JP2013532563A - 部品の数が削減されたおもちゃ用ボール装置 - Google Patents

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デイヴィッド イー. シルヴァーグレイト,
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Abstract

本明細書にはおもちゃ用ボール装置が開示されている。おもちゃ用ボール装置は、当該おもちゃ用ボール装置の外面を形成するメッシュを有している。メッシュは4個のメッシュコンポーネントを有し、これらの4個のメッシュコンポーネントは互いに結合され閉空間を囲むようになっている。各メッシュコンポーネントは複数のループ構造を有している。各ループ構造は、閉空間と連通する穴を少なくとも部分的に取り囲むように形成される湾曲した内周面を有し、また、多角形状の外周面により少なくとも部分的に取り囲まれている。各メッシュコンポーネントは、当該メッシュコンポーネントの外周縁部に沿って形成される協調合わせ面を有している。協調合わせ面は、メッシュコンポーネントの複数のループ構造のうちの複数のループ構造の各々の外周縁部の少なくとも一部に沿って形成されている。隣接するメッシュコンポーネントは協調合わせ面に沿って互いに結合されている。

Description

[関連出願の説明]
本出願は、ここで参照することによりその全開示内容を本明細書に援用する、2010年7月28日に申請され、表題が「部品数を削減したおもちゃ用ボール装置」である米国仮特許出願第61/368,635号の優先権を主張するものである。
従来のほとんどのボールの外面は、一部の人にとって、とくに運動調節機能が発達途上である幼い子どもおよび幼児にとって握るのが困難な場合があり、このようなボールを捕球および投球することは難易度の高いことであった。片手で握ったり投げたりする人たちにとって、この難易度の高さおよびそれに付随するフラストレーションはさらに増大されことになる。このような困難に取り組んだ従来の1つの発明が、ここで参照することによりその全開示内容を本明細書に援用する、表題が「おもちゃ用ボール装置」であるDavid Silverglate氏によって出願された米国特許第6,729,984号に記載されている。米国特許第6,729,984号の商用実施形態は、OBALL(登録商標)というブランド名で提供され、親と子どもの両方を喜ばして、市場で好意的に受け入れられている。
米国特許第6,729,984号には、容易に握ることができるボールについて記載されているが、これらのボールは、比較的に複雑な形状を有し、構成部品の数も多い。部品数が多いと、より多くのモールド型が必要となり、より多くの部品を組み立てなければならなく、貴重な時間を費やしてしまうので、製造コストも増大してしまう可能性がある。
本発明は、握りやすく、コンポーネントの数が少ないという特徴を有し、その結果、より容易に製造することができるボールを提供することによって上記の問題に取り組むことが開示されている。本明細書では、おもちゃ用ボール装置の外面を形成するメッシュを有するおもちゃ用ボール装置が開示されている。かかるメッシュは、相互に結合されて閉空間を囲む4個のメッシュコンポーネントを有しており、各メッシュコンポーネントは複数のループ構造を有しており、各ループ構造は、閉空間と連通する穴を少なくとも部分的に取り囲むように形成され、かつ多角形の外周縁部により少なくとも部分的に取り囲まれる湾曲した内周面を有している。各メッシュコンポーネントは、該メッシュコンポーネントの外周縁部に沿って形成される協調合わせ面を有しており、協調合わせ面がメッシュコンポーネントの複数のループ構造のうちの複数のループ構造の各々の外周縁部の少なくとも一部に沿って形成されている。隣接するメッシュコンポーネントは協調合わせ面に沿って互いに結合されている。
この[課題を解決するための手段]は、[発明を実施するための形態]にさらに下記に記載される概念から選択されたものを単純化した形式で照会するために提供されている。この[課題を解決するための手段]は、請求項に記載の主題の重要な構成要素または本質的な構成要素を特定することを意図したものでもなければ、請求項に記載の主題の技術範囲を限定するために用いられるのを意図したものでもない。さらに、請求項の主題は、本出願のいかなる部分に記載のいずれのまたは全ての問題を解決する実施形態に限定されるものではない。
本発明のある実施形態にかかるおもちゃ用ボール装置を示す分解組立正面図であって、当該おもちゃ用ボール装置の組立てに用いる縮尺がほぼ一定の4つのメッシュコンポーネントを示す分解組立正面図である。 図1のおもちゃ用ボール装置のメッシュコンポーネントを示す平面図である。 図2のメッシュコンポーネントを示す正面図である。 図2のメッシュコンポーネントを示す側面図である。 図1の頂部から見た場合の、図1のおもちゃ用ボール装置のメッシュコンポーネントのうちの2つを示す部分組立て平面図である。 図1の左後方側から見た場合の、図1のおもちゃ用ボール装置のメッシュコンポーネントのうちの2つを示す部分組立て後面図である。 図1の左側から見た場合の、図1のおもちゃ用ボール装置のメッシュコンポーネントのうちの2つを示す部分組立て左側面図である。 図1のおもちゃ用ボール装置のメッシュの切頂20面体を形成するメッシュコンポーネントを示すネットダイヤグラムである。 図1のおもちゃ用ボール装置を組み立てた後のおもちゃ用ボール装置を示す正面視である。 本発明の他の実施形態にかかるおもちゃ用ボール装置を示す分解組立図である。
図1は、本発明の一つの実施形態にかかるおもちゃ用ボール装置を示す分解図である。おもちゃ用ボール装置10は、おもちゃ用ボール装置10の外面を形成するメッシュ12を備えている。メッシュ12は、メッシュ12の組立に必要な複数のメッシュコンポーネント14を有している。製造時、メッシュコンポーネント14は、まず別個のコンポーネントとしてモールド成型され、次いで、適切な組立工程によって組み立てられる。組立時、複数のメッシュコンポーネント14が閉空間20を覆うように結合される。図1に例示されている実施形態では、メッシュ12は、第一のメッシュコンポーネント14a、第二のメッシュコンポーネント14b、第三のメッシュコンポーネント14cおよび第四のメッシュコンポーネント14dを含む4個のメッシュコンポーネント14から構成されている。
メッシュ12は、球体形状に近い切頂20面体の如き多面体形状に形成されてもよい。球体または他のボール形状に似せるために他の多面体形状が用いられてもよい。いうまでもなく、4個のメッシュコンポーネントを用いることで、米国特許第6,729,984号に開示されている10個のメッシュコンポーネントと比較して、メッシュコンポーネントの数が削減され、これにより製造コストも削減させることができる。後述のように、メッシュコンポーネントの形状をどのようにするかによってモールド成形をさらに簡略化させることができる。というのは、これらのメッシュコンポーネント14が、モールド型からの部品の取出しを困難にするオーバーハング部なしでモールド型でモールド成型されるからである。このことは、下記の記載においてより詳細に説明する。
各メッシュコンポーネント14は複数のループ構造15を有している。例示の実施形態では、これらのループ構造15は、複数の小ループ構造16と、複数の大ループ構造18とに分類される。各ループ構造15は、閉空間20と連通する穴92を少なくとも部分的に取り囲むべく形成される湾曲した内周面を有している。この穴は、ユーザの1つ以上の指を閉空間の中へと通す通路となることにより、ループ構造15を利用しておもちゃ用ボール装置10をしっかりと握ることができるようなサイズに形成されている。
さらに、各ループ構造15は、多角形でありうるループ構造周縁部により少なくとも部分的に取り囲まれている。例示の実施形態では、小ループ構造16は、当該小ループ構造16の全部または一部に形成される五角形のループ構造周縁部によって取り囲まれており、大ループ構造18は、当該大ループ構造の全部または一部に形成される六角形のループ構造周縁部によって取り囲まれている。各メッシュコンポーネント14のループ構造15は一体成型されるので、その結果、各個別のループ構造のループ構造周縁部の全体または一部は、同一のメッシュコンポーネントの1つ以上の隣接するループ構造と一体成型されうる。
さらにいうまでもなく、各メッシュコンポーネントは、当該メッシュコンポーネントの外周縁部に形成される協調合わせ面19を有している。協調合わせ面19は、メッシュコンポーネント内の複数のループ構造15のループ構造周縁部の少なくとも1部に沿って形成され、隣接するメッシュコンポーネント14は、協調合わせ面19に沿って結合されてメッシュ12を形成している。各メッシュコンポーネント14の外周縁部が、当該メッシュコンポーネント14のエッジを境界とする各ループ構造15のループ構造周縁部の部分によって形成されているので、いうまでもなく、各メッシュコンポーネント14の協調合わせ面19は、組立体内の複数のループ構造15のループ構造周縁部の一部によって形成されている。したがって、ループ構造周縁部の図2〜図4の16bおよび18bで示されている外縁部も、各メッシュコンポーネント14の協調合わせ面19として機能することになる。
上述のように、ループ構造15は、子どもの手の如きユーザの手の指を受け入れるサイズに形成されていてもよい。ループ構造16および18の内周面16a、18aの如きループ構造15の内周面は、湾曲しているのが一般的であり、また、その内周全体にわたって連続的に湾曲していてもよい。実施形態によっては、内周面が円状である場合もある。他の実施形態では、内周面は、楕円状であってもよいし、または複雑な曲線から形成されていてもよい。内周面のうちのいくつかは、角ではなく曲線部によって結合される直線部を有していてもよい。このようにして、正方形または五角形の角の如き鋭い角度の交差部でボールを握ることによるユーザの不快感が回避されるようになっていてもよい。さらに、たとえば、小さな手の複数の指を隣接するループ構造15の穴の中に挿入し、ボールを掴むべく握り締めると、湾曲する内周面により、これらの指が互いの指に向けてかつメッシュの頂点の方向に向けて優しく案内される。このようにして、おもちゃ用ボール装置10に対する握りが、手の指に不快感を与えることなく、さらにしっかりとしたものとなる。
メッシュコンポーネント14の形状および数は、射出成形の如きプロセスを用いて生じる製造コストを削減するように設計されている。メッシュコンポーネント14の数に関していえば、いうまでもなく、メッシュコンポーネントの数が10個であるおもちゃ用ボール装置10と比較した場合、用いるメッシュコンポーネント14の数を4個とすれば、生産時間を著しく短縮することが可能となる。生産時間が短縮されると、おもちゃ用ボール装置の製造コストを削減することが可能となる。
さらに、各メッシュコンポーネント14の形状は、オーバーハング部がないという特徴を有し、湾曲しているものの、内部曲率が90度(外部曲率が270度)以内に制約されているのが一般的である。このような形状の場合、スライダを備えたモールド型の使用の如き複雑なモールド成形技術を、回避して製造コストを抑制する補助をするようにしてもよいし、また、場合によっては、多数のメッシュコンポーネントを単一のモールド型を用いて単一のモールドサイクルで製造するようにしてもよい。さらに詳細にいえば、図1に例示されているように、各メッシュコンポーネントは、六角形のループ構造18と、五角形のループ構造16とを有しており、六角形−六角形の外部二面角αは約217度であり、それに対応する六角形−六角形の内部二面角は約143度(142.62度)であり、一方、五角形−六角形の外部二面角βは約222度であり、それに対応する五角形−六角形の内部二面角は約138度(138.19度)である。図1からわかるように、メッシュコンポーネント14aは、90度未満の最大内部曲率を有しており、このことにより、モールド成型されたコンポーネントがアンダーカット領域を有するのが防止される。記載のメッシュコンポーネントの最大内部曲率は、2個の六角形ループ構造および1個の五角形ループ構造が同一の円弧に沿って結合される場合に形成され、内部曲率=(180−143)+(180−138)=79度となる(内部二面角度の各々について、180度と内部二面角度との間の差を合計していくことにより算出される)。言い換えれば、各メッシュコンポーネントは、270度未満の最大総合外部二面角を有している。2個の六角形ループ構造および1個の五角形ループ構造を同じように引き延ばすと、総合外部二面角=(217+(222−180))=259度となる(第一の外部二面角と、180度とメッシュコンポーネントのパスに沿って残る外部二面角の各々との間の差を合計していくことにより計算される)。図8内の線91は、最大内部曲率および最大外部曲率が達成されるメッシュコンポーネント上のパスの1つの例示的な位置を示したものである。いうまでもなく、同一メッシュコンポーネント上の他の位置も同様の幾何学形状(六角形−六角形−五角形)を有しており、したがって、同一の最大内部曲率および最大外部曲率を有している。例示の実施形態では、79度の最大内部曲率およびそれに対応する259度の最大総合外部曲率が記載されているものの、いうまでもなく、他の実施形態では、内部曲率が70度〜90度であってもよいし、または外部曲率が250度〜270度であってもよい。
図2〜図4は、それぞれ単一メッシュコンポーネント14aの平面図、正面図および側面図を示している。これらの図には単一メッシュコンポーネント14aが示されているが、いうまでもなく、メッシュコンポーネント14a〜14dの各々は、そのサイズおよび形状が記載の実施形態において実質的に同一である。図示されているように、各メッシュコンポーネントは、3個の小ループ構造16と5個の大ループ構造18とからなる8個のループ構造を有している。小ループ構造16の各々のループ構造外周縁部は五角形となっており、大ループ構造18の各々のループ構造外周縁部は六角形となっている。各ループ構造15のループ構造外周縁部は、メッシュコンポーネント14の内側または外側でありうるエッジを有している。たとえば、ループ構造16の外側エッジ16bおよびループ構造18の外側エッジ18bは、それら全体で、例示のメッシュコンポーネント14aの外周縁部を取り囲んでいるようになっている。その一方、内側エッジ18cは、メッシュコンポーネント14aの内側領域におけるループ構造のエッジに沿って形成されている。さらに、いうまでもなく小ループ構造16の各々は、通常他の小ループ構造16と間隔をおいて配置されている。すなわち、小ループ構造16のループ構造外周縁部は、通常相互に直接接触するようにはなっていない。メッシュコンポーネント14aでは、六角形のループ構造18は、内側エッジ18cのみが境を接しており、外側エッジ18bは境を接していない。
ループ構造15は、各メッシュコンポーネント14が17の数の外側エッジを具備する外周縁部を有するよう各メッシュコンポーネント14を形成するように配置されている。一例として、図8では、メッシュコンポーネント14aの外側エッジにはA1〜A17の符号が付与されている。各メッシュコンポーネント14は、(穴92が位置する)8個の面と、14個の頂点と、31個のエッジ(それに沿ってループ構造15が形成される)とを有している。これらの31個のエッジのうち、14個は、図2〜図4の内側エッジ18cの如き内側エッジであり、17個は、図2〜図4の外側エッジ16b、18bの如き外側エッジである。
いうまでもなく、他の実施形態では、メッシュ12およびメッシュコンポーネント14について他の幾何学図形が用いられてもよい。一例として、六角形および五角形の形状を有するループ構造に代えてまたはそれに加えて、メッシュコンポーネント14は、他の多面体セグメントの形態を有していてもよく、したがって、ループ構造の形状は他の多角形または曲面の形態を有していてもよい。他の例として、メッシュコンポーネント14は、五角形の形状を有した外周縁部を形成するループ構造からその全体が形成されてもよく、したがって、組み立てられると、十二面体の形状を有するボールが形成されることになる。おもちゃ用ボール装置10のメッシュ12の他の実施形態は、たとえばひし形20・12面体、切頂20・12面体、またはねじれ12面体として形成されてもよい。他の変形例として、湾曲した内周面を有しないように、ループ構造のうちの一部または全部をなんらかの材料で満たすようにしてもよい。このように、各ループ構造の内側全体に材料が架設(span)され、部分的にまたは全体的に中実な表面が形成される。
図5〜図7は、それぞれメッシュコンポーネント14d、メッシュコンポーネント14cおよびメッシュコンポーネント14bにメッシュコンポーネント14aが結合されていることを示している。これらの図は、メッシュコンポーネントのさまざまな向きの合わせ面19を例示し、モールド成形中にどのようにしてこれらのコンポーネントが単一のモールド型の中に組み込まれうるかを示す例が提供されている。具体的にいえば、図5には、図1の頂部から見た場合の、メッシュコンポーネント14dの合わせ面19と接触するように配置されているメッシュコンポーネント14aの合わせ面19が示されている。図6には、図1の背面から見た場合の、メッシュコンポーネント14cの合わせ面19と接触するように配置されているメッシュコンポーネント14aの合わせ面19が示されている。図7には、図1の左側から見た場合の、メッシュコンポーネント14bの合わせ面19と接触するように配置されているメッシュコンポーネント14aの合わせ面19が示されている。また、図5〜図7には、図5〜図7の各々に例示されている向きのメッシュコンポーネントのうちのいずれもオーバーハング領域を有していないことが示されている。オーバーハング領域を有していれば、メッシュの穴を通してバックグラウンドとして視認可能であるはずであるが、明らかにオーバーハング領域は視認されていない。このことは、各メッシュコンポーネント14の最大内部曲率が90度未満であり、実施形態によっては約70〜90度の場合もあり、もっと厳密にいえば約79度であることに起因する。上述のように、オーバーハング領域が無いと、射出成形プロセスにおいて単純なモールド型の使用が容易となる。
図8は、おもちゃ用ボール装置10のネットおよびそれを構成するメッシュコンポーネント14a〜14dを示すダイヤグラムである。このネットの図では、メッシュコンポーネント14a〜14dは、平坦にされ、五角形と六角形として概略的に表わされている。各メッシュコンポーネント内のループ構造15において互いに接続される内側エッジ(たとえば、図2の内側エッジ18c)は破線93で示されている。これらのエッジは平坦化によって分離されてしまっている。これら分離されている内側エッジ間の接続関係は一点鎖線によって表わされている。各メッシュコンポーネントの外周縁部に沿った外側エッジ(たとえば、上述の外側エッジ16bおよび18b)は実線により描かれており、各メッシュコンポーネントの外周縁部上の外側エッジと他のメッシュコンポーネントの外側エッジとの間の接続関係も一点鎖線によって示されている。このようにすると、メッシュコンポーネント14a〜14dが組み立てられたとき、どのように各外側エッジが他の対応する外側エッジと繋がれるのかが分かる。理解を容易にするために、各メッシュコンポーネントの各外側エッジは、メッシュコンポーネント14a、14b、14cおよび14dに対してそれぞれA1〜A17、B1〜B17、C1〜C17およびD1〜D17と符号が付与されている。一例として、D6は、メッシュコンポーネント14dの外周縁部上の外側エッジである。組立時、このエッジは外側エッジC6と繋がれる。
図9には、組み立てられた状態のおもちゃ用ボール装置10が例示されている。複数のメッシュコンポーネント14a、14b、14c、14dは、閉空間20を囲みかつメッシュ12を形成するために、隣接したメッシュコンポーネント14を協調合わせ面19に沿って合わせ、メッシュコンポーネント14を協調合わせ面19に沿ってたとえばプラスチック溶接することによりメッシュコンポーネント14を固定させている。組み立てられた後のおもちゃ用ボール装置10は、切頂20面体の形態を有する外面を備えている。切頂20面体は、32個の面と、90個のエッジと、60個の頂点とを有している。シームまたは継ぎ目94が見えて、組み立てられた後のボールのメッシュコンポーネントとメッシュコンポーネントと間の境界を示すようになっていてもよい。メッシュコンポーネントをプラスチック溶接することによって、有毒な接着剤類を回避することが可能となり、また、組み立てられた後のおもちゃ用ボール装置の構造の完全性を向上させることが可能となる。あるいは、有毒でなくかつ適切な構造の完全性を提供する他の接続技術および固定技術が用いられてもよい。
いうまでもなく、おもちゃ用ボール装置に用いるメッシュコンポーネントの数が少なくなれば、シームまたは継ぎ目の数も減少する。製造プロセス時、各継ぎ目を対にして再加工または最終加工して、最終製品が生産されるようになっている。したがって、おもちゃ用ボール装置のシームの数を減らすことにより、組立作業、再加工作業および最終加工作業を減らし、それにより製造コストを容易に下げることができるようになる。さらに、プラスチック溶接ではなく接着剤を用いた接着が行われる実施形態では、接着剤を用いて接着されたシームは、モールド成型されたメッシュコンポーネントほどの構造の完全性を有していないのが一般的であり、シームの数を減らすことにより、おもちゃ用ボール装置の構造の完全性を向上させることが可能となる。さらに、部品の数を減らすことにより、メッシュコンポーネントを結合しておもちゃ用ボール装置を形成するために手作業ではなく自動化プロセスを用いることが容易になり、また、製造コストをさらに減らすことできるようになる。
おもちゃ用ボール装置10は、約50〜150の間のショア「A」硬度を有しうる熱可塑性物質の如きプラスチックから通常形成されている。したがって、おもちゃ用ボール装置10は弾性変形が可能となる。いうまでもなく、おもちゃ用ボール装置10は、少なくとも部分的に変形可能であり、メッシュ12により囲まれる閉空間20の中に向けて変形可能である。通常、いったんおもちゃ用ボール装置10からこのような変形を引き起こしている力または物体が取り除かれると、メッシュ12の弾力性によって、おもちゃ用ボール装置10はその元の形状に実質的に戻される。メッシュ12が実質的に変形可能でありかつ実質的に弾力性を有しているので、おもちゃ用ボール装置10は、物に対してまたは障害物に対して投げられると跳ね返ってくる。おもちゃ用ボール装置10のこのよう変形可能性および弾力性は、従来のデバイスと比較して捕球および投球をさらに快適なものとすることが可能となる。実施形態によっては、同一のおもちゃ用ボール装置10において、異なる硬度および剛性を有する材料が組み合わせられている場合もある。さらに、実施形態によっては、たとえば優れたはね返り特性を有するボールを実現するために、より高い剛性を有する材料がおもちゃ用ボール装置10の製造に用いられている場合もある。
米国特許第6,729,984号に記載のおもちゃ用ボール装置と比較して上述のおもちゃ用ボール装置の潜在的な1つの利点は、構成要素の数を10個から4個にまで60%減らしたことにより製造コストを著しく削減することが可能になるということである。潜在的な他の利点は、オーバーハング領域を有していないメッシュコンポーネントを用いることにより、複雑で高価なスライダを組み込まないモールド型を用いてこれらのメッシュコンポーネントの製造を行うことが可能となるということである。これらの利点は例示を意図したものであり、全てを網羅したものではない。
図10には、本発明の他の実施形態にかかるおもちゃ用ボール装置100が例示されている。おもちゃ用ボール装置100は上述のおもちゃ用ボール装置10と多くの点で類似している。簡潔性のため、これらの類似点の記載は繰り返えさない。おもちゃ用ボール装置100は、閉空間を囲むメッシュ112を有している。このメッシュ112は複数の相互に連結されたループ構造115から形成されている。この実施形態では、メッシュ112は、切頂20面体の形状を有するように形成されている。また、ループ構造115は六角形のループ構造外周縁部および五角形のループ構造外周縁部を有している。
ループ構造115は、Rの形成される角部で結合される複数のストレート部119を有する内周縁部を備えている。ストレート部119およびRの形成される角部全体でループ構造のほぼ六角形の内周面およびほぼ五角形の内周面を画定している。ループ構造115のうちには、閉空間と連通する穴に隣接する内周面を有するものもあれば、ループ構造のうちには、スパン構造体117が設けられているものもある。スパン構造体117とは、当該スパン構造体117が設けられるループ構造の内周縁部によって隣接される平板状の構造のことである。したがって、ループ構造115のうちの一方の組だけが穴を有し、ループ構造115のうちの他方の組は中実のスパン構造体117を有するようになっている。図10に記載の実施形態では、スパン構造体117は、五角形であり、五角形のループ構造外周縁部がメッシュ112に対して対称となるようにループ構造内に位置決めされている。おもちゃ用ボール装置100は、おもちゃ用ボール装置10に関して先に記載されているような4個のメッシュコンポーネントから製造され、メッシュコンポーネントとメッシュコンポーネントとの間の継ぎ目ラインは図9に記載のものと実質的に同一の構成となっている。先に説明されたように、部品の数が比較的に少ないという製造上の利点に加えて、いうまでもなく、おもちゃ用ボール装置100の構成は、中実のスパン構造体117と、ループ構造の内周面上のストレート部119とからサッカーボールの外観を実現しているとともに、ほとんどのループ構造に穴を有していることにより実現される弾性変形および低風圧抵抗を維持している。
いうまでもなく、本明細書に記載の構成および/またはアプローチは例示のみを意図したものであり、複数の変形が可能であるので、これら特定の実施形態または実施例に限定されるべきではない。本願の発明は、本明細書に記載されたさまざまな構成、機能、作用、および/または特性の新規性なまたは進歩性のあるすべての結合および副結合ならびにそれらすべての均等物を含んでいる。

Claims (20)

  1. 表面を有するおもちゃ用ボール装置であって、
    前記おもちゃ用ボール装置の外面を形成するメッシュを備えており、
    前記メッシュが、相互に結合して閉空間を囲む4個のメッシュコンポーネントを有しており、
    各メッシュコンポーネントが複数のループ構造を有しており、
    各ループ構造が、前記閉空間と連通する穴を少なくとも部分的に取り囲むように形成され、かつ多角形の外周縁部により少なくとも部分的に取り囲まれる湾曲した内周面を有しており、
    各メッシュコンポーネントが、該メッシュコンポーネントの外周縁部に沿って形成される協調合わせ面を有しており、
    前記協調合わせ面が、前記メッシュコンポーネントの前記複数のループ構造のうちの複数のループ構造の各々の外周縁部の少なくとも一部に沿って形成されており、
    隣接するメッシュコンポーネントが前記協調合わせ面に沿って結合されてなる、おもちゃ用ボール装置。
  2. 各メッシュコンポーネントが8個のループ構造を有してなる、請求項1に記載のおもちゃ用ボール装置。
  3. 各メッシュコンポーネントが3個の小ループ構造と、5個の大ループ構造とを有してなる、請求項2に記載のおもちゃ用ボール装置。
  4. 前記小ループ構造が五角形であり、前記大ループ構造が六角形である、請求項3に記載のおもちゃ用ボール装置。
  5. 各メッシュコンポーネントが、17個の外側エッジを具備する外周縁部を有してなる、請求項2に記載のおもちゃ用ボール装置。
  6. 各メッシュコンポーネントが90度未満の最大内部曲率を有してなる、請求項1に記載のおもちゃ用ボール装置。
  7. 各メッシュコンポーネントが270度未満の最大総合外部二面角を有してなる、請求項1に記載のおもちゃ用ボール装置。
  8. 各メッシュコンポーネントが8個の面と、14個の頂点と、31個のエッジとを有し、該31個のエッジのうちの14個が内側エッジであり、17個が外側エッジである、請求項2に記載のおもちゃ用ボール装置。
  9. 前記4個のメッシュコンポーネントが形状およびサイズにおいて同一である、請求項1に記載のおもちゃ用ボール装置。
  10. 各メッシュコンポーネントが射出成型されてなる、請求項1に記載のおもちゃ用ボール装置。
  11. 前記4個のメッシュコンポーネントが相互に結合されている前記メッシュの外周面に沿って継ぎ目ラインが形成されてなる、請求項1に記載のおもちゃ用ボール装置。
  12. 前記メッシュが、プラスチックであり、弾性変形可能である、請求項1に記載のおもちゃ用ボール装置。
  13. 前記内周面が連続的に湾曲されてなる、請求項1に記載のおもちゃ用ボール装置。
  14. 前記内周面が円状である、請求項1に記載のおもちゃ用ボール装置。
  15. 前記メッシュが切頂20面体の形状で形成されてなる、請求項1に記載のおもちゃ用ボール装置。
  16. 表面を有するおもちゃ用ボール装置であって、
    切頂20面体を形成して閉空間を囲むために結合される4個のメッシュコンポーネントを有するメッシュを備えており、
    各メッシュコンポーネントが複数のループ構造を有しており、
    各ループ構造が、前記閉空間と連通する穴を取り囲むように形成され、かつ多角形の外周縁部により少なくとも部分的に取り囲まれる連続して湾曲する内周面を有しており、
    各メッシュコンポーネントが、該メッシュコンポーネントの外周縁部に沿って形成される協調合わせ面を有しており、
    前記協調合わせ面が、前記メッシュコンポーネントの前記複数のループ構造のうちの複数のループ構造の各々の外周縁部の少なくとも一部に沿って形成されており、
    各メッシュコンポーネントが90度未満の最大内部曲率を有しており、
    隣接するメッシュコンポーネントが前記協調合わせ面に沿って結合されており、
    前記メッシュが、プラスチックからなり、弾性変形可能である、おもちゃ用ボール装置。
  17. 前記メッシュが切頂20面体の形状で形成されてなる、請求項16に記載のおもちゃ用ボール装置。
  18. 前記メッシュコンポーネントが3個の小ループ構造と、5個の大ループ構造とを有し、前記小ループ構造が五角形であり、前記大ループ構造が六角形である、請求項17に記載のおもちゃ用ボール装置。
  19. 前記4個のメッシュコンポーネントが形状およびサイズにおいて同一である、請求項16に記載のおもちゃ用ボール装置。
  20. 表面を有するおもちゃ用ボール装置であって、
    閉空間を囲むために結合される4個のメッシュコンポーネントを有するメッシュを備えており、
    各メッシュコンポーネントが、サイズおよび形状において同一であり、六角形の外周縁部を有す5個の大ループ構造と、五角形の外周縁部を有する3個の小ループ構造とを有しており、
    各ループ構造が、前記閉空間と連通する穴を取り囲むように形成され、かつ多角形の外周縁部により少なくとも部分的に取り囲まれる湾曲した内周面を有しており、
    各メッシュコンポーネントが、該メッシュコンポーネントの外周縁部に沿って形成される協調合わせ面を有しており、
    前記協調合わせ面が、前記メッシュコンポーネントの前記複数のループ構造のうちの複数のループ構造の各々の外周縁部の少なくとも一部に沿って形成されており、
    隣接するメッシュコンポーネントが前記協調合わせ面に沿って結合されており、
    前記メッシュが、プラスチックからなり、弾性変形可能である、おもちゃ用ボール装置。
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