135]ゾーンサイズは2θ0であり、最大OPAステアリング角はθ0である。N個のステージの場合、ゾーンの数は2N−1であり、Fは、ゾーンサイズ×このゾーン数+それぞれの端のゾーン幅の半分、すなわち、2N+1θ0である。Nは、全損失NLG+Gθ0=NLG+GF/2N+1を減少させるあるいは理想的には最小限に抑えるように選択されてもよい。
[00135]ゾーンサイズは2θ0であり、最大OPAステアリング角はθ0である。N個のステージの場合、ゾーンの数は2N−1であり、Fは、ゾーンサイズ×このゾーン数+それぞれの端のゾーン幅の半分、すなわち、2N+1θ0である。Nは、全損失NLG+Gθ0=NLG+GF/2N+1を減少させるあるいは理想的には最小限に抑えるように選択されてもよい。
ターナリステージアーキテクチャ(能動PG)
[00136]ゾーンサイズはθ0であり、最大OPAステアリング角はθ0/2である。N個のステージの場合、ゾーンの数は3N−1であり、Fは、ゾーンサイズ×このゾーン数+それぞれの端のゾーン幅の半分、すなわち、3Nθ0である。Nは、全損失NLG+Gθ0/2=NLG+GF/(2×3N)を減少させるあるいは理想的には最小限に抑えるように選択されてもよい。
[00136]ゾーンサイズはθ0であり、最大OPAステアリング角はθ0/2である。N個のステージの場合、ゾーンの数は3N−1であり、Fは、ゾーンサイズ×このゾーン数+それぞれの端のゾーン幅の半分、すなわち、3Nθ0である。Nは、全損失NLG+Gθ0/2=NLG+GF/(2×3N)を減少させるあるいは理想的には最小限に抑えるように選択されてもよい。
[00137]以下の表は、異なる偏光格子アーキテクチャ間で行われるべきトレードオフをリストアップしている。想定し得る格子ツリーレイアウトは、バイナリ受動、ターナリ能動、および、バイナリ能動である。最小損失アーキテクチャが望ましい用途では、バイナリ受動格子アーキテクチャが選択される。
[00138]上記表においては、以下が仮定される。すなわち、(1)OPAゾーン充填範囲:物体空間内で0.25°、(2)FoR公称±30°AzおよびEl;(3)バイナリツリー:8ステージ、28=256個の状態(実際のFoRが±32°であることを意味する);(4)ターナリツリー:5ステージ、35=243個の状態(実際のFoRが±30.375°であることを意味する);(5)LCWPまたは能動PG厚さ:3mm;(6)受動PG厚さ:0.5mmおよびLCWPに組み込まれる、厚さは<<0.5mmであり、0.5mmは随意的なカバーガラスを可能にする;(7)格子角度は、ウォークオフを許容範囲内に維持するために入力端から出力端へと増大する。
[00139]以上を考慮すると、バイナリ受動格子は、最小損失アーキテクチャが必要とされる用途のために選択される。
[00140]この特許の主題である様々な概念、構造、および、技術を例示するのに役立つ好ましい実施形態について説明してきたが、当業者であれば分かるように、これらの概念、構造、および、技術を組み入れる他の実施形態が使用されてもよい。したがって、特許の範囲は、前述した実施形態に限定されるべきではなく、むしろ、以下の請求項の思想および範囲によってのみ限定されるべきものである。
Claims (29)
- 複数のゾーン充填光位相アレイ(OPA)と、
複数のバイナリステージを備える偏光格子積層体であって、前記各バイナリステージが、少なくとも1つの液晶波長板(LCWP)と、少なくとも1つの偏光格子とを備え、前記各ステージが選択可能な偏角を与え、前記ステージが、最も大きい偏角の大きさを伴うステージが絞り出力に最も近くなるように偏角の大きさを増大させる順序で配置される、偏光格子積層体と、
を備える、出力を有する光学絞り。 - 請求項1記載の光学絞りにおいて、
前記偏光格子積層体は、該積層体に与えられる光信号の二次元角度制御を行う、光学絞り。 - 請求項2記載の光学絞りにおいて、
前記偏光格子積層体中の前記複数のバイナリステージの少なくとも一部は、入射ビームを第1の平面内にほぼある角度にわたって方向付ける第1の組を備え、前記偏光格子積層体中の前記複数のバイナリステージの少なくとも一部は、前記第1の平面に対して角度を成して位置する第2の異なる平面内にある角度にわたって入射ビームを方向付ける第2の組を備え、前記第1の組のステージの少なくとも一部が前記第2の組のステージの少なくとも一部と交互に配置される、光学絞り。 - 請求項1記載の光学絞りにおいて、
前記偏光格子積層体中の前記複数のバイナリステージの少なくとも一部は、入射ビームを第1の平面内にほぼある角度にわたって方向付け、
前記偏光格子積層体中の前記複数のバイナリステージの少なくとも一部は、前記第1の平面に対して角度を成して位置する第2の異なる平面内にほぼある角度にわたって入射ビームを方向付ける、光学絞り。 - 請求項1記載の光学絞りにおいて、
入射ビームを第1の平面内にほぼある角度にわたって方向付ける前記偏光格子積層体中の前記複数のバイナリステージの少なくとも一部は、入射ビームを第2の平面内にほぼある角度にわたって方向付ける前記偏光格子積層体中の前記複数のバイナリステージの少なくとも一部と交互に配置される、光学絞り。 - 請求項3記載の光学絞りにおいて、
前記第1の組のステージの少なくとも2つの対は、絞りの出力端の近傍の第2の組のステージの2つの対と交互に配置される、光学絞り。 - 請求項3記載の光学絞りにおいて、
前記ステージの前記第1の組に対応する前記偏光格子積層体中の前記バイナリステージのそれぞれは、前記ステージの前記第2の組に対応する前記偏光格子積層体中の前記バイナリステージの少なくとも1つに隣接する、光学絞り。 - 請求項3記載の光学絞りにおいて、
前記組のそれぞれの格子の偏角は、前記各格子の偏角の正弦がその組の後段の部分の偏角の正弦の1/2となるように選択される、光学絞り。 - 請求項3記載の光学絞りにおいて、
前記組中の前記格子の格子ピッチは、前記各格子の格子ピッチが後続の前記格子のピッチの2倍となるように選択される、光学絞り。 - 請求項3記載の光学絞りにおいて、
前記偏光格子積層体の前記各組中のそれぞれのステージは、単一の受動偏光格子(PG)がその後に続く切り換え可能な1/2波長板(SHWP)を備え、前記組のそれぞれの格子の偏角は、前記各格子の偏角の正弦がその組の後段の部分の偏角の正弦の1/2となるように選択される、光学絞り。 - 請求項1記載の光学絞りにおいて、
前記複数のゾーン充填OPAが1つ以上の粗いOPAを備える、光学絞り。 - 請求項11記載の光学絞りにおいて、
波面誤差(WFE)補正のための透過型適応光学素子を更に備える、光学絞り。 - 請求項1記載の光学絞りにおいて、
前記PG積層体の端部と絞りの出力との間に配置される切り換え可能な波長板を更に備え、前記切り換え可能な波長板は、絞りの偏光を所望の状態に設定するために使用される、光学絞り。 - 請求項1記載の光学絞りにおいて、
前記ゾーン充填OPAの有効口径は、前記偏光格子積層体の有効口径よりもかなり小さい、光学絞り。 - 請求項1記載の光学絞りにおいて、
光ビームを前記絞りへ与えるように配置される固定ファイバ供給部、または、
光ビームを前記絞りへ与えるように配置される自由空間供給部、
のうちの少なくとも一方を更に備える、光学絞り。 - 請求項1記載の光学絞りにおいて、
外部収差を補償するために一般に必要とされる数よりも多い数のピクセルを有する適応光学素子(AO)を更に備え、絞りの内部で生じる収差を排除するために前記AOも波面誤差(WFE)の細かい制御をサポートする、光学絞り。 - 請求項16記載の光学絞りにおいて、
前記複数のゾーン充填OPAは、前記適応光学素子と前記PG積層体との間に配置される少なくとも1つの粗いOPAを備える、光学絞り。 - 複数のゾーン選択光位相アレイ(OPA)と、
N個のバイナリステージを備える偏光格子積層体であって、N個の前記ステージのそれぞれがN個の偏角のうちの1つを与え、N個の前記ステージが、最も大きい偏角を伴うステージが絞り出力に最も近くなるように偏角を増大させる順序で配置される、偏光格子積層体と、
を備える、出力を有する光学絞り。 - 請求項18記載の光学絞りにおいて、
前記偏光格子積層体中の前記複数のバイナリステージの少なくとも一部は、入射ビームを第1の平面内にほぼある角度にわたって方向付ける第1の組を備え、前記偏光格子積層体中の前記複数のバイナリステージの少なくとも一部は、前記第1の平面に対して角度を成して位置する第2の平面内にある角度にわたって入射ビームを方向付ける第2の組を備え、前記第1の組のステージの少なくとも一部が前記第2の組のステージの少なくとも一部と交互に配置される、光学絞り。 - 請求項18記載の光学絞りにおいて、
N個の前記各ステージは、少なくとも1つの液晶波長板(LCWP)と、少なくとも1つの偏光格子とを備える、光学絞り。 - 請求項18記載の光学絞りにおいて、
N個の前記ステージの少なくとも一部が第1の平面内にある角度だけ信号を偏向させるように配置され、N個の前記ステージの少なくとも一部が第2の異なる平面内にある角度だけ信号をステアリングするように配置される、光学絞り。 - 請求項21記載の光学絞りにおいて、
第1の平面内で信号をステアリングするように配置されるステージは、第2の平面内で信号をステアリングするように配置されるステージと交互に配置される、光学絞り。 - 請求項21記載の光学絞りにおいて、
前記第1の組のステージのそれぞれが前記第2の組のステージのそれぞれと交互に配置される、光学絞り。 - 請求項18記載の光学絞りにおいて、
前記偏光格子積層体が少なくとも2つのバイナリステージを備える、光学絞り。 - 請求項24記載の光学絞りにおいて、
前記偏光格子積層体のそれぞれの前記ステージは、単一の受動偏光格子(PG)がその後に続く切り換え可能な1/2波長板(SHWP)を備える、光学絞り。 - 偏光格子の積層体、特に5つのステージを備え、それぞれの前記ステージが、選択可能な偏角を有する能動偏光格子(PG)がその後に続く切り換え可能な1/2波長板(SHWP)から成り、前記ステージが、最も大きい偏角の大きさを伴うステージが絞り出力に最も近くなるように偏角の大きさを増大させる順序で配置される、光学絞り。
- 高速ステアリング光位相アレイ(FSOPA)を備えるとともに、全電子ビームステアリングシステムを有するFSOPAが設けられるようにサッカードスキャンモードを使用するアーキテクチャを有する、光学絞り。
- 複数のゾーン充填光位相アレイ(OPA)と、
複数のターナリステージを備える偏光格子積層体であって、前記各ターナリステージが、少なくとも1つの液晶波長板(LCWP)と、少なくとも1つの偏光格子とを備え、前記各ステージが選択可能な偏角を与え、前記ステージが、最も大きい偏角の大きさを伴うステージが絞り出力に最も近くなるように偏角の大きさを増大させる順序で配置される、偏光格子積層体と、
を備える、出力を有する光学絞り。 - 請求項28記載の光学絞りにおいて、
前記PG積層体の端部と絞りの出力との間に配置される切り換え可能な波長板を更に備え、前記切り換え可能な波長板は、絞りの偏光を所望の状態に設定するために使用される、光学絞り。
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