JP2013542410A - 細胞の磁気的な流れ測定方法および装置 - Google Patents

細胞の磁気的な流れ測定方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】磁気的なフローサイトメトリーにおけるバックグラウンド信号を削減し、偽の正信号を回避する。
【解決手段】本発明の方法により、一義的な個別細胞検出と、流れの中にある細胞の細胞測定が保証される。そのために1対の磁気抵抗素子によって特徴的な測定信号パターンが生成され、ここから測定偏倚の数、測定偏倚の間隔、測定偏倚の振幅、測定偏倚の向き、測定偏倚の向きの順序のような情報を読み取ることが可能である。さらに、これに基づいて流速ならびに細胞直径を求めることができる。これに加えて、測定偏倚の振幅に基づいて信号対雑音比が求められる。
【選択図】図6

Description

本発明はフローサイトメトリーに関する。
細胞測定や細胞検出の分野では、磁気的にマーキングされた検体が磁気センサを通って流れる流れ測定が知られている。しかしその場合、正信号は個々の細胞に一義的に由来していないかもしれない。たとえば、磁気的なマーカーの交差選択によって誤ってマーキングされた細胞が、正信号を惹起することがある。さらに、未結合のマーカーが正信号を引き起こすこともある。また、細胞凝集塊も正信号のみを生じさせ、そのようなものとして認識可能ではない。
本発明の課題は、磁気的なフローサイトメトリーにおけるバックグラウンド信号を削減し、偽の正信号を回避することにある。
この課題は、請求項1に記載の方法および請求項9に記載の装置によって解決される。本方法の発展例や本装置の好ましい実施態様は、従属請求項の対象となっている。
本発明による方法は、細胞の磁気的な流れ測定に使われる。本方法は次の各ステップを含んでいる。
まず、センサ装置の使用開始が行われる。このとき少なくとも1つの第1の磁気抵抗素子および少なくとも1つの第2の磁気抵抗素子が、ホイートストンブリッジに対角線配置または並列配置で配列される。ここで対角線配置とは、ホイートストンブリッジの対角線上で互いに向かい合う抵抗器が磁気抵抗素子であることを意味しており、並列配置とは、ホイートストンブリッジの相並んで位置する抵抗器が磁気抵抗素子であることを意味している。磁気抵抗素子は流れ方向に相互間隔をおいて配置される。特にこの間隔は、検出されるべき細胞のタイプに合わせられる。さらに、細胞の磁気的なマーキングが行われる。使用開始と細胞のマーキングの後、センサ装置を通る細胞の流れが生成される。細胞の流れは、最初に第1の磁気抵抗素子、次に第2の磁気抵抗素子を通るように案内される。このとき個別細胞検出が行われる。センサ装置を通って流れていく磁気的にマーキングされた個々の細胞の磁界によって、少なくとも3つの測定偏倚(Messausschlg)からなる特徴的なパターンをもつ測定信号が生成される。特徴的な測定信号パターンは、測定偏倚の数、測定偏倚の間隔、測定偏倚の振幅、測定偏倚の向き(方向)、測定偏倚の向き(方向)の順序などの情報を提供する。個別細胞検出に引き続いて測定信号の評価が行われ、この評価では、測定信号が特徴的な測定偏倚の順序に基づいて個別細胞検出として識別される。
このことは、フロー中の検体の校正不要な濃度測定を可能にする。さらにこの方法は、バックグラウンド信号の削減のほかに、偽の正信号が回避されるという利点を有している。
同時に流速測定を行うことができる。細胞サイズの推定も可能である。そのために本発明の1つの好ましい実施形態では、本方法において測定信号の評価が行われ、この評価では、それぞれの磁気抵抗素子の既知の間隔に基づいて、細胞の流速が算出される。細胞の流速を知ることは、さらに別の利点をもたらす。流速に基づいて、細胞サイズの定性的な推定が可能である。細胞よりもはるかに小さい粒子、たとえば未結合の磁気マーカーなどは、検出されるべき細胞よりもはるかに低速で運動する。比較的大きい粒子や細胞凝集塊は、検出されるべき細胞よりもはるかに高い流速で運動する。つまり流速を計算することによって、個別細胞検出の品質がいっそう高くなる。
本発明の別の好ましい実施形態では、本方法において測定信号の評価が行われ、この評価では、測定偏倚の間隔に基づいて細胞直径が算出される。この計算は、たとえば算出された流速と測定された測定偏倚の間隔に基づいて行われる。細胞直径は、個別細胞検出を示唆するさらに別のパラメータであり、または偽の正信号を表す指標である。
本発明のさらに別の好ましい実施形態では、本方法において測定信号の評価が行われ、この評価では、測定偏倚の振幅に基づいて信号対雑音比が求められる。特に測定信号パターンは、振幅のそれぞれ異なる複数の測定偏倚を有することがある。たとえば振幅の上側限界値および/または下側限界値が規定されていてよい。このとき測定偏倚の振幅は、従来の測定のようにただ測定結果の識別に利用されるのではなく、特徴的な測定信号のパターンに由来する複数の情報のうちの1つとして利用される。
特に、測定偏倚の数、測定偏倚の間隔、測定偏倚の振幅のような、測定信号パターンに由来するすべての測定値ないし情報について、限界値を規定することができる。特に、正の測定信号の対応する測定値が位置していなければならない限界インターバルを規定することができる。このような種類の限界値、上側限界値および/または下側限界値、または限界値インターバルは、流速や細胞直径や信号対雑音比のような算出される量についても規定することができる。
本発明の好ましい実施形態では、本方法において、超常磁性マーカーによって細胞の磁気的なマーキングが行われる。磁気抵抗素子はたとえばGMR(巨大磁気抵抗)センサ、TMR(トンネル磁気抵抗)センサ、またはAMR(異方性磁気抵抗)センサである。
本方法において、センサ装置を使用開始するときに第1の磁気抵抗素子および第2の磁気抵抗素子は流れ方向に最大で細胞直径の間隔をおいて配置されるのが好ましい。このことは、4つの測定偏倚を含む1つの測定信号パターンが生成されるという利点がある。別案として、この間隔は細胞直径の1.5倍であってもよい。細胞直径の最大2倍の間隔が好都合である。磁気抵抗素子の間隔のこのような適合化は、特徴的な細胞直径をもつ細胞のタイプに準拠している。さまざまに異なる細胞のタイプを検出するために、または直径が未知の細胞を検出するために、それぞれ間隔の異なる複数のセンサ装置を備えるセンサ区間を作成可能である。
本発明の好都合な実施形態では、本方法においてセンサ装置を使用するために、4つの磁気抵抗素子がホイートストンブリッジに第1の対および第2の対をなすように並列配置で配列され、細胞の流れが最初に第1の磁気抵抗素子、次に第2の磁気抵抗素子、次に第3の磁気抵抗素子、次に第4の磁気抵抗素子を通って案内可能であるように直列に配置される。細胞の流れは最初に第1の磁気抵抗素子、次に第2の磁気抵抗素子、次に第3の磁気抵抗素子、次に第4の磁気抵抗素子を通る。評価のときには、第1の対の磁気抵抗素子と第2の対の磁気抵抗素子との間の既知の対間隔に基づいて流速が算出されるのが好ましい。この実施形態は、2つの対の磁気抵抗素子から、個々の細胞についての1つの特徴的な測定信号パターンが生成されるという利点がある。
たとえば全血のような複合媒体の中で細胞検出が行われるのが好ましい。検体すなわち細胞は変動のある直径を有している。典型的な場合、7から12μmの直径の白血球が計測される。それに応じて算出される細胞直径の限界インターバルは、たとえば(7から12μm)に設定される。このことは、たとえば細胞直径が明らかに異なる別の細胞タイプに及ぶ交差選択性を回避できるという利点がある。このような種類の交差選択性は、磁気的なマーカーのみによって排除することはできない。
そのうえ細胞のマーカー密度も変動する。このことは、たとえば異なる測定偏倚の振幅として現れる。それに応じて、たとえば測定偏倚の振幅について限界インターバルが選択される。測定偏倚の振幅の上限および下限を規定することで、バックグラウンドが抑制されるとともに、凝集物による高すぎる信号を無視できるという利点がある。バックグラウンド信号に関与するのは、たとえば抗体を含む未結合の超常磁性粒子である。たとえば未結合マーカーを介して互いに結合する細胞の凝集物のほか、超常磁性粒子の凝集物も抗体を介して生じることがある。しかしこのような凝集物は、測定偏倚の振幅についての上限を規定することによって排除される。
流れ通路内の磁気抵抗素子に対する、ないしは通路壁に対する、細胞の間隔の変動は流速の変化として現れる。層流での流速は、細胞が通路表面と付着ないし相互作用したときに変化する。磁気的にマーキングされた細胞は、外部磁界の中で磁気抵抗素子に蓄積されて、細胞の漂遊磁界がアライメントされるのが好ましい。特に細胞は、層流の中で通路壁に沿って転動するように、通路壁に蓄積される。外部磁界は、細胞の検出されるべき漂遊磁界に対して垂直に延びているのが好ましい。
個々の磁気抵抗素子が個々の磁気的にマーキングされた細胞によって通過されると、この磁気抵抗素子は、磁気抵抗素子すなわちセンサ素子に対して相対的な細胞の位置ないしその磁界に依存して抵抗変化を受ける。この測定信号は正の測定偏倚と負の測定偏倚を有している。細胞の漂遊磁界は磁気双極子であり、この細胞の漂遊磁界の方向に依存して、最初に正の測定偏倚が生じ、引き続き負の測定偏倚が生じ、またはこの逆が生じる。
対角線配置の1対の磁気抵抗素子が通過されると、正確に同一な2つの測定信号が順次形成される。この信号は、磁気抵抗素子の間隔によって変調することができる。素子間隔を短くすると、測定信号の重ね合わせが生じる。
並列配置の1対の磁気抵抗素子が、磁気的にマーキングされた単一の細胞によって通過されると、2つの個別信号が生じ、2番目の信号は1番目の信号の鏡像である。並列配置における信号も、それぞれの磁気抵抗素子の間隔によって変調可能である。間隔を適切に選択することによって、個別信号の2倍の振幅をもつ信号偏位が生じるように、各信号を重ね合わせることができる。
本発明による方法の主要な利点は、検体の変動する細胞直径に関わりなく、および細胞上のマーカー密度に関わりなく、特徴的な測定信号パターンが生成され、そのようにして、個別細胞検出を行うことができるという点にある。特に個々の細胞の測定信号パターンが、4ビットの情報内容を供給する。このことは本発明の方法のさらに別の利点をもたらし、すなわち、マーキングされた細胞の校正不要の濃度決定を行えるように、偽の正信号やバックグラウンド信号を低減させることを、信号推移ないし信号パターンが可能にするという利点につながる。このような校正不要の濃度決定は、純粋な振幅評価によっては不可能である。信号パターンを用いた評価の選択肢は次の事項に及ぶ。
1.たとえば未結合の粒子のようなバックグラウンドに関わりのない、正の測定偏倚および負の測定偏倚の交互の順序による個々の細胞の特徴的な指紋。
2.インビトロ流速測定(ガラス管内での流速測定)。それにより、細胞凝集や凝集したマーカーの偽の正信号を排除することができる。
3.上側閾および下側閾値に基づいて振幅の評価。
4.測定信号パターン内部における個々の測定偏倚の間隔を通じての細胞サイズの推定。
本発明による装置は、細胞の磁気的な流れ測定に利用される。本装置は、少なくとも1つの第1の磁気抵抗素子および少なくとも1つの第2の磁気抵抗素子を備える少なくとも1つのホイートストンブリッジを含むセンサ装置を含んでいる。磁気抵抗素子は対角線配置または並列配置で配列されている。磁気抵抗素子は流れ通路に沿って相互間隔をおきながら、細胞の流れが最初に第1の磁気抵抗素子、次に第2の磁気抵抗素子を通るように案内可能であるように配置されている。流れ方向における磁気抵抗素子の間隔は、検出されるべき細胞タイプに合わせられている(つまり適合化されている)のが好ましい。このとき磁気抵抗素子は、磁気的にマーキングされた個々の細胞の磁界を検出可能であるように構成されている。センサ装置は、少なくとも3つの測定偏倚を含む特徴的な測定信号パターンを示す測定信号を検出可能であるように構成されている。測定信号パターンは、測定偏倚の数、測定偏倚の間隔、測定偏倚の振幅、測定偏倚の向き(方向)、測定偏倚の向き(方向)の順序の情報を含んでいる。さらに、測定偏倚の向きの順序に基づいて測定信号を個別細胞検出として識別するために構成された評価電子装置が含まれている。本発明による装置は個別細胞検出を保証するという利点をもたらし、それに対して、偽の正信号は付加的な情報によって測定信号パターンから回避される。
本発明の1つの好ましい実施形態では、磁気抵抗素子の間隔は最大で細胞直径である。たとえばこの間隔は最大で50μmである。好ましくはこの間隔は最大で25μmである。このような間隔は、4つの測定偏倚を含む1つの測定信号パターンが対角線配置で生成され、3つの測定偏倚を含む測定信号パターンが並列配置で生成されるという利点がある。
本発明の1つの好ましい実施形態では、本装置は、磁気抵抗素子の既知の間隔に基づいて流速を測定信号パターンから算出するために構成された評価電子装置を含んでいる。
本発明の別の好ましい実施形態では、本装置は、測定偏倚の間隔に基づいて細胞直径を算出するために構成された評価電子装置を含んでいる。評価電子装置は、細胞直径の算出と流速の算出の役目を同じように果たすのが好ましい。
本発明の1つの好都合な実施形態では、本装置は、測定偏倚の振幅に基づいて信号対雑音比を求めるために構成された評価電子装置を含んでいる。特に、流速と細胞直径も算出する同一の評価電子装置によって、信号対雑音比が求められる。
磁気抵抗素子は並列配置で配列されており、細胞の流れが最初に第1の磁気抵抗素子、次に第2の磁気抵抗素子、次に第3の磁気抵抗素子、次に第4の磁気抵抗素子を通るように案内可能であるように直列に配置されるのが好ましい。そのためにセンサ装置には、それぞれ2つの磁気抵抗素子からなる第1の対および第2の対を備える少なくとも1つのホイートストンブリッジが含まれている。第1の対の磁気抵抗素子と第2の対の磁気抵抗素子との間の間隔は、3つの細胞直径よりも大きいのが好ましい。本装置のこのような実施形態は、並列配置で流速が検出されるとともに、2対の磁気抵抗素子が2つの特徴的な測定信号パターンを生成するという利点がある。
特に、それぞれ1つのセンサ装置を備える複数の本装置の連続配置を行うことができる。この場合、たとえば複数のセンサ対をそれぞれ異なる間隔で連続配置することができる。このことは、たとえば異なる細胞サイズを検出して区別するという利点がある。
たとえば本装置はフローチャンバを含んでおり、これを通って細胞が案内され、このフローチャンバは磁気抵抗センサ上に延びているのが好都合である。磁気抵抗素子はGMR(巨大磁気抵抗)センサ、TMR(トンネル磁気抵抗)センサ、またはAMR(異方性磁気抵抗)センサであってよい。このような種類の磁気抵抗センサは、磁気抵抗としてホイートストンブリッジに配列されているのが好ましい。このようなホイートストン測定ブリッジにより、細胞によって発生される漂遊磁界を検出することができ、それによって抵抗変化が引き起こされる。
フローチャンバは、その中で検体の層流を具体化できるように構成されているのが好ましい。特に、フローチャンバ表面と細胞との付着ないし相互作用が強すぎてはならない。フローチャンバの内面の性質は、通路壁に沿った細胞の転動を可能にするのが好ましい。
ホイートストン測定ブリッジは次のようなレイアウトで具体化されるのが好ましい。磁気抵抗素子は帯状であり、たとえば2×30μmのセンサ面を有するのが好ましい。素子サイズは、細胞状の検体の寸法の範囲内にあるのが好都合である。検出されるべき細胞は、たとえば1から20μmの間の直径を有している。帯状の磁気抵抗素子は、細胞の流れ方向に対して直角に位置しているのが好都合である。ホイートストンブリッジの4つの抵抗器へのリード線の抵抗は、信号のオフセットや温度の影響を最低限に抑えるために、できるだけ均衡がとれているのが好都合である。たとえばホイートストンブリッジの4つすべての抵抗器は磁気抵抗素子である。特に磁気抵抗素子はGMR(巨大磁気抵抗)素子である。
センサ装置は、ホイートストンブリッジの対角線抵抗器、すなわちホイートストンブリッジの対角線上で向かい合って位置している抵抗器が、空間的に互いに分離された対をなすように配置されるように構成されているのが好都合である。これらの対の1つは、たとえば磁気抵抗性の抵抗器からなっている。そして測定プロセスでは細胞の流れが、磁気抵抗素子からなる対角線上の抵抗器対を横切る。磁気抵抗素子はたとえばGMR素子である。すなわちこの構成では、ハーフブリッジだけが利用される。
測定信号パターンは、特にそれぞれの測定偏倚の間隔は、1対の対角線抵抗器の磁気抵抗素子の間隔に依存して決まる。磁気抵抗素子の間隔が大きいときには4つの測定偏倚が記録される。流れ方向に沿った2つの磁気抵抗素子の間の間隔を短くすると、4つの測定偏倚が互いに近づいていき、振幅および向きの異なる4つの測定偏倚を含む測定信号パターンを形成する。細胞直径を表す特徴的な間隔を超えると、個々の磁気抵抗素子の個別信号が重ね合わされる。さらにこの特徴的な間隔は、細胞の漂遊磁界の広がりに依存して決まる。対角線配置におけるそれぞれの磁気抵抗素子の間の間隔を十分に短くすれば、中央の測定偏倚の解消が生じる。このような信号の重ね合わせは、2つの細胞直径よりも小さい間隔以降に生じる。たとえば10μmの細胞直径では、それぞれの磁気抵抗素子のほぼ20から30μmの間隔以降に、センサ応答の重なり合いが生じる。
ホイートストンブリッジの並列のレイアウトでも、各抵抗器は空間的に分離された各対をなすように配置される。このとき各対は、測定ブリッジの並列の抵抗器である。測定ブリッジにおける並列の磁気抵抗素子では、第2の信号が、すなわち第2の磁気抵抗素子が通過されたときに生じる信号が、第1の信号の鏡像となる。並列レイアウトでも対角線レイアウトと同様に、流れ方向で磁気抵抗素子を接近させると、センサ応答の重ね合わせが生じる。並列抵抗器では、重ね合わされた2つのハーフ信号が加算され、その結果理論的には2倍の振幅高さをもつピークが生じる。
並列レイアウトによる流速決定のために、ホイートストンブリッジの2対の抵抗器が用いられるのが好ましい。そのために、2対の並列の抵抗器が直列につながれる。各対の抵抗器の間隔は、検出されるべき細胞の3つの細胞直径よりも大きいのが好都合である。
2つの対角線抵抗器による特徴的な測定信号の順序によって、細胞の流速の検出が可能となる。流速は、データレートが既知でありかつ磁気抵抗素子の間隔が既知であるときに、算出することができる。
測定信号パターンは、測定偏倚のピーク値に、磁気抵抗素子に対して相対的に正確な細胞位置を割り当てることを可能にする。測定偏倚の2つのピーク値の間で細胞が進む距離が、2つの磁気抵抗素子の間隔に一致している。
並列配置による流速計算のために、2対の磁気抵抗素子が利用されるのが好ましい。このとき細胞が進む距離は、測定偏倚のピーク値の間における各対の抵抗器の間隔に一致している。
添付の図面の図1から図18を参照しながら、一例を挙げる形で本発明について説明する。各図面は模式的なものであり、縮尺に忠実な図を表すものではない。
個別抵抗器装置の測定信号である。 1つの個別抵抗器を通る検出されるべき細胞の運動の時間的な推移である。 ホイートストンブリッジである。 対角線配置のホイートストンブリッジである。 各抵抗器の間隔に依存する対角線配置での測定信号である。 個別抵抗器の2つの測定信号の重ね合わせを可能にする各抵抗器の間隔を有する対角線配置での測定信号である。 2つの抵抗器を通る検出されるべき細胞の時間的な推移である。 ホイートストンブリッジと、各抵抗器を通る細胞の流れの推移である。 並列配置のホイートストンブリッジである。 各抵抗器の間隔に依存する並列配置での測定信号である。 個別抵抗器の2つの測定信号の重ね合わせを可能にする各抵抗器の間隔を有する並列配置での測定信号である。 並列配置の2つの抵抗器を通る検出されるべき細胞の時間的な推移である。 流速測定のための対角線配置での測定信号である。 各抵抗器を通る検出されるべき細胞の時間的な推移である。 ホイートストンブリッジと、各抵抗器を通る細胞の流れの推移である。 流速測定のための並列配置のホイートストンブリッジである。 流速測定をするための並列配置の2対の抵抗器の2つの測定信号である。 流速測定用の測定装置を通る検出されるべき細胞の時間的な推移である。
図1に示す時間tに伴う測定信号推移は、最初に正の測定偏倚を示しており、次に、同じ振幅Aの負の測定偏倚を示している。このような信号は、単一の細胞10が単一の測定抵抗器を通って運動するときに生じる。時間的な流れの推移20が図2に示されている。図2は、1つの細胞10を3つの時点t,tおよびtで示している。細胞10は、時間インターバルtからtで測定抵抗器を通過する。さらに細胞10の漂遊磁界が図示されている。ここでは測定抵抗器によって面内磁界だけが記録され、すなわち、速度矢印vによって図示された運動方向と平行な磁界が記録される。運動方向に対して垂直でかつ抵抗器が位置する平面に対して垂直な磁界は、センサによって検出されない。運動方向に対して垂直なこの方向において、抵抗器に細胞10を蓄積させるように外部磁界が用いられる。
図3はホイートストン測定ブリッジを示している。ここでUccは印加される電圧、Uは測定電圧、RからRは測定ブリッジの抵抗器を示しており、そのうち少なくとも2つは、たとえば向かい合う対角線素子RおよびRは、磁気抵抗性の抵抗器である。さらに、細胞10とその流れ方向20が示されている。
図4は、対角線素子R,Rを介して細胞10の流動を行うことができるように、ホイートストン測定ブリッジが特にどのように配置されるべきかを示している。ここでは測定は対角線対40を用いて行われ、それに対してRとRはたとえば磁気抵抗素子でなくてもよい。磁気抵抗素子R,Rの間隔Δxは測定信号に影響を及ぼす。間隔Δxによる測定信号への影響は、図5に示されている。図5は、3つの異なる間隔Δx1,Δx2およびΔx3について、時間に伴う測定推移を示している。このときΔx2<Δx1であり、Δx3<Δx2である。間隔Δxが短くなると、2つの磁気抵抗素子R,Rの同一に生起される測定信号の重なり合いが生じる。間隔Δx3については、対角線配置40での個別細胞検出について4つの連続する測定偏倚を含む特徴的な測定信号は、最初は正の測定偏倚であり、次に負、そしてまた正、次に負の測定偏倚である。これらの測定偏倚は異なる振幅Aを有している。
校正不要の個別細胞検出のために、すなわち、複合媒体中での細胞濃度の定量化のために、このような間隔依存性が利用される。検出されるべき細胞10のそれぞれの細胞サイズにこの間隔Δxが合わせられる、つまりこの間隔Δxの適合化が行われる。細胞サイズは1μmから20μmの間を変動する可能性がある。このような種類の個別細胞検出について関心の対象となるのは、ほぼ3μmの細胞サイズおよび8から12μmの範囲内の細胞サイズである。たとえばCD4+−細胞は、ほぼ7μmの直径を有している。細胞タイプの内部でも細胞直径の変動がある。すなわち、小さな変動も一緒に検出されなければならない。それに応じて、測定振幅Aについてある程度のインターバルが選択される。図6は、個別細胞検出についての特徴的な測定推移を示しており、いわゆる個別細胞10の指紋を示している。ここでは特徴的な時間t61,t62,t64およびt65での測定偏倚のピーク値に、図7に図示された正確な位置が抵抗器(R,R)に対して相対的に割り当てられている。個別細胞10は、1対の磁気抵抗素子R,Rの傍を通るように運動する。図示しているこのハーフブリッジ装置は、対角線配置40に配列されている。2つの磁気抵抗素子R,Rにより、同じく細胞10の漂遊磁界の面内磁界だけが記録される。時点t61で細胞10は第1のセンサ素子Rに到達し、時点t62で細胞10はちょうど第1のセンサ素子Rを通過し、その漂遊磁界はすでに第2のセンサ素子Rに到達しており、それによって時点t62での第2の測定偏倚は、時点t61での第1の測定偏倚よりも小さい振幅Aを有している。時点t63で、細胞10が正確に素子R,Rの間の中央にあるときに、測定信号のゼロ通過が行われる。時点t64で、第2のセンサ素子Rの通過が始まる。時点t65で、細胞10は第2のセンサ素子の通過を終える。時点t65では、再び完全な振幅高さAをもつ測定偏倚が記録される。
図8は、ホイートストンブリッジを古典的な回路図で示している。矢印20は、検出されるべき細胞10の流れ方向を示している。流れ方向20は、ここでは図3とは異なり、並列素子R,RまたはR,Rを通るように選択されている。並列素子とは、通過される抵抗器対R,RまたはR,Rが並置されており、対角線上で対向していないことを意味している。図9は、ホイートストンブリッジ90の好ましい配置構造を示しており、それにより各抵抗器は定められた相互間隔Δxで、流れ方向20に沿って配置される。抵抗器R−Rは帯状であり、流れ方向20に対して直角に配置されている。図9にさらに見られるとおり、細胞10は1つの抵抗器対または2つの抵抗器対を、分離された通路の中で通過する。図16には、並列接続160によって、4つすべての磁気抵抗素子R−Rを通る流れ20をどのように記録できるかが示されており、その場合、これらの抵抗器が流れ通路20に沿って直列に配置される。
図10は、間隔Δxに依存する、2つの測定抵抗器R,Rの並列配置90の測定信号を示している。間隔Δxが短くなると、測定信号が接近していく。間隔Δxについては、それぞれの測定信号はまだ互いに離れており、重なり合っていない。ここでは対角線配置40とは異なり、並列配置90では測定偏倚の順序が鏡像になっている様子が示されている。第1の抵抗器Rを通過すると、最初に正の測定偏倚、次に負の測定偏倚が生じる。第2の測定抵抗器Rを通過すると、最初に負の測定偏倚、次に正の測定偏倚が生じる。測定抵抗器R,Rをさらに接近させると測定信号の重なり合いが生じ、間隔Δxでは3つの測定偏倚しか記録されないように測定信号が重ね合わされ、第2の中央の測定偏倚は2倍の振幅高さAを有している。2倍の振幅高さAは、改善された信号対雑音比のために利用することができる。
図11は、並列配置を通じての測定信号推移を示している。このケースでも、測定偏倚のピークは正確な時点t11−t13に割り当てられ、ないしは抵抗器に対して相対的な位置に割り当てられる。これらは測定抵抗器R,Rを通る細胞10の時間的な推移として、図12に図示されている。時点t11で、細胞10は第1の測定抵抗器Rを通過し始める。細胞10は速度vでそれぞれの測定抵抗器を通るように運動する。細胞10の漂遊磁界の面内磁界が記録される。振幅Aが最高になる時点t12では、細胞10はちょうど並列配置90の2つの磁気抵抗素子R,Rの間にある。時点tで、細胞10は第2のセンサRの通過を終える。並列配置90の2つのセンサR,Rは間隔Δxをおいている。
図13は、振幅の異なる4つの測定偏倚を含む測定信号推移を引き起こす、磁気抵抗素子R,Rの間隔Δxを有する対角線配置40における測定信号の時間的推移を同じく示している。測定偏倚t31からt34のピーク値の時点がやはり図14に示されており、測定抵抗器R,Rを通る細胞10の位置と関連づけられている。両方の最大値の間の、すなわち時点t31およびt33での測定偏倚のピーク値の間の時間インターバルΔtで細胞10が進む距離Δxは、両方のセンサ素子R,Rの間隔Δxにちょうど一致している。測定点Nの数と、既知のデータレートN/secとを通じて、速度vは次のように求めることができる。
Figure 2013542410
並列配置160によるこのような流速の計算のために、ホイートストンブリッジの4つすべての抵抗器R−Rが磁気抵抗素子として利用されて直列に配置されるのが好ましく、それにより、最初に第1の対R,Rが通過され、そして素子間隔Δxよりも広い間隔Δxで第2の対R,Rが通過される。図15は、測定抵抗器R−Rを通る細胞10の推移を示している。図17は、並列配置160の連続する2つの対R,RおよびR,Rの測定信号を示している。図18は、これに対応する細胞10によるセンサ装置の通過を示している。時点t71で、細胞10は第1のセンサ素子Rを速度vで通過する。時点t72で細胞10は、最初の2つの素子R,Rの間の中央部に達する。この位置は、第1の測定信号t72の最高のピーク値に相当している。時点t73で細胞10は第2のセンサRを終える。時点t74で細胞10は第2の対の素子の間の中央部に達しており、すなわち、第2の測定信号の最高のピーク値に再び達している。時点t72およびt74でのこれら両最大値の時間間隔ΔTは、符号ΔTで表されている。そしてこの時間差ΔTを、流速vを求めるために同じく利用することができる。
Figure 2013542410
時間インターバルΔT/Δtと、それぞれの素子の既知の間隔Δxもしくは既知の各対の間隔ΔXからこのようにして求めた流速vに基づいて、いかなるケースでも細胞直径を求めることができ、それは、流速v[μm/s]が時間インターバルΔt[sec]またはΔT[sec]と乗算されることによって行われる。
10 細胞
20 流れ、流れ方向
40 対角線配置
90 並列配置
,R,R,R 磁気抵抗素子
本発明はフローサイトメトリーに関する。本発明は特に細胞の磁気的な流れ測定方法および細胞の磁気的な流れ測定装置に関する。
細胞測定や細胞検出の分野では、磁気的にマーキングされた検体が磁気センサを通って流れる流れ測定が知られている。しかしその場合、正信号は個々の細胞に一義的に由来していないかもしれない。たとえば、磁気的なマーカーの交差選択によって誤ってマーキングされた細胞が、正信号を惹起することがある。さらに、未結合のマーカーが正信号を引き起こすこともある。また、細胞凝集塊も正信号のみを生じさせ、そのようなものとして認識可能ではない。
本発明の課題は、磁気的なフローサイトメトリーにおけるバックグラウンド信号を削減し、偽の正信号を回避することにある。
この課題は、本発明によれば、細胞の磁気的な流れ測定を行なう方法において、
センサ装置の使用開始が行われ、使用開始のために少なくとも1つの第1の磁気抵抗素子および少なくとも1つの第2の磁気抵抗素子がホイートストンブリッジに対角線配置または並列配置で配列されて、流れ方向に相互に間隔をおいて配置され、少なくとも前記第1の磁気抵抗素子と少なくとも前記第2の磁気抵抗素子との間隔は検出されるべき細胞タイプに合わせられており、
細胞の磁気的なマーキングが行われ
前記センサ装置を通る細胞の流れが生成され、細胞の流れは最初に前記第1の磁気抵抗素子、次に前記第2の磁気抵抗素子を通るように案内され
個別細胞検出が行われ、前記センサ装置を通って流れていく磁気的にマーキングされた個々の細胞によって少なくとも3つの測定偏倚からなる特徴的なパターンをもつ測定信号が生成され
測定信号の評価が行われ、該評価では測定偏倚の向きの順序に基づいて測定信号が個別細胞検出として識別される細胞の磁気的な流れ測定方法によって解決される(請求項1)
細胞の磁気的な流れ測定方法に関する本発明の有利な実施態様は次の通りである。
・測定偏倚の数、測定偏倚の間隔、または測定偏倚の振幅のような特徴的な測定信号パターンに由来する少なくとも1つの別の情報が評価される(請求項2)
・前記評価では前記磁気抵抗素子の既知の間隔に基づいて流速が算出される(請求項3)
・前記評価では測定偏倚の間隔に基づいて細胞直径が算出される(請求項4)
・前記評価では測定偏倚の振幅に基づいて信号対雑音比が求められる(請求項5)
・細胞の磁気的なマーキングのために超常磁性マーカーが使用される(請求項6)
・特徴的な細胞直径をもつ予め定められたタイプの細胞の磁気的な流れ測定をするために、前記第1の磁気抵抗素子および第2の磁気抵抗素子が流れ方向に細胞直径の最大2倍である相互の間隔をおいて配置される(請求項7)
・前記センサ装置の使用開始のために4つの前記磁気抵抗素子は第1の対および第2の対をなすようにホイートストンブリッジに並列配置で配列され、細胞の流れが最初に第1の磁気抵抗素子、次に第2の磁気抵抗素子、次に第3の磁気抵抗素子、次に第4の磁気抵抗素子を通るように案内可能であるように直列に配置され
細胞の流れは上記の順序で4つの前記磁気抵抗素子を通るように案内され、
前記評価では前記磁気抵抗素子の前記第1の対と第2の対との間の既知の間隔に基づいて流速が算出される(請求項8)
前述の課題は、本発明によれば、細胞の磁気的な流れ測定を行なう装置において
少なくとも1つの第1の磁気抵抗素子および少なくとも1つの第2の磁気抵抗素子を有する少なくとも1つのホイートストンブリッジを含むセンサ装置を備え、前記磁気抵抗素子は対角線配置または並列配置で配列されるとともに、流れ通路に沿って相互に間隔をおきながら配置されており、少なくとも前記第1の磁気抵抗素子と少なくとも前記第2の磁気抵抗素子との間隔は検出されるべき細胞タイプに合わせられており、細胞の流れは最初に第1の磁気抵抗素子、次に第2の磁気抵抗素子を通るように案内可能であり、前記センサ装置は測定信号を検出するように構成されており、前記磁気抵抗素子の前記間隔は、前記測定信号が少なくとも3つの測定偏倚を含む1つの特徴的な測定信号パターンを示す値であり、
さらに、測定偏倚の向き(方向)の順序に基づいて測定信号を個別細胞検出として識別する評価電子装置を備えている細胞の磁気的な流れ測定装置によっても解決される(請求項9)
細胞の磁気的な流れ測定装置に関する本発明の有利な実施態様は次の通りである
・前記磁気抵抗素子の前記間隔は最大で50μmである(請求項10)
・前記評価電子装置は前記測定信号パターンから前記磁気抵抗素子の既知の前記間隔に基づいて流速を算出する(請求項11)
・前記評価電子装置は測定偏倚の間隔に基づいて細胞直径を算出する(請求項12)
・前記評価電子装置は測定偏倚の振幅に基づいて信号対雑音比を求める(請求項13)
・前記センサ装置はホイートストンブリッジの4つの磁気抵抗素子を含んでおり、これらの4つの磁気抵抗素子は、磁気抵抗素子からなる第1の対および第2の対をなすように並列配置で配列され、細胞の流れが最初に第1の前記磁気抵抗素子、次に第2の前記磁気抵抗素子、次に第3の前記磁気抵抗素子、次に第4の前記磁気抵抗素子を通るように案内可能であるように直列に配置され、前記評価電子装置は、前記磁気抵抗素子の前記第1の対と第2の対との間の既知の対間隔に基づいて流速を算出する(請求項14)
・前記磁気抵抗素子の前記第1の対と第2の対との間の対間隔は、1つの対内の個々の磁気抵抗素子間の間隔よりも大きい(請求項15)
本発明による方法は、細胞の磁気的な流れ測定に使われる。本方法は次の各ステップを含んでいる。
まず、センサ装置の使用開始が行われる。このとき少なくとも1つの第1の磁気抵抗素子および少なくとも1つの第2の磁気抵抗素子が、ホイートストンブリッジに対角線配置または並列配置で配列される。ここで対角線配置とは、ホイートストンブリッジの対角線上で互いに向かい合う抵抗器が磁気抵抗素子であることを意味しており、並列配置とは、ホイートストンブリッジの相並んで位置する抵抗器が磁気抵抗素子であることを意味している。磁気抵抗素子は流れ方向に相互間隔をおいて配置される。特にこの間隔は、検出されるべき細胞のタイプに合わせられる。さらに、細胞の磁気的なマーキングが行われる。使用開始と細胞のマーキングの後、センサ装置を通る細胞の流れが生成される。細胞の流れは、最初に第1の磁気抵抗素子、次に第2の磁気抵抗素子を通るように案内される。このとき個別細胞検出が行われる。センサ装置を通って流れていく磁気的にマーキングされた個々の細胞の磁界によって、少なくとも3つの測定偏倚(Messausschlg)からなる特徴的なパターンをもつ測定信号が生成される。特徴的な測定信号パターンは、測定偏倚の数、測定偏倚の間隔、測定偏倚の振幅、測定偏倚の向き(方向)、測定偏倚の向き(方向)の順序などの情報を提供する。個別細胞検出に引き続いて測定信号の評価が行われ、この評価では、測定信号が特徴的な測定偏倚の順序に基づいて個別細胞検出として識別される。
このことは、フロー中の検体の校正不要な濃度測定を可能にする。さらにこの方法は、バックグラウンド信号の削減のほかに、偽の正信号が回避されるという利点を有している。
同時に流速測定を行うことができる。細胞サイズの推定も可能である。そのために本発明の1つの好ましい実施形態では、本方法において測定信号の評価が行われ、この評価では、それぞれの磁気抵抗素子の既知の間隔に基づいて、細胞の流速が算出される。細胞の流速を知ることは、さらに別の利点をもたらす。流速に基づいて、細胞サイズの定性的な推定が可能である。細胞よりもはるかに小さい粒子、たとえば未結合の磁気マーカーなどは、検出されるべき細胞よりもはるかに低速で運動する。比較的大きい粒子や細胞凝集塊は、検出されるべき細胞よりもはるかに高い流速で運動する。つまり流速を計算することによって、個別細胞検出の品質がいっそう高くなる。
本発明の別の好ましい実施形態では、本方法において測定信号の評価が行われ、この評価では、測定偏倚の間隔に基づいて細胞直径が算出される。この計算は、たとえば算出された流速と測定された測定偏倚の間隔に基づいて行われる。細胞直径は、個別細胞検出を示唆するさらに別のパラメータであり、または偽の正信号を表す指標である。
本発明のさらに別の好ましい実施形態では、本方法において測定信号の評価が行われ、この評価では、測定偏倚の振幅に基づいて信号対雑音比が求められる。特に測定信号パターンは、振幅のそれぞれ異なる複数の測定偏倚を有することがある。たとえば振幅の上側限界値および/または下側限界値が規定されていてよい。このとき測定偏倚の振幅は、従来の測定のようにただ測定結果の識別に利用されるのではなく、特徴的な測定信号のパターンに由来する複数の情報のうちの1つとして利用される。
特に、測定偏倚の数、測定偏倚の間隔、測定偏倚の振幅のような、測定信号パターンに由来するすべての測定値ないし情報について、限界値を規定することができる。特に、正の測定信号の対応する測定値が位置していなければならない限界インターバルを規定することができる。このような種類の限界値、上側限界値および/または下側限界値、または限界値インターバルは、流速や細胞直径や信号対雑音比のような算出される量についても規定することができる。
本発明の好ましい実施形態では、本方法において、超常磁性マーカーによって細胞の磁気的なマーキングが行われる。磁気抵抗素子はたとえばGMR(巨大磁気抵抗)センサ、TMR(トンネル磁気抵抗)センサ、またはAMR(異方性磁気抵抗)センサである。
本方法において、センサ装置を使用開始するときに第1の磁気抵抗素子および第2の磁気抵抗素子は流れ方向に最大で細胞直径の間隔をおいて配置されるのが好ましい。このことは、4つの測定偏倚を含む1つの測定信号パターンが生成されるという利点がある。別案として、この間隔は細胞直径の1.5倍であってもよい。細胞直径の最大2倍の間隔が好都合である。磁気抵抗素子の間隔のこのような適合化は、特徴的な細胞直径をもつ細胞のタイプに準拠している。さまざまに異なる細胞のタイプを検出するために、または直径が未知の細胞を検出するために、それぞれ間隔の異なる複数のセンサ装置を備えるセンサ区間を作成可能である。
本発明の好都合な実施形態では、本方法においてセンサ装置を使用するために、4つの磁気抵抗素子がホイートストンブリッジに第1の対および第2の対をなすように並列配置で配列され、細胞の流れが最初に第1の磁気抵抗素子、次に第2の磁気抵抗素子、次に第3の磁気抵抗素子、次に第4の磁気抵抗素子を通って案内可能であるように直列に配置される。細胞の流れは最初に第1の磁気抵抗素子、次に第2の磁気抵抗素子、次に第3の磁気抵抗素子、次に第4の磁気抵抗素子を通る。評価のときには、第1の対の磁気抵抗素子と第2の対の磁気抵抗素子との間の既知の対間隔に基づいて流速が算出されるのが好ましい。この実施形態は、2つの対の磁気抵抗素子から、個々の細胞についての1つの特徴的な測定信号パターンが生成されるという利点がある。
たとえば全血のような複合媒体の中で細胞検出が行われるのが好ましい。検体すなわち細胞は変動のある直径を有している。典型的な場合、7から12μmの直径の白血球が計測される。それに応じて算出される細胞直径の限界インターバルは、たとえば(7から12μm)に設定される。このことは、たとえば細胞直径が明らかに異なる別の細胞タイプに及ぶ交差選択性を回避できるという利点がある。このような種類の交差選択性は、磁気的なマーカーのみによって排除することはできない。
そのうえ細胞のマーカー密度も変動する。このことは、たとえば異なる測定偏倚の振幅として現れる。それに応じて、たとえば測定偏倚の振幅について限界インターバルが選択される。測定偏倚の振幅の上限および下限を規定することで、バックグラウンドが抑制されるとともに、凝集物による高すぎる信号を無視できるという利点がある。バックグラウンド信号に関与するのは、たとえば抗体を含む未結合の超常磁性粒子である。たとえば未結合マーカーを介して互いに結合する細胞の凝集物のほか、超常磁性粒子の凝集物も抗体を介して生じることがある。しかしこのような凝集物は、測定偏倚の振幅についての上限を規定することによって排除される。
流れ通路内の磁気抵抗素子に対する、ないしは通路壁に対する、細胞の間隔の変動は流速の変化として現れる。層流での流速は、細胞が通路表面と付着ないし相互作用したときに変化する。磁気的にマーキングされた細胞は、外部磁界の中で磁気抵抗素子に蓄積されて、細胞の漂遊磁界がアライメントされるのが好ましい。特に細胞は、層流の中で通路壁に沿って転動するように、通路壁に蓄積される。外部磁界は、細胞の検出されるべき漂遊磁界に対して垂直に延びているのが好ましい。
個々の磁気抵抗素子が個々の磁気的にマーキングされた細胞によって通過されると、この磁気抵抗素子は、磁気抵抗素子すなわちセンサ素子に対して相対的な細胞の位置ないしその磁界に依存して抵抗変化を受ける。この測定信号は正の測定偏倚と負の測定偏倚を有している。細胞の漂遊磁界は磁気双極子であり、この細胞の漂遊磁界の方向に依存して、最初に正の測定偏倚が生じ、引き続き負の測定偏倚が生じ、またはこの逆が生じる。
対角線配置の1対の磁気抵抗素子が通過されると、正確に同一な2つの測定信号が順次形成される。この信号は、磁気抵抗素子の間隔によって変調することができる。素子間隔を短くすると、測定信号の重ね合わせが生じる。
並列配置の1対の磁気抵抗素子が、磁気的にマーキングされた単一の細胞によって通過されると、2つの個別信号が生じ、2番目の信号は1番目の信号の鏡像である。並列配置における信号も、それぞれの磁気抵抗素子の間隔によって変調可能である。間隔を適切に選択することによって、個別信号の2倍の振幅をもつ信号偏位が生じるように、各信号を重ね合わせることができる。
本発明による方法の主要な利点は、検体の変動する細胞直径に関わりなく、および細胞上のマーカー密度に関わりなく、特徴的な測定信号パターンが生成され、そのようにして、個別細胞検出を行うことができるという点にある。特に個々の細胞の測定信号パターンが、4ビットの情報内容を供給する。このことは本発明の方法のさらに別の利点をもたらし、すなわち、マーキングされた細胞の校正不要の濃度決定を行えるように、偽の正信号やバックグラウンド信号を低減させることを、信号推移ないし信号パターンが可能にするという利点につながる。このような校正不要の濃度決定は、純粋な振幅評価によっては不可能である。信号パターンを用いた評価の選択肢は次の事項に及ぶ。
1.たとえば未結合の粒子のようなバックグラウンドに関わりのない、正の測定偏倚および負の測定偏倚の交互の順序による個々の細胞の特徴的な指紋。
2.インビトロ流速測定(ガラス管内での流速測定)。それにより、細胞凝集や凝集したマーカーの偽の正信号を排除することができる。
3.上側閾および下側閾値に基づいて振幅の評価。
4.測定信号パターン内部における個々の測定偏倚の間隔を通じての細胞サイズの推定。
本発明による装置は、細胞の磁気的な流れ測定に利用される。本装置は、少なくとも1つの第1の磁気抵抗素子および少なくとも1つの第2の磁気抵抗素子を備える少なくとも1つのホイートストンブリッジを含むセンサ装置を含んでいる。磁気抵抗素子は対角線配置または並列配置で配列されている。磁気抵抗素子は流れ通路に沿って相互間隔をおきながら、細胞の流れが最初に第1の磁気抵抗素子、次に第2の磁気抵抗素子を通るように案内可能であるように配置されている。流れ方向における磁気抵抗素子の間隔は、検出されるべき細胞タイプに合わせられている(つまり適合化されている)のが好ましい。このとき磁気抵抗素子は、磁気的にマーキングされた個々の細胞の磁界を検出可能であるように構成されている。センサ装置は、少なくとも3つの測定偏倚を含む特徴的な測定信号パターンを示す測定信号を検出可能であるように構成されている。測定信号パターンは、測定偏倚の数、測定偏倚の間隔、測定偏倚の振幅、測定偏倚の向き(方向)、測定偏倚の向き(方向)の順序の情報を含んでいる。さらに、測定偏倚の向きの順序に基づいて測定信号を個別細胞検出として識別するために構成された評価電子装置が含まれている。本発明による装置は個別細胞検出を保証するという利点をもたらし、それに対して、偽の正信号は付加的な情報によって測定信号パターンから回避される。
本発明の1つの好ましい実施形態では、磁気抵抗素子の間隔は最大で細胞直径である。たとえばこの間隔は最大で50μmである。好ましくはこの間隔は最大で25μmである。このような間隔は、4つの測定偏倚を含む1つの測定信号パターンが対角線配置で生成され、3つの測定偏倚を含む測定信号パターンが並列配置で生成されるという利点がある。
本発明の1つの好ましい実施形態では、本装置は、磁気抵抗素子の既知の間隔に基づいて流速を測定信号パターンから算出するために構成された評価電子装置を含んでいる。
本発明の別の好ましい実施形態では、本装置は、測定偏倚の間隔に基づいて細胞直径を算出するために構成された評価電子装置を含んでいる。評価電子装置は、細胞直径の算出と流速の算出の役目を同じように果たすのが好ましい。
本発明の1つの好都合な実施形態では、本装置は、測定偏倚の振幅に基づいて信号対雑音比を求めるために構成された評価電子装置を含んでいる。特に、流速と細胞直径も算出する同一の評価電子装置によって、信号対雑音比が求められる。
磁気抵抗素子は並列配置で配列されており、細胞の流れが最初に第1の磁気抵抗素子、次に第2の磁気抵抗素子、次に第3の磁気抵抗素子、次に第4の磁気抵抗素子を通るように案内可能であるように直列に配置されるのが好ましい。そのためにセンサ装置には、それぞれ2つの磁気抵抗素子からなる第1の対および第2の対を備える少なくとも1つのホイートストンブリッジが含まれている。第1の対の磁気抵抗素子と第2の対の磁気抵抗素子との間の間隔は、3つの細胞直径よりも大きいのが好ましい。本装置のこのような実施形態は、並列配置で流速が検出されるとともに、2対の磁気抵抗素子が2つの特徴的な測定信号パターンを生成するという利点がある。
特に、それぞれ1つのセンサ装置を備える複数の本装置の連続配置を行うことができる。この場合、たとえば複数のセンサ対をそれぞれ異なる間隔で連続配置することができる。このことは、たとえば異なる細胞サイズを検出して区別するという利点がある。
たとえば本装置はフローチャンバを含んでおり、これを通って細胞が案内され、このフローチャンバは磁気抵抗センサ上に延びているのが好都合である。磁気抵抗素子はGMR(巨大磁気抵抗)センサ、TMR(トンネル磁気抵抗)センサ、またはAMR(異方性磁気抵抗)センサであってよい。このような種類の磁気抵抗センサは、磁気抵抗としてホイートストンブリッジに配列されているのが好ましい。このようなホイートストン測定ブリッジにより、細胞によって発生される漂遊磁界を検出することができ、それによって抵抗変化が引き起こされる。
フローチャンバは、その中で検体の層流を具体化できるように構成されているのが好ましい。特に、フローチャンバ表面と細胞との付着ないし相互作用が強すぎてはならない。フローチャンバの内面の性質は、通路壁に沿った細胞の転動を可能にするのが好ましい。
ホイートストン測定ブリッジは次のようなレイアウトで具体化されるのが好ましい。磁気抵抗素子は帯状であり、たとえば2×30μmのセンサ面を有するのが好ましい。素子サイズは、細胞状の検体の寸法の範囲内にあるのが好都合である。検出されるべき細胞は、たとえば1から20μmの間の直径を有している。帯状の磁気抵抗素子は、細胞の流れ方向に対して直角に位置しているのが好都合である。ホイートストンブリッジの4つの抵抗器へのリード線の抵抗は、信号のオフセットや温度の影響を最低限に抑えるために、できるだけ均衡がとれているのが好都合である。たとえばホイートストンブリッジの4つすべての抵抗器は磁気抵抗素子である。特に磁気抵抗素子はGMR(巨大磁気抵抗)素子である。
センサ装置は、ホイートストンブリッジの対角線抵抗器、すなわちホイートストンブリッジの対角線上で向かい合って位置している抵抗器が、空間的に互いに分離された対をなすように配置されるように構成されているのが好都合である。これらの対の1つは、たとえば磁気抵抗性の抵抗器からなっている。そして測定プロセスでは細胞の流れが、磁気抵抗素子からなる対角線上の抵抗器対を横切る。磁気抵抗素子はたとえばGMR素子である。すなわちこの構成では、ハーフブリッジだけが利用される。
測定信号パターンは、特にそれぞれの測定偏倚の間隔は、1対の対角線抵抗器の磁気抵抗素子の間隔に依存して決まる。磁気抵抗素子の間隔が大きいときには4つの測定偏倚が記録される。流れ方向に沿った2つの磁気抵抗素子の間の間隔を短くすると、4つの測定偏倚が互いに近づいていき、振幅および向きの異なる4つの測定偏倚を含む測定信号パターンを形成する。細胞直径を表す特徴的な間隔を超えると、個々の磁気抵抗素子の個別信号が重ね合わされる。さらにこの特徴的な間隔は、細胞の漂遊磁界の広がりに依存して決まる。対角線配置におけるそれぞれの磁気抵抗素子の間の間隔を十分に短くすれば、中央の測定偏倚の解消が生じる。このような信号の重ね合わせは、2つの細胞直径よりも小さい間隔以降に生じる。たとえば10μmの細胞直径では、それぞれの磁気抵抗素子のほぼ20から30μmの間隔以降に、センサ応答の重なり合いが生じる。
ホイートストンブリッジの並列のレイアウトでも、各抵抗器は空間的に分離された各対をなすように配置される。このとき各対は、測定ブリッジの並列の抵抗器である。測定ブリッジにおける並列の磁気抵抗素子では、第2の信号が、すなわち第2の磁気抵抗素子が通過されたときに生じる信号が、第1の信号の鏡像となる。並列レイアウトでも対角線レイアウトと同様に、流れ方向で磁気抵抗素子を接近させると、センサ応答の重ね合わせが生じる。並列抵抗器では、重ね合わされた2つのハーフ信号が加算され、その結果理論的には2倍の振幅高さをもつピークが生じる。
並列レイアウトによる流速決定のために、ホイートストンブリッジの2対の抵抗器が用いられるのが好ましい。そのために、2対の並列の抵抗器が直列につながれる。各対の抵抗器の間隔は、検出されるべき細胞の3つの細胞直径よりも大きいのが好都合である。
2つの対角線抵抗器による特徴的な測定信号の順序によって、細胞の流速の検出が可能となる。流速は、データレートが既知でありかつ磁気抵抗素子の間隔が既知であるときに、算出することができる。
測定信号パターンは、測定偏倚のピーク値に、磁気抵抗素子に対して相対的に正確な細胞位置を割り当てることを可能にする。測定偏倚の2つのピーク値の間で細胞が進む距離が、2つの磁気抵抗素子の間隔に一致している。
並列配置による流速計算のために、2対の磁気抵抗素子が利用されるのが好ましい。このとき細胞が進む距離は、測定偏倚のピーク値の間における各対の抵抗器の間隔に一致している。
添付の図面の図1から図18を参照しながら、一例を挙げる形で本発明について説明する。各図面は模式的なものであり、縮尺に忠実な図を表すものではない。
個別抵抗器装置の測定信号である。 1つの個別抵抗器を通る検出されるべき細胞の運動の時間的な推移である。 ホイートストンブリッジである。 対角線配置のホイートストンブリッジである。 各抵抗器の間隔に依存する対角線配置での測定信号である。 個別抵抗器の2つの測定信号の重ね合わせを可能にする各抵抗器の間隔を有する対角線配置での測定信号である。 2つの抵抗器を通る検出されるべき細胞の時間的な推移である。 ホイートストンブリッジと、各抵抗器を通る細胞の流れの推移である。 並列配置のホイートストンブリッジである。 各抵抗器の間隔に依存する並列配置での測定信号である。 個別抵抗器の2つの測定信号の重ね合わせを可能にする各抵抗器の間隔を有する並列配置での測定信号である。 並列配置の2つの抵抗器を通る検出されるべき細胞の時間的な推移である。 流速測定のための対角線配置での測定信号である。 各抵抗器を通る検出されるべき細胞の時間的な推移である。 ホイートストンブリッジと、各抵抗器を通る細胞の流れの推移である。 流速測定のための並列配置のホイートストンブリッジである。 流速測定をするための並列配置の2対の抵抗器の2つの測定信号である。 流速測定用の測定装置を通る検出されるべき細胞の時間的な推移である。
図1に示す時間tに伴う測定信号推移は、最初に正の測定偏倚を示しており、次に、同じ振幅Aの負の測定偏倚を示している。このような信号は、単一の細胞10が単一の測定抵抗器を通って運動するときに生じる。時間的な流れの推移20が図2に示されている。図2は、1つの細胞10を3つの時点t1,t2およびt3で示している。細胞10は、時間インターバルt1からt3で測定抵抗器を通過する。さらに細胞10の漂遊磁界が図示されている。ここでは測定抵抗器によって面内磁界だけが記録され、すなわち、速度矢印vによって図示された運動方向と平行な磁界が記録される。運動方向に対して垂直でかつ抵抗器が位置する平面に対して垂直な磁界は、センサによって検出されない。運動方向に対して垂直なこの方向において、抵抗器に細胞10を蓄積させるように外部磁界が用いられる。
図3はホイートストン測定ブリッジを示している。ここでUccは印加される電圧、Ubは測定電圧、R1からR4は測定ブリッジの抵抗器を示しており、そのうち少なくとも2つは、たとえば向かい合う対角線素子R1およびR4は、磁気抵抗性の抵抗器である。さらに、細胞10とその流れ方向20が示されている。
図4は、対角線素子R1,R4を介して細胞10の流動を行うことができるように、ホイートストン測定ブリッジが特にどのように配置されるべきかを示している。ここでは測定は対角線対40を用いて行われ、それに対してR2とR3はたとえば磁気抵抗素子でなくてもよい。磁気抵抗素子R1,R4の間隔Δxは測定信号に影響を及ぼす。間隔Δxによる測定信号への影響は、図5に示されている。図5は、3つの異なる間隔Δx1,Δx2およびΔx3について、時間に伴う測定推移を示している。このときΔx2<Δx1であり、Δx3<Δx2である。間隔Δxが短くなると、2つの磁気抵抗素子R1,R4の同一に生起される測定信号の重なり合いが生じる。間隔Δx3については、対角線配置40での個別細胞検出について4つの連続する測定偏倚を含む特徴的な測定信号は、最初は正の測定偏倚であり、次に負、そしてまた正、次に負の測定偏倚である。これらの測定偏倚は異なる振幅Aを有している。
校正不要の個別細胞検出のために、すなわち、複合媒体中での細胞濃度の定量化のために、このような間隔依存性が利用される。検出されるべき細胞10のそれぞれの細胞サイズにこの間隔Δxが合わせられる、つまりこの間隔Δxの適合化が行われる。細胞サイズは1μmから20μmの間を変動する可能性がある。このような種類の個別細胞検出について関心の対象となるのは、ほぼ3μmの細胞サイズおよび8から12μmの範囲内の細胞サイズである。たとえばCD4+−細胞は、ほぼ7μmの直径を有している。細胞タイプの内部でも細胞直径の変動がある。すなわち、小さな変動も一緒に検出されなければならない。それに応じて、測定振幅Aについてある程度のインターバルが選択される。図6は、個別細胞検出についての特徴的な測定推移を示しており、いわゆる個別細胞10の指紋を示している。ここでは特徴的な時間t61,t62,t64およびt65での測定偏倚のピーク値に、図7に図示された正確な位置が抵抗器(R1,R4)に対して相対的に割り当てられている。個別細胞10は、1対の磁気抵抗素子R1,R4の傍を通るように運動する。図示しているこのハーフブリッジ装置は、対角線配置40に配列されている。2つの磁気抵抗素子R1,R4により、同じく細胞10の漂遊磁界の面内磁界だけが記録される。時点t61で細胞10は第1のセンサ素子R1に到達し、時点t62で細胞10はちょうど第1のセンサ素子R1を通過し、その漂遊磁界はすでに第2のセンサ素子R4に到達しており、それによって時点t62での第2の測定偏倚は、時点t61での第1の測定偏倚よりも小さい振幅Aを有している。時点t63で、細胞10が正確に素子R1,R4の間の中央にあるときに、測定信号のゼロ通過が行われる。時点t64で、第2のセンサ素子R4の通過が始まる。時点t65で、細胞10は第2のセンサ素子の通過を終える。時点t65では、再び完全な振幅高さAをもつ測定偏倚が記録される。
図8は、ホイートストンブリッジを古典的な回路図で示している。矢印20は、検出されるべき細胞10の流れ方向を示している。流れ方向20は、ここでは図3とは異なり、並列素子R1,R2またはR3,R4を通るように選択されている。並列素子とは、通過される抵抗器対R1,R2またはR3,R4が並置されており、対角線上で対向していないことを意味している。図9は、ホイートストンブリッジ90の好ましい配置構造を示しており、それにより各抵抗器は定められた相互間隔Δxで、流れ方向20に沿って配置される。抵抗器R1−R4は帯状であり、流れ方向20に対して直角に配置されている。図9にさらに見られるとおり、細胞10は1つの抵抗器対または2つの抵抗器対を、分離された通路の中で通過する。図16には、並列接続160によって、4つすべての磁気抵抗素子R1−R4を通る流れ20をどのように記録できるかが示されており、その場合、これらの抵抗器が流れ通路20に沿って直列に配置される。
図10は、間隔Δxに依存する、2つの測定抵抗器R3,R4の並列配置90の測定信号を示している。間隔Δxが短くなると、測定信号が接近していく。間隔Δx1については、それぞれの測定信号はまだ互いに離れており、重なり合っていない。ここでは対角線配置40とは異なり、並列配置90では測定偏倚の順序が鏡像になっている様子が示されている。第1の抵抗器R3を通過すると、最初に正の測定偏倚、次に負の測定偏倚が生じる。第2の測定抵抗器R4を通過すると、最初に負の測定偏倚、次に正の測定偏倚が生じる。測定抵抗器R3,R4をさらに接近させると測定信号の重なり合いが生じ、間隔Δx4では3つの測定偏倚しか記録されないように測定信号が重ね合わされ、第2の中央の測定偏倚は2倍の振幅高さAを有している。2倍の振幅高さAは、改善された信号対雑音比のために利用することができる。
図11は、並列配置を通じての測定信号推移を示している。このケースでも、測定偏倚のピークは正確な時点t11−t13に割り当てられ、ないしは抵抗器に対して相対的な位置に割り当てられる。これらは測定抵抗器R3,R4を通る細胞10の時間的な推移として、図12に図示されている。時点t11で、細胞10は第1の測定抵抗器R3を通過し始める。細胞10は速度vでそれぞれの測定抵抗器を通るように運動する。細胞10の漂遊磁界の面内磁界が記録される。振幅Aが最高になる時点t12では、細胞10はちょうど並列配置90の2つの磁気抵抗素子R3,R4の間にある。時点t3で、細胞10は第2のセンサR4の通過を終える。並列配置90の2つのセンサR3,R4は間隔Δxをおいている。
図13は、振幅の異なる4つの測定偏倚を含む測定信号推移を引き起こす、磁気抵抗素子R1,R4の間隔Δxを有する対角線配置40における測定信号の時間的推移を同じく示している。測定偏倚t31からt34のピーク値の時点がやはり図14に示されており、測定抵抗器R1,R4を通る細胞10の位置と関連づけられている。両方の最大値の間の、すなわち時点t31およびt33での測定偏倚のピーク値の間の時間インターバルΔtで細胞10が進む距離Δxは、両方のセンサ素子R1,R4の間隔Δxにちょうど一致している。測定点Nの数と、既知のデータレートN/secとを通じて、速度vは次のように求めることができる。
Figure 2013542410
並列配置160によるこのような流速の計算のために、ホイートストンブリッジの4つすべての抵抗器R1−R4が磁気抵抗素子として利用されて直列に配置されるのが好ましく、それにより、最初に第1の対R1,R2が通過され、そして素子間隔Δxよりも広い間隔Δxで第2の対R3,R4が通過される。図15は、測定抵抗器R1−R4を通る細胞10の推移を示している。図17は、並列配置160の連続する2つの対R1,R2およびR3,R4の測定信号を示している。図18は、これに対応する細胞10によるセンサ装置の通過を示している。時点t71で、細胞10は第1のセンサ素子R1を速度vで通過する。時点t72で細胞10は、最初の2つの素子R1,R4の間の中央部に達する。この位置は、第1の測定信号t72の最高のピーク値に相当している。時点t73で細胞10は第2のセンサR2を終える。時点t74で細胞10は第2の対の素子の間の中央部に達しており、すなわち、第2の測定信号の最高のピーク値に再び達している。時点t72およびt74でのこれら両最大値の時間間隔ΔTは、符号ΔTで表されている。そしてこの時間差ΔTを、流速vを求めるために同じく利用することができる。
Figure 2013542410
時間インターバルΔT/Δtと、それぞれの素子の既知の間隔Δxもしくは既知の各対の間隔ΔXからこのようにして求めた流速vに基づいて、いかなるケースでも細胞直径を求めることができ、それは、流速v[μm/s]が時間インターバルΔt[sec]またはΔT[sec]と乗算されることによって行われる。
10 細胞
20 流れ、流れ方向
40 対角線配置
90 並列配置
1,R2,R3,R4 磁気抵抗素子

Claims (15)

  1. 細胞(10)の磁気的な流れ測定を行なう方法において、前記方法は次の各ステップを含んでおり、すなわち、
    センサ装置の使用開始が行われ、使用開始のために少なくとも1つの第1の磁気抵抗素子(R1,R2,R3)および少なくとも1つの第2の磁気抵抗素子(R2,R3,R4)がホイートストンブリッジに対角線配置(40)または並列配置(90)で配列されて、流れ方向(20)に相互に間隔(Δx)をおいて配置され、
    細胞(10)の磁気的なマーキングが行われ、
    前記センサ装置を通る細胞の流れが生成され、細胞(10)の流れ(20)は最初に前記第1の磁気抵抗素子(R1,R2,R3)、次に前記第2の磁気抵抗素子(R2,R3,R4)を通るように案内され、
    個別細胞検出が行われ、前記センサ装置を通って流れていく磁気的にマーキングされた個々の細胞(10)によって少なくとも3つの測定偏倚からなる特徴的なパターンをもつ測定信号が生成され、
    測定信号の評価が行われ、該評価では測定偏倚の向きの順序に基づいて測定信号が個別細胞検出として識別される細胞の磁気的な流れ測定方法。
  2. 測定偏倚の数、測定偏倚の間隔(Δt)、または測定偏倚の振幅(A)のような特徴的な測定信号パターンに由来する少なくとも1つの別の情報が評価される請求項1に記載の方法。
  3. 前記評価では前記磁気抵抗素子(R1,R2,R3,R4)の既知の間隔(Δx)に基づいて流速が算出される請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記評価では測定偏倚の間隔(Δt)に基づいて細胞直径が算出される請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記評価では測定偏倚の振幅(A)に基づいて信号対雑音比が求められる請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 細胞の磁気的なマーキングのために超常磁性マーカーが使用される請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 特徴的な細胞直径をもつ予め定められたタイプの細胞(10)の磁気的な流れ測定をするために、前記第1の磁気抵抗素子(R1,R2,R3)および第2の磁気抵抗素子(R2,R3,R4)が流れ方向(20)に細胞直径の最大2倍である相互の間隔(Δx)をおいて配置される請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記センサ装置の使用開始のために4つの前記磁気抵抗素子(R1,R2,R3,R4)は第1の対(R1,R2)および第2の対(R3,R4)をなすようにホイートストンブリッジに並列配置(160)で配列され、細胞(10)の流れ(20)が最初に第1の磁気抵抗素子(R1)、次に第2の磁気抵抗素子(R2)、次に第3の磁気抵抗素子(R3)、次に第4の磁気抵抗素子(R4)を通るように案内可能であるように直列に配置され、
    細胞(10)の流れ(20)は上記の順序で4つの前記磁気抵抗素子(R1,R2,R3,R4)を通るように案内され、
    前記評価では前記磁気抵抗素子(R1,R2,R3,R4)の前記第1の対(R1,R2)と第2の対(R3,R4)との間の既知の間隔(ΔX)に基づいて流速が算出される請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 細胞(10)の磁気的な流れ測定を行なう装置において、
    少なくとも1つの第1の磁気抵抗素子(R1,R2,R3)および少なくとも1つの第2の磁気抵抗素子(R2,R3,R4)を有する少なくとも1つのホイートストンブリッジを含むセンサ装置を備え、前記磁気抵抗素子(R1,R2,R3,R4)は対角線配置(40)または並列配置(90)で配列されるとともに、流れ通路に沿って相互に間隔(Δx)をおきながら配置されており、細胞(10)の流れ(20)は最初に第1の磁気抵抗素子(R1,R2,R3)、次に第2の磁気抵抗素子(R2,R3,R4)を通るように案内可能であり、前記センサ装置は測定信号を検出するように構成されており、前記磁気抵抗素子(R1,R2,R3,R4)の前記間隔(Δx)は、前記測定信号が少なくとも3つの測定偏倚を含む1つの特徴的な測定信号パターンを示す値であり、
    さらに、測定偏倚の向きの順序に基づいて測定信号を個別細胞検出として識別するために構成された評価電子装置を備えている細胞の磁気的な流れ測定装置。
  10. 前記磁気抵抗素子(R1,R2,R3,R4)の前記間隔(Δx)は最大で50μmである請求項9に記載の装置。
  11. 前記評価電子装置は前記測定信号パターンから前記磁気抵抗素子(R1,R2,R3,R4)の既知の前記間隔(Δx)に基づいて流速を算出するために構成されている請求項9または10に記載の装置。
  12. 前記評価電子装置は測定偏倚の間隔(Δt)に基づいて細胞直径を算出するために構成されている請求項9から11のいずれか1項に記載の装置。
  13. 前記評価電子装置は測定偏倚の振幅(A)に基づいて信号対雑音比を求めるために構成されている請求項9から12のいずれか1項に記載の装置。
  14. 前記センサ装置はホイートストンブリッジの4つの磁気抵抗素子(R1,R2,R3,R4)を含んでおり、これらの4つの磁気抵抗素子(R1,R2,R3,R4)は、磁気抵抗素子からなる第1の対(R1,R2)および第2の対(R3,R4)をなすように並列配置(160)で配列され、細胞(10)の流れ(20)が最初に第1の前記磁気抵抗素子(R1)、次に第2の前記磁気抵抗素子(R2)、次に第3の前記磁気抵抗素子(R3)、次に第4の前記磁気抵抗素子(R4)を通るように案内可能であるように直列に配置され、前記評価電子装置は、前記磁気抵抗素子(R1,R2,R3,R4)の前記第1の対(R1,R2)と第2の対(R3,R4)との間の既知の対間隔(ΔX)に基づいて流速を算出するために構成されている請求項9から13のいずれか1項に記載の装置。
  15. 前記磁気抵抗素子(R1,R2,R3,R4)の前記第1の対(R1,R2)と第2の対(R3,R4)との間の対間隔(ΔX)は、1つの対内の個々の磁気抵抗素子間の間隔(Δx)よりも大きい請求項14に記載の装置。
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