JP2013514846A - 核磁気共鳴イメージングに用いられるオープンボア型磁石 - Google Patents

核磁気共鳴イメージングに用いられるオープンボア型磁石 Download PDF

Info

Publication number
JP2013514846A
JP2013514846A JP2012545013A JP2012545013A JP2013514846A JP 2013514846 A JP2013514846 A JP 2013514846A JP 2012545013 A JP2012545013 A JP 2012545013A JP 2012545013 A JP2012545013 A JP 2012545013A JP 2013514846 A JP2013514846 A JP 2013514846A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnet
coil
coils
primary
axial
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012545013A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5805655B2 (ja
JP2013514846A5 (ja
Inventor
フォン リォウ,
リーユ ウェイ,
スチュアート クロージャー,
Original Assignee
エヌエムアール ホールディングス ナンバー2 プロプライアタリー リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from AU2009906199A external-priority patent/AU2009906199A0/en
Application filed by エヌエムアール ホールディングス ナンバー2 プロプライアタリー リミテッド filed Critical エヌエムアール ホールディングス ナンバー2 プロプライアタリー リミテッド
Publication of JP2013514846A publication Critical patent/JP2013514846A/ja
Publication of JP2013514846A5 publication Critical patent/JP2013514846A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5805655B2 publication Critical patent/JP5805655B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R33/00Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
    • G01R33/20Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance
    • G01R33/28Details of apparatus provided for in groups G01R33/44 - G01R33/64
    • G01R33/38Systems for generation, homogenisation or stabilisation of the main or gradient magnetic field
    • G01R33/381Systems for generation, homogenisation or stabilisation of the main or gradient magnetic field using electromagnets
    • G01R33/3815Systems for generation, homogenisation or stabilisation of the main or gradient magnetic field using electromagnets with superconducting coils, e.g. power supply therefor
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/05Detecting, measuring or recording for diagnosis by means of electric currents or magnetic fields; Measuring using microwaves or radio waves 
    • A61B5/055Detecting, measuring or recording for diagnosis by means of electric currents or magnetic fields; Measuring using microwaves or radio waves  involving electronic [EMR] or nuclear [NMR] magnetic resonance, e.g. magnetic resonance imaging
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R33/00Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
    • G01R33/20Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F6/00Superconducting magnets; Superconducting coils
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F6/00Superconducting magnets; Superconducting coils
    • H01F6/06Coils, e.g. winding, insulating, terminating or casing arrangements therefor

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • High Energy & Nuclear Physics (AREA)
  • Radiology & Medical Imaging (AREA)
  • Surgery (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Magnetic Resonance Imaging Apparatus (AREA)

Abstract

遮蔽され、電磁的に非対称であり、ストレスの低い磁石を用いて患者側の近傍に良好なサイズのイメージング領域を形成する磁気共鳴システムが提供されている。磁石は2層構造となっている。一次層では、磁石は、その2つの端部に少なくとも2つの最強コイル(端部側コイル)を有しており、これらの端部側コイルでは、同一方向に向けて電流が流れる。磁石は、端部側コイルの近くに、その端部側コイルとは反対の方向に向けて電流が流れる少なくとも1つのコイルを有するようになっていてもよい。磁石には、一次層の中央領域に複数(4〜7)の小さなサイズのコイル(大きな端部側コイルに比べ)が用いられており、これらのコイルはイメージング領域の中心に対して非対称に配置されている。磁石は、複数(1〜5)の遮蔽コイルによって保護されており、これらの遮蔽コイルには、電流が、一次層の端部側コイルの方向とは反対の方向に向けて流れている。従来のショートボア磁石と比較して、本発明の磁石は、イメージング領域が著しく拡大されたアクセス可能なイメージング領域を提供し、たとえば体の一部のイメージングまたは全身のイメージングに用いることができる。

Description

本発明は、一般に、核磁気共鳴イメージング[MRI]用途に用いられる磁場を発生させるための磁石に関するものである。特に、本発明は、MRI用途に用いられる実質的に均一な磁場(Bフィールド)を発生させるための効果的に短い、遮蔽された、非対称な超伝導磁石に関するものであるが、これに限定されるわけではない。このような磁石は、全身核磁気共鳴イメージング、ならびに、被験者の関節および他の四肢のイメージを撮像するのに用いられる特殊核磁気共鳴イメージングでの使用に適している。
核磁気共鳴イメージングは1980年代に導入され、現在、世界中で毎年約3,000台のスキャナーが売れており、世界的に主要なイメージ撮像手段へと発展してきている。
臨床MRIは、その成功を、強くかつ均質な磁場の生成に依存している。MRIの静的フィールドの主な要件は、静的フィールドが、当該技術分野において「球状イメージング空間表面(diameter spherical imaging volume)」または「dsv」として知られている、前もって決められたイメージング領域にわたって実質的に均一でなければならないということである。dsvに対して、ピークトゥピークで20ppm(または、rmsで10ppm)未満の誤差が要求されるのが一般的である。
MRI装置は、最初に閉鎖型の円筒形状のシステムが導入されて以来多くの改良がなされている。具体的にいえば、信号対雑音比[SNR]の向上ならびに強磁場磁石および超強磁場磁石の導入によって、イメージの質/分解能の改良が行われている。次いで、イメージの分解能の向上により、MRIは、ますます多くの専門家にとって、人体の構造的、解剖学的および機能的なMRIイメージングのいずれの分野においても、最適な撮像手段となった。
人体の診断用イメージを撮像するための典型的な磁気共鳴システムの基本構成部品には、主要磁石(通常は、dsvにおいて実質的に均一な磁場[Bフィールド]を発生する超伝導磁石)と、1つ以上の組のシムコイルと、1組の傾斜コイルと、1つ以上のRFコイルとが含まれている。MRIの説明は、たとえばハッケら(Haacke et al.)、「核磁気共鳴イメージング:物理的原理およびシーケンス設計(Magnetic Resonance Imaging:Physical Principles and Sequence Design)」、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ(John Wiley&Sons,Inc.)、ニューヨーク州、1999年、に記載されている。また、クロチェーら(Crozier et al.)、米国特許第5,818,319号、クロチェーら(Crozier et al.)、米国特許第6,140,900号、クロチェーら(Crozier et al.)、米国特許第6,700,468号、ドリーら(Dorri et al.)、米国特許第5,396,207号、ドリーら(Dorri,et al.)、米国特許第5,416,415号、クヌッテルら(Knuttel et al.)、米国特許第5,646,532号、ラスカリスら(Laskaris et al.)、米国特許第5,801,609号も参照されたい。これらの特許の全内容は参照することにより本明細書に援用するものとする。
従来の医学用MRIの磁石は、通常長さが約1.6〜2.0メートルであり、フリーボア直径は0.8〜1.0メートルの範囲にある。磁石は、通常、dsvの中心点が磁石構造の幾何学的中心に位置するように対称となっている。dsv内の磁場の軸線方向の成分の均一性は、球面調和関数展開によって解析されることが多い。
補助構成部品(勾配コイルおよび高周波コイル)の追加後の従来のMRI装置の典型的なアパチャーは、約0.6〜0.8メートルの直径、すなわち、丁度患者の肩部を受け入れられるだけの大きさの直径と、約2.0メートル以上の長さとを有する円筒形状の空間である。驚くほどのことではないが、このような空間に置かれたときに閉所恐怖症になる人は多い。また、患者の身体のうちのイメージングされている部分と磁石システムの端部との間の距離が長いため、医師がMRI検査中に患者を補助すること、または直接監視することが容易にはできない。したがって、臨床用の用途において、長さの短いオープンボア磁石システムの必要性が存在している。
このような高磁場システムの設計における課題は、現在利用可能でかつコスト効率の高い超伝導技術を用いて磁場の均一性およびdsvサイズの両方を維持することである。磁石の性能は、軸線方向および半径方向のボアのサイズに大きく関係している。短いまたはコンパクトな磁石は設計および製造が非常に困難である。この理由は、主として従来の設計によって製造される隙間のないコイル構造が、超伝導コイル束にとって許容できないほどのピークフィールド値およびストレスをもたらすからである。通常は、dsvサイズに関して設計上の妥協を図らなければならないため、イメージングの質が維持されないこととなる。
ショートボア型高磁場クローズドシステムが2000年代初めに出現し、小さなサイズのイメージング領域を提供するようになった。市場において入手可能な最短の円筒形状のスキャナーは、シーメンス1.5T(Espree)システムであり、約1.05m(コールドボア)であり、また多くの器官のイメージングに十分な30cmのdsvサイズを有している。しかしながら、背骨全体のイメージングの如き用途では、システムのdsvにおける軸線方向の制約により、検査が標準型の1.5TのMRIよりも長くかかってしまい、イメージの質が、イメージの組み合わせ工程中に、特にイメージング領域の端の近傍において、歪んでしまう場合もある。
1990年代の初めに、垂直型オープンシステムの導入を通じて、患者にとっての快適さに関して改良がなされたものの、その技術はまだ磁場強度の制約を受けている(垂直型オープンシステム)。患者にとっての快適さ、受け入れ可能性、および良質のイメージング性能の維持を強化するために、dsvの質(サイズ、磁場強度および均質性)に関して妥協することなくショート(短い)磁石を製造することができるように磁石に関する技術を改良する強い必要性が存在している。
磁石のサイズは、患者に対する効果に加え、このような装置の設置にかかるコストのみならず、MRI装置のコストを決める主要な因子である。標準型の1.5TのMRIの全身スキャナーには、そのサイズ、重量、周辺磁場および必要な電力に起因して、全身スキャナーの設置以前に、個別に複数の部屋を備えるイメージングスイートの構築を含む、高度に専門的かつ高価なインフラ基盤が必要となる。これらの要件は、ほとんどの場合、大病院または有力な画像診断クリニックのみが、このようなシステムを装備してMRIを診断方法として患者に提供することができるということを意味する。
MRI装置を安全に使用するために、装置回りの磁場が、オペレーターの場所において、監督官庁によって指定されている暴露レベル未満になるように、MRI装置を遮蔽することが必要となることが多い。遮蔽することにより、オペレーターは、遮蔽されないシステムと比較してより安全に磁石の極めて近くの位置にいることができるようになる。磁石が長いような場合には、安全に使用するためにより多くの遮蔽およびより大きな遮蔽室が必要となるため、コストが高くなってしまう。
四肢MRI(これは、出願目的のために、整形外科MRIとも呼ばれる)は、MRI産業の成長領域のうちの1つである。2006年の米国におけるすべてのMRI検査の20%は、上肢(たとえば、腕、手首および肘)および下肢(たとえば、脚体、足首および膝)について行われたものである(IMV、2007年)。このことは、2006年に530万件の四肢検査が行われたことと一致する。ちなみに、1990年には、約110,000件であり、四肢検査が全MRI検査のうちのわずか2%しか占めていなかった。
四肢MRIシステムは、全身MRIシステムまたは従来のMRIシステムよりもはるかに小さく、それらの縮小されたサイズおよび削減された漂遊磁場に起因して、設置するのがはるかに簡単である、したがって、これらは、四肢イメージングに対する低価格な1つの解である。後述されているように、四肢イメージングは本発明にかかる磁石の好ましい用途である。
四肢MRIシステムは、被験者およびオペレーターに対して多くの利点を有しているものの、磁石を構成するさまざまなコイルを設けるための空間の点において、また、これらの超伝導コイルを冷却する点において課題を有している。超伝導磁石を実現するための主要な問題は、磁石長を縮小し、かつ、超伝導ワイヤーを安全かつ効率的に用いることを担保しながら(必要な均一性を備えた)大きなイメージングdsvを形成することにある。
専用の四肢システムのほとんどの部分を構成するオープンシステムは、磁場強度が低いという制約がある。2005年の市場において最も磁場強度が高いオープンMRIスキャナーはフィリップス1.0Tシステムであった。
現在提供されている小型MRIシステムは、その磁場強度が低いということが、それらを利用するにあたっての主要な欠点である。米国リウマチ学会によれば、「磁場強度の低いMRIシステムは、同等の空間分解能のイメージについて、磁場強度の高いMRIシステムのSNRを得ることができない。」一般的に、磁場強度の低いシステムは、画像取得時間が長い。このことは、四肢検査の場合、静脈注射された造影剤が関節液の中に数分で拡散してしまうため、造影剤を必要とするような検査の場合には問題となる恐れがある。
本発明の目的は、全身MRIシステムおよび四肢MRIシステムのこれらの課題および他の課題に対処する改良された磁石およびMRIシステムを提供することにある。
本発明は、MRイメージを得るための磁気共鳴システム、およびそのような磁気共鳴システムで用いられる磁石を提供するものである。
かかる磁石は、かかる磁石の患者側に隣接する第一の端部側コイルおよびかかる磁石のサービス側に隣接する第二の端部側コイルを含む、軸線に沿って位置する少なくとも5つの一次コイルを有している一次コイル構造を備えている。(本明細書において、用語「患者側」は走査するために患者または患者の一部分を受け入れる磁石の端部により近い側または部分を指すために用いられ、用語「サービス側」はその反対の側または部分を指すために用いられる。)
参照のしやすいように、本明細書では、「コイル」または複数の「コイル」と記載するが、特筆すべき点は、各コイルが1つ以上の巻線(windings)を有し、半径方向もしくは軸線方向に整列された、複数の並設された部分またはサブブロックから構成されてもよいということである。具体的にいえば、必要に応じ、端部側に位置する2つの一次コイルの一方または両方が、それぞれ半径方向または軸線方向に一列に並ぶ複数のコイルサブブロック(coil sub−blocks)から構成されてもよい。
典型的には、第一の端部側に位置する一次コイルおよび第二の端部側に位置する一次コイルは同一の極性を有している。すなわち、これらの一次コイルにおいて、電流は同一の方向に流れており、一次コイル構造の中で最も強いコイルである。すなわち、各端部側コイルの総電流は個々の中間のコイルの総電流よりも大きくなっている。
使用時、かかる磁石は、少なくとも1.5テスラの磁場を生じることができ、好ましくは少なくとも3.0テスラの磁場を生じることができる。これらの磁場は、前もって決められたイメージング領域またはイメージング空間(「均一領域」または「dsv」とも呼ばれる)にわたって実質的に均一になっている。典型的には、イメージング領域は、イメージング中心における長手方向磁場に対する長手方向磁場の偏差の演算値において、ピークトゥピークで20ppm未満の値によって規定される外面を有している。
ここでいう磁場強度および均一性は、磁場強度および均一性の設計値を意味することを意図したものである。
好ましくは、かかる磁石の軸線方向の端部から2番目のコイルである少なくとも1つの一次コイルは、隣接する端部側コイルとは反対の極性を有している。すなわち、2番目のコイルでは、電流が、その端部側コイルとは反対方向に流れている。
一次コイル構造は非対称な電磁気構造を有しているのが有利である。すなわち、一次コイル構造は、イメージング領域の軸線方向の中心に沿って対称とはなっておらず、一次コイルのうち、イメージング領域の軸線方向の中心における患者側の一次コイルの方が、イメージング領域の軸線方向の中心におけるサービス側の一次コイルよりも総電流が大きい。総電流とは、電流とコイルの巻数または巻線数との積を意味する。
磁石中心およびイメージング中心は一致していてもしていなくともよい。
好ましくは、軸線方向のイメージング領域の断面寸法(Dz)、およびdsvの端と磁石のアパチャーとの間の最短距離(d、コールドボア、患者側)が、Dz/d=1〜2の関係を満たしている。
従来の円筒形状の磁石システムに比べて本発明の磁石の利点は、実施形態によっては、「ショートボア」が単に磁石の患者側のことを言及するものであって、磁石のサービス側は長さの制約を受けないということにある。磁石のサービス側は、磁石の安全性(クエンチングを最小限に抑えること)および良好なコスト効率を維持すると同時に、満足のいく大きさのdsvの形成をサポートすることができる十分な大きさとすることができる。このように設計することにより、閉所恐怖症の患者にとってMRI検査を高品質なものとし、走査中の患者へのアクセスを容易なものとすることが可能となる。
換言すれば、磁石アパチャーから(すなわち、磁石の患者側端部から)dsvの端までの距離は、従来のショートボアシステムと同一に維持されているものの、軸線方向のdsvサイズは、サービス側で磁石の長さを緩める(伸長する)ことにより拡大することができる。従来の円筒形状のシステムと比較して、本発明は、オープンシステムに起因してより高レベルの患者受け入れ可能性を提供することができるだけではなく、アクセス可能なイメージング領域という点から著しく向上されたイメージング性能をも提供することができる。より重要なことは、本発明のコイル構造は従来の磁石システムほどは高密になっていないため、本発明にかかる磁石のストレスを抑えられるということである。このことは、ストレスにより誘発されるクエンチングの可能性が抑えられるので、重要な利点である。
ショートボア設計の点では、全身走査MRIの実施形態の場合、磁石の軸線方向の長さは、160cm未満であることが有利であり、140cm未満であることが好ましい。これは、患者へのアクセスのしやすさの点から見て、従来の1mのショートボアシステムに相当する。
四肢イメージングの実施形態の場合、磁石の軸線方向の長さは、70cm未満であることが有利であり、60cm未満であることが好ましい。この構成は、整形外科イメージングに良好なサイズのdsvを提供する。
好ましくは、dsvの半径方向の寸法(Dr、直径)は、少なくとも、全身イメージング実施形態の場合には40cmであり、四肢実施形態の場合には10cmである。
遮蔽コイル構造が、一次コイル構造のまわりに設けられるのが好ましい。遮蔽コイル構造は、一次コイルより大きな直径を有する少なくとも1つの遮蔽コイルを備えている。遮蔽コイル構造は、一次コイル構造の半径方向外側に設けられ、磁石の軸線方向の長さの略全長に沿って延設されている。遮蔽コイルでは、電流は、一次コイル構造の端部側コイルの電流の方向とは反対の方向に向けて流れる。遮蔽コイルは、超伝導構造を有していてもよいし、または、強磁構造を有していてもよい。また、遮蔽コイルは、dsv内の磁場を調節するために用いられてもよい。
好ましくは、磁石は、(2つの端部側コイルおよび端部側コイルの隣に位置する反対の極性を有しているコイル以外に)軸線方向に沿って延設される少なくとも3つの中央に位置する一次コイルを備えており、これらの内側エンベロープがイメージング領域全体をカバーする。これら中央に位置するコイルは、磁場への寄与を著しく変えることなく、製造上の目的および磁場制御/ストレス制御の目的のために、グループ化されてもよいし、または分割されてもよい。
他の実施形態では、本発明は、上述の発明にかかる磁石を設計する方法を提供している。この方法は、磁石の安全性(クエンチングを最小限に抑えること)および良好なコスト効率を維持しながら、満足のいく大きさのdsvを形成するために、患者側のコンパクトなコイル構造を保持しながら、イメージング中心に対してサービス側のコイル構造を軸線方向に沿って伸長することを含んでいる。
好ましくは、コイル、特に一次コイル構造の端部側コイルに加わる合力を最小限に抑えるために、磁石設計において、力のバランスを取ることがなされる。設計作業において力のバランスを取ることを実行するために、誤差関数にマクスウェル力が含まれ、最小化される。
本発明の上述の概要および実施形態は、読者の利便性のみを意図したものであり、本発明の技術的範囲を限定することを意図したものでもなければ、またそのように解釈されるべきものでもない。さらに一般的にいえば、上述の概要および次の詳細な記載は、本発明の単なる一例であり、本発明の特性および特徴を理解するための概観または枠組みを提供することを意図したものであることに留意されたい。
たとえば、磁石は二層コイル構造に限定されるものではなく、また、半分の大きさの磁石を製造するために多層コイル構造を用いてもよい。
本発明のさらなる特徴および利点は下記の詳細な記載に記述されており、当業者にとって、その記述からの容易に明らかになるものもあれば、本明細書に記載の発明を実施することにより明らかになるものもある。本発明のこれらのさらなる態様および上述の態様を別々に用いることもできれば、一部および全てを組み合わせて用いることもできる。
添付の図面は、本発明をさらに理解することを助け、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成している。図面には、例示として、本発明のさまざまな実施形態が記載されており、説明と合わせて、本発明の原理および作用について説明する役目を果たしている。図面および明細書では、関連する図面の中の同様の部品は同様の番号で示されている。
磁石の構成およびdsvの概略斜視図である。 従来のショートボア磁石と本発明の実施形態にかかる磁石との差を示す図である。 実施形態1〜3の磁石を設計するために用いられるプロセスを示すフローチャートである。 1.5T全身用磁石の一例のコイル構成およびdsvサイズを示す概略図である。 全身用磁石の外側の漂遊磁場、および、特に5ガウス(5×10−4テスラ)の等高線を示す図である。 全身用磁石のコイル内における全磁場強度の計算値を示すプロットであり、磁場強度は、図に記載のグレースケールにより示されている。 全身用磁石のコイル内における全電磁力強度の計算値を示すプロットである。電磁力強度は、図に記載のグレースケールにより示されている。 全身用磁石(軸線方向)に沿った電流分布を示す図である。 全身用磁石の電流密度マップ(CDM)を示す図であり、これは、最適化前にコイル構成の初期設定を決定する際に用いられ、同様のCDMプロットが四肢の実施形態にも用いられている。 3T四肢用磁石(3Ta)のコイル構成およびdsvサイズを示す概略図である。 3T四肢用磁石(3Ta)の外側の漂遊磁場、および、特に5ガウス(5×10−4テスラ)の等高線を示す図である。 3T四肢用磁石(3Ta)のコイル内の全磁場強度の計算値を示すプロットであり、磁場強度は、図に記載のグレースケールにより示されている。 3T四肢用磁石(3Ta)のコイル内の全電磁力強度の計算値を示すプロットであり、電磁力強度は、図に記載のグレースケールにより示されている。 3T四肢用磁石(3Ta)(軸線方向)に沿った電流分布を示す図である。 3T四肢用磁石(3Tb)のコイル構成およびdsvサイズを示す概略図である。 3T四肢用磁石(3Tb)の外側の漂遊磁場、および、特に5ガウス(5×10−4テスラ)の等高線を示す図である。 3T四肢用磁石(3Tb)のコイル内の全磁場強度の計算値を示すプロットであり、磁場強度は、図に記載のグレースケールにより示されている。 3T四肢用磁石(3Tb)のコイル内の全電磁力強度の計算値を示すプロットであり、電磁力強度は、図に記載のグレースケールにより示されている。 (1)一次層および遮蔽層ならびに(2)一次層のみについて、3T四肢用磁石(3Tb)(軸線方向)に沿った電流分布を示す図である。
超伝導磁石は、典型的には、コイル列を含む一次コイル構造を有している。一次コイル構造は、遮蔽コイル構造または遮蔽コイル層によって取り囲まれており、遮蔽コイル構造または遮蔽コイル層もまた、1つ以上のコイル列から構成されている。好ましい実施形態では、本発明は、電磁的に非対称な構造を有しかつある特定のコイル配置を一次構造上に有している効果的に短い超伝導磁石を備えている核磁気共鳴システムに関するものである。これらのコイルは、図面に概略的に例示されている。
図4、図10および図15の実施形態に示されているように、磁石の一次コイル構造では、2つの端部側コイルが組立体内において(体積の点で)最も大きなコイルであり、端部側コイルと同一の極性を備えた少なくとも3つの、好ましくは少なくとも4つのコイルが磁石の中央領域に設けられている。端部側コイル(患者側)の隣にある少なくとも1つのコイルは、他の一次コイルに対して逆極性を有している、すなわち、このコイルは、電流が当該コイル内を逆方向に流れるように巻かれている。このコイルは、磁石のその端部において、dsv内の磁場の均質性を向上させる補助をしている。
図8、図14および図19に示されているように、磁石の一次コイル構造内では、組立体の両側のコイルパターンは、イメージング中心に対して電磁的に非対称となっている。すなわち、患者側の総電流がサービス側の総電流よりも大きくなっている。
それと同時に、超伝導体のピークフィールドが適正な値に抑制されている。このことが実際問題として重要な点である。ピークフィールドが高い場合、超伝導体において安全に流すことのできる電流密度が制約を受ける(または、超伝導性を失ってしまうプロセスであるクエンチングの危険性が生じる)。また、ピークフィールドが高い場合、ワイヤー内の超伝導体フィラメントの割合を増やすことが必要となり、ワイヤーがより高価なものとなってしまう。
いかなる動作原理にも縛られるものではないが、このようにコイルを配置することによって、患者側のdsvの端と磁石端部との最短距離に比して、均質なdsvを大きくすることが可能となると考えられる。同時に、そうすることにより、超伝導コイル内のピークフィールドを適切なレベルにし、安全かつ効率的な磁石をもたらす。
単一の遮蔽コイルに代えて、遮蔽層は、複数の別個のコイルを有してもよい。たとえば磁石システムの全長にわたって分離されている2つのコイルまたは3つのコイルを有してもよい。ピーク磁場、すなわちストレスが、本発明の磁石内である程度まで制御されるので、たとえばニオブ・チタン合金等の超伝導材料の量を減らした超伝導ワイヤーを用いることができる。
本発明の好ましい実施形態では、磁石は、次の性能基準のうちの一部、最も好ましくは全てを満たす。
(1)四肢イメージング磁石について、全径が100cm以下、好ましくは70cm以下であり、全身イメージング磁石については、全径が200cm未満である。
(2)四肢イメージング磁石については、全長が70cm以下であり、全身イメージング磁石については、全長が140cm以下である。
(3)dsvの均一性およびサイズが、効果的なMRイメージングに十分なレベルにある(好ましくは、均一性レベルは、dsvの中心におけるBの値に対してピークトゥピークで20ppmまたはそれより良好である。dsvの軸方向の長さ(Dz)およびdsvの端とコールドボア磁石端部との最短距離(d)はγ=Dz/dが1〜2の範囲にあるという関係を有している。小さなγは、小さなイメージング領域または大きなアクセス可能距離(ロングボア磁石と等価)に対応し、大きなγは、大きなイメージング領域および/または小さなアクセス可能距離(効果的ショートボア磁石)に対応する。全身の場合、実施例の設計では、γ=1.48であり、従来のショートボア設計では、γ=0.88<1である。四肢の場合、2つの実施例はそれぞれγ=1.51、γ=1.61であり、従来のショートボア設計では、γ=0.97<1である。本発明はγ>2をサポートしない。その場合、異なる電磁的特徴およびコイル構成(たとえば、3層磁石)が用いられ、また、dsvが一方の磁石端部に向けて大きくオフセットされることとなる(米国特許第7375528号を参照)。
(4)コイル間の空隙が有効な低温冷却に十分な大きさである。
(5)高価でない超伝導ワイヤーの使用を可能とするためにコイル内のピーク磁場が低い(たとえば、電流が流れている複数のコイルのうちのいずれのコイル内におけるピーク磁場の計算値も、約7.5テスラ未満である。
(6)漂遊磁場が低い(たとえば、磁石外部の漂遊磁場の計算値が、dsvの幾何学中心から7m(全身システムの場合)および4m(四肢システムの場合)を超えて離れたすべての部位において5×10−4テスラ未満である)。
以下、本発明の磁石の具体例ならびに本発明の磁石のコイル構成および電流分布関数を求める際に用いられる手法について詳述するが、これれは、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
コイルの位置は最適化プロセスにおいて求められる(図3を参照)。最適化は、非線形最小二乗法アルゴリズム(Matlab最適化ツールボックス、http://www.mathworks.com)に基づいて、制約付き数値的最適化手法を用いて行なわれた。このルーチンは、磁場生成要素の幾何学形状および位置をパラメータとして用いることに加えて、上述の誤差項を用いて、磁石の最終的なコイル幾何学形状を算出した。
[実施例1(1.5T全身用磁石)]
この実施例は、図4に概略的に示され、本発明の1つの実施形態にかかる超伝導磁石を例示している。概観すると、磁石には13個のコイルが用いられ、コールドボア長およびコールドボア内径がそれぞれ約1.34および0.49メートルである。さらに重要なことには、コールドボア磁石端部とdsvの端との間の最短距離がわずか0.36メートルであり、他のコイル構成を用いて実現することが困難であるということである。この実施例では、磁石の中心とイメージング中心との間の軸方向距離は1.2cmとなっている。磁石の一次側巻線は、端部から2番目のコイル以外のすべてのコイルが、同一方向に巻かれている(すなわち、同一極性を有している)。端部から2番目のコイルは、他のすべてのコイルの一次側巻線とは反対方向に巻かれている(すなわち、逆極性を有している)。
イメージング中心に対して、一次側巻線上のコイルブロックは非対称な電磁気的トポロジーを有している。患者側の総電流は、サービス側の総電流より実質的に大きい(図8および図9を参照)。この特徴は、その他のコイルのトポロジーと組み合わさることで、同一の距離dを提供する磁石の他のコイル構造と比較して、より閉鎖されかつ改善された均一性をもたらす。比較のため、図4には、従来の対称型の全身用ショートボア1.5T磁石の磁石中心およびdsvサイズが例示されている。dを一定に保ち、患者側の磁石長さを約20cmに緩める(伸長する)ことによって、dsvは、軸線方向に沿って32cmから54cmまで(5ppmの均一性で)大幅かつ有益に広げられる。磁石の遮蔽コイル構造には、合計4つの遮蔽コイルが設けられており、これらは、磁石の長さ方向に沿ってさまざまに延びている。
図4には、磁石およびdsv内の磁場が示されている。図5には、磁石によって生成された外部漂遊磁場および軸線方向磁場の計算値が示されている。図6には、磁石のさまざまなコイル内における、磁石によって生成された全磁場強度の計算値が示されている。図7には、磁石のさまざまなコイル内における、磁石によって生成された全電磁力強度の計算値が示されている。図4には各コイルの電流密度の極性が示されている点に留意されたい。
図4に示されているように、磁石は約54cmの直径を有するほぼ球状のdsvを有している。54cmというのは、磁石の全長と比べかなり大きい。また、磁石は、dsvの中心から約6メートル内、軸線方向に約6mかつ半径方向に約4mに、5ガウスの線を有する(図5に図示されている)。
図6に示されているように、算出された磁場のピークは約6テスラなので、容易に入手可能な超伝導ワイヤーを用いて当該磁石を製造することが可能である。
図1には、コイルとdsvとの相対的なサイズを示す斜視図が示されている。dsvは、磁石の全長と比べ大きくかつ閉鎖されているので、たとえば患者が検査中に頭を磁石の外側に位置させつつベッドの上で快適な姿勢を取りながら(図2に図示されているように)全身のイメージングをするのを可能としている。dsvの端から磁石の患者側端部までの距離「d」は36センチメートルであり、従来のショートボア設計と同一である。しかしながら、従来の、一定の高さを備えた短い磁石では、超伝導体ワイヤーの制約があり、コイルの間隔が狭いことや、コールドボア空間が小さいという問題に起因して、コイル間のおよびコイル内のストレス/ピークフィールドが高くなってしまい、手頃なコストで磁石を製造することが困難となる。したがって、実際の使用にあたっては、サイズの小さなdsv(たとえば、従来の軸線方向に沿った40〜45cmに代えて30cm)を検討する必要がある。本発明の当該実施例は、かかる技術的な課題を克服し、従来のショートボア技術の1.8倍のサイズのイメージング領域を形成することができる。
図8および図9に示されているように、磁石の一次層では、総電流分布関数は、長手方向に沿って、イメージング中心に対し非対称となっている。すなわち、患者側の総電流はサービス側の総電流よりも大きくなっている。四肢用3T磁石の実施例の場合も、電流分布関数はこのように非対称である。
[実施例2(四肢用3T磁石(バージョンa、b))]
本実施例は、図10および図15に概略的に示されており、本発明の第二および第三の実施形態にかかる構造を用いた3T超伝導磁石の設計を示す。
図10に示されているように、設計バージョン「a」では、コイル構造の全長が55cm未満であるものの、均一なdsvが生成されている。均一なdsvは、軸線方向に23.5cmであり、半径方向に7.5cmであり、また、dsvの均一性はその空間全体にわたって5ppm未満のみ変化する。一次層の患者側では、端部側コイルの隣のコイルの極性は、一次コイルセットの中の他のすべてのコイルの極性と反対である。本実施例における6つの中間コイルは磁石の中心領域に配置にされている。サービス側の端部側コイルの隣には負コイルは存在しない。本実施例では、磁石中心とイメージング中心との間の軸線方向の距離は1.2cmである。先の場合と同様に、このコイル構造は、他の特徴と組み合わせることで、比較的大きくかつ有用なイメージング領域を形成するという上述の効果を奏する。
この磁石の漂遊磁場は抑制魚されており、図11に示されているように、軸線方向および半径方向にそれぞれ約3.6mおよび約2.4mとなるようによく制御されている。図12に示されている導体内の磁場は、実施例1のものと類似しており、入手可能な超伝導ワイヤーの能力の範囲内にある。
本実施例の磁石は、整形外科やこれに類似する用途に適しており、今や3テスラという高い磁場強度に達していて、本構造の幅広い適用可能性が示されている。
比較のため、図10には、従来の対称型のショートボア四肢用3T磁石の磁石中心およびdsvサイズが例示されている。dを一定に保ち、患者側の磁石長さを約9cm緩めることによって、dsvは、軸線方向に沿って15cmから23.5cmまで(5ppmの均一性で)大幅にかつ有益に広げられる。
図15〜図19には、四肢用3Tのケース「b」についての同様の結果が示されている。四肢用3Tのケース「a」の例と比較すると、本設計では、同様のdsvを形成するにあたって、一次層においてより少数の中央の正コイル(4ブロック)が用いられ、また、より少数の遮蔽コイル(3ブロック)が用いられている。このことは、同一の設計目標に対し本発明のコイル構造が有利であること、同一の発明概念を用いる限り、優れたdsvを形成できることを、明白に示している。磁石端部とdsvの端との間の最短距離に対してdsvサイズを大きくできることは、四肢イメージングにとって明白な利点となる。被験者は検査中も快適でありえるし、また、非常に広範囲のイメージングへの応用が可能となる。
本発明の他の実施形態では、一次層の最も外側のコイルに特別の注意を払いながら、磁石のすべてのコイルに加わる合力を最小限に抑えるように、力のバランスを取ることが含まれている。
磁石系がコンパクトになっているので、コイル同士は必然的に極めて接近することになり、超伝導巻線に作用する磁力は非常に大きくなりえる。これらの力により、超伝導合金の特性が定格特性を下回り、クエンチする、すなわち超伝導状態が消失する場合もある。このような磁石系にとって、設計過程において磁力を考慮しておくことは重要であるので、この実施形態では、設計過程において自動的に力を減少させることが含まれている。すなわち、最適化には、誤差関数のマクスウェル力(Maxwell forces)を最小化することが含まれている。このことにより、磁石設計において、磁石系全体の寸法を制御しながら、自動的に力を減少させることが可能となる[クロチア エス(Crozier S.)、スネープジェンキンソン シー ジェイ(Snape−Jenkinson C.J.)、フォーブズ エル ケイ(Forbes L.K.)、「高磁場核磁気共鳴イメージング用途用の力を最小化するコンパクト磁石の確率的設計(The stochastic design of force−minimized compact magnets for high−field magnetic resonance imaging applications)」、IEEE Trans、Appl.Supercond.11巻、2号、4014頁から4022頁、2001年を参照、この文献の開示内容は参照することにより本明細書に援用することとする]。このことにより、設計の安全性が向上し、軸線方向に沿った一次コイルセットを支持する上での要件が緩和される。
上記の実施形態は、本発明の例示を意図したものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明は、当業者が容易に考えつくさまざまな変更および追加を加えて具象化されてもよい。
たとえば、コイルは異なる半径を有していてもよい。頭部/全身ハイブリッドイメージングシステムにおいて、一次コイルは頭部イメージング領域において半径が小さく、身体イメージング領域において半径が大きくなっていると共に、より大きなdsvおよび短いアクセス可能距離を達成するにあたって、上述の設計原理および発明概念が用いられてもよい。

Claims (16)

  1. 磁気共鳴システムにおいて用いられるのに適した超伝導磁石であって、
    前記磁石の患者側に隣接する第一の端部側コイルおよび前記磁石のサービス側に隣接する第二の端部側コイルを含む、軸線に沿って位置する少なくとも5つの一次コイルを有する一次コイル構造を備えており、
    前記磁石が、前もって決められたイメージング領域にわたって実質的に均一である、少なくとも1.5テスラの磁場を生じることができ、
    前記一次コイル構造が非対称な電磁気構成を有しており、前記コイル構造が前記イメージング領域の軸線方向の中心に対して対称とはなっておらず、前記少なくとも5つの一次コイルのうち、前記イメージング領域の軸線方向の中心に対して前記患者側に位置する一次コイルが前記イメージング領域の軸線方向の中心に対して前記サービス側に位置する一次コイルよりも総電流が大きくなっており、
    少なくとも第一の端部側コイルの隣に位置する一次コイルが、前記第一の端部側コイルの極性とは反対の極性を有するように構成されてなる、磁石。
  2. 前記少なくとも5つの一次コイルよりも直径が大きな少なくとも1つの遮蔽コイルを有している遮蔽コイル構造をさらに備えており、該遮蔽コイル構造が前記一次コイル構造の半径方向外側の位置に設けられてなる、請求項1に記載の磁石。
  3. 前記磁石が、70cm未満の軸線方向の長さを有し、四肢イメージングに用いるのに適している、請求項1または2に記載の磁石。
  4. 前記イメージング領域の前記半径方向に沿った寸法が少なくとも10cmである、請求項3に記載の磁石。
  5. 前記磁石が、160cm未満の軸線方向の長さを有し、全身イメージングに用いるのに適している、請求項1または2に記載の磁石。
  6. 前記イメージング領域の前記半径方向に沿った寸法が少なくとも40cmである、請求項5に記載の磁石。
  7. 前記イメージング領域の軸線方向の断面寸法(Dz)と、前記イメージング領域の端と前記磁石の前記患者側の端部との間の最短距離(d)とが、Dz/d=1〜2の関係を満たす、請求項1乃至6のうちのいずれか一項に記載の磁石。
  8. 前記第一の端部側コイルおよび前記第二の端部側コイルが同一の極性を有してなる、請求項1乃至7のうちのいずれか一項に記載の磁石。
  9. 前記一次コイル構造が、前記第一の端部側コイルおよび前記第二の端部側コイル、これらの端部側コイルの一方または両方の隣に位置しかつ反対の極性を有するコイルに加えて、少なくとも3つの中央コイルを有し、該少なくとも3つの中央コイルが軸線方向に沿って延設され、前記イメージング領域全体をカバーする内部空間を形成してなる、請求項1乃至8のうちのいずれか一項に記載の磁石。
  10. 請求項1乃至9のうちのいずれか一項に記載の磁石を備えてなる磁気共鳴イメージングシステム。
  11. 請求項1乃至9のうちのいずれか一項に記載の磁石を設計する方法であって、
    前記一次コイル構造の少なくとも軸線方向の前記第一の端部側コイルおよび前記第二の端部側コイルに加わる合力を最小限に抑えるように力のバランスを取るステップ
    を有している、方法。
  12. 前記力のバランスを取るステップが、誤差関数のマクスウェル力を最小化することを含んでいる、請求項11に記載の方法。
  13. 超伝導磁石であって、
    前記磁石の第一の軸線方向端部に位置する第一の端部側コイルおよび前記磁石の第二の軸線方向端部に位置する第二の端部側コイルを含む、軸線方向に沿って位置する少なくとも5つの一次コイルを有している一次コイル構造を備え、前記第一の端部側コイルおよび前記第二の端部側コイルが同一の極性を有しており、
    前記一次コイル構造が、前もって決められたイメージング領域にわたって実質的に均一になっている少なくとも1.5テスラの磁場を生じるように構成され、前記前もって決められたイメージング領域が、前記コイル構造内の、前記磁石の前記第一の軸線方向端部と前記第二の軸線方向端部との中間部分であって、前記磁石の前記第二の軸線方向端部よりも前記第一の軸線方向端部により近い位置に設けられており、前記少なくとも5つの一次コイルのうちの前記イメージング領域の軸線方向の中心の一方の軸線方向側に位置する一次コイルが、前記少なくとも5つの一次コイルのうちの前記イメージング領域の軸線方向の中心の他方の軸線方向側に位置する一次コイルよりも大きな総電流を有してなる、超伝導磁石。
  14. 少なくとも前記第一の端部側コイルの隣に位置する一次コイルが、前記第一の端部側コイルの極性とは反対の極性を有してなる、請求項13に記載の超伝導磁石。
  15. 少なくとも3.0テスラの磁場を生じることができるように構成されてなる、請求項1、13または14に記載の超伝導磁石。
  16. 前記一次コイル構造の半径方向外側に設けられ、前記超伝導磁石の軸線方向の長さの略全長にわたって延設される遮蔽コイル構造をさらに備えてなる、請求項13乃至15のうちのいずれか一項に記載の超伝導磁石。
JP2012545013A 2009-12-21 2010-12-20 核磁気共鳴イメージングに用いられるオープンボア型磁石 Active JP5805655B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
AU2009906199A AU2009906199A0 (en) 2009-12-21 Shielded Open-bore Magnet For Use in Magnetic Resonance Imaging
AU2009906199 2009-12-21
PCT/AU2010/001714 WO2011075770A1 (en) 2009-12-21 2010-12-20 Open-bore magnet for use in magnetic resonance imaging

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2013514846A true JP2013514846A (ja) 2013-05-02
JP2013514846A5 JP2013514846A5 (ja) 2014-02-13
JP5805655B2 JP5805655B2 (ja) 2015-11-04

Family

ID=44194816

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012545013A Active JP5805655B2 (ja) 2009-12-21 2010-12-20 核磁気共鳴イメージングに用いられるオープンボア型磁石

Country Status (7)

Country Link
US (1) US20120258862A1 (ja)
JP (1) JP5805655B2 (ja)
CN (1) CN102667517B (ja)
AU (1) AU2010336013B2 (ja)
DE (1) DE112010004900B4 (ja)
GB (1) GB2489378B (ja)
WO (1) WO2011075770A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021049209A (ja) * 2019-09-26 2021-04-01 スピンセンシングファクトリー株式会社 磁気マーカーおよび磁気マーカー検出システム

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103151136B (zh) * 2013-01-25 2015-08-12 中国科学院电工研究所 一种非对称自屏蔽开放式磁共振成像超导磁体
CN106662625B (zh) * 2014-08-18 2019-12-03 马格内蒂卡有限责任公司 用于头和手足成像的磁体
US10768255B2 (en) * 2014-09-05 2020-09-08 Hyperfine Research, Inc. Automatic configuration of a low field magnetic resonance imaging system
GB2540729B (en) * 2015-05-01 2018-03-21 Oxford Instruments Nanotechnology Tools Ltd Superconducting magnet
ITUB20155325A1 (it) * 2015-10-26 2017-04-28 Sotgiu Antonello Magnete per diagnostica clinica tramite risonanze magnetiche (MRI) composto da anelli cilindrici di tipo Halbach: modalita di costruzione e tecniche per rendere omogeneo il campo magnetico in una larga frazione del volume interno del magnete.
US20210103019A1 (en) * 2017-09-06 2021-04-08 The University Of Queensland Open bore magnet for mri guided radiotherapy system
EP3924744A4 (en) * 2019-02-12 2023-02-08 Magnetica Limited MAGNETS AND MAGNETIC RESONANCE IMAGING SYSTEMS
CN117574737B (zh) * 2024-01-16 2024-03-19 河北惠仁医疗设备科技有限公司 一种开放式常导磁共振磁体的设计方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6025A (en) * 1849-01-09 Island
JPS61168904A (ja) * 1985-01-04 1986-07-30 オクスフォード メディカル リミテッド 磁石装置及びその使用方法
JPH07213506A (ja) * 1993-09-20 1995-08-15 Bruker Medizintech Gmbh 核スピン共鳴トモグラフィ装置
US6140900A (en) * 1999-08-03 2000-10-31 The University Of Queensland Assymetric superconducting magnets for magnetic resonance imaging
JP2009259923A (ja) * 2008-04-15 2009-11-05 Japan Superconductor Technology Inc 超電導マグネットおよびそれを備えたマグネット装置

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5416415A (en) 1994-08-05 1995-05-16 General Electric Company Over-shoulder MRI magnet for human brain imaging
US5396207A (en) 1994-08-05 1995-03-07 General Electric Company On-shoulder MRI magnet for human brain imaging
US5818319A (en) 1995-12-21 1998-10-06 The University Of Queensland Magnets for magnetic resonance systems
US5801609A (en) 1997-04-25 1998-09-01 General Electric Company MRI head magnet
EP1074852B1 (en) * 1999-08-03 2006-12-13 NMR Holdings No. 2 Pty Limited Method for designing a superconducting magnet
US6700468B2 (en) 2000-12-01 2004-03-02 Nmr Holdings No. 2 Pty Limited Asymmetric magnets for magnetic resonance imaging
US7375528B2 (en) * 2005-03-29 2008-05-20 Magnetica Limited Shielded, asymmetric magnets for use in magnetic resonance imaging

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6025A (en) * 1849-01-09 Island
JPS61168904A (ja) * 1985-01-04 1986-07-30 オクスフォード メディカル リミテッド 磁石装置及びその使用方法
JPH07213506A (ja) * 1993-09-20 1995-08-15 Bruker Medizintech Gmbh 核スピン共鳴トモグラフィ装置
US6140900A (en) * 1999-08-03 2000-10-31 The University Of Queensland Assymetric superconducting magnets for magnetic resonance imaging
JP2009259923A (ja) * 2008-04-15 2009-11-05 Japan Superconductor Technology Inc 超電導マグネットおよびそれを備えたマグネット装置

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6014048540; Stuart Crozier, Christopher J. Snape-Jenkinson, Larry K. Forbes: 'The Stochastic Design of Force-Minimized Compact Magnets for High-Field Magnetic Resonance Imaging A' IEEE Trans. on Applied Superconductivity Vol. 11, No. 2, 200106, 4014-4022 *

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021049209A (ja) * 2019-09-26 2021-04-01 スピンセンシングファクトリー株式会社 磁気マーカーおよび磁気マーカー検出システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP5805655B2 (ja) 2015-11-04
US20120258862A1 (en) 2012-10-11
WO2011075770A1 (en) 2011-06-30
GB201212991D0 (en) 2012-09-05
CN102667517B (zh) 2015-06-03
GB2489378B (en) 2016-01-06
DE112010004900B4 (de) 2019-05-09
GB2489378A (en) 2012-09-26
DE112010004900T5 (de) 2012-11-29
CN102667517A (zh) 2012-09-12
AU2010336013B2 (en) 2014-12-11
AU2010336013A1 (en) 2012-07-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5805655B2 (ja) 核磁気共鳴イメージングに用いられるオープンボア型磁石
JP3537912B2 (ja) 均質化装置付き治療トモグラフィ装置
US6075364A (en) Nuclear magnetic resonance apparatus and methods of use and facilities for incorporating the same
US5414360A (en) Gradient coils for therapy tomographs
US10852375B1 (en) Magnetic resonance imaging method and apparatus
AU2015306082B2 (en) Magnet for head and extremity imaging
JP4421079B2 (ja) Mri用傾斜磁場コイル
US8421463B2 (en) Magnets for use in magnetic resonance imaging
JP2009502031A (ja) 多層磁石
US7375528B2 (en) Shielded, asymmetric magnets for use in magnetic resonance imaging
US6351123B1 (en) Gradient coil system for a magnetic resonance tomography apparatus
US5431164A (en) Therapy tomograph
US20220011387A1 (en) Gradient coil system
US11630174B2 (en) Magnets and magnetic resonance imaging systems
Hennig et al. PatLoc: imaging in non-bijective, curvilinear magnetic field gradients
Schaefer Design of magnetic resonance systems
JP2010046495A (ja) Mri用傾斜磁場コイルの設計方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131219

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20131219

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20141106

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141118

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150213

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150804

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150902

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5805655

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250