JP2013523010A5 - ビデオ符号化およびビデオ復号化のための暗示的適応型動きベクトル予測子選択の方法および装置 - Google Patents

ビデオ符号化およびビデオ復号化のための暗示的適応型動きベクトル予測子選択の方法および装置 Download PDF

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本原理は一般に、ビデオ符号化およびビデオ復号化に関し、より詳細には、ビデオ符号化およびビデオ復号化のための暗示的適応型の動きベクトル予測の選択(以下、暗示的適応型動きベクトル予測選択)の方法および装置に関する。
最新のビデオ符号化標準、すなわち、International Organization for Standardization/International Electrotechnical Commission (ISO/IEC) Moving Picture Experts Group−4 (MPEG−4) Part 10 Advanced Video Coding (AVC) Standard/International Telecommunication Union、Telecommunication Sector (ITU−T) H.264勧告(以下、「MPEG−4 AVC標準」)では、動きベクトルは、その空間因果的な隣接動きベクトルの中央値によって予測される。動き場が比較的平滑であり、隣接動きベクトルが高い忠実度を有するとき、この手法は非常に簡単で効果的である。しかし、動き場が複雑になる傾向があるとき、この手法は、隣接動きベクトルの中央値を選択することだけでは、うまく機能しない場合がある。さらに、現在の符号化ブロックの周りに、多くの低忠実度の動きベクトルがある可能性がある。これらの要因は、動きベクトル予測の品質の低下を引き起こす場合がある。
動きベクトル競合(MVComp)として知られている技法は、第1の従来技術の手法において説明される。MVCompでは、動きベクトル予測選択の手順は、符号化ブロックのレート歪み最適化の中に組み込まれる。結果として生じる出力として、MVCompは、最良の動きベクトル予測インデックスを復号器に明示的に送信する(または別の方法で伝える、例えば、媒体上に埋め込まれる)。MVCompでは、符号化ブロックは、1組の動きベクトル予測を有する。最良の動きベクトル予測は、レート歪み(RD)最適化に基づいて選択される。組が1より多い候補を有する場合、その組の中の動きベクトル予測のインデックスは、復号器に明示的に送信される。動きベクトル予測のそれぞれがチェックされ、他の動きベクトル予測と比較されるので、このプロセスは非常に最適化される。組は、空間因果的で時間因果的な隣接ブロックに由来する動きベクトルを含むことができる。1組の動きベクトル予測を考慮すると、この手法は、レート歪みという意味において、その組の中の最良の予測を見つけることもできる。しかし、このことは、それぞれの予測をそれぞれの符号化ブロックについてのモード決定ループに引き込むので、符号器における複雑性が非常に大きい。別の短所はオーバーヘッド(例えば、組の中の動きベクトル予測のインデックス)であり、特に低ビットレート用途の場合に、この手法を費用がかかる非効率的なものにする可能性がある。
従来技術のこれらおよび他の欠点および不利点は本原理によって対処され、本原理はビデオ符号化およびビデオ復号化のための暗示的適応型動きベクトル予測選択の方法および装置を対象とする。
本原理のある態様によれば、装置が提供される。この装置は、暗示的適応型動きベクトル予測選択を使用して、ピクチャ内の少なくとも1つのブロックを符号化するためのビデオ符号器を含む。ブロックを符号化するための動きベクトルは、複数の空間時間的な隣接動きベクトルに基づいて、ブロックに対して1組の動きベクトル予測候補を定義し、空間時間的な隣接動きベクトルの忠実度のそれぞれの値に応じて、ブロックを符号化するための動きベクトルとして、特定の動きベクトル予測候補をその組から選択することによって予測される。
本原理の別の態様によれば、ビデオ符号器における方法が提供される。この方法は、暗示的適応型動きベクトル予測選択を使用して、ピクチャ内の少なくとも1つのブロックを符号化するステップを含む。ブロックを符号化するための動きベクトルは、複数の空間時間的な隣接動きベクトルに基づいて、ブロックに対して1組の動きベクトル予測候補を定義し、空間時間的な隣接動きベクトルの忠実度のそれぞれの値に応じて、ブロックを符号化するための動きベクトルとして、特定の動きベクトル予測候補をその組から選択することによって予測される。
本原理のさらに別の態様によれば、装置が提供される。この装置は、暗示的適応型動きベクトル予測選択を使用して、ピクチャ内の少なくとも1つのブロックを復号するためのビデオ復号器を含む。ブロックを復号するための動きベクトルは、複数の空間時間的な隣接動きベクトルに基づいて、ブロックに対して1組の動きベクトル予測候補を定義し、空間時間的な隣接動きベクトルの忠実度のそれぞれの値に応じて、ブロックを復号するための動きベクトルとして、特定の動きベクトル予測候補をその組から選択することによって予測される。
本原理のさらにまた別の態様によれば、ビデオ復号器における方法が提供される。この方法は、暗示的適応型動きベクトル予測選択を使用して、ピクチャ内の少なくとも1つのブロックを復号するステップを含む。ブロックを復号するための動きベクトルは、複数の空間時間的な隣接動きベクトルに基づいて、ブロックに対して1組の動きベクトル予測候補を定義し、空間時間的な隣接動きベクトルの忠実度のそれぞれの値に応じて、ブロックを復号するための動きベクトルとして、特定の動きベクトル予測候補をその組から選択することによって予測される。
本原理のある実施形態による、本原理を適用することができる例示的なビデオ符号器を示すブロック図である。 本原理のある実施形態による、本原理を適用することができる例示的なビデオ復号器を示すブロック図である。 本原理のある実施形態による、ビデオ符号器における暗示的適応型動きベクトル予測選択の例示的な方法を示す流れ図である。 本原理のある実施形態による、ビデオ復号器における暗示的適応型動きベクトル予測選択の例示的な方法を示す流れ図である。 本原理のある実施形態による、ビデオ符号器における暗示的適応型動きベクトル予測選択の別の例示的な方法を示す流れ図である。 本原理のある実施形態による、ビデオ復号器における暗示的適応型動きベクトル予測選択の別の例示的な方法を示す流れ図である。 本原理のある実施形態による、ビデオ符号器における暗示的適応型動きベクトル予測選択のさらに別の例示的な方法を示す流れ図である。 本原理のある実施形態による、ビデオ復号器における暗示的適応型動きベクトル予測選択のさらに別の例示的な方法を示す流れ図である。
本原理は、ビデオ符号化およびビデオ復号化のための暗示的適応型動きベクトル予測選択の方法および装置を対象とする。
上記に述べたように、本原理は、ビデオ符号化およびビデオ復号化のための暗示的適応型動きベクトル予測選択の方法および装置を対象とする。本原理のある実施形態によれば、動きベクトルは、その空間時間的な隣接動きベクトルの1つによって予測される。選択は、符号器および復号器の両方で利用可能な、対応する動きベクトル候補の動き補償誤差に基づく。したがって、選択は、サイド情報または付加的な情報を符号器から復号器に送ることを必要とせずに、符号器および復号器で既に利用可能な、暗示的な(導出された)データに基づく。したがって、本原理を使用すると、動きベクトル予測選択のための付加的なコストまたはオーバーヘッドがなく、しかも、本原理は依然として、非常に正確な予測性能を実現する。動きベクトルは、その空間時間的な隣接動きベクトルと予測信頼度の間の相関関係を利用することによって、復号器で導出される。予測信頼度は、推定された動き補償誤差、動きベクトルの大きさ、参照インデックス、または動き情報に関する利用可能な他のパラメータの関数とすることができる。
本原理によれば、本発明者らは、それぞれの符号化ブロックの因果的な局所の近隣を定義することによって、隣接動きベクトル間の相関関係を利用する。近隣は、インター符号化ブロックとして符号化される、因果的で空間時間的な隣接ブロックを含む。これらのブロックは既に復号されているので、動きベクトルは符号器および復号器の両方で知られている。これらの動きベクトルは、動きベクトル候補の組を形成する。次の疑問は、符号化ブロックのための動きベクトル予測を候補の組の中からどのように選択するかである。
この関数はEiの減少関数であるはずであり、これは大きい動き補償誤差が低忠実度をもたらすことを意味する。候補の組の中のそれぞれの動きベクトルは忠実度値を有し、忠実度値は動きベクトル予測選択のためのサイド情報を暗示的に提供する。
候補の忠実度値を取得した後、選択プロセスが行われる。選択を行うために使用される実際の1つまたは複数のパラメータは、様々なパラメータからのものとすることができる。例えば、ある実施形態では、本発明者らは、動きベクトル予測として、組の中の最も高い忠実度を有する動きベクトルを選択することができる。別の実施形態では、本発明者らは、動きベクトル予測として、組の中の動きベクトルの加重中央値を使用することができる。ある実施形態では、加重を忠実度値の関数とすることができる。ある実施形態では、本発明者らは、動きベクトル予測を導出するために、忠実度情報を考慮する加重平均または他の関数を使用することもできる。これらの変形を例示する実施形態が提示される。
[実施形態1]
実施形態1では、動きベクトル予測選択は、隣接候補の忠実度値によって提供された以前の情報に基づく。現在の符号化ブロックの動きベクトル予測は、組の中の最も高い忠実度を有する動きベクトルである。
図3を参照すると、ビデオ符号器における暗示的適応型動きベクトル予測選択の例示的な方法が、全体的に参照番号300で示されている。この方法300は、機能ブロック310に制御を渡す開始ブロック305を含む。機能ブロック310は、異なる分割モードの近隣のサイズを初期化し、機能ブロック315に制御を渡す。機能ブロック315は、現在の符号化ブロックに対して隣接動きベクトルの組を定義し、機能ブロック320に制御を渡す。機能ブロック320は、対応するブロックの残差に基づいて組の中のそれぞれの動きベクトルの忠実度を算出し、機能ブロック325に制御を渡す。機能ブロック325は、現在の符号化ブロックの動きベクトル予測を選択し(例えば、組の中の最も高い忠実度を有する動きベクトルを選択し)、機能ブロック330に制御を渡す。機能ブロック330は、動き推定、動き補償、およびエントロピ符号化にこの動きベクトル予測を使用し、終了ブロック399に制御を渡す。
図4を参照すると、ビデオ復号器における暗示的適応型動きベクトル予測選択の例示的な方法が、全体的に参照番号400で示されている。この方法400は、機能ブロック410に制御を渡す開始ブロック405を含む。機能ブロック410は、入力ビットストリームを構文解析し、機能ブロック415に制御を渡す。機能ブロック415は、異なる分割モードの近隣のサイズを初期化し、機能ブロック420に制御を渡す。機能ブロック420は、現在の符号化ブロックに対して隣接動きベクトルの組を定義し、機能ブロック425に制御を渡す。機能ブロック425は、対応するブロックの残差に基づいて組の中のそれぞれの動きベクトルの忠実度を算出し、機能ブロック430に制御を渡す。機能ブロック430は、現在の符号化ブロックの動きベクトル予測を選択し(例えば、組の中の最も高い忠実度を有する動きベクトルを選択し)、機能ブロック435に制御を渡す。機能ブロック435は、動きベクトル差を復号し、動きベクトル予測を使用することによって動きベクトルを算出し、終了ブロック499に制御を渡す。
[実施形態2]
実施形態2では、動きベクトル候補の忠実度値は、加重中央値フィルタが動きベクトル予測を導出するために使用される。加重中央値フィルタにおける加重は、フィルタサポート内での値の繰り返し回数を示す。ここでは、フィルタサポートは、ブロックの全ての動きベクトル候補を含む近隣である。動きベクトルの加重がnである場合、動きベクトルは、中央値フィルタによってフィルタリングされるときにn回複製される。実施形態2では、加重はマッピング関数によって忠実度と関連付けられ、マッピング関数は忠実度を動きベクトルの繰り返し回数にマップする。次いで、加重中央値フィルタの出力は、現在の符号化ブロックの動きベクトル予測と見なされる。
図5を参照すると、ビデオ符号器における暗示的適応型動きベクトル予測選択の別の例示的な方法が、全体的に参照番号500で示されている。この方法500は、機能ブロック510に制御を渡す開始ブロック505を含む。機能ブロック510は、異なる分割モードの近隣のサイズを初期化し、機能ブロック515に制御を渡す。機能ブロック515は、現在の符号化ブロックに対して隣接動きベクトルの組を定義し、機能ブロック520に制御を渡す。機能ブロック520は、対応するブロックの残差に基づいて組の中のそれぞれの動きベクトルの忠実度を算出し、機能ブロック525に制御を渡す。機能ブロック525は、忠実度を中央値フィルタの加重にマップし、機能ブロック530に制御を渡す。機能ブロック530は、現在の符号化ブロックの動きベクトル予測を取得するために、加重中央値フィルタを動きベクトル予測候補の組に適用し、機能ブロック535に制御を渡す。機能ブロック535は、動き推定、動き補償、およびエントロピ符号化に動きベクトル予測を使用し、終了ブロック599に制御を渡す。
図6を参照すると、ビデオ復号器における暗示的適応型動きベクトル予測選択の別の例示的な方法が、全体として参照番号600で示されている。この方法600は、機能ブロック610に制御を渡す開始ブロック605を含む。機能ブロック610は、入力ビットストリームを構文解析し、機能ブロック615に制御を渡す。機能ブロック615は、異なる分割モードの近隣のサイズを初期化し、機能ブロック620に制御を渡す。機能ブロック620は、現在の符号化ブロックに対して隣接動きベクトルの組を定義し、機能ブロック625に制御を渡す。機能ブロック625は、対応するブロックの残差に基づいて組の中のそれぞれの動きベクトルの忠実度を算出し、機能ブロック630に制御を渡す。機能ブロック630は、忠実度を中央値フィルタの加重にマップし、機能ブロック635に制御を渡す。機能ブロック635は、現在の符号化ブロックの動きベクトル予測を取得するために、加重中央値フィルタを動きベクトル予測候補の組に適用し、機能ブロック640に制御を渡す。機能ブロック640は、動きベクトル差を復号し、動きベクトル予測を使用することによって動きベクトルを算出し、終了ブロック699に制御を渡す。
[実施形態3]
実施形態3では、暗示的な動きベクトル予測選択を明示的な手法と組み合わせることができる。隣接動きベクトルの忠実度が生成され、事前定義された閾値と比較される。全ての忠実度が閾値より低い場合、レート歪み最適化に基づいて動きベクトル予測を選択するために、明示的なシグナリング手法が使用される。そうでない場合、暗示的なシグナリング手法が使用される。
図7を参照すると、ビデオ符号器における暗示的適応型動きベクトル予測選択のさらに別の例示的な方法が、全体的に参照番号700で示されている。この方法700は、機能ブロック710に制御を渡す開始ブロック705を含む。機能ブロック710は、異なる分割モードの近隣のサイズを初期化し、機能ブロック715に制御を渡す。機能ブロック715は、現在の符号化ブロックに対して隣接動きベクトルの組を定義し、機能ブロック720に制御を渡す。機能ブロック720は、対応するブロックの残差に基づいて組の中のそれぞれの動きベクトルの忠実度を算出し、決定ブロック725に制御を渡す。決定ブロック725は、全ての忠実度が閾値より小さいかどうかを判定する。全ての忠実度が閾値より小さい場合、制御は機能ブロック730に渡される。そうでない場合、制御は機能ブロック740に渡される。機能ブロック730は、レート歪み最適化に基づいて明示的な動きベクトル予測シグナリング手法を使用し、機能ブロック735に制御を渡す。機能ブロック740は、忠実度に基づいて暗示的な動きベクトル予測選択手法を使用し、機能ブロック735に制御を渡す。機能ブロック735は、動き推定、動き補償、およびエントロピ符号化にこの動きベクトル予測を使用し、終了ブロック799に制御を渡す。
図8を参照すると、ビデオ復号器における暗示的適応型動きベクトル予測選択のさらにまた別の例示的な方法が、全体的に参照番号800で示されている。この方法800は、機能ブロック810に制御を渡す開始ブロック805を含む。機能ブロック810は、入力ビットストリームを構文解析し、機能ブロック815に制御を渡す。機能ブロック815は、異なる分割モードの近隣のサイズを初期化し、機能ブロック820に制御を渡す。機能ブロック820は、現在の符号化ブロックに対して隣接動きベクトルの組を定義し、機能ブロック825に制御を渡す。機能ブロック825は、対応するブロックの残差に基づいて組の中のそれぞれの動きベクトルの忠実度を算出し、決定ブロック830に制御を渡す。決定ブロック830は、全ての忠実度が閾値より小さいかどうかを判定する。全ての忠実度が閾値より小さい場合、制御は機能ブロック835に渡される。そうでない場合、制御は機能ブロック840に渡される。機能ブロック835は、動きベクトルインデックスを復号し、機能ブロック840に制御を渡す。機能ブロック845は、忠実度に基づいて暗示的な動きベクトル予測選択手法を使用し、機能ブロック840に制御を渡す。機能ブロック840は、動きベクトル差を復号し、動きベクトル予測を使用することによって動きベクトルを算出し、終了ブロック899に制御を渡す。
use_implicit_mvp_signalingは、暗示的な動きベクトル予測選択が使用されるかどうかを指定する。1に等しいuse_implicit_mvp_signalingは、暗示的な動きベクトル予測選択が使用されることを意味し、0に等しいuse_implicit_mvp_signalingは、暗示的な動きベクトル予測選択が使用されないことを意味する。
mvp_indexは、候補の組の中で動きベクトル予測として選択された動きベクトルのインデックスを指定する。
次に、本発明の多くの付随的な利点/特徴のいくつかについて説明するが、そのうちのいくつかは上記に述べられている。例えば、1つの利点/特徴は、暗示的適応型動きベクトル予測選択を使用して、ピクチャ内の少なくとも1つのブロックを符号化するためのビデオ符号器を有する装置であって、ブロックを符号化するための動きベクトルは、複数の空間時間的な隣接動きベクトルに基づいて、ブロックに対して1組の動きベクトル予測候補を定義し、空間時間的な隣接動きベクトルの忠実度のそれぞれの値に応じて、ブロックを符号化するための動きベクトルとして、特定の動きベクトル予測候補をその組から選択することによって予測される。
さらに別の利点/特徴は、上述のビデオ符号器を有する装置であって、ブロックを符号化するための動きベクトルとして選択された特定の動きベクトル予測候補は、組の中の動きベクトル予測候補の中で最も高い忠実度を有する。
さらにまた別の利点/特徴は、上述のビデオ符号器を有する装置であって、空間時間的な隣接動きベクトルの忠実度のそれぞれの値は、加重中央値フィルタが、ブロックを符号化するための動きベクトルとして選択された特定の動きベクトル予測候補を導出するために使用される。
さらに、別の利点/特徴は、上述のビデオ符号器を有する装置であって、暗示的適応型動きベクトル予測選択は、ハイブリッドシナリオにおいて、動きベクトル予測の明示的なシグナリングと組み合わされる。
さらに、別の利点/特徴は、ビデオ符号器を有する装置であって、暗示的適応型動きベクトル予測選択は、上述のハイブリッドシナリオにおいて、動きベクトル予測の明示的なシグナリングと組み合わされ、ブロックに対して暗示的適応型動きベクトル予測選択を使用するか、動きベクトル予測の明示的なシグナリングを使用するかの決定は、忠実度値の評価に応じて判定される。
また、別の利点/特徴は、ビデオ符号器を有する装置であって、暗示的適応型動きベクトル予測選択は、上述のハイブリッドシナリオにおいて、動きベクトル予測の明示的なシグナリングと組み合わされ、動きベクトル予測の明示的なシグナリングは、スライスレベルで使用され、ブロックに対して暗示的適応型動きベクトル予測選択を使用するか、動きベクトル予測の明示的なシグナリングを使用するかの決定は、ブロックレベルで行われる。
例示的な実施形態について、添付の図面を参照しながら本明細書で説明してきたが、本原理はこれらの明確な実施形態に限定されないこと、また、本原理の範囲または趣旨から逸脱することなく、関連する技術分野の当業者によって、その中で様々な変更形態および修正形態を実施することができることを理解されたい。全てのそのような変更形態および修正形態は、添付の特許請求の範囲に記載されているように、本原理の範囲内に含まれることを意図する。
(付記1)
暗示的適応型動きベクトル予測子選択を使用して、画像のブロックを符号化するためのビデオ符号器(100)を備える装置であって、前記ブロックを符号化するための動きベクトルは、複数の空間時間的な隣接動きベクトルに基づいて、前記ブロックに対して1組の動きベクトル予測子候補を定義し、前記空間時間的な隣接動きベクトルの忠実度のそれぞれの値に応じて、前記ブロックを符号化するための前記動きベクトルとして、特定の動きベクトル予測子候補を前記組から選択することによって予測される、前記装置。
(付記2)
前記忠実度は、前記符号器および対応する復号器の両方で利用可能な、動き補償誤差、動きベクトルの大きさ、および参照インデックスのうちの少なくとも1つの関数である、付記1に記載の装置。
(付記3)
前記ブロックを符号化するための前記動きベクトルとして選択された前記特定の動きベクトル予測子候補は、前記組の中の前記動きベクトル予測子候補の中で最も高い忠実度を有する、付記1に記載の装置。
(付記4)
前記空間時間的な隣接動きベクトルの前記忠実度の前記それぞれの値は、加重中央値フィルタが、前記ブロックを符号化するための前記動きベクトルとして選択された前記特定の動きベクトル予測子候補を導出するために使用される、付記1に記載の装置。
(付記5)
前記暗示的適応型動きベクトル予測子選択は、ハイブリッドシナリオにおいて、動きベクトル予測子の明示的なシグナリングと組み合わされる、付記1に記載の装置。
(付記6)
前記ブロックに対して前記暗示的適応型動きベクトル予測子選択を使用するか、動きベクトル予測子の前記明示的なシグナリングを使用するかの決定は、忠実度値の評価に応じて判定される、付記5に記載の装置。
(付記7)
動きベクトル予測子の前記明示的なシグナリングは、スライスレベルで使用され、前記ブロックに対して前記暗示的適応型動きベクトル予測子選択を使用するか、動きベクトル予測子の前記明示的なシグナリングを使用するかの前記決定は、ブロックレベルで行われる、付記5に記載の装置。
(付記8)
ビデオ符号器において、
暗示的適応型動きベクトル予測子選択を使用して、画像のブロックを符号化するステップを含む方法であって、前記ブロックを符号化するための動きベクトルは、複数の空間時間的な隣接動きベクトルに基づいて、前記ブロックに対して1組の動きベクトル予測子候補を定義し(315、515、715)、前記空間時間的な隣接動きベクトルの忠実度のそれぞれの値に応じて(320、520、720)、前記ブロックを符号化するための前記動きベクトルとして、特定の動きベクトル予測子候補を前記組から選択する(325、530、740)ことによって予測される、前記方法。
(付記9)
前記忠実度は、前記符号器および対応する復号器の両方で利用可能な、動き補償誤差、動きベクトルの大きさ、および参照インデックスのうちの少なくとも1つの関数である(320、520、720)、付記8に記載の方法。
(付記10)
前記ブロックを符号化するための前記動きベクトルとして選択された前記特定の動きベクトル予測子候補は、前記組の中の前記動きベクトル予測子候補の中で最も高い忠実度を有する(325)、付記8に記載の方法。
(付記11)
前記空間時間的な隣接動きベクトルの前記忠実度の前記それぞれの値は、加重中央値フィルタが、前記ブロックを符号化するための前記動きベクトルとして選択された前記特定の動きベクトル予測子候補を導出するために使用される(525、530)、付記8に記載の方法。
(付記12)
前記暗示的適応型動きベクトル予測子選択は、ハイブリッドシナリオにおいて、動きベクトル予測子の明示的なシグナリングと組み合わされる(700)、付記8に記載の方法。
(付記13)
前記ブロックに対して前記暗示的適応型動きベクトル予測子選択を使用するか、動きベクトル予測子の前記明示的なシグナリングを使用するかの決定は、忠実度値の評価に応じて判定される(725)、付記12に記載の方法。
(付記14)
動きベクトル予測子の前記明示的なシグナリングは、スライスレベルで使用され、前記ブロックに対して前記暗示的適応型動きベクトル予測子選択を使用するか、動きベクトル予測子の前記明示的なシグナリングを使用するかの前記決定は、ブロックレベルで行われる(700)、付記12に記載の方法。
(付記15)
暗示的適応型動きベクトル予測子選択を使用して、画像のブロックを復号するためのビデオ復号器(200)を備える装置であって、前記ブロックを復号するための動きベクトルは、複数の空間時間的な隣接動きベクトルに基づいて、前記ブロックに対して1組の動きベクトル予測子候補を定義し、前記空間時間的な隣接動きベクトルの忠実度のそれぞれの値に応じて、前記ブロックを復号するための前記動きベクトルとして、特定の動きベクトル予測子候補を前記組から選択することによって予測される、前記装置。
(付記16)
前記忠実度は、前記復号器および対応する符号器の両方で利用可能な、動き補償誤差、動きベクトルの大きさ、および参照インデックスのうちの少なくとも1つの関数である、付記15に記載の装置。
(付記17)
前記ブロックを復号するための前記動きベクトルとして選択された前記特定の動きベクトル予測子候補は、前記組の中の前記動きベクトル予測子候補の中で最も高い忠実度を有する、付記15に記載の装置。
(付記18)
前記空間時間的な隣接動きベクトルの前記忠実度の前記それぞれの値は、加重中央値フィルタが、前記ブロックを復号するための前記動きベクトルとして選択された前記特定の動きベクトル予測子候補を導出するために使用される、付記15に記載の装置。
(付記19)
前記暗示的適応型動きベクトル予測子選択は、ハイブリッドシナリオにおいて、動きベクトル予測子の明示的なシグナリングと組み合わされる、付記15に記載の装置。
(付記20)
前記ブロックに対して前記暗示的適応型動きベクトル予測子選択を使用するか、動きベクトル予測子の前記明示的なシグナリングを使用するかの決定は、忠実度値の評価に応じて判定される、付記19に記載の装置。
(付記21)
動きベクトル予測子の前記明示的なシグナリングは、スライスレベルで使用され、前記ブロックに対して前記暗示的適応型動きベクトル予測子選択を使用するか、動きベクトル予測子の前記明示的なシグナリングを使用するかの前記決定は、ブロックレベルで行われる、付記19に記載の装置。
(付記22)
ビデオ復号器において、
暗示的適応型動きベクトル予測子選択を使用して、画像のブロックを復号するステップを含む方法であって、前記ブロックを復号するための動きベクトルは、複数の空間時間的な隣接動きベクトルに基づいて、前記ブロックに対して1組の動きベクトル予測子候補を定義し(420、620、820)、前記空間時間的な隣接動きベクトルの忠実度のそれぞれの値に応じて(425、625、825)、前記ブロックを復号するための前記動きベクトルとして、特定の動きベクトル予測子候補を前記組から選択する(430、635、845)ことによって予測される、前記方法。
(付記23)
前記忠実度は、前記復号器および対応する符号器の両方で利用可能な、動き補償誤差、動きベクトルの大きさ、および参照インデックスのうちの少なくとも1つの関数である(425、625、825)、付記22に記載の方法。
(付記24)
前記ブロックを復号するための前記動きベクトルとして選択された前記特定の動きベクトル予測子候補は、前記組の中の前記動きベクトル予測子候補の中で最も高い忠実度を有する(430)、付記22に記載の方法。
(付記25)
前記空間時間的な隣接動きベクトルの前記忠実度の前記それぞれの値は、加重中央値フィルタが、前記ブロックを復号するための前記動きベクトルとして選択された前記特定の動きベクトル予測子候補を導出するために使用される(630、635)、付記22に記載の方法。
(付記26)
前記暗示的適応型動きベクトル予測子選択は、ハイブリッドシナリオにおいて、動きベクトル予測子の明示的なシグナリングと組み合わされる(800)、付記22に記載の方法。
(付記27)
前記ブロックに対して前記暗示的適応型動きベクトル予測子選択を使用するか、動きベクトル予測子の前記明示的なシグナリングを使用するかの決定は、忠実度値の評価に応じて判定される(830)、付記26に記載の方法。
(付記28)
動きベクトル予測子の前記明示的なシグナリングは、スライスレベルで使用され、前記ブロックに対して前記暗示的適応型動きベクトル予測子選択を使用するか、動きベクトル予測子の前記明示的なシグナリングを使用するかの前記決定は、ブロックレベルで行われる(800)、付記26に記載の方法。
(付記29)
符号化されたビデオ信号データを有する非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、
暗示的適応型動きベクトル予測子選択を使用して符号化された画像のブロックの圧縮されたデータを備え、前記ブロックを符号化するための動きベクトルは、複数の空間時間的な隣接動きベクトルに基づいて、前記ブロックに対して1組の動きベクトル予測子候補を定義し、特定の動きベクトル予測子候補の、前記ビデオ符号器および対応する復号器の両方で利用可能な動き補償誤差に基づいて、前記ブロックを符号化するための前記動きベクトルとして、前記特定の動きベクトル予測子候補を前記組から選択することによって予測される、前記非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。

Claims (15)

  1. 隣接動きベクトル予測子候補の少なくとも1つの予測信頼度の値が閾値以上のときに、暗示的適応型動きベクトル予測選択を使用して画ブロックを符号化するためのビデオ符号器を備える装置であって、前記ブロックを符号化するための動きベクトルは、複数の空間時間的な隣接動きベクトルに基づい前記ブロックに対する動きベクトル予測候補の組を定義し、前記空間時間的な隣接動きベクトルの予測信頼度のそれぞれの値の関数に応じて、前記ブロックを符号化するための前記動きベクトルとして特定の動きベクトル予測候補を前記組から選択することによって予測される、前記装置。
  2. ビデオ符号器において、
    隣接動きベクトル予測子候補の少なくとも1つの予測信頼度の値が閾値以上のときに、暗示的適応型動きベクトル予測選択を使用して画ブロックを符号化するステップを含む方法であって、前記ブロックを符号化するための動きベクトルは、複数の空間時間的な隣接動きベクトルに基づいて前記ブロックに対する動きベクトル予測候補の組を定義し、前記空間時間的な隣接動きベクトルの予測信頼度のそれぞれの値の関数に応じて、前記ブロックを符号化するための前記動きベクトルとして特定の動きベクトル予測候補を前記組から選択することによって予測される、前記方法。
  3. 前記予測信頼度は、前記符号器および対応する復号器の両方で利用可能な、動き補償誤差、動きベクトルの大きさ、および参照インデックスのうちの少なくとも1つの関数である、請求項に記載の方法。
  4. 前記ブロックを符号化するための前記動きベクトルとして選択された前記特定の動きベクトル予測候補は、前記組の中の前記動きベクトル予測候補の中で最も高い予測信頼度を有する、請求項に記載の方法。
  5. 前記空間時間的な隣接動きベクトルの前記予測信頼度の前記それぞれの値は、加重中央値フィルタが、前記ブロックを符号化するための前記動きベクトルとして選択された前記特定の動きベクトル予測候補を導出するために使用される、請求項に記載の方法。
  6. 前記暗示的適応型動きベクトル予測選択は、ハイブリッドシナリオにおいて、動きベクトル予測の明示的なシグナリングと組み合わされる、請求項に記載の方法。
  7. 前記ブロックに対して前記暗示的適応型動きベクトル予測選択を使用するか、動きベクトル予測の前記明示的なシグナリングを使用するかの決定は、予測信頼度値の評価に応じて判定される、請求項に記載の方法。
  8. 隣接動きベクトル予測子候補の少なくとも1つの予測信頼度の値が閾値以上のときに、暗示的適応型動きベクトル予測選択を使用して画ブロックを復号するためのビデオ復号器を備える装置であって、前記ブロックを復号するための動きベクトルは、複数の空間時間的な隣接動きベクトルに基づいて前記ブロックに対する動きベクトル予測候補の組を定義し、前記空間時間的な隣接動きベクトルの予測信頼度のそれぞれの値の関数に応じて、前記ブロックを復号するための前記動きベクトルとして特定の動きベクトル予測候補を前記組から選択することによって予測される、前記装置。
  9. ビデオ復号器において、
    隣接動きベクトル予測子候補の少なくとも1つの予測信頼度の値が閾値以上のときに、暗示的適応型動きベクトル予測選択を使用して画ブロックを復号するステップを含む方法であって、前記ブロックを復号するための動きベクトルは、複数の空間時間的な隣接動きベクトルに基づいて前記ブロックに対する動きベクトル予測候補の組を定義し、前記空間時間的な隣接動きベクトルの予測信頼度のそれぞれの値の関数に応じて、前記ブロックを復号するための前記動きベクトルとして特定の動きベクトル予測候補を前記組から選択することによって予測される、前記方法。
  10. 前記予測信頼度は、前記復号器および対応する符号器の両方で利用可能な、動き補償誤差、動きベクトルの大きさ、および参照インデックスのうちの少なくとも1つの関数である、請求項に記載の方法。
  11. 前記ブロックを復号するための前記動きベクトルとして選択された前記特定の動きベクトル予測候補は、前記組の中の前記動きベクトル予測候補の中で最も高い予測信頼度を有する、請求項に記載の方法。
  12. 前記空間時間的な隣接動きベクトルの前記予測信頼度の前記それぞれの値は、加重中央値フィルタが、前記ブロックを復号するための前記動きベクトルとして選択された前記特定の動きベクトル予測候補を導出するために使用される、請求項に記載の方法。
  13. 前記暗示的適応型動きベクトル予測選択は、ハイブリッドシナリオにおいて、動きベクトル予測の明示的なシグナリングと組み合わされる、請求項に記載の方法。
  14. 前記ブロックに対して前記暗示的適応型動きベクトル予測選択を使用するか、動きベクトル予測の前記明示的なシグナリングを使用するかの決定は、予測信頼度値の評価に応じて判定される、請求項13に記載の方法。
  15. 動きベクトル予測の前記明示的なシグナリングは、スライスレベルで使用され、前記ブロックに対して前記暗示的適応型動きベクトル予測選択を使用するか、動きベクトル予測の前記明示的なシグナリングを使用するかの決定は、ブロックレベルで行われる、請求項13に記載の方法。
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