JP2013540183A - 熱伝導性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
ポリマー、フッ化カルシウム、繊維状充填材および任意選択的にポリマー強化剤を含む熱伝導性樹脂組成物は、金属/ポリマーハイブリッド部品および封入材として特に有用である。
Description
本発明は、熱管理を必要とする熱可塑性本体を含む構成で製造される電気および電子デバイス用コンポーネントの封入材として有用な熱伝導性樹脂組成物に関する。
その優れた機械的および電気的絶縁特性のため、ポリマー樹脂組成物は、自動車部品、電気および電子部品、機械部品などの広範囲の用途において使用されている。多くの場合において、それが可能にする設計上の融通性、封止能力そしてその絶縁特性のため、ポリマー樹脂組成物は、電気および電子デバイスまたはモーター用の封止材、絶縁体、ハウジングおよびフレームとして使用することができる。しかしながら、このような用途のためには、特に作動温度の上昇を伴う一部の電気デバイスの小型化傾向に伴って、封入ポリマー組成物は高い熱伝導率を有する必要がある。封入ポリマー組成物に対する別の重要な要件は、封入されるデバイスが発生する熱を放出させながら封止の無欠性を保持するため、その線形熱膨張係数(CLTE)はポリマー組成物で封入される材料のCLTEに近いものでなくてはならない、ということにある。一般に、充填材のCLTEはポリマーのCLTEより低くなる場合が多いことから、ポリマー内への熱伝導性充填材の投入量が高くなれば、熱伝導率はより高くなり、CLTEはより低くなる。しかしながら、充填材の投入量が多くなると、多くの場合、溶融体形成プロセスにおけるポリマー組成物の流動性が低下し、それは、封止性能の障害またはポリマー組成物を用いて封入されたコアデバイスの損傷を導き得る。ハウジングまたはフレームに対する別の重要な要件は、機械的強度である。こうして、より高い熱伝導率、電気絶縁、より低いCLTE、より高い機械的強度および優れた流動性を有するポリマー組成物が所望される。
封止用ポリマーの特性の調整は、異なる戦略を用いて達成されてきた。
特開2003−040619号公報は、シランカップリング剤でフッ化カルシウム粉末を表面処理し、コーティングされた粉末を熱可塑性樹脂そして任意選択的に、充填材とブレンドして、熱伝導性組成物を生産する方法を開示している。しかしながら、組成物中で得られるCLTEはさほど低くなく、機械的強度および剛性は構造部品として使用するには充分なものではない。本明細書中に記載されている組成物は、開示されていない。
米国特許出願公開第2005−176835号明細書および特開2003−040619号公報は、熱伝導性組成物を生産するための熱可塑性ポリマーとフッ化カルシウム、そして任意選択的に、繊維状充填材を含むポリマー組成物を開示している。しかしながら、組成物中で得られるCLTEは比較的高く、機械的強度および剛性は、構造部品として使用するには充分なものではない。特定量の比でフッ化カルシウムと繊維状充填材とを含む特定の組成物の存在については言及されていない。したがってポリマー組成物のCLTEをポリマーでオーバーモールドされる材料のCLTEに近いものにするようにCLTEを減少させる一方で、このような組成物の熱伝導率をより効率良く増大させることが望まれる。同時に、高い機械的強度と優れた流動性も達成されなくてはならず、これらの特性は、電気および電子デバイスまたはモーターのための封入材、絶縁体、ハウジングおよびフレームにおいて特に有用であり、上述の課題を克服する。
ここで開示されるのは、
(a)約15〜約55重量パーセントの少なくとも1つの熱可塑性ポリマーと;
(b)約15〜約50重量パーセントのフッ化カルシウムと;
(c)30超〜約50重量パーセントの繊維状充填材と;
を含む熱伝導性ポリマー組成物であって、熱可塑性ポリマーが、ヘキサメチレンテレフタルアミド/2−メチルペンタメチレンテレフタルアミドコポリアミド(ポリアミド6,T/D,T)およびポリアリーレンスルフィドからなる群から選択される組成物である。
(a)約15〜約55重量パーセントの少なくとも1つの熱可塑性ポリマーと;
(b)約15〜約50重量パーセントのフッ化カルシウムと;
(c)30超〜約50重量パーセントの繊維状充填材と;
を含む熱伝導性ポリマー組成物であって、熱可塑性ポリマーが、ヘキサメチレンテレフタルアミド/2−メチルペンタメチレンテレフタルアミドコポリアミド(ポリアミド6,T/D,T)およびポリアリーレンスルフィドからなる群から選択される組成物である。
本発明は、絶縁用熱可塑性ポリマーマトリクス内にフッ化カルシウムと共に分散された繊維状充填材を含む組成物に関する。熱伝導率を達成するのに必要とされるフッ化カルシウムおよび繊維状充填材のそれぞれの量。
本明細書中で使用される「増強された熱伝導率」という用語は、ASTM F−433−77にしたがって市販の熱伝導率分析装置を用いて決定される少なくとも約0.5W/mkの熱伝導率を意味するものとして意図されている。
本明細書中で使用されるCLTEという用語は、成形部品について測定され、その値は、最低作動可能温度から最高作動可能温度までの成形流れ方向での金型部分の膨張を最低最高温度差で除した比である。CLTEは、金型部分の厚み、成形条件および測定温度範囲に応じて変動し得る。
添加剤により修飾または改善することができる伸びおよび引張強度などの機械的強度を考慮に入れた表現において、CLTEは、示された引張伸び(TE)でCLTEを除した比の形で、すなわちCLTE/TEによって表わされる。封入材については、より低いCLTE/TE比を有する組成物は、より望ましい性能を提供する。20ppm/℃・%以下のCLTE/TE比を示す熱可塑性樹脂組成物が好ましく、ここでCLTEはASTMD696法を用いて−40〜150℃で測定される。これらの材料は、封入用組成物としてきわめて好ましい材料である。
好ましい組成物は、ASTM法F−433−77で測定した場合に0.5W/mkの熱伝導率と、CLTEをASTMD696法を用いて−40〜150℃で測定した場合に20ppm/℃・%以下のCLTE/TE比との組合せを有する。
本発明の組成物は、(a)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー、(b)フッ化カルシウム、(c)繊維状充填材を含む。
(a)熱可塑性ポリマーは、組成物のポリマーマトリクスであり、換言すると、1つ以上のポリマーは連続相内にある。有用な熱可塑性ポリマーとしては、ポリカーボネート、ポリオレフィン、例えばポリエチレンおよびポリプロピレン、ポリアセタール、アクリル樹脂、ビニル、フルオロポリマー、ポリアミド、ポリエステル、ポリスルホン、ポリアリーレンスルフィド、液晶ポリマー、例えば芳香族ポリエステル、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、およびシンジオタクチックポリスチレンおよびそのブレンドが含まれる。
ポリエステル、ポリアミド、ポリアリーレンスルフィドおよび液晶ポリマー(LCP)が好ましい。
より好ましい熱可塑性ポリエステルとしては、0.3以上の固有粘度を有し、かつ一般にはジオールおよびジカルボン酸またはその反応誘導体の線状飽和縮合生成物であるポリエステルが含まれる。好ましくは、これらは、8〜14個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸とネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールおよび式HO(CH2)nOH(式中nは2〜10の整数である)の脂肪族グリコールからなる群から選択される少なくとも1つのジオールとの縮合生成物を含む。ジオールの最高20モルパーセントが、Akzo Nobel Chemicals,Inc.によりDianol(登録商標)220の商標名で販売されているエトキシル化ビスフェノールA;ハイドロキノン;ビフェノール;またはビスフェノールAなどの芳香族ジオールであってもよい。芳香族ジカルボン酸の最高50モルパーセントが8〜14個の炭素原子を有する少なくとも1つの異なる芳香族ジカルボン酸によって置換され、かつ/または、最高20モルパーセントが2〜12個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸により置換され得る。2つ以上のジオールまたはその反応等価物および少なくとも1つのジカルボン酸またはその反応等価物または2つ以上のジカルボン酸またはその反応等価物および少なくとも1つのジオールまたはその反応等価物から、コポリマーを調製してもよい。2官能性ヒドロキシ酸モノマー、例えばヒドロキシ安息香酸またはヒドロキシナフトエ酸またはその反応等価物も、コモノマーとして使用してもよい。
好ましいポリエステルとしては、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)(PBT)、ポリ(1,3−プロピレンテレフタレート)(PPT)、ポリ(1,4−ブチレン2,6−ナフタレート)(PBN)、ポリ(エチレン2,6−ナフタレート)(PEN)、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)(PCT)、および以上のもののコポリマーおよび混合物が含まれる。同様に好ましいのは、1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート/イソフタレートコポリマーおよび、イソフタル酸;二安息香酸;1,5−;2,6−;および2,7−ナフタレンジカルボン酸を含むナフタレンジカルボン酸;4,4’−ジフェニレンジカルボン酸;ビス(p−カルボキシフェニル)メタン;エチレン−ビス−p−安息香酸;1,4−テトラメチレンビス(p−オキシ安息香)酸;エチレンビス(p−オキシ安息香)酸;1,3−トリメチレンビス(p−オキシ安息香)酸;および1,4−テトラメチレンビス(p−オキシ安息香)酸を含む芳香族ジカルボン酸、および、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール;ネオペンチルグリコール;シクロヘキサンジメタノールおよび一般式HO(CH2)nOH(式中nは2〜10の整数である)の脂肪族グリコール、例えばエチレングリコール;1,3−トリメチレングリコール;1,4−テトラメチレングリコール;−1,6−ヘキサメチレングリコール;1,8−オクタメチレングリコール;1,10−デカメチレングリコール;1,3−プロピレングリコール;および1,4−ブチレングリコールからなる群から選択されるグリコールから誘導される他の線状ホモポリマーエステルである。上述の通り、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸または1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を含む1つ以上の脂肪酸が、最高20モルパーセント存在し得る。1,4−ブタンジオール、エトキシル化ビスフェノールAおよびテレフタル酸またはその反応等価物から誘導されるコポリマーも同様に好ましい。PET、PBTおよびPPTのうちの少なくとも2つのランダムコポリマー、およびPET、PBTおよびPPTのうちの少なくとも2つの混合物、および以上のもののいずれかの混合物も同様に好ましい。
熱可塑性ポリエステルは同様に、ポリ(アルキレンオキシド)軟質セグメント(ブロック)を含むコポリマーの形態であってもよい。ポリ(アルキレンオキシド)セグメントは、熱可塑性ポリエステル100重量部あたり約1〜15重量部の割合で存在する。ポリ(アルキレンオキシド)セグメントは、約200〜約3,250の範囲内、または好ましくは約600〜約1,500の範囲内の数平均分子量を有する。好ましいコポリマーは、PETまたはPBT鎖内に取込まれたポリ(エチレンオキシド)および/またはポリ(テトラメチレンエーテルグリコール)を含む。取込み方法は当業者にとって公知であり、重合反応中コモノマーとしてポリ(アルキレンオキシド)軟質セグメントを用いてポリエステルを形成することを含み得る。PETは、PBTと少なくとも1つのポリ(アルキレンオキシド)とのコポリマーとブレンドされてよい。ポリ(アルキレンオキシド)はPET/PBTコポリマーとブレンドされてもよい。ポリ(アルキレンオキシド)軟質セグメントを組成物のポリエステル部分に含み入れることで、ポリエステルの結晶化速度が加速されることもある。
好ましいポリアミドには、半結晶性ポリアミドおよび非晶質ポリアミドが含まれる。
半結晶性ポリアミドは、脂肪族または半芳香族半結晶性ポリアミドを含む。
半結晶性脂肪族ポリアミドは、脂肪族および/または脂環式モノマー、例えばアジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンニ酸またはそれらの誘導体など、脂肪族C6〜C20アルキレンジアミン、脂環式ジアミン、ラクタムおよびアミノ酸の1つ以上から誘導されてよい。好ましいジアミンには、ビス(p−アミノシクロヘキシル)メタン;ヘキサメチレンジアミン;2−メチルペンタメチレンジアミン;2−メチルオクタメチレンジアミン;トリメチルヘキサメチレンジアミン;1,8−ジアミノオクタン;1,9−ジアミノノナン;1,10−ジアミノデカン;1,12−ジアミノドデカン;およびm−キシリレンジアミンが含まれる。好ましいラクタムまたはアミノ酸には、11−アミノドデカン酸、カプロラクタムおよびラウロラクタムが含まれる。
好ましい脂肪族ポリアミドには、ポリアミド6;ポリアミド6,6;ポリアミド4,6;ポリアミド6,10;ポリアミド6,12;ポリアミド11;ポリアミド12;ポリアミド9,10;ポリアミド9,12;ポリアミド9,13;ポリアミド9,14;ポリアミド9,15;ポリアミド6,16;ポリアミド9,36;ポリアミド10,10;ポリアミド10,12;ポリアミド10,13;ポリアミド10,14;ポリアミド12,10;ポリアミド12,12;ポリアミド12,13;ポリアミド12,14;ポリアミド6,14;ポリアミド6,13;ポリアミド6,15;ポリアミド6,16;およびポリアミド6,13が含まれる。
半芳香族半結晶性ポリアミドは、芳香族基を含むモノマーから誘導される1つ以上のホモポリマー、コポリマー、ターポリマーまたは高級ポリマーである。芳香族基を含むモノマーの例は、テレフタル酸およびその誘導体である。本発明において使用される芳香族ポリアミドを製造するために使用されるモノマーの約5〜約75モルパーセントが芳香族基を含むことが好ましく、モノマーの約10〜約55モルパーセントが芳香族基を含むことがさらに一層好ましい。
好ましい半結晶性半芳香族ポリアミドの例としては、ポリ(m−キシリレンアジパミド)(ポリアミドMXD,6)、ポリ(ドデカメチレンテレフタルアミド)(ポリアミド12,T)、ポリ(デカメチレンテレフタルアミド)(ポリアミド10,T)、ポリ(ノナメチレンテレフタルアミド)(ポリアミド9,T)、ヘキサメチレンアジパミド/ヘキサメチレンテレフタルアミドコポリアミド(ポリアミド6,T/6,6)、ヘキサメチレンテレフタルアミド/2−メチルペンタメチレンテレフタルアミドコポリアミド(ポリアミド6,T/D,T);ヘキサメチレンアジパミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド/ヘキサメチレンイソフタルアミドコポリアミド(ポリアミド6,6/6,T/6,I);ポリ(カプロラクタム−ヘキサメチレンテレフタルアミド)(ポリアミド6/6,T)などが含まれる。
本発明において、高温における耐熱性、寸法安定性および耐湿性の観点から見て、半結晶性半芳香族ポリアミドが好ましい。
ポリアミド組成物中の特性(例えば機械的性能、耐湿性、耐熱性など)と高い熱伝導率との間にバランスが求められる用途において使用するためには、芳香族基を含むモノマーから誘導された半結晶性半芳香族ポリアミドが特に有利である。
本発明においては、特性に対して有意なマイナスの影響を及ぼすことなく、ポリマー組成物中に非晶質ポリアミドを含ませることができる。これらは、イソフタル酸および/またはジメチルジアミノジシクロヘキシルメタン基を含むモノマーから誘導される1つ以上のホモポリマー、コポリマー、ターポリマーまたは高級ポリマーである。
好ましい非晶質ポリアミド中で、ポリアミドは、カルボン酸構成成分および脂肪族ジアミン構成成分から誘導される反復単位を有するポリマーまたはコポリマーからなる。カルボン酸構成成分は、イソフタル酸またはイソフタル酸と1つ以上の他のカルボン酸との混合物であり、ここでカルボン酸構成成分は、カルボン酸構成成分に基づいて少なくとも55モルパーセントのイソフタル酸を含む。カルボン酸構成成分中で使用してよい他のカルボン酸としては、テレフタル酸とアジピン酸が含まれる。脂肪族ジアミン構成成分は、ヘキサメチレンジアミンまたはヘキサメチレンジアミンおよび2−メチルペンタメチレンジアミンおよび/または2−エチルテトラメチレンジアミンの混合物であり、ここで脂肪族ジアミン構成成分は、脂肪族ジアミン構成成分に基づいて少なくとも40モルパーセントのヘキサメチレンジアミンを含んでいる。
好ましい非晶質ポリアミドの例としては、ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド/ヘキサメチレンイソフタルアミド)(ポリアミド6,T/6,I)、ポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド)(ポリアミド6,I)、ポリ(メタキシリレンイソフタルアミド/ヘキサメチレンイソフタルアミド)(ポリアミドMXD,I/6,I)、ポリ(メタキシリレンイソフタルアミド/メタキシリレンテレフタルアミド/ヘキサメチレンイソフタルアミド)(ポリアミドMXD,I/MXD,T/6,I/6,T)、ポリ(メタキシリレンイソフタルアミド/ドデカメチレンイソフタルアミド)(ポリアミドMXD,I/12,I)、ポリ(メタキシリレンイソフタルアミド)(ポリアミドMXD,I)、ポリ(ジメチルジアミノジシクロヘキシルメタンイソフタルアミド/ドデカンアミド)(ポリアミドMACM,I/12)、ポリ(ジメチルジアミノジシクロヘキシルメタンイソフタルアミド/ジメチルジアミノジシクロヘキシルメタンテレフタルアミド/ドデカンアミド)(ポリアミドMACM,I/MACM,T/12)、ポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド/ジメチルジアミノジシクロヘキシルメタンイソフタルアミド/ドデカンアミド)(ポリアミド6,I/MACM,I/12)、ポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド/ジメチルジアミノジシクロヘキシルメタンイソフタルアミド/ジメチルジアミノジシクロヘキシルメタンテレフタルアミド)(ポリアミド6,I/6,T/MACM,I/MACM,T)、ポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド/ヘキサメチレンテレフタルアミド/ジメチルジアミノジシクロヘキシルメタンイソフタルアミド/ジメチルジアミノジシクロヘキシルメタンテレフタルアミド/ドデカンアミド)(ポリアミド6,I/6,T/MACM,I/MACM,T/12)、ポリ(ジメチルジアミノジシクロヘキシルメタンイソフタルアミド/ジメチルジアミノジシクロヘキシルメタンドデカンアミド)(ポリアミドMACM,I/MACM,12)およびその混合物が含まれる。
非晶質ポリアミドが含まれる場合、半結晶性ポリアミドは、存在する半結晶性および非晶質ポリアミドの総量に基づいて、約40〜約100(そして好ましくは約70〜約100)重量パーセントで存在する。
本発明において有用なポリ(アリーレンスルフィド)は、主に、反復単位としての−−(Ar−−S)−−(式中Arはアリーレン基である)で構成されている。使用可能なアリーレン基の例としては、p−フェニレン基、m−フェニレン基、o−フェニレン基、置換フェニレン基、p,p’−ジフェニレンスルホン基、p,p’−ビフェニレン基、p,p’−ジフェニレンエーテル基、p,p’−ジフェニレンカルボニル基およびナフタレン基が含まれる。この場合、同じ反復単位を含むポリマーすなわちホモポリマーに加えて、組成物の加工性の観点から見て、上述のアリーレン基で構成されたアリーレンスルフィド基中の異なる種類の反復単位を含むコポリマーが好ましい場合もある。
ホモポリマーについては、アリーレン基としてp−フェニレン基を使用するp−フェニレンスルフィド基を含むものが、特に好んで使用される。コポリマーとしては、上述のアリーレン基で構成される異なる2種以上のアリーレンスルフィド基の組合せを利用することできるが、これらの中でも、p−フェニレンスルフィド基とm−フェニレンスルフィド基とを含む組合せが特に好んで使用される。さらに、物理的特性例えば耐熱性、流動性(成形性)および機械的特性の観点から見て、70モル%以上、好ましくは80モル%以上のp−フェニレンスルフィド基を含むものが好適である。
これらのポリ(アリーレンスルフィド)樹脂の中で、主体として二官能性ハロゲン化芳香族化合物を含むモノマーから縮合重合により得られる、実質的に線状構造を有する高分子量ポリマーが、特に好んで使用される。そして、線状構造を有するポリ(アリーレンスルフィド)樹脂に加えて、縮合重合を実施する際に3個以上のハロゲン置換基を有するポリハロ芳香族化合物などの少量のモノマーを使用することによって分岐構造または架橋構造が内部で部分的に形成されるポリマーを利用することができ、酸素または酸化剤またはその混合物の存在下で高温で加熱することによって比較的低い分子量を伴う線状構造を有するポリマーを酸化的にあるいは熱によって架橋させることにより改善された成形性および加工性を有するポリマーも同様に利用されてもよい。
LCPとは、参照により本明細書に援用されている米国特許第4,118,372号明細書中に記載の、TOT試験またはその任意の妥当な変形形態を用いて試験された場合に異方性であるポリマーを意味する。有用なLCPには、ポリエステル、ポリ(エステル−アミド)およびポリ(エステル−イミド)が含まれる。LCPの1つの好ましい形態は「全芳香族」であり、すなわち(エステル基などの連結基を除いて)ポリマー主鎖内の基は全て芳香族であるが、芳香族でない側基が存在していてもよい。
熱可塑性ポリマーは、ヘキサメチレンテレフタルアミド/2−メチルペンタメチレンテレフタルアミドコポリアミド(ポリアミド6,T/D,T)およびポリアリーレンスルフィドからなる群から選択することができる。
構成成分(a)として考慮される組成物中の熱可塑性ポリマーは、組成物の総重量に基づいて好ましくは約15〜約55重量パーセント、またさらに好ましくは約20〜約50重量パーセントで存在するであろう。
本発明において構成成分(b)として使用されるフッ化カルシウムは、好ましくは粉末の形態であろう。粒子または顆粒は、広い粒度分布を有し得る。好ましくは、最大粒度は300μm未満、より好ましくは200μm未満である。前記フッ化カルシウムの平均粒度は、粒子が小さくなると強度および伸びが良くなり、より高い熱衝撃性を導くという理由から、0.1μm〜60μm、そして好ましくは1〜20μmであろう。その粒度がマルチモーダルサイズ分布を示す粒子も同じく使用することができる。
酸化マグネシウム表面とマトリクスポリマーとの間の界面結合を改善する目的で、フッ化カルシウム(b)の表面をカップリング剤で処理することができる。カップリング剤の例としては、シラン系、チタン酸塩系、ジルコン酸塩系、アルミン酸塩系、およびジルコアルミン酸塩系カップリング剤が含まれる。
有用なカップリング剤には、周期表の第IIIa族からVIIIの族、Ib族、IIb族、IIIb族およびIVb族のものを含む金属水酸化物およびアルコキシドおよびランタニドが含まれる。具体的なカップリング剤は、Ti、Zr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、AlおよびBからなる群から選択される金属の金属水酸化物およびアルコキシドである。好ましい金属水酸化物およびアルコキシドは、TiおよびZrのものである。具体的な金属アルコキシドカップリング剤は、下記式(I)、(II)および(III):
の化合物を含めたチタン酸塩およびジルコン酸塩のオルトエステルおよびキレートであり、式中、
− Mは、TiまたはZrであり;
− Rは、一価のC1〜C8直鎖または分岐アルキルであり;
− Yは、−CH(CH3)−、−C(CH3)=CH2−または−CH2CH2−から選択される2価のラジカルであり;
− Xは、OH、−N(R1)2、−C(O)OR3、−C(O)R3、−CO2 −A+から選択され、ここで
− R1は、いずれか1つの炭素原子に1個以下のヘテロ原子が結合されていることを条件として;任意選択的にはヒドロキシルで置換されているかまたはエーテル酸素で中断されている−CH3またはC2〜C4直鎖または分岐アルキルであり;
− R3はC1〜C4の直鎖または分岐アルキルであり;
− A+は、NH4+、Li+、Na+またはK+から選択される。
− Mは、TiまたはZrであり;
− Rは、一価のC1〜C8直鎖または分岐アルキルであり;
− Yは、−CH(CH3)−、−C(CH3)=CH2−または−CH2CH2−から選択される2価のラジカルであり;
− Xは、OH、−N(R1)2、−C(O)OR3、−C(O)R3、−CO2 −A+から選択され、ここで
− R1は、いずれか1つの炭素原子に1個以下のヘテロ原子が結合されていることを条件として;任意選択的にはヒドロキシルで置換されているかまたはエーテル酸素で中断されている−CH3またはC2〜C4直鎖または分岐アルキルであり;
− R3はC1〜C4の直鎖または分岐アルキルであり;
− A+は、NH4+、Li+、Na+またはK+から選択される。
カップリング剤は、ポリマーと充填材を混合する前に充填材に添加することも、あるいは充填材をポリマーとブレンドしている間に添加することも可能である。カップリング剤の添加剤としての量は、充填材の重量に対して好ましくは0.1〜5重量%、または好ましくは0.5〜2重量%である。酸化マグネシウムと樹脂のブレンド中のカップリング剤の添加には、熱伝導性ポリマーと熱伝達ユニットまたは熱放射ユニットとの間の接合面内で使用される金属の間の接着性を改善するというさらなる利点もある。
フッ化カルシウム(b)は好ましくは、組成物の総重量に基づいて15〜50重量パーセント、より好ましくは25〜40重量パーセントの割合で存在する。
本発明において構成成分(c)として使用される繊維状充填材は、針状繊維材料である。好ましい繊維状充填材の例としては、ウラストナイト(ケイ酸カルシウムホイスカ)、ガラス繊維、ホウ酸アルミニウム繊維、炭酸カルシウム繊維、酸化チタン繊維、アルミナ繊維およびチタン酸カリウム繊維が含まれる。繊維状充填材は好ましくは、少なくとも5、またはより好ましくは少なくとも10の重量平均縦横比を有する。
フッ化カルシウム(b)の表面上で処理されるのと類似の方法で、繊維状充填材とマトリクスポリマーの間の界面結合を改善する目的で、繊維状充填材(c)の表面をカップリング剤で処理することができる。
構成成分(c)の繊維状充填材は、30超〜約50重量パーセント、また好ましくは30超〜約45重量パーセントまたは、さらに好ましくは30超〜40重量パーセントの割合で存在する。
好ましくは、(b)/(c)の重量比は、好ましくは35/65〜63/37、より好ましくは40/60〜60/40である。この比が35/65未満である場合、組成物の熱伝導率は低くなり、比が63/37超である場合、組成物の耐熱衝撃性および機械的特性は、劣化する。
組成物中には、他の成分、特に一般に熱可塑性組成物に添加される成分が存在してもよい。このような成分には、強化剤、可塑化剤、核形成剤、難燃剤、難燃剤共力剤、熱安定剤、酸化防止剤、染料、顔料、離型剤、潤滑剤、UV安定剤、(塗料)接着促進剤、板状または顆粒状充填材が含まれる。1つの好ましいタイプの組成物において、合計組成物の約0.5〜約15重量パーセント、好ましくは約2〜約10重量パーセントのポリマー強化剤が、本発明に添加される。熱可塑性ポリマーがポリエステルである場合、強化剤は典型的にエラストマであるか、または一般に200℃未満、好ましくは150℃未満の比較的低い融点を有し、熱可塑性ポリエステル(かつ任意選択的に、存在する他のポリマー)と反応し得る官能基が付着されている。熱可塑性ポリエステルには通常カルボキシルおよびヒドロキシル基が存在することから、これらの官能基は通常、カルボキシルおよび/またはヒドロキシル基と反応することができる。このような官能基の例としては、エポキシ、カルボン酸無水物、ヒドロキシル(アルコール)、カルボキシルおよびイソシアネートが含まれる。好ましい官能基はエポキシおよびカルボン酸無水物であり、特にエポキシが好ましい。このような官能基は通常、すでに存在するポリマー上に小分子をグラフトすることによって、または、より強靭なポリマー分子が共重合によって作られる場合には所望の官能基を含むモノマーを共重合することによって、ポリマー強化剤に「付着」させられる。グラフティングの一例として、マレイン酸無水物を、フリーラジカルグラフティング技術を用いて炭化水素ゴム上にグラフトしてよい。結果として得られるグラフトポリマーには、カルボン酸無水物および/またはカルボキシル基が付着されている。ポリマー内に官能基が共重合されているポリマー強化剤の一例は、適切な官能基を含む(メト)アクリレートモノマーとエチレンのコポリマーである。本明細書における(メト)アクリレートとは、化合物がアクリレート、メタクリレートまたはその2つの混合物であってよいということを意味する。有用な(メト)アクリレート官能性化合物には、(メト)アクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メト)アクリレート、グリシジル(メト)アクリレートおよび2−イソシアナトエチル(メト)アクリレートが含まれる。エチレンおよび官能性(メト)アクリレートモノマーに加えて、エチル(メト)アクリレート、n−ブチル(メト)アクリレートおよびシクロヘキシル(メト)アクリレートなどの未官能化(メト)アクリレートエステル、酢酸ビニルなどのこのようなポリマー内に他のモノマーを共重合してもよい。好ましい強化剤としては、参照により本明細書に援用される米国特許第4,753,980号明細書中に列挙されているものが含まれる。特に好ましい強化剤は、エチレン、エチルアクリレートまたはn−ブチルアクリレートおよびグリシジルメタクリレートのコポリマーである。
本発明においてポリエステルのために使用されるポリマー強化剤が、約0.5〜約20重量パーセントの官能基含有モノマー、好ましくは約1.0〜約15重量パーセント、さらに好ましくは約7〜約13重量パーセントの官能基含有モノマーを含んでいることが好ましい。ポリマー強化剤中には2つ以上のタイプの官能性モノマーが含まれていてもよい。組成物の靭性は、ポリマー強化剤の量および/または官能基の量を増加させることによって増大することが分かった。しかしながら、これらの量は、好ましくは、特に部品の最終形状が達成される前に組成物が架橋し得る程度にまで増加されてはならない。
熱可塑性ポリエステルと共に使用されるポリマー強化剤は同様に、エチレンのコポリマーでない熱可塑性アクリルポリマーであってもよい。熱可塑性アクリルポリマーは、アクリル酸、アクリレートエステル(例えばメチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレートおよびn−オクチルアクリレート)、メタクリル酸、およびメタクリレートエステル(例えばメチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート(BA)、イソブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート(GMA)など)を重合することによって作製される。以上のモノマータイプのうちの2つ以上から誘導されたコポリマーも、上述のタイプのモノマーの1つ以上とスチレン、アクリロニトリル、ブタジエン、イソプレン等とを重合させて作製されるコポリマーと同様、使用されてよい。これらのコポリマー中の構成成分の一部または全部が、好ましくは0℃以下のガラス転移温度を有しているべきである。熱可塑性アクリルポリマー強化剤の調製のための好ましいモノマーはメチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレートおよびn−オクチルアクリレートである。
熱可塑性アクリルポリマー強化剤がコアシェル構造を有することが好ましい。コアシェル構造は、コア部分が好ましくは0℃以下のガラス転移温度を有する一方で、シェル部分が好ましくはコア部分のものより高いガラス転移温度を有している構造である。コア部分はシリコーンでグラフトされてよい。シェル部分は、シリコーン、フッ素などの低表面エネルギーの基材でグラフトされてよい。表面にグラフトされた低表面エネルギーの基材を有するコアシェル構造を伴うアクリルポリマーが、熱可塑性ポリエステルおよび本発明の組成物の他の構成成分との混合中またはその後に自己凝集し、組成物中に容易に均一分散し得る。
ポリアミドのための適切な強化剤は、米国特許第4,174,358号明細書中に記載されている。好ましい強化剤としては、酸無水物、ジカルボン酸またはその誘導体、カルボン酸またはその誘導体、および/またはエポキシ基などの相溶化剤で修飾されたポリオレフィンが含まれる。相溶化剤は、ポリオレフィンに対し、不飽和酸無水物、ジカルボン酸またはその誘導体、カルボン酸またはその誘導体、および/またはエポキシ基をグラフトすることによって導入されてよい。相溶化剤は、同様に、ポリオレフィンが不飽和酸無水物、ジカルボン酸またはその誘導体、カルボン酸またはその誘導体、および/またはエポキシ基を含むモノマーと共重合することによって作製されている間に導入されてもよい。相溶化剤は好ましくは、3〜20個の炭素原子を含む。ポリオレフィンにグラフトされてよい(またはポリオレフィンを作製するためにコモノマーとして使用されてよい)典型的化合物の例は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、シトラコン酸、マレイン酸無水物、イタコン酸無水物、クロトン酸無水物およびシトラコン酸無水物である。
ポリアセタールのための好ましい強化剤としては、熱可塑性ポリウレタン、ポリエステルポリエーテルエラストマ、他の官能化および/またはグラフトゴムおよび、その主鎖にグラフトされているかまたは1つ以上の極性基を含んでいたモノマーと共重合することで取込まれた極性基を含むポリオレフィンが含まれる。好ましいコモノマーは、グリンジルメタクリレートなどのエポキシ基を含むものである。好ましい強化剤はEBAGMA(エチレン、ブチルアクリレートおよびグリシジルメタクリレートから誘導されたターポリマー)である。
本発明の組成物は、好ましくは溶融混合または溶解混合されたブレンドの形態であり、より好ましくは溶融混合されたブレンドであり、ここで、ブレンドが統合された全体を形成するように、ポリマー構成成分は全て互いに充分分散し合い、非ポリマー成分は全てポリマーマトリクス中に均質に分散され、このマトリクスにより結合される。こうしてブレンドは、任意の溶融混合方法を用いて構成成分材料を組合せることによって、またはポリマーマトリクスのモノマーとマトリクスポリマー以外の構成成分とを混合し次にモノマーを重合させることによって得られてよい。構成成分材料は、溶融混合機例えば一軸スクリュー押出機、ブレンダー、混練機、バンバリミキサーなどを用いて均質になるまで混合されて、樹脂組成物を提供してよい。材料の一部を溶融混合機で混合し、残りの材料を次に添加して、均質になるまでさらに溶融混合してもよい。本発明の熱伝導性ポリマー樹脂組成物の製造における混合順序は、当業者であればわかるように、個別の構成成分を1ショットで溶融し得るかまたは充填材および/または他の構成成分をサイドフィーダなどからフィードし得るようなものであってよい。
本発明の組成物は、例えば射出成形、ブロー成形、押出し、プレス成形などの当業者にとって公知の方法を用いて物品の形に形成されてよい。この組成物は、電気および/または電子デバイスにおいて特に有用であり、或る意味で金属/樹脂ハイブリッドを形成する場合もある。このような物品には、モーターハウジング、ランプハウジング、自動車および他の車両内のランプハウジング、電気および電子ハウジング、モーターや発電機の固定子内で巻線と磁気誘導可能な金属コアの間に存在する絶縁ボビンそして、増強された熱伝導率が必要とされるモーターまたは発電機の固定子コアを実質的に封入するハウジングが含まれ得る。この組成物で作製され当業者が一般に理解する金属インサートを内蔵する物品が、特に魅力的である。自動車および他の車両におけるランプハウジングの例としては、ヘッドライト、テールライトおよびブレーキライトを含めたフロントおよびリアライト、特に発光ダイオード(LED)ランプを使用するものがある。電気デバイスにおける用途の例としては、LED灯のフレームおよび反射体がある。これらの物品は、多くの用途においてアルミニウムまたは他の金属で作られた物品に対する代用品として役立ち得る。
配合および成形方法
表1〜3に列挙されている実施例1〜13と比較例C1〜C4は、32mmのワーナー・アンド・フライデラー2軸スクリュー押出機内で配合を行なうことで調製した。充填材を下流側バレル内にサイドフィードしたという点を除き成分を合わせてブレンドし、押出機の後方に加えた。HTNについては約320℃、PPSについては315℃にバレル温度を設定した。
表1〜3に列挙されている実施例1〜13と比較例C1〜C4は、32mmのワーナー・アンド・フライデラー2軸スクリュー押出機内で配合を行なうことで調製した。充填材を下流側バレル内にサイドフィードしたという点を除き成分を合わせてブレンドし、押出機の後方に加えた。HTNについては約320℃、PPSについては315℃にバレル温度を設定した。
機械的特性の測定用として射出成形機上でISO試験供試体の形に、そして熱伝導率およびCLTEの測定用として1mm×16mm×16mmのサイズのプレートの形に、組成物を成形した。溶融体温度は約325℃であり、金型温度は約150℃であった。
本発明により作製しこのように試験した供試体は、増強された熱伝導率と20ppm/℃・%のCLTE/TE比を示す。
試験方法
ISO527−1/2標準方法を用いて引張強度および伸びを測定した。ISO178−1/2標準方法を用いて、曲げ強度および曲げ弾性率を測定した。ISO179/1eA標準方法を用いて、ノッチ付きシャルピー衝撃を測定した。
ISO527−1/2標準方法を用いて引張強度および伸びを測定した。ISO178−1/2標準方法を用いて、曲げ強度および曲げ弾性率を測定した。ISO179/1eA標準方法を用いて、ノッチ付きシャルピー衝撃を測定した。
成形流れ方向でのCLTEを、ASTMD696法を用い−40〜150℃の温度範囲内でプレートのおよそ中心部分で決定した。
ASTME1461に記載されているレーザーフラッシュ方法を用いてプレート上で熱伝導率を決定した。
カイエネス流動計を用いて、溶融粘度を測定した。得られたペレットの溶融粘度を、各実施例において5分の滞留時間の後、表1〜3に列挙されているせん断率および温度で測定した。
表1〜3では、以下の用語が用いられている:
HTNは、E.I. du Pont de Nemours and Co.、Wilmington、DE製のポリアミド6TDTであるZytel(登録商標)HTN501を意味する。
HTNは、E.I. du Pont de Nemours and Co.、Wilmington、DE製のポリアミド6TDTであるZytel(登録商標)HTN501を意味する。
PPSは、Chevron Phillips Chemical Company LP製のポリアリーレンスルフィドであるRyton(登録商標)PR26を意味する。
2,6−NDAは、BP Amoco Chemical Companyから入手可能な2,6−ナフタレンジカルボン酸を意味する。
Talcは、日本タルク株式会社製のアミノシランカップリング剤で表面修飾されたタルクKOSSAP(登録商標)#10を意味する。
PED521は、クラリアントジャパン株式会社から供給される潤滑剤である。
CS−8CPは、日東化学工業株式会社から供給されるモンタン酸カルシウムである。
Rubber−1は、Dow Chemical(Midland、Michigan、USA)から購入した、マレイン酸無水物でグラフトされたエチレン/プロピレン/ヘキサジエンターポリマーであるTR×301を意味する。
Rubber−2は、Ganz Chemical Co.、Ltd.から供給されるコアシェルタイプのポリマー強化剤であるStaphyloid(登録商標)IM−203を意味する。
Rubber−3は、E.I.DuPont de Nemours and Co.、Wilmington、DE製のエチレン/ビニル−アクリレート/グリシジルメタクリレートターポリマーであるElvaloy(登録商標)EP4934を意味する。
Ultranox626Aは、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニルペンタエリスリトール)ジホスファイトを意味する。
AO−80は、ヒンダードフェノール系の酸化防止剤:(株式会社アデカ(旧旭電化工業株式会社))を意味する。
DPEは東京化成工業株式会社から入手可能なビス[2,2,2−トリス(ヒドロキシメチル)エチル]エーテルを意味する。
Naugard445は、Chemtura USA Corp.から入手可能な4,4−ジ(アルファ,アルファ−ジメチルベンジル)ジフェニルアミンを意味する。
Boltorn H30は、Perstorp Specialty Chemicals ABから入手可能な樹枝状ポリエステルを意味する。
CaF2−1は、三共製粉株式会社から供給された平均粒度30μmのフッ化カルシウム粉末を意味する。
CaF2−1Aは、東レダウコーニング株式会社製のZ−6011である1重量%のアミノシランカップリング剤で処理されたCaF2−1を意味する。
CaF2−2は、三共製粉株式会社から供給された平均粒度6μmのフッ化カルシウム粉末を意味する。
CaF2−2Aは、東レダウコーニング株式会社製のZ−6011である1重量%のアミノシランカップリング剤で処理されたCaF2−2を意味する。
CaF2−2Eは、東レダウコーニング株式会社製のZ−6040である1重量%のエポキシシランカップリング剤で処理されたCaF2−2を意味する。
GF−1は、日本国東京のオーウェンスコーニングジャパン株式会社製のガラス繊維であるFT756Dを意味する。繊維の直径は10μmであり、その短繊維長は3mmである。
GF−2は、日本電気硝子株式会社、オーウェンスコーニングジャパン株式会社製のガラス繊維であるECS03T−747Hを意味する。繊維の直径は10μmであり、その短繊維長は3mmである。
Claims (9)
- (a)約15〜約55重量パーセントの少なくとも1つの熱可塑性ポリマーと;
(b)約15〜約50重量パーセントのフッ化カルシウムと;
(c)30超〜約50重量パーセントの繊維状充填材と;
を含む熱伝導性ポリマー組成物であって、前記熱可塑性ポリマーが、ヘキサメチレンテレフタルアミド/2−メチルペンタメチレンテレフタルアミドコポリアミド(ポリアミド6,T/D,T)およびポリアリーレンスルフィドからなる群から選択される組成物。 - 前記(c)繊維状充填材が、ガラス繊維、ウラストナイト、酸化チタン繊維およびアルミナ繊維からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項1に記載の組成物。
- 前記(b)フッ化カルシウムが、シラン系、チタン酸塩系、ジルコン酸塩系、アルミン酸塩系およびジルコアルミン酸塩系から選択されるカップリング剤でコーティングされる、請求項1または2に記載の組成物。
- 前記(b)フッ化カルシウムの平均粒度が20μm未満である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
- ASTM法F−433−77を用いて測定した場合に0.5W/mk以上の熱伝導率を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
- 20ppm/℃・%以下のCLTE/TE比を有し、前記CLTEがASTMD696法を用いて−40〜150℃で測定される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
- ASTM法F−433−77を用いて測定した場合の0.5W/mk以上の熱伝導率と;20ppm/℃・%のCLTE/TE比との組合せを有し、前記CLTEがASTMD696法を用いて−40〜150℃で測定される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物を用いた金属インサート成形によって製造された物品。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物で封入された物品。
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