JP2013529832A - 設備のフェールセーフな接続または接続解除のための安全回路 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】危険な設備24への電力供給路20をフェールセーフな仕方で接続または遮断するよう設計された制御装置12と、複数の回線50、52を介して制御装置12に接続された信号装置14を有している。信号装置14は、規定の第1状態と第2状態40’との間で変化することのできるアクチュエータ40を有し、信号装置のパルス発生器42は、アクチュエータ40が第1状態のときに、回線50、52上に複数の信号パルス46を有する規定のパルス化された信号44を生成するよう設計されている。信号装置14は、第1および第2コア50、52を有する2ワイヤ回線54を介して制御装置12に接続され、2つのコアの間には、アクチュエータ40が第2状態のときに、実質的に一定の電圧が存在し、複数の信号パルス46を生成するために、パルス発生器42が、第1コア50と第2コア52との間に電圧ディップ88を生じさせる。
【選択図】図1
Description
本発明に係る安全回路は、少なくとも2つの機能決定部品を有する回路構成であり、これらの機能決定部品は、技術設備の危険な運転から保護するように、すなわち、設備の付近にいる人々の健康または生命を危険にさらす事故を回避するように相互作用する。
1つの部品は制御装置であり、該制御装置は、設備を、危険でない電源切断された状態にするために、設備への電力供給路をフェールセーフな仕方で遮断するよう特に設計されている。比較的大きな設備の場合、制御装置のこの機能は設備の部分または領域に限定することができ、比較的大きな設備の異なる領域は、複数の制御装置により別々に制御することができる。不具合が発生した場合でも、制御装置が設備の安全な運転状態を保証することが重要である。例えば電子部品が不具合を起こした場合、結線が損傷し、または、別の不具合事例が発生する。ゆえに、個々の不具合を早期に識別し、不具合の蓄積を避けるため、制御装置は通常、多重チャネルの冗長性を備えて構成されており、内部の監視機能を有している。
制御装置は、いわゆる信号装置またはセンサの運転状態を監視する。信号装置/センサは制御装置用に入力信号を生成し、この入力信号が制御装置により評価され、上記信号に依存して、例えば電気駆動装置またはソレノイドバルブなどの、設備のアクチュエータを接続または接続解除するために、適切であれば、論理的に相互接続される。
一般に、信号装置/センサからの信号に基づき運転が危険でないことが推定できるときにのみ、安全回路の制御装置は設備の運転を可能にする。しかし、例えば保護ドアを開けたままセットアップ運転モードを可能にするために、保護措置を意図的に無視する場合もある。
大きな設備では、安全制御器に安全関連の入力信号を供給する、複数の信号装置/センサが備えられていてもよい。個々の信号装置/センサは互いに遠く離れて配置することもでき、その結果、セットアップにかなりの手間がかかることになる。
冒頭で言及した下記特許文献1は、複数の信号装置がフェールセーフな制御装置に直列に接続された安全回路を開示している。制御装置は2つの冗長な許可信号を生成し、許可信号は、2つの冗長な回線を介し、一連の信号装置を通って、制御装置へフィードバックされる。一連の信号装置のうちの一つが少なくとも1つの冗長な許可信号を遮断した場合、これは制御装置で検知され、設備への電力供給路が遮断される。
しかし、実際の実施形態には、許可信号を制御装置から信号装置へと供給し、再び戻すための少なくとも4つの別々の回線または回線コアが必要である。信号装置は、冗長な許可信号を伝えるための作動電圧を必要とする電子部品を使用するので、信号装置に作動電圧および対応する接地電位を供給するのに、通常2つのさらなる回線またはコア対が必要とされる。ゆえに、すでに実現している利点にもかかわらず、特に個々の信号装置と制御装置との間で大きな距離に架橋する必要があるときに、このような実施形態は依然として複雑である。
下記特許文献2は、制御装置および複数の信号装置を有する別の安全回路を開示しており、複数の信号装置は互いに直列に制御装置へと接続されている。各信号装置は通常は閉じられた接点を有していて、コード信号生成器に連結されており、コード信号生成器は、接点が開かれているときに、特徴的なコード信号を制御装置へと供給する。実際の実施態様として、少なくとも3つの回線コアが必要とされる。しかし、制御装置の許可信号出力での回線と制御装置の許可信号入力での回線との間の交差接続は、容易に検知することができない。その結果、より高い安全カテゴリーに関し、さらなる冗長な信号回線が必要とされる場合がある。
さらに、ASI(アクチュエータ・センサ・インターフェース)と呼ばれるフィールドバスシステムが当業者に公知であり、上記ASIバスシステムは専用の二芯ケーブルにより実施することができ、自動化された設備の場平面でセンサおよびアクチュエータを相互接続するのに使用される。この場合、ASIバスマスタは、繰り返される時間間隔で、ASIバスに接続されたセンサへ要求を送信する。次いで、上記センサはそれらのセンサ状態をASIバスマスタに送信する。このシステムが必要とするのは2つの回線コアのみである。しかし、バスプロトコルを実施することのできる専用のインターフェースモジュールが必要とされる。冒頭で言及した種類の安全回路用に、制御装置および信号装置の両方がASIバスに適合したインターフェースモジュールを有している必要があり、これは、いくつかの用途のためには、あまりに複雑かつ高価である。
他の実施形態では、2つの回線コアの間の電気抵抗を励起することができ、これが電圧ディップにつながるが、ゼロよりも大きな残留電圧が許容される。例えば、2つの回線コアの間の電圧は、アクチュエータが第2状態のときに約24ボルトであってもよく、パルス発生器が電圧ディップを生じさせたときに約5ボルトに低下されてもよい。
しかし、公知の安全回路に対して、本発明の安全回路は、制御装置で始まり信号装置を介して制御装置に戻される信号ループを省いている。その代わりに、規定のパルス化された信号に関する期待値のみが制御装置に記録される。すなわち、制御装置は、アクチュエータが規定の第1状態とされているときに、信号装置からの、規定のパルス化された信号を正確に予測する。信号装置が、互いに異なる複数の規定のパルス化された信号を生成できるようにし、規定のパルス化された信号のセットからの規定のパルス化された信号それぞれが、アクチュエータが規定の第1状態にあるという情報を示すようにすることが考えられる。異なるパルス化された信号により、信号装置はさらなる情報を制御装置に送信することができ、上記情報を、設備の作動状況の診断用に制御装置において有利に使用することが可能になる。
公知の安全回路は一般に、制御装置から信号装置への、および、再び戻る信号ループを使用している。これには、信号ループの進み回線および戻り回線の間の交差接続の危険が伴っており、このような交差接続は信号装置を架橋し、安全状態を制御装置に誤って示唆する。
本発明の改良形態では、制御装置が、第1コアに電気的に接続された信号入力コネクタと、第2コアに電気的に接続された接地コネクタとを有している。
この改良形態では、規定のパルス化された信号が、基準電位に対する信号とされている。この信号は、電圧パルスの形態で、2つのコアの間に存在している。第2コアは、信号パルス用の基準電位を第1コアへと通過させる。この改良形態の変形例では、接地コネクタが、制御装置の装置接地に電気的に接続されており、または、装置接地と同じにさえなっている。本構成には、本発明の信号装置が公知の制御装置と互換性があるという利点がある。ゆえに、本発明の安全回路は、本発明の信号装置とともに安価に実施することができる。
この改良形態は、第1コアが上述した二重の機能で(すなわち、まず、規定のパルス化された信号を送信するために、次に、作動電圧を信号装置に供給するために)使用された場合でも、信号装置の安定した途切れない作動を保証することに貢献する。パルス化された信号により、第1および第2コアの間の電圧は、設計の結果として、繰り返し低下する。電圧調整器は、電圧ディップに敏感なマイクロコントローラまたは別の部品により信号生成器を実施したとしても信号装置の安定した作動が可能なように、これらの電圧ディップをよく補償することができる。
この改良形態では、第1および第2コアの間の短絡を可能にするスイッチング素子が、アクチュエータのそれぞれの現在状態を判断するのが好ましい信号処理回路から分離されている。本改良形態は、最適な特徴を有するスイッチング素子を備えた短絡を実現して、短絡中の電流および熱負荷を吸収することを可能にする。ゆえに、本改良形態は、本発明の信号装置および本発明の安全回路の長い寿命および高度な作動の信頼性に貢献する。第二に、プログラマブル信号処理回路は、規定のパルス化された信号の選択および生成に関して、高度の柔軟性をもたらす。比較的長いおよび比較的短い信号パルスの規定のシーケンスを有する「複雑な」パルス化された信号を容易に生成することができる。規定のパルス化された信号が、より独特で複雑であれば、制御装置による信号装置からの情報の評価を、より個別で安全にすることができる。
この改良形態では、信号装置は、少なくとも2つの冗長なパルス発生器を有している。好ましい実施形態では、2つのパルス発生器はそれぞれ、規定のパルス化された信号を生成することができる。冗長性により、まず有利な2チャネルの実施形態が可能になり、それゆえに、増し加わったフェールセーフ性がもたらされる。さらに、冗長性により利用可能性も増し加わり、その結果、本発明の信号装置は、例えば信号生成器の一方が不具合を起こした場合でも、診断目的で、パルス化された信号を制御装置に送信することができる。
この改良形態では、本発明の信号装置の本質的な部品が、装置ハウジング内に封入されている。特に、アクチュエータおよびパルス発生器の少なくとも電気接続が、装置ハウジング内に配置されている。本改良形態は、意図せぬ間違った操作によりアクチュエータをパルス発生器から切り離すことができないという利点を有しており、その結果、交差接続などの結果としてのパルス発生器の規定のパルス化された信号が、アクチュエータの実際の状態を表すことがない。ゆえに、本改良形態はフェールセーフ性を増大させる。
この改良形態では、信号装置のフェールセーフ性が制御装置で「生み出されて」いる。すなわち、不具合状態が存在するかどうかに関する決定、および、信号装置の不具合の可能性に対する反応が、制御装置で起こる。ゆえに、パルス化された信号自体は必ずしも「安全な」信号ではない。制御装置でのパルス化された信号の解釈(特に制御装置に記録された期待値との比較)のみが、不具合があるかどうかを判断することを可能にする。不具合検知機構がいずれにせよ制御装置内に必要とされるため、本改良形態により非常に安価な実施が可能になる。信号装置の実施形態を、より簡単に、そしてそれゆえに、より安価にすることができる。
本発明の実施形態を図に示し、以下の記述において、より詳細に説明する。
図1では、本発明の安全回路の実施形態全体を参照番号10で示している。安全回路10は制御装置12および信号装置14を備えている。この実施形態では、制御装置12は、大部分が固定された機能範囲を有する安全スイッチング装置である。適切な安全スイッチング装置が、PNOZ(登録商標)という商標で出願人により販売されている。
好ましい実施形態では、制御装置12は、欧州規格EN 954-1カテゴリー3以上に関連して、国際規格IEC 61508に係るSIL2に関連して、または、類似の規格に関連してフェールセーフである。この場合、それぞれがスイッチング素子18a、18b を駆動する2つのマイクロコントローラ16a、16bの形態の2つの冗長な信号処理チャネルが、簡略化された形態で図示されている。マイクロコントローラの代わりに、制御装置12は、マイクロプロセッサ、ASIC、FPGAまたは他の信号およびデータ処理回路を有していてもよい。
本発明は、狭義の生産機械における機械設備に限定されない。これは、作動中に危険を及ぼし、そのような場合に、特に電力供給路20の遮断により安全な状態にされる必要のある、すべての技術設備に使用することができる。
コネクタ30はこの場合、制御装置12に作動電圧UBを供給するためのコネクタである。いくつかの実施形態では、作動電圧UBは、プロセッサ16、スイッチング素子18、および、制御装置12のさらなる部品に供給するために必要な24ボルトの直流電圧である。コネクタ32はこの場合、供給電圧UB用の基準電位である接地コネクタである。ゆえに、コネクタ32はこの場合、制御装置12の装置接地電位である。
好ましい実施形態によれば、制御装置12はこの場合、コネクタ30でコネクタ34を作動電圧UBに接続するプルアップ抵抗器36を有している。ゆえに、コネクタ34の電位は作動電圧UBの電位へと「引き上げられる(pulled up)」。これは、以下に説明する信号装置に関連して、特に好ましい実施形態である。いくつかの実施形態では、プルアップ抵抗器36はコネクタ30、34に一体化されていてもよい。他の実施形態では、プルアップ抵抗器36は制御装置12の外部に配置されていてもよい。
一実施形態では、パルス発生器42は、アクチュエータ40が作動されたときに、信号パルス46を生成するために必要な作動電圧を受信するのみである。そうでなければ、これは休止している。
図示した実施形態では、アクチュエータは、単純な、手動の、通常は開いた接点である。別の実施形態では、アクチュエータは、通常は閉じた接点、または、通常は閉じた接点と通常は開いた接点との組み合わせであってもよい。さらに、アクチュエータは、トランスポンダ、光バリア、または、温度、圧力、電圧など用の測定値変換器であってもよい。
図示した実施形態では、次いで、マイクロコントローラ16がスイッチング素子18を介して駆動装置24を接続する。
一方、信号装置14が緊急停止ボタンとして働くことが意図されている場合、アクチュエータ40の静止状態は、パルス発生器42が、緊急停止ボタンの作動に応じて、連続的に、パルス化された信号44を生成しパルス化された信号44を遮断するように選択されているのが好ましい。マイクロコントローラ16は、パルス化された信号44の欠如を識別し、それに応じて駆動装置24を接続解除する。
この実施形態では、信号装置14が、マイクロコントローラ70aと、マイクロコントローラ70aにより駆動されるスイッチング素子72aとを有している。スイッチング素子72aはこの場合、そのソース端子およびドレイン端子がコネクタ56、58の間に配置されている電界効果トランジスタ(FET)である。このように、FETは、2ワイヤ回線54の回線コア50、52の間に短絡を起こすことができる。FETの代わりに、バイポーラトランジスタを、そのコレクタ端子およびエミッタ端子とともに、コネクタ56、58の間に配置することができる。
いくつかの実施形態では、信号装置14は単一チャネルの設計を有している。
図2は、第1チャネル86aの信号パルス90および第2チャネル86bの信号パルス92の組み合わせの結果として生じる、パルス化された信号44を示している。
Claims (10)
- 設備(24)のフェールセーフな接続または接続解除用の安全回路であって、
前記設備(24)への電力供給路(20)をフェールセーフな仕方で接続または遮断するよう設計された制御装置(12)と、複数の回線(50、52)を介して前記制御装置(12)に接続された信号装置(14)とを備え、
前記信号装置(14)は、規定の第1状態と第2状態(40’)との間で変化することのできるアクチュエータ(40)と、前記アクチュエータ(40)が前記規定の第1状態のときに、前記回線(50、52)上に複数の信号パルス(46)を有する規定のパルス化された信号(44)を生成するよう設計されたパルス発生器(42)とを有し、
前記信号装置(14)は、第1および第2コア(50、52)を有する2ワイヤ回線(54)を介して前記制御装置(12)に接続され、前記第1および第2コア(50、52)の間には、前記アクチュエータ(40)が前記第2状態のときに、実質的に一定の電圧が存在しており、
前記複数の信号パルス(46)を生成するために、前記パルス発生器(42)が、前記第1コア(50)と前記第2コア(52)との間に電圧ディップ(88)を生じさせるように設計されている、安全回路。 - 前記制御装置(12)が、前記第1コア(50)に電気的に接続された信号入力コネクタ(34)と、前記第2コア(52)に電気的に接続された接地コネクタ(32)とを有している、請求項1に記載の安全回路。
- 前記第1コア(50)が、前記信号装置(14)から遠方に配置された作動電圧源(UB)にさらに接続されている、請求項1または請求項2に記載の安全回路。
- 前記信号装置(14)が、前記第1および第2コア(50、52)の間の前記実質的に一定の電圧を使用して、前記パルス発生器(42)用の一定の作動電圧を生成する電圧調整器(74)を有している、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の安全回路。
- 前記パルス発生器(42)が、信号処理回路(70)と、前記信号処理回路(70)により駆動され、前記第1および第2コア(50、52)の間に配置されるスイッチング素子(72)とを有している、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の安全回路。
- 前記信号装置(14)が、前記第1および第2コア(50、52)に対して互いに並列に接続された第1および第2パルス発生器(70a、72a、70b、72b)を有している、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の安全回路。
- 前記第1および第2パルス発生器(70a、72a、70b、72b)がともに、前記規定のパルス化された信号(44)を生成する、請求項6に記載の安全回路。
- 前記信号装置(14)が、前記アクチュエータ(40)および前記パルス発生器(42)が配置されている、実質的に閉じた装置ハウジング(60)を有している、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の安全回路。
- 前記制御装置(12)が、前記規定のパルス化された信号(44)に基づき、前記信号装置(14)の不具合状態を判断するよう設計されている、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の安全回路。
- 請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の安全回路用の信号装置であって、
前記信号装置(14)を前記制御装置(12)に接続することができる多重ワイヤ回線(54)を接続するための複数のコネクタ(56、58)と、規定の第1状態と第2状態(40’)との間で変化することのできるアクチュエータ(40)と、前記アクチュエータ(40)が前記規定の第1状態のときに、前記多重ワイヤ回線(54)上に複数の信号パルス(46)を有する規定のパルス化された信号(44)を生成するよう設計されたパルス発生器(42)とを備え、
前記多重ワイヤ回線(54)は、第1コア(50)および第2コア(52)を有する2ワイヤ回線であって、前記第1コア(50)および第2コア(52)の間には、前記アクチュエータ(40)が前記第2状態のときに、実質的に一定の電圧が存在しており、前記複数の信号パルス(46)を生成するために、前記パルス発生器(42)が、前記第1コア(50)と前記第2コア(52)との間に短絡(88)を生じさせるように設計されている、信号装置。
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