JP2013528639A - 殺菌性局所適用組成物 - Google Patents

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Abstract

局所用殺菌組成物であって、以下の成分:50〜85質量%なる範囲の量の、1種またはそれ以上の一価のC1-C4アルコールを含むアルコール成分;0.01〜5質量%なる範囲の量の、1種またはそれ以上のセルロースまたはセルロース誘導体を主成分とするフィルム形成成分;0.01〜25質量%なる範囲の量の湿潤剤、好ましくはグリセリン;0.01〜5質量%なる範囲の量の不透明化剤成分;場合によるが、好ましくはポリクオータニウム型のポリマーまたは材料;場合により、審美性または他の本発明の工業的諸特徴を改善するための、1種またはそれ以上の更なる成分を含み、該組成物の残部が、約30質量%までの水であり、該組成物が、流動性であり、また好ましくは少なくとも約10cPsなる、25℃において測定された、(混合状態における)初期粘度をも示し、また高温度および/または長期に渡る期間保存された後に、単一相組成物として維持されており、しかも2またはそれ以上の相に分割または分離されることがなく、また更に該組成物は、皮膚または身体の部分に適用された際に、局所的殺菌的利益を与えることを特徴とする。

Description

本発明は、殺菌性局所適用用組成物に係り、該組成物は高いアルコール含有率を持ち、かつ該組成物が適用された皮膚表面に、殺菌的な利益を与える。
局所適用組成物自体は、化粧料、外皮用剤の分野並びに医薬分野において周知である。殆どの局所適用組成物は、ヒトの皮膚に適用した後に、少なくとも一つの、一般的には複数のまたはそれ以上の特定の利益を与えることを意図している。例えば、ハンドソープまたはボディーウォッシュソープ等の、ヒト皮膚の一般的な洗浄用の石鹸を主として意図する、パーソナルケア組成物は、化粧料およびパーソナルケア製品の分野において周知である。主として洗浄的な利益を与えるものであるが、このようなパーソナルケア組成物は、またしばしば、皮膚のモイスチャライジングおよびナリシング等の副次的な利益をも与える。通常、良好な一般的洗浄的利益をもたらす、このようなパーソナルケア組成物は、良好な洗浄並びに泡立ち作用をもたらすものと認識されている、1種またはそれ以上のアニオン性石鹸またはアニオン性界面活性剤を主成分とするものである。しかし、このような組成物は、典型的に限られた殺菌的利益をもたらすに過ぎない。
適用された場合に、主として表皮または他の身体部分に対して殺菌的利益を与えることを目的とした、局所適用組成物も同様に公知である。このような組成物は、典型的に粘稠なゲル形状をとっており、また更なる成分、例えば増粘剤と共に、しばしば、通常はエタノールからなるアルコールを多量に含んでいる。殺菌的利益を与えるのにしばしば技術的には有効であるが、このような組成物は欠点をも有し、該欠点とは、幾つかの場合における不快な皮膚の感触および他の場合における皮膚に対する望ましからぬ乾燥作用を含む。
当分野において提案されているこのような組成物の一つは、「処方物番号:US-371-666-145-8」(例えば、PA州、アンブラー(Ambler PA)のコグニス社(Cognis Corp.)製の製品)であり、これは、「アロエを含むハンドサンタイザー(Hand Santizer with Aloe)」を開示しており、これは、以下のような成分を含んでいる:
Figure 2013528639
前記組成物は、4.5なるpHを示し、また23℃にて、速度T-E、5rpmにて、螺旋型通路(Helipath)を持つブルックフィールドRVF粘度計を用いて測定した粘度、45,000cPsを持つものと称されている。しかし、上記の組成物は、欠点を持つことから免れえず、更に改善することができる。
更なる局所用抗菌性組成物は、US 2009/0226497から公知であり、該特許は、抗菌性の皮膚消毒用組成物を記載しており、該組成物は、高比率でアルコール、カチオン性化合物、例えば皮膚のコンディショニング用カチオン性化合物、例えば1種またはそれ以上のポリクオータニウム化合物、および選択された増粘剤群の1種、例えばPEG-150ステアレート、PEG-150ジステアレート、PEG-175ジイソステアレート、ポリグリセリル-10ベヘネート/エイコサジオエート、ジステアレス-100 IPDI、ポリアクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、ブチル化PVP、およびこれらの組合せ(該特許の段落[0027]を参照のこと)を含んでいる。この文献は、(段落「0025」において)、高いアルコール含有率を持ち、またカチオン性化合物も存在している組成物においては、セルロース系ポリマー、デンプン、アクリレートおよび/またはアクリレートを基本とするポリマーを主成分とするものを包含する増粘剤系の使用を回避すべきことを述べている。これら選択された増粘剤群は、該組成物中に存在する該カチオン性化合物と相溶性であり、沈殿生成またはコアセルベート形成しないものとして認識されている(段落「0026」を参照のこと)。
前記分野における、これらの欠点並びに更なる欠点を解消することが、本発明の目的である。
第一の局面において、本発明は、手、腕、足、顔面、頭皮並びに他の身体領域等の表皮に適用するための、局所用殺菌組成物を提供する。
第二の局面によれば、本発明は、ここに提示されるような、改善された局所用殺菌組成物の作成または製造方法を提供する。
広義では、本発明の第三の局面において、本発明は、手、腕、足、顔面、頭皮並びに他の身体領域等の表皮に適用するための、局所用殺菌組成物を提供する。好ましい幾つかの態様において、上記局所用殺菌組成物は、流動性であり、しかも10〜100,000cPなる範囲の、従来の定量的な方法で測定した、25℃における初期粘度を示すものである。これらの局所用殺菌組成物は、
約50〜85質量%なる範囲、好ましくは約55〜70質量%なる範囲の量の、1種またはそれ以上の一価のC1-C4アルコールを含むアルコール成分;
約0.01〜5質量%なる範囲、好ましくは約0.01〜1質量%なる範囲の量の、1種またはそれ以上のセルロースまたはセルロース誘導体、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースを主成分とするフィルム形成成分;
約0.01〜25質量%なる範囲の量の湿潤剤、好ましくはグリセリン;
約0.01〜5質量%なる範囲の量の不透明化剤成分、好ましくはアニオン性不透明化剤成分;
場合によるが、好ましくはポリクオータニウム-型のポリマーまたは物質;
場合により、審美性または他の本発明の工業的諸特徴を改善するための、1種またはそれ以上の更なる成分を含み(好ましい態様においては、これら成分からなり、またはこれら成分から本質的になり)、
前記組成物の残部が、約30質量%までの水であり、該組成物が、流動性であり、また好ましくは少なくとも約10cPsなる、25℃において測定された、(混合状態における)初期粘度をも示し、また高温度および/または長期に渡る期間保存された後に、単一相組成物として維持されており、しかも2またはそれ以上の相に分割または分離されることがなく、また更に該組成物は、皮膚または身体の部分に適用された際に、局所的殺菌的利益を与えることを特徴とする。
本発明の第四の局面によれば、皮膚(表皮)並びに毛髪をも含む他の身体表面を処置するための改善された方法が提供され、該方法は、効果的な清浄化および/または殺菌的利益を得るために、ここに記載した前記局所適用組成物を、清浄化および/または殺菌的に有効な量で適用する工程を含む。
第五の局面によれば、本発明は、本発明の前記局面の何れかに従う局所適用組成物であって、該組成物が、以下の微生物の1種またはそれ以上、好ましくはその2種またはそれ以上に対して有効であることを特徴とする該組成物を提供する:バチルスセパシア(B. cepacia)、エシェリヒアコリ(E. coli)、スタフィロコッカスアウレウス(S. aureus)、セラチアマルセッセンス(S. marcenscens)、ストレプトコッカスピオゲネス(S. pyogenes)、スタフィロコッカスエピデルミディス(S. epidermidis)、エンテロコッカスフェカリス(E. faecalis)、クレブシエラニューモニエ(K. pneumoniae)、シュードモナスエルギノーザ(P. aeruginosa)、エンテロコッカスハイレ(E. hirae)、ストレプトコッカスニューモニエ(S. pneumoniae)、カンジダアルビカンス(C. albicans)、サルモネラエンテリカ(S. enterica)、およびメチシリン耐性スタフィロコッカスアウレウス(Staphylococcus aureus)(「MRSA」)。
本発明の第六の局面によれば、ここに記載した局所用殺菌組成物であって、様々な販売可能な製品形状、例えばゲル、クリームまたはペースト等の粘稠な流動性形態、並びにビンまたはフラスコから注ぎ出すのに適した易流動性形態、またはこのようなビン、フラスコまたはその他の容器から、ノズルまたはポンプ、例えば手動式ポンプまたは手動型の引金式スプレイ等を介して分配、分取するのに適した、より流動性の高い形態等として与えることのできる、該局所用殺菌組成物が提供される。
本発明のこれら並びに更なる特徴は、以下に記載される本明細書内に与えられる。
本発明の局所用殺菌組成物の主な成分は、1種またはそれ以上の一価のC1-C4アルコール、例えばメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、およびブタノールの全異性体から選択される1種またはそれ以上のアルコールを含むアルコール成分である。しばしば皮膚に対して使用されるものの、イソプロパノールは、その高い脱脂傾向のために、本発明において使用するには、あまり望ましいものではない。しかし、イソプロパノールの高い脱脂傾向は、この傾向を相殺することが望ましい場合には、十分な量のエモリエント成分を添加することによって補償することができる。しかしながら、本発明にとって好ましいアルコールは、エタノールおよびn-プロパノールであり、また更なる一価のC1-C4アルコールの使用を排除するために、エタノールが特に好ましい。本発明において、2種以上のアルコールを使用する場合、該アルコールは、その活性がピークとなる濃度にて混合される。エタノールは、その低い脱脂活性およびウイルス、特にその親油性の基に対する高い活性のために、該組成物中に含められ、一方でn-プロパノールの配合は、これらのアルコール成分が一部分を構成している前記局所用殺菌組成物の全体的な殺菌効力に対する、該アルコール成分の寄与を高める。幾つかの好ましい態様において、該アルコール成分は少なくとも50質量%なる量、または(好ましさを高めるために)少なくとも55質量%なる量、60質量%なる量、65質量%なる量、70質量%なる量、75質量%なる量、80質量%なる量、85質量%なる量、90質量%なる量、95質量%なる量、および特に好ましくは少なくとも100質量%なる量のエタノールを含む。該アルコール成分自体は、これが一部を構成する前記局所用殺菌組成物の少なくとも50質量%を構成し、好ましくはその少なくとも55質量%を構成し、更に一層好ましくはその少なくとも60質量%を構成する。同時に、該アルコール成分は、望ましくは該局所用殺菌組成物の85質量%以下の量、好ましくは80質量%以下の量、更に一層好ましくは75質量%以下の量、および特に好ましくは70質量%以下の量を構成する。前記アルコール成分の特に好ましい量およびその特定は、以下の実施例の1またはそれ以上において記載されている。
また、本発明の組成物は、セルロースまたは1種またはそれ以上のセルロース誘導体を主成分とするフィルム形成成分をも、必ず含む。このようなフィルム形成成分は、それ自体当分野において公知であり、またフィルム形成成分として有用なセルロース誘導体の有用な例は、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルヒドロキシメチルセルロースおよびエチルヒドロキシエチルセルロースを含む。上記例の中で、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが、本発明の好ましい組成物において使用するのに特に好ましい。
前記セルロースまたは1種またはそれ以上のセルロース誘導体を主成分とするフィルム形成成分は、有利にはこれが一部を構成する該組成物の、約0.01〜5質量%なる範囲の量で存在し、好ましさを高めるためには、該組成物の少なくとも約0.01質量%、0.05質量%、0.1質量%、0.125質量%、0.15質量%、0.175質量%、0.2質量%なる量を占め、また同時に、該セルロースまたは1種またはそれ以上のセルロース誘導体を主成分とするフィルム形成成分は、有利には、これが一部を成している該組成物の全質量を基準として、約5質量%、4.5質量%、4質量%、3.5質量%、3質量%、2.5質量%、2質量%、1.75質量%、1.5質量%、1.25質量%、および1質量%を越えない量で、該組成物中に存在する。該フィルム形成成分の特に好ましい量およびその特定は、以下の実施例の1またはそれ以上において開示される。
本発明者は、驚いたことに、高い割合で前記アルコール成分を含有する前記組成物における、極少量での前記セルロースまたは1種またはそれ以上のセルロース誘導体を主成分とするフィルム形成成分の使用が、該組成物の粘度における極めて高い増加を達成し得ること、また好ましい態様において、本発明の該組成物が、過酷な保存条件下においてさえも、保存安定性を維持していることを見出した。
前記局所用殺菌組成物は、1種またはそれ以上の湿潤剤を含むことができ、該湿潤剤は、ポリアルキレングリコール並びにアルキレンポリオールおよびその誘導体を包含する多価アルコールを含み、特にプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールおよびその誘導体、ソルビトール、ヒドロキシプロピルソルビトール、エリスリトール、スレイトール、ペンタエリスリトール、キシリトール、グルシトール、マニトール、ヘキシレングリコール、ブチレングリコール(例えば、1,3-ブチレングリコール)、ヘキサントリオール(例えば、1,2,6-ヘキサントリオール)、グリセリン、エトキシル化グリセリンおよびプロポキシル化グリセリンを含む。更なる有用な湿潤剤は、ナトリウム2-ピロリドン-5-カルボキシレート、グアニジン;グリコール酸およびグリコレート塩(例えば、アンモニウムおよび四級アルキルアンモニウム塩);乳酸およびラクテート塩(例えば、アンモニウムおよび四級アルキルアンモニウム塩);様々な形状の何れかにあるアロエベラ(例えば、アロエベラゲル);ヒアルロン酸およびその誘導体(例えば、塩誘導体、例えばヒアルロン酸ナトリウム);ラクタミドモノエタノールアミン;アセタミドモノエタノールアミン;尿素;およびパンテノールを含む。更に別の湿潤剤は、ポリオール、例えば線状および分岐鎖アルキルポリヒドロキシル化合物、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンおよびソルビトールを含む。湿潤剤としても機能し得る例示的な炭化水素は、炭素原子数12〜30の任意の炭化水素鎖を持つもの、特に鉱油、ワセリン、スクアレンおよびイソパラフィンである。
前記湿潤剤は、本発明の局所用殺菌組成物において、単一で使用することができ、または2種またはそれ以上の湿潤剤を、該組成物に含めることも可能である。好ましい態様において、1種またはそれ以上の湿潤剤を、有効量で、該湿潤剤が一部を構成する前記組成物の全質量を基準として、有利には0.01〜25質量%なる範囲、好ましくは5〜15質量%なる範囲の量で、該組成物に含めることができる。特に好ましい態様において、該湿潤剤は、5〜12.5質量%なる範囲の量で必ず存在し、また特に好ましい湿潤剤は、多価アルコール、例えばグリセリンおよび/またはアルコキシル化多価アルコール、例えばエトキシル化グリセリンおよびプロポキシル化グリセリンから選択される。前記例の中で、グリセリン単独での使用またはこれとアロエベラとの組合せが、特に好ましい湿潤剤である。
本発明の組成物は、また不透明化成分をも含む。このような不透明化成分は、典型的には、担体内に、水-不溶性ポリマーまたはコポリマーを含むエマルション、分散液または懸濁液の状態にある物質である。このような物質は、ラテックスと呼ぶこともできる。該担体は水性溶媒、水性/有機溶媒混合物または有機溶媒であり得る。該不透明化成分は、ホモポリマー、またはコポリマーを主成分とするものであり得る。該コポリマーは、2種またはそれ以上の異なるモノマーを含むものであることを意図しており、ここで該モノマーは、該2種またはそれ以上の異なるモノマーのブロックまたはランダム配列の何れかで結合されている。
前記不透明化剤に対して適した例示的なコポリマーは、スチレン、α-メチルスチレン、ジビニルベンゼン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸またはメタクリル酸のC1-C20エステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイン酸、酢酸ビニル、クロトン酸、ビニルネオデカノエートおよびブテン酸から製造されたものを含む。カルボキシレート型コポリマーの例は、スチレン/アルキルアクリレートおよび部分エステル化ポリアクリル酸およびポリメタクリル酸塩およびその遊離酸型である。前記材料としては、特にポリ(ブチルメタクリレート)、ポリ(メチルアクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(アクリル酸/C1-C20アルキルアクリレート)およびポリ(メタクリル酸/C1-C20アルキルメタクリレート)である。これらのコポリマーは、前記各モノマーを、伝統的な水中油型または油中水型エマルション重合技術によって重合することにより製造できる。あるいはまた、不透明化剤成分として有用な擬似ラテックスは、予備成形されたポリマーを、C1-C20アルカノールでエステル化することにより製造し得る。該分散されたポリマーの平均径は、約0.001μm〜約120μmなる範囲、好ましくは約0.01μm〜約1μmなる範囲、また最適には約0.1μm〜約0.5μmなる範囲であり得る。
これらのポリマーに関する数平均分子量は、約1,000〜約1,000,000なる範囲、好ましくは約2,000〜約500,000なる範囲、最適には約5,000〜約20,000なる範囲の値であり得る。
当分野において周知の様々な技術を使用して、不透明化剤として有用な、水-不溶性ポリマー粒子のラテックスを製造することができる。これら技術は、特にバッチ式、半-連続式および播種式エマルション重合技術を含む。
本発明において有用な、特に好ましい不透明化剤は、現時点において商標アクゾル(ACUSOL)[例えば、ローム&ハース社(Rohm & Haas Inc.)製]の下で市販品として入手できるラテックスである。これらラテックスは、約2〜約3なる範囲のpHによって特徴付けられ、水中に約40%なる固形分を含み、約0.1〜約0.5μmなる範囲の粒径を持つ。具体的なアクゾルポリマーは、スチレン/アクリレートポリマーのラテックスであるとして説明されているアクゾルOP301(ACUSOL OP301)、スチレン/アクリレート/ジビニルベンゼンコポリマーのラテックスであるとして説明されているアクゾルOP302(ACUSOL OP302)、スチレン/アクリルアミドコポリマーのラテックスであるとして説明されているアクゾルOP303(ACUSOL OP303)、スチレン/PEG-10マレエート/ノノキシノール(nonoxynol)-10マレエート/アクリレートコポリマーおよびスチレン/アクリレート/PEG-10ジマレエートコポリマーのラテックスであるとして説明されているアクゾルOP305(ACUSOL OP305)を包含する。本発明において有用な、更なる好ましいラテックスは、スチレン/ポリビニルピロリドンコポリマーおよびスチレン/アクリル系エマルションのラテックスを含む。使用することのできるこのようなスチレン/ポリビニルピロリドンコポリマーは、例えばポレクトロン430(POLECTRON 430)[例えば、ISPテクノロジーズ社(ISP Technologies, Inc.)製]、並びにナトリウムスチレン/アクリレート/ジビニルベンゼンコポリマーおよびアンモニウムノノキシノール-4サルフェート;ナトリウムスチレン/PEG-10マレエート/ノノキシノール-10マレエート/アクリレートコポリマーおよびアンモニウムノノキシノール-4サルフェート;スチレン/アクリルアミドコポリマーおよびアンモニウムノノキシノール-4サルフェート;スチレン/アクリレートコポリマーおよびラウリル硫酸ナトリウムおよびオクトキシノール(octoxynol)-9;ナトリウムスチレン/アクリレートコポリマーおよびラウリル硫酸ナトリウムおよびトリデカス(tridecath)-7;ナトリウムメタクリレート/スチレンコポリマーおよびラウリル硫酸ナトリウムおよびトリデカス-7およびナトリウムラウリルジフェニルオキシドジスルホネート;およびナトリウムスチレン/アクリレートコポリマー[例えば、S.C.グリーンビルのCSA社(CSA, Inc., Greenville, S.C.)製]を含む。特に好ましい不透明化剤(乳白剤)は、スチレン/アクリルアミドエマルションであると説明されている、オプリン303B(OPULYN 303B)[例えば、ローム&ハース社製]である。
本発明の不透明化剤成分は、この不透明化剤が一部を構成する前記局所用殺菌組成物の全質量を基準として、約5質量%までの量で存在することが適当であり、好ましくは約0.01〜5質量%なる範囲の量で存在し、より好ましくは約0.1質量%〜約1.2質量%なる範囲の量で存在し、また最も好ましくは約0.1質量%〜約1質量%なる範囲の量で存在する。同時に、該不透明化剤成分中に存在する前記水-不溶性ポリマーの量は、該不透明化剤成分の約0.01〜約90質量%なる範囲、好ましくは約0.1〜約60質量%なる範囲、最適には約10〜約50質量%なる範囲であり得る。
水も本発明の局所用殺菌組成物中に必ず存在し、またこれは、本発明の組成物を100質量%とする。この水は、水道水であり得るが、好ましくは蒸留水であり、また最も好ましくは脱イオン水または「軟」水である。該水成分が水道水である場合、如何なる望ましからぬ不純物、例えば有機物または無機物、特に硬水中に存在し、結果として本発明による局所用殺菌組成物中に存在する前記成分の作用を不当に妨害する恐れのある、無機塩を実質的に含まないことが好ましい。水が存在する場合、これは、このものが一部を構成している該組成物の全質量の、約30質量%までの様々な量で存在し得るが、これは、しばしば製品形状に基いて、また更にはこれが一部を成している該組成物の全質量を基準として、低下された量、例えば29質量%、28質量%、27質量%、26質量%、25質量%なる量で存在する。有利には、水は、該組成物中に、水がその一部を成している該組成物の全質量を基準として、少なくとも10質量%なる量、および好ましくは(また優先性を高めるために)少なくとも12質量%、13質量%、14質量%、15質量%、16質量%、17質量%、18質量%、19質量%、20質量%、21質量%、22質量%、23質量%、24質量%および25質量%なる量で含まれる。各供給元から「供給されたまま」の前記成分に対して水が全く添加されていない、本発明の組成物もここでは意図されており、その理由は、しばしば1種またはそれ以上の成分が、水性または水性/有機液体担体と共に供給される可能性があり、そのような場合には、1種またはそれ以上の水-含有成分の一部として供給される水が、全体としての該局所用殺菌組成物中に存在する水の全量を算出するのに使用される可能性があるからである。
本発明の局所用殺菌組成物は、好ましくは流動性であり、また製品の形状に依存して、特定の製品の型に適した、様々な範囲の粘度にて与えることができる。例えば、該局所用殺菌組成物は、薄い「化粧用ミルク」製品形態で提供することができ、また約500cP程度の、典型的には約2,500cPまでの低い粘度を持つことができ、一方で、「ローション」製品形態では、典型的には約2,000Pc〜約10,000cPなる範囲、好ましくは約2,000cP〜約8,000cPなる範囲の、幾分高い粘度を持つことができ、更により粘稠な態様、例えばゲルまたは濃厚なローションでは、約9,000cPまたはそれ以上、例えば約10,000cP〜約20,000cPなる範囲の粘度を持つことができる。該局所用殺菌組成物の更に一層粘稠な形態も製造可能であり、これらも本発明の範囲内に入るものであり、該粘稠な形態は、例えば従来の定量的な方法を用いて測定された、例えば20℃または25℃において、標準的なスピンドル(例えば、#3スピンドル)を用いた、あるいはまたスピンドルを用いて行われるような回転モード式操作ではなく、「ヘリパス(螺旋型通路)」の下で操作される、「Tバー」を用いた、ブルックフィールドLVT型またはRVT型粘度計により測定された値として、25℃において10〜100,000cPなる範囲の粘度を持つことができる。前記粘度は、「混合状態にある」局所用殺菌組成物に基くものであり得るが、好ましくは、少なくとも30℃、好ましくは少なくとも40℃なる温度に維持された該局所用殺菌組成物のサンプルを、少なくとも1週間、好ましくは少なくとも2週間保存した後に評価される。幾つかの好ましい粘度および保存時間並びに温度条件は、以下の実施例の1つまたはそれ以上に関連して説明される。
本発明の組成物は、約4〜約8なる範囲のpH値、好ましくは約5〜約7なる範囲のpH値、および最も好ましくは約5〜約6なる範囲のpH値を示す。特に好ましいpH値の範囲は、以下の実施例の1つまたはそれ以上に関連して説明される。必要ならば、pH-調節剤またはpH-調節成分を使用することができる。
本発明の組成物は、1種またはそれ以上の更なる随意の成分を含むことができ、該成分は、審美性および/または該成分が一部を成している該組成物の技術的な諸特徴の1またはそれ以上を改善するのに使用することができる。典型的には、該成分は、少量でのみ配合され、また通常は、任意のこのような成分の全量は、これら成分が一部を成している該組成物の、25質量%を越えない。本発明の幾つかの好ましい態様において、1種またはそれ以上の以下に掲載する随意成分は、特定の好ましい態様によれば、必須の成分であると考えることができる。このような随意の成分は、化粧料、医薬または皮膚科学分野において公知の添加物および佐剤を含み、これらは、例えば親水性または親油性ゲル化剤、親水性または親油性活性薬剤、乳化剤、粒状物、フィラー、エモリエント、スキンコンディショニング剤、保存剤、酸化防止剤、溶媒、特に有機溶媒、pH調節剤、pH緩衝剤、キレート剤、香料、アロマセラピー性の利益を与える芳香剤またはその他の物質、フィラー、保存剤、色素または着色剤、およびUV吸収剤を含む光り安定化剤等を含む。
前記局所用殺菌組成物は、場合によるが、好ましくはノニオン性界面活性剤を含むことができる。非-限定的な例としてこのような界面活性剤は、例えばエトキシル化脂肪アルコール、ポリエトキシル化脂肪アルコール、グリセロールモノ脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル、ポリエトキシル化ソルビタン脂肪酸エステル、アルキルグルコシド、およびアルキルポリオロシド(alkylpolyolosides)を含むが、あらゆる他の界面活性剤、例えばアニオン性、ノニオン性、カチオン性、双性または両性界面活性化合物も、有用な協働-乳化剤(co-emulsifier)成分として機能し得るものと予想される。
好ましい界面活性剤成分は、ソルビタン脂肪酸エステルと縮合されたエチレンオキサイドである。このような材料は、現時点において、商品名ツイーン(TWEEN)(例えば、ICI社製)および/またはクリル(CRILL)(例えば、クロダ(Croda)社製)の下に市販品として入手でき、これらは、様々なグレードの下に入手でき、また1分子当たり様々な量でポリオキシエチレン基を含む、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエートを包含する。特に好ましい界面活性剤は、以下の実施例の1またはそれ以上と関連して記載される。このような界面活性剤は、任意の有効量で存在することができ、また含まれる場合には、有利には、これらが一部を成している前記局所用殺菌組成物の全質量を基準として、約0.01質量%〜約5質量%なる範囲、好ましくは約0.25質量%〜約2質量%なる範囲の量で存在する。幾つかの特定の好ましい態様において、本発明の組成物は、必然的に界面活性剤成分を含み、一方で他の好ましい態様では、界面活性剤は、この組成物から排除される。
幾つかの好ましい態様において、前記組成物は、そこに存在する可能性のあるカチオン性化合物を妨害する恐れがあることから、アニオン性石鹸の使用は排除される。
場合により、増粘剤成分を、本発明の組成物中に存在させることができる。このような増粘剤成分の一つは、架橋ポリカルボキシレートおよび/またはポリアクリレートポリマー増粘剤、例えば典型的に約500,000〜約4,000,000なる範囲の分子量を示し、また一般的に約0.25%〜約15%なる範囲の架橋度を持つもの等を主成分とする、1種またはそれ以上の増粘剤成分である。このような架橋ポリカルボキシレートおよび/またはポリアクリレートポリマーは、その構造中に、アクリル酸以外の他のモノマー、例えば希釈剤として機能するエチレンおよびプロピレン、および追加のカルボキシル基の源として機能するマレイン酸無水物由来の単位を含むことができる。架橋ポリカルボキシレートおよび/またはポリアクリレートポリマー増粘剤を主成分とするこのような増粘剤成分は、広く市販品として入手でき、例えばカルボポール(CarbopolTM)、アクリゾル(AcrysolTM) ICS-1およびソカラン(SokalanTM)なる商品名の下に市販されている、ポリカルボキシレートおよび/またはポリアクリレートポリマーを含む。
更なる増粘剤成分は、1種またはそれ以上のクレー系の増粘剤である。クレー系増粘剤の例は、例えばコロイド-形成クレー、例えばスメクタイトおよびアタパルジャイト型のクレー系増粘剤を含む。該クレー系物質は、膨張性層状クレー、即ちアルミノシリケートおよびマグネシウムシリケートとして説明し得る。該クレーを説明するのに使用される用語「膨張性」とは、該層状のクレー構造物が、水と接触した際に膨潤し、または膨張する能力と関連する。ここで使用する膨張性のクレーは、地質学的にスメクタイト(またはモンモリロナイト)およびアタパルジャイト(またはパリゴルスカイト)として分類されるこの種の物質である。
更なる増粘剤成分は、天然産の多糖ポリマー、例えばザンタンガム、グアーガム、ローカストビーンガム、トラガカンスゴム、またはこれらの誘導体を主成分とする、1種またはそれ以上の増粘剤である
存在する場合、前記増粘剤の何れかは、所定程度の増粘度を達成する上で有効であることが分かっている任意の量で存在することができる。存在する場合、有利には、このような1種またはそれ以上の増粘剤成分は、これが一部を構成する前記局所用殺菌組成物の全質量を基準として、約0.001質量%〜約10質量%なる範囲、好ましくは約0.01質量%〜約5質量%なる範囲の量で存在し得る。
本発明の幾つかの態様において、1種またはそれ以上の上に挙げた増粘剤は、該局所用殺菌組成物から意図的に排除される。
本発明の更なる態様において、少なくとも1種のまたはそれ以上の上に列挙した増粘剤は、同時にセルロースまたは1種またはそれ以上のセルロース誘導体を主成分とするフィルム形成剤と共に、該局所用殺菌組成物中に確実に存在する。
本発明の局所用殺菌組成物は、場合により、該局所用組成物に柔軟性を与える、1種またはそれ以上のエモリエントを含むことができる。有用なエモリエントの非-限定的な例は、例えば6〜18個および好ましくは8〜10個の炭素原子を含む脂肪アルコールを基本とするゲルベ(Guerbet)アルコールを主成分とする化合物、および他の付随的なエステル、例えばミリスチルミリステート、ミリスチルパルミテート、ミリスチルステアレート、ミリスチルイソステアレート、ミリスチルオレエート、ミリスチルベヘネート、ミリスチルエルケート、セチルミリステート、セチルパルミテート、セチルステアレート、セチルイソステアレート、セチルオレエート、セチルベヘネート、セチルエルケート、ステアリルミリステート、ステアリルパルミテート、ステアリルステアレート、ステアリルイソステアレート、ステアリルオレエート、ステアリルベヘネート、ステアリルエルケート、イソステアリルミリステート、イソステアリルパルミテート、イソステアリルステアレート、イソステアリルイソステアレート、イソステアリルオレエート、イソステアリルベヘネート、イソステアリルオレエート、オレイルミリステート、オレイルパルミテート、オレイルステアレート、オレイルイソステアレート、オレイルオレエート、オレイルベヘネート、オレイルエルケート、ベヘニルミリステート、ベヘニルパルミテート、ベヘニルステアレート、ベヘニルイソステアレート、ベヘニルオレエート、ベヘニルベヘネート、ベヘニルエルケート、エルシルミリステート、エルシルパルミテート、エルシルステアレート、エルシルイソステアレート、エルシルオレエート、エルシルベヘネートおよびエルシルエルケートを含む。同様に適当なものは、C18-38アルキル-ヒドロキシカルボン酸と直鎖または分岐鎖C6-22脂肪アルコールとのエステル、より特定的にはジオクチルマレート、直鎖および/または分岐鎖脂肪酸と多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、ダイマージオールまたはトライマートリオール)とのエステル、C6-10脂肪酸を主成分とするトリグリセライド、C6-18脂肪酸を主成分とする、液状モノ-、ジ-およびトリ-グリセライド混合物、C6-22脂肪アルコールおよび/またはゲルベアルコールと芳香族カルボン酸、より特定的には安息香酸とのエステル、C2-12ジカルボン酸と2〜10個の炭素原子および2〜6個のヒドロキシル基を含むポリオールとのエステル、植物油、分岐一級アルコール、置換シクロヘキサン、直鎖または分岐鎖C6-22脂肪アルコールのカーボネート、例えばジカプリリルカーボネート(セチオール(CetiolTM)CCなる名称の下に市販品として入手可能)、6〜18個および好ましくは8〜10個の炭素原子を含む脂肪アルコールを主成分とするゲルベカーボネート、安息香酸と直鎖および/または分岐鎖C6-22アルコールとのエステル(例えば、フィンソルブ(FinsolvTM)TNなる名称の下に市販品として入手できる製品)、アルキル基当たり6〜22個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖の、対称または非対称ジアルキルエーテル、例えばジカプリリルエーテル(セチオール(CetiolTM)OEとして市場から入手可能)、ポリオールおよび炭化水素またはこれらの混合物と、エポキシド化脂肪酸エステルとの開環生成物(セチオールDDとして市場から入手可能)、プロピルヘプチルカプリレート(セチオールセンソフト(CetiolTM SenSoft)として市場から入手可能)並びに公開US特許出願第2009/0182046号(この特許出願の内容を、参考としてここに組入れる)に記載されている化合物を含む。
前記局所用抗菌組成物は、ポリクオータニウム化合物または物質を含むことができ、これらは、典型的にカチオン性ポリマーである。このような物質は、それ自体局所適用用組成物の技術において周知である。このようなカチオン性ポリマーの様々なグレードのものが使用できるが、中でも特に以下に列挙するものを使用することができる:ポリクオータニウム1;ポリクオータニウム2;ポリクオータニウム4として市場で入手できる、ヒドロキシエチルセルロースとジアリルジメチルアンモニウムクロリドとのコポリマー;ポリクオータニウム5として市場で入手できる、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドのホモポリマー;ポリクオータニウム6として市場で入手できる、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドのホモポリマー;ポリクオータニウム7として市場で入手できる、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドとアクリルアミドとのコポリマー;ポリクオータニウム8として市場で入手できる、ジメチル硫酸により四級化された、メチルおよびステアリルジメチルアミノエチルメタクリレートのポリマー型四級アンモニウム塩;ポリクオータニウム9として市場で入手できる、臭化メチルで四級化された、ポリジメチルアミノエチルメタクリレートのポリマー型四級アンモニウム塩;ポリクオータニウム10として市場で入手できる、ヒドロキシエチルセルロースとトリメチルアンモニウム置換エポキシドとの反応により生成された、ポリマー型四級アンモニウム塩;ポリクオータニウム11として市場で入手できる、ビニルピロリドンとジメチルアミノエチルメタクリレートとの反応により生成された、ポリマー型四級アンモニウムポリマー;ポリクオータニウム12として市場で入手できる、エチルメタクリレート/アビエチルメタクリレート/ジエチルアミノエチルメタクリレートコポリマーとジメチル硫酸との反応により製造された、ポリマー型四級アンモニウム塩;ポリクオータニウム12として市場で入手できる、エチルメタクリレート/オレイルメタクリレート/ジエチルアミノエチルメタクリレートコポリマーとジメチル硫酸との反応により製造された、ポリマー型アンモニウム塩;ポリクオータニウム13として市場で入手できる、エチルメタクリレート/オレイルメタクリレート/ジエチルアミノエチルメタクリレートコポリマーとジメチル硫酸との反応により製造された、ポリマー型四級アンモニウム塩;ポリクオータニウム14;ポリクオータニウム15として市場で入手できる、メタクリルアミドとβ-メタクリロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドとのコポリマー;ポリクオータニウム16として市場で入手できる、メチルビニルイミダゾリウムクロリドとビニルピロリドンとから形成される、ポリマー型四級アンモニウム塩;ポリクオータニウム17として市場で入手できる、アジピン酸を、ジクロロエチルエーテルと反応させたジメチルアミノプロピルアミンと反応させることにより調製した、ポリマー型四級塩;ポリクオータニウム18として市場で入手できる、アゼライン酸と、ジクロロエチルエーテルと反応させたジメチルアミノプロピルアミンとの反応により調製した、ポリマー型四級塩;ポリクオータニウム19として市場で入手できる、ポリビニルアルコールと2,3-エポキシプロピルアミンとの反応により調製した、ポリマー型四級アンモニウム塩;ポリクオータニウム20として市場で入手できる、ポリビニルオクタデシルエーテルと2,3-エポキシプロピルアミンとの反応により調製した、ポリマー型四級アンモニウム塩;ポリクオータニウム22として市場で入手できる、アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロリドとのコポリマー;ポリクオータニウム24として市場で入手できる、ラウリルジメチルアンモニウム-置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースのポリマー型四級アンモニウム塩;ポリクオータニウム27として市場で入手できる、ポリクオータニウム2とポリクオータニウム17とを反応させることにより製造した、ブロックコポリマー;ポリクオータニウム28として市場で入手できる、ビニルピロリドンとジメチルアミノプロピルメタクリルアミドモノマーとからなる、ポリマー型四級アンモニウム塩;ポリクオータニウム29として市場で入手できる、プロピレンオキシドと反応させ、かつエピクロルヒドリンで四級化したキトサン;ポリクオータニウム30;ポリクオータニウム31として市場で入手できる、DMAPAアクリレート/アクリル酸/アクリロニトロゲン(acrylonitrogens)コポリマーとジエチル硫酸との反応により製造した、ポリマー型四級アンモニウム塩;ポリクオータニウム32;ポリクオータニウム33;ポリクオータニウム34;ポリクオータニウム35;ポリクオータニウム36;ポリクオータニウム37;ポリクオータニウム39として市場で入手できる、アクリル酸/ジアリルジメチルアンモニウムクロリド/アクリルアミドのターポリマーのポリマー型四級アンモニウム塩;ポリクオータニウム42;ポリクオータニウム43として市場で入手できる、アクリルアミド、アクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド、2-アミドプロピルアクリルアミドスルホネートおよびDMAPAポリマーのコポリマー;ポリクオータニウム44として市場で入手できる、ビニルピロリドンおよび四級化イミダゾリンモノマーからなる、ポリマー型四級アンモニウム塩;ポリクオータニウム45;ポリクオータニウム46として市場で入手できる、ビニルカプロラクタムおよびビニルピロリドンとメチルビニルイミダゾリウムとの反応により製造した、ポリマー型四級アンモニウム塩;ポリクオータニウム47として市場で入手できる、アクリル酸と、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドおよびメチルアクリレートとを重合することにより製造した、ポリマー型四級アンモニウムクロリド;ポリクオータニウム48として市場で入手できる、メタクリロイルエチルベタイン、2-ヒドロキシエチルメタクリレートおよびメタクリロイルエチルトリメチルアンモニウムクロリドのコポリマー;ポリクオータニウム49として市場で入手できる、メタクリロイルエチルベタイン、PEG-9メタクリレートおよびメタクリロイルエチルトリメチルアンモニウムクロリドのコポリマー;ポリクオータニウム50;ポリクオータニウム51;ポリクオータニウム52;ポリクオータニウム53として市場で入手できる、アクリル酸、アクリルアミドおよびメタクリルアミドプロピルトリモニウムクロリドのコポリマー;ポリクオータニウム54として市場で入手できる、アスパラギン酸およびC6-C18アルキルアミンと、ジメチルアミノプロピルアミンおよびクロロ-酢酸ナトリウムとの反応により調製した、ポリマー型四級アンモニウム塩;ポリクオータニウム55として市場で入手できる、ビニルピロリドン、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドおよびメタクリロイルアミノプロピルラウリルジモニウムクロリドの反応により製造した、ポリマー型四級アンモニウムクロリド;およびポリクオータニウム56として市場で入手できる、イソホロンジイソシアネート、ブチレングリコール、およびジヒドロキシエチルジモニウムメトサルフェートモノマーからなる、ポリマー型四級アンモニウム塩。上記したカチオン性ポリマー各々は、文献、特に国際化粧品成分辞典およびハンドブック(International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook), 第2巻(第9版, 2002), pp.1311-1319に記載されている。ここでは具体的に明らかにしていないが、その他のポリクオータニウム化合物も、本発明の組成物において使用することができる。
1種またはそれ以上のポリクオータニウム-型の化合物または物質が、前記局所適用組成物中に存在する場合、該化合物または物質は、これらが一部を成している該局所適用組成物の全質量を基準として、約0.001〜5質量%なる範囲、好ましくは0.01〜2質量%なる範囲、また最も望ましくは約0.05〜1質量%なる範囲の低い質量%濃度で存在することが有利である。
ポリクオータニウム化合物、エモリエント、および界面活性剤各々を含む、特に好ましい物質は、現時点において、コスメディアトリプルC(CosmediaTM Triple C)(例えば、コグニス(Cognis)社製)として市場から入手できる物質であり、これは、55-60質量%のエタナミニウム(ethanaminium)、N,N,N-トリメチル-2-((2-メチル-1-オキソ-2-プロペニル)オキシ)クロリドホモポリマー、および30-40質量%のジオクチルカーボネートおよび1-10質量%のC10-C16アルキルポリグルコシド、および0-10質量%の水を含む、数種の物質のブレンドであると説明されている。
驚いたことに、本発明者等は、ポリクオータニウム-型の化合物が、アニオン性不透明化剤成分と共に、前記組成物中に同時に存在する場合、制御された量にて存在するこれら2種の物質の組合せが、望ましからぬ程に沈殿を生成することはないことを見出した。該沈殿の生成は、消費者の観点から、該組成物を魅力がなくまた販売不能なものとしてしまう恐れがある。好ましいこのようなポリクオータニウム-型の化合物およびアニオン性不透明化剤成分、並びにこれら成分の各割合は、以下の実施例の1またはそれ以上との関連で説明される。
前記局所用抗菌組成物は、化粧料用の粒状物を含むことができ、該粒状物は任意の粒状物質であり得、また該物質は室温(約20℃)および大気圧下において固体であり、また本発明の組成物の前記残りの成分と化学的に有害な反応を起こさないものである。有利には、該化粧料用の粒状物は、特に該組成物が室温を越える温度、とりわけ少なくとも50℃および好ましくは少なくとも60℃なる温度に、少なくとも24時間、好ましくは少なくとも48時間暴露された場合に、該局所用抗菌組成物の残りの成分に対して不溶性である。望ましくは、該化粧料用粒状成分は、少なくとも70℃、好ましくは少なくとも100℃、より好ましくは少なくとも120℃、および最も好ましくは少なくとも130℃なる融点を示す。該化粧料用粒状組成物は、これらが一部を構成している本発明の組成物の残りの成分の1種またはそれ以上に関して、吸収性であっても非-吸収性であってもよい。
有利には、該化粧料用の粒状成分は、無機または有機の、層状、球状、即ちビーズ、または楕円形状のものであり得る。これらは、例えば球またはロッド状である場合には、一般的に規則的な幾何形状を持つことができ、あるいはこれらは破砕された粒状物質等の不規則な幾何形状を持つことも可能である。該化粧料用の粒状成分にとって有用な例示的物質は、タルク、マイカ、シリカ、カオリン、窒化ホウ素、炭酸塩、例えば沈降炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムおよびマグネシウムヒドロカーボネート、ヒドロキシアパタイト、中空シリカ微小球、ガラスマイクロカプセル、およびセラミックマイクロカプセル、無機顔料およびこれらの混合物から製造された無機粒状物粒子を包含する。該化粧料用の粒状成分にとって有用な例示的物質は、またポリアミド粉末、例えばポリアミド(ナイロン)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、アクリル系ポリマー、例えばポリメチルメタクリレート、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標)(Teflons))、並びに植物、鉱油または石油由来の結晶性および微晶質ワックス、中空ポリマー微小球、例えばポリビニリデンクロリド/アクリロニトリルから製造したもの、デンプン、アルギン酸塩、有機色素また顔料、およびこれらの混合物から製造した有機粒状物粒子を含む。2種またはそれ以上の化粧料用粒子の混合物を使用して、上記化粧料用の粒状成分を得ることもできる。該化粧料用の粒状成分として好ましいものは、剥落するという利点を与える材料である。
好ましくは、これらの化粧料用の粒状物は、約100〜約1,000μmなる範囲、好ましくは約100〜約600μmなる範囲および最も好ましくは約250〜約600μmなる範囲の見掛け上の径を有している。見掛け上の径は、基本的な粒子が、その最小の寸法(層状物については厚み)に沿って記録した際の円の径に相当する。
好ましい一群の化粧料用の粒状材料は、ミクロクリスタリンロウを含む、合成により得たまたは合成ワックスを主成分とするものである。有用な例示的ワックスは、化粧学および皮膚科学分野において一般的に有利に使用されているあらゆるワックスを含む。天然起源の例示的なワックスは、例えば蜜蝋、カルナウバロウ、キャンデリラワックス、オーリクリーワックス、ウルシ、コルク繊維ワックスまたはサトウキビロウ、パラフィンワックス、亜炭ワックス、ミクロクリスタリンロウ、ラノリンワックス、モンタンロウ、臭ロウ、水添油、例えば水添ホホバ油を包含する。合成起源の例示的なワックスは、エチレンの重合により誘導されるポリエチレンワックス、フィッシャー-トロプシュ合成により得られるワックス、50℃、好ましくは60℃またはそれ以上の温度にて固体状態にある、脂肪酸とグリセライドとのエステル、およびシリコーンワックス、例えば50℃、好ましくは60℃またはそれ以上の温度にて固体状態にある、ポリ(ジ)メチルシロキサンのアルキル、アルコキシおよび/またはエステルを含む。これらのワックスは、公知の方法に従って粒状物、例えばビーズまたは球に成形することができる。
本発明の前記化粧料用の粒状成分は、任意の有効な量で前記局所用殺菌組成物に配合することができるが、望ましくは該組成物のユーザーに審美的な満足を与える量で存在する。該化粧料用の粒状成分は、均一な化学的または物理的組成および/または均一なサイズまたは寸法および/または均一な色彩を持つ、個々の化粧料用の粒状物質から作られるが、このことは必須ではなく、また化学的または物理的組成および/またはサイズまたは寸法および/または色彩に基いて識別し得る、化粧料用の粒状物質の混合物または様々な個々の該粒状物質を、本発明の化粧料用の粒状成分として使用することができる。本発明の組成物における使用を意図する場合、本発明の化粧料用の粒状成分は、任意の有効な量、有利には該局所用抗菌組成物の、少なくとも0.01質量%、好ましくは少なくとも0.05質量%、および最も好ましくは少なくとも0.1質量%なる量で与えることができる。同様に有利には、該化粧料用の粒状成分は、これが一部を成している該局所用抗菌組成物の、10質量%以下、好ましくは5質量%以下、および更に一層好ましくは2質量%以下、および最も好ましくは2質量%以下の量で存在する。
前記局所適用抗菌組成物は、粉末形状にある、1種またはそれ以上のフィラーを含むことができる。非-限定的な例として、これらの粉末は、チョーク、タルク、カオリン、デンプン、スメクタイトクレー、化学的に変性したマグネシウムアルミニウムシリケート、有機的に変性したモンモリロナイトクレー、水和アルミニウムシリケート、ヒュームドシリカ、アルミニウムデンプンオクテニルサクシネートおよびこれらの混合物を含む。該フィラーが該組成物中に存在する場合、1種またはそれ以上の該フィラーは、これらが一部を成している該局所適用組成物の全質量を基準として、約5質量%までの量で存在でき、好ましくは約0.001質量%〜約5質量%なる範囲の量で存在する。
本発明の局所用殺菌組成物は、場合により1種またはそれ以上のポリシロキサンを含むことができ、これは一般的に使用され、またしばしば互換的にシリコーン乳化剤ともいわれる。このようなシリコーン乳化剤は、少なくとも1種のポリジオルガノシロキサンセグメントおよび少なくとも1種のポリオキシアルキレンセグメントを含む、ポリジオルガノシロキサン-ポリオキシアルキレンコポリマーを含む。該ポリオキシアルキレンセグメントは、ケイ素-酸素-炭素結合および/またはケイ素-炭素結合によって、該ポリジオルガノシロキサンセグメントと結合することができる。該ポリジオルガノシロキサンセグメントは、本質的にシロキサン単位からなり、該単位は、Si-O-Si結合によって相互に結合されており、また以下の式を持つ:
RbSiO(4{b})/2
上記式において、bの値は、前記シロキサン単位に対して0〜3なる範囲であり得るが、該コポリマーにおける各ケイ素原子に対して、平均約2、即ち1.9〜2.1Rであることを条件とする。従って、適当なシロキサン単位は、bが該コポリマーにおいて約2なる平均値を持つようなモル量をとるシロキサン単位、R3SiO1/2、R2SiO2/2、RSiO3/2、およびSiO4/2を包含する。該シロキサン単位は、直鎖状、環状および/または分岐鎖状態で配列することができる。該基Rは、メチル、エチル、ビニル、フェニル、およびポリオキシアルキレンセグメントをポリジオルガノシロキサンセグメントと結合する二価の基から選択される任意の基であり得る。全R基の少なくとも95%がメチル基であり、好ましくは(d)における各ケイ素原子に結合した少なくとも一つのメチル基が存在する。好ましくは、二価のR基は、6以下の炭素原子を含む。二価のR基の例は、-O-、-CmH2mO-、-CmH2m-、および-CmH2mCO2-を含み、ここでmは0を越える整数である。該ポリジオルガノシロキサンセグメントを構成する該シロキサン単位の例は以下の通りであり、そこでMeはメチル基を表し、またQは該二価のR基およびそれに結合したポリオキシアルキレンセグメントを表す:R3SiO1/2単位、例えばMe3SiO1/2、Me2(CH2=CH)SiO1/2、Me2(C6H5)SiO1/2、Me(C6H5)(CH2=CH)SiO1/2、Me2(CH3CH2)SiO1/2、Me2QSiO1/2、MeQ2SiO1/2、Q3SiO1/2、Q2(CH3CH2)SiO1/2、およびMe(C6H5)(Q)SiO1/2;R2SiO2/2単位、例えばMe2SiO2/2、Me(C6H5)SiO2/2、Me(CH2=CH)SiO2/2、(C6H5)2SiO2/2、MeQSiO2/2、およびQ(C6H5)SiO2/2;RSiO3/2単位、例えばMeSiO3/2、C6H5SiO3/2、CH2=CHSiO3/2、CH3CH2SiO3/2およびQSiO3/2;およびSiO4/2単位。
ポリジメチルシロキサンおよびジメチコーンを含む揮発性線状シリコーンも、本発明による前記組成物中に、シリコーン乳化剤として存在させることができる。
前記本発明の組成物におけるシリコーン乳化剤として同様に有用なものは、以下の構造によって表すことのできる1種またはそれ以上の化合物である:
Figure 2013528639
ここで、R1は、C1-C30の直鎖、分岐鎖または環式アルキル基を表し、
R2は、-(CH2)n-O-(CH2CHR3O)m-Hおよび-(CH2)n-O-(CH2CHR3O)m-(CH2CHR4O)pHから選択される部分を表し、
ここで、nは約3〜約10なる範囲の整数を表し、R3およびR4は、水素原子およびC1-C6の直鎖または分岐鎖アルキル基から選択されるが、該基R3およびR4が、同時に同一の基を表すことがないことを条件とし、m、p、xおよびyの各々は、夫々独立に、該分子が約200〜約20,000,000なる範囲の分子量を持つような、ゼロまたはそれ以上の整数から選択され、またmおよびp両者は、同時にゼロとなることはなく、またzは1またはそれ以上の整数から選択される。
前記シリコーン乳化剤が、前記本発明の組成物中に配合されている場合、該乳化剤は、任意の有効な量、有利には該組成物の、少なくとも0.01質量%、好ましくは少なくとも0.05質量%なる量で与えることができる。有利には、該シリコーン乳化剤は、存在する場合には、これが一部を成している該組成物の、5質量%以下、より一層好ましくは2質量%以下、および最も好ましくは2質量%以下の量で存在する。
前記局所用殺菌組成物は、1種またはそれ以上の粉末または粉状の材料を含むことができる。これらの粉末物質は、マイカ、チョーク、タルク、フーラー土、カオリン、デンプン、シリカ、シリケート、水和珪酸アルミニウム、ヒュームドシリカ、アルミニウムデンプンオクテニルサクシネート並びに微粉砕または粒状ポリマー、例えばポリアミド(ナイロン)、ポリアルキレンテレフタレート(PET, PBT)、ポリオレフィン(PE)またはフルオロポリマー(ポリテトラフルオロエチレン)の粒子、並びにこれらの2種またはそれ以上の混合物を包含する。本発明の組成物への1種またはそれ以上の粉末物質の配合は、改善された感覚上の利益を与えることができ、および/または該組成物中に存在する1種またはそれ以上の疎水性成分の一部を吸収するように作用することができ、および/または該組成物に不透明化効果を及ぼすことができる。好ましい粉末物質は、シリカ、シリケートおよびタルク等の無機物質を主成分とするものである。このような物質は、典型的に微粉砕された粒子として、該局所用殺菌組成物に配合される。このような粉末物質は、任意の有効な量で含めることができるが、存在する場合には、これらが一部を構成する該局所用殺菌組成物の全質量を基準として、約0.01質量%〜約5質量%なる範囲、好ましくは約0.25質量%〜約2質量%なる範囲の量で配合することが有利である。
前記局所用殺菌組成物は、1種またはそれ以上の高分子量ポリエチレングリコールポリマー(同様にポリ(エチレンオキサイド)またはポリオキシエチレンとも呼ばれる)(PEG)を含むことができ、これは少なくとも約100、好ましくは少なくとも約200、更に一層好ましくは少なくとも約300なる分子量を有し、約1,000なる更に高い分子量およびそれ以上の分子量を持つものをも、有用なものとして意図されている。このような高分子量物質は、典型的には固体または粉末形状で与えられ、また分子量に依存して、本発明の組成物中に少なくとも部分的に溶解し得る。このような物質は、様々な商品名の下で、特にポリオックス(PolyoxTM)材料(例えば、ダウケミカル社(Dow Chem. Co.)製)等として、広く市販品として入手できる。このような高分子量ポリエチレングリコールポリマーは、任意の有効な量で配合することができるが、存在する場合には、これらが一部を構成する該局所用殺菌組成物の全質量を基準として、約0.01質量%〜約5質量%なる範囲、好ましくは約0.25質量%〜約4質量%なる範囲の量で配合することが有利である。
前記局所用殺菌組成物は、1種またはそれ以上のパラフィン系炭化水素および/またはこれらを含有する処方物を含むことができる。このようなパラフィン系炭化水素は、直鎖および/または分岐鎖パラフィン系炭化水素の一方または両者を含むことができる。分岐炭化水素、特にイソパラフィンの混合物が、有用な本発明の炭化水素溶媒の更なる特に好ましい態様を構成する。イソパラフィンの特に有用な工業的グレードの混合物は、比較的狭い沸点範囲を持つイソパラフィン系有機溶媒の混合物を含む。これらの市販品として入手できるイソパラフィン系有機溶媒の例は、実質的に線状イソパラフィンからなるもの、例えばノルパー(NorparTM)溶媒(例えば、エクソンモービル社(ExxonMobil Corp.)製)、並びに分岐イソパラフィンを含むもの、例えばアイソパー(IsoparTM)溶媒(エクソンモービル社)として市場から入手できるものを含む。後者の例は、主としてC7-C8イソパラフィンの混合物であると説明されているアイソパーC(IsoparTM C)、主としてC11-C12イソパラフィンの混合物であるとされているアイソパーJ(IsoparTM J)、主としてC13-C14イソパラフィンの混合物であるとされているアイソパーM(IsoparTM M)、および主としてC12-C20イソパラフィンの混合物であるとされているアイソパーV(IsoparTM V)を含む。更に、かなりの割合で1種またはそれ以上のイソパラフィンを含む他の処方物も使用することができる。このような処方物は、例えばサイクロン(SiCloneTM)SR-5(例えば、米国NJ州、サマーセット(Somerset)のプレスパース(Presperse)LLC製)を含む。これは、C13-C15アルカン成分を含む、C13-C16イソパラフィンとC12-C14イソパラフィンとの工業的な混合物であると説明されており、これは化粧料処方物におけるシクロメチコーンの代替品として市販されており、しかも100%シリコーンフリーのものである。
このようなパラフィン系炭化水素および/またはこれらを含有する処方物は、任意の有効な量で前記局所用殺菌組成物に配合することができ、存在する場合、これらが一部を構成する該組成物の全質量を基準として、約0.01質量%〜約5質量%なる範囲、好ましくは約0.1質量%〜約2質量%なる範囲の量で存在することが有利である。
前記局所用殺菌組成物は、1種またはそれ以上の保存剤を含むことができる。有用な例示的保存剤は、メチルパラベンおよびエチルパラベンに代表される、パラベン、グルタルアルデヒド、ホルムアルデヒド、2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、およびこれらの混合物を含有する組成物を包含する。更なる適当な保存剤は、カトン(KATHON) CG/ICP、カトン(KATHON) CG/ICP II(例えば、ローム&ハース社(Rohm and Haas Inc.)製)、プロキセル(PROXEL)(例えば、ゼネカ(Zeneca)社製)、サットシド(SUTTOCIDE) A(例えば、サットンラボラトリーズ(Sutton Laboratories)社製)およびテキスタマー(TEXTAMER) 38AD(例えば、カルゴン社(Calgon Corp.)製)として市販されているものを含む。該保存剤が存在する場合、これは、特に室温にて数カ月に渡る保存中に、該局所用殺菌組成物における望ましからぬ微生物の生育を遅らせまたは阻害する上で有効であることが分かっている、任意の量で配合される。該保存剤組成物は、有利には、これが一部を成している該局所用組成物の全質量を基準として、約1.5質量%まで、好ましくは約0.00001質量%〜約0.5質量%なる範囲、最も好ましくは0.0001質量%〜0.25質量%なる範囲の量で存在する。しかしながら、通常は、前記の高いアルコール含有率を考慮すれば、このような保存剤は必要とされず、また有利には排除される。
前記局所用殺菌組成物は、香料、芳香性成分を含むことができ、該成分は、天然または合成香料を主成分とするものであり得、また最も一般的には、複数のこのような香料の混合物またはブレンドであり、場合により担体と組合せることができ、該担体は、例えば該香料が溶解、懸濁または分散している、有機溶媒または有機溶媒の混合物である。該香料成分が、該組成物中に存在する場合、該成分は、該局所用殺菌組成物の消費者による識別を可能とするような、任意の有効な量で存在し得るが、これが一部を構成する該局所用組成物の全質量を基準として、約5質量%まで、好ましくは約0.00001質量%〜約1.5質量%なる範囲、最も好ましくは約0.0001質量%〜0.25質量%なる範囲の量で存在することが有利である。
本発明の局所用殺菌組成物は、1種またはそれ以上の着色剤、例えば化粧料または局所用組成物において有用であることが当分野において公知であり、また本発明の組成物に所望の色彩または色合いを付与するのに使用できる染料または顔料を含むことができる。例示的な着色剤は、顔料、特に無機赤色顔料、例えば酸化鉄、水酸化鉄およびチタン酸鉄;無機褐色顔料、例えばγ-酸化鉄;無機黄色顔料、例えば酸化鉄イエローおよびレス;無機黒色顔料、例えば酸化鉄ブラックおよびカーボンブラック;無機バイオレット顔料、例えばマンガンバイオレットおよびコバルトバイオレット;無機緑色顔料、例えば水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルトおよびチタン酸コバルト;無機青色顔料、例えばプルシアンブルーおよびウルトラマリンブルー;タール顔料のレーキ;天然染料のレーキ;上に列挙した如き無機顔料の、合成樹脂粉末複合体を包含する。有利には、1種またはそれ以上の該着色剤を、該着色剤が一部を成している前記組成物の全質量を基準として、約0.001質量%〜約0.1質量%なる範囲の量で、該組成物に添加することができる。
本発明の局所用殺菌組成物は、所謂「アロマセラピー的利益」または「全人的医療利益」をユーザーに与えるように選択された、1種またはそれ以上の精油を含有することができる。精油は、様々な有機分子、例えばテルペン、アルコール、エステル、アルデヒド、ケトンおよびフェノール等の複雑な混合物である。このような精油は、しばしば天然産の植物源、例えば芳香性植物の花、茎、葉、根、および樹皮から抽出される。精油は単独で使用されるが、連合的な芳香性の利益、アロマセラピー的利益、全人的医療利益および恐らくは治療的な利益をも与えるために、精油のブレンドを使用することも一般的である。
本発明の局所用殺菌組成物において使用するための、アロマセラピー的利益を与える好ましい精油は、カミツレ油、ラベンジン(lavendin)油、ラベンダーオイル、グレープフルーツオイル、レモンオイル、ライン(line)オイル、マンダリンオレンジオイル、オレンジフラワー油およびオレンジオイルから選択される1種またはそれ以上を含む。カミツレ油は、新鮮で爽やかかつ魅力的な香りを助長し、かつ恐らくは該局所用組成物のユーザーにストレス-緩和利益を与えるために利用することができる。ラベンダーオイルおよびラベンジンオイルは、新鮮なかつ魅力的な香りを助長し、かつ恐らくはまた該局所用組成物のユーザーにストレス-緩和利益を与えるために利用することができる。1種またはそれ以上のグレープフルーツオイル、レモンオイル、ラインオイル、マンダリンオレンジオイル、オレンジフラワー油およびオレンジオイルは、爽やかな柑橘類の香りを与え、また恐らくは、使用した場合には知覚される治療的利益をも与えることができる。
本発明で使用する場合、アロマセラピー的利益または全人的医療利益を与えるこれら1種またはそれ以上の精油は、該組成物の全質量に対して、約0.00001質量%〜約1質量%なる範囲、好ましくは約0.00005質量%〜約0.75質量%なる範囲、およびより好ましくは約0.0001質量%〜約0.5質量%なる範囲の量で存在する。アロマセラピー的利益を与えるこれら1種またはそれ以上の精油は、本明細書において既に列挙した随意の芳香性成分と共にまたはこれらを含まずに、使用でき、また完全にまたは部分的に該芳香性成分の代わりに使用し得るものと理解すべきである。
前記局所用殺菌組成物は、1種またはそれ以上の酸化防止剤成分を含むことができ、これら酸化防止剤成分の幾つかは、付随的に、皮膚に対してシワ形成防止的利益を与え、または他の局所治療的な利益をも与えることができる。酸化防止剤の例は、水溶性酸化防止剤、例えばスルフヒドリル化合物およびその誘導体(例えば、ナトリウムメタビスルフィットおよびN-アセチルシステイン)、リポ酸およびジヒドロリポ酸、レスベラトロール、ラクトフェリン、グルタチオン、およびアスコルビン酸およびアスコルビン酸誘導体(例えば、アスコルビルパルミテートおよびアスコルビルポリペプチド)、並びに油-溶性酸化防止剤、例えばブチル化ヒドロキシトルエン、レチノイド、トコフェロール、例えばトコフェロールアセテート、トコトリエノール、およびユビキノン、酸化防止剤を含む天然抽出物、例えばフラボノイドおよびイソフラボノイド並びにこれらの誘導体を含有する抽出物、レスベラトロール等を含有する抽出物、並びに幾つかの天然抽出物、例えばブドウ種子、緑茶、松の樹皮、プロポリス等の抽出物を含むが、これらに限定されない。このような酸化防止剤が存在する場合、該酸化防止剤の全量は、これが一部をなしている前記局所用殺菌組成物の全質量を基準として、通常は5質量%を越えず、好ましくは0.0001〜4質量%なる範囲にある。幾つかの好ましい態様において、前記1種またはそれ以上の酸化防止剤成分は、必ず存在する。
場合により、前記局所用殺菌組成物は、1種またはそれ以上のビタミンを含むことができる。添加することのできるビタミンの例は、ビタミンA、例えばビタミンAオイル、レチノール、レチニルアセテートおよびレチニルパルミテート;ビタミンB2、例えばリボフラビン、リボフラビンブチレートおよびフラビンアデニンヌクレオチド、ビタミンB6、例えばピリドキシン塩酸塩、ピリドキシンジオクタノエートおよびピリドキシントリパルミテート、ビタミンB12およびその誘導体、ビタミンB15およびその誘導体を包含するビタミンB;ビタミンC、例えばL-アスコルビン酸、L-アスコルビン酸ジパルミチン酸エステル、ナトリウム(L-アスコルビン酸)-2-サルフェートおよび2ナトリウムL-アスコルビン酸二リン酸;ビタミンD、例えばエルゴカルシフェロールおよびコレカルシフェロール;ビタミンE、例えばα-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、dl-α-トコフェリルアセテート、dl-α-トコフェリルニコチネートおよびdl-α-トコフェリルサクシネートを含む。本発明の好ましい幾つかの態様によれば、1種またはそれ以上の該ビタミンが存在する場合、これらは、有効量で、有利にはこれらが一部をなしている前記局所用殺菌組成物の全質量を基準として、0.0001〜1質量%なる範囲、好ましくは0.001〜0.75質量%なる範囲の量で配合し得る。
前記局所用殺菌組成物は、1種またはそれ以上の光安定剤並びにUV吸収剤またはサンスクリーン成分を含むことができる。このような物質は、化粧料または局所用組成物において有用であり、また一定の光の源、例えば日光、蛍光源に暴露された際に、有害な影響を受ける可能性のある1種またはそれ以上の成分を含む可能性のある、該組成物に対して、ある程度の安定性を付与することが知られている。その他のこのような物質は、該組成物中に存在する可能性のある着色剤の効果を安定化または改善することが知られている。本発明の組成物の1種またはそれ以上の成分を、光分解または光-酸化分解に対して保護する、任意の化粧学的に許容される物質または化合物を使用することができる。その例は、s-トリアジン、トリアジン誘導体、例えば2,4,6-トリアニリノ-(p-カルボ-2'-エチル-1'-ヘキシルオキシ)-1,3,5-トリアジン、アニソトリアジン、エチルヘキシルトリアゾン、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾンを包含するトリアジン;ベンゾトリアゾールおよびその誘導体;ベンジリデンマロン酸のエステル;3-ベンジリデンカンフェンのスルホン酸誘導体;シンナム酸およびシンナム酸アミド、シンナム酸のエステル;プロパン-1,3-ジオン;フェニルベンズイミダゾールおよびスルホン化ベンズイミダゾール;サリチル酸のエステル、例えばエチルヘキシルサリチレート、ジプロピレングリコールサリチレート、TEAサリチレート、サリチル酸2-エチルヘキシルエステル、サリチル酸4-イソプロピルベンジルエステル、サリチル酸ホモメンチルエステルを包含するサリチル酸誘導体;ベンジリデンカンファーを基本とする化合物またはその誘導体等を含む。酸として与えられる上記物質の何れも、遊離酸の形状で、またはその塩、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウム塩形状で使用することができる。存在する場合には、前記の1種またはそれ以上の光安定剤並びにUV吸収剤は、任意の有効量で前記局所用殺菌組成物に配合することができ、有利にはこのような物質は、これが一部をなしている該組成物の全質量を基準として、0.0001〜1質量%なる範囲、好ましくは0.001〜0.5質量%なる範囲の量で存在する。
本発明の局所用殺菌組成物は、更に1種またはそれ以上の更なる殺菌剤を含むことができる。このような更なる殺菌剤は、適切な殺菌上の利益を与える、1種またはそれ以上の化合物である。このような更なる殺菌剤は、望ましくは処理される皮膚表面、例えば手、腕等の表面に対して効果的な殺菌上の利益を与える。
該更なる殺菌剤は、1種またはそれ以上の殺菌的に有効なカチオン性界面活性剤成分、特に好ましくは適切な殺菌的な利益を与える1種またはそれ以上のカチオン性界面活性剤を含むことができる。該処理組成物に含めることのできる、好ましいカチオン性界面活性剤組成物の非-限定的な例は、適切な殺菌的利益を与えるものであり、また特に好ましいものは、四級アンモニウム化合物およびその塩であり、これらは以下の一般的な構造式により特徴付けることができる:
Figure 2013528639
ここで、R1 R2、R3およびR4の少なくとも一つは、6〜26個の炭素原子を持つアルキル、アリールまたはアルキルアリール基であり、また該分子の全カチオン部分は、少なくとも165なる分子量を持つ。該アルキル置換基は、長鎖アルキル基、長鎖アルコキシアリール基、長鎖アルキルアリール基、ハロゲン-置換長鎖アルキルアリール基、長鎖アルキルフェノキシアルキル基、アリールアルキル基等であり得る。上記アルキル置換基以外の、該窒素原子上の残りの置換基は、通常炭素原子数12以下の炭化水素である。該置換基R1 R2、R3およびR4は直鎖であり得、またはこれらは分岐鎖であり得るが、好ましくは直鎖であり、またこれらは1種またはそれ以上のアミド、エーテルまたはエステル結合を含むことができる。前記カウンターイオンXは、該四級アンモニウム錯体を水溶性または水混和性とする、任意の塩形成アニオンであり得る。上記式に従う殺菌剤として作用する、好ましい四級アンモニウム化合物は、上記の基R2およびR3が、同一または異なる、C8-C12アルキル基であり、あるいはR2が、C12-16アルキル基、C8-C18アルキルエトキシ基、C8-C18アルキルフェノールエトキシ基であり、かつR3が、ベンジル基であり、またXがハロゲン原子、例えば塩素、臭素またはヨウ素原子であり、あるいはメトサルフェートアニオンであるような該化合物である。R2およびR3に関して上に列挙したアルキル基は、直鎖または分岐鎖であり得るが、好ましくは実質上直鎖のものである。
前記更なる殺菌剤は、1種またはそれ以上の、ピリチオン、例えば亜鉛ピリチオン、ハロヒダントイン、例えばジメチルジメチロールヒダントイン、メチルクロロイソチアゾリノン/メチルイソチアゾリノン、ナトリウムスルフィット、ナトリウムビスルフィット、イミダゾリジニル尿素、ジアゾリジニル尿素、ベンジルアルコール、2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール、ホルマリン(ホルムアルデヒド)、ヨードプロペニルブチルカルバメート、クロロアセタミド、メタンアミン、メチルジブロモニトリルグルタルニトリル、グルタルアルデヒド、5-ブロモ-5-ニトロ-1,3-ジオキサン、フェネチルアルコール、o-フェニルフェノール/ナトリウムo-フェニルフェノール、ナトリウムヒドロキシメチルグリシネート、ポリメトキシ二環式オキサゾリジン、ジメトキサン、チメロサール、ジクロロベンジルアルコール、キャプタン、クロロフェネシン、ジクロロフェン、クロロブタノール、グリセリルラウレート、ハロゲン化ジフェニルエーテル、例えば2,4,4-トリクロロ-2-ヒドロキシ-ジフェニルエーテル[トリクロサン(TriclosanTM)]および2,2-ジヒドロキシ-5,5-ジブロモ-ジフェニルエーテル、フェノール系抗菌性化合物、例えばモノ-およびポリアルキルおよび芳香族系ハロフェノール、例えばp-クロロフェノール、メチルp-クロロフェノール、4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール、2,4-ジクロロ-3,5-ジメチルフェノール、3,4,5,6-テトラブロモ-2-メチルフェノール、5-メチル-2-ペンチルフェノール、4-イソプロピル-3-メチルフェノール、p-クロロ-m-キシレノール、ジクロロ-m-キシレノール、クロロチモール、および5-クロロ-2-ヒドロキシジフェニルメタン、レゾルシノールおよびその誘導体、ビスフェノール系化合物、例えば2,2-メチレンビス(4-クロロフェノール)およびビス(2-ヒドロキシ-5-クロロベンジル)スルフィド、安息香酸エステル(パラベン)、ハロゲン化カルボアニリド、例えば3-トリフルオロメチル-4,4'-ジクロロカルボアニリド(トリクロカルバン(Triclocarban))、3-トリフルオロメチル-4,4-ジクロロカルボアニリドおよび3,3,4-トリクロロカルボアニリドを含むことができる。前記更なる抗菌剤は、1種またはそれ以上のビグアニド、例えばポリヘキサメチレンビグアニド、p-クロロフェニルビグアニド;4-クロロベンズヒドリルビグアニド、1,6-ビス-(4-クロロベンジルビグアニド)-ヘキサン(フルオルヘキシジン(FluorhexidineTM))、クロルヘキシジン(1,1'-ヘキサメチレン-ビス-5-(4-クロロフェニルビグアニド)(クロロヘキシジン(ChlorohexidineTM))を含むが、これらに限定されないハロゲン化ヘキシジン、並びに上記化合物の何れかの塩、例えばポリヘキサメチレンビグアニド塩酸塩を含むことができる。
望ましくは、存在する場合、このような更なる抗菌剤は、本発明の組成物中に、任意の有効量で配合することができる。有利には、このような量は、これらが一部をなしている該局所用殺菌組成物の、約0.0001〜2質量%なる範囲にあるが、好ましくは約0.01〜1質量%なる範囲にある。
幾つかの特定の好ましい態様において、本発明の組成物は、このような更なる抗菌剤成分の使用は、明確に排除される。
本発明の組成物のpHを調節するために、1種またはそれ以上のpH調節剤並びに1種またはそれ以上のpH緩衝剤を、その有効量で、該局所用殺菌組成物に、場合によっては配合することができる。非-限定的な例として、該pH調節剤は、リン原子含有化合物、一価および多価の塩、例えばシリケート、カーボネート、およびボレート、ある種の酸および塩基、タルタレートおよび幾つかのアセテートを含む。pH調節剤の更なる例は、無機酸、塩基性組成物、および有機酸を含み、これらは典型的には少量でのみ必要とされる。更なる非-限定的な例として、該pH緩衝性組成物は、アルカリ金属リン酸塩、ポリリン酸塩、ピロリン酸塩、三リン酸塩、四リン酸塩、シリケート、メタシリケート、ポリシリケート、カーボネート、ヒドロキシドおよびこれらの混合物を含む。幾つかの塩、例えばアルカリ土類金属リン酸塩、カーボネート、水酸化物も、緩衝剤として機能し得る。同様に、アルミノ珪酸塩(ゼオライト)、ボレート、アルミネート、および幾つかの有機物質、例えばグルコネート、サクシネート、マレエート、およびこれらのアルカリ金属塩等の物質を、該緩衝剤として使用することも適切であり得る。該pH調節剤、特にpH緩衝剤が存在する場合、これらは、本発明の組成物のpHを所定のまたは目標とするpH範囲内に維持するために有効な量で存在する。有利には、これらは、一般的には少量にて、例えば0.001〜1.5質量%なる範囲の量で配合されるが、望ましくは0.01〜1質量%なる範囲の量で存在する。例示的な、また好ましいpH緩衝剤およびpH調節剤は、以下の実施例の1またはそれ以上との関連で説明される。
本発明の局所用殺菌組成物は、1種またはそれ以上のキレート剤を含むことができる。有用なキレート剤の例は、当分野において公知のものを含み、その非-限定的な例は、アミノポリカルボン酸およびその塩を含む。ここで、そのアミノ窒素原子は、これに結合した2またはそれ以上の置換基を持つ。好ましいキレート剤は、酸および塩、特にエチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、N-ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸等のナトリウムおよびカリウム塩を含み、またその中でもエチレンジアミン四酢酸のナトリウム塩を特に有利に使用できる。このようなキレート剤の使用は省くことができ、あるいはこれらは一般的には少量で、例えば該キレート剤および/またはその塩の形状の質量に基いて、0.001〜0.5質量%なる範囲の量で配合し得る。望ましくは、このようなキレート剤は、本発明の組成物中に、0.01〜0.5質量%なる範囲の量で配合できるが、最も望ましくは約0.01〜0.2質量%なる範囲の低い質量%濃度にて存在する。
更なる局面において、本発明は、また清浄化の利益および/または殺菌的な利益を、皮膚または他の局所表面に与える方法を意図しており、該方法は、清浄化にとって有効なおよび/または殺菌的に有効な量で、ここに記載したような水性局所用殺菌組成物を、局所的に適用することを意図するものである。好ましくは、前記方法によれば、殺菌的利益は、該組成物が適用された皮膚または他の局所的な表面に対して与えられる。前記局所用殺菌組成物の好ましい態様は、真皮(即ち、皮膚、身体)上の望ましからぬ微生物、例えばスタフィロコッカスアウレウス(S.aureus)、エシェリヒアコリ(E.coli)、シュードモナスエルギノーザ(P.auruginosa)、並びにエンテロコッカスハイレ(E.hirae)に対して良好な殺菌効力を発揮する。有利には、該局所用殺菌組成物は、1種またはそれ以上の、ある種のグラム陽性病原菌、ある種のグラム陰性病原菌、ある種のウイルス、ある種の真菌および/またはある種のカビに対して殺菌効力を発揮する。
ここに記載された前記局所用殺菌組成物は、皮膚に対して清浄化および/または殺菌的利益を与えるために、皮膚に適用するという主な用途が見出され、またこのような処置において使用するために、ディスペンサに充填して提供することが意図されているが、これが限定的な定義として理解されるべきではなく、また本発明の組成物の他の形状および他の用途、例えばフェイスローション、乳液、クリーム、フェイスクレンジングクリーム、マッサージ材料、液状化粧石鹸、並びにヘアケア製品、例えばシャンプー、リンス、または他の毛髪または頭皮処理用製品も、当然本発明の範囲内に入ることを意図しているものと理解すべきである。本発明の局所用殺菌組成物は、有利には流動性ローション、化粧用ミルク、液体またはスプレイとして処方することができるが、より粘稠なクリームまたはゲルとして処方することもでき、これらは透明、半透明または不透明の製品であり得る。幾つかの好ましい態様において、該局所用殺菌組成物は、半透明または不透明な製品として提供される。
前記組成物は、その粘度および消費者による意図した用途に適合するように、適当な容器内に詰めることができる。例えば、ローションおよびクリームは、ビンに詰めることができ、あるいはプロペラント駆動式エーロゾルデバイス内に、プロペラントと共に収容することができ、あるいはまた手動式に動作するポンプを取付けた容器内に収納することも可能である。本発明の組成物がより高い粘度を持ち、またペースト、ゲルまたはクリームの形状にある場合、該組成物は、有利には比較的大きな開口を持つ再封止可能な容器、例えば取外しかつ再度設置し得るキャップまたはカバーを備えた、ジャー、ブリキ缶、タブまたはビン内に詰めて提供することができる。低い粘度を持つ該組成物形状のものは、ビンまたはフラスコに詰めて提供することができ、そこから注ぐことにより、あるいは例えば手動でポンプ動作し得る引金付きポンプまたは手動でポンプ動作し得る引金付きスプレイポンプを介してポンプ輸送することもできる。本発明の組成物は、非-変形性のビン内に詰めた状態で提供し、または保存することが可能であるが、より好ましくはスクイーズ式容器、例えば消費者による該組成物の容易な分配、分取性を与える、チューブまたは変形性のビンに詰めて提供される。従って、本発明の更なる局面は、ここに記載した如き本発明の組成物を含む密閉式容器を提供することにある。
更に、ここに記載した局所用殺菌組成物の局所的な適用は、顔面、首、胸、背中、腕、腋窩、手、足、および頭皮等の上の皮膚を含む、皮膚または身体の任意の部分に対して行われることを、確実に理解すべきである。ここに記載した該局所用殺菌組成物は、また毛髪に対して使用することもできる。好ましくは、該局所用殺菌組成物は、摂取してはならず、また粘膜組織に対して使用すべきではない。
使用に際して、消費者は、一定量のここに記載した局所用殺菌組成物を秤取し、これを皮膚または身体の任意の他の部分に適用することを意図している。ここで、該組成物は、該適用部分に維持しておくことも可能であるが、有利には該消費者は、該組成物を、該適用された皮膚または身体の他の部分に擦り込んで、該処置された皮膚または身体の他の部分に対して、同時に、皮膚のモイスチャーライジング効果と、殺菌効果とを得る。有利には、このようにして適用された局所用殺菌組成物は、如何なるその後の洗浄または清浄化処置も施すことなく、該組成物が適用されている皮膚または身体の他の部分に維持することが可能である。しかし、消費者が望む場合には、消費者は、該局所用殺菌処置組成物を、流水の流れの下で、例えばシャワー内で、あるいは水、例えば浴槽内に浸漬することにより、洗流すことができる。従って、本発明の更なる局面は、本明細書において記載した局所用殺菌組成物の使用を目的とする。
以下に与えられる実施例は、本発明の例示的な処方並びに好ましい態様を説明するものである。これら実施例は、例示の目的でのみ与えられるものであって、本発明の範囲および特許請求の範囲内に入る更なる有用な処方物は、本発明の範囲並びに精神を逸脱することなしに、当業者によって容易に製造し得るものであることを理解すべきである。
実施例
多数の局所用殺菌組成物を、以下に記載の方法に従って製造した。これらを以下の表1に記載する。以下の組成物において、各成分は、夫々の供給元から「供給されたままの状態」で使用した。従って、これらは、以下の表1および2に示すように、100質量%未満の「活性成分」を構成し、あるいは名付けた化合物の100質量%の「活性成分」を構成するものとして供給されるものであり得る。以下の表1に記載される量は、組成物において使用した「供給されたまま」の呼称される成分の質量%で表されたその量を意味する。比較例としての組成物は、文字「C」を先行させた数値で示されており、一方で本発明による組成物は、文字「E」を先行させた数値で示されている。
Figure 2013528639
Figure 2013528639
Figure 2013528639
Figure 2013528639
使用した各成分の詳細は、以下の表3においてより十分に記載されている。
Figure 2013528639
前記表1の組成物C1、およびE1-E4の粘度は、室温(20℃)にて、上記テストサンプルについて、60rpmにて回転する標準的な#6スピンドルを用いて、ブルックフィールドRVT型粘度計を用いて評価した。
上記表1に記載された本発明の局所用殺菌組成物を、以下の一般的なプロトコールに従って製造したが、全ての成分は、室温(約20℃〜22℃)条件下にあった:
前記セルロース成分と前記グリセリン成分とを、スパチュラを用いて、実験室用のビーカー内で一緒に併合し、確実に該ヒドロキシメチルセルロースを十分に混合し、かつ湿潤状態とし、またスラリーを生成することによって、第一のプレミックスを生成した。次いで、大型の実験室用ビーカー内に前記水および前記不透明化剤成分を添加することにより混合物を作成したが、これらの成分は、プロペラを備えた電動式実験室用ミキサを用いて一緒に混合され、また該混合操作は、該組成物が均一となるまで継続された。その後、該大型のビーカーに、前記プレミックスを添加し、混合操作を、再度組成物が均一となるまで継続した。次いで、前記エタノールの1/5を、該大型のビーカーに徐々に添加し、また混合操作を、再度該組成物が均一となるまで継続し、その後更に30分間混合を行って、確実に前記セルロース成分を完全に膨潤させた。次いで該エタノールの残部を、徐々に添加し、混合操作を、再度該組成物が均一となるまで継続した。前記プロペラを備えた電動式実験室用ミキサを取外し、そのプロペラを、より大きなU-字型(または「アンカー型」) の混合羽根車と取替え、これを該大型のビーカーに挿入した。この取付けられたU-字型混合羽根車を、その後の全ての混合操作に対して使用した。というのは、その形状が、該実験室用ビーカーの垂直な側壁近傍の混合をも含む、一層十分な混合をもたらすからである。上記実験室用ミキサは、約400rpmにて動作するように通電して、該混合物の均一性を保証し、その後、その回転速度を約1,500〜2,000rpmまで高めた。引続き、前記コスメディアトリプルCを、混合条件下で徐々に添加し、該大型ビーカー内の組成物が再度均一になるまで、混合操作を中速にて継続した。その後、以下の残りの成分を、各添加成分が完全に混合しかつ該大型ビーカー内の該組成物が、該残りの成分の次の成分を添加する前に、確実に、再度均一となるように、個々に順次添加した。最後に、該組成物のpHを確認し、また必要な場合には、測定された量の前記水酸化ナトリウム溶液(活性成分10%)を、攪拌条件下で添加して、該組成物のpH値を、前記表1に示したような目標とするpH値に調節した。次いで、該組成物を、該大型のビーカーから取出し、そのまま使用するか、あるいは使用前にまたは使用と使用との間の期間中、該組成物を適当な保存容器内に保存することができる。
前記表1に記載された上記組成物の幾つかを、様々な温度にて、また周囲湿度または高湿度何れかの条件下(-10℃、4℃、25℃、30℃/75%相対湿度(「R.H.」);40℃/75%R.H.、50℃および60℃)にて、数週間に渡り、促進老化テストに付した。テストサンプルのサンプルアリコートを、スクリューキャップ付きガラスサンプルジャーに収容した。所定の時間間隔にて、各時点における外観、粘度およびpHについて、これらのサンプルを評価した。これらのサンプルを、実験台上で静置状態に置いて、テスト温度、即ち室温(20℃)にて平衡化させた後、5rpmにて回転する標準的な#6スピンドルを用いて、ブルックフィールドRVT型粘度計を用いて、その粘度を評価した。混合直後のサンプルの初期審美性からのずれを、「o.k.」で示したが、これは、混合直後の元の外観および知覚的諸特性を、該テストサンプルが維持していることを示す。サンプルを、所定期間または条件下にてテストしなかった場合には、これを「n.t.」で示す。これら評価の結果を、以下の表に示す:
Figure 2013528639
Figure 2013528639
Figure 2013528639
Figure 2013528639
前記サンプルE7は、また「凍結/解凍」テストにも掛けられ、そこでは、該サンプルは凍結され、次いで解凍されて室温とされ、引続きテストに付された。このテスト後に、該サンプルの外観は不変「o.k.」であり、その粘度は23,000cPであり、またそのpH値は5.1であった。
Figure 2013528639
Figure 2013528639
Figure 2013528639
前記サンプルE11は、また「凍結/解凍」テストにも掛けられ、そこでは、該サンプルは凍結され、次いで解凍されて室温にされ、引続きテストに付された。このテスト後に、該サンプルの外観は不変「o.k.」であり、その粘度は23,000cPであり、またそのpH値は5.9であった。
前記処方物および結果から明らかな如く、これら組成物は、低濃度、即ち0.25質量%以下、あるいは0.1質量%以下の、1種またはそれ以上のセルロースまたはセルロース誘導体を主成分とするフィルム形成成分濃度においてさえも、驚くべき程度の粘度増加、および様々な保存テスト法に渡る、該初期粘度の優れた維持性能並びに優れた外観を示した。

Claims (9)

  1. 局所用殺菌組成物であって、以下の成分:
    50〜85質量%なる範囲の量の、1種またはそれ以上の一価のC1-C4アルコールを含むアルコール成分;
    0.01〜5質量%なる範囲の量の、1種またはそれ以上のセルロースまたはセルロース誘導体を主成分とするフィルム形成成分;
    0.01〜25質量%なる範囲の量の湿潤剤、好ましくはグリセリン;
    0.01〜5質量%なる範囲の量の不透明化剤成分;
    場合によるが、好ましくはポリクオータニウム-型のポリマーまたは物質;
    場合により、審美性または他の本発明の工業的諸特徴を改善するための、1種またはそれ以上の更なる成分を含み、
    前記組成物の残部が、約30質量%までの水であり、該組成物が、流動性であり、また好ましくは少なくとも約10cPsなる、25℃において測定された、(混合状態における)初期粘度をも示し、また高温度および/または長期に渡る期間保存された後に、単一相組成物として維持されており、しかも2またはそれ以上の相に分割または分離されることがなく、また更に該組成物は、皮膚または身体の部分に適用された際に、局所的な殺菌的利益を与えることを特徴とする、前記局所用殺菌組成物。
  2. 前記ポリクオータニウム-型のポリマーまたは物質が、必ず存在する、請求項1記載の局所用殺菌組成物。
  3. 55〜70質量%なる範囲の量で、アルコール成分を含む、請求項1または2記載の局所用殺菌組成物
  4. 0.01〜1質量%なる範囲の量で、1種またはそれ以上のセルロースまたはセルロース誘導体を主成分とする、フィルム形成成分を含む、請求項1〜3の何れか1項に記載の局所用殺菌組成物。
  5. ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む、請求項1〜4の何れか1項に記載の局所用殺菌組成物。
  6. 0.25質量%以下の量で、1種またはそれ以上のセルロースまたはセルロース誘導体を主成分とするフィルム形成剤を含む、請求項1〜5の何れか1項に記載の局所用殺菌組成物。
  7. 0.1質量%以下の量で、1種またはそれ以上のセルロースまたはセルロース誘導体を主成分とするフィルム形成剤を含む、請求項1〜6の何れか1項に記載の局所用殺菌組成物。
  8. 皮膚(表皮)並びに他の身体表面を処置するための改善された方法であって、該方法が以下の工程:
    効果的な清浄化および/または殺菌的な利益を与えるために、皮膚または他の身体表面に、有効量の、前記請求項の何れか1項に記載の局所用殺菌組成物を適用する工程、
    を含むことを特徴とする、前記方法。
  9. 前記局所用殺菌組成物が、1種またはそれ以上の、好ましくは少なくとも2またはそれ以上の以下の微生物:バチルスセパシア、エシェリヒアコリ、スタフィロコッカスアウレウス、セラチアマルセッセンス、ストレプトコッカスピオゲネス、スタフィロコッカスエピデルミディス、エンテロコッカスフェカリス、クレブシエラニューモニエ、シュードモナスエルギノーザ、エンテロコッカスハイレ、ストレプトコッカスニューモニエ、カンジダアルビカンス、サルモネラエンテリカ、およびメチシリン耐性スタフィロコッカスアウレウス(「MRSA」)に対して有効である、請求項8記載の方法。
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