JP2013525819A - 予想される検体関係を評価することによるポイント・オブ・ケア検査結果の検証法 - Google Patents

予想される検体関係を評価することによるポイント・オブ・ケア検査結果の検証法 Download PDF

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Abstract

臨床検査結果の妥当性または正確度を決定する方法を提供する。本方法は、濃度関係を有する2つ以上の検体についての患者の検体濃度データを得る工程;該2つ以上の検体間の濃度関係についての尤度分布を計算する工程;該2つ以上の検体について測定された濃度値を含む臨床検査結果を得る工程;および臨床検査結果が該尤度分布の境界線内にあるか否かに基づいて該臨床検査結果の妥当性または正確度を決定する工程、を伴う。本発明の方法によって分析できる検体対としては、アルブミン/カルシウム、ナトリウム/塩化物、BUN/クレアチニン、AST/ALT、総タンパク質/アルブミン、カリウム/総CO2、カルシウム/リン、カルシウム/マグネシウム、カリウム/クレアチニン、マグネシウム/カリウム、アニオンギャップ/カリウム、ナトリウム/カリウム、塩化物/カリウム、マグネシウム/リン酸塩、ALT/GGT、ALT/ALP、CK/LDHおよび塩化物/総CO2が挙げられる。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2010年5月6日に出願された米国仮特許出願第61/332,154号、および2010年8月31日に出願された米国仮特許出願第61/378,668号に対する優先権を主張し、両出願の全体が参照により本明細書に組み入れられる。
発明の背景
臨床検査室で生成される患者由来データの正確度は、最適な患者の管理および患者の安全のために重大である。検査室データの臨床的有用性は、様々な要因によって悪影響を受け得る。これらの要因の一部として、インビトロ溶血等の分析前の問題、採血する際の間違った種類の試験管の使用、および静脈内輸液による標本の汚染が挙げられる。さらに、反応混合物へのサンプルの添加が不十分であったり、またはサンプルの希釈が間違っていたりすることにより不正確な結果が生じ得る。このようなタイプのエラーは、データ技術者には見つけられ得るが、臨床化学分析器および機器はこのようなタイプのサンプルを確実には検出できない。
品質管理材料を分析することによって機器または試薬に関連する問題を特定することはできるが、不正確な検査結果の大多数を占める分析前の問題を特定する助けにはならない。実際、研究によって、分析期間自体よりも、検査過程における分析前および分析後期間においてより高い頻度でエラーが発生することが示されている(Kazmierczakら(2007)Clin Chem Lab Med, V. 45, pp.749-752(非特許文献1)において、Plebani M.(2006)Clin Chem Lab Med, V.44, pp.750-759(非特許文献2)を引用)。しかし、検査室エラーを探査するために設計された研究は、ほとんどの場合、検査過程全体において生じ得る1つの特定のエラーしか評価しないため、発生し得る全てのタイプのエラーについては対処していない(Clin Chem Lab Med, V.45, pp.749-752(非特許文献1))。
検査結果の適切性/正確度を検証するために使用されてきたその他の方法としては、生理学的にありえない結果について警告を発するためのリミットチェックの確立、デルタ(delta)チェック方法、正常平均値(average-of-normals)の計算、およびアニオンギャップ計算が挙げられる。しかし、これらの方法はそれぞれ欠点がある。例えば、これらの方法は、複雑なアルゴリズムを採用しており、実行するのが困難な場合が多い。さらに、ルールに基づくシステムは強固ではないため、本当にひどいエラーしか見つけられない(Clin Chem Lab Med, V.45, pp.749-752(非特許文献1))。
測定におけるエラーの検出方法は確立されているが、分析前の問題による検査結果を正確に排除できる方法が当該分野においていまだに必要とされている。本発明は、上記および他の必要に対処する。
Kazmierczakら(2007)Clin Chem Lab Med, V. 45, pp.749-752 Plebani M.(2006)Clin Chem Lab Med, V.44, pp.750-759
一態様において、本発明は、第一の臨床検査結果の妥当性または正確度を決定する方法に関する。本方法は、第一の検体の第一の臨床検査結果およびそれに対応する第二の検体の第二の臨床検査結果を、第一の検体および第二の検体についての所定の尤度分布と比較する工程、ならびに第一の臨床検査結果の妥当性を尤度分布との関係に基づいて決定する工程を含む。
別の態様では、第一の臨床検査結果の妥当性または正確度を決定する方法を提供する。本方法は、第一の検体の第一の臨床検査結果およびそれに対応する第二の検体の第二の臨床検査結果を、第一の検体および第二の検体についての所定の尤度分布と比較する工程、ならびに第一の臨床検査結果の妥当性を尤度分布との関係に基づいて決定する工程を含み、該第一の臨床検査結果は、所定の尤度分布の外側にある場合は妥当でなく、所定の尤度分布の内側にある場合には妥当である。
一態様において、第一の検体およびそれに対応する第二の検体は、直接ビリルビン/総ビリルビン、HDL/総コレステロール、LDL/総コレステロール、HDL/LDL、アルブミン/カルシウム、ナトリウム/塩化物、BUN/クレアチニン、AST/ALT、総タンパク質/アルブミン、カリウム/総CO2、カルシウム/リン、カルシウム/マグネシウム、カリウム/クレアチニン、マグネシウム/カリウム、アニオンギャップ/カリウム、ナトリウム/カリウム、塩化物/カリウム、マグネシウム/リン酸塩、ALT/GGT、ALT/ALP、CK/LDH、および塩化物/総CO2からなる群より選択される。
別の態様では、第一の検体および対応する第二の検体についての所定の臨床検査結果の母集団を含むデータベースを提供し、該第一の検体の臨床検査結果は該第二の検体の臨床検査結果と相関する。さらなる態様では、データベースは、コンピュータで読み取り可能な媒体に保存されている。
別の態様では、本発明は、第一の検体の臨床検査結果およびそれに対応する第二の検体の臨床検査結果についての尤度分布を決定する方法に関する。本方法は、第一の検体およびそれに対応する第二の検体についての複数の臨床検査結果を特定する工程、臨床検査結果を第二の検体についての結果に基づいて仕分けする工程、仕分けされたデータを複数のビンに分類する工程、各ビンについて第一の検体の臨床検査結果の値の信頼区間を特定する工程、ならびに信頼区間内にある臨床検査結果に基づいて尤度分布を決定する工程を含む。
さらなる態様では、第一の検体およびそれに対応する第二の検体は、直接ビリルビン/総ビリルビン、HDL/総コレステロール、LDL/総コレステロール、HDL/LDL、アルブミン/カルシウム、ナトリウム/塩化物、BUN/クレアチニン、AST/ALT、総タンパク質/アルブミン、カリウム/総CO2、カルシウム/リン、カルシウム/マグネシウム、カリウム/クレアチニン、マグネシウム/カリウム、アニオンギャップ/カリウム、ナトリウム/カリウム、塩化物/カリウム、マグネシウム/リン酸塩、ALT/GGT、ALT/ALP、CK/LDH、および塩化物/総CO2からなる群より選択される。
図1は、ナトリウムについての中央97.5%信頼区間を、測定された塩化物濃度の関数として示すグラフである。上の曲線より上にあるか、または下の曲線より下にある患者サンプル由来のデータは測定エラーである。 図2は、ナトリウムについての中央97.5%信頼区間を、入院患者(「x」値)および外来患者(「+」値)について測定された塩化物濃度値の関数として示すグラフである。曲線を信頼上限および信頼下限の両方にフィットするようにして、尤度分布の境界線を確立する。 図3Aは、カルシウム濃度についての中央97.5%信頼区間を、正常な腎機能を有する患者において測定されたアルブミン濃度の関数として示すグラフである。曲線を信頼上限および信頼下限の両方にフィットするようにして、尤度分布の境界線を確立する。 図3Bは、カルシウム濃度についての中央97.5%信頼区間を、腎機能障害を有する患者において測定されたアルブミン濃度の関数として示すグラフである。曲線を信頼上限および信頼下限の両方にフィットするようにして、尤度分布の境界線を確立する。
発明の詳細な説明
定義
本明細書で使用する「信頼区間」は、母集団パラメーターの特定の種類の区間推定を意味する。本発明においては、母集団パラメーターは、区別される検体の濃度値(異なる検体、例えば、患者の塩化物濃度)に関連付けられた1つ以上の検体の濃度値または存在値(abundance value)(1つ以上の検体、例えば、同じ患者のナトリウム濃度)である。単一値でパラメーターを推定する代わりに、パラメーターを含む可能性のある区間を提供する。つまり、推定の信頼性を示すために信頼区間が使用される。区間がパラメーターを含む可能性は、信頼水準または信頼係数によって決定される。
信頼区間の端点は、信頼限界と称される。例えば、下限Aおよび上限Bを有する90%信頼水準においては、母集団の90%がAとBとの間に存在する。残りの10%の値のうち、5%がA未満で、5%がBを上回る。下限Aおよび上限Bを有する97.5%信頼水準においては、母集団の97.5%がAとBとの間に存在する。残りの2.5%の値のうち、1.25%がA未満で、1.25%がBを上回る。
97.5%信頼区間を例として、信頼区間は以下のように決定される。個々の患者の対をなす検体データ(例えば、ナトリウムおよび塩化物濃度)を、一方の検体(この例においては、ナトリウム)の濃度値に基づいて最高濃度から最低濃度まで(またはその逆)に仕分けた後、仕分けした対をなすデータをn個のビンに分ける。次に、最も低いナトリウム濃度値を有する患者の1.25%および最も高いナトリウム濃度値を有する患者の1.25%を各ビンから除外する。残りの97.5%の患者についての最も低いおよび最も高いナトリウム値が、信頼区間の最低閾値および最高閾値(すなわち、1.25%および98.75%信頼限界)をとなる。同様に、95%信頼区間を決定した場合、最も低いナトリウム濃度値を有する患者の2.5%、および最も高いナトリウム濃度値を有する患者の2.5%が、データの各ビンから除外される。
対をなすデータが塩化物濃度によって仕分けされる場合、最も低い塩化物濃度値を有する患者の1.25%、および最も高い塩化物濃度値を有する患者の1.25%が除外されて、97.5%信頼区間を確立する。
所与の信頼性のレベルで、その他の状況が等しい場合、より小さい信頼区間での結果の方が、より大きい信頼区間での結果よりも信頼性がある。
一態様では、本発明で使用する信頼区間は、中央90%信頼区間、中央92.5%信頼区間、中央95%信頼区間、中央97.5%信頼区間、または中央99%信頼区間である。
本明細書で使用する「尤度分布」とは、適切な(妥当な)検体濃度測定に対応した、対をなす(または2つ以上の)検体濃度値の分布を意味する。尤度分布から外れるデータはエラーであると思われる。一態様において、尤度分布は、各データビンに関連する信頼下限および信頼上限に曲線をフィットさせることによって確立される。2本の曲線は、分布の境界線である。別の態様では、曲線をデータにフィットさせず、尤度分布は、各検体ビンについての信頼上限および信頼下限によって確立される。
本明細書で使用する「所定の尤度分布」とは、本発明のユーザまたは第三者のいずれかにより計算された尤度分布を指す。尤度分布は、対をなす検体(すなわち、第一および第二の)濃度値の空間を提供し、この空間内にある対をなすデータ点は妥当であると思われる一方で、空間外にある対をなす濃度データ点はエラーであると思われる。尤度分布は、ユーザーの優先度に応じて計算できる。例えば、第一および第二の検体についての濃度データを(例えば、データベースから)得て、ビンまたはグループに仕分けした後、仕分けしたビンまたはグループについての信頼区間を計算できる。区間内にあるデータ点は妥当であると思われる。
また、尤度分布は3つ以上の検体についても計算でき、本発明のユーザーまたは第三者によって計算され得る。
本明細書で使用する「検体」とは、存在量/濃度が何らかの分析手順により決定される物質(例えば、イオンまたは分子)を指す。例えば、本発明において、検体は、イオン、タンパク質、ペプチド、核酸、脂質、炭水化物または小分子であり得る。本明細書においては、「第一の検体」および「第二の検体」と称する。「第一の検体」および「第二の検体」の指定は、尤度分布をどのように確立するか、つまり対をなす検体データが元々どのように仕分けされているかに基づく。尤度分布を確立するために、一態様では、一方の検体の濃度値に応じて、対をなす検体データをビン(例えば、10、20、30または40ビン)に仕分ける。本発明の目的のために、この検体を「第二の検体」と指定する。本発明のユーザーは、どの検体を使用して対をなす濃度データを仕分けるかを決める。一態様では、対をなす検体はナトリウムおよび塩化物である。別の態様では、対をなす検体データはナトリウム濃度に応じて仕分けられる。この態様では、ナトリウムが「第二の検体」で塩化物が「第一の検体」である。別の態様において、対をなす検体データは塩化物濃度に応じて仕分けられる。この態様では、塩化物が「第二の検体」でナトリウムが「第一の検体」である。
本明細書で使用する「検体基準」および「校生基準」は同義語であり、異なる機器間のあらゆる測定バイアスを補正するために使用される検体サンプルをそれぞれ指す。一態様では、検体基準の濃度を少なくとも2つの機器で測定する。2つの機器で測定された濃度の差は、本態様において、補正係数の基準の役割を果たす。さらなる態様では、濃度は、一連の測定で得た濃度の平均である。
本発明で使用する検体
本発明は、測定された濃度または存在量が正または負に相関された2つ以上の検体についての検体濃度データ(すなわち、濃度または存在量の関係)を利用する。本発明は、既知の濃度関係を有する検体(例えば、ナトリウムおよび塩化物)について主に記載するが、本発明はそれに限定されない。例えば、データマイニングを採用して、大規模データベースに存在しているのにデータ量が膨大であるために隠れていて明らかでない検体濃度(または存在量)の関係およびグローバルパターンを検索してもよい(Kazmierczakら(2007). Clin Chem Lab Med、V. 45、pp. 749-752)。2つの検体または2つ以上の検体(例えば、3つの検体)の濃度または存在量レベルの間の関係が分かれば、これらの検体を本発明の方法に使用できる。
一態様では、データマイニングプロセス後に、検体濃度または存在量データの間の関係が明白でない場合、検体濃度データ(または存在量データ)を対数変換または自然対数変換して、関係が存在するか否かを決定する。別の態様では、検体のうちの1つのみの濃度データを対数変換または自然対数変換して関係が存在するか否かを決定する。
一態様では、対をなす検体濃度データのデータセットを集めて検体濃度の関係を決定し、相関関係が存在するか否かを決定する。別の態様では、データは既に集められている。本発明に使用される検体対の限定しないリストを以下に示す。
ナトリウム/塩化物
ナトリウムおよび塩化物は、血液中に存在する主要な細胞外イオンを構成する。塩化物濃度に作用する生理学的因子は、ナトリウム濃度にも同様に影響する。従って、一態様では、ナトリウム濃度と塩化物濃度との関係を使用して、患者の測定された塩化物濃度と比べて患者の測定されたナトリウム濃度が妥当または正確であるかの尤度を評価する。別の態様では、ナトリウムレベルと塩化物レベルとの関係を使用して、患者の測定されたナトリウム濃度と比べて患者の測定された塩化物濃度が妥当または正確であるかの尤度を評価する。
カルシウム/アルブミン
カルシウムは、様々な生理学的プロセスのために重要である。血液中では、カルシウムのかなりの部分がタンパク質アルブミンに結合している。つまり、アルブミン濃度が正常より低い患者は、典型的に、正常より低いカルシウム濃度を示す。逆に、アルブミン濃度が高くなると、測定されるカルシウム濃度が対応して高くなる。従って、一態様では、カルシウム濃度とアルブミン濃度との関係を使用して、患者の測定されたアルブミン濃度と比べて患者の測定したカルシウム濃度が妥当であるかの尤度を評価する。別の態様では、カルシウム濃度とアルブミン濃度との関係を使用して、患者の測定されたカルシウム濃度と比べて患者の測定されたアルブミン濃度が妥当または正確であるかの尤度を評価する。
クレアチニンは腎不全の指標として使用され、高いクレアチニン濃度(例えば、≧1.5 mg/dL)は腎機能の障害に関連する。腎機能障害を有する患者は、典型的に、正常な腎機能を有する個人と比べて、所定のアルブミン濃度において低いカルシウム濃度を示す。従って、一態様では、患者のカルシウムおよびアルブミン濃度値を、測定されたクレアチニンのレベルに基づいてサブカテゴリーに分類できる。
総コレステロール/高密度リポタンパク質(HDL)/低密度リポタンパク質(LDL)
一態様では、HDL濃度と総コレステロール濃度との関係を使用して、患者の測定された総コレステロール濃度と比べて患者の測定されたHDL濃度が妥当または正確であるかの尤度を評価する。別の態様では、HDL濃度と総コレステロール濃度との関係を使用して、患者の測定されたHDL濃度と比べて患者の測定された総コレステロール濃度が妥当または正確であるかの尤度を評価する。
さらに別の態様では、LDL濃度と総コレステロール濃度との関係を使用して、患者の測定されたLDL濃度と比べて患者の測定された総コレステロール濃度が妥当または正確であるかの尤度を評価する。同様に、一態様では、本発明の方法を採用して、患者の測定された総コレステロールと比べて患者の測定されたLDL濃度が妥当または正確であるかの尤度を評価する。
本発明の方法を採用し、LDLレベルとHDLレベルとの関係に基づいて測定されたLDLおよびHDL値の妥当性を評価することもできる。一態様では、LDL値とHDL値との関係を使用して、患者の測定されたLDL値と比べて患者の測定されたHDLレベルが妥当または正確であるかの尤度を評価する。別の態様では、LDL値とHDL値との関係を使用して、患者の測定されたHDL値と比べて患者の測定されたLDLレベルが妥当または正確であるかの尤度を評価する。
総タンパク質/アルブミン
一態様では、本発明の方法を使用して、患者のアルブミンレベルに基づいて患者の総タンパク質レベルが正確または妥当(すなわち、エラーでないこと)であるか否かを決定する。別の態様では、本発明の方法を使用して、患者の総タンパク質レベルに基づいて患者のアルブミンレベルが正確または妥当(すなわち、エラーでないこと)であるか否かを決定する。
直接ビリルビン/総ビリルビン
ビリルビンは、胆汁の素となる色素であり、ヘモグロビンの分解により誘導される。数回の分解ステップ後、遊離型ビリルビンはアルブミンに結合されて、血液を介して肝臓まで運ばれる。このビリルビンは水には溶解せず、不溶性、間接型または非抱合型と称される。肝臓において、ビリルビンはグルクロニドと抱合することにより可溶性になる。直接型または抱合型と呼ばれる水溶性ビリルビンは、他の胆汁成分と共に、胆管、そして腸へと運ばれる
直接および間接形態のビリルビンの合計を総ビリルビンと呼ぶ。総ビリルビンの決定および直接ビリルビンの測定のために、慣習的な分析手順が存在している。間接画分は、直接値を合計値から引くことによって得られる。
一態様では、本発明の方法を使用して、患者の直接ビリルビンレベルに基づいて患者の総ビリルビンレベルが正確または妥当であるか否かを決定する。別の態様では、本発明の方法を使用して、患者の総ビリルビンレベルに基づいて患者の直接ビリルビンレベルが正確または妥当であるか否かを決定する。
カリウム/総CO 2
カリウムは、細胞中の流体の平衡を維持する助けをし、酵素反応に関与する。高度に上昇したカリウムレベルは、腎不全および肝疾患の両方に関連する。さらに、高いカリウムは心不全をもたらし得る。低いカリウムレベルは、場合によっては、糖尿病、嘔吐および/または下痢に関連する。血中カリウムレベルは、アルドステロン機能、ナトリウム再吸収および酸塩基平衡を含む様々な要因に左右される。血清カリウムの一般値は、約3.5mEq/L〜約5.0mEq/Lに及ぶ。
患者のC02レベルは、肺中の二酸化炭素の呼吸交換に関係し、哺乳動物の緩衝系(buffering system)の一部である。他の電解質と併用された場合には、患者のC02レベルは、アシドーシスおよびアルカリ度の良い指標となる。
正常な成人の総CO2の範囲は、約22mEq/L〜約32mEq/Lである。正常な子供の総CO2の範囲は、約20mEq/L〜約28mEq/Lである。
一態様では、カリウムレベルと総CO2レベルとの関係を使用して、患者の測定されたC02レベルと比べて患者の測定されたカリウムレベルが妥当または正確であるかの尤度を評価する。別の態様では、カリウムレベルと総CO2レベルとの関係を使用して、患者の測定されたカリウムレベルと比べて患者の測定されたC02レベルが妥当または正確であるかの尤度を評価する。
塩化物/総CO 2
一態様では、塩化物レベルと総CO2レベルとの関係を使用して、患者の測定されたC02レベルと比べて患者の測定された塩化物レベルが妥当または正確であるかの尤度を評価する。別の態様では、塩化物レベルと総CO2レベルとの関係を使用して、患者の測定された塩化物レベルと比べて患者の測定されたC02レベルが妥当または正確であるかの尤度を評価する。
血中尿素窒素(BUN)/クレアチニン
BUNおよびクレアチニンの両方を糸球体で濾過する。正常な血清中には、約7 mg/dL〜約30 mg/dLのBUNが存在し;約0.7 mg/dL〜約1.2 mg/dLのクレアチニンが存在する。BUN:クレアチニンの正常範囲は約10〜20:1である。この範囲は、BUN再吸収が正常な範囲内にあることを示す。20:1を上回ると、BUN再吸収が高い。対照的に、10:1よりも低い比率では、BUN再吸収が低く、これは腎障害を示し得る。
一態様では、BUNレベルとクレアチニンレベルとの関係を使用して、患者の測定されたクレアチニンレベルと比べて患者の測定されたBUNレベルが妥当または正確であるかの尤度を決定する。別の態様では、BUNレベルとクレアチニンレベルとの関係を使用して、患者の測定されたBUNレベルと比べて患者の測定されたクレアチニンレベルが妥当または正確であるかの尤度を決定する。
アミノトランスフェラーゼ(AST)/アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)
AST/ALT比は、場合によって、肝障害の原因を区別するために有用である。例えば、比率が2.0を上回る場合、肝障害がアルコール性肝炎に関連している可能性が高い(Am. J. Gastroenterol. 94、pp.1018-1022)。比率が1.0未満である場合、肝障害がウイルス性肝炎に関連している可能性が最も高い。
一態様では、ASTレベルとALTレベルとの関係を使用して、患者の測定されたALTレベルと比べて患者の測定されたASTレベルが正確または妥当であるかの尤度を決定する。同様に、別の態様では、ASTレベルとALTレベルとの関係を使用して、患者の測定されたASTレベルと比べて患者の測定されたALTレベルが正確または妥当であるかの尤度を決定する。
アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)/アルカリホスファターゼ(ALP)
一態様では、ALTレベルとALPレベルとの関係を使用して、患者の測定されたALPレベルと比べて患者の測定されたALTレベルが正確または妥当であるかの尤度を決定する。別の態様では、ALTレベルとALPレベルとの関係を使用して、患者の測定されたALTレベルと比べて患者の測定されたALPレベルが正確または妥当であるかの尤度を決定する。
アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)/γ- グルタミルトランスフェラーゼ(GGT)
血清GGT対ALTの比は、抗ウイルス療法を評価するためのパラメーターとして使用する。高い比率は、アルコール依存症またはアルコール性肝疾患を示し得る。なぜなら、アルコールの消費によってGGTレベルが高まるからである。正常GGTの上限は、約40U/L〜約78U/Lである。高いGGTレベルは、通常、肝臓、膵臓および胆管系の疾患に関連している。
一態様では、ALTレベルとGGTレベルとの関係を使用して、患者の測定されたGGTレベルと比べて患者の測定されたALTレベルが正確または妥当であるかの尤度を決定する。別の態様では、ALTレベルとGGTレベルとの関係を使用して、患者の測定されたALTレベルと比べて患者の測定されたGGTレベルが正確または妥当であるかの尤度を決定する。
カルシウム/リン
典型的に、健康な患者については、血中のカルシウム対リンの比率は2.5:1である。これより高いかまたは低い比率は、患者がホルモン平衡異常をきたしていることを示しうる。高いリン対カルシウム比により、身体は感作され、炎症し易くなる。この比率は、副甲状腺機能および食べ物の選択により影響される。
一態様では、カルシウムレベルとリンレベルとの関係を使用して、患者の測定されたカルシウムレベルと比べて患者の測定されたリンレベルが正確または妥当であるかの尤度を決定する。同様に、別の態様では、カルシウムレベルとリンレベルとの関係を使用して、患者の測定されたリンレベルと比べて患者の測定されたカルシウムレベルが正確または妥当であるかの尤度を決定する。
カルシウム/マグネシウム
健康な患者については、カルシウム:マグネシウム比は約2〜約1である。この範囲外の比率は、健康上の問題(例えば、腎臓結石)をもたらし得る。
一態様では、カルシウム濃度とマグネシウム濃度との関係を使用して、患者の測定されたカルシウムレベルと比べて患者の測定されたマグネシウムレベルが正確または妥当であるかの尤度を決定する。同様に、別の態様では、カルシウム濃度とマグネシウム濃度との関係を使用して、患者の測定されたマグネシウムレベルと比べて患者の測定されたカルシウムレベルが正確または妥当であるかの尤度を決定する。
カリウム/クレアチニン
一態様では、カリウム濃度とクレアチニン濃度との関係を使用して、患者の測定されたクレアチニン濃度と比べて患者の測定されたカリウム濃度が正確または妥当であるかの尤度を決定する。別の態様では、カリウム濃度とクレアチニン濃度との関係を使用して、患者の測定されたカリウム濃度と比べて患者の測定されたクレアチニン濃度が正確または妥当であるかの尤度を決定する。
クレアチンキナーゼ(CK)/乳酸脱水素酵素(LDH)
健康な患者は、一部の態様において、以下のCKおよびLDH濃度を示す:
クレアチンキナーゼ(男性)約25 U/L〜約90 U/L
クレアチンキナーゼ(女性) 約10 U/L〜約70 U/L
LDH、血清:約45 U/L〜約90 U/L。
一態様では、CK濃度とLDH濃度との関係を使用して、患者の測定されたLDH濃度と比べて患者の測定されたCK濃度が正確または妥当であるかの尤度を決定する。別の態様では、CK濃度とLDH濃度との関係を使用して、患者の測定されたCK濃度と比べて患者の測定されたLDH濃度が正確または妥当であるかの尤度を決定する。
マグネシウム/カリウム
一態様では、マグネシウム濃度とカリウム濃度との関係を使用して、患者の測定されたカリウム濃度と比べて患者の測定されたマグネシウム濃度が正確または妥当であるかの尤度を決定する。同様に、別の態様では、マグネシウム濃度とカリウム濃度との関係を使用して、患者の測定されたマグネシウム濃度と比べて患者の測定されたカリウム濃度が正確または妥当であるかの尤度を決定する。
アニオンギャップ/カリウム
患者のアニオンギャップレベルは、血液中に存在するイオン(アニオンおよびカチオンの両方)のおおよその測定である。アニオンギャップの生理学的範囲は、典型的に、約10MMol/L〜約12MMol/Lである。
一態様では、アニオンギャップとカリウム濃度との関係を使用して、患者の測定されたカリウム濃度と比べて患者の測定されたアニオンギャップ値が正確または妥当であるかの尤度を決定する。同様に、別の態様では、アニオンギャップとカリウム濃度との関係を使用して、患者の測定されたアニオンギャップ値と比べて患者の測定されたカリウム濃度が正確または妥当であるかの尤度を決定する。
ナトリウム/カリウム
一態様では、ナトリウム濃度とカリウム濃度との関係を使用して、患者の測定されたカリウム濃度と比べて患者の測定されたナトリウム濃度が正確または妥当であるかの尤度を決定する。同様に、別の態様では、ナトリウム濃度とカリウム濃度との関係を使用して、患者の測定されたナトリウム濃度と比べて患者の測定されたカリウム濃度が正確または妥当であるかの尤度を決定する。
塩化物/カリウム
一態様では、塩化物レベルとカリウムレベルとの関係を使用して、患者の測定されたカリウムレベルと比べて患者の測定された塩化物レベルが正確または妥当であるかの尤度を決定する。別の態様では、塩化物レベルとカリウムレベルとの関係を使用して、患者の測定された塩化物レベルと比べて患者の測定されたカリウムレベルが正確または妥当であるかの尤度を決定する。
マグネシウム/リン酸塩
一態様では、マグネシウムレベルとリン酸塩レベルとの関係を使用して、患者の測定されたリン酸塩レベルと比べて患者の測定されたマグネシウムレベルが正確または妥当であるかの尤度を決定する。別の態様では、マグネシウムレベルとリン酸塩レベルとの関係を使用して、患者の測定されたマグネシウムレベルと比べて患者の測定されたリン酸塩レベルが正確または妥当であるかの尤度を決定する。
本発明の方法
一態様では、本発明は、2つ以上の検体間の検体濃度(または存在量)の関係を評価することによって、臨床化学、診断、およびポイント・オブ・ケア検査の結果を検証する方法を提供する。さらなる態様では、検体の関係は、2つ、3つ、4つまたは5つの検体間のものであり得る。別の態様では、検体の濃度関係は2つの検体(検体対)のものであり、検体対と上記列挙した対から選択される。
尤度分布
2つ以上の検体について測定された検体値の正確度(例えば、測定された塩化物値に基づいて測定されたナトリウムレベル(もしくはその逆)の妥当性)を検証するために、所定の尤度分布を使用するか、または既に回収されているデータを使用して対をなす検体濃度(もしくは存在量)値の尤度分布を確立する。本発明は、尤度分布を確立するために、特定の大きさのデータセットに限定されないが、典型的に、より大きいデータセットが好ましい。例えば、一態様では、少なくとも約10,000患者サンプルから得たデータを使用して尤度分布を確立する。別の態様では、少なくとも約20,000サンプル、少なくとも約30,000サンプル、少なくとも約40,000サンプル、少なくとも約50,000サンプル、少なくとも約60,000サンプル、少なくとも約70,000サンプル、少なくとも約80,000サンプル、少なくとも約90,000サンプル、少なくとも約100,000サンプル、少なくとも約110,000サンプル、少なくとも約120,000サンプル、少なくとも約130,000サンプル、少なくとも約140,000サンプル、少なくとも約150,000サンプル、少なくとも約160,000サンプル、少なくとも約170,000サンプル、少なくとも約180,000サンプル、少なくとも約190,000サンプル、少なくとも約200,000サンプル、少なくとも約250,000サンプル、少なくとも約300,000サンプル、少なくとも約350,000サンプル、少なくとも約400,000サンプル、少なくとも約450,000サンプル、または少なくとも約500,000サンプルから得たデータを使用して尤度分布を確立する。
一態様では、まず、一方の検体の濃度に応じて対をなす検体データを分類して、尤度分布を決定する。例えば、ナトリウム/塩化物の例では、対をなすデータは、ナトリウム濃度、または塩化物濃度のいずれかに応じて仕分けできる。
データをまず仕分けしたら、一態様では、明らかな異常値がデータセットから排除される。異常値とは、一態様では、生理学的濃度または存在量の範囲から少なくとも約50%外れた検体濃度値が含まれる。本発明で使用する検体の生理学的範囲は、当業者に公知である。別の態様では、信頼性のある信頼区間を確立するために存在する第二の検体値が少な過ぎる場合には、そのような第二の検体値をそれぞれ有する対をなす値は異常値として破棄される。
一態様では、対をなす検体データは、一方の検体の濃度に応じて複数のビンに分けられる。例えば、対をなす検体データは、一態様では、一方の検体の測定された濃度に応じて少なくとも10の異なるビン、一方の検体の測定された濃度に応じて少なくとも15の異なるビン、一方の検体の測定された濃度に応じて少なくとも20の異なるビン、一方の検体の測定された濃度の1つに応じて少なくとも25の異なるビン、一方の検体の測定された濃度に応じて少なくとも30の異なるビン、一方の検体の測定された濃度に応じて少なくとも31の異なるビン、一方の検体の測定された濃度に応じて少なくとも32の異なるビン、一方の検体の測定された濃度に応じて少なくとも33の異なるビン、一方の検体の測定された濃度に応じて少なくとも34の異なるビン、一方の検体の測定された濃度に応じて少なくとも35の異なるビン、一方の検体の測定された濃度に応じて少なくとも36の異なるビン、一方の検体の測定された濃度に応じて少なくとも37の異なるビン、一方の検体の測定された濃度に応じて少なくとも38の異なるビン、一方の検体の測定された濃度に応じて少なくとも39の異なるビン、または一方の検体の測定された濃度に応じて少なくとも40の異なるビンに分けられる。さらに別の態様では、検体データを少なくとも40または少なくとも50の異なるビンに分ける。
一態様では、対をなす検体はナトリウムおよび塩化物である。さらなる態様では、対をなす濃度データを、測定されたナトリウム濃度に応じて仕分ける。別の態様では、対をなす濃度データを、測定された塩化物濃度に応じて仕分ける。
別の態様では、対をなす検体は、総コレステロールおよび低密度リポタンパク質(LDL)である。さらなる態様では、対をなす濃度データを、測定されたLDL濃度に応じて仕分ける。別の態様では、対をなす濃度データを、測定された総コレステロール濃度に応じて仕分ける。
別の態様では、対をなす検体は、総コレステロールおよび高密度リポタンパク質(HDL)である。さらなる態様では、対をなす濃度データを、測定されたHDL濃度に応じて仕分ける。別の態様では、対をなす濃度データを、測定された総コレステロール濃度に応じて仕分ける。
一態様では、検体対は、上節で列挙した対から選択される。
上記したように、本発明は、本明細書に記載する検体に限定されない。濃度または存在量の関係(すなわち、既知の関係またはデータマイニングによって決定される関係)を有するあらゆる検体対が本発明の方法で使用できる。
一態様では、尤度分布を確立するために使用されるデータは、少なくとも約500,000の対をなすデータ点を含み、対をなすデータ点は、少なくとも約30ビン、少なくとも約31ビン、少なくとも約32ビン、少なくとも約33ビン、少なくとも約34ビン、少なくとも約35ビン、少なくとも約36ビン、少なくとも約37ビン、少なくとも約38ビン、少なくとも約39ビン、少なくとも約40ビン、少なくとも約40ビンまたは少なくとも約50ビンに仕分けされる。
一態様では、尤度分布を確立するために使用されるデータセットは、少なくとも約10,000のデータ点または少なくとも約100,000の対をなすデータ点を含み、対をなすデータ点は、一方の検体(「第二の検体」と称する)の濃度に応じて、少なくとも約20ビン、少なくとも約21ビン、少なくとも約22ビン、少なくとも約23ビン、少なくとも約24ビン、少なくとも約25ビン、少なくとも約26ビン、少なくとも約27ビン、少なくとも約28ビン、少なくとも約29ビンまたは少なくとも約30ビンに仕分けされる。
いったんデータをビンに仕分けしたら、第二の検体ビンそれぞれに関連する第一の検体の濃度または存在値についての信頼区間が決定される。例えば、データを20のビンに仕分けした場合、20(すなわち、各ビンにつき1)の信頼区間が決定される。上記したように、データは、どちらの検体の濃度(または存在量)値に応じても仕分けすることができる。例えば、データを塩化物ビンに仕分けして、それぞれの塩化物ビンに関連付けられたナトリウム値についての信頼区間が決定できる。代替的なナトリウム/塩化物態様では、データをナトリウムビンに仕分けして、それぞれのナトリウムビンに関連付けられた塩化物値について信頼区間が決定できる。
一態様では、第二の検体(すなわち、データの仕分けは第二の検体に対して行う)の濃度に関連付けられた第一の検体濃度について90%信頼区間が決定される。別の態様では、それぞれのデータビンに対して、第二の検体濃度に関連付けられた第一の検体濃度について92.5%信頼区間が決定される。別の態様では、それぞれのデータビンに対して、第二の検体濃度に関連付けられた第一の検体濃度について95%信頼区間が決定される。さらに別の態様では、それぞれのデータビンに対して、第二の検体濃度に関連付けられた第一の検体濃度について97.5%信頼区間または99%信頼区間が決定される。
いったんデータの各ビンについて信頼区間を決定したら、(第二の検体濃度に関連付けられた)第一の検体濃度の信頼上限および信頼下限(本明細書において「パーセンタイル限界」とも称される)が決定される。例えば、下限Aおよび上限Bを有する95%信頼水準では、母集団の95%がAとBとの間にある。残りの5%の値のうち、2.5%はA未満で、2.5%はBを上回る。従って、95%信頼区間については、信頼限界は2.5%限界および97.5%限界と称される。これらの限界に関連する検体濃度値を使用して、尤度分布の境界線を確立する。下限を下回る値、または上限を上回る値は、真の測定エラーを示す可能性が最も高い。
下限Aおよび上限Bを有する97.5%信頼区間については、母集団の97.5%がAとBとの間にある。残りの2.5%の値のうち、1.25%はA未満で、1.25%がBを上回る。従って、97.5%信頼区間の信頼限界は1.25%限界および98.75%限界である。
いったん各データビンについて信頼区間を確立したら、一態様では、各区間についての上限および下限をグラフに描く(例えば、図1〜3を参照のこと)。
一態様では、データをグラフに描いたか否かとは無関係に、それぞれの信頼区間の上限および下限の両方に曲線をフィットさせる(例えば、回帰曲線)。本態様では、対をなす検体濃度または存在量データのそれぞれについての尤度分布の境界線を2本の曲線で確立する。上限曲線を上回るまたは下限曲線を下回るデータ点は、妥当でないまたはエラーであるとみなされる。
関係が線形または非線形であるか否かに応じて(例えば、最小二乗回帰、指数、一次多項式、二次多項式、三次多項式、四次多項式を採用してデータにフィットさせることができる)、信頼限界データ点をフィットさせることは、当業者は容易に知ることができる。さらに、GNU Scientific Library(gnu.org)、SciPy(scipy.org)、OpenOpt(openopt.org)、MATLAB(Mathworks、Natick、MA)およびLabview(National Instruments、Austin、TX)等の多くの統計的パッケージはそれぞれ、曲線フィッティングおよび回帰分析のためのソフトウェアを含んでいる。従って、当業者は、これらのソフトウェアパッケージのいずれかを使用して検体濃度データをフィットさせることができる。
当業者には、曲線フィッティングについての手引きとして以下の資料を挙げる(それぞれ参照により本明細書に組み入れる)。 Draper, Applied Regression Analysis, Third Edition, Wiley-Interscience(ISBN 0471170828);Cohenら Applied Multiple Regression/Correlation Analysis for the Behavioral Sciences, Second edition(ISBN 0805822232);Schittkowski(2002)EASY-FIT:動的システムにおけるデータフィッティング用のソフトウェアシステム、Structural and Multidisciplinary Optimization, V.23, pp.153-169。
一態様では、曲線を信頼下限および信頼上限にフィッティングさせることなく尤度分布を確立する。この態様では、信頼上限および信頼下限自体が尤度分布の境界線を確立する。従って、これらの境界線内にあるデータ点は妥当または正確な測定であるとみなされる一方で、境界線外にあるデータ点は妥当でないまたは不正確であるとみなされる。
一態様では、いったん所定の検体濃度(または存在量)データセットについての尤度分布を確立すると、分布に対して患者データを分析して、測定がエラーであるかまたは妥当であるかを決定する。さらなる態様では、尤度分布に当てはまる患者の検体濃度(または存在量)データはエラーでない。
本発明で使用する機器
本発明の方法においては、尤度分布を使用して、様々な検体に対するポイント・オブ・ケア検査の結果を検証する。尤度分布を確立するために使用したデータとは異なる機器から検証用のデータを得る場合は、補正係数(本明細書において校生係数とも称する)を採用して、異なる機器から獲得したデータを使用することによって生じるあらゆるバイアスを補正できる。
一態様では、複数の機器(例えば、少なくとも2つまたは少なくとも3 つの機器)から獲得したデータを使用して、対をなす検体のデータ点の尤度分布を作成する。
一態様では、各機器における検体基準(すなわち、校正溶液)の濃度を測定することによって補正係数を決定する。一態様では、検体基準は、第二の検体(すなわち、対をなす検体濃度値が最初に仕分けされる元となる検体)のサンプルである。
例えば、一態様では、第一の機器における校正溶液の測定された濃度は1mg/mLであり、第二の機器においては0.5mg/mLである。この態様では、補正係数(校生係数)は2である。検体基準の測定された濃度が両方の機器について同じであった場合には、その特定の検体については補正係数は必要ない(すなわち、補正係数は1となる)。一態様では、2つの機器における検体基準の濃度を比較し、値を比較することにより補正係数が決定される。さらなる態様では、使用される濃度は、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、または少なくとも10の測定の平均濃度である。
一態様では、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、または少なくとも5つの機器から回収した検体濃度(または存在量)データが、本発明の方法に使用できる。3つ以上の機器を使用する態様では、複数の補正係数を採用する。すなわち、各機器に対して1つの補正係数を採用する。
一態様では、尤度分布を作るために、単一の機器から回収した検体濃度(または存在量)データを使用する。さらなる態様では、尤度分布に基づいて検証される対をなす検体の濃度値は、少なくとも2つまたは少なくとも3つの異なる機器から得られる。例えば、第一の機器(すなわち、尤度分布のために使用される機器)における特定の校正溶液の測定された濃度が1mg/mLであり、第二の機器における同じ検体の測定された濃度が0.5mg/mLであり、第3の機器における測定された濃度が2mg/mLである場合、第二および第三の機器についての校生係数はそれぞれ2および0.5である。
一態様では、いったん補正/校生係数を決定したら、機器のソフトウェアは、患者サンプルの検体濃度に到達する際にこの係数を採用する。
本発明は、Beckman DxCまたはAbaxis Piccolo化学分析器のいずれかを使用した場合について主に記載しているが、それらに限定されない。例えば、一態様では、最初の尤度分布および/または検証される患者データは、以下の機器のうちの1つ以上で測定された患者結果から確定することができる:すなわち、Beckman DxC臨床化学分析器(Beckman Coulter、Brea、CA)、Beckman LX-20臨床化学分析器(Beckman Coulter、Brea、CA)、Piccolo化学分析器(Abaxis、Union City、CA)、Vitros 950(登録商標)化学システム(Ortho Clinical Diagnostics、Hong Kong)、ADVIA(登録商標)化学システム(Siemens、Deerfield、IL)、COBAS INTEGRA(登録商標)(Roche、Basel、Switzerland)、COBAS(登録商標)モジュール分析器(Roche、Basel、Switzerland)、COBAS Fara(登録商標)(Roche、Basel、Switzerland)、Paramax(登録商標)機器、Radiometer KNA(登録商標)機器(Radiometer America、Westlake、OH)、または当該分野で公知の他のあらゆる分析器。さらに、臨床化学分析器がNova Biomedical Corporation、Olympus America、Inc.、Shimadzu Corp.、Sysmex Corp.、Thermo、Fisher Scientific Inc、Vital Scientific B.V.、Horiba、Ltd.、JEOL Ltd.、Abbott Diagnostics、およびAdaltis Incから入手可能である。
過度な実験を必要とせずに上記機器を操作することは、分析化学の当業者の技術内に十分ある。
人口統計学的評価
一態様では、本発明の方法を使用して、特定の人口統計から検体濃度データを評価する。この態様では、本発明の方法を上に概説したように実施する。ただし、尤度分布を確立する前に、ユーザーによって選択される人口統計に応じて患者データを仕分ける。例えば、一態様では、以下に応じて患者データを仕分けることができる:すなわち(1)性別;(2)人種;(3)腎不全の有無(例えば、患者の測定されたクレアチニンレベルを使用);(4)肝不全の有無;(5)出生国;(6)特定の薬物の使用;(7)過去の臨床または診断検査の結果;(8)外来患者、対、入院患者;(9)患者が糖尿病であるか否か;(10)年齢による分類、(11)肝疾患、(12)アルコール依存症(例えば、ALT/GGT比について)等に応じて仕分けされ得る。あるいはまた、ユーザーは、それぞれの人口統計について所定の尤度分布を採用する。
人口統計の例の上記一覧は限定することを意図したものではない。本発明のユーザーは、関係のあり得る特定の人口統計を特定することができる。
いったんデータを人口統計(例えば、「サブデータベース」)に仕分けしたら、本発明の方法を上に概説したように実施する。各サブデータベースにおけるデータを、第二の検体の濃度値に応じて複数のビンに仕分けする。一態様では、この時点で、データ異常値(上記定義した通り)が存在した場合には、データセットからすぐに破棄される。
異常値が破棄されたか否かに関わらず、仕分けされたデータを上述したように複数のビン(例えば、少なくとも10の異なるビン)に分類する。さらなる態様では、各サブデータベース由来の検体データを、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも45、または少なくとも50のビンに仕分けする。一態様では、1つのサブデータベースに由来するデータセットは、他のサブデータベースにおけるデータと同じ数のビンに仕分けする。別の態様では、1つのサブデータベースに由来するデータセットは、他のサブデータベースにおけるデータと異なる数のビンに仕分けする。各サブデータベースにおけるデータ点の数に応じて、当業者は、仕分けされたデータセットをどのようにして適切にビン化するか容易に分かるであろう。
次に、ユーザーの選択した信頼区間(例えば、中央95%または中央97.5%信頼区間)における尤度分布が確立される(各サブデータベースにおける各データビンについて)。一態様では、次に、各ビンの信頼区間についての上限および下限は、グラフ形態に描かれる。一態様では、信頼上限および信頼下限は、各サブデータベースについての尤度分布を確立する。
別の態様では、曲線(例えば、回帰曲線)を、(各人口統計についての)(1)信頼下限、および(2)信頼上限の両方にフィットさせて、各人口統計について適切な測定の空間(すなわち、尤度分布)を確立させる。この空間から外れる(すなわち、上の曲線の上または下の曲線の下のいずれかにある)測定はエラーまたは妥当でないとみなされる。
一態様では、いったん尤度分布を確立したら(曲線フィッティングの有無にかかわらず)、分布に対して患者検体データを分析して、患者検体データがエラーであるかどうか決定する。患者検体データが尤度分布内にあれば、データはエラーでない。
分析するデータを、尤度分布を確立するのに使用したデータを獲得するために使用した機器とは異なる1つ以上の機器から得る場合、上に詳細に記載したように、1つ以上の補正/校生係数を採用する。
3つ以上の検体
一態様では、本発明は、3つ以上の検体間の関係の評価に基づいて、ポイント・オブ・ケア検査の結果を検証する方法を提供する。さらなる態様では、本発明は、3つ、4つまたは5つの検体間の関係の評価に基づいてポイント・オブ・ケア検査の結果を検証する方法を提供する。
3つの検体を使用する態様では、1つの検体の濃度値に基づいて患者の検体濃度データを最高値から最低値、または最低値から最高値まで仕分けする。仕分けされた検体の各検体濃度に他の2つの検体濃度を関連付ける。この時点で、一態様では、データ異常値(上述した通り)を、データセットから破棄する。次に、濃度データを複数のビンに分ける。対をなす検体について上述したように、中央信頼区間を各ビンに対して決定する。
その後、各信頼区間の下限および上限をグラフに描くことができる。一態様では、軸(すなわち、x、yおよびz軸)がそれぞれ1つの検体の濃度に対応するように、データが三次元グラフに描かれる。信頼上限および信頼下限を使用して尤度分布を確立して、他の患者から得た3つの検体についての検体濃度データの妥当性を評価するために使用する。
一態様では、いったん尤度分布を確立したら(曲線フィッティングの有無とは無関係に)、分布に対して患者検体データを分析して、患者検体データがエラーでないかを決定する。患者検体データが尤度分布内にあれば、データはエラーでない。
本発明の方法の自動化
一態様では、本明細書で提供する方法を、診断または臨床化学機器のソフトウェアに組み込む。さらなる態様では、機器は上記した機器から選択される。別の態様では、本明細書で提供する方法をミドルウェアに組み込んで、機器が行った測定の正確度の尤度を評価する。
一態様では、本発明のソフトウェア製品は、本発明の方法の工程を行うためのコンピュータで実行可能な命令を有するコンピュータで読み取り可能な媒体を含む。適切なコンピュータで読み取り可能な媒体としては、CD、CD-ROM、DVD、DVD-ROM、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ、ROM/RAM、磁気ディスクまたはテープ、光ディスク等が挙げられるがこれらに限定されない。
本発明の方法を実施するためのコンピュータで実行可能な命令は、ユーザーの選択によって、1つのコンピュータ言語、またはいくつかのコンピュータ言語の組合せによって書き込まれ得る。例えば、以下のコンピュータ言語の1つ以上が採用できる:すなわち、C、C++、C#、Java、JavaScript、Perl、PHP、Python、Ruby、SQL、Fortran。
以下の実施例を参照して、本発明をさらに説明する。ただし、これらの実施例は、上記態様と同様に、例示のためだけのものであり、本発明の使用可能な範囲を決して限定するものと解釈されるべきではないことに留意されたい。
実施例1-ナトリウムと塩化物濃度との間の予想される関係を評価することによるポイント・オブ・ケア検査の結果の検証
ナトリウムおよび塩化物は、血液中に存在する主要な細胞外イオンを構成する。塩化物濃度に作用する生理学的因子は、ナトリウム濃度にも同様に影響する。従って、ナトリウムと塩化物との関係を使用して、測定された塩化物濃度と比べて患者の測定されたナトリウム濃度が妥当または正確であるかの尤度を評価できる。
ナトリウム濃度と塩化物濃度との関係を評価して、対応する測定された塩化物濃度に基づいて、測定されたナトリウム濃度の正確度/妥当性を検証した。
Beckman DxC 臨床化学分析器で分析した500,000を超える患者サンプルから得た検査結果を使用して、ナトリウムおよび塩化物濃度値のデータベースを確立する。
ナトリウムおよび塩化物の両方についてのデータを含む全てのサンプルを、測定された塩化物濃度値に応じて仕分けする。この実施例では、85 mmol/L〜120 mmol/Lの塩化物値を有する患者の結果を使用した。この範囲を上回るかまたは下回る塩化物濃度値を有する患者は、異常値として破棄した。対をなす濃度データを、測定された塩化物濃度に応じて36の異なるビンに仕分けした。各塩化物ビンはナトリウム濃度値の範囲を含み、各塩化物濃度ビンに関連付けられたナトリウム濃度値の数は475〜38,433に及んだ。
次に、各塩化物ビンに関連付けられたナトリウム濃度値についての中央97.5%信頼区間を計算した。DxCおよびPiccolo化学分析器で測定した検体濃度に存在する既知のわずかなバイアスについて信頼区間を補正した。図1のグラフの表題にある+3とは、Beckman分析器で得られた測定結果と比較した場合に、Piccoloを使用して測定したNa値が約3 mmol/L高いという事実を指す。
その後、各塩化物ビンの信頼区間の信頼上限および信頼下限(すなわち、1.25%および98.75%限界)を回帰させる(図1中の2本の曲線を参照)。回帰曲線は、ナトリウムおよび塩化物濃度データの正確度/妥当性を評価するための上下の境界線(すなわち、尤度分布の上下の境界線)の役割を果たした。
結果
ナトリウムおよび塩化物濃度の予想される関係(図1中の尤度分布を確立する2本の曲線を参照のこと)を使用して、Piccolo化学分析器で測定された22,555の患者サンプルから得たナトリウムおよび塩化物濃度データの妥当性または正確度を評価した。対をなす濃度データが上の回帰曲線を上回ったり、または下の回帰曲線を下回った場合(図1)、データはそれぞれ不適切に高いかまたは低いとみなした。
予想される統計学的関係(図1)と比べた場合に、ナトリウム濃度の結果の3.4%が不適切に高く、ナトリウム濃度の結果の3.1%が不適切に低いことが分かった。妥当でないと特定されたナトリウム濃度値の大部分が予想される確率の範囲からぎりぎり外れる一方で、ナトリウムおよび塩化物濃度の関係が統計学的に不可能で真のエラーを示す結果がいくつかあった(図1)。
これらの結果に基づき、ポイント・オブ・ケア患者のデータを検証するために本明細書に概説した方法は、可能性のあるエラーを特定するための着実な技術である。エラーを特定するためのアルゴリズムは、ポイント・オブ・ケアデータを扱うために使用されるミドルウェアソフトウェアに簡単に自動化され、機器自体のソフトウェアに組み込まれ得る可能性がある。
実施例2-患者が病院内(入院患者)または病院外(外来患者)にいるか否かに応じた、測定された塩化物値に基づく測定されたナトリウム値におけるエラーの尤度の評価
ナトリウム濃度と塩化物濃度との関係を評価して、妥当なナトリウムおよび塩化物濃度値の範囲を確立した。
Beckman DxC臨床化学分析器で分析した500,000を超える患者サンプルから得た検査結果を使用して、ナトリウムおよび塩化物濃度値のデータベースを確立した。その後、このデータベースにおける値を2つのサブデータベース、すなわち、(1)入院患者から得た結果および(2)外来患者から得た結果、に分けた。
各サブデータベースについて、ナトリウムおよび塩化物の対をなす濃度データを含む全てのサンプルを仕分けし、測定された塩化物濃度値に応じて36の異なるビンに分類した。各ビンは固有の塩化物値に対応する。本実施例では、85 mmol/L〜120 mmol/Lの塩化物値を有する患者の結果を使用した。この範囲を上回るかまたは下回る塩化物濃度値を有する患者は、異常値として破棄した。
次に、各サブデータベースにおける各塩化物ビンに関連付けられたナトリウム濃度値についての中央97.5%信頼区間を計算した。各信頼区間は、信頼上限および信頼下限を伴う。各サブデータベースにおけるビンに対して確立した97.5%信頼区間は、それぞれのビンに対する上限を98.75%信頼限界とし、それぞれのビンに対する下限を1.25%信頼限界とした。
塩化物濃度の各増分(すなわち、各塩化物濃度ビン)におけるナトリウム濃度に対する1.25%限界および98.75%限界を決定し、グラフに描いた(図2)。入院患者データについては、85 mmol/Lの塩化物に関連付けられたナトリウム濃度値に対する1.25%限界は113 mmol/Lで、85 mmol/Lの塩化物に関連付けられたナトリウム濃度値の98.75%限界は144 mmol/Lであった(図2)。
その後、各サブデータベースの上限および下限を回帰して、検体濃度の尤度分布の上下の境界線を確立した(図2)。尤度分布は、それぞれの患者人口統計に対して、特定の塩化物の測定値において予想されるナトリウム値の範囲を確立した。
入院患者(図2において「x値」)については、対応する塩化物測定値のそれぞれにおいて下の回帰曲線を上回りかつ上の回帰曲線を下回るナトリウム測定値は許容可能であるとみなされ得る。従って、下の回帰曲線を下回るかまたは上の回帰曲線を上回るナトリウム濃度値は、高い測定エラー尤度を有すると考えられ得る。例えば、図2において、105 mmol/Lの塩化物濃度および120 mmol/Lのナトリウムを有する入院患者については、ナトリウム値は下の回帰曲線を下回るため、エラーの確率が高いと考えられ得る。
同様に、外来患者(図2において「+値」)については、それぞれの対応する塩化物測定値において、下の回帰曲線を上回りかつ上の回帰曲線を下回るナトリウム測定値は、許容可能または正確であるとみなされる。例えば、図2において、105 mmol/Lの塩化物濃度および130 mmol/Lのナトリウムを有する外来患者は、ナトリウム値が下の回帰曲線を下回り、エラーの確率が高いと考えられ得る。
実施例3-患者のクレアチニン濃度に応じたアルブミン測定値に基づいてカルシウム濃度測定値のエラーの尤度を評価する方法
クレアチニン、カルシウムおよびアルブミン濃度値を含む約500,000人の患者から得た検査結果を集めた。
患者データを2つのサブデータベースに仕分けした。正常なクレアチニン濃度(<1.5 mg/dL)を有する患者を一方のサブデータベースに分類し、1.5〜3.0 mg/dLのクレアチニン濃度を有する患者は第二のサブデータベースに分類した。
各サブデータベースについて、カルシウムおよびアルブミンの両方のデータを含む全てのサンプルを、測定されたアルブミン濃度に応じて仕分けした。本実施例では、1.0〜5.0 g/dLのアルブミン値を有する患者の結果を仕分けした。信頼できる信頼区間を確立するにはこれらの値を上回るかまたは下回るアルブミン濃度値を有する患者が少な過ぎたいう事実から、この範囲外の値を有する患者サンプルは異常値として破棄した。各サブデータベースにおける患者データを、40の異なるアルブミンビンに仕分けした。
次に、各サブデータベースの値に対して、各アルブミン濃度値に関連付けられたカルシウム濃度値についての97.5%信頼区間を計算した(図3Aおよび3B)。
アルブミン濃度の各増分におけるカルシウム濃度に対する1.25および98.75パーセンタイル限界を決定し、グラフに描いた(図3Aおよび3B)。アルブミン濃度(1.0〜5.0 g/dL)に関連付けられたカルシウム値の1.25および98.75パーセンタイル限界の計算から、特定のアルブミン測定濃度において予想されるカルシウム値の範囲(97.5%信頼区間)を示す分布を得た(図3Aおよび3B)。<1.5 g/dLのクレアチニンを有する患者については、3.0 g/dLのアルブミンに関連付けられたナトリウム値の1.25パーセンタイルは7.5 mg/dLであり、3.0 g/dLのアルブミンに関連付けられたカルシウム値の98.75パーセンタイルは10.1 g/dLである
測定されたクレアチニン濃度の人口統計に基づいて別々のグラフを構築した。図3Aは、1.5 mg/dL未満のクレアチニン値に対するアルブミンとカルシウムとの関係を示す。図3Bは、1.5〜3.0 mg/dLのクレアチニン濃度を有する患者に対する同関係を示す。
本出願を通して引用する特許、特許出願、文献、製品説明書、およびプロトコールは、それらの全体が参照により本明細書に組み入れられる。
本明細書で例示および議論される態様は、発明者が知りうる限り最良な手法で、本発明を作製および使用する方法を当業者に教示することのみを意図したものである。上記教示を考慮することにより、本発明から逸脱することなく、当業者によって本発明の上記態様が改変および変更されることが可能である。従って、請求の範囲およびそれらの等価物の範囲内において、具体的に記載した以外の方法で本発明が実施され得ることが理解されよう。

Claims (8)

  1. 第一の検体の第一の臨床検査結果およびそれに対応する第二の検体の第二の臨床検査結果を、該第一の検体および該第二の検体についての所定の尤度分布と比較する工程、ならびに
    該尤度分布との関係に基づいて該第一の臨床検査結果の妥当性を決定する工程
    を含む、第一の臨床検査結果の妥当性を決定する方法。
  2. 前記第一の臨床検査結果およびそれに対応する前記第二の臨床検査結果を得る工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
  3. 前記第一の臨床検査結果が、前記所定の尤度分布から外れていれば妥当でなく、該所定の尤度分布の内側にあれば妥当である、請求項1記載の方法。
  4. 前記第一の検体および前記第二の検体が、直接ビリルビン/総ビリルビン、HDL/総コレステロール、LDL/総コレステロール、HDL/LDL、アルブミン/カルシウム、ナトリウム/塩化物、BUN/クレアチニン、AST/ALT、総タンパク質/アルブミン、カリウム/総CO2、カルシウム/リン、カルシウム/マグネシウム、カリウム/クレアチニン、マグネシウム/カリウム、アニオンギャップ/カリウム、ナトリウム/カリウム、塩化物/カリウム、マグネシウム/リン酸塩、ALT/GGT、ALT/ALP、CK/LDH、および塩化物/総CO2からなる群より選択される、請求項1記載の方法。
  5. 第一の検体およびそれに対応する第二の検体についての所定の尤度分布の母集団を含むデータベースであって、該第一の検体の臨床検査結果が、該第二の検体の臨床検査結果と相関する、データベース。
  6. コンピュータで読み取り可能な媒体中にある、請求項5記載のデータベース。
  7. 第一の検体の臨床検査結果およびそれに対応する第二の検体の臨床検査結果についての尤度分布を決定する方法であって、
    該第一の検体およびそれに対応する該第二の検体についての複数の臨床検査結果を特定する工程、
    該第二の検体についての結果に基づいて臨床検査結果を仕分けする工程、
    該仕分けされたデータを複数のビンに分類する工程、
    各ビンについて第一の検体の臨床検査結果の値の信頼区間を特定する工程、ならびに
    該信頼区間内にある臨床検査結果に基づいて尤度分布を決定する工程
    を含む方法。
  8. 前記第一の検体およびそれに対応する前記第二の検体が、直接ビリルビン/総ビリルビン、HDL/総コレステロール、LDL/総コレステロール、HDL/LDL、アルブミン/カルシウム、ナトリウム/塩化物、BUN/クレアチニン、AST/ALT、総タンパク質/アルブミン、カリウム/総CO2、カルシウム/リン、カルシウム/マグネシウム、カリウム/クレアチニン、マグネシウム/カリウム、アニオンギャップ/カリウム、ナトリウム/カリウム、塩化物/カリウム、マグネシウム/リン酸塩、ALT/GGT、ALT/ALP、CK/LDH、および塩化物/総CO2からなる群より選択される、請求項7記載の方法。
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