JP2013530787A - 中空器官に吻合を行うステープル留め装置 - Google Patents

中空器官に吻合を行うステープル留め装置 Download PDF

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Abstract

【課題】中空器官端部の保証されたステープル留めを提供するステープル留め装置を提供すること。
【解決手段】中空器官に吻合を行うためのステープル留め装置10であって、中空器官の端部35、36を共にステープル留めして吻合を形成するための位置合わせされた状態で、中空器官の端部35、36を共に保持する一対のステープル用のジョー16、26を備え、ステープル用のジョー16、26は、保持された中空器官の端部35、36を共にステープル留めするためのステープル留め機構を含み、ステープル用のジョー16、26は、ステープル留めする前の段階で、各中空器官の端部35、36をその相互間にクランプするために操作可能な止血鉗子ジョー16’、26’を含むステープル留め装置10。
【選択図】図24

Description

本発明は医術の分野、より詳細には外科に関する。より具体的には、本発明は包括的に、中空器官、例えば消化管又は血管の器官に、例えば、それらの端部と端部とを又は端部と側部とを接合するために締め具固定技法を用いて吻合を施すための外科縫合器械及び方法に関する。
端部−端部吻合は、1つの中空器官の端部を別の中空器官の端部に接続する外科処置である。端部−端部吻合は一般的に、血管組織及び/又は内臓組織に行われる。微小血管吻合は一般に、例えば、分断された身体部分を再結合し、かつ/又は器官を移植する過程において、血管の端部をつくるために行われる。微小血管吻合は一般に顕微鏡下で手によって行われ、時間のかかる骨の折れる作業である。そのため、分断された身体部分を再接合するか又は器官を移植するのに必要とされる微小血管吻合そのものを完遂するのに何時間もかかる可能性がある。
そのような外科処置では、手術を行うスピードが極めて重大となる場合がある。例えば、移植手術では、移植器官への損傷を最小限に抑えるためにできる限り速やかにその器官に血液供給を再接続することが非常に重要である。そのような血管は現在、通常は縫合技法によって端部と端部とを又は端部と側部とを吻合される。そのような縫合吻合処置は一般に、各吻合及び複数のそのような接続が必要とされる多くの器官に対して完遂するためには熟練した外科医でも10分〜20分ほどかかる。
現在、真にフェイルセーフ及びフールプルーフである、血管系のための吻合ステープル留め器械若しくは技法又は締め具固定器械若しくは技法は知られていない。
したがって、本発明の主要な目的は、外科処置領域への十分な妨げられることのないアクセスを可能にするとともに、ステープルのいずれも不発にせずに中空器官端部の保証された(insured or guaranteed)ステープル留めを提供する、自動化された中空器官吻合のためのそのようなフルプルーフ(full proof)外科用ステープラーを提供することである。これに従い、本発明の吻合ステープラーは使い易さと、外科部位へのアクセス性と、操作における一貫性及び信頼性とを、全て従来技術の技法を用いるよりもできる限り短い時間で提供する。加えて、本発明のステープラーは再使用可能である。
中空器官に吻合を行う本発明のステープル留め装置は概して、本発明のステープラーを形成するように組み合わせ可能な2つの別個のステープル留め器具からなる。この2つの組み合わせ可能な器具は、L字形クリップリテーナー器具及びL字形ステープルリテーナー器具からなる。
L字形クリップリテーナー器具は細長いクリップリテーナーハンドルを含み、該ハンドルの下部遠位端からクリップ保持フットが側方に延びている。このクリップ保持フットは、クリップリテーナーハンドルの延在方向に対してほぼ横方向の平面内に位置決めされているC字形クリップジョーからなる。このC字形ジョーは、器官出口間隙を画定し、クリップリテーナーハンドルの延在方向と同じ方向に上に向いている上向き上面を提供する側面を有する。
このクリップジョーにクリップリテーナーが設けられており、該クリップリテーナーは、該リテーナーの上向き上面に嵌め込まれているとともに該上向き上面に沿って周方向に又はC字形クリップジョーの上面と同じ方向に配置されている一連のステープル受入・保持クリップを有する。クリップリテーナーはC字形クリップジョーの単一部品若しくは一体部品であってもよく、又はC字形クリップジョーから取り外すこともできるリング形部材であってもよい。
本発明のステープラーの第2の器具部品はL字形ステープルリテーナー器具であり、該L字形ステープルリテーナー器具は細長いステープルリテーナーハンドルを含み、該ステープル保持ハンドルの下部遠位端からステープル保持フットが側方に延びている。このステープル保持フットも、ステープルリテーナーハンドルに対してほぼ横方向の平面内に位置決めされているC字形ステープルジョーからなる。このC字形ステープルジョーも、器官出口間隙を提供し、ステープル保持ハンドルの概ね下方の延在方向に下に向いている下向き下面を提供する側面を有する。このステープルジョーにステープルリテーナーが設けられており、該ステープルリテーナーには、一連のステープルを該ステープルの貫通先端が該ステープルリテーナーの下向き下面から露出した状態で保持する一連のソケットがこの下面に沿って周方向に配置されている。2つの器具が組み合わされてともにクランプされることによって、ステープルが、クリップリテーナー内に嵌め込まれているステープル保持クリップに対してステープル留め整合状態で位置決めされ、双方のリテーナーの器官出口間隙も、クリップ保持ジョーの前述した上面と位置合わせされているとともに該上面に対してステープル留め整合状態で位置決めされているステープルリテーナージョーの下面と位置合わせされる。
C字形ジョーからは、該C字形ジョーのそれぞれによってそれぞれの中空器官端部を該器官端部がそれぞれステープル留めのためにリテーナーの上面及び下面の上に伸張された状態で穿孔及び保持する離間した一連のピンが延びている。したがって、ステープル留めすべき中空器官端部をそれぞれ保持する2つのステープル留め器具は、中空器官端部がリテーナーの上面及び下面の上にそれぞれ取着されている(applied)ステープル留め整合状態でC字形ジョーの上面及び下面がともに位置決めされた状態でともにクランプされる。その後、ステープル発射機構を動作させてステープルリテーナーの上面から(from:を介して)ステープルに係合すると同時にステープルをそのそれぞれのステープルソケットに下方に押し込んで、中空器官端部が間に挟まれた状態でステープル保持クリップのそれぞれとステープル係合させる。
クリップリテーナー器具及びステープルリテーナー器具のL字形構成により、吻合外科部位の優れた妨げられることのないアクセス及び可視性が提供され、器具のこの同じL字形構成により、発射機構によりステープルヘッド全ての上端を同時に下向きに係合させることができることによって、ステープル全ての発射を確実にすることが更に可能となる。
中空器官に吻合を行う本発明のステープル留め装置の別の実施の形態は、中空器官端部をともにステープル留めして吻合部を形成するように、位置合わせ整合状態で上記端部をそれぞれ保持する隣接し合う位置合わせされた一対のステープル留めジョーからなる。これらのステープル留めジョーはそれぞれ、ステープル留めする前にそれぞれの中空器官端部を間に挟持するように動作可能な対向するヒンジ接続された止血鉗子ジョーからなる。止血鉗子ジョーは、保持された中空器官端部をともにステープル留めするステープル留め機構を含む。
本発明のこの実施の形態のステープル留め装置は、ステープル留め機構が、中空器官端部をともにステープル留めする役割を果たすという点だけでなく、加えて、外科医が吻合すべき血管端部又は他の中空器官端部をステープル留め機構に取り付けるか又は予備的に固定することをより容易にさせる、止血鉗子ジョーであって、これにより、ステープル留め機構に迅速かつ容易な初期固定を可能にするだけでなく、加えて、処置中に血管の血流を止める、止血鉗子ジョーを含むという点で、従来技術の吻合外科用ステープラーに勝る有意な利点を提供する。
ステープラーの止血鉗子ジョーには離間した一連のピンが設けられており、該一連のピンは、ステープル留め機構の上に伸張されているそれぞれ挟持された中空器官端部を穿孔及び保持するように止血鉗子ジョーの外側から外向きに側方に延びている。
ステープル留め整合状態にするとともに該ステープル留め整合状態から外すようにガイドされる操作のために一対のステープル留めジョーが互いに分離可能である、本発明のステープル留め装置が好ましくは提供される。これにより、それぞれの分離したステープル留めジョーをステープル留め整合状態でともに固定する前に、ともにステープル留めすべきそれぞれの中空器官端部をそれらのステープル留めジョーに容易に取り付けることが可能となる。
他の目的及び利点は、以下の説明及び特許請求の範囲において明らかである。添付の図面は、明確にするため、本発明の範囲すなわち添付の特許請求の範囲を限定することなく、本発明の特定の実用的な実施形態を示す。
中空器官端部が固定される前の、本発明のステープラーのL字形クリップリテーナー器具部分の斜視図である。 図1の細部Aを示す拡大図である。 図1のL字形クリップリテーナー器具のハンドルから取り外されたクランプロッドの斜視図である。 取着される中空器官端部を含んでいない、本発明のステープラーのL字形ステープルリテーナー器具部分の斜視図である。 図3に示されている装置の細部Bの拡大図である。 図4に示されているL字形ステープルリテーナー器具の側面図である。 図4に示されている器具の細部Cの拡大図である。 ステープル留めするために2つのL字形リテーナー器具を組み合せる前の、吻合すべき第1の中空器官端部が上に取着されている、図1のL字形クリップリテーナー器具の斜視図である。 図5に示されているL字形クリップリテーナー器具の細部Dの拡大図である。 吻合すべき第2の中空器官端部が上に取着されている、本発明のステープラーのL字形ステープラーリテーナー器具部分の斜視図である。 図6に示されているステープルリテーナー器具の細部Eの拡大図である。 対向する中空器官端部が取着されているとともにステープル留めに備えて接合する状態で、組み合わされてともにクランプされている2つのL字形クリップリテーナー器具及びL字形ステープルリテーナー器具を示す、本発明の吻合ステープラーの下面図である。 ステープル留めすべき中空器官端部が切断されていない、断面線F−Fに沿って見た、図7に示されているステープラーの中央断面図である。 中空器官端部をステープル留めする直前の、図7に示されているステープラーの側面図である。 断面線G−Gに沿って見た、図9に示されているステープラーの拡大断面図である。 図10の細部Hの拡大図である。 ともにステープル留めされた中空器官端部を示す、作動後の、図7に示されている吻合ステープラーの側面図である。 断面線I−Iに沿った、図12に示されているステープラーの拡大断面図である。 図13の細部Jの拡大図である。 中空器官端部をともにステープル留めした後の、L字形ステープルリテーナー器具が取り外されている、L字形クリップリテーナー器具の斜視図である。 図15のL字形リテーナー器具から取り外された吻合器官端部の拡大斜視図である。 逆側からの、図16に示されている吻合中空器官端部の斜視図である。 本発明の吻合ステープラーの別の実施形態を示す、図1に示されているL字形クリップリテーナー器具のクリップ保持フットの斜視図である。 図1に示されているL字形クリップリテーナー器具のC字形クリップジョーのクリップ保持フット部分のまた更なる実施形態の斜視図である。 中空器官組織端部の装入及び取り出しのために枢動ジョーを組み込んでいる本発明のステープル留め装置の別の実施形態及びステープル作動機構の変更例を示す斜視図である。 中空器官組織端部の装入及び取り出しのために枢動ジョーを組み込んでいる本発明のステープル留め装置の別の実施形態及びステープル作動機構の変更例を示す斜視図である。 中空器官組織端部の装入及び取り出しのために枢動ジョーを組み込んでいる本発明のステープル留め装置の別の実施形態及びステープル作動機構の変更例を示す斜視図である。 中空器官組織端部の装入及び取り出しのために枢動ジョーを組み込んでいる本発明のステープル留め装置の別の実施形態及びステープル作動機構の変更例を示す斜視図である。 ステープル留めする前にそれぞれの中空器官端部を保持及び挟持する止血鉗子枢動ジョーを組み込んでいる本発明のステープル留め装置のまた別の実施形態を示す斜視図である。 ステープル留めする前にそれぞれの中空器官端部を保持及び挟持する止血鉗子枢動ジョーを組み込んでいる本発明のステープル留め装置のまた別の実施形態を示す斜視図である。 ステープル留めする前にそれぞれの中空器官端部を保持及び挟持する止血鉗子枢動ジョーを組み込んでいる本発明のステープル留め装置のまた別の実施形態を示す斜視図である。 ステープル留めする前にそれぞれの中空器官端部を保持及び挟持する止血鉗子枢動ジョーを組み込んでいる本発明のステープル留め装置のまた別の実施形態を示す斜視図である。 ステープル留めする前にそれぞれの中空器官端部を保持及び挟持する止血鉗子枢動ジョーを組み込んでいる本発明のステープル留め装置のまた別の実施形態を示す斜視図である。 ステープル留めする前にそれぞれの中空器官端部を保持及び挟持する止血鉗子枢動ジョーを組み込んでいる本発明のステープル留め装置のまた別の実施形態を示す斜視図である。
図1〜図17を参照すると、図7〜図14では本発明の吻合ステープル留め装置10がその完全に組み合わされた形態で示されている。ステープル留め装置10は、L字形クリップリテーナー器具11及びL字形ステープルリテーナー器具12の形態の2つの別個の組み合わせ可能な器具からなる。最初に、図1及び図1Aに示されているL字形クリップリテーナー器具11を説明すると、クリップリテーナー器具11は細長いクリップリテーナーハンドル13を含み、該ハンドル13の下部遠位端15からクリップ保持フット14が側方に延びている。クリップ保持フット14は、図1に示されているようなクリップリテーナーハンドル13に対してほぼ横方向の平面内に位置決めされているC字形クリップジョー16からなる。C字形クリップジョー16は、以下でより詳細に説明するように、ステープル留めした後、ステープル留めされた中空器官端部を取り外すために器官出口間隙17を画定する。
C字形クリップジョー16の側面18が、上向き上面22を提供する。クリップジョー16にクリップリテーナー20が設けられており、クリップリテーナー20は、該リテーナー20の上向き上面22に嵌め込まれているとともに該上向き上面22に沿って周方向に配置されている一連のステープル受入・保持クリップ21を有する。この実施形態では、クリップリテーナー20はC字形クリップジョー16の一体部品である。しかしながら、本発明の別の可能な実施形態に関して説明するように、クリップリテーナー20はC字形ジョー16に取り外し可能かつ摺動可能に嵌め込まれる別個の部片であってもよい。
本発明のステープル留め装置10の第2の器具部品は、図3及び図3Bに示されているL字形ステープルリテーナー器具12である。L字形ステープルリテーナー器具12は細長いステープルリテーナーハンドル23を含み、該ステープル保持ハンドル23の下部遠位端25からステープル保持フット24が側方に延びている。ステープル保持フット24は、図示のようにステープル保持ハンドル23に対してほぼ横方向の平面内に位置決めされているC字形ステープルジョー26からなる。C字形ステープルジョー26は器官出口間隙27を画定し、その側面28が下向き下面を提供する。ステープルジョー26にステープルリテーナー29が設けられており、ステープルリテーナー29には、一連のステープル31をそれらの貫通先端32(図11を参照のこと)が下向き下面28から露出した状態で保持する一連のステープルソケット30が下面28に沿って周方向に配置されている。より明白に図11に見られるように、ステープル31は外科用ステンレス鋼から構成される釘からなり、これらの釘は、テフロン(登録商標)等の適したプラスチック材料から作られた着座用ブシュ33内にそれぞれ受け入れられる。
図1及び図1Aに示されているようなL字形器具11のステープル保持クリップ21は、外科用ステンレス鋼等の適した外科用金属から作られた金属製プッシュナットである。従来のプッシュナットの場合のように、クリップ21はそれぞれ、ステープル31の対応する先端32を受け入れる開口を内部に有し、これらのクリップには、ステープル31の釘と係合して該釘を把持することで貫通後に外れないようにする対向する金属製歯37が設けられている。
図1及び図1A並びに図3及び図3Aを参照すると、離間した一連のピン34がC字形ジョー16及び26の外側から外向きに側方に延びている。これらのピン34は、図5及び図5B並びに図6及び図6Eに示されているようにそれぞれの中空器官端部35及び36を穿孔及び保持するために設けられている。これらの中空器官端部35及び36は、器具を組み合わせる前であり、かつ中空器官端部をともにステープル留めする前の、L字形クリップリテーナー器具11及びL字形ステープルリテーナー器具12にそれぞれ固定されているものとして示されている。
図7〜図11は、それぞれの中空器官端部35及び36をともにステープル留めするのに備えた組み合わせ形態にあるL字形クリップ保持器具11及びL字形ステープルリテーナー器具12を示す。図12、図13及び図14は、ステープル留め装置10の発射すなわち作動後の、組み合わせられたL字形クリップリテーナー器具11及びL字形ステープルリテーナー器具12を示し、したがって、ステープル留め状態にある中空器官35及び36を示す。
2つの器具11及び12をともにクランプするクランプ40(図1、図2及び図8を参照のこと)がクランプロッド41の形態で設けられており、クランプロッド41は、ハンドル13の上端43にねじ込み可能に受け入れられる、クランプロッド41の上側端に固定されているクランプノブ42を有する。ノブ42のねじステム44が、上端43の雌ねじソケット45にねじ込み可能に受け入れられる。
L字形クリップリテーナー器具11のハンドル13には、二又状すなわち分岐状下端46が設けられており、二又状すなわち分岐状下端46は、該分岐部分46の内側に内向きに突出する対向した組のガイドピン47を有する。
これらのガイドピン47はそれぞれ、L字形ステープルリテーナー器具12の分岐状ベース49の側部ガイドスロット48に受け入れられる。このようにして、L字形ステープルリテーナー器具12の分岐状ベース部分49を、ガイドスロット38をガイドピン47に対して下方に摺動させることによってL字形クリップリテーナー器具11の下端46の分岐間に挿入することができるため、L字形クリップリテーナー器具11及びL字形ステープルリテーナー器具12がともに連結されることによって、ステープル31が、クリップリテーナー20のステープル保持クリップ21のそれぞれと、かつそれぞれに対してステープル留め整合状態で位置決めされ、それぞれの器具のそれぞれの器官出口間隙17及び27が位置合わせされる。したがって、ステープル保持ジョー26の下面28が、クリップ保持ジョー16の上面22と位置合わせされるとともに該上面22に対してステープル留め整合状態で位置決めされる。図7〜図14に示されているようなこの連結様式で2つの器具11及び12を保持するには、クランプノブ42を時計回りに回してハンドル13の上端43のねじソケット45へ下方にねじ込み可能な係合状態にすることによって、クランプロッド41の下端48をジョーステム58の上面49に係合させる。
2つのL字形器具11及び12が、図7〜図11に示されているようにそれぞれの中空器具端部35及び36が互いに固定されている状態でこのように組み合わされると、ステープルソケット52にそれぞれ受け入れられている複数のステープル駆動ピン51が設けられている駆動ピストン54の下向きの駆動力によりステープル31を下方に同時に駆動することによって、ステープル装置10を発射すなわち作動させることができる。したがって、駆動ピストン54のドライブピン51がステープル31の露出したヘッドすなわち上端53と係合することによって、接合された中空器官端部35及び36の器官組織を貫通してステープル31を全て下方に同時に駆動する。このステープル留め作動は、ステープル駆動ピストン54と堅固に固定されているピストンステム50の上面58にステープルプッシュロッド60を下方に押し付けることによって引き起こされる。ドライバーノブ63の形態のドライバーがドライブロッド60の上側端65にねじ込み可能に固定され、ステープルリテーナーハンドル12の上側端65の64においてねじ込み可能に受け入れられる。ステープル発射ノブ63を時計回りに回すと、下にあるクリップリテーナー20内の、下にある対応するステープル保持クリップ21への及び該ステープル保持クリップ21との同時の貫通のために、発射ロッド60がステム50の上面49に下方に押し付けられて、ステープルピストン54によってステープル31を全て下方に同時に押す。
[ステープル留め手順]
図面を参照しながら、中空器官端部35及び36をともにステープル留めする手順を説明する。
初めに、図1及び図1Aを参照して、保持クリップ21をクリップリテーナー20のそのそれぞれのポケットにそれぞれ装填する。次に図4及び図4Cを参照して、指標70によって示されている装填位置にステープラーピストン54がステム50とともに位置決めされるように、発射ドライブロッド60をノブ63の操作によって、また、ステム50の直接操作(図8)によっても調整する。ステープル留めピストン54が装填位置にあることを指標70が示している場合、図10及び図11に最も良く示されているように、ステープル31をそれらの包囲ブシュ33とともにそのそれぞれのソケット30に挿入する。
次いで、図5及び図5Dに示されているように、中空器官端部35を、C字形ジョー16内のC字スロットに通すことによってステープルクリップリテーナーフット16に接続し、保持ピン34に取り付ける。次いで、図6及び図6Eに示されているように、他方の中空器官端部36を、ステープル保持器具12のC字形フット24の中央開口に通して保持ピンに取り付けることによって上記フット24に接続する。
その後、前述かつ開示したように、中空器官端部36が取り付けられているステープル保持器具12を摺動可能にガイドして、器官端部35が取着されているクリップ保持器具11と組み合わせ、次いで、クランプロッド41をハンドル13の上部に挿入してステープル駆動ピストン54のステム50の上面49と係合させ、ノブ42をそのねじソケット45に時計回りに回転させて、クリップ保持フット16とステープル留め整合した状態でステープル留めフット24をしっかりクランプする。
したがって、2つの器具11及び12を、器官端部35及び36がそれぞれ取着されているとともに該2つの器具がステープル留め整合した状態でともにクランプされることによって、ステープル留め装置10の発射作動が準備完了となる。
次に、ステープル留め作動ノブすなわち発射ノブ63を時計回りに回転させて、図12、図13及び図14に示されているように、ステープル留めピストン54が2つの器官端部35及び36をともにステープル留めするのに十分な程度まで下方に押されていることを指標70が示すまでドライブロッド60をピストン54のステム50に下方に押し付ける。これが行われると、図12〜図14に示されているようにステープラーピストン54がステープル31を中空器官端部35及び36に貫通させている。
ステープル留めを完了した後、クランプロッド41を取り外して器具11と12とのクランプ係合を外す。次いで、中空器官端部36を分離して(cut)保持ピン34から解放する。その後、ステープル留めノブ63を時計回りに更に回して、ブシュ33をそのそれぞれのステープルソケット52から完全に突き出させる。
L字形ステープルリテーナー器具12を次いで、器具11から、また、該器具12の間隙27を介して器官端部36からも取り外し、同様にして、器官端部35をピン34から分離し、器具11のジョーを該器具の間隙17を介して器官端部35から取り外すことで、図16及び図17に見られるような吻合された中空器官端部を残す。更なる手縫合が、接続された中空器官端部35及び36の対向した両端部80に必要な場合もある。
任意の所与の手術の前に、十分な数よりも多くのステープル留め装置10を予め装填し、滅菌し、かつ使用準備完了状態にしておく。
本発明のステープル留め装置10の2つの重要な利点は、器具のL字形構成により、吻合が行われることになっている外科部位への優れた妨げられることのないアクセスが提供されることである。加えて、ステープル留め装置10のL字形構成により、該L字形構成がステープル駆動機構を器具のハンドルにより作動させることを可能にすることによって、印加されるステープル留め圧力によって十分すぎるほどの均一なステープル留め圧力を、ステープルヘッドの全てに下方に同時に印加することができるため、全てのステープルの確実なフェイルセーフ作動及びステープラー機構のフェイルセーフ作動が可能となる。このことは、ステープルに合わせて開始されるステープル留め圧力を印加することができない従来技術のステープル留め装置と異なっている。従来技術のステープル留め器械では、ステープル留め圧力は概して初めに、ステープルヘッドに対して段階的に摺動するスライド式ステープル留め機構であって、その傾斜面がステープルヘッドにステープル留め圧力を段階的に印加するスライド式ステープル留め機構によって(Tzakisの米国特許第5,188,638号を参照のこと)、又は、クランプジョーが、器具アクチュエーターハンドル軸に対して横方向の平面内に位置決めされている代わりに該ハンドルの軸と軸方向に位置合わせされている平面内に位置決めされているクランプ式機構において弧状に印加される圧力によって(米国特許第4,917,090号を参照のこと)印加される。
[代替的な実施形態]
上述した実施形態は、本発明のステープル留め機器の好ましい一例であり、本発明及び以下の特許請求の範囲によって包含される他の可能な代替的な実施形態がある。
例えば、C字形クリップジョー16及びC字形ステープルジョー24の構成は、前の図において示されているたような平坦な構成を有している必要はない。ジョー16及び24は楕円構成を呈していてもよく、又は更には、C字形クリップジョー16が円形でかつ円形状のクリップリテーナー20を含んで示されている図18に示されているような円形構成を呈していてもよい。同様の要素は同じ参照符号で示されている。
加えて、図19に示されているように、C字形クリップジョー16及びC字形ステープルジョー26もまた、図示のように枢動可能であり、それによって、ステープル留めの前及びステープル留めの後の、中空器官端部のより良好な取り付け及び取り外しを提供するようにジョーを開閉することができる。
また、記載した主要な実施形態では、ステープル保持クリップ21のそれぞれ及び対応するステープル31のそれぞれは独立している。換言すれば、ステープル保持クリップ21は互いに接続されておらず、また、ステープル31も互いに接続されていない。したがって、吻合プロセスが完了した後、それぞれ固定されたステープル31及びクリップ21を、ともに固定されている中空器官端部の自然な環状構成に配置し直すことができる。しかしながら、クリップリテーナー20及びステープルリテーナー30のC字形構成により、これには概して、図16及び図17において80で示されているような吻合部の対向した両端部に更なる手縫合の使用を必要とする。
これらの更なる縫合部80の必要性を回避するには、ステープルリテーナー20を連続した環状リングの形態で設けることができ、そのため、ステープルリテーナークリップ21の全てをクリップリテーナーリング20の一部及び一片として相互接続するようにステープル保持クリップ21のそれぞれはクリップリテーナーリング20の一体部品である。同様に、ステープルリテーナーリング29も、それぞれのソケットの内部にステープル31を受け入れる連続した環状リングからなることができ、それによって、ステープルリテーナーリング29は、ステープル留めされた中空器官端部35及び36が間に挟まれた状態でステープルクリップ保持リング20に恒久的にステープル留めされる。
この後者の記載の実施形態では、ステープル保持リング29及びクリップ保持リング20は、米国特許第4,917,090号の締結手段5a及び5bが吻合接続部の一部のままであるのと同じように中空器官端部35及び36の吻合部の恒久的な部分のままである。また、この後者の記載の実施形態に関して、本発明のそれぞれの環状のクリップ保持リング20及びステープル保持リング29は、上記の特許の図1、図2及び図5に最もよく示されている、クランプ締結手段5a及び5bがそのそれぞれのC字形ジョー2及び3から取り外し可能であるのと同じように、それぞれのジョー16及び26の端間隙17及び27を介して摺動可能に取り外し可能である。これに応じて、本発明のリテーナーリング20及び29は、締結手段5a及び5bと同じ構成及び機能を呈していてもよく、本発明のステープル留め装置10のジョー16及び26は、米国特許第4,917,090号におけるジョーのような要素2及び3の構成を呈していてもよい。したがって、この可能な代替的な実施形態を示すために米国特許第4,917,090号の内容及び記載はその全体が参照により本明細書に援用される。
ステープル31も、開示したステープル釘とは異なる構成を呈していてもよい。例えば、ステープル31は従来のステープルのようなU字形構成を呈していてもよい。また、ステープルリテーナークリップ21は図示のプッシュナットタイプとは異なる構成を呈していてもよい。例えば、保持クリップは、穿孔されていない、ステープルの先端を該ステープル先端の貫通によって内部に保持する単なる小さな中実のプラスチックブロックであってもよい。この構成においてよりしっかりとした取り付けを提供するために、ステープル先端が中実のステープル保持ブロックを貫通すると容易に外れることがなく、それによって固定されたままとなるように、ステープル先端をリブ付けしてもよい。
次に、図20、図21、図22及び図23に示されている実施形態を参照すると、本発明のステープル留め装置10の別の実施形態が示されている。この実施形態では、クリップジョー16及びステープルジョー26は、ステープル留めするための通常の閉位置から、中空器官組織端部の容易な妨げられることのない装入及び取り出しを提供するための開いた装入位置へ枢動可能である。加えて、2つの器具体11及び12をともにクランプするとともにステープル留め機構を作動させる代替的な機構が示されている。同様の要素は同じ参照符号で示されている。
図20及び図21においてそれぞれ示されているように、この実施形態では、クリップリテーナージョー16の右側ジョーアーム80及びステープルジョー26の右側ジョーアーム81が、そのそれぞれのベースで外方に枢動可能(pivotable)である。これにより、ステープル留めの前及びステープル留めの後の装入及び取り出しのために中空器官組織端部35及び36の妨げられることのない最初の取り付け及び最後の取り外しが可能になる。
スライドロック83は、ジョーアーム80が外方に枢動するのを防ぐよう、図20に示されているような開位置へハンドル13に沿って摺動可能であり、次いで、クリップジョー16をその通常の閉位置に係合及び維持させるよう、図22及び図23に示されているような閉位置へハンドル13を下方に摺動可能である。同様に、ステープルリテーナー器具12が、図22に示されているような最初の挿入地点から、図23に示されている最後の挿入位置へ、クリップ保持器具11に下方に摺動可能に挿入される場合、クリップリテーナー器具11の側部アームにより提供されたスライドロック84によってステープルジョー26のアーム81を閉位置に維持することができる。したがって、スライドロック84はジョーアーム81が再び開くのを防ぐ。クリップ保持器具11との整合されたステープル留め位置合わせ状態にステープルリテーナー12を維持するために、ステープルリテーナー器具12の下端には、クリップ保持器具11の下端のガイド保持孔86に受け入れられる下方突出スタッド85が設けられている。
この実施形態では、前の実施形態において示されたクランプ40はこの実施形態では全く異なる方法で動作し、そのため、クランプはこの実施形態ではクランプ40’として示されている。この実施形態では、リテーナーハンドル13及び23はともに隣接して延びる離間した上側ハンドル端13’及び23’をそれぞれ有し、ステープルハンドル端23’が、ハンドル13及び23の上側近位端43及び65からそれぞれ横方向にクリップリテーナーハンドル端13’よりも上に位置決めされている。したがって、この構成により、ともに把持及びクランプするためのハンドル端13’及び23’が提供されることによって、器具がステープル留め整合状態で人の手でともにクランプされてクランプ40’を提供する。
また、この実施形態では、装置10によるステープル留めは、前の実施形態のねじノブ機構を用いる代わりに、ハンドル端13’及び23’をともに更に圧搾することによって作動させる。
この実施形態では、ステープル発射ロッド60はステープルリテーナーハンドル23自体によって提供される。したがって、ハンドル端13’及び23’が手操作によってともに圧搾されると、これにより、ステープルリテーナーハンドル23がクリップリテーナー器具11のハンドル13に対して下方に移動し、さらに、ハンドル23の下端がステープル駆動ピストン54を下方に押すことによって、前述したように中空器官端部35及び36をともにステープル留めさせる。ステープル留め操作が完了すると、中空器官端部のステープル留めされた端部35及び36を乱すことなくクリップ保持器具11から取り外すようにステープラー器具12を完全に解放するために、ステープルリテーナーレリーズ87を術者の手で把持し、ステープルリテーナーハンドル23に対して上方に引いて、ステープルヘッドをステープルリテーナー32から完全に解放する。
次に図24〜図27を参照すると、図示の実施形態は、ヒンジ接続されたジョー16及び26が、従来の止血鉗子が挟持するのと同じようにそれぞれの器官端部35及び36を挟持するように閉じる止血鉗子ジョー16’及び26’を提供するという点を除き、図20〜図23に示されているステープラー装置と構成及び動作が同一である。したがって、図24〜図27の要素は、離間した枢動可能なジョー16及び26が止血鉗子ジョー16’及び26’としてそれぞれ番号を付け直されているという点を除き、同一番号が付けられている。
止血鉗子ジョー16’及び26’により、外科医に、ステープラー整合のためにそれぞれの器具11及び12を組み付ける前に該器具にそれぞれの中空器官端部35及び36を取り付けることを可能にさせる。加えて、ステープル留めすべき中空器官が脈管である状況では、それぞれの器具11及び12への血管の止血鉗子取り付けによりステープル留め手順中に血液の流れを止める。

Claims (8)

  1. 中空器官に吻合を行うためのステープル留め装置であって、
    互いに隣接して位置合わせされた一対のステープル用のジョーを備え、
    前記ステープル用のジョーは、中空器官の端部を共にステープル留めして吻合を形成するための位置合わせされた状態で、中空器官の端部を共に保持するためものであり、
    前記ステープル用のジョーは、保持された前記中空器官の端部を共にステープル留めするためのステープル留め機構を含み、
    前記ステープル用のジョーは、対向してヒンジ接続された止血鉗子ジョーをそれぞれ含み、
    前記止血鉗子ジョーは、ステープル留めする前の段階で、各中空器官の端部をその相互間にクランプするために操作可能であることを特徴とするステープル留め装置。
  2. 前記ステープル用のジョーは、前記ステープル用のジョーから延び、ステープル留めのためにステープル留め機構に貼られ且つクランプされた前記中空器官の端部を穿孔及び保持するための、離間したピンを有していることを特徴とする請求項1に記載のステープル留め装置。
  3. 前記ピンは、前記ステープル用のジョーの外面から、横方向の外側に向けて延びていることを特徴とする請求項2に記載のステープル留め装置。
  4. 前記一対のステープル用のジョーは、ステープル留め整合状態にするとともにステープル留め整合状態から外すようにガイドされる操作のために、互いに分離可能であることを特徴とする請求項2に記載のステープル留め装置。
  5. 中空器官に吻合を行うためのステープル留め装置であって、
    互いに隣接して位置合わせされた一対のステープル用のジョーを備え、
    前記ステープル用のジョーは、中空器官の端部を共にステープル留めして吻合を形成するための位置合わせされた状態で、中空器官の端部を共に保持するためのものであり、
    前記ステープル用のジョーは、対向してヒンジ接続された止血鉗子ジョーをそれぞれ含み、
    前記止血鉗子ジョーは、ステープル留めする前の段階で、各中空器官の端部をその相互間にクランプするために操作可能であり、
    前記止血鉗子ジョーは、保持された前記中空器官の端部を共にステープル留めするためのステープル留め機構を含むことを特徴とするステープル留め装置。
  6. 前記止血鉗子ジョーは、前記止血鉗子ジョーから延び、ステープル留めのためにステープル留め機構に貼られ且つクランプされた前記中空器官の端部を穿孔及び保持するための、離間したピンを有していることを特徴とする請求項5に記載のステープル留め装置。
  7. 前記ピンは、前記止血鉗子ジョーの外面から、横方向の外側に向けて延びていることを特徴とする請求項6に記載のステープル留め装置。
  8. 前記一対のステープル用のジョーは、ステープル留め整合状態にするとともにステープル留め整合状態から外すようにガイドされる操作のために、互いに分離可能であることを特徴とする請求項6に記載のステープル留め装置。
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