JP2013512610A - 量子通信システムおよび方法 - Google Patents

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Abstract

第1強度を有する複数の信号光パルスおよび複数の第2強度を有するデコイ光パルスを受信器に送るエミッタと、情報は信号パルス上で符号化され、
前記システムの利用中にデコイパルス強度におけるポテンシャルドリフトの範囲にわたって非ゼロセキュアビットレートを維持しながら、最大の平均セキュアビットレートが、前記システムの利用中に前記デコイパルス強度におけるポテンシャルドリフトの範囲にわたって達成されるように、前記信号パルスの強度および複数の信号パルスと複数のデコイパルスとの配送を設定する制御器とを具備する量子通信システム。
【選択図】図7

Description

ここに記述された実施形態は、一般にいわゆるデコイ(decoy)状態量子鍵配送方法をサポートする量子通信システムおよび方法に関する。
盗聴者によって傍受される可能性のあるチャネル上で、秘密にメッセージを通信する必要がしばしばある。伝統的に、そのような問題は秘密鍵を用いて、メッセージを暗号文にする(enciphering)、または暗号化する(encrypting)ことにより対処されている。量子通信は、そのような鍵を送るための非常にセキュアな方法を提供する。一連の単一光子で鍵を符号化することによって、各光子は、光子の量子状態、例えば、光子のエネルギー/時間、偏光または位相として符号化された情報の1ビットを運ぶので、盗聴者は、少なくとも部分的に鍵を変更することなしには鍵を傍受することができない。盗聴者が鍵を得ることを完全に防ぐことは可能ではないが、送信器から受信器に送られた各光パルスにおける単一光子があれば、盗聴者が検出されるだろう。
しかしながら、多くの現在の量子通信システムは、弱い光パルスの源として減衰したレーザーを用いる。そのようなパルスは、セキュリティ問題をもたらす2以上の光子をしばしば含むので、盗聴者がパルス中の他の光子に影響せずにパルスから1つの光子を分割する、いわゆる光子数分割(photon number splitting)(PNS)攻撃ができる。PNS攻撃に対処するため、セキュリティは、情報が量子鍵配送システムによって安全に転送することができるビットレートおよび/または距離を減少させることで、増加しうる。
そのような1つの方法は、セキュリティおよび伝送距離を改善するために提案されているデコイパルスプロトコルである。この方法は、第2強度のデコイパルスおよび符号化された情報を運ぶ信号パルスを送る。信号およびデコイパルスの伝送効率を決定することによって、光子数分割攻撃の存在を統計的に見つけることが可能である。
かなりの作業は、そのようなシステムに関してセキュアビットレートを決定するための方法で行なわれる。セキュアビットレートは、エミッタ(アリス)と受信器(ボブ)との間で安全に転送されるであろう単位時間ごとのビット数である。それはアリスから送られるパルスの実際のレートより低いだろう。
しかしながら、実際の量子通信システムでは、送られるパルスの強度のようなパラメータは、時間とともにドリフト(drift)し、それゆえ伝送のセキュリティは減少する。
サイテーション・リスト
Ma Phys. Rev A vol. 72 012326 (2005)
Gottesman Lutkenhaus, Lo and Preskill (GLLP), ref: Quant. lnf Comput vol. 5 (2004) p.324
Z.L.Yuanetal.APL9O 011118, 2007
本発明は、以下の制限されない実施形態に関して記述される。
図1は、本発明の実施形態に従う量子通信システムの概略図である。 図2aは、図1のソースのパルス出力の概略図であり、図2bは、図1の強度変調器の出力の概略図である。 図3は、図1のデコイパルスおよび信号パルスに関する、時間に対する光子検出イベント数の単位における強度のプロットである。 図4は、デコイパルス強度に対するビット毎秒におけるセキュア量子鍵ビットレートのプロットである。 図5a、bおよびcは、パルスの総数に対する信号パルスの割合Nμに関して、信号強度(μ)およびデコイ強度(u)の関数としてのセキュア鍵レートを示す強度プロットであり、最大のセキュアビットレートに関して最適な値Nμは、図5aでは0.56、図5bでは0.1、図5cでは0.75である。 本発明の実施形態に従う方法を示すフローチャートである。 図7aは、実施形態に従う量子通信システムの概略図であり、図7bは、図7aの強度変調干渉計の位相変調器バイアス電圧に対する、相補(complement)出力強度を示し、図7cはパルス制御器の概略図である。 図8は、本発明の実施形態に従う追加的な装置の概略図である。
1つの実施形態によれば、量子通信システムが提供され、前記システムは、第1強度を有する複数の信号光パルスおよび第2強度を有する複数のデコイ光パルスを受信器に送るエミッタと、情報は前記信号パルスで符号化され、前記システムの利用中に前記デコイパルス強度におけるポテンシャルドリフトの範囲にわたって非ゼロセキュアビットレートを維持しながら、最大平均セキュアビットレートが、前記システムの利用中に前記デコイパルス強度におけるポテンシャルドリフトの範囲にわたって達成されるように、前記信号パルスの強度、および、複数の信号パルスおよび複数のデコイパルスの配送を設定する制御器と、を具備する。
発明の実施形態に従う量子通信システムは、信号パルスの強度および複数の信号パルスおよび複数のデコイパルスの配送に関する値が提供され、任意の計算を行なう必要がない制御器を含んでもよい。
さらなる実施形態では、システムは、複数のデコイパルスを備える複数の信号パルスの異なる配送に関して、デコイパルス強度および信号パルス強度に伴う前記セキュアビットレートにおける変化を決定し、前記システムの利用中にデコイパルス強度におけるポテンシャルドリフトを決定し、前記システムの利用中に前記デコイパルス強度におけるポテンシャルドリフトの範囲にわたって非ゼロセキュアビットレートを維持しながら、最大平均のセキュアビットレートが、前記システムの利用中に前記デコイパルス強度におけるポテンシャルドリフトの範囲にわたって達成されるように、前記信号パルスの強度、および、複数の信号パルスおよび複数のデコイパルスの配送を計算し、前記制御器に信号パルスの強度およびデコイパルスおよび信号パルスの前記配送を出力するプロセッサを具備する。
最初にデコイパルス強度を選択することに関する多くの可能な選択肢がある。1つの選択肢は、信号パルスおよびデコイパルスの計算された配送に関する許容可能なドリフトの範囲の中心において、開始するデコイパルス強度を提供することである。
本発明の実施形態に従うシステムは、多数のデコイ状態を有するプロトコルでも動作してもよい。例えば、プロトコル Ma Phys. Rev A vol. 72 012326 (2005)を参照する。そのようなプロトコルでは、自由パラメータは、信号パルスの割合、信号パルス強度および2つのデコイパルス強度と同様、デコイ1パルスの割合およびデコイ2パルスの割合である。
信号パルスの割合、デコイ1パルスの割合およびデコイ2パルスの割合は、それらが合計1にならなければならないので、2つのパラメータを表わすことに留意する。これらのパラメータは、単一強度デコイパルスがあるときに記述されるのと同じやり方で最適化されてもよい。
量子通信システムはさらに、決定される量子通信プロトコルに関する単一光子誤り率および単一光子利得を推定する測定部を含む。これは、システムに自由パラメータを計算させる。これらの量は、信号光子誤り率およびデコイパルスの平均透過率から導出されてもよい。これらのパラメータの計算は技術的によく知られている。要約すれば、通信は既知の量子通信プロトコルを用いて送られ、このプロトコルは、BB84、B92などのような有名なプロトコルのいずれかでありえる。送信器と受信器とが、複数のデコイパルスのうちのそれらが送りおよび受信した光子のそれぞれを比較するとき、これらのデコイパルスの誤り率および平均透過率は推定することができる。さらに、信号パルスの平均透過率は、信号パルスの誤り率と同様に測定することができる。
システムもまた、デコイパルスの強度におけるドリフトをモニタするモジュールが提供されてもよい。デコイパルスにおけるドリフトがシステムのポテンシャルドリフトよりも大きい場合、システムが安全ではないことをこれが示すように、アラームが鳴るか、通信が停止される。
プロセッサは、エミッタ内に物理的に位置してもよく、従って、量子通信システムのエミッタは、内蔵型であり、一旦それがインストールされれば、自由パラメータを自身で計算することができる。代替的な実施形態では、プロセッサはエミッタに分離して提供され、上記の制御を提供するためにエミッタ内のパルス制御器に密結合されうる。
1つの実施形態では、量子通信システムが提供され、前記システムは、第1強度を有する複数の信号光パルスおよび第2強度を有する複数のデコイ光パルスを受信器に送るエミッタと、情報は信号パルスで符号化され、前記システムの利用中に前記デコイパルス強度におけるポテンシャルドリフトの範囲にわたって非ゼロセキュアビットレートを維持しながら、最大の平均セキュアビットレートが、前記システムの利用中に前記デコイパルス強度におけるポテンシャルドリフトの範囲にわたって達成されるように、前記信号パルスの強度、および複数の信号パルスと複数のデコイパルスとの配送を具備する。
さらなる実施形態では、サニャック(Sagnac)干渉計は信号およびデコイパルスでの強度変調を行なうために用いられる。サニャック干渉計の利点は、マッハツェンダー(Mach Zehnder)干渉計よりもドリフトすることに、より多くの耐性があるということである。
さらなる実施形態では、第1強度を有する複数の信号光パルスおよび第2強度を有する複数のデコイ光パルスを受信器に送り、情報は前記信号パルスで符号化され、前記システムの利用中に前記デコイパルス強度におけるポテンシャルドリフトの範囲にわたって非ゼロセキュアビットレートを維持しながら、最大の平均セキュアビットレートが、前記システムの利用中に前記デコイパルス強度におけるポテンシャルドリフトの範囲にわたって達成されるように、前記信号パルスの強度、および、複数の信号パルスおよび複数のデコイパルスの配送を設定することを具備する量子通信方法が提供される。
本発明の実施形態は、ハードウェアでまたはソフトウェア上で、または汎用コンピュータで実装されうる。さらに、本発明の実施形態は、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせで実装されうる。本発明の実施形態も、単一の処理装置または処理装置の分散ネットワークによっても実装されうる。
本発明の実施形態はソフトウェアによって実装されうるので、本発明の実施形態は、汎用コンピュータまたは任意の適切な搬送媒体に提供されるコンピュータコードを包含する。
搬送媒体は、フロッピー(登録商標)ディスク、CD ROM、磁気デバイスまたはプログラム可能なメモリデバイスのような任意の記憶媒体、または、信号、例えば電気的、光学的、またはマイクロ波信号のような任意の一時的な媒体(transient medium)を含むことができる。
さらなる実施形態では、量子通信システムを制御する方法が提供され、前記システムは、第1強度を有する複数の信号光パルスおよび第2強度を有する複数のデコイ光パルスを受信器に送るエミッタを具備し、情報は前記信号パルスで符号化され、前記方法は、複数のデコイパルスを伴う複数の信号パルスの異なる複数の配送に関するデコイパルス強度および信号パルス強度に伴うセキュアビットレートの変化を決定し、前記システムの利用中に前記デコイパルス強度におけるポテンシャルドリフトを決定し、前記システムの利用中に前記デコイパルス強度におけるポテンシャルドリフトの範囲にわたって非ゼロセキュアビットレートを維持しながら、最大の平均セキュアビットレートが、前記システムの利用中に前記デコイパルス強度におけるポテンシャルドリフトの範囲にわたって達成されるように、前記信号パルスの強度、および、複数の信号パルスおよび複数のデコイパルスの配送を計算することを具備する。
上記のように、システムにおけるセキュアビットレートポテンシャルドリフトは、予め定められた時間フレームで行なわれる。この時間フレームは、システムの利用目的に基づいて選択されるだろう。
一般的に、システムにおけるポテンシャルドリフトは、システムに特定の時間実行させ、デコイパルス強度におけるドリフトを継続して測定することで、測定されるだろう。しかしながら、いくつかの用途に関して、最悪のケースのドリフトは、典型的なシステムへの利用のためまたはシステムの以前の利用に基づいて推定されるかもしれない。一実施形態では、デコイパルス強度のポテンシャルドリフトにおいて少なくとも50%のドリフトがあるだろうと常に推定される。
デコイパルス強度、信号パルス強度および信号パルス割合がどのように設定されるかは、多くの手法によって決定されてもよい。実施形態では、デコイパルス強度における許容可能なドリフトは、1つ以上の信号パルス割合に関して計算される。許容可能なドリフトは、セキュアビットレートがその初期値から0まで下がるデコイパルス強度におけるドリフトである。他の実施形態では、それは、セキュアビットレートがその元の値のより大きなパーセンテージまたは5%に下がるデコイパルス強度におけるドリフトであってもよい。
この許容可能なドリフトは、システムに関して測定されているポテンシャルドリフトと比較されうる。その後、ポテンシャルドリフトよりも大きい許容可能なドリフトを与え、かつ最も高いセキュアビットレートを与える信号パルス割合が選択されてもよい。
図1は、本発明の実施形態に従う量子通信システムの概略図である。システムは、光ファイバーケーブル5によって接続されるエミッタ1および受信器3を含む。
エミッタ1は、(図2aにおいて示されるように)光パルス17のソース7を含む。これらのパルスはその後、強度変調器9に入力される。強度変調器9の出力は、図2bにおいて示される。図2aのパルスは、2つの異なる強度のパルスに分割され、より高い強度19を有するパルスは信号パルスとして表され、より低い強度21を有するパルスはデコイパルスとして表されるだろう。信号パルスは、デコイパルスよりも通常強い。シミュレーションは、デコイパルスと比較してより弱い強度を有する信号パルスに関しては、セキュアビットレートが不可能であることを示す。
強度変調器9は、パルス制御器10によって制御される。パルス制御器10は、強度変調器9によって出力されるパルスの強度および異なる強度のパルスの配送を制御する。パルス制御器10は、プロセッサを含んでもよいし、プロセッサの制御下で動作してもよい。
信号およびデコイパルスはその後、符号化干渉計11に入力される。ここで、信号パルスは、受信器3に送られることになっている鍵で符号化される。一般に、デコイパルスは符号化されない。しかしながら、そのようなパルスが符号化されてもよい。この実施形態では、パルスは位相を用いて符号化される。しかしながら、パルスもまた、偏光、時間または他の量子パラメータを用いて符号化されてもよい。
符号化された信号パルス19およびデコイパルス21はその後、光ファイバー5にそって受信器3に渡される。ここで、それらは復号器13において復号化され、検出器15によって検出される。
上記のシステムは過度な単純化である。実際には、エミッタ1と受信器3との間にタイミングリファレンスがあるだろう。パルス生成器、強度変調器9、符号器11、復号器13および検出器15に関する配置の詳細およびこれらの特別な特徴の詳細は、図7および8を参照して記述される。
信号パルス19がエミッタ1からケーブル5に沿って受信器3へ送られ、それが盗聴者(イブ)によって傍受される場合、彼女(イブ)は光子を測定することによってその状態を変更してしまうので、盗聴者が自身の存在を示すだろう。彼女が受信器3にさらにそれを送る場合、彼女の存在は、何回かデータを読むことで統計的に重大な誤りによって示されるだろう。
しかしながら、上記は、エミッタ1から受信器3へ送られるすべての信号パルスが、単一光子だけを含む理想的状態について議論する。実際には、この条件はほとんど満たされない。信号パルスのうちのいくつかが2以上の光子を含む場合、盗聴者は光子数分割攻撃(PNS)として知られるものを始めることができる。PNS攻撃では、盗聴者は傍受したパルスから単一光子のみを分離する。これは、盗聴者が、受信器3に渡されるパルスの残りの中の情報に影響せずに、この光子から情報を得ることを可能にする。
PNS攻撃に対抗するために、少なくとも2つの異なる強度のパルス(信号およびデコイパルス)を有するパルス列が送られる。パルスからの光子が盗聴者の存在により系統的に失われている場合、2つのパルス(信号パルスおよびデコイパルス)の受信強度を比較することによって、盗聴者の存在が見つけられうる。従って、強度変調器9は、統計分析が盗聴者の存在を示すために行なわれることを許容するために、2つ以上のパルス強度を生成する。
強度変調器9は、符号器の前段または後段に位置してもよい。
2つの異なる強度のパルスを送る上記のシステムは、デコイパルス量子鍵配送として知られる。
状況は、パルスにおいて2以上の光子を出力するためのソースの能力、およびシステムが(盗聴者の存在または不在に関わらず)完全ではないという事実により悪化する。
任意のシステムに関するセキュアビットレートは、エミッタ(アリス)と受信器(ボブ)との間で安全に転送される可能性のあるビットの数である。それは、アリスから送られたパルスの実際の割合よりも低いだろう。
セキュアビットレートは、以下の影響を受ける。
(1)ビット誤り(ビット反転)
(2)盗聴者が所有する交換された(安全でない)鍵の認識の量(位相反転)
(1)は、誤り訂正として知られる処理を通じて訂正することができる。誤り訂正は、鍵交換中に変化した任意のビットを訂正することを含む。誤り訂正の目的は、アリスとボブとが同一鍵に至ることである。不運にも、誤り訂正は、アリスとボブとの間のいくつかの古典的情報を交換することを含み、盗聴者はこれのある程度を学習することができる。
要求される誤り訂正の量は、光子伝送の全体的な伝送確率および光子伝送の全体的な誤り率に依存する。いったん誤り訂正が実行されると、アリスとボブとは同一鍵を所有するが、盗聴者は鍵のすべてまたはいくつかの認識をまだ有することができる。
(2)この情報を消去するために、プライバシー増幅(PA)として知られる手続きが適用される。PAは、盗聴者が最小の情報を有するより小さな鍵を生成するための鍵をハッシュする。盗聴者が多重光子パルスから情報を得ることができるので、デコイ方法では、より小さい鍵のサイズは、単一光子誤り率および単一光子利得によってのみ決定される。
従って、最も簡潔な表現で、セキュアビットレートは次のように書かれうる。
セキュアビットレート=f(単一光子誤り率、単一光子利得)+f(信号誤り率、信号利得)
セキュアビットレートの下限を計算するための特に一般的な式は、Gottesman Lutkenhaus, Lo and Preskill (GLLP), ref: Quant. Inf Comput vol. 5 (2004) p.324 によって提供される。
Figure 2013512610
ここで、Qμが信号透過率であり、f(x)は誤り訂正モジュール効率であり、H(x)が2値(binary)シャノンエントロピー関数であり、Δ=pmult/Qμは多重光子パルスの割合であり、Pmult=Σk=2は、アリスの光パルスが2以上の光子を含む確率であり、Eμは、信号の量子ビット誤り率(QBER)である。セキュアビットレートに関する上記の式中の第1項は、誤り訂正に関する寄与を反映し、第2項は、鍵から盗聴者の情報を消去するために供給されるプライバシー増幅の量を反映する。
上記の式は、不完全なデバイスに関して完全に有効である一方、それは特に高い鍵レートをもたらさない。デコイ方法は、デコイ状態を送ることによって量子チャネルの透過率をモニタすることにより、セキュアビットレートを上げ、それゆえPNS攻撃を検出させることを可能にする。GLLP式は、デコイ状態を送ることの効果を含めるために、他の研究者(workers)(Maら)によって修正されている(Phys Rev A, vol. 72 012326 (2005).参照)。ここで、GLLP式は、次のように再構成される。
Figure 2013512610
ここで、Qは単一光子利得であり、eは単一光子誤り率である。
信号状態で1つのデコイ状態を組み入れるために、単一光子誤り率および単一光子透過率に関する関係式が、以下に与えられる。
Figure 2013512610
ここで、μは信号平均光子数であり、νはデコイ平均光子数であり、Q νはデコイ透過率での下限である。これは多くのやり方で推定されうる。当業者により十分な二項分析(full Binomial analysis)を用いることにより、正確な分析は実行されうるが、デコイ強度の統計的分布(これは統計的な偏差のせいで正確に1つの数にならないことに注意する)がガウス分布であると仮定される。従って、Q νは次のように書くことができる。
Figure 2013512610
νは、デコイ状態として用いられるデコイパルスの数であり、σは、要求される標準偏差の数である。図5のシミュレーションでは、σ=10でとても控えめな境界が用いられる。これは、1−1.5×10−23の統計変動に関する信頼区間を与える。
Figure 2013512610
書き直されたセキュアビットレート式(GLLP)に単一光子透過率および単一光子誤り率を挿入することで、不完全なソースおよび検出器で1つのデコイ状態を用いて、セキュアビットレートを得る。
上記のものは、信号パルスの強度、デコイパルスの強度、および信号のデコイパルスに対する比に依存することが理解される。一般に、これらの3つの「自由パラメータ」は、システムに対して可能な限り最も高いセキュアビットレートを与えるために設定される。
しかしながら、実用的なオペレーティングシステムでは、信号パルスおよびデコイパルスの両方の強度が時間とともにドリフトするだろう。従って、セキュア鍵レートRでの下限に関する任意の式は、時間とともに変化する。
システムの利用中にデコイパルス強度がドリフトするにつれて、システムのセキュアビットレートもまた、ドリフトする。多くの場合では、(多くの量子通信システムには一般的である)デコイパルス強度の30%の長期(数日以上)ドリフトは、ある場合では、セキュアビットレートが0まで落ちるという、セキュアビットレートにおける重大な低減をもたらす。これは、鍵をセキュア鍵の状態にするために送信器と受信器とによって用いられる任意のプライバシー増幅または他の技術にもかかわらず、セキュア鍵を実現することができないことを意味する。
信号パルスの強度はドリフトしうるが、支配的なドリフトはデコイパルスによる。従って、最も重要であるのは、デコイパルスのドリフトを備えるRの分散である。
最終のセキュア鍵レートは、デコイ不確実性を考慮しないよりも低くなる。エミッタのせいでΔυの不確実性がある場合、受信器は盗聴者によって不確実性と攻撃とを識別することができない。従って、最も低い鍵レートは、完全な確実性のために用いられるはずである。
図3は、30時間の実行に関する、信号パルスおよびデコイパルスの両方に関する強度のプロットである。X軸は時間であるが、各鍵ファイルが約15秒の長さである鍵ファイル数において表現される。比較を補助するため、デコイ強度は30倍にスケールされている。デコイパルス強度における誤りは、主要な変化であり、約5%で変わる。
セキュア鍵レートが変化する様子は、3つの自由な実験的パラメータ、信号の強度μ、デコイ強度νおよび信号パルスの割合Nμのパラメータ空間の探査によって数値的に計算される。さらに、デコイパルスの割合は、Nν=1−Nμである。3つのパラメータを全部変化させることによって、最適な最大のセキュア鍵レートを見つけることができる。この最適なセキュア鍵レートを与える自由パラメータは、最終のセキュア鍵レートでのデコイ強度ドリフトの影響を低減することに関する、理想的なパラメータではないかもしれない。
図4は、デコイドリフトの関数として、ゼロから約数百bps付近まで変化する(最大のセキュア鍵レートに関して最適化された)セキュア鍵レートを示す。図4を生成するために用いられる他の実験的パラメータは、(Z. L. Yuan et al. APL 90 011118,2007に基づいて)次のものを含む。0.187dB/kmレーザーの損失特性を特長とする光ファイバー距離50km、反復速度7.143MHz、ボブの損失0.565、10%の単一光子検出器効率、1.5×10−4の結合した検出器暗計数確率、アリスにより送られたパルスの総数、N=100万、推定されたシャノン誤り訂正効率=1.1、および最後に、1%の検出器誤り率。セキュア鍵レートは、図4中の矢印によって示される、デコイ強度では約40%ドリフトののちにゼロになる。図3における実験データに基づいて、このドリフトが、数日間にわたり連続するQKD動作ののちに起こり、QKDシステムをゼロのセキュアビットレートで役立たない状態にする。
信号平均光子数は〜0.4である。
信号強度μ、デコイ強度νおよび信号パルスの割合=Nμの自由パラメータは、デコイ強度のドリフトでのセキュア鍵レートの依存を低減するために調節される。これは3次元の問題であり、問題は3つの二次元強度プロットとして視覚化される。ここで、強度プロットの2軸は、任意のNμに関する信号およびデコイ強度に対応する。グレイスケールプロットの強度は、セキュアビットレートである。白いバーに沿ったデコイ強度ドリフトとしてのセキュアビットレートの変化率は、鍵において示される。
本発明の実施形態に従うシステムでは、最適なパラメータを選択するとき、デコイパルス強度のドリフトが考慮される。パラメータまたは(自由)パラメータは、信号パルス割合、信号パルス強度およびデコイパルス強度である。簡単のため、用語「信号パルス割合」は、ここで用いられ、信号およびデコイパルスの総数からの信号パルスの割合である。しかしながら、それは単に信号及びデコイパルスの配送の1つの尺度であり、信号およびデコイパルスの配送の他の尺度が用いられてもよい。
実施形態に従うシステムでは、2つの基準を満たす必要がある。システムの利用上、デコイパルス強度におけるポテンシャルドリフトが測定される。これは、システムに関する利用のための典型的な時間スケール、サービス間の典型的な時間スケール、通信を送るための典型的な時間スケールなどで測定されてもよい。一旦このポテンシャルドリフトが確立されたならば、デコイパルス強度がシステムにおけるポテンシャルドリフトによって変化する場合、この最大のセキュアビットレートを与えるパラメータがセキュアビットレートを0または別に定義された最小値へ低下させない場合に、最大のセキュアビットレートが単に選択される。従って、そのようなシステムは、0まで低下、または別の所定の動作限界より低下するセキュアビットレートの位置にないだろう。
一般的に、最大のセキュアビットレートのために実現されたものより低い信号パルス割合が用いられるだろう。セキュアビットレートはまた、信号パルス強度の関数である。
従って、信号パルス割合、および最も高い平均セキュアビットレートを与える信号パルス強度の両方を選択することが必要である。
図5(a)は、図4の場合の、最大のセキュア鍵レートを得るために最適化される自由パラメータに対応する2次元強度プロットである。白い垂直のバーも示され、セキュア鍵レートの範囲を描く。例えば、最大のセキュア鍵レート点(μ=0.44、ν=0.23)から0となるセキュア鍵レート(μ=0.44、ν=0.13)の範囲は、デコイ強度において下方へ〜40%ドリフトする。信号割合が低下する場合、すなわち、デコイ割合が増加すると、セキュア鍵レートの範囲は最大のセキュア鍵レートを犠牲にして広げることができる。
図5(b)はNμ=0.1のセキュア鍵レートにおける範囲を示す。セキュア鍵レートは、以前の状況より広い範囲にわたり拡大する。白いバーは、以前の状況のセキュア鍵レート範囲を図示し、ゼロになることなく、セキュア鍵レートがさらにドリフトできるように、状況が改善されることがはっきり分かる。実際、範囲は(μ=0.45、v=0.24)で始まる場合、デコイ強度を減少させるために50%であり、デコイ強度を増加させるために〜55%である。
図5(c)は、信号パルスの大きな割合Nμ=0.75を選ぶ場合の効果を示す。最大の鍵レートは、最適な状況(図5(a))と同程度であるが、セキュア鍵ドリフトの範囲は、デコイ強度において〜30%だけドリフトしたあとにセキュア鍵レートが急速にゼロになるにつれて、より悪くなる。この方法では、信号パルスの割合を〜0.1に調整し、最終のセキュア鍵のサイズを増加させるためにより長い間統合する(integrate)ことがよい。
従って、図1に戻ると、パルス制御器10は、デコイパルス強度がドリフトする可能性のあるシステムの動作範囲にわたって、セキュアビットレートが達成されることをまだ可能にしながら、高いセキュアビットレートを維持することの矛盾する要求を満たすように強度変調器を制御する。
実施形態では、パルス制御器10は、プロセッサの制御下で強度変調器を制御する。プロセッサは、パルスの強度を制御することをパルス制御器に命じるため、図6のステップを行なう。
パルス制御器を制御するプロセッサは、エミッタの一部として提供されるプロセッサでもよいし、パルス制御電子機器の一部をさらに形成してもよい。代替となる実施形態では、プロセッサは、図6にオフラインで示されるステップで行なわれ、これらの値はパルス制御器10に入れられる。いったん、信号パルス割合、開始するデコイパルス強度および開始する信号パルス強度の値が決定されれば、これらの値が適切に受信器が鍵を復号するために要求されるので、これらの値が受信器に通信される。
図6、ステップ401では、データセットは、複数の信号パルス割合に関する信号およびデコイパルス強度の両方を備えるセキュアビットレートにおける変化を示すために生成される。信号パルス割合は、デコイパルス割合(1−信号パルス割合)およびあるいは信号パルスのデコイパルスに対する比として表現されうることが理解される。
データセットは、図5aから5cに関して示される種類であってもよい。プロットは、デコイパルス強度および信号パルス強度からセキュアビットレートを導出するために、上記で決定される式を用いて生成されてもよい。しかしながら、これらの方程式での変化もまた可能であり、方法は、セキュアビットレートの全ての可能な推定に適用可能である。
セキュアビットレートを得るための手続きは、Z. L. Yuan et al APL 90 011118(2007)で概説されている。一般に、各鍵は、「鍵生成セッション」として知られる時間の長さで生成される。セッションの長さは、セキュア鍵レートでの限界上での、要求される精度によって決定される。短い鍵生成セッションが用いられる場合、ボブの受信するデコイパルス平均光子数での統計的限界は、セッション期間がより長い場合よりも貧弱になる。
その手続きは次のとおりである。
(1)アリスは、信号およびデコイパルスの平均光子数、およびそれらに関連する割合を選択するための最適化プログラムを実行する。初期の設定手続きでは、アリスおよびボブは、検出器誤り確率(edet)、検出器効率(イータ(eta))、検出器暗計数確率(Y0)、チャネルの減衰損失、ボブの干渉計損失を知ることにより、期待される信号誤り率をオフラインで評価することができる。それらのパラメータをつなぐ式は、以下のように文献で与えられる。
Figure 2013512610
ここで、Qμが信号透過率であり、αは、ボブの干渉計損失と同様にチャネル損失特性を組み込む。
(2)アリスは、ボブにそれらを送る前に、位相符号器でのビット情報で信号パルスを符号化する信号パルスおよびデコイパルスを用意する。
(3)ボブはパルスを受け取り、メモリにそれらを記憶する。
(4)鍵セッション時間は、以下の式から与えられる限界によって決定される。
Figure 2013512610
たいてい、ボブが100万個の光子を受信する結果となる鍵セッション時間は十分であり、シミュレーションで用いられた。より詳細は、Z. L. Yuan et al APL 90011118(2007)を参照する。
(5)ふるい分け手続きの間、アリスとボブとは、どのパルスが信号パルスでどのパルスがデコイパルスかを選別する。その後ボブは、上記の式から与えられる統計的な確信で、信号およびデコイパルスの平均透過率を推定することができる。彼はまた、信号パルスの誤り率(彼の受信ビットの部分集合と、盗聴者にいくつかのビットを必然的に開示するアリスのビットの同じ部分集合とを比較することによって含まれ、これはQKDにおける通常の手続きである)を測定する。
(6)信号の誤り率、信号およびデコイパルスの透過率を知ると、彼は、単一光子利得および単一光子誤り率を推定し、結果としてセキュアビットレートを評価するために、以前に与えられた式を用いることができる。
データセットは、0.1のステップで、0.1と0.9との間の複数の信号パルス割合に関して生成されてもよい。代替的に、データセットは、複数の信号パルス割合のより小さな範囲にわたって生成されてもよい。例えば、0.5より大きい信号パルス割合がシステムにほとんど役に立たないことが、すでに知られていた場合。データセットが生成される間隔は、等しい必要はない。
図6のステップS401では、これらのデータセットが生成される。それらは強度プロットとしてプロットされてもよいし、または単に格納され表示されなくてもよい。
ステップS403では、許容可能なデータセットが決定される。許容可能なデータセットは、許容可能なデータセットにおける少なくとも1つの信号パルス強度に関して、システムにおけるポテンシャルドリフトよりも大きい許容可能なドリフトを有するデータセットである。システムにおけるポテンシャルドリフトは、標準動作時間フレーム上でシステムを操作することにより測定される。例えば、これはメッセージが一般的に送られる時間であってもよく、または通信システムのサービス間の時間であってもよい。この時間上で、デコイパルス強度におけるドリフトは測定される。許容可能なドリフトは、セキュアビットレートがその最大値から0まで低下するデコイパルス強度におけるドリフトである。代替となる実施形態では、許容可能なドリフトは、セキュアビットレートの最大値から所定の最小値まで測定される。前記の所定となる最小値は、nが例えば5%、10%、20%などである全セキュアビットレートのn%であってもよい。代替的に、固定値、例えば、セキュアビットレートの最小の有効値であってもよい。
複数のデータセットはその後、許容可能なデータセットとして決定されてもよい。許容可能なデータセットのそれぞれは、ポテンシャルドリフトよりも大きい許容可能なドリフトを有する信号パルスの強度の少なくとも1つの値がある。いくつかの許容可能なデータセットでは、上記の要求を満たす2以上の信号パルス強度がある。上記の要求を満たす許容可能なデータセットに関する信号パルス強度はその後、S405において選択される。
デコイパルス強度における許容可能なドリフトは、信号パルス割合の関数になるが、それは信号パルス強度の関数になることに留意すべきである。これは、白いバーがデコイパルス強度におけるドリフトを表わす図5のプロットから理解されうる。この棒がX軸に沿って(つまり、信号パルス強度の異なる値に関して)移動されるにつれて、セキュアビットレートの異なる領域上にそれが拡大することが理解されうる。極端な例では、図5bにおいて、信号パルス強度が0.4である場合、デコイパルス強度における最小のドリフトのみ許容されるだろう。従って、最良の信号パルス割合をただ選ぶことのみ必要なのではなく、デコイパルス強度ドリフトのポテンシャル範囲上の最大の平均セキュアビットレートを維持する最良の信号パルス強度を選ぶことが必要である。従って、最大平均セキュアビットレートが、最も高い最大セキュアビットレートを含むデータセットよりも低い信号パルス割合を有するデータセットに発生する可能性がある。
例えば、図5aに図示する先行技術では、パラメータが最大セキュアビットレートを与えるために最適化され、最大セキュアビットを与える信号強度は0.44である。しかしながら、デコイドリフトに関する最大範囲を与えるために信号パルス割合を最適化する場合、図5bでは、最適な信号強度は約0.46である。
ポテンシャルドリフト上で最大セキュアビットレートを与えるステップS405において決定されている、信号パルス割合および複数の信号パルス強度値はその後、システムに関する開始パラメータであるとして選択される。
デコイパルス強度は、許容可能なドリフトの範囲の中間にたいてい設定される。しかしながら、システムをドリフトすることが、例えばデコイパルス強度が減少する一方向に常に起こる場合、その後デコイパルス強度は、デコイパルス強度が減少するにつれてセキュアビットレートが増加しその後減少するように設定されてもよい。
1つの実施形態では、全ての可能なデータセットが考慮される。別の実施形態では、考慮されるべきデータセットの数の除去が行われる。例えば、最大セキュアビットレートを含むデータセットが決定される。その後、最大セキュアビットレートまたはより低い複数の信号パルス割合を備えるデータセットにおけるそれと等しい、信号パルス割合を備えるデータセットのみ考慮される。
さらなる実施形態では、データセットは、最も高い最大セキュアビットレートを備えるデータセットに関する許容可能なドリフトが、最初に考慮される反復方法を用いて選択される。次に、次に最も低い信号パルス割合を備えるデータセットの様々な信号パルス強度に関する許容可能なドリフトが考慮される。これは、連続してしだいに低くなる信号パルス割合を備えるデータセットに関して繰り返されるだろう。いったん平均セキュアビットレートがこれらのデータセットのそれぞれにおいて一貫して減少していることが明らかとなるならば、これらのデータセットのそれぞれに関する異なる信号パルス強度についての許容可能なドリフトを継続的に測定することは必要ではないだろう。
しかしながら、システムにおけるドリフトが常に1つの方向(例えばデコイパルス強度が減少する)に起こる場合、その後デコイパルス強度は、デコイパルス強度が減少するにつれて、セキュアビットレートが増加しその後減少するように設定されてもよい。
図6のフローチャートもまた、デコイパルスが2以上の異なる強度を有するプロトコルが適用されうる。GLLPおよびMa et al. Phys Rev A,vol.72 012326(2005)などを用いる2以上の異なるデコイ強度を用いるプロトコルに関して、セキュアビットレートを計算することが可能である。従って、図5のプロットは、2つの軸で変化するデコイパルス強度と、3番目の軸での信号パルス強度とを組み込むために、追加の次元において(これは容易に想定することができないが)生成されうる。
上述のような同じやり方で、許容可能なドリフトが許容可能なデータセットにおける少なくとも1つの信号パルス強度に関するポテンシャルドリフトよりも大きい、許容可能なデータセットを決定することが可能である。しかしながら、許容可能なドリフトは、両方のデコイパルス強度に関して考慮される必要がある(デコイパルスのグループ数によって決まる、2つの異なるデコイパルス強度または3つ以上のデコイパルス強度がある場合)。
同じ計算はその後、許容可能なドリフトが両方のデコイパルス強度を横切るポテンシャルドリフトよりも大きい信号パルス強度値を、許容可能なデータセットから決定するために形成されうる。その後、両方のデコイパルス強度におけるポテンシャルドリフト上で最大平均セキュアビットレートを与える、信号パルス割合、両方のデコイパルスの割合、および複数の信号パルス強度値が選択される。
図7aは本発明の実施形態に従う量子通信システムを示す。
システムは、エミッタ101および受信器103を含む。エミッタ101および受信器103は、光ファイバーケーブル105によって接続される。
エミッタは、送信システムを制御する制御モジュール111を含む。制御モジュール111は、図1および図2に関して記述されるパルス制御器の機能を含む。
図7cは、制御モジュール111に含まれるパルス制御器の可能性のある実装の概略図である。パルス制御器307は、プログラム305を実行するプロセッサ303を含む。パルス制御器301は、ストレージ307をさらに含む。ストレージは、図6の処理によって要求されるパラメータを決定するためにプログラム305によって用いられるデータを記憶する。パルス制御器301は、入力モジュール311および出力モジュール313をさらに含む。入力モジュール311は、図6に概説される処理を行なうことを可能にする入力を受信する。これらは、予め記憶された入力でもよいし、システムから直接測定され、パルス制御器301に供給されてもよい。出力モジュール313は、強度変調器117を制御するための制御信号を順に提供する出力信号317を制御するために出力する。出力モジュール313はまた、受信器313がデータを復号するために情報が受信器に渡されてもよいように、この情報を提供する。
エミッタはまた、偏光回転子115に供給される出力信号レーザーダイオード113を含む。偏光回転子115は、エミッタを通過する全ての光子がシステムにおいてこの時点で同じ回転を有することを保証する。光子はその後、強度変調器117から複数の異なる強度のパルスを出力する強度変調器117に供給される。
簡単のため、この説明の残りについて、強度変調器117は、第1強度または第2強度のどちらかのパルスを出力する。強度変調器117の出力はその後、干渉計119を通過する光子で相対的な位相変調により情報を符号化する符号化変調器119に向かう。
減衰器121はその後、変調器119の出力が提供される。減衰器121はさらに、変調器119から出力されるパルスを、平均で1パルスあたり1光子未満を有するパルスに減衰する。
制御モジュール111もまた、高輝度(bright)クロックレーザー123に接続される。高輝度クロックレーザー123からの信号および減衰器121の出力は組み合わされ、受信部103へファイバー105を下ってともに送られる。
この実施形態における強度変調器117は、バランスの取れた(balance)マッハツェンダー型干渉計である。「バランスの取れた」は、干渉計の2つのアームの長さが等しいことを意味する。偏光子115からのパルスは、強度変調器117への入力であるファイバーカプラ131に供給される。ファイバーカプラは、50:50ファイバーカプラであって、光子を上側のアーム133または下側のアーム135のどちらかに向ける。実際には、各パルスは両方のアームを同時にたどる。位相変調器137は上側のアーム133に提供される。位相変調器137は、制御モジュール111の制御下で動作する。
強度変調器117はまた、50:50ファイバーカプラであって、かつ上側のアーム133および下側のアーム135の両方に接続される出力ファイバーカプラ139を含む。
ファイバーカプラ139の1つの出力は、符号化変調器119に接続され、他の出力は、出力されるパルスの強度のモニタに用いられてもよい図7bにおいて示される“Icomplement を形成する。
制御モジュール111は、出力の一方のアームで強度を変化させる変調器137にバイアスを適用する。
パルスはその後、符号化干渉計119へ送られる。この実施形態における符号化干渉計は、偏光保持ファイバーカプラ151によって入力(entrance)が提供されるマッハツェンダー干渉計である。弱いパルスは、偏光保持ファイバーカプラ151の出力アームの両方に関して、同じ軸、たいてい偏光保持ファイバーの遅軸(slow axis)に結合される。
符号化干渉計119はその後、2つのアーム、ロングアーム153およびショートアーム155を含む。これらの両方のアームは、偏光保持ファイバーカプラ151の出力に結合される。符号化干渉計119のロングアーム153は、光ファイバー遅延ループ154を含み、一方、ショートアーム155はファイバー光位相変調器157を含む。
2つのアーム153および155の長さの差は、Tdelayの光学的伝搬遅延に対応する。
典型的には、遅延ループ154の長さは、約5ナノ秒であるTdelayの遅延を生成するために選ばれてもよい。ロングアーム153を介して移動する光子は、干渉計119の出口で時間Tdelayだけ、ショートアーム155を介して移動する光子に遅れるだろう。
2つのアーム153および155は、単一モードファイバー161に、偏光ビームコンバイナ159とともに結合される。偏光ビームコンバイナ159のファイバー入力は、コンバイナ159から偏光保持ファイバー出力の特定軸に沿って伝搬する光子のみといった方法で整列させる。典型的には、遅軸または速軸(fast axis)に沿って伝搬する光子は、単一モードファイバーの中へコンバイナ159によって出力される。偏光ビームコンバイナ159は2つの入力ポート、インライン入力ポートおよび90°入力ポートを有する。入力ポートのうちの1つは、干渉計119のロングアーム153に接続され、別の入力ポートは、干渉計119のショートアーム155に接続される。インライン入力ポートのインライン入力ファイバーの遅軸に沿って偏光される光子だけが、偏光ビームコンバイナ159によって送信され、単一モードファイバー161に渡される。速軸に沿って偏光される光子は、反射されて失われる。コンバイナ159の90°入力ポートでは、90°入力ファイバーの遅軸に沿って偏光される光子だけが、ビームコンバイナ159によって反射され、出力ポートへ渡される。一方、速軸に沿って偏光されたものは、ビームコンバイナ161の外へ送信され失われる。これは、2つの入力ファイバーのうちの1つの遅軸が出力ポートに関して90°回転することを意味する。代替的に、偏光は、偏光ビームコンバイナ159の入力ポートのうちの1つの前に、偏光回転子を用いて回転してもよい。それゆえ、ロングアーム153を通過する光子パルスは、ショートアーム155を通過する光子パルスを90°回転させたそれらの偏光を有する。出力パルスはその後、減衰器121によって減衰される。減衰したパルスはその後、WDMカプラ163を用いて、異なる波長に高輝度レーザークロックで多重化される。多重信号はその後、光ファイバーリンク105に沿って受信部103に送信される。
クロックもまた他の方法で配送されてもよい。例えば、送信部は、クロックサイクルの開始に関して遅延しかつ信号パルスと一致しない同一または異なる波長で、高輝度クロックレーザパルスで信号パルスを多重化してもよい。代替的に、同期はタイミングリファレンスを用いて達成してもよい。
光ファイバーリンク105は、送信部103に入り、最初にWDMカプラ201に遭遇する。WDMカプラ201は、制御モジュール207を受信するためにクロック信号を順に提供する受信システム203を計測するため、クロック信号を分割する。WDMカプラ201を通過する信号およびデコイパルスは、光ファイバー105に沿って伝わる間に発生する可能性のある偏光における任意の変化を訂正する役割を果たす偏光回転子209を最初に通過する。パルスはその後、偏光ビームスプリッター211に入力される。偏光ビームスプリッター211は、デコイ干渉計213の始まりを特徴付ける。偏光ビームスプリッター211は、干渉計213の上側のアーム215および下側のアーム217に接続される。上側のアーム215は、位相変調器219を有し、下側のアーム217は遅延ループ221を有する。遅延ループ221は、符号化干渉計119の遅延ループ154と同じ遅延を導入するように設計される。
符号化干渉計119の経路間の差異と符号化干渉計213の経路間の差異とが同じであることを保証するためのシステムを微調整するために、ファイバーストレッチャー223は、経路長を調節するために下側のアーム217に挿入される。
上側のアーム215および下側のアーム217は、非偏光である50:50ファイバーコンバイナ225で組み合わせられる。ファイバーコンバイナ225の1つの出力は、検出器Aに導かれ、別の出力は検出器Bに導かれる。
復号化干渉計の偏光ビームスプリッター211および符号化干渉計の偏光ビームコンバイナ159は、パルスが符号化干渉計のロングアーム153に沿って伝わる場合、パルスが復号干渉計のショートアームに沿って伝わることを保証する。同様に、符号化干渉計のショートアームに沿って伝わるパルスは、復号化干渉計のロングアームに沿って伝わる。そのようなモデルは、
システムを描写する有用なやり方である。しかしながら、システムを、ある干渉計のあるアームに沿って下へ伝わり、その後他の干渉計の他のアームを通る単一パルスと見なすことは厳密には真実ではない。実際には、光の量子性により、パルスは干渉計の両方のアームで同時に伝わり、それは経路が終了するときに測定がなされる。
位相変調器157および219を変調することによって、ファイバーコンバイナ225で建設的または破壊的干渉を得ることは可能である。システムはそのとき、建設的干渉が検出器Bで登録される一方、破壊的干渉が検出器Aで記録されるように、平衡を保つことができる。
図8は、本発明の実施形態に従うさらなる量子通信システムの概略図である。量子通信システムは、図7に関して記述されたものに似ている。従って、不必要な繰り返しを避けるため、参照数字は類似の特徴を示すために用いられる。しかしながら、図7のシステムおよび図8のシステムは、図7の強度変調器117と図8の117aの形式で異なる。
図8の強度変調器117aは、図7のような変調器システムに基づく、別の干渉計である。しかしながら、図7の強度変調器117aはいわゆるサニャック干渉計に基づく。
従って、干渉計117aは、その入力で偏光保持サーキュレータ301を含む。いったんファイバーサーキュレータ301を通過し干渉計117aに入るパルスはその後、ループ305の右側および左側と反対方向に下に伝わるようにパルスが通る50:50ファイバーカプラ303へ渡される。
ファイバーループ305は位相変調器307を含む。位相変調器307は、左側パルスが移動するわずかな時間でオンとなるが、右側パルスがそれに到達するときにオフとなる。
従って、位相変調器は、パルスのうちの1つで動作する。両方のパルスがファイバーカプラ303で再結合されるとき、1つの出力は、ファイバーサーキュレータ301および強度変調器の外へ向けられ、他は相補モニタ309に向けられる。
同じ方法でバランスを保つマッハツェンダー干渉計に関して記述されるように、サニャック干渉計117aからのパルス出力の強度は、位相変調器307に適切なバイアスを適用することにより変調されうる。出力パルスはその後、ファイバーサーキュレータ301を出て、図7について記述されるのと同じ方法で符号化干渉計119に向けられる。
しかしながら、両方のパルスが同じファイバーループを回るので、1番目の強度と2番目の強度とのパルス間の強度におけるドリフトは、マッハツェンダー干渉計において直面するそれ未満である。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

Claims (19)

  1. 第1強度を有する複数の信号光パルスおよび第2強度を有する複数のデコイ光パルスを受信器に送るエミッタと、情報は前記信号パルスで符号化され、
    前記システムの利用中にデコイパルス強度におけるポテンシャルドリフトの範囲にわたって非ゼロセキュアビットレートを維持しながら、最大の平均セキュアビットレートが、前記システムの利用中に前記デコイパルス強度におけるポテンシャルドリフトの範囲にわたって達成されるように、前記信号パルスの強度および複数の信号パルスと複数のデコイパルスとの配送を設定する制御器と、を具備する量子通信システム。
  2. 複数のデコイパルスを伴う前記複数の信号パルスの異なる複数の配送に関して、デコイパルス強度および信号パルス強度に伴う前記セキュアビットレートにおける変化を決定し、
    前記システムの利用中に前記デコイパルス強度における前記ポテンシャルドリフトを決定し、
    前記システムの利用中に前記デコイパルス強度におけるポテンシャルドリフトの範囲にわたって非ゼロセキュアビットレートを維持しながら、最大の平均セキュアビットレートが、前記システムの利用中に前記デコイパルス強度におけるポテンシャルドリフトの範囲にわたって達成されるように、前記信号パルスの強度および信号パルスとデコイパルスとの前記配送を計算し、
    前記制御器に前記複数の信号パルスの強度および複数のデコイパルスと複数の信号パルスとの前記配送を出力するプロセッサをさらに具備する請求項1に記載の量子通信システム。
  3. 前記プロセッサは、信号パルスおよびデコイパルスの前記計算された配送に関する許容可能なドリフトの範囲の中心において、開始するデコイパルス強度を選択する請求項1または請求項2に記載の量子通信システム。
  4. 前記エミッタは、n個の異なる強度でデコイパルスのn個のグループを放出し、nは少なくとも2である整数であり、複数の信号パルスおよび複数のデコイパルスの前記配送は、デコイパルスの前記n個のグループおよび複数の信号パルスの配送である請求項1または請求項2に記載の量子通信システム。
  5. 決定される量子通信プロトコルに関する単一光子利得および単一光子誤り率を推定する測定部をさらに具備する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の量子通信システム。
  6. 前記単一光子利得および前記単一光子誤り率は、複数のデコイパルスの平均透過率および信号光子誤り率から推定される請求項5に記載の量子通信システム。
  7. 前記複数のデコイパルスの強度におけるドリフトをモニタするモジュールをさらに具備する請求項2に記載の量子通信システム。
  8. 前記システムは、前記複数のデコイパルスの前記強度における前記ドリフトが決定されたポテンシャルドリフトを超える場合、警告手段が提供される請求項7に記載の量子通信システム。
  9. 前記プロセッサは、前記エミッタ内に物理的に位置する請求項2に記載の量子通信システム。
  10. 第1強度を有する複数の信号光パルスおよび第2強度を有する複数のデコイ光パルスを受信器に送るエミッタを具備し、情報は前記信号パルスで符号化され、前記システムの利用中に前記デコイパルス強度におけるポテンシャルドリフトの範囲にわたって非ゼロセキュアビットレートを維持しながら、最大の平均セキュアビットレートが、前記システムの利用中に前記デコイパルス強度におけるポテンシャルドリフトの範囲にわたって達成されるように、前記信号パルスの強度および複数の信号パルスと複数のデコイパルスとの配送である量子通信システム。
  11. 前記パルス制御器は、サニャック(Sagnac)干渉計を具備する請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の量子通信システム。
  12. 第1強度を有する複数の信号光パルスおよび第2強度を有する複数のデコイ光パルスを受信器に送り、情報は前記信号パルスで符号化され、
    前記システムの利用中にデコイパルス強度におけるポテンシャルドリフトの範囲にわたって非ゼロセキュアビットレートを維持しながら、最大の平均セキュアビットレートが、前記システムの利用中に前記デコイパルス強度におけるポテンシャルドリフトの範囲にわたって達成されるように、前記信号パルスの強度および複数の信号パルスと複数のデコイパルスとの配送を設定することを具備する量子通信方法。
  13. 複数のデコイパルスを伴う前記複数の信号パルスの異なる配送に関して、デコイパルス強度および信号パルス強度に伴う前記セキュアビットレートにおける変化を決定し、
    前記システムの利用中に前記デコイパルス強度におけるポテンシャルドリフトを決定し、
    前記システムの利用中に前記デコイパルス強度におけるポテンシャルドリフトの範囲にわたって非ゼロセキュアビットレートを維持しながら、最大の平均セキュアビットレートが、前記システムの利用中に前記デコイパルス強度におけるポテンシャルドリフトの範囲にわたって達成されるように、前記信号パルスの強度および複数の信号パルスと複数のデコイパルスとの前記配送を計算することをさらに具備する請求項12に記載の量子通信方法。
  14. 前記システムにおける前記ポテンシャルドリフトは、予め定められた時間フレームで決定される請求項13に記載の量子通信方法。
  15. 前記システムにおける前記ポテンシャルドリフトは、50%であると推定される請求項13または請求項14に記載の量子通信方法。
  16. 複数の信号パルスおよび複数のデコイパルスの前記配送および前記信号パルスの強度は、前記システムの利用中に前記デコイパルス強度におけるポテンシャルドリフトの範囲にわたって最小のセキュアビットレートを維持しながら、最大の平均セキュアビットレートが、前記システムの利用中に前記デコイパルス強度におけるポテンシャルドリフトの範囲にわたって達成されるように設定され、前記最小のセキュアビットレートは、最大のセキュアビットレートの少なくとも5%である請求項13から請求項15のいずれか1項に記載の量子通信方法。
  17. 複数の信号パルスおよび複数のデコイパルスの前記配送、前記信号パルスの強度および信号パルス割合を設定することは、
    複数の信号パルス強度および複数の信号パルスと複数のデコイパルスとの配送に関してデコイパルス強度における許容可能なドリフトを決定し、前記許容可能なドリフトは、セキュアビットレートがゼロになるデコイパルス強度におけるドリフトであり、
    複数の信号パルス強度および複数の信号パルスと複数のデコイパルスとの前記配送に関するシステムの利用中に、許容可能なドリフトと前記デコイパルスの前記デコイパルス強度における前記ポテンシャルドリフトとを比較し、
    ポテンシャルドリフトの範囲にわたって非ゼロセキュアビットレートを維持しながら、ポテンシャルドリフトの範囲にわたって最大の平均セキュアビットレートが達成されるように、前記信号パルスの強度および複数の信号パルスと複数のデコイパルスとの前記配送を選択することを具備する請求項16に記載の量子通信方法。
  18. 量子通信システムを制御する方法であって、前記システムは、
    第1強度を有する複数の信号光パルスおよび第2強度を有する複数のデコイ光パルスを受信器に送るエミッタを具備し、情報は前記信号パルスで符号化され、
    前記方法は、
    複数のデコイパルスを伴う前記信号パルスの異なる複数の配送に関して、デコイパルス強度および信号パルス強度に伴う前記セキュアビットレートにおける変化を決定し、
    前記システムの利用中に前記デコイパルス強度におけるポテンシャルドリフトを決定し、
    前記システムの利用中に前記デコイパルス強度におけるポテンシャルドリフトの範囲にわたって非ゼロセキュアビットレートを維持しながら、最大の平均セキュアビットレートが、前記システムの利用中に前記デコイパルス強度におけるポテンシャルドリフトの範囲にわたって達成されるように、前記信号パルスの強度および複数の信号パルスと複数のデコイパルスとの配送を計算することを具備する方法。
  19. 請求項18の方法を実行させるためにコンピュータを制御するコンピュータ読み取り可能な指示を運ぶ搬送媒体。
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