JP2013516735A - 有機発光ダイオード装置のマスクレス製造の方法 - Google Patents
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Abstract
本発明により、有機発光ダイオード装置の製造の方法であって、担体基板を備えるステップと、第1の電極物質層を前記担体基板に堆積させるステップと、前記堆積された第1の電極物質層内に電気的に分離された領域を形成するステップと、前記第1の電極物質層に有機光電子活性物質層を堆積させるステップと、前記有機光電子活性物質層に第2の電極物質層を堆積させるステップと、を有する方法が提案される。該方法は、前記有機光電子活性物質層を堆積させるステップ及び前記第2の電極物質層を堆積させるステップにおいて、前記担体基板は、前記有機光電子活性物質層及び前記第2の電極物質層により前記担体基板の機能領域全体をマスクレスに被覆され、少なくとも前記第2の電極物質層は、少なくとも選択された領域においてアブレーションされ非導電性に下塗りされ、前記第2の電極物質層内に非導電性領域を形成することを特徴とする。
Description
本発明は、OLED(有機発光ダイオード)装置の製造の分野に関する。一態様においては、本発明は、OLED装置を形成する構成工程が改善された、OLED装置をマスクレス製造するための方法に関する。更なる態様においては、本発明は、本発明の一態様により製造されたOLED装置を有する発光装置及びシステムに関する。
OLED装置は、先行技術から知られている。一般に、OLED装置は少なくとも、担体基板に配置された第1の電極物質と、該第1の電極物質上に堆積させられた有機光電子活性物質と、該有機光電子活性物質を少なくとも部分的に被覆する第2の電極物質と、から成る。該電極物質の一方は陽極層として機能し、他方の電極物質は陽極層として機能する。光電子活性物質としては、例えばポリ(p−フェニレンビニレン)(PPV)といった発光高分子のようなエレクトロルミネセンス物質、又は例えばアルミニウム・トリ(8−ヒドロキシキノリン)のような発光型低分子量物質が使用されることができる。
担体基板としては、例えばガラス又はプラスチックのような絶縁材料が使用されることができる。電極物質としては、例えばインジウムスズ酸化物(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)といった透明な導電性酸化物(TCO)のような化合物、又は例えば銅、銀、金若しくはアルミニウムのような金属が使用されることができる。また、例えば正孔の注入障壁を低くするPEDOT/PSS層(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/ポリスチロールスルホン酸)又はPANI/PSS層(ポリアニリン/ポリスチロールスルホン酸)のような所謂正孔輸送層を、電極物質と光電子活性物質との間に配置することも、先行技術から知られている。
動作時には、第1の電極物質層と第2の電極物質層との間に電気が印加される。該印加された電気は、光電子活性物質の励起状態を引き起こし、非励起状態への緩和により光子が発せられる。OLED装置は、例えばディスプレイ又は照明のために利用されることができる。
以下に説明するような工程によりOLED装置を製造することが、先行技術より知られている。
第1のステップとして、パターニングステップにおいて基板が製造される。当該パターニングステップにおいて、担体基板上に第1の電極物質がパターンを有して塗布される。当該パターニングステップの主な機能は、電気的に分離された領域を生成することである。当該パターニングは、例えばシャドウマスクによる印刷又はスパッタリングによって機能層を堆積させることにより実行されても良い。
後続するステップにおいては、光電子活性物質により形成されるOLED機能層が塗布される。真空における熱蒸発により、小分子の機能層が堆積させられる。有機物質の堆積は、少なくとも陰極接点が被覆されないように制限される必要がある。通常、後の適切な電気的接触を実現するため、陽極接点も被覆から保護される。当該構造的な堆積は、シャドウマスクにより実現される。当該マスクは各OLED設計に独特のものであり、有機層堆積の間に基板上に配置される。マスキングは、基板とマスクとの間に物理的な接触を伴って実行されても良いし、又は小さな間隙を伴って実行されても良い。堆積工程の間、シャドウマスクは有機物質により被覆される。
次のステップにおいて、第2の電極物質層の堆積により、対向電極が形成される。このことは、真空熱蒸発工程においても適用される。また、当該ステップにおいて該層が構築される必要がある。なぜなら、そうでない場合、2つの電極物質層間、即ち陰極と陽極との間で短絡が生じるからである。また、当該ステップにおいては、マスクは物質により被覆され、陰極物質は典型的には銅、銀、アルミニウム、金等のような金属である。
被覆された領域は光電子活性物質及び陰極について異なるため、上述した工程ステップ毎に異なるセットのマスクが使用される必要がある。
OLED装置の品質は、使用される種々のマスクの適切な整合、及び光電子活性物質及び陰極層の堆積の間のマスク及び基板の熱膨張に依存する。例えば、先行技術による製造工程において使用されるマスクの熱膨張は、陰極層の堆積の間、典型的な50℃の温度上昇に対して0.5mmのオーダーとなり得る。従って、製造工程の精度は、当該熱膨張に制限される。それ故、先行技術より知られる手法は、幾つかの欠点を持つ。マスクは設計に特有のものであるため、設計変更は新たなセットのマスクを必要とする。このことは設計変更のためのスループットタイムを制限し、コストを増大させる。マスクは堆積の間に被覆される。このことは、定期的な洗浄を必要とし、付加的なコストを誘発する。マスクから失われた粒子は短絡をもたらし、製造量を低減させ得る。実現され得る最小限の形状は、基板サイズ及び整合精度に対応する、マスクの熱膨張のために制限される。少なくとも、真空におけるマスクの取り扱いは非常に高価である。
先行技術より知られたマスキング方法の他の欠点は、被覆された電極領域により囲まれた閉じた非電極被覆領域の製造が、必要とされるシャドウマスクにおける制限のため、1つの被覆ステップでは不可能であるという点である。マスクを使用する場合には、閉じた非被覆領域の内側領域を外側の被覆領域に接続する紐が常に存在することとなる。
本発明の目的は、OLED装置を製造するための改善された方法を提供することにある。
本目的は、有機発光ダイオード装置の製造の方法であって、
担体基板を備えるステップと、
第1の電極物質層を前記担体基板に堆積させるステップと、
前記堆積された第1の電極物質層内に電気的に分離された領域を形成するステップと、
前記第1の電極物質層に有機光電子活性物質層を堆積させるステップと、
前記有機光電子活性物質層に第2の電極物質層を堆積させるステップと、を有する方法において、前記有機光電子活性物質層を堆積させるステップ及び前記第2の電極物質層を堆積させるステップにおいて、前記担体基板は、前記有機光電子活性物質層及び前記第2の電極物質層により前記担体基板の機能領域全体をマスクレスに被覆され、少なくとも前記第2の電極物質層は、少なくとも選択された領域においてアブレーションされ非導電性に下塗りされ、前記第2の電極物質層内に非導電性領域を形成することを特徴とする方法により達成される。
担体基板を備えるステップと、
第1の電極物質層を前記担体基板に堆積させるステップと、
前記堆積された第1の電極物質層内に電気的に分離された領域を形成するステップと、
前記第1の電極物質層に有機光電子活性物質層を堆積させるステップと、
前記有機光電子活性物質層に第2の電極物質層を堆積させるステップと、を有する方法において、前記有機光電子活性物質層を堆積させるステップ及び前記第2の電極物質層を堆積させるステップにおいて、前記担体基板は、前記有機光電子活性物質層及び前記第2の電極物質層により前記担体基板の機能領域全体をマスクレスに被覆され、少なくとも前記第2の電極物質層は、少なくとも選択された領域においてアブレーションされ非導電性に下塗りされ、前記第2の電極物質層内に非導電性領域を形成することを特徴とする方法により達成される。
本発明の意図においては、機能領域とは、発光構造が形成される担体基板表面の領域として理解されるべきである。本発明によれば、例えばOLED装置の固定のために利用される周縁領域のような、担体基板表面の他の領域は、例えば機能領域にのみに電極物質及び光電子活性物質の堆積を制限することにより、又は対応する領域をマスキングすることにより、被覆されないままとされても良い。
本発明の一態様においては、基板の全領域の殆どに亘ってOLED装置を構築するのに必要とされる種々の層を塗布し、続いて特定の領域に非導電層をアブレーション及び/又は下塗りすることが新規な概念である。このことは、精細なパターン整合の必要性を回避し、OLED製造の生産性を向上させる。更に、レーザアブレーション等のようなアブレーション方法は正確であり、小さなパターンの形成を可能とする。本発明の方法の利点は、アブレーションステップが真空室において実行される必要がない点である。このことは、製造全体を取り扱いが容易なものとし、大きな真空製造室の必要性を取り除く。更に、第2の電極物質のマスクレス堆積のため、閉じた非被覆/非導電電極領域を提供することも可能となる。
本発明の一実施例によれば、前記第2の電極物質層及び前記有機光電子活性物質層はアブレーションされ、前記第1の電極物質層の2つの前記電気的に分離された領域において少なくとも2つの接触パッドを露出させ、陽極接触パッド及び陰極接触パッドを形成し、前記アブレーションの後、前記電気的に分離された領域の一方は、前記第2の電極物質層及び前記有機光電子活性物質層によって略接触されず、前記領域の他方は、依然として前記第2の電極物質層及び前記有機光電子活性物質層によって少なくとも部分的に被覆され、前記領域の一方の上に残る前記第2の電極物質層は、前記領域の他方の前記接触パッドに電気的に接続されても良い。本実施例の利点は、有機光電子活性物質層及び第2の電極物質層の堆積の間に、マスクの適切且つ時間を浪費する整合の必要性がなく、接触パッド領域を被覆されないまま残す点である。このことは、一方では高い生産性を実現し、他方ではマスクの熱膨張を考慮する必要がないために小さなパターンサイズを可能とする。例えば、層をアブレーションするために一般的な産業用レーザシステムを使う場合には、レーザの整合のための値は10μmより低いオーダーとなり、ビーム幅は20μmのオーダーとなる。このことは、マスキング手法を使う場合に比べて、約25倍高いOLED装置の精度を可能とする。
本発明の一実施例によれば、前記領域の一方上に依然として残る前記第2の電極物質層は、金属銀糊、導電性接着剤、及び電子化学的に堆積された金属から成る群の導電性物質を塗布することにより前記接触パッドに電気的に接続されても良い。金属の電子化学的堆積は、いずれの電気的又は自己触媒的な堆積によって実行されても良いことは、理解されるべきである。本実施例の利点は、これら導電性物質の塗布は、例えばインクジェット印刷手法等により、適切な精度で且つ高いスループットで可能となる点である。電子化学的に堆積された金属を用いる場合には、少なくとも部分的に絶縁材料が適用され得る。このことは、金属の意図しない堆積により引き起こされる短絡を回避することを可能とする。該絶縁材料もまた、インクジェット印刷手法により塗布されても良い。代替としては、適切な導電性カバー蓋を配線又は塗布することにより、電気的接続が実現されても良い。
本発明の一実施例によれば、前記領域の一方上の前記第2の電極物質層を前記他方の領域の前記接触パッドに電気的に接続する前記導電性物質は、塗布された後にアニーリングされても良い。斯かるアニーリングは、熱的アニーリング工程、UV誘発アニーリング又はその他の適切なアニーリング法により実行されても良い。熱的アニーリングは、例えばレーザビーム、マイクロ波ビーム、UVビーム、IRビーム等のように局所的に熱を加えることにより、又は構造全体に熱を加えることにより、実行されても良い。ここで、熱を局所的に加えることは、OLED装置の熱膨張が少ししか起こらず、力学的な応力を低く保つこととなるという利点のため、好適である。アニーリング工程を更に改善するため、導電性物質は、照射された電磁波放射(即ち光、マイクロ波、UV、IR)を吸収し、アニーリング工程を開始及び/又は加速する化合物を有しても良い。斯かる化合物は、色素、ラジカル開始剤等であっても良い。このことは、加速された改善されたアニーリングによる時間的な利点で、方法全体を改善させ得る。
本発明の一実施例によれば、導電性物質を塗布する前に、絶縁物質が少なくとも部分的に塗布される。このことは、導電性物質の意図しない堆積により引き起こされる電気的な短絡が回避されることができるという利点を持つ。
本方法の変形例においては、有機光電子活性物質が、例えば溶解法可能な機能的物質を印刷することによって、印刷工程により塗布されても良い。
本発明の一実施例によれば、一方の領域上の第2の電極物質を他方の領域の接触パッドに接続する導電性物質は、特定の電圧及び/又は電流密度で溶解するような大きさとされても良い。このことは、一方の領域上の第2の電極物質と他方の領域の接触パッドとの間の電気的接続が、電気フューズとして機能し得るという利点を持つ。このことは、過電圧により引き起こされる有機光電子活性物質の分解及び燃焼のリスクを回避し得る。
本発明による方法は、例えば上面電極が陽極である反転OLED装置、又は上面電極及び/又は底部電極が透明である上面発光型又は透明OLED装置のような、種々のOLED装置の製造工程において適用可能である。後者については、電極物質としてTCOが利用されても良い。本発明の一実施例によれば、該OLED装置は、第2の電極物質が該装置の陽極を形成する反転OLEDであっても良いし、又は第2の電極物質が例えばTCOのような透明層である上面発光型OLEDであっても良い。しかしながら、本発明の一実施例によれば、電極物質層の少なくとも1つがTCOであっても良い。
本発明の別の実施例によれば、電極物質層の少なくとも1つが、光散乱成分又は光散乱粒子を有しても良い。このことは、光脱結合が増強され、OLED装置の効率を増大させるという利点を持つ。
本発明の一実施例によれば、前記電気的に分離された領域は、前記第1の電極物質層のパターニングされた堆積により形成される。斯かるパターニングされた堆積は、一般に知られた基板のマスキングにより実行されても良い。第1の電極物質層は基板表面に直接に堆積させられるため、以前に堆積された構造に対する整合は必要とされない。代替としては、第1の電極物質層は基板の広い領域に亘って堆積されても良く、パターニングが、例えばレーザアブレーション、プラズマエッチング、機械的アブレーション、化学的アブレーション等のような、アブレーション方法によって実行されても良い。このことは、OLED装置の製造における製造工程全体の生産性を更に増大させ得る。
本発明の一実施例によれば、前記第2の電極物質層及び/又は前記有機光電子活性物質層は、レーザビーム及び/又はプラズマエッチングにより、アブレーションされ少なくとも部分的に非導電性に下塗りされる。レーザビーム及び/又はプラズマエッチングの利用は、非常に正確なアブレーションが可能となり、高い精度で非常に小さな構造を形成することを可能とする利点を持つ。このことは、単一のOLED装置のサイズを低減し、増大させられた画素密度及び/又は解像度を持つ発光システムを提供することを可能とし得る。
本方法の更なる変形例においては、アブレーションは基板側から実行される。
本発明の別の実施例によれば、前記第2の電極物質層及び/又は前記有機光電子活性物質層のアブレーションされるべき領域の輪郭のみがレーザビーム及び/又はプラズマエッチングによりアブレーションされ、アブレーションされるべき主要領域は力学的及び/又は化学的なアブレーション手段によりアブレーションされる。このことは、もたらされる熱エネルギーが低減させられ得、熱膨張により引き起こされるOLED装置に対する力学的な応力を低減し得るという利点を持つ。適切な力学的アブレーション方法は、輪郭を描かれた構造の内側領域をアブレーションする粘着テープの使用であっても良い。
本発明の一実施例においては、アブレーション及びアニーリングのためにレーザシステムが利用される。斯かる実施例においては、レーザシステムは、種々のレーザ光源、及び/又は調節可能な出力及び/又は波長を持つレーザ光源を有しても良い。このことは、製造工程が単一の製造システム上で実行されることができるという利点を持つ。
コスト削減の他の、提案される方法の利点の1つは、印刷精度及び/又はアブレーション精度のみがOLED装置の最小サイズ及び/又は間隔を制限することによる、小さな機能サイズをつくりだす可能性である。加えて、OLEDアレイの全ての構成が、OLEDの形状に対して殆ど制限を課さずに実現され得る。
更なる態様においては、本発明は、本発明の方法の以上に開示された実施例のいずれかにより製造されたOLED装置を有する発光装置に関する。斯かる発光装置は、改善されたOLED装置の精度のため、増大させられた画素密度及び/又は解像度を持ち得る。
更なる態様においては、本発明は、本発明の方法の以上に開示した実施例のいずれかにより製造された有機発光ダイオード装置及び/又は以上の開示した発光装置を有するシステムであって、
オフィス照明システム、
家庭用アプリケーションシステム、
店頭照明システム、
家庭用照明システム、
アクセント照明システム、
スポット照明システム、
映画照明システム、
光ファイバアプリケーションシステム、
投射システム、
自己照明ディスプレイシステム、
画素化ディスプレイシステム、
セグメント化ディスプレイシステム、
警告標識システム、
医療用照明アプリケーションシステム、
指示標識システム、
装飾照明システム、
携帯型システム、
自動車用アプリケーション、及び
温室照明システム、
の1つ以上において使用されるシステムに関する。
オフィス照明システム、
家庭用アプリケーションシステム、
店頭照明システム、
家庭用照明システム、
アクセント照明システム、
スポット照明システム、
映画照明システム、
光ファイバアプリケーションシステム、
投射システム、
自己照明ディスプレイシステム、
画素化ディスプレイシステム、
セグメント化ディスプレイシステム、
警告標識システム、
医療用照明アプリケーションシステム、
指示標識システム、
装飾照明システム、
携帯型システム、
自動車用アプリケーション、及び
温室照明システム、
の1つ以上において使用されるシステムに関する。
本発明の目的の更なる詳細、機能、特徴及び利点は、本発明による物質の幾つかの実施例及び例を例示的な態様で示す、従属請求項、図面及び対応する図面及び例の以下の説明において開示される。
図1において、先行技術によるOLED装置の製造のための工程の方式が示されている。ステップ1Aにおいて、担体基板101に、透明な導電体層102が、後にOLED装置の構造を定義する特定のパターンで堆積させられる。パターニングは、例えばシャドウマスク又は印刷法を通したスパッタリングによって、当該堆積によりカバーされるべきではない領域をマスキングすることにより実行されても良い。該透明な導電体は、ZnO、ITO及び/又はPEDOT/PSS層であっても良い。当該透明な導電体102の上に、任意の金属線113が堆積させられる。ステップ1Bにおいて、パターン構造が光電子活性物質105により満たされる。
小分子の光電子活性物質が一般に、真空における熱蒸発により堆積させられる。有機物質の堆積は、少なくとも陰極接点115が被覆されないように、制約される必要がある。通常は、陽極接点は、後に優れた電気的接触を実現するために、被覆から保護される。ステップ1Cにおいて分かるように、当該構造化された堆積は、シャドウマスク116により実現される。これらマスク6は各OLED設計に特有であり、有機光電子活性物質の堆積の間に基板上に配置される。ステップ1Dにおいて、陰極層117が堆積させられる。このこともまた、真空熱蒸発工程で行われる。層117も構造化される必要があり、さもなければ陰極層117と陽極層102との間で短絡が起こることとなる。それ故、陰極堆積においては、ステップ1Eに示されるように、該装置中の領域を堆積から保護するためにシャドウマスク118が利用される。ここでもまた、マスク118は物質により被覆され、ここで陰極物質は典型的には銅、銀、アルミニウム、金等のような金属である。ステップ1Fに示されるように、個々のOLEDセグメント119の直列接続が実現される必要がある場合には、非常に複雑なシャドウマスクのセットが必要とされる。なぜなら、1つの画素の陽極120が、次の画素の陰極121と接続される必要があるからである。
図2において、本発明による工程方式が示されている。ステップ2Aにおいて、担体基板101に、第1の電極物質層102が堆積させられる。該堆積は、例えば一般に知られたマスキング手法を用いることにより、パターニングされた堆積として施される。好適には、第1の電極物質層102は、基本的に基板101の機能領域全体に亘って堆積され、例えばレーザビーム113又はプラズマエッチングにより、堆積された第1の電極物質層102の特定領域をアブレーションすることによりパターニングが施される。しかしながら、分離された領域103、104は、層102のパターニングにより形成される。ステップC1に示されるように、パターニングされた第1の電極物質層102上に、有機光電子活性物質層105及び第2の電極物質層106が堆積される。ステップC2に示されるように、該有機光電子活性物質もまた、分離された領域103と領域104との間のパターン領域を満たす。ステップDにおいて、例えばレーザビーム113によって、第2の電極物質層106及び有機光電子活性物質層105がアブレーションされ、接触パッド108及び109を露出させる。ここで、アブレーションは、第1の電極物質層102の電気的に分離された領域103が、第2の電極物質層106及び有機光電子活性物質層105に略接触せず、層102の他方の電気的に分離された領域104は該第2の電極物質層及び該有機光電子活性物質層に依然として実質的にカバーされるような態様で、実行される。第1及び第2の電極物質層102及び106は、OLED装置のパターンの種類に依存して、それぞれ陰極又は陽極として機能し得ることは、理解されるべきである。通常のOLED装置においては、第2の電極物質層106は陰極として機能し、第1の電極物質層102は陽極として機能し得るが、反転型OLED装置においては、電極物質層の機能は逆となり得る。
図3において、第2の電極物質層106を対応する接触パッド108に電気的に接続する方法が示されている。本発明の一態様によれば、該第2の電極物質層の電気的な接続は、導電性物質112により実行される。物質112は、金属銀糊、導電性接着剤、及び電子化学的に堆積された金属から成る群の物質であっても良い。好適な実施例においては、物質112はインクジェット印刷により塗布される。塗布の後、物質112は、本発明の一実施例によりアニーリングされる。アニーリングは、例えばレーザビーム又はフォーカスされたマイクロ波ビームにより、局所的な熱への暴露により実行されても良い。第2の電極物質層106を接触パッド108へ接続する他に、導電性物質112は他の接触パッド109にも塗布されても良く、それにより第1の電極物質層102の電気回路への電気的な接続のため当該接触パッド109の導電性を増大させても良い。しかしながら、このことは、第1の電極物質層102と第2の電極物質層106との間の短絡の形成を回避するように、非常に注意深く実行される必要がある。
図4は、第2の電極物質層106上の閉じた非電極物質被覆及び/又は非導電性パターンの形成を示す。本発明の方法により、斯かるパターンは、特定の領域107における堆積された電極層のアブレーションにより、いずれの紐なく形成されることができる。本発明の一実施例によれば、パターンの輪郭のみが例えばレーザビーム又はプラズマエッチングによりアブレーションされ、該パターンの内側領域111は例えば粘着テープのような力学的手段によりアブレーションされる。このことは、OLED装置にもたらされる熱の量が更に低減され、熱膨張が最小化されるという利点を持つ。
以上に詳述された実施例における要素及び特徴の組み合わせは単に例示的なものであり、これら教示を本明細書及び参照により組み込まれた特許/出願における他の教示と交換すること及び置き換えることもまた、明白に予期される。当業者は認識するであろうように、ここで説明されたものの変形、変更及び他の実装は、請求項に記載された本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、当業者に想到され得る。従って、以上の記載は単に例としてのものであり、限定するものと意図されるものではない。請求項において、「有する(comprising)」なる語は他の要素又はステップを除外するものではなく、「1つの(a又はan)」なる不定冠詞は複数を除外するものではない。特定の手段が相互に異なる従属請求項に列挙されているという単なる事実は、これら手段の組み合わせが有利に利用されることができないことを示すものではない。本発明の範囲は、請求項及びそれと同等のものにおいて定義される。更に、明細書及び請求項において使用される参照記号は、請求項に記載された本発明の範囲を限定するものではない。
Claims (13)
- 有機発光ダイオード装置の製造の方法であって、
担体基板を備えるステップと、
第1の電極物質層を前記担体基板に堆積させるステップと、
前記堆積された第1の電極物質層内に電気的に分離された領域を形成するステップと、
前記第1の電極物質層に有機光電子活性物質層を堆積させるステップと、
前記有機光電子活性物質層に第2の電極物質層を堆積させるステップと、を有する方法において、前記有機光電子活性物質層を堆積させるステップ及び前記第2の電極物質層を堆積させるステップにおいて、前記担体基板は、前記有機光電子活性物質層及び前記第2の電極物質層により前記担体基板の機能領域全体をマスクレスに被覆され、少なくとも前記第2の電極物質層は、少なくとも選択された領域においてアブレーションされ非導電性に下塗りされ、前記第2の電極物質層内に非導電性領域を形成することを特徴とする方法。 - 前記第2の電極物質層及び前記有機光電子活性物質層はアブレーションされ、前記第1の電極物質層の2つの前記電気的に分離された領域において少なくとも2つの接触パッドを露出させ、陽極接触パッド及び陰極接触パッドを形成し、前記アブレーションの後、前記電気的に分離された領域の一方は、前記第2の電極物質層及び前記有機光電子活性物質層によって略接触されず、前記領域の他方は、依然として前記第2の電極物質層及び前記有機光電子活性物質層によって少なくとも部分的に被覆され、前記領域の一方の上に残る前記第2の電極物質層は、前記領域の他方の前記接触パッドに電気的に接続される、請求項1に記載の方法。
- 前記領域の一方上の前記第2の電極物質層は、金属銀糊、導電性接着剤、及び電子化学的に堆積された金属から成る群の導電性物質を塗布することにより前記接触パッドに電気的に接続される、請求項2に記載の方法。
- 前記領域の一方上の前記第2の電極物質層を前記他方の領域の前記接触パッドに電気的に接続する前記導電性物質は、塗布された後にアニーリングされる、請求項2又は3に記載の方法。
- 前記電極物質層の少なくとも一方は透明な導電性酸化物である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記導電性物質を塗布する前に、絶縁物質が少なくとも部分的に塗布される、請求項3乃至5のいずれか一項に記載の方法。
- 前記電気的に分離された領域は、前記第1の電極物質層のパターニングされた堆積により形成される、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
- 前記第2の電極物質層及び/又は前記有機光電子活性物質層は、レーザビーム及び/又はプラズマエッチングにより、アブレーションされ少なくとも部分的に非導電性に下塗りされる、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法。
- 前記第2の電極物質層及び/又は前記有機光電子活性物質層のアブレーションされるべき領域の輪郭のみがレーザビーム及び/又はプラズマエッチングによりアブレーションされ、アブレーションされるべき主要領域は力学的及び/又は化学的なアブレーション手段によりアブレーションされる、請求項8に記載の方法。
- 前記主要領域は粘着テープによりアブレーションされる、請求項9に記載の方法。
- 前記領域の一方上の前記第2の電極物質層を前記他方の領域の前記接触パッドに電気的に接続する前記導電性物質は、前記有機発光ダイオード装置の過電圧を引き起こす印加される電圧及び/又は電流密度で溶解するような大きさとされる、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の方法。
- 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の方法により製造された有機発光ダイオード装置を有する、発光装置。
- 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の方法により製造された有機発光ダイオード装置及び/又は請求項12に記載の発光装置を有するシステムであって、
オフィス照明システム、
家庭用アプリケーションシステム、
店頭照明システム、
家庭用照明システム、
アクセント照明システム、
スポット照明システム、
映画照明システム、
光ファイバアプリケーションシステム、
投射システム、
自己照明ディスプレイシステム、
画素化ディスプレイシステム、
セグメント化ディスプレイシステム、
警告標識システム、
医療用照明アプリケーションシステム、
指示標識システム、
装飾照明システム、
携帯型システム、
自動車用アプリケーション、及び
温室照明システム、
の1つ以上において使用されるシステム。
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