JP2013544573A - 薬剤保持が改善された薬剤溶出貯蔵部を備えたベアメタルステント - Google Patents

薬剤保持が改善された薬剤溶出貯蔵部を備えたベアメタルステント Download PDF

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Abstract

植え込み可能な医療装置が、植え込み可能な医療装置の導入に対する生物有機体の反応の治療を含む、広範な状態を治療するための、1つまたは複数の薬剤または治療薬を局所送達するために使用され得る。これらの治療薬は、貯蔵部(106)を有するステント(100)から、制御された指向性条件下で放出されることができ、1つまたは複数の治療薬は、正しい標的エリア、例えば、周辺組織に到達する。特徴部が、これらの貯蔵部の壁および基部に組み込まれて、薬剤構造物の固定を改善することができる。

Description

開示の内容
〔発明の背景〕
1.発明の分野
本発明は、血管疾患の予防および治療のために治療薬および/または治療薬の組み合わせの局所投与に関し、より具体的には、治療薬および/または治療薬の組み合わせを局所送達するために保持特徴部を備えた貯蔵部を有する管腔内医療装置に関する。
2.関連技術の論考
多くの個人は、心臓および他の主要器官を灌流する血管が漸進的に遮断されたり狭まったりすることによって生じる、循環器疾患に悩まされている。このような個人における血管のより重篤な遮断は、しばしば、高血圧症、虚血性傷害、発作、または心筋梗塞につながる。冠血流を制限または妨害するアテローム性動脈硬化症病変は、虚血性心疾患の主要な原因である。あるいは、炎症性のアテローム性動脈硬化症病変または不安定プラークの自発的な破裂は、発作および/または急性心筋梗塞などの虚血性傷害を引き起こす、動脈の断続的または完全な血栓性閉塞につながる場合がある。経皮経管冠動脈形成術は、動脈を通る血流を増大させることを目的とした医療処置である。経皮経管冠動脈形成術は、広く行われている冠動脈血管狭窄の治療である。この処置がますます使用されることは、冠動脈バイパス手術と比べ、その比較的高い成功率と低侵襲性に起因している。経皮経管冠動脈形成術に関する限界は、この処置の直後に生じ得る血管の突然閉鎖、およびこの処置の後に除々に生じる再狭窄である。加えて、再狭窄は、伏在静脈バイパス移植を受けた患者における慢性的な問題である。急性閉塞のメカニズムはいくつかの要因が関与すると思われ、血管反跳およびその結果の動脈閉鎖、ならびに/または新たに開いた血管の損傷した長さに沿った血小板およびフィブリンの沈着により生じ得る。
経皮経管冠動脈形成術後の再狭窄は、血管損傷により開始される、より漸進的なプロセスである。再狭窄のプロセスには、血栓症、炎症、増殖因子およびサイトカイン放出、細胞増殖、細胞遊走ならびに細胞外マトリックス合成を含む多数のプロセスのそれぞれが寄与する。
全身性薬理療法(systemic pharmacologic therapy)とは異なり、ステントは、再狭窄を著しく軽減するのに有用であることが分かっている。典型的には、ステントは、バルーン拡張可能なスロット付き金属チューブ(通常はステンレス鋼であるが、これに限定されない)であり、これは、血管形成術を受けた冠動脈の管腔内部で拡張すると、動脈壁に対する剛性足場を通じて構造的支持を提供する。この支持は、血管腔の開放性を維持する上で、役に立つ。2つの無作為化臨床試験において、ステントは、最小管腔直径を増大し、6ヶ月目における再狭窄の発生率を、排除はしないが低減させることによって、経皮経管冠動脈形成術後の血管造影法における成功を増大させた(Serruys et al., 1994; Fischman et al., 1994)。さらに、ステントは、虚血性心筋組織への血流の迅速な回復が長期的な臨床的利点の主要な決定要素である、血栓性冠動脈(急性心筋梗塞)の血管再生の最適な治療となってきている。症状が現れてから6時間以内、好ましくは3時間未満で、ステントにより冠血流量を完全に回復させることは、血栓性閉塞を溶解させる血栓溶解剤(tPA、ストレプトキナーゼ等)の投与に比べて、優れた臨床転帰を生じることが分かっている。
シロリムス、エベロリムス、ならびに他のラパマイシン類似体および誘導体(mTOR阻害剤)を含むラパマイシンの局所送達に用いられるステントは、ベアメタルステントと比べ、経皮経管血管形成術および他の同様の動脈/静脈処置後の再狭窄および関連する合併症を著しく低減させることに、より成功していることが分かっている。ラパマイシンは、いくつかの方法で、ステント上に組み込まれるか、またはステントに固定されることができる。例えば、ラパマイシンは、任意の適切な手段によって、ポリマーマトリックスに組み込まれ、その後、ステントの表面に固定されることができる。ラパマイシンは、所与の期間にわたりポリマーマトリックスから周囲組織中へと溶出する。
さらに、ステントのヘパリンコーティングは、ステント植え込み後の亜急性血栓症の減少を生じる、さらなる利点を有するようである。よって、ステントによる、狭窄した冠動脈の持続的な機械的拡張は、再狭窄防止の何らかの手段を提供することが分かっており、ラパマイシンおよびヘパリンによるステントのコーティングは、損傷組織部位で薬剤を局所送達することの実行可能性および臨床有用性の双方を証明している。
コーティングされたステントにより達成される薬剤溶出は、この分野における最近の動向となっている。しかしながら、ステントテクノロジーにおけるさらなる発展は、薬剤溶出貯蔵部を備えるステントをもたらしている。薬剤溶出貯蔵部を備えるステントは、薬剤の選択、送達可能性(deliverability)、および治療において、さらなる柔軟性および選択肢を可能にしている。貯蔵部に基づく薬剤溶出ステントでは、薬剤成分が、典型的には貯蔵部内部に位置し、これは、薬剤およびポリマーが、ステント表面の一部に塗布されるコーティングへと調剤される、コーティングされたステントとは対照的である。ステントのデザインは、洗練され続けており、かつ、より小さく、より可撓性にされ、これらのステントが利用される使用条件は、さらに要求が多くなってきているので、貯蔵部内部に薬剤成分を固定することが、より重要となり、また、確実に達成するのが、より困難となっている。ステント送達中に貯蔵部に与えられ得る機械力に加え、ステントがクリンプおよび拡張する行為は、ステントの貯蔵部内部のインレーに対する追加的な機械的負荷を、結果として生じ得る。
したがって、薬剤または他の治療薬を内部に固定する、改善された貯蔵部特徴を有することにより、製造、調製、送達中に薬剤インレーが影響を受けずにいることを可能にし、かつ、前述のとおり血管損傷の防止および治療に利用可能である、貯蔵部に基づく薬剤溶出ステントが必要とされている。
〔発明の概要〕
本発明の、貯蔵部に基づく薬剤溶出ステントは、前記に簡単に述べたような、先行技術の装置の制限を克服するものである。
一態様によると、本発明は、生体の管状器官内に植え込まれる、薬剤溶出貯蔵部を備えたベアメタルステントに関する。本発明は、生体の管状器官内に植え込まれる、薬剤溶出貯蔵部を備えたベアメタルステントに関し、このステントは、管腔側表面および反管腔側表面を有する、細長い、実質的に管状の構造体であって、細長い、実質的に管状の構造体は、相互接続された複数の要素を含み、相互接続された複数の要素の一部が少なくとも1つの貯蔵部を含む、細長い、実質的に管状の構造体と;少なくとも1つの貯蔵部と動作可能に関連する少なくとも1つの保持および固定特徴部と;少なくとも1つの貯蔵部内部に位置付けられた、ポリマーおよび治療薬のうち少なくとも一方を含む、インレーと、を含み、少なくとも1つの保持および固定特徴部は、少なくとも1つの貯蔵部内部にインレーを固着させる。
別の態様によると、本発明は、固定が改善された薬剤溶出貯蔵部を備えるベアメタルステントを作製する方法に関する。この方法は、管腔側表面および反管腔側表面を有する、細長い、実質的に管状の構造体を提供する工程であって、細長い、実質的に管状の構造体は、相互接続された複数の要素を含み、相互接続された複数の要素の一部が、少なくとも1つの貯蔵部を含み、少なくとも1つの貯蔵部は、少なくとも1つの保持および固定特徴部を有する、工程と;ポリマーおよび治療薬のうち少なくとも一方の液体調合薬が、貯蔵部の保持および固定特徴部と十分に係合するように、その液体調合薬を、少なくとも1つの貯蔵部内へと受容されるよう導入する工程と;液体調合薬を硬化させ、保持および固定特徴部と連結されるインレーを生じる工程と、を含む。
本発明のステントは、前記に簡単に述べた独特なデザインを含み、コバルト-クロム合金を含む任意の適切な材料から形成され得る。ステントは、血管の開放性を維持するように、また、再狭窄を含む血管疾患の予防および治療のために、ラパマイシンもしくは他の治療薬または物質の組み合わせを周囲の動脈組織に局所送達するように、設計される。治療薬は、好ましくはブチル化ヒドロキシトルエン(butylated hydroxyl toluene)などの安定剤と共に、ポリマーマトリックスに組み込まれ、ステントの貯蔵部内へ堆積される。ステントの各貯蔵部は、治療薬、ポリマー、安定剤および溶媒を含む溶液で満たされる。満たすプロセスは、一連の堆積工程を含み、溶媒を除去するための乾燥工程がこれに続く。各貯蔵部の構造は、治療薬が血流中に溶出するのを最小限に抑えると共に、ステントの周りの動脈組織中へ溶出するのを最大にするか、または、代わりに、血流中への溶出を最大にすると共に、動脈組織中への溶出を最小限に抑えるように機能することができ、または、所望の場合、血流および動脈組織双方の中への溶出を最大にする、管腔側および反管腔側双方の溶出貯蔵部の組み合わせであってよい。
本発明のステントは、治療薬の、制御され、持続された局所送達を、血液中へのロスを最小限にした状態で周辺組織内に直接もたらすか、または、代わりに、周辺組織中へのロスを最小限にした状態で血流中に直接もたらすか、または、血流および組織双方の中へ直接もたらすと共に、組み合わせられた治療薬インレーの、貯蔵部に対する固定を改善することができる。ステントは、コバルト-クロム合金から作製されるのが好ましく、コバルト‐クロム合金は、あまり脆くなく、他の材料から作製されたステントと比べ、延性および強靱性が改善され、耐久性が増大している。
貯蔵部溶出ステント(Reservoir eluting stents)は、標準的な表面コーティングされた薬剤溶出ステントと比べ、いくつかの利点をもたらす。例えば、貯蔵部は、標準的な表面コーティングされたステントの剥離を引き起こし得る、曲がりくねった解剖学的構造および石灰化の強い病変の通過中に、貯蔵部内部に堆積したポリマーおよび薬剤マトリックスまたは組成物を、機械的破砕から保護する。貯蔵部により、より高い薬剤投入能力、およびより高い薬剤とポリマーとの比率が可能となる。これは、貯蔵部内のポリマーが、ポリマー表面コーティングに付随する伸長および変形を受けないためである。貯蔵部はまた、従来の表面コーティングよりも、必要とするポリマー質量(polymer mass)が少なく、支柱の厚みを10〜30μmだけ低減することができ、これにより、ステントの可撓性が改善されると共に、装置の全体的な外形が縮小される。貯蔵部は、独立した放出プロファイルでステントから複数の薬剤および/または治療薬を送達すること、ならびに、薬剤およびポリマーの特性に影響を及ぼさずにステントの金属表面を処理することを、より容易にする。さらに、貯蔵部は、選択的な指向性送達、ならびに位置的および/または指向性局所送達を提供することに関連するので、より大きな可撓性および選択肢をもたらす。さらに、貯蔵部は、植え込み時に血管壁に接触するポリマーが実質的にない、大部分がベアメタルであるステント表面を提供することにより、より良好な血管生体適合性をもたらすことができる。これは、後で詳細に説明するような、貯蔵部内部の組成物のメニスカス、および利用可能な貯蔵部の完全ではない充填(less than complete filling)を仮定すると、当てはまる。本発明に従って固定特徴部を組み込むことにより、ステントの完全な耐用年数にわたって、または吸収可能もしくは再吸収可能なインレーの場合には治療薬インレーが完全に吸収もしくは再吸収されるまで、貯蔵部に対する治療薬インレーの固定を確保および維持することができる。ステントを対象エリアに送達する間、およびステントの配備時に、ステント、およびその結果得られるインレーは、負荷および変形を受ける場合があり、これらは、薬剤インレーの固定に影響を及ぼし得る。貯蔵部内の特徴部の使用により、追加的レベルの固定をもたらすことができ、その結果、インレーは、しっかりと固定され、ステントの耐用年数にわたって固定されたままとなる。
本発明の前記特徴および利点、ならびに他の特徴および利点は、添付図面に示されるように、以下の、本発明の好適な実施形態に関するさらに具体的な説明から明らかとなるであろう。
〔好適な実施形態の詳細な説明〕
本発明の薬剤/薬剤の組み合わせ、および送達装置は、血管疾患を効果的に予防および治療するために使用され得る。本発明の例示的な実施形態は、経皮経管冠動脈形成術後の再狭窄、および関連する合併症の治療に関して説明されるが、薬剤/薬剤の組み合わせの局所送達は、任意の数の医療装置を用いて広範な状態を治療するか、または、装置の機能および/もしくは寿命を高めるために使用され得ることに注意することが重要である。例えば、白内障手術後に視力を回復させるために置かれる眼内レンズは、後発白内障の成立によりしばしば圧縮される。後発白内障は、しばしば、レンズ表面上での細胞異常増殖の結果であり、1つまたは複数の薬剤を装置と組み合わせることにより、潜在的に最小限に抑えられ得る。水頭症用のシャント、透析グラフト(dialysis grafts)、結腸瘻バッグ取り付け装置、耳漏チューブ、ペースメーカー用誘導線(leads)、および植え込み可能な細動除去器など、装置の中、上、および周りにおける、組織の内方成長またはタンパク性材料の蓄積によりしばしば機能しなくなる、他の医療装置も、装置と薬剤との組み合わせアプローチから恩恵を受けることができる。組織または器官の構造および機能を改善するのに役立つ装置は、適切な1つまたは複数の物質と組み合わせられた場合にも利点を示すことができる。例えば、植え込まれた装置の安定性を高めるための、整形外科用装置の改善された骨統合(osteointegration)は、潜在的には、骨形態形成タンパク質などの物質と組み合わせられることにより、達成され得る。同様に、他の外科装置、縫合糸、ステープル、吻合装置、椎間板(vertebral disks)、骨ピン、縫合糸アンカー、止血用バリア、クランプ、ねじ、プレート、クリップ、血管インプラント、組織接着剤およびシーラント、組織足場、さまざまなタイプの包帯、骨代用品、管腔内装置、ならびに血管支持体も、この薬剤と装置との組み合わせアプローチを用いて、改善された患者の利益をもたらすことができる。血管周囲ラップが、単独で、または他の医療装置と組み合わせて、特に好都合であり得る。血管周囲ラップは、治療部位に追加の薬剤を供給することができる。本質的に、任意のタイプの医療装置が、薬剤または薬剤の組み合わせを、何らかの方法でコーティングまたは装填されることができ、これにより装置または治療薬の単独の使用の場合と比較して治療が改善される。
さまざまな医療装置に加え、これらの装置に含まれる貯蔵部は、治療薬および医薬品を送達するのに用いられてよく、治療薬および医薬品には、ビンカアルカロイド(すなわち、ビンブラスチン、ビンクリスチン、およびビノレルビン)、パクリタキセル、エピジポドフィロトキシン(すなわち、エトポシド、テニポシド)、抗生物質(ダクチノマイシン(アクチノマイシンD)ダウノルビシン、ドキソルビシンおよびイダルビシン)、アントラサイクリン、ミトキサントロン、ブレオマイシン、プリカマイシン(ミトラマイシン)、およびマイトマイシン、酵素(L−アスパラギンを体系的に代謝し、固有のアスパラギンを合成する能力を有していない細胞を奪うL−アスパラギナーゼ)などの天然産物を含む抗増殖/抗有糸分裂剤;G(GP)II/III阻害剤およびビトロネクチン受容体拮抗薬などの抗血小板剤;窒素マスタード(メクロレタミン、シクロホスファミドおよび類似体、メルファラン、クロラムブシル)、エチレンイミンおよびメチルメラミン(ヘキサメチルメラミンおよびチオテパ)、アルキルスルホン酸塩‐ブスルファン、ニトロソ尿素(カルマスティン(BCNU)および類似体、ストレプトゾシン)、トラゼン−ダカルバジニン(DTIC)などの抗増殖/抗有糸分裂アルキル化剤;葉酸類似体(メトトレキサート)、ピリミジン類似体(フルオロウラシル、フロクスウリジン、およびシタラビン)、プリン類似体、ならびに関連の阻害剤(メルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチン、および2−クロロデオキシアデノシン{クラドリビン})などの抗増殖/抗有糸分裂代謝拮抗物質;プラチナ配位錯体(シスプラチン、カルボプラチン)、プロカルバジン、ヒドロキシウレア、ミトタン、アミノグルテチミド;ホルモン(すなわち、エストロゲン);抗凝固薬(ヘパリン、合成ヘパリン塩、および他のトロンビン阻害剤);線維素溶解薬(例えば、組織プラスミノーゲン活性剤、ストレプトキナーゼ、およびウロキナーゼ)、アスピリン、ジピリダモール、チクロピジン、クロピドグレル、アブシキシマブ;抗遊走薬(antimigratory);分泌抑制剤(ブレベルジン);抗炎症薬、例えば、副腎皮質ステロイド(コルチゾール、コルチゾン、フルドロコルチゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、6α−メチルプレドニゾロン、トリアムシノロン、ベタメタゾン、およびデキサメタゾン)、非ステロイド剤(サリチル酸誘導体、すなわち、アスピリン);パラアミノフェノール誘導体、すなわち、アセトアミノフェン;インドールおよびインデン酢酸(インドメタシンン、スリンダク、およびエトドラク(etodalac))、ヘテロアリール酢酸(トルメチン、ジクロフェナク、およびケトロラク)、アリールプロピオン酸(イブプロフェンおよび誘導体)、アントラニル酸(メフェナム酸、およびメクロフェナム酸)、エノール酸(ピロキシカム、テノキシカム、フェニルブタゾン、およびオキシフェンタトラゾン)、ナブメトン、金化合物(オウラノフィン、アウロチオグルコース、金チオリンゴ酸ナトリウム);免疫抑制薬(シクロスポリン、タクロリムス(FK−506)、シロリムス(ラパマイシン)、アザチオプリン、ミコフェノール酸モフェチル);血管形成剤:脈管内皮増殖因子(VEGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF);アンギオテンシン受容体遮断薬;酸化窒素供与体;アンチセンスオリジオヌクレオチド(antisense oligionucleotides)およびそれらの組み合わせ;細胞周期阻害剤、mTOR阻害剤、および成長因子受容体信号変換キナーゼ阻害剤;レテノイド;サイクリン/CDK阻害剤;HMG補酵素レダクターゼ阻害剤(スタチン);ならびにプロテアーゼ阻害剤が挙げられる。
ステントからの薬剤/薬剤の組み合わせの局所送達は、以下の利点を有する、すなわち、血管の跳ね返りの防止、およびステントの足場作用による再造形、および新生内膜過形成もしくは再狭窄の複数の要素の防止、ならびに炎症および血栓症の軽減。ステント装着した冠動脈への、薬剤、物質、もしくは化合物のこの局所投与は、さらなる治療上の利点を有することもできる。例えば、薬剤、物質、または化合物の、より高い組織中濃度は、全身投与ではなく局所送達を用いて達成され得る。さらに、全身毒性の軽減は、より高い組織中濃度を維持しながら、全身投与ではなく局所送達を用いて達成されることができる。また、全身投与ではなくステントからの局所送達を利用する際、より良好な患者の薬剤服用順守により、単一の処置で十分となり得る。組み合わせの薬剤、物質および/または化合物療法のさらなる利点は、治療薬剤、物質または化合物それぞれの用量を減少させることであり得、これにより、それらの毒性が制限されるが、再狭窄、炎症および血栓症の減少は依然として達成される。したがって、ステントに基づく局所的療法は、再狭窄防止、抗炎症性、抗血栓症の薬剤、物質、または化合物の治療可能比(有効性/毒性)を改善する手段である。
経皮経管冠動脈形成術後に利用され得る、多数の異なるステント、およびさまざまな形状の貯蔵部がある。本発明に従って、任意の数のステントを使用することができるが、単純にするために、本発明の例示的な実施形態では、限られた数のステントを記載する。当業者は、任意の数のステントおよびさまざまな貯蔵部形状を本発明と関連して使用し得ることを、認識するであろう。さらに、前述したように、他の医療装置を利用することもできる。インレー構造を貯蔵部の構造に固定する際の複数のアプローチが、本発明に従って、単独で、または組み合わせて使用されることもできる。
ステントは、閉塞を軽減するために導管の管腔内部に残される管状構造体として一般に使用される。一般的に、ステントは、非拡張形態で管腔に挿入され、その後、自発的に、または、本来の位置で第2の装置を用いて、拡張される。典型的な拡張方法は、カテーテルに装着された血管形成術用バルーン(catheter-mounted angioplasty balloon)を使用して行なわれ、このバルーンは、狭窄した血管または身体通路内で膨張されて、血管の壁構成成分に関連した閉塞を剪断および破壊し、拡大した管腔を得る。ニチノールなど自己拡張する材料から作製されるステントもある。これらのステントは、ステントを抑制するシースが取り除かれると自発的に拡張する。
図1は、本発明の例示的な実施形態に従って使用され得る、例示的なステント100を示す。拡張可能な円筒形ステント100は、血管、導管または管腔を開いた状態に維持するために血管、導管または管腔内に設置されるため、より具体的には、血管形成術後に動脈の一部を再狭窄から保護するために、穴あきの構造体を含む。ステント100は、周方向に拡張され、周方向もしくは半径方向に剛性である拡張構成で維持されることができる。ステント100は、軸方向に可撓性であり、バンドのところで曲げられると、ステント100は、外側に突出する構成要素部分を避ける。
ステント100は、概して第1の端部および第2の端部を含み、これら端部の間に中間セクションがある。ステント100は、長さ方向軸を有し、長さ方向に配された複数のバンド102を含み、各バンド102は、長さ方向軸に平行な線分に沿って概ね連続した波形部を定める。周方向に配列された複数のリンク104が、バンド102を、実質的に管状の構造に維持している。本質的に、長さ方向に配された各バンド102は、周方向に配列された短いリンク104によって、複数の周期的な場所で、隣接するバンド102に接続される。バンド102それぞれと関連する波形部は、中間セクションにおいて、おおよそ同じ基本空間周波数を有し、バンド102は、それらに関連する波形部が概ね整列して互いと概ね一致するように配されている。図面に示されるように、長さ方向に配列された各バンド102は、隣接するバンド102へのリンクが来る前に、約2サイクルにわたり起伏している。
ステント100は、いくつかの方法を利用して作製され得る。例えば、ステント100は、レーザー、放電フライス加工、化学エッチング、または他の手段を用いて機械加工または作製され得る、中空のステンレス鋼チューブまたは形成されたステンレス鋼チューブから作製されることができる。ステント100は、身体内に挿入され、非拡張形態で所望の部位に設置される。例示的な一実施形態では、拡張は、血管内においてバルーンカテーテルにより影響を受ける場合があり、ステント100の最終直径は、使用されるバルーンカテーテルの直径、ならびにステントのデザイン(拡張比)の関数である。
本発明によるステント100は、例えばニッケルおよびチタンまたはステンレス鋼の適切な合金を含む、形状記憶材料で具体化され得ることが、理解されるべきである。ステンレス鋼から形成された構造は、ステンレス鋼を予め決められた方法で構成することによって、例えば、ステンレス鋼を編組構成にねじることによって、自己拡張するようにされ得る。この実施形態では、ステント100が形成された後、ステントは、挿入手段による血管または他の組織への挿入を可能とするよう十分小さな空間を占めるように圧縮されることができ、挿入手段は、適切なカテーテル、または可撓性ロッドを含む。カテーテルから出てくる際、ステント100は、所望の構成へと拡張するように構成されてよく、拡張は、形状記憶合金の場合には自動的であり、あるいは、ステントが非自己拡張材料から作製されている場合には、圧力、温度、もしくは電気刺激の変化により引き起こされるか、またはバルーンカテーテルなどの装置により増大される。
図2は、図1に示されたステント100を用いた、本発明の例示的な実施形態を示す。図示のように、ステント100は、1つまたは複数の貯蔵部106を含むように改変され得る。貯蔵部106はそれぞれ、所望のとおりに開放または閉鎖されることができる。これらの貯蔵部106は、送達されるべき薬剤/薬剤の組み合わせを保持するように、特に設計され得る。ステント100のデザインにかかわらず、治療されるべき状態に有効な投薬量を与えるように、十分な特異性および十分な濃度で適用される薬剤/薬剤の組み合わせの投薬量を有することが好ましい。この点で、バンド102内の貯蔵部のサイズは、好ましくは、所望の場所で、所望の量で、薬剤/薬剤の組み合わせの投薬量を適切に適用するようにサイズ決めされる。しかしながら、図1に示すステントは、薬剤/薬剤の組み合わせを送達するために使用されてもよいことに、注意することが重要である。例えば、ステントの表面は、薬剤/薬剤の組み合わせで直接、あるいは、ステントの表面に取り付けられたポリマーマトリックスの一部として、コーティングされてよい。言い換えれば、ステントの表面コーティングは、貯蔵部ベースの送達と表面コーティングの送達を組み合わせた場合に追加的な選択肢および構成をもたらす、薬剤送達貯蔵所であるか、または薬剤送達貯蔵所として作用する。
図3は、代わりの例示的な拡張可能な医療装置を示し、この医療装置は、拡張可能な医療装置により組織に送達される有益な物質を収容する複数の穴を有している。図3に示す拡張可能な医療装置300は、円筒形の拡張可能な装置を形成するように、材料チューブから切り出される。拡張可能な医療装置300は、複数の架橋要素304により相互接続された複数の円筒形セクション302を含む。架橋要素304により、組織支持装置は、配備部位まで血管系の曲がりくねった通路(torturous path)を通過する際に、軸方向に曲がることができ、また、その装置が、支持されるべき管腔の湾曲に適合する必要がある場合に、軸方向に曲がることができる。円筒形セクション302はそれぞれ、延性ヒンジ308および周方向の支柱310により相互接続された細長い支柱306のネットワークにより形成される。医療装置300の拡張中、延性ヒンジ308は変形するが、支柱306は変形しない。拡張可能な医療装置の一例のさらなる詳細が、参照により全体として本明細書に組み込まれる米国特許第6,241,762号に記載されている。
図3に示すように、細長い支柱306および周方向の支柱310は、開口部312を含み、この開口部のいくつかまたはすべては、拡張可能な医療装置が植え込まれる管腔に送達される、有益な物質を収容する。さらに、架橋要素304など、装置300の他の部分が、開口部を含むこともできる。好ましくは、開口部312は、支柱306など、装置300の非変形部分に設けられ、これらの開口部は、変形せず(non-deforming)、有益な物質は、装置の拡張中に破砕されるか、放出されるか、または別様に損傷されるリスクなしに、送達される。本発明に従って、以下に記載するような追加の固定特徴部(securement features)を組み込むことにより、この潜在的リスクは、さらに著しく減少する。有益な物質を開口部312内部に充填し得る方法の一例のさらなる説明は、参照により全体として本明細書に組み込まれる、2001年9月7日出願の米国特許第6,764,507号に記載されている。
図示される本発明の例示的な実施形態は、開口部312内部における有益な物質の配備を最適にするために有限要素解析および/または他の技術を使用することにより、さらに改良され得る。基本的には、開口部312の形状および場所は、空隙の容量を最大にすると共に、延性ヒンジ308に対して支柱の比較的高い強度および剛性を保つために、改変されることができる。本発明の1つの好適な例示的実施形態によると、開口部は、少なくとも32.258×10−6cm(5×10−6平方インチ)、好ましくは少なくとも45.161×10−6cm(7×10−6平方インチ)、の面積を有する。典型的には、開口部は、約50%〜約95%が有益な物質で満たされている。
本明細書に記載する例示的なステントは、コバルト-クロム合金を含む。本発明によると、L605などのコバルト-クロム合金が、ステントを作製するのに使用され得る。植え込み可能な生体適合性装置の材料としてやはり広く使用されている、L605などの従来のコバルトベースの合金(すなわちUNS R30605)は、約19〜21重量%の範囲のクロム(Cr)、約14〜16重量%の範囲のタングステン(W)、約9〜11重量%の範囲のニッケル(Ni)、最大で3重量%の範囲の鉄(Fe)、最大で2重量%の範囲のマンガン(Mn)、最大で1重量%の範囲のケイ素(Si)を含んでよく、コバルト(cobalt)が、この組成物の残り(約49重量%)を構成する。
あるいは、植え込み可能な生体適合性装置の材料としてやはり広く使用されている、Haynes 188などの別の従来のコバルトベースの合金(すなわちUNS R30188)は、約20〜24重量%の範囲のニッケル(Ni)、約21〜23重量%の範囲のクロム(Cr)、約13〜15重量%の範囲のタングステン(W)、最大で3重量%の範囲の鉄(Fe)、最大で1.25重量%の範囲のマンガン(Mn)、約0.2〜0.5重量%の範囲のケイ素(Si)、約0.02〜0.12重量%の範囲のランタン(lanathanum)(La)、最大で0.015重量%の範囲のホウ素(B)を含んでよく、コバルト(Co)が、この組成物の残り(約38重量%)を構成する。
概して、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、マンガン(Mn)、ケイ素(Si)およびモリブデン(Mo)などの、元素添加物は、必要に応じて、鉄および/またはコバルトベースの合金に加えられ、強度、機械加工する能力(ability to machine)、および臨床的に関連する使用状況内での耐腐食性を含む、望ましい性能特性を増大するか、または可能にした。
本発明の例示的な実施形態によると、単一の有益な物質を、ステントの貯蔵部もしくは穴の中に投入するか、または、その表面上にコーティングするか、または1つの装置において双方を組み合わせることができる。さらに、複数の有益な物質を、ステントの貯蔵部もしくは穴の中に投入するか、または、その表面上にコーティングすることができる。図3に関して前述したように薬剤もしくは物質の放出のために貯蔵部もしくは穴を使用することは、異なる有益な物質の使用をより容易にすると共に、本明細書に記載するようないくつかの利点をもたらす。異なる薬剤を含む異なる有益な物質は、ステントの異なる開口部内に配されてよい。これにより、単一のステントから、2つまたは3つ以上の有益な物質を、任意の所望の送達パターンで、また、独立した薬剤放出速度プロファイルで、送達することができる。あるいは、異なる濃度で同じ薬剤を含む異なる有益な物質が、異なる開口部内に配されてもよい。これにより、薬剤は、不均一な装置構造で組織に均一に分配される。
本明細書に記載される装置に提供される2つまたは3つ以上の異なる有益な物質は、(1)異なる薬剤;(2)異なる濃度の同じ薬剤;(3)異なる放出動態、すなわち異なるマトリックス浸食速度の、同じ薬剤;(4)異なる形態の同じ薬剤;または(5)これらの任意の組み合わせ、を含み得る。異なる放出動態の同じ薬剤を含んで調合された異なる有益な物質の例は、異なる形状の溶出プロファイルを達成するように異なるキャリアを使用することができる。異なる形態の同じ薬剤のいくつかの例は、さまざまな親水性または親油性を有する薬剤の形態を含む。これらのさまざまな組み合わせはそれぞれ、追加の選択肢および/または構造を提供する、オプションの薬剤含有表面コーティングにより、増強され得る。
組織の異なる画定エリアで、または血流中において異なる薬剤濃度を達成するために異なる開口部に異なる有益な物質を使用することに加え、異なる開口部に異なる有益な物質を投入することは、拡張可能な医療装置が拡張構成において開口部の不均一な分布を有する場合に、送達される有益な物質のさらに均一な空間分布をもたらすために使用され得る。散在した形で、または交互に、異なる開口部に異なる薬剤を使用することにより、同じポリマー/薬剤マトリックス組成物内で組み合わせられた場合には送達可能ではない場合がある2つの異なる薬剤の送達が可能となる。例えば、薬剤それら自体は、望ましくない形で相互作用する場合がある。あるいは、2つの薬剤は、マトリックスの形成のための同じポリマーと、または、ポリマー/薬剤マトリックスを開口部内部に送達するための同じ溶媒と、融和性でない場合がある。
図3のステントの開口部が貫通穴であるとすると、開口部に1つまたは複数の有益な物質を投入する構造は、1つまたは複数の有益な物質の放出の方向、例えば、主に拡張可能な医療装置の管腔側もしくは反管腔側であるなど、を決定するのに使用され得る。血管壁治療のために異なる有益な物質を、拡張可能な医療装置の壁側または反管腔側に送達することに加え、有益な物質は、拡張可能な医療装置の管腔側に送達されて、血栓症を予防もしくは減少させるか、または、以下で詳細に論じるように植え込み部位の下流にある器官を治療するために、血流内に物質を直接局所送達することができる。装置の管腔側から血流内に送達される薬剤は、装置の遠位端部に、または、装置の所望の特定領域に位置することができる。
拡張可能な医療装置の異なる開口部内に異なる有益な物質を投入する方法は、浸漬およびコーティングなどの既知の技術、ならびに、やはり既知の圧電マイクロジェット技術を含むことができる。顕微注射装置は、正確な量の2つまたは3つ以上の有益な液体物質を、既知の方法で、拡張可能な医療装置上の正確な場所に送達するためにコンピューター制御され得る。例えば、2物質ジェット装置は、2つの物質を同時に、または連続して、開口部内に送達することができる。有益な物質が拡張可能な医療装置の貫通開口部内に投入されると、貫通開口部の管腔側は、有益な物質を例えば溶媒と共に液体形態で送達することを可能にする、弾性マンドレルによって、投入中は遮断され得る。液体として送達されることにより、組成物は、固定特徴部の周り、および/またはその中に流れることができ、これにより、硬化時にインレーが固定される。有益な物質はまた、手動注入装置によって投入されることもできる。
本発明による組成物は、流体充填溶液組成物(fluid filling solution composition)を貯蔵部内に堆積させる工程、貯蔵部および固定特徴部に対する溶液組成物の嵌合(interdigitization)を達成する工程、ならびに充填溶液溶媒の、実質的にすべてではないとしても大部分を、蒸発させる工程、を含む、一連の連続した工程で、貯蔵部内に投入される。最終的な組成物中に溶媒がないことは、理想的な状況である。本明細書に記載するように、任意の適切な堆積プロセスが利用され得ることが、認識されるべきである。前述したような、本発明による組成物は、溶媒が実質的にすべて、または好ましくはすべて、充填溶液組成物から除去された後で、貯蔵部内部にとどまり、かつ貯蔵部にしっかりと取り付けられる、固体材料である。
治療薬としてシロリムスを含む固体組成物を形成するのに使用される、例示的な流体組成物は、生体再吸収性もしくは生体吸収性ポリマー、好ましくはポリ(ラクチド−co-グリコリド)、PLGA、ポリマー、適切な溶媒、例えばジメチルスルホキシド、DMSO、もしくはN-メチルピロリドン、NMP、シロリムス、およびオプションとして、ブチル化ヒドロキシトルエンもしくはBHTなどの安定剤もしくは酸化防止剤を含む。BHTの代わりのスペリングは、ブチル化ヒドロキシトルエン(butylated hydroxtoluene)である。好ましくは、ステント貯蔵部内に最終的なシロリムス組成物を作り出すための堆積工程で用いられる流体充填溶液組成物のうち少なくとも1つは、BHTを含む。
BHTの代替物は、ブチル化ヒドロキシルアニソール、BHA、ガレートエステル、例えば没食子酸プロピル、またはアスコルビン酸エステル、例えばパルミトイルアスコルビン酸を含む。BHTは、シロリムスを安定させる上での高レベルな有効性、低レベルな毒性、および疎水性に基づいて、好適である。BHTは、シロリムスとほぼ同じ速度で貯蔵部から溶出し、したがって、好ましくはシロリムスと共にBHTが存在する。DMSOおよびNMPの代替物は、ジメチルアセトアミド(dimethyl acetomide)(DMAc)またはジメチルホルムアミド(DMF)を含む。DMSOは、シロリムスがDMSOの存在下ではより安定するので、好適である。
堆積されるそれぞれの連続した流体組成物は、同じ成分もしくは構成要素を含むことができ、あるいは、連続した充填溶液は、異なる成分もしくは構成要素を含む充填溶液から調製されることができる。好ましくは、第1の一連の充填溶液堆積物は、ポリマーおよび溶媒のみを含み、これらは、前述のとおり、各充填工程後に乾燥させられる。プロセスのこの部分は、結果として、基部構造の形成をもたらす。好適な例示(preferred exemplary)において、5つの別個の基部充填工程が行われ、各充填工程相互間には、55℃で1時間の乾燥時間があり、組成物から溶媒を除去する。いったん基部構造が形成されると、ポリマー、溶媒、シロリムスおよびBHTを含む、その後の溶液が加えられ、やはり、各充填工程後に乾燥させられる。好適な例示では、4つの別個の薬剤含有充填工程が行われ、各充填工程相互間には、55℃で1時間の乾燥時間があり、薬剤含有組成物から溶媒を除去する。最終的な充填工程後、ステントは、55℃で24時間乾燥させられる。この製造シーケンスにより、ステントの管腔側表面エリアには低濃度のシロリムスがあり、ステントの壁側もしくは反管腔側の面のエリアには比較的高濃度のシロリムスがある、貯蔵部組成が作り出される。この構成は、壁側もしくは反管腔側の面と比べて、管腔側の面のエリアへの薬剤溶出に対する、長い経路または高い抵抗を作り出すので、結果として、実質的にすべてのシロリムスがステントの壁側もしくは反管腔側、および動脈組織内部に送達されるはずである。
貯蔵部内部のシロリムス組成物は、好ましくは、シロリムス、生体再吸収性ポリマー、安定剤および溶媒を含み、これらの構成要素のそれぞれは、互いに対して、特定の割合となっている。好ましくは、ステントから利用可能なシロリムスの総用量もしくは総量は、動脈組織面積1平方ミリメートル当たり0.15〜2.7μgであり、動脈組織の面積は、直径および長さが、動脈内で配備された際の拡張したステントの直径および長さである、理論上のシリンダーの表面の面積として定められる。より好ましくは、ステントから利用可能なシロリムスの総用量もしくは総量は、動脈組織1平方ミリメートル当たり0.7〜1.2μgである。さらに好ましくは、ステントから利用可能なシロリムスの総用量もしくは総量は、動脈組織1平方ミリメートル当たり0.87〜1.1μgである。しかしながら、この例示的な実施形態の放出仕様は、表示量(label claim)の90〜110%であるので、ステントから利用可能なシロリムスの総用量もしくは総量は、動脈組織1平方ミリメートル当たり0.78〜1.21μgである。
前述のように、組成物中で使用される生体再吸収性ポリマーは、PLGAを含む。さらに好ましくは、この組成物は、ポリマー鎖中のラクチド残留物とグリコリド残留物とのモル比(L:G)が約100:0〜約50:50であるPLGAポリマーを含む。さらに好ましくは、組成物は、ポリマー鎖中のラクチド残留物とグリコリド残留物とのモル比(L:G)が約80:20〜約70:30である、PLGAポリマーを含む。D:P比として示される、シロリムスとPLGAとの重量比は、好ましくは、約30/70〜約60/40、より好ましくは約42/58〜約50/50の範囲、さらに好ましくは46/54である。すべての比率は、重量%である。あるいは、シロリムスとPLGAとの相対的な重量割合は、正規化された形態、D:Pで表されてよい。したがって、好適なD:P比は、約1:0.66〜約1:2.3、より好ましくは約1:1.00〜約1:1.38の範囲、さらに好ましくは約1:1.17である。ポリマーの固有粘度は、0.66〜0.72dL/gである。
前述のとおり、シロリムス組成物は、好ましくは、BHT、ブチル化ヒドロキシトルエン(butylated hydroxy toluene)、またはブチル化ヒドロキシトルエン(butylated hydroxytoluene)を含む。添加されるBHTの量は、好ましくは、シロリムスの量の約3重量%未満である。さらに好ましくは、添加されるBHTの量は、シロリムスの量の約1.2重量%〜約2.6重量%の範囲である。さらにより好ましくは、添加されるBHTの量は、シロリムスの量の約1.6重量%〜約2.0重量%の範囲である。
前述した構成要素を作るために、堆積目的の溶液、適切な溶媒が必要である。ジメチルスルホキシド、DMSOが好適な溶媒であり、本発明で利用されるのが好ましい。存在する量は、シロリムスの重量に対して、約0.01重量%〜約20重量%の範囲である。さらに好ましくは、DMSOは、シロリムスの重量に対して、約1重量%〜約15重量%の範囲の量で利用される。さらに好ましくは、DMSOは、シロリムスの重量に対して約4重量%〜約12重量%の範囲、より好ましくはシロリムスの重量に対して約7重量%〜約10重量%の範囲の量で、利用される。
薬剤の投入、または各薬剤の用量は、前述したものを含め、さまざまな形で表され得ることに注意することが重要である。好適な例示的実施形態では、用量範囲は、標準的な3.5mm×17mmのステントサイズに基づいて、薬剤重量のネスト化絶対範囲(nested absolute ranges)として表されてよい。このように、用量範囲は、ステントサイズおよび貯蔵部の総数に対応する。例えば、3.5mm×17mmのステントサイズでは、穴もしくは貯蔵部の数は、585個である。他の例示的な実施形態では、所与のサイズのステントに対する貯蔵部の数は、2.5mm×8mmのステントでは211個の貯蔵部、3.0mm×8mmのステントでは238個、3.5mm×8mmのステントでは290個の貯蔵部、2.5mm×12mmのステントでは311個の貯蔵部、3.0mm×12mmのステントでは347個、3.5mm×12mmのステントでは417個の貯蔵部、2.5mm×17mmのステントでは431個の貯蔵部、3.0mm×17mmのステントでは501個、2.5mm×22mmのステントでは551個の貯蔵部、3.0mm×22mmのステントでは633個、3.5mm×22mmのステントでは753個の貯蔵部、2.5mm×28mmのステントでは711個の貯蔵部、3.0mm×28mmのステントでは809個、3.5mm×28mmのステントでは949個の貯蔵部、2.5mm×33mmのステントでは831個の貯蔵部、3.0mm×33mmのステントでは963個、3.5mm×33mmのステントでは1117個の貯蔵部を含むことができる。3.5mm×17mmのステントに対するシロリムスの投入量または用量は、約30μg〜約500μg、さらに好ましくは約130μg〜約200μg、さらに好ましくは約140μg〜約185μgの範囲であってよい。これらは、例示的なサイズおよび貯蔵部の総数であることに注意することが重要である。前記のとおり、用量範囲は、ステントのサイズおよび貯蔵部の総数に対応する。薬剤重量は、上下に調節されて、凹状もしくは凸状の固定特徴部の説明がつく(account for)ようにして、所望の用量範囲を達成することができる。これは、これらの特徴部が、小さな様式にもかかわらず、貯蔵部の、結果として生じる利用可能な容量を改変し得るためである。これらの用量は、最終的な滅菌ステント製品のためのものである。
放出の持続時間が調整され得ることに注目するのも重要である。例えば、シロリムスの生体内放出は、約7〜約120日間、さらに好ましくは約14〜約90日間であってよい。
本明細書に記載した例示的な実施形態のいずれについても、貯蔵部の固定特徴部は、以下に詳細に説明するように使用されることができる。
本発明の例示的なステントは、非常に可撓性であり、送達可能であると共に、血管開放性を維持するために十分な半径方向強度を提供する。ステントは、コバルトクロム合金、ステンレス鋼合金、もしくはニッケルチタン合金を含む、適切な材料から作られたチューブをレーザー切断することなどにより、任意の適切な方法で形成され得る。本発明の冠動脈用可撓性ステントは、本発明の例示的な一実施形態を示すために開示されているが、当業者は、本発明の開示された例示的な実施形態が、身体内の他の場所および管腔、例えば、血管性、非血管性、および抹消の血管、導管などに、等しく適用され得ることを、理解するであろう。以下にさらに詳細に説明するように、固定特徴部自体は、レーザー切断、または他の方法、例えば放電加工、または、侵略的な電子もしくは化学エッチング(aggressive electro or chemical etching)によって、作られ得る。
貯蔵部溶出ステントは、標準的な表面コーティングされた薬剤溶出ステントと比べ、いくつかの利点を提供する。例えば、貯蔵部は、その内部に堆積したポリマーおよび薬剤マトリックスもしくは組成物を、標準的な表面コーティングされたステントの剥離を生じ得る曲がりくねった解剖学的構造および石灰化の強い病変を通過する間の、機械的破砕から保護する。貯蔵部により、より高い薬剤投入能力、および、より高い薬剤とポリマーとの比率が可能となる。これは、貯蔵部内のポリマーが、ポリマー表面コーティングに付随する伸長および変形を受けないためである。貯蔵部はまた、従来の表面コーティングより必要とするポリマー質量が少なく、10〜30μmだけ支柱の厚みを減少させることができ、これにより、ステントの可撓性が改善されると共に、装置の全体的な外形が縮小される。貯蔵部により、ステントから複数の薬剤および/または治療薬を、独立した放出プロファイルで送達すること、ならびに薬剤およびポリマーの特性に影響を及ぼさずに、ステントの金属表面を処理すること、が、さらに容易になる。さらに、貯蔵部は、選択的な指向性送達、ならびに位置的および/または指向性局所送達を提供することに関するので、より高い可撓性および選択肢を提供する。加えて、貯蔵部は、植え込み時に血管壁に接触するポリマーが実質的にない、大部分がベアメタルであるステント表面を提供することにより、より良好な血管生体適合性をもたらすことができる。これは、後で詳細に説明するような、貯蔵部内部の組成物のメニスカス、および利用可能な貯蔵部の完全ではない充填を考慮すると、当てはまる。本発明に従って、固定特徴部を組み込むことにより、ステントの完全な耐用年数にわたって、または吸収可能もしくは再吸収可能なインレーの場合には治療薬インレーが完全に吸収もしくは再吸収されるまで、貯蔵部に対する治療薬インレーの固定を確保および維持することができる。ステントを対象エリアに送達する間、およびステントの配備時に、ステント、およびその結果得られるインレーは、負荷および変形を受ける場合があり、これらは、薬剤インレーの固定に影響を及ぼし得る。貯蔵部内の特徴部の使用により、追加的レベルの固定をもたらすことができ、その結果、インレーは、ステントが受け得る最も過酷な投入方式においても、しっかりと固定され、ステントの耐用年数にわたって固定されたままとなる。
ベアメタルステントは、簡単に前述したように、利点も提供する。本発明の貯蔵部溶出ステントは、ベアメタルステントの最良の特徴部を、薬剤溶出ステントの最良の特徴部と組み合わせる。本明細書に記載される例示的な実施形態では、貯蔵部溶出ステントは、その外表面もしくは反管腔側表面上、またはそれに近接して、約75%がベアメタル、25%がポリマーおよび薬剤である。貯蔵部が満たされておらず(less than full)、層もしくはインレーが前述したように管腔側から始まるように充填される場合、貯蔵部溶出ステントは、反管腔側表面に対して、75%がベアメタル、25%が開放された貯蔵部表面積である。言い換えれば、外表面におけるステントの全表面積のうち、約25%が、貯蔵部のエリアであり、残りの75%は、支柱およびヒンジの表面積である。これらのパーセンテージは、初期値である。言い換えれば、ステントの植え込み時において、血管壁に接触するステントの表面積の75%がベアメタルであり、ステントの表面積の25%が、以下で詳細に説明するように、ポリマーおよび薬剤で少なくとも部分的に満たされた貯蔵部である。しかしながら、PLGAは、おおよそ90日目に、そのエステル結合部の加水分解により生物分解可能(biodegradeable)であるので、ステントの貯蔵部内にはポリマーおよび/または薬剤は残らない。したがって、90日目に、ステントの100%がベアメタルとなり、貯蔵部は、その中に収容されていた薬剤およびポリマーが奪われている。より具体的には、血管に対して露出されるステントの全表面積が、ベアメタルであり、貯蔵部内にはポリマーならびに/またはポリマーおよび薬剤は残らない。したがって、薬剤が送達されると、再狭窄が除去され、ベアメタルステントは、反跳を防ぐために足場で支えるものとして、後に残される。このデザインでは、ベアメタルステントの利点、すなわち、血栓症および/または塞栓の潜在的リスクの減少、ならびに薬剤の局所送達の再狭窄予防効果が達成される。
前記のとおり、例示的なステントはそれぞれ、シロリムス(ラパマイシン)、PLGAポリマー、およびBHT(酸化防止剤)の混合物で満たされるか、または少なくとも部分的に満たされた、複数の貯蔵部を含む。個々の貯蔵部はそれぞれ、実質的に同じ量の混合物を含む。シロリムスの所望の用量、および患者の動脈にいったん設置されたステントからのシロリムスの所望の溶出速度もしくは動的放出プロファイルの双方を達成するために、特定の重量比率のシロリムス、PLGA、およびBHT(「調合薬」と呼ばれる)それぞれが、ステントの貯蔵部内に堆積されなければならない。各貯蔵部は、構造物またはインレーの固化時に、構造物またはインレーが装置に固定して取り付けられたままであることを確実にするように、固定特徴部を呈する。用量の割合、および放出動態は、前述されている。ステント内のすべての貯蔵部の利用可能な総容量、拡大解釈すれば、ステント内の個々の貯蔵部それぞれの利用可能な容量は、患者に所望の利益を与える調合薬が必要とする総容量以上であることが必要である。実際には、調合薬の容量として等しく正確に表され得る調合薬の必要量が、利用可能な総容量未満である場合、ステントの貯蔵部の総容量未満が、所望の量の調合薬で満たされるであろう。実際、本発明の例示的な装置では、利用可能な総容量未満の容量が、効果的なステント製品に必要である。好ましくは、調合薬が占める、貯蔵部の利用可能な総容量のパーセント比率は、利用可能な総容量の40%〜70%、より好ましくは、利用可能な総容量の50%〜61%である。
図4は、本発明の例示的な実施形態を図解的に示しており、ステント400の薬剤貯蔵部402は、固定特徴部406により貯蔵部402内にさらに固定される、薬剤または治療薬構造物またはインレー404を含む。薬剤または治療薬構造物が、好ましくは、保持の主な形態である貯蔵部402の壁に接着し、固定特徴部は、保持の余分な機械的連結手段を加えることに注目することが重要である。単一の対の固定特徴部406が、各薬剤構造物404について図示されているが、貯蔵部402の高さ全体にわたって存在する複数の固定特徴部があってもよく、または、代わりに、固定特徴部406は、貯蔵部402の底部に向かって中心に位置し、かつ/または上部に向かって位置する、貯蔵部402の周辺部の周りの、1つまたは複数の連続リングの形態であってよい。固定特徴部406は、任意の適切な材料を含んでよく、任意の適切な形で取り付けられてよいが、好適な実施形態では、特徴部は、ステント400自体から機械加工される。
図4は、薬剤構造物404内へ突出して、薬剤構造物404を貯蔵部402内に固定する固定特徴部406を示し、図5は、薬剤貯蔵部502が固定特徴部506により固定された薬剤構造物504を含む代替的な例示的実施形態を示す。この例示的な実施形態では、固定特徴部506は、図4に示すような突出部406とは対照的に、ステント500の貯蔵部502の壁における凹部である。やはり、固定特徴部506は、複数の場所に、かつ/または貯蔵部502の壁周辺、または貯蔵部502の垂直な壁上の別々の場所における連続した溝の形で、存在し得る。
図6は、薬剤構造物またはインレー604をステント600の貯蔵部606内部に固定するためにマクロまたはミクロのテクスチャリングを有し得る、粗い表面の形態をした固定特徴部602を示す。このようなテクスチャリングは、局所的なグリットブラストによって、または、そのような特徴部が望ましくない表面の化学物質による局所的なエッチングおよび適切なマスキングなどによって、材料の機械的除去により作られ得、ミクロのテクスチャが付いた表面を結果として生じる。マクロテクスチャリングの場合、より大きなグリットサイズが利用されてよく、または、代替的な切断ツールを使用して、壁に沿った非平坦表面を作ることができる。ウォータージェットまたはレーザー切断の使用も、この固定特徴部602を作るために利用されてよい。任意の適切な機械的、電気的および/または化学的手段を用いて、固定特徴部602を作ることができる。
図7は、今回は貯蔵部704の基部に位置する、固定特徴部702Aおよび702Bを示す。この例示的な実施形態では、ステント700の貯蔵部704は、装置の厚み全体を貫通して延びておらず、その結果、貯蔵部704の基部706が存在する。薬剤構造物708は、凸状の固定特徴部702Aまたは凹状の固定特徴部702B、またはこれら双方の組み合わせによって、固定され得る。基部706に位置する固定特徴部702Aおよび702Bは、独立して用いられるか、または、垂直な壁に位置する追加の固定特徴部と組み合わせて用いられることができる。あり継ぎ形状が図示されているが、硬化時に構造物708を貯蔵部704にしっかりと連結させる任意の形状を使用することができる。この形状は、EDM(放電加工)によって、穿孔されるか、くりぬかれるか、または作製されることができる。本質的に、任意の適切な手段を用いて、固定要素を作ることができる。
図8Aは、光線のくびれ部802を有する典型的なレーザー光線800の一部を概略的に示す。典型的には、レーザー光線800の強さは、光線のくびれ部802で最大である。これは、光線800が最小であるエリアで、光線800を収束させることで、光線のくびれ部802の形状および高さを変えることができる。この原理は、適切なレーザー光線のくびれ部パラメーターのレーザー光線で切断された場合に、図8Bに示すような固定特徴部806のある薬剤貯蔵部804を生じて、薬剤貯蔵部804内での薬剤構造物800の保持および固定を確保し得る、貯蔵部を作るのに活用されることができる。結果として生じる固定特徴部806の形状は、レーザー自体の長さ方向軸を、貯蔵部804の長さ方向軸に対して傾けることによって、達成され得る。この例示的な実施形態において、特徴部808は、貯蔵部の壁の形状であり、この実施形態では、現在、砂時計形状であることに、注意することが重要である。逆の砂時計形状も、レーザー光線の適切な使用により、利用されてよい。さらに、いずれかの方向に構造物が動くのを防ぐ任意の形状は、固定手段として役立つであろう。
前述した例示的な実施形態はそれぞれ、薬剤または治療薬構造物を貯蔵部内部に保持するのを助けるために、単独で、または組み合わせて使用されることができる。前述のとおり、保持の主要なメカニズムは、壁への接着である。二次的な固定メカニズムは、追加的な固定手段または固着点を提供する。砂時計形貯蔵部の場合、この形状により、任意の一方向への構造物の動きが妨げられ、いずれかの方向に動くことができなくなる。
各貯蔵部内部に構造物またはインレーを適切に固定することで、薬剤または治療薬が身体内部で溶出されるように利用可能となることが確実となる。ステントは、インレーまたは構造物を装置から除去し分離させ得る、さまざまな負荷条件を受ける。本発明は、このようなことが生じるのを予防するのに役立つ。
最も実際的で好適な実施形態と考えられるものを図示し説明してきたが、説明および図示された特定のデザインおよび方法からの新発展(departures)が、当業者に示唆されており、本発明の趣旨および範囲から逸脱せずに使用され得ることが、明らかである。本発明は、説明され例示された特定の構造に制限されないが、請求項の範囲に該当し得るすべての改変と一致すると解釈されるべきである。
〔実施の態様〕
(1) 生体の管状器官に植え込まれる、薬剤溶出貯蔵部を備えたベアメタルステントにおいて、
管腔側表面および反管腔側表面を有する、細長い、実質的に管状の構造体であって、前記細長い、実質的に管状の構造体は、相互接続された複数の要素を含み、前記相互接続された複数の要素の一部が、少なくとも1つの貯蔵部を含む、細長い、実質的に管状の構造体と、
前記少なくとも1つの貯蔵部と動作可能に関連する少なくとも1つの保持および固定特徴部と、
前記少なくとも1つの貯蔵部内部に位置付けられた、ポリマーおよび治療薬のうち少なくとも一方を含む、インレーであって、前記少なくとも1つの保持および固定特徴部は、前記インレーを、前記少なくとも1つの貯蔵部内部に固着させる、インレーと、
を含む、ベアメタルステント。
(2) 実施態様1に記載のベアメタルステントにおいて、
前記少なくとも1つの貯蔵部は、前記管腔側表面から前記反管腔側表面まで延びる、ベアメタルステント。
(3) 実施態様2に記載のベアメタルステントにおいて、
前記少なくとも1つの保持および固定特徴部は、前記貯蔵部の壁から前記貯蔵部内への突出部を含む、ベアメタルステント。
(4) 実施態様2に記載のベアメタルステントにおいて、
前記少なくとも1つの保持および固定特徴部は、前記貯蔵部の壁に凹部を含む、ベアメタルステント。
(5) 実施態様2に記載のベアメタルステントにおいて、
前記少なくとも1つの保持および固定特徴部は、前記貯蔵部の壁上にテクスチャの付いた表面を含む、ベアメタルステント。
(6) 実施態様1に記載のベアメタルステントにおいて、
前記少なくとも1つの貯蔵部は、前記反管腔側表面から管腔側表面まで部分的に延びるか、または前記管腔側表面から前記反管腔側表面まで部分的に延び、これにより、貯蔵部の底部を作り出す、ベアメタルステント。
(7) 実施態様6に記載のベアメタルステントにおいて、
前記少なくとも1つの保持および固定特徴部は、前記貯蔵部の底部からの突出部を含む、ベアメタルステント。
(8) 実施態様6に記載のベアメタルステントにおいて、
前記少なくとも1つの保持および固定特徴部は、前記貯蔵部の底部に凹部を含む、ベアメタルステント。
(9) 固定が改善された薬剤溶出貯蔵部を備えるベアメタルステントを作る方法において、
管腔側表面および反管腔側表面を有する、細長い、実質的に管状の構造体を提供する工程であって、前記細長い、実質的に管状の構造体は、相互接続された複数の要素を含み、前記相互接続された複数の要素の一部が、少なくとも1つの貯蔵部を含み、前記少なくとも1つの貯蔵部は、少なくとも1つの保持および固定特徴部を有する、工程と、
ポリマーおよび治療薬のうち少なくとも一方の液体調合薬が、前記貯蔵部の前記保持および固定特徴部と十分に係合するように、前記液体調合薬を、前記少なくとも1つの貯蔵部内へ受容されるよう導入する工程と、
前記液体調合薬を硬化させ、前記保持および固定特徴部と連結されるインレーを生じる工程と、
を含む、方法。
拡張前のステント(端部は不図示)の長さに沿った図であり、ステントの外表面、および特徴的なバンドパターンを示している。 貯蔵部を含むように改変された図1のステントの長さに沿った斜視図である。 端部に有益な薬品を備えた貯蔵部を有する代替的なデザインの拡張可能な医療装置の等角図である。 薬剤溶出ステントの一部の図解的側面図であり、貯蔵部の側壁は、本発明によるインレー構造物と連結する凸状特徴部(positive feature)を組み込んでいる。 薬剤溶出ステントの一部の図解的側面図であり、貯蔵部の側壁は、本発明によるインレー構造物と連結する凹状特徴部(negative feature)を組み込んでいる。 薬剤溶出ステントの一部の図解的側面図であり、貯蔵部の側壁は、本発明によるインレー構造物との連結を促進する侵略的マクロ表面テクスチャ特徴部(aggressive macro-surface texture feature)を有する。 薬剤溶出ステントの一部の図解的側面図であり、貯蔵部の底部が、本発明による凸状および凹状の連結特徴部を備えて図示されている。 典型的なレーザー光線、およびその結果得られるレーザー光線くびれ部(laser beam waist)、ならびに本発明に従って図8Bに図示するような特徴部を作るためにどのようにこれを活用し得るか、を示す図解的図面を含む。 典型的なレーザー光線、およびその結果得られるレーザー光線くびれ部、ならびに本発明に従って図8Bに図示するような特徴部を作るためにどのようにこれを活用し得るか、を示す図解的図面を含む。

Claims (9)

  1. 生体の管状器官に植え込まれる、薬剤溶出貯蔵部を備えたベアメタルステントにおいて、
    管腔側表面および反管腔側表面を有する、細長い、実質的に管状の構造体であって、前記細長い、実質的に管状の構造体は、相互接続された複数の要素を含み、前記相互接続された複数の要素の一部が、少なくとも1つの貯蔵部を含む、細長い、実質的に管状の構造体と、
    前記少なくとも1つの貯蔵部と動作可能に関連する少なくとも1つの保持および固定特徴部と、
    前記少なくとも1つの貯蔵部内部に位置付けられた、ポリマーおよび治療薬のうち少なくとも一方を含む、インレーであって、前記少なくとも1つの保持および固定特徴部は、前記インレーを、前記少なくとも1つの貯蔵部内部に固着させる、インレーと、
    を含む、ベアメタルステント。
  2. 請求項1に記載のベアメタルステントにおいて、
    前記少なくとも1つの貯蔵部は、前記管腔側表面から前記反管腔側表面まで延びる、ベアメタルステント。
  3. 請求項2に記載のベアメタルステントにおいて、
    前記少なくとも1つの保持および固定特徴部は、前記貯蔵部の壁から前記貯蔵部内への突出部を含む、ベアメタルステント。
  4. 請求項2に記載のベアメタルステントにおいて、
    前記少なくとも1つの保持および固定特徴部は、前記貯蔵部の壁に凹部を含む、ベアメタルステント。
  5. 請求項2に記載のベアメタルステントにおいて、
    前記少なくとも1つの保持および固定特徴部は、前記貯蔵部の壁上にテクスチャの付いた表面を含む、ベアメタルステント。
  6. 請求項1に記載のベアメタルステントにおいて、
    前記少なくとも1つの貯蔵部は、前記反管腔側表面から管腔側表面まで部分的に延びるか、または前記管腔側表面から前記反管腔側表面まで部分的に延び、これにより、貯蔵部の底部を作り出す、ベアメタルステント。
  7. 請求項6に記載のベアメタルステントにおいて、
    前記少なくとも1つの保持および固定特徴部は、前記貯蔵部の底部からの突出部を含む、ベアメタルステント。
  8. 請求項6に記載のベアメタルステントにおいて、
    前記少なくとも1つの保持および固定特徴部は、前記貯蔵部の底部に凹部を含む、ベアメタルステント。
  9. 固定が改善された薬剤溶出貯蔵部を備えるベアメタルステントを作る方法において、
    管腔側表面および反管腔側表面を有する、細長い、実質的に管状の構造体を提供する工程であって、前記細長い、実質的に管状の構造体は、相互接続された複数の要素を含み、前記相互接続された複数の要素の一部が、少なくとも1つの貯蔵部を含み、前記少なくとも1つの貯蔵部は、少なくとも1つの保持および固定特徴部を有する、工程と、
    ポリマーおよび治療薬のうち少なくとも一方の液体調合薬が、前記貯蔵部の前記保持および固定特徴部と十分に係合するように、前記液体調合薬を、前記少なくとも1つの貯蔵部内へ受容されるよう導入する工程と、
    前記液体調合薬を硬化させ、前記保持および固定特徴部と連結されるインレーを生じる工程と、
    を含む、方法。
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