本願は、2010年1月21日に出願され、本願の譲受人に譲渡され、「アップリンク送信のためのチャネル優先付けおよび電力スケーリング」(CHANNEL PRIORITIZATION AND POWER SCALING FOR UPLINK TRANSMISSION)と題され、本明細書において参照によって明確に組み込まれた米国仮出願61/297,245の優先権を主張する。
さまざまな態様が、図面を参照して記載される。以下の記載では、説明の目的のために、1または複数の態様の完全な理解を提供するために、多くの具体的な詳細が述べられる。しかしながら、このような態様は、これら具体的な詳細無しで実現されうることが明確である。
本明細書にさらに記載されるように、1または複数のチャネルを優先付けるために、電力が制限されたデバイスの送信電力が割り当てられうる。一例では、1または複数のチャネルを送信するために適用する電力量を決定するために、電力係数のセットが定義または指定されうる。一例では、1または複数のキャリアによる再送信フィードバック・チャネルが、最も高い優先度となりうるので、最も高い係数に関連付けられうる。この点に関し、再送信フィードバック・チャネルに、実質的な全必要電力が与えられ、残りの電力は、係数のセットにしたがって、残りのチャネル間で共有されうる。したがって、チャネルの通信は、係数にしたがって効率的に優先付けられ、いくつかのチャネルは、実質的な全必要電力を受信しうる。
本願で使用されるように、用語「構成要素」、「モジュール」、「システム」等は、ハードウェア、ファームウェア、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせ、ソフトウェア、あるいは実行中のソフトウェアのうちの何れかであるコンピュータ関連エンティティを含むことが意図されている。例えば、構成要素は、限定される訳ではないが、プロセッサ上で実行中のプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行形式、実行スレッド、プログラム、および/またはコンピュータでありうる。例示によれば、コンピューティング・デバイス上で実行中のアプリケーションと、コンピューティング・デバイスとの両方が構成要素となりうる。1または複数の構成要素は、プロセスおよび/または実行スレッド内に存在し、構成要素は、1つのコンピュータに局在化されうるか、および/または、2つ以上のコンピュータに分散されうる。さらに、これらの構成要素は、さまざまなデータ構造を格納したさまざまなコンピュータ読取可能な媒体から実行しうる。これら構成要素は、例えば、信号によってローカル・システムや分散システム内の他の構成要素とインタラクトする1つの構成要素からのデータ、および/または、他のシステムを備えた例えばインターネットのようなネットワークを介して他の構成要素とインタラクトする1つの構成要素からのデータのような1または複数のデータのパケットを有する信号にしたがって、ローカル処理および/またはリモート処理によって通信しうる。
さらに、本明細書では、さまざまな態様が、有線端末または無線端末でありうる端末と関連して開示される。端末は、システム、デバイス、加入者ユニット、加入者局、移動局、モバイル、モバイル・デバイス、遠隔局、遠隔端末、アクセス端末、ユーザ端末、端末、通信デバイス、ユーザ・エージェント、ユーザ・デバイス、またはユーザ機器(UE)とも称されうる。無線端末は、セルラ電話、衛星電話、コードレス電話、セッション開始プロトコル(SIP)電話、無線ローカル・ループ(WLL)局、携帯情報端末(PDA)、無線接続機能を有するハンドヘルド・デバイス、コンピューティング・デバイス、あるいは、無線モデムに接続されたその他の処理デバイスでありうる。さらに、本明細書では、さまざまな態様が、基地局に関して記載される。基地局は、無線端末との通信のために利用され、アクセス・ポイント、ノードB、イボルブド・ノードB(eNB)、あるいはその他いくつかの用語で称されうる。
さらに、用語「または」は、排他的な「または」ではなく、包括的な「または」を意味することが意図されている。すなわち、別に示されていない場合、あるいは、文脈から明らかではない場合、「XはAまたはBを適用する」という句は、自然な包括的な置き換えのうちの何れかを意味することが意図されている。すなわち、「XはAまたはBを使用する。」という句は、以下の例のうちの何れによっても満足される。XはAを使用する。XはBを使用する、あるいは、XはAとBとの両方を使用する。さらに、本願および特許請求の範囲で使用されているような冠詞“a”および“an”は、特に指定されていない場合、あるいは、単数を対象としていることが文脈から明らかではない場合、一般に、「1または複数」を意味するものと解釈されるべきである。
本明細書に記載された技術は、例えばCDMA、TDMA、FDMA、OFDMA、SC−FDMA、およびその他のシステムのようなさまざまな無線通信システムのために使用される。「システム」、「ネットワーク」という用語はしばしば置換可能に使用される。CDMAネットワークは、例えば、ユニバーサル地上ラジオ・アクセス(UTRA)、cdma2000等のようなラジオ技術を実現することができる。UTRAは、広帯域CDMA(W−CDMA)およびCDMAのその他の変形を含んでいる。cdma2000は、IS−2000規格、IS−95規格、およびIS−856規格をカバーする。TDMAシステムは、例えばグローバル移動体通信システム(GSM(登録商標))のような無線技術を実現することができる。OFDMAシステムは、例えばイボルブドUTRA(E−UTRA)、ウルトラ・モバイル・ブロードバンド(UMB)、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、フラッシュ−OFDM(登録商標)等のような無線技術を実現しうる。UTRAおよびE−UTRAは、ユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーション・システム(UMTS)の一部である。3GPPロング・ターム・イボリューション(LTE)は、DLではOFDMAを適用し、アップリンクではSC−FDMAを適用するE−UTRAを用いるUMTSのリリースである。UTRA、E−UTRA、UMTS、LTE、およびGSMは、「第3世代パートナシップ計画」(3GPP)と命名された組織からの文書に記述されている。さらに、cdma2000およびUMBは、「第3世代パートナシップ計画2」(3GPP2)と命名された組織からの文書に記述されている。さらに、このような無線通信システムは、しばしばアンペア(unpaired)な無許可のスペクトルを用いるピア・トゥ・ピア(例えば、モバイル・トゥ・モバイル)アド・ホック・ネットワーク・システム、802xx無線LAN、Bluetooth(登録商標)、および、その他任意の短距離または長距離の無線通信技術を含みうる。
さまざまな態様または特徴が、多くのデバイス、構成要素、モジュール等を含むシステムの観点から示されるだろう。さまざまなシステムが、追加のデバイス、構成要素、モジュール等を含むことができるか、および/または、図面に関連して説明されたデバイス、構成要素、モジュール等の必ずしも全てを含んでいる訳ではないことが理解され、認識されるべきである。これらアプローチの組み合わせもまた使用されうる。
図1を参照して、利用可能な送信電力を割り当てるための1または複数の倫理チャネルを優先付けることを容易にする無線通信システム100が例示される。システム100は、(例えば、無線ネットワークへのアクセスを受信するために)基地局104と通信しうるデバイス102を含む。例えば、デバイス102は、UE、モデム(または、その他のテザー・デバイス)、これらの一部、または、無線ネットワークにおける1または複数の基地局またはその他のデバイスと通信しうる実質的に任意のデバイスでありうる。さらに、基地局104は、マクロ・セルまたはフェムト・セルまたはピコ・セルの基地局、中継ノード、モバイル基地局、(例えば、ピア・トゥ・ピアまたはアド・ホック・モードでデバイス102と通信している)モバイル・デバイス、これらの一部等でありうる。
デバイス102は、利用可能な送信電力を、優先度にしたがって論理チャネルに割り当てる電力割当構成要素106と、割り当てられた送信電力にしたがって、論理チャネルでデータを送信する送信構成要素108と、を含む。利用可能なチャネルは、例えば、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)等を含みうる。例えば、PUCCHのために利用可能なチャネルは、再送信フィードバック・チャネル(例えば、ハイブリッド自動反復/要求(HARQ)フィードバック、またはその他のインジケータ・チャネル)、チャネル状態情報(CSI)チャネル(例えば、チャネル品質インジケータ(CQI)チャネル、HARQ/CQIが結合されたチャネル、サウンディング基準信号(SRS)チャネル、プリコーディング行列インデクス(PMI)チャネル、マルチキャリア送信のためのランク・インジケータ(RI)チャネル等)、これらの組み合わせおよび/またはその他を含みうる。さらに、チャネルは、これらチャネルを介してデータまたは制御データを受信するために、基地局104によってデバイス102へ割り当てられうる。
一例では、デバイス102が電力制御されている場合、電力割当構成要素106は、データ・チャネルよりも制御チャネルに対して、電力割当を優先付けうる(例えば、および/または、その他の制御チャネルよりも、制御チャネル間のHARQチャネルを優先付けうる)。電力制限とは、チャネルのために必要とされる送信電力ですべてのチャネルを送信するために利用可能な十分な送信電力を持たない(例えば、1または複数のキャリアにおけるすべてのチャネルのために必要とされる送信電力の総和が、デバイス102に利用可能な送信電力よりも高い)デバイス102を称しうる。
電力割当構成要素106は、本明細書に記載されているように、1または複数の電力割当スキーム、電力係数のセット、および/または、その他に基づいて、残りのチャネルを優先付けうる。例えば、この情報は、設定または別のデバイス、ハードコーディングから受信されうるか、仕様および/またはその他から決定されうる。電力割当構成要素106は、利用可能な送信電力の一部を、例えば、優先度にしたがって、チャネルへ割り当てうる。1つの特定の例では、電力割当構成要素106は、HARQチャネルで送信するために必要とされるのと同じ量の送信電力を割り当てうる。HARQチャネルのために必要とされる送信電力が、デバイス102において利用可能な最大送信電力よりも高い場合、電力割当構成要素106は、例えば、HARQチャネルを送信するために利用可能な最大の送信電力を割り当てうる。
例によれば、デバイス102は、(例えば、チャネルを受信する基地局104からの以前の送信および/または電力調節コマンドに基づいて、)チャネルを送信するために必要とされる送信電力量を受信または決定しうる。HARQチャネルが、デバイス102において利用可能な最大の送信電力よりも多くを必要としない場合、電力割当構成要素106は、必要とされる電力をHARQチャネルに割り当て、残りのチャネルにわたって、残りの送信電力を分配しうる。一例では、電力割当構成要素106は、1または複数の割当スキームにしたがって、残りのチャネルに送信電力を分配しうる。一例では、電力割当構成要素106は、1または複数のスケーリング係数および/またはその他にしたがって、残りの各チャネルに、同様の相対電力低減を適用するために、残りの送信電力を分配しうる(例えば、ここで、電力低減は、所与のチャネルのために必要とされる送信電力未満である送信電力に関連する)。
別の例では、電力割当構成要素106は、実質的に全ての必要とされる送信電力をHARQチャネルに割り当てた後、同様に、必要とされる電力を、残りの制御チャネルに分配し、その後、送信電力が残っているのであれば、低減された送信電力を、データ・チャネルへ分配しうる。残りの制御チャネルの必要とされる電力を満足するために十分な送信電力がない場合、電力割当構成要素106は、一定の電力低減にしたがって、送信電力を割り当てうる。これによって、各制御チャネルは、チャネルへの送信電力を低減するための電力係数のセット、および/または、その他にしたがって、同様の電力低減を有するようになる。送信構成要素108は、電力割当構成要素106によって割り当てられた送信電力にしたがって、チャネルによってデータを送信しうる。
別の例では、デバイス102は、複数のキャリアによって基地局104(例えば、または1または複数の異なる基地局)と通信するマルチキャリア・デバイスでありうる。この例では、デバイス102は、例えば複数のPUCCH、複数のPUSCH、および/または、その他のような所与のチャネルの複数のインスタンスによって送信しうる。この点に関し、電力割当構成要素106は、先ず、各キャリアのために、実質的にすべてのHARQチャネルを優先付けうる。そして、最初に、HARQチャネルのすべてに対して、必要とされる電力を割り当てうる。ここで、デバイス102は、HARQチャネルの送信電力要件を満たすために十分な送信電力を有している。電力割当構成要素106は、前述したように、(例えば、残りのチャネルに対する同様の送信電力低減を保証すること、まず電力要件を満足することを試みるために、送信電力を制御チャネルへ割り当てること、チャネルに関連付けられた1または複数の電力係数にしたがって送信電力を割り当てること、等によって)残りのチャネルに、残りの送信電力を分配しうる。
デバイス102が、HARQチャネルの要件を満たすために利用可能な十分な送信電力を有していない場合、電力割当構成要素106は、1または複数の優先付けにしたがって、HARQチャネルへ送信電力を割り当てうる。例えば、電力割当構成要素106は、利用可能な送信電力を複数のHARQチャネルへ一様に割り当てうるか、または、利用可能な送信電力を、各HARQチャネルのために必要とされる電力にしたがって比例的に割り当てうる。別の例では、電力割当構成要素106は、必要とされる電力で、最大数のHARQチャネルが送信されることを保証するように、送信電力を割り当てうる。これによって、高い優先度であると判定されたあるデバイスが、必要とされる電力でHARQを受信することと、各HARQチャネルが、必要とされる電力に対して同様な電力低減を有すること等ができるようになる。
図2に移って、電力が制限されたデバイスの1または複数のチャネルに関連する送信電力を調節する無線通信システム200の例が図示されている。システム200は、(例えば、無線ネットワークへアクセスするために)基地局204と通信するデバイス202を含みうる。記載されているように、デバイス202は、UE、モデム等でありうる。そして、基地局204は、マクロ・セル基地局、フェムト・セル基地局、ピコ・セル基地局等でありうる。デバイス202は、デバイス202が電力が制限されているかを識別しうる電力制限判定構成要素206と、1または複数のデータ・チャネルまたは制御チャネルのために必要とされる電力を決定する必要チャネル電力決定構成要素208と、1または複数のデータ・チャネルまたは制御チャネルのための電力係数のセットを取得するオプションの電力係数決定構成要素210とを備える。デバイス202はまた、電力係数のセットにおいて対応する電力係数に少なくとも部分的に基づいて、1または複数のチャネルのための送信電力を修正する電力調節構成要素212と、修正された送信電力にしたがって、1または複数のチャネルでデータを送信する送信構成要素214と、を備える。
例によれば、電力制限判定構成要素206は、デバイス202が電力制限されているかを識別しうる。例えば、必要チャネル電力決定構成要素208は、1または複数のチャネルによって送信するために必要とされる電力を取得しうる。これは、基地局204から受信した1または複数のパラメータ(例えば、電力制御コマンド)、設定または1または複数のその他のデバイスから取得されたパラメータ、および/または、その他に少なくとも部分的に基づきうる。デバイス202が電力制限されているかを判定するために、電力制限判定構成要素206は、1または複数のチャネルで送信するために必要とされる電力を総和し、デバイス202において利用可能な送信電力が、1または複数のチャネルのために総和された、必要とされる電力以上であるかを判定しうる。デバイス202が電力制限されている場合(例えば、デバイス202において利用可能な送信電力が、1または複数のチャネルについて総和された送信電力未満である場合)、送信電力は、電力係数のセットにしたがって、1または複数のチャネルについて調節されうる。
この例では、電力調節構成要素212は、1または複数の電力調節スキームにしたがって、1または複数のチャネルのための送信電力を調節しうる。例えば、電力調節構成要素212は、1または複数の制御チャネルのための送信電力を調節することを差し控えうる。これによって、1または複数の制御チャネルは、必要チャネル電力決定構成要素208によって決定された、必要とされる電力を用いて送信できるようになる。したがって、電力調節構成要素212は、残りの送信電力を、電力係数のセットおよび/またはその他にしたがって、データ・チャネルにわたって分配しうる。これは、データ・チャネルにわたる一定の相対電力低減を保証するために、送信電力を分配することを含みうる。一例において、デバイス202は、複数のキャリアで通信しうる。そして、この場合、電力調節構成要素212は、すべてのキャリアにおける制御チャネルについて送信電力を調節することを差し控えうる。そして、すべてのキャリアのために、データ・チャネルに残りの送信電力を分配すること等を行いうる。
さらに、追加の例または代替例では、電力調節構成要素212は、1または複数のHARQフィードバック・チャネルが、必要とされる電力で送信できるように、制御チャネル内で、1または複数のHARQフィードバック・チャネル(例えば、複数のキャリアのための実質的にすべてのHARQフィードバック・チャネル)への送信電力を調節することを差し控えうる。この例では、電力調節構成要素212は、残りの制御チャネルにわたって、(例えば、一様に、各チャネルが同様の相対電力低減を持つように、または、電力係数にしたがって)残りの送信電力のうちの少なくとも一部を分配しうる。そして、1または複数のデータ・チャネルへ同様に送信電力を分配しうる。
また別の例では、電力係数決定構成要素210は、1または複数のチャネルのための電力係数のセットを取得しうる。そして、電力調節構成要素212は、必要チャネル電力決定構成要素208によって決定されたように、1または複数のチャネルのために必要とされる電力を、電力係数のセットによって修正しうる。例えば、電力係数のセットは、送信電力を生成するために、必要とされる電力が乗じられうる0乃至1の実数に関連しうる。この例では、1である電力係数を持つチャネルが、そのチャネルのために必要とされる電力で送信され、0.8である電力係数を持つチャネルが、必要とされる電力の80%で送信されうる等である。さらに、例えば、送信構成要素214は、電力係数のセットにおけるそれぞれの電力係数によって修正された、必要とされる電力にしたがって、1または複数のチャネルで、信号を送信しうる。
1つの特定の例では、電力係数決定構成要素210は、1または複数のHARQフィードバック・チャネルの係数が1になるように、電力係数のセットを取得しうる。これは、必要とされる電力が、1または複数のHARQフィードバック・チャネルへ割り当てられるべきであることを示す。したがって、電力調節構成要素212は、必要チャネル電力決定構成要素208によって決定されたように、実質的に全ての必要とされる送信電力を用いて、1または複数のHARQフィードバック・チャネルを送信する。さらに、その他の制御チャネルのうちの少なくとも一部もまた、1である電力係数を有しうると認識されるべきであるが、電力係数決定構成要素210によって取得された電力係数のセットは、送信を効率的に優先付けるために、1または複数の他の制御チャネルのために、1未満の電力係数を指定しうる。この例では、デバイス202が電力制限されている場合、電力調節構成要素212は、決定された必要チャネル送信電力にこの係数を適用しうる。そして、送信構成要素214は、調節された送信電力にしたがって、チャネルを送信しうる。
例えば、電力係数のセットは、1または複数の制御チャネルのためのものよりも、データ・チャネルのためのものの方が小さくなりうる。これは、1または複数の制御チャネルと比べて、データ・チャネルへ必要とされているものよりも、小さな送信電力部分を割り当てるという結果になりうる。さらに、制御チャネルの一部のための電力係数は、制御チャネルの別の一部のためのものよりも小さくなり得る。別の例では、電力係数決定構成要素210は、HARQフィードバック・チャネルのための電力係数を取得せず、送信構成要素214は、必要とされる電力を用いて、このチャネルを送信しうる。さらに、例えば、電力係数のセットは、(例えば、HARQフィードバック・チャネルが、必要とされる電力で送信されうることと、係数が、キャリアのために、残りのチャネルに適用されうることとを除いて)マルチキャリア構成におけるチャネル毎に指定されうるか、および/または、各キャリアについて、各チャネルのために指定され、電力調節構成要素212によって各チャネルのために適用されうる。電力係数決定構成要素210は、ハードコーディング、設定、仕様、基地局204、別のデバイス、および/または、その他から、電力係数のセットを取得しうることが認識されるべきである。
図3−4に示すように、電力が制限されたデバイスのために、1または複数のチャネルのための送信電力を調節することに関連する方法の例が例示される。説明を単純にする目的で、これら方法は、一連の動作として示され説明されているが、これら方法は、1または複数の実施形態にしたがって、いくつかの動作が本明細書で示され記載されたものとは異なる順序で、あるいは他の動作と同時に生じうるので、動作の順序によって限定されないことが理解され認識されるべきである。例えば、方法は代わりに、例えば状態図におけるように、一連の相互関連する状態またはイベントとして表されうることが認識されるべきである。さらに、1または複数の実施形態にしたがって方法を実現するために、必ずしも例示されたすべての動作が必要とされる訳ではない。
図3を参照して、1または複数の電力係数にしたがって、送信電力を調節することを容易にする方法300の例が示される。302では、複数のチャネルのうちの1または複数の、必要とされる電力が決定されうる。例えば、必要とされる電力は、基地局から受信された1または複数の電力コマンド、ハードコーディング、仕様、設定等に少なくとも部分的に基づいて決定されうる。304では、複数のチャネルのために、電力係数のセットが決定されうる。これは、例えば、設定、仕様、ハードコーディング、および/またはその他から電力係数のセットを取得することと、(例えば、必要とされる電力を、制御チャネルおよび/または再送信フィードバック・チャネルへ割り当てるため、および、残りのチャネル間で、送信電力の残りを分配するために、)1または複数の電力割当スキームに少なくとも部分的に基づいて電力係数を決定すること等を含みうる。さらに、記載されているように、電力係数のセットは、制御チャネルおよびデータ・チャネルについて、および/または、異なるタイプの制御チャネル間等で異なりうる。306では、電力係数のセットに少なくとも部分的に基づいて、複数のチャネルのうちの1または複数のうちの少なくとも1つの、必要とされる電力が調節されうる。さらに、記載されているように、複数のチャネルは、複数のキャリアに対応しうる。
図4に移って、送信電力が制限されている場合、チャネルへの送信電力を割り当てることを容易にする方法400の例が示される。402では、送信電力が制限されていると判定されうる。記載されているように、これは、利用可能な送信電力を、送信されるべきすべてのチャネルのために必要とされる電力と比較することを含みうる。ここでは、利用可能な送信電力が低い場合、送信電力が制限される。404では、必要とされる電力が、1または複数の制御チャネルに割り当てられうる。これは、少なくとも、記載されているような再送信フィードバック・チャネル、および/または、1または複数のその他の制御チャネルへ、必要とされる電力を割り当てることを含みうる。さらに、これは、複数のキャリアのための複数の再送信フィードバック・チャネルへ、必要とされる電力を割り当てることを含みうる。406では、必要とされる電力の一部が、1または複数の別の制御チャネルまたはデータ・チャネルへ割り当てられうる。記載されているように、これは、1または複数の別の制御チャネルおよび/またはデータ・チャネルの実質的に一様な電力低減を提供するために送信電力を割り当てること、および電力係数にしたがって送信電力を割り当てること等を含みうる。
本明細書に記載された1または複数の態様によれば、推論は、記載されているように、1または複数のチャネルへ割り当てるための送信電力を決定すること、および電力係数を決定すること等に関連してなされうることが認識されるだろう。本明細書で使用されるように、「推論する」または「推論」なる用語は一般に、イベントおよび/またはデータによって取得されたような観察のセットから、システム、環境、および/または、ユーザの状態の推論あるいはそれらに関連する推理のプロセスを称する。推論は、特定の文脈または動作を識別するために適用されるか、あるいは、例えば状態にわたる確率分布を生成しうる。推論は、確率論的、すなわち、データおよびイベントの考慮に基づいて、該当する状態にわたる確率分布を計算することでありうる。推論はまた、イベントおよび/またはデータのセットから、より高いレベルのイベントを構築するために適用される技術を称することができる。このような推論によって、イベントが時間的に近接していようといまいと、これらイベントおよびデータが1またはいくつかのイベント・ソースおよびデータ・ソースに由来していようと、観察されたイベントおよび/または格納されたイベント・データのセットから、新たなイベントまたは動作を構築することができる。
図5は、1または複数のチャネルのための送信電力を調節することを容易にするモバイル・デバイス500の例示である。モバイル・デバイス500は、例えば(図示しない)受信アンテナから信号を受信し、受信した信号について一般的な動作(例えば、フィルタ、増幅、ダウンコンバート等)を実行し、これら調整された信号をデジタル化してサンプルを得る受信機502を備えうる。受信機502は、受信したシンボルを復調し、これらをチャネル推定のためにプロセッサ506へ提供する復調器504を備えうる。プロセッサ506は、受信機502によって受信された情報を分析すること、および/または、送信機520による送信のための情報を生成することに特化されたプロセッサ、モバイル・デバイス500の1または複数の構成要素を制御するプロセッサ、および/または、受信機502によって受信された情報を分析することと、送信機520による送信のための情報を生成することと、モバイル・デバイス500のうちの1または複数の構成要素を制御することとのすべて行うプロセッサでありうる。
モバイル・デバイス500はさらに、プロセッサ506に動作可能に接続されたメモリ508を備えうる。このメモリ508は、送信されるべきデータ、受信されたデータ、利用可能なチャネルに関連する情報、分析された信号および/または干渉強度に関連付けられたデータ、割り当てられたチャネルや電力やレート等に関連する情報、および、チャネルの推定とチャネルを介した通信のために適切なその他任意の情報を格納しうる。メモリ508はさらに、(例えば、パフォーマンス・ベース、キャパシティ・ベース等での)チャネルの推定および/または利用に関連付けられたアルゴリズムおよび/またはプロトコルを格納しうる。
本明細書に記載されたデータ・ストア(例えば、メモリ508)は、揮発性メモリであるか、あるいは不揮発性メモリである。あるいは、揮発性メモリと不揮発性メモリとの両方を含みうることが認識されるだろう。限定ではなく例示によって、不揮発性メモリは、読取専用メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、電子的プログラマブルROM(EPROM)、電子的消去可能PROM(EEPROM)、あるいはフラッシュ・メモリを含みうる。揮発性メモリは、外部キャッシュ・メモリとして動作するランダム・アクセス・メモリ(RAM)を含みうる。限定ではなく例示によって、RAMは、例えばシンクロナスRAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)、ダブル・データ・レートSDRAM(DDR SDRAM)、エンハンストSDRAM(ESDRAM)、シンクリンクDRAM(SLDRAM)、およびダイレクト・ラムバスRAM(DRRAM(登録商標))のような多くの形態で利用可能である。主題となるシステムおよび方法のメモリ508は、限定される訳ではないが、これらおよびその他任意の適切なタイプのメモリを備えることが意図される。
プロセッサ506はさらに、オプションとして、電力制限判定構成要素206に類似しうる電力制限判定構成要素510と、必要チャネル電力決定構成要素208に類似しうる必要チャネル電力決定構成要素512とに接続されうる。プロセッサ506はさらに、オプションとして、電力係数決定構成要素210に類似しうる電力係数決定構成要素514と、電力調節構成要素212に類似しうる電力調節構成要素516とに接続されうる。モバイル・デバイス500はさらに、信号を変調する変調器518と、この信号を例えば基地局、別のモバイル・デバイス等へ送信する送信機520とを備える。プロセッサ506と別に示されているが、電力制限判定構成要素510、必要チャネル電力決定構成要素512、電力係数決定構成要素514、電力調節構成要素516、復調器504、および/または、変調器518は、プロセッサ506または複数のプロセッサ(図示せず)の一部でありうることが認識されるべきである。
図6を参照して、送信電力が制限されている場合、1または複数のチャネルのための送信電力を調節するシステム600が例示される。例えば、システム600は、基地局、モバイル・デバイス等の中に少なくとも部分的に存在しうる。システム600は、プロセッサ、ソフトウェア、またはこれらの組み合わせ(例えば、ファームウェア)によって実現される機能を表す機能ブロックでありうる機能ブロックを含むものとして示されることが認識されるべきである。システム600は、連携して動作しうる電子構成要素の論理グループ602を含む。例えば、論理グループ602は、複数のチャネルのうちの1または複数の、必要とされる送信電力を決定するための電子構成要素604を含みうる。例えば、必要とされる電力は、記載されているように、基地局から受信されたコマンド、仕様、設定、ハードコーディング、および/または、その他に少なくとも部分的に基づいて決定されうる。さらに、論理グループ602は、複数のチャネルのための電力係数のセットを決定するための電子構成要素606を備えうる。記載されているように、電力係数は、基地局または他のデバイスから受信された信号、仕様、設定、ハードコーディングから取得されうるか、あるいは、1または複数の電力割当スキームに少なくとも部分的に基づいて決定されうる。
さらに、論理グループ602は、電力係数のセットに少なくとも部分的に基づいて、複数のチャネルのうちの1または複数のうちの少なくとも1つの、必要とされる送信電力を調節するための電子構成要素608を備えうる。例えば、態様では、電子構成要素604は、前述したように、必要チャネル電力決定構成要素208を含みうる。さらに、例えば、電子構成要素606は、態様において、前述したように、電力係数決定構成要素210を含みうる。さらに、電子構成要素608は、態様において、電力割当構成要素106、電力調節構成要素212等を含みうる。さらに、システム600は、電子構成要素604,606,608に関連付けられた機能を実行するための命令群を保持するメモリ610を含みうる。メモリ610の外側にあるとして示されているが、電子構成要素604,606,608のうちの1または複数は、メモリ610内に存在しうることが理解されるべきである。
一例において、電子構成要素604,606,608は、少なくとも1つのプロセッサを含みうる。または、電子構成要素604,606,または608おのおのは、少なくとも1つのプロセッサの対応するモジュールでありうる。さらに、追加例または代替例において、電子構成要素604,606,608は、コンピュータ読取可能な媒体を備えるコンピュータ・プログラム製品でありうる。ここで、おのおのの電子構成要素604,606,または608は、対応するコードでありうる。
図7に示すように、本明細書に示されたさまざまな実施形態にしたがう無線通信システム700が例示されている。システム700は、複数のアンテナ・グループを含みうる基地局702を含む。例えば、1つのアンテナ・グループは、アンテナ704およびアンテナ706を含むことができ、別のグループはアンテナ708およびアンテナ710を備えることができ、さらに別のグループはアンテナ712およびアンテナ714を含むことができる。おのおののアンテナ・グループについて2本のアンテナしか例示されていないが、2本より多いアンテナ、または2本より少ないアンテナも、各グループのために利用されうる。基地局702はさらに、送信機チェーンおよび受信機チェーンを含みうる。これらおのおのは、当業者によって理解されるように、信号の送信および受信に関連する複数の構成要素(例えば、プロセッサ、変調器、マルチプレクサ、復調器、デマルチプレクサ、アンテナ等)を備えうる。
基地局702は、例えばモバイル・デバイス716およびモバイル・デバイス722のような1または複数のモバイル・デバイスと通信しうる。しかしながら、基地局702は、モバイル・デバイス716およびモバイル・デバイス722に類似した実質的に任意の数のモバイル・デバイスと通信しうることが理解されるべきである。モバイル・デバイス716,722は例えば、セルラ電話、スマート・フォン、ラップトップ、ハンドヘルド通信デバイス、ハンドヘルド・コンピュータ・デバイス、衛星ラジオ、全地球測位システム、PDA、および/または、無線通信システム700を介して通信するのに適切なその他任意のデバイスでありうる。図示するように、モバイル・デバイス716は、アンテナ712およびアンテナ714と通信している。ここで、アンテナ712およびアンテナ714は、順方向リンク718によってモバイル・デバイス716へ情報を送信し、逆方向リンク720によってモバイル・デバイス716から情報を受信する。さらに、モバイル・デバイス722はアンテナ704およびアンテナ706と通信している。ここで、アンテナ704およびアンテナ706は、順方向リンク724でモバイル・デバイス722へ情報を送信し、逆方向リンク726でモバイル・デバイス722から情報を受信する。周波数分割デュプレクス(FDD)システムでは、例えば、順方向リンク718は、逆方向リンク720によって使用されるものとは異なる周波数帯域を使用し、順方向リンク724は、逆方向リンク726によって使用されるものとは異なる周波数帯域を使用しうる。さらに、時分割デュプレクス(TDD)システムでは、順方向リンク718および逆方向リンク720は、共通の周波数帯域を使用し、順方向リンク724および逆方向リンク726は、共通の周波数帯域を使用しうる。
通信するように指定された領域および/またはアンテナのおのおののグループは、基地局702のセクタと称されうる。例えば、基地局702によってカバーされる領域のセクタ内のアクセス端末に通信するように、複数のアンテナが設計されうる。順方向リンク718および順方向リンク724による通信では、基地局702の送信アンテナは、モバイル・デバイス716およびモバイル・デバイス722のための順方向リンク718および順方向リンク724の信号対雑音比を改善するためにビームフォーミングを適用しうる。また、基地局702が、関連付けられた有効通信範囲にランダムに散在したモバイル・デバイス716,722に送信するためにビームフォーミングを利用している間、近隣セル内のモバイル・デバイスは、すべてのモバイル・デバイスに対して単一のアンテナによって送信している基地局に比べて、少ない干渉しか被らない。さらに、モバイル・デバイス716,722は、図示するように、ピア・トゥ・ピアまたはアド・ホック技術を用いて互いにダイレクトに通信しうる。例によれば、システム700は、複数入力複数出力(MIMO)通信システムでありうる。
図8は、無線通信システム800の例を示す。無線通信システム800は、簡潔さの目的で、1つの基地局810と1つのモバイル・デバイス850とを示している。しかしながら、システム800は、1より多い基地局、および/または、1より多いモバイル・デバイスを含むことができ、これら追加の基地局および/またはモバイル・デバイスは、以下に説明する基地局810およびモバイル・デバイス850の例と実質的に同じでも、別のものでもありうることが認識されるべきである。それに加えて、基地局810および/またはモバイル・デバイス850は、その間の無線通信を容易にするために、本明細書に記載されたシステム(図1−2、6−7)、モバイル・デバイス(図5)、および/または方法(図3−4)を適用しうることが認識されるべきである。例えば、本明細書に記載されたシステムおよび/または方法の構成要素または機能は、以下に記載されるプロセッサ830および/またはプロセッサ870またはメモリ832および/またはメモリ872の一部でありうるか、および/または、開示された機能を実行するためにプロセッサ830および/またはプロセッサ870によって実行されうる。
基地局810では、多くのデータ・ストリームのためのトラフィック・データが、データ・ソース812から送信(TX)データ・プロセッサ814へ提供される。例によれば、おのおののデータ・ストリームが、それぞれのアンテナを介して送信される。TXデータ・プロセッサ814は、トラフィック・データ・ストリームをフォーマットし、このデータ・ストリームのために選択された特定の符号化スキームに基づいて符号化し、インタリーブして、符号化されたデータを提供する。
おのおののデータ・ストリームの符号化されたデータは、直交周波数分割多重(OFDM)技術を用いてパイロット・データと多重化されうる。さらに、あるいは、この代わりに、パイロット・シンボルは、周波数分割多重化(FDM)、時分割多重化(TDM)、あるいは符号分割多重化(CDM)されうる。パイロット・データは一般に、既知の方法で処理される既知のデータ・パターンであり、チャネル応答を推定するためにモバイル・デバイス850において使用されうる。おのおののデータ・ストリームについて多重化されたパイロットおよび符号化されたデータは、データ・ストリームのために選択された特定の変調スキーム(例えば、バイナリ・フェーズ・シフト・キーイング(BPSK)、直交フェーズ・シフト・キーイング(QPSK)、Mフェーズ・シフト・キーイング(M−PSK)、M直交振幅変調(M−QAM)等)に基づいて変調(例えば、シンボル・マップ)され、変調シンボルが提供されうる。おのおののデータ・ストリームのデータ・レート、符号化、および変調は、プロセッサ830によって実行または提供される指示によって決定されうる。
データ・ストリームの変調シンボルは、(例えば、OFDMのために)変調シンボルを処理するTX MIMOプロセッサ820に提供されうる。TX MIMOプロセッサ820はその後、NT個の変調シンボル・ストリームを、NT個の送信機(TMTR)822a乃至822tへ提供する。さまざまな実施形態において、TX MIMOプロセッサ820は、データ・ストリームのシンボル、および、そのシンボルが送信されるアンテナへ、ビームフォーミング重みを適用する。
おのおのの送信機822は、1または複数のアナログ信号を提供するために、それぞれのシンボル・ストリームを受信して処理し、さらには、MIMOチャネルを介した送信に適切な変調信号を提供するために、このアナログ信号を調整(例えば、増幅、フィルタ、およびアップコンバート)する。さらに、送信機822a乃至822tからのNT個の変調信号は、NT個のアンテナ824a乃至824tそれぞれから送信される。
モバイル・デバイス850では、送信された変調信号は、NR個のアンテナ852a乃至852rによって受信され、おのおののアンテナ852から受信された信号が、それぞれの受信機(RCVR)854a乃至854rへ提供される。おのおのの受信機854は、それぞれの信号を調整(例えば、フィルタ、増幅、およびダウンコンバート)し、この調整された信号をデジタル化してサンプルを提供し、さらにこのサンプルを処理して、対応する「受信された」シンボル・ストリームを提供する。
RXデータ・プロセッサ860は、NR個の受信機854からNR個のシンボル・ストリームを受信し、受信されたこれらシンボル・ストリームを、特定の受信機処理技術に基づいて処理して、NT個の「検出された」シンボル・ストリームを提供する。RXデータ・プロセッサ860は、検出されたおのおののシンボル・ストリームを復調し、デインタリーブし、復号して、そのデータ・ストリームのためのトラフィック・データを復元する。RXデータ・プロセッサ860による処理は、基地局810におけるTX MIMOプロセッサ820およびTXデータ・プロセッサ814によって実行されるものと相補的である。
逆方向リンク・メッセージは、通信リンクおよび/または受信されたデータ・ストリームに関するさまざまなタイプの情報を備えうる。逆方向リンク・メッセージは、多くのデータ・ストリームに関するトラフィック・データをデータ・ソース836から受け取るTXデータ・プロセッサ838によって処理され、変調器880によって変調され、送信機854a乃至854rによって調整され、基地局810へ送り戻される。
基地局810では、モバイル・デバイス850からの変調信号が、アンテナ824によって受信され、受信機822によって調整され、復調器840によって復調され、RXデータ・プロセッサ842によって処理されて、モバイル・デバイス850によって送信された逆方向リンク・メッセージが抽出される。さらに、プロセッサ830は、ビームフォーミング重みを決定するためにどのプリコーディング行列を使用するかを決定するために、この抽出されたメッセージを処理する。
プロセッサ830およびプロセッサ870は、基地局810およびモバイル・デバイス850それぞれにおける動作を指示(例えば、制御、調整、管理等)する。プロセッサ830およびプロセッサ870はそれぞれ、プログラム・コードおよびデータを格納するメモリ832およびメモリ872に関連付けられうる。プロセッサ830およびプロセッサ870はまた、アップリンクおよびダウンリンクそれぞれのための周波数およびインパルス応答推定値を導出する計算をも実行しうる。
本明細書で開示された実施形態に関連して記述されたさまざまな例示的なロジック、論理ブロック、モジュール、構成要素、および回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)あるいはその他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリート・ゲートあるいはトランジスタ・ロジック、ディスクリート・ハードウェア構成要素、または上述された機能を実現するために設計された上記何れかの組み合わせを用いて実現または実施されうる。汎用プロセッサとしてマイクロ・プロセッサを用いることが可能でありうるが、代わりに、従来技術によるプロセッサ、コントローラ、マイクロ・コントローラ、あるいは順序回路を用いることも可能でありうる。プロセッサは、例えばDSPとマイクロ・プロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロ・プロセッサ、DSPコアと連携する1または複数のマイクロ・プロセッサ、またはその他任意のこのような構成であるコンピューティング・デバイスの組み合わせとして実現されうる。さらに、少なくとも1つのプロセッサは、上述したステップおよび/または動作のうちの1または複数を実行するように動作可能な1または複数のモジュールを備えうる。典型的な記憶媒体は、プロセッサに結合されており、これによって、プロセッサは、記憶媒体との間で情報を読み書きできるようになりうる。あるいは、この記憶媒体は、プロセッサに統合されうる。さらに、いくつかの態様では、プロセッサと記憶媒体とが、ASIC内に存在しうる。
さらに、ASICは、ユーザ端末に存在しうる。あるいは、プロセッサと記憶媒体とが、ユーザ端末内のディスクリートな構成要素として存在しうる。
1または複数の態様では、説明された機能、方法、またはアルゴリズムが、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの任意の組み合わせで実現されうる。ソフトウェアで実現される場合、これら機能は、コンピュータ・プログラム製品に組み込まれうるコンピュータ読取可能な媒体上のコード、または、1または複数の命令群として格納または送信されうる。コンピュータ読取可能な媒体は、コンピュータ記憶媒体と通信媒体との両方を含む。これらは、コンピュータ・プログラムのある場所から別の場所への転送を容易にする任意の媒体を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされうる任意の利用可能な媒体でありうる。例として、限定することなく、このようなコンピュータ読取可能な媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMまたはその他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置またはその他の磁気記憶デバイス、あるいは、所望のプログラム・コード手段を命令群またはデータ構造の形式で搬送または格納するために使用され、しかも、コンピュータによってアクセスされうるその他任意の媒体を備えうる。また、実質的に任意の接続が、コンピュータ読取可能な媒体と称されうる。同軸ケーブル、光ファイバ・ケーブル、ツイスト・ペア、デジタル加入者線(DSL)、あるいは、例えば赤外線、無線およびマイクロ波のような無線技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、あるいはその他の遠隔ソースからソフトウェアが送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバ・ケーブル、ツイスト・ペア、DSL、あるいは、例えば赤外線、無線およびマイクロ波のような無線技術が、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用されるdiskおよびdiscは、コンパクト・ディスク(disc)(CD)、レーザ・ディスク(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)、およびブルーレイ・ディスク(disc)を含む。通常、diskは、データを磁気的に再生し、discは、レーザを用いて光学的にデータを再生する。上記の組み合わせもまた、コンピュータ読取可能な媒体の範囲内に含まれるべきである。
前述した開示は、例示的な態様および/または実施形態を開示しているが、さまざまな変更および修正が、特許請求の範囲で定義されたような説明された態様および/または実施形態の範囲から逸脱することなくなされうる ことが注目されるべきである。さらに、説明された態様および/または実施形態の構成要素は、単数形で記載または特許請求されているが、もしも単数であると明示的に述べられていないのであれば、複数が考慮される。さらに、任意の態様および/または実施形態のすべてまたは一部は、特に述べられていないのであれば、その他任意の態様および/または実施形態のすべてまたは一部とともに利用されうる。