JP2013504602A - 新しく設計したhccdr3を含む遺伝子パッケージライブラリー - Google Patents

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Abstract

配列および長さが非常に短いものから非常に長いものまで変化するCDR3を有する抗体を調製し、特定するための構成と方法が提供される。そのCDR3を有する抗体をコードするライブラリーも提供される。ライブラリーは、既存の核酸ライブラリーを改変することにより提供できる。
【選択図】なし。

Description

本出願は、2010年9月14日出願の米国特許出願番号第61/242、172号の優先権を主張する。当該先願の開示(参照により本出願に組み込まれる)は、本出願の開示の一部と見なされる。
背景
ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質のファミリーの多様なメンバーを個別に提示し、提示および発現し、または含め、さらに、少なくとも一部のアミノ酸の多様なファミリーをまとめて提示し、または提示および発現し、または含める遺伝子パッケージのライブラリーを調製することは、今日では、当技術分野で普通に行われていることである。多くの通常のライブラリーでは、ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質は、抗体(例えば、単鎖Fv(scFv)、Fv(VHおよびVLの複合体)、Fab(VH−CH1およびVL−CLの複合体)、全抗体、またはミニボディ(例えば、CH2−CH3に結合したVに結合したVからなるダイマー))である。それらは、1つまたは複数のヒト抗体の重鎖(HC)および軽鎖(LC)の相補性決定領域(CDR)およびフレームワーク領域(FR)を含むことが多い。
ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質ライブラリーは、いくつかの方法で製作されている。例えば、Knappik et al.、J.Mol.Biol.、296、pp.57−86(2000)を参照。1つの方法は、ナイーブまたは免疫した天然のドナーの多様性を取り込むことである。別の方法は、合成による多様性を有するライブラリーを生成することである。第3の方法は、最初の2つの方法を組み合わせることである(Hoet et al.Nat.BIotechnol、23、pp.344−8(2005))。通常は、これらの方法で作られた多様性は、配列の多様性、すなわち、ライブラリーの各メンバーは同じ長さであるが、異なるアミノ酸またはペプチド、ポリペプチドもしくはタンパク質鎖中で得た位置の多様性を持つことにより、他のファミリーメンバーとは異なるという多様性に限られる。しかし、天然の多様なペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質は、アミノ酸配列のみの多様性に限定されていない。例えば、ヒト抗体は、アミノ酸配列の多様性に限定されず、アミノ酸鎖の長さの点でも多様性がある。
要約
抗体では、HCの長さの多様性は、例えば、可変領域の再構成の間に起こる。例えば、Corbett et al.、J.Mol.Biol.、270、pp.587−97(1997)を参照。可変(V)遺伝子の連結(J)遺伝子への結合により、例えば、重鎖抗体配列の約半分のCDR3中の認識可能な多様性(D)セグメントを含むことになり、その結果、多様な長さのアミノ酸をコードする領域を生成する。長いHC CDR3を有する抗体では、Dセグメントが認められることが多い。表76に示すように、CDR3の長さ中央値は、全体で11.5、Dセグメントの無いCDRで9.5、さらにDセグメントを有するCDRで13.8である。また、次記も抗体遺伝子セグメントの結合の間に起こる可能性がある:(i)V遺伝子の末端で、0からいくつかの塩基の欠失または改変がある;(ii)Dセグメントの5’または3’末端で、0から多くの塩基の除去または改変がある;(iii)多くの非ランダム塩基が、VおよびDの間に(VD fill)、DおよびJの間に(DJ fill)、またはVおよびJの間に(VJ fill)挿入される;および(iv)Jの5’末端が除去またはいくつかの塩基の改変があるように編集される。これらの再構成により、アミノ酸配列および長さに関し多様性のある抗体を生成する。異なる長さのHC CDR3は、異なる形状に折り畳まれ、新規の抗原結合形状を抗体に付与するかことができる。さらに、VD fillおよびDJ fill位置に可変長を有することにより、Dセグメントは、別の種類の多様性、すなわち、位置の多様性を付与する。CDR3の高次構造は、CDR3の長さおよび配列の両方に依存する。例えば、長さ8のHC CDR3および任意の配列は、例えば、長さ22のCDR3の性質をうまく模倣することはできないことを忘れてはならない。
本開示で示されるように、免疫系は、CDR、特に、HC CDR3、LC CDR1、およびLC CDR3の長さの異なる抗体を産生する。好ましい実施形態は、種々の異なるHC CDR3長さを含むライブラリーである。例えば、一実施形態では、抗体の約25%、30%、40%、50%、60%、または100%が、Dセグメントを含まず、例えば、8、9、10、および11の長さが、例えば、Len8:Len9:Len10:Len11::1:2:2:1の比率(例えば、HC CDR3ライブラリー#1バージョン3)のHC CDR3の抗体ライブラリーである。一実施形態では、抗体ライブラリーは、約25%、30%、40%、50%、60%、または100%のライブラリーメンバーが、Dセグメントを含まず、例えば、5、6、7、8、9、10、および11、の長さが、例えば、Len5:Len6:Len7:Len8:Len9:Len10:Len11::1:1:1:1:1:1:1または3:2:2:2:1:1:1または1:1:1:2:2:2:3の比率のHC CDR3である。一部の実施形態では、抗体ライブラリーは、抗体の約60%、50%、40%が、D3−22.2(例えば、実施例1のライブラリー番号3)の一部であり、さらに、例えば、Len12:Len13:Len14:Len15:Len16::10:8:6:5:3の長さ分布であるHC CDR3を有する。異なる標的は、異なる長さ分布を必要とする可能性がある。
アミノ酸配列の多様性のみを含むライブラリーは、従って、ライブラリーが模倣を意図しているペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の天然の多様性を反映していない点で不都合がある。さらに、長さの多様性は、タンパク質、ペプチドまたはポリペプチドの最終的機能に重要である可能性がある。例えば、抗体領域を含むライブラリーに関して、ライブラリー中に配列および長さの両方の多様性がない場合は、ライブラリーの遺伝子パッケージを使って提示した、提示および発現した、またはそれに含まれている多くのペプチド、ポリペプチド、タンパク質は、正しく折り畳まれないか、抗原に対する結合が不都合になる可能性がある。
ペプチド、ポリペプチドおよびタンパク質を提示し、提示および発現し、または含むこのような遺伝子パッケージライブラリーのさらなる不都合は、天然の多様性に基づくメンバーに焦点を合わせておらず、従って、最も機能性がありそうな、少なくとも免疫原性がありそうなメンバーに焦点を合わせていることである。むしろ、ライブラリーでは、通常、各CDR位置で可能な限り多くの多様性または多彩性を含むことが試みられる。このことにより、ライブラリー構築が時間のかかる、必要とされる効率を有しないものなる。また、完全な多様性を獲得しようとして生成された大きな数のメンバーは、必要以上に選別を厄介なものする。このことは、ライブラリーの多くのメンバーが機能性ではない、または非特異的に粘着性である場合には特に、当てはまる。
合成ライブラリー構築上の労力に加えて、免疫原性の問題がある。例えば、全CDR残基がTyr(Y)またはSer(S)のライブラリーがある。これらのライブラリーから選択された抗体(Ab)は高親和性および特異性を示すが、全く異常な組成物は自らを免疫原性にする。
本発明は、充分にヒト免疫系由来で有り、また、免疫原性になることが少ないと思われる抗体を生成することに関する。本発明のライブラリーは、V−D−JまたはV−J融合体由来の可能な限り多くの残基を保持する。免疫原性のリスクを減らすために、生殖系列からの変化が結合親和性を維持するのに必要か否かを判断するために生殖系列に戻って、フレームワークおよびCDRの両方の各非生殖系列アミノ酸を変えるのは、用意周到である。従って、各可変位置で生殖系列に側へ偏りのあるライブラリーは、不必要な非生殖系列アミノ酸を有する抗体を単離する可能性を減らすであろう。
抗体は、大きなタンパク質で、いろんな形の分解を受けやすい。1つの分解のタイプは、AsnおよびGln残基(特に、Asn−グリシンまたはGln−グリシンの形)の脱アミド化およびAsp残基の異性化である。他のタイプの分解は、メチオニン、システイン、およびトリプトファンの酸化である。CDR中の外部のシステインは、抗体の構造に悪影響する望ましくないジスルフィド、または二量体化する、またはシステイニル化または他の成分の付加を受けやすい抗体をもたらす可能性がある。従って、一部の実施形態では、メチオニン、システイン、およびトリプトファンを、ライブラリーの抗体のCDRから除外することができる。他の実施形態では、メチオニンおよびシステインを除外することができる。別のタイプの分化は、Asp−Proジペプチドの開裂である。別のタイプの分解は、N末端GluまたはGlnからピログルタマートの形成である。問題のある配列の発生を最小限にしたライブラリーの提供は、好都合である。
真核細胞中で発現した場合、N−X−(S/T)(XはPではない)を含む配列は、多くの場合、Asn(N)残基でグリコシル化される。In大腸菌では、これらの配列は、グリコシル化されず、従って、N−X−(S/T)を含む配列は、結合物として単離可能であるが、IgGとしてCHO細胞中で発現した場合は、グリコシル化のために使用できない。従って、一部の実施形態では、いずれかのCDR中にN−X−(S/T)を含む抗体配列の単離の可能性を最小化、または排除するために、NまたはSの比率を減らしている。あるいは、NをQで置き換え、N結合型グリコシル化をさせないで、アミド官能性にさせることもできる。一部の実施形態では、N−X−(S/T)配列を有するメンバーの割合は、2%、1%、0.5%、0.1%未満、またはN−X−(S/T)は、ライブラリー中に存在しない。
重鎖(HC)CDR3を含むタンパク質(例えば、抗体、例えば、抗体がヒトの天然に存在する抗体をモデルにしているという意味でのヒト抗体)の多様なファミリーのメンバーをコードするベクターまたはパッケージのライブラリーが提供される。特定の実施形態では、HC CDR3は、また、Tyr(Y)およびSer(S)リッチであっても、および/または多様化D領域を含んでも、および/または実際の抗体のHC CDR3の特定の部分で最もよく見られるアミノ酸分布を使用しても、および/または伸張JH領域を含んでもよい。例えば、HC CDR3は、例えば、本明細書の実施例で提供されるように、Jstump位置でTyrリッチ(例えば、約20%、25%、28%、30%、35%、40%Tyr)および/またはDセグメントでTyrリッチ(例えば、約15%、19%、20%、25%Tyr)であってもよい。また、このようなHC CDR3を含むライブラリーが提供される。
一部の実施形態では、ライブラリーの各メンバーのHC CDR3は、4〜16アミノ酸を含む。一部の実施形態では、9および10の長さを有するHC CDR3は、ライブラリー中で同量であると思われる。一部の実施形態では、ライブラリーのHC CDR3は、CDR3長さ中央値9.5を有する。一部の実施形態では、ライブラリーのHC CDRは、CDR3長さ中央値7、7.25、7.5、7.75、8、8.25、8.5または8.75を有する。一部の実施形態では、HC CDR3の最初の5〜7、8または9アミノ酸は、許容アミノ酸タイプ(allowed amino acid type)(AAT)であり、これらは、実際のVJ fill(例えば、本明細書記載の、例えば表3010に示す抗体配列の抽出検体)中で、各位置の5、6、7、8、9、10、11、12、13、14の最も多く発生しているアミノ酸のいずれかである。一部の実施形態では、許容アミノ酸タイプは、実際のVJ fill(例えば、本明細書記載の、例えば表3010に示す抗体配列の検体採取)で見られる頻度に比例して許容される。一部の実施形態では、許容アミノ酸は、表3020〜表3028のいずれかに示す頻度に比例して許容される。一部の実施形態では、Jstumpの長さは、Dセグメントを欠くHC CDR3に存在する実際のHC CDR3に見られるJstumpをモデルにしている。一部の実施形態では、Jstumpの長さは、1〜9アミノ酸である。一部の実施形態では、Jstumpが無い。全ての実施形態で、ライブラリーのFR4は、ヒトJH領域から採取される。
一部の実施形態では、例えば、タンパク質分解、等の負の特性に関連しているため、HC CDR3の位置(例えば、VJ fillおよび/またはJstumpの位置)で5〜12の最も多く存在するアミノ酸の内の1つのアミノ酸は、許容されない。例えば、アミノ酸(またはアミノ酸の組み合わせ)が、例えば、酸化、脱アミド化、異性化、酵素的開裂、等により分解されるので、HC CDRの位置(例えば、VJ fillおよび/またはJstumpの位置)で高頻度に存在するアミノ酸は、ある位置では許容されない。一部の実施形態では、HC CDR3の位置(例えば、VJ fillおよび/またはJstumpの位置)で5〜12の最も多く存在するものの内の1つではないアミノ酸は、例えば、それが有益な特性と関連しているため、許容される。2つの有益な特性は、結合特異性および高親和性である。抗体は、形、疎水性、および/またはチャージに関して抗原と相補的であることにより抗原に結合する。従って、一部の実施形態では、許容アミノ酸は、CDRの形、疎水性、および/またはチャージを変えないアミノ酸、好ましくは、例えば、任意の位置で、不安定性または反応活性を引き起こさないもの、例えば、Asp、Gly、Arg、Ala、Ser、Thr、Tyr、Phe、Leu、Ile、およびVal、であってもよい。
一部の態様では、本開示は、対応する位置の実際の抗体で最も高頻度で見られる各多様化位置での5〜12の許容アミノ酸の間における多様性に制限することによりさらに多くの割合の有用な抗体を収容するライブラリーを特徴とする。一部のケースでは、免疫系は、これらのAATの一部を他のものよりさらに高頻度で使用する。例えば、10の位置で多様化を許容するライブラリーでは、各位置での許容アミノ酸の数の20から14への低減により、配列の数が35倍超まで減少する;10位置での許容アミノ酸タイプの11への低減により、可能な配列の数が395倍まで減少する。除外された多くの配列は、免疫系が結合剤を作りそうになく、従って有益な結合剤になる可能性が少ないものである。一部の実施形態では、許容アミノ酸は、それらが有益な特性を有しているために、14AATから選択される。例えば、Pro、His、Glu、およびLysは、不安定性の原因にならず、多くの位置に導入可能である;Trpは有用であるが、大きな疎水性を導入し、酸化されうる。他の実施形態では、許容アミノ酸は、それらが負の特性を有しているために、14AATから選択されない。例えば、AsnおよびGlnは、脱アミド化を介して不安定性につながる可能性がある。さらに、MetおよびCysは、除外できる。他方、トリプトファンは、PheまたはTyrよりずっと大きな側鎖を有する。従って、一部の実施形態では、Trpは、ライブラリーに許容可能であるが、その位置での許容アミノ酸は、また、受け入れ難い親和性の低下なしにTrpを置換可能な、Phe、Tyr、またはLeuであってもよい。他の実施形態では、Trp残基は、HC FR4の最初の位置のTrp103等の抗体の構造に重要であり、従って、例えば、固定する。他の実施形態では、トリプトファンは、負の特性、例えば、不溶性または酸化感受性を有する場合が有り、従って、所与の位置の14最多頻度出現AAT中にある場合は、選択されない。
一部の態様では、本開示は、ヒト抗体ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示し、提示および発現し、または含み、さらにHC CDR3をコードする多様化DNA配列をまとめて提示し、提示および発現し、または含むベクターまたは遺伝子パッケージのライブラリー(Biblioteca 1)を特徴とする。このHC CDR3は、X−X−X−X−X−X−X−X−X−X10−X11−X12−X13−X14−X15であり、X−Xは5〜12の許容アミノ酸を有し、これらは、実際のVJ fill(例えば、本明細書記載の抗体配列の、例えば、抽出検体中の)中のこれらの位置で最多頻度出現AATである。各X、X、およびXは、独立に、欠けていてもよい。一実施形態では、各位置の許容アミノ酸は、表3010に示される実際のVJ fill中の各位置で最多頻度出現5〜12アミノ酸である。一部の実施形態では、各位置で最もよく見られる許容アミノ酸は、実際の抗体(例えば、本明細書記載の抗体配列の、例えば、抽出検体中で)のその位置で最も多く見られるものである。好ましい実施形態は、(例えば、対応する)ヒトJHの残基94〜102(表3に示す)由来のJstumpとしてX〜X15を有する。好ましい実施形態は、多様化X10〜X15を有する。各X10〜X15は、独立に欠けていてもよい。
一部の態様では、本開示は、ヒト抗体ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示し、提示および発現し、または含み、さらにHC CDR3をコードする多様化DNA配列をまとめて提示し、提示および発現し、または含むベクターまたは遺伝子パッケージのライブラリーを特徴とする。ここで、HC CDR3は、4〜12の長さを有し、配列X−X−X−X−X−X−X−X−X−X10−X11−X12を有し、各X、X、X、X、X8、およびX10、は、独立に欠けていてもよい。各位置での許容アミノ酸タイプおよび特性は、HC CDR3にDセグメントを有さない抗体中でAATが出現する頻度を反映した表から取り出した。この表の使用法は、実施例で明らかにされる。
一部の態様では、本開示は、ヒト抗体ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示し、提示および発現し、または含み、さらにHC CDR3をコードする多様化DNA配列をまとめて提示し、提示および発現し、または含むベクターまたは遺伝子パッケージのライブラリーを特徴とする。ここで、HC CDR3は、配列X−X−X−X−X−X−X−X−X−X10−X11−X12を有し、X〜Xは、実際のVJ fill(例えば、本明細書記載の抗体配列の、例えば、抽出検体中で)中のこれらの位置で最も多く出現するAATである5〜12の許容アミノ酸を有する。各X、X、X、X、X、X、X10、X11、およびX12は、独立に、欠けていてもよい。一部の実施形態では、メンバーは、長さ4〜12のHC CDR3を有する。一実施形態では、各位置の許容アミノ酸は、表3010に示す実際のVJ fillの各位置で最も多く出現する5〜12アミノ酸である。一部の実施形態では、許容アミノ酸タイプは、表3010に示す比率で存在する。一部の実施形態では、許容アミノ酸タイプは、例えば、表3020〜3028のいずれかに示す比率で存在する。一部の実施形態では、各位置の最も多く出現する許容アミノ酸は、実際の抗体(例えば、本明細書記載の抗体配列の、例えば、抽出検体中で)のその位置で最も多く出現するものである。一部の実施形態では、X10、X11およびX12が存在する場合は、その中で、X10、X11および/またはX12は、(例えば、対応する)ヒトJHの残基102a〜102c由来のJstumpを有するアミノ酸である。一部の実施形態では、X10、X11および/またはX12のアミノ酸の比率は、実施例11にあるように、Jstump位置を有するVJ fill位置の平均値であってもよい。
一部の態様では、本開示は、ヒト抗体ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示し、提示および発現し、または含み、さらにHC CDR3をコードする多様化DNA配列をまとめて提示し、提示および発現し、または含むベクターまたは遺伝子パッケージのライブラリー(Biblioteca 98)を特徴とする。ここで、HC CDR3は、配列X−X−X−X−X−X−X−X−X−X10−X11を有し、X〜Xは、実際のVJ fill(例えば、本明細書記載の抗体配列の、例えば、抽出検体中で)のこれらの位置で最も多く出現するAATである5〜12の許容アミノ酸を有する。各X、X、X、X、X、X、X10およびX11は、独立に欠けていてもよい。一部の実施形態では、メンバーは、4〜11または5〜11の長さのHC CDR3を有する。一実施形態では、各位置の許容アミノ酸は、表3010に示される実際のVJ fillの各位置で最も多く出現する5〜12アミノ酸である。一実施形態では、各位置の許容アミノ酸は、表3010に示す比率で存在する。一部の実施形態では、各位置の許容アミノ酸は、表3020〜3028のいずれかに示す比率で存在する。一部の実施形態では、最も多く見られる各位置の許容アミノ酸は、実際の抗体(例えば、本明細書記載の抗体配列の、例えば、抽出検体中で)のその位置で最も多く出現するものである。一部の実施形態では、X、X10および/またはX11が存在する場合は、その位置のアミノ酸は、(例えば、対応する)ヒトJHの残基102a〜102c由来のJstumpのアミノ酸である。一部の実施形態では、X、X10および/またはX11のアミノ酸の比率は、実施例11のように、Jstump位置を有するVJ fill位置の平均であってもよい。
一部の態様では、本開示は、ヒト抗体ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示し、提示および発現し、または含み、さらにHC CDR3をコードする多様化DNA配列をまとめて提示し、提示および発現し、または含むベクターまたは遺伝子パッケージのライブラリー(Biblioteca 2)を特徴とする。ここで、HC CDR3は、配列X−X−X−X−X−X−X−X−X−X10−X11を有し、X〜Xは、実際のVJ fill(例えば、本明細書記載の抗体配列の、例えば、抽出検体中で)のこれらの位置で最も多く出現するAATである5〜12の許容アミノ酸を有する。各X、X、およびXは、独立に、欠けていてもよい。一実施形態では、各位置で最も多く存在するアミノ酸は、表3010Aおよび表3010Bに示す5〜12の実際のVJ fillの各位置で最も多く出現するアミノ酸である。あるいは、表2211Aおよび表2211Bに示す分布を使うことも可能である。一実施形態では、X、X10および/またはX11は、(例えば、対応する)ヒトJHの残基100〜102由来のJstumpのアミノ酸であってもよい。別の実施形態では、X、X10および/またはX11は、多様化可能である。
一部の態様では、本開示は、ヒト抗体ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示し、提示および発現し、または含み、さらにHC CDR3をコードする多様化DNA配列をまとめて提示し、提示および発現し、または含むベクターまたは遺伝子パッケージのライブラリー(Biblioteca 3)を特徴とする。ここで、HC CDR3は、a)0〜4のVD fillのアミノ酸、b)3以上のDセグメントのアミノ酸の全体または断片、c)0〜4のDJ fillのアミノ酸、およびd)0〜9のJstumpのアミノ酸、を含む。一部の実施形態では、0〜4のVD fillのアミノ酸は、これらの位置の実際のVD fill(例えば、本明細書記載の抗体配列の、例えば、抽出検体中で)で見られる5〜12AATを許容する。一部の実施形態では、各位置で最も多く見られる許容アミノ酸は、実際の抗体(例えば、本明細書記載の抗体配列の、例えば、抽出検体中で)のその位置で最も多く出現するものである。一実施形態では、各位置の許容アミノ酸は、表3008に示す実際のVD fillの各位置の5〜12の最も多く出現するアミノ酸で、それぞれは、独立に、欠けていてもよい。あるいは、各位置の許容アミノ酸は、表2212AおよびBの実際のVD fillの各位置で5〜12の最も多く出現するアミノ酸である。一部の実施形態では、VD fill中の許容アミノ酸は、実際の抗体(例えば、本明細書記載の抗体配列の、例えば、抽出検体中で)中で見られる頻度に比例して許容される。一部の実施形態では、DセグメントまたはDセグメントの断片は、実際の抗体で最も多く出現するDセグメントまたはその断片をモデルにしている。一部の実施形態では、HC CDR3のライブラリーで使われたDセグメントの断片は、実際の抗体(例えば、本明細書記載の抗体配列の、例えば、抽出検体中で)で最も多く出現する断片をモデルにしている。一部の実施形態では、Cys残基を含むDセグメントは、固定された(多様化されていない)Cys残基を有する。一部の実施形態では、0〜4DJ fillアミノ酸は、実際のDJ fill(例えば、本明細書記載の抗体配列の、例えば、抽出検体中で)で見られる5〜12AATであってもよい。一部の実施形態では、DJ fillの各位置で最も多く出現する許容アミノ酸は、実際のDJ fill(例えば、本明細書記載の抗体配列の、例えば、抽出検体中で)で最も多く出現するAATである。一実施形態では、各位置の許容アミノ酸は、表75または2217に示す実際のDJ fillの各位置で最も多く出現する5〜12のAATであり、または、それぞれは、独立に、欠けていてもよい。一部の実施形態では、DJ fill中で許容されるアミノ酸は、実際のDJ fillの各位置(例えば、本明細書記載の抗体配列の、例えば、抽出検体中で)の頻度に比例して許容される。一部の実施形態では、Jstumpアミノ酸は、実際のJstumps、例えば、表3006に示すJstump、のアミノ酸の出現をモデルにしている。全ての実施形態で、FR4は、存在する場合は、HC CDR3中のJstumpに対応する。
一部の実施形態では、HC CDR3の位置(例えば、VD fill、Dセグメント、VJ fillおよび/またはJstump中)の5〜12AATの1つであるアミノ酸は、例えば、タンパク質分解、等の負の特性に関連するため、許容されない。例えば、HC CDRの位置(例えば、VD fill、Dセグメント、VJ fillおよび/またはJstump中)で出現頻度の高いアミノ酸は、アミノ酸(またはアミノ酸の組み合わせ)が、例えば、酸化、脱アミド化、異性化、酵素的開裂、等により分解されるために、その位置で許容され得ない。一部の実施形態では、例えば、有益な特性、例えば、本明細書記載の有益な特性に関連するために、HC CDR3の位置(例えば、VD fill、Dセグメント、VJ fillおよび/またはJstump中)の5〜12の最も多く存在するアミノ酸ではないアミノ酸が許容される。
多様化D領域は、1つまたは複数のアミノ酸の改変が導入されている(例えば、天然のD領域の配列に比べて;例えば、停止コドンは、Tyr残基に変更できない)D領域である。本明細書に、「D領域」および「Dセグメント」は、区別無く使用され、同じことを意味する。
伸張JH領域は、1つまたは複数のアミノ酸残基が、JH領域のフレームワーク配列のアミノ末端(例えば、WGQ…、で始まる、例えば、FR4配列のアミノ末端(表3参照))に存在するJH領域である。例えば、JH1は、伸張JH領域である。他の例では、JH2、JH3、JH4、JH5、およびJH6は、伸張JH領域である。ゲノムのCDR3およびFR4の一部になるセグメントは、JHセグメント:JH1〜JH6と呼ぶ。これらのセグメントがVをCH1に連結することから、「J」は「連結(joining)」を表す。これらのセグメントは通常は、強力に保存されたTrp103−Gly104から始まるFR4をもたらす。Trp−Glyの前に、JHは、もしあれば、CDR3の一部と見なされる4〜9の別のアミノ酸を有する。最も多く見られるJHの改変は、5’末端での種々の大きさの切断である。CDR3に見つかるが、JHから取り込んで生じたアミノ酸は、本明細書では、「J stump」または「Jstump」(両者は同じ)と呼ぶ。すなわち、Jstumpは、JH遺伝子から来たCDR3の一部で、DNAの調査またはアミノ酸配列により特定できる。「Jstump」および「伸張J領域」は、同じものを指し、同じ意味を有する。
ライブラリーのJstumpの長さの設計については、表3006から知ることができる。表3006は、JHおよびCDR3中にDセグメントがあるか無いかでソートした0〜9の長さのJstumpを有する多くの抗体を示す。Nは、断端の長さである。各エントリーは、定められた長さのJstumpを有する抗体がどのくらいあるかを示す。例えば、JH2に基づくライブラリーが必要な場合、大きな割合(704/965)のDセグメントのないケースで完全長の断端が存在することがわかる。他方、JH1では、多くのケースで、Jstumpは0、1、または2残基である。JH4−含有Abは、FDYの断端を有する強い傾向がある。
CDR3の解析で、最初にJstumpを見付け、それを削除した。残りの部分では、Dセグメントを検索した。Dセグメントが見つかった場合は、Dセグメントの前にある任意のアミノ酸を「VD fill」として記録する。DおよびJstump(またはJstumpが無い場合は、J)の間の任意のアミノ酸を「DJ fill」と呼ぶ。Dセグメントが無い場合は、FR3およびJstump(またはJstumpが無い場合は、J)の間のアミノ酸を「VJ fill」または「リードイン(Lead−in)、Dなし」と呼ぶ。
一部の態様では、本開示は、ヒト抗体ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示し、提示および発現し、または含み、さらに、多様な抗体ファミリーの少なくとも一部をまとめて提示し、提示および発現し、または含む(例えば、組み込む)ベクターまたは遺伝子パッケージのライブラリー(Biblioteca 4)を特徴とする。ここで、ベクターまたは遺伝子パッケージは、重鎖(HC)CDR3をコードする多様化DNA配列を含み、HC CDR3は、X−X−X−X−X−X−X−X−X−X10−X11−X12−X13−X14であり、各X〜Xはそれぞれ、独立に、例えば、本明細書記載の抗体配列の、例えば、抽出検体中で、例えば、表3010に示す、X〜Xの各位置で最も多く存在するアミノ酸、で占められる;残基X〜X11のいずれか1つは、独立に、欠けているか、またはXと同じ分布を有し、例えば、独立に、それぞれXに対応する、例えば、本明細書記載の例えば、表3010に示す、例えば、抗体配列の抽出検体(例えば、天然の抗体配列)の、位置で最も多く存在するアミノ酸により占められ、さらにX12〜X14は、例えば、表 3に示すように、ヒトJHの残基100〜102に対応する。一部の実施形態では、メンバーには、フレームワーク領域4(FR4)が含まれ、FR4は、同じヒトJHに対応する。あるいは、N、S、またはTの割合は、N−X−(S/T)を含むメンバーの割合を最小化することで減らすことができる。
本明細書記載の態様の一部の実施形態では、抗体ペプチドは、Fabである。
本明細書記載の態様の一部の実施形態では、抗体ペプチドは、scFvである。
本明細書記載の態様の一部の実施形態では、メンバーには、HC CDR1および/またはCDR2の多様性を含む。
本明細書記載の態様の一部の実施形態では、ライブラリーは、軽鎖(LC)CDR1、CDR2、および/またはCDR3における多様性を含む。一部の実施形態では、メンバーには、軽鎖(LC)CDR1、CDR2、およびCDR3の多様性を含む。
本明細書記載の態様の一部の実施形態では、ライブラリー中のHC CDR3の長さ分布は、長さ9が10%、長さ10が10%、長さ11が20%、長さ12が30%、長さ13が20%、および長さ14が10%である。
本明細書記載の態様の一部の実施形態では、メンバーは、さらに、フレームワーク(FR)領域1〜4をコードする。一部の実施形態では、FR領域1〜4は、3−23由来のFR領域1〜4に対応する。
本明細書記載の態様の一部の実施形態では、メンバーは、フレームワーク領域1〜4をコードし、例えば、実施例43に示すように、VH3〜66由来のCDR1〜3を多様化する。
本明細書記載の態様の一部の実施形態では、メンバーは、フレームワーク領域1〜4をコードし、実施例44に示すように、トラスツジマブ(trastuzimab)由来のCDR1〜3を多様化する。
本明細書記載の態様の一部の実施形態では、メンバーは、HC CDR1、HC CDR2およびFR領域1〜4をコードする。
本明細書記載の態様の一部の実施形態では、メンバーは、3−23HCフレームワークを含む。
本明細書記載の態様の一部の実施形態では、ライブラリーは、LC可変領域をさらに含む。
本明細書記載の態様の一部の実施形態では、ライブラリーは、多様化LC可変領域をコードするメンバーを含む。
本明細書記載の態様の一部の実施形態では、LC可変領域を含むメンバーは、A27LCフレームワークを含む。
本明細書記載の態様の一部の実施形態では、ライブラリーは、ディスプレイライブラリー、例えば、ファージディスプレイライブラリーである。
本明細書記載の態様の一部の実施形態では、使用したファージは、M13由来である。
本明細書記載の態様の一部の実施形態では、抗体断片は、M13由来ファージミド上に提示される。
本明細書記載の態様の一部の実施形態では、HCは、M13のIIIタンパク質に結合される。一部の実施形態では、M13のIIIは完全長である。一部の実施形態では、M13のIIIは、IIIstumpである。
本明細書記載の態様の一部の実施形態では、ライブラリーは、少なくとも10、1010、10、10、101010、1011の多様なメンバーを有する。
本明細書記載の態様の一部の実施形態では、1つの位置(または位置(複数))に最も多く存在するアミノ酸(またはアミノ酸(複数))に分解が生ずる場合は、そのアミノ酸またはアミノ酸(複数)は、ライブラリーの1つまたは複数のX〜X14の位置に存在しないか、または、例えば、実際の抗体(例えば、本明細書記載の、例えば、抗体の抽出検体、)中のアミノ酸出現頻度に比べて、任意の定められた位置でアミノ酸(またはアミノ酸(複数))の出現頻度の比率が減少している。例えば、HC CDR(例えば、VJ fillおよび/またはJstump)の位置で最も多く出現するアミノ酸が、例えば、酸化、脱アミド化、異性化、酵素的開裂、等により、アミノ酸(またはアミノ酸の組み合わせ)が、分解するという理由で、その位置で許容されない場合もある。一部の実施形態では、HCC DR3中の1つの位置(例えば、VJ fillおよび/またはJstump)で5〜12の最も多く出現するアミノ酸ではないアミノ酸が、例えば、有益な特性、例えば、本明細書記載の有益な特性に関連しているために、許容される。
また、HC CDR1、HC CDR2の設計、およびCDRに多様性を有するVKIIIA27ライブラリーが提供される。特に、LC CDR1およびLC CDR3における長さの多様性が許容される。本明細書記載のHC CDR3を含むヒト抗体の多様なファミリーのメンバーをコードするベクターまたはパッケージのライブラリーは、HC CDR1、HC CDR2、LC CDR1、LC CDR2、およびLC CDR3の1つまたは複数の位置での(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、または全ての位置での)多様性をさらに有することが可能である。 例えば、ライブラリーは、本明細書記載のように、HC CDR1、HC CDR2、LC CDR1、LC CDR2、およびLC CDR3の1つまたは複数の位置での(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、または5つの位置での)多様性を有することが可能である。
一部の態様では、本開示は、ヒト抗体ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示し、提示および発現し、または含み、さらに、多様な抗体ファミリーの少なくとも一部をまとめて提示し、提示および発現し、または含むベクターまたは遺伝子パッケージのライブラリー(Biblioteca5)を特徴とする。ここで、ベクターまたは遺伝子パッケージは、(HC)CDR3をコードする多様化DNA配列を含み、HC CDR3は、X−X−X−X−X−X−X−X−X−X10−X11−X12−X13−X14−X15−X16−X17であり、
〜Xは、それぞれ独立に、欠けているか、またはX〜Xと同じ分布を有し、例えば、本明細書記載の例えば、表3008に示すように、例えば、抗体配列の抽出検体(例えば、天然に存在の抗体配列)中の、例えば、それぞれ独立に、最も多く出現するアミノ酸により占められ、
〜X12の2、3、4、5、6、7、または8つは、それぞれ独立に、欠けているか、または独立に、X〜X12に対応する位置、例えば、本明細書記載のヒトDセグメントの、例えば、抗体配列の抽出検体(例えば、天然の抗体配列)、で最も多く出現するアミノ酸により占められており、
13およびX14は、それぞれ独立に、欠けているか、または表75のDJfill中の最も多く出現する5〜12アミノ酸によって占められて、さらに
15〜X17は、例えば、表3に示すような、ヒトJHの残基100〜102に対応するアミノ酸により占められる。
一部の実施形態では、X〜X12は、D3−22.2の5〜8アミノ酸を含む。一部の実施形態では、D3−22.2の断片は、YYDSSGYYの多様化バージョンである。
一部の実施形態では、XおよびXは、欠けており、XおよびXは存在している。
一部の実施形態では、X13およびX14は存在している。
一部の実施形態では、X13およびX14は、表75のP1およびP2位置、例えば、抗体配列の抽出検体(例えば、天然の抗体配列)で、最も多く出現する5〜12アミノ酸により独立に占められる。一部の実施形態では、X13およびX14は、表75のP1およびP2位置、例えば、抗体配列の抽出検体(例えば、天然の抗体配列)で最も多く出現する5〜12アミノ酸により、表75に示す比率で、独立に占められる。
一部の実施形態では、メンバーは、HC CDR1および/またはCDR2の多様性を含む。
一部の実施形態では、1つの位置(または位置(複数))に最も多く存在するアミノ酸(またはアミノ酸(複数))に分解が生ずる場合は、そのアミノ酸またはアミノ酸(複数)は、ライブラリーの1つまたは複数のX〜X14の位置に存在しないか、または、例えば、実際の抗体(例えば、本明細書記載の、例えば、抗体の抽出検体、)中のアミノ酸出現頻度に比べて、任意の定められた位置でアミノ酸(またはアミノ酸(複数))の出現頻度の比率が減少している。
一部の実施形態では、ライブラリーは、軽鎖(LC)CDR1、CDR2、および/またはCDR3の多様性を含む。一部の実施形態では、メンバーは、軽鎖(LC)CDR1、CDR2、および/またはCDR3の多様性を含む。
一部の実施形態では、メンバーは、フレームワーク(FR)領域1〜4をさらにコードする。一部の実施形態では、FR領域1〜4は、3−23由来のFR領域1〜4に対応する。
一部の実施形態では、メンバーは、HC CDR1、HC CDR2およびFR領域1〜4をコードする。
一部の実施形態では、メンバーは、3−23HCフレームワークを含む。
一部の実施形態では、ライブラリーは、LC可変領域をさらに含む。
一部の実施形態では、ライブラリーは、多様なLC可変領域をコードするメンバーを含む。
一部の実施形態では、メンバーは、LC可変領域を含むメンバーは、A27LCフレームワークを含む。
一部の実施形態では、ライブラリーは、wobblingにより調製される。
一部の実施形態では、ライブラリーは、dobblingにより調製される。
一部の実施形態では、ライブラリーは、ディスプレイライブラリー、例えば、ファージディスプレイライブラリーである。
一部の実施形態では、ライブラリーは、少なくとも10、1010、10、10、101010、1011、または3x1011の多様なメンバーを有する。
一部の態様では、本開示は、ヒト抗体関連ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示し、提示および発現し、または含み、さらに、多様な抗体ファミリーの少なくとも一部をまとめて提示し、提示および発現し、または含むベクターまたは遺伝子パッケージのライブラリー(ライブラリーP65)(Biblioteca6)を特徴とする。ここで、ベクターまたは遺伝子パッケージは、重鎖(HC)CDR3をコードする多様化DNA配列を含みHC CDR3は、
−X−X−X−X−X−X−X−X−X10−X11であり:
は、G、D、V、E、A、S、R、L、I、H、T、またはQ、を、例えば、G:D:V:E:A:S:R:L:I:H:T:Qが217:185:84:83:71:68:58:43:33:28:25:20の比率で、または(ORCBU)による比率(他の比率の表現形式も使用可能)であり;
は、G、R、S、L、P、V、A、T、D、K、N、Q、またはI、を、例えば、G:R:S:L:P:V:A:T:D:K:N:Q:Iが186:142:99:83:76:49:46:44:35:29:29:29:29(ORCBU)(0.2123:0.1621:0.1130:0.0947:0.0868:0.0559:0.0525:0.0502:0.0400:0.0331:0.0331:0.0331:0.0331の比率も同じ)の比率であり;
は、G、R、S、L、A、P、Y、V、W、T、またはD、を、例えば、G:R:S:L:A:P:Y:V:W:T:Dが203:130:92:61:60:54:52:48:48:42:36(ORCBU)の比率であり;
X4は、G、S、R、L、A、W、Y、V、P、T、またはD、を、例えば、G:S:R:L:A:W:Y:V:P:T:Dが210:103:91:64:63:59:59:47:47:47:40(0.2530:0.1241:0.1096:0.0771:0.0759:0.0711:0.0711:0.0566:0.0566:0.0566:0.0482の比率も同じ)(ORCBU)の比率であり;
X5は、G、S、R、L、A、Y、W、D、T、P、またはV、を、例えば、G:S:R:L:A:Y:W:D:T:P:Vが190:96:89:71:64:59:59:56:46:43:42(ORCBU)の比率であり;
X6は、G、S、R、D、L、A、P、Y、T、W、V、またはΔ(欠失)、を、例えば、G:S:R:D:L:A:P:Y:T:W:V:Δが173:93:88:73:71:63:58:57:56:44:39:*(ORCBU)の比率であり;
は、G、S、R、D、L、A、P、Y、T、W、V、またはΔ(欠失)、を、例えば、G:S:R:D:L:A:P:Y:T:W:V:Δが173:93:88:73:71:63:58:57:56:44:39:*(ORCBU)の比率であり;
は、G、S、R、D、L、A、P、Y、T、W、V、またはΔ(欠失)、を、例えば、G:S:R:D:L:A:P:Y:T:W:V:Δが173:93:88:73:71:63:58:57:56:44:39:*(ORCBU)の比率であり;
はFであり;
10はDであり;さらに
11はYである。
「*」は、Δの比率が長さの配分で決定されることを示す。さらに、例えば、長さの配分は、Len8:Len9:Len10:Len11::2:3:3:2である。Δの比率は、各欠失可能コドンが同じ頻度で欠失したという規則による所定の長さにより決定される。他の長さ配分も使用可能である。
位置2では、Nは、0.0331の頻度で発生し、また、位置4でのSとTの組み合わせの頻度は0.18で、従ってN−X−(S/T)は、0.006の頻度で発生し、これは受入可能である。位置2の割合を減らすことができる。あるいは、NをQで置換可能である。
例えば、表6503および6504の比率、または表6505および6506の比率は、一部のメンバーは、X〜Xが欠けており(すなわち、CDR3長さ8を有する)、一部のメンバーは、X〜Xが欠けており(すなわち、CDR3長さ9を有する)、さらに一部のメンバーは、Xが欠けている(長さ10を有する)ことを理解した上でX〜Xに対して使用可能である。
Figure 2013504602
Figure 2013504602
96〜98でN−X−(S/T)の出現の可能性が0.00436で、これは、受入可能である。96でのNを減らす、あるいは除去することができる。あるいは、NをQで置換することも可能である。
Figure 2013504602
Figure 2013504602
これにより、96〜98でN−X−(S/T)の出現の可能性が0.0065となり、受入可能である。96でのNの出現の可能性を減らす、あるいは除去することができる。
Δ(デルタ)は、3つの位置で許容され、メンバーは、xxx、xxd、xdx、dxx、xdd、dxd、ddx、およびdddとして表され、xは、欠失可能な位置にあるアミノ酸であり、dは、欠失があることを意味する。長さ分布がLen8:Len9:Len10:Len11::2:3:4:5の場合、dddのコピーが2つ、xdd、dxd、およびddxのコピーが3つ、xxd、xdx、およびdxxのコピーが4つ、さらにxxxのコピーが5つ必要である。従って、最初の位置でxを有する数は、(3+2*4+5)=16である。最初の位置でdを有する数は、(2+3*2+4)=12である。故に、Δの割合は、12/(12+16)=0.428となる。173...39の合計は815である。Δ(デルタ)の割合Dは、d/(815+d)=0.428である。従って、Δは609.8となる。他の位置でも同じである。異なる長さ分布では、異なる比率のΔ(デルタ)になる。
一部の実施形態では、多様性は、1.E6よりも大きい。一部の実施形態では、多様性は3E8である。
一部の実施形態では、ライブラリーは、軽鎖(LC)CDR1、CDR2、および/またはCDR3に多様性を含む。一部の実施形態では、メンバーは、軽鎖(LC)CDR1、CDR2、および/またはCDR3に多様性を含む。
一部の実施形態では、メンバーは、HC CDR1および/またはCDR2に多様性を含む。
一部の実施形態では、メンバーは、HC FR3領域を含む。
一部の実施形態では、HC FR3領域の最後の位置はLysである。
一部の実施形態では、ライブラリーは、wobblingにより調製される。
一部の実施形態では、ライブラリーは、dobblingにより調製される。
一部の実施形態では、メンバーは、フレームワーク(FR)領域1〜4をさらにコードする。一部の実施形態では、FR領域1〜4は、3−23由来のFR領域1〜4に対応する。
一部の実施形態では、メンバーは、HC CDR1、HC CDR2およびFR領域1〜4をコードする。
一部の実施形態では、メンバーは、3−23HCフレームワークを含む。
一部の実施形態では、ライブラリーは、LC可変領域をさらに含む。
一部の実施形態では、ライブラリーは、多様なLC可変領域をコードするメンバーを含む。
一部の実施形態では、LC可変領域を含むメンバーは、A27LCフレームワークを含む。
一部の実施形態では、ライブラリーは、ディスプレイライブラリーで、例えば、ファージディスプレイライブラリーである。
一部の実施形態では、ライブラリーは、少なくとも10、10、10、10、10、10、1010、1011の多様なメンバーを有する。
一部の態様では、本開示は、ヒト抗体関連ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示し、提示および発現し、または含み、さらに、多様な抗体ファミリーの少なくとも一部をまとめて提示し、提示および発現し、または含むベクターまたは遺伝子パッケージのライブラリー(Biblioteca 99)を特徴とする。ここで、ベクターまたは遺伝子パッケージは、重鎖(HC)CDR3をコードする多様化DNA配列を含み、HC CDR3は、
−X−X−X−X−X−X−X−X−X10−X11であり:
は、G、S、Y、D、V、E、R、A、L、I、H、TまたはQ、であり、例えば、G:S:Y:D:V:E:R:A:L:I:H:T:Qの比率は、表6501で提供されるものであり;
は、G、S、Y、R、L、P、V、A、T、D、I、K、NまたはQ、であり、例えば、G:S:Y:R:L:P:V:A:T:D:I:K:N:Qの比率は、表6501で提供されるものであり;
は、G、R、S、L、A、P、Y、V、W、T、またはD、であり、例えば、G:R:S:L:A:P:Y:V:W:T:Dの比率は、表6501で提供されるものであり;
は、G、S、R、L、A、W、Y、V、P、T、またはD、であり、例えば、G:S:R:L:A:W:Y:V:P:T:Dの比率は、表6501で提供されるものであり;
は、G、S、R、L、A、Y、W、D、T、P、またはV、であり、例えば、G:S:R:L:A:Y:W:D:T:P:Vの比率は、表6502で提供されるものであり;
は、G、S、R、D、L、A、P、Y、T、W、V、またはΔ(欠失)、であり、例えば、G:S:R:D:L:A:P:Y:T:W:V:Δの比率は、表6502で提供されるものであり;
は、G、S、R、D、L、A、P、Y、T、W、V、またはΔ(欠失)、であり、例えば、G:S:R:D:L:A:P:Y:T:W:V:Δの比率は、表6502で提供されるものであり;
は、G、S、R、D、L、A、P、Y、T、W、V、またはΔ(欠失)、であり、例えば、G:S:R:D:L:A:P:Y:T:W:V:Δの比率は、表6502で提供されるものであり;
は、Fであり;
10は、Dであり;さらに
11は、Yである。

Figure 2013504602
Figure 2013504602
96〜98でのN−X−(S/T)の出現可能性は、0.0022であり、受入可能である。96でのNを減らす、または削除することが可能である。あるいは、NをQで置換することも可能である。
Δ(デルタ)は、3つの位置で許容され、メンバーは、xxx、xxd、xdx、dxx、xdd、dxd、ddx、およびdddと表される。ここで、xは、欠失可能な位置にアミノ酸があることを、また、dは、欠失があることを意味する。長さ分布が、Len8:Len9:Len10:Len11::2:3:4:5である場合は、dddの2つのコピー、xdd、dxd、およびddxの3つのコピー、xxd、xdx、およびdxxの4つのコピー、およびxxxの5つのコピーが必要となる。従って、最初の位置でxを有する数は、(3+2*4+5)=16である。最初の位置でdを有する数は、(2+3*2+4)=12である。故に、Δの割合は、12/(12+16)=0.428となる。173...39の合計は815である。Δ(デルタ)の割合Dは、d/(815+d)=0.428である。従って、Δは609.8となる。他の位置でも同じである。異なる長さ分布では、異なる比率のΔ(デルタ)になる。
一部の実施形態では、多様性は、1.E6よりも大きい。一部の実施形態では、多様性は3E8である。
一部の実施形態では、ライブラリーは、軽鎖(LC)CDR1、CDR2、および/またはCDR3に多様性を含む。一部の実施形態では、メンバーは、軽鎖(LC)CDR1、CDR2、および/またはCDR3に多様性を含む。
一部の実施形態では、メンバーは、HC CDR1および/またはCDR2に多様性を含む。
一部の実施形態では、メンバーは、HC FR3領域を含む。
一部の実施形態では、HC FR3領域の最後の位置はLysである。
一部の実施形態では、ライブラリーは、wobblingにより調製される。
一部の実施形態では、ライブラリーは、dobblingにより調製される。
一部の実施形態では、メンバーは、フレームワーク(FR)領域1〜4をさらにコードする。一部の実施形態では、FR領域1〜4は、3−23由来のFR領域1〜4に対応する。
一部の実施形態では、メンバーは、HC CDR1、HC CDR2およびFR領域1〜4をコードする。
一部の実施形態では、メンバーは、3−23HCフレームワークを含む。
一部の実施形態では、ライブラリーは、LC可変領域をさらに含む。
一部の実施形態では、ライブラリーは、多様なLC可変領域をコードするメンバーを含む。
一部の実施形態では、LC可変領域を含むメンバーは、A27LCフレームワークを含む。
一部の実施形態では、ライブラリーは、ディスプレイライブラリーで、例えば、ファージディスプレイライブラリーである。
一部の実施形態では、ライブラリーは、少なくとも10、10、10、10、10、10、1010、1011の多様なメンバーを有する。
一部の態様では、本開示は、ヒト抗体関連ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示し、提示および発現し、または含み、さらに、多様な抗体ファミリーの少なくとも一部をまとめて提示し、提示および発現し、または含むベクターまたは遺伝子パッケージのライブラリー(Biblioteca 100)を特徴とする。ここで、ベクターまたは遺伝子パッケージは、重鎖(HC)CDR3をコードする多様化DNA配列を含み、HC CDR3は、
−X−X−X−X−X−X−X−X−X10−X11であり:
は、A、D、E、G、H、I、L、R、S、T、VまたはY、で、例えば、A:D:E:G:H:I:L:R:S:T:V:Yの比率は、本明細書記載の、例えば、実施例11にある比率であり;
は、A、D、G、I、K、L、P、R、S、T、VまたはY、で、例えば、A:D:G:I:K:L:P:R:S:T:V:Yの比率は、本明細書記載の、例えば、実施例11にある比率であり;
は、A、D、G、L、P、R、S、T、V、WまたはY、で、例えば、A:D:G:L:P:R:S:T:V:W:Yの比率は、本明細書記載の、例えば、実施例11にある比率であり;
は、A、D、G、L、N、P、R、S、T、V、WまたはY、で、例えば、A:D:G:L:N:P:R:S:T:V:W:Yの比率は、本明細書記載の、例えば、実施例11にある比率であり;
は、A、D、G、L、P、R、S、T、V、WまたはY、で、例えば、A:D:G:L:P:R:S:T:V:W:Yの比率は、本明細書記載の、例えば、実施例11にある比率であり;
は、A、D、G、L、P、R、S、T、V、WまたはY、で、例えば、A:D:G:L:P:R:S:T:V:W:Yの比率は、本明細書記載の、例えば、実施例11にある比率であり;
は、A、D、G、L、P、R、S、T、V、W、YまたはΔ(欠失)、で、例えば、A:D:G:L:P:R:S:T:V:W:Y:*の比率は、本明細書記載の、例えば、実施例11にある比率であり;
は、A、D、F、G、L、P、R、S、T、V、WまたはY、で、例えば、A:D:F:G:L:P:R:S:T:V:W:Yの比率は、本明細書記載の、例えば、実施例11にある比率であり;
は、A、D、F、G、L、P、R、S、T、V、W、YまたはΔ(欠失)、で、例えば、A:D:F:G:L:P:R:S:T:V:W:Y:*の比率は、本明細書記載の、例えば、実施例11にある比率であり;
10は、例えば、本明細書記載の、例えば、実施例11にあるように、DまたはΔ(欠失)であり;さらに
11は、Yである。
Δ(デルタ)は、2つの位置で許容され、メンバーは、xxx、xxd、xdx、dxx、xdd、dxd、ddx、およびdddと表される。ここで、xは、欠失可能な位置にアミノ酸があることを、また、dは、欠失があることを意味する。長さ分布が、Len8:Len9:Len10:Len11::2:3:4:5である場合は、dddの2つのコピー、xdd、dxd、およびddxの3つのコピー、xxd、xdx、およびdxxの4つのコピー、およびxxxの5つのコピーが必要となる。従って、最初の位置でxを有する数は、(3+2*4+5)=16である。最初の位置でdを有する数は、(2+3*2+4)=12である。故に、Δの割合は、12/(12+16)=0.428となる。173...39の合計は815である。Δ(デルタ)の割合Dは、d/(815+d)=0.428である。従って、Δは609.8となる。他の位置でも同じである。異なる長さ分布では、異なる比率のΔ(デルタ)になる。
一部の実施形態では、多様性は、1.E6よりも大きい。一部の実施形態では、多様性は3E8である。
一部の実施形態では、ライブラリーは、軽鎖(LC)CDR1、CDR2、および/またはCDR3に多様性を含む。一部の実施形態では、メンバーは、軽鎖(LC)CDR1、CDR2、および/またはCDR3に多様性を含む。
一部の実施形態では、メンバーは、HC CDR1および/またはCDR2に多様性を含む。
一部の実施形態では、メンバーは、HC FR3領域を含む。
一部の実施形態では、HC FR3領域の最後の位置はLysである。
一部の実施形態では、ライブラリーは、wobblingにより調製される。
一部の実施形態では、ライブラリーは、dobblingにより調製される。
一部の実施形態では、メンバーは、フレームワーク(FR)領域1〜4をさらにコードする。一部の実施形態では、FR領域1〜4は、3−23由来のFR領域1〜4に対応する。
一部の実施形態では、メンバーは、HC CDR1、HC CDR2およびFR領域1〜4をコードする。
一部の実施形態では、メンバーは、3−23HCフレームワークを含む。
一部の実施形態では、ライブラリーは、LC可変領域をさらに含む。
一部の実施形態では、ライブラリーは、多様なLC可変領域をコードするメンバーを含む。
一部の実施形態では、LC可変領域を含むメンバーは、A27LCフレームワークを含む。
一部の実施形態では、ライブラリーは、ディスプレイライブラリーで、例えば、ファージディスプレイライブラリーである。
一部の実施形態では、ライブラリーは、少なくとも10、10、10、10、10、10、1010、1011の多様なメンバーを有する。
一部の態様では、本開示は、ヒト抗体関連ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示し、提示および発現し、または含み、さらに、多様な抗体ファミリーの少なくとも一部をまとめて提示し、提示および発現し、または含むベクターまたは遺伝子パッケージのライブラリー(Biblioteca 101)を特徴とする。ここで、ベクターまたは遺伝子パッケージは、重鎖(HC)CDR3をコードする多様化DNA配列を含み、HC CDR3は、
−X−X−X−X−X−X−Xであり:
は、A、D、E、G、H、I、L、R、S、T、VまたはY、で、例えば、A:D:E:G:H:I:L:R:S:T:V:Yの比率は、本明細書記載の、例えば、実施例11にある比率であり;
は、A、D、G、I、K、L、P、R、S、T、VまたはY、で、例えば、A:D:G:I:K:L:P:R:S:T:V:Yの比率は、本明細書記載の、例えば、実施例11にある比率であり;
は、A、D、G、L、P、R、S、T、V、WまたはY、例えば、A:D:G:L:P:R:S:T:V:W:Yの比率は、本明細書記載の、例えば、実施例11にある比率であり;
は、A、D、G、L、N、P、R、S、T、V、W、Y、またはΔ(欠失)、で、例えば、A:D:G:L:N:P:R:S:T:V:W:Y:*の比率は、本明細書記載の、例えば、実施例11にある比率であり;
は、A、D、G、L、P、R、S、T、V、W、Y、またはΔ(欠失)、で、例えば、A:D:G:L:P:R:S:T:V:W:Yの比率は、本明細書記載の、例えば、実施例11にある比率であり;
は、A、D、F、G、L、P、R、S、T、V、WまたはY、で、例えば、A:D:F:G:L:P:R:S:T:V:W:Yの比率は、本明細書記載の、例えば、実施例11にある比率であり;
は、A、D、F、G、L、P、R、S、T、V、WまたはY、で、例えば、A:D:F:G:L:P:R:S:T:V:W:Yの比率は、本明細書記載の、例えば、実施例11にある比率であり;
は、A、D、F、G、L、P、R、S、T、V、WまたはY、で、例えば、本明細書記載の、例えば、実施例11にある比率である。
Δ(デルタ)は、2つの位置で許容され、メンバーは、xxx、xxd、xdx、dxx、xdd、dxd、ddx、およびdddと表される。ここで、xは、欠失可能な位置にアミノ酸があることを、また、dは、欠失があることを意味する。長さ分布が、Len6:Len7:Len8::2:3:4である場合は、dddの2つのコピー、xdd、dxd、およびddxの3つのコピー、xxd、xdx、およびdxxの4つのコピーが必要となる。従って、最初の位置でxを有する数は、(3+2*4+5)=16である。最初の位置でdを有する数は、(2+3*2+4)=12である。故に、Δの割合は、12/(12+16)=0.428となる。173...39の合計は815である。Δ(デルタ)の割合Dは、d/(815+d)=0.428である。従って、Δは609.8となる。他の位置でも同じである。異なる長さ分布では、異なる比率のΔ(デルタ)になる。
一部の実施形態では、多様性は、1.E6よりも大きい。一部の実施形態では、多様性は3E8である。
一部の実施形態では、ライブラリーは、軽鎖(LC)CDR1、CDR2、および/またはCDR3に多様性を含む。一部の実施形態では、メンバーは、軽鎖(LC)CDR1、CDR2、および/またはCDR3に多様性を含む。
一部の実施形態では、メンバーは、HC CDR1および/またはCDR2に多様性を含む。
一部の実施形態では、メンバーは、HC FR3領域を含む。
一部の実施形態では、HC FR3領域の最後の位置はLysである。
一部の実施形態では、ライブラリーは、wobblingにより調製される。
一部の実施形態では、ライブラリーは、dobblingにより調製される。
一部の実施形態では、メンバーは、フレームワーク(FR)領域1〜4をさらにコードする。一部の実施形態では、FR領域1〜4は、3−23由来のFR領域1〜4に対応する。
一部の実施形態では、メンバーは、HC CDR1、HC CDR2およびFR領域1〜4をコードする。
一部の実施形態では、メンバーは、3−23HCフレームワークを含む。
一部の実施形態では、ライブラリーは、LC可変領域をさらに含む。
一部の実施形態では、ライブラリーは、多様なLC可変領域をコードするメンバーを含む。
一部の実施形態では、LC可変領域を含むメンバーは、A27LCフレームワークを含む。
一部の実施形態では、ライブラリーは、ディスプレイライブラリーで、例えば、ファージディスプレイライブラリーである。
一部の実施形態では、ライブラリーは、少なくとも10、10、10、10、10、10、1010、1011の多様なメンバーを有する。
一部の態様では、本開示は、ヒト抗体関連ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示し、提示および発現し、または含み、さらに、多様な抗体ファミリーの少なくとも一部をまとめて提示し、提示および発現し、または含むベクターまたは遺伝子パッケージのライブラリー(Biblioteca 102)を特徴とする。ここで、ベクターまたは遺伝子パッケージは、重鎖(HC)CDR3をコードする多様化DNA配列を含み、HC CDR3は、
−X−X−X−Xであり:
は、A、D、E、G、H、I、L、R、S、T、VまたはY、例えば、A:D:E:G:H:I:L:R:S:T:V:Yの比率は、本明細書記載の、例えば、実施例11にある比率であり;
は、A、D、G、I、K、L、P、R、S、T、VまたはY、例えば、A:D:G:I:K:L:P:R:S:T:V:Yの比率は、本明細書記載の、例えば、実施例11にある比率であり;
は、A、D、G、L、P、R、S、T、V、WまたはY、例えば、A:D:G:L:P:R:S:T:V:W:Yの比率は、本明細書記載の、例えば、実施例11にある比率であり;
は、A、D、G、L、N、P、R、S、T、V、WまたはY、例えば、A:D:G:L:N:P:R:S:T:V:W:Yの比率は、本明細書記載の、例えば、実施例11にある比率であり;
は、A、D、G、L、P、R、S、T、V、WまたはY、例えば、A:D:G:L:P:R:S:T:V:W:Yの比率は、本明細書記載の、例えば、実施例11にある比率である。
一部の実施形態では、多様性は、1.E6よりも大きい。一部の実施形態では、多様性は3E8である。
一部の実施形態では、ライブラリーは、軽鎖(LC)CDR1、CDR2、および/またはCDR3に多様性を含む。一部の実施形態では、メンバーは、軽鎖(LC)CDR1、CDR2、および/またはCDR3に多様性を含む。
一部の実施形態では、メンバーは、HC CDR1および/またはCDR2に多様性を含む。
一部の実施形態では、メンバーは、HC FR3領域を含む。
一部の実施形態では、HC FR3領域の最後の位置はLysである。
一部の実施形態では、ライブラリーは、wobblingにより調製される。
一部の実施形態では、ライブラリーは、dobblingにより調製される。
一部の実施形態では、メンバーは、フレームワーク(FR)領域1〜4をさらにコードする。一部の実施形態では、FR領域1〜4は、3−23由来のFR領域1〜4に対応する。
一部の実施形態では、メンバーは、HC CDR1、HC CDR2およびFR領域1〜4をコードする。
一部の実施形態では、メンバーは、3−23HCフレームワークを含む。
一部の実施形態では、ライブラリーは、LC可変領域をさらに含む。
一部の実施形態では、ライブラリーは、多様なLC可変領域をコードするメンバーを含む。
一部の実施形態では、LC可変領域を含むメンバーは、A27LCフレームワークを含む。
一部の実施形態では、ライブラリーは、ディスプレイライブラリーで、例えば、ファージディスプレイライブラリーである。
一部の実施形態では、ライブラリーは、少なくとも10、10、10、10、10、10、1010、1011の多様なメンバーを有する。
一部の態様では、本開示は、ヒト抗体関連ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示し、提示および発現し、または含み、さらに、多様な抗体ファミリーの少なくとも一部をまとめて提示し、提示および発現し、または含むベクターまたは遺伝子パッケージのライブラリー(Biblioteca 7)を特徴とする。ここで、ベクターまたは遺伝子パッケージは、重鎖(HC)CDR3をコードする多様化DNA配列を含み、HC CDR3は、
−X−X−X−X−X−X−X−X−X10−X11−X12−X13−X14であり、
は、G、D、E、V、S、A、R、L、I、H、T、またはQ、で、例えば、G:D:V:E:A:S:R:L:I:H:T:Qの比率は、217:185:84:83:71:68:58:43:33:28:25:20(ORCBU)であり;
は、G、R、S、L、P、V、A、T、D、K、N、Q、またはI、で、例えば、G:R:S:L:P:V:A:T:D:K:N:Q:Iの比率は、186:142:99:83:76:49:46:44:35:29:29:29:29(ORCBU)であり;
は、G、R、S、L、A、P、Y、V、W、T、またはD、で、例えば、G:R:S:L:A:P:Y:V:W:T:Dの比率は、203:130:92:61:60:54:52:48:48:42:36(ORCBU)であり;
は、G、S、R、L、A、W、Y、V、P、T、またはD、で、例えば、G:S:R:L:A:W:Y:V:P:T:Dの比率は、210:103:91:64:63:59:59:47:47:47:40(ORCBU)であり;
は、G、S、R、L、A、Y、W、D、T、P、またはV、で、例えば、G:S:R:L:A:Y:W:D:T:P:Vの比率は、190:96:89:71:64:59:59:56:46:43:42(ORCBU)であり;
は、G、S、R、D、L、A、P、Y、T、W、またはV、で、例えば、G:S:R:D:L:A:P:Y:T:W:Vの比率は、173:93:88:73:71:63:58:57:56:44:39(ORCBU)であり;
は、G、R、S、L、P、D、A、Y、T、W、V、またはΔ(欠失)、で、例えば、G:R:S:L:P:D:A:Y:T:W:V:Δの比率は、179:92:86:74:70:69:56:55:44:41:39:*(ORCBU)であり;
は、G、S、R、L、D、P、Y、A、T、F、V、またはΔ、で、例えば、G:S:R:L:D:P:Y:A:T:F:V:Δの比率は、141:94:93:83:78:69:65:59:47:41:41:*(ORCBU)であり;
は、Xと同じであり;
10は、Xと同じであり;
11は、Xと同じであり
12は、Fであり;
13は、Dであり;さらに
14は、Yであり;
さらに、例えば、長さ分布は、Len9:Len10:Len11:Len12:Len13:Len14::n1:n2:n3:n4:n5:n6である。長さ分布に従って各位置でのデルタの割合が決まるが、この場合、各欠失可能位置で同じ確率で欠失するという条件下で、デルタが許容される。一部の実施形態では、n1〜n6は全て1である。一部の実施形態では、n1=1、n2=2、n3=4、n4=8、n5=8、およびn6=16である。
あるいは、アミノ酸は、表6511A、6511B、および6511Cに示す比率で使用可能である。HC CDR3の各位置に対し、3列:アミノ酸のタイプ、混合物がその位置のAATとなる場合の割合、および最小AATに対するそのAATの比率(最小ATTを1とした場合の比率)が示されている。

Figure 2013504602
Figure 2013504602
Figure 2013504602
一部の実施形態では、メンバーは、フレームワーク領域4(FR4)を含み、FR4は、JH4に同じである。
一部の実施形態では、多様性は5E8である。
一部の実施形態では、多様性は、2E9である。
一部の実施形態では、多様性は、6E10である。
一部の実施形態では、X11は、欠けている。
一部の実施形態では、X10およびX11は欠けている。
一部の実施形態では、Gly残基がX11の後ろに挿入されている。
一部の実施形態では、Gly−GlyがX11の後ろに挿入されている。
一部の実施形態では、ライブラリーは、軽鎖(LC)CDR1、CDR2、および/またはCDR3に多様性を含む。一部の実施形態では、メンバーは、軽鎖(LC)CDR1、CDR2、および/またはCDR3に多様性を含む。
一部の実施形態では、メンバーは、HC CDR1および/またはCDR2に多様性を含む。
一部の実施形態では、メンバーは、HC FR3領域を含む。
一部の実施形態では、HC FR3領域の最後の位置はLysである。
一部の実施形態では、ライブラリーは、wobblingにより調製される。
一部の実施形態では、ライブラリーは、dobblingにより調製される。
一部の実施形態では、メンバーは、フレームワーク(FR)領域1〜4をさらにコードする。一部の実施形態では、FR領域1〜4は、3−23由来のFR領域1〜4に対応する。
一部の実施形態では、メンバーは、HC CDR1、HC CDR2およびFR領域1〜4をコードする。
一部の実施形態では、メンバーは、3−23HCフレームワークを含む。
一部の実施形態では、ライブラリーは、LC可変領域をさらに含む。
一部の実施形態では、ライブラリーは、多様なLC可変領域をコードするメンバーを含む。
一部の実施形態では、LC可変領域を含むメンバーは、A27LCフレームワークを含む。
一部の実施形態では、ライブラリーは、ディスプレイライブラリーで、例えば、ファージディスプレイライブラリーである。
一部の実施形態では、ライブラリーは、少なくとも10、10、10、10、10、10、1010、1011の多様なメンバーを有する。
一部の態様では、本開示は、ヒト抗体関連ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示し、提示および発現し、または含み、さらに、多様な抗体ファミリーの少なくとも一部をまとめて提示し、提示および発現し、または含むベクターまたは遺伝子パッケージのライブラリー(Biblioteca 8)を特徴とする。ここで、ベクターまたは遺伝子パッケージは、重鎖(HC)CDR3をコードする多様化DNA配列を含み、HC CDR3は、
−X−X−X−X−X−X−X−X−X10−X11−X12−X13−X14であり、
は、G、D、V、E、A、S、R、L、I、H、T、またはQ、で、例えば、G:D:V:E:A:S:R:L:I:H:T:Qの比率は、217:185:84:83:71:68:58:43:33:28:25:20(ORCBU)であり;
は、G、R、S、L、P、V、A、T、D、K、N、Q、またはI、で、例えば、G:R:S:L:P:V:A:T:D:K:N:Q:Iの比率は、186:142:99:83:76:49:46:44:35:29:29:29:29(ORCBU)であり;
は、G、R、S、L、A、P、Y、V、W、T、またはD、で、例えば、G:R:S:L:A:P:Y:V:W:T:Dの比率は、203:130:92:61:60:54:52:48:48:42:36(ORCBU)であり;
は、G、S、R、L、A、W、Y、V、P、T、またはD、で、例えば、G:S:R:L:A:W:Y:V:P:T:Dの比率は、210:103:91:64:63:59:59:47:47:47:40(ORCBU)であり;
は、G、S、R、L、A、Y、W、D、T、P、またはV、で、例えば、G:S:R:L:A:Y:W:D:T:P:Vの比率は、190:96:89:71:64:59:59:56:46:43:42(ORCBU)であり;
は、G、S、R、D、L、A、P、Y、T、W、またはV、で、例えば、G:S:R:D:L:A:P:Y:T:W:Vの比率は、173:93:88:73:71:63:58:57:56:44:39(ORCBU)であり;
は、G、R、S、L、P、D、A、Y、T、W、またはV、で、例えば、G:R:S:L:P:D:A:Y:T:W:Vの比率は、179:92:86:74:70:69:56:55:44:41:39(ORCBU)であり;
は、G、S、R、L、D、P、Y、A、T、F、V、またはΔ(欠失)、で、例えば、G:S:R:L:D:P:Y:A:T:F:V:Δの比率は、141:94:93:83:78:69:65:59:47:41:41:*(ORCBU)であり;
は、G、S、R、L、D、P、Y、A、T、F、V、またはΔ、で、例えば、iG:S:R:L:D:P:Y:A:T:F:V:Δの比率は、141:94:93:83:78:69:65:59:47:41:41:*(ORCBU)であり;
10は、G、S、R、L、D、P、Y、A、T、F、V、またはΔ、で、例えば、G:S:R:L:D:P:Y:A:T:F:V:Δの比率は、141:94:93:83:78:69:65:59:47:41:41:*(ORCBU)であり;
11は、G、S、R、L、D、P、Y、A、T、F、V、またはΔ、で、例えば、G:S:R:L:D:P:Y:A:T:F:V:Δの比率は、141:94:93:83:78:69:65:59:47:41:41:*(ORCBU)であり;
12は、Fであり;
13は、Dであり;さらに
14は、Yである。
長さの比率を、Len10:Len11:Len12:Len13:Len14::n1:n2:n3:n4:n5とする。一部の実施形態では、n1=n2=n3=n4=n5=1である。一部の実施形態では、n1=1、n2=2、n3=4、n4=2、n5=1である。長さ分布に従って各位置でのデルタの割合が決まるが、この場合、各欠失可能位置で同じ確率で欠失するという条件下で、Δが許容される。長さ分布が1:2:4:2:1の場合は、xxxx(xはアミノ酸)のコピーが1つ、xxxd、xxdx、xdxx、dxxx(dは欠失)のコピーが2つ、xxdd、xdxd、xddx、dxxd、dxdx、およびddxxのコピーが4つ、xddd、dxdd、ddxd、およびdddxのコピーが2つ、さらにddddのコピーが1つ、必要である。位置1でxを含む変種は、(1+2*3+4*3+2*1)=21である。1位置1でdを含む変種は、(2+4*3+2*3+1)=21である。従って、各欠失可能位置でΔは、21/(21+21)=0.50の割合で存在するはずである。
一部の実施形態では、メンバーは、フレームワーク領域4(FR4)を含み、FR4は、JH4に同じである。
一部の実施形態では、多様性は、1.E6より大きい。一部の実施形態では、多様性は、1.E8より大きい。
一部の実施形態では、ライブラリーは、軽鎖(LC)CDR1、CDR2、および/またはCDR3に多様性を含む。一部の実施形態では、メンバーは、軽鎖(LC)CDR1、CDR2、および/またはCDR3に多様性を含む。
一部の実施形態では、メンバーは、HC CDR1および/またはCDR2に多様性を含む。
一部の実施形態では、メンバーは、HC FR3領域を含む。
一部の実施形態では、HC FR3領域の最後の位置はLysである。
一部の実施形態では、ライブラリーは、wobblingにより調製される。
一部の実施形態では、ライブラリーは、dobblingにより調製される。
一部の実施形態では、メンバーは、フレームワーク(FR)領域1〜4をさらにコードする。一部の実施形態では、FR領域1〜4は、3−23由来のFR領域1〜4に対応する。
一部の実施形態では、メンバーは、HC CDR1、HC CDR2およびFR領域1〜4をコードする。
一部の実施形態では、メンバーは、3−23HCフレームワークを含む。
一部の実施形態では、ライブラリーは、LC可変領域をさらに含む。
一部の実施形態では、ライブラリーは、多様なLC可変領域をコードするメンバーを含む。
一部の実施形態では、LC可変領域を含むメンバーは、A27LCフレームワークを含む。
一部の実施形態では、ライブラリーは、ディスプレイライブラリーで、例えば、ファージディスプレイライブラリーである。
一部の実施形態では、ライブラリーは、少なくとも10、10、10、10、10、10、1010、1011の多様なメンバーを有する。
一部の態様では、本開示は、ヒト抗体関連ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示し、提示および発現し、または含み、さらに、多様な抗体ファミリーの少なくとも一部をまとめて提示し、提示および発現し、または含むベクターまたは遺伝子パッケージのライブラリー(Biblioteca 9)を特徴とする。ここで、ベクターまたは遺伝子パッケージは、重鎖(HC)CDR3をコードする多様化DNA配列を含み、HC CDR3は、
−X−G−X−G−X−X−X−X−X10−X11−X12−X13−X14であり、
は、G、D、E、V、S、A、R、L、I、H、T、またはQ、で、例えば、G:D:V:E:A:S:R:L:I:H:T:Qの比率は、217:185:84:83:71:68:58:43:33:28:25:20(ORCBU)であり;
は、G、R、S、L、P、V、A、T、D、K、N、Q、またはI、で、例えば、G:R:S:L:P:V:A:T:D:K:N:Q:Iの比率は、186:142:99:83:76:49:46:44:35:29:29:29:29(ORCBU)であり;
は、Gであり;
は、G、S、R、L、A、W、Y、V、P、T、またはD、で、例えば、G:S:R:L:A:W:Y:V:P:T:Dの比率は、210:103:91:64:63:59:59:47:47:47:40(ORCBU)であり;
は、Gであり;
は、G、S、R、D、L、A、P、Y、T、W、またはV、で、例えば、G:S:R:D:L:A:P:Y:T:W:Vの比率は、173:93:88:73:71:63:58:57:56:44:39(ORCBU)であり;
は、同じ頻度でRまたは欠けて(Δ)おり;
は、G、S、R、L、D、P、Y、A、T、F、V、またはΔ、で、例えば、G:S:R:L:D:P:Y:A:T:F:V:Δの比率は、141:94:93:83:78:69:65:59:47:41:41:*(ORCBU)であり;
は、Xと同じであり;
10は、Xと同じであり;
11は、Xと同じであり;
12は、Fであり;
13は、Dであり;さらに
14は、Yである。
長さ分布を、例えば、Len9:Len10:Len11:Len12:Len13:Len14::n1:n2:n3:n4:n5:n6とする。一部の実施形態では、n1=n2=n3=n4=n5=n6=1である。一部の実施形態では、n1=1、n2=2、n3=4、n4=4、n5=4、およびn6=4である。n1〜n6の他の値も使用可能である。デルタの比率(デルタが許容される場合)は、n1〜n6の値と各欠失可能位置で同じ頻度で欠失するという規則に従って決定される。
一部の実施形態では、メンバーは、フレームワーク領域4(FR4)を含み、FR4は、JH4と同じである。
一部の実施形態では、多様性は5E8である。
一部の実施形態では、多様性は9E8である。
一部の実施形態では、多様性は2E9である。
一部の実施形態では、ライブラリーは、軽鎖(LC)CDR1、CDR2、および/またはCDR3に多様性を含む。一部の実施形態では、メンバーは、軽鎖(LC)CDR1、CDR2、および/またはCDR3に多様性を含む。
一部の実施形態では、メンバーは、HC CDR1および/またはCDR2に多様性を含む。
一部の実施形態では、メンバーは、HC FR3領域を含む。
一部の実施形態では、HC FR3領域の最後の位置はLysである。
一部の実施形態では、ライブラリーは、wobblingにより調製される。
一部の実施形態では、ライブラリーは、dobblingにより調製される。
一部の実施形態では、メンバーは、フレームワーク(FR)領域1〜4をさらにコードする。一部の実施形態では、FR領域1〜4は、3−23由来のFR領域1〜4に対応する。
一部の実施形態では、メンバーは、HC CDR1、HC CDR2およびFR領域1〜4をコードする。
一部の実施形態では、メンバーは、3−23HCフレームワークを含む。
一部の実施形態では、ライブラリーは、LC可変領域をさらに含む。
一部の実施形態では、ライブラリーは、多様なLC可変領域をコードするメンバーを含む。
一部の実施形態では、LC可変領域を含むメンバーは、A27LCフレームワークを含む。
一部の実施形態では、ライブラリーは、ディスプレイライブラリーで、例えば、ファージディスプレイライブラリーである。
一部の実施形態では、ライブラリーは、少なくとも10、10、10、10、10、10、1010、1011の多様なメンバーを有する。
一部の態様では、本開示は、ヒト抗体関連ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示し、提示および発現し、または含み、さらに、多様な抗体ファミリーの少なくとも一部をまとめて提示し、提示および発現し、または含むベクターまたは遺伝子パッケージのライブラリー(Biblioteca 10)を特徴とする。ここで、ベクターまたは遺伝子パッケージは、重鎖(HC)CDR3をコードする多様化DNA配列を含み、HC CDR3は、
−X−X−X−X−X−X−X−X−X10−X11−X12−X13−X14−X15−X16であり、
は、D、G、V、E、A、S、R、L、T、H、P、またはΔ(欠失)、で、例えば、D:G:V:E:A:S:R:L:T:H:P:Δの比率は、214:192:92:90:86:52:50:39:32:32:25:*(ORCBU)であり;
は、G、R、P、L、S、A、V、T、K、D、Q、またはΔ、で、例えば、G:R:P:L:S:A:V:T:K:D:Q:Δの比率は、171:153:107:83:81:51:40:40:34:32:30:*(ORCBU)であり;
は、Y、G、D、R、H、P、S、L、N、A、またはI、で、例えば、Y:G:D:R:H:P:S:L:N:A:Iの比率は、30:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1(ORCBU)であり;
は、Y、G、S、F、L、D、E、P、A、R、またはH、で、例えば、Y:G:S:F:L:D:E:P:A:R:Hの比率は、30:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1(ORCBU)であり;
は、Dであり;
は、Sであり;
は、Sであり;
は、G、A、D、P、V、L、S、R、T、Y、またはN、で、例えば、G:A:D:P:V:L:S:R:T:Y:Nの比率は、30:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1(ORCBU)であり;
は、Y、P、L、S、W、H、R、F、D、G、N、で、例えば、Y:P:L:S:W:H:R:F:D:G:Nの比率は、30:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1(ORCBU)であり;
10は、Y、S、P、L、R、F、G、W、H、D、V、で、例えば、Y:S:P:L:R:F:G:W:H:D:Vの比率は、30:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1(ORCBU)であり;
11は、Gであり;
12は、G、P、D、R、S、L、A、N、H、T、Y、またはΔ、で、例えば、G:P:D:R:S:L:A:N:H:T:Y:Δの比率は、185:101:96:92:88:67:48:43:36:35:33:*(ORCBU)であり;
13は、G、D、R、P、S、N、L、A、Y、V、T、またはΔ、で、例えば、G:D:R:P:S:N:L:A:Y:V:T:Δの比率は、204:103:96:78:72:67:67:45:42:36:34:*(ORCBU)であり;
14は、Fであり;
15は、Dであり;さらに
16は、Yである。
長さ分布を、例えば、Len12:Len13:Len14:Len15:Len16::n1:n2:n3:n4:n5とする。一部の実施形態では、n1=n2=n3=n4=n5=1である。一部の実施形態では、n1=4、n2=4、n3=4、n4=2、n5=1である。Δの比率は、各欠失可能な位置で同頻度で欠失するという前提の下、長さ分布により求められる。唯一可能なN−X−(S/T)は、X〜X10の位置であり、その頻度は非常に低く、受入可能である。X位置でNをQに代えることができる。
一部の実施形態では、多様性は、3.3E9である。一部の実施形態では、多様性は、1.E6より大きい。
一部の実施形態では、多様性は、5E8より大きい。
一部の実施形態では、多様性は、2E9より大きい。
一部の実施形態では、ライブラリーは、軽鎖(LC)CDR1、CDR2、および/またはCDR3に多様性を含む。一部の実施形態では、メンバーは、軽鎖(LC)CDR1、CDR2、および/またはCDR3に多様性を含む。
一部の実施形態では、メンバーは、HC CDR1および/またはCDR2に多様性を含む。
一部の実施形態では、メンバーは、HC FR3領域を含む。
一部の実施形態では、HC FR3領域の最後の位置はLysである。
一部の実施形態では、ライブラリーは、wobblingにより調製される。
一部の実施形態では、ライブラリーは、dobblingにより調製される。
一部の実施形態では、メンバーは、フレームワーク(FR)領域1〜4をさらにコードする。一部の実施形態では、FR領域1〜4は、3−23由来のFR領域1〜4に対応する。
一部の実施形態では、メンバーは、HC CDR1、HC CDR2およびFR領域1〜4をコードする。
一部の実施形態では、メンバーは、3−23HCフレームワークを含む。
一部の実施形態では、ライブラリーは、LC可変領域をさらに含む。
一部の実施形態では、ライブラリーは、多様なLC可変領域をコードするメンバーを含む。
一部の実施形態では、LC可変領域を含むメンバーは、A27LCフレームワークを含む。
一部の実施形態では、ライブラリーは、ディスプレイライブラリーで、例えば、ファージディスプレイライブラリーである。
一部の実施形態では、ライブラリーは、少なくとも10、10、10、10、10、10、1010、1011の多様なメンバーを有する。
一部の態様では、本開示は、ヒト抗体関連ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示し、提示および発現し、または含み、さらに、多様な抗体ファミリーの少なくとも一部をまとめて提示し、提示および発現し、または含むベクターまたは遺伝子パッケージのライブラリー(Biblioteca 11)を特徴とする。ここで、ベクターまたは遺伝子パッケージは、重鎖(HC)CDR3をコードする多様化DNA配列を含み、HC CDR3は、
−X−X−X−X−X−X−X−X−X10−X11−X12−X13−X14−X15−X16−X17−X18−X19であり、
は、D、G、V、E、A、S、R、L、T、H、P、またはΔ(欠失)、で、例えば、D:G:V:E:A:S:R:L:T:H:P:Δの比率は、214:192:92:90:86:52:50:39:32:32:25:*(ORCBU)であり;
isG、R、P、L、S、A、V、T、K、D、Q、またはΔ、で、例えば、G:R:P:L:S:A:V:T:K:D:Q:Δの比率は、171:153:107:83:81:51:40:40:34:32:30:*(ORCBU)であり;
は、Gまたは、所定の長さ分布により定まる比率のΔであり;
は、Gまたは、所定の長さ分布により定まる比率のΔであり;
は、Y、G、S、F、L、D、E、P、A、R、またはH、で、例えば、Y:G:S:F:L:D:E:P:A:R:Hの比率は、30:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1(ORCBU)であり;
は、Dであり;
は、Sであり;
は、Sであり;
は、Gであり;
10は、Yであり;
11は、Y、S、P、L、R、F、G、W、H、D、またはV、で、例えば、Y:S:P:L:R:F:G:W:H:D:Vの比率は、50:5:5:5:5:5:5:5:5:5:5(ORCBU)であり;
12は、Y、P、S、G、R、F、L、D、H、W、またはV、で、例えば、Y:P:S:G:R:F:L:D:H:W:Vの比率は、50:5:5:5:5:5:5:5:5:5:5(ORCBU)であり;
13は、G、R、S、L、D、P、A、T、F、I、Y、またはΔ、で、例えば、G:R:S:L:D:P:A:T:F:I:Y:Δの比率は、5:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1:15(ORCBU)であり;
14は、Gまたは、所定の長さ分布により定まる比率のΔであり;
15は、X13に同じであり;
16は、X13に同じであり;
17は、F、G、P、S、R、D、L、A、T、N、またはH、で、例えば、F:G:P:S:R:D:L:A:T:N:Hの比率は、500:103:66:62:61:52:45:32:28:28:22(ORCBU)であり;
18は、Dであり;さらに
19は、Yである。
長さ分布を、例えば、Len15:Len16:Len17:Len18:Len19::n1:n2:n3:n4:n5とする。一部の実施形態では、n1=n2=n3=n4=n5=1である。一部の実施形態では、n1=10、n2=8、n3=6、n4=4、およびn5=1である。n1〜n5の他の値も使用可能である。Δが許容される位置でのΔの比率は、各欠失可能位置では、同じ頻度で欠失が起こるという前提の下で、長さ分布により求められる。このライブラリーでは、N−X−(S/T)は生じない。
一部の実施形態では、X17は、Fである。
一部の実施形態では、HC CDR3の多様性は、1.E6より大きい。
一部の実施形態では、HC CDR3の多様性は、5E8である。
一部の実施形態では、HC CDR3の多様性は、2E9である。
一部の実施形態では、HC CDR3の多様性は、2.6E9である。
一部の実施形態では、ライブラリーは、軽鎖(LC)CDR1、CDR2、および/またはCDR3に多様性を含む。
一部の実施形態では、メンバーは、HC CDR1および/またはCDR2に多様性を含む。
一部の実施形態では、メンバーは、HC FR3領域を含む。
一部の実施形態では、HC FR3領域の最後の位置はLysである。
一部の実施形態では、ライブラリーは、wobblingにより調製される。
一部の実施形態では、ライブラリーは、dobblingにより調製される。
一部の実施形態では、FR領域1〜4は、3−23由来のFR領域1〜4に対応する。
一部の実施形態では、メンバーは、HC CDR1、HC CDR2およびFR領域1〜4をコードする。
一部の実施形態では、メンバーは、3−23HCフレームワークを含む。
一部の実施形態では、ライブラリーは、LC可変領域をさらに含む。
一部の実施形態では、ライブラリーは、多様なLC可変領域をコードするメンバーを含む。
一部の実施形態では、LC可変領域を含むメンバーは、A27LCフレームワークを含む。
一部の実施形態では、ライブラリーは、ディスプレイライブラリーで、例えば、ファージディスプレイライブラリーである。
一部の実施形態では、ライブラリーは、少なくとも10、10、10、10、10、10、1010、1011の多様なメンバーを有する。
一部の態様では、本開示は、ヒト抗体関連ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示し、提示および発現し、または含み、さらに、多様な抗体ファミリーの少なくとも一部をまとめて提示し、提示および発現し、または含むベクターまたは遺伝子パッケージのライブラリー(Biblioteca 12)を特徴とする。ここで、ベクターまたは遺伝子パッケージは、重鎖(HC)CDR3をコードする多様化DNA配列を含み、HC CDR3は、
−X−X−X−X−X−X−X−X−X10−X11−X12−X13であり、
は、D、G、V、E、A、S、R、L、T、H、P、またはΔ(欠失)、で、例えば、D:G:V:E:A:S:R:L:T:H:P:Δの比率は、214:192:92:90:86:52:50:39:32:32:25:*(ORCBU)であり;
は、G、R、P、L、S、A、V、T、K、D、Q、またはΔ、で、例えば、G:R:P:L:S:A:V:T:K:D、:Q:Δの比率は、171:153:107:83:81:51:40:40:34:32:30:*(ORCBU)であり;
は、D、G、P、L、S、N、A、H、F、R、T、またはV、で、例えば、D:G:P:L:S:N:A:H:F:R:T:Vの比率は、10:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1(ORCBU)であり;
は、Yであり;
は、Gであり;
は、Dであり;
は、Y、F、L、S、H、G、P、A、R、D、またはE、で、例えば、Y:F:L:S:H:G:P:A:R:D:Eの比率は、10:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1(ORCBU)であり;
は、G、R、S、L、D、P、A、T、F、I、Y、またはΔ、で、例えば、G:R:S:L:D:P:A:T:F:I:Y:Δの比率は、5:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1:*(ORCBU)であり;
は、Xと同じであり;
10は、A、F、G、P、S、R、D、L、T、N、またはH、で、例えば、A:F:G:P:S:R:D:L:T:N:Hの比率は、10:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1(ORCBU)であり;
11は、Fであり;
12は、Dであり;さらに
13は、Iである。
長さ分布を、例えば、Len10:Len11:Len12:Len13::n1:n2:n3:n4とする。一部の実施形態では、n1=n2=n3=n4=1である。一部の実施形態では、n1=1、n2=3、n3=6、n4=6である。n1〜n4の他の値も使用可能である。欠失可能位置でのΔの比率は、各欠失可能位置では同じ頻度で欠失が起こるという前提の下で、長さ分布により求められる。
一部の実施形態では、メンバーは、フレームワーク領域4(FR4)を含み、FR4は、JH3と同じである。
一部の実施形態では、多様性は、1.E6よりも大きい。一部の実施形態では、多様性は、3E7である。
一部の実施形態では、多様性は、3E8である。
一部の実施形態では、ライブラリーは、軽鎖(LC)CDR1、CDR2、および/またはCDR3に多様性を含む。一部の実施形態では、メンバーは、軽鎖(LC)CDR1、CDR2、および/またはCDR3に多様性を含む。
一部の実施形態では、メンバーは、HC CDR1および/またはCDR2に多様性を含む。
一部の実施形態では、メンバーは、HC FR3領域を含む。
一部の実施形態では、HC FR3領域の最後の位置はLysである。
一部の実施形態では、ライブラリーは、wobblingにより調製される。
一部の実施形態では、ライブラリーは、dobblingにより調製される。
一部の実施形態では、メンバーは、フレームワーク(FR)領域1〜4をさらにコードする。一部の実施形態では、FR領域1〜4は、3−23由来のFR領域1〜4に対応する。
一部の実施形態では、メンバーは、HC CDR1、HC CDR2およびFR領域1〜4をコードする。
一部の実施形態では、メンバーは、3−23HCフレームワークを含む。
一部の実施形態では、ライブラリーは、LC可変領域をさらに含む。
一部の実施形態では、ライブラリーは、多様なLC可変領域をコードするメンバーを含む。
一部の実施形態では、LC可変領域を含むメンバーは、A27LCフレームワークを含む。
一部の実施形態では、ライブラリーは、ディスプレイライブラリーで、例えば、ファージディスプレイライブラリーである。
一部の実施形態では、ライブラリーは、少なくとも10、10、10、10、10、10、1010、1011の多様なメンバーを有する。
一部の態様では、本開示は、ヒト抗体関連ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示し、提示および発現し、または含み、さらに、多様な抗体ファミリーの少なくとも一部をまとめて提示し、提示および発現し、または含むベクターまたは遺伝子パッケージのライブラリー(Biblioteca 13)を特徴とする。ここで、ベクターまたは遺伝子パッケージは、重鎖(HC)CDR3をコードする多様化DNA配列を含み、HC CDR3は、
−X−X−X−X−X−X−X−X−X10−X11−X12−X13であり:
は、D、G、V、E、A、S、R、L、T、H、P、またはΔ、で、例えば、D:G:V:E:A:S:R:L:T:H:P:Δの比率は、214:192:92:90:86:52:50:39:32:32:25:*(ORCBU)であり;
は、G、R、P、L、S、A、V、T、K、D、Q、またはΔ、で、例えば、G:R:P:L:S:A:V:T:K:D:Q:Δの比率は、171:153:107:83:81:51:40:40:34:32:30:*(ORCBU)であり;
は、G、P、R、S、T、W、A、D、L、E、またはK、で、例えば、G:P:R:S:T:W:A:D:L:E:Kの比率は、10:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1(ORCBU)であり;
は、Y、G、D、R、S、F、A、V、P、L、またはE、で、例えば、Y:G:D:R:S:F:A:V:P:L:Eの比率は、10:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1(ORCBU)であり;
は、Sであり;
は、Sであり;
は、S、G、R、D、N、P、A、V、Y、T、またはL、で、例えば、S:G:R:D:N:P:A:V:Y:T:Lの比率は、10:10:1:1:1:1:1:1:1:1:1(ORCBU)であり;
は、Wであり;
は、Y、S、G、D、P、R、A、F、H、K、またはT、で、例えば、Y:S:G:D:P:R:A:F:H:K:Tの比率は、10:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1(ORCBU)であり;
10は、Y、P、S、G、R、L、T、F、A、D、またはK、で、例えば、Y:P:S:G:R:L:T:F:A:D:Kの比率は、10:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1(ORCBU)、またはX10は、Y、P、S、G、R、L、T、F、A、D、K、もしくはΔで、Y:P:S:G:R:L:T:F:A:D:K:Δの比率は、10:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1:*(ORCBU)であり;
11は、Fであり;
12は、Dであり;さらに
13は、Lである。
長さ分布を、例えば、Len10:Len11:Len12:Len13::n1:n2:n3:n4とする。一部の実施形態では、n1=n2=n3=n4=1である。一部の実施形態では、n1=1、n2=2、n3=4、およびn4=8である。各欠失可能位置でのΔの比率は、各欠失可能位置では同じ頻度で欠失が起こるという前提の下で、長さ分布により求められる。
一部の実施形態では、X10は、Y、P、S、G、R、L、T、F、A、D、またはK、で、例えば、Y:P:S:G:R:L:T:F:A:D:Kの比率は、10:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1(ORCBU)である。
一部の実施形態では、X10は、Y、P、S、G、R、L、T、F、A、D、K、またはΔ、で、例えば、Y:P:S:G:R:L:T:F:A:D:K:Δの比率は、10:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1:*(ORCBU)である。
一部の実施形態では、メンバーは、フレームワーク領域4(FR4)を含み、FR4は、JH2と同じである。
一部の実施形態では、多様性は、1.E6より大きい。一部の実施形態では、多様性は、2.3E7である。
一部の実施形態では、ライブラリーは、軽鎖(LC)CDR1、CDR2、および/またはCDR3に多様性を含む。一部の実施形態では、メンバーは、軽鎖(LC)CDR1、CDR2、および/またはCDR3に多様性を含む。
一部の実施形態では、メンバーは、HC CDR1および/またはCDR2に多様性を含む。
一部の実施形態では、メンバーは、HC FR3領域を含む。
一部の実施形態では、HC FR3領域の最後の位置はLysである。
一部の実施形態では、ライブラリーは、wobblingにより調製される。
一部の実施形態では、ライブラリーは、dobblingにより調製される。
一部の実施形態では、メンバーは、フレームワーク(FR)領域1〜4をさらにコードする。一部の実施形態では、FR領域1〜4は、3−23由来のFR領域1〜4に対応する。
一部の実施形態では、メンバーは、HC CDR1、HC CDR2およびFR領域1〜4をコードする。
一部の実施形態では、メンバーは、3−23HCフレームワークを含む。
一部の実施形態では、ライブラリーは、LC可変領域をさらに含む。
一部の実施形態では、ライブラリーは、多様なLC可変領域をコードするメンバーを含む。
一部の実施形態では、LC可変領域を含むメンバーは、A27LCフレームワークを含む。
一部の実施形態では、ライブラリーは、ディスプレイライブラリーで、例えば、ファージディスプレイライブラリーである。
一部の実施形態では、ライブラリーは、少なくとも10、10、10、10、10、10、1010、1011の多様なメンバーを有する。
一部の態様では、本開示は、ヒト抗体関連ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示し、提示および発現し、または含み、さらに、多様な抗体ファミリーの少なくとも一部をまとめて提示し、提示および発現し、または含むベクターまたは遺伝子パッケージのライブラリー(Biblioteca 14)を特徴とする。ここで、ベクターまたは遺伝子パッケージは、重鎖(HC)CDR3をコードする多様化DNA配列を含み、HC CDR3は、
−X−X−X−X−X−X−X−X−X10−X11−X12−X13−X14−X15−X16−X17であり:
は、D、G、V、E、A、S、R、L、T、H、P、またはΔ(欠失)、で、例えば、D:G:V:E:A:S:R:L:T:H:P:Δの比率は、214:192:92:90:86:52:50:39:32:32:25:*(ORCBU)であり;
は、G、R、P、L、S、A、V、T、K、D、Q、またはΔ、で、例えば、G:R:P:L:S:A:V:T:K:D:Q:Δの比率は、171:153:107:83:81:51:40:40:34:32:30:* (ORCBU) であり;
は、G、R、P、S、T、E、H、V、Y、A、L、またはΔ、で、例えば、G:R:P:S:T:E:H:V:Y:A:L:Δの比率は、20:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1:*(ORCBU)であり;
は、Y、D、G、H、P、N、R、S、V、A、またはL、で、例えば、Y:D:G:H:P:N:R:S:V:A:Lの比率は、20:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1(ORCBU)であり;
は、Cys;
は、S、G、D、R、T、Y、F、L、N、V、またはW、で、例えば、S:G:D:R:T:Y:F:L:N:V:Wの比率は、20:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1(ORCBU)であり;
は、G、S、D、R、T、Y、F、L、N、V、またはW、で、例えば、G:S:D:R:T:Y:F:L:N:V:Wの比率は、20:20:1:1:1:1:1:1:1:1:1(ORCBU)であり;
は、G、T、D、R、S、Y、F、L、N、V、またはW、で、例えば、G:T:D:R:S:Y:F:L:N:V:Wの比率は、20:20:1:1:1:1:1:1:1:1:1(ORCBU)であり;
は、S、G、T、D、R、Y、F、L、N、V、またはW、で、例えば、S:G:T:D:R:Y:F:L:N:V:Wの比率は、20:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1(ORCBU)であり;
10は、Cysであり;
11は、Y、F、W、D、R、S、H、A、L、N、またはK、で、例えば、Y:F:W:D:R:S:H:A:L:N:Kの比率は、20:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1(ORCBU)であり;
12は、S、G、T、R、A、D、Y、W、P、L、F、またはΔ、で、例えば、S:G:T:R:A:D:Y:W:P:L:F:Δof20:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1:*(ORCBU)であり;
13は、G、R、S、L、D、P、A、T、F、I、Y、またはΔ、で、例えば、G:R:S:L:D:P:A:T:F:I:Y:Δの比率は、5:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1:*(ORCBU)であり;
14は、X13と同じであり;
15は、Fであり;
16は、Dであり;さらに
17は、Lである。
長さ分布を、例えば、Len12:Len13:Len14:Len15:Len16:Len17::n1:n2:n3:n4:n5:n6とする。一部の実施形態では、n1=n2=n3=n4=n5=n6=1である。一部の実施形態では、n1=10、n2=10、n3=8、n4=8、n5=6、およびn6=3である。各欠失可能位置でのΔの比率は、各欠失可能位置では同じ頻度で欠失が起こるという前提の下で、長さ分布により求められる。
一部の実施形態では、メンバーは、フレームワーク領域4(FR4)を含み、FR4は、JH2と同じである。
一部の実施形態では、多様性は、1.E6より大きい。一部の実施形態では、多様性は、1.E9である。
一部の実施形態では、多様性は、1.E10である。
一部の実施形態では、ライブラリーは、軽鎖(LC)CDR1、CDR2、および/またはCDR3に多様性を含む。一部の実施形態では、メンバーは、軽鎖(LC)CDR1、CDR2、および/またはCDR3に多様性を含む。
一部の実施形態では、メンバーは、HC CDR1および/またはCDR2に多様性を含む。
一部の実施形態では、メンバーは、HC FR3領域を含む。
一部の実施形態では、HC FR3領域の最後の位置はLysである。
一部の実施形態では、ライブラリーは、wobblingにより調製される。
一部の実施形態では、ライブラリーは、dobblingにより調製される。
一部の実施形態では、メンバーは、フレームワーク(FR)領域1〜4をさらにコードする。一部の実施形態では、FR領域1〜4は、3−23由来のFR領域1〜4に対応する。
一部の実施形態では、メンバーは、HC CDR1、HC CDR2およびFR領域1〜4をコードする。
一部の実施形態では、メンバーは、3−23HCフレームワークを含む。
一部の実施形態では、ライブラリーは、LC可変領域をさらに含む。
一部の実施形態では、ライブラリーは、多様なLC可変領域をコードするメンバーを含む。
一部の実施形態では、LC可変領域を含むメンバーは、A27LCフレームワークを含む。
一部の実施形態では、ライブラリーは、ディスプレイライブラリーで、例えば、ファージディスプレイライブラリーである。
一部の実施形態では、ライブラリーは、少なくとも10、10、10、10、10、10、1010、1011の多様なメンバーを有する。
一部の態様では、本開示は、ヒト抗体ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示し、提示および発現し、または含み、さらに、多様な抗体ファミリーの少なくとも一部をまとめて提示し、提示および発現し、または含むベクターまたは遺伝子パッケージのライブラリーを特徴とする。ここで、ベクターまたは遺伝子パッケージは、重鎖(HC)CDR3をコードする多様化DNA配列を含み、また、ライブラリーのHC CDR3は、本明細書記載のHC CDR3ライブラリーの組み合わせである。例えば、ライブラリーは、Biblioteca 5、Bioblioteca 6、Biblioteca 99、Biblioteca 100、Biblioteca 101、Biblioteca 102、Biblioteca 7、Biblioteca8、Biblioteca 9、Biblioteca 10、Biblioteca 11、Biblioteca 12、Biblioteca 13および/またはBiblioteca 14、由来のHC CDR3を有するメンバーを含む(または、それから構成される)。一実施形態では、ライブラリーのメンバーは、次のライブラリー由来のHC CDR3を有する:Biblioteca 5、6および7;Biblioteca 6、99および100;Biblioteca 99、100、および101;Biblioteca 100、101および102;Biblioteca 7、8および9;Biblioteca 10、11および12;ならびにBiblioteca 12、13および14。
一部の実施形態では、メンバーは、フレームワーク領域4(FR4)を含み、FR4は、JH2と同じである。
一部の実施形態では、多様性は、1.E6より大きい。一部の実施形態では、多様性は、1.E9である。
一部の実施形態では、多様性は、1.E10である。
一部の実施形態では、ライブラリーは、軽鎖(LC)CDR1、CDR2、および/またはCDR3に多様性を含む。一部の実施形態では、メンバーは、軽鎖(LC)CDR1、CDR2、および/またはCDR3に多様性を含む。
一部の実施形態では、メンバーは、HC CDR1および/またはCDR2に多様性を含む。
一部の実施形態では、メンバーは、HC FR3領域を含む。
一部の実施形態では、HC FR3領域の最後の位置はLysである。
一部の実施形態では、ライブラリーは、wobblingにより調製される。
一部の実施形態では、ライブラリーは、dobblingにより調製される。
一部の実施形態では、メンバーは、フレームワーク(FR)領域1〜4をさらにコードする。一部の実施形態では、FR領域1〜4は、3−23由来のFR領域1〜4に対応する。
一部の実施形態では、メンバーは、HC CDR1、HC CDR2およびFR領域1〜4をコードする。
一部の実施形態では、メンバーは、3−23HCフレームワークを含む。
一部の実施形態では、ライブラリーは、LC可変領域をさらに含む。
一部の実施形態では、ライブラリーは、多様なLC可変領域をコードするメンバーを含む。
一部の実施形態では、LC可変領域を含むメンバーは、A27LCフレームワークを含む。
一部の実施形態では、ライブラリーは、ディスプレイライブラリーで、例えば、ファージディスプレイライブラリーである。
一部の実施形態では、ライブラリーは、少なくとも10、10、10、10、10、10、1010、1011の多様なメンバーを有する。
一部の態様では、本開示は、本明細書記載のライブラリー、例えば、実施例に記載のライブラリーを特徴とする。
また、上記ライブラリーの作成および選別方法ならびにこのような選別により得られたHC CDR3および抗体が提供される。これらの方法を実施するための組成物とキットも、また、本明細書で記載される。
一部の態様では、本開示は、ヒト抗体ペプチド、ポリペプチドおよびタンパク質の多様なファミリー(例えば、多様な抗体ファミリー)のメンバーを提示し、提示および発現し、または含み、さらに、多様なファミリーの少なくとも一部をまとめて提示し、提示および発現し、または含むベクターまたは遺伝子パッケージのフォーカストライブラリー(focused library)を特徴とする。ここで、ベクターまたは遺伝子パッケージは、重鎖(HC)CDR3、例えば、本明細書記載のHC CDR3をコードする多様化DNA配列を含む。
一部の実施形態では、HC CDR3は、D領域(例えば、多様化D領域)(またはその断片(例えば、3以上のD領域、例えば、多様化D領域、のアミノ酸、))および/またはJH領域(例えば、伸張JH領域)由来のアミノ酸を含む。一部の実施形態では、HC CDR3は、0〜4のVD fill残基、D領域由来の3〜10残基、0〜4のDJ fill残基、および0〜9のJstump残基を含む。一部の実施形態では、D領域由来の3〜10残基が多様化される。一部の実施形態では、多様性は、D領域由来のアミノ酸タイプがその位置で最も多く出現するタイプであるように作られる。
一部の実施形態では、ライブラリー(例えば、そのベクターまたは遺伝子パッケージ)は、D領域またはD領域の断片(例えば、そこで、領域がJH領域に隣接する)を含む。
一部の実施形態では、ライブラリーは、JH領域、例えば、伸張JH領域を含む。他の実施形態では、JHのFR4部分のみが含まれる。
一部の実施形態では、HC CDR3は、D領域またはD領域の断片(例えば、そこで、領域がJH領域に隣接する)由来のアミノ酸を含む。
一部の実施形態では、D領域は、D3−22.2、D3−3.2、D6−19.1、D3−10.2、D6−13.1、D5−18.3、D3−10.1、D6−13.2、D1−26.3、D3−10.1、D3−16.2、D4−17.2、D6−19.2、D3−10.3、D3−9.2、D5−12.3、D2−15.2、D6−6.1、D1−26.1、D2−2.2、D6−6.2、D2−2.3、D4−23.2、D5−24.3、D3−3.3、D3−3.1、D1−7.3、およびD6−19.3、からなる群より選択される。
Dセグメント、Dセグメントの断片、多様化Dセグメント、または多様化Dセグメントの断片、を含む一部の実施形態では、FR3およびDセグメントまたはその断片の間にVD fillがある。Dセグメント、Dセグメントの断片、多様化Dセグメント、または多様化Dセグメントの断片、を含む一部の実施形態では、FR3およびDセグメントまたはその断片の間にVD fillがない。
Dセグメント、Dセグメントの断片、多様化Dセグメント、または多様化Dセグメントの断片、を含む一部の実施形態では、Dセグメントまたはその断片およびJH領域の間にDJ fillがある。Dセグメント、Dセグメントの断片、多様化Dセグメント、または多様化Dセグメントの断片、を含む一部の実施形態では、Dセグメントまたはその断片およびJH領域の間にDJ fillがある。
一実施形態では、ライブラリーは、いくつかのサブライブラリーを含む。例えば、ライブラリーは、次のメンバーを有する、例えば、5X10の多様性のサブライブラリーを含むことができる:
1)例えば、10のLC、例えば、多様化VKIII A27LC、のプール由来の抽出検体、
2)例えば、10のHC CDR1およびCDR2のプール由来の抽出検体、ならびに
3)FR3::X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10−X11−X12−X13::FR4を含むHC CDR3多様性(Biblioteca 15)。ここで、X1−...−X6は、天然のVJ fill領域で観察されるアミノ酸を有することが許容され、X7−X8−X9−X10は、VJ fill由来か、または欠けており、さらにX11〜X13は、FR4の形成に使われるJHのJstumpの残基7、8、および9に対応する。この成分は、選択可能な比率の10、11、12、および13のCDR3長さを有する。例えば、比率は、1:2:2;2に設定可能である。第2の成分は、LCおよびHC CDR1&2の同じプールから形成され、一方、HC CDR3は、(Biblioteca 16)FR3::X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10−X11−X12−X13−X14−X15−X16::FR4の形を有する。ここで、X1−X2は、VD fill分布から取り込むか、またはそれぞれ独立に、欠けており、X3−X11は、多様化Dセグメントであり、X12−X13は、DJ fill分布から取り込むか、それぞれ欠けており、さらにX14−X15−X16は、例えば、JH4のJstumpであり、さらにFR4は、JH4に適合する。第3の成分(Biblioteca 16)は、異なるDセグメントおよび異なる分布のVDおよびDJ fill残基を有しうる。
一部の実施形態では、HC CDR3は、JH領域由来のアミノ酸を含む。JH領域は、伸張JH領域であってもよい。一部の実施形態では、伸張JH領域は、JH1、JH2、JH3、JH4、JH5、およびJH6からなる群より選択される。
一部の実施形態では、D領域は、1つまたは複数のシステイン(Cys)残基を含み、一部の実施形態では、1つまたは複数のCys残基は一定に保たれる(例えば、改変されない)。
一部の実施形態では、HC CDR3(例えば、HC CDR3をコードするDNA)は、FR3およびD領域の間に1つまたは複数のVD fillコドンを含み、各VD fillコドンは、それぞれ、NNK、TMY、TMT、またはTMC(SもしくはYをコードするTMY、TMT、またはTMC)である。
一部の実施形態では、HC CDR3(例えば、HC CDR3をコードするDNA)は、D領域およびJHの間に1つまたは複数のフィリング(filling)コドンを含み、各フィリングコドンは、それぞれ、NNK、TMY、TMT、またはTMCである。
一部の実施形態では、ライブラリー(例えば、ライブラリーのベクターまたは遺伝子パッケージ)は、HC CDR1、HC CDR2、および/または軽鎖をさらに含み、さらに、HC CDR1、HC CDR2も多様性を含み、または軽鎖は、HC CDR1および/またはHC CDR2、および/または軽鎖(例えば、カッパまたはラムダ軽鎖)(それぞれ)に多様性を含む。例えば、HC CDR3多様性は、HC CDR1、HC CDR2、および/または軽鎖(LC)CDR1、LC、CDR2、および/またはLC CDR3中の多様性をベースに構築できる(例えば、ライブラリーメンバーはHC CDR3に多様性を含むことができ、また、HC CDR1および/またはHC CDR2、および/またはLC CDR1、LC CDR2、および/またはLC CDR3中に多様性を含むことができる)。例えば、軽鎖の多様性は、HC多様性と同じDNA分子にコードでき、またはLCおよびHCの多様性は、別々のDNA分子にコードできる。
一部の態様では、本開示は、ライブラリーを多様化する方法を提供し、その方法は、本明細書記載のライブラリーを変異誘発することを含む。
一部の実施形態では、変異誘発には、エラープローンPCRを含む。
一部の実施形態では、変異誘発には、wobblingを含む。
一部の実施形態では、変異誘発には、dobbling(下記で定義)を含む。
一部の実施形態では、変異誘発により、HC CDR3当たり、平均で約1〜約10変異(例えば、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10変異;例えば、塩基の改変)が導入される。
「Wobbling」は、元の配列が尊重されるようにして多様化DNAを作る方法である。元の配列が、例えば、GCTと一緒にコードされうるAlaを有する場合、混合物(0.7G、0.1A、0.1T、0.1C)を最初の位置に、(0.7C、0.1A、0.1T、0.1G)を第2の位置に、さらに(0.7T、0.1A、0.1G、0.1C)を第3の位置に使用できる。「ドーピング(doping)」の他の比率も使用できる。これにより、Alaを約50%の確率で出現させ、一方、V、D、G、T、P、およびSは、約7%の確率で出現する。他のAAタイプの出現頻度はもっと低い。
一部の態様では、本開示は、例えば、HC CDR1−2レパートリー(例えば、精製レパートリー)を維持し、合成HC CDR3および/またはLC多様性を構築することに関する。
一部の実施形態では、本開示は、wobblingにより多様化した重鎖(HC)CDR3を提示するカセット、例えば、表400に示すカセットを含むカセット、を提供する。
一部の態様では、本開示は、生殖系列フレームワーク領域を有する軽鎖のライブラリーを特徴とし、結合部位から離れた残基、または埋め込み側鎖を有する残基が一定になるようにCDRが改変される。一部の実施形態では、可変DNA合成方法は、(例えば、wobblingにより)生殖系列配列が最も可能性のあるものになるように使われる。
一部の態様では、本開示は、本明細書で開示の抗原結合可変領域をコードする多様なメンバーのライブラリーを特徴とする。
一部の実施形態では、メンバーは、フレームワーク(FR)領域1〜4をさらにコードする。一部の実施形態では、FR領域1〜4は、3−23由来のFR領域1〜4に対応する。
一部の実施形態では、メンバーは、HC CDR1、HC CDR2およびFR領域1〜4をコードする。
一部の実施形態では、メンバーは、3−23HCフレームワークを含む。
一部の実施形態では、ライブラリーは、LC可変領域をさらに含む。
一部の実施形態では、ライブラリーは、多様なLC可変領域をコードするメンバーを含む。
一部の実施形態では、LC可変領域を含むメンバーは、A27LCフレームワークを含む。
一部の実施形態では、ライブラリーは、ディスプレイライブラリーで、例えば、ファージディスプレイライブラリーである。
一部の実施形態では、ライブラリーは、少なくとも10、10、10、10、10、10、1010、1011の多様なメンバーを有する。
一部の実施形態では、LCのライブラリーは、種々の長さのLC CDR1を有する。一部の実施形態では、LCのライブラリーは、長さ11または12のLC CDR1を有する。一部の実施形態では、LCのライブラリーは、種々の長さのLC CDR2を有する。一部の実施形態では、LCのライブラリーは、長さ7または8のLC CDRを有する。一部の実施形態では、LCのライブラリーは、種々の長さのLC CDR3を有する。一部の実施形態では、LCのライブラリーは、長さ7、8、9、または10のLC CDR3を有する。一部の実施形態では、LC CDR1およびLC CDR3の長さは、改変される。一部の実施形態では、LC CDR1、LC CDR2、およびLC CDR3の長さが、改変される。一部の実施形態では、LC CDRの17の位置が改変され、実際のLCで見られるタイプに従って11のアミノ酸タイプを各改変位置に配置させる。一部の実施形態では、各改変位置で最も可能性のあるアミノ酸タイプは、生殖系列タイプである。
一部の実施形態では、ライブラリーは、対の制限酵素を使って構築され、対の内の1つの酵素は、少なくとも4塩基の5’オーバーハングを生成し、もう一方の酵素は、少なくとも4塩基の3’オーバーハングを生成する。
一部の態様では、本開示は、ライブラリーメンバーを選択する方法を特徴とし、本明細書記載のライブラリーを標的と接触させ、メンバーを前記標的に結合させ、さらに標的に結合したメンバーを回収することを含む。
これらの本発明の実施形態、他の実施形態、およびその特徴および特性は、以降の説明、図および請求項から明らかになるであろう。
詳細な説明
抗体(「Ab」)は、特定の標的に対するAbの親和性および特異性を決定に関与する領域にその多様性を集中させる。これらの領域は、配列および/または長さに関して多様化することができる。通常、それらは両方向で多様である。しかし、ヒト抗体ファミリー内では、配列および長さ両方における多様性は、真にランダムではない。むしろ、CDRの特定の位置では、一部のアミノ酸残基が優先され、あるCDR長さが優先される。これらの優先を伴う多様性により、抗体ファミリーの天然の多様性が説明される。
本発明の実施形態により、および下記でさらに十分に説明されるように、約3〜約35アミノ酸長さの重鎖(HC)CDR3を含む多様なヒト抗体ファミリーメンバーをコードするベクターおよび遺伝子パッケージのライブラリーを調製し使用することができる。特定の実施形態では、HC CDR3は、また、YおよびSがリッチでありおよび/または多様化D領域を含みうる。また、このようなHC CDR3を含むフォーカストライブラリーが提供される。
免疫細胞が抗体重鎖を構築する場合、VセグメントをDセグメントに連結し、DセグメントをJセグメントに連結する。Dセグメントは、任意選択であり、ヒトAbの約50%が認識可能なDセグメントを有する。細胞は、接合部位(V−対−D、D−対−J、またはV−対−J)で多くの塩基の削除および付加の両方の編集を行うことができるが、完全にランダムというわけではない。最初に、再構成された抗体は、細胞の表面に提示され、抗原(Ag)に結合すると、細胞は刺激され、体細胞変異を行って親和性を改善する。特定の場所が、持続性Agに対するより優れた結合剤の探索に際し、特定の一連の変異に充分耐えられるようにコードされたホットスポットが、免疫グロブリン生殖系列遺伝子中に存在する。元来、一部の変異は、フレームワーク位置にあるが、ほとんどは、相補性決定領域(CDR)中にある。高度の配列多様性のみならず、長さ多様性も示すことから、特に興味深いのは重鎖(HC)のCDR3である。CDRがランダムDNAで置換された抗体(Ab)ライブラリーを構築し、有用なAbが得られている。しかし、一部の治療用Abは、大きな抗原性を示す。ヒト生殖系列にさらに近いAbは、抗原性が少なくなる可能性がある。
定義
D領域によりコードされたアミノ酸配列およびその使用頻度を表20に示す。D領域遺伝子は、「D3−3」等の名前が付けられている。これらは、3つの順方向の読み枠のいずれかで使用できる。アミノ酸配列は、「D3−3.2」または「D3−3(2)」等の名称が付けられている(2つめの読み枠の使用を示す)。用語の「D領域」および「Dセグメント」は、同義に使用され、ヒト免疫グロブリン遺伝子の多様性領域によりコードされたDNAまたはアミノ酸配列を意味する。
本発明をさらに説明する前に、本明細書、実施例および添付の請求項に採用した特定の用語を、便宜上、ここで定義する。
単数形の「a」,「an」,および「the」は、文脈から別義が指示されていない限り、複数の参照を含む。
用語の「親和性」または「結合親和性」は、見かけの結合定数またはKを指す。Kは、解離定数(K)の逆数である。結合タンパク質は、例えば、特定の標的分子に対し少なくとも10、10、10、10、10、1010および1011−1の結合親和性を有しうる。第2の標的に比べ、第1の標的に対する結合タンパク質のより大きい親和性結合は、第2の標的に対するK(Kの数値)よりも第1の標的に対する結合で大きいK(または、より小さいKの数値)により示すことができる。このようなケースでは、結合タンパク質は、第2の標的(例えば、第2の高次構造の同じタンパク質またはその模倣体;または第2のタンパク質)に比べ、第1の標的(例えば、第1の高次構造のタンパク質またはその模倣体)に対し特異性がある。結合親和性の差(例えば、特異性または他の比較に対して)は、少なくとも1.5、2、3、4、5、10、15、20、37.5、50、70、80、91、100、500、1000、または10倍であってもよい。
結合親和性は、平衡透析、平衡結合、ゲル濾過、ELISA、表面プラズモン共鳴、または分光法(例えば、蛍光アッセイを使って)を含む種々の方法により測定できる。結合親和性を測定するための代表的条件は、トリス緩衝液(pH7.5の50mMトリス、150mM NaCl、5mM CaCl)を使用するものである。これらの技術は、結合タンパク質(または標的)濃度の関数として、結合しているおよび遊離の結合タンパク質の濃度を測定するために使用可能である。結合している結合タンパク質([Bound])の濃度は、遊離の結合タンパク質([Free])の濃度および標的上の結合タンパク質に対する結合部位の濃度と、(N)を標的分子当たりの結合部位の数として、次の式により、関係付けられる。
[Bound]=N・[Free]/((1/K)+[Free])
例えば、ELISAまたはFACS分析のような方法を使って測定した場合のように、親和性の定量的測定値を得るには十分な場合もあるので、Kの正確な測定を行うことがいつでも必要なわけではないが、その測定値はKに比例するため、比較、例えば、より高い親和性の例えば、2倍高い親和性であるかどうかの判定を行い、例えば、機能性アッセイ、例えば、インビトロもしくはインビボアッセイによる活性を使って、親和性の定量的測定値を得たり、あるいは親和性の推定値を得ることができる。
用語の「抗体」は、少なくとも1つの免疫グロブリン可変ドメインまたは免疫グロブリン可変ドメイン配列を有するタンパク質を指す。例えば、抗体は、重(H)鎖可変領域(本明細書ではVHと省略)、および軽(L)鎖可変領域(本明細書ではVLと省略)を含むことができる。別の例では、抗体は、2つの重(H)鎖可変領域および2つの軽(L)鎖可変領域を含む。重鎖および軽鎖は、それぞれ、HCおよびLCと省略もできる。用語の「抗体」は、抗原結合抗体断片(例えば、単鎖抗体、FabおよびsFab断片、F(ab’)、Fd断片、Fv断片、scFv、およびドメイン抗体(dAb)断片(deWildt et al.、Eur J Immunol.1996;26(3):629−39.))ならびに完全抗体を包含する。抗体は、IgA、IgG、IgE、IgD、IgM(ならびにそのサブタイプ)の構造的特徴を有しうる。抗体は、任意のソース由来でよいが、霊長類(ヒトおよび非ヒト霊長類)および霊長類化生物が好ましい。
VHおよびVL領域は、さらに、「フレームワーク領域」(「FR」)と命名されたより保存的な領域で区切られた「相補性決定領域」(「CDR」)と命名された超可変領域に細分割することができる。フレームワーク領域およびCDRの範囲は正確に決定されている(Kabat、E.A.、et al.(1991)「免疫学的対象タンパク質の配列」、第5版、米国保健社会福祉省、NIH Publication No.91−3242、およびChothia、C.et al.(1987)J.Mol.Biol.196:901−917を参照、また、www.hgmp.mrc.ac.ukも参照)。Kabat定義が本明細書で使用される。各VHおよびVLは、典型的には、3つのCDRと4つのFRから構成され、アミノ末端側からカルボキシ末端側へ次の順に配列されている:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4。
抗体のVHまたはVL鎖は、重鎖または軽鎖定常部の全体または一部を含むことができ、それにより、それぞれ、免疫グロブリン重鎖または軽鎖を形成できる。一実施形態では、抗体は、2つの免疫グロブリン重鎖および2つの免疫グロブリン軽鎖の四量体であり、免疫グロブリン重鎖および軽鎖は、例えば、ジスルフィド結合により、相互に連結している。IgGでは、重鎖定常部は、3つの免疫グロブリンドメイン、CH1、CH2およびCH3を含む。軽鎖定常部は、CLドメインを含む。重鎖および軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含む。抗体の定常部は、通常、免疫系の種々の細胞(例えば、エフェクター細胞)および古典的補体系の第1成分(Clq)を含む宿主組織または因子への抗体の結合を媒介する。免疫グロブリンの軽鎖は、カッパまたはラムダのタイプがある。一実施形態では、抗体は、グリコシル化されている。抗体は、抗体依存性細胞障害性および/または補体媒介細胞障害性の機能をもつことができる。
1つまたは複数の抗体の領域は、ヒトまたは実質上ヒトであってもよい。例えば、1つまたは複数の可変領域は、ヒトまたは実質上ヒトであってもよい。例えば、1つまたは複数のCDR例えば、HC CDR1、HC CDR2、HC CDR3、LC CDR1、LC CDR2、およびLC CDR3は、ヒトであってもよい。各軽鎖CDRは、ヒトであってもよい。HC CDR3は、ヒトであってもよい。1つまたは複数のフレームワーク領域、例えば、HCまたはLCのFR1、FR2、FR3、およびFR4は、ヒトであってもよい。例えば、Fc領域は、ヒトであってもよい。一実施形態では、全フレームワーク領域は、ヒト、例えば、ヒト体細胞、例えば、免疫グロブリンを作る造血細胞または非造血細胞由来由来である。一実施形態では、ヒト配列は、例えば、生殖系列核酸によりコードされている生殖系列配列である。一実施形態では、選択Fabのフレームワーク(FR)残基は、最も類似性のある霊長類生殖系列遺伝子、特にヒト生殖系列遺伝子中の対応する残基のアミノ酸タイプに変換することができる。1つまたは複数の定常部は、ヒトまたは実質上ヒトであってもよい。例えば、免疫グロブリン可変ドメイン、定常部、定数ドメイン(CH1、CH2、CH3、CL)、または全体抗体の少なくとも70、75、80、85、90、92、95、98、または100%が、ヒトまたは実質上ヒトであってもよい。
抗体の全体または一部は、免疫グロブリン遺伝子またはそのセグメントによりコードされうる。代表的ヒト免疫グロブリン遺伝子には、カッパ、ラムダ、アルファ(IgA1およびIgA2)、ガンマ(IgG1、IgG2、IgG3、IgG4)、デルタ、イプシロンおよびミュー定常部遺伝子、ならびに多くの免疫グロブリン可変領域遺伝子が含まれる。完全長免疫グロブリン「軽鎖」(約25KDaまたは約214アミノ酸)は、NH2末端の可変領域遺伝子(約110アミノ酸)およびCOOH末端のカッパまたはラムダ定常部遺伝子によりコードされている。完全長免疫グロブリン「重鎖」(約50KDaまたは約446アミノ酸)は、同様に、可変領域遺伝子(約116アミノ酸s)および他の上述の定常部遺伝子の1つ、例えば、ガンマ(約330アミノ酸をコード)によりコードされている。HC CDR3が、約3アミノ酸残基から35アミノ酸残基超まで変動することにより、ヒトHCの長さは、大きく変化する。
本明細書では、用語の「Dセグメント」および「D領域」は互換的に使用され、同義である。これらの用語は、DNAおよびアミノ酸の両方を表し、どちらの意味であるかは文脈から明らかであることを理解されたい。
「ライブラリー」または「ディスプレイライブラリー」は、ヌクレオチドのコレクション、例えば、DNA、クローン内配列コレクションを指す;または遺伝的に多様なポリペプチドのコレクションを指し、選択または選別して個別のポリペプチドまたはポリペプチドの混合集団を提供することができる複製可能なディスプレイパッケージとして提示される。
本明細書で使用される用語の「パッケージ」は、複製可能な遺伝子ディスプレイパッケージを指し、粒子が表面にポリペプチドを提示している。パッケージは、表面に抗原結合ドメインを提示するバクテリオファージであってもよい。このタイプのパッケージは、ファージ抗体(pAb)と呼ばれている。
「所定の標的」は、開示されているいずれかの方法により、同一性が使用する前に既知である標的分子を指す。
本明細書で使われる用語の「複製可能なディスプレイパッケージ」は、複製する能力のある粒子を提供する、遺伝情報を有する生物学的粒子を指す。粒子は、表面に少なくともポリペプチドの一部を提示することができる。ポリペプチドは、粒子にネイティブな、および/または人工的に粒子またはその祖先の中に挿入された遺伝情報によりコードされうる。提示ポリペプチドは、特異的結合対、例えば、免疫グロブリン分子、酵素または受容体、等に基づく重鎖または軽鎖ドメイン、のいずれかのメンバーであってもよい。粒子は、例えば、ウイルス、例えば、fdまたはM13等のバクテリオファージであってもよい。粒子は、ファージミドであってもよい。
用語の「ベクター」は、宿主生物体中で複製可能なDNA分子を指し、その中へ遺伝子が挿入され、組換えDNA分子を構築する。「ファージベクター」は、ファージゲノムの改変により得られたベクターであり、バクテリオファージ用の複製起点を含むが、プラスミド用の複製起点は含まない。「ファージミドベクター」は、プラスミドゲノムの改変により得られたベクターであり、バクテリオファージ用の複製起点およびパッケージングシグナル、ならびにプラスミド複製起点を含む。ファージミドを有する細胞がヘルパーファージに感染すると、ヘルパーファージゲノムは、全ての必要な遺伝子を供給し、F+大腸菌に感染性であるが、多くの場合、ファージミドゲノムを含む粒子の構築を行わせる。ファージミドは、また、ディスプレイ遺伝子を含み、コードされたFabまたはscFvは、粒子上に提示される。ファージミドは、遺伝子および遺伝子によりコードされたタンパク質の間のコネクターとしての役割を果たす。
オリゴヌクレオチドの考察で、「[RC]」の表記は、表記のオリゴヌクレオチドの逆相補配列が使用されるべきものであることを示す。
ヒト抗体重鎖CDR3
重鎖(「HC」)生殖細胞系列遺伝子(GLG)3−23(VP−47としても知られる)は、全ヒトAbの約12%を占め、本発明の好ましい実施形態のフレームワークとして望ましい。しかし、他のよく知られたフレームワーク、例えば、4−34、3−30、3−30.3および4−30.1、もまた、本発明のフォーカスト多様性の原則から解離することなく使用可能であることは理解されるべきである。
さらに、JH4(YFDY103GQGTLVTVSS(配列番号1))は、ネイティブ抗体のJH3より頻繁に出現する。従って、JH4は、本発明のフォーカストライブラリーにとって好ましい。しかし、JH3(AFDI103GQGTMVTVSS(配列番号2))、JH6(YYYYYGMDV103GQGTTVTVSS(配列番号3))、JH1、JH2、またはJH5は、同様に使用可能である。JH2は、全ての他のヒトJH中のQGの代わりに、105〜106の位置にRGを有するといる利点がある。JH3は、M108の欠点がある。少なくとも1つの標的に対しELISA陽性であった21、578Abコレクションにおいて、我々は、DNA配列の分析により828JH1、1、311JH2、5、471JH3s7、917JH4、1、360JH5、および4、701JH6を確認した。JHに2重下線の部分があれば、それはCDR3の一部であると見なせる。表3で、JHのFR4部分は、一重下線付きとした。
各アミノ酸が、これらの21578AbのHC CDR3中に出現する頻度を表にまとめ、表75の全体および%の表記の列に記入した。ここで留意すべきは、最も多く出現するアミノ酸は、Tyr(15.6%)で、その後は順にGly(13.7%)、Asp(12.5%)、Ser(8.2%)、およびArg(5.1%)となることである。従って、一実施形態では、HC CDR3に置換するのに好ましいアミノ酸タイプは、Y、G、D、S、およびRである。
表75の他の列は、CDRを次のように解析した場合のアミノ酸の頻度を示す。最初に、正しいJHセグメントを決める。CDR3の一部がJH由来の場合は、これを「Jstump」として取り出す。残りを、Dセグメントに関して調査する。DセグメントのDNAにマッチングすると、スコアリングアルゴリズムにより、最初のマッチングに対し1ポイントを割り当て、第2のマッチングに対し2ポイントを付加し、第3のマッチングに対し3ポイントを、さらに第4のマッチングおよびその後の全マッチングに対し4ポイントを付加する。ミスマッチが見つかった場合は、次のマッチング時の付加を1ポイントに戻す。9超の連続マッチングが見つかるか、または点数が41を超えると、Dセグメントと特定される。これらの条件で、21、578Abの内の11、149がDセグメントを有し、10、439が有していなかった。
Dが無い場合は、CDR3は、VJ fillおよびJstumpに分割される。留意すべきは、VJ fill中では、Tyrリッチではなく、アミノ酸の4.6%を占めるに過ぎないことである。Jstumpでは、Tyrは高度に濃縮され、アミノ酸の26.5%を占める。
D領域がある場合は、CDR3は、VD fill(おそらく空の)、D、DJ fill、およびJstump(おそらく空の)に分割される。Tyrは、DおよびJstump由来の部分にのみ顕著である。Tyrは、VD fillおよびDJ fill中には、2%未満である。他方では、Glyは、Jstump以外の全領域で顕著である。
また、表75は、Cys(C)およびMet(M)はまれであることを示す。通常使用されるJH6は、1つのMを含むとはいえ(表3)、Metは、Jstump中では、約5%レベルまで増える。
天然では、HC CDR3は、長さが変動する。ヒトHCの約半分は、成分:V::nz::D::ny::JHnにより構成され、VはV遺伝子であり、nzは、基本的にランダムな一連の塩基であり、Dは、両末端で高度に編集されることが多いDセグメントであり、nyは、基本的にランダムな一連の塩基であり、さらにJHnは、5’末端で高度に編集されることが多い6つのJHセグメントの1つである。Dセグメントは、IgGの折り畳みを可能とするスペーサーセグメントを提供しているように見える。最大の多様性は、VのDとの、およびDのJHとの接合部に認められる。
Corbett et al.(Corbett SJ、Tomlinson IM、Sonnhammer EL、Buck D、Winter G.J Mol Biol.1997 V270:587−97.)は、ヒト免疫系は、複数のDセグメントおよび組換えDセグメントを挿入しないことを示した。それにもかかわらず、Dセグメントは、HC CDR3の良好な成分として選択されており、本発明は、Dセグメント、Dセグメントの断片、多様化Dセグメント、および多様化Dセグメント断片を含むHC CDR3を含む。
ヒトDセグメントは、いくつかの非常に大きな偏りを有する。ヒトDセグメント中の523アミノ酸の分布は、Y70(12.6%)、L63(11.4%)、V544(9.7%)、G54(9.7%)、I43(7.72%)、T42(7.6%)、S35(6.3%)、W254.5%)、D21(3.8%)、A22(4.02%)、R20(3.6%)、TAG13(2.3%)、N16(2.9%)、Q13(2.3%)、C10(1.8%)、E10(1.8%)、F10(1.8%)、M7(1.3%)、TGA10(1.8%)、TAA9(1.6%)、P5(0.9%)、H2(0.4%)、およびK1(0.2%)である。不対Cysを有するが、また、TGA停止コドンも有し、従ってほとんど使用されないD(2−8RF1)がある。従って、Dセグメントは、本来疎水性である。ヒトHC CDR3中のアミノ酸の出現頻度を表75に示す。この頻度には、類似性と相違点の両方がある。HC CDR3全体では、Tyrが最も多く出現し、Glyのみが近い位置にある(Tyrの出現頻度の96%)。Asp(Tyrの出現頻度の75%)、Ser(Tyrの出現頻度の53%)。全Dセグメントを同じとして計算すると、Leu、Val、およびIleは、Dセグメント中で比較的よく出現する。免疫系は、Dセグメントを均等の頻度では使用しない。表20は、Dセグメントの利用頻度を示す。使用されることが多いDセグメントは、極めてTyr、Gly、Ser、およびAspリッチである。Argは、使用頻度の高い大抵のDセグメント中に認められず、また、Argは、いずれのJHセグメントのCDR部分にもコードされていない。Argは、V、D、およびJ、またはVおよびD、DおよびJ、もしくはVおよびJの間のフィラー(filler)領域中の変異によって顕在化するようになる。この検体では、全アミノ酸の50%が、Tyr、Gly、Asp、Ser、またはArgである。本発明の一実施形態では、「親の」HC CDR3配列の置換は、Tyr、Gly、Ser、Asp、およびArgからなる一連のアミノ酸に限定される。本発明の一実施形態では、Argは、VおよびDの間、DおよびJの間、またはVおよびJの間のフィラー領域で出現が多くなる。
本発明の好ましいライブラリーでは、両タイプのHC CDR3が使用される。特定可能なDセグメントが無いHC CDR3では、構造は、V::nz::JHn(n=1、6)であり、JHは、通常、5末端で編集される。特定可能なDセグメントを有するHC CDR3では、構造は、V::nz::D::ny::JHnである。
本明細書では、約3〜約35アミノ酸長さのHC CDR3が提供される。特定の実施形態では、また、HC CDR3は、YおよびSリッチであってもよく、および/またはD領域が存在する場合は、多様化D領域を含んでもよい。例えば、HC CDR3は、約43%〜約80%のYおよび/またはS残基を含んでもよく、例えば、残基の約43%、約48%、約69%、約63%、約71%、約62%、約58%、約68%、約80%、約77%、または約40%超、もしくは約40%〜約100%未満、がYおよび/またはSである。例えば、CDR3中の残基の全てがYおよび/またはSというわけではない。特定の実施形態では、HC CDR3は、伸張JH領域を含んでもよい。本発明の好ましいライブラリーの代表的HC CDR3成分の設計は、実施例1、2、および3で提示し、説明する。
一部の実施形態では、多様性(例えば、CDR中の、例えば、HC CDR3、またはフレームワーク領域(例えば、CDR近傍のまたは隣接したフレームワーク領域、例えば、CDR3、例えば、HC CDR3)が生成され、例えば、CDR(例えば、HC CDR3)、またはフレームワーク領域(例えば、CDR近傍のまたは隣接したフレームワーク領域、例えば、CDR3、例えば、HC CDR3)当たりにして、平均で約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、または約1〜約10変異(例えば、塩基変化)を作り出す。一部の実施形態では、変異誘発は、既知の結合界面またはそれと思われる領域を標的とする。さらに、変異誘発は、CDR近傍のまたはそれに隣接したフレームワーク領域を対象にすることができる。抗体の場合では、例えば、正確にステップを踏んだ改善を行うために、変異誘発は、また、1つまたは2、3のCDRに限定されうる。同様に、特定されたリガンドが酵素の場合は、変異誘発は、活性部位および近傍に結合可能な抗体を提供可能である。特定の実施形態では、CDRまたはフレームワーク領域(例えば、本明細書記載のHC CDR3)は、エラープローンPCRに供し、多様性を作り出すこともできる。この手法は、「スロッピー(sloppy)」型のPCRを使用し、この方法では、ポリメラーゼは、かなり高いエラー割合(2%まで)で野性型配列を増幅するが、これについては、Pritchard、et al.(2005)J.Theor.Biol.234:497−509およびLeung et al.(1989)Technique1:11−15、に一般的に記載されている。他の代表的変異誘発技術には、ランダム開裂を使ったDNAシャフリング(Stemmer(1994)Nature 389−391;「核酸シャフリング」と命名されている)、RACHITT(登録商標)(Coco et al.(2001)Nature Biotech.19:354)、部位特異的変異誘発(Zoller et al.(1987)Nucl Acids Res 10:6487−6504)、カセット変異導入(Reidhaar−Olson(1991)Methods Enzymol.208:564−586)および変性オリゴヌクレオチドの組み込み(Griffiths et al.(1994)EMBOJ.13:3245)が含まれる。
本発明の一部の実施形態では、残基の半分以上がSerまたはTyrであるDセグメントが選択される(例えば、D1−26.3、D2−2.2、D2−15.2、D3−10.2、またはD3−22.2)。一部の実施形態では、D領域またはD領域の一部をコードするDNAが合成される場合、各SerまたはTyr残基は、コードされたアミノ酸がSerまたはTyrとなるようにTMT、TMC、またはTMYによりコードされる。一部の実施形態では、D領域またはD領域の断片用の一部または全部のコドンは、D領域(またはその断片)のアミノ酸が最も可能性の高いコドンとなるように合成されるが、他のアミノ酸も許容される。
一部の実施形態では、本明細書記載のHC CDR3配列は、構造中の目的のHC CDR3をコードする配列をKan遺伝子等の抗生物質耐性遺伝子に融合し、カナマイシン耐性を選択することにより、読み取り枠の選択を行うことが可能である。停止コドンまたはフレームシフトを有する潜在的CDR3を含む細胞は抗生物質耐性が無く、その配列は除去されることになる。
抗体配列を解析する方法
抗体配列は、同じ多様性プールを使って構築され、Hoet et al、(Nat.Biotechnol、23、pp.344−8(2005))により記載されているFAB−310およびFAB−410ライブラリーから入手している。約89標的由来の大きなコレクションが集められた。1つの分析で、アミノ酸配列が調査された。19、051異なるCDR3配列のセットが見つかり、JH配列が特定され、Jstumpが除去され、Dセグメントが調査され、さらにVJ、VD、Dセグメント、およびDJ分布が特定された。2つ目の分析で、CDR3およびFR4のDNAが調査された。21、578CDR3::Fr4断片のセットが特定された。差異はサイレント変異によるもので、これは、異なるDNAを有するAbに同じAA配列を持たせる。DNA分析は、一部の目的にはこちらの方が少しは良い場合もあるが、差は重要でなく、両方の分析とも有効である。10標的の1つに結合した1,707 Abのサブセットでも非常によく似た結果が得られた。非常に短いCDR3、および特定のDセグメントの選択に対しては特に、数をさらに増やして詳細を得た。8〜10標的に対する500抗体でさえ、全て別々の結合剤が含まれる場合は特に、非常に類似した状況を与えると思われる。
ヒト抗体重鎖CDR3ライブラリーおよびヒト抗体重鎖CDR3を含むライブラリーの構築方法
抗体ライブラリーは、少なくとも1つの免疫グロブリン可変ドメイン配列を有するタンパク質を含むタンパク質のコレクションである。例えば、ラクダ化可変ドメイン(例えば、VHドメイン)は、ただ1つの免疫グロブリン可変ドメイン配列を含むタンパク質のライブラリーのための足場として使用可能である。別の例では、タンパク質は、対を作ることが可能な2つの可変ドメイン配列、例えば、VHおよびVLドメインを含む。抗体ライブラリーは、抗体コード配列を含む、例えば、本明細書で提供されるHC CDR3をコードする配列を含む、核酸ライブラリー(抗体コードライブラリー)から調製可能である。
ディスプレイライブラリーが使用される場合には、抗体コードライブラリーの各メンバーは、それがコードする抗体と結合することが可能である。ファージディスプレイの場合には、抗体タンパク質は、ファージコートタンパク質と(直接または間接的に)物理的に結合する。典型的な抗体ディスプレイライブラリーメンバーは、VHドメインおよびVLドメインを含むポリペプチドを提示する。ディスプレイライブラリーメンバーは、ディスプレイ抗体をFab断片(例えば、2つのポリペプチド鎖を使って)または単鎖Fv(例えば、一本のポリペプチド鎖を使って)として提示できる。他の形式も使用可能である。
Fabおよび他の形式の場合のように、提示された抗体は、軽鎖および/または重鎖の一部として1つまたは複数の定常部を含むことができる。一実施形態では、各重鎖は、1つの定常部、例えば、Fabの場合のように、を含む。他の実施形態では、追加の定常部を含む。有用な抗原結合部位を有すると特定された後で分子に1つまたは複数の定常部を付加することも可能である。例えば、米国公開特許2003−0224408を参照。
抗体ライブラリーは、多くのプロセスにより構築可能である(例えば、deHaard et al.(1999)J.Biol.Chem274:18218−30;Hoogenboom et al.(1998)Immunotechnology 4:1−20、Hoogenboom et al.(2000)Immunol Today 21:371−8、およびHoet et al.(2005)Nat Biotechnol. 23(3):344−8、を参照)。
ライブラリー構築の特定の実施形態では、本明細書記載のCDR3を含む重鎖ならびにカッパおよびラムダ軽鎖は、別々のベクター中で最もうまく構築される。最初、合成遺伝子を設計し、合成可変ドメインのそれぞれを組み込む。軽鎖は、ApaLI(シグナル配列の最末端の位置)またはSpeI部位(シグナル配列中の位置)およびAscI(停止コドンの後部位置)の制限酵素部位で結合することができる。重鎖は、SfiI(Pe1Bシグナル配列内の位置)およびNotI(CH1およびアンカータンパク質の間のリンカー中の位置)の制限酵素部位で結合できる。Pe1B以外のシグナル配列、例えば、M13pIIIシグナル配列、もまた使用可能である。
初期の遺伝子は、所望のCDRの代わりに「スタッファー(stuffer)」配列として作られる。「スタッファー」は、切り取られ、多様性DNAにより置換されるが、機能性抗体遺伝子の発現をさせない配列である。例えば、スタッファーは、正確な完成したライブラリーベクター中には無いいくつかの停止コドンおよび制限酵素部位を含むこともできる。スタッファーは、高頻度で出現するいずれか1つのCDR配列を避けるために使用される。
本発明の別の実施形態では、重鎖およびカッパまたはラムダ軽鎖は、これらの鎖のクローニングを可能にする適切な制限酵素部位を有する単一ベクターまたは遺伝子パッケージ(例えば、提示用の、または提示し発現用の)中で構築される。このようなベクターを構築するプロセスは、当技術分野でよく知られ、広範に使用されている。重鎖およびカッパ軽鎖ライブラリーならびに重鎖およびラムダ軽鎖ライブラリーは、別々に調製されるのが好ましい。
提示が、M13ファージの誘導体の表面上で行われるのが最も好ましい。好ましいベクターには、M13の全遺伝子、抗生物質耐性遺伝子、およびディスプレイカセットが含まれる。好ましいベクターは、多様な遺伝子ファミリーのメンバーの導入と除去を可能とする制限酵素部位もカセットとして一緒に提供する。好ましいベクターは、ファージの増幅に使われる増殖条件下の再構成に対し安定である。
別の好ましい本発明の実施形態では、本発明の方法により獲得される多様性は、ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質を提示させ、および/または発現するファージミドベクター(例えば、pMID21(表35に示すDNA配列))を使って、提示させ、および/または発現させることができる。このようなベクターは、また、他のベクターまたはファージを使ったその後の提示、および/または発現のために、多様性を保存可能である。
さらに他の実施形態では、軽鎖急速最適化または「ROLIC」と名付けられた方法は、2008年2月13日出願の米国特許出願番号61/028、265、2008年4月10日出願の米国特許出願番号61/043、938、および2009年2月13日出願の米国特許出願番号12/371、000、に記載され、大きな集団のLCがファージベクター中に挿入され、それらをファージ上に提示させる。小さな集団(例えば、3、10、または25)のHCは、大腸菌中に挿入され、HC、例えば、本明細書記載のCDR3を有するHC、が周辺質中に分泌される。大腸菌は、次に、大きな集団のLCをコードするファージベクターに感染し、ファージ上にHC/LCタンパク質対を産生する。ファージ粒子は、LC遺伝子のみを保有する。
別の態様では、重鎖の経済的選択または「ESCH」と名付けられた方法で、これも、2008年2月13日出願の米国特許出願番号61/028、265、2008年4月10日出願の米国特許出願番号61/043、938、および2009年2月13日出願の米国特許出願番号12/371、000、に記載され、小さい集団のLCを、ベクター中に挿入し、分泌させることができる。新規HCファージライブラリーは、本明細書で提供されるように構築され、CDR3を含む。LCおよびHCは、次に、ずっと効率的な感染の方法により組み合わせることができる。小さな一連の効率的HCが選択されるとすぐに、これらは、そのまま使用して、ROLICに供し、最適HC/LC対形成を得るか、または古典的選択用のLCのFabライブラリー中にクローンを作ることができる。
本発明の別の実施形態では、本発明の方法で獲得された多様性は、提示させ、および/または真核細胞中での発現に適したベクター、例えば、酵母細胞中の、例えば、発現用の酵母ベクター、を使って発現させることができる。
他の型のタンパク質ディスプレイには、細胞ベースディスプレイ(例えば、国際特許WO03/029、456参照);リボソームディスプレイ(例えば、Mattheakis et al.(1994)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:9022およびHanes et al.(2000)Nat Biotechnol.18:1287−92参照);タンパク質−核酸融合体(例えば、米国特許第6、207、446号参照);および非生物学的タグへの固定化(例えば、米国特許第5、874、214号参照)が含まれる。
本開示のライブラリーから単離された抗体を解析して、LCのタイプおよび最も近い生殖系列遺伝子を判定することができる。好ましい実施形態では、非生殖系列フレームワーク残基は、結合親和性および特異性が、受け入れられないほどは悪影響を受けていない限り、生殖系列アミノ酸に戻される。置換は、集団または単体として実行可能である。ヒト生殖系列配列は、Tomlinson、I.A.et al.、1992、J.Mol.Biol.227:776−798;Cook、G.P.et al.、1995、Immunol.Today 16(5):237−242;Chothia、D.et al.、1992、J.Mol.Bio.227:799−817、で開示されている。V BASE総覧は、ヒト免疫グロブリン可変領域配列の包括的な総覧を提供する(Tomlinson、I.A.et al.MRC Centre for Protein Engineering、Cambridge、UKによる編集)。抗体は、結合特性が実質的に保持されている限りにおいて、フレームワーク領域の1つまたは複数の非生殖系列アミノ酸を対応する抗体の生殖系列アミノ酸に戻すことにより、「生殖系列化(germlined)」される。類似の方法を定常部、例えば、定数免疫グロブリンドメインで使用することができる。
例えば、抗体は、例えば、フレームワーク、CDR、または定常部中に、1つ、2つ、または3つ以上のアミノ酸置換を含み、参照生殖系列配列に対しさらに類似性を高くすることができる。1つの代表的な生殖系列化方法には、単離抗体の配列に対して類似の(例えば、特定のデータベースで最も類似性の高い)1つまたは複数の生殖系列配列を特定することを含むことができる。次に、変異(アミノ酸レベルでの)は、漸増的にまたは他の変異と組み合わせて、単離抗体中に作られる。例えば、一部または全部の可能な生殖系列変異をコードする配列を含む核酸ライブラリーが作られる。次に、変異抗体を評価し、例えば、単離抗体に関連し、その時点でも有用な(例えば、機能活性を有する)1つまたは複数の追加の生殖系列残基を有する抗体を特定する。一実施形態では、可能な限り多くの生殖系列残基が単離抗体中に導入される。
一実施形態では、変異誘発を使って、1つまたは複数の生殖系列残基をフレームワークおよび/または定常部中に置換または挿入する。例えば、生殖系列フレームワークおよび/または定常部残基は、改変される非可変領域に対し類似の(例えば、最も類似の)生殖系列配列由来でありうる。変異誘発後、抗体の活性(例えば、結合または他の機能活性)を評価して、生殖系列残基または残基に耐容性がある(すなわち、活性を抑止しない)か否かを判断することができる。フレームワーク領域でも類似の変異誘発を行うことができる。
生殖系列配列の選択を種々の方法で行うことができる。例えば、生殖系列配列は、所定の選択または類似性基準、例えば、少なくとも、あるパーセンテージ同一性、例えば、少なくとも75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または99.5%同一性に適合する場合に選択される。少なくとも2、3、5、または10生殖系列配列を使って選択を行うことができる。CDR1およびCDR2の場合には、類似の生殖系列配列の特定には、1つのこのような配列の選択を含むことができる。CDR3の場合には、類似の生殖系列配列の特定には、1つのこのような配列の選択を含むことができるが、アミノ末端部分およびカルボキシ末端部分に別々に寄与する2つの生殖系列配列の使用を含めてもよい。他の実施形態では、1つまたは2つ超の生殖系列配列が使用され、例えば、コンセンサス配列を形成する。
CDR1、CDR2、および軽鎖の多様性
HC CDR1、HC CDR2、および軽鎖の多様性をベースにして、HC CDR3のライブラリーを構築することを理解されるべきである。軽鎖の多様性は、HC多様性と同じDNA分子にコードしても、またはLCおよびHC多様性を別々のDNA分子にコードしてもよい。表22に、シグナル配列::VH::CH1::His6::Myc::IIIstumpの融合物を示す。CDR1は、残基31〜35を含む;残基31、33、および35に多様性がある。一実施形態では、残基31、33、および35は、システイン以外のどのアミノ酸タイプであってもよい。CDR2は、残基50〜65を含む。50、52、52a、56、および58の位置に多様性がある。一実施形態では、残基50、および52はSer、Gly、Val、Trp、Arg、Tyrであってもよい;残基52aは、ProまたはSerであってよく、さらに残基56および58は、Cys以外のどのアミノ酸タイプであってもよい。HC CDR3の多様性は、少なくとも1.E4、1.E5、1.E6、1.E7、5.E7、または1.E8であるHC CDR1およびCDR2の多様性に挿入される。
一実施形態では、残基31、33、35、50、52、56、および58は、CysとMet以外のどのアミノ酸タイプであってもよく、残基52aは、Gly、Ser、Pro、またはTyrであってもよい。HC CDR3の多様性は、少なくとも1.E4、1.E5、1.E6、1.E7、5.E7、または1.E8であるHC CDR1およびCDR2の多様性に挿入される。
一実施形態では、HCの多様性は、軽鎖の多様性を含むベクター(ファージまたはファージミド)に挿入される。この多様性は、少なくとも、25、50、100、500、1.E3、1.E4、1.E5、1.E6、または1.E7である。HC CDR3の多様性は、少なくとも、221、272、500、1000、1.E4、1.E5、1.E6、1.E7、1.E8、または1.E9である。
一実施形態では、HCの多様性は、ファージタンパク質、例えば、III、VIII、VII、VI、もしくはIXまたは、提示をさせるに十分なこれらの内の1つの断片上に提示するファージベクターに挿入され、さらに、各細胞が軽鎖を分泌する細胞コレクションに感染することにより、軽鎖がHCと結合される。細胞中のこの軽鎖の多様性は、少なくとも、5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、または100である。HC CDR3の多様性は、少なくとも、221、272、500、1000、1.E4、1.E5、1.E6、1.E7、1.E8、または1.E9である。
表30は、Placプロモーターの制御下の重鎖用のディスプレイカセットである、bla遺伝子を保有するファージベクターDY3FHC87(配列番号894)の配列を示す。DY3FHC87は、さらにM13全遺伝子を含む。pLCSK23(配列を表40に示す)(配列番号896)、等のベクター中に軽鎖の多様性を有するF+大腸菌細胞に感染させる。ベクターpLCSK23は、Kan遺伝子を有する。Placプロモーターの制御下、シグナル配列(塩基2215〜2277)を有する塩基2215から始まる遺伝子、塩基2278〜塩基2598のVL(この配列中、VLは(配列番号897)で示される配列をコードする)、塩基2599〜2922のCkappa、2923〜2931にNotI部位を可能とするリンカー、およびV5タグ(塩基2932〜2973)、がある。2259〜2271にSfiI部位、および2602〜2605にKpnI部位があり、Vkappaの容易な置換を可能にする。(配列番号897)は、分泌されるタンパク質の位置の例である。CKappaおよびV5タグは一定であることは理解されるべきである。表19に示された全てのタンパク質(VK1O2gl−JK3、VK1O2var1、VK1O2var2、VK1O2var3、VK1O2var4、VK1O2var5、VK3L6gl−JK4、VK3L6var1、VK3L6var2、VK3L6var3、VK3L6var4、VK3L6var5、VK3L6var6、VK3L6var7、VK3L6var8、VK3A27gl−JK3、VK3A27var1、VK3A27var2、VK3A27var3、VK3A27var4、VK3A27var5、VK3A27var6、VK3A27var7、VK3L2gl−JK3、およびVK1glL8−JK5)は、カルボキシ末端に結合したこれらの配列を有すると思われる。
軽鎖の多様性
表800は、3−23と対を形成することが多いことが知られているカッパLC(軽鎖)を示し、また、LCK1(O12)::JK1は、3−23に基づく1つのHCの5つのCDR変異と一緒に、タンパク質標的に対する高親和性Abを作る。O12は、頻繁に使用されるVKIである。遺伝子は、各CDRが様々な集団で置換できるように、シグナル配列(ApaLI)、FR1(XhoI、SgfI)、FR2(KpnI)、FR3(XbaI)、およびFr4::Ckappa(BsiWI)の位置に別々の有用な制限酵素部位を配するように設計された。
表3001は、A27VKを有する1483LC中の各ヒトJKの使用頻度を示す。JK1が最も使用頻度が多く、JK2がその次である。
ヒトLCでは、CDR3は、最重要であり、CDR1は、その次に重要である。CDR2は滅多にAgと接触しない。多様性は、表900と表1000(CDR1)、表1100と表1200(CDR2)、表1300、1400、と1500(CDR3)に示すようにCDRに導入される。重鎖(ESHC)の経済的選択のために、少数の、例えば、表1200のCDR3の多様性を有する50LCを選択して、pLCSK24で発現させて周辺質に分泌させる。各細胞株が、例えば、50未満のLCを含むようにいくつかの細胞株を維持する場合、より多くのLCを使用可能である。
表900は、LC CDR1の多様性を示す。ライブラリーは、「許容(allowed)」で示されるAAタイプの追加の多様性と共にO12残基を含むことができる;表900、1000、1100、1200、1300、1400では、「許容(allowed)」を「追加の許容タイプ(additional allowed type)」と解釈する。O12はR24ASQSISSYLN34を有する。他のVK1位置では、24にQがある。他の位置では、25にMがある。S26およびQ27は、VKI中で不変である。他のVKI位置では、28にDまたはGがある。I29およびL33は、VKI中で不変で、側鎖は内向きである。他のVKI位置では、表900の位置30、31、32、および34で多様性が許容される。表900では、11の位置の7つの位置のみで多様化され、全体多様性は、576である。
表1000は、LC CDR1に対するさらに高いレベルの多様性を示す。この場合、11の位置の内の8つは、多様化されている。不変なのは、結合部位から離れているか、または埋設側鎖を有するものである。
表1100は、CDR2の低いレベルの多様性を示す。CDR2は、抗原結合部位から離れており、この場合の多様性は、それほど有用ではないとおもわれる。実際、GLの多様性は非常に限定されている。表1100は、GLの多様性を含む。表1200は、高いレベルの多様性を含み、1920配列が許容される。
表1300は、LC CDR3の低いレベルの多様性、2160配列、を示す。表1400は、105、840配列を許容する、より高いレベルを示す。
ROLICの対しては、表900、1100、および1300に示される多様性を有し、約3x10LCが産生される。
重鎖の多様性
AbHC(重鎖)は、CDR1、CDR2、およびCDR3に多様性を有する。CDR3の多様性は、配列と長さの両方の多様性があるため、特に複雑である。配列の多様性はランダムではない。Ab遺伝子を作る細胞は、VセグメントをDセグメントに、さらにこれをJHセグメントに連結する。Dセグメントは、任意選択である;天然のヒトAbの約半分でDを有するのが認められる。V−D、D−J、またはV−J境界で、0から多くの塩基の範囲で追加または削除が行われて大幅に編集されている。生殖系列V::D::Jを有するAbは生殖系列Abと見なすことができる。
ヒトDセグメントを表20に示す。各生殖系列(GL)Dセグメントは、3つの順方向読み枠の内のいずれかのAb遺伝子中に現れる可能性がある。一部の読み枠では、いくつかのDセグメントが停止コドンをコードする。これらのDセグメントが改変停止コドンと一緒に現れることは滅多にない。表20は、21、578の異なるHC CDR3の試料での各Dセグメントの頻度を示す。本明細書のDセグメントを含む実施例のほとんどは、かなりよく出現する(全観察Dの内の2%超の)Dを使っている。
一態様では、本発明は、3−23(または別のVH、例えば、4−34)を次のいずれか1つと融合することによりAbHC遺伝子を作り上げることを含む:a)(S、Y、D、R、N)を含むセットから選択される多くのアミノ酸、b)D領域、c)JH領域、およびd)JH領域のFR4部分。これらの融合体は、CDR1および/またはCDR2に合成多様性を有するGL3−23または3−23であってもよい。HC CDR3の長さは、約3〜約24のいずれの数でもよい。ライブラリーは、6、8、10、12、14、16、18、および20の長さのHC CDR3を有するメンバーを含むのが好ましい。あるいは、長さは、5、8、11、14、17、および20または他の任意の組み合わせであってもよい。
表21は、6〜20の長さを有する適切なCDR3の設計例を示す。2列目の大文字で記載されたコドンは、wobblingにより合成される。3列目は、ドーピングのレベルを示す。表100は、種々の長さのHC CDR3の組み合わせ可能な比率を示し、この組み合わせにより、ほぼ全てのタンパク質標的に結合するAbを含むことが期待されるライブラリーを形成する。他の比率も使用可能である。
Figure 2013504602
長さ6について、表21に4つの例を示す。例えば、6aは、wobblingによる最初の6つのAAと共にJH1に直接結合したVH(3−23)を有し、6bは、第2の読み枠でD4−17に結合したTyrを有し(D4−17はJH1のFR4のAAに結合している)、さらに6cは、JH1のFR残基に結合したD5−5(3)を有する。これらは、異なる種類の多様性を与えるので、全てを含めるのが好ましいが、これらの1つのみを含むライブラリーでも有用なAbを与えるはずである。
長さ8に関しては、表21は、3つの例を示している。8aは、全JH1に融合したYYを有し、一方、8bは、JH1のFR領域に融合しているD6−13(1)に融合した1つのYを有する。長さ10、12、14、16、および20もまた、表21に示す。HC CDR3多様性は、合成多様性を含む生殖系列3−23または3−23に組み込む事ができる。あるいは、異なるVH、例えば、4−34を使用可能である。
ROLICは、小集団のHCを可溶性タンパク質としてF大腸菌中で発現させる方法である。この集団は、LC::IIIstump融合体を持つファージに感染する。産生ファージがHCを産生する細胞の周辺質からHCを得る。これらのファージは、固定化標的に結合され、結合剤は非結合剤と分離される。回収ファージが増殖する場合、回収ファージは、自分の由来のものと同じタイプの細胞を見付けて、LCとHCの間の結合を続けなければならないために、集団のサイズは重要である。従って、各細胞株中でHCの数は小さいことが望ましい。また、各細胞株中で10、20、30、または40までの異なるHCを有する細胞株の数を維持することが望ましい。従って、我々は1、2、4、6、8、10、24、48、または96細胞株を有することができ、また、同じ数のファージ産生、選択、および増幅を平行して行うことができる。1または2ラウンド後、ELISAアッセイによりコロニーで標的に結合するファージの産生を試験する。各ELISAコロニーは、有用なLCおよび有用なHCを含むが、それらは同じDNA片上のものではない。それにもかかわらず、各LCおよび各HCの開始点と終点を判断でき、従って、コロニーに対しPCRを使って、ディスプレイファージまたはファージミドまたはFab産生プラスミドに挿入可能なFabディスプレイまたはFab分泌カセットを産生できる。
HCの効率的選択(ESHC)で、我々は、ROLICでLCとHCの役割を逆転させ、LCがF大腸菌の周辺質中に可溶性タンパク質として産生されるように、プラスミド中にLCを挿入する。LC遺伝子を含まないファージベクター中でHC多様性を産生する。次にLC産生F大腸菌にHC保有ファージに感染させる。そして、HC遺伝子を保有するファージならびにHCおよびLC両方のタンパク質を得る。これらのファージを標的に結合させ選択する。多くのAbでは、LCは、許容性であり、結合親和性には大きく貢献しない。最良のLCの選択は、大きく親和性を増大するが、通常は、非常に限られたLCレパートリーを有するFabを選択できるにすぎない。従って、我々は、LC産生F大腸菌のフレームワーク領域中に、好ましくは、生殖系列の、小さいLCセットを置く。例えば、LC細胞株中に25LCがあれば、作成の必要な細胞形質転換体の数を25倍減らすことができる。
記載のライブラリーは、ある範囲のHC CDR3長さを有する。適切な折り畳みを容易にするには、HC CDR3は、JHセグメントの大部分、全部またはフレームワーク部分に結合したDセグメントを有するか、またはDセグメントなしで直接結合する。配列は、wobblingによるDNA合成を使って多様化する。これは理論的には、任意のアミノ酸タイプを任意の位置に置くことを許容するが、実際の配列は、親の配列および遺伝暗号表に近いAAタイプの方に大きく偏っている。
ESHCを使うことにより、合成HC CDR3多様性の新設計を試作できる。示した例では、我々は、例えば、50LCのプールを使用する。5x10HCのライブラリー、ならびにずっと努力が少なくて済むに古いタイプの2.5x1010のライブラリーは、うまく機能するはずである。
配列をwobblingする場合、最初のコドンの選択がライブラリー中に見られるAA混合物に影響する。表300は、どのアミノ酸置換が、各開始親コドンからの1、2、または3塩基変化を必要とするかを示す。例えば、Alaに対しgctまたはgccから開始する場合、全3つの停止コドンは、3つの塩基変化を要求し、これは希である。76:8:8:8混合物を使う場合は、Alaは、57%のケースで出現する(0.76*0.76)。V、G、T、P、Sは、それぞれ、約6%、Dは、3%で出現する。E、I、L、F、Y、H、N、C、およびRは、約10倍少なくなる。M、W、Q、K、Am、Oc、およびOpは、さらに希である。gcaから開始する場合、Eは1つの塩基変化を必要とするのみでDに置換できるが、オパールおよびオーカー停止コドンには、2つの塩基変化が必要なだけであり、これは好ましくない。好ましいコドンには、スター印(*)でマークした。セリンの選択は我々の願望を複雑化し、を高頻度でSをYで置換させる。これは、OpおよびOcを2つの塩基変化のみで親とは異なるグループに移動させる。この問題は、抗生物質耐性遺伝子、例えば、KanRまたはAmpRの前にHC CDR3レパートリーを挿入した後、耐性で選択し、その結果、停止コドンを含むメンバーを除去することにより克服できる。さらに、ライブラリーは、停止コドンの代わりにQを挿入するsupE大腸菌を使って産生することもできる。
Figure 2013504602
Figure 2013504602
ライブラリーの使用方法
オフ速度選択。遅い解離速度は、特にポリペプチドおよび標的の間の相互作用に関して、高親和性を予測させるため、本明細書記載の方法は、標的との結合相互作用に関する所望の動力学的解離速度(すなわち、低速度)を有するリガンドを単離するために使用可能である。
ディスプレイライブラリーから低速解離抗体を選択するために、ライブラリーは、固定化標的に接触されられる。固定化標的は、次に、非特異的または弱い結合抗体を除去する第1の溶液で洗浄される。次に、結合は、飽和量の遊離標的、すなわち、粒子に結合していない標的の複製物を含む第2の溶液で溶出される。遊離標的は、標的から解離する抗体に結合する。溶出抗体の再結合は、固定化標的の圧倒的に低い濃度に比べて飽和量の遊離標的により妨げられる。
第2の溶液は、実質的に生理的な、または厳格(例えば、低pH、高pH、または高塩)な溶液条件とすることが可能である。典型的には、第2の溶液の溶液条件は、第1の溶液の溶液条件と同じである。第2の溶液の画分を時間順に集め、始めの画分と後の画分を区分する。後の画分は、初めの画分中の生体分子よりも、低速度で標的から解離した抗体を含む。さらに、延長したインキュベーション後でも標的に結合したまま残っている抗体を回収することも可能である。これらは、不安定化条件を使って解離させることも、または標的に結合したままで増殖することも可能である。例えば、標的に結合したファージを細菌性細胞に接触させることも可能である。
特異性による選択または選別。本明細書記載のディスプレイライブラリー選別方法には、非標的分子に結合する抗体を破棄する選択または選別プロセスを含んでもよい。非標的分子の例には、例えば、標的分子とは構造的に異なる炭水化物分子や、例えば、標的分子とは異なる生物学的特性を有する炭水化物分子が含まれる。硫酸化炭水化物の場合には、非標的は、硫酸塩のない、または異なる位置に硫酸塩がある同じ炭水化物でありうる。リンペプチドの場合には、非標的は、リン酸塩のない、または異なるリンペプチドの同じペプチドでありうる。
一実施形態では、いわゆる「負の選択」ステップが、標的と関連する非標的分子の間、および標的と関連するが異なる非標的分子との間で分別するために使用される。ディスプレイライブラリーまたはそのプールを非標的分子に接触させる。非標的に結合しないメンバーを集め、その後の標的分子への結合による選択に、またはその後の負の選択にも使われる。負の選択ステップは、標的分子に結合するライブラリーメンバーを選択の前、または後で行うことができる。
別の実施形態では、選別ステップが使われる。ディスプレイライブラリーメンバーを標的分子への結合により単離した後、各単離ライブラリーメンバーを非標的分子(例えば、上に挙げた非標的)に結合する能力に関し試験する。例えば、高スループットELISA選別を使用して、このデータを得ることができる。ELISA選別は、各ライブラリーメンバーの標的への結合に関する定量的データを得るために使用することもできる。非標的および標的結合データを、比較して(例えば、コンピュータおよびソフトウェアを使って)標的に特異的に結合するライブラリーメンバーを特定する。
特定の実施形態では、本発明のCDR3を含む抗体は、炭水化物に結合することができる。炭水化物結合に関して抗体を評価する方法には、ELISA、免疫組織化学、イムノブロッティング、および蛍光標識細胞分取が含まれる。これらの方法は、閾値、例えば、100nM、50nM、10nM、5nM、1nM、500pM、100pM、または10pM超の閾値より優れたKを有する抗体を特定するために使用される。
ELISA。ディスプレイライブラリーによりコードされたタンパク質は、また、ELISAアッセイを使って結合特性により選別できる。例えば、各タンパク質を、底面を標的、例えば、一定量の標的、でコートしたマイクロタイタープレートに接触させる。プレートを緩衝液で洗浄し、非特異的に結合したポリペプチドを除去する。次いで、プレートに結合したタンパク質の量をポリペプチド、例えば、ポリペプチドのタグまたは定常部、を認識できる抗体でプレートを調べることにより測定する。抗体は、適切な基質が供給されると熱量測定用生成物を産生するアルカリフォスファターゼ、等の酵素に結合される。タンパク質は細胞から精製することができる、またはディスプレイライブラリーフォーマットで、例えば、繊維状バクテリオファージコートへの融合体として、アッセイできる。あるいは、標的分子、例えば、炭水化物成分を含む標的、を発現している細胞(例えば、生または固定)を、マイクロタイタープレートに播種し、ディスプレイライブラリー中に存在する、またはディスプレイライブラリーから選択して得たペプチド/抗体の親和性を試験するために使用できる。
ELISAアッセイの別の方法では、多様性鎖ライブラリーの各ポリペプチドを使って、マイクロタイタープレートの異なるウエルをコートする。次いで、ELISAにより一定の標的分子を使って各ウエルを検索する。
細胞結合アッセイ。抗体は、1つまたは複数の細胞型、例えば、造血性細胞、と相互作用する能力を評価できる。蛍光活性化セルソーター(FACS)は、タンパク質と細胞の間の相互作用を試験する1つの代表的方法である。細胞への結合の前、または後で、抗体に直接または間接的にフルオロフォアで標識付けして、次に、細胞をFACSソーターでカウントする。
他の細胞型についても、当技術分野で既知の方法により、FACS用に調製可能である。
均質結合アッセイ。候補ポリペプチドの標的との結合交互作用は、ホモジニアスアッセイ、すなわち、アッセイの全成分を添加後、追加の液体操作は必要ないアッセイ、を使って分析可能である。例えば、蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)はホモジニアスアッセイとして使用可能である(例えば、Lakowicz et al.、米国特許第5、631、169号;Stavrianopoulos、et al.、米国特許第4、868、103号を参照)。第2の分子が第1の分子に近接して存在する場合、第1の分子(例えば、画分中で特定された分子)上のフルオロフォア標識を、その放射蛍光エネルギーが第2の分子(例えば、標的)上の蛍光標識により吸収されうるように選択する。第2の分子上の蛍光標識は、転移エネルギーまで吸収すると蛍光を発する。標識間のエネルギー転移効率は、分子を隔てている距離に関係するので、分子間の空間的関係が評価できる。分子間で結合が起こる状況では、アッセイでの「受容体」分子標識の蛍光の発光は、最大となるはずである。FRETによるモニタリング用に設定された結合イベントは、当技術分野でよく知られた標準的蛍光定量的検出手段によって(例えば、蛍光光度計を使って)、好都合に測定可能である。第1または第2の結合分子の量を滴定することにより、結合曲線を作成して平衡結合定数を推定することができる。
ホモジニアスアッセイの別の例は、Alpha Screen(Packard Bioscience、Meriden Conn.)である。Alpha Screenは、2つの標識付けしたビーズを使う。1つのビーズは、レーザーで励起されると、一重項酸素を生成する。一重項酸素が第1のビーズから拡散してもう一つのビーズに衝突すると、もう一つのビーズは、光信号を生成する。その光信号は、2つのビーズが近接している場合のみ発生する。1つのビーズは、ディスプレイライブラリーメンバーに付着でき、もう一つの方は、標的に付着可能である。信号を測定し、結合の強さを決定する。
候補ポリペプチドをディスプレイライブラリー担体、例えば、バクテリオファージに付着したままで、ホモジニアスアッセイを行うことができる。
表面プラズモン共鳴法(SPR)。ディスプレイライブラリーから単離された分子と標的間の結合相互作用は、SPRを使って分析可能である。SPRまたは生体分子相互作用解析(BIA)は、相互作用物のどちらも標識しないで、生体分子特異的相互作用をリアルタイムで検出する。BIAチップの結合表面の質量変化(結合イベントを示す)は、表面近傍の光の屈折率の変化を生ずる(表面プラズモン共鳴(SPR)の光学的現象)。屈折度の変化は、検出可能なシグナルを生成し、生物学的分子間のリアルタイムの反応の指標として測定される。SPRを使った方法は、例えば、米国特許第5、641、640号;Raether(1988)「表面プラズモン」Springer Verlag;Sjolander and Urbaniczky(1991)Anal.Chem.63:2338−2345;Szabo et al.(1995)Curr.Opin.Struct.Biol.5:699−705、およびBIAcore International AB(Uppsala、Sweden)によるオンラインリソースに記載されている。
SPRからの情報は、生体分子の標的への結合に関する平衡解離定数(K)、ならびにkonおよびkoffを含む動力学的パラメーターの正確で定量的な測定値を得るために使用できる。このようなデータは、異なる生体分子を比較するのに使用できる。例えば、多様性鎖ライブラリーから選択された拡散にコードされたタンパク質を比較して、標的に対する高親和性を有する、または小さいkoffを有する個々のタンパク質を特定することができる。この情報はまた、構造活性相関(SAR)を明らかにするためにも使用できる。例えば、成熟型親タンパク質の動力学的および平衡結合パラメーターを親タンパク質のパラメーターと比較できる。特定の結合パラメーター、例えば、高親和性および強い差異koffと関連する所与の位置の変異体アミノ酸を特定できる。この情報を構造モデリング(例えば、ホモロジーモデリング、エネルギー最小化、または結晶学またはNMRによる構造決定を使った)と組み合わせることもできる。結果として、タンパク質とその標的との間の物理的相互作用の理解が得られ、他の設計プロセスの導入に役立てることができる。
タンパク質アレイ。ディスプレイライブラリーから特定されたタンパク質を固体支持体上に、例えば、ビーズまたはアレイ上に固定化できる。タンパク質アレイに関しては、各ポリペプチドを、支持体のユニークなアドレス位置に固定化する。通常、アドレスは二次元アドレスである。ポリペプチドアレイを作る方法は、例えば、De Wildt et al.(2000)Nat.Biotechnol.18:989−994;Lueking et al.(1999)Anal.Biochem.270:103−111;Ge(2000)Nucleic Acids Res.28、e3、I−VII;MacBeath and Schreiber(2000)Science 289:1760−1763;WO01/40803およびWO99/51773A1、に記載されている。例えば、Genetic MicroSystemsまたはBioRoboticsが市販しているロボット装置を使って高速でアレイ用ポリペプチドを形成できる。アレイ基板は、例えば、ニトロセルロース、プラスチック、ガラス、例えば、表面改質ガラスであってもよい。また、アレイには、多孔性基板、例えば、アクリルアミド、アガロース、または別のポリマーが含まれうる。
ベクター
また、本発明のいずれかの態様による方法を実施するのに使用するベクターも提供される。1つのこのようなベクターは、通常、単鎖バクテリオファージ用の複製起点を有し、sbpメンバー核酸を含むか、またはファージカプシドタンパク質の成熟コード配列の5’末端領域に挿入するための制限部位を有し、さらに、前記部位の上流のカプシドタンパク質外因性ポリペプチドの融合体を細胞周辺腔へ導く分泌リーダーをコードする配列を有する。
ベクターは、コードする遊離型ポリペプチドの発現のために、HC CDR3挿入部位を有するファージベクター(例えば、DY3F87HC)であってもよい。ベクターは、可溶性軽鎖発現用のプラスミドベクター、例えば、pLCSK23であってもよい。
pLCSK23によりコードされた軽鎖の多様性は、10、15、20、25、30、または50であってもよい。多様性LCは、フレームワーク領域で生殖系列であること、およびCDR3および/またはCDR1に多様性を有すること、等の特定の所望の特性を有するように構築または選択することができる。生殖系列は、利用頻度の高いもの、例えば、カッパではVK1_2−O2、VK3_1−A27、VK3_5−L6、VK3_3−L2およびラムダではVL2_2a2、VL1_1c、VL1_1g、VL3_3rであってもよい。
例えば、以下のタンパク質用の遺伝子をpLCSK23に挿入可能である。
VK1O2gl−JK3、VK1O2var1、VK1O2var2、VK1O2var3、VK1O2var4、VK1O2var5、VK3L6gl−JK4、VK3L6var1、VK3L6var2、VK3L6var3、VK3L6var4、VK3L6var5、VK3L6var6、VK3L6var7、VK3L6var8、VK3A27gl−JK3、VK3A27var1、VK3A27var2、VK3A27var3、VK3A27var4、VK3A27var5、VK3A27var6、VK3A27var7、VK3L2gl−JK3、VK1glL8−JK5、およびVK1GLO12−JK3(アミノ酸配列を表19に示す)。

Figure 2013504602
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キット
また、本発明のいずれかの態様による方法を実施するのに使用するキットが提供される。キットは、必要なベクターを含んでもよい。1つのこのようなベクターは、通常、単鎖バクテリオファージ用の複製起点を有し、sbpメンバー核酸を含むか、またはファージカプシドタンパク質の成熟コード配列の5’末端領域に挿入するための制限部位を有し、さらに、前記部位の上流のカプシドタンパク質外因性ポリペプチドの融合体を細胞周辺腔へ導く分泌リーダーをコードする配列を有する。
また、上記で定義したHC CDR3および上記定義の方法のいずれかを使って得られるHC CDR3および断片ならびにその誘導体を含むポリペプチドをコードするパッケージも提供される。誘導体は、別の分子、例えば、酵素またはFcテイルに融合したポリペプチドを含むこともできる。
キットには、コードされた遊離型ポリペプチド発現用のHC CDR3挿入部位を有するファージベクター(例えば、DY3F87HC)を含めてもよい。また、キットには、可溶性軽鎖発現用プラスミドベクター、例えば、pLCSK23を含めてもよい。また、キットには、適切な細胞株(例えば、TG1)を含めてもよい。
pLCSK23によりコードされる軽鎖の多様性は、10、15、20、25、30、または50であってもよい。多様性LCは、フレームワーク領域で生殖系列であること、およびCDR3および/またはCDR1に多様性を有すること、等の特定の所望の特性を有するように構築または選択することができる。生殖系列は、利用頻度の高いもの、例えば、カッパではVK1_2−O2、VK3_1−A27、VK3_5−L6、VK3_3−L2およびラムダではVL2_2a2、VL1_1c、VL1_1g、VL3_3rであってもよい。
例えば、以下の配列用の遺伝子をpLCSK23に挿入可能である。
VK1O2gl−JK3、VK1O2var1、VK1O2var2、VK1O2var3、VK1O2var4、VK1O2var5、VK3L6gl−JK4、VK3L6var1、VK3L6var2、VK3L6var3、VK3L6var4、VK3L6var5、VK3L6var6、VK3L6var7、VK3L6var8、VK3A27gl−JK3、VK3A27var1、VK3A27var2、VK3A27var3、VK3A27var4、VK3A27var5、VK3A27var6、VK3A27var7、VK3L2gl−JK3、VK1glL8−JK5、およびVK1GLO12−JK3(アミノ酸配列を表19に示す)。
キットは、方法を実行するために必要な補助的成分を含むこともできるが、当然ながらこのような成分の特性は採用される特定の方法に依存する。有用な補助的成分には、ヘルパーファージ、PCRプライマー、緩衝液、および/または、種々の種類の酵素が含まれうる。緩衝液および酵素は、通常、本明細書記載の戦略に従って、再構成したまたは未再構成の免疫グロブリン遺伝子由来のFv、scFvまたはFab断片をコードするヌクレオチド配列の調製を可能にするために使われる。
多様性の導入方法
多様性を有するDNAを生成する多くの方法がある。1つの方法は、混合ヌクレオチド合成(MNS)を使うことである。MNSの1つの方式では、表5に示す等モルの混合物のヌクレオチドを使う。例えば、NNKコドンを使って、20全てのアミノ酸および1つのTAG停止コドンを得る。分布は、3(R/S/L):2(A/G/V/T/P):1(C/D/E/F/H/I/K/M/N/Q/W/Y)である(例えば、Arg、Ser、およびLeuのそれぞれが3、等)。本明細書で「wobbling」と名付けられた別の方法では、混合ヌクレオチドを使うが、等モル量ではない。例えば、親コドンがTTC(Pheをコード)である場合、Tの代わりに(0.082T、0.06C、0.06A、および0.06G)の混合物を使用し、Cの代わりに(0.082C、0.06T、0.06A、および0.06G)の混合物を使用することができる。これによりTTCまたはTTT(Pheをコード)が59%、Leuが13%、S/V/I/C/Yが約5%の確率、および他のアミノ酸タイプがより低頻度で現れることになろう。
Vanden Brulle et al.(Biotechniques 45:340−3(2008))は、多様化DNAの合成方法を記載している。この場合、II型制限酵素を使ってトリヌクレオチドを固定ヘアピンオリゴヌクレオチド(PHON)から、いわゆる「スプリンカー」に移行させる。欧州特許1181395、欧州特許1411122、欧州特許1314783および欧州特許出願01127864.5、欧州特許出願04001462.3、欧州特許出願08006472.8も参照のこと。固定PHONおよびスプリンカーの混合物を使って、設計者が決めた比率で所望のアミノ酸タイプが許容されたライブラリーを構築することができる。従って、1つのアミノ酸タイプが、例えば、82%の確率で存在し、18の他のアミノ酸タイプ(Cys以外は全て非親アミノ酸タイプ)がそれぞれ2%の確率で存在するように指定することができる。本明細書では、このような合成を、「dobbling」(ディジタルwobbling)と呼ぶことにする。一部の態様では、dobblingがwobblingより好ましいが、wobblingは有用な実施形態を提供する。これは、遺伝暗号表の構造がwobblingに主に保存的置換を作らせることが理由の1つである。Dobblingは、不必要なアミノ酸タイプを排除する可能性を与える。CDRでは、不対システインが、治療薬として承認されているAb中でさえ、知られているが、一部の実施形態では、これを避けることが望まれる。一部の実施形態では、システインの対を含むD領域を多様化する際、シスチンは、変えることを許容されない。理由は、ジスルフィドクローズドループは重要な構造要素であり、また、不対システインが望まれないからである。
さらに、親アミノ酸配列をコードするDNA分子を合成し、フレームワーク領域の変位が避けられるようにフレームワーク領域を含むプライマーを使ってそのDNAをエラープローンPCRに供することができる。

Figure 2013504602
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実施例
本発明は、さらに、以下の実施例により説明されるが、これら実施例は決して制限するものと解釈されるべきものではない。本出願を通して引用された全ての参照、出願中特許および特許公報の内容は、ここで明示的に参照によって組み込まれる。
理論実験例1:非常に短いHC CDR3のライブラリー
非常に短いHC CDR3が当技術分野で報告されている。Kadirvelraj et al.(2006)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 103:8149−54には、連鎖球菌タイプB III Ag(GBS−Ag)に結合するが、肺炎球菌カプセルAgには結合しない抗体中の4つのアミノ酸のHC CDR3配列が記載されている。GBS−Agは、規則的間隔でシアル酸付加されている。肺炎球菌カプセルAg(SPC−Ag)は、非常に似ているがシアル酸基が欠けている。このような短いHC CDR3は、その中に炭水化物が結合できる幅が広い溝を作り、このようなAbは実在する抗体ライブラリーの中では、極めて希である。従って、現在のライブラリーは、炭水化物に対する大きな多様性のある潜在的結合剤を提供しない。
Ab 1B1は、GBS−Agと結合するマウスmAbである;Ab 1QFUは、既知の3D構造および最も近い配列を有するmAbである;さらに1NSNは、長さ4のHC CDR3を有する既知の3D構造の抗体である。3−23HC構造の調査では、R94のCα(FR3の終わり)からW104のCα(FR4の始まり)までの距離は約10Åである。1B1(NWDY(配列番号:29))のCDR3は、AAが小さい側鎖のみを有する必要はなく、または、ほとんどがグリシンである必要もないことを示す。3つのアミノ酸(AA)で10Åの橋をかけることができるが、PPPではうまくいかない。実際、3AAの短さのCDR3の2、3のFabを得たが、これは希である。
短い、および非常に短いHC CDR3について述べてきたが、短いHC CDR3(例えば、3〜5アミノ酸のHC CDR3)を有する多くのメンバー(例えば、メンバーの約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約95%超)を含むAbライブラリーを作ることに関して誰も提案してこなかった。有効なライブラリーを構築する1つの手法は、最初に、V−JまたはV−D−J結合から生じるアミノ酸配列を設計することである。CDR3長さ3、4、または5に対し、表7に示すアミノ酸配列から出発する。例えば、配列V−3JH1は、3−23FR3(TAVYYCAK(配列番号:30))のC末端に続く、N末端からFR4を開始するTrp−Glyの前の3つのアミノ酸までトリミングしたJH1を示す。V−3JH2は、FR3の末端に続く、トリミングしたJH2を示す。V−3JH6の後の配列は、FR4をヒトDセグメントから取り出した三量体に結合し、次にヒトJHセグメントのFR4領域に結合して構築される。3D3−3.3.2は、2番目のアミノ酸から開始される第3の読み枠によるセグメントD3−3由来の三量体である。5D5−12.2.3は、アミノ酸3から開始される読み枠2のD5−12由来の五量体である。一部の生殖細胞系列Dセグメントは停止コドンを含み、これは停止コドンを編集して除去しても、それでも天然抗体中に現れるのである。ここで、TAAおよびTAGコドンからの最もありそうな変化は、Tyr(Y)への変化であり、TGA停止コドンは、Trp(W)に最も変異しそうであると仮定する。表20は、ヒトDセグメントのアミノ酸配列を示す;停止コドンのタイプは、TAGを*で、TAAを@で、およびTGAを$で示す。表11には、ヒトDセグメントから構築することができる266の異なる三量体を示す。TAAおよびTAG停止コドンは、「y」(すなわち、小文字)で示されるTyrに変わった。また、これらは、1つの塩基変化によりSer、Cys、Phe、Gln、Lys、またはGluに変わることができる。TAGは、1つの塩基変化によりTrpならびにTyr、Gln、Lys、Glu、Ser、およびLeuに変わることができる。表12は、ヒトDセグメントのトリミングにより得ることができる266の異なる四量体を示す。表13は、ヒトDセグメントのトリミングにより得ることが可能な215の五量体を示す。表14は、ヒトDセグメントのトリミングにより得ることができる155の五量体を示す。構築するライブラリーは、HC CDR1およびHC CDR2に実質的な多様性を有する。HC CDR3の配列多様性は、短いが受容可能な配列を有することよりも重要性が少ないかもしれない。JHセグメントまたはDセグメントの断片(例えば、3以上のアミノ酸)の多様性は、ヒト免疫系により構築可能な配列で、そのために免疫原子の少ないと思われる配列を提供する。
一実施形態では、Cysを含有する三量体、四量体、および五量体は除去される。
一実施形態では、Cysまたは停止コドンを含むD断片由来のアミノ酸を含む三量体、四量体、および五量体は除去される。
表11の三量体、表12の四量体、表13の五量体を使って構築される短いライブラリーは、実質的な多様性:それぞれ、266、266、および215を有する。これは、それぞれ、8000、160000、および3200000の数のこれらの長さを有するペプチドに匹敵するものである。
V−3D1−1.1.1−JH1は、FR3の終わりの部分と、それに続く、D1−1(RF1)由来の3つのアミノ酸、すなわち、GTT(配列番号:257)を含む。V−3D1−1.2−JH1は、親CDR3としてD1−1(RF1)のアミノ酸2−4を使う。V−3D3−3.3.3−JH2は、FR3の末端と、それに続くD3−3(RF3)のアミノ酸3−5を含む。本発明は、FR3::(3つ、4つまたは5つの、停止コドンを含まないヒトDセグメントのAA)::ヒトJH由来FR4、を含む任意のアミノ酸配列を含む。不対Cys残基を含むD領域の断片は、不対Cys残基を含まないものより好ましくない。JH3には、FR4の開始を決めるTrp−Glyのコドンの前に、4つのコドンしかないために、V−5JH3では、「y」で示されるTyrが存在する。V−5JH4には、同じ理由で、「s」で示されるSerがある。wobblingを使う場合、好ましい純度レベルは、0.75〜0.90である。本発明には、V−3JHからV−3JH6まで、V−4JH1からV−4JH6まで、およびV−5JH1からV−5JH6までの配列、および同配列を含むライブラリーが含まれる。本発明には、また、CDR領域がヒトD領域由来の3、4、または5アミノ酸セグメントにより置換された配列、および同配列を含むライブラリーが含まれる。本発明には、さらに、親の配列がCDR3領域で変異しているDNA、および同DNAを含むライブラリーが含まれる。好ましい実施形態は、CDR3当たりの塩基変化の平均数が1つ、2つまたは3つのものである。変異誘発の方法には、エラープローンPCR、wobbling、およびdobblingが含まれる。

Figure 2013504602
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あるいは、XbaIからBstEIIまでの領域に対応し、KまたはRである残基94、これに続く3、4、または5NNKコドン、さらにFR4のWG...が続く、配列を有するDNAの3つの断片を合成することもできる。許容される多様性は、20+20+20=3、368、000である。増幅後、これらのDNA分子は、比率1:10:100(短い配列が相対的にオーバーサンプリングになるように)で混合し、HC CDR1/2多様性を有するカッパライブラリーをコードするファージミドに挿入する。1x10のライブラリーは、大きな多様性を生じ、小から中位の突出のある標的に結合する抗体を単離可能とするはずである。例えば、種々の炭水化物、規則性のよくないループ状タンパク質(GPCR等)は非常に短いHC CDR3を有することにより形成された抗体中の溝の恩恵を受けることができる。また、ラムダライブラリーも構築できる。AA配列の比率は、1:20:400であり、より短い配列をより高濃度に採取することが重要であろう。Ab中に大きな、幅の広い溝を作るには、正確に1つの3AAのCDR3が必要で、4AAのCDR3になるとおそらく隙間ができてゆるゆるになり、5AAではもっとゆるゆるになるであろう。この例では、WGモチーフ以降にFR4のJH6タイプを使っている。
現在のカッパライブラリーから、例えば、a)フレームワーク領域で生殖系列である、b)CDRに適切な多様性がある、およびc)3−23と孔および対の孔を作るタイプである、25カッパ軽鎖のコレクションを選択することができる。これらのLCは、Kanを保持し、ファージパッケージングシグナルを持たないベクターから大腸菌中で作られる。次に、LCを有さないファージベクター中でHCライブラリーを構築する。LC産生細胞をHCファージに感染させることによりHCおよびLCを交差させる。選択されたHCファージは、ELISAファージを産生する細胞のLCと組み合わすことができ、またはHCは全LC多様性を有するpMID21に挿入することができる。あるいは、選択HCをpHCSK85に挿入し、ROLICと一緒に使用して、我々の収集の全LCと結合させることができる。ラムダLCも値用可能である。従って、ファージ中の1x10HCのライブラリーは、1.2x1011(1.x10x117)のFabライブラリーに拡張可能である。1x10CDR1−2を10HC CDR3と合わせると、各CDR3が50CDR1−2と結合した5x10のライブラリーを作ることができる。5x10HCのファージ中ライブラリーは、6x10の旧型ライブラリーと類似の結果を与えることができる。
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あるいは、現在のHC多様性を挿入するDY3F87HCにし、上述のCDR3多様性を、XbaI−BstEII断片としてその多様性中に挿入することができる。例えば、25LCライブラリーをpLCSK23に挿入し、TG1大腸菌中に細胞株を生成するために使用する。これらの細胞を新規HC CDR3(およびCDR1−2)多様性を有するDY3F87HCファージに感染させる。この感染により得たファージを所望の標的に対する結合を使って選択する。2〜4ラウンドの選択後、選択されたHCをpHCSK22に挿入し、細胞株を生成するのに使用する。この細胞株は、ROLICと共に使用して、選択されたHCをROLICLCライブラリー中の全LCと組み合わせることができる。このように、1.E9のライブラリーにより、通常なら、1.E16のライブラリーの構築が必要となるはずのAbが得られる(LC多様性を1.E7と仮定して)。
非常に短いHC CDR3を有するライブラリーのさらなる実施例
一実施形態では、ライブラリーは、長さ3のP1−P2−P3のCDR3を有し、ここで、P1の許容アミノ酸タイプは表3305の実際のAbで見られるもの、およびHisとAlaから選択され、P2の許容アミノ酸タイプは表3305の実際のAbで見られるものから選択され、また、P3の許容アミノ酸タイプは表3305の実際のAbで見られるものから選択される。例えば、ライブラリーは、アミノ酸配列SRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCAK−X1−X2−X3−WGQGTLVTVSSを含み、ここで:
X1は、G、E、R、S、I、F、L、N、Q、H、またはAで、比率は、5000:938:938:938:625:313:313:313:313:313:313であってもよく、
X2は、G、D、S、E、R、F、H、I、K、N、Q、W、またはYで、比率は、3438:1563:1250:625:625:313:313:313:313:313:313:313:313であってもよく、さらに
X3は、Y、L、R、V、F、N、A、H、G、I、またはTで、比率は、1875:1563:1250:1250:938:938:625:625:313:313:313、であってもよい。
このライブラリーの多様性は、HC CDR3で1、573である。Metは、位置X1で出現するが、CDR3中のメチオニンを選択するのは望ましくないので、これを除外する。AlaおよびHisは、調査した32抗体の検体中のP1位置には現れないが、より多くの配列多様性を得るためにP1位置にAlaおよびHisを含める。3つの位置に任意のアミノ酸を許容すると、8000配列になる。SRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCAKは、XbaI部位で始まるFR3の一部である。WGQGTLVTVSSは、BstEII部位を含むFR4である。JH1およびJH4のFR4配列は、同等である。最も好ましい構築方法は、dobblingによるものである。HC CDR1とCDR2およびLCにも多様性があることを理解されたい。これらの1、573配列からの方が、除外した6、427(8000−1573)からより多くの機能する抗体を得られそうである。
一実施形態では、ライブラリーは、長さ4のCDR3を有し、この場合、許容アミノ酸タイプは、表3306に示される実際のAbで見られるものから選択される。例えば、ライブラリーは、アミノ酸配列SRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCAK−X1−X2−X3−X4−WGQGTLVTVSSを有し、ここで:
X1には、D、G、S、R、Q、E、P、A、V、F、K、L、N、T、W、またはYが許容され、その比率は、27:21:9:8:6:5:5:4:4:2:2:2:2:2:2:2であり;
X2には、G、L、F、R、S、A、P、E、T、Y、D、K、V、またはWが許容され、その比率は、18:17:16:11:7:5:5:4:4:4:2:2:2:2(Metは除外)であり;
X3には、G、D、E、K、R、A、S、V、L、Q、T、またはYが許容され、その比率は、30:23:9:6:6:4:4:4:3:3:3:3であり;さらに
X4には、Y、I、V、D、H、G、N、P、R、F、S、またはTが許容され、その比率は、37:8:8:6:6:5:5:5:5:4:4:3である。
このライブラリーのCDR3の多様性は、32、256で、一方NNK方式で4倍にすると160、000アミノ酸配列が許容される。
一実施形態では、ライブラリーは、長さ5のCDR3を有し、この場合、許容アミノ酸タイプは、表3307に示される実際のAbで見られるものである。例えば、ライブラリーは、アミノ酸配列SRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCAK−X1−X2−X3−X4−X5−WGQGTLVTVSSを有し、ここで:
X1には、G、D、L、V、A、S、F、H、I、R、Q、またはWが許容され、その比率は、40:12:10:8:7:7:6:5:4:3:2:2であり;
X2には、G、P、T、D、Y、R、V、A、L、Q、W、またはSが許容され、その比率は、16:12:11:9:9:7:7:6:6:5:5:4であり;
X3には、G、F、L、R、S、W、A、K、M、P、D、またはEが許容され、その比率は、39:18:12:6:6:5:4:4:3:3:2:2であり;
X4には、D、G、A、R、E、S、Y、F、I、K、またはLが許容され、その比率は、38:31:6:5:4:4:3:2:2:2:2であり;さらに
X5には、Y、V、D、I、N、S、F、G、A、H、またはLが許容され、その比率は、37:12:11:10:6:6:4:4:3:3:3である。
このCDR3ライブラリーは、NNKによる5倍の3、200、000に比べ、209、088配列を許容する。長さ5のCDR3を有する実際のAbには、ほとんど、または全く見られないAATを除外すると、配列の数は15倍減少する。Metが位置4に現れるが、CDR3中のメチオニンを選択するのは望ましくないので、これを除外する。
理論実施例2:非常に長いHC CDR3を有するライブラリー
Sidhu et al.(J Mol Biol.2004 338:299−310.および米国公開特許20050119455A1)には、20アミノ酸までの長さに制限されたCDR中でYおよびSのみが許容されたライブラリーから選択された高親和性Abの報告がある。1つまたは複数の次の形の多様性のHC CDR3を有するライブラリーから高親和性Abを生成することが可能である:a)YまたはSを許容するいくつかの(全部ではない)部位の多様性、b)4〜6NNKコドンを含む多様性、c)Dセグメントを導入した多様性(Dに多様化がある場合、または無い場合)、および/またはd)エラープローンPCRを使った多様性。すでにHC CDR3が長さ中央値13で約8〜約22の範囲にあるAb領域の試料作成をした。従って、HC CDR3が約23AAまたは約35AAのライブラリーが可能であり、特定のタイプの標的に対して有利な点がある可能性がある。例えば、GPCRは、多状態を持つと考えられる細胞の脂質二重層を貫通する7つのヘリカルセグメントを有する膜内在性タンパク質である。非常に長いHC CDR3を有する抗体は、7つの鎖により形成された溝に合致する隆起を形成できる。GPCRに結合するAbを見付けることは困難であったが、全メンバーが非常に長いHC CDR3を有するライブラリーの意図的構築により、この問題を改善することができる。長さを、例えば、1つのライブラリー中で23、24、または25、さらに2つ目で33、34、または35、と幾分可変できる。
以下は、多くの代表的設計である。CDR3を分解し、Xの値に応じて、種々の部分に異なる関係を持たせることにより多様性を生成させる。完全長JH1を使用し、一部の設計では、JH1のCDR3部分に多様性を許容することにより多様性を得た。他のJHも使用可能である。設計では、Dセグメントは、Yに富むか、またはSリッチのジスルフィドループを有する。ヒトDセグメントのアミノ酸配列を表3に示す。D領域がSまたはYを有するか、または他の許容された組み合わせのある場所は、特に、変化に富む。表3には、ヒトJ領域のアミノ酸配列および21、578Ab中のその頻度を示す。
各ライブラリーは、少なくとも4つの方法で構築可能である:1)特定のアミノ酸配列をコードするDNAを最初に合成し、エラープローンPCRを行う、2)ライブラリーは、wobblingにより、またはヌクレオチドの混合物を使って合成できる、3)ライブラリーは、dobblingを使って構築できる、さらに4)ルート(2)または(3)の後に、エラープローンPCRを行う。ルート(1)の例として、設計12で、配列番号911に示すように、配列番号908をコードするDNAを合成できる。このDNAは、配列番号909および配列番号910に示すプライマーを使ってエラープローンPCRを行うことができる。これらのプライマーは、フレームワーク領域を包含するので、エラーは、CDR3中でのみ発生する。
CDR3長さ23の、例えば、2x10メンバーを有するHCのライブラリーおよびHC CDR3長さ約35の、2x10メンバーを有する2番目のライブラリーを構築できる。あるいは、DNAを混合して、4x10の1つのライブラリーを構築できる。
次の設計のそれぞれでは、アミノ酸配列は、FR3の末端であるYYCA(K/R)で始まる。また、開始配列を生殖系列の3−23であるYYCAKに制限することも、本発明の範囲に含まれる。FR4は、WGで始まり、太字で示している。
設計1
配列番号898は、FR3の末端を含み、これは、VおよびDの間に免疫系が位置するフィラー配列によく見られるタイプの2つの残基(DG)に結合される。これらの次に、D2−2.2が続くが、これは、それがジスルフィドループを有し、SerとTyr残基に富んでいるために、好ましい。この後に、YGYSYが続き、これは、TyrとSer残基に富んでおり、さらにその後に完全長JH1が続く。
ON−C23D222−2では、NNKコドンが配列番号898で示されるアミノ酸配列をコードするコドンにより置換される。次に、このDNAをエラープローンPCRに供し、適切なレベルの多様性を導入する。二重下線部分に相当するプライマーがエラープローンPCRの間の変異をCDR3に限定する。
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設計1(C23D222)は、RまたはKである94、次いで、2X、ループ中に2つのXを有する第2の読み枠によるD2−2、その後に続く2つのX、およびJH1を有する。D2−2の第2の読み枠はジスルフィド閉ループを有し、その中に2点での多様性が導入されている。このCDR3は、23の長さである。カッパLCおよびHC CDR1/2のライブラリーに挿入するために増幅してXbaIおよびBstEIIに結合する前に、...YYCAまで、およびWGQG...からのDNAを含むプライマーを使って、CDR3のエラープローンPCRを行うことができる。従って、固定して示しているAAは、少し変えることが許容されている。PCRオーバーラップ領域の一部であるAAは、最終的に非エラープローンPCRにより増強される。エラープローンPCRは、必ずしも設計に必要な要素ではない。
Figure 2013504602

Figure 2013504602
設計2(C23D310)は、RまたはKとして94、2つのX、第5および第8残基をXに変えたD3−10(RF2)、2X、SYY、およびJH1を有する。CDR3は、23AAの長さで、エラープローンPCRを使って、さらに多様化可能である。
Figure 2013504602
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設計3(C23D310B)は、RまたはKとして94、XZ、第2、第3、第5、および第7残基をZ(Y|S)に、また、第8残基をXに変えたD3−10(RF2)、ZXZYZ、およびJH1(EをXに変えて)を有する。Zは、YまたはSである。CDR3は、23AA長さで、エラープローンPCRを使ってされに多様化可能である。

Figure 2013504602
Figure 2013504602
設計4は、長さ35のCDR3を有する。残基94は、KまたはRでよく、次にYYS::X::SYY::X::D3−22(第2のRFの1つのSをXに変え、また3Zに変えて)::X::YYS::X::YZZZ::JH1(2Zに変える)の配列。エラープローンPCRを使って、さらに多様化可能である。
Figure 2013504602
Figure 2013504602
設計5(C23D222b)は、設計1類似であるが、Z(YまたはS)可変コドンを多用している。このCDR3は、23の長さである。
Figure 2013504602
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設計9
設計9は、Dセグメントが右に移動していることを除いて、設計8に類似である。
Figure 2013504602
Figure 2013504602
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設計10(C24D310B)は、設計3に類似であるが、CDR3は、長さ24である。設計10は、94がRまたはKで、それに続いて、XZZ、第2、第3、第5および第7残基をZ(Y|S)とし、さらに第8残基をXに変えたD3−10(RF2)、ZXZYZ、ならびにJH1(EをXに変えて)と続く配列を有する。Zは、YまたはSである。CDR3は、24AAの長さで、エラープローンPCRによりさらなる多様化が可能である。

Figure 2013504602
Figure 2013504602
Figure 2013504602
設計13
設計13は、定常部全体にわたりオーバーラップする2つのDNA断片作ることができるようにZの集団の中央に生殖細胞系列Dセグメントを置いている。HC CDR3は、34の長さで、多様性は、223〜8x10である。
Figure 2013504602
設計14
設計14は、Dセグメントがほとんど生殖系列であること以外は、設計9と類似である。
Figure 2013504602
設計15
設計15は、オーバーラップ中に5つの2方向フリップフロップの多様性を許容する。32オーバーラップ配列があるのみで、ミスマッチがあったとしても、許容された多様性が変わることはないであろう。
Figure 2013504602
設計16
設計16は、35の長さのCDR3を提供する。オーバーラップ中に4つの2方向フリップフロップがあり、従って、16配列になる。
Figure 2013504602
C34D225.2AおよびC34D225.2Bをこの混合物に添加した場合、長さ33、34、および35の長さのCDR3が得られる。
Figure 2013504602
Figure 2013504602
Figure 2013504602
Figure 2013504602

設計19は、長さ35のCDR3を有する。残基94は、KまたはRでよく、ZZZZZZZZZ::D3−22(6つのYをZとして含む第2RF)::ZZZZZZZZZZZ::JH1(1Zを含む)の配列である。エラープローンPCRを使って、さらに多様化可能である。
Figure 2013504602
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設計20は、33、34、または35の長さのCDR3を有する。残基94は、KまたはRでよく、ZZZZZZ(Z)ZZ::D3−22(6つのYをZとして含む第2RF)::ZZZZZZZ(Z)ZZZ::JH1(1Zを含む).(C35D322AJH1_T)、(C34D322AJH1_T)、(C35D322AJH1_B)、および(C34D322AJH1_B)のPCRによる結合で、長さならびに配列の多様性が得られる。
Figure 2013504602
停止コドンに対する選択:
これらのライブラリーの一部はNNKコドンを有するため、ライブラリーは、いくつかのTAG停止コドンを持つことになる。bla遺伝子用のシグナル配列および実際のblaタンパク質の間のXbaI−BstEII部位に増幅DNAを挿入し、Sup細胞中で発現させることにより、TAGを有するクローンを除去することができる。Blaコロニーは、TAG停止コドンを含まない。別の方法としては、カナマイシン耐性遺伝子の前にXbaI−BstEII断片を挿入し、Kanで選択することができる。次に、XbaI−BstEIIカセットをファージライブラリー中に導入することができる。
また、wobblingはいくつかの停止コドンを許容するため、bla遺伝子用のシグナル配列および実際のblaタンパク質の間のXbaI−BstEII部位に増幅DNAを挿入し、Sup細胞中で発現させることにより、停止コドンを有するクローンを除去してライブラリーを改善することができる。Blaコロニーは、TAG停止コドンを含まない。別の方法としては、カナマイシン耐性遺伝子の前にXbaI−BstEII断片を挿入し、Kanで選択することができる。次に、XbaI−BstEIIカセットをファージライブラリー中に導入することができる。
Figure 2013504602
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Figure 2013504602
Figure 2013504602

表11:ヒトDセグメントから抽出可能な三量体
表11〜14で、アミノ酸配列中の小文字は、停止コドンが小文字の残基に変えられたことを示す。例えば、アミノ酸配列「yLE」では、Tyr残基が停止コドンの位置に導入された。
Figure 2013504602
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実施例3:6〜20の長さのHC CDR3。
合成HC CDR3へのDセグメントの挿入により、より大きな安定性とさらに低い免疫原性を得ることができる。VHを任意選択のある長さのフィラーに結合し、これをDセグメント、任意選択の第2のフィラーおよびJHに結合することにより、アミノ酸レベルでライブラリーの設計を行った。長さ6または8のライブラリーに対しては、VHと短いフィラーの後に完全長JHを連結できる。表20は、1つまたは別の標的に対する結合によりFAB−310またはFAB−410から選択した21、578Abの抽出検体中におけるDセグメントの頻度を示す。検体中で、10、439Abは、検出可能なDセグメントを有していなかった(すなわち、9以下の連続塩基であり、42未満のスコアであった)。Dセグメントが使われている場合は、D3−22.2(1290)、D3−3.2(1236)、D6−19.1(866)、D3−10.2(724)、D6−13.1(638)、D5−18.3(404)、D3−10.1(396)、D6−13.2(383)、D1−26.3(333)、D3−10.1(396)、D3−16.2(305)、D4−17.2(297)、D6−19.2(286)、D3−10.3(281)、D3−9.2(239)、D5−12.3(235)、D2−15.2(233)、D6−6.1(221)、D1−26.1(191)、D2−2.2(175)、D6−6.2(145)、D2−2.3(142)、D4−23.2(136)、D5−24.3(126)、D3−3.3(121)、D3−3.1(114)、D1−7.3(111)、およびD6−19.3(106)のDセグメントが多い。括弧中の数字は、21、578Ab検体中の表記名称Dセグメントの出現回数である。一実施形態では、HC CDR3は、ライブラリーのほとんどのメンバーがヒトDセグメントから取り出した3〜10アミノ酸セグメントを有するように構築される。一部の実施形態では、Dセグメントは、多様化される。一部の位置は固定され、他の位置を多様化して、Dセグメントのアミノ酸がその位置で最も出現頻度の多いアミノ酸であるようにすることができる。
親のアミノ酸配列が設計されるとすぐに、エラープローンPCR、wobbling、およびdobbling、等のいくつかの方法により多様化可能である。表14は、ヒトD領域から誘導されうる六量体の数を示す。一実施形態では、システイン残基を含む六量体は除外される。一実施形態では、停止コドンを含むD領域の断片は除外される。一実施形態では、D領域で見つかったどのTAGコドンも、TCG、TTG、TGG、CAG、AAG、TAT、およびGAGを含むセットから選択されるコドンで置換される。一実施形態では、D領域で見つかったどのTAAコドンも、TCA、TTA、CAA、AAA、TAT、およびGAAを含むセットから選択されるコドンで置換される。一実施形態では、D領域のどのTGAも、TGG、TCA、TTA、AGA、およびGGAを含むセットから選択されるコドンにより置換される。
表21は、6〜20アミノ酸のCDR3用の代表的親アミノ酸配列を示す。これらの親配列は、HC CDR1およびCDR2の多様性と組み合わせてライブラリーを形成することができる。CDR3領域が、例えば、CDR3のwobbling、dobbling、またはエラープローンPCRにより多様化される場合は、有用性が改善されそうである。表21で、配列6aは、全JH1に融合した3−23由来のVH末端を含む。配列6bは、3−23の末端を含み、これにY、D4−17(RF2)、JH1のFR4領域と順に結合している。配列6cは、3−23の末端を含み、これにD5−5(RF3)、さらにJH1のFR4部分が続く。配列6dは、3−23の末端を含み、これに、SYが結合し、さらにSYに全JH4が結合している。表21は、CDR3のwobblingに適切と思われるドーピングのレベルを示すが、他のレベルも充分使用可能である。他のD領域またはD領域の断片も使用可能である。他のJH配列の使用可能である。

Figure 2013504602
Figure 2013504602
Figure 2013504602
表22:HCディスプレイカセット
表22のアミノ酸配列は、配列番号892である。
表22のDNA配列は、配列番号893である。
Figure 2013504602
Figure 2013504602
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表25:生殖系列O12カッパ軽鎖試料を含むDY3F85LCのDNA配列。 示した抗体配列は、実際の抗体の形であるが、特定の抗原に対する結合については特定されていない。
各行で、感嘆符(!)の後の全ての記載は、コメントである。
DY3F85LCのDNAは、配列番号27である。
Figure 2013504602
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実施例4:CDRのDobbling
次の実施例は、合成ライブラリー構築におけるdobblingの使用に関する典型例を示す。親3−23重鎖(HC)をCDR1、2、および3で多様化する。この多様性は、合成的に多様化されたA27軽鎖(LC)と組み合わされる。多様性は次の通り:
実施例4.1 HC CDR1
次のdobblingの多様性により、5、832変異体が許容される。表50参照。位置31で、Serは、生殖系列(GL)アミノ酸タイプである。従って、Serを、例えば、他のタイプより3倍多く出現する可能性があるようにつくる。18タイプが許容されるので、Serは15%の確率で許容され、他の全てが5%で許容される。従って、AAタイプの選択を行わなければ、位置31でSerを有するAbをより多く単離するであろう。同様に、33の位置で、GLAAタイプは、Alaであり、Alaを、例えば、他のもの(5%)より3倍多く(15%)出現する可能性があるように作る。位置35では、SerはGLAAタイプで、Serを、例えば、他のものより3倍多く現れる可能性があるように作る。このような全位置で、CysとMetを除外した。Abの溶解度と反応性に悪影響を与える有用でないジスルフィド、および露出した不対システインを所望しないので、Cysを除外する。露出メチオニン側鎖は、結合特性および保存可能期間を変化させる可能性がある酸化の対象であるという理由で、除外する。生殖系列アミノ酸タイプを他のAAタイプより、2、3、4、5、6、7、8、9、または10倍多く存在する可能性があるように作成することが可能である。従って、GLAATは、許容AATの2/19、3/20、4/21、5/22、6/23、7/24、8/259/26、または10/27の構成要素になることができる。
表54は、位置53にNを許容しないHC CDR1の多様性を示す。Serは、位置55ではGLAATであり、位置53でNを許容することにより、位置53〜55でN−X−(S/T)を作る確率が高いであろう。位置53のAはGLAATであり、位置51〜53でのN−X−(S/T)形成の可能性は低いために、位置55のNは保持される。
Figure 2013504602
Figure 2013504602
本開示の全体を通して、「許容」と示されているアミノ酸は、所与の位置で使用可能なアミノ酸である。例えば、表50で、位置31で許容アミノ酸「ADEFGHIKLNPQRSTVWY」が示されている。これは、アミノ酸A、D、E、F、G、H、I、K、L、N、P、Q、R、S、T、V、W、およびYの全てが位置31で許容されることを示している。
実施例4.2:HC CDR2
CDR2では、位置50、52、52a、56、および58で多様性が許容される(表51に示すように)。50、52、56、および58では、CysとMetを除く全アミノ酸タイプを許容し、GLAAタイプを3倍多く現れる可能性があるように作成する。GLAAタイプを、他のAAタイプより2、3、4、5、6、7、8、9、または10倍多く現れる可能性があるように作成することが可能である。
表55は、位置50〜52でのN−X−(S/T)の高出現頻度を避ける修正された多様性を示す。表54と55を使って、HC CDR1/CDR2の多様性2.184E9を得る。位置52、56、および58では、CysとMetを除く全てのアミノ酸タイプが許容される。位置50では、C、M、およびN以外の全てのAATが供される。GLAAタイプが、例えば、3倍、多く現れる可能性があるように作成される。GLAAタイプを、他のタイプよりも2、3、4、5、6、7、8、9、または10倍多く現れる可能性があるように作成することができる。
Figure 2013504602
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表50および表51に示すCDR1およびCDR2の多様性を組み合わせた多様性は、2.45E9となる。
実施例4.3:別の好ましい形のHC CDR1およびCDR2の多様性を表190に示す。これらの多様性は、一部は、種々のソース由来の抗体の調査をもとにしたものである。この多様性のバージョン1では、CDR1は1944配列が許容される。この実施形態では、位置31は、DGASNRのみが許容される。位置33と35では、CysとMetを除く全てのAATが許容される。Cysは、所望でない異質のジスルフィドまたは露出された不対シスチン(両方とも好ましくない)を防ぐために除外される。Metは、メチオニンが選択されるのを防ぐために除外される。結合部位にメチオニンがあると、Abの保存可能期間を短くする傾向がある。結合部位でのMetの酸化は、Abの結合特性を変化させる可能性が非常に高い。位置31、33、および35は、これらの位置のアミノ酸側鎖が、抗体結合部位の方を向いているという理由で、多様性付与の目的のために選択される。このような位置にあるメチオニンは、酸化されると結合特性を大きく変える可能性が高い。表190の多様性のバージョン2では、位置31は、CysとMet以外の任意のAATに対して許容されている。多様性は、5、822である。
CDR2の多様性のパターンは、バージョン1および2に対し同じである。それぞれは、CDR2で1.49E6アミノ酸配列を許容する。位置50では、YRWVGSEAが許容され、陽(R)または陰(E)電荷が選択できる。位置52では、CysとMet以外の全てのAATが許容される。位置52aでは、小さい、および嵩高い側鎖の両方が許容される。53では、DGASNRが使用でき、陽性のおよび陰性の側鎖ならびに水素結合側鎖が許容される。55では、GまたはSが許容される。56では、CysとMet以外の全てのAATが許容される。58では、YRWVGSEAが許容される。組み合わされた多様性は、2.9E9および8.7E9である。どの置換であっても、抗体を破壊するとは考えられないので、アンダーサンプリングが許容される。5.E8の抽出検体は、CDR1−2の非常に有益な多様性を与えるであろう。2.E9の抽出検体が好ましい。5.E9の抽出検体ならさらに好ましい。
バージョン3では、位置54でGlyおよびPheが許容される。これは、AbをCDR2中の1−69に似させる;1−69は、ウイルス標的の結合剤として選択されることが多い。さらに、位置53の許容AATにIleが追加された。バージョン3では、位置33、52、53、および56からNを除外した。53でQが許容される。バージョン3のCDR1の多様性は1890である。CDR2の多様性は5.97E+06である。組み合わされた多様性は、1.13E+10である。1.E6、3.E6、1.E7、3.E7、1.E8または3.E8のライブラリーが適切であろう。
バージョン1、2、および3で、許容AATのリスト中の最初のAATは、生殖細胞系列AATである。これは、他の全てのAATより2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−、9−、または10−倍出現頻度が高い可能性がある。
FR2中の特有のBstXI制限酵素部位のために、CDR1とCDR2を組み換えることができる。
Figure 2013504602
Figure 2013504602
実施例4.4 長さ3、4、5のHC CDR3
dobblingにより非常に短いCDR3を作製可能である。表7は、CDR3長さ3用のいくつかの親配列を示す。94では、多くのVH3がArgを有し、この変化を許容するが、Lysが3倍多く現れる可能性があるように作成する。95では、JH1のこの位置にFが認められる。さらに、Ser、Tyr、Asp、およびArgならびに小さいもの、大きいもの、プラス電荷、およびマイナス電荷を許容する。96では、JH1はQを有する。Qは、Gluに非常に似ているので、酸性の代替AAとしてGlu、ならびにArg、Ser、Tyr、およびLeuを許容する。97では、HisはJH1由来の生殖系列AAである。マイナスチャージ(D)、プラスチャージ(R)、小極性(S)、大きな疎水性(Y)、および脂肪族(L)を許容する。親配列がライブラリーの4.5%を占めるが、これをCDR1およびCDR2の大きな多様性と組み合わせる。dobblingは全部で360配列をあたえる。最も出現頻度が少なそうな配列は、1/1792の確率で発生する。最も発生頻度の大きい(親)配列は、約1/22の確率で発生する。K94を3−23用の生殖系列であるLysとして維持することも、また、本発明の範囲に含まれる。
Figure 2013504602
表61は、dobblingを行った長さ3のHC CDR3を示す。ここで、K94をW103として固定している。「親」のDセグメントアミノ酸を他の許容AAタイプより5倍多く現れる可能性があるように作成した。

Figure 2013504602
この実施例では(表62、表8由来のV−4JH2を使って)、94をLysに固定している。95には、JH2はTyrを有しているが、Ser、Asp、Arg、およびLeuを許容して、抗原に適合させるために、サイズ、チャージ、および疎水性を変えることができるようにする。96でJH2はPheを有するが、Ser、Tyr、Asp、Arg、およびLeuを許容した。97では、JH2はAspを有するが、Arg、Ser、Tyr、およびLeuを許容した。98では、JH2は、Leuを有するが、Ser、Tyr、Asp、およびArgを許容した。このパターンでは、750の異なる配列を与え、この中で親が最も多く現れそうである(1/18)。最も出現が少なそうな配列は、1/4608の確率で発生し、最も発生しそうなものに比べ256倍少ない。
Figure 2013504602
表63では、表8由来のV−4D3−10.1a−JH2のdobblingがある。94で、LysおよびArgを許容し、Lys(親の)がArgより存在の可能性が4倍高い。95では、D3−10.1a(すなわち、第1の読み枠によるD3−10で、AA1から開始)は、Leuを有する;SYDRを許容し、同様に他のタイプのAAよりLeuの存在の可能性が4倍高い.96では、D3−10.1aはここでもLeuを有し、これに対しても同じ選択を許容する。97では、D3−10.1aは、Trpを有し、Ser、Tyr、Asp、およびArgを許容するが、同様にTrpの存在の可能性が4倍高い。98では、D3−10.1aは、Pheを有し、Ser、Tyr、Asp、およびArgを同様に許容する。
Figure 2013504602
実施例4.5:長さ10〜20のHC CDR3
HC CDR3
長さ16CDR3を含む2つのサブライブラリー:
Figure 2013504602
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表65は、配列番号898のdobblingによる多様性を示す。全体の多様性は、2.1E13である。1.E8、3.E8、5.E8、1.E9、または5.E9の多様性を作る合成法は、適切な多様性を得る見本になるであろう。配列番号898の設計については、前に考察した。配列番号898のdobblingでは、ほとんどの位置で、他のAAタイプより3倍多い親のAAタイプの出現を許容することになる。親がTyrである位置では、従って、TyrとSerを等量とし、Leuの頻度をこれらの半分とする。Cys残基は固定する。各親AAタイプは、Arg、Asp、Ser、Tyr、またはLeu(親が疎水性、例えば、Phe、の場合は、Leuは除外されうる)の内の1つになるよう許容される。親配列は、1/1.E8で発生する。最も可能性の少ない配列は、1/9.5E16で発生する。ライブラリーが実際に親配列を含むことは重要ではなく、多くの親に似た配列を含むことが重要である。従って、1.E7、5.E7、1.E8、3.E8、1.E9、または5.E9を含むライブラリーは、HC CDR1、HC CDR2、LC CDR1、LC CDR2、およびLC CDR3の多様性と組み合わせると、多くの貴重なAbを含むライブラリーを提供できることになる。

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実施例4.6 yycakGSGYCSGGSCYSFDYwgqgtlvtvss(配列番号931)のDobbling(Biblioteca61)
表80は、配列番号931のdobblingの結果を示し、長さ15のHC CDR3の例である。位置94は、FR3の一部で、一定に保持される。位置95および96は、「親」アミノ酸タイプ高頻度で使われるセット(YGDRS)から選択され、G95およびS96である。次の10箇所の位置は、D2−15.2(中程度の頻度で使われるジスルフィド閉ループ含有Dセグメント)から組み込まれる。最後の3箇所の位置は、表3に示すように、JH4の位置100、101、および102由来である。各位置で、他の許容タイプよりも、親アミノ酸タイプが3倍多く現れる可能性があるように作成する。Cys残基は固定する。102eでは、YGSRDよりもPheが3倍多く現れる可能性がある(すなわち、Pheは、Y、G、S、R、またはDのいずれかのアミノ酸よりも3倍多く現れる可能性がある)。多様性は、1.46E9が得られる。親配列は、1/6.9E4で出現することが期待される。それぞれが単独で置換された配列になるのは、約1/3の可能性となる;2つ共に置換されるのは、1/9の可能性となる、等々。他のAAタイプを全て含む配列の発生確率は、1/1.1E11に過ぎない。
表21の他の配列のそれぞれも、同じ手法でdobbling可能である。
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実施例43:フレームワークとしてVH3−66の使用
本発明の方法は3−23以外のHCにも使用可能である。例えば、VH3−66に対し使用可能である。表3500には、SfiIからNheIまでのこの遺伝子の部分が、本開示の他の例のいずれかのSfiI−NheI部分を置換し、実行可能なディスプレイまたは発現遺伝子を産生することができるという点で、本開示のベクターと適合する遺伝子を示す。表3500n遺伝子は、5’側でSfiI、MfeI、BsrGI、およびBlpI、ならびに3’側でXbaIおよびSalIに取り囲まれたCDR1を有する。CDR2は、5’側でXbaIおよびSalI、ならびに3’側でXmaI、PstI、およびApaLIに結合している。CDR3は、5’側でXmaI、PstI、およびApaLI、ならびに3’側でBstEII、SacI、およびNheIに結合している。
トラスツズマブは、3−66に類似のフレームワークを有する。Fuh et al.(Science 2009、323:1610−4)は、トラスツズマブをベースにして、HC中の残基を多様化し、抗体の二重結合を最適化した。多様化した位置は、CDR1の30〜33、CDR2の50、52−54、56、および58、ならびにCDR3の95〜100であった。我々は、位置HC CDR1の30−33、HC CDR2の50、52−54、56、および58、ならびにLC CDR1およびCDR3に多様性を導入する予定である。このような状況に対し、本開示のいずれのCDR3設計も導入可能である。制限酵素部位が異なるので、プライマーは異なるであろうが、当業者なら、設計を容易に適合させることができる。
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実施例44:多様化トラスツズマブ
表3508は、ファージ上でトラスツズマブのHCを提示するために使用可能な遺伝子断片を示す。本開示のいずれかのベクターを使って、SfiIからNheIへのセグメントの置換により、トラスツズマブのHCの発現または発現と提示を行うベクターを産生する。トラスツズマブのLCまたはLCのライブラリー、例えば、多様化A27LCのライブラリーを使うこともできる。表3508で、残基の上部のアステリスクは、Fuh et al.(Science 2009、323:1610−4)がHER2ならびにVEGFの両方に結合するトラスツズマブをベースにした抗体の結合を微調整してその位置を多様化したことを示す。トラスツズマブは、2アミノ酸のJstumpを有するJH4を使用することに注意のこと。
多様性は、星印の位置でHC CDR1およびCDR2中に導入可能である。さらに、本開示のCDR3多様化用のいずれかの設計をトラスツズマブのフレームワークに容易に適応させて、類似の提示を可能にすることができる。
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実施例5:合成軽鎖多様性
全抗体を作るためには、重鎖のライブラリーを軽鎖のライブラリー(LC)と組み合わせる必要がある。天然のAbでは、HCがほとんどの結合を行い、多くのライブラリーがLCに対しわずかの注目しか払っていない、またはLCの多様性をヒトドナーから得ているということがよく見受けられる。十分な多様性もって、ほとんどの標的に対する良好な結合剤を得るために、ヒト免疫系が通常提供するものを超える多様化プログラムを設計した。にもかかわらず、プログラムは、天然のAbで見られるのと同じ種類の変化であるが、それより少し多くの変化を有する完全機能性LCを得るよう設計される。VkappaIII A27がLCとして選択された。
ドナーから提供されたカッパおよびラムダLCを含むライブラリー由来の、1266Abのコレクションを分類した。VKIIIの中で、A27が最も頻度が高く(表66)、またHC3−23との対形成も良好である。
A27のCDRは、12、7、および9アミノ酸を含む。1476 A27 LCのコレクション中で、1291は長さ12のCDR1を有し、181は長さ11のCDR1を有する(表3005)。同じ検体中で、1439は長さ7のCDR2を有し、37は長さ8のCDR2を有する。CDR3で、頻度の高い長さは、8(179)、9(835)、10(312)、および11(88)である。これらの位置の全てに対する多様性の導入は、うまくいかない可能性がある:すなわち、a)多くの不安定、または非機能性のメンバーが存在する可能性がある、およびb)一部の位置での多様性が結合の改善を支援しない可能性がある。そこで、可変位置の数を28から16に減らした。CDR1で1つのアミノ酸の欠失を許容する。長さ8、9、および10のCDR3を許容する。
A27LCを有する1QLRの3D構造を調査した。1GLR構造は、RCDBタンパク質データベースから公に入手可能である。これにより、表68でマークした残基が可変用に有用であるように見える。T56は、HC CDR3中でHisから約10Aである。56での変化は、有用である可能性がある。G24は、HC CDR3中の原子から約7Aに過ぎない。生殖系列はR24である;従って、24での変化は有用である可能性がある。
表69は、pMID21中で使用するために設計したディスプレイカセットを示す。従って、選択された制限酵素はpMID21中で他の部位を持てない。SpeIは、iiiシグナル配列中にあり、AscIは、停止コドンの丁度後ろにあるため、全体LCが挿入されるか、または除去されることになる。XmaI、PpuMI、EcoO109I、およびBlpIは、CDR1の前にある。SacIIはFR2中にあり、CDR1とCDR2分離する。あるいは、AvrII部位を同じ位置に挿入可能である。BspEIおよびXhoI部位はFR3中にあり、KpnI部位はFR4中にある。
1439A27配列を集め、CDR中で起こっていることを分析した。表70、表3002(CDR1)、表3003(CDR2)、および表3004(CDR3)は、分析結果を示す。表70では、我々のライブラリー由来のAbで何がわかるか、また、各位置で何を導入するかを示す。特に表70は、各位置に対する生殖系列AAT以外の各タイプのアミノ酸の数を示す。全体の要約は、表3001〜3003に示す。位置は、3つのカテゴリーに入る:生殖系列アミノ酸タイプ(AAT)として固定した位置、生殖系列の親から変更した位置、および挿入される位置。生殖系列AATを55%の確率でコード化する、生殖系列AATを変化させる場合は、それぞれ7%の確率で許容される5つのAAT、およびそれぞれ2%の確率で許容されるさらに5つのAATが存在する。一部のケースでは、かなり高い頻度で出現するAATは除外される。MetまたはCys残基は許容されない。Asnは、次の生殖系列AATがGlyの場合は、除外される。生殖系列ならびに最も多く出現する10の変異(全19の可能な変異体ではなく)を選択することにより、配列の数を約14、285倍減らす。
表770は、A27CDR1およびCDR3中の多様性パターンを示す。このパターンは、13バージョンのCDR1および23バージョンのCDR3を許容する。これらを組み合わせると、全体多様性は299となる。
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CDR1
R24、A25、およびS26は、手を貸すには結合部位から離れすぎているため、固定される。V29の側鎖は、埋没しているので、この位置はValとして固定される。他の位置では、YまたはS、電荷のフリップフロップ(問題にしている位置で検体がより多くのEまたはDを有する場所に依存して、REまたはRD)ならびによく出現する他のタイプが許容される。多様性のこのパターンは、「他の」AAが5%置換される場合は、親配列を0.8%にし、「他の」AAが6.5%置換される場合は、親配列を0.1%にして、さらに「他の」AAが9%置換される場合は、親配列を0.02%にするが、これをエクセルのスプレッドシートを使って求めた。155の検体の内、17が1つのAAを欠失している(1QLRを含む);従って、約8%のメンバーが欠失したS30aを有するよう配置する。
CDR2
1QLRの検査により、CDR2は結合部位から幾分離れていることが解った。これが、このCDRの残基を固定するという示唆となった。3D構造の調査は、G50、S53、およびT56の多様性は、有用でありうることを示唆している。S53は、155の検体中で最も変化しているが、このことは、これらの変化が有用であることを立証するものではない。1QLRでは、G50はR50に変異している。T56の側鎖は、HC CDR3の方を向いており、HC CDR3中の原子から約11Åである。
CDR3
Q89およびQ90は埋没しており、天然では、これらはほとんど変化していない;従って、これらの残基は変えない。Y91は、HC CDR3の方向に寄せられており、ここでの変化は結合部位を変える可能性があり、変化が発生している。G92では、φ=−80およびψ=−15であり、Gly以外の挿入はありうる;天然ではそれが47/155ケースで起きている。S93は頻繁に変化または欠失する。S93での、メンバーの10%の欠失を許容する。S94は、ひどく露出しており、大きく変化している。P95は露出させ、変化させる。P95の後ろの1つのアミノ酸の挿入がメンバーの30%に対し許容される。L96はHC CDR3の方に寄せられており、ここでの変化は結合部位に影響を与えると思われ、天然では変化が発生している。T97は埋没しており、一定に保持された/アミノ酸は変化させない。
親配列は、0.000246または1/4.06E3の確率で現れる。与えられた多様性は、約2.1E12である。

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表72は、N−X−(S/T)の頻度を減らすよう調節されたNの頻度を有するA27カッパLCの多様性パターンを示す。28の位置では、位置30がほとんどSであるために、NはQに変えられている。X30aが存在し、X32でSが高頻度グループにある場合、S31が優勢であるために、位置30では、Aは高頻度グループに移動され、Nは低頻度グループに移動されている。SがX32で高頻度グループにあるために、位置30aでは、Dは高頻度グループに移動され、Nは低頻度グループに移動されている。52がSに固定されているため、位置50では、NはQに変えられている。94がほとんどSであるために、位置92では、Nは低頻度グループに移動され、Rは、高頻度グループに移動されている。表70に従ってLC多様性を構築することは、好ましい実施形態である。
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表73は、A27カッパLCに対する別の多様性を示す。位置28では、Nは許容されず、Qが許容される。位置30では、Nは許容されず、Qが許容される。Sが位置34で0.15頻度でしか存在しないので、位置32では、Nが保持される。これらの変化は、表71に比べて、N−X−(S/T)の頻度を減らす。
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親配列は、5.32E−5または1/1.88E4で出現する。
単一の置換を有する配列は、見込み1.1E−5および7.5E−6の可能性で発生する。
親AAを含まない配列は、1/6.7E16で起こる。
許容多様性は、約2.35E12である。
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実施例6:HC CDR3 16d用のWobblingによるDNA(Biblioteca44)
表400は、FR3中のXbaI部位からFR4中のBstEII部位までのDNAセグメントを示す。HC CDR3は、SYSY::D2−2(2)::QHと、これに続くJH1のFR4領域からなる。QHは、JH1の生殖系列中に認められる。V−D−J連結中で、免疫細胞がV、D、およびJの末端を編集することが多い。従って、実際の免疫グロブリン遺伝子構築および成熟に際し可能性の高いものに対応した構築を行う。wobblingによる合成によって、3−23のD領域、または少し編集していくつかの変異を伴うJH1との結合由来のものに似ている大きな遺伝子コレクションが得られる。ライブラリー16dでは、おそらくジスルフィドを形成すると思われる2つのシステインがあり、これらはwobblingされない。
表500は、16dライブラリーの各位置でのアミノ酸タイプの期待される分布を示す。wobblingによるドーピングは、73:9:9:9に設定された。最も可能性の高い配列は、表21中の1つであり、4.8E−5の頻度で存在するはずである。配列の55%のみが停止コドンを持たず、74%がオーカー停止コドンまたはオパール停止コドンがない。ライブラリーがsupE細胞中で発現する場合は、これは重要な数である。本明細書の別の場所で考察したように、停止コドンを有する配列を除去することは、有益であろう。Sで始まるこれらの位置が、Sを54%の確率で有し、Yを5.4%の確率で有すると予測され、一方、Yで始まるこれらの位置が、Yを44%の確率で有し、Sを7.2%の確率で有することが理解されよう。各位置で、7〜9AAタイプが1%超で存在する。14多様化位置がある。最も効率的に標本抽出される配列では、約814=4.3E12に達する。
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実施例7:合成HC CDR3のさらなる例
ヒトFab(FAB−310およびFAB−410)の2つのライブラリーを解析した。これらのライブラリーのHC CDR3をドナーIgM DNAのPCR増幅により得た。従って、これらの抗体は、ヒトAbを構築する際に免疫系が実際に行っている公平な状況を示してくれる。使ったプライマーは、全JHおよび全VH領域の捕捉を可能とした。
88標的の内の少なくとも1つの標的に対してELISA陽性であった24、026Abを収集した。むろん、19、919は異なるHC CDR3アミノ酸配列を有している。このコレクションでは、免疫系が行っている本当の状態を知りたいので、親和性成熟由来のAbは除外した。さらに、2つ以上の標的に対して結合したAbを除外した。理由は、この現象が、これらのAbの粘着性を示しているからである。これにより入力数が20、671に減少し、また、特徴的なAbの数が86標的に対する19、051に減った。
CDR3を数段回に分けて解析した。最初に、CDR3およびFR4の最後の4つのアミノ酸を結合し、対応する残基の6つのヒトJH配列を比較した。CDR3を最も整合性のよいJHに割り当て、一番小さい番号を付けたJHにする。JHの決定後、アルゴリズムにより、CDR3のどの部分がJH由来かを決定する。表221で示すように、最大長のJH(JH6)は、FR4の開始を定めるTrp−Glyの前に9つのアミノ酸を有する。位置9から始めて位置1の方へと順に、アミノ酸の2つのミスマッチが発生するまで、または1つの配列がなくなるまで、決定したJHをCDR3の実際のアミノ酸と比較する。表2240は、アルゴリズムの例を示す;表2240で、Mは整合を意味し、Xは不整合を意味する。2つのエラーが見つかると、アルゴリズムは、1つ前の整合したアミノ酸に戻る(もしあれば)。整合したアミノ酸(0〜9)は、そのJHに対しJHstumpが割り当てられ、その配列はCDR3から取り除かれる。JHstump(右側位置合わせ)の一覧表を、表225、226、227、228、229、および2210に示す。
最も使用頻度が高いので、JH4(表228)を使用する。表228から、Yがほとんど欠失しているのが解る。Fは、50%を少し超える程度存在し、他方、Dはほとんどの検体中に存在する。(F/x).FのHC CDR3末端が、例えば、50%の確率で、存在し、一方、xがDJ fillでよく見られる10の他のアミノ酸タイプのコレクションを示すように配置されたライブラリーを作成可能である。
残りのCDR3残基は、Dセグメントを探す。最長のDセグメントは12残基を含む。従って、残りのCDR3の前と後ろに11ブランクを付加する。次に、各Dをこの配列上にスライドし、次の点数を付ける。整合すると1ポイントを付加、2番目の整合が続くと2ポイントを付加し、さらに、これに3番目の整合が続くと3ポイントを付加する。4つ以上の整合が連続する場合は、4番目とそれ以降に対し3ポイントを付与する。最高の点数のDセグメントをCDR3に割り当てる。Dセグメントとして受け入れるには、5以下のD残基に対しては、6ポイントが必要であり、さらに長いDに対しては、7ポイントが必要である。表20に示すように、19、051Abの内、8、572(45%)でDとして特定できるものがなかった。
Dセグメントがある場合は、次に、残りのCDR3残基を:a)VD fill、b)D由来部分、およびc)DJ fillに分ける。VD fillおよびDJ fillは空でもよい。Dセグメントが無い場合は、次に、残りのCDR3を「VJ fill」とする。
最もよく現れるDセグメントは3−22.2(1246、YYYDSSGYYY)、3−3.2(1205、YYDFWSYYN)、3−10.2(752、YYYGSGSYYN)、6−19.1(672、GYSSGWY)、および6−13.1(570、GYSSSWY)である。表2229はD3−22.2の断片の発生頻度を、表2230はD3−2.2の断片の発生頻度を示す。「正確(Exact)」は19、051CDR3中で正確にこの配列が生じた回数を示し、一方、「包括的(Inclusive)」はそのDセグメントの、より大きな断片中での出現を含めて現れた配列の回数を示す。
D3−22.2は非常によく現れるので、YYDSSG(低レベルの変異を有する)またはYDSSGY含めてライブラリーを構築可能である。D3−3.2もまた、非常によく現れ、YDFWSGおよびDFWSGYは高頻度で発生する。従って、これらの配列の出現可能性が非常に高いライブラリーは魅力的である。また、よく現れるこれらのDセグメントの断片をCDR3内の諸処に移動して多様性を生成することも可能である。
表223は、19、051CDR3の構成を示す。チロシンは、最もよく現れるアミノ酸タイプで、次に、グリシン、アスパラギン酸、セリン、フェニルアラニン、アラニン、およびアルギニンとなる。
あるいは、配列はDNAレベルで解析することもできる。各アミノ酸がこれらの21578AbのHC CDR3中で出現する頻度を表75で一覧表にし、合計および%の列中に示した。最頻出アミノ酸はTyr(15.6%)で、Gly(13.7%)、Asp(12.5%)、Ser(8.2%)、およびArg(5.1%)がこの順で続くことに留意されたい。従って、一実施形態では、CDR3中に置換して入れるのに好ましいアミノ酸タイプはY、G、D、S、およびRである。
表75の他の列は、CDRを以下のように細かく分析した場合のアミノ酸の頻度を示す。最初に正確なJHセグメントを決める。CDR3の一部がJH由来であれば、これを「Jstump」として除く。残りでDセグメントを調べる。DセグメントのDNAに整合すると、採点アルゴリズムにより、最初の整合に対し1ポイントを割り当て、2つ目の連続した整合に対し2ポイント付加し、3つめの連続整合に対し3ポイントを付加する。4つ以上の連続整合に対しては4ポイントを付加する。不整合が見つかると、次の整合の値を1に戻す。9を超える連続整合が見つかるか、または点数が41を超えると、Dセグメントであると特定される。この条件で、21、578中の11、149にDセグメントがあり、10、439にDセグメントがなかった。
Dが無い場合には、CDR3はVJfillおよびJstumpに分けられる。VJ fill中では、Tyrはリッチでなく、アミノ酸の4.6%を占めるに過ぎないことに留意されたい。Jstump中では、Tyrは非常にリッチであり、アミノ酸の26.5%占める。
D領域がある場合は、次に、CDR3をVD fill(おそらく空)、D、DJ fill、およびJstump(おそらく空)に分ける。Tyrは、DおよびJstump由来の部分中でのみ顕著である。Tyrは、VD fillおよびDJ fill中では、2%未満である。他方、Glyは、Jstump以外の全位置で多く見られる。
また、表75はCys(C)およびMet(M)はまれであることを示す。Jstump中では、よく現れるJH6は1つのMを含む(表3)とはいえ、Metは約5%レベルまで上昇する。アミノ酸配列解析とDNA配列解析では、基本的に同じ答えが得られる。
表2214は、各アミノ酸タイプ(AAT)が出現する可能性のあるHC CDR3中の場所を示す。表2214は、高レベルのTyrは、JstumpおよびDセグメント経由でのみHC CDR3に入るようになることを示す。最もよく使用されるDセグメントは、Y、G、およびSリッチである。最初の列は、領域の名称の列挙したもので、2つめの列は、AAが出現する回数を示す。3つめの列は、出現したアミノ酸の数である。4つめの列は、そのAATの%である。5つめの列は、その領域(Jstump等)を含むAbの数である。
Alaは、「VJ fill」、Jstump、VD fill、Dセグメント、およびDJ fillのそれぞれに4〜6%現れる。Cysは、約1%の希さであるDセグメント以外の全セグメント中で極々希である。AspはJstump中に非常に多く、VD fill(10%)およびDJ fill(8%中には多く見られるが、DセグメントおよびVJ fill中には平均的な出現に過ぎない。Gluは、VJおよびVD fillの両方で3〜5%認められるが、他の場所では希である。PheはJstumpではリッチであるが他の場所では希である。JH6が1つのGlyを含むとはいえ、Glyは、Jstump以外のどの場所でもリッチであるHisはどこでも少ないが、特に、JstumpおよびDセグメントで少ない。ほとんど使われないJH1はJHから提供されたHisのみを含む。Ileは、頻繁に使用されるJH3がIleを提供することが多いJstump中以外では、平均値以下である。JH3の検体よりもIleが少ないことに留意されたい。Lysはほとんど使われず、特に、JstumpおよびDセグメント中では使われない。LeuはJstump中を除いて平均レベル(約5%)で認められる。JH中のLのみがほとんど使われないJH2中に存在する。Metはほとんど使われず、JH6によって、Jstump中でのみ平均的使用度になっている。Asnはほとんど使われず、DJ fill中でのみ平均的使用度になっている。Proは、DJ fillおよびVDfill中で平均を少し上回って使用される。Glnはほとんど使用されない。ArgはVJ fill、VD fill、およびDJ fill中で平均レベルの約2倍の頻度で使用されるが、Jstumpからは排除されている。また、Dセグメント中では平均以下である。Serは、Dセグメント中で非常によく使用され、VJ fill、VD fill、およびDJ fill中で平均以上に使われるが、Jstump中ではほぼ排除されている。Thrは、平均以下で使用され、Jstum中では排除に近い状態である。Valは平均レベルかそれ以下で使われる。Trpは、平均の5.38%にまで上昇するDセグメント中以外では、平均以下で使用される。
TyrはJstumpおよびDセグメント中でのみ非常に高頻度で使用される。TyrはVJ fill、およびDJ fill中では平均レベル使用され、VD fill中では平均以下で使用される。DセグメントおよびJstumpをライブラリーの一部として使用して、天然では安定で特異的な抗体を得るのに好ましいことが示された予備構築構成のライブラリー中に挿入する。さらに、Tyrがまれにしか見られない領域で、Tyrを除外するか、または低レベルに限定することにより、VJ fill、VD fill、およびDJ fill中で免疫系が使用するアミノ酸タイプを含むより多くのメンバーが提供される。
表224は、19、051Ab中の長さの分布を示す。HC CDR3の長さ中央値は11.85である。最短HC CDR3は、長さ2で、SY、DL、およびDMが例として使用される。全てのこれらのAbは、FR4中に相当な数の変異を有し、おそらく無視されるべきである。32の異なる長さ3のHC CDR3はさらに正常である。表2221に示すように、最長HC CDR3は長さ36である。これは、コレクション中の19、051のHC CDR3のそれぞれに対する分析の例として有用である。(出力は4300ページにおよび、印刷不可能である)。最後のNWFDPはJH5由来で、YYDFWSGYはD3−3.2由来で、DTAPTはVD fillセグメントであり、FGSDLWRGTNQTVWYQPAはDJ fillであることがわかる。DJ fillは、18残基中にただ1つのYを含み、VD fillは、Yを含まないことに留意されたい。表記の「ie6=0」は、残基6〜9でのJH5の整合にエラーがなかったことを示し、他方、「ie10=0」は、10〜20での整合にエラーがなかったことを示す。
種々のDセグメントは、全JHと関連があるが、いくつかの偏りがある。最もよく現れるDセグメントは、3−22.2(YYYDSSGYYY)であり、表2231に示すように、63、42、426、518、57、および127単離体が、JHとそれぞれ関連している。全Abの約6.5%はD3−22.2の断片を有し、7.5%がJH4を有するが、一方、3.1%のみがJH6を有する。D3−3.2は、JH4(5.0%)に対するよりも多くJH6(10.3%)に結合し、もう一方への偏りがある。
表2211Aおよび表2211Bは、VJ fill中のアミノ酸の分布を示す。表2211Aは全体およびP1、P2、P3、P4に対する分布を示す。表2211Bは、位置P5〜P8に対する分布を示す。Glyは全ての位置で最もよく現れることに留意されたい。さらに、Rは常にKより多く現れ、DはEより多く現れ、さらにSは常に非常によく現れる。チロシンは、全体および大抵の位置で5%未満の出現確率である。P1およびP2では、Tyrは非常に希である。P3では、Tyrは5.2%になり、P4では、Tyrは7.6%に達する。次の位置で、Tyrは5%(ランダムアミノ酸出現が予測される量)に近い。
本発明のライブラリーは、事前形成Dセグメントまたはその一部を含まないHC CDR3を含有する。本発明の他のライブラリーは、事前形成Dセグメントまたはその一部、またはDセグメントまたはその一部が最も出現の可能性が高い配列で、その多様性が実際の抗体中で頻繁に認められるアミノ酸タイプの組み込みを可能にする多様性パターンを有するHC CRD3を含む。
ライブラリー1バージョン1は、3つの形を取りうる。第1の形では、各変化位置の名称を付けた各アミノ酸が同じ出現可能性で許容される。第2の形では、各アミノ酸が許容されるが、最初のアミノ酸が、例えば、同頻度で許容されている他のものの3倍出現の可能性が多い。第3の形では、次の比率が使用される。
ライブラリー1、バージョン1(Biblioteca4)最も単純な形のHC CDR3は予備形成Dセグメントを含まないものである。天然のAbでは、これらはDセグメントを持たないものよりも短い傾向がある。従って、好ましい抗体ライブラリーは、下記のようなHC CDR3を有してもよい:
−X−X−X−X−X−X−X−X−X10−X11−X12−X13−X14、ここで、
は、G、D、E、V、S、A、R、L、I、H、T、またはQが許容され、その頻度は表2211AのP1、%(すなわち、G:D:V:E:A:S:R:L:I:H:T:Q::217:185:84:83:71:68:58:43:33:28:25:20(ORCBU))(コロンと小数点を避けるために、全パーセンテージを10倍した。)で示される頻度であり;
は、isG、R、S、L、P、V、A、T、D、K、N、Q、またはIで許容され、その頻度は表2211AのP2、%(すなわち、G:R:S:L:P:V:A:T:D:K:N:Q:I::186:142:99:83:76:49:46:44:35:29:29:29:29;これは0.2123:0.1621:0.1130:0.0947:0.0868:0.0559:0.0525:0.0502:0.0400:0.0331:0.0331:0.0331:0.0331に等しい)(ORCBU)で示される頻度であり;
は、G、R、S、L、A、P、Y、V、W、T、またはDで許容され、その頻度は表2211AのP3、%(すなわち、G:R:S:L:A:P:Y:V:W:T:D::203:130:92:61:60:54:52:48:48:42:36)(ORCBU)で示される頻度であり;
は、G、S、R、L、A、W、Y、V、P、T、またはDで許容され、その頻度は表2211AのP4、%(すなわち、G:S:R:L:A:W:Y:V:P:T:D::210:103:91:64:63:59:59:47:47:47:40(これは0.2530、0.1241、0.1096、0.0771、0.0759、0.0711、0.0711、0.0566、0.0566、0.0566、0.0482に等しい)(ORCBU)で示される頻度であり;
は、G、S、R、L、A、Y、W、D、T、P、またはVで許容され、その頻度は表2211AのP5、%(すなわち、G:S:R:L:A:Y:W:D:T:P:V::190:96:89:71:64:59:59:56:46:43:42)(ORCBU)で示される頻度であり;
は、G、S、R、D、L、A、P、Y、T、W、またはVで許容され、その頻度は表2211AのP6、%(すなわち、G:S:R:D:L:A:P:Y:T:W:V::173:93:88:73:71:63:58:57:56:44:39)(ORCBU)で示される頻度であり;
は、G、R、S、L、P、D、A、Y、T、W、V、またはΔ(アミノ酸なし)で許容され、その頻度は表2211AのP7、%(すなわち、G:R:S:L:P:D:A:Y:T:W:V:Δ::179:92:86:74:70:69:56:55:44:41:39:*)(ORCBU)で示され、Δは所定の長さ分布により決まる頻度を有し;
は、G、S、R、L、D、P、Y、A、T、F、V、またはΔで許容され、その頻度は表2211AのP8、%(すなわち、G:S:R:L:D:P:Y:A:T:F:V:Δ::141:94:93:83:78:69:65:59:47:41:41:*)(ORCBU)で示され、Δは所定の長さ分布により決まる頻度を有し;
は、Xと同じで;
10は、Xと同じで;
11は、Xと同じで;
12は、Fであり;
13は、Dであり;
14は、Yである。長さ分布は、Len9:Len10:Len11:Len12:Len13::n1:n2:n3:n4:n5である。一部の実施形態では、n1=n2=n3=n4=n5=1である。一部の実施形態では、n1=10、n2=8、n3=6、n4=4、およびn5=3である。他の長さ分布も使用可能である。各欠失可能位置でのΔの比率は、各欠失可能位置では、同じ頻度で欠失が起こるという前提の下で、長さ分布により求められる。Nは、HC CDR3の第2の位置のみで許容される。N−X−(S/T)の頻度は、0.0054のみで、これは受容可能である。第2の位置からNを減らすか、または除去可能である。
長さ分布を、例えば、Len9:Len10:Len11:Len12:Len13::1:5:7:9:8とする。Δが起こりうる位置が4つある。xxxx(xはアミノ酸)の8つのコピーが必要である。また、xxxd、xxdx、xdxx、およびdxxx(dは欠失)の9つのコピーが必要である。さらに、xxdd、xdxd、xddx、dxxd、およびddxxの7つのコピーが必要である。さらに、xddd、dxdd、ddxd、およびdddxの5つのコピーおよびddddの1つのコピーが必要である。位置1にxを有する項目を全部加算すると、合計は(8+27+21)=56になり、一方、位置1にdを有するものの合計は(9+14+15+1)=39になる。従って、Δは、各Δ許容位置でコドンの39/(39+56)を埋め合わせているはずである。
FR4は、JH4と同じであろう。許容長さは、9、10、11、12、13、および14であり、これらの長さは、1:2:3:3:2:1の比率で許容され、予測される長さ中央値は11.5である。許容多様性は6E11である。1.E8の検体は、この長さの範囲の、D領域の欠けたCDR3を有するAbの適切な提示する可能性がある。5.E8の検体は、さらに好ましく、2.E9の検体は、最も好ましい。
さらなる好ましいライブラリーは、a)残基11の欠失、b)残基10および11の欠失、c)残基11の後ろに挿入されたGly、またはd)残基11の後ろに挿入されたGly−Gly、を有するであろう。
別の好ましい実施形態を次に示す:
HC CDR3ライブラリー#1バージョン2

(注意)Δは、コドンのないことを意味する。これは、位置8,9,10,および11で使われる。

許容長さは、10,11,12,13,および14で、比率は、4:4:4:3:3である。
Figure 2013504602
Figure 2013504602
Nは、HC CDR3の2番目の位置のみで許容され、頻度は0.0331である。SおよびTは、4番目の位置で出現し、頻度は0.1241および0.0566である。従って、N−X−(S/T)の頻度は、0.006で、これは受容可能である。2番目の位置でのNの頻度は、減らすまたは除去可能である。
許容される多様性は、5.2E11である。いずれの設計配列も、メンバーの折り畳みおよび一部の抗体への結合を妨げることが可能とは考えられない。従って、アンダーサンプリングも許容される。本設計の1.E6メンバーを含むライブラリーは、多くの標的に対する結合剤としての有用な多様性を含む。1.E7のライブラリーはさらに好ましい。本設計の1.E8メンバーのライブラリーはさらに好ましい。有用なライブラリーを得ることを目的として5.E11メンバーを作成するというようなことは、全く必要なことではない。

HC CDR3ライブラリー#1バージョン3
長さ9および10を同じ存在可能性で有する。

長さは、8, 9, 10,および 11であってもよい; これらの比率は1:2:2:1である。

ライブラリー #1-V3 タイプ 1 は、全許容アミノ酸タイプを同じ存在可能性で有する;

ライブラリー #1-V3 タイプ 2は、他のタイプより3倍多い存在の可能性を有する1番目を除いて、全許容アミノ酸タイプを同じ存在可能性で有する;

ライブラリー #1-V3 タイプ 3 は、全許容アミノ酸タイプを下記の比率で含む。

(注意)Δはコドンのないことを意味する。これは、位置6, 7,および8で使われる。

Figure 2013504602
Nは、HC CDR3の2番目の位置のみで許容され、頻度は0.0331である。SおよびTは、4番目の位置で出現し、頻度は0.1241および0.0566である。従って、N−X−(S/T)の頻度は、0.006で、これは受容可能である。2番目の位置でのNの頻度は、Nの頻度を減らすか、またはNをQ..で置換することにより、減らすか、または除去可能である。
許容多様性は3X10である。1.E6を含有するライブラリーは、多くの標的に対する結合剤を含むことになる。1.E7のライブラリーは好ましい。1.E8を有するライブラリーはさらに好ましい。
ライブラリー2は、3つの形を取り得る。第1の形では、各変化位置の名称を付けた各アミノ酸が同じ出現可能性で許容される。第2の形では、各アミノ酸が許容されるが、最初のアミノ酸が、例えば、同頻度で許容されている他のものの3倍出現の可能性が多い。第3の形では、下記の比率が使用される。
ライブラリー No.2:別の好ましい抗体ライブラリーは、次のHC CDR3を有しうる:
−X−G−X−G−X−(R/Δ)−X−X−X10−X11−X12−X13−X14、ここで、
は、G、D、E、V、S、A、R、L、I、H、T、またはQが許容され、その頻度は表2211AのP1、%(すなわち、G:D:V:E:A:S:R:L:I:H:T:Q::217:185:84:83:71:68:58:43:33:28:25:20)で示される頻度であり;
は、G、R、S、L、P、V、A、T、D、K、N、Q、またはIが許容され、その頻度は表2211AのP2、%(すなわち、G:R:S:L:P:V:A:T:D:K:N:Q:I::186:142:99:83:76:49:46:44:35:29:29:29:29)で示される頻度であり;
は、隣接残基により決まる種々の方式でCDR3を折り畳むことを可能にするGであり;
は、G、S、R、L、A、W、Y、V、P、T、またはDが許容され、その頻度は表2211AのP4、%であり;
は、隣接残基により決まる種々の方式でCDR3を折り畳むことを可能にするGであり;
は、G、S、R、D、L、A、P、Y、T、W、またはVが許容され、その頻度は表2211BのP6、%であり;
は、長さ分布により決まる頻度でRが許容され、または欠けており;
は、G、S、R、L、D、P、Y、A、T、F、V、またはΔが許容され、その頻度は表2211BのP8、%(すなわち、G:S:R:L:D:P:Y:A:T:F:V:Δ::141:94:93:83:78:69:65:59:47:41:41:*)であり、Δは長さ分布により決まる頻度を有し;
は、Xと同じであり;
10は、Xと同じであり;
11は、Xと同じであり
12は、Fであり;
13は、Dであり;
14は、Yである。
長さ分布は、Len9:Len10:Len11:Len12:Len13:Len14::n1:n2:n3:n4:n5である。一部の実施形態では、n1=n2=n3=n4=n5=1である。Δを許容する位置のΔの割合は、各欠失可能位置では、同じ頻度で欠失が起こるという前提の下で、長さ分布により求められる。
FR4は、JH4と同じであろう。許容長さは、9、10、11、12、13、および14であり、これらの長さのCDR3を得る見込みを表2215に示す。一部の位置を固定することにより、多様化位置での抽出検体のレベルを増やし、DNAの合成を促進できる。
許容多様性は、9E8である。1.E8の検体は、この長さの範囲で、D領域を欠いたCDR3を有するAbの適切な発現を提供する可能性がある。5.E8の検体は、より好ましく、また、2.E9の検体は最も好ましい。
ライブラリー3は、3つの形を取り得る。第1の形では、各変化位置の名称を付けた各アミノ酸が同じ出現可能性で許容される。第2の形では、各アミノ酸が許容されるが、最初のアミノ酸が、例えば、同頻度で許容されている他のものの3倍出現の可能性が多い。第3の形では、下記の比率が使用される。
ライブラリー No.3:19、051Fabの検体中のほぼ半分のAbが、認識できるDセグメントで、変異のある断片のみの場合が最も多く、含んでいた。我々の検体中で最もよく現れるDセグメントは、D3−22.2で、1246回(6.5%)認められている。D3−3.2は、Ab収集対象とした86標的中の72で見られている。表2229は、D3−22.2(YYYDSSGYYY)のN量体の集計を示す。ライブラリー3は、VD fillで見られる構成を有する0〜2残基、次いで、いくつかの変異のある8量体YYDSSGYY、次に、DJ fill(表2217)で見られるアミノ酸を有する1〜3残基、続いて、JH4由来のFDY、を含む。従って、1つの好ましい抗体ライブラリーは、次のHC CDR3を有しうる:
−X −X −D −S −S −X −X −X 10 −X11−X12−X13−X14−X15−X16、ここで、
は、D、G、V、E、A、S、R、L、T、H、P、またはΔが許容され、その比率は、表2212Aで示されるP1、%(すなわち、D:G:V:E:A:S:R:L:T:H:P:Δ::214:192:92:90:86:52:50:39:32:32:25:*)で、Δは設計された長さ分布により決まるレベルであり;
は、G、R、P、L、S、A、V、T、K、D、Q、またはΔが許容され、その比率は、171:153:107:83:81:51:40:40:34:32:30:*(表2212Aで示されるP2、%)で、Δの割合は長さ分布から決定され;
は、Y、G、D、R、H、P、S、L、N、A、またはI(すなわち、表2232A中のP2の最初の11アミノ酸)が許容され、その比率は、Y:G:D:R:H:P:S:L:N:A:I::30:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1であり;
は、Y、G、S、F、L、D、E、P、A、R、またはH(すなわち、表2232A中のP3の最初の11アミノ酸)が許容され、その比率は、Y:G:S:F:L:D:E:P:A:R:H::30:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1であり;
は、D(表2232AのP4);
は、S(表2232AのP5);
は、S(表2232BのP6);
は、G、A、D、P、V、L、S、R、T、Y、またはN(表2232BのP7)が許容され、その比率は、G:A:D:P:V:L:S:R:T:Y:N::30:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1であり;
は、Y、P、L、S、W、H、R、F、D、G、N(表2232BのP8)が許容され、その比率は、Y:P:L:S:W:H:R:F:D:G:N::30:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1であり;
10は、Y、S、P、L、R、F、G、W、H、D、V(表2232BのP9)が許容され、その比率は、Y:S:P:L:R:F:G:W:H:D:V::30:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1であり;
11は、Gであり;
12は、G、P、D、R、S、L、A、N、H、T、Y、またはΔ(AAは表2217のP2の最初の11アミノ酸である)が許容され、その比率は、G:P:D:R:S:L:A:N:H:T:Y:Δ::185:101:96:92:88:67:48:43:36:35:33:*であり;
13は、G、D、R、P、S、N、L、A、Y、V、T、またはΔが許容され、その比率は、G:D:R:P:S:N:L:A:Y:V:T:Δ::204:103:96:78:72:67:67:45:42:36:34:*であり;
14は、Fであり;
15は、Dであり;
16は、Yである。
長さ分布は、Len12:Len13:Len14:Len15:Len16::n1:n2:n3:n4:n5である。一部の実施形態では、n1=10、n2=8、n3=6、n4=5、およびn5=3である。他の長さ分布も使用可能である。
許容多様性は、3.3E9である。1.E8の検体は、この長さの範囲で、D3−3.2を含むCDR3を有するAbの適切な発現を提供する可能性がある。5.E8の検体は、より好ましく、また、2.E9の検体は最も好ましい。許容長さは、12、13、14、15、および16である。ライブラリー3の所定の分布に対する長さを表2219に示す。
VD fillの長さ中央値は0.5残基である。従って、3−22.2(YYDSSGY、太字AAは固定)の変異バージョンの残基2〜8をコードする領域の前に、0、1、または2残基が許容される。
Δが使用されるために、ちょうど私が調べたFabの検体の場合のように、固定DSSモチーフがCDR3中の異なる位置に現れる。DSS中のいずれかの側鎖が抗原(Ag)に接触することは必ずしも必要ではなく、むしろこれらの残基は、Agに結合するために残りのCDRを正しい形状に保持する構造の形成を支援することができる。DSSの1つまたは複数の側鎖が実際にAgに接触することも、また可能である。PDBファイル3H42に含まれるAbで、D3−3.2(YDFWSAYY、GからAへの変異を含む)関連断片の主鎖は、ベータループを作り、全ての側鎖が抗原または抗体の他の部分に接触する。この構造をループの最初および末端に移動し、それを種々のHC CDR1/2およびLC環境中に埋め込むことにより、広範な種々の結合特異性を創出できるであろう。よく見られることおよび固定したDFWSにより粘着性抗体を得られる可能性があることが1つの理由で、D3−3.2よりもD3−22.2を選定した。
ライブラリー No.4:ライブラリーは、ライブラリー3に類似であるが、CDR3がさらに長い。表2261Aおよび表2261Bは、観察されたD3−22.2含有CDR3の長さを示す;ピークは、13〜16にある。ライブラリー4は、VD fillに見られる構成を有する0〜4残基、次に、いくつかの変異のある8量体YDFWSGYY、次にDJ fillに見られるアミノ酸を有する3〜4残基、およびこれに続くJH4由来のFDYを含む。従って、好ましい抗体ライブラリー以下のHC CDR3を有しうる:
−X−(G/Δ)−(G/Δ) −D −S −S −G −Y 10 −X 11 −X 12 −X13−(G/Δ)14−X15−X16−F17−D18−Y19、ここで、
は、D、G、V、E、A、S、R、L、T、H、P、またはΔが許容され、その比率は、表2212AのP1、%(すなわち、D:G:V:E:A:S:R:L:T:H:P:Δ::214:192:92:90:86:52:50:39:32:32:25:*)(ライブラリー3と同様に)で示され、Δは長さ分布により決まる頻度で使われ;
は、G、R、P、L、S、A、V、T、K、D、Q、またはΔが許容され、その比率は、171:153:107:83:81:51:40:40:34:32:30:*(表2212のP2、%に示す。Δの割合は長さ分布により決まる頻度であり(ライブラリー3のように));
は、Gまたは長さ分布により決まる比率のΔであり;
は、Gまたは長さ分布により決まる比率のΔであり;
は、Y、G、S、F、L、D、E、P、A、R、またはH(すなわち、表2232AのP3の最初の11個のアミノ酸)が許容され、その比率は、Y:G:S:F:L:D:E:P:A:R:H::30:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1(ライブラリー3のXのように)であり;
は、Dであり;
は、Sであり;
は、Sであり;
は、Gであり;
10は、Yであり;
11は、Y、S、P、L、R、F、G、W、H、D、またはVが許容され、その比率は、Y:S:P:L:R:F:G:W:H:D:V::50:5:5:5:5:5:5:5:5:5:5であり;
12は、Y、P、S、G、R、F、L、D、H、W、またはVが許容され、その比率は、Y:P:S:G:R:F:L:D:H:W:V::50:5:5:5:5:5:5:5:5:5:5であり;
13は、G、R、S、L、D、P、A、T、F、I、Y、またはΔが許容され、その比率は、5:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1:*であり;
14は、Gまたは長さ分布により決まる比率のΔであり;
15は、X13と同じであり;
16は、X13と同じであり;
17は、F、G、P、S、R、D、L、A、T、N、またはHが許容され、その比率は、F:G:P:S:R:D:L:A:T:N:H::500:103:66:62:61:52:45:32:28:28:22(表2217中の全体(OA)に示される比率である)であり;
18は、Dであり;
19は、Yである。
長さ分布は、Len12:Len13:Len14:Len15:Len16:Len17:Len18:Len19::n1:n2:n3:n4:n5:n6:n7:n8である。一部の実施形態では、n1=10、n2=9、n3=8、n4=7、n5=6、n6=5、n7=5、およびn8=5である。他の長さ分布も使用可能である。各欠失可能位置のΔの割合は、各欠失可能位置では、同じ頻度で欠失が起こるという前提の下で、長さ分布により求められる。
許容多様性は、2.6E9である。1.E8の検体は、この長さの範囲で、D3−3.2を含むCDR3を有するAbの適切な発現を提供する可能性がある。5.E8の検体は、より好ましく、また、2.E9の検体は最も好ましい。許容長さは12〜19である。ライブラリー4の所定の長さ分布を表2220に示す;あるいは、他の長さ分布、例えば、0.2:0.2:0.1:0.1:0.1:0.1:0.1:0.1を使うこともでき、これは、長さ中央値が14となる。
ライブラリー No.5:セグメントD4−17.2は幾分出現頻度が高い(386/19、051または2%)ことがわかっており、また、短い(DYGDY)。DYおよびYDの両方がDセグメント中に見つかったとしても、DYの方がYDよりCDR3中での出現頻度が高い。D4−17.2は2つのDYジペプチドを含む。従って、好ましいライブラリーは、0〜2アミノ酸、続いてDYGDY(下線の残基は固定)、次に0〜2アミノ酸、これに続けてJH3のAFDI(下線の残基は固定)、を含むCDR3を有する。表2280は、我々のAb検体中で認められた386D4−17.2断片の集計結果を示す。位置10で許容されるアミノ酸タイプの独自性はライブラリー4の位置17から受け継いだもので、また、頻度はAを最も出現頻度の高いアミノ酸タイプにするために選択される。位置1と5の分布を使ってライブラリーの位置3と7で使われるアミノ酸タイプを選択した。FR4は、JH3のFR4部分と同一である。すなわち、CDR3は:
−X−X−Y−G−D−X−X−X−X10−F11−D12−I13を有し、ここで、
は、D、G、V、E、A、S、R、L、T、H、P、またはΔが許容され、その比率は、表2212AのP1、%(すなわち、D:G:V:E:A:S:R:L:T:H:P:Δ::214:192:92:90:86:52:50:39:32:32:25:*)で示され、Δは長さ分布により決まる頻度で使われ;
は、G、R、P、L、S、A、V、T、K、D、Q、またはΔが許容され、その比率は、171:153:107:83:81:51:40:40:34:32:30:*(表2212のP2、%で示され、Δの割合は長さ分布により決まり);
は、D、G、P、L、S、N、A、H、F、R、T、またはVが許容され、その比率は、D:G:P:L:S:N:A:H:F:R:T:V::10:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1であり;
は、Yであり;
は、Gであり;
は、Dであり;
は、Y、F、L、S、H、G、P、A、R、D、またはEが許容され、その比率は、Y:F:L:S:H:G:P:A:R:D:E::10:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1であり;
は、G、R、S、L、D、P、A、T、F、I、Y、またはΔが許容され、その比率は、5:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1:*であり;
は、Xに同じであり;
10は、A、F、G、P、S、R、D、L、T、N、またはH、が許容され、その比率は、10:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1であり;
11は、Fであり;
12は、Dであり;さらに
13は、Iである。
許容長さは、9、10、11、12、および13である。長さ分布を表2219に示すが、表中の各長さから3を引いたものが実際の長さである。例えば、表2219の長さ12は、ライブラリー5の長さ9に対応する。許容多様性は3.0E7である。3.0E8形質転換体を含む構成では、基本的にライブラリーの完全多様性が含まれることになる。メンバーの約1/4が完全なDYGDY配列を含み;1/4がDYGDx(xはYではない)を含み、1/4がxYGDY(xはDではない)を含み、さらに1/4がxYGDx(最初のxはDではなく、2番目のxはYではない)を含むと思われる。DYGDYをひとまとめにしている4つの位置でΔが割り付けられているため、DYGDYは9つの構成が許容される:xxDYGDYxxxFDI(L=13)、xxDYGDYxxFDI(L=12)、xxDYGDYxFDI(L=11)、xDYGDYxxxFDI(L=12)、xDYGDYxxFDI(L=11)、xDYGDYxFDI(L=10)、DYGDYxxxFDI(L=11)、DYGDYxxFDI(L=10)、およびDYGDYxFDI(L=9)。
例えば、ある程度の多様性を有する6−19.1(GYSSGWY)または6−13.1(GYSSSWY)の断片を含む他のライブラリーを構築可能である。これらのDセグメントは、注目すべき割合の天然抗体中に存在し、自らの10〜14範囲のCDR3をAbに貸し出している。より短いCDR3のライブラリーの構築はさらに容易に思われる。これらのライブラリーで、1つまたは2つの残基は固定される。例えば、S、S、およびWは、一定に保持し、他の位置で多様化を許容することができる。さらに、例えば、0〜2アミノ酸をDセグメントの前に有し、さらに、例えば、DとJの間にアミノ酸が無いようにすることにより、異なる位置にDセグメントを出現させることが可能である。好ましい実施形態では、JH2はXFDL Jstump(XはY側に偏っている)と一緒に使われる。これにより、11〜13の長さのCDR3が得られる。表2273は、D6−13.1、D6−19.1、およびこれらの非常に類似したDセグメントの混合物中のAATの頻度を示す。
ライブラリー No.6:ライブラリー6は、JH2に結合した6−19.1(GYSSGWY)および6−13.1(GYSSSWY)の混合物を組み込む。従って、好ましいライブラリーは、X−X−X−X−S−S−X−W−X−X10−F11−D12−L13を有し、ここで:
は、D、G、V、E、A、S、R、L、T、H、P、またはΔが許容され、その比率は、表2212AのP1、%(すなわち、D:G:V:E:A:S:R:L:T:H:P:Δ::214:192:92:90:86:52:50:39:32:32:25:*)で示され、Δは長さ分布により決まる頻度で使われ;
は、G、R、P、L、S、A、V、T、K、D、Q、またはΔが許容され、その比率は、171:153:107:83:81:51:40:40:34:32:30で:*(表12のP2、%。Δの割合は長さ分布により決まる)であり;
は、G、P、R、S、T、W、A、D、L、E、またはKが許容され、その比率は、10:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1であり;
は、Y、G、D、R、S、F、A、V、P、L、またはEが許容され、その比率は、10:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1であり;
は、Sであり;
は、Sであり;
は、S、G、R、D、N、P、A、V、Y、T、またはLが許容され、その比率は、10:10:1:1:1:1:1:1:1:1:1であり;
は、Wであり;
は、Y、S、G、D、P、R、A、F、H、K、またはTが許容され、その比率は、10:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1であり;
10は、Y、P、S、G、R、L、T、F、A、D、またはKが許容され、その比率は、10:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1であり;
11は、Fであり;
12は、Dであり;
13は、Lである。
2つの位置が欠失を許容するため、長さは、11、12、または13で、長さ分布Len11:Len12:Len13::1:2:1は、各欠失可能位置で50%欠失に対応する。長さ分布は、例えば、Len11:Len12:Len13::1:5:7である。Δが起こりうる位置が2つある。xx(xはアミノ酸)の7つのコピーならびにxdおよびdx(dは欠失)の5つのコピーが必要である。さらに、ddの1つのコピーが必要である。位置1にxを有する項目を加算すると、合計で(7+5)=12となり、位置1がdである項目を加算すると合計で(5+1)=6となる。従って、Δは、p各Δ許容位置でコドンの6/(6+12)=0.333を埋め合わせているはずである。
可能な配座はxxGYSS(G/S)YxFDL(L=13)、xGYSS(G/S)YxFDL(L=12)、またはGYSS(G/S)YxFDL(L=11)である。下線のアミノ酸は固定される。GYSS(G/S)Yでは、約1/2のメンバーが示されたAAを有するように、下線のないアミノ酸が多様化される。他の10種のタイプは表2273から選択される。全ての他のAAは同じ比率を与えられる。このライブラリーでは、FR3は固定されたK94で終わる。FR4はJH2:WGRGTLVTVSS由来である。これにより、他のJHで認められる少々厄介なGQG配列を避けられる。許容多様性は2.3E7である。
あるいは、ライブラリーで:
10を、Y、P、S、G、R、L、T、F、A、D、K、またはΔが許容され、その比率を、10:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1:20、とすることもできる。
これにより、比率が1:3:3:1である10、11、12、または13の長さが許容される。配座は、xxGYSS(G/S)YxFDL(L=13)、xGYSS(G/S)YxFDL(L=12)、GYSS(G/S)YxFDL(L=11)、xxGYSS(G/S)YFDL(L=12)、xGYSS(G/S)YFDL(L=11)、またはGYSS(G/S)YFDL(L=10)である。許容多様性は2.5E7である。2.E8の検体は適切であるが、1.E9の検体が好ましい。
ライブラリー No.7:ライブラリー7は、Dセグメント前後の多くの残基に多様性を有するD2−15.2(GYCSGGSCYS)の多様化バージョンを含む。0〜2アミノ酸、D2−15.2、0〜2アミノ酸、およびFDLを含む;FR4はJH2と同等である(そのためGQGを含めない).このライブラリーでは、CDR3は、X−X−X−X−C−X−X−X−X−C10−X11−X12−X13−X14−F15−D16−L17を含み、ここで:
は、D、G、V、E、A、S、R、L、T、H、P、またはΔが許容され、その比率は、表2212AのP1、%(すなわち、D:G:V:E:A:S:R:L:T:H:P:Δ::214:192:92:90:86:52:50:39:32:32:25:*)で示され、Δは長さ分布により決まる頻度で使われ;
は、G、R、P、L、S、A、V、T、K、D、Q、またはΔが許容され、その比率は、171:153:107:83:81:51:40:40:34:32:30:*(表12のP2、%に示す。Δの割合は長さ分布により決まる)であり;
は、G、R、P、S、T、E、H、V、Y、A、L、またはΔが許容され、その比率は、20:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1:*であり;
は、Y.D、G、H、P、N、R、S、V、A、またはLが許容され、その比率は、20:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1であり;
は、Cysであり;
は、S、G、D、R、T、Y、F、L、N、V、またはWが許容され、その比率は、20:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1であり;
は、G、S、D、R、T、Y、F、L、N、V、またはWが許容され、その比率は、20:20:1:1:1:1:1:1:1:1:1であり;
は、G、T、D、R、S、Y、F、L、N、V、またはWが許容され、その比率は、20:20:1:1:1:1:1:1:1:1:1であり;
は、S、G、T、D、R、Y、F、L、N、V、またはWが許容され、その比率は、20:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1であり;
10は、Cysであり;
11は、Y、F、W、D、R、S、H、A、L、N、またはKが許容され、その比率は、20:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1であり;
12は、S、G、T、R、A、D、Y、W、P、L、F、またはΔが許容され、その比率は、20:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1:*であり;
13は、G、R、S、L、D、P、A、T、F、I、Y、またはΔが許容され、その比率は、5:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1:*であり;
14は、X13に同じであり;
15は、Pheであり;
16は、Aspであり;さらに
17は、Leuである。
長さ分布は、Len11:Len12:Len13:Len14:Len15:Len16:Len17::n1:n2:n3:n4:n5:n6:n7である。一部の実施形態では、n1=n2=n3=n4=n5=n6=n7=1である。n1=1、n2=2、n3=4、n4=5、n5=4、n6=3、n7=2の長さ分布で、13および14の間の長さ中央値が得られる。他の長さ分布も使用可能である。
17の位置を命名したが、その内の6つは欠けている。従って、許容長さは、11、12、13、14、15、16、および17である。許容多様性は5.4E12である。1.E8の許容配列を含むライブラリーは、有用な多様性を与えると思われる。1.E9を含むライブラリーはさらに好ましい。固定された対のシスティン残基の存在のために、構造的制約が強いられ、Abの結合特性に悪影響が出ると思われる。
ジスルフィド閉ループは、16の構成として出現可能である:1)xxXXCXXXXCXXxxFDL、2)xXXCXXXXCXXxxFDL、3)XXCXXXXCXXxxFDL、4)XCXXXXCXXxxFDL、5)xxXXCXXXXCXXxFDL、6)xXXCXXXXCXXxFDL、7)XXCXXXXCXXxFDL、8)XCXXXXCXXxFDL、9)xxXXCXXXXCXXFDL、10)xXXCXXXXCXXFDL、11)XXCXXXXCXXFDL、12)XCXXXXCXXFDL、13)xxXXCXXXXCXFDL、14)xXXCXXXXCXFDL、15)XXCXXXXCXFDL、および16)XCXXXXCXFDL。
3〜12で許容されるアミノ酸タイプの独自性は表2293から受け継いだもので、D2−15.2、D2−2.2およびこれらの混合物に対してタイプの集計結果を示す。
実施例50:HC CDR3にDセグメントを含まないライブラリー。
本実施例の目的は、10nM未満の親和性を有する生理活性抗体を、ほぼどのタンパク質標的に対しても選択可能な十分な多様性を有するヒトAbのライブラリーを提供することである。Abライブラリーのパフォーマンス改善の方法は、2通りある:a)Dセグメントを含まないHC CDR3の長さは、文献記載より短い(9.5vs12.5)、およびb)アミノ酸分布が、Dセグメントを有さないAbで見られるものにより近い。
FAB−310またはFAB−410由来のAb19、051の分析により、5、523(1/4超)が識別可能なDセグメントを有さない(すなわち、Dセグメントから来た3つの連続するAAが無い)ことが示された。全HC CDR3の長さ中央値は12に近いが、Dセグメントを欠くAbは、長さ中央値9.3AAである。AATの分布は、また、DのないAbでは大きく異なる。HC CDR3の全体集団では、Tyrが最もよく現れる。Dのない集団では、Tyrは、約2.5%でのみ存在し、Glyが最もよく現れるAATである。MetおよびCysは、Dのない集団では基本的に欠けている。分布は位置依存性である。すなわち、HC CDR3の最初の位置のAATの頻度は、位置2とは異なり、また位置2の頻度は位置3の頻度とは異なる、等々。
本発明のAbは、ファージ、ファージミド、または酵母上で提示可能である。記載した多様性は、Fab、scFv、またはIg(例えば、IgG、IgM、IgA、等)中で具体化することが可能である。
提案された抗体(Ab)ライブラリーは、ファージミドまたはファージ上で提示されることになる。全ての多様性は、合成によるものとなる。全ての重鎖(HC)フレームワークは3−23であり、全ての軽鎖(LC)フレームワークはA27となる。
各可変位置で、11以上のアミノ酸タイプが供される。
HC多様性:
相補性決定領域1(CDR1)のHC多様性は、位置31、33、および35にあり、CysまたはMet以外のどのアミノ酸タイプ(AAT)も許容され、5、832変異体が生成する。CDR2は、位置50、52、52a、56、および58で変化する。位置50、52、56、および58では、CysおよびMet以外の全てのAATが許容される。CDR1およびCDR2のこれらの位置のそれぞれで、生殖系列(GL)AATは、非GLAATよりも3倍高い出現可能性がある。位置52aでは、GPSYを同じ出現可能性で許容する。これにより、419、904CDR2変異体が得られる。HC CDR1〜2で許容される多様性は2.45E9である。CDR1およびCDR2にユニークな部位(BstXI)があり、必要に応じ、どちらか一方に多様性を導入することができる。1.E8単離体のみを作製する場合、許容多様性(表200に示すように)の約4%のみを得ることになる。全CDR1多様性を入手し、また全CDR2多様性を入手できるが、全ての組み合わせを入手することはできない。従って、CDR1とCDR2の間の異なる制限酵素部位がある場合は、CDR1の多様性を選択物中に挿入し、選択したCDR2との全ての組み合わせを検証して、逆にCDR2の多様性を選択したAbに挿入することができる。
Figure 2013504602
HC CDR3多様性は、Dセグメントのない、許容長さが8〜11の、さらに長さ中央値が9.5(許容多様性3.61E8、実際の多様性2.71E8(ポアソン統計および5E8単離物(75%抽出検体)を仮定して)のサブライブラリーである。表201は、種々の数の単離物(Nisolates)に対し予測可能な区別できるCDR3の数(Nd)を示す。
Figure 2013504602
表202は、HC CDR3の一実施形態に使用可能なアミノ酸タイプ(AAT)の分布を示す。別の実施形態では、表3でゼロ以外のエントリーを有する各AATは、その位置でゼロ以外のエントリーを有する全ての他のAATと同じ確率を有する。これらは、識別可能なDセグメントを持たないAbの各位置で11または12の最もよく見られるAATとして選択された。数は、特定のi:i+1、i:i+2、およびi:i+3の対の頻度を変えるために調節された。100、101、および102に対して示されているAATの”−”は、アミノ酸がその位置に無く、CDR3が短いことを意味する。これらの比率でのアミノ酸の脱落部分により、比率1:2:2:1の場合に、おおざっぱに、長さで8:9:10:11になる。
Figure 2013504602
LC多様性
全てのLCは、A27(VK−III)フレームワークを有する(表204)。CDR1の位置27、28、30、31、31a、32、および34で、変化が許容される。CDR2の位置50、53、および56で変化が供される。CDR3の位置91〜96で変化が許容される。JK4およびJK3が好ましい。許容多様性は、4.6E16である。実際の多様性は、1.E8より大きくするべきである。各可変位置で11以上のAATが許容され、GLAATは他の10AATのそれぞれよりも高い出現可能性を有する。ユニーク部位(XhoI)をCDR2とCDR3の間で操作してCDR1−2およびCDR3が別々に操作されるようにできる。ユニークSacII部位は、CDR1とCDR2の間にある。
表209は、一実施形態で、多様性をLC CDR1中へ導入するために使用するための分布を示す。別の実施形態では、表209のゼロ以外のエントリーを有する各AATが、ゼロ以外のエントリーを有する他の全てのAATと同じ頻度で使われる。表210は、一実施形態における、LC CDR2の分布を示す。別の実施形態では、表210のゼロ以外のエントリーを有する各AATが、表210のゼロ以外のエントリーを有する他の全てのAATと同じ頻度で使われる。表211は、一実施形態で使われるLC CDR3の分布を示す。別の実施形態では、ゼロ以外のエントリーを有するAATが同じ頻度で使われる。表212は、各LC CDRで許容される多様性を示す。
表213は、ベクターpM21Jの注釈付きDNA配列を示す。注釈の無いDNA配列は、表215にある。
Figure 2013504602
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CDR1およびCDR2を含むサブライブラリーを構築可能である。これら2つのCDRの許容多様性は、2.57E9である;1.E7を含有する検体で十分であろう。1.E8を有する検体はさらに良い。1.E9を有する検体はまたさらに良い。1.E8のCDR1〜2のサブライブラリーを2E7のCDR3のライブラリーと組み合わせると、許容多様性は2E15になるが、1.E8の抽出検体でも多くの有用なカッパ軽鎖を含むであろう。1.E9の検体が好ましい。

Figure 2013504602
全体ライブラリー
全体の多様性は、1.E10より大きく、おそらく、5.E10になると思われる。各多様性の領域は、ライブラリーの多様性を最初の単離物セット中に挿入するのに適した一対のユニークな制限酵素部位に結合される。多様性は、別々のプラスミド中のそれぞれの多様性ユニット(HC CDR1〜2、HC CDR3(4バージョン)、LC CDR1−2、およびLC CDR3)で維持することができる。
Figure 2013504602
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表3007は、全体HC CDR3中、および領域VJ fill、VD fill、Dセグメント、DJ fill、およびJstump中での塩基の使用頻度を示す。VJ fillはGの頻度が高く、これはこの領域での高いGlyの使用率と整合することがわかる;VJ fillは、塩基の23%を占める。VD fillは、Gが多いが、この領域のGlyリッチと一致する。VD fillは短く、塩基の9%を占めるにすぎない。D由来の配列がCDR3塩基の約26%を提供し、TおよびGがリッチでAはCより多い。これは、Tyrの多い部分(TAy)と整合する。D領域由来の部分では、TATコドンの数がTACより7847〜5946多い。DJ fillは、Gの使用頻度が最も高く、39%である。Jstump中では、Tの頻度が非常に高く、35%である。Jstumpでは、TACコドンの数がTATコドンより23170〜1166多い。

Figure 2013504602
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表225、226、227、228、229、および2210は、JH1〜JH6の分布を示す。

Figure 2013504602
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下に示す表3020〜3027は、HC CDR3ライブラリーの構築に使用可能な好ましい比率のアミノ酸タイプ(AAタイプ)を示す。CDRの長さは、4〜14が可能である。表は、位置1〜12の比率を示す。長さ13および14に対しては、位置9の比率が1回または2回繰り返される。
長さ11に対しては、表の位置9を除くか、または表の位置9と10の平均値を使用し、実際の位置9および実際の位置10用の位置11の表の値を作ることができる。表の位置12は位置11で使われる。
長さ10に対しては、表の位置8と9を除き、表の10、11、および12を位置8、9、および10として使用できる。あるいは、実際の位置8は、表の8と表の10の平均である;実際の位置9は、表の9と表の11の平均である;さらに、実際の位置10は、表の12である。
長さ9に対しては、表の位置7、8、9を除き、表の位置10、11、および12を使用できる。あるいは、位置8、9、および10を除くことができる。あるいは、9、10、および11を除くことも可能である。あるいは、表の位置11、12、および13を除くこともできる。あるいは、実際の位置7は、表の位置7および10の平均であってもよい;位置8は、表の位置8および11の平均である;また位置9は表の位置9および12の平均である。
長さ8に対しては、表の位置[6、7、8、および9];[7、8、9、および10];[8、9、10、および11];または[9、10、11、および12]を除外可能である。あるいは、表の位置1〜5を使用可能である;表の位置6を除外可能である。;表の位置7および11の平均は実際の位置6に使用できる;表の位置8および12の平均は実際の位置7に使用できる;また、表の位置9および12の平均は実際の位置8に使用できる。
長さ7に対しては、表の位置[5、6、7、8、および9];[6、7、8、9、および10];[7、8、9、10、および11];または[8、9、10、11、および12]を除外可能である。あるいは、表の位置5および6を除外可能で、表の位置7および11の平均を実際の位置5に使用できる;表の位置8および12の平均を実際の位置6に使用できる;および表の位置9および12の平均を実際の位置7に使用できる。あるいは、表の位置1〜4を使用できる;表の位置8および9を除外できる;表の位置5および11の平均を実際の位置5に使用できる;表の位置6および12の平均を実際の位置6に使用できる;および表の位置7および12の平均を実際の位置7に使用できる。
長さ6に対しては、表の位置[4、5、6、7、8、および9];[5、6、7、8、9、および10];[6、7、8、9、10、および11];または[7、8、9、10、11、および12]を除外可能である。あるいは、表の位置1〜3を含めてもよい;表の位置4、5および6を除外できる;表の位置7および11の平均を実際の位置4に使用できる;表の位置8および12の平均を実際の位置5に使用できる;および表の位置9および12の平均を実際の位置6に使用できる。あるいは、表の位置1〜3を含めてもよい;表の位置7、8および9を除外できる;表の位置4および10の平均を実際の位置4に使用できる;表の位置5および11の平均を実際の位置5に使用できる;および表の位置6および12の平均を実際の位置6に使用できる。
長さ5に対しては、表の位置[3、4、5、6、7、8、および9];[4、5、6、7、8、9、および10];[5、6、7、8、9、10、および11];または[6、7、8、9、10、11、および12]を除外可能である。あるいは、表の位置1および2を含めてもよい;表の位置3、4、5および6を除外でき、表の位置7および11の平均を実際の位置3に使用できる;表の位置8および12の平均を実際の位置4に使用できる;また、表の位置9および12の平均を実際の位置5に使用できる。あるいは、表の位置6、7、8および9を除外可能で、表の位置3および11の平均を実際の位置3に使用できる;表の位置4および12の平均を実際の位置4に使用できる;また、表の位置5および12の平均を実際の位置5に使用できる。
長さ4に対しては、表の位置[2、3、4、5、6、7、8、および9];[3、4、5、6、7、8、9、および10];[4、5、6、7、8、9、10、および11];または[5、6、7、8、9、10、11、および12]を除外可能である。あるいは、表の位置1を使用可能である;表の位置2、3、4、5および6を除外可能であり、表の位置7および11の平均を実際の位置2に使用できる;表の位置8および12の平均を実際の位置3に使用できる;また、表の位置9および12の平均を実際の位置4に使用できる。あるいは、表の位置5、6、7、8および9を除外可能である。また、表の位置2および11の平均を実際の位置2に使用できる;表の位置3および12の平均を実際の位置3に使用できる;さらに表の位置4および12の平均を実際の位置4に使用できる。
表3020〜3027は、Gly、Ser、およびTyrの比率を変えることにより表3010から得られた比率を示す。ライブラリーは、いずれかの比率のセットを用いて構築可能である。HC CDR3、または実際に合成抗体の全CDR中の各位置でTyrおよびSerのみが許容される場合に有用な抗体を得ることができるという証拠がある。このような抗体は高親和性と良好な特異性を有すると報告されているが、臨床試験に持ち込んだものは誰もいない。他のAAタイプを含めることは、治療薬として有用な抗体を得るのに重要である可能性がある。
実施例8:4〜12の長さで、Dセグメントを持たないHC CDR3のライブラリー。
この実施例は、高頻度のTyrを有するように調節した表3023、表3010を使用する。長さ12に対しては、メンバーは、表3023に示すAAタイプ分布を有する。長さ11に対しては、先頭の8つの位置を表3023A、Bに示している。9番目の位置は、表の9番目と10番目の位置の平均の分布を有する:A:0.0364、D:0.0215、F:0.5281、G:0.0116、L:0.0327、P:0.0600、R:0.0737、S:0.0116、T:0.0323、V:0.0327、W:0.0195、Y:0.01399。位置10および11は、表中の「11」および「12」の列に示された分布を使用する。この実施例では、HC CDR3の位置は、1〜12の番号を付けている。これらは位置95、96、...102dに対応する。
長さ10に対しては、位置1〜7は、表3023A、Bに示されている。位置8は、表の位置8および10の平均である:A:0.04034、D:0.0184、F:0.5167、G:0.0116、L:0.04413、P:0.05371、R:0.0756、S:0.0116、T:0.0332、V:0.0277、W:0.0272、Y:0.140。位置9は、表の位置9および11の平均である:A:0.0364、D:0.5215、F:0.02814、G:0.01160、L:0.0327、P:0.0600、R:0.0737、S:0.0116、T:0.0323、V:0.0327、W:0.0195、Y:0.1399。位置10は、表中の位置「12」の列の数値を使う。
長さ9に対しては、位置1〜7は、表3023に示されている。位置8および9は、表中で位置「11」および「12」の列の数値を使う。
長さ8に対しては、表の位置1〜5が使われる。位置6〜8は、表3031に示されている。
長さ7に対しては、位置1〜4は、表3023に示されている。位置5〜7が表3032に示され、表3010の位置5と10、6と11、および7と12の平均が使われる。
長さ6に対しては、位置1〜3は、表3023に示されている。位置4〜6は表3033に示され、表の位置4と10、5と11、および6と12の平均が使われる。
長さ5に対しては、位置1〜5は、表3023A、Bに示されている。
長さ4に対しては、位置1〜3は、表3023Aに示され、位置4は、表3023Bにある位置「12」の列の数値を使う。すなわち、表の位置4〜11は除かれる。
異なる長さの比率は、標的に応じて変化しうる。例えば、長さの短いメンバーが多い場合は、ペプチド、小タンパク質、炭水化物、および糖タンパク質は、ライブラリー由来のより良好は結合剤を与えることができる。長いメンバーが多い場合は、大きなタンパク質が、より良好は結合剤を与えることができる。本発明の一実施形態では、下記の比率の長さの成分を有する:L4:L5:L6:L7:L8:L9:L10:L11:L12::1:1:1:1:1:1:1:1:1。本発明の一実施形態では、下記の比率の長さの成分を有する:L4:L5:L6:L7:L8:L9:L10:L11:L12::3:3:2:2:2:1:1:1:1。本発明の一実施形態では、下記の比率の長さの成分を有する:L4:L5:L6:L7:L8:L9:L10:L11:L12::1:1:1:1:2:2:2:3:3。各長さに対し、例えば、2.E6メンバーおよび全体で1.8E7のHC CDR3が得られる。この多様性は、例えば、2.E7のHC CDR1/2の多様性のライブラリーと組み合わせて、例えば、1.E9のHCを作製できる。
HC CDR3の多様性は、実施例4.1および実施例4.2、実施例4.3、または実施例15に示すHC CDR1/CDR2多様性と組み合わされる。LC多様性は、実施例5、実施例9、または実施例16に示されている。好ましいベクターは、pMID55Fで、構築方法は、実施例9に示されている。

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実施例9:LCライブラリー
40のVkappa生殖系列遺伝子がある。CDRでは、これらは表3600の多様性を示す。本発明の一実施形態は、LC CDRの多様化位置(CDR1:27〜28、30〜32;CDR2:50、53、56、およびCDR3:91〜96)が変えられて、a)A27の生殖系列残基が50%の確率で存在し(表3601〜3603の「許容AAT」列中の最初のAATが生殖系列AATである)、b)各位置で10タイプの最もよく見られるAATが含まれ、さらにc)各位置で見られる全AATが等頻度で含まれているライブラリーに関する。これは、一部の位置では、12以上の許容AATを有することを意味する。ライブラリーの一部で、2つの位置でアミノ酸を含まないことが許容され、これらは、表3601および3603の「許容AAT」列中の「*」で示される30aおよび93である。すなわち、CDR1は、11または12長さで、CDR3は、8または9長さでありうる。これは、CDR1に対して2.9E6の多様性、CDR2に対して1.8E3の多様性、およびCDR3に対して3.4E6の多様性を与える。全体の許容多様性は、1.8E16である。実際のライブラリーは、1.E7、3.E7、1.E8、3.E8、1.E9、または3.E9の実際のメンバーを有することができる。これらは、0.1、0.3、1.、3.、または10倍多いメンバーを有するHCライブラリーと組み合わせて、1.E8、3.E8、1.E9、3.E9、1.E10、3.E10、1.E11、または5.E11メンバーを作ることができる。
ライブラリーは、表3610および表3611で示されるように、ベクターpMID55F中で構築される。ベクターpMID55Fは、多様性をベクター中に効率的に導入するように設計されている。ベクター中の各CDRは2つの停止コドンを持つ。最初に、4つのライブラリーが構築される:HC CDR1−CDR2、HC CDR3、LC CDR1−CDR2、およびLC CDR3。これらのライブラリーそれぞれ、1.E6、3.E6、1.E7、または3.E7メンバーを有するであろう。HCのライブラリーは、CDR3多様性をXbaI−ApaI断片としてHC CDR1−CDR2多様性中に導入することにより構築される。このHCライブラリーは、1.E7、3.E7、1.E8、3.E8、1.E9、または5.E9メンバーを有するはずである。XbaIおよびApaIは反対の極性を有し、XbaIは5’オーバーハングを生成し、ApaIは、3’オーバーハングを生成する。
LCのライブラリーは、CDR1−CDR2多様性をSacI/XhoI断片としてCDR3多様性中に導入することにより構築される。SacIは、3’オーバーハングを生成し、XhoIは、5’オーバーハングを生成する。このLCライブラリーは、1.E7、3.E7、1.E8、3.E8、1.E9、または5.E9メンバーを有するであろう。Fabライブラリーは、LCをSacI/EcoRI断片としてHC多様性中に導入することにより構築される。SacIは、3’オーバーハングを生成し、EcoRIは、5’オーバーハングを生成する。最終ライブラリーは、1.E8、3.E8、1.E9、3.E9、1.E10、3.E10、1.E11、または5.E11メンバーを有するであろう。ライブラリーの構築に使った全制限酵素は、高濃度で入手可能であり、完全に切断する。使った各酵素ペア−は、片方が5’オーバーハングを生成し、他方が3’オーバーハングを生成する。


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実施例10:4〜12の長さを有し、DセグメントのないHC CDR3のライブラリー
この実施例は、高頻度Glyを有するように調節した表3021、表3010を使用する。長さ12に対しては、メンバーは、表3021に示すAAタイプ分布を有する。長さ11に対しては、最初の8つの位置は、表3021A、Bに示されている。9つめの位置は、表の9番目と10番目の位置の平均の分布を有する:A:0.0364、D:0.0215、F:0.5281、G:0.1400、L:0.0327、P:0.0600、R:0.0737、S:0.0116、T:0.0323、V:0.0327、W:0.0195、Y:0.0115。位置10および11は、表で「11」および「12」列に示された分布を使う。この実施例では、HC CDR3の位置は1〜12の番号が付けられている。これらは、位置95、96、...102dに対応する。
長さ10に対しては、位置1〜7は、表3021A、Bに示されている。位置8は、表の位置8および10の平均である:A:0.0403、D:0.0184、F:0.5167、G:0.1400、L:0.04413、P:0.05371、R:0.0757、S:0.0115、T:0.0332、V:0.0277、W:0.0272、Y:0.012。位置9は、表の位置9および11の平均である:A:0.0364、D:0.5215、F:0.0281、G:0.140、L:0.0327、P:0.0600、R:0.0737、S:0.0115、T:0.0323、V:0.0327、W:0.0195、Y:0.0115。位置10は、位置「12」列に示されている比率を使う。
長さ9に対しては、位置1〜6は表3021に示されている。位置7は、表の位置7と10のへいきんである。すなわち:A:0.0455、D:0.0196、F:0.50、G:0.140、L:0.0432、P:0.0548、R:0.0853、S:0.0115、T:0.0382、V:0.0215、W:0.0288、Y:0.0115。位置8および9は、位置「11」および「12」列の比率を使う。
長さ8に対しては、位置1〜5は表の比率をそのまま使う。位置6〜8は表3620に示されている。
長さ7に対しては、位置1〜4は表3021に示されている。位置5〜7は、表3621に示されており、表3021の位置5と10、6と11、および7と12の平均が使われる。
長さ6に対しては、位置1〜3は表3021に示されている。位置4〜6は表3622に示されており、表の位置4と10、5と11、および6と12の平均が使われる。
長さ5に対しては、位置1〜5は表3021A、Bに示されている。
長さ4に対しては、位置1〜3は表3021Aに示されており、位置4は表3021Bの「12」の列の比率を使い、表の位置4〜11の列を除外する。
異なる長さの比率は、標的に応じて変化しうる。例えば、長さの短いメンバーが多い場合は、ペプチド、小タンパク質、炭水化物、および糖タンパク質は、ライブラリー由来のより良好は結合剤を与えることができる。長いメンバーが多い場合は、大きなタンパク質が、より良好は結合剤を与えることができる。
本発明の一実施形態では、下記の比率の長さの成分を有する:L4:L5:L6:L7:L8:L9:L10:L11:L12::1:1:1:1:1:1:1:1:1。本発明の一実施形態では、下記の比率の長さの成分を有する:L4:L5:L6:L7:L8:L9:L10:L11:L12::3:3:2:2:2:1:1:1:1。本発明の一実施形態では、下記の比率の長さの成分を有する:L4:L5:L6:L7:L8:L9:L10:L11:L12::1:1:1:1:2:2:2:3:3。例えば、2.E6メンバーおよび全体で1.8E7のHC CDR3が得られる。この多様性は、例えば、2.E7のHC CDR1/2の多様性のライブラリーと組み合わせて、例えば、1.E9のHCを作製できる。
HC CDR3の多様性は、実施例4.1および実施例4.2、または実施例4.3、に示すHC CDR1/CDR2多様性と組み合わされる。LC多様性は、実施例5、実施例9、または実施例15に示されている。好ましいベクターは、pMID55Fで、構築方法は、実施例9に示されている。

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実施例11:5〜11長さを有しDセグメントのないHC CDR3のライブラリー
この実施例は、高頻度GlyおよびSerおよび低頻度Tyrを有するように調節した表3024、表3010を使用する。長さ11に対しては、最初の8つの位置は、表3024A、Bに示されている。9つめの位置は、表中の9番目と10番目の位置の平均の分布を有する:A:0.029、D:0.017、F:0.522、G:0.1114、L:0.026、P:0.0478、R:0.0586、S:0.1114、T:0.0257、V:0.026、W:0.0155、Y:0.0091。位置10および11は、表中の「11」および「12」の列で示されている分布を使う。この実施例では、HC CDR3の位置は、1〜11の番号を付けている。これらは、位置95、96、...102cに対応する。
長さ10に対しては、位置1〜8は、表3024A、Bに示されている。位置9は、表の位置9および11の平均である:A:0.029、D:0.517、F:0.0224、G:0.11140、L:0.026、P:0.0477、R:0.0586、S:0.1113、T:0.0257、V:0.026、W:0.0155、Y:0.0091。位置10は、表の位置「12」の列の分布を使用する。
長さ9に対しては、位置1〜6は、表3024A、Bに示されている。位置7は、表の位置7および10の平均である。すなわち、A:0.0362、D:0.0156、F:0.50、G:0.11140、L:0.03436、P:0.0436、R:0.0678、S:0.1114、T:0.0304、V:0.0171、W:0.0229、Y:0.0091。位置8および9は、表中の位置「11」および「12」の列の分布を使う。
長さ8に対しては、位置1〜5は、表のままである。位置6〜8は、表3630に示されている。
長さ7に対しては、位置1〜4は、表3024に示されている。位置5〜7は、表3631に示され、表3024の位置5と10、6と11、および7と12の平均値が使われる。
長さ6に対しては、位置1〜3は、表3024に示されている。位置4〜6は、表3632に示され、表の位置4と10、5と11、および6と12の平均値である。
長さ5に対しては、位置1〜5は、表3024A、Bに示されている。
異なる長さの比率は、標的に応じて変化しうる。例えば、長さの短いメンバーが多い場合は、ペプチド、小タンパク質、炭水化物、および糖タンパク質は、ライブラリー由来のより良好は結合剤を与えることができる。長いメンバーが多い場合は、大きなタンパク質が、より良好は結合剤を与えることができる。本発明の一実施形態では、下記の比率の長さの成分を有する:L5:L6:L7:L8:L9:L10:L11::1:1:1:1:1:1:1。本発明の一実施形態では、下記の比率の長さの成分を有する:L5:L6:L7:L8:L9:L10:L11::3:2:2:2:1:1:1。本発明の一実施形態では、下記の比率の長さの成分を有する:L5:L6:L7:L8:L9:L10:L11::1:1:1:2:2:2:3。各長さに対し、例えば、2.E6メンバーおよび全体で1.4E7のHC CDR3が得られる。この多様性は、例えば、2.E7のHC CDR1/2の多様性のライブラリーと組み合わせて、例えば、1.E9のHCを作製できる。
HC CDR3の多様性は、実施例4.1および実施例4.2、または実施例4.3、に示すHC CDR1/CDR2多様性と組み合わされる。LC多様性は、実施例5、実施例9、または実施例15に示されている。好ましいベクターは、pMID55Fで、構築方法は、実施例9に示されている。

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実施例12:別のHC CDR3ライブラリー
表3010、3020、3021、3022、3023、3024、3025、3026、または3027に示す比率を様々な手法で使用することが可能である。例えば、表3023および表3100に従ってライブラリーの構築に使用できる。表3100から、ソースの表3010、3020〜3027の1つの中のどの列を使えばよいかを知ることができる。最初、「長さ」と標識付けした列から長さを選択する。次に、「長さ」の右側の行中の位置を選択する。表3100のエントリーから、ソースの表どの列を使うかを知ることができる。
表3023をソースの表であると仮定する。長さ8のメンバーに対し、位置1に比率は、表3023の位置1からもたらされる。位置2に対しては、比率は、列の「位置2」から来ることになる。位置3、4、5に対しても、同様な方法が使える。表3100に示すように、位置6〜8(最後の3つの位置)に対する比率は、表3023の「位置10」、「位置11」、および「位置12」の列から来ることになる。長さ9のメンバーに対しては、位置1〜5は、長さ8のメンバーと同様である。位置6は、位置5の繰り返しである。長さ10に退位しては、表3023の位置5の比率を3回繰り返す。長さ11に対しては、表3023の位置5の比率を4回繰り返す。長さ12に対しては、表3023の位置5の比率を5回繰り返す。いくつかの位置で構成を繰り返すことで、必要な混合物の数を減らすことができる。DセグメントのないHC CDR3の位置における大抵の変化は、最初の4つまたは5つの位置で発生する。
HC CDR3の多様性は、実施例4.1および実施例4.2、または実施例4.3、に示すHC CDR1/CDR2多様性と組み合わされる。LC多様性は、実施例5、実施例9、または実施例15に示されている。好ましいベクターは、pMID55Fで、構築方法は、実施例9に示されている。

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実施例13:4〜12の長さを有するHC CDR3のライブラリー
表3028Aおよび表3028Bは、表3010からSerおよびGlyの比率を増やし、Tyrの比率を減らして、算出した比率を示す。長さ12に対しては、比率は表3028Aおよび3028B中にある。長さ11に対しては、最初の8つの位置は、表3028A、Bに示されている。位置9、10、および11は、表3028A、Bの位置10、11、および12のカラムの比率を使う。すなわち、標識付けした列「9」を除外する。この実施例では、HC CDR3の位置は、1〜12と番号付をされている。これらは、完全HC中の位置95、96、...102dに対応する。
長さ10に対しては、位置1〜7は、表3028A、Bに示されている。位置8〜10は、表3028A、Bの位置10〜12の列に示された比率である。すなわち、列8と9は除外される。
長さ9に対しては、表3028A、Bの列7、8、および9が除外される。
長さ8に対しては、表3028A、Bの列6、7、8、および9が除外される。
長さ7に対しては、表3028A、Bの列5、6、7、8、および9が除外される。
長さ6に対しては、表3028A、Bの列5、6、7、8、9、および10が除外される。
長さ5に対しては、表3028A、Bの列4、5、6、7、8、9、および10が除外される。
長さ4に対しては、表3028A、Bの列5〜12が除外される。
異なる長さの比率は、標的に応じて変化しうる。例えば、長さの短いメンバーが多い場合は、ペプチド、小タンパク質、炭水化物、および糖タンパク質は、ライブラリー由来のより良好は結合剤を与えることができる。長いメンバーが多い場合は、大きなタンパク質が、より良好は結合剤を与えることができる。本発明の一実施形態では、下記の比率の長さの成分を有する:L4:L5:L6:L7:L8:L9:L10:L11:L12::1:1:1:1:1:1:1:1:1。本発明の一実施形態では、下記の比率の長さの成分を有する:L4:L5:L6:L7:L8:L9:L10:L11:L12::3:3:2:2:2:1:1:1:1。本発明の一実施形態では、下記の比率の長さの成分を有する:L4:L5:L6:L7:L8:L9:L10:L11:L12::1:1:1:1:2:2:2:3:3。各長さに対し、例えば、2.E6メンバーおよび全体で1.8E7のHC CDR3が得られる。この多様性は、例えば、2.E7のHC CDR1/2の多様性のライブラリーと組み合わせて、例えば、1.E9のHCを作製できる。
HC CDR3の多様性は、実施例4.1および実施例4.2、または実施例4.3、に示すHC CDR1/CDR2多様性と組み合わされる。LC多様性は、実施例5、実施例9、または実施例15に示されている。好ましいベクターは、pMID55Fで、構築方法は、実施例9に示されている。
実施例14:HC CDR1およびCDR2
表54は、HC CDR1の5、508配列を許容する多様性を示す。位置31で、Serは、生殖系列(GL)アミノ酸タイプである。従って、Serを、例えば、他の各AATより、4倍出現可能性を高くする。18タイプが許容されるため、Serは約19%(4/21)の確率で許容され、他の各AATは約4.7%の確率で許容される(CとMな除外される)。従って、位置31でAAタイプの選択をしない場合は、Ser含有抗体が単離される可能性が最も高い。同様に、位置33では、GLのAAタイプはAlaであり、Alaを、例えば、他のもの(5%)より、4倍(20%)出現可能性を高くする(C、N、およびMは除外される。35がS側に偏っており、N−X−(S/T)を避けるため、Nは除外される)。位置35では、SerはGLのAAタイプであり、例えば、他のものより4倍出現可能性を高くする。全3つの位置で、CysとMetは除外される。抗体の溶解度と反応性に悪影響を与える恐れのある余計なジスルフィドまたは不対システインの露出を避けるため、Cysは除外される。露出メチオニン側鎖が酸化の対象になり、この酸化が結合特性および保存可能期間を変える可能性があるため、Metは除外される。
CDR2では、多様性は、位置50、52、52a、56、および58で許容される(表55に示されるように)。At50、52、56、および58では、CysとMetを除く全アミノ酸タイプが許容され、GLのAAタイプの出現可能性が他より4倍高くされる。
表54と表55に示すCDR1およびCDR2の組み合わされた多様性は、2.19E9である。
実施例15:HC CDR1およびCDR2の好ましい形の多様性
HC CDR1およびCDR2の好ましい形の多様性を表191に示す(構成は表190に示す)。これらの多様化は、一部は、種々のソース由来の抗体の調査に基づいている。この実施形態では、位置31は、SADGQRYのみが許容される。位置33では、Cys、Glu、Asn、およびMetを除く全AATが許容される。位置35では、CysとMetを除く全AATが許容される。望ましくない無関係のジスルフィドまたは露出不対システィン(両方とも望ましくない)を防ぐため、Cysは除外される。Metはメチオニンが選択されるのを防ぐため、除外される。35がSer側に偏っており、N−X−(S/T)配列の発生を最小限に留めるべきなので、位置33のAsnは除外される。結合部位にMetがあると、抗体の保存可能期間が短くなる傾向がある。結合部位でのMetの酸化は、Abの結合特性を変化させる可能性が非常に高い。これらのアミノ酸の側鎖が、抗体結合部位の方を向いているために、位置31、33、および35が、多様性付与の目的のために選択される。このような位置のメチオニンは、酸化されると、結合特性を大きく変える可能性がある。
GlyおよびPheが位置54で許容され、Glyは、例えば、Pheの6倍の頻度である。これは、抗体をCDR2の1−69に似させる;1−69は、ウイルス標的の結合剤として選択されることが多い。表191では、Nは位置33、52、53、および56から除外される。Qは位置53で許容される。許容多様性は、2016(CDR1)、4.66E+06(CDR2)、および9.40E+09(両方)である。さらに、位置53で許容AATに対し、Ileが追加される。理由は、1−69では、この位置にIleがあるからである。
各位置で、GLのAATは、他の各AATより、2、3、4、5、6、7、8、9、または10倍出現頻度が高い可能性がある。
FR2中のユニークなBstXI制限酵素部位のために、CDR1をCDR2と組み換えることができる。
Figure 2013504602
実施例16:LCライブラリー
40 Vkappa生殖系列遺伝子がある。CDRでは、これらは、表3600に示す多様性を示す。本発明の一実施形態は、LC CDR(CDR1:27〜28、30〜32;CDR2:50、53、56、およびCDR3:91〜96)の多様化位置が変えられ、a)A27の生殖系列残基が50%の確率で存在し(表4601〜4603の「許容AAT」列中の最初のAATが生殖系列AATである)、b)各位置で10タイプの最もよく見られるAATが含まれ、さらにc)各位置で見られる全AATが等頻度で含まれているライブラリーが含まれ、さらに、d)N−X−(S/T)を有するメンバーの割合が、2%、1%、0.5%、0.1%未満であるか、またはN−X−(S/T)が許容されないライブラリーに関する。これは、一部の位置では、11以上の許容AATを有することを意味する。ライブラリーの一部で、2つの位置でアミノ酸を含まないことが許容され、これらは、表4601および表4603の「許容AAT」列中の「*」で示される30aおよび93である。すなわち、CDR1は、11または12長さで、CDR3は、8または9長さでありうる。これは、CDR1に対して2.94E+06の多様性、CDR2に対して1.85E+03の多様性、およびCDR3に対して3.17E+06の多様性を与える。全体の許容多様性は、1.8E16である。実際のライブラリーは、1.E7、3.E7、1.E8、3.E8、1.E9、or3.E9の実際のメンバーを有することができる。これらは、0.1、0.3、1.、3.、または10倍多いメンバーを有するHCライブラリーと組み合わせて、1.E8、3.E8、1.E9、3.E9、1.E10、3.E10、1.E11、または5.E11メンバーを作ることができる。
V29を固定するため、位置27では、Nが許容される。位置30でSerがGLのAATであり、この位置で最も出現頻度が高いAATであるため、位置28で、Nは、Qに変えられる。31でSerはGLのAATであり、位置30aでアミノ酸を有するメンバーに影響を与えるので、位置30では、NはQに変えられる。Sが32で許容され、Qが30aで許容されるため、30aでは、Nは除外される。L33を固定するため、Nは31で許容される。
S51が固定されるため、位置50でNがQに変えられる。A55が固定されるため、Nは位置53で許容される。残基58がSでもTでもないため、Nは56で許容される。
Sが93でGLのAATであるため、位置91で、NはQに変えられる。
ライブラリーは、表3610および表3611で示されるように、ベクターpMID55F中で構築される。ベクターpMID55Fは、多様性をベクター中に効率的に導入するように設計されている。ベクター中の各CDRは2つの停止コドンを持つ。最初に、4つのライブラリーが構築される:HC CDR1−CDR2、HC CDR3、LC CDR1−CDR2、およびLC CDR3。これらのライブラリーそれぞれ、1.E6、3.E6、1.E7、または3.E7メンバーを有するであろう。HCのライブラリーは、CDR3多様性をXbaI−ApaI断片としてHC CDR1−CDR2多様性中に導入することにより構築される。このHCライブラリーは、1.E7、3.E7、1.E8、3.E8、1.E9、または5.E9メンバーを有するはずである。XbaIおよびApaIは反対の極性を有し、XbaIは5’オーバーハングを生成し、ApaIは、3’オーバーハングを生成する。
LCのライブラリーは、CDR1−CDR2多様性をSacI/XhoI断片としてCDR3多様性中に導入することにより構築される。SacIは、3’オーバーハングを生成し、XhoIは、5’オーバーハングを生成する。このLCライブラリーは、1.E7、3.E7、1.E8、3.E8、1.E9、または5.E9メンバーを有するであろう。Fabライブラリーは、LCをSacI/EcoRI断片としてHC多様性中に導入することにより構築される。SacIは、3’オーバーハングを生成し、EcoRIは、5’オーバーハングを生成する。最終ライブラリーは、1.E8、3.E8、1.E9、3.E9、1.E10、3.E10、1.E11、または5.E11メンバーを有するであろう。ライブラリーの構築に使った全制限酵素は、高濃度で入手可能であり、完全に切断する。使った各酵素ペア−は、片方が5’オーバーハングを生成し、他方が3’オーバーハングを生成する。
Figure 2013504602
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参考文献
本出願全体を通して引用された参照文献、発行特許、広告または非広告特許出願ならびに下記リストに記載されたものを含む全ての引用文献の内容は、本明細書により参照によってその全体が明示的に組み込まれる。矛盾が生じた場合は、本明細書に記載の全ての定義を含め、本出願が優先する。
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等価物
多くの本発明の実施形態を説明してきた。それにも関わらず、本発明の趣旨と範囲から乖離することなく様々な改変を行うことが可能であることは理解されよう。従って、他の実施形態も、次の請求項の範囲に入る。

Claims (32)

  1. ヒト抗体ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示し、提示および発現し、または含み、さらに、その抗体ファミリーの少なくとも一部の多様性をまとめて提示し、提示および発現し、または含むベクターまたは遺伝子パッケージのライブラリーであって、ベクターまたは遺伝子パッケージが重鎖(HC)CDR3をコードする多様化DNA配列を含み、HC CDR3は、X−X−X−X−X−X−X−X−X−X10−X11−X12−X13−X14であり、
    各X〜Xが、それぞれ独立に、表 3010に示す各位置X〜Xで最も高頻度で発生するアミノ酸により占められ;
    残基X〜X11のいずれか1つが、それぞれ独立に、欠けているか、または表3010に示すXと同じ分布を有し;さらに
    12〜X14が、ヒトJHの残基100〜102に対応するライブラリー。
  2. ヒト抗体ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示し、提示および発現し、または含み、さらに、その抗体ファミリーの少なくとも一部の多様性をまとめて提示し、提示および発現し、または含むベクターまたは遺伝子パッケージのライブラリーであって、ベクターまたは遺伝子パッケージが重鎖(HC)CDR3をコードする多様化DNA配列を含み、HC CDR3は、X−X−X−X−X−X−X−X−X−X10−X11−X12−X13−X14であり、
    各X〜Xが、それぞれ独立に、表 3010に示す各位置X〜Xで最も高頻度で発生する11個のアミノ酸により占められ、Glyは、他のものより3倍高頻度で発生し、AATの2〜11は同じ頻度であり;
    残基X〜X11のいずれか1つが、それぞれ独立に、欠けているか、または位置Xで使われるものと同じ分布を有し;さらに
    12〜X14が、ヒトJHの残基100〜102に対応するライブラリー。
  3. ヒト抗体ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示し、提示および発現し、または含み、さらに、その抗体ファミリーの少なくとも一部の多様性をまとめて提示し、提示および発現し、または含むベクターまたは遺伝子パッケージのライブラリーであって、ベクターまたは遺伝子パッケージが重鎖(HC)CDR3をコードする多様化DNA配列を含み、HC CDR3は、X−X−X−X−X−X−X−X−X−X10−X11−X12−X13−X14−X15−X16−X17であり、
    〜Xが、それぞれ独立に、欠けているか、または、表3008に示すX〜Xと同じ分布を有し;
    〜X12の0、1、2、3、4、または5個がそれぞれ独立に欠けているか、または、独立にヒトDセグメントのX〜X12に対応する位置で最も高頻度に発生するアミノ酸により占められ;
    13およびX14が、それぞれ独立に、欠けているか、または、表75のDJ fillで最も高頻度で発生する5〜12アミノ酸により占められ、;さらに
    15〜X17が、ヒトJHの残基100〜102に対応するアミノ酸により占められているライブラリー。
  4. ヒト抗体ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示し、提示および発現し、または含み、さらに、その抗体ファミリーの少なくとも一部の多様性をまとめて提示し、提示および発現し、または含むベクターまたは遺伝子パッケージのライブラリーであって、ベクターまたは遺伝子パッケージが重鎖(HC)CDR3をコードする多様化DNA配列を含み、HC CDR3は、X−X−X−X−X−X−X−X−X−X10−X11−X12−X13−X14−X15−X16−X17であり、
    〜Xが、それぞれ独立に、欠けているか、または、表3008に示すX〜Xと同じ分布を有し;
    〜X12の0、1、2、3、4、または5個がそれぞれ独立に欠けているか、または、独立にヒトDセグメントのX〜X12に対応する位置で最も高頻度に発生するアミノ酸により占められ;
    13およびX14が、それぞれ独立に、欠けているか、または、表75のDJ fillで最も高頻度で発生する5〜12アミノ酸により占められ、;さらに
    15〜X17が、ヒトJHの残基100〜102に対応するアミノ酸により占められているライブラリー。
  5. ヒト抗体関連ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示し、提示および発現し、または含み、さらに、その抗体ファミリーの少なくとも一部の多様性をまとめて提示し、提示および発現し、または含むベクターまたは遺伝子パッケージのライブラリーであって、ベクターまたは遺伝子パッケージが重鎖(HC)CDR3をコードする多様化DNA配列を含み、HC CDR3は、
    −X−X−X−X−X−X−X−X−X10−X11であり、ここで、
    は、G、D、V、E、A、S、R、L、I、H、T、またはQで、G:D:V:E:A:S:R:L:I:H:T:Qの比率は、217:185:84:83:71:68:58:43:33:28:25:20であり;
    は、G、R、S、L、P、V、A、T、D、K、N、Q、またはIで、G:R:S:L:P:V:A:T:D:K:N:Q:Iの比率は、186:142:99:83:76:49:46:44:35:29:29:29:29であり;
    は、G、R、S、L、A、P、Y、V、W、T、またはDで、G:R:S:L:A:P:Y:V:W:T:Dの比率は、203:130:92:61:60:54:52:48:48:42:36であり;
    は、G、S、R、L、A、W、Y、V、P、T、またはDで、G:S:R:L:A:W:Y:V:P:T:Dの比率は、210:103:91:64:63:59:59:47:47:47:40であり;
    は、G、S、R、L、A、Y、W、D、T、P、またはで、G:S:R:L:A:Y:W:D:T:P:Vの比率は、190:96:89:71:64:59:59:56:46:43:42であり;
    は、G、S、R、D、L、A、P、Y、T、W、V、またはΔ(欠失)で、G:S:R:D:L:A:P:Y:T:W:V:Δの比率は、173:93:88:73:71:63:58:57:56:44:39:*であり;
    は、G、S、R、D、L、A、P、Y、T、W、V、またはΔ(欠失)で、G:S:R:D:L:A:P:Y:T:W:V:Δの比率は、173:93:88:73:71:63:58:57:56:44:39:*であり;
    は、G、S、R、D、L、A、P、Y、T、W、V、またはΔ(欠失)で、G:S:R:D:L:A:P:Y:T:W:V:Δの比率は、173:93:88:73:71:63:58:57:56:44:39:*であり;
    は、Fであり;
    10は、Dであり;さらに
    11は、Yであり、長さ(Len)の分布は、Len8:Len9:Len10:Len11::2:3:3:2で、さらに*は、Δの比率は各欠失可能コドンが同じ頻度で欠失するという前提の下で所定の長さ分布により求められることを示す、ライブラリー。
  6. ヒト抗体ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示し、提示および発現し、または含み、さらに、その抗体ファミリーの少なくとも一部の多様性をまとめて提示し、提示および発現し、または含むベクターまたは遺伝子パッケージのライブラリーであって、ベクターまたは遺伝子パッケージが重鎖(HC)CDR3をコードする多様化DNA配列を含み、HC CDR3は、
    −X−X−X−X−X−X−X−X−X10−X11−X12−X13−X14であり、ここで、
    は、G、D、E、V、S、A、R、L、I、H、T、またはQで、G:D:V:E:A:S:R:L:I:H:T:Qの比率は、217:185:84:83:71:68:58:43:33:28:25:20であり;
    は、G、R、S、L、P、V、A、T、D、K、N、Q、またはIで、G:R:S:L:P:V:A:T:D:K:N:Q:Iの比率は、186:142:99:83:76:49:46:44:35:29:29:29:29であり;
    は、G、R、S、L、A、P、Y、V、W、T、またはDで、G:R:S:L:A:P:Y:V:W:T:Dの比率は、203:130:92:61:60:54:52:48:48:42:36であり;
    は、G、S、R、L、A、W、Y、V、P、T、またはDで、G:S:R:L:A:W:Y:V:P:T:Dの比率は、210:103:91:64:63:59:59:47:47:47:40であり;
    は、G、S、R、L、A、Y、W、D、T、P、またはVで、G:S:R:L:A:Y:W:D:T:P:Vの比率は、190:96:89:71:64:59:59:56:46:43:42であり;
    は、G、S、R、D、L、A、P、Y、T、W、またはVで、G:S:R:D:L:A:P:Y:T:W:Vの比率は、173:93:88:73:71:63:58:57:56:44:39であり;
    は、G、R、S、L、P、D、A、Y、T、W、V、またはΔ(欠失)で、G:R:S:L:P:D:A:Y:T:W:V:Δの比率は、179:92:86:74:70:69:56:55:44:41:39:*であり;
    は、G、S、R、L、D、P、Y、A、T、F、V、またはΔで、G:S:R:L:D:P:Y:A:T:F:V:Δの比率は、141:94:93:83:78:69:65:59:47:41:41:*であり;
    は、G、S、R、L、D、P、Y、A、T、F、V、またはΔで、G:S:R:L:D:P:Y:A:T:F:V:Δの比率は、141:94:93:83:78:69:65:59:47:41:41:*であり;
    10は、G、S、R、L、D、P、Y、A、T、F、V、またはΔで、G:S:R:L:D:P:Y:A:T:F:V:Δの比率は、141:94:93:83:78:69:65:59:47:41:41:*であり;
    11は、G、S、R、L、D、P、Y、A、T、F、V、またはΔで、G:S:R:L:D:P:Y:A:T:F:V:Δの比率は、141:94:93:83:78:69:65:59:47:41:41:*であり;
    12は、Fであり;
    13は、Dであり;さらに
    14は、Yであり;
    長さ(Len)の分布は、Len9:Len10:Len11:Len12:Len13:Len14::n1:n2:n3:n4:n5:n6で、さらに*は、Δの比率は各欠失可能コドンが同じ頻度で欠失するという前提の下で所定の長さ分布により求められることを示す、ライブラリー。
  7. ヒト抗体ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示し、提示および発現し、または含み、さらに、その抗体ファミリーの少なくとも一部の多様性をまとめて提示し、提示および発現し、または含むベクターまたは遺伝子パッケージのライブラリーであって、ベクターまたは遺伝子パッケージが重鎖(HC)CDR3をコードする多様化DNA配列を含み、HC CDR3は、
    −X−X−X−X−X−X−X−X−X10−X11−X12−X13−X14であり、ここで、
    は、G、D、V、E、A、S:R:L、I、:H、T、またはQで、G:D:V:E:A:S:R:L:I:H:T:Qの比率は、217:185:84:83:71:68:58:43:33:28:25:20であり;
    は、G、R、S、L、P、V、A、T、D、K、N、Q、またはIで、G:R:S:L:P:V:A:T:D:K:N:Q:Iの比率は、186:142:99:83:76:49:46:44:35:29:29:29:29であり;
    は、G、R、S、L、A、P、Y、V、W、T、またはDで、G:R:S:L:A:P:Y:V:W:T:Dの比率は、203:130:92:61:60:54:52:48:48:42:36であり;
    は、G、S、R、L、A、W、Y、V、P、T、またはDで、G:S:R:L:A:W:Y:V:P:T:Dの比率は、210:103:91:64:63:59:59:47:47:47:40であり;
    は、G、S、R、L、A、Y、W、D、T、P、またはVで、G:S:R:L:A:Y:W:D:T:P:Vの比率は、190:96:89:71:64:59:59:56:46:43:42であり;
    は、G、S、R、D、L、A、P、Y、T、W、またはVで、G:S:R:D:L:A:P:Y:T:W:Vの比率は、173:93:88:73:71:63:58:57:56:44:39であり;
    は、G、R、S、L、P、D、A、Y、T、W、またはVで、G:R:S:L:P:D:A:Y:T:W:Vの比率は、179:92:86:74:70:69:56:55:44:41:39であり;
    は、G、S、R、L、D、P、Y、A、T、F、V、またはΔ(欠失)で、G:S:R:L:D:P:Y:A:T:F:V:Δの比率は、141:94:93:83:78:69:65:59:47:41:41:*であり;
    は、G、S、R、L、D、P、Y、A、T、F、V、またはΔで、G:S:R:L:D:P:Y:A:T:F:V:Δの比率は、141:94:93:83:78:69:65:59:47:41:41:*であり;
    10は、G、S、R、L、D、P、Y、A、T、F、V、またはΔで、G:S:R:L:D:P:Y:A:T:F:V:Δの比率は、141:94:93:83:78:69:65:59:47:41:41:*であり;
    11は、G、S、R、L、D、P、Y、A、T、F、V、またはΔで、G:S:R:L:D:P:Y:A:T:F:V:Δの比率は、141:94:93:83:78:69:65:59:47:41:41:*であり;
    12は、Fであり;
    13は、Dであり;さらに
    14は、Yであり、
    長さ(Len)の分布は、Len10:Len11:Len12:Len13:Len14::n1:n2:n3:n4:n5で、さらに*は、Δの比率は各欠失可能コドンが同じ頻度で欠失するという前提の下で所定の長さ分布により求められることを示す、ライブラリー。
  8. ヒト抗体ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示し、提示および発現し、または含み、さらに、その抗体ファミリーの少なくとも一部の多様性をまとめて提示し、提示および発現し、または含むベクターまたは遺伝子パッケージのライブラリーであって、ベクターまたは遺伝子パッケージが重鎖(HC)CDR3をコードする多様化DNA配列を含み、HC CDR3は、
    −X−G−X−G−X−X−X−X−X10−X11−X12−X13−X14であり、ここで、
    は、G、D、E、V、S、A、R、L、I、H、T、またはQで、G:D:V:E:A:S:R:L:I:H:T:Qの比率は、217:185:84:83:71:68:58:43:33:28:25:20であり;
    は、G、R、S、L、P、V、A、T、D、K、N、Q、またはIで、G:R:S:L:P:V:A:T:D:K:N:Q:Iの比率は、186:142:99:83:76:49:46:44:35:29:29:29:29であり;
    は、Gであり;
    は、G、S、R、L、A、W、Y、V、P、T、またはDで、G:S:R:L:A:W:Y:V:P:T:Dの比率は、210:103:91:64:63:59:59:47:47:47:40であり;
    は、Gであり;
    は、G、S、R、D、L、A、P、Y、T、W、またはVで、G:S:R:D:L:A:P:Y:T:W:Vの比率は、173:93:88:73:71:63:58:57:56:44:39であり;
    は、同等の頻度でRまたは、欠失(Δ)しており;
    は、G、S、R、L、D、P、Y、A、T、F、V、またはΔで、G:S:R:L:D:P:Y:A:T:F:V:Δの比率は、141:94:93:83:78:69:65:59:47:41:41:*であり;
    は、G、S、R、L、D、P、Y、A、T、F、V、またはΔで、G:S:R:L:D:P:Y:A:T:F:V:Δの比率は、141:94:93:83:78:69:65:59:47:41:41:*であり;
    10は、G、S、R、L、D、P、Y、A、T、F、V、またはΔで、G:S:R:L:D:P:Y:A:T:F:V:Δの比率は、141:94:93:83:78:69:65:59:47:41:41:*であり;
    11は、G、S、R、L、D、P、Y、A、T、F、V、またはΔで、G:S:R:L:D:P:Y:A:T:F:V:Δの比率は、141:94:93:83:78:69:65:59:47:41:41:*であり;
    12は、Fであり;
    13は、Dであり;さらに
    14は、Yであり、
    長さ(Len)の分布は、Len9:Len10:Len11:Len12:Len13:Len14::n1:n2:n3:n4:n5:n6で、さらに*は、Δの比率は各欠失可能コドンが同じ頻度で欠失するという前提の下で所定の長さ分布により求められることを示す、ライブラリー。
  9. ヒト抗体ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示し、提示および発現し、または含み、さらに、その抗体ファミリーの少なくとも一部の多様性をまとめて提示し、提示および発現し、または含むベクターまたは遺伝子パッケージのライブラリーであって、ベクターまたは遺伝子パッケージが重鎖(HC)CDR3をコードする多様化DNA配列を含み、HC CDR3は、
    −X−X−X−X−X−X−X−X−X10−X11−X12−X13−X14−X15−X16であり、ここで、
    は、D、G、V、E、A、S、R、L、T、H、P、またはΔ(欠失)で、D:G:V:E:A:S:R:L:T:H:P:Δの比率は、214:192:92:90:86:52:50:39:32:32:25:*であり;
    は、G、R、P、L、S、A、V、T、K、D、Q、またはΔで、G:R:P:L:S:A:V:T:K:D:Q:Δの比率は、171:153:107:83:81:51:40:40:34:32:30:*であり;
    は、Y、G、D、R、H、P、S、L、N、A、またはIで、Y:G:D:R:H:P:S:L:N:A:Iの比率は、30:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1であり;
    は、Y、G、S、F、L、D、E、P、A、R、またはHで、Y:G:S:F:L:D:E:P:A:R:Hの比率は、30:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1であり;
    は、Dであり;
    は、Sであり;
    は、Sであり;
    は、G、A、D、P、V、L、S、R、T、Y、またはNで、G:A:D:P:V:L:S:R:T:Y:Nの比率は、30:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1であり;
    は、Y、P、L、S、W、H、R、F、D、G、Nで、Y:P:L:S:W:H:R:F:D:G:Nの比率は、30:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1であり;
    10は、Y、S、P、L、R、F、G、W、H、D、Vで、Y:S:P:L:R:F:G:W:H:D:Vの比率は、30:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1であり;
    11は、Gであり;
    12は、G、P、D、R、S、L、A、N、H、T、Y、またはΔで、G:P:D:R:S:L:A:N:H:T:Y:Δの比率は、185:101:96:92:88:67:48:43:36:35:33:*であり;
    13は、G、D、R、P、S、N、L、A、Y、V、T、またはΔで、G:D:R:P:S:N:L:A:Y:V:T:Δの比率は、204:103:96:78:72:67:67:45:42:36:34:*であり;
    14は、Fであり;
    15は、Dであり;さらに
    16は、Yであり、
    長さ(Len)の分布は、Len12:Len13:Len14:Len15:Len16::n1:n2:n3:n4:n5で、さらに*は、Δの比率は各欠失可能コドンが同じ頻度で欠失するという前提の下で所定の長さ分布により求められることを示す、ライブラリー。
  10. ヒト抗体ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示し、提示および発現し、または含み、さらに、その抗体ファミリーの少なくとも一部の多様性をまとめて提示し、提示および発現し、または含むベクターまたは遺伝子パッケージのライブラリーであって、ベクターまたは遺伝子パッケージが重鎖(HC)CDR3をコードする多様化DNA配列を含み、HC CDR3は、
    −X−X−X−X−X−X−X−X−X10−X11−X12−X13−X14−X15−X16−X17−X18−X19であり、ここで、
    は、D、G、V、E、A、S、R、L、T、H、P、またはΔ(欠失)で、D:G:V:E:A:S:R:L:T:H:P:Δの比率は、214:192:92:90:86:52:50:39:32:32:25:*であり;
    は、G、R、P、L、S、A、V、T、K、D、Q、またはΔで、G:R:P:L:S:A:V:T:K:D:Q:Δの比率は、171:153:107:83:81:51:40:40:34:32:30:*であり;
    は、Gまたは所定の長さ分布により決まる比率のΔであり;
    は、Gまたは所定の長さ分布により決まる比率のΔであり;
    は、Y、G、S、F、L、D、E、P、A、R、またはHで、Y:G:S:F:L:D:E:P:A:R:Hの比率は、30:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1であり;
    は、Dであり;
    は、Sであり;
    は、Sであり;
    は、Gであり;
    10は、Yであり;
    11は、Y、S、P、L、R、F、G、W、H、D、またはVで、Y:S:P:L:R:F:G:W:H:D:Vの比率は、50:5:5:5:5:5:5:5:5:5:5であり;
    12は、Y、P、S、G、R、F、L、D、H、W、またはVで、Y:P:S:G:R:F:L:D:H:W:Vの比率は、50:5:5:5:5:5:5:5:5:5:5であり;
    13は、G、R、S、L、D、P、A、T、F、I、Y、またはΔで、G:R:S:L:D:P:A:T:F:I:Y:Δの比率は、5:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1:15であり;
    14は、Gまたは所定の長さ分布により決まる比率のΔであり;
    15は、G、R、S、L、D、P、A、T、F、I、Y、またはΔで、G:R:S:L:D:P:A:T:F:I:Y:Δの比率は、5:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1:15であり;
    16は、G、R、S、L、D、P、A、T、F、I、Y、またはΔで、G:R:S:L:D:P:A:T:F:I:Y:Δの比率は、5:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1:15であり;
    17は、F、G、P、S、R、D、L、A、T、N、またはHで、F:G:P:S:R:D:L:A:T:N:Hの比率は、500:103:66:62:61:52:45:32:28:28:22であり;
    18は、Dであり;さらに
    19は、Yであり、
    長さ(Len)の分布は、Len15:Len16:Len17:Len18:Len19::n1:n2:n3:n4:n5で、さらに*は、Δの比率は各欠失可能コドンが同じ頻度で欠失するという前提の下で所定の長さ分布により求められることを示す、ライブラリー。
  11. ヒト抗体関連ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示し、提示および発現し、または含み、さらに、その抗体ファミリーの少なくとも一部の多様性をまとめて提示し、提示および発現し、または含むベクターまたは遺伝子パッケージのライブラリーであって、ベクターまたは遺伝子パッケージが重鎖(HC)CDR3をコードする多様化DNA配列を含み、HC CDR3は、
    −X−X−X−X−X−X−X−X−X10−X11−X12−X13であり、ここで、
    は、D、G、V、E、A、S、R、L、T、H、P、またはΔ(欠失)で、D:G:V:E:A:S:R:L:T:H:P:Δの比率は、214:192:92:90:86:52:50:39:32:32:25:*であり;
    は、G、R、P、L、S、A、V、T、K、D、Q、またはΔで、G:R:P:L:S:A:V:T:K:D、:Q:Δの比率は、171:153:107:83:81:51:40:40:34:32:30:*であり;
    は、D、G、P、L、S、N、A、H、F、R、T、またはVで、D:G:P:L:S:N:A:H:F:R:T:Vの比率は、10:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1であり;
    は、Yであり;
    は、Gであり;
    は、Dであり;
    は、Y、F、L、S、H、G、P、A、R、D、またはEで、Y:F:L:S:H:G:P:A:R:D:Eの比率は、10:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1であり;
    は、G、R、S、L、D、P、A、T、F、I、Y、またはΔで、G:R:S:L:D:P:A:T:F:I:Y:Δの比率は、5:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1:*であり;
    は、G、R、S、L、D、P、A、T、F、I、Y、またはΔで、G:R:S:L:D:P:A:T:F:I:Y:Δの比率は、5:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1:*であり;
    10は、A、F、G、P、S、R、D、L、T、N、またはHで、A:F:G:P:S:R:D:L:T:N:Hの比率は、10:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1であり;
    11は、Fであり;
    12は、Dであり;さらに
    13は、Iであり、
    長さ(Len)の分布は、Len10:Len11:Len12:Len13::n1:n2:n3:n4で、さらに*は、Δの比率は各欠失可能コドンが同じ頻度で欠失するという前提の下で所定の長さ分布により求められることを示す、ライブラリー。
  12. ヒト抗体関連ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示し、提示および発現し、または含み、さらに、その抗体ファミリーの少なくとも一部の多様性をまとめて提示し、提示および発現し、または含むベクターまたは遺伝子パッケージのライブラリーであって、ベクターまたは遺伝子パッケージが重鎖(HC)CDR3をコードする多様化DNA配列を含み、HC CDR3は、
    −X−X−X−X−X−X−X−X−X10−X11−X12−X13であり、ここで:
    は、D、G、V、E、A、S、R、L、T、H、P、またはΔで、D:G:V:E:A:S:R:L:T:H:P:Δの比率は、214:192:92:90:86:52:50:39:32:32:25:*であり;
    は、G、R、P、L、S、A、V、T、K、D、Q、またはΔで、G:R:P:L:S:A:V:T:K:D:Q:Δの比率は、171:153:107:83:81:51:40:40:34:32:30:*であり;
    は、G、P、R、S、T、W、A、D、L、E、またはKで、G:P:R:S:T:W:A:D:L:E:Kの比率は、10:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1であり;
    は、Y、G、D、R、S、F、A、V、P、L、またはEで、Y:G:D:R:S:F:A:V:P:L:Eの比率は、10:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1であり;
    は、Sであり;
    は、Sであり;
    は、S、G、R、D、N、P、A、V、Y、T、またはLで、S:G:R:D:N:P:A:V:Y:T:Lの比率は、10:10:1:1:1:1:1:1:1:1:1であり;
    は、Wであり;
    は、Y、S、G、D、P、R、A、F、H、K、またはTで、Y:S:G:D:P:R:A:F:H:K:Tの比率は、10:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1であり;
    10は、Y、P、S、G、R、L、T、F、A、D、もしくはKで、Y:P:S:G:R:L:T:F:A:D:Kの比率は、10:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1、またはX10は、Y、P、S、G、R、L、T、F、A、D、K、もしくはΔで、Y:P:S:G:R:L:T:F:A:D:K:Δの比率は、10:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1:*であり;
    11は、Fであり;
    12は、Dであり;さらに
    13は、Lであり、
    長さ(Len)の分布は、Len10:Len11:Len12:Len13::n1:n2:n3:n4で、さらに*は、Δの比率は各欠失可能コドンが同じ頻度で欠失するという前提の下で所定の長さ分布により求められることを示す、ライブラリー。
  13. ヒト抗体関連ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示し、提示および発現し、または含み、さらに、その抗体ファミリーの少なくとも一部の多様性をまとめて提示し、提示および発現し、または含むベクターまたは遺伝子パッケージのライブラリーであって、ベクターまたは遺伝子パッケージが重鎖(HC)CDR3をコードする多様化DNA配列を含み、HC CDR3は、
    −X−X−X−X−X−X−X−X−X10−X11−X12−X13−X14−X15−X16−X17であり、ここで:
    は、D、G、V、E、A、S、R、L、T、H、P、またはΔ(欠失)で、D:G:V:E:A:S:R:L:T:H:P:Δの比率は、214:192:92:90:86:52:50:39:32:32:25:*であり;
    は、G、R、P、L、S、A、V、T、K、D、Q、またはΔで、G:R:P:L:S:A:V:T:K:D:Q:Δの比率は、171:153:107:83:81:51:40:40:34:32:30:*であり;
    は、G、R、P、S、T、E、H、V、Y、A、L、またはΔで、G:R:P:S:T:E:H:V:Y:A:L:Δの比率は、20:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1:*であり;
    は、Y、D、G、H、P、N、R、S、V、A、またはLで、Y:D:G:H:P:N:R:S:V:A:Lの比率は、20:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1であり;
    は、Cysであり;
    は、S、G、D、R、T、Y、F、L、N、V、またはWで、S:G:D:R:T:Y:F:L:N:V:Wの比率は、20:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1であり;
    は、G、S、D、R、T、Y、F、L、N、V、またはWで、G:S:D:R:T:Y:F:L:N:V:Wの比率は、20:20:1:1:1:1:1:1:1:1:1であり;
    は、G、T、D、R、S、Y、F、L、N、V、またはWで、G:T:D:R:S:Y:F:L:N:V:Wの比率は、20:20:1:1:1:1:1:1:1:1:1であり;
    は、S、G、T、D、R、Y、F、L、N、V、またはWで、S:G:T:D:R:Y:F:L:N:V:Wの比率は、20:1:1:1:1:1:1:1:1:1:であり1;
    10は、Cysであり;
    11は、Y、F、W、D、R、S、H、A、L、N、またはKで、Y:F:W:D:R:S:H:A:L:N:Kの比率は、20:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1であり;
    12は、S、G、T、R、A、D、Y、W、P、L、F、またはΔで、S:G:T:R:A:D:Y:W:P:L:F:Δの比率は、20:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1:*であり;
    13は、G、R、S、L、D、P、A、T、F、I、Y、またはΔで、G:R:S:L:D:P:A:T:F:I:Y:Δの比率は、5:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1:*であり;
    14は、G、R、S、L、D、P、A、T、F、I、Y、またはΔで、G:R:S:L:D:P:A:T:F:I:Y:Δの比率は、5:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1:*であり;
    15は、Fであり;
    16は、Dであり;さらに
    17は、Lであり、
    長さ(Len)の分布は、Len12:Len13:Len14:Len15:Len16:Len17::n1:n2:n3:n4:n5:n6で、さらに*は、Δの比率は各欠失可能コドンが同じ頻度で欠失するという前提の下で所定の長さ分布により求められることを示す、ライブラリー。
  14. ヒト抗体関連ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示し、提示および発現し、または含み、さらに、その抗体ファミリーの少なくとも一部の多様性をまとめて提示し、提示および発現し、または含むベクターまたは遺伝子パッケージのライブラリーであって、ベクターまたは遺伝子パッケージが重鎖(HC)CDR3をコードする多様化DNA配列を含み、HC CDR3は、
    −X−X−X−X−X−X−X−X−X10−X11−X12であり、ここで、
    は、表3010、3020〜3027の位置1に示すいずれかのアミノ酸タイプであり、
    は、表3010または3020〜3027の位置2に示すいずれかのAATであり、
    は、表3010または3020〜3027の位置3に示すいずれかのAATであり、
    は、表3010または3020〜3027の位置4に示すいずれかのAATであり、
    は、表3010または3020〜3027の位置5に示すいずれかのAATであり、
    は、表3010または3020〜3027の位置6に示すいずれかのAATであり、
    は、表3010または3020〜3027の位置7に示すいずれかのAATであり、
    は、表3010または3020〜3027の位置8に示すいずれかのAATであり、
    は、表3010または3020〜3027の位置9に示すいずれかのAATであり、
    10は、表3010または3020〜3027の位置10に示すいずれかのAATであり、
    11は、表3010または3020〜3027の位置11に示すいずれかのAATであり、さらに
    12は、表3010または3020〜3027の位置12に示すいずれかのAATであり、アミノ酸X〜Xのいずれかは独立に除外可能である、ライブラリー。
  15. ヒト抗体ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示し、提示および発現し、または含み、さらに、その抗体ファミリーの少なくとも一部の多様性をまとめて提示し、提示および発現し、または含むベクターまたは遺伝子パッケージのライブラリーであって、ベクターまたは遺伝子パッケージが実施例14または実施例15に記載のように、重鎖(HC)CDR1およびCDR2をコードする多様化DNA配列を含むライブラリー。
  16. ヒト抗体ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示し、提示および発現し、または含み、さらに、その抗体ファミリーの少なくとも一部の多様性をまとめて提示し、提示および発現し、または含むベクターまたは遺伝子パッケージのライブラリーであって、ベクターまたは遺伝子パッケージが実施例9または実施例16に記載のように、CDR1、CDR2、およびCDR3において多様性を有する軽鎖をコードする多様化DNA配列を含むライブラリー。
  17. ヒト抗体ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質の多様なファミリーのメンバーを提示し、提示および発現し、または含み、さらに、その抗体ファミリーの少なくとも一部の多様性をまとめて提示し、提示および発現し、または含むベクターまたは遺伝子パッケージのライブラリーであって、ベクターまたは遺伝子パッケージが請求項14、15または16に記載の多様性をコードする多様化DNA配列を含むライブラリー。
  18. 多様化されたファミリーがFabである請求項1〜17のいずれか1項に記載のライブラリー。
  19. 多様化されたファミリーがscFvである請求項1〜18のいずれか1項に記載のライブラリー。
  20. 多様化されたファミリーがIgGである請求項1〜19のいずれか1項に記載のライブラリー。
  21. Fabがファージミド上に提示される請求項14に記載のライブラリー。
  22. メンバーが、HC CDR1および/またはCDR2における多様性を含む請求項1〜21のいずれか1項に記載のライブラリー。
  23. メンバーが、さらにフレームワーク(FR)領域1〜4をコードする請求項1〜22のいずれか1項に記載のライブラリー。
  24. FR領域1〜4が、3−23由来のFR領域1〜4に対応する請求項19に記載のライブラリー。
  25. メンバーが、HC CDR1、HC CDR2およびFR領域1−4をコードする請求項1〜24のいずれか1項に記載のライブラリー。
  26. メンバーが、3−23HCフレームワークを含む請求項21に記載のライブラリー。
  27. メンバーが、さらにLC可変領域を含む請求項1〜26のいずれか1項に記載のライブラリー。
  28. LC可変領域が、A27LCフレームワークを含む請求項23記載のライブラリー。
  29. 少なくとも10、1010、10、10、101010、1011の多様化メンバーを有する請求項1〜28のいずれか1項に記載のライブラリー。
  30. 実施例13、14、および16に記載のように、pMID55F中で構築されたFabのライブラリー。
  31. 各対の片方の酵素が少なくとも4塩基の5’オーバーハングを生成し、もう一方の酵素が少なくとも4塩基の3’オーバーハングを形成するように、対の制限酵素を有するファージミドベクター中で構築されたFabのライブラリー。
  32. 対の制限酵素認識部位が、400〜700の塩基で隔てられている請求項27に記載のライブラリー。
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