JP2013258853A - 太陽光発電における発電量予測方法及び装置 - Google Patents

太陽光発電における発電量予測方法及び装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2013258853A
JP2013258853A JP2012134076A JP2012134076A JP2013258853A JP 2013258853 A JP2013258853 A JP 2013258853A JP 2012134076 A JP2012134076 A JP 2012134076A JP 2012134076 A JP2012134076 A JP 2012134076A JP 2013258853 A JP2013258853 A JP 2013258853A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power generation
amount
solar
solar radiation
hourly
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012134076A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5308560B1 (ja
Inventor
Tetsuo Ozaki
哲男 尾崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DENRYOKU SYSTEMS INST Ltd
DENRYOKU SYSTEMS INSTITUTE Ltd
Original Assignee
DENRYOKU SYSTEMS INST Ltd
DENRYOKU SYSTEMS INSTITUTE Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by DENRYOKU SYSTEMS INST Ltd, DENRYOKU SYSTEMS INSTITUTE Ltd filed Critical DENRYOKU SYSTEMS INST Ltd
Priority to JP2012134076A priority Critical patent/JP5308560B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5308560B1 publication Critical patent/JP5308560B1/ja
Publication of JP2013258853A publication Critical patent/JP2013258853A/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/56Power conversion systems, e.g. maximum power point trackers
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E40/00Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
    • Y02E40/70Smart grids as climate change mitigation technology in the energy generation sector
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y04INFORMATION OR COMMUNICATION TECHNOLOGIES HAVING AN IMPACT ON OTHER TECHNOLOGY AREAS
    • Y04SSYSTEMS INTEGRATING TECHNOLOGIES RELATED TO POWER NETWORK OPERATION, COMMUNICATION OR INFORMATION TECHNOLOGIES FOR IMPROVING THE ELECTRICAL POWER GENERATION, TRANSMISSION, DISTRIBUTION, MANAGEMENT OR USAGE, i.e. SMART GRIDS
    • Y04S10/00Systems supporting electrical power generation, transmission or distribution
    • Y04S10/12Monitoring or controlling equipment for energy generation units, e.g. distributed energy generation [DER] or load-side generation
    • Y04S10/123Monitoring or controlling equipment for energy generation units, e.g. distributed energy generation [DER] or load-side generation the energy generation units being or involving renewable energy sources

Landscapes

  • Photovoltaic Devices (AREA)
  • Remote Monitoring And Control Of Power-Distribution Networks (AREA)
  • Supply And Distribution Of Alternating Current (AREA)

Abstract

【課題】 日照強度(日射量)や気温、発電量をリアルタイムで実測することなく、太陽光発電における発電量の予測を高精度に行うことができる、太陽光発電における発電量予測方法を提供する。
【解決手段】 太陽光発電装置60の発電実績から、太陽光発電装置60に固有の発電効率パターンと、その発電効率パターンを表示する近似式を求めておき、太陽光発電装置60の設置場所において、日の出から日没までの時間別全天日射量Sを求め、その時間別全天日射量Sで発電時まで累積させたとして、累積全天日射量Xを算出する。そして、累積全天日射量Xから、太陽光発電装置60の発電効率パターンを表す近似式を用いて、太陽光発電装置60の発電効率Yを求める。こうして得られた発電効率Yを、発電時の予想気温で補正してから、時間別発電量(Z)=最大出力(Mx)×時間別全天日射量(S)×時間別発電効率(Y0)より時間別発電量(Z)を求める。
【選択図】 図3

Description

本発明は、太陽光発電における発電量予測方法及び装置に関し、さらに言えば、日照強度(日射量)や気温、発電量の実測をすることなく、太陽光発電における発電量の予測を高精度に行うことができる、太陽光発電における発電量予測方法及び装置に関する。
近年、大気中の二酸化炭素の急増が地球温暖化や異常気象を招来しているとの観点から、自然エネルギーを利用した発電技術の開発が多方面で進められている。太陽光発電は、そのうちの一つであり、太陽電池パネルによる光起電力効果を利用して、太陽電池パネルに照射された太陽光エネルギーを直接的に電気エネルギーに変換するものである。太陽光発電は、他の自然エネルギー利用の発電技術よりも費用対効果が高いことから、学校、工場、一般家庭等に広範に普及しつつある。
ところで、太陽光発電における一つの問題は、発電量が天候によって左右され、不安定なことである。今後、太陽光発電が広く普及し、その一部が売電などにより電力幹線に流れ込むようになると、太陽光発電の発電量の不安定さはいっそう大きな問題となる。このため、以前から、多くの発電量予測方法が提案されてきた。
例えば、特許文献1(特開2011−142790号公報)に記載の「太陽光発電量予測システム」では、地域ごとの気温、日射量の予報値と実績値および電力系統の電力量の各データを収集し、収集した各データのうち、異なる複数の日について略同一時刻の気温と日射量実績値と電力量とを用いて、気温と日射量実績値を説明変数とし、電力量を目的変数としたときの回帰係数を一または複数の地域ごとに算出する。算出した地域ごとの回帰係数、および日射量予報値から、太陽光発電量の予測値を地域ごとに算出する。
特許文献2(特開2011−087372号公報)の「太陽光発電システムの発電量予測装置」では、太陽光発電システムの現在発電量を測定し、その測定値に基づいて現時点の現在傾斜面日射量を算出した後、その現在傾斜面日射量から推定遮蔽率を算出する。そして、その推定遮蔽率と、太陽光発電システムの設置地域の気象統計データとに基づいて発電量を予測する。
特許文献3(特開2011−163973号公報)の「太陽光発電量推定装置」では、複数の消費者が設置した既設太陽光発電設備による過去の発電量情報を、各消費者別且つ単位時間帯別に記録する一方、既設太陽光発電設備の所在地が同一区域にある複数の消費者(既設太陽光発電設備)につき、指定された単位時間帯における発電量情報に基づいて重回帰分析を行う。重回帰分析から導出される偏回帰係数を用いることで、当該区域の当該時間帯における水平面直達日射量と水平面散乱日射量を決定し、それらに基づいて当該区域の当該時間帯における発電量を予測する。
特開2011−142790号公報 特開2011−087372号公報 特開2011−163973号公報
しかし、上述した特許文献1の太陽光発電量予測システムは、気温、日射量および電力量といった各データをリアルタイムで収集するから、リアルタイムに実測結果情報を伝送する必要がある。このため、伝送関連の緒設備が必要であるという難点がある。
特許文献2の「太陽光発電システムの発電量予測装置」では、発電量予測に太陽光発電システムの設置地域の気象統計データを使用するので、日本全国での発電量予測をするのは現実的でないという難点がある。
特許文献3の「太陽光発電量推定装置」では、過去の発電量情報を統計的手法(回帰分析)を使用して分析することで、日射量の実測を行うことなく指定された場所での発電量を予測することはできるが、発電所別/時間別に発電量を予測することはできないし、天気予報情報や天気実績情報の利用は考えられていない。
本発明は、上述した従来技術の持つ難点を考慮してなされたものであり、その目的とするところは、日照強度(日射量)や気温、発電量をリアルタイムで実測することなく、太陽光発電装置別、時間帯別に、太陽光発電における発電量の予測を高精度に行うことができる、太陽光発電における発電量予測方法及び装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、天気予報の変更があっても迅速且つ容易に対応できる、太陽光発電における発電量予測方法及び装置を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、太陽光発電装置の故障の発見、出力抑制の有無の判断を容易に行うことができる、太陽光発電における発電量予測方法及び装置を提供することにある。
ここに明記しない本発明の他の目的は、以下の説明及び添付図面から明らかである。
(1) 本発明の第1の観点による太陽光発電における発電量予測方法は、
太陽光発電装置の所望の発電時における発電量を予測する方法であって、
前記太陽光発電装置の発電実績から、累積日射量と時間別発電効率の間の相関関係を示す、当該太陽光発電装置に固有の発電効率パターンと、その発電効率パターンを表わす近似式とを求め、
前記太陽光発電装置の設置場所における日の出から日没までの時間別全天日射量を、当該設置場所の大気透過率の実績値を用いて求め、
前記設置場所での過去の天気実績から、湿度と日照率の相関関係を表す天気関数を求めると共に、その天気関数を用いて日照補正率を求め、その日照補正率を用いて前記大気透過率が雲や湿度によって減衰する影響を調整し、
前記太陽光発電装置に前記時間別全天日射量で日射量を累積させたと仮定して、累積全天日射量を算出し、
前記発電効率パターンを表す前記近似式を用いて、前記累積全天日射量から前記太陽光発電装置の時間別発電効率を求め、
前記時間別発電効率を、前記発電効率パターンを求めた時の基準気温と、前記発電時の予想気温との差に対応する補正係数で補正することにより、補正済み時間別発電効率を求め、
前記補正済み時間別発電効率に、前記時間別全天日射量と前記太陽光発電装置の最大出力とを乗算することにより、前記太陽光発電装置の時間別発電量を得ることを特徴とするものである。
本発明の第1の観点による太陽光発電における発電量予測方法では、まず、対象となる太陽光発電装置の発電実績から、累積日射量と時間別発電効率の間の相関関係を示す、当該太陽光発電装置に固有の発電効率パターンと、その発電効率パターンを表わす近似式とを求める一方、前記太陽光発電装置の設置場所における日の出から日没までの時間別全天日射量を、当該設置場所の大気透過率の実績値を用いて求める。また、前記大気透過率が雲や湿度によって減衰する影響を、前記設置場所での過去の天気実績から求めた前記天気関数を用いて求めた前記日照補正率で調整する。そして、前記発電効率パターンを表す前記近似式を用いて、前記累積全天日射量から前記太陽光発電装置の時間別発電効率を求め、その時間別発電効率を用いて前記太陽光発電装置の時間別発電量を得る。
このように、前記太陽光発電装置の発電実績と、前記太陽光発電装置の設置場所での大気透過率の実績値と、前記設置場所での過去の天気実績から求めた前記天気関数が判明すれば、前記太陽光発電装置の時間別発電量を算出することが可能である。よって、日照強度(日射量)や気温、発電量をリアルタイムで実測することが不要である。
しかも、前記太陽光発電装置の発電実績と、前記太陽光発電装置の設置場所での大気透過率の実績値と、前記設置場所での過去の天気実績から求めた前記天気関数を使用するので、高精度な発電量予測(電気事業者(例えば電力会社)の毎日の運用に使用できる程度の高い信頼度を持つ)が可能となる。
さらに、前記発電効率パターンは前記太陽光発電装置に固有のものであり、しかも、得られるのは時間別発電量であるから、太陽光発電装置別、時間帯別に、太陽光発電における発電量の予測を行うことができる。
さらに、天気予報に応じて前記天気関数を入れ替えることが容易なので、天気予報の変更があっても迅速且つ容易に対応できる。天気予報に代えて天気実績を使用すれば、太陽光発電装置の故障の発見、出力抑制の有無の判断を容易に行うことができる。
(2) 本発明の太陽光発電における発電量予測方法の好ましい例では、前記大気透過率が、観測実績の南中時全天日射量と一致するように調整される。
(3) 本発明の太陽光発電における発電量予測方法の他の好ましい例では、前記時間別全天日射量を求める際に、時間を1分ずつ進めながら60回計算し、その結果を加算してから(1/60)にして、1時間分の日射量とする。
(4) 本発明の太陽光発電における発電量予測方法のさらに他の好ましい例では、前記設置場所での天気予報に応じて前記天気関数が入れ替えられる。
(5) 本発明の太陽光発電における発電量予測方法のさらに他の好ましい例では、前記太陽光発電装置の将来の時間別発電量を計算する場合は、天気予報を用いて前記天気関数が入れ替えられ、前記太陽光発電装置の過去の時間別発電量を計算する場合は、天気実績を用いて前記天気関数が入れ替えられる。
(6) 本発明の第2の観点による太陽光発電における発電量予測装置は、
太陽光発電装置の所望の発電時における発電量を予測する装置であって、
前記太陽光発電装置の発電実績から、累積日射量と時間別発電効率の間の相関関係を示す、当該太陽光発電装置に固有の発電効率パターンと、その発電効率パターンを表わす近似式とを求める手段と、
前記太陽光発電装置の設置場所における大気透過率の実績値を求める手段と、
前記設置場所での過去の天気実績から、湿度と日照率の相関関係を表す天気関数を求める手段とを備え、
前記太陽光発電装置の設置場所における日の出から日没までの時間別全天日射量を、前記大気透過率の実績値を用いて求め、
前記天気関数を用いて日照補正率を求め、その日照補正率を用いて前記大気透過率が雲や湿度によって減衰する影響を調整し、
前記太陽光発電装置に前記時間別全天日射量で日射量を累積させたと仮定して、累積全天日射量を算出し、
前記発電効率パターンを表す前記近似式を用いて、前記累積全天日射量から前記太陽光発電装置の時間別発電効率を求め、
前記時間別発電効率を、前記発電効率パターンを求めた時の基準気温と、前記発電時の予想気温との差に対応する補正係数で補正することにより、補正済み時間別発電効率を求め、
前記補正済み時間別発電効率に、前記時間別全天日射量と前記太陽光発電装置の最大出力とを乗算することにより、前記太陽光発電装置の時間別発電量を得ることを特徴とするものである。
本発明の第2の観点による太陽光発電における発電量予測装置では、本発明の第1の観点による太陽光発電における発電量予測方法の場合と同じ理由により、当該方法と同じ効果が得られる。
(7) 本発明の太陽光発電における発電量予測装置の好ましい例では、前記大気透過率が、観測実績の南中時全天日射量と一致するように調整される。
(8) 本発明の太陽光発電における発電量予測装置の他の好ましい例では、前記時間別全天日射量を求める際に、時間を1分ずつ進めながら60回計算し、その結果を加算してから(1/60)にして、1時間分の日射量とする。
(9) 本発明の太陽光発電における発電量予測装置のさらに他の好ましい例では、前記設置場所での天気予報に応じて前記天気関数が入れ替えられる。
(10) 本発明の太陽光発電における発電量予測装置のさらに他の好ましい例では、前記太陽光発電装置の将来の時間別発電量を計算する場合は、天気予報を用いて前記天気関数が入れ替えられ、前記太陽光発電装置の過去の時間別発電量を計算する場合は、天気実績を用いて前記天気関数が入れ替えられる。
本発明の太陽光発電における発電量予測方法及び装置によれば、(a)日照強度(日射量)や気温、発電量をリアルタイムで実測することなく、太陽光発電における発電量の予測を高精度に行うことができる、(b)天気予報の変更があっても迅速且つ容易に対応できる、(c)太陽光発電装置の故障の発見、出力抑制の有無の判断を容易に行うことができる、という効果が得られる。
本発明の第1実施形態に係る発電量予測装置の使用状態を示す概念図である。 本発明の第1実施形態に係る発電量予測装置の構成を示す機能ブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る発電量予測装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係る発電量予測装置の時間別全天日射量を計算する動作を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係る発電量予測装置の時間別全天日射量の計算プロセスを示す表である。 本発明の第1実施形態に係る発電量予測装置の時間別全天日射量の計算プロセスを示す表で、図5Aの続きである。 本発明の第1実施形態に係る発電量予測装置の時間別全天日射量の計算プロセスにおいて、積分間隔に起因する誤差の変化を示すグラフである。 本発明の第1実施形態に係る発電量予測装置の対象となる太陽光発電装置の発電効率パターンを示すグラフである。 (a)は各地の月別大気透過率の一例を示す表、(b)は気象庁の全天日射量実測データの一例を示す表である。 (a)は全天日射量実測データに大気透過率を合わせる手法を示すグラフ、(b)は名古屋の年間の大気透過率を示すグラフである (a)は1月28日の天気予報の一例を示す表、(b)は同日の天気予報を1時間毎に補正した表、(c)は算出された日照補正率を示す表である。 (a)は名古屋市の1月の晴れの天気関数を示すグラフ、(b)は名古屋市の1月の曇りの天気関数を示すグラフ、(c)は名古屋市の1月の雨の天気関数を示すグラフである。 晴れの天気関数と曇りの天気関数を合成して作成される晴曇合成関数を示すグラフである。 本発明の第1実施形態に係る発電量予測装置において、天気予報が外れた場合の対処方法を示す説明図である。 本発明の第1実施形態に係る発電量予測装置において、日照時間と全天日射量とが不一致の場合を示すグラフである。 屋根1、屋根2及び屋根3に太陽光発電装置が設置された場合の対応方法を示す説明図である。 本発明の第1実施形態に係る発電量予測装置において、日影障害物の対処方法を示す説明図である。 (a)は本発明の実施例1において使用される天気予報の抜粋を示す表、(b)はその補正後の天気予報を示す表である。 (a)は本発明の実施例1において算出された時間別日照率の例を示す表、(b)はその時間別日射量の例を示す表、(c)は日照率適応後の全天日射量を示す表、(d)は発電効率パターンの例を示すグラフである。 (a)は本発明の実施例1において算出された予測発電量(上限、平均、下限)を示す表、(b)はその予測発電量を示すグラフ、(c)は予測発電量と実績発電量との比較を示すグラフである。 (a)は本発明の実施例2において使用される天気実績を示す表、(b)はその補正後の天気実績を示す表、(c)は算出された全天日射量計算結果である。 本発明の実施例2において使用される晴れ、曇り及び雨の天気関数を示すグラフである。 本発明の実施例2において使用される発電効率パターンを示すグラフである。 (a)は本発明の実施例2において算出された発電量の計算結果を示す表、(b)は予測結果と実績との比較を示すグラフである。 (a)は本発明の実施例3において使用される屋根と障害物の位置関係を示す説明図、(b)はその屋根毎の発電量を示すグラフである。 (a)は本発明の実施例3において算出された屋根1の発電量を示す表、(b)はその屋根2の発電量を示す表、(c)はその屋根3の発電量を示す表である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る太陽光発電における発電量予測装置10の使用状態を示す概念図、図2は、その発電量予測装置10の構成を示す機能ブロック図である。
(発電量予測装置の構成)
図1に示すように、本実施形態の発電量予測装置10は、インターネット50を介して、太陽光発電装置60、発電や送配電を行う電気事業者(例えば電力会社)70、天気予報を提供する天気予報提供事業者80、過去の天気実績を提供する天気実績提供事業者90と接続されており、相互にデータ通信が可能である。図1では、説明を簡単にするために、接続された太陽光発電装置60、電気事業者(電力会社)70、天気予報提供事業者80、天気実績提供事業者90の数は、いずれも一つとされているが、これらの数は任意である。通常、太陽光発電装置60は多数であり、それらは日本全国に配置される。電気事業者(電力会社)70も複数であり、日本の各地域に分布する。天気予報提供事業者80と天気実績提供事業者90は、いずれも、単数でもよいし複数でもよい。
太陽光発電装置60は、家屋の屋根やビルの屋上等に設置された太陽光パネル(太陽光発電パネル)と、その太陽光パネルを制御する制御装置(例えばパワーコンディショナー)とを備えている。
発電量予測装置10の構成は、図2に示すようになっており、事前準備部20、情報保存部30、予測計算処理部40、予測発電量送信部45を備えている。
事前準備部20は、予測計算処理部40において発電量の予測計算をするのに必要な情報を事前に準備するセクションであり、ユーザー情報登録部21、天気関数作成登録部22、天気予報/天気実績観測所情報登録部23、大気透過率作成登録部24、日影障害物登録部25、発電効率パターン作成登録部26を備えている。
情報保存部30は、事前準備部20で準備された必要情報を保存するセクションであり、発電装置情報・座標/屋根情報保存部31、天気関数保存部32、観測所情報保存部33、大気透過率保存部34、日影障害物情報保存部35、発電効率パターン保存部36を備えている。
予測計算処理部40は、情報保存部30に保存されている各種情報と、外部の天気予報提供事業者80から提供される天気予報情報や、天気実績提供事業者90から提供される天気実績情報を用いて、太陽光発電装置60の発電量の予測計算を行うセクションであり、予測計算部41を備えている。
予測発電量送信部45は、予測計算処理部40で算出された予測発電量データを外部、すなわち太陽光発電装置60と電気事業者70に向けて送信するセクションである。
事前準備部20のユーザー情報登録部21は、事前に提供される、発電量予測装置10により提供される発電量予測サービスを利用するユーザーに関連する情報、例えばユーザーの住所(緯度・経度)、契約電気事業者名、電力需要家番号、太陽光発電装置60の機種、メーカー、最大出力等の情報や、太陽光発電装置60や太陽光パネルの面積や設置箇所の座標(緯度・経度)、太陽光発電装置60の太陽光パネルが設置された屋根ごとに向き(方位)や傾斜(勾配)等を登録する。登録されたこれらのユーザー情報は、情報保存部30の発電装置情報・座標/屋根情報登録部31に保存される。
事前準備部20の天気関数作成登録部22は、事前に、日本国内の各地域の天気関数を作成して登録する。登録された天気関数は、情報保存部30の天気関数保存部32に保存される。「天気関数」とは、過去の天気実績から求めた湿度と日照率の相関関係を表す近似式であり、地域別、月別、天気区分別に作成・登録される。「天気関数」は、本願発明者に係る特許第4848051号に開示されている。
事前準備部20の天気予報/天気実績観測所情報登録部23は、事前に、天気予報提供事業者80や天気実績提供事業者90が管理する天気予報観測所や天気実績観測所に関する情報(例えば、天気予報観測所や天気実績観測所の所在地とその座標など)を登録する。登録されたこれらの情報は、情報保存部30の観測所情報保存部33に保存される。
事前準備部20の大気透過率作成登録部24は、事前に、日本国内の各地域の大気透過率を作成して登録する。「大気透過率」は、各地域における過去の天気実績から求められ、地域別、時間帯別、天気区分別に作成・登録される。ここで作成・登録される大気透過率は、南中時点で日照率100%が数時間続き、全天日射量が最大となる日を選び、その日の南中時日射量が観測実績データの南中時全天日射量と一致するまで調整したものである。登録された大気透過率は、情報保存部30の大気透過率保存部34に保存される。
事前準備部20の日影障害物登録部25は、事前に、各ユーザーの太陽光発電装置60に存在する日影障害物についての情報(例えば、日影障害物の大きさと数、位置、角度、形状など)を登録する。登録された日影障害物は、情報保存部30の日影障害物情報保存部35に保存される。
事前準備部20の発電効率パターン作成登録部26は、事前に、各ユーザーの太陽光発電装置60の発電効率パターンを作成して登録する。登録された発電効率パターンは、情報保存部30の発電効率パターン保存部36に保存される。「発電効率パターン」とは、太陽光発電装置60の累積日射量と時間別発電効率の間の相関関係を表すパターンであるが、その相関関係(パターン)を表す近似式として作成され、保存される。
予測計算処理部40の予測計算部41は、情報保存部30に保存されている各種情報と、天気予報提供事業者80や天気実績提供事業者90から提供される天気予報情報や天気実績情報とを取り込んで、所定の予測計算プロセスを実行し、予測発電量を算出する。
所定の予測計算プロセスを実行することで予測計算部41で得られた計算結果は、予測発電量送信部45に送られる。予測発電量送信部45は、インターネット50を介して、ユーザーすなわち太陽光発電装置60や電気事業者70に向けてその計算結果を送信する。その時、希望に応じて、ユーザー(太陽光発電装置60)別、電気事業者70(例えば電力会社)別に、表示形態を変えて計算結果を表示するようにする。
多くの公開された特許文献では、太陽光パネルの発電量と気温との関係式(温度特性)が提案され、使用されているが、本発明ではそのような関係式は使用されていない。専門的知識を持たなくても、太陽光パネル(太陽光発電装置60)の「発電実績」さえ知っていれば、その発電量を予測できるようにするためである。本発明は、太陽光パネル(太陽光発電装置60)の温度特性の如何に関わらず適用が可能である。
(発電効率と発電効率パターンについて)
本実施形態に係る発電量予測装置10の一つの特徴は、発電量予測に、対象としている太陽光発電装置60の太陽光パネルの単位面積当たりの時間別発電効率(%)と、その時間別発電効率の全天日射量の蓄積量(累積日射量)に対する変化状況を示す発電効率パターンを使用することである。そこで、発電量予測方法を述べる前に、この時間別発電効率と発電効率パターンについて説明する。
なお、時間別発電効率、時間別実発電量、時間別全天日射量等の言葉は、いずれも、太陽光パネルの単位面積当たりの量を示しているので、以下の説明では、「単位面積当たり」という言葉を省略することにする。また、「時間別」とは、所定の時間単位であれば足り、1時間単位でも、30分または10分等の単位でもよく、必要に応じて任意に決定できる。
本実施形態では、太陽光発電装置60の太陽光パネルの時間別発電効率を
時間別発電効率 = 時間別実発電量(時間別発電実績) ÷
(最大出力 × 時間別全天日射量) (1)
と定義する。
(1)式において、「時間別実発電量(時間別発電実績)」は、対象としている太陽光パネルの過去の発電実績から容易に求められる。「最大出力」は、対象としている太陽光パネル(太陽光発電装置60)の仕様から決まる。「時間別全天日射量」は、時間別大気外全天日射量から求めることができる。よって、対象としている太陽光発電装置60の太陽光パネルの時間別発電効率は、(1)式を用いれば、容易に得られることになる。算出された時間別発電効率の全天日射量の蓄積量(累積日射量)に対する変化パターンが、太陽光パネル(太陽光発電装置60)の発電効率パターンである。
対象としている太陽光発電装置60が太陽光パネルを二つ以上有している場合は、その中から一つの太陽光パネルを選び、その時間別発電効率の変化パターンが、そのまま太陽光発電装置60の発電効率パターンとなる。
発電効率パターンを求める際に使用する時間別実発電量(時間別発電実績)としては、日照率が一日中最大値に近かった日(これを「パターン作成基準日」という)を選び、太陽光パネル(太陽光発電装置60)のその日の発電実績を時間別に取得する。そして、得られた時間別実発電量から、日の出から日没までの時間別発電効率を求めればよい。
こうして求めた時間別発電効率をグラフ化すると、図6(a)〜(d)のようになる。これらの図において、棒グラフが時間別実発電量(時間別発電実績)を示し、折れ線グラフが時間別発電効率を示している。同図から分かるように、時間別発電効率は、時刻に応じて種々の値を取っており、時間と共に様々な動き(変化)をしている。時間別発電効率の変化状況である「発電効率パターン」は、季節や気温、地域、太陽光パネル(太陽光発電装置60)の機種に応じて様々であるが、この変化状況は、太陽光パネルの素材や、発電による発熱量や、気温によって異なってくることが分かっている。なお、太陽光パネルでの発電による発熱量は、天気の影響で発電開始が遅くなったり、途中の雨で中断したりするので、発電効率パターンを時間との関係で表現することはできない。
太陽光発電の場合、太陽光パネルの発電量に比例して熱が発生するが、一度発生した熱は、すぐには消えずに太陽光パネルに蓄積される。蓄積された熱は、次の発電に影響を与える。そこで、太陽光パネルへの熱の蓄積を全天日射量の蓄積で表現することを考える。つまり、ある時刻における発電効率は、日の出(日射の開始)からその時刻までに太陽光パネルに蓄積された全天日射量の蓄積に等しいとみなすのである。そして、太陽光パネルに蓄積される時間別全天日射量と、その太陽光パネルの時間別発電効率との関係を、日の出からその時刻まで集計し、時間別全天日射量と時間別発電効率との相関関係(つまり発電効率パターン)を表す近似式としてのm次多項式を求める。
すると、図6(e)〜(g)のようなグラフが得られる。これらのグラフは、発電効率パターンを示しており、そのX軸(横軸)は単位面積当たりの全天日射量の蓄積量(累積日射量)、そのY軸(縦軸)は発電効率である。X軸(横軸)は時間ではないので、発電効率を求める単位は、5分単位や10分単位など自由に設定できる。
全天日射量の蓄積量(累積日射量)と発電効率との相関関係(発電効率パターン)を表すm次多項式の近似式は、例えば、4次の場合、
Y = a+a+a+aX+a
と表現することができる(ただし、a、a、a、a、aは定数である)。この時、相関関係を表す最適な次元を求めればよい。最高6次まで可能である。
こうして得た発電効率パターンを表す近似式と、パターン作成基準日の気温変化リストである「時間別基準気温表」は、一対にして保存される。そして、発電量予測計算に使用される。
発電効率パターンを表す近似式と時間別基準気温表は、太陽光パネル(太陽光発電装置60)に固有のものとして、事前に、事前準備部20の発電効率パターン作成登録部26が作成し、情報保存部30の発電効率パターン保存部36に保存される。
この方式を使えば、全天日射量の蓄積量(累積日射量)を求めることができれば、その蓄積量に対応した時間的発電効率を算出することができるので、雲や雨の関係で発電開始が遅くなったり、発電途中で急激に雨が降って発電が停止したりしても、発電量予測に問題が生じない、という利点がある。
上述した発電効率パターンについては、X軸の全天日射量の蓄積量(累積日射量)が、日照時間の一番長い夏至の頃と、日照時間が一番短い冬至の頃では、倍の違いがあり、したがって近似式も大きく異なる。このため、一つの太陽光パネルについて、例えば、次のような複数の発電効率パターンが存在する。
・夏至パターン=一日の日照時間が一番長い6月22日の夏至の頃を中心としたパターンで、使用期間は5月7日〜8月6日とする。
・冬至パターン=一日の日照時間が一番短い12月22日の冬至の頃を中心としたパターンで、使用期間は11月7日〜2月6日とする。
・春秋分パターン=昼と夜の時間がほぼ同じである春分・秋分の頃を中心としたパターンで、使用期間は2月7日〜5月6日(3月20日の春分の頃)と、8月7日〜11月6日(9月20日の秋分の頃)とする。
発電効率パターンは、太陽光パネルに固有のものとして作成することができるので、太陽光発電パネル(ひいては太陽光発電装置60)は、メーカー別、機種ごとに、固有の発電効率パターンを持つことになる。
発電効率パターンは、上述したものに限定されることはなく、種々の形で拡張することもできる。例えば、地域や月(季節)の変化を考慮して、地域別や月別などにまで拡張することもできるし、図6(h)のグラフのように、一つの発電効率パターンを午前と午後の二つに分けることもできる。発電効率パターンを午前と午後の二つに分けると、午後のパターンが午前のパターンの影響を受け難くなるというメリットがある。
(発電効率を用いた発電量計算について)
上述した時間別発電効率は、予測発電量を計算する際には、次のようにして使用される。
まず、日の出から日没までの時間別全天日射量を求める。次に、日の出から希望する時刻(m時)までの間に蓄積される全天日射量(累積日射量)を求める。そして、該当する発電効率パターンから、各時刻までの累積日射量に対応する時間別発電効率を読み出す。読み出された時間別発電効率を、発電時の予想気温で補正し、時間別発電効率(補正後)を得る。最後に、その時間別発電効率(補正後)に、時間別全天日射量(累積日射量ではない)と太陽光パネルの最大出力とを乗算することで、所望の時間別発電量が得られる。これを数式で表すと、次のようになる。
すなわち、日の出から希望する時刻(m時)までの間に蓄積される全天日射量(累積日射量)をXとし、累積日射量Xに相当する時間別発電効率をY、時間別発電効率Yを発電時の予想気温で補正した時間別発電効率(補正後)をKとする。また、発電効率パターンのパターン作成基準日(日照率が一日中最大値に近かった日)のm時における気温をTa、発電日の同時刻の予想気温をTb、補正係数をcとすると、時間別発電効率(補正後)Kは、次の(2)式で表される。
K = Y + (Ta−Tb)×c (2)
補正係数cには、パターン作成基準日の気温Taと発電日の予想気温Tbとの差だけでなく、太陽光発電の地域性または季節性を組み込むことが可能である。
発電日の時間別発電量(予測発電量)をZ、太陽光パネル(太陽光発電装置60)の最大出力をMx、時間別全天日射量をSとすると、こうして算出される時間別発電効率(補正後)Kから、次の(3)式によって、発電日の時間別発電量をZを計算することができる。
Z = Mx × S × K (3)
ここで、時間別全天日射量Sは、累積値ではなく、各時間の全天日射量であることに注意が必要である。
(大気透過率について)
本実施形態に係る発電量予測装置10では、時間別全天日射量を計算する際に、各地域において、南中時点で日照率100%が数時間続き、全天日射量が最大となる日を選び、その日の南中時日射量が観測実績データの南中時全天日射量と一致するまで調整した大気透過率を使用する。その理由について、ここで説明する。
理科年表(国立天文台編)に掲載されている大気透過率(12時)は、14地点について、1971年から2000年までの月最大値の平均値および月別平均値だけである。このため、この大気透過率には三つの問題点がある。
一つ目の問題は、対象地点が14ヶ所しかないこと、二つ目の問題は、10年前から40年前までの平均値であるため、最近の異常気象などが反映されていないことである。三つ目の問題は、一つの地区の大気透過率は、月毎に連続して少しずつ変化しているのに、月毎に一種類の透過率しか使用できないことである。このため、月毎に1種類の透過率が設定されていることになり、月の変わり目で全天日射量が急変する、ということになる。
これら三つの問題を解決するため、本実施形態では、日本全国を出来るだけ小さな地域、例えば50地域に分割し、さらに、分割された地域別に、一月を10日(旬)毎に分けて大気透過率を設定している。大気透過率のこのような測定データは、容易に入手可能である。すなわち、気象業務法及び気象測器検定規則により、公共的な気象観測検定に合格した電気式日射計で実測した全天日射量を提供している業者、例えば、気象庁や民間天気事業者、携帯電話業者が、全国各地の測定データを提供しているからである(図7Aを参照)。
しかし、これらの業者がその測定に用いる電気式日射計は、太陽軌道を追いかけながら測定しているので、太陽光発電に使用されている平面的な太陽光パネルよりも、日射を多く吸収する構造になっている。よって、この点を考慮して修正してから使用する必要がある。
本実施形態では、日別・時間別に全天日射量と日照時間が測定されているデータを使用し、全国各地を月3回に分けて大気透過率を設定している。つまり、まず、対象地域の各旬の中から、南中時点で日照率100%が数時間続き、全天日射量が最大となる日を選ぶ。次に、その日付と観測地点の緯度・経度を所定の計算式に代入し、計算結果の南中時日射量が観測実績データの南中時全天日射量と一致するまで、大気透過率を調整する(図7B(a)のグラフを参照)。時間別全天日射量は、こうして調整した大気透過率を使用して計算する。その一例として、こうして作成した名古屋の年間の大気透過率が、図7B(b)に示してある。
大気透過率は、季節性が強く、同じ月であれば2〜3年間はほぼ同じ値になることが、調査結果から分かっている。したがって、月を3分割した10日間に最大値が見つからないこともあり得るが、その時は、前年同月でなくても、前々年同月の中から最大になる日を選んでもよい。そうしても、同じ結果が得られるからである。
(発電量予測装置での発電量予測方法)
次に、図3及び図4を参照しながら、本実施形態に係る発電量予測装置10の発電量予測方法について説明する。以下の各ステップは、予測計算処理部40の予測計算部41が実行する。
図3において、まず、ステップS1では、発電量を予測する日、すなわち「発電日」のデータ(年月日)を取得する。発電日データは、通常、太陽光発電装置60のユーザーから入力されたものを使用するが、発電量予測装置10から直接入力されたものを使用してもよい。また、併せて、「発電場所」、つまり、発電量予測の対象となっている太陽光発電装置60の設置場所の座標データを、情報保存部30の発電装置情報・座標/屋根情報保存部31から読み出す。例えば、太陽光発電装置60の太陽光パネルが設置されている屋根の位置や方位や角度等を読み出す。
ステップS2では、ステップS1で認識した発電日が、発電量予測を行う当日(予測当日)より以前(過去)がどうかを判定する。発電日が予測当日より以前の日であれば(YES)、ステップS10に飛ぶ。ステップS10では、観測所情報保存部33から発電場所の最寄りの観測所を読み出し、その観測所から発電場所の天気実績を取得する。そして、ステップS11に進み、取得した天気実績の天気と実湿度から、発電日の日照補正率を算出する。その後、ステップS5〜S9を実行する。
ステップS2により明らかなように、ステップS10〜S11は、発電日が予測当日より以前である場合の処理であるから、将来の発電量を予測する処理ではない。これらのステップは、太陽光発電装置60に故障があるかどうか、また、太陽光発電装置60の出力抑制が有ったかどうかの判断をするためのものである。将来の発電量を予測する通常の場合は、ステップS3〜S9が実行される。
ステップS2で、ステップS1で認識した発電日が、予測当日より以前でないときは(NO)、ステップS3に進む。ステップS3では、観測所情報保存部33から発電場所の最寄りの観測所を読み出し、その観測所から発電場所の翌日(及びそれ以降)の天気予報を取得する。天気予報は、例えば、一日に3回、例えば6時、11時、18時に取得する。その後、ステップS4に進む。
ステップS4では、天気関数保存部32に保存されている、発電場所と発電日に対応する「天気関数」を取り出し、また、取得した天気予報から、発電日の予想天気と予想湿度を取り出してその天気関数に入力し、発電日の時間別の日照補正率を算出する。
「天気関数」は、過去の天気実績から求めた、地域別、月別、天気区分別に、湿度と日照率の相関関係を表す近似式である(特許第4848051号参照)。「日照補正率」は、後に時間別全天日射量を補正するためのものである。すなわち、次のステップS5では時間別全天日射量が計算されるが、その際には、計算を簡略化するために、発電日と発電場所に対応する大気透過率の調整値が一律に使用され、発電日の雲や湿度に起因する日射量の減衰が考慮されない。そこで、ステップS5で計算した時間別全天日射量に雲や湿度に起因する日射量の減衰を反映させるために、ここで日照補正率を用意しておくのである(図4のステップS23を参照)。
「天気関数」は、地域別、月別および天気区分別に事前に作成しておく。天気区分には、「晴れ」「曇り」「雨」の3種類があり、それぞれは湿度と日照率の相関関係を近似式として表現している。また、信頼区間を設定し、上限、下限、平均の近似式を設定することも可能である。「晴れ」と「曇り」を合わせて一つの関数にすることも可能である。
図8Bは、名古屋地区のある年の1月の天気関数で、それぞれが「晴れ」と「曇り」および「雨」の関数で、信頼度区間を設定し、その区間の上限、下限地、平均が算出できるように設定されている。
天気予報から発電量を予測するためには、湿度予報のある予報の中から当該地区に最も近い地域の予報を取得する。天気予報は通常、3時間おきの予測値が表示されているが、1時間毎に予測するために、その天気予報を1時間毎のものに補正する。この補正は、n時の天気を(n−1)時と(n+1)時にそれぞれセットし、「湿度」と「気温」は、n時の値をa、(n+3)時の値をbとした場合、(n+1)時は(1/3)(b+2a)、(n+2)時の値は(1/3)(2b+a)と補正される。実際、図8A(a)の天気予報の表を補正すると、図8A(b)のようになる。
こうして1時間毎のものに補正された天気予報から、時間別に、天気関数を適用して日照補正率(時間別日照補正率)を求める。上限、下限がある場合は、平均の場合と同様に、それぞれの天気関数に湿度を入力して、時間別日照補正率を算出する。算出結果は図8A(c)のようになる。
続くステップS5では、発電日と発電場所における時間別全天日射量を計算する。このステップでは、大気透過率保存部34に保存されている、発電日と発電場所に対応する大気透過率が読み出されて使用される。この大気透過率としては、上述したように、全ての時間に対して、発電場所において以前、天気事業者が観測した日射強度の一番強い時間帯である南中時に一致する大気透過率を、所定方法で調整したものが使用されている。そして、雲や湿度の影響によって生じる南中時の日射量の減衰は、ステップS23において、先のステップS4で天気関数から算出した「日照補正率」を用いて補正するようにしている。
続くステップS6では、日影障害物情報保存部35に保存されている、発電場所の日影障害物情報を読み出し、発電量予測の対象となっている太陽光発電装置60の太陽光パネルへの太陽光の照射の障害になる全ての障害物に対して、日影処理を行う。つまり、すべての日影障害物による日射量の減衰量を計算するのである。これは、太陽光パネルの周辺にある障害物により、太陽光パネルに日影が生じ、太陽光パネルへの太陽光の照射量が減衰することを考慮するためである。
続くステップS7では、ステップS6で得られた、太陽光パネルの周辺にある障害物による日射量の減衰量を考慮して、ステップS5で算出した時間別全天日射量を補正する。
続くステップS8では、発電効率パターン保存部36から、太陽光パネルの発電効率パターンに対応する近似式(図6(e)〜(g)のグラフ参照)を読み出し、これにステップS7で得た日射量減衰補正後の時間別全天日射量を適用して、時間別発電効率を計算する。この時、通常は、発電効率パターン作成時の基準気温と、発電日の予想気温との間に差があるので、その差に応じて時間別発電効率を補正する。そして、補正後の時間別発電効率に各時間に対応する全天日射量(累積日射量ではない)と最大出力を乗じて、時間別発電量を得る。つまり、上記(2)式と(3)式を用いて時間別発電量を求めるのである。
こうして得られた時間別発電量をグラフにすると、発電日における予測発電量が時間毎に得られる。
なお、上記ステップS3〜S9は、一つの屋根に設置された太陽光パネルに対して実行されるものであり、得られる結果は、一つの屋根に設置された太陽光パネルについての時間別発電量である。したがって、一つの太陽光発電装置60について太陽光パネルが複数の屋根に設置されている場合は、それら全ての太陽光パネルについて同様にして時間別発電量を計算する。そして、得られた全ての太陽光パネルによる時間別発電量を合計する。こうして、発電量予測の対象となった太陽光発電装置60全体の予測時間別発電量が得られる。
上述したステップS2で、発電日が予測当日より以前(過去)であると判断されると、ステップS10に飛ぶが、ステップS10では、観測所情報保存部33から発電場所の最寄りの観測所を読み出し、その観測所から発電場所の天気実績を、例えば10分間隔で取得する。そして、ステップS11に進み、取得した天気実績の天気と実湿度から、発電日の日照補正率を算出する。その後は、発電日が予測当日より以前でない場合(ステップS3〜S4)と同様に、ステップS5〜S9を実行し、予測当日より前の発電日における予測発電量を得る。
こうして得られた予測発電量を実際の発電量と比較した結果、両者の差異がかなり大きいことが分かった場合は、太陽光発電装置60に故障がある可能性が高いので、点検をする必要がある。故障でなかった場合は、太陽光発電装置60の出力抑制が発生した場合があるので、検討が必要である。
以上で発電量予測計算のプロセスは終了である。
(時間別全天日射量の計算方法)
次に、図3のステップS5において実行される、発電日、発電場所の時間別全天日射量の計算方法を、図4を参照しながら詳細に説明する。
図4において、最初のステップS21では、発電日、発電場所の時間別大気外全天日射量を計算する。この計算は1分毎に行う。この計算は、次のように、公知の方法で行うことができる。
一般に、求める地点の緯度、経度と、任意の日の任意の時間の太陽方位ψ、高度αは、それぞれ、太陽赤緯δ、緯度φ、時角hの値を使用して、次の(4)式と(5)式でそれぞれ与えられる。
α=arcsin{sin(φ)sin(δ) +
cos(φ)cos(δ)cos(h)} (4)
ψ=arctan[cos(φ)cos(δ)sin(h)/
{sin(φ)sin(α)−sin(δ)}] (5)
ここで、時角hは、標準時間JSTの関数として次の(6)式で与えられる。
時角h=(JST−12)π/12
+ 標準子午線からの経度差 + 均時差(Eq) (6)
均時差(Eq)は、1月1日からの日数の関数として求められる。
すると、時間別大気外全天日射量Qは、次の(7)式で求められる。
Q=1367(r/r) sin(α) (7)
ただし、1367(W/m)は太陽定数、(r/r)は地心太陽距離で、1月1日からの日数の関数である。
こうして算出される大気外全天日射量Qは、1平方メートルの広さに注がれる1時間当たりのエネルギー量(メガジュール、MJ)として出力される。つまり、上述した式を用いることで、発電日、発電場所の時間別大気外全天日射量が得られることが分かる。
次のステップS22では、ステップS21で求めた時間別大気外全天日射量から、時間別法線面直達日射量を計算する。この計算も1分毎に行う。この計算も、次のように、公知の方法で行うことができる。
時間別法線面直達日射量、すなわち、大気圏外のエネルギーが垂直な地表に届く日射量は、次の式(8)(Bouguerの式)を用いて、時間別大気外全天日射量から求めることができる。
= Jn0 × P × m (8)
ただし、Jは法線面直達日射量[MJ/mh]、Jn0は大気外全天日射量[MJ/mh]、Pは大気透過率、mは大気質量である。
大気質量mは、太陽光が地表に到達するまでの空気抵抗で、太陽が天頂にあるときは海面における大気質量が標高で修正され、太陽高度が低くなった時は大気の曲率の影響を標準時間で表現された太陽高度等で補正される。大気透過率Pは、上述したように、真昼の最大大気透過率を月3旬別に調整したものを使用する。
次のステップS23では、ステップS22で求めた時間別法線面直達日射量から、時間別傾斜面直達日射量、すなわち、傾斜があり方位がある太陽光パネルに注がれる日射量を計算する。この計算も1分毎に行う。この計算も、次のように、公知の方法で行うことができる。
傾斜面直達日射量は、次の(9)式のように、球面三角関数を使って計算できる。
Di = IDn cos(i) (9)
ここで、IDiは傾斜面直達日射量[MJ/mh]、IDnは法線面直達日射量[MJ/mh]、iは日射入射角[rad]である。
日射入射角の余弦cos(i)は、次の(10)式で算出できる。
cos(i)=sin(h)・cos(γ) +
cos(h)・cos(A)・sin(γ)・cos(α) +
cos(h)・sin(A)・sin(γ)・sin(α) (10)
ただし、hは太陽高度[rad]、Aは太陽方位角[rad](真南=0、東側=負、西側=正)、γは斜面傾斜角[rad](水平=0、垂直=π/2)、αは斜面法線の方位角[rad](真南=0、東側=負、西側=正)である。
こうして得られた時間別傾斜面直達日射量は、一律の大気透過率を使用して得ているので、これにステップS4で求めた「日照補正率」を乗算することで、雲や湿度に起因する日照量の減衰を補正する。
次のステップS24では、ステップS22で求めた時間別大気外全天日射量から、時間別水平面天空日射量を計算する。この計算も1分毎に行う。ここでも、一律の大気透過率が使用される。
時間別水平面天空日射量は、一般的に使用されている次の(11)式を用いて計算できる。この計算も1分毎に行う。
sh=Jn0 × sin(h)(1− P・cosec(h))×KSD (11)
ただし、KSD=(0.66−0.32sin(h))×
{0.5+(0.4−0.3P)sin(h)}
である。また、Ishは水平面天空日射量(散乱光)[MJ/mh]、Jn0は大気外全天日射量[MJ/mh]、Pは大気透過率、hは太陽高度である。
次のステップS25では、ステップS24で求めた時間別傾斜面直達日射量(IDi)と、ステップS24で求めた時間別水平面天空日射量(Ish)とを加算して、時間別全天日射量を計算する。この計算も、日の出から日没までのすべての時間に対して、1分毎に行う。
次のステップS26では、ステップS25で求めた1分毎の時間別全天日射量を、10分毎に集計する。
最後のステップS27では、ステップS26で10分毎に集計した時間別全天日射量を、1時間毎に集計する。こうして、1時間毎の時間別全天日射量を得る。
本実施形態では、計算精度を高めるため、大気外全天日射量から全天日射量までの計算の出力は、すべて、単位面積・単位時間当たりの値として出力される。したがって、1日の全天日射量を求めるためには、標準時間JSTを日の出時刻から日没までの時間分だけ、標準時間JSTを進ませて計算すればよいということになる。例えば、6時、7時、・・・17時、18時分だけの計算ということである。
ところで、1日の全天日射量は円錐曲線としてグラフ化されるが、時間単位の計算を行うと、滑らかな曲線のはずが階段状のグラフとなり、精度上、問題となる。このように精度が著しく落ちるのは、日の出と日没の近辺である。円錐曲線を1時間刻みで面積を求めた場合と1分刻みで面積を求めた場合では、底辺部分で最大60%程度、差が開くことが分かる(図5Cを参照)。
また、きめ細かい時間指定ができないことにより、計算精度が変わってくるという問題もある。例えば、ある時刻の10分間の日射強度の影響度は、それが最初の10分か最後の10分かで、影響度が大きく異なってくるのである。その時間が日の出に近い時間か南中時の時間かによっても、大きく異なってくる。
これら二つの問題を解決するために、本実施形態では、図5A、図5Bに示すように、大気外全天日射量計算から、全天日射量を1分ずつ時計を進めながら計算する。計算結果としては、1時間当たりの強度が出力されるので、計算結果を60分の一にして日射量計算基本ワークテーブル(1分単位)に保存する。そして、1分単位の計算結果を10分単位に集計して、日射量計算中間ワークテーブル(10分単位)に保存する。さらに、10分単位の結果を1時間分集計して、日射強度計算結果テーブル(時間単位)に保存する。こうすることで、計算精度を上げることができる。
(太陽光パネルが複数の場合)
太陽光パネルが取り付けられる屋根の種類は、切妻造、寄棟造(図11参照)、入母屋造などがあり、さらに母屋、離れ、納屋、蔵(倉庫)などがあって、それぞれに太陽光パネルが搭載され、かつ、これら太陽光パネルが一つの制御装置(パワーコンディショナー)で制御されている。また、各太陽光パネルは、設置方位や設置傾斜角も違うから、日影障害物による影響も違ってくる。よって、日影障害物による影響も太陽光パネルごとに発電量予測に反映されるようにしておく必要がある。
太陽光パネルのメーカー、製品、設置方位、設置傾斜角が同じであれば、設置場所が離れていても1枚のパネルとして取り扱うことができる。そして、太陽光パネル毎に事前にメーカー名、製品名、方位角度、傾斜角度、最大出力(パネル面積)を、発電装置情報・座標/屋根情報保存部31に保存しておく。
発電量の予測計算では、上述したように、太陽光パネル1枚ごとに、日の出から日没までの時間別全天日射量を天気の影響を考慮して計算するが、日影による影響も組み込んでいる(ステップS6参照)。そして、太陽光パネル毎に発電効率パターンを適用して発電量を計算する。こうして太陽光パネル毎の発電量が求まると、すべての太陽光パネルの発電量を時間別に合計して、太陽光発電装置60の一日の予測発電量とする。
太陽光パネルごとに予測計算を行うことによって、東側のパネルは、午前中は発電量が多いが午後には少なくなることを考慮することができる。また、発電による温度の影響を太陽光パネル毎に扱うことで、発電効率を別々に想定でき、日影による影響を別々に判断できる。
(日影障害物による影響の考慮)
日影の影響については、例えば、次のようにして対処する(図12参照)。
太陽光発電装置60毎に、日影になる障害物(日影障害物)を登録しておく。
・太陽光発電装置60が最初に日影となる方位(1)と距離(2)
・太陽光発電装置60が最後に日影となる方位(4)と距離(5)
・日影障害物の高さ(3)は、太陽光発電装置60からの高さを計算する。
・日影障害物が作る角度(3)'は、tan−1(日影障害物の高さ÷日影障害物までの距離)で計算する。
日影障害物が複数ある場合は、その全てを登録する。
例えば、西向きの屋根は、午前中は太陽光度が屋根の傾斜角度以上になるまでは、直達日射量が生じない。反対に、東向きの屋根は、夕方、太陽光度が傾斜角度より低くなると、直達日射量が生じない。このことは、傾斜面日射量の計算に使用した(10)式に組み込まれている。
日影の判定は、次のようにして行う。
太陽の方位(A)と高度(h): 太陽方位Aが(1)と(2)の範囲のときの日影障害物までの距離(2)と(5)を使用して、日影障害物が作る角度(3)'=tan−1(日影障害物の高さ÷日影障害物までの距離)を求めておく。
日影開始: A=(1)のとき、h<(3)'となる時刻である。A=(1)のとき、h>(3)'であれば、日影にはならない。
日影終了: 日影になった後(すなわちA=(1)のとき、h<(3)'になった後)、(1)<A<(2)で、h>(3)'(つまり、日影障害物より高い位置に太陽が来たとき)となる時刻である。
太陽高度と方位の判定は、1分間隔の計算結果と集計方法(図5参照)にある太陽軌道の高度方位をチェックすれば、日影になる時刻と終了する時刻が自動的に判定できる。
こうして太陽光パネルが日影になる時間帯が分かったら、図5に示した日射量計算基本ワークテーブル(1分単位)の日影影響欄にフラッグを立てる。そして、日影判定終了後に10分単位の集計をする際には、フラッグの立っている時間帯の全天日射量は、水平面日射量のみとすればよい。こうすることで、簡単に、日影障害物による影響を予測発電量に反映させることができる。
(天気予報の変化への対応)
電気事業者70の系統運用は、前日に計画し、当日は可能な限り変更を受け付けながら、最善の運用を行っている。例えば、翌日の運用計画は、前日の17時30分まで受け付けて、その後、計画が立てられる。翌日は、10分毎に、2時間先を予測しながら系統運用を行っている。刻々変わる状況に、出来る限りの対応を行っている。天気予報が外れることは、十分に考慮しておかなければならない。本実施形態でも、天気予報が変更されることを考慮に入れている(図9を参照)。
天気予報は、通常、一日に3回発表される。発表ごとに少しずつ予報が変わる地域がある。天気予報が変更になったかどうかの判定は、例えば、天気区分と湿度と温度の3種類で判断する。具体的には、例えば、天気は「晴れ」、「曇り」、「雨」の区分から変わった場合、湿度は10度以上の変更があった場合、温度は5度以上の変更があった場合を、「予報の変更」とみなす。この場合、変更があった地区にある太陽光発電装置60についてのみ、再度新しい天気予報に基づいて発電量予測を行い、変更後の新しい予測発電量は該当する太陽光発電装置60にのみ送られる。また、新しい予測発電量は、該当する電気事業者70へも送られる。
天気予報が変更された場合の対応の一例を、図9を参照しながら説明する。
当日(n日)に、翌日(n+1日)の第1回天気予報が(午前)6時に出されると、当日(n日)と翌日(n+1日)の予測発電量を計算し、該当する太陽光発電装置60に送信して表示する。この時、電気事業者(電力会社)70には送信されない。
第2回天気予報が(午前)11時に出されると、第1回天気予報と比較し、「変更なし」と判断されると、発電量の計算は実行されない。電気事業者(電力会社)70には、第1回天気予報に基づく予測発電量が送信される。「変更あり」と判断されると、第2回天気予報に基づいて当日(n日)と翌日(n+1日)の予測発電量が再計算され、該当する太陽光発電装置60に送信して表示する。この時、電気事業者(電力会社)70には、第2回天気予報に基づく予測発電量が送信される。
第3回天気予報が18時に出されると、第2回天気予報と比較し、「変更なし」と判断されると、発電量の計算は実行されない。「変更あり」と判断されると、第3回天気予報に基づいて当日(n日)と翌日(n+1日)の予測発電量が再計算され、該当する太陽光発電装置60に送信して表示する。この時、電気事業者(電力会社)70には、予測発電量は送信されない。電気事業者(電力会社)70への予測発電量の送信は、17時半必着だからである。電気事業者(電力会社)70は、こうして送信されてくる第1回または第2回の天気予報に基づいて、翌日(n+1日)の運転計画を作成する。
翌日(n+1日)になると、第4回天気予報が(午前)6時に出されるので、第3回天気予報と比較し、「変更あり」と判断されると、第4回天気予報に基づいてn+1日の予測発電量を計算し、該当する太陽光発電装置60に送信して表示する。同時に、電気事業者(電力会社)70にも送信されるが、これは(午前)9時以降の系統運用の変更に間に合わせるためである。
第5回天気予報が(午前)11時に出されると、第4回天気予報と比較し、「変更あり」と判断されると、第5回天気予報に基づいてn+1日の予測発電量を計算し、該当する太陽光発電装置60に送信して表示する。同時に、電気事業者(電力会社)70にも送信されるが、これは13時以降の系統運用の変更に間に合わせるためである。
以後、同様の処理が毎日繰り返される。
以上述べたように、本第1実施形態に係る発電量予測装置10では、まず、対象となる太陽光発電装置60の発電実績から、累積日射量と時間別発電効率の間の相関関係を示す、当該太陽光発電装置60に固有の発電効率パターンと、その発電効率パターンを表わす近似式とを求める一方、太陽光発電装置60の設置場所における日の出から日没までの時間別全天日射量を、当該設置場所の大気透過率の実績値を用いて求めている。また、前記大気透過率が雲や湿度によって減衰する影響を、前記設置場所での過去の天気実績から求めた天気関数を用いて求めた日照補正率で調整するようにしている。そして、前記発電効率パターンを表す近似式を用いて、累積全天日射量から太陽光発電装置60の時間別発電効率を求め、その時間別発電効率を用いて太陽光発電装置60の時間別発電量を得ている。
このように、太陽光発電装置60の発電実績と、太陽光発電装置60の設置場所での大気透過率の実績値と、前記設置場所での過去の天気実績から求めた天気関数が判明すれば、太陽光発電装置60の時間別発電量を算出することが可能である。よって、日照強度(日射量)や気温、発電量をリアルタイムで実測することが不要である。
しかも、太陽光発電装置60の発電実績と、太陽光発電装置60の設置場所での大気透過率の実績値と、前記設置場所での過去の天気実績から求めた天気関数を使用するので、高精度な発電量予測(電気事業者(例えば電力会社)70の毎日の運用に使用できる程度の高い信頼度を持つ)が可能となる。
さらに、発電効率パターンは太陽光発電装置60に固有のものであり、しかも、得られるのは時間別発電量であるから、太陽光発電装置別、時間帯別に、太陽光発電における発電量の予測を行うことができる。
さらに、天気予報に応じて天気関数を入れ替えることが容易なので、天気予報の変更があっても迅速且つ容易に対応できる。天気予報に代えて天気実績を使用すれば、太陽光発電装置60の故障の発見、出力抑制の有無の判断を容易に行うことができる。
(第2実施形態)
上述した第1実施形態では、天気予報から発電量を予測していたが、本第2実施形態では、天気実績から予測するものであり、図3のステップS10〜S11を実行する場合に相当する。それ以外の点は、上述した第1実施形態と同じであるから、その説明は省略する。
過去の天気実績には、日照時間(h)と全天日射量(MJ/m)がある。しかし、これら二つのデータは、予測計算には使用できない。その理由は、全天日射量測定については、太陽軌道追跡型で測定しているため、固定型の太陽光発電装置60の場合と比較すると、20%ほど多めの値になっていること、そして、全天日射量を観測している観測所が日本全国に50ヶ所しかないことである。このため、太陽光発電装置60と観測所の距離が大きくなり、雲の影響などで誤差が大きくなって、好ましくない。
日照時間については、観測基準が、一定強度以上の日照が得られたときに実測することになっているが、太陽光発電の場合はその強度以下でも発電できる製品が多いから、実態に合っていない。
日照時間と全天日射量が不一致の例を、図10に示す。
天気実績から発電量を予測する場合も、天気予報から予測する場合と同様に、天気関数を使用する。それに加えて予測に必要なデータは、発電所地点、発電日、天気種別、湿度、気温、降水量である。しかし、天気予報からの予測とは、次のような違いがある。
第一の相違点は、天気予報からの場合は、1時間単位に予測するのに対し、天気実績からの場合は、10分単位の実績データが得られることである。第二の相違点は、観測所によっては、天気種別が分からないことがあること、あるいは、天気種別が分かったとしても、6時間おきの天気の場合があって使用に耐えないことがあることである。その場合は、図8Cに示すように、「晴れ関数」と「曇り関数」を合成することで「晴曇合成関数」を予め作成しておき、降水量が0以上の場合は「雨関数」を使用し、それ以外の場合はこの「晴曇合成関数」を使用することもできる。
続いて、取得した1時間おきの「天気」を10分間隔の時間に張り付ける。つまり、1時間毎/2時間毎/3時間毎/6時間毎データを10分間隔に編集する。そして、次のようにして、天気関数を割り当てる。
・快晴/晴れ/薄曇 → 晴れ関数または晴曇合成関数
・曇り → 曇り関数または晴曇合成関数
・降水量が0以上の場合 → 雨関数
・降水量が非表示の場合 → 曇り関数または晴曇合成関数
そして、該当する天気関数を取得し、その天気関数に10分毎に湿度を入力すると、10分毎の日照補正率が出力される。
次に、10分刻みの全天日射量の計算結果を受け取り、全時間について下記の(12)式の計算を行う。(上限、下限の設定がある場合はそれぞれについて同じ計算を行う。)
時間別全天日射量 = 時間別水平面天空日射量 +
時間別傾斜面直達日射量 × 日照補正率 (12)
こうして得られた時間別全天日射量に、時間別発電効率と太陽光パネル(太陽光発電装置60)の最大出力とを乗じれば、予測発電量が得られる。
次に、実施例によって、上述した本発明をより具体的に説明する。本実施例1は、天気予報から発電量を予測する場合の例である。
愛知県大府市に設置された太陽光発電装置において、2011年1月21日の発電量を予測した。この太陽光発電装置は、名古屋地方気象台から13.9km、東海観測所から4.6km、豊田観測所から23.2km離れた場所に設置されていた。
この太陽光発電装置の仕様は以下の通りであった。
所在地座標: 北緯35度2分、東経136度57分
標高: 10メートル
屋根の方位: 南向き東に13度
屋根の傾斜角度: 25度
パネル機器: メーカー=S社、機種=M型(多結晶型)
太陽電池最大出力: 4.814KW
予測計算手順は、次のとおりとした。
まず、愛知県大府市の2011年1月21日の天気予報を取得した。その一部を図13A(a)に示す。次に、取得した3時間おきの天気予報を、図13A(b)のように、時間毎の予報に補正した。
次に、名古屋地区の1月の天気関数(図8Bを参照)を取得し、時間毎に補正された天気予報から天気と湿度を取得して、上限、平均、下限の天気関数に入力し、時間別の日照補正率を取得した(図13B(a)を参照)。また、名古屋地区の1月下旬の大気透過率(=0.875)を取得した。
そこで、こうして取得した大気透過率、所在地座標、屋根の方位、角度、標高、発電日(1月21日)の値を用いて、時間別に水平面、傾斜面、全天の日射量(時間別日射量)を算出した(図13B(b)参照)。
算出した時間別日射量を日照補正率で補正し、全天日射量を上限、平均、下限のすべてに対し、上記(12)式を用いて算出した(図13B(cを参照)。
他方、該当する発電効率パターンを取得した(図13B(d)を参照)。パターン識別キーはS社・M型・冬であった。
時間別に累積日射量を求め、発電効率パターンに対応する近似式に、時間毎に累積日射量を入力して、該当する発電効率を求めた。
発電効率パターン作成時の基準気温と、予測日の予想気温との差を求め、発電効率を気温で補正した。補正後の発電効率に該時刻の全天日射量(累積日射量ではない)と最大出力を乗じて、つまり、上記(3)式に従って、時間別発電量を求めた(図13C(a)
参照)。
出力された発電量を時間別のグラフにすると、図13C(b)のようになった。
実際に発電した実績と予測発電量を比較できるグラフを作成すると、両者の差は小さいことが分かった(図13C(c)を参照)。
本実施例2は、天気実績から発電量を予測する場合の例である。
北海道札幌市に設置された太陽光発電装置において、2011年6月8日の発電量を、過去の天気実績データを使用して予測した。この太陽光発電装置は、札幌管区地方気象台から7.7km、恵庭島松観測所から49.9km離れた場所にある。
この太陽光発電装置の仕様は、以下の通りであった。
所在地座標: 北緯43度0分13.45秒、東経141度28分18.811秒
標高: 10メートル
屋根の方位: 南0度
屋根の傾斜角度: 32度
パネル機器: メーカー=M社、機種=K機種(多結晶)
太陽電池最大出力: 4.44KW
予測計算手順は、次のとおりとした。
まず、「天気」観測のある最寄り観測所(札幌管区気象台)の6月8日の天気実績を取得し、「湿度」「気温」「降水量」を観測している最寄り観測所から、6月8日の10分間隔の天気実績を取得した(図14A(a)(b)を参照)。
また、札幌地区の6月の天気関数を取得し、取得した「天気」実績に、下記の要領で、10分間隔の天気関数を適用した(図14B(a)〜(c)を参照)。
・快晴/晴れ/薄曇 → 晴れ関数または晴曇合成関数
・曇り → 曇り関数または晴曇合成関数
・降水量が0以上の場合 → 雨関数
・降水量が非表示の場合 → 曇り関数または晴曇合成関数
天気関数を使用して、10分毎の日照補正率を計算し、札幌地区の6月下旬の大気透過率(=0.700)を取得した。
そこで、大気透過率、所在地座標、屋根の方位、角度、標高、発電日(6月8日)の値を予測計算へ渡し、時間別に水平面、傾斜面、全天の10分毎の計算結果を得た。
時間別日射量を日照補正率で補正し、全天日射量を上記(12)式で算出した(図14A(c)を参照)。
該当する発電効率パターンを取得した(図14C(a)(b)を参照)。パターン識別キーはM社・K型・夏であった。
時間別に累積日射量を求め、近似式に時間毎に累積日射量を入力し、該当する発電効率を求めた。発電効率パターン作成時の基準気温と、予測日の予想気温の差を求め、発電効率を気温で補正した。補正後の発電効率に該時刻の全天日射量(累積日射量ではない)と最大出力を乗じて発電量を求めた(図14D(a)を参照)。
出力された発電量を実際に発電した実績と比較できるグラフを作成した。12時の予測発電量と実際の発電量との間に1KWhの差があるのは、電圧上昇による出力抑制と推測される(図14D(b)を参照)。
本実施例3は、複数屋根と日影の影響を考慮した場合の例であり、天気実績からの発電量予測を行うものである。
沖縄県石垣島に設置された太陽光発電装置において、2011年10月19日の発電量を、過去の天気実績データを使用して予測した。この太陽光発電装置は、石垣島地方気象台から2.0km離れた場所にある。
この太陽光発電装置の仕様は以下の通りであった。
所在地座標: 北緯24度15.2分、東経124度9.8分
標高: 6メートル
屋根1の方位: 東向き、傾斜角度: 33.5度、最大出力: 1.2KW
屋根2の方位: 南向き、傾斜角度: 27度、 最大出力: 2.4KW
屋根3の方位: 西向き、傾斜角度: 33.5度、最大出力: 1.2KW
パネル機器: メーカー=M社、機種=K機種(多結晶)
日影障害物: 東側障害物により、太陽光パネルは8時15分から9時14分まで日影になる。西側障害物により、太陽光パネルは16時15分から日没まで日影になる(図15A(a)を参照)。
予測計算手順は、次のとおりとした。
「天気」観測のある最寄り観測所(石垣島地方気象台)の10月19日の天気実績を取得した。次に、「湿度」「気温」「降水量」を観測している最寄り観測所から10月19日の10分間隔の天気実績を取得した。石垣島地区の10月の天気関数を取得した。取得した「天気」実績に、下記の要領で、10分間隔の天気関数を適用した。
・快晴/晴れ/薄曇 → 晴れ関数または晴曇合成関数
・曇り → 曇り関数または晴曇合成関数
・降水量が0以上の場合 → 雨関数
・降水量が非表示の場合 → 曇り関数または晴曇合成関数
そして、天気関数を使用して、日照補正率を計算した。石垣島地区の10月下旬の大気透過率(=0.700)を取得した。
そこで、大気透過率、所在地座標、屋根の方位、角度、標高、予想日(10月19日)の値を予測計算へ渡し、時間別に水平面、傾斜面、全天の1分毎の計算結果を得た。
続いて、日影判定処理を行った。判定の結果、東側は午前8時15分から日影になり、9時14分まで日影が続くこと、西側は16時15分から日没まで日影になることが判明した。日影になる時間帯は、傾斜面日射量をゼロとし、水平面(散乱光)のみの日射とした。1分単位に処理を行ったが、処理結果は自動的に10分毎に集計された。
その後、10分毎の日射量を日照補正率で補正し、全天日射量を上限、平均、下限のすべてに対し、上記(12)式を用いて算出した。
また、該当する発電効率パターンを取得した。ここでは、パターン識別キーはM社・K型・夏であった。
時間別に累積日射量を求め、近似式に時間毎に累積日射量を入力して、該当する発電効率を求めた。パターン作成時の基準気温と予測日の予想気温の差を求め、発電効率を気温で補正した。補正後の発電効率に該時刻の全天日射量(累積日射量ではない)と最大出力 を乗じて発電量を求めた。
屋根1、2、3の発電量予測結果は、それぞれ、図15B(a)〜(c)のようになった。
出力された発電量を時間別のグラフにすると、図15A(b)のようになった。
10 発電量予測装置
20 事前準備部
21 ユーザー情報登録部
22 天気関数作成登録部
23 天気実績観測所情報登録部
24 大気透過率作成登録部
25 日影障害物登録部
26 発電効率パターン作成登録部
30 情報保存部
31 屋根情報登録部
32 天気関数保存部
33 観測所情報保存部
34 大気透過率保存部
35 日影障害物情報保存部
36 発電効率パターン保存部
40 予測計算処理部
41 予測計算部
45 予測発電量送信部
50 インターネット
60 太陽光発電装置
70 電気事業者
80 天気予報提供事業者
90 天気実績提供事業者

Claims (10)

  1. 太陽光発電装置の所望の発電時における発電量を予測する方法であって、
    前記太陽光発電装置の発電実績から、累積日射量と時間別発電効率の間の相関関係を示す、当該太陽光発電装置に固有の発電効率パターンと、その発電効率パターンを表わす近似式とを求め、
    前記太陽光発電装置の設置場所における日の出から日没までの時間別全天日射量を、当該設置場所の大気透過率の実績値を用いて求め、
    前記設置場所での過去の天気実績から、湿度と日照率の相関関係を表す天気関数を求めると共に、その天気関数を用いて日照補正率を求め、その日照補正率を用いて前記大気透過率が雲や湿度によって減衰する影響を調整し、
    前記太陽光発電装置に前記時間別全天日射量で日射量を累積させたと仮定して、累積全天日射量を算出し、
    前記発電効率パターンを表す前記近似式を用いて、前記累積全天日射量から前記太陽光発電装置の時間別発電効率を求め、
    前記時間別発電効率を、前記発電効率パターンを求めた時の基準気温と、前記発電時の予想気温との差に対応する補正係数で補正することにより、補正済み時間別発電効率を求め、
    前記補正済み時間別発電効率に、前記時間別全天日射量と前記太陽光発電装置の最大出力とを乗算することにより、前記太陽光発電装置の時間別発電量を得ることを特徴とする、太陽光発電における発電量予測方法。
  2. 前記大気透過率が、観測実績の南中時全天日射量と一致するように調整される請求項1に記載の太陽光発電における発電量予測方法。
  3. 前記時間別全天日射量を求める際に、時間を1分ずつ進めながら60回計算し、その結果を加算してから(1/60)にして、1時間分の日射量とする請求項1または2に記載の太陽光発電における発電量予測方法。
  4. 前記設置場所での天気予報に応じて前記天気関数が入れ替えられる請求項1〜3のいずれかに記載の太陽光発電における発電量予測方法。
  5. 前記太陽光発電装置の将来の時間別発電量を計算する場合は、天気予報を用いて前記天気関数が入れ替えられ、前記太陽光発電装置の過去の時間別発電量を計算する場合は、天気実績を用いて前記天気関数が入れ替えられる請求項1〜4のいずれかに記載の太陽光発電における発電量予測方法。
  6. 太陽光発電装置の所望の発電時における発電量を予測する装置であって、
    前記太陽光発電装置の発電実績から、累積日射量と時間別発電効率の間の相関関係を示す、当該太陽光発電装置に固有の発電効率パターンと、その発電効率パターンを表わす近似式とを求める手段と、
    前記太陽光発電装置の設置場所における大気透過率の実績値を求める手段と、
    前記設置場所での過去の天気実績から、湿度と日照率の相関関係を表す天気関数を求める手段とを備え、
    前記太陽光発電装置の設置場所における日の出から日没までの時間別全天日射量を、前記大気透過率の実績値を用いて求め、
    前記天気関数を用いて日照補正率を求め、その日照補正率を用いて前記大気透過率が雲や湿度によって減衰する影響を調整し、
    前記太陽光発電装置に前記時間別全天日射量で日射量を累積させたと仮定して、累積全天日射量を算出し、
    前記発電効率パターンを表す前記近似式を用いて、前記累積全天日射量から前記太陽光発電装置の時間別発電効率を求め、
    前記時間別発電効率を、前記発電効率パターンを求めた時の基準気温と、前記発電時の予想気温との差に対応する補正係数で補正することにより、補正済み時間別発電効率を求め、
    前記補正済み時間別発電効率に、前記時間別全天日射量と前記太陽光発電装置の最大出力とを乗算することにより、前記太陽光発電装置の時間別発電量を得ることを特徴とする、太陽光発電における発電量予測装置。
  7. 前記大気透過率が、観測実績の南中時全天日射量と一致するように調整される請求項6に記載の太陽光発電における発電量予測装置。
  8. 前記時間別全天日射量を求める際に、時間を1分ずつ進めながら60回計算し、その結果を加算してから(1/60)にして、1時間分の日射量とする請求項6または7に記載の太陽光発電における発電量予測装置。
  9. 前記設置場所での天気予報に応じて前記天気関数が入れ替えられる請求項6〜8のいずれかに記載の太陽光発電における発電量予測装置。
  10. 前記太陽光発電装置の将来の時間別発電量を計算する場合は、天気予報を用いて前記天気関数が入れ替えられ、前記太陽光発電装置の過去の時間別発電量を計算する場合は、天気実績を用いて前記天気関数が入れ替えられる請求項6〜9のいずれかに記載の太陽光発電における発電量予測装置。
JP2012134076A 2012-06-13 2012-06-13 太陽光発電における発電量予測方法及び装置 Expired - Fee Related JP5308560B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012134076A JP5308560B1 (ja) 2012-06-13 2012-06-13 太陽光発電における発電量予測方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012134076A JP5308560B1 (ja) 2012-06-13 2012-06-13 太陽光発電における発電量予測方法及び装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5308560B1 JP5308560B1 (ja) 2013-10-09
JP2013258853A true JP2013258853A (ja) 2013-12-26

Family

ID=49529508

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012134076A Expired - Fee Related JP5308560B1 (ja) 2012-06-13 2012-06-13 太陽光発電における発電量予測方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5308560B1 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014063372A (ja) * 2012-09-21 2014-04-10 Toshiba Corp 発電量予測装置およびその方法
JP2016062191A (ja) * 2014-09-16 2016-04-25 株式会社東芝 電力取引支援装置、電力取引支援システム、制御方法及びプログラム
JP2017060224A (ja) * 2015-09-14 2017-03-23 株式会社東芝 アグリゲーション管理装置及び方法
JP2017068725A (ja) * 2015-10-01 2017-04-06 日本無線株式会社 独立電源システム及び独立電源システムの制御方法
US10082529B2 (en) 2015-02-16 2018-09-25 International Business Machines Corporation Estimating solar array power generation
KR20190065107A (ko) * 2017-12-01 2019-06-11 한국전자통신연구원 태양광 발전량 예측 장치 및 그 방법
JP2022008764A (ja) * 2020-03-23 2022-01-14 春禾科技股▲分▼有限公司 太陽光発電所の日射量推定方法
KR20220163014A (ko) * 2021-06-02 2022-12-09 한전케이디엔주식회사 태양광 발전원 출력 예측 장치 및 방법
JP7413140B2 (ja) 2020-05-01 2024-01-15 東京瓦斯株式会社 日射量予測方法、日射量予測プログラム、電力供給システム、電力・熱供給システム

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103904682B (zh) * 2014-03-18 2016-09-14 许继电气股份有限公司 一种基于风光混合模型的功率预测方法
WO2017026010A1 (ja) * 2015-08-07 2017-02-16 三菱電機株式会社 太陽光発電量予測装置および太陽光発電量予測方法
CN112836862B (zh) * 2021-01-15 2024-05-31 上海市环境监测中心(上海长三角区域空气质量预测预报中心) 一种基于机器学习算法的集合预报方法、系统及介质
CN117353306B (zh) * 2023-12-06 2024-03-22 浙江浙石油综合能源销售有限公司 一种光储充放电调度方法、系统、电子设备、存储介质

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005275491A (ja) * 2004-03-23 2005-10-06 Sanyo Electric Co Ltd 太陽光発電の発電量補償システム
JP2010249608A (ja) * 2009-04-14 2010-11-04 Chugoku Electric Power Co Inc:The 太陽光発電状況予測装置及びシステム
JP2011124287A (ja) * 2009-12-08 2011-06-23 Sony Corp 発電量予測装置、発電量予測システム、発電量予測方法及びコンピュータプログラム
JP2011159199A (ja) * 2010-02-03 2011-08-18 Gifu Univ 太陽光発電装置の発電量予測システム及び発電量予測方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005275491A (ja) * 2004-03-23 2005-10-06 Sanyo Electric Co Ltd 太陽光発電の発電量補償システム
JP2010249608A (ja) * 2009-04-14 2010-11-04 Chugoku Electric Power Co Inc:The 太陽光発電状況予測装置及びシステム
JP2011124287A (ja) * 2009-12-08 2011-06-23 Sony Corp 発電量予測装置、発電量予測システム、発電量予測方法及びコンピュータプログラム
JP2011159199A (ja) * 2010-02-03 2011-08-18 Gifu Univ 太陽光発電装置の発電量予測システム及び発電量予測方法

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014063372A (ja) * 2012-09-21 2014-04-10 Toshiba Corp 発電量予測装置およびその方法
JP2016062191A (ja) * 2014-09-16 2016-04-25 株式会社東芝 電力取引支援装置、電力取引支援システム、制御方法及びプログラム
US10082529B2 (en) 2015-02-16 2018-09-25 International Business Machines Corporation Estimating solar array power generation
US10295579B2 (en) 2015-02-16 2019-05-21 International Business Machines Corporation Estimating solar array power generation
JP2017060224A (ja) * 2015-09-14 2017-03-23 株式会社東芝 アグリゲーション管理装置及び方法
JP2017068725A (ja) * 2015-10-01 2017-04-06 日本無線株式会社 独立電源システム及び独立電源システムの制御方法
KR20190065107A (ko) * 2017-12-01 2019-06-11 한국전자통신연구원 태양광 발전량 예측 장치 및 그 방법
KR102404397B1 (ko) * 2017-12-01 2022-06-07 한국전자통신연구원 태양광 발전량 예측 장치 및 그 방법
JP2022008764A (ja) * 2020-03-23 2022-01-14 春禾科技股▲分▼有限公司 太陽光発電所の日射量推定方法
JP7413140B2 (ja) 2020-05-01 2024-01-15 東京瓦斯株式会社 日射量予測方法、日射量予測プログラム、電力供給システム、電力・熱供給システム
KR20220163014A (ko) * 2021-06-02 2022-12-09 한전케이디엔주식회사 태양광 발전원 출력 예측 장치 및 방법
KR102535944B1 (ko) 2021-06-02 2023-05-26 한전케이디엔주식회사 태양광 발전원 출력 예측 장치 및 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP5308560B1 (ja) 2013-10-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5308560B1 (ja) 太陽光発電における発電量予測方法及び装置
Lubitz Effect of manual tilt adjustments on incident irradiance on fixed and tracking solar panels
Hammer et al. Solar energy assessment using remote sensing technologies
Page The role of solar-radiation climatology in the design of photovoltaic systems
Markvart et al. Practical handbook of photovoltaics: fundamentals and applications
Suri et al. Geographic aspects of photovoltaics in Europe: contribution of the PVGIS website
Raptis et al. Measurements and model simulations of solar radiation at tilted planes, towards the maximization of energy capture
Fitriaty et al. Predicting energy generation from residential building attached Photovoltaic Cells in a tropical area using 3D modeling analysis
Kato Prediction of photovoltaic power generation output and network operation
Zhao et al. Optimal PV panel tilt angle based on solar radiation prediction
Heusinger et al. Introduction, evaluation and application of an energy balance model for photovoltaic modules
Hofierka et al. The spatial distribution of photovoltaic power plants in relation to solar resource potential: the case of the Czech Republic and Slovakia
Ahmed et al. An assessment of the solar photovoltaic generation yield in Malaysia using satellite derived datasets
Belkilani et al. Assessment of global solar radiation to examine the best locations to install a PV system in Tunisia
Ebhota et al. Assessment of solar PV potential and performance of a household system in Durban North, Durban, South Africa
KR20160078920A (ko) 목표 지점의 일사량 계산 방법 및 장치
Olczak Comparison of modeled and measured photovoltaic microinstallation energy productivity
Mansouri Kouhestani et al. A comprehensive assessment of solar and wind energy potential at the University of Lethbridge campus, a medium-sized western Canadian university
de Araujo Improvement of coding for solar radiation forecasting in Dili Timor Leste—A WRF case study
Hofierka et al. Spatially distributed assessment of solar resources for energy applications in Slovakia
Belkilani et al. Estimation and experimental evaluation of the shortfall of photovoltaic plants in Tunisia: case study of the use of titled surfaces
Graabak et al. Developing a wind and solar power data model for Europe with high spatial-temporal resolution
Malik et al. An approach to predict output of PV panels using weather corrected global irradiance
Daus et al. Assessing solar energy using photovoltaic power plants on building envelopes
Park et al. An improved photovoltaic system output prediction model under limited weather information

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130628

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees