JP2013543594A - 合成波形を用いたタンデム質量分析法 - Google Patents

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Abstract

選択されたm/zを有するイオンをトラップするように合成電圧波形が印加される、タンデム質量分析計システム及び方法を説明する。トラップされたイオンは、広帯域波形内のノッチ内に入るように位置決めされた選択可能な離散的周波数電圧波形による衝突誘起イオン化解離(CID)に供することができる。得られたイオン生成物は、トラップすべきイオン生成物に対応する中心周波数を有する第2のノッチを用いてトラップすることができる。このプロセスは、生成されるイオンの量を増やすように、又は得られる第1のイオン生成物を処理して、トラップすることができる、得られる第2のイオン生成物を生じさせるように、繰り返すことができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、質量分析を行うための装置及び方法に関するものであり得る。
本出願は、全体が引用により本明細書に組み入れられる2010年10月3日に出願された米国特許仮出願第61/392,776号に基づく優先権の利益を主張する。
タンデム質量分析、又は質量分析/質量分析(MS2)は、その高い特異性、広い適用性、及び良好な感度により、複雑な混合物の分析用に用いることができる。
タンデム質量分析は、質量分析(MS)の一技術であり、検体分子に関する定性的情報及び定量的情報の両方を提供し、ノイズに対抗する識別有効性を有する。ノイズは、小さい信号に対する電子的ノイズ、及び、所望しない分子に関連付けられる検出信号の両方として理解することができる。例えばプロテオミクスにおける分析作業は、タンデム質量分析を用いた、複雑な混合物中の未知のタンパク質の同定に頼るところが大きい。製薬業界においては、選択された代謝産物の量の変化を時間の関数として監視するために反応モニタリング(MS2の一種)が広範に使用されている。
タンデム質量分析は、前駆イオンの単離(MSの第1ステージ)、前駆イオンの質量電荷比(m/z)を変化させる反応、及び、プロダクトイオンの質量分析(MSの第2ステージ)を含む。検体を特徴付ける構造情報は、測定されたプロダクトイオンの質量に基づいて推定され、このプロダクトイオンの形成は、前駆イオンのm/zの変化を誘発するために用いられる方法によって影響を受ける。
前駆イオンのm/zを変化させるために、様々な化学的又は物理的技術が使用されてきた。これらの技術には、衝突誘起解離(CID)、イオン/光子相互作用、イオン/電子相互作用又は反応、イオン/分子反応、及びイオン/イオン反応が含まれる。CIDは、市販のタンデム質量分析計で使用可能な、最も広く用いられている活性化方法である。
タンデム質量分析技術は、「空間的タンデム(tandem−in−space)」又は「時間的タンデム(tandem−in−time)」として分類することができる。前者のモードでは、質量分析及び反応は、分析装置を通過するイオンの飛行中にイオンのビームに対して行われる。空間的タンデム分析に適した機器は、典型的には、セクター型、トリプル四重極型、四重極/飛行時間型(TOF)及びTOF/TOFを含む透過型(transmission−type)機器である。時間的タンデム分析においては、これらのステップは同じ空間内で行われるが、時系列に従う。そのような分析は、四重極イオントラップ、イオンサイクロトロン・イオントラップ、又はイオントラップ型質量アナライザを含むハイブリッド質量分析計のような、イオントラップ型質量アナライザで行うことができる。
タンデム質量分析又はMS2は、2ステージの質量分析を含む。付加的な反応及び質量分析のステージを追加することにより、n>2のMSnを行うことができる。MSn(n>2)は、典型的には、時間的タンデム・イオントラップ型機器で行われる。高次のタンデム質量分析は、追加の構造的情報を提供することが可能であり、この情報は、逐次反応の機構の研究、検体イオンからの構造モチーフの推定、又は構造異性体の識別のために用いられてきた。MSn(n=12)が、四重極イオントラップ機器で実証されている。
しかしながら、実行することが可能なMSステージの数は、各イオン単離ステップの後に残留するイオン数によって制限される。しばしば、MSn分析チェーン内でのフラグメントイオンの強度は、MSn分析の実行を可能にするには低すぎる。
タンデム質量分析を行う装置及び方法を説明する。この装置及び方法は、MSn分析チェーン(例えば、m1,m2,...mn-1、ここでmnは特定のイオン質量を表わす)に関与するイオンが単離及びフラグメント化される一方で、他のフラグメントイオンはイオントラップから放出されるように構成することができる。好ましいイオン質量の選択を行うことにより、興味対象のイオンタイプを、イオントラップ内の空間電荷又は他のアーチファクトからの悪影響を減らして、より高い強度まで蓄積することができる。
この装置は、合成励起電圧波形を用いた、リニアイオントラップ又はパウル(Paul)トラップとすることができる。合成波形は、装置に印加される交流電位とすることができ、この広帯域波形は、所望のm/zの1つ又はそれ以上のフラグメントイオンを単離するための周波数領域振幅ノッチと、これらのイオンの衝突活性化を選択的に誘起するための離散的な周波数成分とを含む。すべての質量が最初から存在するわけではない。すなわち、単離されるイオンの質量は、前駆イオンの質量から誘導されるものであり得る。ひとたび所望の単離イオンが適切な強度に達すると、タンデム質量分析のステップを行うことができる。
トリプル四重極/リニアイオントラップ質量分析計の略図である。 質量分析計を用いたシステムのブロック図である。 MS4実験のための合成波形の略図である。 二糖のMS2イオントラップCID質量スペクトルである。 実験例に用いられた合成波形の特性を示すグラフである。 図4に示される合成波形を印加した二糖のMS2イオントラップCID質量スペクトルである。 合成波形を印加した場合又は印加しない場合のMS2生成物のイオン強度をイオン注入時間の関数として比較したグラフである。
例示的な実施形態は、図面を参照することによってより良く理解することができるが、これらの実施形態は、限定的な性質であることが意図されるものではない。以下の説明において、本発明の完全な理解をもたらすために多数の特定の詳細が述べられるが、本発明はこれらの特定の詳細の幾つか又は全てがなくても実施することができる。他の例においては、説明を不必要に不明瞭にしないように、周知のプロセス動作は説明していない。
本明細書で説明されるタスクを達成するためのハードウェアとソフトウェアとの組み合わせをシステムと呼ぶ。特段の断りがない限り、頭字語には、当該技術分野における通常の意味が与えられる。
信号の処理は、アナログ回路又はデジタル回路のいずれかによるか、又はその組み合わせによるものとすることができる。信号処理は、関連付けられたメモリと、アナログ回路又はデジタル回路によって実行される数学的演算及び機能と等価な数学的演算及び機能を実行するコンピュータコードとを備えた、1つ又はそれ以上のコンピュータによって行うこともできる。本明細書においては、各機能を実行する回路のタイプ、又は用いることができる回路のタイプの組み合わせを限定することは意図していないが、実施例は、その説明の中で特定の回路の種類に言及することがある。
システムの処理又は機能を実装するためのソフトウェアプログラム製品は、非一時的なメモリである、CD−ROM、ハードディスク、FLASHメモリなどのコンピュータ可読記憶媒体又はメモリ上に設けることができ、コンピュータのメモリにダウンロードして、プロセッサ、コンピュータなどによって実行することができる。図示された又は本明細書に記載された機能、動作又はタスクは、コンピュータ可読記憶媒体内又は媒体上に格納された1つ又はそれ以上の命令セットに応答して実行される。機能、動作又はタスクは、命令セット、記憶媒体、プロセッサ又は処理方針の個別のタイプから独立であり、単独又は組合せで動作するソフトウェア、ハードウェア、集積回路、ファームウェア、マイクロコードなどによって実行することができる。同様に、処理方針は、多重処理、多重タスク処理、並行処理などを含むことができる。一実施形態において、命令は、ローカル又は遠隔システムで読み出すために取り外し可能媒体デバイス上に格納することができる。他の実施形態において、命令は、コンピュータネットワーク、ローカル又は広域ネットワークを通じて、又は電話回線上で伝送するように、遠隔位置に格納することができる。さらに他の実施形態において、命令は、所与のコンピュータ又はシステム内に格納される。
本明細書に開示される方法は、特定の順序で実行される特定のステップに関して説明され、図示されているが、これらのステップを組み合わせ、細分し、又は順序付けて、本明細書における教示から逸脱することなく等価な方法を形成できることが理解されるであろう。従って、本明細書において特段の指示のない限り、この方法のステップの順序及びグループ分けは、限定を意図するものではない。
質量分析計の操作は、当業者には周知なので詳細には説明しない。しかしながら、一般に、イオンを質量分析計に導入する静電イオン発生器(ESI)のようなイオン源が設けられる。最初の四重極アレイは、イオンの質量選択を行う役割を果たすことができ、イオンの冷却、イオンと検体との反応、及び異なる圧力の領域間での単離のためのステージとしての役割を果たすことができる。本明細書で説明される例においては、Q3が作用する近位のイオン源は、Q2において行われた反応又は選択であり得る。
図1Aに概略的に示される、市販の4000QTRAP機器(カナダ、オンタリオ州、コンコルド所在のAB SCIEX)のようなハイブリッド型リニアイオントラップ質量分析計を用いて、本明細書にて提示されるデータを取得した。この機器は、トリプル四重極構成Q1、Q2、Q3を有し、最後の四重極アレイ(Q3)は、質量分析のためのリニアイオントラップとしても機能することができる。この例においては、Q3リニアイオントラップを、時間的タンデムMSn分析を行うための質量アナライザとして用いた。周波数ノッチ付き広帯域波形、又は合成波形をQ3四重極アレイに印加し、コントローラにより制御し、このコントローラは、格納された命令セットを実行するコンピュータとすることができる。
質量流量計10と、パーソナルコンピュータ、ワークステーションなどとすることができる制御コンピュータ20と、例えば、複数の波形発生器、波形を合成するコンピュータ、又はデジタル−アナログ変換器にクロック入力される格納された振幅データのパターンとすることができる波形発生器30とを含む、システム1の全体が図1Bに示される。システム1の構成要素は、ケーブルにより接続された別個のモジュールであってもよく、又は1つ又はそれ以上の構成要素を組み合わせて単一のユニットにしてもよい。
1、m2、m3イオンは、周波数ノッチ広帯域波形(図2に示される)により単離することができ、その一方で、選択されたm1イオンは、適用される離散的周波数成分に起因する衝突活性化を受ける。その結果得られたm2イオンは、本例においては、周波数ノッチが存在するが対応する離散的周波数波形が存在しないところに蓄積される。
2イオンは、該イオンがイオントラップ内で冷却された後にRF/DC動作モードを用いて、より高分解能で単離することができる。別の衝突イオン解離(CID)ステージをm2に適用することができ、例えば、MS4データを得ることもできる。
図2に示される2つのタイプの波形は、m2だけを蓄積するためのイオン充填期間中に、複数の信号源を用いて同時に又は逐次的に印加することもでき、又は組み合わせて単一の合成波形にすることもできる。任意の振幅、周波数及び位相特性の合成波形を、コンピュータ制御された波形発生器を用いて発生させることができる。そのような発生器は、例えば、発生させた又は格納された振幅値のシーケンスを有するメモリを含むことができ、格納された値のシーケンスは、デジタル−アナログ変換器を通して出力される。励起波形の振幅は、解離されているm1及びm2がロッドとの衝突又はデバイスからの放出によって失われないよう十分に小さく選択されるべきである。
「広帯域(broadband)(又は広帯域(wideband)波形」という用語が用いられる場合、交流電流(AC)信号を意味している。この波形はまた、当業者には「無線周波数」信号として理解される。イオン種mnをフラグメント化するために用いられるAC(又はRF)信号は、単一の又は離散的な周波数とすることもでき、又は広帯域波形内のノッチよりも狭い帯域を有する信号、又はノッチ領域内のより小さい振幅の信号とすることもできる。すなわち、ノッチ領域内の信号の振幅及びその他の特性は、フラグメント化プロセスの要件に基づいて選択され、ノッチ領域外の振幅は、ノッチ領域が単離のために用いられ、残りの領域が好ましくはその他のイオンを排出するということに基づいて選択することができる。広帯域波形内の複数のノッチ、及び複数の離散的周波数は、実施される測定の具体的な目的に応じて、同時に又は逐次的に提供することができる。
さらに、「広帯域」という用語は、波形の周波数及び振幅が、あるm/z範囲を包含するように選択され、その結果、所望されないm/z値のイオンがイオントラップから選択的に排除されることを意味することが当業者には理解されるであろう。広帯域波形内のノッチは、波形の振幅の低減であると理解されるので、所望のm/zのイオンに対するその波形の効果は、イオンを、さらなる解離を伴い又は解離されることなく、イオントラップ内に保持することである。ノッチ領域内の波形の振幅は、イオンのさらなる解離をもたらすように選択されるか、又は、解離に対してほとんど又は全く影響がないよう十分に低くなるように選択される。そのようなノッチの幅は、とりわけ、類似のm/z比を有するイオンの存在、何らかの熱的な又はその他の質量スペクトルの拡がりなどにより、決定することができる。他の状況においては、広帯域波形は、特定のイオンを保持又はトラップするようにスペクトル内にノッチを有することができるが、解離されている源イオンは異なるm/zレジーム(regime)内にあってもよく、適切な周波数の狭帯域波形を合成することができ、その周波数における振幅は独立して調整される。
ノッチは、振幅の有無にかかわらず狭帯域とすることができ、独立した「離散的」周波数は、狭帯域とすることができる。離散的周波数成分の帯域幅は、かなり狭くする(典型的には単一周波数)こともでき、又は、実験誤差及び利便性を見越した十分な帯域幅を有するが、その一方でm/z空間内のいずれの既知の隣接イオンにも影響を及ぼさないようにすることもできる。周波数ノッチは、約4kHzと約8kHzとの間のノッチ幅で、イオンの永年周波数を中心とすることができ、この場合、ノッチは広帯域波形帯域の端には位置しない。
本明細書において、交流信号源は、その無線周波数発生器が、その出力が組み合わされる複数の信号発生器であるか、又は合成波形を発生させるコンピュータ合成器であるか、又は同様の励起波形を生成するその他の技術であるかにかかわらず、「無線周波数発生器」と呼ぶことができる。
存在度が低いMS2をMS3分析用に蓄積するために図1Bに示されるようなシステムを用いる方法は、以下のステップを含む。
1.Q3を、源又は反応由来の全てのタイプのイオンで満たす。
2.イオンを冷却した後、RF/DC技術を用いてQ3内のm1(マルチステップの単離が行われる場合にはm2も)を単離する。
3.単離したイオンを冷却させる。
4.m1及びm2を単離するためのノッチが付けられた広帯域波形成分を有し、m1をフラグメント化してm2を生成するための単一周波数波形を有する、合成波形を印加する。
5.イオンを冷却させる。
6.RF/DC技術を用いてQ3内のm2を単離する。
7.Q3内でm2のCIDを行う
8.質量分析を行う。
単一のイオン注入イベント由来のイオン強度が低い場合には、分析のために十分な数のm2が蓄積されるまでステップ1−6を繰り返すことができる。ステップ2における単離は、例えばRF/DCを用いて達成することもできることに留意されたい。
図3は、二糖であるラミナリビオースの[M−H]-(m/z341、m1)イオンの、50msの注入時間後のイオントラップMS2−CIDを示す。興味対象のプロダクトイオンは、m/z221(m2)のイオンである。m/z221イオンの強度は、この例では、MS3用に好適な品質のデータを得るには低すぎる。図5は、合成波形(図4)が印加されると、フラグメントイオン、例えばm/z113、161、179の強度が大幅に低下し、その一方でm/z221イオンの相対強度が高まることを示す。合成波形は、m/z341のCIDのための離散的周波数(69kHz)と、m/z221のためのノッチを有する広帯域波形とを有する。広帯域波形は、m/z341の領域内に有効なノッチを有し、このノッチは、近くのm/z空間には興味対象のその他の成分が存在しないので、広めにすることができる。合成波形を印加すると、m/z221の相対強度が大幅に高まる一方でm/z221イオンの損失はなく、絶対強度も低下しないであろう。合成波形処理有りの場合及び無しの場合のm/z221イオンの強度(Q3におけるRC/DC単離後)を注入時間の関数としてプロットする(図6)。m/z221イオンの強度(四角)は、比較的長い注入期間(>300ms)において、従来のイオントラップCID法で得ることができる強度(菱形)よりもはるかに高いことが観察され、このことがMS3実験のための感度の強化をもたらす。
この技術は、より多くのノッチを単離離波形に追加し、より多くの成分をフラグメント化波形に追加することにより、MSn(n>3)まで拡張することができる。この技術は、単離及びフラグメント化の期間の間にイオンを熱化させることが可能ならば、Q3の低圧環境において、より効果的になり得る。しかしながら、Q2のようなより高圧の環境においては、イオンはもっとすばやく熱化し、延長された充填期間中にノッチ付き波形及び狭帯域波形の両方を連続的に印加することにより、n番目の生成イオンを蓄積することができる。この後者の手法は、指定されたセグメント範囲を多数回繰り返す能力を有することができない機器において有用であり得る。
本発明のごく少数の例を上で詳細に説明したが、当業者であれば、本発明の新規な教示及び利点から実質的に逸脱することなく、多くの改変が可能であることを容易に理解するであろう。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物によってのみ限定される。
1:システム
10:質量分析計
30:波長発生器

Claims (19)

  1. イオンを分析するための装置であって、
    質量分析計と、
    無線周波数発生器と、
    を含み、
    前記無線周波数発生器は、制御可能な周波数範囲及び振幅を有する第1のRF波形、及び、制御可能な周波数及び振幅を有する前記周波数範囲内のノッチを提供するように動作することを特徴とする装置。
  2. 前記無線周波数発生器は、制御可能な周波数範囲及び振幅を有する第2のRF波形を提供するように動作することを特徴とする請求項1に記載の装置。
  3. 前記第2のRF波形の周波数は、前記第1のRF波形の前記ノッチ周波数に対応するように制御されることを特徴とする請求項2に記載の装置。
  4. 前記第1のRF波形内の前記ノッチの前記振幅は、前記RF波形が印加される前記質量分析計の部分に存在するイオンの解離を回避するように選択されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  5. 前記第1のRF波形及び前記第2のRF波形が同時に印加されることを特徴とする請求項2に記載の装置。
  6. 前記第1のRF波形及び前記第2のRF波形が逐次的に印加されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  7. 前記第1のRF波形は、広帯域波形であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  8. 前記第1の波形内のノッチは、約4kHzと8kHzとの間の帯域幅を有することを特徴とする請求項1又は請求項7に記載の装置。
  9. 前記ノッチにおける前記信号振幅は、前記ノッチ周波数に対応するm/z比のイオンが前記質量分析計によりトラップされるように選択されることを特徴とする請求項1、請求項7又は請求項8に記載の装置。
  10. 前記ノッチにおける前記信号振幅は、前記ノッチ周波数に対応するm/z比のイオンが励起されて別のm/z比のイオンを生成するように選択され、前記別のm/z比のイオンは、前記別のm/z比に対応するノッチ周波数を有する別のノッチによりトラップされることを特徴とする請求項1、請求項7又は請求項8に記載の装置。
  11. 前記質量分析計は、リニアイオントラップであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の装置。
  12. 前記質量分析計は、パウルトラップであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の装置。
  13. 前記質量分析計及び前記波形発生器は、コンピュータにより制御されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  14. 試料を分析する方法であって、
    質量分析計を準備するステップと、
    合成電圧波形を生成することができる無線周波数(RF)電圧発生器を準備するステップと、
    検体からイオンを発生させるステップと、
    前記イオンを前記質量分析計に注入し、第1の所望の質量対電荷比(m/z)である少なくとも1つの質量対電荷比を有するイオンを形成させるステップと、
    前記RF電圧発生器を動作させて、制御可能な上限及び下限周波数、並びに振幅、並びにある周波数、振幅及び帯域幅を有する制御可能な周波数ノッチを有する広帯域電圧波形を提供し、前記ノッチ周波数の等価なm/z比を除く、前記広帯域波形の前記周波数範囲に対応するm/z比を有するイオンを放出させるステップと、
    別のm/z比を有するイオンに対して質量スぺクトル分析を行うステップと、
    を含むことを特徴とする方法。
  15. 前記ノッチにおける前記電圧の前記振幅は、前記第1の所望のm/z比の前記イオンを他のガス状成分と反応させて第2の所望のm/z比を有するイオンを形成するのに十分なものであり、前記第2のm/z比は前記ノッチ周波数に対応し、
    前記第2の所望のm/z比を有する前記イオンに対して質量スペクトル分析を行う
    ことを特徴とする請求項14に記載の方法。
  16. 前記合成電圧波形は、制御可能な周波数及び振幅を有する狭帯域RF波形を含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
  17. 前記狭帯域波形の前記周波数は、ノッチ周波数範囲の中心に対応するように選択されることを特徴とする請求項15に記載の方法。
  18. 前記狭帯域波形の前記振幅は、第1のm/z比を有する前記イオンが別のm/z比を有するイオンを生成する反応を生じさせるように選択されることを特徴とする請求項16に記載の方法。
  19. 非一時的なコンピュータ可読媒体内に格納されたコンピュータプログラム製品であって、
    無線周波数(RF)電圧発生器を制御して合成電圧波形を生成させるステップと、
    前記電圧波形を用いて質量分析計を動作させて、前記波形発生器により生成される広帯域波形内のノッチ周波数に対応する第1のm/z比を有する第1のイオンをトラップするステップと、
    前記広帯域波形振幅の振幅を制御して、前記ノッチ周波数に対応しないm/z比を有するイオンの集団を減らすステップと、
    前記RF波形発生器を制御して、ノッチの中心周波数に対応するように選択された周波数を有する離散的周波数波形を生成させるステップと、
    前記RF波形発生器を制御して前記広帯域波形内に別のノッチを形成し、別のm/z比を有するイオンをトラップするステップと
    をコンピュータに実行させる命令を有することを特徴とする、コンピュータプログラム製品。
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