JP2013501710A - 機能性の細胞結合性ペプチドおよび細胞培養物品 - Google Patents

機能性の細胞結合性ペプチドおよび細胞培養物品 Download PDF

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Abstract

培養液中での細胞の培養、特に、治療に用いられる細胞の培養を支持することができる合成表面が開示される。合成細胞培養表面は、機能性ペプチド、すなわち、親水性のポリマー性ベース材料にグラフトされたスペーサである、重合部分を含むように機能化されたペプチドを有する。前記表面の製造方法、および前記表面の使用方法についても開示される。

Description

関連出願の相互参照
本願は、2009年7月29日に出願した米国仮特許出願第61/229,520号の利益を主張する。本明細書の内容および、本明細書に記載される刊行物、特許、ならびに特許文献の開示のすべては、参照することにより援用される。
本開示は、機能性の細胞結合性ペプチドおよび、細胞培養物品の調製におけるそれらの利用に関する。さらに具体的には、本開示は、化学的に定義された培地における未分化の幹細胞の培養を支持する合成表面および物品に関する。
配列表
本願は、2010年7月23日に作成され、「20100723_SP09-223_配列_listing.txt」という名称でファイルされた8kbの大きさを有するテキストとして、EFS−Webによって米国特許商標庁に電子的に提出された配列表を含む。配列表が電子的にファイリングされたことにより、電子的に提出された配列表は、37CFR§1.821(c)に規定されるハードコピーおよび§1.821(e)に規定されるCRFの両方の役割を果たす。配列表に含まれる情報は、参照することによって本明細書に援用される。
治療用細胞、すなわち、病気の治療のために人に導入されうる細胞が開発されている。治療用細胞の例としては、3つの胚葉のいずれかへと分化する能力を有し、人体のいかなる成熟細胞型をも生じさせる、例えばヒト胚幹細胞(hESC)などの多能性幹細胞が挙げられる。幹細胞のこの特性は、糖尿病、脊髄損傷、心臓疾患などの多くの深刻な細胞変性疾患の新しい治療法開発の可能性を提供する。しかしながら、このようなhESCを基礎とした治療法の開発には、依然として障害が存在する。細胞および組織培養における適切な数の治療用細胞を獲得および維持し、かつ、細胞培養の間にこれらの細胞が好ましくない方法で変化しないことを確実にすることは、治療用の細胞培養の開発および制御において重要である。例えば、hESCの細胞培養などの幹細胞培養では、典型的には、セル・バンクまたはストックから入手した少数の細胞が播種され、所定の治療用途にとって分化が所望されるまでは、未分化の状態で増幅される。これを達成するため、hESCまたはそれらの分化した細胞は、現在のところ、支持細胞層、血清、またはニュージャージー州フランクリンレイクス所在のBD Biosciences社から市販されるMatrigel(商標)などの動物由来の成分を含む表面または培地の存在下で培養される。培養環境へのこれら動物由来物質の添加は、細胞を、有害な可能性があるウイルスまたは患者に移りうる他の感染性病原体に曝露してしまうか、あるいは、hESCの一般的な培養および維持を危険にさらしかねない。加えて、このような生物学的製品は、バッチのばらつき、免疫反応および限られた保存寿命に対して脆弱である。
実施の形態では、機能性ペプチドであって、
細胞結合配列を含む細胞接着性ペプチド、
α,β−不飽和基またはエチレン性不飽和基、例えば、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイミド、フマレートまたはエポキシドである、少なくとも1つの重合部分、および、
スペーサ部分であって、前記スペーサ部分はポリエチレンオキシド,Xaanであり、ここで、Xaaは、独立して、任意のアミノ酸であり、nは、0〜3、0〜6、0〜10、0〜20または0〜30の整数、または組合せである、スペーサ部分、
を備え、
前記重合部分が前記細胞接着性ペプチドまたは前記スペーサ部分に結合している、
機能性ペプチドが提供される。
実施の形態では、細胞接着性ペプチドは、次の配列:
KGGGQKCIVQTTSWSQCSKS(配列番号:1);GGGQKCIVQTTSWSQCSKS(配列番号:2);KYGLALERKDHSG(配列番号:3);YGLALERKDHSG(配列番号:4);KGGSINNNRWHSIYITRFGNMGS(配列番号:5);GGSINNNRWHSIYITRFGNMGS(配列番号:6);KGGTWYKIAFQRNRK(配列番号:7);GGTWYKIAFQRNRK(配列番号:8);KGGTSIKIRGTYSER(配列番号:9);GGTSIKIRGTYSER(配列番号:10);KYGTDIRVTLNRLNTF(配列番号:11);YGTDIRVTLNRLNTF(配列番号:12);KYGSETTVKYIFRLHE(配列番号:13);YGSETTVKYIFRLHE(配列番号:14);KYGKAFDITYVRLKF(配列番号:15);YGKAFDITYVRLKF(配列番号:16);KYGAASIKVAVSADR(配列番号:17);YGAASIKVAVSADR(配列番号:18);CGGNGEPRGDTYRAY(配列番号:19);GNGEPRGDTYRAY(配列番号:20);CGGNGEPRGDTRAY(配列番号:21);GGNGEPRGDTRAY(配列番号:22);KYGRKRLQVQLSIRT(配列番号:23);YGRKRLQVQLSIRT(配列番号:24);KGGRNIAEIIKDI(配列番号:25);GGRNIAEIIKDI(配列番号:26);KGGPQVTRGDVFTMP(配列番号:27);GGPQVTRGDVFTMP(配列番号:28);GRGDSPK(配列番号:29);KGGAVTGRGDSPASS(配列番号:30);GGAVTGRGDSPASS(配列番号:31);YaalPQVTRGNVFTMP(配列番号:32)またはRGDYK(配列番号:33)を含む。
実施の形態では、親水性のポリマー性ベース材料に共有結合した機能性ペプチドを含む細胞培養物品が提供され、前記機能性ペプチドは、式:Rm − Sp − Capで表わされる。ここで、Rは重合部分、すなわち、随意的な触媒を用いてUVまたは可視光などの外部エネルギー源の存在下で、または随意的な触媒を用いて熱重合によって、重合することができる、α,β−不飽和基またはエチレン性不飽和基であり、例えば、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイミド、フマレート、またはエポキシドが挙げられる。「m」は1以上の整数である。Spはスペーサである。実施の形態では、Spは、式(O−CH2CHR’)m2を有するポリエチレンオキシドであって差し支えなく、ここで、R’はHまたはCH3であり、m2は1〜20の整数である。例えば、Spはポリエチレングリコール(PEG)またはポリプロピレングリコール(PPG)でありうる。実施の形態では、ポリエチレンオキシド・スペーサは、いかなる長さであってもよい。例えば、Spは、PEG2、PEG4、PEG6、PEG8、PEG10、PEG12またはPPG2、PPG4、PPG6、PPG8、PPG10、PPG12またはPPG20でありうる。実施の形態では、Spはアミノ酸Xaanであって差し支えなく、ここで、Xaaは任意のアミノ酸であり、nは0〜30、0〜20、0〜10、0〜6、または0〜3の整数であるか、またはXaaとポリエチレンオキシドの組合せである。Xaanは、リジン、グリシン、グルタミン酸、セリン、アスパラギン酸またはアルギニンのアミノ酸を含んでいて差し支えなく、末端アミノ酸でありうる。実施の形態では、Xaanは親水性アミノ酸である。実施の形態では、Xaaはリジンであり、nは1以上である。あるいは、実施の形態では、スペーサSpは、ポリエチレンオキシド・スペーサとアミノ酸・スペーサを任意の組合せで含みうる。重合部分は、ポリエチレンオキシドを通じて、リジンなどのアミノ酸の側鎖を通じて、またはアミノ酸のN末端において、スペーサSpに結合しうる。アミノ酸Xaanは、分解から保護するために、アセチル化および/またはアミド化されて差し支えない。しかしながら、Xaanがアセチル化されている場合、重合部分はアミノ酸のN末端を通じてXaanに結合することはできない。Capは、細胞結合性または細胞接着性の配列を有するペプチドまたはポリペプチドである。
親水性のポリマー性ベース材料は、親水性モノマーを含む。実施の形態では、親水性モノマーは、例えば、N−トリス(ヒドロキシメチル)アクリルアミド(ACRYLNTRIS−OH)および共重合体、グリセリルモノメタクリレート(GLY−METH)、ポリ(セリン)メタクリレートおよび共重合体(SER−METH)である。これらの実施の形態では、共重合体は、次の二官能性部分:アクリルアミドおよび/またはアクリレート:N,N’−(1,2−ジヒドロキシエチレン)ビスアクリルアミドおよび グリセリン1,3−ジグリセロレートジアクリレートと架橋することによって形成される。実施の形態では、細胞培養物品は、50°未満の接触角を有する。さらなる実施の形態では、スペーサSpはPEO4である。
追加の実施の形態では、
親水性モノマーを含む親水性のベース材料を基板表面に提供し;
前記親水性のベース材料を重合し;
前記重合または硬化した親水性のベース材料の表面に機能性ペプチドを提供し;
前記機能性ペプチドを前記親水性のベース材料と重合し;
随意的に洗浄する、
各工程を有してなる細胞培養表面の製造方法が提供される。本方法の実施の形態では、前記親水性のベース材料は、N−トリス(ヒドロキシメチル)アクリルアミド(ACRYLNTRIS−OH)、グリセリルモノメタクリレート(GLY−METH)、ポリ(セリン)メタクリレート(SER−METH)、ヒドロキシエチルメチルアクリレート(HEMA)、またはアクリルアミド(ACRYL)の重合体および共重合体、および随意的に、N,N’−(1,2−ジヒドロキシエチレン)ビスアクリルアミド、グリセリン1,3−ジグリセロレートジアクリレート、またはそれらの組合せなどの親水性の架橋性物質を含む。
本方法の実施の形態では、機能性ペプチドは、式:Rm − Sp − Capで表わされる。Rmは、重合部分、すなわち、α、β−不飽和基またはエチレン性不飽和基であり、例えばアクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイミド、フマレート、またはエポキシドが挙げられる。Rmは、例えば、随意的な触媒を用いてUVまたは可視光などの外部エネルギー源の存在下で、または、随意的な触媒を用いて熱重合によって、重合することができる。「m」は1以上の整数である。Spはスペーサである。実施の形態では、Spは、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)またはポリプロピレングリコール(PPG)を含めたポリエチレンオキシドでありうる。例えばSpは、PEG4であってもよい。実施の形態では、Spはアミノ酸 Xaanであって差し支えなく、ここで、Xaaは任意のアミノ酸であり、nは、0〜30、0〜20、0〜10または0〜3の整数、またはXaaとポリエチレンオキシドの組合せである。Xaanは、リジンまたはアルギニンのアミノ酸を含んで差し支えなく、末端リジンまたはアルギニンであってもよい。あるいは、実施の形態では、スペーサSpは、ポリエチレンオキシド・スペーサおよびアミノ酸・スペーサを任意の組合せで含みうる。重合部分は、ポリエチレンオキシドを通じて、リジンなどのアミノ酸の側鎖を通じて、またはアミノ酸のN末端において、スペーサSpに結合しうる。あるいは、重合部分は、リジンなどのアミノ酸の側鎖を通じてまたはアミノ酸のN末端において、細胞接着性ペプチドCapに結合しうる。アミノ酸XaanまたはCapは、分解から保護するために、アセチル化および/またはアミド化されていてもよい。しかしながら、Xaanがアセチル化されている場合、重合部分は、アミノ酸のN末端を通じてはXaanに結合することができない。Capは、細胞結合性または細胞接着性の配列を有するペプチドまたはポリペプチドである。
方法の実施の形態では、細胞接着性ペプチドは、以下:KGGGQKCIVQTTSWSQCSKS(配列番号:1);GGGQKCIVQTTSWSQCSKS(配列番号:2);KYGLALERKDHSG(配列番号:3);YGLALERKDHSG(配列番号:4);KGGSINNNRWHSIYITRFGNMGS(配列番号:5);GGSINNNRWHSIYITRFGNMGS(配列番号:6);KGGTWYKIAFQRNRK(配列番号:7);GGTWYKIAFQRNRK(配列番号:8);KGGTSIKIRGTYSER(配列番号:9);GGTSIKIRGTYSER(配列番号:10);KYGTDIRVTLNRLNTF(配列番号:11);YGTDIRVTLNRLNTF(配列番号:12);KYGSETTVKYIFRLHE(配列番号:13);YGSETTVKYIFRLHE(配列番号:14);KYGKAFDITYVRLKF(配列番号:15);YGKAFDITYVRLKF(配列番号:16);KYGAASIKVAVSADR(配列番号:17);YGAASIKVAVSADR(配列番号:18);CGGNGEPRGDTYRAY(配列番号:19);GNGEPRGDTYRAY(配列番号:20);CGGNGEPRGDTRAY(配列番号:21);GGNGEPRGDTRAY(配列番号:22);KYGRKRLQVQLSIRT(配列番号:23);YGRKRLQVQLSIRT(配列番号:24);KGGRNIAEIIKDI(配列番号:25);GGRNIAEIIKDI(配列番号:26);KGGPQVTRGDVFTMP(配列番号:27);GGPQVTRGDVFTMP(配列番号:28);GRGDSPK(配列番号:29);KGGAVTGRGDSPASS(配列番号:30);GGAVTGRGDSPASS(配列番号:31);YaalPQVTRGNVFTMP(配列番号:32);RGDYK(配列番号:33)または組合せである。
本発明の実施の形態では、化学的に定義された培地における合成培養表面上で、未分化ヒト胚幹細胞の隔離集団を培養する方法が記載される。
細胞培養表面の製造方法の実施の形態を示すフローチャート。 細胞培養表面のある実施の形態の製造方法を示す図。 細胞培養表面のある実施の形態の製造方法を示す別の図。 ベース材料から測定した接触角を示す棒グラフ。 ベース材料にグラフトされた蛍光標識化機能性ペプチド(PEOスペーサ含有)の蛍光強度を示すグラフ。 GLY−METHベース材料(図6A〜C)およびHEMA表面(図6D〜F)上で、ローダミン標識化機能性ペプチド(MAA−PEG4−配列番号:27−NH2)から得られた蛍光測定を示す図。 対照表面である「Matrigel」およびSynthemax(商標)上、および、HEMAおよびグリセロールメタクリレート機能性ペプチドグラフト化表面、すなわち、本発明の実施の形態における、図7CのHEMAにグラフト化したVN−MAA、図7Dのグリセロールにグラフト化したVN−MAA、図7EのHEMAにグラフト化したVN−PEG4−MAA、および、図7Fのグリセロールにグラフト化したVN−PEG4−MAA上で培養し、H7クリスタルバイオレットで染色したヒト胚幹細胞の顕微鏡写真を示す図。 対照表面MG(図8Aは「Matrigel」、図8Bは「Synthemax」)および、本発明の実施の形態におけるグリセロールVN−PEO4−MAA表面(図8C)上で培養された、H7ヒト胚幹細胞の顕微鏡写真を示す図。 HEMA表面で検出された酸素の結合エネルギーを示すXPSデータ。 GLY−METH表面で検出された酸素の結合エネルギーを示すXPSデータ。
実施の形態では、本開示は、重合部分(Rm)、スペーサ部分(Sp)および細胞接着性ペプチド部分(Cap)を有する機能性ペプチド、ならびに、培養する細胞の支持に適した細胞培養物品の形成におけるその使用を提供する。実施の形態では、機能性ペプチドから形成される細胞培養物品は、血清の不存在下で培養する細胞の支持に適している。実施の形態では、機能性ペプチドは、式:Rm − Sp − Capを有し、ここで、
Rはアクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイミド、フマレートおよびエポキシドおよび組合せからなる群より選択される重合部分であり、mは1より大きい整数であり;
pはスペーサ部分であり、ここで、前記スペーサ部分は、式:(O−CH2CHR’)m2を有するポリエチレンオキシドまたはポリプロピレンオキシドを含むか、またはXaan、または組合せを含み、ここで、R’はHまたはCH3であり、m2は1〜20の整数であり、Xaaは任意のアミノ酸であり、nは0〜3、0〜6、0〜10、0〜20または0〜30までの整数であり;
apは細胞接着性の配列を含むペプチドである。
細胞培養の分野では、拡張可能な方法での細胞培養は、病原体を含まない、比較的安価な、安定性および信頼性があり、かつ、培養液中での細胞の長期的培養を支持する表面を必要とする。これは、治療用細胞の提供を目的とした細胞培養、すなわち、病気の治療のためにヒトに導入または再導入される細胞の提供を目的とした細胞培養に特に当てはまる。細胞培養の現在の技術は、マウスの腫瘍抽出物に由来する「Matrigel」などの動物性製品に由来する表面を含むが、これらの表面は、治療に用いられる細胞の支持にとって望ましくない。
以下の詳細な説明では、本明細書の一部を構成し、装置、システムおよび方法の幾つかの具体的な実施の形態を例として示す、添付の図面について述べる。当然ながら、他の実施の形態も意図されており、それらが、本開示の範囲または精神から逸脱することなく、なされうることが理解されよう。したがって、以下の詳細な説明は、限定的と解釈されるべきではない。
本明細書で用いられるすべての科学用語および技術用語は、特に規定がない限り、当技術分野で一般的に用いられる意味を有する。本明細書で提示される定義は、本明細書で頻繁に用いられるある特定の用語の理解を促進するためのものであって、本開示の範囲を限定することは意味していない。
本明細書および添付の特許請求の範囲において、用語「または」とは、一般に、その内容が明らかに相反することを示さない限り、「および/または」を含む意味で用いられる。
本明細書において、「有する」、「有している」、「含有する」、「含有している」、「含む」、「含んでいる」などは、オープンエンドの意味で用いられ、一般に、「含むが限定されない」ことを意味する。
例えば、合成または組換えタンパクまたはペプチドを組み込んだ表面を備えた合成細胞培養表面は、病気の治療のためにヒトに導入されうる細胞を支持するのに適している。合成ペプチドおよびタンパクは、しばしば、RGDなどの細胞接着性の配列を含む。ポリペプチド配列は、本明細書では、1文字のアミノ酸コード、および3文字のアミノ酸コードによって表わされる。これらのコードは、ほとんど同義的に用いられる。培養液中の生存細胞の支持に必要とされるペプチドの量を低減する合成表面が望ましい。というのも、ペプチドは高価であり、したがって、より少量のペプチドしか必要としない表面のほうが安価であるからである。加えて、製造が容易で、保存安定性があり、殺菌処理の間も安定であり、かつ、水性の細胞培養条件への長期間の曝露に対しても安定な合成表面もまた、望ましい。
本発明の実施の形態では、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイミド、フマレートまたはエポキシドなどの重合部分を担持するように改質および官能化されているペプチドまたはポリペプチドが提供される。本開示の目的において、「機能性ペプチド」とは、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイミド、フマレートまたはエポキシド基などの重合部分を組み込むように改質されているペプチドを意味する。実施の形態では、これらの重合部分は、随意的な触媒を用いてUVまたは可視光などの外部エネルギー源の存在下で、あるいは、随意的な触媒を用いて熱重合によって、ポリマーを形成することができる。実施の形態では、機能性ペプチドまたはポリペプチドはスペーサ部分を含んでいてもよい。
実施の形態では、機能性ペプチドは、式1:
式1:Rm − Sp − Cap
によって表わされる。
実施の形態では、Rmは重合部分、すなわち、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイミド、フマレート、またはエポキシドを含めた、α、β−不飽和基またはエチレン性不飽和基であり、外部エネルギー源の存在下で重合することができる。「m」は1以上の整数である。Spはスペーサである。実施の形態では、Spは、式:(O−CH2CHR’)m2で表わされる、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)またはポリプロピレングリコール(PPG)を含めたポリアルキレンオキシドであって差し支えなく、ここで、R’はHまたはCH3であり、m2は1〜20の整数である。実施の形態では、比較的短鎖のポリアルキレンオキシドが望ましい。例えば、実施の形態では、Spは、PEG2、PEG4、PEG6、PEG8、PEG10、PEG12またはPPG2、PPG4、PPG6、PPG8、PPG10、PPG12またはPPG20でありうる。
他者は、細胞培養表面の調製のためにタンパク質またはペプチドで化学修飾した(メタ)アクリレート誘導体の使用について開示する(米国特許第5,643,561号明細書、すなわち‘561特許)。‘561特許には、ペプチド配列と重合部分の間にスペーサを使用することについては開示されていない。他者は、細胞接着性ペプチド配列および重合部分と組み合わせた長鎖PEGスペーサの使用について開示している。例えば、Hern, D.L., and Hubbell, J.A., Incorporation of Adhesion Peptides into Nonadhesive Hydrogels Useful for Tissue Resurfacing, Journal of Biomedical Materials Research Part A Vol. 39, Issue 2, pp. 266-276(HernおよびHubbell)は、重合部分に共役した細胞接着性ペプチドの使用、および、長鎖ポリアルキレンオキシド・スペーサ(PEG75)を介した重合部分に共役した細胞接着性ペプチドの使用について開示し、後者は、PEGジアクリレートと組み合わせて(PEGジアクリレートと共重合体化)、主としてPEGからなるヒドロゲル細胞培養表面を形成する。しかしながら、HernおよびHubbellは、細胞接着性ペプチドを重合部分に直接共役させた使用によって、もたらされる細胞結合性のタンパク質配列に対する細胞の特異的結合を支持しない細胞培養表面を生じたことを開示している。すなわち、細胞は、非特異的に接着する、すなわち、血清タンパクを必要とする方法で接着する、PEGスペーサ・アームを欠いた連結を介して組み込まれたペプチドを含有するヒドロゲル上に播種されたが、得られたペプチドの正確な同一性には依存しなかった。これは、HernおよびHubbleによれば、望ましくなかった。長鎖PEGスペーサ(分子量3400PEG)を、主にPEGヒドロゲルポリマー材料と組み合わせて使用した場合には、特異的細胞結合を支持した。HernおよびHubbleは、(O−CH2CHR’)m2などの短鎖PEGスペーサについては開示しておらず、ここで、R’はHまたはCH3であり、m2は1〜20の整数である。加えて、HernおよびHubbellの開示は、主としてPEGからなる表面に関する(式((CH2m−O)nの二官能性PEGの使用について開示する米国特許第7,615,593号明細書も参照されたい。ここで、mは2〜8の整数であり、nは100より大きい整数、好ましくは2,000である(第5欄64行目〜第6欄2行目))。
本明細書で開示される表面は、実施の形態では、機能性ペプチドが結合する、グリセロールメタクリレートおよび/またはHEMAの親水性ベースマトリクスを有する。HEMAおよびグリセロールメタクリレートは、PEGとは異なる細胞培養特性を有する。PEGは、非結合性表面である。すなわち、タンパク質は、PEGに吸着せず、細胞はPEG表面に結合しない。PEGは一般に20°未満の接触角を有する。HEMAおよびグリセロールメタクリレートは、PEGほどは非結合性ではなく、本開示の実施の形態に従って調製した表面の接触角は、約20°〜約60°の接触角を有する。理論に縛られることは望まないが、もしかすると、全体組成におけるこれらの差異は、本開示の機能性ペプチドが、特異的細胞結合特性を有する機能性細胞培養表面を提供可能にし、ここで、PEGスペーサを用いずにペプチドを有する主要なPEG表面は、HernおよびHubbellに開示される適切な細胞培養表面を提供しないかもしれない。
実施の形態では、Spは、官能基を有するPPGまたはPEGである。例えば、PEGまたはPPGスペーサは、マレイミド、チオール、アミン、シラン、アルデヒド、エポキシド、イソシアネート、アクリレートまたはカルボキシル基を有しうる。実施の形態では、PEGスペーサは、アミン官能基を有するPEGであるJeffamineである。追加の実施の形態では、PEGまたはPPGは分岐していてもよい。例えば分岐PEGまたはPPOは、Y−分岐またはstar−PEGまたはPPGであって差し支えない。実施の形態では、これらの分岐PEGまたはPPOスペーサは、複数のペプチドが単官能性ペプチドを通じてベース材料に共役可能にしうる。
実施の形態では、Spはアミノ酸Xaanであって差し支えなく、ここで、Xaaは独立して、任意のアミノ酸であり、nは0〜30、0〜20、0〜10、0〜6または0〜3の整数である。例えば、実施の形態では、Spはアミノ酸Xaanであって差し支えなく、ここでXaaはGであり、n=1〜20であるか、あるいは、Spはアミノ酸Xaanであって差し支えなく、ここでXaaはKであり、n=1〜20であるか、もしくは、XaaはKであり、n=1以上であるか、あるいは、Sはアミノ酸 Xaanであって差し支えなく、ここでXaaはDであり、n=1〜20である、あるいは、Spはアミノ酸 Xaanであって差し支えなく、ここでXaaはEであり、n=1〜20である。例えば、機能性ペプチドは、MAA−Lys−Lys−Lys−Lys−Lys−Lys−Lys−VN−ペプチド(n−末端はリジンのα末端に結合)またはAc−(Lys−Lys−Lys−Lys−Lys−Lys−MAA)−VN−ペプチド(ε−リジン側鎖から生じる一連のリジンのスペーサ長に結合したメタクリレート)でありうる。MAAは、スペーサ長のn−末端に連結することができ、あるいは、リジン側鎖上に形成することもできる。実施の形態では、スペーサSpは、LysGlyGlyまたはLysTyrGlyなどの3つのアミノ酸配列であってもよい。実施の形態では、Xaanは、連続した同一のアミノ酸である。実施の形態では、スペーサSpは、Xaanとポリエチレンまたはポリプロピレンオキシドとの組合せでありうる。Xaanは、リジン、グリシン、グルタミン酸、アスパラギン酸またはアルギニンなどの親水性アミノ酸を含んでいてもよい。実施の形態では、Xaanは、末端リジンまたはアルギニンを有しうる。あるいは、実施の形態では、スペーサSpは、ポリエチレンオキシド・スペーサおよびアミノ酸・スペーサを任意の組合せで含んでいてもよい。実施の形態では、Spは、パルミチン酸、ステアリン酸、ラウリン酸またはヘキサエチレンジアミンなど、(疎水性部分を重合部分とペプチドの両方に連結可能にするために官能化した)疎水性スペーサであってもよい。実施の形態では、Spはメタクリル酸カルボキシエチルでありうる。
重合部分は、ポリエチレンオキシドを通じて、リジンなどのアミノ酸の側鎖を通じて、またはアミノ酸のN末端において、スペーサSpに付着しうる。アミノ酸Xaanは、分解から保護するため、アセチル化および/またはアミド化されてもよい。しかしながら、Xaanがアセチル化される場合、重合部分は、アミノ酸のN末端を通じてはXaanに結合することはできない。Capは、細胞結合性または細胞接着性の配列を有するペプチドまたはポリペプチドである。
実施の形態では、スペーサSpはXaanであり、Xaanは末端リジンを有する。実施の形態では、Xaanは重合部分Rmに結合して構わない。例えば、Xaanは(MAA)LysGlyGlyまたは(MAA)LysTyrGlyであって差し支えなく、ここでMAA は、末端リジンの側鎖を通じてXaanに結合した重合部分のメタクリル酸(MAA)である。追加の実施の形態では、重合部分は、Xaanアミノ酸または、N末端がアセチル化されていない場合にはアミノ酸鎖のN末端に結合して差し支えない。各機能性ペプチドは、少なくとも1つの重合部分を有し、2つ以上有していてもよい。Capは、細胞接着性または細胞結合性の配列を有するペプチドまたはポリペプチドである。
実施の形態では、細胞接着性ペプチドまたは細胞接着性ポリペプチド(これらの用語は同義語である)(Cap)は、細胞結合性または細胞接着性の配列を有し、例えば、インテグリン結合配列またはRGD配列でありうる。本開示の目的において、ペプチドまたはポリペプチドは、化学合成、または組み換え技術によって製造されて差し支えないアミノ酸配列である。しかしながら、本開示の目的において、ペプチドまたはポリペプチドはタンパク質の断片であって、完全タンパク質ではない。加えて、ペプチドまたはポリペプチドは、動物源から単離されたものではない。実施の形態では、ペプチドまたはポリペプチドは、ビトロネクチンのペプチド配列、YaalProGlnValThrArgGlyAspValPheThrMetPro(配列番号:32)のアミノ酸配列を含んでもよく、ここで、lは0〜3の整数であり、Yaaは任意のアミノ酸であって差し支えなく、あるいは、例えば、リジンを含んでもよいが、重合可能基の結合に適合させるためには、その末端アミノ酸はリジンまたはアルギニンでなければならない。実施の形態では、ペプチドまたはポリペプチドは環状であってもよい。例えば RGDYK(配列番号:33)は環状c(RGDyK)でありうる。
実施の形態で使用されうるペプチドの例を表1にまとめた。
実施の形態では、機能性ペプチドは、光重合可能または熱重合可能でありうる、重合部分を有する。この重合可能な部分は、例えば、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイミド、フマレートまたはエポキシド部分でありうる。重合可能な部分は、アミノ酸の側鎖を通じてXaanのアミノ酸配列に結合しうる。例えば、メタクリル酸は、リジンアミノ酸の側鎖を通じてリジンアミノ酸に結合して差し支えなく、ここで、SpはXaanであり、Xaaはリジンであり、n=1であり、Rmはメタクリル酸であり、Capは、例えば表1に示すペプチド配列などのペプチド配列である。
実施の形態では、機能性ペプチドは、細胞接着性ペプチド(Cap)と重合部分Rmとの間にスペーサ部分Spを有する。スペーサは、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリエチレングリコール(PEG)またはポリプロピレンオキシド(PPO)などの親水性スペーサであって差し支えない。PEOおよびPEGという用語は、同義的に用いられうる。実施の形態では、スペーサはPEO4である。スペーサは、ペプチドを、細胞培養表面から離れる方向に伸ばす働きをし、ペプチドが培養細胞によりアクセスし易くし、細胞培養のための表面効率を改善する。加えて、これらの親水性スペーサは、機能性ペプチドに対する非特異的吸収を妨げるタンパク質を阻む作用をしうる。実施の形態では、細胞培養物品の調製におけるPEO(ポリエチレンオキシド)などのスペーサを有する細胞接着性ペプチドの使用は、全体濃度がより低い接着性ペプチドを使用した、このような物品の製造を可能にする。これらの機能性ペプチドは、ベース材料に、共有結合または非共有結合的に付着しうる。
機能性ペプチドまたはポリペプチドは、任意の密度、好ましくは細胞の培養を支持するのに適した密度でベース材料に共役しうる。機能性ペプチドは、表面1mm2あたり約1pmol〜約50pmolの密度でベース材料に共役して差し支えなく、これは、実施の形態においてコーティングしたベースマトリクスの表面積によって推定することができる。例えば、機能性ペプチドは、ベース材料表面1mm2あたり、25pmol/mm2を超える密度、5pmol/mm2を超える、1pmol/mm2を超える、5pmol/mm2を超える、6pmol/mm2を超える、7pmol/mm2を超える、8pmol/mm2を超える、9pmol/mm2を超える、10pmol/mm2、12pmol/mm2を超える、15pmol/mm2を超える、または20pmol/mm2を超える密度で存在しうる。当然ながら、存在するペプチドの量は、ベース材料の組成、ベース材料層の厚さおよびポリペプチド自体の性質に応じて変動しうることが理解されよう。下記実施例において論じるように、ペプチド密度が高くなると、化学的に定義された培地における未分化の幹細胞の接着および増殖をより良好に支持できるようになりうるが、他の細胞型では、異なるペプチド密度において、さらに成功裏に増殖する可能性がある。
本発明の実施の形態では、ベース材料が提供される。本開示の目的において、「ベース材料」、「親水性のベース材料」または「ベース材料層」(これらの用語は同義的に用いられる)とは、機能性ペプチドが接着するポリマー材料を意味する。実施の形態では、ベース材料は、機能性ペプチドの接着を可能にするための部分を提供するモノマーの 重合層または半重合(semi-polymerized)層である。実施の形態では、ベース材料は、親水性のベース材料であって差し支えない。実施の形態では、親水性のベースポリマー材料は小さい接触角を有しうる。すなわち、親水性のベースポリマー層は、60°未満、55°未満、50°未満、40°未満、30°未満、20°未満、または10°未満の水接触角を有しうる。実施の形態では、親水性のベースポリマー層は、50°未満の水接触角を有する。
実施の形態では、ベース材料は、例えば、N−トリス(ヒドロキシメチル)アクリルアミド(ACRYLNTRIS−OH)、グリセリルモノメタクリレート(GLY−METH)、ポリ(セリン)メタクリレート(SER−METH)またはメタクリル酸ヒドロキシエチル(HEMA)である。実施の形態では、これらのベース化合物は架橋することができる。架橋剤は、例えば、N,N’−(1,2−ジヒドロキシエチレン)ビスアクリルアミド、トリグリセロールジアクリレート(グリセリン1,3−ジグリセロレートジアクリレートTGDA)、またはテトラエチレングリコールジメタクリレート (TEGDMA)でありうる。架橋剤は、ベースマトリクスのさまざまな実施の形態において相互に入れ替えることができる。アクリレートおよびメタクリレートモノマーは、当技術分野で既知のように合成(あるいは分子生物学的手法を通じて製造)して差し支えなく、あるいは、Polysciences、Warrington、PA Inc.、Sigma Aldrich,Inc.、St.Louis、MOおよびSartomer,Inc.、Exton 、PA Polypeptides、American Peptide、Sunnyvale、CAGenScript Corporation(米国ニュージャージー州ピスカタウェイ所在)、およびGenway Biotech,Inc(米国カリフォルニア州サンディエゴ所在)などの供給業者から入手してもよい。スペーサは当技術分野で既知のように合成して差し支えなく、あるいはQuanta BioDesign,Ltd.から市販されるディスクリートポリエチレングリコール(dPEG)スペーサなど、供給業者から入手してもよい。本発明の細胞培養表面の実施の形態を表2に示す。
実施の形態では、ベース材料は、架橋剤とともに基板上に施用されうる。実施の形態では、ベース材料は、エタノールなどの低級アルコール中で基板上に施されて差し支えない。ベース材料は、任意の重合方法によって、架橋剤とともに重合されうる。例えば、ベースポリマー材料は、UV、可視光または熱エネルギー源に曝露することによって重合されうる。例えば、ベースポリマー材料は、10秒または30秒のUV硬化時間を使用して重合されうる。実施の形態では、硬化は不完全である。すなわち、重合エネルギー源への曝露時間はベースポリマー材料の完全な重合を達成するには不十分であり、結果として、不完全な重合または低い反応度合いを生じる。したがって、得られた重合可能な基は、例えば、メタクリレート官能性RGD含有接着性ペプチドなどの機能性ペプチドの結合に利用可能である。例えば、実施の形態では、メタクリレート含有ベース材料は、架橋剤の存在下、不完全に重合されて、アクリレートまたはメタクリレート官能性RGD含有接着性ペプチドの連結のための不完全な重合の後に利用可能になりうる、これら表面のメタクリレート部分の存在が得られる。
実施の形態では、基板は、セラミック材料、ガラス、プラスチック、ポリマーまたはコポリマーを含めた細胞の培養に適した任意の材料、それらの任意の組合せ、またはある材料の別の材料上へのコーティングティングであって差し支えない。ベース材料は平らであるか、または成形されていてもよい。これらのベース材料としては、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス、バイコール(登録商標)ガラス、石英ガラスなどのガラス材料;シリコン;ポリ(塩化ビニル)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(ビニルアセテート・無水マレイン酸共重合体)、ポリ(ジメチルシロキサン)モノメタクリレート、環状オレフィンポリマー、フルオロカーボン重合体、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンイミンなどの樹枝状ポリマーを含めたプラスチックまたはポリマー;ポリ(ビニルアセテート・無水マレイン酸共重合体)、ポリ(スチレン・無水マレイン酸共重合体)、ポリ(エチレン・アクリル酸共重合体)などの共重合体、またはこれらの誘導体などが挙げられる。本明細書において、「環状オレフィン共重合体」とは、2種類以上のモノマー種から形成されるポリマーを意味し、ここで、モノマー種の少なくとも1つは環状オレフィンモノマーであり、他のモノマー種の少なくとも1つは環状オレフィンモノマー種ではない。多くの実施の形態では、環状オレフィン共重合体はエチレンおよびノルボルネンモノマーから形成される。環状オレフィン共重合体樹脂は、Boedeker Plastics Inc(米国ケンタッキー州フローレンス所在)からTOPAS(商標)の商品名で、また、日本ゼオン株式会社からZeonor(登録商標)の商品名で市販されている。実施の形態では、基板は、ポリマー・マトリクスの保持を強化するために処理されうる。例えば、基板は、化学処理またはプラズマ処理を用いて処理されて差し支えなく、これによって負電荷、正電荷を提供し、より親水性の表面を作り出すか、あるいはポリマー・マトリクスの基板への接着を強化する官能性の化学基を作り出す。例えば、このような処理として、疎水性または親水性の相互作用、立体相互作用、親和性またはファンデルワールス力などが挙げられる。
図1は、細胞培養表面の製造方法の実施の形態を示すフローチャートである。実施の形態では、光活性の化学的グラフトによって親水性表面に細胞結合性ペプチドを提供する方法が提供される。これらの方法は、
(1)親水性のベース材料を基板表面に提供し;
(2)前記親水性のベース材料を硬化または重合し;
(3)前記硬化した親水性のベース材料の表面に機能性ペプチドを提供し;
(4)前記親水性のベース材料に前記機能性ペプチドを硬化または重合し;随意的に、
(5)洗浄して未反応のモノマーを除去する、
各工程を有してなる。工程(1)および(3)において、親水性のベース材料および機能性ペプチドは、液体分注、スピン・コーティング、噴霧コーティング、または他の方法を含めた、当技術分野で既知のいずれかの手段によって基板表面に提供されて差し支えない。工程(2)および(4)では、硬化または重合の工程は、当技術分野で既知のいずれかの手段によって、および、重合部分の性質に応じて達成して差し支えなく、例えば、UV、可視光また熱エネルギーを表面に導入することが挙げられる。工程(5)では、洗浄は、液体分注、および、撹拌下または撹拌なしでのインキュベートを含めた当技術分野で既知のいずれかの手段によって達成されて差し支えなく、ここで、液体は水、低級アルコール、水で希釈した低級アルコール、または他の溶媒でありうる。
ベース材料層を形成するモノマーに加えて、層を形成する組成物は、界面活性剤、湿潤剤、光開始剤、熱開始剤、触媒および活性剤など、1つ以上の追加の化合物を含んでいてもよい。任意の適切な重合開始剤が用いられうる。当業者は、容易に、モノマーとともに使用するのに適した、例えばラジカル開始剤またはカチオン開始剤などの適切な開始剤を選択することができよう。さまざまな実施の形態では、連鎖重合を開始するためにフリーラジカルモノマーの生成にUV光が使用される。
任意の適切な開始剤が用いられうる。重合開始剤の例としては、有機過酸化物、アゾ化合物、キノン、ニトロソ化合物、ハロゲン化アシル、ヒドラゾン、メルカプト化合物、ピリリウム化合物、イミダゾール、クロロトリアジン、ベンゾイン、ベンゾイン・アルキルエーテル、ジケトン、フェノン、またはそれらの混合物が挙げられる。適切な市販の紫外線活性化および可視光活性化光開始剤の例としては、Ciba Specialty Chemicals社(米国ニューヨーク州タリタウン所在)から市販されるIRGACURE651、IRGACURE184、IRGACURE369、IRGACURE819、DAROCUR4265およびDAROCUR1173、およびBASF(米国ノースカロライナ州シャーロット所在)から市販されるLUCIRIN TPOおよびLUCIRIN TPO−Lなどの商品名を有するものが挙げられる。
追加の開始剤としては、例えば、(VA−044)2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド;(VA046B)2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジスルフィド無水物;(VA−50)2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド;(VA−057)2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]無水物;(VA−060)2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}ジヒドロクロリド;(VA−061)2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン];(VA−067)2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−エチルプロパン)ジヒドロクロリド;(VA−080)2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミドまたは(VA−086)2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]など、熱重合に使用することができる水溶性のアゾ開始剤が挙げられる。(V−70) 2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル);(V−65)2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル);(V−601) ジメチル 2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸);(V−59)2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル);(V−40)1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル);(VF−096) 2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド];(V−30) 1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド;(VAm−110)2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)または(VAm−111) 2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)などの油溶性のアゾ開始剤もまた、熱重合に使用して差し支えない。これらの開始剤は、例えば、米国バージニア州リッチモンド所在のWAKO Chemicalsから市販されている。加えて、PEG骨格を有するアゾ開始剤などのマクロ開始剤も熱重合に使用されうる。
光増感剤もまた、適切な開始剤系に含めることができる。代表的な光増感剤は、カルボニル基または第3級アミノ基またはそれらの混合物を有する。カルボニル基を有する光増感剤としては、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンジル、ベンズアルデヒド、o−クロロベンズアルデヒド、キサントン、チオキサントン、9,10−アントラキノン、および他の芳香族ケトンが挙げられる。第3級アミノ基を有する光増感剤としては、メチルジエタノールアミン、エチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、フェニルメチル−エタノールアミンおよびジメチルアミノエチルベンゾエートが挙げられる。市販の光増感剤としては、英国クローリー所在のBiddle Sawyer Corpから市販されるQUANTICURE ITX、QUANTICURE QTX、QUANTICURE PTX、QUANTICURE EPDが挙げられる。
一般に、光増感剤または光開始剤系の量は、約0.01〜10重量%の範囲で変化しうる。
カチオン開始剤の例としては、アリールスルホニウム塩などのオニウム陽イオンの塩、ならびにイオン・アレーン系などの有機金属塩が挙げられる。
基板表面上に施用される前に溶媒で希釈されるさまざまな実施の形態では、溶媒は重合の前に除去される。溶媒は、任意の適切なメカニズムまたはプロセスによって除去されて差し支えない。同一出願人による米国特許出願第12/362,782号明細書に記載されるように、硬化前に実質的にすべての溶媒を除去することにより、硬化速度論および転換するモノマーの量の良好な制御が可能になることが見出された。モノマーの転換率が増大すると、廃棄物の発生および細胞毒性は低減される。これらの方法を用いると、得られたベース材料層は網目構造を形成するが、相互貫入の網目構造ではない。
合成ベース材料を形成するため、モノマーは重合される。バルク相(実質的に溶媒を含まない)または溶媒相で重合されるか否かにかかわらず、モノマーは、適切な開始メカニズムを介して重合される。これらのメカニズムの多くは、当技術分野において既知である。例えば、熱開始剤を活性化するためには温度を上昇させ、光開始剤は適切な波長の光などへの曝露によって活性化されうる。多くの実施の形態によれば、モノマーまたはモノマー混合物はUV光を使用して硬化される。硬化は、好ましくは、酸素阻害を防ぐために、窒素保護などの不活性ガス保護下で行われる。適切なUV光とガス保護との組み合わせはポリマーの転換を増大し、コーティングの完全性を確実にし、細胞毒性を低減する。
実施の形態では、親水性のベース材料層は、未反応のモノマーまたは低分子量のポリマー種などの不純物を除去するために、溶媒で1回以上洗浄されうる。さまざまな実施の形態では、層は、エタノールまたは、例えば、70%エタノール、90%を超えるエタノール、95%を超えるエタノールまたは約99%を超えるエタノールなどのエタノール水溶液で洗浄される。70%エタノール溶媒での洗浄は、細胞毒性でありうる不純物を除去する役割のみならず、細胞と一緒にインキュベートする前に表面を殺菌する役割を果たすことができる。
実施の形態では、親水性のベース材料は、基板表面に提供され、次に、半重合されて差し支えない。すなわち、重合プロセスは、ベース材料が完全に重合される前に制御または停止されうる。次いで、基板表面の半重合された親水性のベース材料の表面に、機能性ペプチドが提供されうる。半重合した親水性のベース材料に機能性ペプチドを重合するために、第2の重合工程が適用される。細胞培養物品は、次に、洗浄される。洗浄工程は未重合の物質を除去しうる。
図2は、細胞培養表面の実施の形態の製造方法を示す図である。図2では、ジメタクリル酸テトラエチレン・グリコールおよびヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)が基板に施用され、365nmで10秒間または30秒間のUV照射に曝露されて、半重合ベース材料またはベース層を形成する。次に、機能性ペプチド(Ac−Lys−(MAA)−Gly−Gly−Pro−Gln−Val−Thr−Arg−Gly−Asp−Val−Phe−Thr−Met−Pro−NH2)Ac−Lys−(MAA)−配列番号:28)−NH2がベース層に施用され、365nmで60秒間のUV照射に曝露されて、PEO4グラフト化機能性ペプチドを備えたHEMAベース材料を形成する。式1:Rm − Sp − Capを参照すると、Rmはメタクリル酸(MAA)であり、SpはXaanとして存在し、ここで、XaaはLysであり、n=1であり、メタクリル酸がアミノ酸側鎖を通じてリジンに接着しており、細胞接着性ペプチド(Cap)は配列番号:28である。
図3は、細胞培養表面のある実施の形態の製造方法を示す別の図である。図3では、モノマーであるトリグリセロールジアクリレート(グリセロール1,3−ジグリセロールジアクリレート)およびモノメタクリレート異性体が基板上に堆積され、365nmで10秒間または30秒間のUV照射に曝露されて、半重合ベース材料またはベース層を形成する。次に、機能性ペプチド(MAA)−PEG4−Lys−Gly−Gly−Pro−Gln−Val−Thr−Arg−Gly−Asp−Val−Phe−Thr−Met−Pro−NH2)(MAA)−PEG4−配列番号:27)−NH2をベース層に施用し、365nmで60秒間のUV照射に曝露して、PEO4グラフト化機能性ペプチドを備えたグリセロールメタクリレート・ベース材料を形成する。式1:Rm − Sp − Capを参照すると、Rmはメタクリル酸(MAA)であり、スペーサSpは存在し、PEG4であり、Xaaは存在せず、細胞接着性ペプチドは配列番号:27である。
実施の形態では、細胞培養表面は、細胞培養に適した任意の表面上に形成されうる。細胞培養に適した物品の例としては、単一ウェルプレート、および、6、12、96、384、および1536ウェルプレートなどのマルチウェルプレート、広口瓶、ペトリ皿、フラスコ、ビーカー、プレート、ローラーボトル、チャンバーおよびマルチチャンバー培養スライドなどのスライド、管、カバーガラス、バッグ、膜、中空糸、ビーズおよびマイクロ担体、カップ、スピナーボトル、潅流チャンバー 、バイオリアクター、CellSTACK(登録商標)(Corning,Incorporated社製)および発酵槽が挙げられる。
細胞は、(i)調査研究における使用または治療用途の開発のために、化学的に定義された培地における合成表面上で培養された、十分量の未分化の幹細胞の提供、(ii)培養細胞の調査研究のため、(iii)治療用途の開発のため、(iv)治療目的のため、(v)例えばcDNAライブラリの創出など、遺伝子発現の研究のため、および(vi)薬物および毒性スクリーニングの研究のためなど、任意の適切な目的に使用して差し支えない。
本発明の方法の実施の形態に従って調製された細胞培養物品は、例えば、幹細胞、成熟幹細胞、胚幹細胞(ESC)、ヒト胚幹細胞(hESC)または人工多能性細胞(IPC)を含めた任意の関連する細胞型の成長および増殖を促進するために、親水性表面の接触面に効果的に存在しうる。実施の形態では、これらの培養細胞は、治療用途に使用して差し支えない。ヒト胚幹細胞(hESC)は、培養において未分化の状態で継続的に増殖する能力を有することから、hESCは、本発明に使用するために、樹立細胞株から入手されうる。確立されているヒト胚幹細胞株の例としては、限定はしないが、H1、H7、H9、H13またはH14(ウィスコンシン大学において確立されたWiCellから入手)(Thompson (1998) Science 282:1145);hESBGN−01、hESBGN−02、hESBGN−03(BresaGen,Inc.社製(米国ジョージア州アセンズ所在);HES−1、HES−2、HES−3、HES−4、HES−5、HES−6(ES Cell International,Inc.(シンガポール国所在)から入手);HSF−1、HSF−6(米国サンフランシスコ所在のカリフォルニア大学から入手);I 3、I 3.2、I 3.3、I 4、I 6、I 6.2、J 3、J 3.2(テクニオン−イスラエル工科大学(イスラエル国ハイファ所在)から入手);UCSF−1およびUCSF−2(Genbacev et al., Fertil. Steril. 83(5):1517-29, 2005);細胞株HUES 1−17(Cowan et al., NEJM 350(13):1353-56, 2004);および細胞株ACT−14(Klimanskaya et al., Lancet, 365(9471):1636-41, 2005)が挙げられる。本発明で用いられる胚幹細胞はまた、一次胚組織から直接入手してもよい。典型的には、これは、胞胚期にインビトロで凍結した、不要となった受精卵を使用して行われる。
他の適切な幹細胞としては、誘導霊長類多能性幹細胞(iPS)から分化しうる、本発明に従った誘導霊長類多能性幹細胞(iPS)であるOPCが挙げられる。iPS細胞とは、幼若期または成熟期の哺乳動物、例えばヒトなどから入手した細胞のことをいい、これは、一般には、例えば、hESCなどの多能性幹細胞の表現型を達成するように再プログラム化されるよう、1つ以上の適切なベクターを用いたトランスフェクションによって改質される。これらの再プログラム化された細胞によって実現された表現型形質としては、胚盤胞から単離された形態類似幹細胞ならびに、表面抗原発現、遺伝子発現およびテロメラーゼ活性が類似した胚盤胞由来の胚幹細胞が挙げられる。iPS細胞は、典型的には、一次胚葉:外胚葉、内胚葉および中胚葉のそれぞれから少なくとも1つの細胞型に分化する能力を有し、よって、様々な細胞型への分化に適している。hESCのようなiPS細胞はまた、例えば、SCIDマウスなどの免疫不全マウスに注入すると奇形腫を形成する(Takahashi et al., (2007) Cell 131(5):861; Yu et al., (2007) Science318:5858)。
本発明の実施の形態は、費用効率が高い方法でペプチドなどの細胞結合接着性リガンドを表面に修飾する効率的手法、および製造コスト全体の有意な減少につながる、容易な製造方法を提供する。実施の形態では、表面は、化学的に定義された培地を用いて、多能性の(2つ以上の潜在的アウトカムを有する)状態のヒト胚幹細胞を含めた、細胞培養に有用な表面である。血清の使用は、治療用途のための細胞培養にとって有害でありうる、細胞培養に定義されていない因子を導入することになることから、化学的に定義された培地と本発明の実施の形態の合成表面とを組み合わせた使用は、重要である。
作出した表面は、親水性表面に光活性PEO含有RGD接着性ペプチドの効率的な分散を生じる、高い表面エネルギーまたは小さい/後退した接触角を有する表面を製造するために、表面の化学構造に基づいてモデル化されうる。図4は、表2に示すベース材料(1〜4)から測定した接触角を示す棒グラフである。実施の形態では、表面は、60°未満、15〜60°、20〜60°、15°以上または20°以上の水接触角を有する。図5は、ペプチド(PEOスペーサを有する)の蛍光強度を示している。図5は、6種類の異なるベースマトリクスに共役した、0.2%のローダミン標識化バージョンをドープした、MAA−PEO4−Lys−Gly−Gly−Pro−Gln−Val−Thr−Arg−Gly−Asp−Val−Phe−Thr−Met−Pro−NH2(MAA−PEO4−配列番号:27−NH2)の蛍光を示しており、使用したベースマトリクスのすべては、表2に記載されている:N−トリス−アクリルアミド(1)、グリセロールメタクリレート(2)、ソルビトール(3)、ペンタエリスリトール(4)、ポリ−セリン(5)およびHEMA(6)。より親水性の大きいグリセロールベースマトリクスおよびNTRIS−メタクリレート表面は、親水性の小さいHEMAおよびペンタエリスリトールメタクリレート・ベースマトリクスよりも大きいペプチドグラフト効率を有していた。理論に制限されるわけではないが、PEO4スペーサはより大きいアクセス性を提供し、したがって、スペーサを有しないペプチドに対し、ペプチドのグラフト効率が改善された。小さい接触角を有する表面は、機能性ペプチドモノマーのベース上への効率的な拡散を提供し、光活性ペプチドの低消費を提供することが観察された。このことは、蛍光標識したペプチドでスパイクしたMAA−PEG4−Lys−Gly−Gly−Pro−Gln−Val−Thr−Arg−Gly−Asp−Val−Phe−Thr−Met−Pro−NH2(MAA−PEG4−配列番号:27−NH2)によって示唆されるように、接触角が小さいベース材料をPEO4スペーサを含むペプチドと組み合わせた場合には、なおさら明白であった。本明細書において、接触角とは、ペプチドが存在しない、基板上における水の最初の接触角のことをいう。
態様(1)では、機能性ペプチドであって、式:Rm − Sp− Capの組成を含み、ここで、Rは、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイミド、フマレートおよびエポキシド、および組合せからなる群より選択される重合部分であり、mは1より大きい整数であり;Spはスペーサ部分であり、前記スペーサ部分は、式:(O−CH2CHR’)m2を有するポリエチレンオキシドまたはポリプロピレンオキシドを含み、ここで、R’はHまたはCH3であり、かつ、m2は1〜20の整数であるか、あるいはXaanであって、ここでXaaは、独立して、任意のアミノ酸であり、nは、0から3までの整数である、もしくはそれらの組合せであり;Capは細胞接着性の配列を含むペプチドである、機能性ペプチドが提供される。態様(2)では、SpがLysまたはArgのアミノ酸である、態様1の機能性ペプチドが提供される。態様(3)では、細胞接着性ペプチド(Cap)が配列:KGGGQKCIVQTTSWSQCSKS(配列番号:1);GGGQKCIVQTTSWSQCSKS(配列番号:2);KYGLALERKDHSG(配列番号:3);YGLALERKDHSG(配列番号:4);KGGSINNNRWHSIYITRFGNMGS(配列番号:5);GGSINNNRWHSIYITRFGNMGS(配列番号:6);KGGTWYKIAFQRNRK(配列番号:7);GGTWYKIAFQRNRK(配列番号:8);KGGTSIKIRGTYSER(配列番号:9);GGTSIKIRGTYSER(配列番号:10);KYGTDIRVTLNRLNTF(配列番号:11);YGTDIRVTLNRLNTF(配列番号:12);KYGSETTVKYIFRLHE(配列番号:13);YGSETTVKYIFRLHE(配列番号:14);KYGKAFDITYVRLKF(配列番号:15);YGKAFDITYVRLKF(配列番号:16);KYGAASIKVAVSADR(配列番号:17);YGAASIKVAVSADR(配列番号:18); KGGNGEPRGDTYRAY(配列番号:19);GNGEPRGDTYRAY(配列番号:20);CGGNGEPRGDTRAY(配列番号:21);GGNGEPRGDTRAY(配列番号:22);KYGRKRLQVQLSIRT(配列番号:23);YGRKRLQVQLSIRT(配列番号:24);KGGRNIAEIIKDI(配列番号:25);GGRNIAEIIKDI(配列番号:26);KGGPQVTRGDVFTMP(配列番号:27);GGPQVTRGDVFTMP(配列番号:28);GRGDSPK(配列番号:29);KGGAVTGRGDSPASS(配列番号:30);GGAVTGRGDSPASS(配列番号:31);YaalPQVTRGNVFTMP(配列番号:32);またはRGDYK(配列番号:33)を含む態様1または2の機能性ペプチドが提供される。態様(4)では、細胞接着性ペプチド(Cap)がKGGPQVTRGDVFTMP(配列番号:27)またはGGPQVTRGDVFTMP(配列番号:28)を含む態様1の機能性ペプチドが提供される。態様(5)では、重合部分(Rm)がアクリレートまたはメタクリレートを含む、態様1〜4のいずれかの機能性ペプチドが提供される。態様(6)では、XaaがLysを含み、n=1である、態様1〜5のうちいずれか1つの機能性ペプチドが提供される。
追加の態様(7)では、機能性ペプチドを含む細胞培養物品であって、請求項1が親水性のポリマー性ベース材料に共有結合する場合に親水性のポリマー性ベース材料が、N−トリス(ヒドロキシメチル)アクリルアミド(ACRYLNTRIS−OH)およびN,N’−(1,2−ジヒドロキシエチレン)ビスアクリルアミド共重合体、グリセリルモノメタクリレートおよびグリセリン1,3−ジグリセロレートジアクリレート共重合体(GLY−METH)またはポリ(セリン)メタクリレートおよびグリセロール1,3−ジグリセロレートジアクリレート(SER−METH)、ヒドロキシエチルメチルアクリレート(HEMA)、またはアクリルアミド(ACRYL)重合体および共重合体、および、随意的に、N,N’−(1,2−ジヒドロキシエチレン)ビスアクリルアミド、グリセリン1,3−ジグリセロレートジアクリレートなどの親水性の架橋性物質、またはそれらの組合せを含む、機能性ペプチドを含む細胞培養物品が提供される。態様(8)では、細胞培養物品が50°未満の接触角を有する、態様7記載の細胞培養物品が提供される。ある態様では、親水性のポリマー性ベース材料が20°を超える接触角を有する、態様7記載の細胞培養物品が提供される。ある態様では、親水性のポリマー性ベース材料が20°〜60°の接触角を有する、態様7記載の細胞培養物品が提供される。ある態様では、親水性のポリマー性ベース材料が20°〜60°の接触角を有する、態様7記載の細胞培養物品が提供される。態様(9)では、細胞接着性ペプチドが、KGGGQKCIVQTTSWSQCSKS(配列番号:1);GGGQKCIVQTTSWSQCSKS(配列番号:2);KYGLALERKDHSG(配列番号:3);YGLALERKDHSG(配列番号:4);KGGSINNNRWHSIYITRFGNMGS(配列番号:5);GGSINNNRWHSIYITRFGNMGS(配列番号:6);KGGTWYKIAFQRNRK(配列番号:7);GGTWYKIAFQRNRK(配列番号:8);KGGTSIKIRGTYSER(配列番号:9);GGTSIKIRGTYSER(配列番号:10);KYGTDIRVTLNRLNTF(配列番号:11);YGTDIRVTLNRLNTF(配列番号:12);KYGSETTVKYIFRLHE(配列番号:13);YGSETTVKYIFRLHE(配列番号:14);KYGKAFDITYVRLKF(配列番号:15);YGKAFDITYVRLKF(配列番号:16);KYGAASIKVAVSADR(配列番号:17);YGAASIKVAVSADR(配列番号:18);CGGNGEPRGDTYRAY(配列番号:19);GNGEPRGDTYRAY(配列番号:20);CGGNGEPRGDTRAY(配列番号:21);GGNGEPRGDTRAY(配列番号:22);KYGRKRLQVQLSIRT(配列番号:23);YGRKRLQVQLSIRT(配列番号:24);KGGRNIAEIIKDI(配列番号:25);GGRNIAEIIKDI(配列番号:26);KGGPQVTRGDVFTMP(配列番号:27);GGPQVTRGDVFTMP(配列番号:28);GRGDSPK(配列番号:29);KGGAVTGRGDSPASS(配列番号:30);GGAVTGRGDSPASS(配列番号:31);YaalPQVTRGNVFTMP(配列番号32);RGDYK(配列番号:33)またはそれらの組合せからなる群より選択される、態様7または8記載の細胞培養物品が提供される。態様(10)では、スペーサSmがPEO4を含む、7〜9の態様のうちいずれか1つの細胞培養物品が提供される。
追加の態様(11)では、請求項7記載の細胞培養物品の製造方法であって、
親水性のベース材料を基板表面に提供し;
前記親水性のベース材料を半重合し;
前記半重合した親水性のベース材料の表面に機能性ペプチドを提供し;
前記半重合した親水性のベース材料に前記機能性ペプチドを重合し;
随意的に、洗浄する、
各工程を有してなる、細胞培養物品の製造方法が提供される。態様(12)では、親水性のベース材料が、N−トリス(ヒドロキシメチル)アクリルアミド(ACRYLNTRIS−OH)およびN,N’−(1,2−ジヒドロキシエチレン)ビスアクリルアミド 共重合体、グリセリルモノメタクリレートおよびグリセリン1,3−ジグリセロレートジアクリレート 共重合体(GLY−METH)またはポリ(セリン)メタクリレートおよびグリセロール1,3−ジグリセロレートジアクリレート(SER−METH)を含む、態様11記載の方法が提供される。態様(13)では、前記半重合した親水性のベース材料が50°未満の水接触角を有する、態様11または12記載の方法が提供される。態様(14)では、Lysを含み、n=1である、態様11〜13のうちいずれか1つに記載の方法が提供される。態様(15)では、Rmがアクリレートまたはメタクリレートを含む、態様11〜14のうちいずれか1つの方法が提供される。態様(16)では、SpがPEO4を含む、態様11〜15のうちいずれか1つの方法が提供される。態様(17)では、Capが、以下:KGGGQKCIVQTTSWSQCSKS(配列番号:1);GGGQKCIVQTTSWSQCSKS(配列番号:2);KYGLALERKDHSG(配列番号:3);YGLALERKDHSG(配列番号:4);KGGSINNNRWHSIYITRFGNMGS(配列番号:5);GGSINNNRWHSIYITRFGNMGS(配列番号:6);KGGTWYKIAFQRNRK(配列番号:7);GGTWYKIAFQRNRK(配列番号:8);KGGTSIKIRGTYSER(配列番号:9);GGTSIKIRGTYSER(配列番号:10);KYGTDIRVTLNRLNTF(配列番号:11);YGTDIRVTLNRLNTF(配列番号:12);KYGSETTVKYIFRLHE(配列番号:13);YGSETTVKYIFRLHE(配列番号:14);KYGKAFDITYVRLKF(配列番号:15);YGKAFDITYVRLKF(配列番号:16);KYGAASIKVAVSADR(配列番号:17);YGAASIKVAVSADR(配列番号:18);CGGNGEPRGDTYRAY(配列番号:19);GNGEPRGDTYRAY(配列番号:20);CGGNGEPRGDTRAY(配列番号:21);GGNGEPRGDTRAY(配列番号:22);KYGRKRLQVQLSIRT(配列番号:23);YGRKRLQVQLSIRT(配列番号:24);KGGRNIAEIIKDI(配列番号:25);GGRNIAEIIKDI(配列番号:26);KGGPQVTRGDVFTMP(配列番号:27);GGPQVTRGDVFTMP(配列番号:28);GRGDSPK(配列番号:29);KGGAVTGRGDSPASS(配列番号:30);GGAVTGRGDSPASS(配列番号:31);YaalPQVTRGNVFTMP(配列番号:32);RGDYK(配列番号:33)およびそれらの組合せからなる群より選択される細胞接着性ペプチドである、態様11〜16のうちいずれか1つの方法が提供される。
以下に、上述の物品および方法のさまざまな実施の形態について説明する、非限定的な例が提示される。
略語:
(GDGMDMA)―グリセロール1,3−ジグリセロレート、ジメタクリレート,(GMMA)―グリセロールモノメタクリレート、TEGDMA―テトラエチレングリコールジメタクリレート、HEMA―メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、ACRYLNTRIS:(N−トリス(ヒドロキシメチル)アクリルアミド + N,N’−(1,2−ジヒドロキシエチレン)ビスアクリルアミド、NTRIS−アクリルアミドともいう)、SER−METH:(ポリ(セリン)4メタクリレート + グリセロール1,3−ジグリセロレート、GLY−METH:(グリセロールモノメタクリレート + グリセロール1,3−ジグリセロレート ジメタクリレート、表2ではグリセロールとしても示される),(メタクリル酸2−ヒドロキシエチル + テトラエチレングリコールジメタクリレート)、 EtOH― エタノール、I−819、Darocur1173。
原材料:
処方のフリーラジカル重合に用いる光開始剤であるIrgacure−819(ホスフィンオキシド、フェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)およびDarocur1173(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン)はCiba Specialty Chemicals社(米国デラウェア州ニューポート所在)から入手し、さらに精製することなく使用した。親水性の架橋剤、ジメタクリル酸テトラエチレン・グリコール(86680)、(454982)およびグリセロール1,3−ジグリセロールジアクリレート(475807)、N,N’−(1,2−ジヒドロキシエチレン)ビスアクリルアミド(37474)はすべて、Sigma−Aldrich社から、製品規格書に記載される純度で購入した。親水性モノマーである2−ヒドロキシエチルメタクリレート、+99%(477028)およびN−トリス(ヒドロキシメチル)アクリルアミドはSigma−Aldrich社から購入したが、処方に用いた他の親水性モノマー、グリセロールモノメタクリレート異性体(04180)はPolysciences Incorporatedから購入し、さらに精製することなく使用した。親水性メタクリレート官能化ポリアミノ酸として使用するポリ(セリン)メタクリレートは、接着性ペプチド Ac−Lys(MAA)−Gly−Gly−Pro−Gln−Val−Thr−Arg−Gly−Asp−Val−Phe−Thr−Met−Pro−NH2(配列番号:27)および(MAA−PEO4−VN):MAA−PEO4−Lys−Gly−Gly−Pro−Gln−Val−Thr−Arg−Gly−Asp−Val−Phe−Thr−Met−Pro−NH2(配列番号:27)とともに、次の方法により、American Peptide社(米国カリフォルニア州サニーベール所在)によって合成された。
機能性ペプチド合成のための一般的プロセス:
Ac−Lys(MAA)−Gly−Gly−Pro−Gln−Val−Thr−Arg−Gly−Asp−Val−Phe−Thr−Met−Pro−NH2(配列番号:27)の調製:
ペプチドは、American Peptide社(米国カリフォルニア州サニーベール所在)によって、Fmoc化学を介して15mmolのFmoc−リンクアミド樹脂上で合成された。アミノ酸に使用する保護基は:AspおよびThrにはt−ブチル基、GlnにはTrt基、ArgにはPbf、LysにはIvddeである。Fmocで保護したアミノ酸は、EMD Biosciences社から購入した。カップリングおよび開裂のための試薬はAldrich社から購入した。溶媒はFisher Scientific社から購入した。ペプチド鎖は、Fmoc保護基の反復除去および保護アミノ酸のカップリングによって樹脂上で合成した。DICおよびHOBtは、カップリング試薬として使用し、NMMは塩基として使用した。DMF中20%ピぺリジンを脱Fmoc試薬として使用した。DMF中2%ヒドラジンによってIvddeを除去した後、メタクリル酸(MAA)をLys側鎖に結合した。最後のカップリングの後、側鎖保護基の開裂および除去のために、樹脂をTFA/TIS/H2O(95:3:2、v/v/v)で処理した。粗ペプチドを冷エーテル中で沈殿させ、ろ過によって回収した。収量33.0g(合成収率194.2%)。17gの粗ペプチドを、逆相HPLCによって精製した;90%を超える純度を有する回収画分をプールし、凍結乾燥した。最終生成物の収量9.25g(精製収率54.4%)。
(MAA−PEO4−VN)の調製:
MAA−PEO4−Lys−Gly−Gly−Pro−Gln−Val−Thr−Arg−Gly−Asp−Val−Phe−Thr−Met−Pro−NH2(配列番号:27):
ペプチドは、Fmoc化学を介して1mmolのFmoc−リンクアミド樹脂上でAmerican Peptide社(米国カリフォルニア州サニーベール所在)によって合成された。アミノ酸に使用する保護基は:AspおよびThrにはt−ブチル基、GlnにはTrt基、Arg にはPbf、LysにはBocである。Fmocで保護したアミノ酸はEMD Biosciences社から購入した;Fmoc−PEG4−OHはQuanta Biodesign社から購入した。カップリングおよび開裂用の試薬はAldrich社から購入した。溶媒はFisher Scientific社から購入した。ペプチド鎖はFmoc保護基の反復除去および保護アミノ酸のカップリングによって樹脂上で合成した。HBTUおよびHOBtをカップリング試薬として使用し、NMMを塩基として使用した。DMF中20%ピペリジンを脱Fmoc試薬として使用した。メタクリル酸(MAA)を、Fmoc保護基の除去後にPEG4のアミノ基にカップリングした。最後のカップリングの後、側鎖保護基の開裂および除去のために、樹脂をTFA/TIS/H2O(95:3:2、v/v/v)で処理した。粗ペプチドを冷エーテル中で沈殿させ、ろ過によって回収した。収量4.0g(合成収率210.1%)。粗ペプチドを逆相HPLCによって精製し;90%を超える純度で画分を回収し、プールし、凍結乾燥した。最終生成物の収量1.035g(精製収率25.9%)。
生成物は、90%以上の純度でAmerican Peptide社から提供され、さらに精製することなく使用した。Sigma−Aldrich社から購入したエタノールを非反応性の希釈剤としてプロセスにおいて使用した。
細胞培養表面の調製の基本的手順:
20mlのシンチレーションバイアル内で、10mlのエタノールに4.37mg(0.23mM)のMAA−PEG4−Lys−Gly−Gly−Pro−Gln−Val−Thr−Arg−Gly−Asp−Val−Phe−Thr−Met−Pro−NH2(MAA−PEG4−配列番号:27−NH2)を加えた。他のグラフトペプチドVN−MAA:Lys(MAA)−Gly−Gly−Pro−Gln−Val−Thr−Arg−Gly−Asp−Val−Phe−Thr−Met−Pro−NH2(Lys―Maa−配列番号:27−NH2)8.74mg(0.5mM)も同様の方法で調製した。
別の10mlのシンチレーションバイアル内に、400μLのメタクリル酸2−ヒドロキシエチルを加え、その後、40μLのテトラ(エチレングリコール)ジメタクリレート、15μLのDarocur1173(エタノール中10%)、50μLのIrgacure 819(エタノール中1%)および9.5mlのエタノールと一緒にエタノールを加えた。この配合割合はエタノール中5%の処方になる。GLY−METH、SER−METHおよびACRYLNTRIS−OHを含めた他の親水性のライブラリは、エタノール中5%の処方ですべて調製した。これらの貯蔵液を6−ウェルプレート(6wp)のコーティングに使用した。
6wpにおける処方のコーティングのための基本的手順:
6ウェルプレート(6wp)を包装から取り出し、窒素ガスを用いて連続的にパージされている大きい窒素パージボックス内に設置した。表2に記載される26μl(5%)の親水性の配合を、6−wp内のそれぞれのウェルに入れ、プレートを真空オーブン内に5分間置き、10秒または30秒間硬化させた。表面はやや粘着性で、残留メタクリレート基の存在が示唆された。半自動のピペッターを用いて、それぞれ6−wp内のMAA−PEG4−Lys−Gly−Gly−Pro−Gln−Val−Thr−Arg−Gly−Asp−Val−Phe−Thr−Met−Pro−NH2(MAA−PEG4−配列番号:27−NH2)、およびLys(MAA)−Gly−Gly−Pro−Gln−Val−Thr−Arg−Gly−Asp−Val−Phe−Thr−Met−Pro−NH2(Lys−MAA−配列番号:27−NH2)の200μLまたは500μLの貯蔵液の粘性の表面に分注した。溶液を、15分間拡散させ、次いで、1分間硬化し、エタノール中で1時間洗浄した後、PBS緩衝液で1時間洗浄し、次に脱イオン水で1分間すすいだ。
接触角の測定のためのコーティングを調製するため、ベース親水性マトリクスのみを6wp基板に施用し、10または30秒間硬化した。接触角の測定は、ベース基板上で行った。蛍光分光によってペプチドグラフト効率を測定することを目的としてサンプルをコーティングするため、10μLのローダミン標識化ペプチドを1mlのペプチド−メタクリレートに加え、それぞれの親水性ベースマトリクス上にコーティングした。次に、表面を60秒間硬化し、洗浄の前後の表面を走査した。
接触角の測定:
水接触角の測定は、脱イオン水を使用し、水を表面に置いてから1分以内に測定して、Rame−Hart ゴニオメーター(Rame−Hart Instrument Company(米国07857−0400、ニュージャージー州ネットコング、アレンストリート95所在)から得た。
図6は、GLY−METHベース材料(図6A〜C)およびHEMA表面(図6D〜F)上のローダミン標識化機能性ペプチド(MAA−PEG4−配列番号:27−NH2)から得られた蛍光測定を示している。ペプチドグラフト効率は、HEMAベース材料と比較して、より親水性であるGLY−METHベース材料では3倍高かった。
コーティングのUV硬化手順
溶媒を除去した後、コーティングを、10〜50 mW/cm2パルス(100Hz)のUV光(Xenon RC−801システム使用)で1分間、N2パージボックス(溶融シリカ窓付き)内で硬化させた。UVランプとコーティング表面との距離は5±0.5インチであった。プレートを60秒間硬化した。LED照明も使用することができることに留意されたい。硬化チャンバーを、硬化の間に不活性環境(コーティングにとって)を作り出すために必要な窒素で定常的にパージした。
グラフト化コーティングの洗浄手順
グラフト化表面(施用した機能性ペプチドを備えたベース材料)をエタノールで30〜60分間洗浄し、次に、PBS緩衝液で30分間洗浄した。プレートを一晩乾燥し、細胞試験に供した。
ヒト胚幹細胞の培養手順:
H7 hES細胞は、Geron Corporation(米国カリフォルニア州メンロパーク所在)との提携契約の一環として提供され、プロトコルに従って培養した。簡潔に説明すると、細胞を、MG−コーティングしたTCTフラスコ内、化学的に定義された培地(X−Vivo−10、80ng/mlのhbFGF、5ng/mlのhTGF−β1)中で培養した。細胞は、Geronの継代培養手順を用いて、10×106細胞/T75フラスコの播種密度で4〜5日ごとに継代された。実験のため、化学的に定義された培地の6−ウェルプレートに1×106/ウェルの密度で細胞を播種した。細胞形態を毎日観察した。細胞数、コロニーの形態および分布の視覚的評価のため、第4日目に細胞をクリスタルバイオレットで染色した。
図7は、BD(米国ニュージャージー州フランクリンレイクス所在)から入手した対照表面「Matrigel」(図7A)、Corning Incorporated社(米国ニューヨーク州コーニング所在)から入手した「Synthemax」(図7B)、HEMAベース上のVN−MAA機能性ペプチド(図7C)、グリセロールメタクリレート上のVN−MAA機能性ペプチド(GLY METH)ベース(図7D)、HEMAベース上のVN−PEO4−MAA(図7E)および、グリセロールメタクリレート(GLY METH)ベース上のVN−PEO4−MAA(図7F)上で培養したH7ヒト胚幹細胞の顕微鏡写真を示している。GLY−METHベース材料への機能性ペプチドグラフト化は、親水性の低いHEMA表面と比較して、(Lys−MAA−配列番号:27−NH2)および(MAA−PEG4−配列番号:27−NH2)機能性ペプチドの両方で、培養4日後に対照と同様のヒト幹細胞の増殖および形態を示した。さらには、HEMAまたはグリセロール(GLYC−METH)上のHEMAおよびグリセロールベースマトリクスMAA−PEO4−Lys−Gly−Gly−Pro−Gln−Val−Thr−Arg−Gly−Asp−Val−Phe−Thr−Met−Pro−NH2(MAA−PEG4−配列番号:27−NH2)または(VN−PEO4−MAA)は、両方とも、それぞれVN−MAAと比較した場合に、細胞接着および形態を良好に支持した。
例えば、GLYC−METH(37.4°)などの小さい接触角(高親水性)を有するベースマトリクス表面は、(54.9°)の接触角およびそのHEMA対応物よりも高い密度のMAA−PEG4−Lys−Gly−Gly−Pro−Gln−Val−Thr−Arg−Gly−Asp−Val−Phe−Thr−Met−Pro−NH2(MAA−PEG4−配列番号:27−NH2)をグラフトし、したがって、H7 hESCの細胞培養の好ましい実施の形態と考えられる。しかしながら、特定の細胞型の細胞培養の優先傾向に応じて、様々な細胞が、より大きいまたはより小さい接触角を有するベース材料上での細胞培養において生存しうる。さらには、PEO4スペーサ長を有する機能性ペプチドまたはペプチドメタクリレートは、PEO4スペーサを有しないものと比較して高いグラフト効率を生じる。その後、さらに効率的なペプチドグラフトを有し、したがって、より高いペプチド密度を有する表面は、4日間の培養にわたり、H7ヒト胚幹細胞(hESC)の細胞付着および拡散における顕著な改善を示すことができた。理論に縛られるわけではないが、親水性のベース表面およびPEO4スペーサを備えた機能性ペプチドは、ペプチドグラフト効率を推進し、よって、より高い細胞応答を引き出すように相乗的に作用するのかもしれない。マトリクスの界面における大量輸送は、メタクリレート機能性ペプチドのグラフトの間に効率的な拡散を可能にしうる一方で、ペプチド上におけるPEO4スペーサの包含は、リガンドのアクセス性の提供、および、ヒト胚幹細胞(hESC)の推測上の細胞接着および拡散の適切な方向性を可能にしうる。ベース材料の親水性の性質増大は、幾つかの発現に関与しうる:1)表面におけるメタクリレート機能性ペプチドの大量輸送が改善される;2)ベースマトリクスの意図的な不十分な硬化に由来する未反応のメタクリレートは、界面においてより可動的になり、よって、メタクリレートと接続するためのアクセス性が向上する; 3)これら表面の親水性の同調性に起因して、グラフトの促進のために少ない容量の溶液しか必要としない。親水性を与えるために行った、異なる化学を用いた追加の研究(提示せず)は、接触角の低下に伴ってグラフト効率が増大する傾向を示している。
図8は、対照表面MG(「Matrigel」)(図8A)、「Synthemax」(図8B)、およびグリセロールメタクリレートVN−PEO4−MAA(GLY−METH)上で4日間増殖させたH7ヒト胚幹細胞の顕微鏡写真を示している。図8は、本発明の細胞培養表面の実施の形態で培養されたH7 hESC細胞の形態が「Matrigel」および「Synthemax」に匹敵することを例証している。
図9は、HEMA表面に検出された酸素の結合エネルギーを示すXPSデータを示している。表面の上部2〜6nmの原子組成を表3および4に示す。光線または減圧による損傷の機会を最小限に抑えるため、データを迅速に回収する必要があったため、これらのデータは、45eVの低解像度の通過エネルギーを使用し、2種類の異なる走査領域のみを基礎として回収した。HEMA表面のXPS解析結果を表3に示す。
図10は、GLY−METH表面において検出された酸素の結合エネルギーを示すXPSデータを示している。XPS解析結果を表4に示す。
XPSは、より大きい接触角を有する表面(アクリレート化グリコール)がより大きい酸素含量を示したことを示唆した。GLYC-to-HEMAにおける酸素の比率は、35.2/19.6=1.78である。特に、GLYC−METH表面は、HEMA表面よりも高いC−Oピークを示した。これは、GLY−METH表面における、より多数のOH基の存在と一致する。XPSはまた、これら2つの表面が、酸素含有官能基をさまざまな比率で含むことを示した。グリセロール表面の高い酸素含量は、表面の酸素含有基の増大によって示され、酸素含有基の増大は、グラフトのためのメタクリレート機能性ペプチドの拡散を促進する、より高い表面エネルギーの(小さい/後退した)接触角の推進に関与する。
上述のように、機能化された細胞結合性ペプチドおよび細胞培養物品の実施の形態が開示される。当業者は、本明細書に開示される配列、組成、キット、物品および方法は、開示されている以外の実施の形態を用いて実施されうることを認識するであろう。開示された実施の形態は例示の目的で存在するのであって、限定の目的ではない。

Claims (6)

  1. 機能性ペプチドであって、
    細胞結合配列を含む細胞接着性ペプチド;
    アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイミド、フマレートおよびエポキシドまたは組合せからなる群より選択される、少なくとも1つの重合部分;および
    随意的に、ポリエチレンオキシドまたはXaanまたはその組合せを含むスペーサ部分であって、ここで、Xaaは、独立して、いずれかのアミノ酸であり、nは、0から3までの整数である、スペーサ部分;
    を有してなり、
    前記重合部分が、前記細胞接着性ペプチドまたは前記スペーサ部分に結合している、
    機能性ペプチド。
  2. 前記重合部分が、LysまたはArgアミノ酸の側鎖を通じて前記細胞接着性ペプチドまたは前記スペーサ部分に結合していることを特徴とする請求項1記載の機能性ペプチド。
  3. 前記細胞接着性ペプチドが、次の配列:

    KGGGQKCIVQTTSWSQCSKS(配列番号:1);

    GGGQKCIVQTTSWSQCSKS(配列番号:2);

    KYGLALERKDHSG(配列番号:3);

    YGLALERKDHSG(配列番号:4);

    KGGSINNNRWHSIYITRFGNMGS(配列番号:5);

    GGSINNNRWHSIYITRFGNMGS(配列番号:6);

    KGGTWYKIAFQRNRK(配列番号:7);

    GGTWYKIAFQRNRK(配列番号:8);

    KGGTSIKIRGTYSER(配列番号:9);

    GGTSIKIRGTYSER(配列番号:10);

    KYGTDIRVTLNRLNTF(配列番号:11);

    YGTDIRVTLNRLNTF(配列番号:12);

    KYGSETTVKYIFRLHE(配列番号:13);

    YGSETTVKYIFRLHE(配列番号:14);

    KYGKAFDITYVRLKF(配列番号:15);

    YGKAFDITYVRLKF(配列番号:16);

    KYGAASIKVAVSADR(配列番号:17);

    YGAASIKVAVSADR(配列番号:18);

    KGGNGEPRGDTYRAY(配列番号:19);

    GNGEPRGDTYRAY(配列番号:20);

    CGGNGEPRGDTRAY(配列番号:21);

    GGNGEPRGDTRAY(配列番号:22);

    KYGRKRLQVQLSIRT(配列番号:23);

    YGRKRLQVQLSIRT(配列番号:24);

    KGGRNIAEIIKDI(配列番号:25);

    GGRNIAEIIKDI(配列番号:26);

    KGGPQVTRGDVFTMP(配列番号:27);

    GGPQVTRGDVFTMP(配列番号:28);

    GRGDSPK(配列番号:29);

    KGGAVTGRGDSPASS(配列番号:30);

    GGAVTGRGDSPASS(配列番号:31)または

    YaalPQVTRGNVFTMP(配列番号:32)

    を含むことを特徴とする請求項1記載の機能性ペプチド。
  4. 前記細胞接着性ペプチドが、KGGPQVTRGDVFTMP(配列番号:27)またはGGPQVTRGDVFTMP(配列番号:28)を含むことを特徴とする請求項1記載の機能性ペプチド。
  5. 前記重合部分がアクリレートまたはメタクリレートを含むことを特徴とする請求項1記載の機能性ペプチド。
  6. XaaがLysを含み、n=1であることを特徴とする請求項1記載の機能性ペプチド。
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