JP2013529600A - 放射の影響を軽減し、及び全身性感染症のリスクを減少させる方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本願は、2010年6月11日に出願された、米国仮特許出願第61/354067号に対する優先権を主張し、この内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
核爆発の脅威の高まりに伴い、一般市民や救急医療提供者を守るため、曝露後に供給され得る新規の対策を開発することが必要である。更に、放射線照射と、外傷、皮膚損傷又は熱傷との組み合わせは、放射線照射単独よりも最大10倍致命的になり得るという認識により、緊急性が要求される。爆発は何千人もの人を傷つけ、複合的な放射線損傷についての有効策を持たない人々は、致死量以下であったはずの放射線で恐らく死亡する。
出願人は、トロンビンペプチド誘導体TP508の曝露後の注射により、致死量のガンマ放射線照射に曝露したマウスにおいて、生存時間を増加させ、敗血性の細菌増殖の開始を遅らせることができることを発見した(実施例3及び4)。加えて、トロンビンペプチド誘導体TP508の局所処置又は全身性注射は、放射線に曝露したマウスにおける開放性皮膚創傷の治癒を促進することができる(実施例5)。
本発明は、対象における放射線曝露の悪影響を減少させる方法であって、本明細書に記載の有効量のトロンビンペプチド誘導体を対象に投与することを含む方法に関する。放射線曝露は、例えば核爆発、核兵器、偶発的な放射線曝露(例えば原子炉における事故、又は放射線源からの不十分な保護による)又は放射線療法に起因し得る。少量の放射線曝露は、航空会社の労働者及び宇宙飛行士;原子力及び核燃料処理工場の労働者;研究所の労働者;及びウラン鉱山労働者に及ぶ職業的な危険であり得る。加えて、医療診断検査、例えばX線は、一般の人々に対しての低レベルの放射線曝露の原因となり得る。
トロンビンペプチド誘導体(「トロンビン誘導体ペプチド」も同様)は、トロンビンのアミノ酸配列の少なくとも一部に由来するアミノ酸配列を有するトロンビンのアナログであり、非タンパク質分解的に活性化されるトロンビン受容体(NPAR)において活性である。トロンビンペプチド誘導体は、例えば、組み換えDNA法により生成されるペプチド、トロンビンの酵素的消化により生成されるペプチド、及び合成的に生成されるペプチドを含み、それは、トロンビンと比較して、特に末端においてアミノ酸置換及び/又は改変されたアミノ酸を含む。
Asp−Ala−R(I)
により表される部分を含んでなるトロンビンペプチド誘導体である。Rはセリンエステラーゼ保存ドメインである。セリンエステラーゼ、例えばトリプシン、トロンビン、及びキモトリプシン等は、高度に保存される領域を有する。「セリンエステラーゼ保存ドメイン」とは、これらの保存領域の一つのアミノ酸配列を有するポリペプチドを意味し、トロンビンペプチド誘導体がNPAR活性化能を保持するこれらの保存領域の一つと十分な相同性を有する。
本発明の一つの実施形態では、トロンビンペプチド誘導体は、前述のトロンビンペプチド誘導体に対して改変され、ここで、前述のトロンビンペプチド誘導体のシステイン残基は、ペプチドの二量体化を最小限にするために、同様のサイズ及び電荷を有するアミノ酸で置き換えられる。好適なアミノ酸の例としては、アラニン、グリシン、セリン、又はS’保護システインが挙げられる。好ましくは、システインはアラニンで置換される。改変されたトロンビンペプチド誘導体は、未改変のトロンビンペプチド誘導体とおおよそ同一の生物学的活性を有する。米国特許出願公開第2005/0158301A1号明細書を参照のこと(これは、参照により本明細書に組み込まれている)。
本発明のいくつかの態様では、本方法のトロンビンペプチド誘導体は、トロンビンペプチド誘導体二量体である。米国特許出願公開2005/0153893号を参照のこと(それは参照により本明細書に組み込まれている。)。該二量体は、本質的に単量体に戻らず、上述のようなトロンビンペプチド誘導体単量体としてほぼ同一の生物学的に活性をなおも有する。「トロンビンペプチド誘導体二量体」とは、共有結合、好ましくはシステイン残基間のジスルフィド結合により結合した二つのトロンビンペプチド誘導体を含む分子である。トロンビンペプチド誘導体二量は、典型的に、本質的には、例えば95重量%超、好ましくは99重量%超、対応する単量体から遊離している。好ましくは、該ポリペプチドは、同一であり、ジスルフィド結合を介して共有結合を形成する。
ヒト皮膚微小血管内皮細胞(HMVEC)に、5、10、及び20Gyの曝露を供給するために、J.L., Shepherd & Associates, Mark 1, 9K, 137 Cs Gamma Irradiatorを用いて放射線照射した。放射線照射後、細胞に、30u−g/ml TP508又は生理食塩水(未処理)を与えた。3時間後、細胞を、Caspase-Glo(登録商標)3/7Assay(Promega, Madison, WI)を用いるアポトーシスの測定として、カスパーゼ−3及びカスパーゼ−7の活性化について評価した。図1に示すように、放射線照射は、カスパーゼ3/7活性の用量依存的な増加を引き起こした。しかしながら、これらの細胞のTP508処理は、カスパーゼ3/7の放射線に誘導される活性化を著しく減少させた。このデータは、TP508が、放射線照射により誘導される微小血管内皮細胞においてアポトーシスを減衰させることを示した。
Swiss ICRマウスに、8Gy又は3Gyの曝露で放射線照射をした(137 Cs Gamma Irradiator Mark 30, Shephard and Associates, San Fernando, CA)。4時間〜24時間後、マウスを、麻酔し、手術のために準備した。一つの1.5cm平方の完全な皮膚の切除を行い、生理食塩水(25μl)又はTP508(0.25μl)を加えた生理食塩水で局所的に処置し、Opsite(登録商標)閉鎖包帯で覆った。複合的な放射線損傷を受けたマウスの生存率は著しく減少した(下記の表1)。放射線曝露の24時間後に、マウスにTP508を注射した場合、生存率の著しい増加が観察された(表1を参照のこと)。TP508での創傷の局所処置をしたマウスにおいて、生存率の増加がまた、観察された(表1及び図2)。
マウスを、致死量の137Csガンマ線放射(12Gy)に曝露した。曝露後2時間以内のTP508の単回のボーラス用量(500μg)の注射は、処理される群において最初のマウスの死亡を3日遅らせ、群の平均生存時間を約15%増加させた(図3を参照のこと)。TP508は、短い半減期を有し、従って、最初の2〜3時間のみ有効濃度で血液に存在することができる。これは、TP508が生存率を数日間延長する理由を説明することができる。
致死量の放射線照射は、腸管の破壊や死亡を導く敗血症性感染により、しばしば死亡を引き起こす。従って、放射線照射したマウスにおいて、TP508の細菌敗血症性感染症の発症を遅らせる効果を測定した。血液は、放射線照射後、様々な日に放射線照射したマウスから採取した(実施例3を参照のこと)。各マウス(3匹のマウス/群)からの血液を、その後希釈し、培養し、1mlの血液あたりのコロニー形成単位(CFU)として定量される生菌数を測定した。図4に示すように、放射線照射の6日後(PI)、生菌は、放射線照射しプラセボ処置したマウスの血液中に存在したが、TP508処置したマウスには存在しなかった。7日では、プラセボ処置したマウスは、平均で1.6x106CFU/mlを有する一方で、TP508を注射したマウスは、平均で100CFU/mlをちょうど上回り、ちょうど感染を示し始めた。
Swiss ICRマウスを、8Gy又は3Gyの曝露で放射線照射した(137 Cs Gamma Irradiator Mark 30, Shephard and Associates, San Fernando, CA)。4時間〜24時間後、マウスを麻酔し、手術のために準備した。一つの1.5cm平方の完全な皮膚の切除を行い、生理食塩水(25ul)又はTP508(0.3ug)を加えた生理食塩水で局所的に処置し、Opsite(登録商標)閉鎖包帯で覆った。8Gyでの放射線照射の4時間後、放射線照射は、皮膚創傷を受けたマウスにおいて創傷治癒を遅らせたが、TP508での単回局所処置は治癒を加速した。これらの創傷の50%創傷閉合までの時間は、放射線照射されていない対照について9.2日;8GY+生理食塩水について13.0日;及び8Gy+TP508について8.9日であった。従って、TP508は、放射線照射したマウスに対する治癒速度を正常に戻すと見られる。これは、これらの創傷において治癒の線形速度を計算することにより確認された(図5を参照のこと)。興味深いことに、全ての群についての治癒の線形速度は、創傷形成後の最初の5日間は同様であり、おそらく放射線照射に影響を受けない収縮に起因する。5〜16日間では、しかしながら、放射線照射は、治癒を著しく害するが、TP508処置は、この減損を克服する。
曝露の5日後において、12Gyの全身照射で曝露したマウスから得た空腸の組織切片は、タネル(tunnel)染色により調べられるように、腸陰窩内に多数のアポトーシスを起こした細胞を含む。TP508を注入したマウスは、より少ないアポトーシスを起こした細胞を有するように見える。TP508の効果は、曝露後2及び12日において、EdU取り込み(DNA合成)を測定することにより確認され、Click IT(登録商標)での24時間のインキュベーション期間において、DNAを合成する細胞を可視化した。放射線曝露の増加に伴い、より少ない腺窩細胞が2日後増殖を続ける。対照的に、3Gy曝露を受けた陰窩の中でも、TP508注射を受けた、増殖及び移動する細胞の数は、非照射(0Gy)対照と等しい。8Gyの区分では、おおよそ同数の細胞が標識され、しかしTP508群では、細胞は絨毛にさらに移動する傾向がある。15Gy曝露後でさえ、いくらかの腺窩細胞は、TP508で処置された動物の陰窩において、増殖を続ける。8Gy曝露の12日後でさえ、腺窩細胞の増殖及び移動は減少するが、それにも関わらず、TP508で処置した動物において、増殖及び移動は、対照レベルまで完全に保持しているようにみえる。
ICR白色雄性マウスを、0Gy(対照)又は8Gyのガンマ線に曝露し、24時間後に傷つけた。創傷を、局所的に、生理食塩水プラセボ(P)又は生理食塩水中TP508(TPt)で処置した。別々の群のマウスは、8Gy曝露の2時間後、500マイクログラムのTP508をIVで注射した。11日後、酵素免疫測定法(ELISA)を用いて、マウスからの血清をIL−6Aの量について分析した(図6、パネルA)。
TP508が内皮機能の維持を助けるかどうかを調べるために、確立された血管形成アッセイを用いた。これらの実験では、マウスを、非照射、又は3Gy、8Gy又は10Gyで照射した。曝露の約2時間後、マウスに、生理食塩水、又はTP508(15mg/kg)を加えた生理食塩水を、IVで注射した。マウスを、曝露の24時間後に屠殺し、大動脈を取り除き、大動脈切片を、matrigel(登録商標)上に置き、VEGF及びFGF2を含む増殖サプリメントを含む内皮増殖培地中で5日間培養した。照射していない対照(0Gy)では、TP508は、出芽又は長い出芽突起が占める面積を測定することにより測定されるように、5日間のインキュベーションで、大動脈切片からの内皮出芽の量を2倍超にした。3Gyを照射したマウスからの大動脈切片移植片は、生理食塩水を注射した群において幾らかの出芽を有したが、先の場合と同様に、この出芽はTP508を注射したマウスにおいて2倍超であった。8Gy及び10Gyの群では、プラセボマウスから単離した大動脈切片からは実質的に出芽しなかった一方で、T508処置したマウスからの移植片の端においては、明らかな出芽が観察され続けた。
曝露していない、及び曝露後にTP508注射を受けた又は受けていない8Gyで曝露したマウスから骨髄を単離した。サンプルを、完全血球算定(CBC)分析に供し、それは、TP508で処置したマウスにおける白血球、赤血球、及び血小板の早期回復を示した。この結果は、TP508が造血を刺激する、又は骨髄細胞(BMC)を保護することを示す。
Claims (67)
- 致死量の放射線に曝露した対象の死亡リスクを減少させる方法であって、有効量のトロンビンペプチド誘導体を対象に投与することを含み、ここでトロンビンペプチド誘導体がAsp−Ala−Rを含み、Rがセリンエステラーゼ保存配列である、方法。
- 放射線量が、少なくとも3.5Gyである、請求項1に記載の方法。
- 対象が、更に、外傷、重症の皮膚損傷、及び/又は熱傷を受けている、請求項1又は2に記載の方法。
- 外傷が、骨折、又は内臓の損傷である、請求項3に記載の方法。
- 熱傷、重症の皮膚損傷、又は外傷が、対象を全身感染症に曝す、請求項3又は4に記載の方法。
- 外傷、重症の皮膚損傷、及び/又は熱傷を有する、放射線に曝露された対象を治療する方法であって、有効量のトロンビンペプチド誘導体を対象に投与することを含み、ここでトロンビンペプチド誘導体はAsp−Ala−Rを含み、Rはセリンエステラーゼ保存配列である、方法。
- 放射線曝露が致死量以下である、請求項6に記載の方法。
- 放射線曝露が3.5Gy未満である、請求項7に記載の方法。
- 放射線療法を受ける対象において、放射線照射に関連した損傷を減少させる方法であって、有効量のトロンビンペプチド誘導体を対象に投与することを含み、ここでトロンビンペプチド誘導体がAsp−Ala−Rを含み、Rがセリンエステラーゼ保存配列である、方法。
- 放射線照射に関連した損傷が、皮膚潰瘍形成又は後期の皮膚破壊である、請求項9に記載の方法。
- 放射線照射に関連した損傷が、皮下線維症である、請求項9に記載の方法。
- ポリペプチドが、放射線に曝露される又は曝露される予定である対象の正常組織に投与される、請求項11に記載の方法。
- 放射線に曝露される又は曝露される予定である正常組織が皮膚である、請求項12に記載の方法。
- ポリペプチドが正常な皮膚に局所的に投与される、請求項13に記載の方法。
- 放射線療法を受ける対象において、放射線照射により誘導される疾患を発症するリスクを減少させる方法であって、有効量のトロンビンペプチド誘導体を対象に投与することを含み、ここでトロンビンペプチド誘導体がAsp−Ala−Rを含み、Rがセリンエステラーゼ保存配列である、方法。
- 放射線曝露により引き起こされた、及び/又は放射線に曝露された、対象における創傷の治療を促進する方法であって、有効量のトロンビンペプチド誘導体を対象に投与することを含み、ここでトロンビンペプチド誘導体がAsp−Ala−Rを含み、Rがセリンエステラーゼ保存配列であり、トロンビンペプチド誘導体が少なくとも20個のアミノ酸を有する、方法。
- 創傷が手術創傷である、請求項16に記載の方法。
- 創傷が放射線照射により引き起こされる皮膚潰瘍である、請求項16に記載の方法。
- トロンビンペプチド誘導体が、12〜23アミノ酸残基長である、請求項1〜18又は48〜67のいずれか一項に記載の方法。
- セリンエステラーゼ保存配列が、Cys−X1−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−X2−Val(配列番号15)のポリペプチドを含み、ここでX1がGlu又はGlnであり、X2がPhe、Met、Leu、His、又はValである、請求項19に記載の方法。
- セリンエステラーゼ保存配列が、Cys−Glu−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−Phe−Val(配列番号14)を含む、請求項20に記載の方法。
- トロンビンペプチド誘導体が、ポリペプチドArg−Gly−Asp−Ala(配列番号16)を含む、請求項19〜21のいずれか一項に記載の方法。
- トロンビンペプチド誘導体が、ポリペプチドArg−Gly−Asp−Ala−Cys−X1−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−X2−Val(配列番号1)を含み、ここでX1がGlu又はGlnであり、X2がPhe、Met、Leu、His、又はValである、請求項19に記載の方法。
- トロンビンペプチド誘導体が、ポリペプチドArg−Gly−Asp−Ala−Cys−Glu−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−Phe−Val(配列番号17)を含む、請求項19に記載の方法。
- トロンビンペプチド誘導体が、ポリペプチドAla−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Cys−X1−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−X2−Val(配列番号2)、少なくとも14個のアミノ酸残基を有するそのN末端切断フラグメント、又は少なくとも18個のアミノ酸残基を有するそのC末端切断フラグメントを含み、ここでX1がGlu又はGlnであり、X2がPhe、Met、Leu、His、又はValである、請求項19に記載の方法。
- トロンビンペプチド誘導体が、ポリペプチドAla−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Cys−Glu−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−Phe−Val(配列番号6)、少なくとも14個のアミノ酸残基を有するそのN末端切断フラグメント、又は少なくとも18個のアミノ酸残基を有するそのC末端切断フラグメントを含む、請求項19に記載の方法。
- トロンビンペプチド誘導体が、ポリペプチドAla−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Cys−Glu−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−Phe−Val(配列番号6)を含む、請求項19に記載の方法。
- トロンビンペプチド誘導体が、H−Ala−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Cys−Glu−Gly−Asp−Ser−Gly−GIy−Pro−Phe−Val−NH2(配列番号3)である、請求項1〜18又は48〜67のいずれか一項に記載の方法。
- トロンビンペプチド誘導体が、ポリペプチドArg−Gly−Asp−Ala−Xaa−X1−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−X2−Val(配列番号4)を含み、ここでXaaがアラニン、グリシン、セリン、又はS−保護システインであり、X1がGlu又はGlnであり;X2がPhe、Met、Leu、His、又はValである、請求項19に記載の方法。
- トロンビンペプチド誘導体が、ポリペプチドArg−Gly−Asp−Ala−Xaa−Glu−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−Phe−Val(配列番号11)を含み、ここでXaaがアラニン、グリシン、セリン、又はS−保護システインである、請求項19に記載の方法。
- トロンビンペプチド誘導体が、ポリペプチドAla−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Xaa−X1−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−X2−Val(配列番号5)、又は配列番号5のアミノ酸残基10〜18を含むそのフラグメントを含み、ここでXaaがアラニン、グリシン、セリン、又はS−保護システインであり;X1がGlu又はGlnであり;X2がPhe、Met、Leu、His、又はValである、請求項19に記載の方法。
- トロンビンペプチド誘導体が、ポリペプチドAla−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Xaa−Glu−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−Phe−Val(配列番号20)、又は配列番号20のアミノ酸残基10〜18を含むそのフラグメントを含む、請求項19に記載の方法。
- Xaaがアラニン又はセリンである、請求項29〜32のいずれか一項に記載の方法。
- トロンビンペプチド誘導体が、ポリペプチドH−Ala−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Ala−Glu−GIy−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−Phe−Val−NH2(配列番号22)、又はH−Ala−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Ser−Glu−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−Phe−Val−NH2(配列番号30)である、請求項19に記載の方法。
- トロンビン誘導体がC末端アミドを含み、任意でアシル化されたN末端を含み、ここで前記C末端アミドが、C(O)NRaRbにより表され、Ra及びRbが独立して水素、10個までの炭素原子を含む脂肪族基である、又はRa及びRbが、これらが結合する窒素原子とともにC3〜C10の非芳香族ヘテロ環基を形成し、前記N末端のアシル基がR()C(O)−により表され、Roが水素、10個までの炭素原子を含む脂肪族基、又はC1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6ハロアルコキシ、ニトロ、及びシアノから選択される1又はそれ以上の基で任意に置換されるフェニル基である、請求項19〜27又は29〜34のいずれか一項に記載の方法。
- トロンビンペプチド誘導体が、置換されていないN末端、及び置換されていないC末端、又は−C(O)NH2により表されるC末端アミドを含む、請求項45に記載の方法。
- トロンビンペプチド誘導体がポリペプチド二量体であり、ここで二量体中の各ポリペプチドが12〜23アミノ酸残基長であり、二量体中の各ポリペプチドは独立して、Asp−Ala−Cys−X1−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−X2−Val(配列番号10)を含み、X1がGlu又はGlnであり、X2がPhe、Met、Leu、His、又はValであり、前記ポリペプチドが任意でC末端アミドを含み;前記ポリペプチドが任意でアシル化されたN末端を含む、請求項1〜18又は48〜67のいずれか一項に記載の方法。
- 二量体中の各ポリペプチドが同一である、請求項37に記載の方法。
- 二量体中の各ポリペプチドが、ジスルフィド結合を介して共有結合する、請求項38に記載の方法。
- 二量体中の各ポリペプチドが、Arg−Gly−Asp−Ala−Cys−X1−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−X2−Val(配列番号1)を含み、ここでX1がGlu又はGlnであり、X2がPhe、Met、Leu、His、又はValである、請求項39に記載の方法。
- 二量体中の各ポリペプチドが、Arg−Gly−Asp−Ala−Cys−Glu−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−Phe−Val(配列番号17)を含む、請求項39に記載の方法。
- 二量体中の各ポリペプチドが、Ala−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Cys−X1−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−X2−Val(配列番号2)、ここでX1がGlu又はGlnであり、X2がPhe、Met、Leu、His、又はValである、又は配列番号2のアミノ酸残基10〜18を含むそのフラグメントを含む、請求項39に記載の方法。
- 二量体中の各ポリペプチドが、Ala−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Cys−Glu−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−Phe−Val(配列番号6)、又は配列番号6のアミノ酸残基10〜18を含むそのフラグメントを含む、請求項39に記載の方法。
- 二量体中の各ポリペプチドが、Ala−Gly−Tyr−Lys−Pro−Asp−Glu−Gly−Lys−Arg−Gly−Asp−Ala−Cys−Glu−Gly−Asp−Ser−Gly−Gly−Pro−Phe−Val(配列番号6)を含む、請求項39に記載の方法。
- 二量体中の各ポリペプチドが、C末端アミドを含み、任意でアシル化されたN末端を含み、ここで前記C末端アミドが−C(O)NR2Rbにより表され、R3及びRbが独立して水素、10個までの炭素原子を含むアルキル基である、又はR3及びRbが、これらが結合する窒素原子とともにC3〜C10非芳香族ヘテロ環基を形成し、そして前記N末端アシル基がR()C(O)−により表され、R()が水素、10個までの炭素原子を含むアルキル基、又はC1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6ハロアルコキシ、ニトロ、及びシアノから選択される1又はそれ以上の基で任意に置換されるフェニル基である、請求項38〜44のいずれか一項に記載の方法。
- 二量体中の各ポリペプチドが、置換されていないN末端、及び置換されていないC末端、又は−C(O)NH2により表されるC末端アミドを含む、請求項45に記載の方法。
- 細菌、真菌、又はウイルス感染に曝れる対象の血液中において、細菌、真菌、又はウイルス感染症を発症するリスクを減少させる方法であって、有効量のトロンビンペプチド誘導体を対象に投与することを含み、ここでトロンビンペプチド誘導体がAsp−Ala−Rを含み、Rがセリンエステラーゼ保存配列である、方法。
- 対象が放射線の曝露を受けている、請求項48に記載の方法。
- 対象が、放射線照射により腸壁の破壊がされている、請求項49に記載の方法。
- 放射線曝露が致死量以下である、請求項49又は50に記載の方法。
- 対象が、致死量の放射線に曝露される、請求項49又は50に記載の方法。
- 対象が、外傷、重症の皮膚損傷、及び/又は熱傷を受けている、請求項48〜52のいずれか一項に記載の方法。
- 対象が、侵襲的な医療処置又は歯科的処置後30日間又は30日以内に、感染に曝されている、請求項48〜52のいずれか一項に記載の方法。
- 侵襲的な医療処置が手術である、請求項54に記載の方法。
- 対象が肺炎、又は他の肺疾患を有する、請求項48に記載の方法。
- 対象が免疫不全である、請求項48に記載の方法。
- 対象がAIDSに罹患している、請求項57に記載の方法。
- 対象が癌に罹患している、請求項57に記載の方法。
- 対象が60歳超である、請求項48〜59のいずれか一項に記載の方法。
- 対象が幼児(infant)である、請求項48〜59のいずれか一項に記載の方法。
- 侵襲的な医療デバイスが、対象に導入される、請求項48〜61のいずれか一項に記載の方法。
- 前記侵襲的な医療デバイスが、静脈若しくは動脈経路、呼吸管、導尿カテーテル、外科用ドレーン、又は人工関節を含む、請求項62に記載の方法。
- トロンビンペプチド誘導体が別の治療薬剤と組み合わせて導入される、請求項48〜62のいずれか一項に記載の方法。
- 薬剤が、抗生物質である、請求項64に記載の方法。
- トロンビンペプチド誘導体が静脈に投与される、請求項64に記載の方法。
- 細菌、真菌、又はウイルス感染に曝される対象において、全身性炎症反応症候群(SIRS)を発症するリスクを減少させる方法であって、有効量のトロンビンペプチド誘導体を対象に投与することを含み、ここでトロンビンペプチド誘導体がAsp−Ala−Rを含み、Rがセリンエステラーゼ保存配列である、方法。
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