JP2013534313A - 腸の炎症状態の生物学的マーカーとしてのhmgb1の使用、糞便サンプル中のhmgb1を検出するための非侵襲法およびそのキット - Google Patents

腸の炎症状態の生物学的マーカーとしてのhmgb1の使用、糞便サンプル中のhmgb1を検出するための非侵襲法およびそのキット Download PDF

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Abstract

適切な抗原−抗体を用いたウェスタンブロットアッセイまたはELISAアッセイにより、糞便中のHMGB1の存在を検出する分析プロトコルを含む、糞便抽出物中のHMGB1タンパク質の存在によって、ヒトの腸の炎症状態を測定するための非侵襲法、並びに慢性炎症性腸疾患、特にクローン病(CD)および潰瘍性大腸炎(UC)の発病における当該タンパク質の関与。本発明はまた、この方法を実施するための比色分析キットも含む。

Description

本発明は、ヒトの慢性炎症性腸疾患(IBD「炎症性腸疾患」)を検出し、診断する材料および方法に関する。更に詳しくは、糞便抽出物中のHMGB1タンパク質の存在によってヒトの腸の炎症状態を測定するための非侵襲法、並びに慢性炎症性腸疾患、特にクローン病(CD)および潰瘍性大腸炎(UC)の発病における当該タンパク質の関与を記述する。また、本発明は、このような方法を実施するための比色分析キットも含む。
高移動度グループボックス1(HMGB1)は、炎症応答を誘発することによって、組織損傷からの刺激に対し応答することができるDAMP(損傷に関連する分子パターン)の分子原型として出現する、非ヒストンクロマチンに関連する非ヒストン核タンパク質である(非特許文献1)。HMGB1は、LPS、TNFα、IL−1β、IL−6、IL−8のような炎症を誘発する刺激にしたがって(非特許文献4)、マクロファージ(非特許文献2)および腸細胞(非特許文献3)によって盛んに分泌され、壊死細胞によって放出されるが、アポトーシスを起こした細胞によっては放出されない(非特許文献5)。HMGB1は、細胞外領域に分泌されると、一本鎖DNA、LPS、IL−1βおよびヌクレオソームのような異なる分子と極めて炎症性の複合体を形成し、TLR9、TLR4、IL−1RおよびTLR2のようなそれぞれの受容体と相互作用し、自然免疫を活性化させる。あるいは、HMGB1は、複合体を形成することなく、終末糖化産物受容体RAGE(Receptor for Advanced Glucation End product)と結合することができる(非特許文献6)。
細胞外のHMGB1は、炎症性メディエーターの産生を誘発し(非特許文献4)、自己免疫疾患または炎症性疾患(関節リウマチ(非特許文献7)、全身性エリテマトーデス(非特許文献8)、多発性筋炎(非特許文献9)を含む)の発病に重要な役割を果たすことがある。米国特許第6,303,321号に記載されている発明は、敗血症を治療するための医薬組成物に関する。この医薬組成物は、活性物質としてHMGB1のアンタゴニストまたは阻害剤を有効量含む。好ましくは、HMGB1アンタゴニストの中で、HMGB1タンパク質に結合する抗体、HMGB1コード遺伝子のアンチセンス配列、HMGB1受容体のアンタゴニストを使用する。
米国特許第6,303,321号公報
Wang et al. Am J Respir Crit Care Med 164:1768-73, (2001) Fink et al. J Intern Med. 261:349-62, (2007) Hirschfeld at al. J Immunol. 165:618-22, (2000) Andersson et al. J Exp Med. 192: 565-570, (2000) Scaffidi et al. Nature. 418:191-5, (2002) Bianchi et al. J Leukoc Biol. (2009) Taniguchi et al . Arthritis Rheum. 48:971-81, (2003) Jiang et al. Ann Rheum Dis. 67:727-8, (2008) Ulfgren et al. Arthritis Rheum. 50:1586-94, (2004)
したがって、また、本発明の課題は、有効量のHMGB1アンタゴニストを投与することを含む、敗血症を治療する方法である。また、本発明は、患者の状態の重篤度をモニタリングし、ショック状態の症状を有するか、または関連する症状を示す患者について、敗血症のあり得る臨床経過および関連する状態を予想するための診断方法および予測方法も提供する。この診断方法および予測方法は、サンプル(特に、血清または全血)中のHMGB1タンパク質の濃度を測定し、この濃度をHMGB1の標準濃度と比較することを含む。HMGB1のレベルが高いことは、予後がよくないこと、または中毒反応が発生しそうであることの指標である。この診断方法は、脳脊髄液または尿のような他の組織または体液区分にも適用することができる。
(HMGB1および胃腸管:従来技術)
腸粘膜におけるストレス、組織損傷または微生物抗原の徴候は、自然免疫応答に関与する細胞(例えば、マクロファージおよび樹状細胞)を活性化させ、炎症応答の引き金となる。
炎症性刺激にしたがって細胞外マトリックスに放出されたHMGB1の存在は、腸上皮細胞の透過性を変え、微生物抗原が入り込む量が増えることによって、腸の関門機能に顕著に影響を与えると思われる。実際に、in vitro試験およびin vivo試験では、免疫刺激を受けた腸細胞または他の免疫細胞によって分泌されたHMGB1の存在と、腸の関門機能不全が相関関係にある(10〜15)。さらに、炎症性サイトカインの放出に起因して、HMGB1は、動物モデル(16、17)、結腸炎の壊死形態の細胞(18,19)で示されているように、結腸の炎症にも関与している可能性がある。
抗HMGB1分子によって、分泌するHMGB1が減ることは、腸の関門の損傷および粘膜の炎症が両方とも改善することと相関関係にあると思われる(11、13、14、16、19、20)。
患者から得た組織サンプル中のHMGB1タンパク質の存在および量は、米国特許出願第2006/0188883号に記載されているように、大腸癌(特に、結腸および直腸の癌)の診断マーカーおよび予測マーカーとしてすでに使用されている。しかし、癌という疾患は、炎症性腸疾患とは非常に異なる状態であることがよく知られている。さらに、この出願の目的は、生体組織の使用にのみ適用可能であり、糞便材料の使用と関連づけた参考文献は提供されていない。
Daveらの最近の文献(16)には、慢性大腸炎のマウスモデルに抗炎症剤(例えば、ピルビン酸エチル)を使用し、HMGB1分泌が減ることに関連する結果が示されている。糞便サンプルで実施された試験は、ピルビン酸エチルを投与した後、排泄物のHMGB1レベルが下がっていることを示している。
しかし、大腸炎に対するDaveの試験で行われた実験は、マウスモデルにしか言及しておらず、このようにして得られた結果を、ヒトおよびヒトの疾患に常に自動的に拡張することができるわけではないことが知られており、実際に、動物モデルを用いて得られた結果が、分子マーカーという観点で、また、疾患の臨床経過および特定の治療に対する応答という観点で、対応するヒト疾患と完全に一致しないことが非常に多い。
さらに、この試験で使用するマウスモデルは、抗炎症性サイトカインIL−10をコードする遺伝子が欠失し、マウスに大腸炎を引き起こすように遺伝的に改変されたマウス株を使用している。これは、もっとかなり複雑な要因が疾患の発生を決定づけているヒト疾患と比較して、まったく関係なさそうな条件である。
実際に、ヒトの特性を決定する遺伝子および環境に関する多様性は、実験用動物モデルで完全に再現することができないことがよく知られている。特に、炎症性腸疾患は、遺伝子および環境に関する多様性が疾患の発生および進行に重要な役割を果たす多因子疾患である。
実際に、今日まで、CDについて30を超える感受性遺伝子座が特定されており、CUについてはこれより少ないが、さらに、罹患した患者全てが同じ遺伝子改変体を発現しているわけではなく、その遺伝子改変体を有することが、疾患の進行に必要であることは暗示されておらず、すなわち、炎症性疾患を有する人々の中で、遺伝的等質性がほぼ全体にわたっているマウスモデルとは異なって、大きな遺伝的多様性が存在する。
それに加え、生活様式(食事、喫煙、ストレス)という観点での環境圧、および薬物の使用および有害な環境薬剤への暴露は人によって異なり、疾患の発生に対し、ある役割も果たし、腸内細菌叢の組成も、同様に個体によって異なる。この観点で、重要な国内のグループおよび国際的なグループによって行われた非常に最近の試験が、炎症性腸疾患における共生細菌叢の主要な役割を強調し、実際に、健康な個人と比較して罹患した個体では変わっていることを思い出すことが重要である。もう一度マウスモデルについて考えると、標準条件では、マウスモデルは、環境圧にまったく煩わされていないか、または少なくともかなり影響が少なく、微生物プロフィールは、同じ餌を摂取する個体の中で変動がかなり少ない。
(ヒトの腸の炎症におけるHMGB1の役割)
ヒトにおける腸の炎症に対するHMGB1の役割に関する研究はほとんど存在しない。近年の刊行物は、RAGEのリガンド(したがってHMGB1を含む)が、関節炎および大腸炎のような病的な状態の「バイオマーカー」となり得ることを示しており(21)、第2の刊行物は、潰瘍性大腸炎患者の血清を観察したときに、HMGB1をANCA(抗好中球細胞質抗体)の新しい抗原であると特定している(22)。
(腸の炎症のマーカーとして使用されるタンパク質)
生物学的マーカーは、炎症を客観的に測定するための非侵襲法を示し、炎症性腸疾患(IBD、「Inflammatory bowel disease」)を含め、ある種の疾患の評価に対し、主要な役割または二次的な役割を果たすことがある(23)。
このようなマーカーは、血清学的に、または糞便として特定することができ、このようなマーカーを使用し、特定のプロセスを診断することができ、疾患を異なる亜型に分類することができ、その活性、進化および予後を評価することができ、治療的な処置または再発に対する応答を予測することができる(24)。
いくつかの炎症性疾患(IBDを含む)に利用可能な血清学的マーカーは、赤血球沈降速度(ESR)、C反応性タンパク質(CRP)、抗好中球細胞質抗体(ANCA)、抗出芽酵母抗体(ASCA)である(24)。しかし、これらのマーカーは、腸の炎症に対する感度および特異性が低く、症状および疾患活動性の指標との相関関係が低い(24)。
これとは対照的に、糞便マーカーのレベルは、消化系が関与しない疾患では増えないため、糞便マーカーは、胃腸疾患(例えば、IBD)の診断に対する特異性が大きい(25、26)。さらに、糞便マーカーには、疾患活動性を評価するのに、必ずしも内視鏡による分析を必要としないという利点がある(26、27)。ラクトフェリンおよびカルプロテクチンは、当時、腸の炎症について最も使用されている糞便マーカーである(24、25、28、29)。実際に、排泄物中にこれらのタンパク質が存在することは、疾患活動性、再発の予測、患者の中で重篤な大腸炎を引き起こす高リスク群の特定、医薬による治療効果のモニタリングの合理的で正確な測定指標である。
胃腸の炎症を非侵襲的に、もっと高感度かつ特異的に、しかし同時に経済的に検出する方法を特定する必要性は増してきており、これらの特徴を満たす新規分子の特定に取り組むことへの多大な関心が依然として存在する。
(客観的かつ予備的な結果)
HMGB1には、細胞炎症体系の供給に関するシグナルを放出し、外的刺激または内的刺激に起因する免疫応答を活性化するというよく知られた能力があるため、本願発明者らは、ヒトの炎症性腸疾患(さらに特定的には、CDおよびUC)におけるこのタンパク質の関与としてありそうなものを調べることを提案してきた。
CDは、口から肛門までの消化管の任意の領域に影響を及ぼし得る貫壁性炎症を特徴とする。典型的には、不連続的な様式で多くの領域が関与する。炎症は、罹患した領域の壁全体に及び、付近にある腸間膜およびリンパ節まで広がることが多い。最も高い頻度で、CDは、回腸末端および結腸に起こる。
UCにおいて、炎症プロセスは結腸に制限されており、粘膜にのみ影響を及ぼす。直腸の関わりは継続的であり、結腸の変化しやすい上流領域の関わりを伴うことがある。
現在、西側諸国(ヨーロッパおよび北アメリカ)でのこれらの疾患の有病率は、UCの場合、住民10万人に対し、ほぼ70〜150例であり、CDの場合、住民10万人に対し、ほぼ20〜40例である。これは、主に青年期後期および若年層に生じる疾患であり、発症のピークは15〜35歳である。
これに関連して、HMG1タンパク質は、細胞外マトリックスに分泌されると炎症活性を発揮することが知られており、糞便は、何が産生され、内臓から排泄されているのかを正確に伝えるため、本願発明者らが、IBD小児患者の排泄物中にHMG1を発見したのは、非常に重要なことであった。次いで、得られたデータをコントロール群のデータと比較している。
驚くべきことに、IBD患者の糞便中で観察されたHMGB1のレベルは、健康なコントロール被験者群のレベルと比較して有意に高いということがわかった(図1)。これにより、患者の排泄物中のHMGB1の決定を腸の炎症マーカーとして使用することができることを確立することができた。それに加え、疾病の重篤度が中程度である患者(疾患のPCDAI/PUCAIが≦25/60の群)は、処置を受けているため、疾患が重篤である患者と比較して、HMGB1の存在量が少ないことが明らかになっている。したがって、このタンパク質は、炎症の良好なマーカーであること以外に、治療に対する応答の良好な指標でもありそうである(図1)。この目的のために開発された方法論を以下に示す。
R&D Systemの抗HMGB1モノクローナル抗体を用い、ウェスタンブロット分析によって検出された、排泄物サンプル中のHMGB1タンパク質を示す。パネルAは、ウェスタンブロットの結果を示し、パネルBは、患者においてウェスタンブロットによって強調されたバンドの濃度測定値のグラフを示し、パネルCは、疾患の重篤度にしたがってグループに分けた患者において、ウェスタンブロットによって強調されたバンドの濃度測定値のグラフを示す。 糞便中で検出されたHMGB1タンパク質のレベルを、糞便カルプロテクチンのレベルと比較した分析の結果である。
(サンプリング)
IBDに罹患した40人の小児患者(それぞれ、クローン病(CD)患者19人、潰瘍性大腸炎(UC)患者21人、およびコントロール被験者13人)から集めた糞便サンプルを分析し、ウェスタンブロットによってHMGB1の存在を評価した。ウェスタンブロットの条件は、特に、HMGB1を検出するための2種類の特異的な抗体を使用するという目的のために開発された。
HMGB1タンパク質の存在に関連する強調されたバンドについて、ImageQuantソフトウエア(GE Healthcare Life Sciences,Uppsala,Sweden)を用いることによって実施される濃度分析を行った。これにより、数値をHMGB1レベルの範囲に割り当てることができた。
患者におけるIBDの診断は、広く認識され、共有されている内視鏡による基準および組織学的な基準にしたがって行われた(30)。CDの活動性は、臨床および実験的なパラメータに基づく測定基準である「小児クローン病活動指数(pediatric Crohn‘s disease activity index)(PCDA)」によって測定された(31)。この疾患は、この値が10以下であるとき、不活性であるとされ、この値が10より大きく30未満であるとき、軽度から中程度であるとされ、この値が30を超えるとき、重篤であるとされる。UCの活動性は、「小児潰瘍性大腸炎活動指数(pediatric ulcerative colitis activity index)(PUCAI)」にしたがってランク分けされた(32)。後者は、近年正当性が認められた非侵襲的な多因子法であり、これによれば、疾患が回復している(スコアが10未満)、軽度の疾患(スコアが10〜34)、中程度(スコアが35〜64)、重篤な疾患(スコアが65〜85)とされる。
内視鏡によるスコアは、SES−CD(33)および潰瘍性大腸炎についてはMattsスコア(34)を用いて決定された。SES−CDを計算するために、大腸を5つの区画(回腸、左結腸、横行結腸、右結腸、直腸)に分け、それぞれの区画の疾患活動性の程度に、0〜12の値を割り当てた(合計値の範囲:0〜60)。Mattsスコアを計算するために、腸を6つの区画(盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S字結腸、直腸)に分け、それぞれの区画において、疾患活動性の程度に、1〜4の値を割り当てた(合計値の範囲:6〜24)。
試験に登録された患者のこれらの指標に基づいて、疾患は、IBD13例が重篤であり(CD8例、UC5例)、11例が軽度から中程度であり(CD3例、UC8例)、16例が不活性である(CD8例、UC8例)ことがわかった(表1)。
表1には、治験に登録された患者を疾患の種類および重篤度にしたがって分類し、列挙している。
表1.試験した患者の集合における、IBDの疾患活動性の人口統計の特徴および指標。PCDAI:「小児クローン病活動指数」、PUCAI:「小児潰瘍性大腸炎活動指数」
Figure 2013534313
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(糞便サンプルの調製)
Department of Pediatrics,Pediatric Gastroenterology and Hepatology Unit,University of Rome「La Sapienza」に申し込んでくれた疾病の重篤度がさまざまなIBDに罹患した小児患者および健康なコントロール被験者から、Salvatore Cucchiara教授の指示によって糞便サンプルを得た(表1)。
分子分析を行うまで、糞便用の滅菌容器に集めたサンプルを−20℃〜−80℃の温度で保存した。
(糞便サンプルのバッファー溶液の計量および懸濁)
各サンプル(糞便用の標準容器の内側のスプーンの内容物と等しい)を、滅菌チップで容器から取り出し、1.5mlのエッペンドルフ管に入れ、デジタル秤を用いて計量した。このサンプルを、ScheBo Biotech社から販売されている洗剤およびナトリウムアジドが入った抽出バッファー(リン酸緩衝化食塩水溶液PBS pH7.2)に再び懸濁させ、最終濃度500mg/mlを得た。
(排泄物の均質化および抽出)
室温(RT)で、サンプルをボルテックスで1分間撹拌し、オービタルシェーカーに室温で約1時間入れた。10000rpm、4℃で5分間遠心分離処理した後、上澄み(所定の抽出された糞便)を集め、タンパク質の濃度をブラッドフォードアッセイ(Biolabs)によって測定した。得られたサンプルを、ウェスタンブロットアッセイによってすぐに分析してもよく、または−80℃で保存し、後に分析してもよい。
(糞便抽出物のウェスタンブロットによる分析)
糞便タンパク質抽出物20μgに、同じ容積の2×サンプルバッファー(100mM トリス−Cl pH6.8、10%β−メルカプトエタノール、4%SDS、20%グリセロール、0.2%ブロモフェノールブルー)を加え、次いで、サンプルを5分間沸騰させ、ウェスタンブロット(WB)による抽出物の分析に進む前に軽く遠心分離処理した。糞便タンパク質抽出物を、12%SDS−ポリアクリルアミドゲルを用いて分離し、次いで、70ボルトで1時間、電子移動によってPVDFフィルタ(Amersham)に移した。フィルタ上の非特異的な部位は、ブロッキングバッファー(0.02M トリス−Cl pH7.6、0.137M NaCl、5%無脂肪乳粉末)を用いて室温で1時間インキュベーションすることによってブロックされ、次いで、抗体バッファー(0.02M トリス−Cl pH7.6、0.137M NaCl、3%無脂肪乳粉末)で1:1000に希釈した抗HMGB1ポリクローナル抗体(カタログ番号H9593、Sigma)、または抗体バッファーで1:500に希釈した抗HMGB1モノクローナル抗体(カタログ番号MAB 1690、R&D Systems,Minneapolis,USA)を用い、このフィルタを4℃で16時間インキュベーションした。次いで、TBS−T 0.1% Tween(0.02M トリス−Cl pH7.6、0.137M NaCl、0.1% Tween)で5分間洗浄を3回行い、その後に、Sigma製の抗HMGB1を用いるときは抗ウサギ二次抗体を用い、抗HMGB1抗体R&Dシステムを用いてインキュベーションする場合には、抗マウス二次抗体を用い、フィルタを室温で1時間インキュベーションした。いずれの場合も、ペルオキシダーゼ(Santacruz)と複合体化しており、抗体バッファーで1:4000に希釈した。TBS−T+0.1% Tweenで5分間洗浄をさらに3回行い、次いで、ECLplus(Amersham)およびオートラジオグラフィー膜(Kodak)を用いた化学発光シグナルの検出へと進んだ。
図1は、R&D Systemの抗HMGB1モノクローナル抗体を用い、ウェスタンブロット分析によって検出された、排泄物サンプル中のHMGB1タンパク質を示す。具体的には、パネルAは、ウェスタンブロットの結果を示し、パネルBは、患者においてウェスタンブロットによって強調されたバンドの濃度測定値のグラフを示し、パネルCは、疾患の重篤度にしたがってグループに分けた患者において、ウェスタンブロットによって強調されたバンドの濃度測定値のグラフを示す。
ウェスタンブロットによって強調されたバンドの濃度分析によって、糞便サンプル中に存在するHMGB1のレベルに関連する数値を得ることができた。具体的には、健康な個体において、このような数値は、Arbitrary Densitometric Units(ADU)としてあらわされるとき、1000〜3000の範囲であり、平均値は1200ADUであり、CDを有する被験者は、20000〜380000ADUの数値範囲を示し、平均値は190000ADUであり、一方、UCを患う全ての患者は、分析した糞便サンプル中に存在するHMGB1のレベルに関連する数値が、6000〜280000ADUであり、平均値が120000ADUに等しいことがわかった(図1−B)。図において、アステリスクは、Mann−Whitney統計検定によって評価された統計学的有意性を指し、*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001である。
この分析から、IBD患者の糞便中のHMGB1タンパク質の発現が、コントロール被験者と比較して有意に増えていることが示されており、コントロール被験者は、検出できない(p<0.001)(図1)。この結果は、糞便中で検出されたHMGB1タンパク質の存在が、ヒトの腸の炎症マーカーであることを示している。HMGB1タンパク質の存在は、PCDAI指数およびPUCAI指数に基づいて疾患が不活性であると定義された16人の患者の糞便からも検出された。しかし、内視鏡スコアの評価によれば、これらの患者は、ある程度、腸が炎症を起こしており、糞便中のHMGB1の検出と一致する結果である。
特に、活性なCDおよびUCを有する患者において、SES−CDおよびMattスコアの中央値は、それぞれ23.0(値の範囲:14〜34)および18.0(値の範囲:8〜24)であり、不活性なCDおよびUCを有する患者において、SES−CDおよびMattsスコアの中央値は、それぞれ7.5(値の範囲:0〜15)および11.5(値の範囲:6〜18)であった。これらの指標は、PCDAI指数およびPUCAI指数にしたがって不活性な患者であると定義された場合であっても、ある程度の腸の炎症が存在し、HMGB1は、不活性な状態の疾患の指標を与えることがあることを示しており、したがって、このような不活性な炎症状態にとって非常に感度の高いマーカーであると考えられる。糞便中で検出されたHMGB1タンパク質のレベルを、現時点で、ELISAによる腸の炎症を診断するための信頼性が高いバイオマーカーの選択肢であると考えられている糞便カルプロテクチンのレベルと比較した(29、35)。この分析の結果を図2に示し、アステリスクは、Mann−Whitney統計検定による統計学的有意性を指し、*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001である。両タンパク質は、患者の糞便において、健康なコントロール被験者と比較して大きく増えた(p<0.001)(図1−B、図2−A)。しかし、不活性なCDおよびUCのグループは、カルプロテクチンのレベルは低かったが、コントロールと比較して、糞便中のHMGB1のレベルが有意に多かった(CDおよびUCにおいてp<0.01)(図1−C、図2−B)。まとめると、比較から、CDおよびUCの両方で、活性な炎症性疾患だと診断された全ての患者において、糞便サンプル中の2種類のタンパク質のレベル間に有意な相関関係が示され(CDにおいて、r:0.77、UCにおいて、r:0.70、p<0.01)、r=Spearman検定によるランク相関係数である。不活性な炎症性疾患を有する患者のみを考慮すると、このような相関関係は消えた(CDにおいて、r:0.22、UCにおいて、r:0.18、徴候なし)。実際に、内視鏡スコアにしたがって、ある程度炎症がまだあるけれども、PCDAI指数およびPUCAI指数にしたがって不活性な患者であると定義された16人全ての患者において、HMGB1は、顕著に増加している。一方、カルプロテクチンは、これらの患者のうち、たった2人しか増加していなかった。このことは、HMGB1が、疾患活動性の分類指標によって明らかにするときは、臨床的には活動を停止している疾患を有する患者において、持続性の腸の炎症の非常に感度の高いマーカーであることを示しているだろう。しかし、後者は、臨床的な特徴と実験的な特徴の組み合わせであり、内視鏡検査によって検出される腸の炎症と常に相関関係にあるわけではない。
したがって、見かけ上は回復している疾患を有する患者の再発に対し、有望な分子予測パラメータとしてのHMGB1タンパク質の使用が想像できる。図1において、IBD患者は、健康なコントロール被験者と比較して、糞便中のHMGB1の有意な増加が示されている。それに加え、HMGB1レベルと疾患の重篤度との直接的な相関関係が存在する。結論として、HMGB1は、炎症の良好なマーカーであること以外に、疾患の重篤度の良好な指標も与えると思われ、したがって、治療に対する応答のマーカーとして使用することができた。
ここに記載したことから、本発明の重要性は明らかである。生物学的マーカーとしてのHMGB1の使用、排泄物サンプル中のその存在を検出する方法は、ヒトの腸の炎症の存在およびレベルを安全に非侵襲的に診断するための有意な工程であり、多くの患者にひどい外傷を与えてしまうことが多い画像化試験の繰り返しが避けられる。
さらに、タンパク質の発現レベルを、疾患再発の予測マーカーとして、また、治療に対する応答のマーカーとして使用することができる。
糞便抽出物の分析に使用できるのがウェスタンブロットアッセイだけではないことは言うまでもない。本願発明者らは、実際に、糞便中のHMGB1の存在を、標的タンパク質の特異性および感度という観点で優れた結果が得られるような、ウェスタンブロットアッセイで使用するのと同じ抗体を用い、ELISAを用いて検出する分析プロトコルの開発に注目した。したがって、WBによる排泄物サンプル中のタンパク質の検出にすでに使用されている2種類の抗体を用いたELISAキットの構築を進めている。ウェスタンブロットに加え、ELISAプロトコルを提供するための選択肢は、この技術が単純であり、さらに、反応を良好に定量化することができるという事実によって述べられ、実際に、ELISAプレートの色強度は、抗原−抗体複合体(一次)の数に比例し、したがって、分析したサンプル中の(一次抗体に結合することができる)抗原の濃度に比例する。
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Claims (12)

  1. ヒト患者の糞便サンプル中のHMGB1レベルを検出することを特徴とする、ヒト患者の腸の炎症状態を検出し、診断し、予測する非侵襲法。
  2. 糞便サンプル中のHMGB1レベルの低下を、所与の処置に対する応答マーカーとして使用する方法。
  3. 前記腸の炎症状態が、慢性炎症性腸疾患(IBD)、特に、クローン病(CD)および潰瘍性大腸炎(CU)からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記ヒト患者が、IBDを患う小児患者である、請求項1および2に記載の方法。
  5. 以下の工程
    ・糞便サンプルおよびPBS抽出バッファー中の懸濁物の重さを測ること、
    ・サンプルの均質化および糞便の上澄み抽出物を遠心分離した後の抽出、
    ・ブラッドフォードアッセイによるタンパク質濃度の評価、
    ・ウェスタンブロットによる糞便抽出物の分析
    を想定することを特徴とする、前記請求項に記載の方法。
  6. ウェスタンブロットによる抽出物の分析中に、PVDFフィルタ上に移した糞便抽出物を抗HMGB1ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体とともにインキュベートすることを特徴とする、前記請求項に記載の方法。
  7. 前記抗HMGB1ポリクローナル抗体が、ヒトHMGB1の165−180アミノ酸に対応する合成ペプチドを免疫原として用いてウサギ中で産生されたものであり、抗HMGB1モノクローナル抗体が、マウス骨髄腫と、組み換えヒトHMGB1タンパク質に由来する精製大腸菌で免疫化されたマウスから得たB細胞とを融合して得られるハイブリドーマのクローン115603に対応することを特徴とする、前記請求項に記載の方法。
  8. 糞便抽出物の分析がELISAアッセイによって行われることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
  9. ウェスタンブロットアッセイで用いられるのと同じ抗体を、ELISAアッセイにおける抗体として使用することを特徴とする、前記請求項に記載の方法。
  10. 使用する抗HMGB1抗体が、ヒトHMGB1の165−180アミノ酸に対応する合成ペプチドを免疫原として用いてウサギ中で産生された抗HMGB1ポリクローナル抗体、およびマウス骨髄腫と、組み換えヒトHMGB1タンパク質に由来する精製大腸菌で免疫化されたマウスから得たB細胞とを融合して得られるハイブリドーマのクローン115603に対応する抗HMGB1モノクローナル抗体であることを特徴とする、前記請求項に記載の方法。
  11. 抗HMGB1ポリクローナル抗体または抗HMGB1モノクローナル抗体による特異的抗原−抗体反応に基いて、前記請求項に記載の方法にしたがって、ヒト糞便サンプル中のHMGB1タンパク質を検出する、比色分析キット
  12. 使用する抗HMGB1抗体が、ヒトHMGB1の165−180アミノ酸に対応する合成ペプチドを免疫原として用いてウサギ中で産生された抗HMGB1ポリクローナル抗体、およびマウス骨髄腫と、組み換えヒトHMGB1タンパク質に由来する精製大腸菌で免疫化されたマウスから得たB細胞とを融合して得られるハイブリドーマのクローン115603に対応する抗HMGB1モノクローナル抗体であることを特徴とする前記請求項に記載の比色分析キット。
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