JP2013538086A - 心臓弁を折畳むと共に最小侵襲送達システム内に装着するための装置 - Google Patents

Abstract

ステント付き生体人工弁を折り畳むための装置であって、第１の区域及び第２の区域を備え、各区域を装置の第１及び第２の端部分間に渡って配置した装置が提供される。装置の第２の区域は、第１及び第２の区域により形成された内部空洞を少なくとも部分的に包囲するように第１の区域に結び付いている。内部空洞は、第１の端部分における開いた挿入部から第２の端部分における開いた出口部に向かってテーパが付されている。挿入部は出口部よりも大きい寸法を有する。第１の区域及び第２の区域が内部空洞を実質的に包囲した際に、ステント付き生体人工弁が、挿入部内に挿入され、出口部に向かってかつ出口部を通って移動するに従って折畳まれる。次いで、弁は、体内に挿入するための装置に装着されるとよい。
【選択図】図３

Description

［関連出願の相互参照］
本願は、２０１０年８月１７日に出願された米国仮出願第６１／３７４，４２９号の出願日の利得を主張するものであり、その開示内容は、参照することによって、ここに含まれるものとする。

心臓弁疾患、特に、大動脈心臓弁疾患は、世界中で多くの人々を悩ませている医学的な問題である。年月を経るに連れて、自然心臓弁は、漏れを起こし易くなって、大動脈閉鎖不全症又は弁逆流を発症することがある。また、自然心臓弁は、大動脈狭窄によって閉塞されることがあり、又は弁機能が制限されることがある。いずれかの疾患に対する治療選択枝の１つとしては、自然弁を廃棄して、最小侵襲送達装置を用いて経心尖アプローチによって人工弁を挿入する手法が挙げられる。

人工弁は、摘出したウシの弁又は心膜組織のような生物学的材料から形成されるとよいとされている。このような弁は、典型的には、生体適合性ステント内にて嵌合され、ステントの一部を構成しており、このステントが、心臓における機能低下した自然弁と置換するように該自然弁の弁輪内に挿入されることになる。このような挿入のために、多くの場合、ステントを送達装置に装着し、体内に挿入し、その挿入した箇所において拡張させるように該ステントを小径に圧縮する必要がある。

弁が生物学的材料から形成されている場合、ステント付き弁は、好ましくは、開状態を保って貯蔵されるようになっているとよい。なぜならば、弁材料が長期間にわたって圧縮されていると、生物学的弁の完全性が損なわれるからである。従って、手術区域において、弁を圧縮すること、すなわち、弁を挿入装置に用いるための直径に縮小することが必要である。

ステント付き弁を折畳むための現在の圧縮装置及び圧縮方法は不満足なものであることが認識されている。なぜならば、現在の圧縮装置及び圧縮方法では、装置が嵩張っており、使いこなすのが難しく、時間が掛かり、ステント付き弁に過度の応力を加えており、又は他の望ましくない品質を含んでいるためである。このような装置の例としては、当技術分野においてよく知られているダイレクトラジアル装置（direct radial device）が挙げられる。よって、従来の装置の欠点を解消する機器及び技術を用いて、ステント付き生体人工弁を折畳むための装置及び方法を提供すれば、有益である。また、好ましくは、このような装置及び方法は、折畳まれたステント付き弁を最小侵襲送達システムに装着することを補助するように構成されているとよい。

先行技術の欠点を解消する装置の一実施形態は、ステント付き生体人工弁を折畳むための装置を含んでいる。当該装置は、第１の端部分及び対向する第２の端部分と、第１及び第２の端部分間に渡って配置される第１の区域と、第１及び第２の端部分間に渡って配置される第２の区域であって、第１及び第２の区域によって形成された内部空洞を少なくとも部分的に包囲するように第１の区域に結び付いている第２の区域とを備えている。内部空洞は、装置の第１の端部分における開いた挿入部から装置の第２の端部分における開いた出口部に向かってテーパが付されているとよく、挿入部は出口部よりも大きい寸法を有しているとよい。第１の区域及び第２の区域が内部空洞を実質的に包囲したとき、ステント付き生体人工弁が、挿入部内に挿入され、出口部に向かって移動するに従って折畳まれるように構成されているとよい。後で説明するように、弁は、種々のプッシャー又は縛り紐によって移動されるようになっていてもよい。

第１の区域及び第２の区域は内部空洞を完全に包囲するように構成されていてもよい。

装置は、繋ぎ紐又はプッシャーをさらに備えていてもよく、繋ぎ紐又はプッシャーは、ステント付き生体人工弁を繋ぎ紐又はプッシャーを介して挿入部から出口部に移動可能とするように該弁に取付けられることに適した構成となっていてもよい。

第１の区域及び第２の区域は、内部空洞を少なくとも部分的に包囲する第１の位置と空洞を完全に露出させる第２の位置との間で移動可能に構成されていてもよい。

装置は、折畳まれたステント付き生体人工弁の少なくとも一部の周囲に嵌合することに適するように構成されたカラー部（collar）をさらに備えていてもよい。カラー部は、３つの区域を備えていてもよく、３つの区域のうち中央の区域を隆起させて互いに向き合った肩部を形成するように構成されていてもよい。カラー部は、該カラー部を第２の装置に位置合せするように方向付け用部分を備えていてもよい。方向付け用部分はタブとして特徴付けられていてもよい。

第１の区域が温度維持用ゲル（保温ゲル）によって満たされていてもよい。同様に、第２の区域もまた温度維持用ゲルによって満たされていてもよい。

装置は、第１の区域に付随的に設けられた絶縁体をさらに備えていてもよい。第２の区域もまた絶縁体を備えていてもよい。

第１の区域は高熱容量の金属材料から製造されていてもよい。第２の区域も同様になっていてもよい。

装置の区域は、いずれも温度維持用ゲルによって満たされていてもよく、いずれも絶縁体を備えていてもよく、いずれも高熱容量の金属材料から作製されていてもよい。

装置は、内部空洞の容積を減少させるように、内部空洞内に挿入可能に構成されたスリーブをさらに備えていていてもよい。

本発明のいくつかの方法によれば、ステント付き生体人工弁を最小侵襲送達システムに装着する方法が開示されている。この方法は、特定の順序によることなく、ステント付き生体人工弁を、第１の直径を有する第１の状態から第２の直径を有する第２の状態に圧縮するステップであって、第２の直径が第１の直径よりも小さくなっており、圧縮が、ステント付き生体人工弁をテーパ付きの内部空洞を有する装置内にて前進させることによって達成され、テーパは第１の寸法から第２の寸法に向かって形成され、第２の寸法が第１の寸法よりも小さくなっている、ステップを含んでいる。他のステップは、ステント付き生体人工弁をカラー部内に挿入することを含んでいる。最後に、他のステップは、カラー部及び生体人工弁を、システムの少なくとも一部をカラー部内に通すことによって最小侵襲送達システムに装着することを含んでいる。

ステント付き生体人工弁をカラー部内に挿入するステップは、圧縮するステップの後に行われるようになっていてもよい。

ステント付き生体人工弁をカラー部内に挿入することは、圧縮するステップの少なくとも一部と同時に行われるようになっていてもよい。

このような方法が装置を冷却するステップをさらに含んでいてもよい。

方法に用いられる装置が低温維持用ゲルによって満たされた外側構造シェルから構成されていてもよい。

このような装置が絶縁性の外部構成要素を備えていてもよい。

本発明の他の実施形態では、ステント付き生体人工弁を折畳むための装置は、円筒体に繋がる切頭円錐状ファンネル部分（funnel）として形作られた空洞を備えており、ステント付き生体人工弁は、該弁を折畳むように装置内を通る構成になっているとよい。

装置が高熱容量の金属材料から構成されていてもよい。

装置が低温維持用ゲルの中心部（コア、core）を備えていてもよい。

装置が、ステント付き生体人工弁を装置内に押し込むためのプッシャー、又はステント付き生体人工弁を装置内に引き込むための繋ぎ紐をさらに備えていてもよい。

プッシャーが片持ち式指状部分（フィンガー、finger）を備えていてもよい。

プッシャーが複数の入れ子式伸縮区域を備えていてもよく、各区域は、プッシャーの伸張に従って先の区域よりも物理的に小さくなるように構成されている。

本発明の主題は、本明細書の結論部分において具体的に指摘され、かつ明確に主張されている。しかしながら、本発明は、その特徴、目的、及び利点と共に構成及び操作方法の両方に関して、添付の図面を読みながら、好ましい実施形態の以下の詳細な説明を参照することによって最もよく理解されるだろう。

当技術分野にて知られている従来のステント付き生体人工弁を示す図である。 本発明のいくつかの態様に係るステント付き弁を折畳むと共に最小侵襲送達システムに装着するための装置の斜視図であって、該装置を閉状態としている斜視図である。 開状態にある図２の装置の斜視図である。 本発明のさらに他の態様に係るステント付き弁を折畳むと共に最小侵襲送達システムに装着するための装置の斜視図である。 図４Ａの装置の一部の断面図である。 ステント付き生体人工弁を折畳む方法の最初のステップにて、図２に示された形式の装置と並んで配置されたプッシャーを取り付けた図１のステント付き生体人工弁の斜視図である。 図５に示されているステント付き弁を折畳む方法の他のステップを示す図である。 図５に最初に示されているステント付き弁を折畳む方法のさらに他のステップを示す図である。 カラー部内に装着されたステント付き弁を示す図であって、明瞭にするために、いずれもを開状態の装置内に配置している図である。 図８の装置内に完全に挿入されたステント付き弁の斜視図である。 明瞭にするために単一ユニットとして装置から取り外されたカラー部内のステント付き弁の斜視図である。 プッシャーのさらに他の実施形態の斜視図である。 ステント付き弁に係合された図１２のプッシャーの斜視図である。 ステント付き弁を前進させるために繋ぎ紐を用いる方法を利用して、心臓弁を折畳み、最小侵襲送達システムに装着するための斜視図である。 ステント付き弁が挿入されている装置の内部を示す図である。 ステント付き弁を繋ぎ紐によって装置内に前進させる方法のステップを示す斜視図である。 図１５の方法のさらなるステップの斜視図である。 図１５の方法の他のステップの斜視図である。 装置内の入れ子式伸縮プッシャーの概略図であって、プッシャーを閉状態としている概略図である。 装置内の図１８の入れ子式伸縮プッシャーの概略図であって、プッシャーを部分的に前進した状態としている概略図である。 装置内の図１８の入れ子式伸縮プッシャーの概略図であって、プッシャーを完全に前進した状態としている概略図である。 本発明のさらに他の実施形態に係る装置の斜視図である。 ステント付き弁を患者内の機能低下した自然弁の弁輪に送達するために用いられるカテーテルシステムの一部の斜視図であって、カラー部をカテーテルシステムに取り付けている斜視図である。 装置内にてステント付き弁内に挿入された図２２のカテーテルの一部の斜視図であって、明瞭にするために、装置を開状態としている斜視図である。 ステント付き弁及びカラー部を取り付けている図２２のカテーテルの一部の斜視図である。 ステント付き弁を折畳むと共に最小侵襲送達システムに装着するための装置の断面図であって、装置にて低温用ゲルの中心部を用いている断面図である。 心臓弁を折畳むと共に最小侵襲送達システムに装着するための装置の断面図であって、装置にて低温用ゲルの中心部を用いている断面図である。

以下の詳細な記載において、本発明に係る（ステント付き弁とも呼ばれる）ステント付き生体人工弁を折畳むと共に最小侵襲送達システムに装着するための装置の好ましい実施形態について説明する。図面に示されている実施形態を説明するにあたって、明瞭にするために特定の専門用語が用いられることがある。しかしながら、本発明は、そのように選定された特定の用語に制限されることを意図するものではなく、特定の用語は、同様の目的を達成するために同様に作用する技術的に等価の用語も含むことを理解されたい。同一の要素が多くの実施形態において示されている場合、理解を容易にするために、それらの多くの実施形態において同一の参照番号が用いられている。

図１を参照すると、従来のステント付き生体人工弁１００が示されている。心臓内に設置される際に、ステント付き弁１００は、心臓を通る血流に対して「上流」方向及び「下流」方向をもたらすように、機能低下した自然弁の弁輪に位置決めされるようになっている。これらの方向は、図において符号が付されている。図１の配置にあるステント付き弁１００を見た際には、このステント付き弁１００を通る血流が上向き方向に流れることを理解されたい。

当技術分野において知られているように、ステント付き弁１００は、典型的には、ステント１０２と呼ばれる単一要素から形成されている。ステント１０２は、該ステントの内部に接続された弁１０４を有している。ステント１０２は、多くの生体適合性材料から形成することができ、好ましくは、塑性変形可能な生体適合性材料から形成されている。さらに、ステント１０２は、圧縮状態から拡張状態に拡張するために、自己拡張性を有していてもよいし、又はバルーンのような拡張機構の影響力を必要とするように構成されていてもよい。本開示の目的に対して、ステント１０２は、以下、自己拡張型ステントとして記載することにする。いくつかの実施形態では、ステント付き弁１００は、４５°Ｆ（７．２°Ｃ）以上の温度範囲において拡張するように構成されているので、略０°Ｆ（−１７．８°Ｃ）から４５°Ｆ（７．２°Ｃ）の温度に下げることによって、弁は収縮するか、又は少なくとも高温における場合よりも収縮し易くなる。このような弁はニチノール又は他の記憶金属材料から構成されているとよい。

弁１０４自体は、典型的には、摘出したウシの弁又は心膜組織のような生物学的材料から形成されている。本開示の目的に対して、弁１０４は心膜組織弁として記載することにする。弁は生体充填材料から形成されていてもよい。

自己拡張型ステント１０２は、弛緩している室温状態、すなわち、変形していない室温状態では、概して、軸を中心とする回転体の形態にあり、該回転体は様々な直径を有している。弁輪区域１０６と呼ばれる第１の区域では、ステント１０２は略円筒状になっており、かつ比較的小さい直径を有している。弁輪区域１０６の「下流」側の端位置から離間して配置されているものは、大動脈区域１０８と呼ばれる第２の区域である。大動脈区域１０８は、「下流」方向に向かっていくらか直径が拡がるように、概して、「下流」方向にて外方に拡がっている。弁輪区域１０６と大動脈区域１０８との間に位置し、かつこれらの２つの区域間を接続しているものは、静脈洞区域１１０である。静脈洞区域１１０は、その両端において、それぞれ、弁輪区域１０６の「下流側」直径及び大動脈区域１０８の「上流側」直径に一致している。従って、静脈洞区域１１０自体は、典型的には、弁輪区域１０６から大動脈区域１０８に向かうに従って切頭円錐状に外方に拡がっていることを理解されたい。

弁１０４は、一般的には、弁輪区域１０６内にてステント１０２に接続されているが、静脈洞区域１１０内にいくらか延在していてもよい。通常、弁１０４は、複数、典型的には、２つ又は３つのリーフレット１１２、及びカフ１１４を備えている。この実施例では、リーフレット１１２及びカフ１１４のいずれも動物の心膜組織から形成されている。カフ１１４は、ステント１０２の弁輪区域１０６の内側の周囲に延在し、（図示されていない）縫合糸又は他の取付け機構によってステントに固定されているとよい。一方、リーフレット１１２は、交連線１１６にて互いに固定され、かつカフ１１４に固定されている。弁リーフレット１１２は、「下流」の一方向だけの流れを可能にし、かつ流れを可能にする開状態と流れを制限する閉状態とを交互にもたらすように配置されている。リーフレットは、本来的に閉状態の位置にあり、加圧された血流に基づく開状態の位置とこのような圧力の減少時にのみ反転する閉状態の位置との間で往復運動するように構成されていることを理解されたい。

いくつかのステント付き弁１００は、大動脈区域１０８の「下流側」先端部及び弁輪区域１０６の「上流側」先端部に沿った箇所にアイレット１１８を備えていることを理解されたい。アイレット１１８は、典型的には、ステント付き弁１００を送達カテーテルに装着する際に、特に、把持及び位置合せのために用いられるように設計されている。しかしながら、アイレット１１８は、以下に説明するようにステント付き弁１００を折畳むことに利用されてもよい。

ステント付き弁１００の全体は、好ましくは、その拡張状態、すなわち、開状態を保って貯蔵されるように構成されている。なぜならば、生体人工弁１０４は、長期間に渡る圧縮状態での貯蔵によって機能低下を生じることがあるからである。従って、可能な限り外科的設置手術の直前に、ステント付き弁１００を該手術に用いられる折畳み状態、すなわち、減径状態に圧縮する必要がある。ステント弁１００が折畳まれている期間を効果的に制限するために、圧縮のプロセスは、手術区域にて、専用装置を用いる外科医又は外科助手によって行われるようになっている。

図２は、本発明の第１実施形態に係る当該専用の圧縮装置２００の斜視図を示している。図において、圧縮装置は閉状態となっている。図示されているように、圧縮装置２００は、内部孔又は内部空洞２０４を画定する環状空間を有する略円筒状の外装２０２によって特徴付けられている。図示されている圧縮装置２００は２部品の装置となっており、第１の区域２１０を第２の区域２１２に接続する第１のヒンジ２０６及び第２のヒンジ２０８を有している。図示されている実施形態では、各区域２１０，２１２は、その大きさを略等しくしており、かつ装置２００の半分を成している。他の実施形態では、これらの部品は等しい大きさを有していなくてもよい。一例として、２つの部品のそれぞれが、全容積の略１／３及び略２／３を占めるように構成されていてもよい。さらに他の実施形態では、３つ以上の部品が設けられていてもよく、このような部品は等しい大きさを有していてもよいし、又は異なる大きさを有していてもよい。

第１及び第２のヒンジ２０６，２０８の各々は、３つの耳部から形成されている。いずれかの側のヒンジにおいて、３つの耳部のうち２つの耳部が区域の１つと一体に形成されており、第３の耳部が他の区域と一体に形成されている。例えば、第２のヒンジ２０８は、第２の区域２１２における２つの耳部２１４，２１６、及び第１の区域２１０における１つの耳部２１８から形成されている。他の実施形態では、ヒンジは、３つよりも多いか又は少ない数の耳部から形成されていてもよい。いずれにしても、耳部の各々は内部孔２２０を備えている。内部孔２２０は、装置を閉鎖するために耳部の全てを互いに嵌合した際に、真っ直ぐに並ぶように、寸法決めされ、かつ位置決めされている。この後に、ヒンジピン２２２（図３）を用いてヒンジを閉位置に保持するようになっている。リビングヒンジ又は非一体型ヒンジを含む他のヒンジの構成が利用されてもよい。

図３は、開状態にある圧縮装置２００を示している。この状態において、ヒンジ２０６はヒンジピン２２２を配置したままとなっており、ヒンジ２０８は、そのヒンジピン（図示せず）を取り外した状態となっている。第１の区域２１０及び第２の区域２１２は、この状態においてヒンジ２０６を中心として開閉するように旋回可能であることを理解されたい。開状態では、内部空洞２０４が露出している。この内部空洞２０４は、図３にさらに示されるように、円筒に繋がる切頭円錐状ファンネル部分の形態に形成されている。ファンネル部分２２４は、２つの主区域、すなわち、入口区域２２６及び出口区域２２８を備えている。入口区域２２６は、出口区域２２８から離れた端部分を起点としており、比較的大きな直径を有している。この比較的大きい直径は、出口区域２２８に向かうに従って、略円筒状の出口区域の直径と一致する小さい直径まで徐々に小さくなっている。図示されている２部品の装置の実施形態では、ファンネル部分２２４は均等に分割されており、その半分が各区域２１０，２１２に形成されていることを理解されたい。他の構成、例えば、空洞が一方の側にズレる構成が用いられてもよいことも理解されたい。加えて、空洞は、ここに図示され、かつ記載されている円筒に繋がる切頭円錐状ファンネル部分に代わって、幾何学的又は非幾何学的に別の形態に形成されていてもよい。

装置２００は、それ自体、多くの異なる材料、例えば、外科分野において用いられるのに一般的に適している種々の金属又はプラスチックから形成されているとよい。好ましくは、これらの材料は、軽量、強固、かつ再使用のために容易に殺菌可能なものとなっている。典型的には、空洞２０４は、装置２００を作る部品の鋳造によって形成されている。しかし、空洞２０４は、他の周知の手段、例えば、ドリル加工、水噴射等によって形作られてもよい。さらに、用いられる材料の物理的な性質によっては、以下に説明するように、ステント付き弁１００の摩擦移動を低減させるために、耐摩擦皮膜が内部空洞２０４に施されてもよい。また、部分２１０，２１２の外装２０２には、装置を用いる者の把持性を高めるために、粗面が形成されてもよいし、又は同じ目的のために別の粗塗りが成されてもよい。

以下に説明するように、低温を用いるいくつかの実施形態では、装置２００は、高熱容量を有する材料、例えば、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、又は他の材料から製造されているとよい。このような装置は外側絶縁層を備えていてもよい。代替的に、これらの装置は、低温維持用ゲルで満たされたプラスチック等の中空シェルとして形成されてもよい。

空洞２０４は、該空洞内に配置可能な種々のスリーブ又はインサートを介して、その形状及び寸法を変更するように構成されていてもよい。このようなインサートによって、比較的大きい空洞２０４をスリーブの嵌込みによって縮小することに伴って、種々の異なる大きさ又は形状のステント付き弁に対して単一の装置を用いることが可能になる。実際、一実施形態では、空洞２０４は、ここに記載されているように操作するためにインサートを必須とするように形作られている。例えば、空洞２０４は、全体的に円筒状であってもよく、この場合、円筒状空洞内に嵌合されるインサートを用いる必要があり、このインサートは、典型的には、円筒に繋がる切頭円錐状ファンネル部分となっている。好ましくは、インサート及び空洞は、インサートを適所に保持する機構、例えば、構成部品の望ましくない摺動又は分離に機械的に干渉し、かつ阻止する要素を備えているとよい。

装置２００は、第１の区域２１０及び第２の区域２１２の両方を構成する単一部品であって、これらの２つの区域間に単一のリビングヒンジを有する単一部品から作製されてもよいことを理解されたい。

図２及び図３に示されている装置２００の開閉動作は、一般的に、機械的な利点がないので、直接手動で行われるようになっている。他の実施形態、例えば、図４Ａに示される実施形態に係る装置３００は、装置を閉鎖するために利用可能な力を機械的に増大させるように構成されている。図４Ａに示されるように、装置３００は２つの区域３１０，３１２を備えている。区域３１０，３１２は、これらの区域から片寄った単一ヒンジ３０６によって互いに接続されている。これらの区域には、アーム３０２，３０４が付随的に設けられている。アーム３０２，３０４は、圧縮力を追加するため及び取扱いを容易にするためにヒンジ３０６に連動するレバーの形態に形成されたハンドルを形成している。装置３００は、ロック機構（locking mechanism）３１４、例えば、図４Ａに示されておる選択可能な物理的干渉機構も備えているとよい。図４Ｂは、第１の区域３１０、ファンネル部分３１６、及びアーム３０２を示している図４Ａの部分断面図である。

図５は、図３に示されている形式の装置２００と並んで配置された（プッシャー５００を取り付けた）図１に示されている形式のステント付き弁を示している。装置２００は、ファンネル部分２２４を露出させるために、第１の区域２１０を第２の区域２１２から開いた開状態となっている。また、ピン２２２を適所に取り付けたヒンジ２０６、及びピンを取り付けていないヒンジ２０８の一部もまた示されている。

図５には、ファンネル部分２２４の円筒区域２２６内に配置されたカラー部４００が示されている。図示されているカラー部は、３つの区域、すなわち、第１の区域４０２、第２の区域４０４、及び第３の区域４０６を備えており、第２の区域は、第１及び第３の区域間に位置している。各区域４０２、４０４，４０６は、略円筒状に形成され、かつ異なる外径及び等しい内径を有している。図示されているように、第２の区域４０４の外径は、典型的には、他の２つの区域の外径よりも大きくなっている。これに関連して、第１の肩部４０８が第１の区域４０２と第２の区域４０４との間に形成されており、第２の肩部４１０が第２の区域４０４と第３の区域４０６との間に形成されている。図５には示されていないが、カラー部４００の内径は、タブ４１２のような方向付け用部分を備えているとよい。この方向付け用部分は、本開示の後の部分で説明するように、カラー部を弁送達装置に位置合せするために、後で用いられるものである。

カラー部４００は、典型的には、柔軟材料、例えば、様々な種類の適切なゴム材料から形成されているが、かなり剛性であってもよく、プラスチックから形成されていてもよい。好ましくは、このような材料は生体適合性を有しているとよい。

図５はプッシャー５００も示している。プッシャー５００は、ステント付き弁を固定するため、及びステント付き弁をファンネル部分２２４内に押し込むために用いられるものである。プッシャーは、一般的に、一定の内径及び外径を有する円筒体であり、ステント付き弁のカフ１１４上を摺動し、該カフ１１４と係合するように寸法決めされている。好ましくは、プッシャー５００は、比較的剛性の材料から形成されているが、かなりの柔軟性も有する必要がある。適切な材料の例として、好ましくは生体適合性を有する種々のプラスチックが挙げられる。柔軟性によって、プッシャー５００は、装置２００内に移動するとき、ファンネル部分２２４の形状にいくらか適合することが可能になり、その一方で、剛性によって、ユーザー「Ｕ」は、繊細なステント付き弁１００を不注意によって押し潰さないようにプッシャーを保持できるようになることを理解されたい。

図５は、ステント付き弁をカラー部４００内に装着する最初のプロセスもまた概略的に示している。このプロセス及び後続のプロセスは、種々の温度、例えば、室温で行われてもよい。これらのプロセスは、圧縮及び装着プロセスを補助する低温技術を用いる以下に述べる装着装置と関連して行われてもよい。

図５に示されているように、プッシャー５００が、最初に、ステント付き弁のカフ１１４を覆うように配置される。また、カラー部４００が、ファンネル部分２２４の円筒区域２２６に装着される。カラー部４００の区域４０２，４０４，４０６の形状は、カラー部４００を装置２００の長さに沿って長手方向に移動させることなく円筒区域２２６内に嵌合させるように構成されていることを理解されたい。一旦このように配置されたならば、装置２００は、区域２１０を区域２１２と交合させるように閉じられるとよい。閉じられたヒンジ２０８の（図示されていない）ピンが挿入されるとよいが、一般的には、これは必ずしも必要ではない。

図６は、閉状態にある装置２００を示している。この図は、ステント付き弁が、大動脈区域１０８を先にして、装置２００のファンネル部分２２４内に挿入されている状態もまた示している。注目すべきことは、プッシャー５００が、ステント付き弁１００を取り扱うためにユーザー「Ｕ」の指によって用いられていることである。

図７は、ステント付き弁１００を装置２００内にさらに少し挿入している状態を示している。図から分かるように、大動脈区域１０８は、賦形されたファンネル部分２２４の直径、最終的には、円筒区域２２６の直径に適合するように圧縮され始めており、該円筒区域にてカラー部４００内に挿入されることになる。

図８は、カラー部４００内に完全に組み込まれたステント付き弁１００を示している。明瞭にするために、装置は開状態となっている。典型的には、以下に説明するように、ステント付き弁１００及びカラー部４００がカテーテル送達装置に装着される間、装置は閉じられた状態にある。

ここで注目すべきことは、ステント付き弁１００が、カラー部４００によって静脈洞区域１１０を包囲された箇所までしか、カラー部４００内に挿入されていないことである。カラー部は、このように寸法決めされている。これによって、大動脈区域１０８は、必ずしもその外径までは拡がっていないが、かなり拡がって維持されている。ステント１０２内の（リーフレット１１２及び交連線１１６を含む）弁１０４は、装着プロセス中、この状態に一時的に圧縮されるように設計されていることも理解されたい。

図９は、装置２００内に完全に挿入された状態にあるステント付き弁１００を示している。これに関連して、ステント付き弁１００のカフ１１４が、カラー部４００の制限範囲を超えて装置２００の外側にいくらか突出している。

図１０では、分かり易く説明するために、ステント付き弁１００／カラー部４００の組立物を掴むユーザー「Ｕ」が示されている。装置２００は付随的に示されている。

前述したステント付き弁１００を装置２００内に挿入する方法に加えて、追加的な挿入方法が用いられてもよい。例えば、図１１は、この目的に用いられる代替的実施形態に係るプッシャー９００を示している。この実施形態では、プッシャーは、やはり、一定の内径及び外径を有する略円筒状であるが、第１の区域９０１及び第２の区域９０３を備えている。第１の区域９０１は、完全な円筒状であり、プッシャー５００の円筒特性に似ている。第２の区域もまた円筒状に形成されているが、互いに分離した片持ち式指状部分（フィンガー、finger）９０６から構成されている。指状部分９０６によって、プッシャー９００は、指状部分を先端部として装置２００のファンネル部分２２４内に挿入される際に、直径を減少させることができることを理解されたい。また、指状部分は、図１２に示されるように、ステント付き弁１００のカフ１１４を捕捉するように構成されている。

特に、第１の区域９０１から片持ち式に離れている指状部分９０６によって、プッシャー９００は、プッシャー５００よりも高い剛性の材料から構成されてもよい。このような剛性材料を用いても、プッシャーが装置２００のファンネル部分２２４内にすべり込む際に、指状部分が減径し、これによって、ユーザーが繊細なステントを押し潰すことなく、ステント付き弁１００をより小さい直径に圧縮することができる。

ステント付き弁１００を装置２００内に前進させる他の方法も提供されている。繋ぎ紐を用いるこのような１つの実施例が図１３以降に示されている。

図１３に示されているように、繋ぎ紐６００の第１の端部６０２が、ステント付き弁１００のアイレット１１８に取り付けられるとよい（全てのアイレット１１８が用いられてもよいし、又は全てよりも少ない数のアイレット１１８が用いられてもよい）。繋ぎ紐６００の第２の端部６０４は、装置２００内の空洞２０４内に通されるとよい。次いで、ステント付き弁１００を装置２００内に押し込むために、繋ぎ紐の第２の第２の端部６０４が引っ張られるとよい。例えば、ユーザーは、繋ぎ紐の第２の端部６０４を掴み、ステント付き弁１００を装置２００内に引き込み、これによって、ステント付き弁を、空洞２０４を通して移動させながら、ステント付き弁の直径を減少させることになる。先の実施形態におけるように、（図１３に示されていない）カラー部４００が、折畳まれたステント付き弁１００の周囲に配置されるように空洞２０４内に設けられているとよい。

図１４は、明瞭にするためにカラー部を用いることなく、ステント付き弁１００が空洞２０４内に部分的に引き込まれている状態にある装置２００の端面図を示している。

図１５〜図１７は、経過に沿った種々のプロセスにおける、装置２００の空洞２０４内に引き込まれているステント付き弁１００の図を示している。図１５に示されているように、最初のプロセスでは、ステント付き弁１００がカラー部４００内に適切に着座することを確実にするために、ステント付き弁１００をいくらか左右に「揺動」させる必要がある。これに関連して、ステント付き弁１００は、装置２００を貫通する主軸からのズレの程度を変えて装置２００内に引き込まれるとよい。このような角度を付けた引き込みは、ステント付き弁の構造に対して過剰な応力を加えるか又はそれ以外の機能不全をもたらす程度よりも小さくなっていると好ましい。図１６は、手順のさらに前進したプロセスにおいて、ステント付き弁１００が、角度を付けることなく装置２００から真っ直ぐに引き出されている状態を示している。図１７では、ステント付き弁は、カラー部４００内に完全に着座している。一旦このように着座したならば、繋ぎ紐６００が取り外されるとよい。

繋ぎ紐６００は、ステント付き弁１００を引っ張るのに十分強靭であると共に、アイレット１１８に、例えば、挿通又は結束等によって、取り付けられるのに十分細いどのような適切な糸状材料から作製されていてもよい。繋ぎ紐６００がアイレット１１８に直接結び付けられていないならば、フックのような他の手段によってアイレット１１８に取り付けられてもよく、この場合、繋ぎ紐６００は、直接的な結付けによるものよりも太くなっていてもよいことも理解されたい。縛り紐の適切な材料として、ステンレス鋼ワイヤ又は他の金属ワイヤが挙げられる。

ステント付き弁１００を装置２００の空洞２０４内に前進させるさらに他の方法では、図１８〜図２０に示される入れ子式伸縮プッシャー７００が用いられている。入れ子式伸縮プッシャー７００は、概して、図５に示されているプッシャー５００と同じように操作されるように構成されているが、この場合、多数の入れ子式伸縮区域を備えている。これらの入れ子式伸縮区域は、空洞２０４の寸法が縮小するに従って、ステント付き弁１００を、空洞２０４を通して前進させることに適した構成となっている。例えば、図１８に示されているように、（明瞭にするために、ステント付き弁を伴わずに示されている）入れ子式伸縮プッシャー７００は、入れ子式伸縮プッシャーの外側要素７０２の直径が空洞２０４の断面寸法よりも小さい範囲内においてのみ、ステント付き弁１００を空洞２０４内に前進させることになる。一旦外側要素７０２と空洞２０４との間に干渉が生じたならば、図１９に示されているように、第１の内側要素７０４が入れ子式伸縮プッシャー７００内から延出することになる。第１の内側要素は、外側要素の直径よりも小さい直径を有しているので、空洞内のさらに奥に前進することができる。入れ子式伸縮プッシャー７００は、図２０に示されているように、追加的な内側要素、例えば、第２の内側要素７０６を備えているとよいことを理解されたい。ステント付き弁を装置２００の空洞２０４内に完全に前進させるのに必要な数の内側要素が設けられているとよい。

入れ子式伸縮プッシャーから内側要素を前進させるための種々の装置が当技術分野において知られており、これらの装置が用いられるとよい。さらに、入れ子式伸縮プッシャー７００に用いられる材料は、前述したプッシャー５００に用いられる材料よりも剛性であってもよいことを理解されたい。これは、プッシャー７００の入れ子式伸縮特性及び曲げではなく伸縮による固有の「減径」による。もちろん、入れ子式伸縮プッシャー７００は、かなりの柔軟性を有しているとよく、好ましくは、完全に剛直なものでない方がよい。

装置の全般を再び参照すると、図２１は、視野窓２３０を備える代替的実施形態に係る装置２００ａを示している。視野窓２３０は、ユーザーが装置２００ａの空洞２０４内におけるステント付き弁１００及び（プッシャー５００のような）前進機構の位置を観察できるようにすることを理解されたい。種々の大きさ及び寸法の多数の視界窓２３０が用いられてもよいことも理解されたい。このような窓２３０は、外科分野にて適切であってかつ好ましくは透明な種々の周知の材料から形成されるとよい。必要に応じて、半透明材料が用いられてもよい。窓２３０は、機械的溶着又は化学的溶着によって装置に取付けられるとよい。代替的実施形態では、装置の全体が透明材料又は半透明材料から作製されていてもよく、これによって、個別の窓の必要性をなくして装置を３６０°に渡って観察することができる。

カテーテルシステムが、ステント付き弁、例えば、ステント付き弁１００を心臓内の機能低下した自然弁と置換するために該自然弁の弁輪に送達することに用いられることが知られている。ステント付き弁の圧縮に加えて、本明細書において記載されている形式の装置２００は、ステント付き弁をカテーテル基最小侵襲送達システムに装着することを補助するために用いられてもよい。

このようなカテーテル８００の一部の斜視図が、図２２に示されている。図示されている部分において、カテーテル８００は、遠位端部分８０２を備えている。遠位端部分８０２は、最終的に装置を心臓内に導く端部分である。カテーテルの遠位端部分８０２は、概して、円筒体８０４に形成されており、その長軸に沿って延在する溝８０６を備えているとよい。カテーテル８００の円筒体８０４に取り付けられたカラー部４００が、図２２に示されている。明瞭するために、ステント付き弁１００のないカラー部４００が示されている。他の図では、ステント付き弁１００もまた示されている。

カテーテル８００の円筒体８０４からカテーテルの（図示されていない）近位端部分に向かって延在しているものは、接続部材８０８である。接続部材８０８もまた、円筒状であるが、円筒体８０４の直径よりも小さい直径を有している。接続部材８０８は、凹部８１０を備えている。凹部８１０は、ステント付き弁１００をカテーテル内に固定するために、ステント付き弁１００のアイレット１１８を受け入れるように寸法決めされ、かつ構成されている。最後に、接続部材８０８からカテーテル８００の（図示されていない）近位端部分に向かってさらに延在しているものは、ワイヤ８１２である。

カテーテル８００の円筒体８０４に取り付けられたカラー部４００を再び参照して、タブ４１２が溝８０６内に配置されていることを理解されたい。タブ４１２及び溝８０６は、このような目的を満たすように寸法決めされ、かつ構成されており、カラー部４００をカテーテル８００に位置合せするのに用いられるようになっている。

図２３は、図８のカラー部と同様のカラー部４００に装着されたステント付き弁１００の図である（装置は、明瞭にするために開状態で示されている）。この図では、カテーテルの一部が、圧縮された弁内に挿入されている。これに関連して、いったんステント付き弁１００がカラー部４００内にて圧縮されたならば、プッシャー５００又は他の前進機構は、装置から取り外されてもよいことを理解されたい。次いで、カテーテル８００は、遠位端部分８０２を先端にして、空洞２０４のファンネル端２２４からステント付き弁１００内に挿入されることになる。いったんこの位置に配置されたならば、装置が開かれ、カテーテル８００、ステント付き弁１００、及びカラー部４００が、単一ユニットとして取り外されることになる。このような単一ユニットが図２４に示されている。

ステント付き弁１００は、ステント付き弁及びカラー部をワイヤ８１２を覆う位置に移し、次いで、（この目的のために中空になっているとよい）円筒体８０４をステント付き弁の大動脈区域１０８を覆うように引き出し、これによって、弁をさらに圧縮し、カラー部４００を弁から押し出すことによって、カテーテル８００上にさらに装着されるとよいことを理解されたい。円筒体８０４は、円筒体８０４が第２の円筒体８１４と交合し、ステント付き弁１００を完全に包み込むまで、引き出されるようになっている。

前述の説明において示唆されているように、前述した形式の装置は、弁圧縮及び弁装着プロセスを補助するために、低温を利用するように適合されているとよい。このような場合、温度を比較的低くすることによって、ステント付き弁を圧縮するのに必要な圧縮力を低減するのを助長することができる。場合によっては、必要な力を著しく低減することができる。

従って、装置は、高熱容量の材料、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、チタン等から作製されているとよく、又は低温維持用ゲルの内装を有するように構成されているとよい。このような装置は、それ以外は、概して、例えば、図２〜図３に示されている装置２００に関して記載されているように構成されている。装置は、使用前に、例えば、低温浴内に浸漬されるか又は冷凍環境内に配置されることによって、低温に晒されるようになっているとよい。高熱容量の材料又は低温維持用ゲルから製造された装置は、前述した圧縮及び装着プロセスが終了するのに十分な時間にわたって、ほぼ、０°から４５°の範囲内の低温を保持することができる。代替的に、装置は、低温の期間の延長及びユーザーによる装置の取扱いを助長するために絶縁材料によって被覆されていてもよい。

図２５に示されているのは、本発明のさらに他の実施形態において絶縁材料を含む装置２００ｂの一区域の断面図である。装置２００ｂは、図２及び図３に示されている装置２００と殆ど同様に構成されており、その区域２１０ｂにおける円筒体に繋がる切頭円錐状ファンネル部分の一般的形状に形成された空洞２０４ｂを含んでいる。加えて、装置２００ｂは、外側絶縁層２３２を備えている。外側絶縁層は、装置２００ｂを絶縁すると共に、ユーザーが冷たい装置を掴まないようにすることに役立つものである。適切な絶縁材料として、ポリマー発泡体又は繊維布のような低熱伝導性材料が挙げられる。図示されていないが、装置２００ｂの他の区域（例えば、２区域装置の区域２１２ｂ）に絶縁カバーが設けられてもよいことを理解されたい。

低温を維持するための他の装置も検討されている。このような装置２００ｃの一区域の断面図が図２６に示されている。この装置では、区域、例えば、図示されている区域２１０ｃが、ゲル２３６によって満たされた構造層２３４を覆う外側絶縁層２３２を備えているとよい。外側絶縁層は、前述したものと同じあってもよく、ポリマー発泡体又は繊維布のような低熱伝導性材料から構成されているとよい。構造層は、多くの異なる材料、例えば、プラスチック及び金属から形成することができる。このような材料は、典型的には、空洞２０４ｃ及び区域の外側部分を形作るという意図された目的を果たすのに十分に剛性であり、必ずしも高熱容量材料である必要はない。構造層２３４内に設けられるゲル２３６は、低温維持用ゲル、例えば、多くの場合非毒性材料から成る市販のアイスパックに通常設けられているゲルから構成されているとよい。ゲル２３６は、（図示されていない）小孔を用いて、製造プロセス中に構造層２３４内に配置されるとよく、この小孔は、金属溶着又は化学溶着によって後で溶着されるか、又はそれ以外の方法によって閉鎖されるようになっている。

低温装置をもたらす他の方法は、硝酸アンモニウムと水との吸熱反応によって、装置、例えば、温度維持用材料から作製された装置２００を冷凍することである。硝酸アンモニウムに代わる適切な材料として、塩化カルシウム及び塩化アンモニウムが挙げられる。空洞２０４の十分な冷却を達成するための１つの方法によれば、空洞が水によって満たされ、封止される。次いで、硝酸アンモニウム又は他の適切な化学薬品が、封止された空洞２０４内に放出される。反応に十分な時間な時間の後、空洞は、冷却され、次いで、使用するために空洞を露出させるために、封止が取り除かれる。もちろん、信頼性の高い封止技術が用いられると、好ましい。

本明細書において説明した装置２００，２００ａ，２００ｂ，２００ｃのいずれも非分割装置として提供されてもよい。このような装置は、区域２１０等から構成されておらず、全体が１つの賦形された空洞を有する完全体を成すことになる。特に、図２５及び図２６の装置２００ｂ，２００ｃのそれぞれは、低温での使用に有利なので、非分割装置として構成されてもよい。これらの装置によってもたらされる温度の低下によって、ステント付き弁１００は、圧縮及び装着を行う場合、圧縮するのに機械的な力を必要とすることなく、空洞２０４内に簡単に引き込まれる又は押し出されることになる。

特定の実施形態を参照して、本発明をここに説明してきたが、これらの実施形態は、本発明の原理及び応用の単なる例示にすぎないことを理解されたい。従って、例示的な実施形態に対して多くの修正がなされてもよいこと、及び本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、他の構成が考案されてもよいことを理解されたい。

Claims (20)

1. ステント付き生体人工弁を折畳むための装置であって、
   第１の端部分及びそれに対向する第２の端部分と、
   前記第１及び第２の端部分間に渡って配置される第１の区域と、
   前記第１及び第２の端部分間に渡って配置される第２の区域であって、第２の区域は、前記第１及び第２の区域によって形成された内部空洞を少なくとも部分的に包囲するように前記第１の区域に結び付いており、前記内部空洞が前記第１の端部分における開いた挿入部から前記第２の端部分における開いた出口部に向かってテーパが付されており、前記挿入部が前記出口部よりも大きい寸法を有している、第２の区域と
   を備え、
   前記第１の区域及び前記第２の区域が前記内部空洞を実質的に包囲した際に、前記ステント付き生体人工弁が、前記挿入部内に挿入され、前記出口部に向かって移動するに従って折畳まれるように構成されている、装置。
2. 前記第１の区域及び前記第２の区域が前記内部空洞を完全に包囲するように構成されている、請求項１に記載の装置。
3. 繋ぎ紐又はプッシャーをさらに備え、
   前記繋ぎ紐又は前記プッシャーが、前記ステント付き生体人工弁を前記繋ぎ紐又は前記プッシャーを介して前記挿入部から前記出口部に移動可能とするように、前記ステント付き生体人工弁に取付けられることに適した構成となっている、請求項１に記載の装置。
4. 前記第１の区域及び前記第２の区域は、前記内部空洞を少なくとも部分的に包囲する第１の位置と前記内部空洞を完全に露出させた第２の位置との間で移動可能に構成されている、請求項１に記載の装置。
5. 前記折畳まれたステント付き生体人工弁の少なくとも一部の周囲に嵌合することに適した構成となっているカラー部をさらに備えている請求項１に記載の装置。
6. 前記カラー部が、該カラー部を第２の装置に位置合せするように方向付け用部分を備えている、請求項５に記載の装置。
7. 前記第１の区域が温度維持用ゲルによって満たされている、請求項１に記載の装置。
8. 前記第１の区域に設けられる絶縁体をさらに備えている請求項１に記載の装置。
9. 前記第１の区域が高熱容量の金属材料から作製されている、請求項１に記載の装置。
10. 前記内部空洞の容積を減少させるように、前記内部空洞内に挿入可能に構成されたスリーブをさらに備えている請求項１に記載の装置。
11. ステント付き生体人工弁を最小侵襲送達システムに装着する方法において、
    前記ステント付き生体人工弁を第１の直径を有する第１の状態から第２の直径を有する第２の状態に圧縮するステップであって、前記第２の直径は前記第１の直径よりも小さくなっており、前記圧縮が、前記ステント付き生体人工弁をテーパ付きの内部空洞を有する装置内に前進させることによって達成され、前記テーパが第１の寸法から第２の寸法に向かうように形成され、前記第２の寸法が前記第１の寸法よりも小さくなっている、ステップと、
    前記ステント付き生体人工弁をカラー部内に挿入するステップと、
    前記カラー部及び前記生体人工弁を、前記システムの少なくとも一部を前記カラー部内に通すことによって前記最小侵襲送達システムに装着するステップと
    を含む方法。
12. 前記ステント付き生体人工弁を前記カラー部内に挿入するステップが前記圧縮の後に行われる、請求項１１に記載の方法。
13. 前記ステント付き生体人工弁を前記カラー部内に挿入するステップが前記圧縮の少なくとも一部と同時に行われる、請求項１２に記載の方法。
14. 前記装置を冷却するステップをさらに含む請求項１１に記載の方法。
15. 前記装置が低温維持用ゲルによって満たされた外側構造シェルから構成されている、請求項１１に記載の方法。
16. 前記装置が絶縁性の外部構成要素を備えている、請求項１１に記載の方法。
17. ステント付き生体人工弁を折畳むための装置であって、
    円筒体に繋がる切頭円錐状ファンネル部分として形作られた空洞を備え、
    前記ステント付き生体人工弁が、該ステント付き生体人工弁を折畳むように装置内を通る構成となっている、装置。
18. 高熱容量の金属材料から構成されている、請求項１７に記載の装置。
19. 低温維持用ゲルの中心部さらに備えている請求項１７に記載の装置。
20. 前記ステント付き生体人工弁を前記装置内に押し込むためのプッシャー、又は前記ステント付き生体人工弁を前記装置内に引き込むための繋ぎ紐をさらに備えている請求項１７に記載の装置。

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