JP2013534144A - 温度誘発性相反転により界面活性剤を含む発酵ブロスから生物有機化合物を精製するための方法 - Google Patents

温度誘発性相反転により界面活性剤を含む発酵ブロスから生物有機化合物を精製するための方法 Download PDF

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Abstract

生物有機化合物を精製する方法及びシステムが開示される。特定の実施態様では、この方法は、(a)界面活性剤、宿主細胞、水性媒体、及び該宿主細胞によって産生された生物有機化合物を含む組成物又はエマルションを提供する工程であって、該水性媒体中の該界面活性剤の溶解度が、温度上昇と共に低下し、該組成物又はエマルションの温度が、該組成物又はエマルションの相反転温度よりも少なくとも約1℃低い、工程;(b)該組成物又はエマルションの温度を、該相反転温度よりも少なくとも約1℃高い温度まで上昇させる工程;及び(c)該組成物の液液分離を行って粗生物有機組成物又はエマルションを提供する工程を含む。
【選択図】 図1

Description

(先行関連出願)
本願は、米国特許法第119条(e)項の下、引用により全容が本明細書中に組み込まれている2010年8月16日出願の米国仮特許出願第61/373,876号を請求する。
(発明の分野)
微生物由来生物有機化合物を精製するための方法が本明細書に提供される。一部の実施態様では、該生物有機化合物は、1種以上のイソプレノイドを含む。他の実施態様では、該生物有機化合物は、1種以上のファルネセンを含む。
(発明の背景)
石油由来化合物及び組成物は、プラスチックから家庭用洗剤、さらには燃料に至る様々な製品に見られる。これらの組成物の環境への影響から、より再生可能かつ持続可能な代替物の要望が高まっている。
生物工学は、このような化合物及び組成物の再生可能な供給源を提供することができる。例えば、イソプレノイドは、50,000を超えるメンバーを有する多様な化合物のクラスを含み、特殊化学製品、医薬品、及び燃料を含む様々な用途を有する。従来、イソプレノイドは、石油源から合成することもできるし、又は植物源から抽出することもできる。近年、このような化合物を微生物細胞から生産する方法が開発された。例えば、イソプレノイド並びに他の微生物由来化合物及び組成物、さらにはこれらを生産する方法が、例えば米国特許第7,399,323号、同第7,540,888号、同第7,671,245号、同第7,592,295号、同第7,589,243号、及び同第7,655,739号に記載されている。
しかしながら、このような化合物を生産及び精製するコスト効率の良い方法が望まれている。例えば、望ましい生物有機化合物の最適な収率を達成するための方法が必要とされている。有用な方法が本明細書に提供される。
生物由来生物有機化合物を精製及び/又は単離する方法が本明細書に提供される。一態様では、
(a)界面活性剤、宿主細胞、水性媒体、及び該宿主細胞によって産生された生物有機化合物を含む組成物を提供する工程であって、該水性媒体中の該界面活性剤の溶解度が、温度上昇と共に低下し、該組成物の温度が、該組成物の相反転温度又は曇り点よりも少なくとも約1℃低い、工程;
(b)該組成物の温度を、該相反転温度又は曇り点よりも少なくとも約1℃高い温度まで上昇させる工程;及び
(c)該組成物の液液分離を行って粗生物有機組成物を提供する工程を含む方法が本明細書に提供される。
一部の実施態様では、本明細書に開示される方法は、組成物の温度を上昇させる工程(b)の前に該組成物の量を減少させる工程であって、生物有機化合物の実質的に全てが該組成物中に残留する、工程をさらに含む。特定の実施態様では、組成物の量を、約75%以上減少させる。一部の実施態様では、本明細書に開示される組成物は、エマルションである。特定の実施態様では、上記の工程(a)の組成物は、水中油型エマルションであり、上記の工程(b)及び(c)の組成物は、油中水型エマルションである。
別の態様では、
(a)界面活性剤、宿主細胞、水性媒体、及び該宿主細胞によって産生された生物有機化合物を含む第1の組成物を提供する工程であって、該水性媒体中の該界面活性剤の溶解度が、温度上昇と共に低下する、工程;
(b)該第1の組成物を濃縮して濃縮組成物を形成する工程であって、該濃縮組成物が、実質的に全ての該生物有機化合物を含み、該濃縮組成物の量が、該第1の組成物の量よりも少なく、該濃縮組成物の温度が、該濃縮組成物の相反転温度又は曇り点よりも少なくとも約1℃低い、工程;
(c)該濃縮組成物の温度を、該相反転温度又は曇り点よりも少なくとも約1℃高い温度まで上昇させる工程;及び
(d)該濃縮組成物の液液分離を行って粗生物有機組成物を提供する工程を含む方法が本明細書に提供される。
別の態様では、界面活性剤、宿主細胞、水性媒体、及び該宿主細胞によって産生された生物有機化合物を含む組成物であって、該水性媒体中の該界面活性剤の溶解度が、温度上昇と共に低下し、該組成物の温度が、該組成物の相反転温度又は曇り点よりも少なくとも約1℃高い、組成物が本明細書に提供される。一部の実施態様では、該組成物はエマルションである。特定の実施態様では、該組成物は、水中油型エマルションである。他の実施態様では、該組成物は、油中水型エマルションである。
別の態様では、界面活性剤、宿主細胞、水性媒体、及び該宿主細胞によって産生された生物有機化合物を含むエマルションであって、該水性媒体中の該界面活性剤の溶解度が、温度上昇と共に低下し、該エマルションの温度が、該エマルションの相反転温度又は曇り点よりも少なくとも約1℃高い、エマルションが本明細書に提供される。
別の態様では、
(a)界面活性剤、宿主細胞、水性媒体、及び該宿主細胞によって産生された生物有機化合物を含む水中油型エマルションを提供する工程であって、該水性媒体中の該界面活性剤の溶解度が、温度上昇と共に低下する、工程;
(b)該水中油型エマルションを油中水型エマルションに変換する工程;及び
(c)該油中水型エマルションの液液分離を行って粗生物有機組成物を提供する工程を含む方法が本明細書に提供される。
一部の実施態様では、本明細書に開示される方法は、水中油型エマルションの温度を上昇させる工程(b)の前に該水中油型エマルションの量を減少させる工程であって、生物有機化合物の実質的に全てが組成物中に残留する、工程をさらに含む。特定の実施態様では、水中油型エマルションの量を、約75%以上減少させる。
別の態様では、
(a)界面活性剤、宿主細胞、水性媒体、及び該宿主細胞によって産生された生物有機化合物を含む第1の水中油型エマルションを提供する工程であって、該水性媒体中の該界面活性剤の溶解度が、温度上昇と共に低下する、工程;
(b)該第1の水中油型エマルションを濃縮して濃縮水中油型エマルションを形成する工程であって、該濃縮水中油型エマルションが、実質的に全ての該生物有機化合物を含み、該濃縮水中油型エマルションの量が、該第1の水中油型エマルションの量よりも少ない、工程;
(c)該濃縮水中油型エマルションを油中水型エマルションに変換する工程;及び
(d)該油中水型エマルションの液液分離を行って粗生物有機組成物を提供する工程を含む方法が本明細書に提供される。
図1は、TERGITOL(商標)L62及びTERGITOL(商標)L64を含む界面活性剤の濃度に応じた油回収率のプロットを示している。
図2は、TERGITOL(商標)L62及びTERGITOL(商標)L64を含む界面活性剤の濃度に応じた油放出率のプロットを示している。
図3は、TERGITOL(商標)L62、TERGITOL(商標)L64、ECOSURF(商標)SA-7、及びECOSURF(商標)SA-9を含む界面活性剤の濃度に応じた油回収率のプロットを示している。
図4は、TERGITOL(商標)L62、TERGITOL(商標)L64、ECOSURF(商標)SA-7、及びECOSURF(商標)SA-9を含む界面活性剤の濃度に応じた油放出率のプロットを示している。
図5は、ボルターミキサー(vortor mixer)、回転ミキサー、撹拌子、及びULTRA-TURRAX(登録商標)分散機を含む異なる方法で混合された試料の保持/混合時間に応じた油放出率のプロットである。
図6は、ULTRA-TURRAX(登録商標)分散機を用いた混合時間に応じた油放出率のプロットである。
図7は、TERGITOL(商標)L62の濃度に応じた油回収率のプロットである。ULTRA-TURRAX(登録商標)分散機及び撹拌子を含む2つの混合方法を調べた。
図8は、TERGITOL(商標)L62の濃度に応じた油放出率のプロットである。ULTRA-TURRAX(登録商標)分散機及び撹拌子を含む2つの混合方法を調べた。
(発明の詳細な説明)
(用語)
「粗生物有機組成物」とは、生物有機化合物を含む組成物であって、該生物有機化合物が該粗生物有機組成物の少なくとも約75重量%の量で存在する、組成物をいう。一部の実施態様では、生物有機化合物は、粗生物有機組成物の最大で約80重量%、約85重量%、約87重量%、又は約89重量%の量で存在する。
「生物有機化合物」とは、微生物細胞(組換え及び自然発生の両方)によって産生される水不混和性化合物をいう。特定の実施態様では、生物有機化合物は炭化水素である。特定の実施態様では、生物有機化合物は、C4-C30含有化合物又は炭化水素である。特定の実施態様では、生物有機化合物は、イソプレノイドである。特定の実施態様では、生物有機化合物は、C5-C20イソプレノイドである。特定の実施態様では、生物有機化合物は、C10-C15イソプレノイドである。
「相反転温度」又は「PIT」とは、エマルション系の連続相及び分散相が反転する(例えば、水中油型エマルションが油中水型エマルションになる、及び逆に油中水型エマルションが水中油型エマルションになる)温度をいう。
「曇り点」とは、流体中に溶解した1種以上の液体及び/又は固体が、それ以上全く溶解しなくなり、該流体を曇ったような外観にする第2の相として沈殿する温度をいう。
「フェノール系酸化防止剤」とは、フェノール又はフェノール誘導体である酸化防止剤をいい、該フェノール誘導体は、1つ以上のヒドロキシル置換基を有する非融合フェニル環を含む。この用語は、ポリフェノールも含む。フェノール系酸化防止剤の実例として:レスベラトロール;3-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニソール;2-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニソール;4-tert-ブチルカテコール(TBCとしても知られている);2,4-ジメチル-6-tert-ブチルフェノール;及び2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール(ブチルヒドロキシトルエン又はBHTとしても知られている)が挙げられる。フェノール系酸化防止剤のさらなる例は、米国特許第7,179,311号に開示されている。
「精製生物有機組成物」とは、生物有機化合物を含む組成物であって、該生物有機化合物が約90重量%以上の量で該組成物中に存在する、組成物をいう。特定の実施態様では、該有機化合物は、約95重量%、約96重量%、約97重量%、約98重量%、約99重量%、又は約99.5重量%以上の量で存在する。
「仕上げ組成物(polished composition)」とは、例えば該組成物中の過酸化物の生成を低減する、又は酸化防止剤で該組成物を安定させるためにさらに処理された、或いは該組成物中の金属の量を低減するためにキレート剤で処理された、精製生物有機組成物をいう。
「プロセス(複数可)」とは、微生物由来有機化合物を単離するのに有用な、本明細書に開示される精製方法(複数可)をいう。本明細書に開示される精製方法の変更形態(例えば、開始材料や試薬の変更)も包含される。
以下の説明では、本明細書に開示される全ての数値は、語「約」又は「概ね」が付いている付いていないにかかわらず、概略値である。数値は、1%、2%、5%、又は時には10〜20%異なり得る。下限値RLと上限値RUを伴う数値範囲が開示されるときはかならず、この範囲に入るどの数値も、具体的に開示される。詳細には、範囲内の以下の数値が、具体的に開示される:R=RL+k*(RU-RL)、式中、kは、1%の増分で1%〜100%の範囲で可変である、すなわちkは、1%、2%、3%、4%、5%、...、50%、51%、52%、...、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%である。さらに、上記定義された2つのRの数字で規定されたあらゆる数値範囲も、具体的に開示される。
請求する主題は、非限定実施態様を例示することを目的とした以下の詳細な説明及び例証的な実施例を参照することによってより完全に理解できるであろう。
(精製方法)
本明細書に開示される生物有機化合物を精製するための方法が本明細書に提供される。生物有機化合物は、当業者が適切であると見なす任意の技術を用いて生産することができる。生物有機化合物の一部の非限定例として、引用により全容が本明細書中に組み込まれている米国特許第7,399,323号及び同第7,659,097号;及び国際公開第2007/140339号パンフレット、同第2008/140492号パンフレット、同第2008/133658号パンフレット、及び同第2009/014636号パンフレットに記載されている方法などの方法を用いて生産されるイソプレノイドが挙げられる。他の例として、脂肪酸由来オレフィン、例えば引用により全容が本明細書中に組み込まれている米国特許出願公開第2009/0047721号;及び国際公開第2008/113041号パンフレット及び同第2008/151149号パンフレットに記載されている脂肪酸由来オレフィンが挙げられる。
生物有機化合物を生産するための微生物法を説明する多数の刊行物が存在するが、このような化合物の発酵生産系又は他の生物生産系用の精製方法を説明している刊行物は比較的少ない。例えば、国際公開第2007/139924号パンフレットは、生物有機化合物を産生する系に関し、生物有機化合物が水性媒体から分離するという固有の性質に通常は依存する精製方法を説明している。しかしながら、この分離が生じて、精製生物有機化合物を得ることができるが、エマルションの形成による著しい生産損失が生じ得る。
一般に、エマルションは、2種類の不混和液体、例えば水と油(例えば、生物有機化合物)の混合物である。発酵による(例えば、撹拌器又は宿主細胞によって産生される発酵ガスによる)又は下流のプロセスから生じる機械エネルギーが、エマルションの形成を促進することができ、生物有機化合物が生産され、続いて、例えば水性発酵培地に抽出される。さらに、様々な参考文献に説明されているように、宿主細胞及びその中の様々な生物分子は、エマルションの形成を促進し、かつ/又は安定させることができる。上記の理由から、エマルションの形成は、微生物産生系では不可避である。従って、エマルションを不安定にする単純かつ測定可能な精製方法は、微生物由来生物有機化合物をコスト効率よく精製するのに有用であり得る。
エマルションを確実に一貫して不安定にし、かつ微生物由来生物有機化合物のコスト効率の良い精製方法を提供する精製方法が本明細書に提供される。一般に、このような方法は、水性媒体、例えば発酵ブロス中に化学的に定義されたエマルションをまず形成することに依存する。このエマルションの形成は、水性倍地中の溶解度が温度上昇と共に低下する界面活性剤の添加によって媒介され、該水性媒体の温度は、その相反転温度又は曇り点よりも低い。次いで、得られるエマルションを、組成物の温度をその相反転温度又は曇り点よりも高い温度まで上昇させることによって不安定にする。特定の実施態様では、最初に形成されたエマルションは、水中油型エマルションである。一部の実施態様では、水中油型エマルションを不安定にして、対応する油中水型エマルションにする。
一態様では、
(a)界面活性剤、宿主細胞、水性媒体、及び該宿主細胞によって産生された生物有機化合物を含む組成物を提供する工程であって、該水性媒体中の該界面活性剤の溶解度が、温度上昇と共に低下し、該組成物の温度が、該組成物の相反転温度又は曇り点よりも少なくとも約1℃低い、工程;
(b)該組成物の温度を、該相反転温度又は曇り点よりも少なくとも約1℃高い温度まで上昇させる工程;及び
(c)該組成物の液液分離を行って粗生物有機組成物を提供する工程を含む方法が本明細書に提供される。
温度上昇と共に低下する水性媒体(例えば、水又は水を含む液体)中で溶解性を有する任意の界面活性剤を、この方法において使用することができる。特定の実施態様では、界面活性剤は、非イオン性界面活性剤であるか、又は非イオン性界面活性剤を含む。一部の実施態様では、非イオン性界面活性剤は、ポリエーテルポリオール、ポリオキシエチレンC8-20-アルキルエーテル、ポリオキシエチレンC8-20-アルキルアリールエーテル(例えば、ポリオキシエチレンC8-20-アルキルフェニルエーテル)、ポリオキシエチレンC8-20-アルキルアミン、ポリオキシエチレンC8-20-アルケニルエーテル、ポリオキシエチレンC8-20-アルケニルアミン、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、又はこれらの組み合わせであるか、或いはこれらを含む。適切なポリオキシエチレンC8-20-アルキルエーテルの一部の非限定例として、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレン分岐デシルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、又はこれらの組み合わせが挙げられる。適切なポリオキシエチレンC8-20-アルキルアリールエーテルの一部の非限定例として、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、又はこれらの組み合わせが挙げられる。適切なポリオキシエチレンC8-20-アルケニルエーテルの非限定例は、ポリオキシエチレンオレイン酸エーテルである。適切なポリオキシエチレンC8-20-アルキルアミンの一部の非限定例として、ポリオキシエチレンラウリルアミン、ポリオキシエチレンステアリルアミン、ポリオキシエチレン獣脂アミン、又はこれらの組み合わせが挙げられる。適切なポリオキシエチレンC8-20-アルケニルアミンの非限定例は、ポリオキシエチレンオレイルアミンである。他の実施態様では、非イオン性界面活性剤は、ポリエーテルポリオール、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、又はこれらの組み合わせである。特定の実施態様では、非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレン親水性尾部を含む。
組成物又はエマルションの相反転は、該エマルションの連続相及び分散相が反転する(例えば、水中油型エマルションが油中水型エマルションになる、及び逆に油中水型エマルションが水中油型エマルションになる)ときに起こる。このような相反転が起こる温度は、組成物又はエマルションの相反転温度(PIT)である。一部の実施態様では、この現象は、界面活性剤、水性媒体、及び油(例えば、本明細書に開示される生物有機化合物)を含む組成物又はエマルションで起き、該界面活性剤は、水性倍地中で温度上昇と共に低下する溶解度を有する。相反転は、水と界面活性剤分子との間の相互作用が低下して、水中での界面活性剤の分配が減少する点まで温度が上昇したときに起こり得る。結果として、界面活性剤分子は、相反転温度(PIT)を超えると油相中で分配し始める。
組成物又はエマルションのPITは、多数の物理的、化学的、及び幾何学的因子に依存し得る。一般に、PITは、組成物又はエマルション中の液体成分の物理的特性による影響を受け得る。このような物理的特性の一部の非限定例として、粘度、密度、及び界面張力が挙げられる。一部の実施態様では、本明細書に開示される組成物又はエマルションのPITは、本明細書に開示される1つ以上の物理的特性を変更することによって調節される、下げられる、又は上げられる。
組成物又はエマルションのPITは、一般に、該組成物又はエマルションを収容及び/又は処理する容器の幾何学的因子による影響も受け得る。このような幾何学的因子の一部の非限定例として、撹拌速度、インペラー又はミキサーの数及び種類、構造体の材料、並びにそれらの湿潤特性が挙げられる。一部の実施態様では、本明細書に開示される組成物又はエマルションのPITは、本明細書に開示される1つ以上の幾何学的因子を変更することによって調節される、下げられる、又は上げられる。
組成物又はエマルションのPITは、組成物又はエマルション中の成分の化学的性質による影響も受け得る。このような因子の一部の非限定例は、(1)界面活性剤の親水性部分及び親油性部分の性質;(2)界面活性剤の混合;(3)油の性質;(4)油相及び水相の添加物の性質;(5)界面活性剤の濃度;(6)油相の水相に対する比;及び(7)界面活性剤の親水性部分の鎖長の分布(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルのオキシエチレン部分)である。一部のこれらの因子は、引用により本明細書中に組み込まれているMitsuiらの文献、Bulletin of the Chemical Society of Japan、第43巻、10号, 3044-3048(1970)に記載されている。一部の実施態様では、本明細書に開示される組成物又はエマルションのPITは、本明細書に開示される1つ以上の化学的性質を変更することによって調節される、下げられる、又は上げられる。
界面活性剤の親水性部分及び親油性部分の性質は、PITに影響を与え得る。一般に、PITは、組成物又はエマルション中の界面活性剤の親水性-親油性バランス(HLB)値の増加と共に上昇する。界面活性剤のHLB値は、一般に、分子の親水性領域及び/又は親油性領域の値を算出することによって決定される。HLB値は、界面活性剤がどの程度親水性又は親油性であるかの指標である。本明細書に開示される界面活性剤のHLB値は、文献、例えば共に引用により本明細書中に組み込まれているW.C. Griffinの文献、「非イオン性界面活性剤のHLB値の計算(Calculation of HLB Values of Non-Ionic Surfactants)」、Journal of the Society of Cosmetic Chemists 5:259(1954);及びJ.T. Daviesの文献、「I型エマルションの定量的運動論、乳化剤の物理化学(A quantitative kinetic theory of emulsion type, I. Physical chemistry of the emulsifying agent)」、Proceedings of the International Congress of Surface Activity、pp. 426-438(1957)の記事で周知の任意の方法によって測定することができる。
一部の実施態様では、本明細書に開示される界面活性剤は、約2〜約16、約2.5〜約15、約3〜約14、約3〜約10、約3〜約8、又は約3〜約6のHLB値を有する。特定の実施態様では、界面活性剤は、約4〜約18、約4〜約16、約4〜約14、約4〜約12、約4〜約10、又は約4〜約8のHLB値を有する。他の実施態様では、界面活性剤は、約6〜約18、約8〜約18、約8〜約16、約8〜約14、又は約8〜約12のHLB値を有する。特定の実施態様では、界面活性剤は、約10〜約18、約12〜約18、又は約13〜約15のHLB値を有する。
油の性質は、該油を含む組成物又はエマルションのPITに影響を与え得る。一般に、PITは、油の親油性の増加と共に上昇する。親油性は、一般に、log P又はlog Dのいずれかによって表される。log Pは、水中の中性種の濃度に対するオクタノール中の中性種の濃度比として定義される分配係数Pの対数を指す。log Dは、水中の全ての種、すなわち中性種及び荷電種の両方の濃度に対するオクタノール中の全ての種の濃度比として定義される分配係数Dの対数を指す。油、例えば本明細書に開示される生物有機化合物の親油性は、文献から周知の任意の方法によって測定することができる。例えば、油の分配係数は、引用により本明細書中に組み込まれているASTM E1147-92に従って測定することができる。別法では、親油性は、引用により本明細書中に組み込まれているAbrahamらの文献、「水素結合、第9部、水と様々なアルコールとの間の溶質の分配(Hydrogen bonding. Part 9. The partition of solutes between water and various alcohols)」、Phys. Org. Chem., 7:712-716(1994)に記載されている従来の振盪フラスコ法によって決定される。一部の実施態様では、本明細書に開示される生物有機化合物のlog P値又はlogD値は、約1〜約6、約1〜約5、約1〜約4、又は約1〜約3である。
油相及び水相の添加物の存在及び性質は、組成物又はエマルションのPITに影響を与え得る。任意に、本明細書に開示される組成物又はエマルションは、1種以上の添加物を含み得る。PITを調節する、低下させる、又は上昇させるために使用できる任意の添加物を、本組成物又はエマルションに使用することができる。添加物の一部の非限定例として、可溶性塩及び油溶性成分、例えばパラフィン、ろう、有機アルコール、及び有機酸が挙げられる。一般に、非極性パラフィン及びろうは、PITを上昇させるが、極性有機アルコール及び極性有機酸は、PITを低下させる。
界面活性剤の濃度は、組成物又はエマルションのPITに影響を与え得る。一般に、PITは、界面活性剤の濃度の上昇と共に低下する。一部の実施態様では、界面活性剤の濃度は、組成物又はエマルションの全重量(又は全容量)に対して、少なくとも約0.01重量(又は容量)%、約0.1重量(又は容量)%、約0.25重量(又は容量)%、約0.5重量(又は容量)%、約0.75重量(又は容量)%、約1重量(又は容量)%、約2重量(又は容量)%、約3重量(又は容量)%、約4重量(又は容量)%、約5重量(又は容量)%、約6重量(又は容量)%、約7重量(又は容量)%、約8重量(又は容量)%、約9重量(又は容量)%、約10重量(又は容量)%、約15重量(又は容量)%、又は約20重量(又は容量)%である。特定の実施態様では、界面活性剤の濃度は、組成物又はエマルションの全重量(又は全容量)に対して最大でも約0.01重量(又は容量)%、約0.1重量(又は容量)%、約0.25重量(又は容量)%、約0.5重量(又は容量)%、約0.75重量(又は容量)%、約1重量(又は容量)%、約2重量(又は容量)%、約3重量(又は容量)%、約4重量(又は容量)%、約5重量(又は容量)%、約6重量(又は容量)%、約7重量(又は容量)%、約8重量(又は容量)%、約9重量(又は容量)%、約10重量(又は容量)%、約15重量(又は容量)%、又は約20重量(又は容量)%である。
油相の水相に対する比は、組成物又はエマルションのPITに影響を与え得る。一般に、PITは、油相の水相に対する比の上昇と共に上昇する。さらに、界面活性剤の濃度が低ければ低いほど、PITの上昇率が高くなる。一部の実施態様では、油相の水相に対する比は、約1:100〜約100:1、約1:100〜約100:1、約1:50〜約50:1、約1:20〜約20:1、約1:10〜約10:1、約1:8〜約8:1、約1:6〜約6:1、約1:5〜約5:1、約1:4〜約4:1、約1:3〜約3:1、又は約1:2〜約2:1である。
界面活性剤の親水性部分の鎖長の分布は、組成物又はエマルションのPITに影響を与え得る。一般に、PITは、親水性部分(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリ(エチレンオキシド)アルキルアリールエーテルのオキシエチレン部分)の鎖長の減少と共に低下する。一部の実施態様では、界面活性剤は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルである。特定の実施態様では、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのオキシエチレン単位の数は、約2〜約20、約3〜約18、約4〜約16、約4〜約14、約4〜約12、約4〜約10、又は約4〜約8である。
本明細書に開示される組成物又はエマルションのPITは、当業者に周知の任意の方法によって測定することができる。一部の実施態様では、PITは、相反転が起こる温度の裸眼での観察によって決定することができる。特定の実施態様では、PITは、組成物又はエマルションのpHを測定することによって決定することができる。一部の実施態様では、PITは、組成物又はエマルションの導電性を測定することによって決定することができる。一般に、PITにおいて、外観の観察可能な変化もしくは転移点、組成物もしくはエマルションのpH、又は導電性、又は他の特性が存在する。組成物又はエマルションのPITを決定するための方法の一部の非限定例として、共に引用により本明細書中に組み込まれている、Shinodaらの文献、「エマルションにおける相反転温度と非イオン性乳化剤溶液における曇り点との間の相関(The Correlation between Phase Inversion Temperature in Emulsion and Cloud Point in Solution of Nonionic Emulsifier)」、The Journal of Physical Chemistry、第68巻、No. 12, 3485-3490(1964);及びMitsuiらの文献、「相反転温度に影響を与えるコスメティクスI因子の乳化への相反転温度法の適用(An Application of the Phase-inversion-temperature Method to the Emulsification of Cosmetics. I. Factors Affecting the Phase-inversion Temperature)」、Bulletin of the Chemical Society of Japan、第43巻、No. 10, 3044-3048(1970)が挙げられる。
組成物又はエマルションの相反転温度又は曇り点は、本明細書に開示される1つ以上の物理的因子、化学的因子、及び幾何学的因子によって制御又は調節することができる。本明細書に開示される方法に適した任意の相反転温度を使用することができる。一部の実施態様では、組成物又はエマルションの相反転温度又は曇り点は、約20℃〜約90℃、約25℃〜約85℃、約30℃〜約80℃、約35℃〜約75℃、約40℃〜約70℃、又は約40℃〜約60℃である。
一部の実施態様では、特に、PITが未知であるか、又はPITの決定が困難な場合は、上述のShinodaらの文献に記載されているように、使用される界面活性剤の曇り点は、組成物のPITの良好な近似値の役割を果たし得るため、該曇り点をPITの代わりに使用することができる。界面活性剤の曇り点は、当業者に周知の任意の方法によって測定することができる。一部の実施態様では、界面活性剤の曇り点は、曇った外観が現れる温度を肉眼で観察することによって測定される。特定の実施態様では、界面活性剤の曇り点は、引用により本明細書中に組み込まれているASTM D2024-09、名称「非イオン性界面活性剤の曇り点の標準試験方法(Standard Test Method for Cloud Point of Nonionic Surfactants)」によって測定される。一部の実施態様では、曇り点は、約20℃〜約95℃の脱イオン水中約0.1重量%〜約1.0重量%の濃度のASTM D2024-09によって測定される。さらなる実施態様では、曇り点は、脱イオン水中約0.5重量%又は約1.0重量%の濃度のASTM D2024-09によって測定される。
組成物又はエマルションは、該組成物又はエマルションの温度によって、水中油型エマルションであるか、又は油中水型エマルションであり得る。一部の実施態様では、組成物又は化学的に定義されたエマルションの温度は、該組成物又はエマルションの相反転温度又は曇り点よりも低い。特定の実施態様では、組成物又はエマルションは、水中油型エマルションであり、その温度が、その相反転温度又は曇り点よりも低い。特定の実施態様では、組成物又はエマルションの温度は、該組成物又はエマルションの相反転温度又は曇り点よりも少なくとも約1℃低い。他の実施態様では、組成物又はエマルションの温度は、該組成物又はエマルションの相反転温度又は曇り点よりも少なくとも約5℃、少なくとも約10℃、少なくとも約15℃、少なくとも約20℃、少なくとも約25℃、少なくとも約30℃、少なくとも約35℃、又は少なくとも約40℃低い。
一部の実施態様では、組成物又は化学的に定義されたエマルションの温度は、組成物又はエマルションの相反転温度又は曇り点よりも高い。特定の実施態様では、組成物又はエマルションは、その温度が、その相反転温度又は曇り点よりも高い油中水型エマルションである。一部の実施態様では、組成物又はエマルションの温度は、該組成物又はエマルションの相反転温度又は曇り点よりも少なくとも約5℃、少なくとも約10℃、少なくとも約15℃、少なくとも約20℃、少なくとも約25℃、少なくとも約30℃、少なくとも約35℃、又は少なくとも約40℃高い。
別の態様では、
(a)界面活性剤、宿主細胞、水性媒体、及び該宿主細胞によって産生された生物有機化合物を含む水中油型エマルションを提供する工程であって、該水性媒体中の該界面活性剤の溶解度が、温度上昇と共に低下する、工程;
(b)該水中油型エマルションを油中水型エマルションに変換する工程;及び
(c)該油中水型エマルションの液液分離を行って粗生物有機組成物を提供する工程を含む方法が本明細書に提供される。
水中油型エマルションの対応する油中水型エマルションへの変換は、文献から周知の任意の方法によって行うことができる。一部の実施態様では、この変換は、水中油型エマルションの温度をそのPITよりも高い温度まで上昇させることによって生じる。特定の実施態様では、この変換は、(1)水中油型エマルションの温度を特定の温度又は温度範囲に維持すること;及び(2)本明細書に開示される1つ以上の物理的因子、化学的因子、及び幾何学的因子を使用して、水中油型エマルションのPITを特定の温度又は温度範囲よりも低い値に低下させることによって生じる。他の実施態様では、この変換は、(1)水中油型エマルションの温度を特定の温度又は温度範囲に上昇又は低下させること;及び(2)本明細書に開示される1つ以上の物理的因子、化学的因子、及び幾何学的因子を使用して、水中油型エマルションのPITを特定の温度又は温度範囲よりも低い値に調節することによって生じる。
特定の実施態様では、生物有機化合物は炭化水素である。特定の実施態様では、生物有機化合物は、C5-C30炭化水素である。特定の実施態様では、生物有機化合物は、イソプレノイドである。さらなる実施態様では、生物有機化合物は、C5-C20イソプレノイドである。追加の実施態様では、生物有機化合物は、C10-C15イソプレノイドである。特定の実施態様では、生物有機化合物は、脂肪酸又は脂肪酸誘導体である。特定の実施態様では、生物有機化合物は、C5-C35脂肪酸又は脂肪酸誘導体である。追加の実施態様では、生物有機化合物は、カレン、ゲラニオール、リナロール、リモネン、ミルセン、オシメン、ピネン、サビネン、テルピネン、テルピノレン、アモルファジエン、ファルネセン、ファルネソール、ネロリドール、バレンセン、及びゲラニルゲラニオール、又はこれらの組み合わせから選択される。さらなる追加の実施態様では、生物有機化合物は、ミルセン、α-オシメン、β-オシメン、α-ピネン、β-ピネン、アモルファジエン、α-ファルネセン、β-ファルネセン、又はこれらの組み合わせである。特定の実施態様では、生物有機化合物は、α-ファルネセン、β-ファルネセン、又はこれらの組み合わせである。
特定の実施態様では、微生物細胞は細菌である。特定の実施態様では、微生物細胞は、エシェリキア属(Escherichia)、バシラス属(Bacillus)、ラクトバシラス属(Lactobacillus)に属する。特定の実施態様では、微生物細胞は大腸菌(E.coli)である。さらなる実施態様では、微生物細胞は真菌である。なおさらなる実施態様では、微生物細胞は酵母である。なおさらなる実施態様では、微生物細胞は、クリベロミセス属(Kluyveromyces)、ピチア属(Pichia)、サッカロミセス属(Saccharomyces)、及びヤロウイア属(Yarrowia)である。追加の実施態様では、微生物細胞は、サッカロミセス・セレビシエ(S. cerevisiae)である。特定の実施態様では、微生物細胞は藻である。特定の実施態様では、微生物細胞は、クロレラ・ミヌティッシマ(Chlorella minutissima)、クロレラ・エマゾーニ(Chlorella emersonii)、クロレラ・ソロキニアナ(Chloerella sorkiniana)、クロレラ・エリプソイデア(Chlorella ellipsoidea)、クロレラ属の種(Chlorella sp.)、又はクロレラ・プロトセコイデス(Chlorella protothecoides)である。
特定の実施態様では、明澄化工程は、固液分離によって行われる。他の実施態様では、明澄化工程は、沈殿及びこれに続くデカンテーションによって行われる。なお他の実施態様では、明澄化工程は、ろ過によって行われる。特定の実施態様では、明澄化工程は、遠心分離によって行われる。特定の他の実施態様では、明澄化工程は、連続ディスク積層ノズル遠心分離機(continuous disk stack nozzle centrifuge)で行われる。
任意に、組成物又はエマルションのpHは、約7.5よりも高いpHに調整することができる。特定の実施態様では、組成物又はエマルションのpHは、約7.5〜約10のpHに調整される。一部の実施態様では、組成物又はエマルションのpHは、約7.5〜約9のpHに調整される。他の実施態様では、組成物又はエマルションのpHは、約8〜約8.5のpHに調整される。一部の実施態様では、組成物又はエマルションのpHは、9よりも高いpHに調整される。
組成物又はエマルションのpHは、当業者が適切と考える任意の塩基を使用して調整することができる。適切な塩基の実例として:アンモニア、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化セシウム、水酸化ナトリウム、水酸化ストロンチウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウム、水酸化ルビジウム、及び水酸化マグネシウムが挙げられる。溶解度が高く経済的な塩基は、一般に、商業規模での操業にとって好ましい。このような塩基の実例として、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムが挙げられる。
特定の実施態様では、組成物又はエマルションは、液液分離によって分離される。特定の実施態様では、組成物又はエマルションは、生物有機化合物と水性媒体との間の密度の差異に依存する遠心分離よって分離される。特定の実施態様では、組成物又はエマルションは、連続ディスク積層遠心分離によって分離される。特定の実施態様では、組成物又はエマルションは、液液抽出(溶媒抽出としても知られている)によって分離される。
特定の実施態様では、本方法は、後続の下流のプロセスのために、組成物又はエマルション中の生物有機化合物を濃縮組成物又はエマルションに濃縮し、これにより体積を減少させる工程を含む。従って、濃縮工程が行われると、pH調整工程及び液液分離工程は、組成物又はエマルションではなく濃縮組成物又はエマルションに対して行われる。
従って、別の態様では、本方法は:
(a)界面活性剤、宿主細胞、水性媒体、及び該宿主細胞によって産生された生物有機化合物を含む第1の組成物を提供する工程であって、該水性媒体中の該界面活性剤の溶解度が、温度上昇と共に低下する、工程;
(b)該第1の組成物を濃縮して濃縮組成物を形成する工程であって、該濃縮組成物が、実質的に全ての該生物有機化合物を含み、該濃縮組成物の量が、該第1の組成物の量よりも少なく、該濃縮組成物の温度が、該濃縮組成物の相反転温度又は曇り点よりも少なくとも約1℃低い、工程;
(c)該濃縮組成物の温度を、該相反転温度又は曇り点よりも少なくとも約1℃高い温度まで上昇させる工程;及び
(d)該濃縮組成物の液液分離を行って粗生物有機組成物を提供する工程を含む。
別の態様では、
(a)界面活性剤、宿主細胞、水性媒体、及び該宿主細胞によって産生された生物有機化合物を含む第1の水中油型エマルションを提供する工程であって、該水性媒体中の該界面活性剤の溶解度が、温度上昇と共に低下する、工程;
(b)該第1の水中油型エマルションを濃縮して濃縮水中油型エマルションを形成する工程であって、該濃縮水中油型エマルションが、実質的に全ての該生物有機化合物を含み、該濃縮水中油型エマルションの量が、該第1の水中油型エマルションの量よりも少ない、工程;
(c)該濃縮水中油型エマルションを油中水型エマルションに変換する工程;及び
(d)該油中水型エマルションの液液分離を行って粗生物有機組成物を提供する工程を含む方法が本明細書に提供される。
特定の実施態様では、濃縮組成物又はエマルションは、第1の組成物又はエマルションの量の約50%を含む。特定の実施態様では、濃縮組成物又はエマルションは、第1の組成物又はエマルションの量の最大でも約40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、5%、4%、3%、2%、又は1%である。特定の実施態様では、濃縮組成物又はエマルションは、第1の組成物又はエマルションの量の最大でも約25%である。さらなる実施態様では、濃縮組成物又はエマルションは、第1の組成物又はエマルションの量の最大でも約10%である。なおさらなる実施態様では、濃縮組成物又はエマルションは、第1の組成物又はエマルションの量の最大でも約5%である。
特定の実施態様では、濃縮工程は、接線流ろ過(「TFF」)によって行われる。例えば、明澄化組成物又はエマルション(実質的に宿主細胞を含まない)を、TFFを用いて脱水して濃縮組成物又はエマルションを生産する。特定の他の実施態様では、明澄化工程及び濃縮工程は、同時に行われる。例えば、明澄化工程が、宿主細胞の沈殿によって行われる場合は、実質的に全ての生物有機化合物を含む混合物の上澄みを別の容器に移すことができる。従って、この上澄みが、濃縮組成物又はエマルションとなる。別の例では、明澄化工程が、連続ディスク積層ノズル遠心分離を用いて行われる場合は、生物有機化合物を含む混合物の上澄みを、該生物有機化合物と水性媒体との間の密度の差異に基づいて分離することができる。従って、生物有機化合物を含む上澄みが、濃縮組成物又はエマルションとなる。
任意に、濃縮組成物又はエマルションのpHを、約7.5よりも高いpHに調整することができる。特定の実施態様では、濃縮組成物又はエマルションのpHは、約7.5〜約10のpHに調整される。特定の実施態様では、濃縮組成物又はエマルションのpHは、約7.5〜約9のpHに調整される。特定の実施態様では、濃縮組成物又はエマルションのpHは、約8〜約8.5のpHに調整される。追加の実施態様では、濃縮組成物又はエマルションのpHは、9よりも高いpHに調整される。
特定の実施態様では、濃縮組成物又はエマルションは、粗生物有機組成物を提供するために液液分離によって分離される。特定の実施態様では、濃縮組成物又はエマルションは、生物有機化合物と水性媒体との間の密度の差異に依存する遠心分離によって分離される。特定の実施態様では、濃縮組成物又はエマルションは、連続3相ディスク積層遠心分離によって分離される。特定の実施態様では、濃縮組成物又はエマルションは、液液抽出(溶媒抽出とも呼ばれる)によって分離される。
特定の実施態様では、本方法は、粗生物有機組成物を精製して精製生物有機組成物を得る工程をさらに含む。任意の適切な方法を使用することができ、該方法は、生物有機化合物の純度の望ましいレベル又は最終組成物の不純物の許容可能なレベルに依存する可能性が高い。適切な方法は、限定されるものではないが:分留、吸着、及び液体クロマトグラフィーを含む。特定の実施態様では、該精製は、フラッシュ蒸留によるものである。特定の実施態様では、該精製は、シリカゲルろ過によるものである。追加の実施態様では、該精製は、アルミナろ過によるものである。
別の態様では、本方法は:
(a)界面活性剤、宿主細胞、水性媒体、及び該宿主細胞によって産生された生物有機化合物を含む第1の組成物又はエマルションを提供する工程であって、該水性媒体中の該界面活性剤の溶解度が、温度上昇と共に低下する、工程;
(b)該第1の組成物又はエマルションを濃縮して濃縮組成物又はエマルションを形成する工程であって、該濃縮組成物又はエマルションが、実質的に全ての該生物有機化合物を含み、該濃縮組成物又はエマルションの量が、該第1の組成物又はエマルションの量よりも少なく、該濃縮組成物又はエマルションの温度が、該濃縮組成物又はエマルションの相反転温度又は曇り点よりも少なくとも約1℃低い、工程;
(c)該濃縮組成物又はエマルションの温度を、該相反転温度又は曇り点よりも少なくとも約1℃高い温度まで上昇させる工程;
(d)該濃縮組成物又はエマルションを遠心分離して該生物有機化合物を該水性媒体から分離し、これにより粗生物有機組成物を形成する工程;及び
(d)該中和粗組成物をフラッシュ蒸留して中和精製組成物を得る工程を含む。
特定の実施態様では、宿主細胞は酵母細胞である。
特定の実施態様では、精製組成物は(中和されているいないにかかわらず)、さらに仕上げ精製される。例えば、生物有機化合物がオレフィンの場合は、この方法は、酸化防止剤を精製生物有機組成物に添加する工程をさらに含むことができる。酸化防止剤の添加は、過酸化物の形成を遅延させ、かつ精製生物有機組成物を安定させることができる。当業者が適切と考える任意の酸化防止剤を使用することができる。しかしながら、オレフィンが、後に水素化される場合は、一般に使用される特定の酸化防止剤、例えばα-トコフェロールのような、緩和な条件下で水素化反応を妨げないフェノール系酸化防止剤が好ましい。適切な酸化防止剤の実例として:レスベラトロール;3-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニソール;2-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニソール;2,4-ジメチル-6-tert-ブチルフェノール;2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール;及び4-tert-ブチルカテコールが挙げられる。
別の例では、精製組成物を、キレート剤の添加により仕上げ精製して該組成物中の金属の量を減少させることができる。特定の実施態様では、精製工程は、キレート剤の添加によって粗生物有機組成物中に存在する金属を除去する工程も含む。任意の適切なキレート剤を使用することができる。適切なキレート剤の実例として、アスコルビン酸、クエン酸、マレイン酸、シュウ酸、コハク酸、ジカルボキシメチルルタミン酸(dicarboxymethyllutamic acid)、エチレンジアミンジコハク酸(EDDS)、及びエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)などが挙げられる。
本明細書に提供されるプロセス及びシステムは、限られた数の実施態様に関して説明されるが、一実施態様の特定の特徴は、プロセス又はシステムの他の実施態様のものであるべきではない。本方法又はシステムの全ての態様を表す実施態様は存在しない。特定の実施態様では、プロセスは、本明細書で述べられていない多数の工程を含み得る。他の実施態様では、プロセスは、本明細書に列記されていない工程を一切含まない。説明された実施態様の変更形態及び改良形態が存在する。
精製方法は、多数の工程を参照して説明されることに留意されたい。特定の実施態様では、これらの工程は、任意の順序で実施することができる。特定の実施態様では、1つ以上の工程を省く又は組み合わせても、なお実質的に同じ結果を得ることができる。添付の特許請求の範囲は、請求される主題の範囲に含まれる全てのこのような変更形態及び改良形態を含むものとする。
本明細書で言及した全ての刊行物及び特許出願は、それぞれの刊行物又は特許出願が具体的かつ個別に示されて引用により本明細書中に組み込まれるのと同程度に、引用により本明細書中に組み込まれる。請求される主題は、明確な理解のために例証及び実施例によってかなり詳細に説明するが、当業者であれば、添付の特許請求の概念又は範囲から逸脱することなく一定の変更及び改良が可能であることは本明細書の教示から明白であろう。
(実施例1- CCBの調製)
この実施例は、濃縮明澄化ブロス(以降、「CCB」と呼ぶ)を調製する方法を説明する。
パイロットプラント発酵から回収した発酵ブロスを、パイロット規模の連続ノズル遠心分離機での連続遠心分離により分画した。2つの出力ストリーム(濃縮ストリームと遠心分離液ストリーム)が得られた。沈降細胞及び水性廃棄物を含む濃縮ストリームをノズルから排出した。遠心分離液ストリームから、約50%の水と約50%のファルネセンを含むCCBを収集した。各発酵ロットに、接種日に基づいて固有のロット番号を付与した。
(実施例2- 60℃におけるサトウキビシロップ由来CCBから放出されるファルネセンに対する異なる界面活性剤の濃度の影響)
この実施例は、60℃のインキュベーション温度におけるサトウキビシロップ由来CCBからのファルネセンの放出又は該CCBから放出されるファルネセンの量(油回収率及び油放出率についての)に対するTERGITOL(商標)L62及びTERGITOL(商標)L64を含む異なる界面活性剤の影響を示す。
CCB(ロット番号: PP031910F2_draw2)(1 ml/管)を1.5mlの微小遠心管に分注した。異なる濃度のTERGITOL(商標)L62又はTERGITOL(商標)L64を微小遠心管に添加した。次いで、各微小遠心管の内容物をボルテックスミキサーによって周囲温度で10分間混合した。次いで、微小遠心管を熱槽内で、約60℃で30分間インキュベートした。微小遠心管の試料(400μl)をlumisizer微小遠心分離セルに添加し、L.U.M. GmbH, Berlin, Germanyから入手可能な分析遠心分離機であるHIGH-END DISPERSION ANALYSER LUMISIZER(登録商標) (以降、「Lumisizer」と呼ぶ)によって分析した。Lumisizer内の試料を、約60℃で22分間、4000rpm(2300×g)で遠心分離した。試料をセルに移す際の熱損失を防止するするために、移送工程が完了するまで、各セルを約60℃の熱槽に入れておいた。TERGITOL(商標)L62を含む試料を実施例A1と呼ぶことにし、TERGITOL(商標)L64を含む試料を実施例A2と呼ぶことにした。実施例A1-A2の油回収率及び油放出率を決定し、界面活性剤の濃度に対する油回収率及び油放出率のプロットをそれぞれ、図1及び図2に示す。
図1を参照すると、TERGITOL(商標)L62及びTERGITOL(商標)L64のそれぞれの濃度の上昇による、それぞれの油回収率の急激な上昇が起こった。これは、エマルションの破壊に対する臨界閾値濃度が存在することを示すものであった。図2を参照すると、実施例A1は、実施例A2の油放出率よりも高い油放出率を有する。これは、TERGITOL(商標)L62が、TERGITOL(商標)L64よりも60℃でサトウキビシロップ由来CCBからより多くの油(すなわち、ファルネセン)を放出したことを示すものであった。
(実施例3- TERGITOL(商標)L62、TERGITOL(商標)L64、ECOSURF(商標)SA-7、及びECOSURF(商標)SA-9を含む異なる界面活性剤を用いた油回収率及び油放出率の比較)
この実施例は、60℃のインキュベーション温度におけるサトウキビシロップ由来CCBから放出されるファルネセンの量(油回収率及び油放出率についての)に対するTERGITOL(商標)L62、TERGITOL(商標)L64、ECOSURF(商標)SA-7、及びECOSURF(商標)SA-9を含む異なる界面活性剤の濃度の影響を示す。
同様の曇り点を有するが化学構造が異なる界面活性剤を、CCBの解乳化について試験した。この試験に使用される界面活性剤は、TERGITOL(商標)L62、TERGITOL(商標)L64、ECOSURF(商標)SA-7、及びECOSURF(商標)SA-9を含む。
CCB(ロット番号: PP040210F2_draw1)(1 ml/管)を1.5mlの微小遠心管に分注した。異なる濃度の異なる界面活性剤を微小遠心管に添加した。次いで、各微小遠心管の内容物をボルテックスミキサーによって周囲温度で10分間混合した。次いで、微小遠心管を熱槽内で、約70℃で約1時間インキュベートした。微小遠心管の試料(400μl)をlumisizer微小遠心分離セルに添加し、Lumisizerによって分析した。Lumisizer内の試料を、約60℃で22分間、4000rpm(2300×g)で遠心分離した。試料をセルに移す際の熱損失を防止するするために、移送工程が完了するまで、各セルを約60℃の熱槽に入れておいた。
各試料の油回収率及び油放出率を決定し、界面活性剤の濃度に対する油回収率及び油放出率のプロットをそれぞれ、図3及び図4に示し、TERGITOL(商標)L62を含む試料を実施例B1として示し;TERGITOL(商標)L64を含む試料を実施例B2として示し;ECOSURF(商標)SA-7を含む試料を実施例B3として示し;TERGITOL(商標)L64を含む試料を実施例B4として示した。
実施例B1及びB2から得た滴定曲線は、実施例B3及びB4から得た滴定曲線とは異なっていた。界面活性剤の濃度が上昇したときに、実施例B1及び実施例B2の滴定曲線では、油回収率が急激に上昇したが、実施例B3及びB4の各滴定曲線では、油回収率がより緩徐に応答した。
実施例B1及びB2の油回収率は、低濃度の界面活性剤において、実施例B3及びB4の油回収率よりも高かった。このデータは、0.2%v/v以下のTERGITOL(商標)L62又はTERGITOL(商標)L64が、CCBからファルネセンを放出させるのに十分であったことを示している。
TERGITOL(商標)L62及びTERGITOL(商標)L64(The Dow Chemical Company, Midland, Michiganから入手)は、ポリエーテルポリオール、すなわち化学的に合成された化合物である非イオン性界面活性剤であり、ECOSURF(商標)SA-7及びECOSURF(商標)SA-9(The Dow Chemical Company, Midland, Michiganから入手)は、天然種油から改質された、改質アルコールエトキシレートベースの非イオン性界面活性剤である。
(実施例4- 30℃及び40℃におけるサトウキビシロップ由来CCBから放出されるファルネセンに対する界面活性剤の濃度の影響)
この実施例は、30℃及び40℃のインキュベーション温度におけるサトウキビシロップ由来CCBからのファルネセンの放出又は該CCBから放出されるファルネセンの量に対するTERGITOL(商標)L64、TERGITOL(商標)NP-7、及びTERGITOL(商標)TMN-6を含む異なる界面活性剤の濃度の影響を示す。
CCB(ロット番号: PP040910F1)(1 ml/管)を1.5mlの微小遠心管に分注した。異なる濃度の界面活性剤を微小遠心管に添加した。次いで、各微小遠心管の内容物をボルテックスミキサーによって周囲温度で約10分間混合した。次いで、微小遠心管を、30℃及び40℃のそれぞれで約15分間インキュベートした。インキュベーション後、微小遠心管を、該インキュベーション温度で5分間、10,000×gで遠心分離した。
0.1%v/v〜0.4%v/vの範囲の量でTERGITOL(商標)L64を含む、40℃でインキュベートした微小遠心管をそれぞれ、実施例C1-C4と呼ぶことにした。0.2容量%及び0.5容量%のTERGITOL(商標)NP-7を含む、40℃でインキュベートした微小遠心管をそれぞれ、実施例C5-C6と呼ぶことにした。0.2容量%及び0.5容量%のTERGITOL(商標)TMN-6を含む、40℃でインキュベートした微小遠心管をそれぞれ、実施例C7-C8と呼ぶことにした。0.1%v/v〜0.4%v/vの範囲のTERGITOL(商標)L64を含む、30℃でインキュベートした微小遠心管をそれぞれ、実施例C9-C12と呼ぶことにした。0.2容量%及び0.5容量%のTERGITOL(商標)NP-7を含む、30℃でインキュベートした微小遠心管をそれぞれ、実施例C13-C14と呼ぶことにした。0.2容量%及び0.5容量%のTERGITOL(商標)TMN-6を含む、30℃でインキュベートした微小遠心管をそれぞれ、実施例C15-C16と呼ぶことにした。
2つの対照実験(すなわち、対照C1-C2)をそれぞれ、界面活性剤を添加しない点を除いて上記と同じ手順で30℃及び40℃で行った。以下の表2は、実施例C1-C16及び対照C1-C2の条件を示している。
遠心分離後の試料の観察により、対照C1-C2には、2つの層(水相底層及び乳化ファルネセン上層)が存在し、実施例C1-C16には、3つの層(水相底層、乳化ファルネセン中層、及び透明ファルネセン上層)が存在することが分かった。実施例C6及びC14における透明ファルネセン上層の量は、全ての試料の中で最も高いことが観察された。従って、実施例C6及びC14におけるTERGITOL(商標)NP-7が、僅か30℃の低い温度におけるサトウキビシロップ由来CCBからのファルネセンの放出に極めて有効であることが分かり、使用するTERGITOL(商標)NP-7の曇り点(20℃)と一致していた。実施例C8における透明ファルネセン上層の量は、実施例C6及びC14における透明ファルネセン上層の量とほぼ同じであった。しかしながら、実施例C16における透明ファルネセン上層の量は、実施例C8及びC6及びC14における透明ファルネセン上層の量よりも遥かに少なかった。従って、TERGITOL(商標)TMN-6が、30℃ではないが僅か40℃の低い温度におけるサトウキビシロップ由来CCBからのファルネセンの放出に極めて有効であることが分かり、TERGITOL(商標)TMN-6の曇り点(36℃)と一致していった。しかしながら、実施例C1-C4及びC9-C12における透明ファルネセン上層の量は、実施例C8及びC6及びC14における透明ファルネセン上層の量よりも遥かに少なかった。従って、TERGITOL(商標)L-64が、30℃及び40℃の両方にけるサトウキビシロップ由来CCBからのファルネセンの放出に有効でないことが分かり、TERGITOL(商標)L-64の曇り点(62℃)と一致していた。
Figure 2013534144
(実施例5- サトウキビシロップ由来CCBから放出されるファルネセンに対するインキュベーション温度及び異なる界面活性剤の影響)
この実施例は、サトウキビシロップ由来CCBから放出されるファルネセンの量に対する、30℃、40℃、50℃、及び60℃のインキュベーション温度、並びにTERGITOL(商標)L62、TERGITOL(商標)L64、及びTRITON(商標)X114を含む異なる界面活性剤の影響を示す。
CCB(ロット番号: PP041610F2)(1 ml/管)を1.5mlの微小遠心管に分注した。0.5%v/vの量でTERGITOL(商標)L62、TERGITOL(商標)L64、及びTRITON(商標)X114を含む異なる界面活性剤を微小遠心管に添加した。次いで、各微小遠心管の内容物をボルテックスミキサーによって周囲温度で約10分間混合した。次いで、微小遠心管を、30℃、40℃、50℃、及び60℃のそれぞれで約15分間インキュベートした。微小遠心管の試料(400μl)をlumisizer微小遠心分離セルに添加し、Lumisizerによって分析した。Lumisizer内の試料を、インキュベーション温度で22分間、4000rpm(2300×g)で遠心分離した。
30℃、40℃、50℃、及び60℃でインキュベートした、0.5%v/vのTERGITOL(商標)L62を含む試料をそれぞれ、実施例D1、D4、D7、及びD10と呼ぶことにした。30℃、40℃、50℃、及び60℃でインキュベートした、0.5%v/vのTERGITOL(商標)L64を含む試料をそれぞれ、実施例D2、D5、D8、及びD11と呼ぶことにした。30℃、40℃、50℃、及び60℃でインキュベートした、0.5%v/vのTRITON X114を含む試料をそれぞれ、実施例D3、D6、D9、及びD12と呼ぶことにした。4つの対照実験(対照D1-D4)を、界面活性剤を添加しない点を除いて上記と同じ手順で行った。表3は、実施例D1-D12及び対照D1-D4の条件を示す。
実施例D1-D12及び対照D1-D4の油放出率及び油回収率を決定した。表3及び表4は、実施例D1-D12及び対照D1-D4についての油放出率及び油回収率の結果を示す。
Figure 2013534144
Figure 2013534144
TRITON(商標)X114を含む試料(実施例D3)(30℃でインキュベート)の油放出率は、TRITON(商標)X114の曇り点(25℃)と一致する同じインキュベーション温度の試料(実施例D1-D3)の中で最も高かった。TERGITOL(商標)L62及びTERGITOL(商標)L64を含む試料の油放出率は、TERGITOL(商標)L62及びTERGITOL(商標)L64のそれぞれの曇り点32℃及び62℃に一致したインキュベーション温度で増加した。
(実施例6- 油回収率及び油放出率に対する異なる界面活性剤の影響)
この実施例は、50℃のインキュベーション温度における合成培地発酵ブロス由来CCBから放出されるファルネセンの量に対する、TERGITOL(商標)L62及びTRITON(商標)X114を含む異なる界面活性剤の影響を示す。
合成培地発酵ブロスから単離されたCCBを、1ml/管の量で1.5mlの微小遠心管に分注した。0.2%又は0.5%v/vの量のTRITON(商標)X114;及び0.2%v/vの量のTERGITOL(商標)L62を含む異なる界面活性剤を微小遠心管に添加した。次いで、各微小遠心管の内容物をボルテックスミキサーによって周囲温度で約10分間混合した。次いで、微小遠心管を、約50℃で約15分間インキュベートした。微小遠心管の試料(400μl)をlumisizer微小遠心分離セルに添加し、Lumisizerによって分析した。Lumisizer内の試料を、50℃で22分間、4000rpm(2300×g)で遠心分離した。
0.2%又は0.5%v/vのTRITON(商標)X114を含む試料をそれぞれ、実施例E1及びE2と呼ぶことにした。0.2%v/vのTERGITOL(商標)L62を含む試料を実施例E3と呼ぶことにした。
各試料の油放出率及び油回収率を決定した。表5及び表6は、実施例E1-E3についての油放出率及び油回収率の結果を示す。
Figure 2013534144
Figure 2013534144
(実施例7- パイロット規模でのプロセス)
この実施例は、パイロット規模におけるCCBからのファルネセンの放出の可能性を実証する。
全細胞ブロス(WCB)を発酵槽から直接得た。CCBを、実施例1で述べたように遠心分離液から収集した。
TRITON(商標)X114(0.2%v/v)をWCBに添加し、混合し、そして53℃まで加熱した。この混合物を、53℃で22分間、4000rpm(2300×g)で遠心分離した。
発酵合成培地(20L)から単離したCCB(2.5L)をTRITON(商標)X114(0.2%v/v)で処理し、混合し、そして約53℃で約15分間加熱した。この混合物を、53℃で22分間、4000rpm(2300×g)で遠心分離した。
ファルネセンの濃度を、ガスクロマトグラフィー-水素炎イオン化検出器(GC-FID)によって測定した。
表7は、それぞれ実施例F1、F2、F3、及びF4と呼ぶことにしたWCB、CCB、液液水相、及び粗ファルネセンから抽出されたファルネセンの平均濃度、工程量(step volume)、及びファルネセンの重量を示す。
受託製造業者(CMO)のプロセスは、次の通りであった:
各試験のpHは、5N NaOHで9.5に滴定した。NaCl(0.56M)を添加した。TERGITOL(商標)L81を添加し、周囲温度で1時間混合した。
表8は、条件、すなわちpH 9.5/0.65M NaCl/0.5% L81、並びに異なる抽出プロセス、すなわちCMOプロセス(実施例F5-F9)及び実施例F3により試料から得られた液液水相中のファルネセンの濃度を示す。実施例F5-F9の液液水相中のファルネセンの濃度は、25g/L〜67g/Lの範囲である。53℃の0.2% TRITON(商標)X114を含む実施例F3の液液水相中のファルネセンの濃度は、僅か5g/Lであり、これは、実施例F5-F9のファルネセンの濃度の多くとも5分の1である。このデータは、TRITON(商標)X114処理により、液液遠心分離ユニットの運転中のファルネセンの喪失が減少し得ることを示唆している。
Figure 2013534144
Figure 2013534144
(実施例8- 40℃及び50℃におけるサトウキビシロップ由来WCBから放出されるファルネセンに対する界面活性剤の濃度の影響)
この実施例は、40℃及び50℃のインキュベーション温度におけるサトウキビシロップ由来WCBから放出されるファルネセンの量に対する界面活性剤の濃度の影響を示し、かつサトウキビシロップ由来WCB及びCCBから放出されるファルネセンの量に対する界面活性剤の濃度の同様の影響を実証する。
固液遠心分離されていないWCBを、サトウキビシロップ培地を利用した300Lの発酵から収集したブロスを用いて評価した。
約0.01%v/v〜約0.2%v/vの範囲の様々な濃度のTRITON(商標)X114をWCBに添加し、次いで40℃及び50℃で約30分間、別々にインキュベートした。
40℃でインキュベートした、TRITON(商標)X114(0.01、0.03、0.07、0.1、及び0.2%v/v)を含むWCBをそれぞれ、実施例G1-G5と呼ぶことにし; 50℃でインキュベートした、TRITON(商標)X114(0.01、0.03、0.07、0.1、及び0.2%v/v)を含むWCBをそれぞれ、実施例G6-G10と呼ぶことにした。
対照実験(対照G1)を、界面活性剤を添加しない点を除いて上述の手順に従って行った。油放出率及び油回収率を、インキュベーション温度で22分間、Lumisizerによって4000rpm(2300×g)で遠心分離した。表9及び表10は、40℃及び50℃の異なる濃度のTRITON(商標)X114を有する試料の油放出率及び油回収率の結果を示す。
このデータは、同じ絶対量のTRITON(商標)X114をWCB又はCCBのいずれかに添加して同様の収率の改善特性を得ることができることを示唆している。
Figure 2013534144
Figure 2013534144
両方のインキュベーション温度におけるTRITON(商標)X114(0.07%v/v)を含む試料(実施例G3及び実施例G8のそれぞれ)の油回収率の増大が、対応する対照実験(対照G1及び対照G2のそれぞれ)の試料の油回収率と比較すると2倍以上であった。
このデータは、同じ絶対量のTRITON(商標)X114をWCB又はCCBのいずれかに添加して同様の収率の改善特性を得ることができることを示唆している。
(実施例9- 50℃及び60℃におけるサトウキビシロップ由来WCBから放出されるファルネセンに対する異なる界面活性剤、すなわちTRITON(商標)X114及びTERGITOL(商標)L62の影響)
この実施例は、50℃及び60℃のインキュベーション温度におけるサトウキビシロップ由来WCBから放出されるファルネセンの量に対する、TRITON(商標)X114及びTERGITOL(商標)L62を含む異なる界面活性剤の影響を示し、かつサトウキビシロップ由来WCB及びCCBから放出されるファルネセンの量に対する異なる界面活性剤の影響における差異を実証する。
WCB(1 ml/管)を1.5mlの微小遠心管に分注した。約0.01%〜約0.1%の範囲の量の異なる濃度のTRITON(商標)X114及びTERGITOL(商標)L62を微小遠心管に添加した。次いで、各微小遠心管の内容物をボルテックスミキサーによって周囲温度で約10分間混合した。次いで、微小遠心管を、50℃及び60℃で約15分間インキュベートした。インキュベーション後、微小遠心管を、インキュベーション温度で22分間、4000rpm(2300×g)で遠心分離した。
50℃でインキュベートした、TRITON(商標)X114(0.01、0.03、0.05、0.07、及び0.1%v/v)を含む微小遠心管を、実施例H1-H5と呼ぶことにした。50℃でインキュベートした、TERGITOL(商標)L62(0.01、0.03、0.05、0.07、及び0.1%v/v)を含む微小遠心管を、実施例H6-H10と呼ぶことにした。60℃でインキュベートした、TRITON(商標)X114(0.01、0.03、0.05、0.07、及び0.1%v/v)を含む微小遠心管を、実施例H11-H15と呼ぶことにした。60℃でインキュベートした、TERGITOL(商標)L62(0.01、0.03、0.05、0.07、及び0.1%v/v)を含む微小遠心管を、実施例H16-H20と呼ぶことにした。
対照実験(対照H1-H2)を、界面活性剤を添加しない点を除いて上述の手順に従って行った。各試料の油放出率及び油回収率を決定した。表11及び表12はそれぞれ、条件並びに試料の油放出率及び油回収率を示す。
対照H1-H2及びTERGITOL(商標)L62を含む試料(実施例H6-H9、H16-H20)の油回収率が、表11に示されているように負であることが分かり、低い油発生率(oil breakout rate)を示した。TRITON(商標)X114を含む試料(実施例H1-H4、H12-H15)の油回収率は、正であることが分かり、該油放出率が、概して、TRITON(商標)X114の濃度及びインキュベーション温度と共に増加した。
同じ絶対量のTRITON(商標)X114を含む試料とTERGITOL(商標)L62を含む試料との間の油回収率における相違は小さかった。このデータは、TRITON(商標)X114を含む試料の油回収率が、TERGITOL(商標)L62を含む試料の油回収率よりも高かったが、これが、必ずしも粗ファルネセンの遥かに高い回収率につながらなかったことを示唆している。これは、油放出率が所与の条件での遠心分離能力の指標であるという事実に起因し得る。このデータは、TRITON(商標)X114を含む試料が、大規模プロセスでの迅速な分離及び高スループットを可能にし得ることを示唆している。
実施例9は、WCBに適用されたときのTRITON(商標)X114とTERGITOL(商標)L62との間の大きな性能の差異を実証する。しかしながら、CCBに適用されたときのTRITON(商標)X114とTERGITOL(商標)L62との間の性能の差異はわずかである。
Figure 2013534144
Figure 2013534144
上記に基づいて、0.25%v/vのTRITON(商標)X-114並びに0.25%、0.5%、0.75%、及び1.0%v/vのTERGITOL(商標)L-62の影響を、極めて極性の高い精製スクロース発酵から得たCCBに対して試験し、続いて60℃に加熱し、遠心分離してエマルションの破壊を評価した。これらの条件下では、対照試料(界面活性剤を添加しない点を除いて同じ条件下で試験)を除く全てのエマルションの破壊が同様に良好であった。別の変形形態では、塩(5 g/L〜25 g/Lの範囲のNaCl)が、CCBから放出されるファルネセンの量をさらに改善できるか否かを確認するために、この塩を界面活性剤試料に添加した。しかしながら、該塩は、一般に、CCBから放出されるファルネセンの量に対してさらなる影響を与えないことが分かった。
2つの他の対照実験を行った。1つの対照実験では、試料のPIT(又は曇り点)よりも高い温度まで加熱しなかった点を除き、前のパラグラフに記載されているように界面活性剤を添加して処理した。もう1つの対照実験では、界面活性剤を添加しなかったが、試料を、PITよりも高い温度まで加熱した。両方の対照実験において、各試料は、ファルネセンの放出が殆ど又は全くなく、界面活性剤での処理も加熱もされなかった試料に実質的に類似していた。
(実施例10- 油放出率に対する異なる混合方法の影響)
この実施例の目的は、油放出率に対する異なる混合方法の影響を調べることによりインキュベーションに必要な時間の低減の可能性を検討することである。
CCBから放出されるファルネセンの量に対する混合又は電源投入の影響を、ULTRA-TURRAX(登録商標)分散機(IKA(登録商標), Staufen, Germanyから購入)、1100 rpm及び600 rpmでの撹拌子、ボルテックスミキサー、並びに回転ミキサーを含む様々な混合器具を利用して調べた。
まず、2つの異なるロットのCCBをTERGITOL(商標)L62で滴定して、CCBの質を決定した。CCBは、TERGITOL(商標)L62によって完全には解乳化しなかったが、CCBの約50%とかなりの程度まで解乳化した。この滴定は、実施例1の滴定手順に従って行った。この滴定の結果に基づいて、CCB(ロット番号: PP051410F1_draw1)を使用し、TERGITOL(商標)L62(0.1%)を各試料に添加した。全ての試料を、TERGITOL(商標)L62の添加後に、周囲温度で10秒間、最大速度でボルテックスミキサーにより混合した。次いで、試料を、以下の方法及び条件で、周囲温度で一定時間混合した。
ボルテックスミキサー(実施例I3と呼ぶことにする):15mlの円錐底遠心管の中のCCB(5ml)を、試料を取り出す度に直前に混合した。
回転ミキサー(実施例I4と呼ぶことにする):15mlの円錐底遠心管に入ったCCB(5ml)を、混合のための遠心管回転器に入れた。
撹拌子(実施例I1及びI2と呼ぶことにする):CCB(10ml)を25mlのシンチレーションバイアルに入れ、1100rpm及び600rpmのそれぞれで撹拌子により撹拌した。
ULTRA-TURRAX(登録商標)分散機(実施例I5と呼ぶことにする):CCB(20ml)を50mlの遠心管に入れ、15000rpmで連続的に混合した。この遠心管を、混合プロセスで生じた熱を除去するために水槽に入れた。CCBの温度を周囲温度に維持するために混合プロセスの間、。試料の温度を監視した。
試料を遠心管又はバイアルから取り出して、約50℃の油槽で15分間インキュベートした。
約50℃でのインキュベーション後、遠心管の試料(400μ/l)をlumisizer微小遠心分離セルに添加し、Lumisizerにより分析した。Lumisizer内の試料を、約50℃で22分間、4000rpm(2300×g)で遠心分離した。
試料の油放出率を決定し、異なる混合方法による保持/混合時間に対する油放出率のプロットを図5に示す。
図5の参照により、実施例I5が、開始から僅か10分で安定した高い油放出率を有することが分かった。図15のデータは、混合方法が、油放出率、従って遠心分離能力に対して著しい影響を有し得ることを示している。
(実施例11- ULTRA-TURRAX(登録商標)分散機で混合した試料の油放出率に対する混合時間の影響)
実施例11は、油放出率によって示される良好な混合を達成するための、ULTRA-TURRAX(登録商標)分散機による試料混合の最小時間についての研究を実証する。
実施例J1を調製する手順は以下の通りとした:
CCB(ロット番号: PP042310F1_draw3)(20 ml)を50mlの遠心管に添加し、TERGITOL(商標)L62(0.1 % v/v)を、周囲温度でこの遠心管に添加した。この混合物を、ULTRA-TURRAX(登録商標)分散機により15分間、15000rpmで連続的に混合した。この遠心管を、混合プロセスで生じた熱を除去するために水槽に入れた。CCBの温度を周囲温度に維持するために混合プロセスの間、試料の温度を監視した。CCBを遠心管から取り出して、約50℃の油槽で15分間インキュベートした。
2つの対照実験(対照J1-J2)を行った。第1の対照実験(対照J1)は、上述の手順に従って行ったが、遠心管の内容物は、TERGITOL(商標)L62の添加後に5秒間最大速度でボルテックスミキサーにより混合しただけで、ULTRA-TURRAX(登録商標)分散機による混合はしなかった。第2の対照実験(対照J2)は、上述の手順に従って行ったが、TERGITOL(商標)L62は添加せず、ULTRA-TURRAX(登録商標)分散機による混合はしなかった。
異なる時間間隔で、遠心管の試料(400μ
l)をlumisizer微小遠心分離セルに添加し、Lumisizerにより分析した。Lumisizer内の試料を、約50℃で22分間、4000rpm(2300×g)で遠心分離した。
試料の油放出率を決定し、ULTRA-TURRAX(登録商標)分散機による混合時間に対する油放出率のプロットを図6に示す。
このデータは、最初の10分間における実施例J1の油放出率が、対照J1から得た油放出率と比較して著しく増加していることを示唆している。
(実施例12- 油回収率及び油放出率に対する異なる混合方法及びTERGITOL(商標)L62の濃度の影響)
この実施例は、油回収率及び油放出率に対する異なる混合方法及びTERGITOL(商標)L62の濃度の影響を示す。
実施例12は、「低混合」及び「高混合」の条件下で最適なファルネセン放出を得るために必要なTERGITOL(商標)L62の量を評価した。異なる濃度のTERGITOL(商標)L62を有する試料の解乳化の有効性を、2つの混合器具、すなわち撹拌子及びULTRA-TURRAX(登録商標)分散機を用いて調べた。実施例12の手順は以下の通りとした:
撹拌子(実施例K1と呼ぶことにする):CCB(ロット番号: PP052110F2_draw1)(2 ml/バイアル)を4mlのシンチレーションバイアルに分注した。次いで、0〜0.5%v/vの範囲の異なる量のTERGITOL(商標)L62をバイアルに添加した。TERGITOL(商標)L62の添加後、各試料を、周囲温度で5秒間、最大速度でボルテックスミキサーにより混合した。次いで、各バイアルの内容物を、周囲温度で15分間、最大速度でボルテックスミキサーにより周期的に混合した。
ULTRA-TURRAX(登録商標)分散機(実施例K2と呼ぶことにする):CCB(ロット番号: PP052110F2_draw1)(2 ml/管)を、それぞれの15mlの円錐底遠心管に分注した。次いで、0〜0.5%v/vの範囲の異なる量のTERGITOL(商標)L62を遠心管に添加した。TERGITOL(商標)L62の添加後、各試料を、周囲温度で5秒間、最大速度でボルテックスミキサーにより混合した。次いで、各遠心管の内容物を、周囲温度で15分間、15000rpmでULTRA-TURRAX(登録商標)分散機により混合した。遠心管を、混合プロセスで生じた熱を除去するために水槽に入れた。
CCBをバイアル及び遠心管から取り出して、約60℃で15分間、油槽でインキュベートした。
遠心管の試料(400μ/l)をlumisizer微小遠心分離セルに添加し、Lumisizerにより分析した。Lumisizer内の試料を、約60℃で22分間、4000rpm(2300×g)で遠心分離した。
各試料の油回収率及び油放出率を決定し、TERGITOL(商標)L62の濃度に対する油回収率及び油放出率のプロットをそれぞれ、図7及び図8に示す。
図7を参照すると、実施例K1の油回収率は、TERGITOL(商標)L62の濃度と共に急激に上昇した。他方、実施例K2は、油回収率の応答がより緩やかであった。より重要なことに、実施例K1の油回収率は、TERGITOL(商標)L62の濃度が0.1%v/v未満、例えば0.02%v/v及び0.05%v/vのときに実施例K2の油回収率よりも著しく高かった。
他方、ULTRA-TURRAX(登録商標)分散機を混合に使用したときに最大の油回収率を達成するTERGITOL(商標)L62の臨界濃度範囲が存在するはずである。図8に示されているプロットは、TERGITOL(商標)L62の臨界濃度範囲が0.1〜0.2%v/vであったことを示している。これは、望ましい油回収率及び油放出率を達成するためには、TERGITOL(商標)L62の濃度を最適にする必要があり得ることを示唆している。
(実施例13- 界面活性剤の添加後のタンパク質の置換)
この実施例のデータは、タンパク質が、ファルネセンエマルション中に存在する主な生物乳化剤であることを示している。タンパク質は、TERGITOL(商標)L62の添加後に置換され得、これは、生物エマルションの化学エマルションへの変換と一致している。
ビシンコニン酸タンパク質アッセイ(BCA)(ウシ血清アルブミン(BSA)標準曲線)による試料の水相タンパク質含有量が、TERGITOL(商標)L62の添加前は0.95g/Lであり、TERGITOL(商標)L62の添加後は1.84g/Lであることが分かった。
他のデータ(不図示)は、プロテアーゼ処理により、エマルションのサイズが小さくなることを実証し、タンパク質がファルネセンエマルションを安定させるという仮説をさらに支持した。
(実施例14- サトウキビシロップCCBからの先行技術の液分離プロセスと新規な液分離プロセスとの間のプロセス収率の比較)
サトウキビシロップCCBからの3つの先行技術の液分離プロセスのプロセス収率及び本発明の液分離プロセスの実施態様のプロセス収率をそれぞれ、図13及び図14に示す。
Figure 2013534144
Figure 2013534144
(実施例15- 大規模ファルネセン分離プロセス)
連続的なディスク積層ノズル遠心分離機(Alfa Laval DX203 B-34)を使用して、発酵ブロスから細胞を分離した。固液遠心分離機に、発酵槽から直接送るか、或いは発酵ブロス又は回収発酵ブロスを、回収タンク又は保持タンクに移した。遠心分離機に送るために使用されるタンクを混合し、温度を約30℃〜35℃に制御した。バッチプロセスにおいて、細胞及び1種以上の液体を含む体積流量の約85%が、遠心分離機のノズルから排出され、体積流量の約15%が、CCBとして収集される。熱交換器/遠心分離機の供給流量は、約14,000L/時間であった。このプロセスにより、3相分離工程で分離しなければならない体積が実質的に減少した。この段階のファルネセンは、透明な製品として、又は水と細胞の乳化状態で提示された。
回収細胞ブロスを、固液遠心分離機にかける前に約4℃〜約8℃で約24〜28時間、回収タンクに保持した。回収物を、固液遠心分離機にかける前に約30℃に温めた。
固液遠心分離製品、すなわちCCBを、次の工程の前に約4℃〜約8℃で72時間保存した。CCBを、次の工程の前に周囲温度まで温めた。
ファルネセン製品と化学的又は物理的に適合するように、移送/供給ライン及びタンクのシールを選択した。例えば、VITON(登録商標)ライン及びシールを選択したが、EPDMライン及びシールは選択しなかった。
液液分離の前に、CCBを処理して乳化のレベルを下げた。この処理は、2つの工程:(a) TRITON(商標)X114(0.25%v/v)のCCBへの添加、及び(b) CCBとTRITON(商標)X114の混合物のインライン加熱によって行った。TRITON(商標)X114のCCBへの添加後、この混合物を、次の工程の前に周囲温度(最大約30℃)で約1.5〜2時間混合した。この混合物を、液液分離の前に約4℃〜8℃で最大約3日間保存し、製品の回収率に悪影響を与えないようにした。
連続3相ディスク積層遠心分離機を使用して、透明なファルネセン相を重い水相及び固体から分離した。この3相遠心分離機に送る前に、CCBとTRITON(商標)X114の混合物を、インラインで該混合物を加熱することによって解乳化した。この混合物を、熱交換器に送り、そこで該混合物を約30秒間、約60℃に加熱した。熱交換器を通過したら、製品を、2,000〜4,000L/時間の供給流量で遠心分離機に送った。軽い相及び重い相が、それぞれの出口からボウルに排出された。固体は、ボウル内に徐々に蓄積され、分離の効率を維持するために定期的に廃棄した。
粗ファルネセン相中の残存固体を、固液遠心分離又はろ過のいずれかを用いて最終工程として除去した。仕上げ精製工程の後、保存及び輸送のために、酸化防止剤(100ppm w/w)(例えば、tert-ブチルカテコール)を粗ファルネセンに添加して製品を安定させた。このプロセスによる粗ファルネセンの収率は、GC-FID分析を用いたファルネセンの含量の測定によると約70〜90%であった。粗ファルネセンの純度は、約95%であった。
上記の実施例は、請求する実施態様の作成及び使用方法の完全な開示及び説明を当業者に示すために記載したものであり、本明細書に開示されるものの範囲を限定することを意図するものではない。当業者に周知の改良形態は、添付の特許請求の範囲内であるものとする。本明細書で言及した全ての刊行物、特許、及び特許出願は、このような各刊行物、特許、又は特許出願が具体的かつ個別に示されて引用により本明細書中に組み込まれるのと同程度に、引用により本明細書中に組み込まれるものとする。

Claims (36)

  1. (a)界面活性剤、宿主細胞、水性媒体、及び該宿主細胞によって産生された生物有機化合物を含む組成物を提供する工程であって、該水性媒体中の該界面活性剤の溶解度が、温度上昇と共に低下し、該組成物の温度が、該組成物の相反転温度よりも少なくとも約1℃低い、工程;
    (b)該組成物の温度を、該相反転温度よりも少なくとも約1℃高い温度まで上昇させる工程;及び
    (c)該組成物の液液分離を行って粗生物有機組成物を提供する工程を含む、方法。
  2. 前記工程(b)の前に前記組成物の量を減少させる工程であって、前記生物有機化合物の実質的に全てが該組成物中に残留する、工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
  3. 前記組成物の量を、約75%以上減少させる、請求項2記載の方法。
  4. 前記界面活性剤が非イオン性界面活性剤を含む、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
  5. 前記非イオン性界面活性剤が、ポリエーテルポリオール、ポリオキシエチレンC8-20-アルキルエーテル、ポリオキシエチレンC8-20-アルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンC8-20-アルキルアミン、ポリオキシエチレンC8-20-アルケニルエーテル、ポリオキシエチレンC8-20-アルケニルアミン、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、又はこれらの組み合わせ;或いはポリエーテルポリオール、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンデデシルフェニルエーテル(polyoxyethylene dedecyl phenyl ether)、又はこれらの組み合わせである、請求項4記載の方法。
  6. 前記工程(a)における前記温度が、前記相反転温度よりも少なくとも約5℃又は少なくとも約10℃低い、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
  7. 前記工程(b)における前記温度を、前記相反転温度よりも少なくとも約5℃、少なくとも約10℃、又は少なくとも約15℃高い温度まで上昇させる、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
  8. 前記生物有機化合物が、炭化水素、又はイソプレノイド、又はファルネセンである、請求項1〜7のいずれか1項記載の方法。
  9. 前記ファルネセンが、α-ファルネセン、β-ファルネセン、又はこれらの組み合わせである、請求項8記載の方法。
  10. 前記宿主細胞が、細菌、真菌、藻、又はこれらの組み合わせである、請求項1〜9のいずれか1項記載の方法。
  11. 前記宿主細胞が、エシェリキア属、バシラス属、ラクトバシラス属、クリベロミセス属、ピチア属、サッカロミセス属、ヤロウイア属、サッカロミセス・セレビシエ、クロレラ・ミヌティッシマ、クロレラ・エマゾーニ、クロレラ・ソロキニアナ、クロレラ・エリプソイデア、クロレラ属の種、クロレラ・プロトセコイデス、及びこれらの組み合わせから選択される、請求項1〜9のいずれか1項記載の方法。
  12. 前記粗生物有機組成物を精製して精製生物有機組成物を得る工程をさらに含む、請求項1〜11のいずれか1項記載の方法。
  13. 前記粗生物有機組成物の精製が、フラッシュ蒸留によるものである、請求項12記載の方法。
  14. 前記精製生物有機組成物を酸化防止剤又はフェノール系酸化防止剤で処理する工程をさらに含む、請求項12記載の方法。
  15. 界面活性剤、宿主細胞、水性媒体、及び該宿主細胞によって産生された生物有機化合物を含む組成物であって、該水性媒体中の該界面活性剤の溶解度が、温度上昇と共に低下し、該組成物の温度が、該組成物の相反転温度よりも少なくとも約1℃高い、前記組成物。
  16. 前記界面活性剤が非イオン性界面活性剤を含む、請求項15記載の組成物。
  17. 前記非イオン性界面活性剤が、ポリエーテルポリオール、ポリオキシエチレンC8-20-アルキルエーテル、ポリオキシエチレンC8-20-アルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンC8-20-アルキルアミン、ポリオキシエチレンC8-20-アルケニルエーテル、ポリオキシエチレンC8-20-アルケニルアミン、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、又はこれらの組み合わせ;或いはポリエーテルポリオール、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンデデシルフェニルエーテル、又はこれらの組み合わせである、請求項16記載の組成物。
  18. 前記組成物の温度が、前記相反転温度よりも少なくとも約5℃、少なくとも約10℃、又は少なくとも約15℃高い、請求項15〜17のいずれか1項記載の組成物。
  19. 前記生物有機化合物が、炭化水素、又はイソプレノイド、又はファルネセンである、請求項15〜18のいずれか1項記載の組成物。
  20. 前記ファルネセンが、α-ファルネセン、β-ファルネセン、又はこれらの組み合わせである、請求項19記載の組成物。
  21. 前記宿主細胞が、細菌、真菌、藻、又はこれらの組み合わせである、請求項15〜20のいずれか1項記載の組成物。
  22. 前記宿主細胞が、エシェリキア属、バシラス属、ラクトバシラス属、クリベロミセス属、ピチア属、サッカロミセス属、ヤロウイア属、サッカロミセス・セレビシエ、クロレラ・ミヌティッシマ、クロレラ・エマゾーニ、クロレラ・ソロキニアナ、クロレラ・エリプソイデア、クロレラ属の種、クロレラ・プロトセコイデス、及びこれらの組み合わせから選択される、請求項15〜20のいずれか1項記載の組成物。
  23. 前記組成物がエマルションである、請求項15〜22のいずれか1項記載の組成物。
  24. (a)界面活性剤、宿主細胞、水性媒体、及び該宿主細胞によって産生された生物有機化合物を含む水中油型エマルションを提供する工程であって、該水性媒体中の該界面活性剤の溶解度が、温度上昇と共に低下する、工程;
    (b)該水中油型エマルションを油中水型エマルションに変換する工程;及び
    (c)該油中水型エマルションの液液分離を行って粗生物有機組成物を提供する工程を含む、方法。
  25. 前記工程(b)の前に前記水中油型エマルションの量を減少させる工程であって、前記生物有機化合物の実質的に全てが該組成物中に残留する、工程をさらに含む、請求項24記載の方法。
  26. 前記水中油型エマルションの量を、約75%以上減少させる、請求項25記載の方法。
  27. 前記界面活性剤が非イオン性界面活性剤を含む、請求項24〜26のいずれか1項記載の方法。
  28. 前記非イオン性界面活性剤が、ポリエーテルポリオール、ポリオキシエチレンC8-20-アルキルエーテル、ポリオキシエチレンC8-20-アルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンC8-20-アルキルアミン、ポリオキシエチレンC8-20-アルケニルエーテル、ポリオキシエチレンC8-20-アルケニルアミン、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、又はこれらの組み合わせ;或いはポリエーテルポリオール、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンデデシルフェニルエーテル、又はこれらの組み合わせである、請求項27記載の方法。
  29. 前記生物有機化合物が、炭化水素、又はイソプレノイド、又はファルネセンである、請求項24〜28のいずれか1項記載の方法。
  30. 前記ファルネセンが、α-ファルネセン、β-ファルネセン、又はこれらの組み合わせである、請求項29記載の方法。
  31. 前記宿主細胞が、細菌、真菌、藻、又はこれらの組み合わせである、請求項24〜30のいずれか1項記載の方法。
  32. 前記宿主細胞が、エシェリキア属、バシラス属、ラクトバシラス属、クリベロミセス属、ピチア属、サッカロミセス属、ヤロウイア属、サッカロミセス・セレビシエ、クロレラ・ミヌティッシマ、クロレラ・エマゾーニ、クロレラ・ソロキニアナ、クロレラ・エリプソイデア、クロレラ属の種、クロレラ・プロトセコイデス、及びこれらの組み合わせから選択される、請求項24〜30のいずれか1項記載の方法。
  33. 前記粗生物有機組成物を精製して精製生物有機組成物を得る工程をさらに含む、請求項24〜32のいずれか1項記載の方法。
  34. 前記粗生物有機組成物の精製が、フラッシュ蒸留によるものである、請求項33記載の方法。
  35. 前記精製生物有機組成物を酸化防止剤又はフェノール系酸化防止剤で処理する工程をさらに含む、請求項34記載の方法。
  36. 前記工程(a)における前記組成物が、水中油型エマルションであり、前記工程(b)及び(c)における前記組成物が、油中水型エマルションである、請求項1〜14のいずれか1項記載の方法。
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