JP2013504301A - ステムドメインにおける欠失および挿入された異種配列を有する黄色ブドウ球菌の組換えα溶血素ポリペプチド - Google Patents
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Abstract
【選択図】図2
Description
(ii) ロイコシジン(例えばPVLおよびγ毒素)、莢膜多糖類(例えば、5型および8型)、プロテインA、細胞外接着タンパク質(Eap)等の、宿主防御の回避および/または破壊に関係する毒性因子。
(iii) プロテアーゼ、リパーゼ、ヌクレアーゼ、ヒアルロン酸リアーゼ、ホスホリパーゼC、およびメタロプロテアーゼ等の、組織浸潤および/または侵入に関係する毒性因子。
(iv) エンテロトキシン、毒素性ショック症候群毒素1型、表皮剥脱性毒素AおよびB、α毒素等の毒素媒介性疾患および/または敗血症に関係する毒性因子。
(v) バイオフィルム蓄積、小コロニー変種等の、持続性に関係する毒性因子。
(vi) βラクタマーゼ、耐性ペニシリン結合タンパク質PBP2a等の、抗生物質耐性メカニズムに関係する毒性因子。
(vii) ペプチドグリカン、テイコ酸、リポテイコ酸および莢膜多糖類を含む、種々のブドウ球菌抗原に対応するミモトープ。
または、その変異体であって、ステムドメインにおける前記欠失および異種配列の前記挿入に加えて、配列番号1の野生型配列に対して1〜50のアミノ酸残基が付加、置換または欠失され、かつオリゴマーを形成し、かつ脂質単分子層及び脂質二重層を含む脂質二重層または細胞膜に結合する活性を有する、上記変異体
を提供する。
をコードするポリヌクレオチドを提供する。
または、その変異体であって、ステムドメインにおける前記欠失および異種配列の前記挿入に加えて、配列番号1の野生型配列に対して1〜50のアミノ酸残基が付加、置換または欠失され、かつオリゴマーを形成し、かつ脂質単分子層及び脂質二重層を含む脂質二重層または細胞膜に結合する活性を有する、上記変異体
を含む薬剤又はワクチンを提供する。
本発明は、不活化担体溶血素α(Inactivated Carrier Hemolysin Alpha)、ICHAと称する、遺伝子工学的形態のブドウ球菌α溶血素(HA)の開発に関する。ICHAコード遺伝子は、溶血素α(HA)のコード配列に多数の制限酵素認識部位を挿入すること、および、HA断片Thr109-Glu150をコードするヌクレオチド配列をさらなる制限酵素認識部位で置換することによって得られた。得られたタンパク質は、その溶血活性を失うが、なおも、脂質層と相互作用し、オリゴマーを形成し、かつHAに対する中和抗体を誘導する能力がある。ICHAコード遺伝子において作られる制限酵素認識部位は、担体タンパク質の表面で少なくとも1つの異種ポリペプチドを提示するために使用される許容挿入部位に対応する。異種ポリペプチドは、ICHAとの融合またはICHA中への融合において提示され得る。提示されたポリペプチドは、ペプチド、タンパク質断片またはタンパク質であり得る。
本発明のポリペプチドは、例えば、当該分野で知られている組換え方法および技術を使用して製造し得る。本明細書にはそれらの製造の具体的な技術が記載されているが、これらのポリペプチドの製造に好適な全ての適切な技術は本発明の範囲内であると意図されることを理解すべきである。
また本明細書では、本発明のペプチドをコードするDNAまたはRNA配列(ポリヌクレオチド)を含む、単離した核酸も提供される。本発明の核酸は、本発明のペプチドの発現のためのベクターをさらに含んでもよい。当業者には、遺伝コードの縮重(degeneracy)のため、コードされるアミノ酸配列において変化を起こさない、ヌクレオチド配列における置換を行ってもよいことが理解される。さらに、当業者には、本明細書に記載されたあらゆるDNA分子の両相補鎖が本発明の範囲に含まれることが理解される。
本発明のワクチンは、薬学的に許容される担体を含んでいてもよい。薬学的に許容される担体は、抗原の賦形剤として使用し得る物質であるが、これは、ワクチン投与との関連で、この物質が不活性であるかまたは医学的に許容され、活性薬剤と適合可能であるためである。好適な賦形剤(excipient)に加えて、薬学的に許容される担体は、希釈剤、アジュバントおよび他の免疫刺激剤、抗酸化剤、保存料および可溶化剤のような慣用のワクチン添加剤を含有し得る。例えば、凝集を最小にし、かつ安定化剤の機能を果たすために、ポリソルベート80を添加してもよく、pH調整のために緩衝剤を添加してもよい。
また、本発明は、抗体の調製にも言及する。本発明はさらに、黄色ブドウ球菌α溶血素抗原に特異的に結合する抗体および異種配列に特異的に結合する抗体を含む組成物を提供する。抗体は、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、抗体断片またはそれらのあらゆる組合せであってもよい。抗体は、薬学的に許容される担体を用いて製剤化してもよい。
また、本発明は、抗体および薬学的に許容される担体を含む組成物等の、投与に好適な抗体および抗体組成物の製造にも言及する。抗体組成物は、当該分野で知られている方法によって、静脈内、筋肉内、皮下および経皮を含む、あらゆる投与経路用に製剤化してもよい。1つの態様において、抗体組成物は、治療的または予防的有効量の抗体、即ち、治療的または予防的に有益な効果を達成するのに充分な量の抗体を提供する。さらなる態様において、抗体は、感染を中和し、および/または感染に対する保護を提供する、保護抗体組成物である。
本発明は、特異的IVIG組成物を含む、IVIG組成物の製造方法も提供する。IVIG組成物は、本発明による組換えポリペプチドを被験体に投与した後、被験体から血漿を採取し、血漿から免疫グロブリンを精製することによって調製する。
本発明は、上述のIVIG組成物等の上述の抗体組成物を、それを要する被験体に投与することによる、感染症を治療または予防する方法にも言及する。感染症の治療および予防のための標的対象集団としては、ヒト等の哺乳類であって、細菌性病原体に感染しているか、又は感染するリスクがあるものが挙げられる。1つの態様では、治療または予防される感染症は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、またはα毒素を産生する黄色ブドウ球菌を含む、黄色ブドウ球菌感染症、または表皮ブドウ球菌(S. epidermidis)感染症である。
本発明による不活化担体溶血素α(HA)(ICHA IおよびICHA II)を以下の通り構築した:残基Thr109〜Glu150を包含する中央部ドメインの42のアミノ酸を、トリペプチドPro-Gly-Asnで置換することにより、溶血素α(HA)毒性の不活化を実施した(図2、表1)。このペプチドにより、対応するヌクレオチド配列においてSmal制限酵素認識部位が作られ、これにより、ICHAコード遺伝子中に大きな異種ヌクレオチド配列の後続内部クローニングが可能になる。置換された断片は、HAのステムドメインに対応する(図1および2)。このドメインは、三角形領域と、そのN-およびC-末端の先端で隣接する。ステムドメインは、中央のグリシンリッチドメインの2つのアンチパラレルβストランドが特徴であり、14ストランドβバレルにおける自己組織化により、チャネル壁の形成に関与する。
溶血素α:
α-HL遺伝子は、NcoIHLプライマーおよびH3HLHisプライマー(表4)を用いた黄色ブドウ球菌(S. aureus)株のゲノムDNAのPCR増殖により得た。NcoIHLプライマーは、成熟ポリペプチドのAlaコドンの直前に、新たな開始コドンとNcoI部位を作出する。H3HLHisは、3’末端に新たなHindIII部位を作出する。
中央の残基Thr109-Glu150をコードするDNAを、オーバーラップ・エクステンションPCR法によりHA遺伝子から除去した。別々のPCRにおいて、標的遺伝子の2つの断片を増幅した。第一の反応では、溶血素αコード遺伝子の上流にハイブリダイズする隣接NcoIHLプライマーと、欠失部位とハイブリダイズする内部アンチセンスHL108-プライマーを使用した。第二の反応では、溶血素αコード遺伝子の下流にハイブリダイズする隣接アンチセンスH3HLHisプライマーと、欠失部位とハイブリダイズする内部センスHL108+プライマーを使用した。2つの断片をアガロースゲル電気泳動で精製し、その後プライマー伸長反応において、それらを変性およびアニーリングさせることにより融合させた。さらなる隣接プライマーの添加により、778bpの断片をPCRでさらに増幅し、精製して、pGEMベクター中にクローニングした。ICHA遺伝子の全体を配列決定した。HL遺伝子との配列の違いは、ICHA遺伝子においてPro-Gly-Asnによって置換された、削除された残基(Thr109-Glu150)以外は認められなかった。ICHAコーディング遺伝子を、pET28b(+)発現ベクターのNcoIおよびHindIII部位の間に再クローニングした。
オーバーラップ・エクステンションPCR法を用いて、ICHAコーディング遺伝子上に新たな制限エンドヌクレアーゼ部位を導入した。別々のPCRにおいて、標的遺伝子の2つの断片を増幅した。第一の反応では、隣接NcoIHLプライマーと、挿入部位とハイブリダイズする内部制限エンドヌクレアーゼ部位リバースプライマーを使用した。第二の反応では、隣接H3HLHisプライマーと、挿入部位とハイブリダイズする内部制限エンドヌクレアーゼ部位リバースセンスプライマーを使用した。2つの断片をアガロースゲル電気泳動で精製し、その後プライマー伸長反応において、それらを変性およびアニーリングさせることにより融合させた。さらなる隣接プライマーの添加により、ICHA I+新たな制限酵素認識部位断片をPCRでさらに増幅し、精製して、pGEMベクター中にクローニングした。ICHA I+新たな制限酵素認識部位コーディング遺伝子を完全に配列決定し、マトリックスとして使用して、第二の新たな制限エンドヌクレアーゼ部位をICHAコーディング遺伝子に導入した。このストラテジーは、BamHI、Pstl、Sacl、EcoRIおよびNhelの制限エンドヌクレアーゼ部位を作出するために使用されている。
ICHA I中に提示された全ての異種エピトープを表2に列記する。得られたポリエピトープを表3に列記し、説明する。
異種配列を、特異的オリゴヌクレオチドプライマー(表4)を用いて、黄色ブドウ球菌(S. sureus)のゲノムDNAよりPCRで増幅した。DNA増幅は、pfx DNAポリメラーゼを用いて実施し;PCR産物をpET28b-ICHAベクター中のSmal部位にクローニングして、組換えペプチドを生成した。
大きな異種配列を、特異的オリゴヌクレオチドプライマーを用いて、黄色ブドウ球菌(S. sureus)のゲノムDNAよりPCRで増幅した。使用したプライマーは、隣接NcoIまたはHindIII部位を作出する。DNA増幅は、pfx DNAポリメラーゼを用いて実施し;PCR産物はpET28b-ICHAベクター中のNcoIまたはHindIII部位にクローニングして、組換えペプチドを生成した。
精製およびリフォールディングしたタンパク質の送達に使用される手順は、タンパク質のC-末端のポリヒスチジンタグの存在による。
組換えHAタンパク質およびその誘導体を、所望のpET28bプラスミドを保有する大腸菌BL21(DE3)において過剰生産した。50μg/mLのカナマイシンを含有するLBの10 mlの培養物を、新鮮な形質転換プレートの一つのコロニーから開始し、37℃で一晩培養した。50μg/mLのカナマイシンを含有するTB培地1リットルに接種し、37℃で培養した。OD600nmの値が1.2に達した時に、IPTGを最終濃度が1mMになるように添加し、培養物を37℃でさらに4時間培養した。この温度では、タンパク質は主に封入体の形態で製造される。18℃で誘導した場合に、可溶性タンパク質の発現を得ることができる。
細菌を4℃で15分間、3000×gでペレット化した。殆どのタンパク質が封入体の形態で存在していることがわかった。細胞を、バッファーA(50mM Tris-HCl、pH 8.0、1mM EDTA、100mM NaCl)に再懸濁し、穏やかな超音波処理により溶解した。不溶性タンパク質画分を、4℃で30分間、12,000×gで遠心分離することにより回収し、バッファーB(50mM Tris-HCl、pH 8.0、0.5%(v/v) トリトンX-100含有)に再懸濁し、4℃で16時間振とうした。4℃で30分間、30,000×gで遠心分離することによって封入体を続いて回収し、バッファーC(50mMトリス-HCl、pH 8.0、8M尿素)に再懸濁し、振とうしながら4℃で16時間インキュベートした。その後、封入体を30,000×gで30分間遠心分離し、上清を、バッファーCで平衡化した金属キレートアフィニティーカラム(NiNTAアガロース)にロードした。タンパク質を、バッファーC中の直線勾配の500mMのイミダゾールで溶出した。画分を回収し、SDS-PAGEで分析した。ピーク画分をプールし、0.5%のN-ラウロイルサルコシンを含有するリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で10倍に希釈した。タンパク質を、PBSバッファーに対する透析によって再生し、アミコン(Amicon)PM-10膜での限外濾過により濃縮した。図3は、それぞれ、組換えHAの精製および再生工程後の溶血活性の回復を示す。
Hisタグタンパク質について、上述の通り封入体を調製し、バッファーD(50mM トリス-HCl、pH 8.5、8M尿素)に再懸濁して、振とうしながら4℃で16時間インキュベートした。その後、封入体を30,000×gで30分間遠心分離し、上清を、5カラム容量のバッファーDで予め平衡化した、ソース(Source)15Q(ジーイー・ヘルスケア(GE Healthcare))カラムの陰イオン交換クロマトグラフィーに供試した。カラムを5カラム容量の平衡バッファーで洗浄した後、結合したタンパク質を、10カラム容量にわたる、バッファーD中の500mM NaClの直線勾配で、流速3mL/分で溶出した。画分を回収し、SDS-PAGEにより純度を98%より高いと評価した。ピーク画分をプールし、0.5%のN-ラウロイルサルコシンを含有するリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で10倍に希釈した。Hisタグタンパク質について、上述した通りタンパク質を再生した。
精製タンパク質であるHA、ICHA IおよびICHA IIについて、PBSで1/20で希釈した洗浄脱線維素ウサギ赤血球(rRBC)に対する溶血活性を、最終濃度0.3mg/mLで分析した。これらの赤血球はHAに過敏である。相対的に、ヒトの赤血球を溶解するためには、400倍高い濃度の毒素が必要である。30℃で30分間インキュベートした後、rRBCを遠心分離でペレット化し、540 nmで上清中のヘモグロビンを測定することにより、溶血をモニターする。図4は、大量のICHA IおよびICHA IIを使用する際に、溶血活性が欠如することを証明する。加えて、黄色ブドウ球菌上清から精製した市販のHAを用いた比較分析により、我々の方法によるHAのリフォールディングが有効であることが示される。
40μgのタンパク質(HA、ICHA IおよびICHA I 008)を、300μLの1:20の赤血球細胞希釈液と共に、37℃で15分間インキュベートした。その後、膜画分を13,000gで30分間遠心分離して単離した。ペレットを300μLの冷水中に再懸濁し、変性溶液(0.06M Tris-HCl、pH 6.8、1% SDS、9.5%グリセロール、3.3%メルカプトエタノール、0.002%ブロモフェノールブルー )を添加した。サンプルをSDS10%-PAGEにロードした。結合およびオリゴマー形成を、モノクローナル抗HA抗体およびHRPに結合したモノクローナル抗IgGマウス(アマシャム・ファルマシア(Amarsham Pharmacia))を用いたウェスタンブロッティングによって試験した。ロードした各サンプルは、1.8μgのタンパク質に対応した。結果を図5に表す。結論として、ICHA Iおよびその関連するポリエピトープが、なおも脂質二重層に結合し、HAと同様の方法でオリゴマーを形成することができることが実証される。
HAおよびICHA Iタンパク質を、347nmで励起し447nmで発光する、AMCA-Xフルオロフォア(AnaTagTM AMCA-Xプロテインラベリングキット、アナスペック(ANASpec))で標識した。次に、赤血球を、40μgのHA-AMCA-XまたはICHA I-AMCA-Xと共に、25℃で10分間インキュベートした。細胞をPBSで2回洗浄した後、ツァイス・アキシオ・イメイジャー(Zeiss Axio Imager)Z1顕微鏡に装着した冷却したAxioCam MRm(ツァイス;Zeiss)で、蛍光中、イーシー・プラン-ネオフルアー100(EC Plan-NEOFLUAR 100)×1.3オイル浸漬対象を通して、写真撮影した(フィルターセット20(ツァイス;Zeiss)を使用)。画像は、アクシオビジョン・レル4.5(AxioVision Rel 4.5)(ツァイス;Zeiss)を用いて撮影した。結果を図6に表す。これらのデータから、ICHA Iがなおも脂質二重層に結合し、細胞膜の表面にタンパク質ラフト(rafts)を形成することができることが確認される。
円偏光二色性(CD)
HAタンパク質の部位挿入によって誘導される二次構造の変化を評価するため、JASCO J-810分光偏光計を用いて、遠UV円偏光二色性スペクトルを190-250nmで測定した。スキャン速度は50nm/分であった。サンプル当たり10回のスキャンを実施し、タンパク質濃度は、2つのタンパク質について、PBS緩衝液中4.2μMであった。平均残基楕円率[θ]は、deg.cm2.dmol-1として与えられ:[θ]=[θ]obs(MRW/10 Ic)であり、ここで[θ]obsはミリ度(millidegrees)で測定した楕円率であり、MRWはタンパク質の平均残基分子量であり、cはmg/mLでのサンプルの濃度であり、Iはcmでのセルの光路長である。
HAタンパク質上の挿入部位によって誘導される構造変化を、励起波長280nmを用いた内在蛍光により試験し、1.5μMのHA、ICHA IおよびICHA IIの発光スペクトルを300-400nmにわたり記録した。全てのスペクトルは、PBSバッファー中、4.2μMのタンパク質濃度で記録した。蛍光測定は、AMINCO SLM 8100蛍光分光計で実施した。
野生型ClfAのアミノ酸Gly501〜Glu559に対応する177bpのClfA断片を、制限エンドヌクレアーゼの配列であるNcol部位を3’末端に、HindIII部位を5’末端に組み込んだプライマーを用いて、pET28b-ICHA-ClfAプラスミドからPCRにより増幅した。増幅した断片は、NcoIおよびHindIIIで二重消化し、pET28bベクターの同じ部位に連結して、組換えペプチドを製造した。HisタグClfA断片を、金属キレートアフィニティーカラム(NiNTAアガロース)を用いたアフィニティークロマトグラフィーにより精製した。
雌のBALB/cマウスに、50μgのICHA I 014を2週間の間隔で3回注射した。HAおよびプロテインA(224-248)に特異的な抗体をエライザ(ELISA)によって検出した。96穴マイクロタイタープレートを、キャリアICHAに対する抗体の検出にはウェル当たり250ng/50μLのHAでコートし、プロテインA断片に対する抗体の検出にはウェル当たり250ng/50μLのMBP-プロテインA(224-248)断片融合タンパク質でコートした。洗浄後、150μLのブロッキングバッファー(カゼイン加水分解物)を各ウェルに添加し、プレートを20℃で60分間インキュベートした。0.05%ツイーン20を含有するPBSで洗浄した後、ブロッキングバッファー中の血清の連続2倍希釈液(1:50から開始)を添加し、20℃で1時間インキュベートした。
精製したICHA I 003を使用して、ニュージーランド白ウサギを免疫した。この構造では、2つの線状エピトープがICHA中に提示される。これらのエピトープは、サイズが小さいため、小さいペプチドに対応する形態として直接注射される場合には、免疫原性はない。それぞれ500μLのPBSに含有される、200μgのICHA I 003を、当容量の完全フロインドアジュバント(Freund's adjuvant)と、安定なエマルジョンが得られるまで混合した。1mLのこのエマルジョンを使用して1匹のウサギを免疫した。ウサギを、14、28および56日目に3回のさらなる免疫化でブーストした。最後の採血は72日目に実施した。
8.1 致死試験
強毒性の黄色ブドウ球菌(S. aureus)分離株に対するワクチン接種においてICHAおよびその誘導体の効果を実証するため、9週齢の雌BALB/cマウスをランダムに清潔なケージに入れ、試験開始前の7日間隔離した。各5〜10匹の動物の群を、50μgの精製したICHAポリトープで、皮下経路で免疫化したが、それぞれ230μlのPBS中に含有され、容量20μLのクイル・エー(QuilA)アジュバントと1mg/mLの濃度で混合したものであった。対照のマウスはPBSのみを投与した。マウスは、21日目と42日目に、同量の抗原またはPBSによる2回のさらなる免疫化でブーストした。試験開始前(0日目)および最初の35日目および56日目に、免疫化群および対照群の両者から血液サンプルを採取した。56日目に、マウスを8.107CFU/mLの毒性黄色ブドウ球菌分離株118で腹腔内(IP)に接種した。各群の接種後の罹患率および死亡率を、接種の24および48時間後に記録した(表5において、接種時をT0と記す)。個々の処置群の生存データの概要を表5に示す。表中、第一のカラムにおいて、各群の動物数を括弧内に示す。
マウスは、接種の24時間および48時間後に臨床的兆候についてモニターした。疾病重症度を0〜4のスコアで評価した(スコア0:マウスは良好な健康状態であり、正常に動き、正常に飲食し、異常な行動は現れない;スコア1:マウスは元気がなく、動きはゆっくりで、体毛は乾燥し、飲食が困難である;スコア2:マウスは非常に元気がなく、もはや動かず、体毛が非常に乾燥し、もやは飲食しない;スコア3:マウスは臨終である;スコア4:マウスは死亡した)。表6は、各群の全てのマウスについて観察したスコアの平均を示す。表中、第一のカラムにおいて、各群の動物数を括弧内に示す。
ワクチンの効果は、従来、接種後の選択した時間に対照動物と比較して、ワクチン投与した動物の腎臓または脾臓当たりのCFU数の低下として表される。
本発明の研究において、ICHAポリトープでの免疫化により、感染のマウスモデルにおいて、黄色ブドウ球菌の接種に対する保護が与えられたことが示された。本実施例は、黄色ブドウ球菌に対する能動保護が、組換えICHAタンパク質由来のポリトープの投与により達成し得たことを実証した。
ICHA I中に提示された異種SpAエピトープを表2に列記する。得られたポリトープを表3に列記し、説明する。ポリエピトープICHA I 009、ICHA I 012、ICHA I 013およびICHA I 014は、それぞれ、SpAの、完全長のEドメイン(アミノ酸第187位〜第248位)、ヘリックス1(アミノ酸第187位〜第205位)、ヘリックス2(アミノ酸第206位〜第223位)およびヘリックス3(アミノ酸第224位〜第248位)に対応する。4つのポリエピトープは、実施例3に記載した通り、製造および精製した。
Claims (25)
- 溶血活性を除去するためのステムドメインにおける欠失を有する、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)の組換え一本鎖α溶血素ポリペプチドであって、少なくとも1つの異種配列が、配列番号1の野生型配列に対してアミノ酸第108位〜第151位、アミノ酸第1位〜第5位、アミノ酸第288位〜第293位、アミノ酸第43位〜第48位、アミノ酸第235位〜第240位、アミノ酸第92位〜第97位、アミノ酸第31位〜第36位、アミノ酸第156位〜第161位で定義される領域からなる群から選択される領域に挿入されている、ただし、異種配列が5以上の連続したヒスチジン残基を含有する場合、前記5以上の連続したヒスチジン残基によって表される部分以外の異種配列の部分は11アミノ酸残基の最小長を有することを特徴とする、上記組換え一本鎖α溶血素ポリペプチド;又は
その変異体であって、ステムドメインにおける前記欠失および異種配列の前記挿入に加えて、配列番号1の野生型配列に対して1〜50のアミノ酸残基が付加、置換または欠失されており、かつオリゴマーを形成し、かつ脂質単分子層および脂質二重層を含む脂質二重層または細胞膜に結合する活性を有する、上記変異体。 - ステムドメインが、配列番号1の野生型配列に対して、Thr109からGln150までのアミノ酸配列内に存在し、かつ部分的または完全に除去されている、請求項1に記載の組換えα溶血素ポリペプチド。
- 異種配列が、5アミノ酸残基、好ましくは少なくとも8、10、12、15、20、30、50、75、100、150、200、300アミノ酸残基の最小長を有する、請求項1又は2に記載の組換えα溶血素ポリペプチド。
- 挿入部位の同一箇所に挿入されているか、或いは挿入部位の異なる箇所に挿入されている少なくとも2つの異種配列を含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の組換えα溶血素ポリペプチド。
- 異種配列又は複数の異種配列が、ブドウ球菌種(Staphylococcus species)、好ましくは黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)のみに由来する、請求項1から4のいずれか1項に記載の組換えα溶血素ポリペプチド。
- 異種配列または複数の異種配列が、SEB(黄色ブドウ球菌エンテロトキシンB)、TSST(毒素性ショック症候群毒素)、FnBP(フィブロネクチン結合タンパク質)、BlaZ(βラクタマーゼ)、ClfA(クランピング因子A)、PBP2a(ペニシリン結合タンパク質2a)、プロテインA、ブドウ球菌種(Staphylococcus species)、好ましくは黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)の全由来物からなる群から選択される、請求項1から5のいずれか1項に記載の組換えα溶血素ポリペプチド。
- α溶血素部分が、配列番号3(ICHA I)または配列番号5(ICHA II)の配列を有しているか、或いはα溶血素部分が配列番号3または配列番号5の配列に対して85%、好ましくは90%、さらに好ましくは95%以上のアミノ酸同一性を有するその変異体である、請求項1から6のいずれか1項に記載の組換えα溶血素ポリペプチド。
- 請求項1から7のいずれか1項に記載の組換えα溶血素ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
- 請求項8に記載のポリヌクレオチドを含む、ベクター。
- 請求項8に記載のポリヌクレオチド又は請求項9に記載のベクターを含む、形質転換体。
- 溶血活性を除去するためのステムドメインにおける欠失を有する、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)の組換え一本鎖α溶血素ポリペプチドであって、少なくとも1つの異種配列がα溶血素ポリペプチドの溶媒曝露ループに挿入されており、異種配列または複数の異種配列はブドウ球菌種(Staphylococcus species)、好ましくは黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)から選択される、上記組換え一本鎖α溶血素ポリペプチド;又は
その変異体であって、ステムドメインにおける前記欠失および異種配列の前記挿入に加えて、配列番号1の野生型配列に対して1〜50のアミノ酸残基が付加、置換または欠失され、かつオリゴマーを形成し、かつ脂質単分子層および脂質二重層を含む脂質二重層又は細胞膜に結合する活性を有する、上記変異体
を含む、薬剤又はワクチン。 - 少なくとも一つの異種配列が、配列番号1の野生型配列に対して、アミノ酸第108位〜第151位、アミノ酸第1位〜第5位、アミノ酸第288位〜第293位、アミノ酸第43位〜第48位、アミノ酸第235位〜第240位、アミノ酸第92位〜第97位、アミノ酸第31位〜第36位、アミノ酸第156位〜第161位で定義される領域からなる群から選択される領域に挿入されている、好ましくはアミノ酸第108位〜第151位で定義される領域に挿入されている、請求項11に記載の薬剤又はワクチン。
- 抗体の調製のための、請求項1から7のいずれか1項に記載の組換え一本鎖α溶血素ポリペプチドの使用。
- α溶血素に対する抗体、及び各異種配列又は複数の異種配列に対する抗体を含む抗体の混合物が得られる、請求項13に記載の使用。
- 異種配列に結合する物質を検出および/又は選択するためのアッセイ、好ましくは異種配列に対する抗体を検出するためのアッセイにおける、請求項1から7のいずれか1項に記載の組換え一本鎖α溶血素ポリペプチドの使用。
- 溶血活性を除去するためのステムドメインにおける欠失を有する、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)の組換え一本鎖α溶血素ポリペプチドであって、少なくとも1つの異種配列が許容部位に挿入されており、異種配列はブドウ球菌種(Staphylococcus species)、好ましくは黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)のプロテインAの免疫グロブリンG結合ドメインの断片を含み;プロテインAの免疫グロブリンG結合ドメインの前記断片は5アミノ酸残基の最小長を有し、かつ完全長のプロテインAと比較して免疫グロブリンGのFcまたはFabドメインに対する結合活性を有さないか、または低下した結合活性を有することを特徴とする、上記組換え一本鎖α溶血素ポリペプチド;又は
その変異体であって、ステムドメインにおける前記欠失および異種配列の前記挿入に加えて、配列番号1の野生型配列に対して1〜50のアミノ酸残基が付加、置換または欠失され、かつオリゴマーを形成し、かつ脂質単分子層及び脂質二重層を含む脂質二重層または細胞膜に結合する活性を有する、上記変異体。 - プロテインAの免疫グロブリンG結合ドメインの断片は、5〜35アミノ酸残基、好ましくは5〜30アミノ酸残基、さらに好ましくは10〜30アミノ酸残基、さらになお好ましくは10〜25アミノ酸残基の長さを有する、請求項16に記載の組換えα溶血素ポリペプチド。
- プロテインAの免疫グロブリンG結合ドメインの断片が2以下の完全なαへリックスを含む、請求項16又は17に記載の組換えα溶血素ポリペプチド。
- 許容部位が、配列番号1の野生型配列に対して、アミノ酸第108位〜第151位、アミノ酸第1位〜第5位、アミノ酸第288位〜第293位、アミノ酸第43位〜第48位、アミノ酸第235位〜第240位、アミノ酸第92位〜第97位、アミノ酸第31位〜第36位、アミノ酸第156位〜第161位で定義される領域からなる群から好ましくは選択される、溶媒曝露ループ内に位置する、請求項16から18のいずれか1項に記載の組換えα溶血素ポリペプチド。
- ステムドメインが、配列番号1の野生型配列に対して、Thr109からGln150までのアミノ酸配列内に存在し、かつ部分的又は完全に除去されている、請求項16から19のいずれか1項に記載の組換えα溶血素ポリペプチド。
- α溶血素部分が、配列番号3(ICHA I)または配列番号5(ICHA II)の配列を有しているか、或いはα溶血素部分が配列番号3または配列番号5の配列に対して85%、好ましくは90%、さらに好ましくは95%以上のアミノ酸同一性を有するその変異体である、請求項16から20のいずれか1項に記載の組換えα溶血素ポリペプチド。
- 請求項16から21のいずれか1項に記載の組換えα溶血素ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
- 請求項22に記載のポリヌクレオチドを含む、ベクター。
- 請求項22に記載のポリヌクレオチド又は請求項23に記載のベクターを含む、形質転換体。
- 溶血活性を除去するためのステムドメインにおける欠失を有する、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)の組換え一本鎖α溶血素ポリペプチドであって、少なくとも1つの異種配列が許容部位に挿入されており、異種配列はブドウ球菌種(Staphylococcus species)、好ましくは黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)のプロテインAの免疫グロブリンG結合ドメインの断片を含み;プロテインAの免疫グロブリンG結合ドメインの前記断片は5アミノ酸残基の最小長を有し、かつ完全長のプロテインAと比較して免疫グロブリンGのFcまたはFabドメインに対する結合活性を有さないか、または低下した結合活性を有することを特徴とする、上記組換え一本鎖α溶血素ポリペプチド;又は
その変異体であって、ステムドメインにおける前記欠失および異種配列の前記挿入に加えて、配列番号1の野生型配列に対して1〜50のアミノ酸残基が付加、置換または欠失され、かつオリゴマーを形成し、かつ脂質単分子層及び脂質二重層を含む脂質二重層または細胞膜に結合する活性を有する、上記変異体
を含む、薬剤又はワクチン。
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