JP2013538315A - エネルギーを変換し、エンタルピーを増加させ、圧縮係数を高めるための方法 - Google Patents

エネルギーを変換し、エンタルピーを増加させ、圧縮係数を高めるための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、熱エネルギーを機械的仕事に変換するための方法に関し、その方法は、熱エネルギーを容器にある作動液体に伝達するステップを含む。作動液体は、エネルギーを機械的仕事に変換するための装置に気相で供給される。蒸気状作動液体は、凝縮され、液相で容器に循環的に戻される。質量で0.0000001から0.1%の量の触媒性物質または物質の触媒性混合物の形の触媒性添加物は、加熱が始まる前または後に作動液体に導入される。添加物は、固体物質、またはそれの溶液もしくは懸濁液、または液体物質もしくはそれの乳濁液を構成する。触媒性物質および混合物の成分の比は、現在の要求に従って高温および高圧の作用下で物質または混合物の分解を防止するまたは可能にする条件に基づいて選択される。本方法は、過程効率の増加および動作能力の拡張をもたらす。

Description

本発明は、この用途に限定されないけれども、特に発電のために、作動流体を使用して熱エネルギーを機械的仕事に変換することに関する。
有効な仕事は、エネルギーの1つの形態が別の形態に変換されるとき、すなわち、ポテンシャルエネルギーが運動エネルギーに変換されるとき、熱エネルギーが機械的エネルギーに、機械的エネルギーが電気に変換されるとき、などになされる可能性がある。すべての形態のエネルギーの実験的に検証された等価性は、熱力学の第1法則をもたらし、それは、エネルギーが創出されるまたは破棄されることはあり得ず、エネルギーが1つの形態または別の形態で常に保存されると言う。そのため、他の形態でのエネルギーの損失を最小限にしながら、必要とされる形態のエネルギーの生成を最大にするために、この過程の効率を増加させるための努力が行われている。
機械的、電気的および運動のエネルギーは、非常に高い効率で互いに変換できるエネルギーの形態である。しかしながら、このことは、熱エネルギーに当てはまらない。もし我々が、温度Tの熱エネルギーを機械的仕事に変換しようとするならば、この過程の効率は、1 - T0/Tに制限されることになり、ただしT0は、環境の温度である。変換できる有効なエネルギーは、「エクセルギー」と呼ばれ、一方エクセルギーに変換できないエネルギーは、「アネルギー」と呼ばれる。それに応じて、熱力学の第1法則は、「エクセルギーおよびアネルギーの合計は、常に一定である」と公式化できる。
さらに、過程が所与の特定方向で実行され、反対方向で実行できないと言う、熱力学の第2法則は、「アネルギーおよびエクセルギーは、変換できない」と公式化できる。
熱力学的過程は、不可逆的過程と可逆的過程に分類できる。不可逆過程では、行われる仕事は、ゼロに等しく、エクセルギーは、アネルギーに変換される。可逆過程では、最大限可能な仕事をすることができる。
エネルギー変換の努力は、エクセルギーがアネルギーに、すなわちもはや使用できないエネルギーの形態に変換されることになる前にエクセルギーの大部分を使用する目的で第2法則に基づいている。言い換えれば、過程の可逆性をできるだけ長く支援するための条件が、提供されなければならない。
本発明は、熱エネルギーを機械的エネルギーに変換すること、特に発電に関し、効率の観点から最も厄介な過程である。この過程では、熱は、作動流体に伝達され、その作動流体は、逆サイクルで温度、圧力および体積の多くの関係を受ける。カルノーサイクルは、理想的再生サイクルとして十分周知であるが、しかし多くの他の従来サイクル、特にランキンサイクル、ならびにアトキンソン、エリクソン、ブレイトン、ディーゼルおよびルノアールのサイクルが、同様に使用できる。これらのサイクルのいずれでも、気体形態の作動流体は、タービンおよび非常に多くの他の種類の熱機関などの、作動流体のエネルギーを機械的エネルギーに変換するための装置に供給される。いずれの場合にも、作動流体が、有効な機械的仕事をするときは、流体の体積は、増加し、一方その温度および圧力は、減少する。
作動流体は、有効な仕事をするためのサイクルの重要な構成要素であるので、過程の有効な仕事を増加させるために作動流体が改質される多くの過程が周知である。特許文献1は、ランキンサイクルを記載しており、そこではエジェクターが、気体状態の作動流体をタービンに注入するために使用される。軽いガスを作動流体に注入するためのエジェクターの使用を通じて(作動流体が加熱され、気化された後)、タービンは、作動流体だけを使用する今までの変形形態で必要とされることになるよりも低い圧力降下で有効なエネルギーを回収することが見いだされた。作動流体の温度の大幅な降下もまたあり、そのことが、より低い温度の環境でのタービンの動作を保証する。次の軽いガス、すなわち水素、ヘリウム、窒素、空気、水蒸気または作動流体の分子量よりも小さい分子量を有する有機化合物を使用できる。
特許文献2は、熱機関で機械的仕事を行うために使用される気相の作動流体(例えば、蒸気)にアルゴンまたはヘリウムなどの不活性ガスを注入することを含む方法を記載している。添加物のある蒸気は、添加物のない作動流体の従来の使用と比較して、より低い断熱H値を有し、ここでHは、C/Cと定義され、ただしCは、定圧比熱であり、Cは、定積比熱である。
特許文献3は、ランキンサイクル発電所のための作動流体を扱い、その流体は、極性および非極性化合物を含み、極性化合物は、非極性化合物の分子量よりも小さい分子量を有する。
これらの解決策は、作動流体を改質する物質として気体状添加物を使用し、それの使用は、過程の安全性を低下させ、より複雑な機器を必要とする。
特許文献4(1998年10月7日に公開された)もまた、熱エネルギーを機械的エネルギーに変換するための方法を教示し、その方法は、触媒性添加物を作動流体に導入するステップと、作動流体を液相から気相に移行させるのに十分な熱エネルギーをタンク中の作動流体に与えるステップと、蒸気状作動流体の膨張ならびに温度および圧力の低下を使ってエネルギーを機械的仕事に変換するための装置に気相の作動流体を供給するステップと、蒸気状作動流体を凝縮するステップと、液相の作動流体をタンクに循環的に戻すステップとを含む。
この方法の不都合には、水素またはヘリウムを作動流体に加えるときの過程の安全性を確保するための措置の必要性、圧力下のシリンダー中の蒸気状添加物の安全な輸送および貯蔵、過程およびその機器を複雑にする、膨張しかつ冷却した作動流体からの添加物の回収のための必須段階、ならびにその方法の経済的魅力を低下させる、添加物を大量に導入する必要性が含まれる。さらに、その方法は、それの実施に適した物質、すなわち作動流体の分子量しかない分子量を持つ物質の選択、ならびに動作順序の選択について制限を有し、すなわち触媒性添加物は、すでにタンクに満たされている作動流体に、作動流体を蒸気に移行させるより前でなく、その後にのみ導入され、そのことが、その動作能力を低下させる。
さらに、特許文献4は、蒸気のエンタルピーおよび圧縮係数を増加させるための方法を開示し、その方法は、蒸気を生成するためにタンク中の水を加熱するステップと、触媒性物質または物質の触媒性混合物の形の触媒性添加物を水に導入するステップとを含む。
その方法は、非経済的であり、特定の用途で9重量%に至るまでのヘリウムの導入、輸送、貯蔵および使用の間の安全性を確保するための特別措置、ならびに複雑な機器を必要とする。加えて、その方法は、それの実施に適した材料の選択について厳しい制限を有し、すなわち水素および/またはヘリウムだけであり、触媒性添加物を正確に蒸気に供給するという必須条件があり、そのことが、その動作能力を低下させる。
特許文献5(2010年5月27日に公開された)は、熱エネルギーを機械的エネルギーに変換するための過程を開示し、その過程は、本発明の発明者によって開発され、グループ中の1つの発明について最も関連のある従来技術であり、触媒性添加物を作動流体に導入するステップと、作動流体を液相から気相に移行させるのに十分な熱エネルギーをタンク中の作動流体に与えるステップと、蒸気状作動流体の膨張ならびに温度および圧力の低下を使ってエネルギーを機械的仕事に変換するための装置に気相の作動流体を供給するステップと、蒸気状作動流体を凝縮するステップと、液相の作動流体をタンクに循環的に戻すステップとを含み、触媒性添加物は、熱エネルギーを作動流体に与える前または後に作動流体に導入され、触媒性添加物は、少なくとも1つのカルボニル官能基を含有しかつIRスペクトルで1550から1850cm−1の範囲に少なくとも1つの吸収帯を有する物質である。
従来技術の方法の不都合点は、使用する蒸気発生器、特に流体の自然循環のある高圧蒸気発生器の選択についての制限が含まれることである。貫流蒸気発生器へのその方法の適用は、熱エネルギーを機械的仕事に変換するための装置への活性物質の輸送、ならびに凝縮器への蒸気状作動流体の輸送に起因して困難なこともあり、そのことが、その過程の利点を無効にすることになる。その方法は、高圧および高温の影響下での活性物質の急速な分解に起因して超々臨界および超臨界蒸気発生器で実施するのが困難である。
その方法が、各具体的事例で個別触媒性物質だけの使用を提供し、実際に現在のニーズおよび過程条件に従って目標過程を最適化する可能性を含まないということによって、不都合が引き起こされる。
特許文献5は、蒸気のエンタルピーおよび圧縮係数を増加させるための方法、すなわち本グループ中の第2の発明に最も関連する技術を開示し、その方法は、蒸気を生成するためにタンク中の水を加熱するステップと、触媒性添加物を水に導入するステップとを含み、触媒性添加物は、水を加熱する前または後に水に導入され、触媒性添加物は、少なくとも1つのカルボニル官能基を含有しかつIRスペクトルで1550から1850cm−1の範囲に少なくとも1つの吸収帯を有する物質である。
その方法は、給水の品質、ならびに蒸気タービンに供給される過熱蒸気の品質についての非常に厳しい要件に起因して、貫流蒸気発生器ならびに超々臨界および超臨界蒸気発生器での適用について大幅な制限を有する。従来技術の方法が、各具体的事例で個別触媒性物質だけの使用を含み、実際に現在のニーズおよび作動条件に従って目標過程を最適化する可能性を提供しないということによって、不都合が引き起こされる。
本グループの発明は、熱エネルギーを機械的エネルギーに変換するための方法ならびに蒸気のエンタルピーおよび圧縮係数を増加させるための方法を含み、それらの方法は、触媒性添加物として使用するのに適した個別触媒性物質および物質の触媒性混合物の両方を使用するという明らかになった機会のおかげで、現在のニーズおよび過程条件に従って動作能力および設備を拡張し、ならびに導入添加物の量を最小限にしながら、気化の比熱の増加を確実にする条件の実施を通じて、蒸気のエンタルピーを高め、作動流体の膨張を増加させることによって目標過程の効率を増加させるという同じ目的を有し、そのことが、それらの方法の経済的魅力を提供する。
本発明者が、本発明を実施するために個別触媒性物質および物質の触媒性混合物の両方を選択することで、触媒性添加物の導入が液相から気相への相転移速度を増加させる未知の効果を見いだしたことに留意すべきである。
本出願者は、本発明に従って使用される触媒性物質および物質の触媒性混合物が、熱伝達表面上よりもむしろ、作動流体のバルク内での硬水塩(hardness salts)の結晶化を促進し、その塩が、蒸発サイトになり、そのことが最終的に、作動流体の相転移速度を増加させると信じる。
加えて、添加物の導入を通じてより多くのエネルギーをより少量の気化作動流体によって移動させる可能性を実施することで、蒸発段を可能な限り低減するとともに高い許容プロセス速度で目標過程を実行することが可能になる。
米国特許第4439988号明細書 米国特許第4196594号明細書 米国特許第4876855号明細書 ロシア特許第2114999号明細書 ロシア特許出願公開第2008145464号明細書
本目的は、触媒性添加物を作動流体に導入するステップと、作動流体を液相から気相に移行させるのに十分な熱エネルギーをタンク中の作動流体に与えるステップと、蒸気状作動流体の膨張ならびに温度および圧力の低下を使ってエネルギーを機械的仕事に変換するための装置に気相の作動流体を供給するステップと、蒸気状作動流体を凝縮するステップと、液相の作動流体をタンクに循環的に戻すステップとを含む、熱エネルギーを機械的エネルギーに変換する方法であって、触媒性添加物を作動流体に導入する前記ステップが、熱エネルギーを作動流体に与える前記ステップの前または後に成し遂げられ、触媒性物質または物質の触媒性混合物が、固体、それの溶液もしくは懸濁液、またはそれの液体もしくは乳濁液の形の触媒性添加物として使用され、前記触媒性物質または触媒性混合物中の少なくとも1つの物質が、少なくとも1つのカルボニル官能基を含みかつIRスペクトルで1550から1850cm−1の範囲に少なくとも1つの強い吸収帯を有し、添加物が、0.0000001から0.1重量%に及ぶ量で導入され、触媒性物質および触媒性混合物中の個別物質の重量比が、現在のニーズに従って高圧および高温の影響下で物質または混合物の分解を防止するまたは促進するように選択される、方法で成し遂げられる。
特に、作動流体は、水、または液体炭化水素、または液体炭化水素の混合物である。
特に、添加物のための物質または複数物質は、モノカルボン酸およびそれの無水物、ジカルボン酸およびそれの無水物、カルボン酸の塩、ジカルボン酸の塩、カルボン酸のアミド、ジカルボン酸のアミド、カルボン酸のアニリド、ジカルボン酸のアニリド、カルボン酸のエステル、ジカルボン酸のモノエステルおよびジエステル、カルボン酸のイミド、ジカルボン酸のイミド、炭酸のジアミド、炭酸の非環状および環状エステル、ウレタン、それの分子がアミノ基(NH基)およびカルボキシル基(COOH基)を含有する、アミノカルボン酸、それらの分子がペプチド(アミド)結合C(O)NHによって接続されるα-アミノ酸の残りでできている、ペプチドおよびタンパク質を含む群から選択される。
本発明の目的は、蒸気を生成するためにタンク中の水を加熱するステップと、触媒性添加物を水に導入するステップであって、触媒性添加物を水に導入する前記ステップが、前記加熱するステップを始める前または後に成し遂げられる、ステップと、触媒性物質または物質の触媒性混合物を固体、それの溶液もしくは懸濁液、またはそれの液体もしくは乳濁液の形の触媒性添加物として使用するステップとを含む、蒸気のエンタルピーおよび圧縮係数を増加させるための方法において、前記触媒性物質または触媒性混合物中の少なくとも1つの物質が、少なくとも1つのカルボニル官能基を含みかつIRスペクトルで1550から1850cm−1の範囲に少なくとも1つの強い吸収帯を有し、添加物が、0.0000001から0.1重量%に及ぶ量で導入され、触媒性物質および触媒性混合物中の個別物質の重量比が、現在のニーズに従って高圧および高温の影響下で物質または混合物の分解を防止するまたは促進するように選択される、方法で成し遂げられる。
特に、添加物のための物質または複数物質は、モノカルボン酸およびそれの無水物、ジカルボン酸およびそれの無水物、カルボン酸の塩、ジカルボン酸の塩、カルボン酸のアミド、ジカルボン酸のアミド、カルボン酸のアニリド、ジカルボン酸のアニリド、カルボン酸のエステル、ジカルボン酸のモノエステルおよびジエステル、カルボン酸のイミド、ジカルボン酸のイミド、炭酸のジアミド、炭酸の非環状および環状エステル、ウレタン、それの分子がアミノ基(NH基)およびカルボキシル基(COOH基)を含有する、アミノカルボン酸、それらの分子がペプチド(アミド)結合C(O)NHによって接続されるα−アミノ酸の残りでできている、ペプチドおよびタンパク質を含む群から選択される。
比較分析は、本方法が、異なる量の触媒性添加物によって、すなわち個別に採用される触媒性物質だけでなく、また物質の触媒性混合物も使用し、それによってすべての種類の蒸気発生器でこれらの方法を適用できる範囲を拡張する可能性によって、最も関連する従来技術と異なることを示した。本方法の実施は、自然循環および多重強制循環の両方がある蒸気発生器、ならびに貫流蒸気発生器で気相の作動流体のエンタルピーおよび圧縮係数を増加させる。
導入される個別触媒性物質または物質の触媒性混合物は、作動流体の気化の比熱および比熱容量を増加させ、それによって蒸気のエンタルピーを増加させ、時間単位当たり生成される蒸気の量を減少させる。このことが、蒸気タービン熱サイクルの熱効率を増加させる。前述の触媒性物質または物質の触媒性混合物は、それらが作動流体に加えられると蒸気発生器中の作動流体にだけ影響を及ぼす。流体の自然循環のある蒸気発生器が使用されるときは、火力発電所の凝縮器への触媒性物質または物質の触媒性混合物の移動は、蒸気発生器ドラムでの分離および作動流体で蒸気を洗浄することに起因して生じない。作動流体の強制循環のある蒸気発生器(貫流蒸気発生器)が使用されるときは、火力発電所の凝縮器への触媒性物質または物質の触媒性混合物の移動は、過熱蒸気による触媒性物質または物質の触媒性混合物の分解に起因して生じない。結果として、蒸気状作動流体の凝縮は、標準条件で進む(触媒に影響されない)。それに応じて、時間単位あたり同じ量の作動流体が、形成され、凝縮されるが、しかし気化は、導入される触媒に影響される変更条件で行われ、一方凝縮は、標準条件で進む。このようにして、より少量の気化作動流体は、より多くのエネルギーを移動させることができ、そのことが、蒸気タービン発電所の熱サイクルの熱効率を増加させることにつながる。
エンタルピーは、熱エネルギーから機械的エネルギーへの変換の分析で極めて重要な熱力学特性である。エンタルピーは、内部エネルギーおよび圧力−体積の積の合計、H=U+PVと定義される。単位質量当たりのエンタルピーは、内部エネルギーおよび圧力−比体積の積の合計、h=U+Pυと定義される。圧力がゼロに近づくにつれて、すべての気体は、理想気体に近づき、内部エネルギーの変化は、比熱容量Cおよび温度増分dTの積と定義される。「理想的」エンタルピーの増分は、Cおよび温度増分の積、dh=CdTと定義される。圧力がゼロよりも大きくなるまで、エンタルピー増分は、「実際の」エンタルピーである。作動流体の臨界温度に対する理想エンタルピーと実際のエンタルピーとの間の差の比は、「残余エンタルピー」と呼ばれる。
本発明者は、もしエンタルピーの実際の増分が、それの前の状態に必要とされる温度および圧力の範囲で引き継がれるならば、可逆過程のより高い効率が達成できることを理論的に立証した。このことはおそらく、「残余」エンタルピーの放出を可能にする方法によって、実質的には系でのエクセルギー損失を低減することによって実施される可能性がある。
作動流体の別の非常に重要な特徴は、圧縮係数Zであり、実在気体の挙動の理想気体のそれとの整合性を決定するために使用される。可変の圧力(P)、体積(V)および温度(T)の下での理想気体の挙動は、状態方程式、
Figure 2013538315
によって決定され、ただし、
p − 気体の圧力、
V − 気体が占める体積、
T − 気体の熱力学的温度、
m − 気体の質量、
μ − 気体のモル質量、
R − 絶対気体定数
である。
比気体定数をR=Rμ/μと表すと、そのとき1キログラムの気体についての方程式は、
pυ=RT、
と書くことができ、ただし、
υ=V/m − 気体の比体積
である。
実際に、この方程式は、実在気体の挙動を完全に記述せず、それについて次の関係式、
pυ=ZRT、
が決定され、ただし、
Z − 圧縮係数
である。
理想気体については、Zは、1に等しく、一方実在気体については、圧縮係数は、温度および圧力とともに変化する。異なる気体についての圧縮係数は異なるけれども、もしそれらが、同じ換算圧力値の関数として決定されるならば、実際にはそれらは一定であるという結果になった。換算温度は、温度と臨界温度との間の比T/Tと定義され、換算圧力は、圧力と臨界圧力との間の比P/Pと定義される。臨界温度および臨界圧力は、物質の液相と気相との間のメニスカスが消失する温度および圧力であり、その物質は、単一の連続的な液相を形成する。
本発明者は、大幅な体積膨張が、蒸気状作動流体の圧縮係数を変えることによって達成できることを理論的に立証した。
本発明者はまた、蒸気状作動流体のエンタルピーおよび圧縮係数を増加させることになる物質または物質の混合物を見いだすことができることも理論的に立証した。
さらに、本発明者は、作動流体の気化の比熱および比熱容量を増加させることになり、それによって蒸気状作動流体のエンタルピーを増加させる物質または物質の混合物を見いだすことができることを理論的に立証した。
それ故に、本発明の目的は、エネルギーを電力に変換する効率を高めるために、熱エネルギーを作動流体に絶えず供給することで時間単位当たりの蒸気状作動流体のエンタルピーを増加させ、蒸気状作動流体の形成を減少させることである。
本発明の別の目的は、蒸気状作動流体が行う仕事を増加させるために、蒸気状作動流体の膨張を増加させることである。
この過程の効率は、気化の比熱および比熱容量を増加させることに寄与する物質または物質の混合物を作動流体に加えることによって高めることができる。
気化の比熱および比熱容量を増加させることに寄与する物質または物質の混合物の添加の実際的効果は、蒸気状作動流体が所与の温度および圧力で受けるエンタルピー増分の、それ故に膨張の大幅な増加という形で表される。このより大きな膨張を使うと、より多くの機械的仕事を固定量の供給熱エネルギーで行うことができ、または所与の仕事量を得るために熱エネルギー量を低減することができる。いずれにせよ、過程の効率の大幅な増加がある。
本発明を開発するときに、本発明者は、「触媒性」物質が作動流体に加えられると、タンク中の作動流体を加熱することで、特定の温度範囲内の蒸気状作動流体のエンタルピーがより大きくなることを理論的に立証した。作動流体が「触媒性」物質を含むそのような場合には、同じ系だが触媒のない場合と比較して、作動流体の気化の比熱は、より高く、時間単位当たり形成される蒸気状作動流体の質量は、より少ない。
技術的効果を達成するために導入される物質は、「スピン触媒」の特性を示す、すなわち水分子の最外電子殻中の電子に三重項状態と一重項状態との間の遷移を誘起するので、用語「触媒性」が、本発明者によって使用される。用語「スピン触媒作用」および「スピン触媒」は、スピン化学で使用され、その科学は、電子および原子核のスピンおよび磁気モーメントの挙動を支配する法則を扱う。
本発明者は、「触媒性」物質によって、作動流体の分子間相互作用、特に分子間の交換相互作用に影響を及ぼすことによって、過程で生成される蒸気のエンタルピーを実質的に変更することができると信じる。
分子間相互作用は、分子の互いとの相互作用であり、それは、新しい化学結合の破壊または形成をもたらさない。分子間相互作用は、実在気体の理想気体からの差を決定する。物質の多くの構造的、分光学的、熱力学的、熱物理的および他の特性は、分子間相互作用に依存する。分子間相互作用は、一方の分子の電子および原子核ともう一方の分子の原子核および電子との間のクーロン相互作用力に基づいている。物質の実験的に決定される特性では、平均的相互作用が表され、それは、分子間の距離R、それらの相対配向、構造および物理的特性(双極子モーメント、分極率、その他)に依存する。分子の電子殻が重ならないように、分子の線形サイズLよりもはるかに大きい、大きなRについては、分子間相互作用の力は、3つの種類、すなわち静電気(Vel−st)、分極(誘導)(Vpol)および分散(Vdisp)に合理的に分割できる。分子間の小さな距離(R〜L)では、ある種類の分子間相互作用が、近似的にだけ区別でき、この場合には、これらの3つの種類に加えて、電子殻の重なりに関係する、もう2つの種類が、区別でき、すなわち交換相互作用(Vexh)および電子電荷移動に起因する相互作用である。いくらかの慣例にもかかわらず、各具体的事例でのそのような分割は、分子間相互作用の性質を説明することおよびそのエネルギーの計算を可能にする。
分子間相互作用の全エネルギー、または分子間ポテンシャル(V)は、個別種類の分子間相互作用の寄与の合計にほぼ等しい、すなわち、
V=Vel−st+Vpol+Vdisp+Vexh
である。
計算は、分子が極性であるような場合には、R〜Rでの引力のエネルギーへの最大絶対寄与がVel−stを与えることを示す。Vexhの値は、同じ程度であるが、しかしそれは、分子の斥力をもたらす。この場合には、VpolおよびVdispの寄与は一般に、引力の全エネルギーの20から40%である。図1は、水二量体について極性分子の相互作用の全エネルギーおよびその個別寄与のRへの典型的な依存性を示す。
交換相互作用は、同一粒子、特に電子の特有の量子力学的相互作用である。交換相互作用は、原子の直接的接近時にのみ見られる。閉殻を持つ系では、交換相互作用エネルギーは、正であり、交換相互作用は、粒子の斥力をもたらす。まさにそのような状況は、不活性原子または中性分子の相互作用で生じる。もし原子または分子の接近時に最外電子殻中の電子が一重項状態(↑↓−量子化軸へのスピン射影)にある、すなわち全スピンがゼロに等しい(S=0)ならば、原子または分子は、引き付けられ、一方三重項状態(↑↑、↓↓、→→)、すなわち全スピンが1に等しい(S=1)場合には、原子または分子は、反発される。このことは、統計的には三重項状態および一重項状態での接近が、3/4対1/4として関連付けられ、そのことが、分子の主要な斥力をもたらすことを示す。もし接近原子または分子の最外電子殻中の一対の電子の三重項スピン状態から一重項スピン状態への転換を容易にすることになる「スピン触媒」が使用されるならば、その比は、一重項状態での接近を増加させる方に変えることができる。「スピン触媒」の効果は、相互作用活性化エネルギーの減少と関連していない。接近原子または分子の「スピン触媒」との磁気相互作用は、相互作用のエネルギーには無視できるほどの寄与しかしないが、しかしそれらは、最外電子殻中の電子のスピン状態を変え、分子の引力に関するスピン禁止を取り除く。それ故に、「スピン触媒」は、接近原子または分子の最外電子殻中の電子に、異なるエネルギー容量によって特徴付けられる一重項状態と三重項状態との間の遷移を誘起することを通じて相互作用を制御する。一重項状態での接近の確率を増加させることで、Vexh値を低減することができ、それ故に分子の引力を増加させることができる。従って、分子間相互作用の全エネルギー、または分子間ポテンシャル(V)は、低減されることになる。このことが、作動流体の比熱容量および気化の比熱の増加をもたらすことになる。
定積比熱容量Cは、1kgの質量を持つ作動流体が1Kだけのその温度変化で受け取るまたは引き渡す熱量である。それは、
δQ=mCdT
と書くことができ、ただし、
δQ − 熱量、
− 作動流体の比熱容量、
m − 作動流体の質量、
dT − 流体の温度変化
である。
もし作動流体が、ある量の熱δQを吸収し、仕事をしないならば、吸収された熱は、相互作用の平均ポテンシャルエネルギーおよび物質の分子の平均運動エネルギーの両方を増加させるために使用されるので、その温度は、増加する。もし分子間ポテンシャル(V)が減少する、すなわち分子の相互引力が増加するならば、相互作用の平均ポテンシャルエネルギー、および作動流体の分子の平均運動エネルギーの両方を増加させるためのエネルギーの支出は、増加することになる。従って、作動流体の比熱容量は、増加することになる。
気化の比熱rは、1kgの液体を同じ温度の蒸気に転換するのに必要とされる熱量である。質量mを持つ液体を蒸気に転換するために消費されるべき全熱量は、
vapor = rm
である。
液体を蒸気に転換するために、ある熱量が、分子間結合を壊すために費やされることになる。気化される液体の温度は、液体が完全に蒸気に転換されるまで変わらない。これは、供給された熱がすべて、分子のポテンシャルエネルギーを増加させるのに費やされ、その分子が、液体では互いにかなり近接しており、分子間結合を壊した後の液体から蒸気への転換時にかなりの距離に離れなければならないからである。もし分子間ポテンシャル(V)が減少する、すなわち分子の相互引力が増加するならば、分子間結合を壊すのに費やされるエネルギーは、増加することになる。従って、気化の比熱は、増加することになる。
蒸気発電所は、タービン排出蒸気の完全凝縮のあるランキンサイクルを使用する。図2は、このサイクルを実施する熱および動力施設のサイクル図を示す。
図2で示す装置は、作動流体を加熱するためにボイラー1を使用し、そこでは熱供給(特定量の熱入力QkJ/s)の過程で、流体は、過熱器で沸点に達せられ、気化され、過熱されて蒸気(エンタルピーqkJ/kgを持つ特定量mkg/s)を発生させる。ボイラー1の出口は、蒸気タービン2に接続され、そこでは過熱蒸気の熱エネルギーをタービンの回転シャフトの機械的エネルギーに変換する過程で、蒸気は膨張され、タービン出力L(kJ/s)が発電機3のシャフトに伝達される。タービン2で膨張を受けた作動流体は、タービン施設の凝縮器4に送られ、そこで一定圧力pのタービン排出蒸気(エンタルピーqkJ/kgを持つ特定量mkg/s)は、凝縮し、熱(特定量の熱出力QkJ/s)を冷却水に引き渡す。凝縮器4の後、作動流体は、給水ポンプ5によって断熱圧縮を受け、ボイラー1に戻される。
次に来る方程式では、上付き文字「0」は、純粋蒸気の特性のことであり、上付き文字「k」は、触媒性物質(特定の量、エンタルピーおよび仕事のための)を導入して生成される蒸気の特性のことである。
Q=80,000kJ/sに等しい一定量の熱エネルギーが、時間単位当たりボイラーに投入されると仮定する。
特定量の生成される純粋蒸気は、エンタルピーq =800kJ/kgを持つm =100kg/sであり、分子間結合を増加させる触媒性物質を導入して生成される特定量の蒸気は、エンタルピーq =1000kJ/kgを持つm =80kg/sである。Q=m =m =80,000kJ/sであることがわかるであろう。
一定圧力pのタービン施設凝縮器では、エンタルピーq=500kJ/kgを有するタービン排出蒸気は、凝縮し、熱Qを冷却水に引き渡す。純粋蒸気の凝縮時には、Q=m =50,000kJ/sであり、一方触媒性添加物を導入して生成される蒸気の凝縮時には、Q =m =40,000kJ/sである。すでに上で述べたように、熱および動力施設の凝縮器への添加物質の輸送は、生じないことになり、従って、蒸気の凝縮は、どちらの場合も標準条件の下で生じる。
タービン出力Lは、蒸気タービン施設が純粋蒸気で動作するときはL =Q−Q =30,000kJ/sに等しく、それが触媒性添加物を導入して形成される蒸気で動作するときはL =Q−Q =40,000kJ/sに等しい。
考慮中の蒸気タービン施設の絶対または熱効率は、ボイラー中の作動流体に伝達される熱Qに対するループ中の蒸気の有効な理論的仕事Lの比を通じて表され、η=L/Qの通りである。蒸気タービン施設が純粋蒸気で動作するときは、η=L /Q=0.375または37.5%であり、一方触媒性添加物を導入して形成される蒸気での動作の場合には、η=L /Q=0.5または50%である。
それ故に、上記の方程式は、所与の条件の下で、考慮中の蒸気タービン施設の熱効率が、作動流体への触媒性添加物の導入の後では、純粋蒸気が使用される場合よりも高いことを実証する。これらの条件の下で蒸気のエンタルピーおよび圧縮係数を増加させることによって、なされる仕事量は、大幅に増加できる。
理論は、蒸気から解放されるエンタルピーを計算するために適用されたが、しかしそれは同等に、気体状態まで加熱され、機械的仕事をするために膨張および冷却を受ける、任意のかつあらゆる作動流体に適用可能である。
従って、作動流体の比熱容量および気化の比熱の増加に寄与する触媒性物質または物質の触媒性混合物の作動流体への導入は、同じ熱入力でなされる仕事量を増加させる。以下の表1は、実験的に得られたデータを示し、特定の触媒性物質または物質の触媒性混合物の添加物の使用に応じて水の気化の比熱の増加を実証する(100℃において)。
Figure 2013538315
実際には、自然循環のあるボイラーの試験は、蒸気パラメーターP=13.8MPa、t=560℃を持つ過熱高圧蒸気を生成するように設計された、E−500−13、8−560 GMVNボイラー(TGME−428/Aモデル)について行われた。蒸気ボイラーは、渦巻き型炉、自然循環、単一ドラム、および熱表面の多重パス配置を特徴とする。ボイラーは、過給の下で気密構造でありまたはつり合い通風を備える。ボイラーは、天然ガスを燃やすように設計される。ボイラーは、ボイラーのすべての動作パラメーターについて制御を提供するためにセンサーを装備する。バルブもまた、ボイラー中の作動流体に触媒性添加物を導入するためにボイラーに取り付けられた。
ボイラーで生成された蒸気は、幹線動作ヒーターおよび専用凝縮器バンドルでの蒸気凝縮ならびに水の1、2および3段加熱とともに働くように設計され、n=3000rev/minで100,000kWの定格出力を有する、Ural Turbomechanical Plantによって製造されたT100/120−130−3蒸気タービン施設に供給された。新鮮な蒸気の推定パラメーターは、P=12.75MPa(130kg/cm)、t=565℃、公称冷却水流量4.45m/s(16,000m/h)である。タービンは、25段を持つ3つのシリンダーを含む。
作動流体に導入された触媒性添加物の効果は、一定ボイラー負荷(公称圧力での所与の量の蒸気)の下で天然ガスの流量の変化について観測された。試験の1つでは、12g/mの濃度を持つアセトアニリドが使用され、もう一方の試験では、混合物(2g/mの濃度のカルバミン酸エチル、1g/mの濃度のカルバミド、2g/mの濃度のアセトアニリド)が使用された。
個別触媒性物質および触媒性混合物中の物質の比は、高温および高圧の影響下で物質または混合物の分解を防止するように選択された。
試験を開始し、ボイラーの水量中で触媒性添加物の均一な分布に達した後、圧力は、過熱蒸気配管中で下降し始め、天然ガスの消費は増加し、そのことは、水での分子間力の増加によって引き起こされる蒸発の減少を示した。変更された条件で生成された蒸気が、作動しているタービンに入り始めたとき、速い蒸気圧力の増加が、過熱蒸気配管中で始まり、自動装置が、ボイラーへの燃料供給を減らした。天然ガスの流量の減少は、今までに記録された燃料流量に関して第1の試験では12%であり、第2の試験では14%であった。各試験は、5日間にわたって続き、その間達成された燃料流量が保持された。試験の間、天然ガス品質は実験室で管理され、変わらなかった。触媒性物質の供給を止めた後、天然ガス流量はその日の内に初期値に戻った。
貫流ボイラーの試験は、パラメーターP=24.5MPa、t=545℃、および1650t/hの蒸気ボイラー出力を持つ過熱超臨界圧蒸気を生成するように設計された、P−57−2ボイラー(CKD PP−1650−255貫流ボイラーユニット)について実行された。蒸気ボイラーは、単一容器およびT形配置を有する。ボイラーは、褐炭を燃やすために設計される。ボイラーは、ボイラーのすべてのパラメーターについて制御を提供するためにセンサーを装備する。ボイラーはまた、ボイラー中の作動流体に触媒性添加物を導入するためのバルブも有する。
ボイラーで生成された蒸気は、3000rev/minのロータ速度で500MWの定格出力を持つK−500−240−2蒸気タービンに入った。新鮮な蒸気の設計パラメーターは、P=23.5MPa(240kg/cm)、t=540℃であった。凝縮器入口での冷却水の設計温度、+12℃、および設計流量、51.480t/hでのタービン凝縮器中の設計絶対圧力は、0.0357ATAであった。タービンは、低圧ヒーターで給水を加熱するために9つの調節されていない抽気を有し、再生抽出に加えて、タービンは、IおよびII段の幹線動作ヒーターへの抽気が同じ出力での地域暖房のニーズを賄うことを可能にする。
作動流体に導入された触媒性添加物の効果は、一定ボイラー負荷(定格圧力での所与の量の生成された蒸気)での炭塵供給装置の速度の変化について観測された。触媒性添加物は、3g/mの濃度のジブチルカーボネート、1g/mの濃度の酢酸アンモニウムおよび3g/mの濃度のアセトアミドの混合物であった。
触媒性混合物中の物質の比は、高温および高圧の影響下でそれの分解を促進するように選択された。
物質の触媒性混合物をボイラー給水に均一に導入した後、速い圧力低下が過熱蒸気配管中で始まり、炭塵供給装置の回転速度が増加し、そのことは、水での分子間力の増加によって引き起こされる蒸発の減少を示した。変更された条件で生成された蒸気が、作動しているタービンに入り始めたとき、過熱蒸気配管中の蒸気圧力の速い増加が始まり、自動装置が、ボイラーへの燃料供給を減らした。炭塵供給装置の回転速度の平均的減少は、今までに記録された燃料流量の12%であった。試験は、7日間続き、その間達成された燃料流量が、保持された。試験の間、石炭品質は、実験室で管理され、変わらなかった。触媒性物質の供給を止めた後、炭塵供給装置の回転速度は、数時間内に初期値に戻った。
上記の例は、本発明の包括的な実施形態でなく、その産業上の利用可能性を例示するために述べられた。
試験は、水の気化の比熱および比熱容量を増加させる可能性を実証し、それは、蒸気のエンタルピーを増加させることおよび時間単位当たり生成される蒸気の量を減少させることを可能にする。この効果は、蒸気の膨張を増加させ、それで固定量の供給される熱エネルギーについて、より多くの機械的仕事を行うことが可能であり、または所与の仕事量を生成するために、熱エネルギーの量を低減することができる。従って、蒸気タービンの熱サイクルの熱効率は、増加する。
加えて、試験は、蒸気発生器の過程安定化時間が10〜15%だけ減少したことを示した。
触媒性物質または物質の触媒性混合物は、蒸気発生器の活量、分解等級および種類に応じて広範囲の比(0.0000001から0.1重量%)で作動流体に加えられてもよい。
最も関連する従来技術と同様に、本発明による触媒性物質または物質の触媒性混合物は、蒸気状作動流体の実際のエンタルピーを高め、圧縮係数および膨張を増加させ、それによってより多くの機械的仕事をすることを可能にし、実際にはボイラー炉中の温度を下げ、それによって環境汚染を減少し、本発明の方法による触媒性添加物によって提示される特性の新たに発見された多用途性のおかげで、実際には現在のニーズおよび作動条件に従って目標過程の最適化を可能にしながら、作動流体の気化の比熱および比熱容量を増加させる。
さらに、水分子のスピン状態の変化のおかげで、導入された添加物は、熱伝達表面上よりはむしろ、作動流体のバルク内での硬水塩の結晶化を促進し、そのことが、熱伝達を改善し、ターンアラウンド時間を増加させる。
水分子のスピン状態の変化に起因して、その物理的および化学的特性のいくつかもまた変化し、特に熱伝導率、密度、電気伝導率、粘度、溶解力、吸着、酸素および他の気体の活量、音響伝播速度、酸性度、酸化還元電位、ならびに表面張力が変化する。
本発明の実施という形で客観的に表され、理論的証拠および実際的情報によって、その説明に従って確認される効果は、熱エネルギーを機械的エネルギーに変換し、蒸気のエンタルピーおよび圧縮係数を増加させる、手頃な価格の、安全な、信頼できる手段の長期にわたる必要性が広範囲の用途で満たされることを可能にする。
1 ボイラー
2 蒸気タービン
3 発電機
4 凝縮器
5 給水ポンプ

Claims (5)

  1. 触媒性添加物を作動流体に導入するステップと、前記作動流体を液相から気相に移行させるのに十分な熱エネルギーをタンク中の前記作動流体に与えるステップと、前記蒸気状作動流体の膨張ならびに温度および圧力の低下を使ってエネルギーを機械的仕事に変換するための装置に前記気相の前記作動流体を供給するステップと、前記蒸気状作動流体を凝縮するステップと、前記液相の前記作動流体を前記タンクに循環的に戻すステップとを含む、熱エネルギーを機械的エネルギーに変換する方法であって、
    触媒性添加物を作動流体に導入する前記ステップが、熱エネルギーを作動流体に与える前記ステップの前または後に成し遂げられ、触媒性物質または物質の触媒性混合物が、固体、それの溶液もしくは懸濁液、またはそれの液体もしくは乳濁液の形の前記触媒性添加物として使用され、前記触媒性物質または前記触媒性混合物中の少なくとも1つの物質が、少なくとも1つのカルボニル官能基を備え、かつIRスペクトルで1550から1850cm−1の範囲に少なくとも1つの強い吸収帯を有し、前記添加物が、0.0000001から0.1重量%の範囲の量で導入され、前記触媒性物質および前記触媒性混合物中の個別物質の重量比が、現在のニーズに従って高圧および高温の影響下で前記物質または前記混合物の分解を防止するまたは促進するように選択される、方法。
  2. 前記作動流体は、水、または液体炭化水素、または液体炭化水素の混合物である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記添加物のための前記物質または複数物質は、モノカルボン酸およびそれの無水物、ジカルボン酸およびそれの無水物、カルボン酸の塩、ジカルボン酸の塩、カルボン酸のアミド、ジカルボン酸のアミド、カルボン酸のアニリド、ジカルボン酸のアニリド、カルボン酸のエステル、ジカルボン酸のモノエステルおよびジエステル、カルボン酸のイミド、ジカルボン酸のイミド、炭酸のジアミド、炭酸の非環状および環状エステル、ウレタン、それの分子がアミノ基(NH基)およびカルボキシル基(COOH基)を含有する、アミノカルボン酸、それらの分子がペプチド(アミド)結合C(O)NHによって接続されるα−アミノ酸の残りでできている、ペプチドおよびタンパク質を含む群から選択される、請求項1に記載の方法。
  4. 蒸気を生成するためにタンク中の水を加熱するステップと、触媒性添加物を前記水に導入するステップであって、触媒性添加物を前記水に導入する前記ステップが、前記加熱するステップを始める前または後に成し遂げられる、ステップと、触媒性物質または物質の触媒性混合物を固体、それの溶液もしくは懸濁液、またはそれの液体もしくは乳濁液の形の前記触媒性添加物として使用するステップとを含む、蒸気のエンタルピーおよび圧縮係数を増加させるための方法において、
    前記触媒性物質または前記触媒性混合物中の少なくとも1つの物質が、少なくとも1つのカルボニル官能基を含みかつIRスペクトルで1550から1850cm−1の範囲に少なくとも1つの強い吸収帯を有し、前記添加物が、0.0000001から0.1重量%に及ぶ量で導入され、前記触媒性物質および前記触媒性混合物中の個別物質の重量比が、現在のニーズに従って高圧および高温の影響下で前記物質または前記混合物の分解を防止するまたは促進するように選択される、方法。
  5. 前記添加物のための前記物質または複数物質は、モノカルボン酸およびそれの無水物、ジカルボン酸およびそれの無水物、カルボン酸の塩、ジカルボン酸の塩、カルボン酸のアミド、ジカルボン酸のアミド、カルボン酸のアニリド、ジカルボン酸のアニリド、カルボン酸のエステル、ジカルボン酸のモノエステルおよびジエステル、カルボン酸のイミド、ジカルボン酸のイミド、炭酸のジアミド、炭酸の非環状および環状エステル、ウレタン、それの分子がアミノ基(NH基)およびカルボキシル基(COOH基)を含有する、アミノカルボン酸、それらの分子がペプチド(アミド)結合C(O)NHによって接続されるα−アミノ酸の残りでできている、ペプチドおよびタンパク質を含む群から選択される、請求項4に記載の方法。
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