JP2013509895A - 嚢捕捉スネア - Google Patents

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Abstract

眼内レンズの触覚部を操作するための手術用器具。この手術用器具は、第1収納部に少なくとも部分的に配設されており、内部に摺動可能に配設されたトラベラを有する細長いセンターレールと、このセンターレールに連結・固定され、トラベラに連動・連結された駆動部と、第1収納部内に部分的に配設され、トラベラに摺動可能に結合された導管と、この導管から選択的に延出可能な係合部材とを備え、駆動部を駆動することにより係合部材を操作する。

Description

関連出願の相互参照
本願は、2009年10月21日に出願された米国特許仮出願第61/253,636号の優先権を主張するものであり、その全てが参照によってここに組み込まれる。
発明の背景
[技術分野]
本発明は、眼内レンズをヒト眼球へ移植するための手術用器具に関する。本発明は、特に眼内レンズの少なくとも触覚部(ハプティック;haptic)を把持し配向することが可能な手術用器具に関する。
[関連技術の説明]
屈折矯正手術の分野は、過去数十年の間に急速に発展してきた。しかしながら、屈折矯正外科医により現在使用されている手術装置は、個々の手術のために特別に適合されたものではない。具体的には、例えば眼内レンズ移植を伴う白内障摘出などの最も広く行われている屈折矯正手術法には、その手技を効果的かつ効率的に容易に行えるように特別に構成された器具や機器はない。特に、触覚部を有する眼内レンズを移植、配向するときは、外科医は一般に他のタイプや種類の手術のために設計された手術用器具を適合させている。それらの手術用装置は、触覚部を有する眼内レンズの移植のために特別に構成されているわけではないので、外科医がそれらの器具によって眼内レンズの正確かつ安全な操作を行うことを可能とするものではない。
例えば、いくつかのケースでは、外科医は、通常眼球からレンズを除去するために使用される器具であって、レンズを二等分するために設計された器具を使用していることが知られている。しかしながら、そのような器具を使用して眼内レンズを配置することは、もし器具を完全に作動してしまうと、操作中のレンズの一部を切断してしまうという甚大な危険を犯す可能性がある。このように当該分野では、レンズを切断せずに眼内レンズの触覚部を把持することが可能な手術用器具が望まれている。本開示は、そのような手術用器具を提供することにより、当該分野の要望に応えるものである。
本発明のひとつの特徴によれば、レンズを切断せずに、眼内レンズの触覚部を操作するための手術用器具が提供される。
本発明の他の特徴によれば、前記手術用器具は、第1収納部に少なくとも部分的に配設され、内部に摺動可能に配設されたトラベラを有する細長いセンターレールと、トラベラに連動・連結され、センターレールに連結・固定された駆動部と、第1収納部内に部分的に配設され、トラベラに摺動可能に連結された導管と、導管から選択的に延出可能な係合部材とを含み、前記係合部材は、前記駆動部を駆動することにより操作される。
本発明の様々な特徴を、添付の図面に例として示すが、これらに限定されるものではない。
図1は、非作動位置にある、本発明の第1の実施例による嚢捕捉スネアの斜視図である;
図2は、非作動位置にある、本発明の第2の実施例による嚢捕捉スネアの斜視図である;
図3は、非作動位置にある、本発明の第3の実施例による嚢捕捉スネアの斜視図である;
図4は、非作動位置にある、図1に示す嚢捕捉スネアの側面図である;
図5は、非作動位置にある、図1に示す嚢捕捉スネアの上面図である;
図6は、部分的作動位置にある、図1に示す嚢捕捉スネアの上面図である;
図7は、完全作動位置にある、図1に示す嚢捕捉スネアの上面図である;
図8は、嚢捕捉スネアの後面図である;
図9は、嚢捕捉スネアの前面図である;
図10は、非作動位置にある、図1に示す嚢捕捉スネアの部分断面側面図である;
図11は、完全作動位置にある、図1に示す嚢捕捉スネアの部分断面側面図である;
図12は、ワイヤが結び目または玉により固定される止めネジ機能の部分図である;
図13は、ワイヤが溝部により固定される止めネジ機能の部分図である;
図14は、センターレールに配置された止めネジによりワイヤが固定される、非作動位置にある、図2に示す嚢捕捉スネアの部分断面側面図である;
図15は、完全作動位置にある、図2に示す嚢捕捉スネアの部分断面側面図である;
図16は、センターレール上に配置されたスロットによりワイヤが固定される、非作動位置にある、図3に示す嚢捕捉スネアの部分断面側面図である;
図17は、完全作動位置にある、図3に示す嚢捕捉スネアの部分断面側面図である;
図18は、ワイヤを固定するヒンジを有するセンターレールに配置されたスロットの部分図である。
詳細な説明
添付図面を参照して以下に記載される詳細な説明は、本発明の様々な実施態様の説明を意図するものであり、本発明が実施される態様を限定して示すものではない。詳細な説明には、本発明を完全に理解する目的で具体的な詳細が含まれる。しかしながら、本発明がそれらの具体的な詳細なしに実施可能であることは当業者には明らかであろう。
前記嚢捕捉スネア(10)は、白内障手術の分野で、より具体的には眼内レンズの操作のために主として使用することができる。通常、白内障手術の際には、網膜まで光が透過するように、白濁した患者の水晶体を除去する。水晶体は、混濁部を除去した後に水晶体嚢の内側に画成された空間に挿入された眼内レンズアセンブリと置換される。レンズは、その後、外科医により適正に配向されなくてはならない。それらの手技は、眼内レンズアセンブリの正確な操作を必要とする。2つの触覚部要素を持つベースレンズを有する眼内レンズアセンブリを使用して手術を行う際には、外科医によって触覚部の1つを嚢の外側に個別に配置し、残りの触覚部を嚢の内側にそのまま残しておくことが可能であることが望まれる。すなわち、前部触覚部が水晶体嚢の前に載置または配置されるように外科医がレンズを正確に配向することが可能であることが好ましい。望ましい構成では、アセンブリのベースレンズが嚢の中に、触覚部が嚢の前に配設される。本発明によれば、外科医が容易に触覚部要素を捕捉し、正確に眼内レンズアセンブリの部品の位置を調整することを可能とする嚢捕捉スネア(10)を提供することにより、上記の望ましい構成を達成する。
図1に、本発明の実施例を示す。図1は、非作動状態にある嚢捕捉スネア(10)を示すものである。この非作動状態は、嚢捕捉スネア(10)に外力が付与されていない場合に起こるものである。この非作動状態を以下に詳細に説明する。嚢捕捉スネア(10)は、遠位端部(11a)と近位端部(11b)とを有するセンターレール(11)を含む。センターレール(11)は、医療、特に手術手技に適切な既知のまたは将来開発されるプラスチックや金属などの任意の材料から構成することができる。図1において、センターレール(11)は矩形の棒材として例示される。しかしながら、センターレール(11)は、センターレール(11)が下記の構成要素を収容し作動することが可能である限り、例えば円筒体などの任意の適切な幾何学的な形状として形成することができる。
駆動部(12)は、センターレール(11)の遠位端部(11a)でセンターレール(11)に係合する。図1に例示するように、具体例の特徴では、駆動部は一対の駆動アーム部(12)であってもよい。駆動アーム部(12)は、センターレール(11)の遠位端部(11a)からセンターレール(11)の近位端部(11b)側へ延出する。駆動アーム部(12)は、既知のまたは将来開発されるプラスチックや金属などの任意の好適な材料から製造することができる。好ましくは、駆動アーム部(12)は、人間の手により容易に把持可能であり、また医療目的での使用にも安全である材料から作製することができる。上記装置は医療分野で使用されることから、駆動アーム部(12)は、嚢捕捉スネア(10)全体と同様に、容易に滅菌処理および/または使い捨て可能な材料から作製することができる。例えば、ステンレス鋼、チタン、または任意の好適な滅菌可能な金属を使用することができる。ポリ塩化ビニルなどのプラスチックや任意の好適な滅菌可能および/または使い捨て可能なプラスチックも使用することができる。図1〜図7、図11、図15、図17では、駆動アーム部(12)は、丸みのある外表面(12a)および平らな内表面(12b)を有する軸方向に二分した円筒体形状として例示される。駆動アーム部(12)は、対向する駆動アーム部(12)の平らな表面(12b)が相互に向き合うように配向されている。完全に作動した位置にある際には、駆動アーム部(12)はセンターレール(11)の対向する側面と合致して、実質的に細長い円筒体を形成する。この特徴は、図7に最もよく示されている。
駆動アーム部(12)に力が付与されていないときにはセンターレール(11)の長軸から離間する角度(13)で突出するように、駆動アーム部(12)の近位端部の近辺あるいは接近した場所で、駆動アーム部(12)がセンターレール(11)に係合する。駆動アーム部(12)のセンターレール(11)への固定には、任意の好適な方法を使用することができる。好ましくは、アーム部(12)の近位端部がセンターレール(11)に係合する仕方は、突出角度(13)を容易に制御するために駆動アーム部(12)を複数回駆動可能であるように選択されるべきである。図5〜図7に示すように、駆動アーム部(12)は単一の一体化したピースとして形成することが可能である。
非作動状態においては、駆動アーム部(12)は、センターレール(11)から離間するように付勢されている。嚢捕捉スネア(10)の操作者は、駆動アーム部(12)をセンターレール(11)側へ押し込むことにより、前記付勢力に打ち勝つことができる。操作者が駆動アーム部(12)に力を付与し続けることにより、嚢捕捉スネア(10)は、非作動状態から、幾つかの部分的に作動した状態を経て、最終的には完全に作動した状態まで操作される。非作動状態では、下記に説明する係合部材(32)が、レンズアセンブリの必要な部品を包囲することが可能である。部分的に作動した状態では、係合部材(32)はレンズアセンブリの部品の周りで更に締め付けられる。最終的に、完全に作動した状態では、係合部材(32)はレンズアセンブリの部品に堅く係合する。操作者が駆動アーム部(12)に付与される力の程度を減少させると、付勢力により嚢捕捉スネア(10)が非作動状態へと戻り始める。装置を操作する過程を下記により詳細に説明する。
駆動アーム部(12)は、付勢機構により付与される付勢力によってセンターレール(11)から離間するように付勢されている。例示の実施態様では、この付勢機構は、駆動アーム部(12)が形成または製造される仕方により構成される。図5に示すように、駆動アーム部(12)は単一の一体化したピースとして形成することができる。駆動アーム部(12)が単一ピースとして形成されるときは、非作動状態では駆動アーム部(12)が相互に離間するように延出する傾向を持たせる仕方で製造することができる。単一ピースの遠位端部がセンターレールの遠位端部(11a)を包囲することができる。従って、センターレール(11)の遠位端部が駆動アーム部(12)の間に配設される際には、駆動アーム部(12)は、前記の傾向付けられた位置へ動くにつれて、センターレール(11)からかつ相互に離間して延出する。しかしながら、この付勢機構は、第1の駆動アーム部(12)の遠位端部と第2の駆動アーム部(12)の遠位端部の対向する表面の間または駆動アーム部(12)の遠位端部の対向する表面とセンターレール(11)の対応する表面との間に配設された少なくとも1つの付勢装置から構成することができる。この付勢装置は、例えばバネ、ウェッジ、固定アーム、調節可能アーム、バネ付勢伸縮式アームなどの適切な付勢力を付与する任意の装置であることができる。更に、付勢装置は、液圧または空気式駆動型ピストン・シリンダで構成することもできる。
例示の実施態様では、図5〜図7に最もよく示されるように、各駆動アーム部(12)は、駆動アーム部(12)の最大肉厚に対して駆動アーム部(12)の肉厚が大きく減少している減肉部分(34)を更に含む。減肉部分(34)は軸方向に延出し、減肉部分(34)の中心点(35)へ向けて先細りし、そこから離れるにつれて太くなっている。中心点(35)では、駆動アーム部(12)の肉厚は最も大きく減少している。このように、減肉部分(34)は駆動アーム部(12)に凹面を形成する。図5〜図7に示されるように、減肉部分(34)は形状が等しく、互いに反対で対称になるように駆動アーム部(12)に配置することができる。減肉部分(34)は、親指の付け根が装置に快適に置かれるように機能することができる。減肉部分(34)は、操作者の手の受け台として機能することもでき、それによって手術中に滑ることを防止しながら、手の輪郭を装置の回り快適にフィットさせることが可能となる。更に、減肉部分(34)を有することで、装置はより軽量になる。
駆動アーム部(12)は更に把持部分(18)を含むことができる。把持部分(18)はローレット加工面として示されているが、任意の好適な滑り止め技術および/または材料を使用することは、本発明の範囲に含まれるものである。例えば、ゴムなどの滑り止め材料を、駆動アーム部(18)の周囲に取外し可能または固定して取り付けることができる。把持部分(18)によって、装置の操作者は最適な方法で装置を把持、操作することが可能となる。把持部分(18)は、装置を最良に駆動するために圧力を付与する場所を操作者に示す目安としても機能する。
センターレール(11)は、そこに画成され、センターレール(11)の近位端部の近辺に位置する細長い孔部(14)を更に含む。トラベラ(15)は、孔部(14)内を軸方向に前後に摺動する。トラベラ(15)は、センターレール(11)に常時接触しながら繰り返し動作することが可能な任意の好適な材料から作製することができる。好ましくは、トラベラ(15)はステンレス鋼、プラスチック、あるいはゴムから作製することができる。トラベラ(15)は、トラベラ(15)が孔部(14)内に嵌合し軸方向に摺動可能とする孔部(14)の形態に対応した形状を有する。
図10および図11に最もよく示されるように、連結部材(16)がトラベラ(15)の遠位端部に配置される。連結部材(16)は、センターレール(11)の両側で結合機構(17)に連結される。例示する特徴では、図1〜図3に例示されるように、結合機構(17)は一対の2次的なアーム部(17)であることができる。2次的なアーム部(17)は両方とも略共通の軸方向箇所で連結部材(16)に取り付けられる。2次的なアーム部(17)の他端部は、ピン(36)などのコネクタにより駆動アーム部(12)に連結される。駆動アーム部(12)は、力が駆動アーム部(12)に付与されていないときにはセンターレール(11)から離間するように付勢されている。付勢力に打ち勝つために力が駆動アーム部(12)に付与されているときには、その力は2次的なアーム部(17)に伝達される。2次的なアーム部(17)は連結部材(16)によってトラベラ(15)に取り付けられているので、2次的なアーム部(17)はトラベラ(15)を押圧し始める。2次的なアーム部(17)がトラベラ(15)を押圧するにつれて、トラベラ(15)は孔部(14)内を軸方向に移動し始めるであろう。このように、力が駆動アーム部(12)に付与されると、連結部材(16)に連結された2次的なアーム部(17)の端部は第2収納部(22)側へ移動し、他端部はセンターレール(11)側へ移動し、それによって2次的なアーム部(17)が円筒形状に折り畳まれることになる。トラベラ(15)が軸方向に移動するにつれて、ピン(36)により、2次的なアーム部(17)のピン(36)の回りの回転が許容される。駆動アーム部(12)は、トラベラ(15)が装置の近位端部側へ軸方向に移動し始めるにつれて2次的なアーム部(17)が収容される切欠部分(19)を含むことができる。
センターレール(11)の近位端部は、第1収納部(20)の内側に配置される。センターレール(11)の近位端部では、孔部(14)の幅が増加し、肩部(21)を画成する。第2収納部(22)は、装置が作動されていないときには第2収納部(22)の遠位端部が肩部(21)に当接するように、第1収納部(20)に画成された孔部に対して部分的に伸縮する。
図9は第1収納部(20)内の第2収納部(22)を示す前面図である。第2収納部(22)の内径は、孔部(14)の幅が最大となる箇所での孔部(14)の幅よりも僅かに小さくなっている。第2収納部(22)は孔部(14)の幅のより広い部分内に嵌合するに十分に小さいものであるが、この収納部(22)は孔部(14)の幅のより狭い部分内に嵌合するには大きすぎるようになっている。従って、第2収納部(22)は第1収納部(20)内に嵌合可能であるが、その遠位端部が肩部(21)に当接するに十分なだけであって、近位端部は収納部(20)の外側に残存する。第2収納部(22)は、第2収納部(22)の遠位端部から第2収納部(22)の近位端部側への方向に先細りする円錐形部分(37)を更に含む。
図10および図11に示されるように、第2収納部(22)はトラベラ(15)の近位端部に固定されている。図10において、トラベラ(15)は非作動位置にある。この位置では、第2収納部(22)は肩部(21)に当接する。図11において、トラベラ(15)は完全に作動した位置にある。完全に作動するあるいは作動した位置では、第2収納部は肩部(21)との係合を解除し、肩部(21)および第1収納部(20)から離間するように延出する。
第2収納部(22)は、第2収納部(22)の遠位端部から第2収納部(22)の近位端部側への方向で先細りするもう1つの円錐形部分(38)を含む。細長い中空の管状の導管(23)が第2収納部(22)内側に載置されそこに取り付けられており、第2収納部の遠位端部から第2収納部(22)の外側にある箇所まで延出する。ワイヤ、ケーブル、またはフィラメント部材(24)が、管状導管(23)を貫通して延出し、第1収納部(20)に配置された、例えばネジなどの固定機構(26)により固定できる。ワイヤの他端部は係合部材(32)を形成する。例示する特徴では、この係合部材(32)は例えばループや輪なわの形状であることができ、管状導管(23)の近位端部で管状導管(23)から現れる。係合部材(32)は眼内レンズアセンブリの触覚部の周りに嵌合し、操作者または外科医がレンズアセンブリの位置を操作することを可能とする。図では係合部材(32)はワイヤーループとして示されるが、係合部材(32)は、触覚部を把持することが可能である任意の好適な構造に形成することができる。係合部材(32)は、眼球内に眼内レンズを正確に配置するためにレンズアセンブリの任意の部品をしっかりと保持するよう構成された係合部材で代用することができる。例えば、係合部材は、トング、歯、フォーク歯状器具(prongs)、鉤部、多指つかみ具、あるいは挟み部であることができる。
ワイヤは、それを所定の場所に保持する任意の手段によっても、捕捉嚢スネア(10)に固定することができる。例えば、図2には、ワイヤがセンターレール(11)に配置された止めネジ(27)により固定可能な様子を示している。図14および図15は、装置が開かれた状態および閉じられた状態でのセンターレール(11)上の止めネジ(27)の側面図である。図3は、ワイヤ(24)が、リビングヒンジ(29)を含むことが可能なスロット(28)によって固定される実施態様を示すものである。図16および図17は、装置が開かれた状態および閉じられた状態でのスロット(28)の側面図である。図18は、スロット(28)にワイヤ(24)を固定するための任意のヒンジ(29)を示す。図12および図13は、止めネジを使用してワイヤを固定する他の方法を示す。図12において、結び目または玉状端部(33)は止めネジによって所定の箇所に保持される。図13は、止めネジの溝部(30)に置かれ、ねじり(31)により固定されるワイヤ(24)を示す。
図8は捕捉嚢スネアの後面図を示し、図9は捕捉嚢スネアの前面図を示す。
次に、上記装置の作用を説明する。図5は、非作動状態にある装置を示す。装置がまだ作動されていないときには、駆動アーム部(12)はセンターレール(11)から離間するように付勢されている。この間、トラベラ(15)は、図10、図14、および図16に示されるように非作動または静止位置にある。第2収納部(22)はトラベラ(15)に連結されているので、トラベラが非作動位置にあるときは、第2収納部(22)は非作動または静止位置にあって、肩部(21)に当接する。しかして、第2収納部(22)に連結されている管状導管(23)もまた嚢捕捉スネア(10)の中へより深く引き込まれている。このように、トラベラ(15)が嚢捕捉スネア(10)の中へ引き込まれているときは、ワイヤ(24)のより多くの部分が管状導管(23)から延出することが可能である。ワイヤ(24)のより多くの部分が細長い管体(24)から遊離している状態では、係合部材(32)は最も開いた位置にある。例えば、係合部材(32)がループである場合、嚢捕捉スネア(10)が完全に作動しているときには、ループの直径が最大になる。その際、係合部材(32)は触覚部の周りに配置することが可能になる。
図10および図11は、装置の作動中のトラベラ(15)の移動を示す。図5、図6、および図7は、アーム部(12、17)の移動およびそれに伴う係合部材(32)のサイズの変化を示す。装置の操作者が、駆動アーム部(12)を押し込むとき、その力は駆動アーム部(12)に連結された2次的なアーム部(17)に伝達される。2次的なアーム部(17)は連結部材(16)によってトラベラ(15)に連結されているので、その力は更にトラベラ(15)に伝達される。また、トラベラ(15)はセンターレール(11)の孔部(14)内を軸方向に自由に移動できる。従って、力が駆動アーム部(12)から2次的なアーム部(17)へ、そして最終的にはトラベラ(15)へ伝達されるにつれて、トラベラはセンターレール(11)の近位端部側へ軸方向に移動し始める。第2収納部(22)はトラベラ(15)に連結され、管状導管(23)は第2収納部(22)に連結されているので、トラベラ(15)が装置の近位端部側へ軸方向に移動するにつれて、第2収納部(22)および管状導管(23)も同様に移動する。駆動アーム部(12)に付与される力が大きいほど、管状導管(23)の多くの部分が最終的に第1収納部(20)から延出し、それによって管状導管(23)から延出するワイヤ(24)の量を減少させる。このように、駆動アーム部(12)が圧縮されるほど、係合部材(32)のグリップがきつくなる。例えば、係合部材(32)がループである場合、駆動アーム部(12)が圧縮されるにつれてループの直径が減少する。係合部材(32)が小さくなるにつれて、触覚部の周囲をしめていく。その後、操作者が、嚢の外側でレンズアセンブリを正確に位置決めするために、触覚部を操作することができる。触覚部が正確に位置決めされた後、操作者はアーム部(12)に付与されている付勢力を解除し、係合部材(32)のグリップがよりゆるくなり、それによって触覚部を解放することができる。例えば、係合部材(32)がループである場合、アーム部(12)に付与されている付勢力が解除されるにつれて、ループの直径は増加することになる。触覚部が解放されると、操作者は、所望の位置に眼内レンズを残したまま、眼球から嚢捕捉スネア(10)を除去することができる。
駆動アーム部(12)に付与されている力が解除されると、上記のプロセスが逆の順序で進行する。付与されている力が解除されるにつれて、駆動アーム部(12)はセンターレール(11)から離間して動き始め、それによって突出角度(13)が増加する。2次的なアーム部(17)はピン(36)によって駆動アーム部(12)に連結されているので、2次的なアーム部(17)はピン(36)の回りを回動し、センターレール(11)の長軸から外側に離間するように拡張する。連結部材(16)によりトラベラ(15)に取り付けられている2次的なアーム部(17)は、センターレール(11)の遠位端部側へ軸方向にトラベラを引き込む。トラベラ(15)がセンターレールの遠位端部側へ移動するにつれて、トラベラ(15)は第2収納部(22)を同じ方向に引き込む。駆動アーム部(12)に力が付与されていないときは、第2収納部(22)は最終的に肩部(21)に当接する。管状部材(23)に取り付けられている第2収納部(22)は、管状部材(23)を嚢捕捉スネア(10)の遠位端部側へ引き込み、それによって係合部材(32)のより多くの部分を露出させる。駆動アーム部(12)から力が除去されると、嚢捕捉スネア(10)は最終的には駆動される前と同様の非作動状態となる。
好適な実施の態様を上述したが、嚢捕捉スネア(10)を駆動する任意の好適な手段を含むことは本発明の範囲に含まれるものである。例えば、駆動アーム部(12)によって力を付与する代わりに、トリガを引くことで上記のようにトラベラ(15)を移動させるトリガ機構を実施してもよい。その他、ボタンを押してトラベラ(15)を移動させるようなボタンを使用することもできる。トリガまたはボタンは、嚢捕捉スネア(10)の駆動の程度を正確に決定するためにセンサと併用することができる。これらのセンサとしては、例えば電子、圧電、紫外線、化学センサなど任意の好適なセンサが使用できる。また、トラベラ(15)は、嚢捕捉スネア(10)が駆動された後にトラベラが非作動位置に戻るようにバネにより直接付勢することがきる。
駆動アーム部(12)と2次的なアーム部(17)とによりトラベラ(15)を上記のように移動させる代わりに、上記移動をベベルギア機構や、ウォーム駆動などの他の任意の好適なギア機構により実施することもできる。上記移動は、液圧式、空気式、バネ、固定スプール、これらの任意の組み合わせなどの他の任意の好適な手段によって実施することもできる。

Claims (36)

  1. 第1収納部に少なくとも部分的に配設されており、内部に摺動可能に配設されたトラベラを有する細長いセンターレールと;
    該センターレールに連結・固定され、前記トラベラに連動・連結された駆動部と;
    前記第1収納部内に部分的に配設され、前記トラベラに摺動可能に結合された導管と;
    該導管から選択的に延出可能な係合部材とを備え、
    前記駆動部を駆動することにより該係合部材を操作することを特徴とする、眼内レンズアセンブリを操作するための手術用器具。
  2. 前記トラベラを前記駆動部に連動・連結する結合機構を更に備えることを特徴とする、請求項1に記載の手術用器具。
  3. 前記駆動部が、共通の連結点を有する一対の第1アーム部を備えることを特徴とする、請求項1に記載の手術用器具。
  4. 前記結合機構が一対の2次的なアーム部であることを特徴とする、請求項2に記載の手術用器具。
  5. 前記駆動部を駆動することにより前記結合機構を介して前記トラベラに摺動力を付与することを特徴とする、請求項2に記載の手術用器具。
  6. 前記駆動部を駆動することにより前記トラベラに軸方向の摺動作用を付与することを特徴とする、請求項1に記載の手術用器具。
  7. 前記第1収納部に摺動可能に保持された第2収納部を更に備え、前記導管が該第2収納部に結合され、そこから延出することを特徴とする、請求項1に記載の手術用器具。
  8. 前記駆動部を駆動することにより前記第2収納部に軸方向の摺動力を付与し、前記第2収納部の軸方向の摺動作用により前記導管に軸方向作動を付与することを特徴とする、請求項7に記載の手術用器具。
  9. 前記導管の軸方向作動により前記係合部材を操作することを特徴とする、請求項8に記載の手術用器具。
  10. 前記係合部材がワイヤーループを備え、前記駆動部が駆動されると該ループの直径が減少することを特徴とする、請求項1に記載の手術用器具。
  11. 前記係合部材は止めネジによって前記センターレールに固定されることを特徴とする、請求項10に記載の手術用器具。
  12. 前記係合部材は前記止めネジに画成された溝部内に固定されることを特徴とする、請求項11に記載の手術用装置。
  13. 前記第2収納部は少なくとも部分的にセンターレールに保持され、非作動状態において前記トラベラの肩部に当接することを特徴とする、請求項7に記載の手術用器具。
  14. 前記第2収納部の端部は前記トラベラの端部に当接することを特徴とする、請求項13に記載の手術用器具。
  15. 前記駆動部を駆動することにより前記トラベラに軸方向の摺動力を付与し、前記トラベラの軸方向の摺動作用により前記第2収納部に軸方向作動を付与することを特徴とする、請求項14に記載の手術用器具。
  16. 前記第1収納部の内径および前記第2収納部の内径は軸方向に減少することを特徴とする、請求項7に記載の手術用器具。
  17. 前記2次的なアーム部は、非作動状態においては手術用器具の長軸に対して実質的に横切るように延出することを特徴とする、請求項4に記載の手術用器具。
  18. 前記駆動部は前記センターレールから離間する方向に付勢されていることを特徴とする、請求項1に記載の手術用器具。
  19. 前記一対の第1アーム部の各アーム部は前記センターレールの長軸からある角度で突出し、前記駆動アーム部が駆動されると該角度が減少することを特徴とする、請求項3に記載の手術用器具。
  20. 前記一対の2次的なアーム部の各アーム部は前記駆動部にピンを介して枢動可能に接続されていることを特徴とする、請求項4に記載の手術用器具。
  21. 前記係合部材は前記第1収納部に固定されていることを特徴とする、請求項1に記載の手術用器具。
  22. 前記係合部材は前記センターレールに固定されていることを特徴とする、請求項1に記載の手術用器具。
  23. 前記第1収納部は、軸方向に先細りする円錐形部分を含むことを特徴とする、請求項1に記載の手術用器具。
  24. 前記第2収納部は、軸方向に先細りする円錐形部分を含むことを特徴とする、請求項7に記載の手術用器具。
  25. 前記係合部材はトング、歯、フォーク歯状器具(prongs)、鉤部、指部、または挟み部の1つ以上を含むことを特徴とする、請求項1に記載の手術用器具。
  26. 付勢装置が前記駆動部を付勢することを特徴とする、請求項18に記載の手術用器具。
  27. 前記結合機構は前記駆動部を前記センターレールから離間する方向に付勢することを特徴とする、請求項2に記載の手術用器具。
  28. 前記付勢装置はバネ、ウェッジ、固定アーム、調節可能アーム、バネ付勢伸縮式アーム、および液圧または空気式駆動型ピストン・シリンダの1つであることを特徴とする、請求項26に記載の手術用器具。
  29. 前記駆動部は非減肉部分よりも肉厚の小さい減肉部分を含むことを特徴とする、請求項1に記載の手術用器具。
  30. 前記駆動部は滑り止めされた表面を有する把持部分を含むことを特徴とする、請求項1に記載の手術用器具。
  31. 前記滑り止めされた表面はローレット加工が付与されていることを特徴とする、請求項1に記載の手術用器具。
  32. 前記トラベラは前記センターレールの孔部内に配設されていることを特徴とする、請求項1に記載の手術用器具。
  33. 前記結合機構の端部は前記駆動部の切欠部分に収容されていることを特徴とする、請求項2に記載の手術用器具。
  34. 前記一対の2次的なアーム部の各アーム部の端部は前記駆動部の切欠部分に収容されていることを特徴とする、請求項20に記載の手術用器具。
  35. 前記ピンは前記一対の2次的なアーム部の各アーム部の端部と前記駆動部の切欠部分とを貫通していることを特徴とする、請求項34に記載の手術用器具。
  36. 前記駆動部は単一ピースとして製造され、前記センターレールから離間する方向へ付勢されやすくなっていることを特徴とする、請求項18に記載の手術用器具。
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