JP2013533460A - 平面物体のレベリングのための力曲線分析方法 - Google Patents

平面物体のレベリングのための力曲線分析方法 Download PDF

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Abstract

アレイと基板との間の距離を変化させるためにアレイまたは基板のうちの一方を動かすように構成されたアクチュエータと、アレイと表面との間の力を測定するように構成された一つまたは複数の力センサと、距離または時間に関する力の力曲線パラメータを計算するように構成された装置とを備える、ミクロスコピックなペンから構成されるアレイを基板表面に対してレベリングするか、または、これらの間の相対傾斜を測定するための機器を提供する。本機器は、力曲線パラメータに基づいてアレイと基板表面との間の相対傾斜を変化させることによってアレイを前記表面に対してレベリングするか、または、該力曲線パラメータに基づいて該相対傾斜を測定するように構成されている。さらに、方法およびソフトウェアも提供される。

Description

関連出願の相互参照
本願は、2010年4月27日に提出された米国特許仮出願第61/328,557号の優先権を主張するものであり、その全体は、参照により本明細書に組み入れられるものである。
背景
マイクロスケールの先端およびナノスケールの先端は、高分解能のパターニング、イメージング、およびデータストレージに対して使用することができる。パターニングまたは印刷の際、インク化合物またはパターニング化合物を、先端から基板表面などの表面に移動させることができる。例えば、先端は、カンチレバーまたはより大きな支持構造体の一端に取り付けられた原子間力顕微鏡(AFM)の先端であってもよい。ディップペンナノリソグラフィー(DPN)パターニングは、ナノ材料をパターニングするための前途有望な技術であり、該技術は、AFM先端およびカンチレバーの使用を含む様々な態様を用いて実施することができる。DPNパターニングの別の態様では、弾性の先端を使用する、カンチレバーを用いないリソグラフィー手法(場合によっては、ポリマーペンリソグラフィー(PPL)と呼ばれる)を取り入れることができるアレイベースのパターニングを実施することができる。
これらの直接書き込みナノリソグラフィー手法は、高い位置合わせ精度、スループット、多重化、汎用性、およびより低いコストなど、競合するナノリソグラフィーが提供することのできない利益を提供することができる。様々な手法が、例えば、Mirkinらの国際公開公報第00/41213号(特許文献1)、国際公開公報第01/91855号(特許文献2)、米国特許出願公開第2009/0325816号(特許文献3)、Small, 2005, 10940-945(非特許文献1)、Small, 200901538(非特許文献2)に記載されており、さらに、米国特許第7,005,378号(特許文献4)、米国特許第7,034,854号(特許文献5)、米国特許第7,060,977号(特許文献6)、米国特許第7,098,056号(特許文献7)、および米国特許第7,102,656号(特許文献8)、ならびにNano Inkに対する米国特許出願公開第2009/0205091号(特許文献9)も参照のこと。
多くの用途で、上記の先端から構成される1Dまたは2Dのアレイが、使用されている。先端のアレイが、幾何学的により複雑なり、より多くの先端を伴ってより大きくなるにしたがって、アレイのレベリングが、より難しくなる。アレイが、基板表面に対して水平でない場合、一つの先端が、別の先端が表面に接触する前に、表面に接触する可能性、または、他の先端が表面にまったく接触しない可能性がある。さらに、いつ先端が表面に接触したのかを知ることが、難しい場合がある。多くの場合、書き込みを行っているときには、先端の大部分またはすべてが表面に接触していることが望ましく、また、書き込みを行っていないときには、先端の大部分またはすべてが表面から離れていることが望ましい。
アレイの二次元空間プロファイルを一旦確定した時点で、先端またはカンチレバーの先端から構成される2Dアレイに関して高度の平面性が得られていることが望ましい。もしそうでなければ、リソグラフィーの間に、カンチレバーおよび先端が損傷する可能性があるか、または、書き込みが満足に行われない場合がある。
レベリングのための従来の方法の例が、Liaoらの「Force-Feedback Leveling of Massively Parallel Arrays in Polymer Pen Lithography」(Nano Lett.,2010,10(4),1335-1340)(非特許文献3)に記載されている。
国際公開公報第00/41213号 国際公開公報第01/91855号 米国特許出願公開第2009/0325816号 米国特許第7,005,378号 米国特許第7,034,854号 米国特許第7,060,977号 米国特許第7,098,056号 米国特許第7,102,656号 米国特許出願公開第2009/0205091号
Small, 2005, 10940-945 Small, 200901538 Liaoら、「Force-Feedback Leveling of Massively Parallel Arrays in Polymer Pen Lithography」(Nano Lett.,2010,10(4),1335-1340)
概要
本明細書に記載されている態様は、例えば、装置、器具、およびシステムと、装置、器具、およびシステムを構成する方法と、装置、器具、およびシステムを使用する方法とを含む。さらに、コンピュータ可読媒体、ハードウェア、およびソフトウェアも提供される。さらに、キットも提供される。キットは、器具、装置、およびシステムを使用するための説明書(instruction material)を含む場合がある。
本明細書に開示されている態様は、例えば、装置に関する。
一態様は、例えば、ミクロスコピックなペンから構成されるアレイを基板表面に対してレベリングするように構成された機器であって、これらの間の第1の相対距離または相対傾斜のうちの少なくとも一方を継時的に変化させるためにアレイまたは基板表面のうちの一方を動かすように構成されたアクチュエータと、アレイと基板表面との間の力を測定するように構成された一つまたは複数の力センサと、第1の距離または時間に関する力または第2の距離のうちの一方の導関数を計算するように構成された装置とを備え、該導関数に基づいてアレイと基板表面との間の相対傾斜を変化させることによって基板表面に対してアレイをレベリングすること、または、該導関数に基づいて該相対傾斜を測定することのうちの少なくとも一方を実行するように構成されている、前記機器を提供する。
別の態様は、第1の物体と第2の物体との間の第1の相対距離および相対傾斜のうちの少なくとも一方を継時的に変化させる段階、第1の相対距離または時間に関する、第1の物体と第2の物体との間の力または第2の相対距離の導関数を得る段階、ならびに、該導関数に基づいて、第1の物体と第2の物体との間の相対傾斜を調節するか、または、相対傾斜を測定する段階を含む方法を提供する。
別の態様は、例えば、命令を内に記憶している非一時的なコンピュータ可読媒体であって、該命令が、継時的に第1の物体と第2の物体との間の複数の第1の距離を得ること、第1の距離または時間に関する第1の物体と第2の物体との間の力または第2の距離の導関数を得ること、および、該導関数に基づいて、第1の物体と第2の物体との間の相対傾斜を制御するか、または、該相対傾斜を得ることを含む、前記非一時的なコンピュータ可読媒体を提供する。
別の態様は、インクが塗布された先端から構成される少なくとも一つのアレイを提供する段階、少なくとも一つの基板を提供する段階、インクが先端から基板に移動するように先端または基板のうちの少なくとも一方を動かす段階を含む方法を提供し、該動かす段階は、導関数の計算を含む力-距離測定を用いてアレイおよび基板をレベリングすることを含む。
別の態様は、基板表面を提供する段階、ペンから構成される少なくとも一つのアレイを提供する段階、これらの間の距離を継時的に変化させるためにアレイおよび/または基板表面のうちの一方を動かすように構成されたアクチュエータを提供する段階、アレイと基板表面との間の力を測定するように構成された力センサを提供する段階、ならびに、上記距離または時間に関する力の導関数を計算するように構成された装置を提供する段階、これらの間の距離を継時的に変化させるためにアレイまたは基板表面のうちの少なくとも一方を動かす段階、アレイと基板表面との間の力を測定する段階、上記距離または時間に関する力の導関数を計算する段階、ならびに、(1)該導関数に基づいてアレイと基板表面との間の相対傾斜を変化させることによって、基板表面に対してアレイをレベリングすること、または、(2)該導関数に基づいて相対傾斜を測定することのうちの少なくとも一方を実行する段階を含む方法を提供する。
別の態様は、例えば、第1の物体と第2の物体との間の力-距離関係を予測する段階、該力-距離関係に基づいて第1の物体と第2の物体との間の距離を変化させる段階、ならびに、該距離に関する力の導関数を得る段階、ならびに、該導関数に基づいて、第1の物体および第2の物体をレベリングするか、または、第1の物体と第2の物体との間の相対傾斜を測定する段階を含む方法を提供する。
別の態様は、例えば、2つの物体間の力-距離、距離-距離、距離-時間、または力-時間の関係から導関数を連続的に得る段階、および、リアルタイムの該導関数に基づいて、2つの物体間の相対傾斜を連続的に調節する段階を含む、自動の適応性のあるレベリング方法を提供する。
別の態様は、例えば、ミクロスコピックなペンから構成されるアレイを基板表面に対してレベリングするように構成された機器であって、これらの間の第1の相対距離または相対傾斜のうちの少なくとも一方を継時的に変化させるためにアレイまたは基板表面のうちの一方を動かすように構成されたアクチュエータと、アレイと基板表面との間の力を測定するように構成された一つまたは複数の力センサと、第1の距離または時間に関する力または第2の距離のうちの一方の曲線の力曲線パラメータを計算するように構成された装置とを備え、該力曲線パラメータに基づいてアレイと基板表面との間の相対傾斜を変化させることによって基板表面に対してアレイをレベリングすること、または、該力曲線パラメータに基づいて相対傾斜を測定することのうちの少なくとも一方を実行するように構成されている機器を提供する。
別の態様は、例えば、第1の物体と第2の物体との間の第1の相対距離および相対傾斜のうちの少なくとも一方を継時的に変化させる段階、第1の相対距離または時間に関する、第1の物体と第2の物体との間の力または第2の相対距離のうちの一方の曲線の力曲線パラメータを得る段階、ならびに、該力曲線パラメータに基づいて、第1の物体と第2の物体との間の相対傾斜を調節するか、または、該相対傾斜を測定する段階を含む方法を提供する。
別の態様は、例えば、命令を内に記憶している非一時的なコンピュータ可読媒体であって、該命令が、継時的に第1の物体と第2の物体との間の複数の第1の距離を得ること、第1の距離または時間に関する第1の物体と第2の物体との間の力または第2の距離のうちの一方の曲線の力曲線パラメータを得ること、および、該力曲線パラメータに基づいて、第1の物体と第2の物体との間の相対傾斜を制御するか、または、該相対傾斜を得ることを含む、前記非一時的なコンピュータ可読媒体を提供する。
別の態様は、例えば、インクが塗布された先端から構成される少なくとも一つのアレイを提供する段階、少なくとも一つの基板を提供する段階、インクが先端から基板に移動するように、先端または基板のうちの少なくとも一方を動かす段階を含む方法を提供し、該動かす段階は、力曲線の力曲線パラメータの計算を含む力-距離測定を用いてアレイおよび基板をレベリングすることを含む。
別の態様は、例えば、基板表面を提供する段階、ペンから構成される少なくとも一つのアレイを提供する段階、これらの間の距離を継時的に変化させるためにアレイおよび/または基板表面のうちの一方を動かすように構成されたアクチュエータを提供する段階、アレイと基板表面との間の力を測定するように構成された力センサを提供する段階、ならびに、上記距離または時間に関する力の曲線の力曲線パラメータを計算するように構成された装置を提供する段階、これらの間の距離を継時的に変化させるためにアレイまたは基板表面のうちの少なくとも一方を動かす段階、アレイと基板表面との間の力を測定する段階、上記距離または時間に関する力の力曲線パラメータを計算する段階、ならびに、(1)該力曲線パラメータに基づいてアレイと基板表面との間の相対傾斜を変化させることによって、基板表面に対してアレイをレベリングすること、または、(2)該力曲線パラメータに基づいて相対傾斜を測定することのうちの少なくとも一方を実行する段階を含む方法を提供する。
別の態様は、例えば、第1の物体と第2の物体との間の力-距離関係を予測する段階、該力-距離関係に基づいて第1の物体と第2の物体との間の距離を変化させる段階、ならびに、該距離に関する力の曲線の力曲線パラメータを得る段階、ならびに、該力曲線パラメータに基づいて、第1の物体および第2の物体をレベリングするか、または、第1の物体と第2の物体との間の相対傾斜を測定する段階を含む方法を提供する。
別の態様は、例えば、2つの物体間の関係に関する力-距離曲線、距離-距離曲線、距離-時間曲線、または力-時間曲線から力曲線パラメータを連続的に得る段階、および、リアルタイムの該力曲線パラメータに基づいて、2つの物体間の相対傾斜を連続的に調節する段階を含む、自動の適応性のあるレベリング方法を提供する。
少なくとも一つ態様に関する少なくとも一つの利点には、より良好なレベリング、パターニング、および/またはイメージングが含まれる。レベリング、パターニング、および/またはイメージングは、例えば、より高速であり、より高い再現性を有することができる。
レベリング、または表面平面性の測定のためのシステムの側面図である。 レベリング、または表面平面性の測定のためのシステムの斜視図である。 初期の接触点、および、スタンドオフ上での6μmの偏位接地後における完全に平面的な2D nano PrintArray(NanoInkによる2D nPA(登録商標))を示している概略図である。この態様では、移動の自由(freedom of travel:F.O.T.)は、6μmであった。 2D nPAが角度公差の限界に近づいているシナリオの概略図である。 2D nPAが角度公差の限界に近づいているシナリオの概略図である。 アレイチップおよび基板に関する平面性、およびそれを規定するために使用されるパラメータを示している概略図である。 自動レベリングプロセスに関するフローチャートである。 適応レベリングを含むプロセスに関するフローチャートである。 導関数を得る基本原理を示している。 様々な力曲線およびその導関数を示している。 様々な力曲線およびその導関数を示している。 図4Aおよび4Bは、基板と相互作用する2D nPAの初期平面性(Tx、Ty調節されない)に関する力-距離曲線を示している。 図5Aおよび5Bは、弾性重合体の先端(EPT)アレイ(透明ガラスのバッキング基板に製造された)に関する力-距離曲線を示している。 図6A〜6Cは、様々なTx位置において収集された、2D nPAに関する力曲線の集計を示している。 図7A〜7Cは、様々なTx位置において収集された、EPTアレイに関する力曲線の集計を示している。 図8A〜8Cは、剛性物体に対するOHausスケールの力-距離曲線の測定を示している。スケール自体は線形的に挙動し、したがって、その後のいかなるシステム測定も損なわれないことが検証されている。 力曲線分析を用いた自動レベリングプロセスに関するフローチャートである。 力曲線分析を用いた適応レベリングを含むプロセスに関するフローチャートである。 ボールスペーサ機器で使用することができるロードセルシャーシの態様の上面斜視図を示している。 図10Aに描かれているロードセルシャーシの態様に含めることができるロードセルデジタイザの上面斜視図を示している。 図10Aに描かれているロードセルシャーシの態様に配置されたロードセルデジタイザの分解底面斜視図を示している。 図10Aに描かれているロードセルシャーシの態様の取り付け部の上面斜視図を示している。 図10Aに描かれているロードセルシャーシの態様の分解上面斜視図を示している。 アレイが段階的な方法で動かされる場合に、粗い湾曲線に関して様々なTy位置において収集された、48先端1Dアレイに関する力曲線の集計の三軸グラフを示している。 アレイが段階的な方法で動かされる場合に、より細かい湾曲線に関して様々なTy位置において収集された、48先端1Dアレイに関する力曲線の集計の三軸グラフを示している。 アレイが連続的な方法で動かされる場合に、粗い湾曲線に関して様々なTy位置において収集された、48先端1Dアレイに関する力曲線の集計の三軸グラフを示している。 アレイが連続的な方法で動かされる場合に、より細かい湾曲線に関して様々なTy位置において収集された、48先端1Dアレイに関する力曲線の集計の三軸グラフを示している。 様々なTy位置において収集された、48先端1Dアレイに関する力曲線の集計の三軸グラフを示しており、「両翼」を示している。 データを拒絶するための限界傾斜角度を決定するための荷重対変位を示している。 力積分に関する尺度のより大きい図14のデータの三軸グラフを示している。 両翼が除去され、かつデータが切り捨てられた図14および図15のデータの三軸グラフを示している。 様々なTy位置において収集された12先端1Dアレイに関する力曲線の集計の三軸グラフを示している。 シリコンチップ対PDMSチップのk値を示している。 ピーク力曲線積分に関する傾斜パラメータTyの同一性の再現性を示しているヒストグラムである。 基板表面に対して完全に平行でないアレイを用いて印刷された5mm×5mmの領域を描いている。 上述した方法を用いて基板がアレイに対してレベリングされた後に印刷された5mm×5mmの領域を描いている。
詳細な説明
序論
本願は、参照により本明細書に組み入れられる、本明細書と同時に提出された「Ball-Spacer Method for Planar Object Leveling」(整理番号第 号(代理人整理番号第083847-0739号))という名称の出願に関する。
本明細書において言及されたすべての参考文献は、その全体に関して参照により本明細書に組み入れられる。以下の参考文献は、本明細書に開示されている態様を理解および/または実施する際の補助となる場合がある。
Haaheimら,Self-Leveling Two Dimensional Probe Arrays for Dip Pen Nanolithography(登録商標),Scanning,2010(in press);
Salaita K.S.,Wang Y.H.,Fragala J.,Vega R.A.,Liu C,Mirkin C.A.:
Massively parallel dip-pen with 55000-pen two-dimensional arrays,Angewandte Chemie-International Edition 45,7220-7223(2006);
Huoら,Polymer Pen Lithography,Science 321 1658-1660(2008);
NanoInkの米国特許出願公開第2008/0055598号:「Using Optical Deflection of Cantilevers for Alignment」,2008/0309688号:「Nanolithography with use of iewports」;2009/0023607号:「Compact nanofabrication apparatus」;2009/0205091号:「Array and cantilever array leveling」;米国特許仮出願第61/026,196号,「Cantilever Array Leveling」および61/226,579号,「Leveling Devices and Methods」;
他の米国特許出願公開第2005/0084613号:「Sub-micron-scale patterning method and system」;2005/0160934号:「Materials and methods for imprint lithography」;2010/0089869号:「Nanomanufacturing devices and methods」;2009/0325816号:「Massively parallel lithography with two-dimensional pen arrays」;2009/0133169号:「Independently-addressable,self-correcting inking for cantilever arrays」,2008/0182079号:「Etching and hole arrays」;2008/0105042号:「Massively parallel lithography with two-dimensional pen arrays」;2007/0087172号:「Phase separation in patterned structures」,2003/0007242号:「Enhanced scanning probe microscope and nanolithographic methods using the same」。
レベリング
一般に、レベリングは、第1の概ね平坦な表面と、第2の概ね平坦な表面とを実質的に平行にすることを含む。ナノスコピックまたはミクロスコピックなパターニング、印刷、またはイメージングの用途において、第1の表面は、通常、先端から構成されるアレイによって規定される平面であり、第2の表面は、パターンの形成される基板表面であり得る。
PPL技術を含むDPN関連技術の場合、レベリングは、印刷システムが単一の先端/カンチレバーシステム以外のときは常に、ナノスコピックなパターニングを成功させるために特に重要である。均質なパターニングを確実にするためには、先端から構成される1Dアレイは、パターンが印刷される表面と実質的に水平でなければならない。
本明細書に開示されている態様は、平面物体のレベリングのための方法であって、特に、2つの平面物体のうちの一方または双方が、圧縮性もしくは可撓性の材料、または、圧縮性/可撓性の部材を有する物体を備える場合に、該2つの平面物体を相互にレベリングすることができる方法に関する。態様によっては、DPN印刷の先端は実質的に剛性であってもよく、また、該先端は可撓性/圧縮性バッキングに配置される。本明細書に開示されている態様は、先端(SiN、PDMSなどから作製される)によるDPN印刷に適用できるだけでなく、任意の圧縮性/可撓性の物体、または、可撓性/ばねのようなカンチレバー、ゴム状のPDMS先端、ボックススプリングマットレス、μCPスタンプ、もしくはさらにキッチンスポンジなどの圧縮性/可撓性の部品を有する物体にも適用できる。
態様によっては、レベリングは、単一のアレイ上の少なくとも16、少なくとも100、少なくとも1,000、少なくとも10,000、少なくとも100,000、または少なくとも1,000,000の先端に対して、実行される。
態様によっては、レベリングに際して、先端の少なくとも80%が、基板表面と接触するか、または、先端の少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%が、該表面と接触するようになっている。接触というのは、パターニングを行っている先端のうちの何パーセントが、先端から基板に材料を移動させることができるかによって、求めることができる。
レベリングされるアレイに関する正方形面積の例として、例えば、少なくとも1平方μm、少なくとも500平方μm、少なくとも1平方cm、少なくとも10平方cm、または少なくとも50平方cmが挙げられ、また、例えば、数平方メートル以上(many square meters)であってもよい。
導関数の序説
一態様によれば、2つの物体の2つの表面間のレベリングまたは表面の平面性または傾斜角の測定のための手法は、表面間の相対距離を変化させること、および、距離に対する力の導関数を得ることを採用している。距離は、時間の関数として表すこともできる。あるいは、導関数は、第1の距離および第2の距離に関して得ることができる。この場合、第1の距離および第2の距離は、以下で詳細に説明するように、例えば、駆動距離または反応距離を含む。第1の距離と第2の距離との導関数は、力の導関数に関係しており、したがって、同様にレベリングに使用することができる。
距離は、例えば、物体の一方または双方を動かすアクチュエータを用いて、一定の割合で変化させることができる。プローブと表面との間の力は、距離の関数として測定することができる。プローブと基板表面とが、完全に水平でない場合、プローブの一つが、まず初めに、表面と接触し得、距離が小さくなるにしたがって、次第に多くのプローブが表面と接触するようになり、その結果、測定することのできるフィードバック力が増加する。
距離に関する力の導関数を計算することができる。プローブと表面とが、互いに対して比較的水平である場合に、双方の間の距離が変化するとき、力の変化(つまり、力の導関数)は、プローブと表面との間の傾斜がより大きい場合と比べて、より速くなる。
数学的には、このことは、距離に対する力の導関数を測定し、その最大値φ0を発見することとして表現される:
Figure 2013533460
これは、所望の水平位置を示している。プローブと表面との間の傾斜を変化させ、上記の力の導関数を繰り返し測定することによって、力の導関数を、x(Tx)方向およびy(Ty)方向の双方の傾斜の関数としてプロットすることができる。導関数の最大値を発見することによって、最良のレベリングを実現することができる。
本明細書に開示されている態様に係るレベリングシステムは、プローブのバッキング、または基板を動かすためのアクチュエータであって、これらの相対距離を一定に変化させる、すなわち、dZ/dt=一定であるアクチュエータを有することができる。したがって、次の式が得られる。
Figure 2013533460
態様によっては、導関数はn次の導関数であってもよく、この場合nは整数である。
Figure 2013533460
圧縮性/可撓性の材料によって加えられる力(F)が、非線形的に変化するシステムの場合、より高次の導関数が、レベリングをより良好に特徴付ける。特に、力(m)依存性の累乗以上の一連のn個の導関数を考えると、結果的に、n>mに関する単一の定数(C最終)が得られる。
Figure 2013533460
例えば、Fがz3に比例しているならば、曲線を1回微分することによって、放物線が得られる。二次導関数によって、上向きの傾斜線が得られる。三次導関数によって、一定値が得られる。
元の曲線の複雑さに関係なく、これは常に、十分な回数の微分によって定数の集計に変換することができる。定数(C最終)のこの集計は、力の最大値を示すことができ、また、この力の最大値は、定数の最大値に関して最大であり得る。言い換えれば、このシステムは、C最終=C最大のときに最大平面性を獲得したことになる。
この過程で、様々な力曲線(線形または非線形)は、材料の(または部品の集まりの)圧縮特性を説明する極めて詳細なスペクトルを提供する。これらの力曲線に連続的に微分を適用することによって、有意に比較することができ、かつ、「高性能の繰り返し」プッシュボタンレベリング自動化を行うために同じ材料/物体を処理する際に使用することのできる定量的情報が得られる。力の導関数方法(force derivative method)(FDM)によって、任意の線形または非線形の圧縮性材料または部品の集まりのレベリングまたはこれらの傾斜の測定が可能となるため、自動化が可能となる。
距離の変動および測定
レベリングシステムに対して、距離の変動に関する様々な測定または定義を行うことができる。例えば、2つの異なるz-変位値を、z駆動およびz反応として定義することができる。z駆動は、駆動ステージによって測定されるz-移動であってもよい(例えば、これは、+/-5nm以内の正確さであり得る)。これは、任意のアレイ、材料、圧縮性物体、またはこれらを備える他の物体の結果として生じる運動とは異なる。z反応は、圧縮性または可撓性の物体が、駆動に反応して圧縮または偏位する量を示している。これは、その後、容量センサまたは干渉センサなどの一つまたは複数のセンサによって測定することができる。
したがって、力-距離関係は、以下のように再定式化することができる。
Figure 2013533460
代入した場合、
Figure 2013533460
となり、複数の追加的な関係を得ることができ、距離の変動を、「力の導関数方法」の変動として監視することができる。例えば、z反応/z駆動は、一方のz-値に対する他方のz-値の変化を示しており、力/荷重測定および力の導関数の代わりとして、距離の変動を測定することができ、一方の距離に関する他方の距離の導関数は、レベリングまたは平面性の測定に使用することができる。これは、dz反応/dz駆動が、先に述べたような力の導関数と密接に関係しているという事実に基づいている。
2つの表面間の距離は、光学的にもしくは容量センサを用いて測定することができるか、または、アクチュエータのためのコントローラから直接得ることができる。力の測定と同様に、正しい距離または絶対距離が、正確に較正される必要はない。例えば、測定された距離が、定数を掛けた正しい距離または定数を加えた正しい距離である場合、測定された距離に対する測定された力の導関数は、レベリングのための最大値を発見するためになお使用することができきる。
例えばナノスケールの位置決め装置および圧電アクチュエータを含むアクチュエータ、モータ、および位置決めシステムが、当技術分野において知られている。
力フィードバックおよび距離を同時に測定するために、距離を測定するための装置は、力センサと一体化することができる。
レベリングシステム
レベリングまたは平面性の測定のための例示的なシステム100が、図1に示されている。この例示的な態様において、先端またはプローブ104から構成されるアレイ102は、バッキング105を有することができる。先端は、カンチレバーを用いないEPTであってもよいし、または、各カンチレバーに配置されたDPNの先端であってもよい。先端を伴うバッキング105は、アクチュエータ(図示せず)によってz方向に動かされ、フィードバック力は、途中の例えば102a、102bなどの複数の位置で測定することができる。図1Aに示されている誇張された図において、位置102a、102bではいずれの先端104も基板表面106と接触していないが、アレイ102と基板表面106との間の力および相対位置は、少なくとも一つの先端104が表面106と接触してこれにより一つまたは複数の力センサ(図示せず)による測定に対して十分に大きなフィードバック力を生成する複数の位置で測定され得ることに留意されたい。導関数を得るために、測定は、例えば少なくとも3つの位置で行うことができる。
基板は、先端104によって規定された平面に対する該基板の距離を変化させるために該基板を動かすことができるZステージ108などのアクチュエータ上に配置することができる。
図1Bは、レベリングまたは平面性の測定のためのシステム110の斜視図である。この例示的な態様では、先端またはプローブ114から構成されるアレイ110は、カンチレバー117を介してバッキング115に連結されている。1Dアレイが示されているが、2Dアレイが採用されてもよい。
先端114およびカンチレバー117を伴うバッキング115は、アクチュエータ(図示せず)によってz方向に動かすことができ、フィードバック力は、途中の112a、112bなどの複数の位置で測定することができる。典型的には、測定は、導関数を得るために、少なくとも3つの位置で行われる。
図1Bに示されている誇張された図において、位置112a、112bではいずれの先端114も基板表面116と接触していないが、アレイ112と基板表面116との間の力および相対位置は、実際には、少なくとも一つの先端114が表面116と接触してこれにより一つまたは複数の力センサ(図示せず)による測定に対して十分に大きなフィードバック力を生成する複数の位置で測定されることに改めて留意されたい。
先端114、カンチレバー117、バッキング115、または基板表面116の少なくとも一つが、圧縮性または可撓性である。先端114またはカンチレバー117などのこれらの部材の一つのみが圧縮性または可撓性である一方で、機械的ループにおける他の部材が実質的に剛性であり、これにより、測定される力が、複数の圧縮/偏位変数の畳み込みでなくなることが好ましい。
システム100または110において、加えられる力Fおよびその変化対変位zまたは時間tは、容易に測定可能であり、アレイと基板表面との傾斜の関係は、物理学、微積分学、および基礎力学の第一原理に基づいて、表面と相互作用する先端の基本挙動から導出することができる。この手法によって、システムを高速自動化システムとして実施することが可能となる。
本明細書に開示されている方法は、EPTを採用しているシステム100に限定されない。それどころか、本方法は、DPN、uCP、NIL、標準ゴムスタンピング、異なる転写印刷方法、柔軟な電子印刷方法などに使用することができる。
移動の自由(F.O.T.)の概念は、システムにおいて特に重要な場合がある。図1Cは、平面的な2D nano PrintArray(NanoInkによる2D nPA(登録商標))が6μmのF.O.T.を有する一態様に関して、この概念を示している。この場合、(A)は、「フェザータッチ(feather touch)」状態(このとき、先端は、基板にちょうど接触し始めている)を示しており、(B)は、「ハードクランチ(hard crunch)」(このとき、カンチレバーは、その6μmの移動の自由のすべてを使い果たしており、アレイは、このときスタンドオフ上で接地している)を示している。したがって、この態様では、F.O.T.内の0.1〜5.9μmの任意の位置に最初のz-位置を決める事によって、接触が均質となる優れたリソグラフィーがもたらされ得る。一方、0.0μmの極値では、書き込みが行われない(つまり、接触しない)ことになる場合があり、6.0μmでは、歪んだ書き込み(スタンドオフ接地)が行われることになる場合がある。言い換えれば、この態様では、基板との第1の接触(つまり、均質な接触)を行った後で、スタンドオフ上での接地の前に、6.0μmの誤差のマージンがあった。
図1Dおよび図1Eは、2D nPAが、完全に平面的(傾斜角φ2≠0°)ではないが、依然として均質な書き込みを実現する許容範囲内にあった状況を示している。(1)および(2)は、最初の接触が「最も低い」ビューポートで観察された時点で、装置のエッジにあるカンチレバーが、すでに2.30μm偏位していることを示している。カンチレバーの偏位は、例えば、カンチレバーが自然に色を変化させる仕方および時点を観察することによって、監視することができる。(3)によれば、さらなる1.40μmの後、「最も高い」ビューポートは偏位していたが、すべてのカンチレバーの先端が均質に接触する(4)までに、まださらに2.30μm偏位させる距離があり、この後には誤差のマージンがなく、スタンドオフはほぼ基板に接触していた。
2D nPA装置は、往々にして基板に対して不完全に平行(水平)となるため、サンプル引っかき傷、パターンの歪み、および/またはリソグラフィー中のアレイしり振りにつながる、サンプルに対するアレイのコーナの移動を避けて、いかに先端のすべてまたは先端の多くもしくは大部分の均質な接触を実現し、検証するかが、処理中の関連する問題となる。基板に対する2D nPAの「水平性」(または「平面性」)は、z軸モータによって測定される、2D nPA上の3つの異なる点の相対的なz位置に基づいて、または、ゴニオメータのモータによって測定される2つの相対角度差の測定(すなわち、φ、θ)に基づいて、記述することができる。これらのパラメータの概略図が、図1Fに示されている。
自動化
半自動プロセスおよび完全自動プロセスの双方を含む、より優れた自動プロセスが必要とされている。
自動レベリングシステムは、レベリングまたは平面性/傾斜測定の速度に関して改善される。自動化方法は、精密なレベリングのためにカンチレバー偏位を視覚化する必要に依拠しておらず、これにより、プロセスにおける人間の相互作用の必要性を軽減または除去している。自動システムは、ボタンを押すことによって操作することができ、また、所定の精度または正確さのレベリングを達成することができる。平面性および加えられる力または力フィードバックに関する定量的知見を、同時に得ることができる。
一方、レベリングのためのパイレックス・ハンドル・ウェハ装置(pyrex handle wafer device)を用いる手動のエポキシ接着技術を採用している従来の方法は、レベリングを調節または微調整する性能を有していない場合があり、また、様々な基板に関して制限されている場合がある。スティックスリップ、熱膨張/熱収縮などによる器具の変化および自然な機械的変化を、リアルタイムで考慮に入れることができない。パイレックスは、激しくエッチングされ、かくして粗面化され、したがって、かろうじて半透明となり、これにより、表面または先端およびカンチレバーを見ることが困難となる。したがって、先端が表面と接触しているのか否かを判断することが困難となる。このことは、様々な厚さを有する様々なサンプル、または完全に平坦ではない大きなサンプルの使用の観点から、システムの柔軟性を制限する。また、従来の方法は、多重インク供給のためのインクウェル(ink well)などの表面特徴に合わせて先端を調整することができない場合がある。さらに、イメージングまたは力フィードバックの測定のためにカンチレバーに対してレーザを調整することが困難な場合がある。
方法によっては、光の変化を観察するために、蒸発させた金を先端に蒸着させることができる。しかしながら、金は、先端の化学的性質に対して制限を課し、さらに、先端をイメージングしている間の蛍光性を抑制する。さらに、エポキシは、定着するのに時間が掛かり(例えば、1時間超)、場所の全体にインクを流してしまう場合があり、さらに、平面性に影響を与える体積歪みを引き起こす。さらに、このプロセスは、スキャナを容易に汚染する場合がある。多重インク供給方法が、様々な先端に対して様々なインクを与えるために使用される場合、表面接触時間が、交差汚染を引き起こすことになる。
自動レベリング方法が、図2Aのフローチャートに示されている。段階120において、プロセスが開始される。開始手続きは、たんにボタンを押すことであってもよく、また、これ以降、人間の介入は、ほとんどまたはまったく必要とされない。あるいは、半自動プロセスが使用されてもよい。
先に言及された参考文献に記載されているように、装置(物)およびソフトウェア(方法)の双方に対してNanoInkによって実施された様々な種類の改善は、従来の方法およびシステムの問題点のいくつかに対処してきた。例えば、ビューポートによって、操作者は、カンチレバーを見ることが可能となり、また、操作者は、先端の偏位特性を検査することによってアレイをレベリングすることができる。
シリコン・ハンドル・ウェハ(silicon handle wafer)のビューポートによって、操作者は、3つの異なる点でカンチレバーの偏位特性を検査することによって、アレイをレベリングすることが可能となる。エポキシを使用する代わりに、磁力が、複数の部品を一緒に保持するために、採用されてもよい。例えば、磁石を中に有するウェッジが使用されてもよい。
ビューポートレベリングは、従来の方法よりも大幅に速く、例えば数分程度で完了する場合があり、これにより、磁気ウェッジによって極めて簡潔に装置の取り付けが行われ、したがって、交差汚染が防止される。様々な種類の異なるサンプルに関する汎用性は、同じアレイを有する様々な厚さの様々なサンプル、x-y方向に大きい距離移動させること、およびz-変位の変化を補正すること、ビューポートによって、操作者によるスポットチェックおよび誤差の補正を可能としながらも、より大きなサンプル(必ずしも完全に平坦でない)を横断し、「水平」を維持することを含む。金の必要性は、先端に関する十分な移動の自由を実現するために、カンチレバーに圧力を加えた窒化物層を設計することによって、除去することができる。すべての化学物質が、金被覆された先端に適合するわけではなく、また、金被覆された先端が、アレイのイメージング用多重インクの蛍光性を抑制することから、金を用いない先端は、システムの汎用性を高める。さらに、シリコン・ハンドル・チップが、透明でない(または、半透明でさえない)という事実は、これにより環境光によるバイオインクの漂白が防止されるため、望ましい。さらに、ビューポートは、イメージングおよび力フィードバックのために、カンチレバーにクリアなレーザ信号を送る通路を与える。
しかしながら、視覚的合図に基づくロバストなナノ製造解決策と人間との相互作用には、まだ望ましくない局面がある。これらは、例えば、困難な初期「粗レベリング」を含んでいた。これは、通常、眼を用いて主観的に行われている。アレイが、初期に、アレイカンチレバーの中央部の接触を可能とする水平位置から遠く離れている(コーナが、最初に表面と接触するため)場合、手動の視覚偏位監視アルゴリズムを実行することは極めて困難である。このシステムは、レベリングを達成するために、かなりの人間の相互作用を必要とする場合がある。視覚的に偏位を観察する必要性は、MEMS、機械的ハードウェア、光学部品、およびソフトウェアに設計上の制約を課している。最近開発された受動セルフレベリングジンバルが、上記の問題の全部ではないが一部に対処している。例えば、開示の全体が参照により本明細書に組み入れられる、2009年7月17日に提出された米国特許仮出願第61/226,579号の「Leveling Devices and Methods」参照。態様によっては、ビューポートは必要ない。
これらの技術は、段階122のプリレベリングプロセスに組み入れることができる。当技術分野において周知の他の粗レベリング方法が使用されてもよい。段階124では、2つの物体間の距離、例えば、ペンから構成されるアレイの先端によって規定される第1の平面と、基板表面によって規定される第2の平面との間の距離が、アクチュエータを用いて変化させられてもよい。段階126では、力が測定される。この力は、2つの物体のうちの一方もしくは双方に加えられる力、または、力センサによって測定されたフィードバック力であってもよい。段階128では、距離または時間に対する力の導関数が計算される。段階130では、傾斜が、例えばアクチュエータを用いて変化させられる。傾斜は、x方向、y方向のうちの一方または双方に変化させられてもよい。段階132では、コンピュータなどのコントローラが、力の導関数が増加しているか否かを判定する。そうである場合、段階134において、傾斜が、力の導関数のピークを発見するために、同じ方向に変化させられ、段階136では、測定が繰り返される。導関数が減少している場合、段階135において、傾斜は、ピーク値を発見する試みの方向とは反対の方向に変化させられる。
段階138では、コントローラは、力の導関数が、ピーク値と関連する不連続性を有するか否かを判定する。そうである場合、段階140において、偽であるピークが拒絶される。段階142では、力の導関数のピーク値に基づいて、2つの物体がレベリングされるか、または、これらの間の傾斜が測定される。
本明細書に開示されている態様に係る導関数方法は、平面性および力に関する同時的な定量的知見を得る事を可能にする。自動化に適合される場合、この方法は、力-フィードバックおよび平面性-フィードバックに関して、リアルタイムでインサイチューの情報を提供する。したがって、このことは、非平坦な表面をパターニングするという前例のない機能を可能とする。なぜならば、平面的なフィードバック機構は、システムを再レベリングするインプロセスを採用することができるからである。これは、平面性の異なる複数の基板、大きな湾曲もしくは細片を有する基板、またはさらには球面を含むことができる。
例示的な自動の適応性のあるレベリング方法が、図2Bのフローチャートに示されている。段階150では、以下で詳細に説明するように、力-距離、距離-距離、力-時間、または距離-時間の関係形状に関して、予測が行われ得る。段階152では、予測に基づいて、距離が変化させられる。段階154では、導関数が得られる。段階156では、例えば図2Aに示されている繰り返し方法を用いて、2つの物体間のレベリングが達成される。2つの物体間の傾斜および/または距離は、継時的に変化する場合がある。したがって、段階158では、段階152および段階154が、リアルタイムで導関数を得ることができるように、反復される。段階160では、インサイチューの導関数の計算/測定に基づいて、傾斜が変化したか否かが判定される。そうである場合、レベリング段階156が、新しいリアルタイムのレベリングを達成するために反復される。
本明細書に開示されている態様に係る導関数方法により得られた情報の豊かさを、図3Aに示すことができる。例えば、力-距離の関係、距離-距離関係、力-時間関係、または距離-時間関係を表している曲線200自体は、2つの物体に関する何らかの情報を示している。しかしながら、曲線202に示されている一次導関数における、および曲線204に示されている二次導関数における情報は、曲線200から直接的に視覚化することができない。
様々な力曲線とそれらの導関数との関係は、図3Bおよび図3Cに素描されている。例えば、図3Bに示されているように、線形関係210(F=kz)は、定数kである導関数212である。曲線214(F=Cz2)は、線形である一次導関数216と、一定である二次導関数218とを有する。曲線220(F=Cz3)は、3Cz2という形の一次導関数222と、線形である二次導関数224と、一定である三次導関数226とを有する。
図3Cでは、曲線240および242の双方は、連続的であるものとして示されている。曲線240の一次導関数244、および、曲線242の一次導関数246は、差異をより明瞭に示している。二次導関数248、250は、曲線250の不連続性をさらにより明瞭に示しており、例えば、基板表面が、先端と接触するのではなく、実質的に剛性であるチップの縁と接触することを示している。
3つの異なる曲線260は、2つの物体が、異なる距離で接触することを示している。力に関して2つの点での測定だけが行われた場合、力の差異は、すべての先端が基板表面と接触した後は同じになり、曲線は線形的に振る舞う。しかしながら、導関数270は、アレイの挙動、および、基板表面に対して先端をレベリングする方法について、より多くの情報を提供している。
力センサ
様々な種類の力センサを、フィードバック力の測定のために、または、力の導関数を得るために使用することができる。力センサによって、例えば1pN〜1Nの範囲の力を測定することができる。
力センサは、既存のAFM器具のZ-圧電および/もしくは容量ならびに/または誘導センサであってもよい。システムは、「開ループ」モードで動作することができ、Z-アクチュエータは、装置の移動および力の測定の双方を行うことができる。
態様によっては、力センサは、異なる範囲の力の測定、または、異なる正確さのレベルでの力の測定に適した多段センサを含むことができる。例えば、第1の精密ステージは、精密竿秤および精密ばねまたは屈曲部を含んでいてもよい。第2のステージは、力の許容荷重がより高いばねまたは屈曲部を含むことができる。
機器の力センサに関して、信号対ノイズの比率が低いことが好ましく、特に、自由空気に浮遊している間は低ノイズフロアであることが好ましい。例えば、力センサのノイズフロアは、0.25mg以下であってもよい。力センサは、範囲および分解能に関する必要性の均衡を保つ荷重制限を有することが好ましい。例えば、力センサは、10g〜30gの荷重制限を有してもよい。力センサに荷重がかかり、したがって、力センサが垂直方向に偏位したときに、力センサの平面性が、劇的に変化しないことが好ましい。力センサは、例えば、平面性の劇的な変化を防止する、平行四辺形の設計を有してもよい。力センサは、例えば、歪み測定装置によって製造されたロードセルなどのロードセルであってもよい。
力の導関数方法(FDM)
本明細書に開示されている態様は、レベリング動作のための人間の相互作用を軽減または完全に除去することを助け、これにより、プロセスを半自動または完全自動とすることができる。自動の機械/ロボットのプロセスは、ロボットアームを用いて基板をサンプルステージに配置すること、自動的に印刷アレイを器具に取り付けること、ソフトウェアを用いて基板および印刷アレイの双方の存在を検出すること、および、レベリングシーケンスを開始することを含む。レベリングシーケンスでは、パターニングを開始するソフトウェアが採用されてもよい。パターニングが完了すると同時に、ロボットを、印刷アレイおよび基板の双方を取り除くために使用してもよい。
FDMは、光フィードバックを不要とするという付加的な目的を達成し、これにより、先端と顕微鏡との間にクリアな光路を必要とした以前の設計制約を取り除く。平面性を獲得するには、2D DPNアレイと基板との間だけでなく、いずれか一方が圧縮性または可撓性である任意の2つの物体間のFDMが採用され得る。
力の導関数または力の変化率を計算せずに、力についての2終点測定のみを用いてレベリングを実行することが可能であり得るが、2点方法は、少なくとも一部のケースでは、満足の行く結果をもたらさない場合がある。例えば、図3Cの右上のパネルに示されている状況では、2点測定は、水平が獲得されたという誤解を招く印象を与える。これは、3つの曲線の二番目の部分において、傾斜角度が同じだからである。このことは、傾斜角度が、これらの曲線の他の箇所で変化するという事実を見過ごしている。したがって、2点測定は、誤解を招くものであるか、または、不完全である場合がある。FDMは、任意の材料の複雑な圧縮特性に関する情報のスペクトルを与えることによって、このことを考慮することができる。
dnF/dznの測定または計算を行わずに、2点測定はまた、ステージの角度の多くの範囲にわたる2点を測定する繰り返しプロセスに依拠している。一方、FDMは、ミリ秒などの短い時間スケールで行われるように自動化することができる。FDMは、従来の方法よりも良好な精度、例えば>>0.1mNの精度を達成することができ、その結果、例えば測定可能傾斜が<0.004°である、平面性測定限界を減少させることができる。
さらに、FDMは、有利にも、力の変化が持続的に測定される限り、完全に信頼できる力の測定を必要としないことに留意されたい。例えば、力センサは、必ずしも知られている荷重に対して較正されている必要がない。このことは、環境ノイズ、熱ドリフトなどを考慮する際にいくらかの柔軟性をもたらす。例えば、測定された力Fmは、定数Cを掛けた力Flの正しい値であってもよく、導関数dFm n/dz=CdFl n/dzは、dFl n/dzとしての2つの物体の同じ相対位置において依然として最大値を有する。
圧縮性部材
FDMは、2つの実質的に平面の物体をレベリングするために使用することができる。この場合、該物体のいずれか一方または双方は、圧縮性材料、圧縮性部材、または可撓性の材料/部材を含む。
例えば、アレイは、バッキングおよび該バッキングに配置される先端から構成されるアレイを含んでいてもよく、また、バッキング、先端、または第2の物体の少なくとも一つが、圧縮性であってもよい。あるいは、先端を有するカンチレバーから構成されるアレイが、バッキングに配置されてもよく、また、カンチレバーが、可撓性であってもよい。
剛性機械的ループ
「機械的ループ」は、第1の物体と第2の物体との間、例えば、アレイと基板表面との間の最小の2点間距離として規定することができる。アレイと基板とが接触していない場合、これらの間の最短の経路は、「C」形状を形成する。これらが接触している場合、これらは「O」形状を形成する。この機械的ループは、できるだけ剛性であることが好ましい。このことは、例えば一つを除いてすべての部品をできるだけ剛性にすることによって、達成されてもよい。例えば、先端が圧縮性である場合、バッキングおよび基板が、できるだけ剛性にされ、これにより、システムの複数の部品による圧縮を畳み込むことなく、より正確な測定を行うことができる。
剛性機械的ループは、不動の部品に運動学的に取り付けられた状態で、レベリングシステムに含まれてもよい。剛性マウントは、剛性機械的ループに含まれてもよい。例えば、アレイと基板とは、双方とも強固に取り付けられてもよい。例えば、基板は、ガラススライドに接着されてもよく、また、アレイは、磁石に固定されてもよい。このようにして、先端またはカンチレバーのみが、圧縮/収縮する。
アレイを強固に取り付けずに、例えば、3点の強固な接触によって、装置は、前後に振動し、スケールの運動に加えて、追加的な結合Z運動の複雑さを導入することが可能である。
NanoInkによるナノリソグラフィープラットフォーム(NLP)システム(例えば、2008年5月7日に提出された米国特許出願公開第2009/0023607号参照)では、これは、取り付けアーム、セラミック取り付け具、ステージフレーム、器具ベース、X、Y、Z、Tx、Tyステージスタック、および基板プレートを含むことができる。本明細書に開示されている態様によれば、力センサは、アレイのすぐ上方にあってもよいし、または、基板のすぐ下方にあってもよいし、または、機械的ループの任意の場所にあってもよい。
一態様では、剛性で、重力フレンドリ(gravity-friendly)で、取り外し可能なキネマティックマウントが設けられる。既存のセルフレベリングジンバル取り付けアームの修正を、2Dアレイの強固な取り付けを可能とするために行うことができる。3つの磁石を、アレイハンドルの裏に接着することができる。3つの磁石は、後から、磁気透過材料から構成される剛性矩形フレームの裏側に接着することもできる。このことは、すべての監視される運動および力が、関心対象の部材に限定されること、および、データを不明瞭にする収縮し、撓んでいる逸脱的なシステム部品が存在しないことを確実にすることを目的としている。
2つの物体間の平面性を達成するためにFDMを実施することを始めるには、複数の方法がある。システムは、正確かつ精密な力センサ、および、正確かつ精密なアクチュエータを含むことができる。アクチュエータは、例えば、Zステージであってもよい。
一態様では、FDMは、アレイまたは基板を動かすアクチュエータを駆動している間に力の読み取りを監視することによって、実行される。例えば、荷重は、Zステージが2Dアレイに向かって上方に駆動されている間に、連続的に測定されるか、または各駆動プロセスで測定される。自動化プロセスでは、FDMは、Zステージが基板を動かしてアレイと接触させるときに、力の読み取りをリアルタイムで監視する(データ収集のために高サンプリングレートで)ことによって実行されてもよい。
図4Aおよび図4Bは、基板と相互作用する2D nPAの初期平面性(Tx、Ty調節していない)に関する力-距離曲線を示している。図4Aのデータを得るために、エポキシ「プリレベリングされた」アレイが、表面と接触させられる。0μmの変位は、スケールが荷重測定の読み取りを開始した時点を示している。次に、ステージは、図示されている量だけカンチレバーを圧縮するために、駆動され続ける。カンチレバーの移動の自由は、わずか15μmであるため、例えば120μmの駆動が達成され得る間に、ある時点でスケールが崩れ始める(例えば、圧縮し始める)ことは明らかであり、初期の二重ばねシステムは、単一ばねシステムに戻る。
図4Bは、同様のデータを示しているが、質量が力に置き換えられ、変位に関してμmがmに置き換えられている。図4Aおよび図4Bに示されているように、アレイのコレクティブkは、スケールによって強く影響される。kの値は、スケールよりもいくぶん高くてもよい。
図5Aおよび図5Bは、EPTアレイ(透明ガラスのバッキング基板に製造された)に関する同様の測定を示している。図示されているように、このアレイのコレクティブkも同様に、スケールによって強く影響される。アレイのk値は、スケールよりもわずかに高い。例えば、〜k2D nPA=4301N/m、〜kエラストマ=3022N/mである。弾性の先端の圧縮性は、カンチレバーよりもわずかに高くてもよい。
以下に与えられた方程式および図4A〜図5Bにおいて得られた測定に基づいて、様々なばね定数kを得ることができる。
Figure 2013533460
図6A〜図6Cは、様々なTx位置で収集された2D nPAに関する力曲線を示している。特に、図6Bは、様々な種類のTx傾斜位置における、駆動が制限されている(0〜10μmのみ)力距離曲線の包括的なデータセットを示している。図6Cは、3Dでプロットされた、これと同じデータを示している。図6Aは、4μmのZ-エクステンションにおける図6Cの断面を示している。このデータセットから、dF/dz傾斜角度は、アレイが最も水平であるTx=0において最も急勾配となることを理解することができる。
図7A〜図7Cは、様々な Tx位置で収集されたEPTアレイに関する力曲線を示している。特に、図7Bは包括的なデータセットを示しており、図7Cは3Dでプロットされた、これと同じデータを示しており、また、図7Aは4μmのZ-エクステンションにおける図7Cの断面を示している。-0.6<Tx<-0.4にdF/dzの最大値が存在している。このことは、アレイが、先に述べたように周知の誤差を有する、エポキシを用いる初期プリレベリングの後にわずかにシフトしたことを示唆している。事実、この機械的固定は、予備的で非ロバストであると考えられ、また、エポキシ技術は、体積歪みを起こしやすい。本明細書に開示されている態様は、これらの欠点を克服する助けとなる。
したがって、一般化されたFDM方法は、図6A〜図7Cに示されている、異なる設計および材料を有する2つの異なるアレイに対して有効である。
図8A〜図8Cは、剛性プローブマウントアームに対してOHausスケールのみの力-距離曲線の測定を示している。これは、スケール自体は、線形的に挙動し、したがって、その後のいかなるシステム測定も損なわないことを検証している。
自動化プロセスには、様々なアルゴリズムが採用されてもよい。まず、アレイと表面との間の相対距離が、例えばステップモータによって変化させられる。この段階は、「Z-エクステンション」と呼ばれる。次に、力プロファイルが、距離Zの関数として記録される。力プロファイルから、導関数が計算される。x方向およびy方向の傾斜TxおよびTyは、それぞれ、最大力を有する位置が発見されるまで調節される。一態様では、力の導関数プロファイルが減少する場合、プログラムは、システムに対してTxまたはTyの反対方向に動くよう指示を出し、これにより、より速く最大値を発見する。
距離Zに関する力の導関数を評価する代わりに、一定の割合でz、φx、およびφyを動かす間に、時間に関する力の導関数が評価されてもよい。
有限要素解析(FEA)予測方法が、本明細書に開示されている態様に従って採用されてもよい。材料特性が、予め分かっている場合、システムは、所定の力-距離曲線が、所定の方向に関してどのように見えるべきかについて予想することができる。例えば、上記の微分は、k2DnPA=15,188ということを明らかにする。システムが、k=10,000である同一の装置の力-距離曲線をとる場合、該装置は水平でないことが分かる。これが2つの異なる公知φxおよびφy方向において実行された場合、次にシステムは、どこでφ水平となるかを計算し、予測することができる。これは一つの段階で行われてもよい。
態様によっては、予め特徴付けられた装置が採用されてもよい。様々なアレイ(2D nPA、EPTなど)は、顧客が「公知」k=a+/-bを有する装置を受け取るように、工場で予め特徴付けることができる。次に、このk値が、ソフトウェアに入力され、予測方法において使用される。アレイが、公知kに達し、その後のFDM読み取りが、いかにしてそれがより速くかつより効率的にレベリングされるべきかについて知らせる。
これらのアルゴリズムの任意のアルゴリズムによって、使用者は、任意の物体が接触する際の該物体に対するオンザフライの加えられる力および平面性の双方を監視し、補償することが可能となる。これらの物体は、任意の材料から作製することができる。ナノパターニングに関して、これは、力-フィードバックだけでなく、平面性-フィードバックも与える。書き込みドットアレイの場合、各書き込まれたドットは、先行のものと比較され、監視され得るそれ自身の力-距離曲線を提供し、Z、X、Y、φx、および/またはφy補正が、次のドットの前に加えられ得る。
システムの速度は、データ収集率および力センサの精度、ならびに駆動速度およびアクチュエータ(Zステージ)の加速プロファイルによって制限される場合がある。
さらに、FDM方法は、「非理想境界条件」を補正するための自動化手段を提供する。一例が、図6Cに見られる。装置が、次第にますます水平でなくなるにしたがって、2Dアレイのコーナは、基板にぶつかり始める。このコーナは、シリコン・ハンドル・ウェハの一部であってもよく、また、SiNカンチレバーよりもかなり剛性であってもよい。したがって、変則的な力スパイク502が存在する。しかしながら、このことは、図3Cに記載されている方法に従って、考慮することができる。力曲線の導関数(非線形のものでも)を用いる場合、結果として生じる運動は、依然として連続的であるべきである。不連続性は、システムに対して戻るように促し、異なるφx,y方向を試すように促す障害物を含意する場合がある。非線形的に動く何らかのもの、より高次の導関数は、図3Cの不連続性を表現している。
FDM方法は、任意の小ささのz-エクステンションの場合であっても使用することができる。十分な精度をもって、z-エクステンションは、わずか数百ナノメートル(またはより小さい)であることが可能であり、dF/dz傾斜角度対平面方向の差異が、明らかにされ得る。これは、インク先端を用いるプリパターニング表面接触時間を最小にするために望ましい。さらに、これは、先に説明された「障害物遭遇」を最小にするために望ましい。図6Cのピーク502によって明らかにされた障害物は、〜z=6μmとなるまで起こらないことに留意されたい。FDMを採用しているシステムの感度は、力の許容範囲の上限が低い材料などの非常に繊細な材料から構成されたアレイが使用される場合に、非常に有用であり得る。小さいZ-エクステンションは、「フェザータッチ」型のレベリングシナリオを可能とする。
一例では、NLPの修正されたマウントが、2Dアレイを強固にマウントするために採用される。アクチュエータは、NLP Zステージであってもよい。XステージおよびYステージは、アレイの下方にスケールを予め配置するために使用することができる。TxおよびTyは、異なる平面性における異なるdF/dz挙動を示すために、図6A〜図7Bのデータに応じて変化させられる。
ポケットスケール(例えば、Ohaus YA 102、0.01gの精度)が、力センサとしてNLPステージプレートにマウントされてもよい。測定は、エポキシ手段を用いて達成される場合、公知の「ほぼ水平の」装置を用いて行われてもよい。例えば、アレイは、基板に残したままにされてもよく、その場合、エポキシを用いて予め取り付けられた、取り付けアームの磁石に持ち上げられる。数分の待ち時間(例えば、エポキシの硬化時間)の後、ステージは引っ込められてもよく、ほぼ水平の表面が得られる。例えばエポキシが体積歪みを引き起こす場合があることから、他の誤差が生じる場合がある。本明細書に開示されている態様は、エポキシ手段を用いずに、レベリングを達成することができる。
すべての器具の運動は、NLPソフトウェアを用いて調整することができる。力の読み取りは、Ohausスケールのデジタルディスプレイから直接行うことができる。スケールは、周知の100g質量によって工場の手続きに従って、予め較正されてもよい。
Ohausポケットスケールは、図8A〜図8Cのグラフに従って、予め特徴付けることができる。図4A〜図5Bとともに、図8A〜図8Cは、スケールそれ自体のばね定数(kスケール 約6kN/m)が、2D nPAおよびEPTアレイの双方のコレクティブばね定数の桁数内であることを示している。図3Bおよび図4Bに示されているコレクティブばね定数は、以下の、直列のばねに対するフックの法則によって、スケールと関係付けられる。
Figure 2013533460
この関係の一つの帰結は、カンチレバー偏位の光学測定に依拠する方法とは異なり、システムの任意の所定の部分(カンチレバー、先端など)の動作が、Zステージの駆動と同じ量だけ動くと想定することができないということである。
態様によっては、三脚構成が、力の測定に用いられる。この場合、力は、例えば、パターニングアレイの中心に対して幾何学的に対称的に配置された3つの異なる点で測定される。3つのセンサ間の差異は、装置の平面性を記述するベクトルを生成する。装置は、ベクトルが存在せず、3つのセンサすべてにおいて力が均衡している場合、水平である。
環境の変化による間違った読み取りおよび/またはドリフトを抑制するために、システムの構成は、温度、相対湿度、振動などに関して注意深く監視/制御されてもよい。例えば、環境筐体は、システムを周囲より高い一定の温度に保つために使用されてもよく、また、他の手法が使用されてもよい。
中間物体
態様によっては、アレイは、基板表面と接触せず、基板の平面性と一致する中間物体に接触する。この手法は、基板に対する望まないインキングを防止する。中間物体は、平坦なスラブ装置であってもよい。中間物体は、力の導関数方法を用いない態様に採用されてもよい。
さらに、中間物体は、例えば、三脚構成に関して先に述べた3つのボールから構成されてもよい。3つのボールは、装置の3つのコーナの下に配置されてもよく、これにより、3つの異なる接触点が得られる。力の導関数曲線は、各コーナが各ボールと接触する場合に、独立に測定される。装置は、最大化された力の導関数曲線が等しい場合に、平面であると考えられる。
3つのボールは、剛性の連結されたフレームの一部であってもよい。あるいは、一つのボールのみを採用してもよい。単一のボールが、ロボットアームによって「ピックアンドプレース(picked-and-placed)」されてもよい。中間ボール/物体は、基板の特定の位置に予め作製されてもよい。これらの中間物体は、引用文献に記載されているような受動セルフレベリングジンバル装置に従って、粗くプリレベリングされてもよい。したがって、レベリングシステムには、ボールおよび受動セルフレベリングジンバル装置の双方が、採用されてもよい。
態様によっては、ボールは、基板にあるのではなく、セルフレベリングジンバルとともに使用するために、アレイそれ自体に実際に組み入れられる(例えば、参照)。
十分な力によって、柔らかいバッキング材料に対してボールを収縮させることができ、これにより、先端が基板表面と接触することが可能になる。
多数のペンおよび大きいサイズのペンから構成されるアレイを用いる、改善された効果および効率を有する、広い面積にわたるパターニング
一態様では、先端から構成されるアレイは、アレイの先端の面積が少なくとも1平方ミリメートルであることによって特徴付けられる。一態様では、先端から構成されるアレイは、アレイの先端の面積が少なくとも1平方センチメートルであることによって特徴付けられる。一態様では、先端から構成されるアレイは、アレイの先端の面積が75平方センチメートルであることによって特徴付けられる。
一態様では、少なくとも75%の割合の先端が、インクを基板に移動させる。一態様では、少なくとも80%の割合の先端が、インクを基板に移動させる。一態様では、少なくとも90%の割合の先端が、インクを基板に移動させる。
一態様では、ペンから構成されるアレイは、少なくとも10,000のペンを備える。一態様では、ペンから構成されるアレイは、少なくとも55,000のペンを備える。一態様では、ペンから構成されるアレイは、少なくとも100,000のペンを備える。一態様では、アレイは、少なくとも1,000,000のペンを備える。
一態様では、ペンから構成されるアレイは、アレイのペンの面積が少なくとも1平方ミリメートルであることによって特徴付けられる。一態様では、ペンから構成されるアレイは、アレイのペンの面積が少なくとも1平方センチメートルであることによって特徴付けられる。一態様では、ペンから構成されるアレイは、アレイのペンの面積が少なくとも75平方センチメートルであることによって特徴付けられる。
一態様では、少なくとも75%の割合のペンが、インクを基板に移動させる。一態様では、少なくとも80%の割合のペンが、インクを基板に移動させる。一態様では、少なくとも90%の割合のペンが、インクを基板に移動させる。本明細書に記載されているレベリング方法および器具は、インクを基板に移動させるペンの割合を増加させることができる。
力曲線分析一般
本発明は、力曲線の導関数を得ることに基づくレベリングのための手法に限定されない。それどころか、レベリングのための手法は、力曲線パラメータ一般を得ることに基づいていてもよい。この場合、力曲線/パラメータは、力曲線の導関数または何らかの他のパラメータであってもよい。したがって、力曲線の導関数を得ることに関して先に述べた方法および装置は、力曲線パラメータ一般を得ることに基づく手法に適用される。
導関数を得ることに基づく手法と同様の方法で、力曲線パラメータ一般を得ることに基づく手法に関しても、距離は、時間の関数として表すことができる。あるいは、力曲線パラメータは、第1の距離および第2の距離に関して得ることができる。この場合、第1の距離および第2の距離は、例えば、上述したように駆動距離または反応距離を含む。第1の距離および第2の距離の曲線の曲線パラメータは、力曲線パラメータに関係付けられる。このようにして、該曲線パラメータは、同様に、レベリングに使用することができる。
力曲線パラメータとしての積分
力曲線の力曲線パラメータとして導関数を計算する代わりとして、力曲線の積分が、代わりに計算されてもよい。プローブおよび表面が相対的に互いに水平である場合、これらの間の距離は減少するため、力曲線の積分は、プローブと表面との間の傾斜がより大きい場合と比べてより大きくなる。したがって、大きい積分は、プローブおよび表面が互いに水平であることを示している。
力曲線パラメータ、または、力曲線の力曲線パラメータを得ることのさらなる例は、移動平均、回帰分析、多項式フィッティング、および移動傾斜角度分析を含んでもよい。
力曲線パラメータを用いる自動化
力曲線パラメータ一般を用いるレベリングの自動化は、力の導関数を用いたものと類似している。この場合、力曲線パラメータ一般が、力の導関数の代わりに置き換えられる。この点について、力曲線パラメータ一般を用いた自動化が、それぞれ図2Aおよび図2Bと類似しており、かつ、導関数が力曲線パラメータ一般に交換されている図9Aおよび図9Bに関連して説明される。
図9Aに示されているように、プロセスは段階920で開始され、プリレベリングプロセスは、図2Aの段階122と同様に、段階922で実行される。傾斜パラメータの湾曲線に対する粗い範囲および分解能が、段階924で設定されてもよい。範囲および分解能に基づいて、粗い湾曲線において獲得される力曲線の数が、段階926で決定されてもよい。例えば、獲得される力曲線の数は、分解能プラス1によって分割された範囲であってもよい。段階928では、2つの物体間の距離、例えば、ペンから構成されるアレイの先端によって規定された第1の平面と、基板表面によって規定された第2の平面との間の距離が、アクチュエータを用いて変化させられてもよい。距離は、例えば、連続的に、または、段階的に変化させられてもよい。さらに、段階928では、力は、距離を変化させるのと同時に測定されてもよい。力は、2つの物体のうちの一方または双方に加えられる力、または、力センサによって測定されるフィードバック力であってもよい。段階928では、力曲線は、現在の力および距離に応じてインクリメントされる。力曲線は、特定の傾斜パラメータに対して力および距離をインクリメントすることによって、増加される。力曲線は、例えば、連続的に、または、段階的にインクリメントされてもよい。段階930では、コントローラは、力曲線パラメータが閾値を超えたか否かを判定する。そうである場合、現在の傾斜パラメータに関する力曲線パラメータは拒絶され、力曲線パラメータは、現在の傾斜パラメータに関して切り捨てられてもよい。
段階932では、距離または時間に関する力の曲線の力曲線パラメータが、計算される。力曲線パラメータは、例えば、力曲線の導関数または積分である。力曲線パラメータとして積分を求める場合、積分は、該積分が段階938において有意に比較され得るように、各傾斜パラメータの同じ変位範囲に関して求められるべきである。積分が、同じ変位範囲に関して求められない場合、より大きな積分が、より長い変位範囲に関して間違って発見される場合がある。特定の傾斜パラメータに関する積分を求めるための変位は、スケールが荷重測定を読み取り始める点から開始される。この点が、この傾斜パラメータに対するゼロ変位点である。
段階934では、傾斜が、例えばアクチュエータを用いて変化させられる。傾斜パラメータが、傾斜湾曲線の分解能に応じてインクリメントされる。段階936では、現在の傾斜パラメータに関して得られる力曲線の数に達したか否かが判定される。そうでない場合、プロセスは段階928に進み、そこで距離が変化させられ、力が測定される。はいの場合、フローは段階938に進み、そこで最適な力曲線パラメータが求められる。例えば、力曲線パラメータが積分である場合、最適な力曲線パラメータは、最大の積分となり得る。積分同士を比較する場合、積分は、段階932に関して先に注意したように、各傾斜パラメータに関するゼロ変位点を起点にした同じ変位範囲に関して求められるべきである。
段階940では、傾斜湾曲線が、より細かい分解能で、および、傾斜パラメータ値のより短い範囲に関して、再現されるべきか否かが判定される。例えば、粗い湾曲線がちょうど現れた場合、傾斜湾曲線は常に、より細かい分解能で、および、より短い範囲に関して、再現されてもよい。より細かい湾曲線が現れるべきである場合、段階942において、より短い範囲が設定される。この場合、最適な力曲線パラメータ(最大の積分など)に対応する傾斜パラメータは、より短い範囲の中央の近傍にある。より細かい湾曲線が現れるべきでない場合、プロセスは段階944に進み、そこで、2つの物体がレベリングされるか、または、これらの間の傾斜が、力曲線パラメータの最適な値に基づいて測定される。
本明細書に開示されている態様に係る力曲線分析方法は、平面性および力に関する同時的な定量的知見を得る事を可能にする。自動化に適合するように、それは、力-フィードバックおよび平面性-フィードバックに関して、リアルタイムでインサイチューの情報を提供する。このようにして、これは、非平坦な表面にパターニングするという前例のない機能を可能にする。なぜならば、平面的なフィードバック機構が、システムを再レベリングするインプロセスを採用することができるからである。これは、平面性の異なる多数の基板、大きな湾曲もしくは細片を有する基板、またはさらには球面を含むことができる。
例示的な自動の適応性のあるレベリング方法が、図9Bのフローチャートに示されている。段階950では、予測が、力-距離曲線、距離-距離曲線、力-時間の曲線、または距離-時間曲線に関して行われてもよい。段階952では、距離が、予測に基づいて変化させられる。段階954では、力曲線パラメータが得られる。段階956では、2つの物体間のレベリングが、例えば図9Aに示されている繰り返し方法を用いて達成される。2つ物体間の傾斜および/または距離は、継時的に変化する場合がある。したがって、段階958では、力曲線パラメータをリアルタイムで得ることができるように、段階952および段階954が反復される。段階960では、インサイチューの力曲線パラメータの計算/測定に基づいて、傾斜が変化したか否かが判定される。そうである場合、新しいリアルタイムのレベリングを達成するために、レベリング段階956が反復される。
ロードセルシャーシ
図10A〜図10Eに、セルシャーシ326が詳細に示されている。これらの図では、アレイ302が、シャーシ326のアレイハンドル303に取り付けられている。さらに、機器は、図10Bに示されているように、ロードセルデジタイザ325を含む場合がある。ロードセルデジタイザ325は、力センサからの信号をコントローラによって読み取り可能な信号に変換することができる。ロードセルデジタイザ325は、例えば、Mantracourt Electronics,Ltd.から入手可能であるMantracourt Model DSCH4ASC Digitizerであってもよい。ロードセルデジタイザ325は、あらゆるノイズ源からできるだけ分離されていることが好ましい。ロードセルデジタイザ325は、12Vランタンバッテリなどのバッテリ源から電力を受け取ることができる。あるいは、ロードセルデジタイザ325は、非バッテリ式で低ノイズの電源、または任意の他の適当な電源から電力を受け取ってもよい。ロードセルデジタイザ325は、図10Cに示されているように、ロードセルシャーシ326内に配置されてもよい。
力曲線パラメータとしての積分の例
図11Aは、傾斜パラメータTyの値のある範囲におよぶ力-距離曲線の三軸グラフを示している。図11Aおよび図11B〜図19は、質量の単位(g)で力を表しているが、一般的には、力は、当業者によって認識されているように、ニュートンなどの力の単位で表すことができる。3つの軸は、ロードセル合計、Z変位、および傾斜パラメータTyというラベルの付けられた力距離曲線である。データは、シリコン窒化物の先端、約2.6N/mのばね定数、および3168μmのX方向幅を有する48ペンの1-D(一次元)アレイに関して得られた。図11Aおよび図11Bに関する力データは、段階的にアレイを動かすことによって得られた。図11Aにおける傾斜パラメータTy湾曲線範囲は、-1.15〜-0.15度であり、傾斜パラメータ分解能(インクリメント)は、0.05〜0.10度であった。
変位に関する力曲線が、特定の傾斜パラメータの範囲におよぶ場合は、力曲線積分は、変位範囲に関する力を積分することによって容易に求めることができる。図9Aのレベリング自動化に関して先に注意したように、積分は、特定の傾斜パラメータに関する同じ変位範囲にわたって求められる。この場合、特定の傾斜パラメータに関する積分を求めるための変位は、スケールが荷重測定の読み取りを開始した点から開始される。この点が、この傾斜パラメータに対するゼロ変位点である。図11Aの力曲線データに関して、積分は、約-0.66度の傾斜パラメータTy値において最大値である。
図11Bは、傾斜パラメータ湾曲線が、より細かい傾斜パラメータ分解能およびより小さい傾斜パラメータ範囲を有する点を除いて、図11Aと同様の三軸グラフを示している。特に、図11Bでは、傾斜パラメータTy湾曲線範囲は、-0.76〜-0.56度であり、傾斜パラメータ分解能(インクリメント)は0.01度であった。図11Bにおける力データの積分は、約-0.66〜-.064の傾斜パラメータTy値においてピーク値である。このように、図11Aおよび図11Bは、集計的により粗い傾斜パラメータ湾曲線(図10)を示し、これに続いて、より細かい傾斜パラメータ湾曲線(図11B)を示している。
図12および図13は、それぞれ、より粗い傾斜パラメータ湾曲線およびより細かい傾斜パラメータ湾曲線に関する三軸グラフを示している。この場合、アレイは、段階的にではなく、連続的に動かされている。図11Aおよび11Bと同様に、データは、シリコン窒化物の先端、約2.6N/mのばね定数、および3168μmのX方向幅を有する48ペンの1-D(一次元)アレイに関して得られた。図12のより粗い湾曲線に関しては、傾斜パラメータTy湾曲線範囲は、-0.1〜1.9度であり、傾斜パラメータ分解能(インクリメント)は0.05〜0.10度であった。図12の力データに関しては、積分は、約1.0度の傾斜パラメータTy値において最大値となっている。図13のより細かい湾曲線に関しては、傾斜パラメータTy湾曲線の範囲は、0.78〜0.98度であり、傾斜パラメータ分解能(インクリメント)は0.01度であった。図13の力データに関しては、積分は、約0.94度の傾斜パラメータTy値において最大値となっている。
連続的に動かされるステージのデータ収集(図12および図13の場合のような)は、段階的に動かす方法のデータ収集よりも優れた利益を有する場合がある。連続的に動かされるステージに関してデータを得ることによって、分析速度が向上する場合がある。特に、データの同じ量が、より短い時間量で獲得される場合がある。さらに、連続的に動かされるアレイに関して収集されたデータに関して、単位時間または単位距離当たりで、より大きいデータ量が、獲得される場合がある。したがって、得られた力曲線は、有利にも、同一または同等のより短い獲得時間の間に、段階的に動かす方法の場合よりも高密度の数のデータ点を有する。
図14〜図17は、基板表面が先端に接触する前にチップの縁に接触する場合に、データから「両翼(wings)」を除去する概念を示している。図14、図16、および図17では、図11Aおよび図11Bと同様の方法で、データが、シリコン窒化物の先端、約2.6N/mのばね定数、および3168μmのX方向幅を有する、48ペン1-D(一次元)アレイに関して得られた。
図14は、基板表面が先端と接触する前にチップの縁と接触する場合に関する三軸グラフを示している。チップの縁との基板表面の接触は、「両翼」の形状、つまり、グラフの両側の力の値が、極めて大きく、急峻に上昇することを表す。図14では、両翼が、約-1.0〜-0.1度の範囲および2.0〜2.8度の傾斜パラメータTy範囲において生じている。
変則的な両翼は、限界傾斜角度を設定することにより翼領域のデータを割り引くことによって除去され得る。この場合、力曲線積分の傾斜角度が、限界傾斜角度を上回った場合、傾斜角度が閾値を上回っている領域のデータが無視される。図15は、荷重対変位zを示している。一般に、圧縮性である、アレイのカンチレバーに由来する荷重の最大傾斜角度は、値Xであり、接触するロードセルに由来する傾斜角度は、かなり大きくなる。ロードセルが基板に接近するため、傾斜角度は、カンチレバーの圧縮にのみ由来する。ロードセルが基板に接触する場合、接触による大きい荷重構成要素が存在する。したがって、ロードセル接触により傾斜角度がこれに接近する場合の任意のデータは、切り捨てられるべきである。図15は、グラフの右側において、閾値を上回る傾斜角度を有するデータを示している。この場合、閾値近くのデータが、拒絶され、切り捨てられるべきである。
図16および図17は、それぞれ、データが両翼を有する場合、および、両翼を除去するためにデータが切り捨てられた場合を示している。図16は、両翼の高さを示すために力に関するスケールが増加された、図14のデータを示している。図17は、閾値を上回っている傾斜角度に基づいて両翼が除去された、切り捨てられたデータを示している。
図18は、データが、図11A〜図14、図16、および図17の、X方向幅3168μmの、より長い48ペン1-Dアレイと比べて、X方向幅792μmの、12ペン1-Dアレイに関して得られた三軸グラフを示している。図18のデータの先端パラメータは、図11A〜図14、図16、および図17の場合と同じであった。傾斜パラメータTy 湾曲線範囲は、-3.5〜0.5度であった。図18の力データに関して、積分は、約-1.7度であると特定される傾斜パラメータTy値において最大値である。しかしながら、積分のピーク値は、それほど顕著ではなく、さらには、より幅の広いX方向幅3168μmを有するより長い48ペンの1-Dアレイの例の場合と比べて、「ノイズ内」にあった。さらにノイズ内にあるピークは、より長くより幅の広いアレイの約25%であるより短くより狭いアレイの減少したコレクティブkに由来する場合がある。アレイの長さおよび幅に加えて、コレクティブk値は、先端の柔軟性にも依存する。図19は、シリコンチップ対より柔らかいPDMSチップに関するサファイアボールとの接触に対して求められたk値を示している。この場合、PDMSチップは、著しくより小さいk値を有する。一般に、幅および長さのより長いアレイならびにより硬い先端を有するシステムの場合に、最良の結果となる。
ピーク力曲線積分に基づく傾斜パラメータTyの同一性の再現性が、図20のヒストグラムに示されている。この場合、アレイパラメータは、図11Aの場合のものと同じであった。傾斜パラメータの初期の粗い湾曲線の後、0.01度の傾斜パラメータ分解能(インクリメント)を有する細かい湾曲線が、0.38〜0.58度の傾斜パラメータ範囲に関して10回実行された。ヒストグラムに示されているように、ピーク検出精度は、約±0.01度である。
接触測定精度
接触測定精度は、基板と接触し、所定の荷重閾値を超えるアレイに関するシステムの能力として規定される。これにより、接触が認識される。先に述べた傾斜角度閾値は、接触閾値と同じではない。この接触閾値を超えるZ-位置が、記録されてもよい。多くの回数実行される場合、Z-位置の統計分散が、生成されてもよい。この統計分散の標準偏差が、接触測定精度である。したがって、接触測定精度が低いほど、より良好な結果が得られる。
2つの実験要件は、システムの必要な接触測定精度を要求する。(1)所望のドットサイズ、および、(2)変動の許容係数(「CV」)。CVは、印刷されたドットサイズが、水平でない先端によって変動する度合いである。したがって、CVは、次の方程式を用いて求めることができる。
Figure 2013533460
この場合、σはドットサイズの標準偏差であり、μは平均ドットサイズである。
図21は、基板と接触している2つの先端を描いている。この場合、基板に対する先端の平面オフセットがある。図21では、非平面性の任意の度合いは、先端のフットプリントが図示されている切り取られた三角に近似するように、先端の同等の圧縮に翻訳されていると想定されている。さらに、先端はまず、Zステージの移動のすべてが実際に先端の変形によって吸収されるように、圧縮のすべてを行っていると想定されている。
図22は、所望のドットサイズを得るために必要とされる接触測定精度を示しているグラフである。複数の制限によって、最小の可能な接触測定精度が決定されてもよい。このような制限は、Zステージが調節され得る最小角度である(先端および傾斜の角度)。例えば、Zステージが調節され得る最小角度が0.0003°であり、アレイの幅が5μmである場合、獲得され得る最小の可能な接触測定精度は±13nmであり、以下の方程式によって求められる。
CMPmin=5tan(0.0003)
第2の制限は、センサ検出限度である。センサ検出限度は、接触が行われたことが確実になり得る前に、アレイと接触する間にZステージが移動しなければならない最小の距離である。制限は、ロードセルのノイズフロアおよび信号対ノイズの比率ならびにアレイおよび基板の材料によって、大きく影響される。ロードセル信号が非常にノイジーな場合、どれがノイズスパイクなのか、および、どれがアレイと基板との間の実際の接触を示すのかを知ることは困難である。ロードセルの所定のノイズレベルに関して、硬質材料は軟質材料よりも検出するのがより容易であり、より速い。図22では、例えば、硬表面に関しては±30nm、および、軟表面に関しては±150nmのセンサ検出限度が示されている。
アクチュエータが、段階的運動でZステージを動かすように構成されている場合、一つの制限は、Zステージが垂直方向に動かされ得る最小距離であるZステージインクリメントである。最小の測定精度は、最小のZステージインクリメントの半分である。図22は、100nmの最小のインクリメントを有するZステージに対するZステージに課された限度を示している。したがって、この場合、接触測定予知の、Zステージに課された限度は±50nmである。しかしながら、この制限は、Zステージの連続運動を用いることによって大幅に除去される。
アクチュエータが、連続運動でZステージを動かすように構成されている場合、図22に示されていない一つの制限は、Zステージの動作と力センサによって測定された力とをコントローラがいかに速く相互に関係付けることができるかを決定するサンプリング速度またはサンプリング期間である。
図22から理解できるように、所定の所望のドットサイズに関して、印刷された領域にわたるドットサイズ変動は、接触測定精度がより悪く(つまり、より大きく)なるにつれて、線形的に増加する。このことは、グラフの三角形を水平に拡大することによって示される。斜めのCVラインは、所望のドットサイズおよびCV交差が必要な接触測定精度を要求する場合をごくわずかに示している。例えば、10%CVよりも悪くない5μmのドットを生成するために、少なくとも±265nmの接触測定精度が必要とされる。したがって、グラフの左側において動作することが、これは、先に述べた制限によって限定される場合もあるが、好ましい。

Claims (117)

  1. 第1の物体と第2の物体との間の第1の相対距離および相対傾斜のうちの少なくとも一方を継時的に変化させる段階;
    前記第1の相対距離または時間に関する、前記第1の物体と前記第2の物体との間の力または第2の相対距離の導関数を得る段階;および
    前記導関数に基づいて、前記第1の物体と前記第2の物体との間の相対傾斜を調節するか、または、該相対傾斜を測定する段階
    を含む方法。
  2. 前記導関数がn次の導関数であり、該nが整数である、請求項1記載の方法。
  3. 前記力の導関数における不連続性を検出する段階;および
    不連続性が検出された場合、該不連続性に関連する前記力の導関数の最大値を無視する段階
    をさらに含む、請求項1記載の方法。
  4. 前記第1の距離または第2の距離のうちの一方が、駆動距離であり、前記第1の距離または第2の距離の他方が、前記第1の物体または第2の物体のうちの一方の圧縮または偏位に起因する反応距離であり、前記の導関数を得る段階が、
    前記変化させる段階が前記駆動距離および前記相対傾斜を一定の割合で変化させることを含む、時間に関する力の導関数を計算する段階;
    前記駆動距離に対する反応距離の導関数を得る段階;
    時間に対する反応距離の導関数を得る段階であって、前記駆動距離が一定の割合で変化させられる、段階
    の一つを含む、請求項1記載の方法。
  5. 基板表面に対してミクロスコピックなペンから構成されるアレイをレベリングするように構成された機器であって、
    前記アレイまたは前記基板表面のうちの一方を動かして、これらの間の第1の相対距離または相対傾斜のうちの少なくとも一方を継時的に変化させるように構成されたアクチュエータと、
    前記アレイと前記基板表面との間の力を測定するように構成された一つまたは複数の力センサと、
    前記第1の距離または時間に関して前記力または第2の距離のうちの一方の導関数を計算するように構成された装置と
    を備え、
    前記導関数に基づいて前記アレイと前記基板表面との間の相対傾斜を変化させることによって、前記基板表面に対して前記アレイをレベリングすること;または
    前記導関数に基づいて前記相対傾斜を測定すること
    のうちの少なくとも一方を実行するように構成された、前記機器。
  6. ペンから構成される前記アレイが、ペンから構成される二次元アレイである、請求項5記載の機器。
  7. 命令を内に記憶している非一時的なコンピュータ可読媒体であって、該命令が、
    第1の物体と第2の物体との間の複数の第1の距離を継時的に得ること;
    前記第1の距離または時間に関する前記第1の物体と前記第2の物体との間の力または第2の距離の導関数を得ること;および
    前記導関数に基づいて、前記第1の物体と前記第2の物体との間の相対傾斜を制御するか、または、該相対傾斜を得ること
    を含む、前記非一時的なコンピュータ可読媒体。
  8. 前記命令が、前記導関数のピーク値を発見することをさらに含む、請求項7記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
  9. 前記命令が、
    前記導関数のピーク値を発見すること;
    前記ピーク値に関連する前記導関数の連続性を判定すること;および
    連続性が検出された場合、前記ピーク値を拒絶すること
    をさらに含む、請求項7記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
  10. インクが塗布された先端から構成される少なくとも一つのアレイを提供する段階;
    少なくとも一つの基板を提供する段階;
    インクが前記先端から前記基板に移動するように、前記先端または前記基板のうちの少なくとも一方を動かす段階であって、導関数の計算を含む力-距離測定を用いて前記アレイおよび前記基板をレベリングすることを含む、前記動かす段階
    を含む方法。
  11. 基板表面を提供する段階;
    ペンから構成される少なくとも一つのアレイを提供する段階;
    前記アレイと前記基板表面との間の距離を継時的に変化させるために、前記アレイおよび/または前記基板表面のうちの一方を動かすように構成されたアクチュエータを提供する段階;
    前記アレイと前記基板表面との間の力を測定するように構成された力センサを提供する段階;
    前記距離または時間に関する前記力の導関数を計算するように構成された装置を提供する段階;
    前記アレイと前記基板表面との間の距離を継時的に変化させるために、前記アレイまたは前記基板表面のうちの少なくとも一方を動かす段階;
    前記アレイと前記基板表面との間の力を測定する段階;
    前記距離または時間に関する前記力の導関数を計算する段階;ならびに
    (1)前記導関数に基づいて前記アレイと前記基板表面との間の相対傾斜を変化させることによって、前記基板表面に対して前記アレイをレベリングすること;または
    (2)前記導関数に基づいて前記相対傾斜を測定すること
    のうちの少なくとも一方を実行する段階
    を含む方法。
  12. 第1の物体と第2の物体との間の力-距離関係を予測する段階;
    前記力-距離関係に基づいて、前記第1の物体と前記第2の物体との間の距離を変化させる段階;ならびに
    前記距離に対する力の導関数を得る段階;ならびに
    前記導関数に基づいて、前記第1の物体および前記第2の物体をレベリングするか、または、前記第1の物体と前記第2の物体との間の相対傾斜を測定する段階
    を含む方法。
  13. 前記の予測する段階が、有限要素解析を含む、請求項12記載の方法。
  14. 2つの物体間の力-距離、距離-距離、距離-時間、または力-時間の関係から導関数を連続的に得る段階;および
    リアルタイムの前記導関数に基づいて、前記2つの物体間の相対傾斜を連続的に調節する段階
    を含む、自動の適応性のあるレベリング方法。
  15. 前記2つの物体が、
    基板と、
    インクを用いて、複数の平面、湾曲、細片、または球面を含む前記基板の表面にパターニングするように構成された複数の先端と
    を含む、請求項14記載の方法。
  16. 基板表面に対してミクロスコピックなペンから構成されるアレイをレベリングするように構成された機器であって、
    前記アレイと前記基板表面との間の第1の相対距離または相対傾斜のうちの少なくとも一方を継時的に変化させるために、前記アレイまたは前記基板表面のうちの一方を動かすように構成されたアクチュエータと、
    前記アレイと前記基板表面との間の力を測定するように構成された一つまたは複数の力センサと、
    前記第1の距離または時間に関する前記力または第2の距離のうちの一方の曲線の力曲線パラメータを計算するように構成された装置と
    を備え、
    前記力曲線パラメータに基づいて前記アレイと前記基板表面との間の相対傾斜を変化させることによって、前記基板表面に対して前記アレイをレベリングすること;または
    前記力曲線パラメータに基づいて、前記相対傾斜を測定すること
    のうちの少なくとも一方を実行するように構成された、前記機器。
  17. 前記力曲線パラメータが、所定の変位範囲の前記第1の距離または時間に関する前記力または前記第2の距離の積分である、請求項16記載の機器。
  18. 前記積分が、前記第1の距離または時間に関する前記力または前記第2の距離の段階的な積分であり、該第1の距離または時間が段階的な方法で変化させられる、請求項17記載の機器。
  19. 前記積分が、前記第1の距離または時間に関する前記力または前記第2の距離の連続的な積分であり、該第1の距離または時間が段階的な方法で変化させられる、請求項17記載の機器。
  20. 前記アレイが1-Dアレイである、請求項16記載の機器。
  21. ペンから構成される前記アレイが、ペンから構成される、カンチレバーを用いないアレイである、請求項16記載の機器。
  22. ペンから構成される前記アレイが、前記基板表面に吸着するか、または共有結合するように適合された少なくとも一つのパターニング化合物を含む、請求項16記載の機器。
  23. 前記基板表面が、少なくとも一つの表面修飾層を備える、請求項16記載の機器。
  24. 前記アクチュエータが、少なくとも一つの圧電材料を備える、請求項16記載の機器。
  25. 前記アクチュエータが、圧電アクチュエータである、請求項16記載の機器。
  26. ユーザインターフェースをさらに備える、請求項16記載の機器。
  27. ペンから構成される前記アレイが、カンチレバーに配置された先端、マイクロカンチレバーに配置されたAFM先端、または弾性重合体の先端の少なくとも一つを備える、請求項16記載の機器。
  28. 前記力センサが、1pN〜1Nの範囲の力を測定するように構成されている、請求項16記載の機器。
  29. 前記力センサが、1pg〜1kgの範囲の荷重を測定するように構成されている、請求項16記載の機器。
  30. 前記一つまたは複数の力センサが、
    正確な竿秤と、
    精密ばねまたは屈曲部と
    を備えるように構成された第1のステージと、
    力の許容荷重がより高いばねまたは屈曲部
    を備える第2のステージと、
    前記アレイの動作を監視するように構成された一体化された容量センサと
    を備える、請求項16記載の機器。
  31. 前記力センサが、
    ロードセル、
    容量素子、
    誘導素子、
    圧電素子、
    片持ち梁、
    光学エンコーダ、
    歪みゲージ、
    荷重変換器、
    線速度変位変換器、
    レーザ三角測量センサ、または
    共焦点センサ
    の少なくとも一つを含む、請求項16記載の機器。
  32. 前記アレイと前記基板表面との間の前記距離を測定するように構成された装置をさらに備える、請求項16記載の機器。
  33. 前記距離を繰り返し変化させ、かつ
    前記力曲線パラメータの最大値が獲得されるまで前記傾斜を調節する
    ように構成されたコントローラをさらに備える、請求項16記載の機器。
  34. 少なくとも前記アレイを収納し、かつ周囲温度よりも高い一定の温度に内部温度を保つように構成された筐体をさらに備える、請求項16記載の機器。
  35. 温度、相対湿度、または振動のうちの一つを含む環境の変化を監視するように構成された装置と、
    前記環境の変化を補償するように構成された装置と
    をさらに備える、請求項16記載の機器。
  36. ペンから構成される前記アレイに、前記基板表面に移動されるパターニングインクが付けられる、請求項16記載の機器。
  37. 前記距離が、少なくとも1nm変動する、請求項16記載の機器。
  38. 前記距離が、1nm〜100nm変動する、請求項16記載の機器。
  39. 第1の物体と第2の物体との間の第1の相対距離および相対傾斜のうちの少なくとも一方を継時的に変化させる段階;
    前記第1の相対距離または時間に関する、前記第1の物体と前記第2の物体との間の前記力または第2の相対距離のうちの一方の曲線の力曲線パラメータを得る段階;および
    前記力曲線パラメータに基づいて、前記第1の物体と前記第2の物体との間の相対傾斜を調節するか、または、該相対傾斜を測定する段階
    を含む方法。
  40. 前記力曲線パラメータが、所定の変位範囲の前記第1の距離または時間に関する前記力または前記第2の距離の積分である、請求項39記載の方法。
  41. 前記積分が、前記第1の距離または時間に関する前記力または前記第2の距離の段階的な積分であり、該第1の距離または時間が、段階的な方法で変化させられる、請求項40記載の方法。
  42. 前記積分が、前記第1の距離または時間に関する前記力または前記第2の距離の連続的な積分であり、該第1の距離または時間が、段階的な方法で変化させられる、請求項40記載の方法。
  43. 前記第1の相対距離または時間に関する、前記力または前記第2の相対距離のうちの一方の前記曲線の傾斜角度を計算する段階;
    前記傾斜角度が限界傾斜角度より大きいか否かを判定する段階;および
    前記傾斜角度が前記限界傾斜角度より大きい場合、前記力または前記第2の相対距離のデータを無視する段階
    をさらに含む、請求項40記載の方法。
  44. 前記傾斜角度が前記限界傾斜角度より大きい場合、前記曲線のデータを切り捨てる段階
    をさらに含む、請求項43記載の方法。
  45. 前記データを切り捨てた後に、前記積分の最大値を、前記第1の物体と前記第2の物体との間の複数の相対傾斜角における積分の中から発見する段階
    をさらに含む、請求項44記載の方法。
  46. (a)傾斜パラメータの第1の分解能および第1の範囲での、前記第1の物体と前記第2の物体との間の複数の距離における複数の力曲線パラメータを得る段階;
    (b)前記第1の分解能での前記力曲線パラメータの中から前記力曲線パラメータの第1の最大値を求める段階;
    (c)前記第1の分解能よりも大きい傾斜パラメータの第2の分解能、および、前記第1の範囲よりも小さい傾斜パラメータの第2の範囲での、前記第1の物体と前記第2の物体との間の複数の距離における別の複数の力曲線パラメータを得る段階;ならびに
    (d)前記第2の分解能での別の力曲線パラメータの中から前記力曲線パラメータの第2の最大値を求める段階
    をさらに含む、請求項39記載の方法。
  47. 前記力曲線パラメータに基づいて、前記第1の物体および前記第2の物体をレベリングする段階をさらに含む、請求項39記載の方法。
  48. 前記の力曲線パラメータを得る段階が、複数の距離における前記第1の物体と前記第2の物体との間の力を測定する段階を含む、請求項39記載の方法。
  49. 前記の力曲線パラメータを得る段階が、
    所定の割合で前記距離を変化させる段階;および
    複数の時間における前記第1の物体と前記第2の物体との間の力を測定する段階
    を含む、請求項39記載の方法。
  50. 前記の力曲線パラメータを得る段階が、
    一定の割合で前記距離を変化させる段階;
    複数の時間における前記第1の物体と前記第2の物体との間の力を測定する段階;および
    前記力の力曲線パラメータを継時的に計算する段階
    を含む、請求項39記載の方法。
  51. 前記第1の物体が、第1の実質的に平坦な平面を規定する先端から構成されるアレイを備え、前記第2の物体が、実質的に平坦な表面を有する基板を備えている方法であって、
    前記力曲線パラメータに基づいて、前記第1の実質的に平坦な平面および前記実質的に平坦な表面をレベリングする段階;ならびに
    先端から構成される前記アレイを用いて前記実質的に平坦な表面上にパターンを印刷する段階
    をさらに含む、請求項39記載の方法。
  52. 前記第1の物体が、
    バッキングと、
    前記バッキングに配置された先端から構成されるアレイと
    を備え、
    前記バッキング、前記先端、または前記第2の物体の少なくとも一つが圧縮性である、請求項39記載の方法。
  53. 前記第1の物体が、
    バッキングと、
    先端を有しかつ前記バッキングに配置されたカンチレバーから構成されるアレイと
    を備え、かつ
    前記カンチレバーが可撓性である、
    請求項39記載の方法。
  54. 前記第1の物体と前記第2の物体との間の複数の相対傾斜角における力曲線パラメータの中から前記力曲線パラメータの最大値を発見する段階をさらに含む、請求項39記載の方法。
  55. 前記力曲線パラメータが、前記第1の距離または時間に関する前記力または前記第2の距離の積分である、請求項54記載の方法。
  56. 前記力曲線パラメータ対前記相対傾斜の傾向を得る段階;および
    前記力曲線パラメータが減少している場合、前記相対傾斜を反対方向に調節する段階
    をさらに含む、請求項39記載の方法。
  57. (a)前記第1の物体と前記第2の物体との間の複数の距離における複数の力曲線パラメータを得る段階;
    (b)前記第1の物体と前記第2の物体との間の相対傾斜を調節する段階;
    (c)前記(a)および(b)の段階を反復する段階;ならびに
    (d)前記相対傾斜および前記距離の関数として前記力曲線パラメータをマッピングする段階
    をさらに含む、請求項39記載の方法。
  58. (a)前記第1の物体と前記第2の物体との間の複数の距離における複数の力曲線パラメータを得る段階;
    (b)前記第1の物体と前記第2の物体との間の相対傾斜であって、x方向またはy方向のうちの一方である相対傾斜を調節する段階;
    (c)前記(a)および(b)の段階を反復する段階;ならびに
    (d)x方向およびy方向の双方の前記相対傾斜ならびに前記距離の2-D関数として前記力曲線パラメータをマッピングする段階
    をさらに含む、請求項39記載の方法。
  59. (a)前記第1の物体と前記第2の物体との間の複数の距離における複数の力曲線パラメータを得る段階;
    (b)前記第1の物体と前記第2の物体との間の相対傾斜であって、x方向またはy方向のうちの一方である相対傾斜を調節する段階;
    (c)前記(a)および(b)の段階を反復する段階;
    (d)x方向およびy方向の双方の前記相対傾斜ならびに前記距離の2-D関数として前記力曲線パラメータをマッピングする段階;ならびに
    (e)前記2-Dマッピングから前記力曲線パラメータの最大値を得る段階
    をさらに含む、請求項39記載の方法。
  60. (a)前記第1の物体と前記第2の物体との間の複数の距離における複数の力曲線パラメータを得る段階;
    (b)前記第1の物体と前記第2の物体との間の相対傾斜であって、x方向またはy方向のうちの一方である相対傾斜を調節する段階;
    (c)前記(a)および(b)の段階を反復する段階;
    (d)x方向およびy方向の双方の前記相対傾斜ならびに前記距離の2-D関数として前記力曲線パラメータをマッピングする段階;
    (e)前記2-Dマッピングから前記力曲線パラメータの最大値を得る段階;
    (f)前記相対傾斜を前記最大値に対応する位置に調節する段階
    をさらに含む、請求項39記載の方法。
  61. 一つまたは複数の力センサを用いて前記第1の物体と前記第2の物体との間の力を測定する段階であって、該力が1pN〜1Nの範囲である段階をさらに含む、請求項39記載の方法。
  62. 一つまたは複数の力センサを用いて前記第1の物体と前記第2の物体との間の力を測定する段階であって、荷重が1pg〜1kgの範囲である段階をさらに含む、請求項39記載の方法。
  63. 複数の相対傾斜の中から前記力曲線パラメータにおける最大値を発見することによって、前記第1の物体および前記第2の物体を相互に対して自動的にレベリングする段階をさらに含む、請求項39記載の方法。
  64. 複数の相対傾斜の中から前記力曲線パラメータにおける最大値を発見することによって、前記第1の物体および前記第2の物体を相互に対して自動的にレベリングする段階であって、前記距離を繰り返し変化させること、および、前記力曲線パラメータの最大値が獲得されるまで前記傾斜を調節することを含む、前記自動的にレベリングする段階
    をさらに含む、請求項39記載の方法。
  65. 前記アレイの中心に対して幾何学的に対称的に配置される複数の水平位置において力を測定する段階をさらに含む、請求項39記載の方法。
  66. 前記アレイの中心に対して幾何学的に対称的に配置される複数の水平位置において力を測定する段階;および
    前記測定された力間の差異に基づいて、前記第1の物体と前記第2の物体との間の平面性を求める段階
    をさらに含む、請求項39記載の方法。
  67. 温度、Rh、または振動のうちの少なくとも一つを含む環境の変化を監視する段階;および
    前記環境の変化を補償する段階
    をさらに含む、請求項39記載の方法。
  68. 周囲温度よりも高い実質的に一定の温度に前記第1の物体および前記第2の物体を維持する段階をさらに含む、請求項39記載の方法。
  69. 受動装置を用いて前記第1の物体および前記第2の物体をプリレベリングする段階をさらに含む、請求項39記載の方法。
  70. 前記第1の物体または前記第2の物体のうちの一方の圧縮特性;または
    前記第1の物体と前記第2の物体との間の結果として生じる平面性
    のうちの少なくとも一方を予測する段階をさらに含む、請求項39記載の方法。
  71. 前記第1の物体および前記第2の物体を実質的にレベリングした後に、
    別の力曲線パラメータを得る段階;ならびに
    前記他の力曲線パラメータが、前記相対傾斜が変化したことを示す場合、前記第1の物体と前記第2の物体との間の相対傾斜を即座に調節する段階
    をさらに含む、請求項39記載の方法。
  72. 前記力曲線パラメータのリアルタイムフィードバックに基づいて、前記相対傾斜を連続的に調節する段階
    をさらに含む、請求項39記載の方法。
  73. 前記第1の物体が、
    バッキングと、
    前記バッキングに配置された先端から構成されるアレイと
    を備え、
    前記先端が実質的に剛性であり、前記バッキングが圧縮性または可撓性である、請求項39記載の方法。
  74. 命令を内に記憶している非一時的なコンピュータ可読媒体であって、該命令が、
    第1の物体と第2の物体との間の複数の第1の距離を継時的に得ること;
    前記第1の距離または時間に関する前記第1の物体と前記第2の物体との間の力または第2の距離のうちの一方の曲線の力曲線パラメータを得ること;および
    前記力曲線パラメータに基づいて、前記第1の物体と前記第2の物体との間の相対傾斜を制御するか、または、該相対傾斜を得ること
    を含む、前記非一時的なコンピュータ可読媒体。
  75. 前記力曲線パラメータが、所定の変位範囲の前記第1の距離または時間に関する前記力または前記第2の距離の積分である、請求項74記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
  76. 前記積分が、前記第1の距離または時間に関する前記力または前記第2の距離の段階的な積分であり、該第1の距離または時間が段階的な方法で変化させられる、請求項75記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
  77. 前記積分が、前記第1の距離または時間に関する前記力または前記第2の距離の連続的な積分であり、該第1の距離または時間が段階的な方法で変化させられる、請求項75記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
  78. 前記命令が、前記力曲線パラメータのピーク値を発見することをさらに含む、請求項74記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
  79. 前記命令が、
    前記力曲線パラメータのピーク値を発見すること;
    前記ピーク値に関連する前記力曲線パラメータの連続性を判定すること;および
    不連続性が検出された場合、前記ピーク値を拒絶すること
    をさらに含む、請求項74記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
  80. インクが塗布された先端から構成される少なくとも一つのアレイを提供する段階;
    少なくとも一つの基板を提供する段階;
    インクが前記先端から前記基板に移動するように、前記先端または前記基板のうちの少なくとも一方を動かす段階であって、力曲線の力曲線パラメータの計算を含む力-距離測定を用いて、前記アレイおよび前記基板をレベリングすることを含む、前記動かす段階
    を含む方法。
  81. 前記力曲線パラメータが、所定の変位範囲の距離または時間に関する前記力の積分である、請求項80記載の方法。
  82. 前記先端がナノスコピックな先端である、請求項80記載の方法。
  83. 前記先端が走査プローブ顕微鏡の先端である、請求項80記載の方法。
  84. 前記先端が原子間力顕微鏡の先端である、請求項80記載の方法。
  85. 先端から構成される前記アレイが、先端から構成される、カンチレバーを用いないアレイである、請求項80記載の方法。
  86. 前記先端が弾性の先端である、請求項80記載の方法。
  87. 先端から構成される前記アレイが、先端から構成される二次元アレイである、請求項80記載の方法。
  88. 前記基板が、前記インクを吸着するか、または前記インクと共有結合するように適合されている、請求項80記載の方法。
  89. 前記先端に少なくとも2つの異なるインクが塗布されている、請求項80記載の方法。
  90. 前記インクが、前記基板に吸着するか、または共有結合するように適合されている、請求項80記載の方法。
  91. 前記先端が、ある期間にわたって動かないように保持されるとき、前記インクが、前記基板上に拡散する、請求項80記載の方法。
  92. 前記アレイが、少なくとも10,000の先端を含む、請求項80記載の方法。
  93. 前記アレイが、少なくとも55,000の先端を含む、請求項80記載の方法。
  94. 前記アレイが、少なくとも100,000の先端を含む、請求項80記載の方法。
  95. 前記アレイが、少なくとも1,000,000の先端を含む、請求項80記載の方法。
  96. 先端から構成される前記アレイが、前記アレイの先端の面積が少なくとも1平方ミリメートルであることによって特徴付けられる、請求項80記載の方法。
  97. 先端から構成される前記アレイが、前記アレイの先端の面積が少なくとも1平方センチメートルであることによって特徴付けられる、請求項80記載の方法。
  98. 先端から構成される前記アレイが、前記アレイの先端の面積が少なくとも75平方センチメートルであることによって特徴付けられる、請求項80記載の方法。
  99. 少なくとも75%の割合の前記先端が、インクを前記基板に移動させる、請求項80記載の方法。
  100. 少なくとも80%の割合の前記先端が、インクを前記基板に移動させる、請求項80記載の方法。
  101. 少なくとも90%の割合の前記先端が、インクを前記基板に移動させる、請求項80記載の方法。
  102. 基板表面を提供する段階;
    ペンから構成される少なくとも一つのアレイを提供する段階;
    前記アレイと前記基板表面との間の距離を継時的に変化させるために、前記アレイおよび/または前記基板表面のうちの一方を動かすように構成されたアクチュエータを提供する段階;
    前記アレイと前記基板表面との間の力を測定するように構成された力センサを提供する段階;ならびに
    前記距離または時間に関する前記力の曲線の力曲線パラメータを計算するように構成された装置を提供する段階;
    前記アレイと前記基板表面との間の前記距離を継時的に変化させるために、前記アレイまたは前記基板表面のうちの少なくとも一方を動かす段階;
    前記アレイと前記基板表面との間の力を測定する段階;
    前記距離または時間に関する前記力の力曲線パラメータを計算する段階;ならびに
    (1)前記力曲線パラメータに基づいて前記アレイと前記基板表面との間の相対傾斜を変化させることによって、前記基板表面に対して前記アレイをレベリングすること;または
    (2)前記力曲線パラメータに基づいて、前記相対傾斜を測定すること
    のうちの少なくとも一方を実行する段階と
    を含む方法。
  103. 前記力曲線パラメータが、所定の変位範囲の前記距離または時間に関する前記力の積分である、請求項102記載の方法。
  104. ペンから構成される前記アレイが、少なくとも10,000のペンを含む、請求項102記載の方法。
  105. ペンから構成される前記アレイが、少なくとも55,000のペンを含む、請求項102記載の方法。
  106. ペンから構成される前記アレイが、少なくとも100,000のペンを含む、請求項102記載の方法。
  107. 前記アレイが、少なくとも1,000,000のペンを含む、請求項102記載の方法。
  108. ペンから構成される前記アレイが、前記アレイのペンの面積が少なくとも1平方ミリメートルであることによって特徴付けられる、請求項102記載の方法。
  109. ペンから構成される前記アレイが、前記アレイのペンの面積が少なくとも1平方センチメートルであることによって特徴付けられる、請求項102記載の方法。
  110. ペンから構成される前記アレイが、前記アレイのペンの面積が少なくとも75平方センチメートルであることによって特徴付けられる、請求項102記載の方法。
  111. 少なくとも75%の割合の前記ペンが、インクを前記基板に移動させる、請求項102記載の方法。
  112. 少なくとも80%の割合の前記ペンが、インクを前記基板に移動させる、請求項102記載の方法。
  113. 少なくとも90%の割合の前記ペンが、インクを前記基板に移動させる、請求項102記載の方法。
  114. 第1の物体と第2の物体との間の力-距離関係を予測する段階;
    前記力-距離関係に基づいて前記第1の物体と前記第2の物体との間の距離を変化させる段階;ならびに
    前記距離に対する力の曲線の力曲線パラメータを得る段階;ならびに
    前記力曲線パラメータに基づいて、前記第1の物体および前記第2の物体をレベリングするか、または、前記第1の物体と前記第2の物体との間の相対傾斜を測定する段階
    を含む方法。
  115. 前記の予測する段階が、有限要素解析を含む、請求項114記載の方法。
  116. 2つの物体間の関係に関する力-距離曲線、距離-距離曲線、距離-時間曲線、または力-時間曲線から力曲線パラメータを連続的に得る段階;および
    リアルタイムの前記力曲線パラメータに基づいて、前記2つの物体間の相対傾斜を連続的に調節する段階
    を含む、自動の適応性のあるレベリング方法。
  117. 前記2つの物体が、
    基板と、
    インクを用いて前記基板の表面をパターニングするように構成された複数の先端と
    を備え、
    前記基板が、複数の平面、湾曲、細片、または球面を含む、
    請求項116記載の方法。
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