JP2013258543A - D/a変換器及びそのd/a変換器に用いられるクロック遅延制御回路 - Google Patents
D/a変換器及びそのd/a変換器に用いられるクロック遅延制御回路 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】連続的な信号を伝達するコンテニアス部150aと、標本化及び量子化がされた信号を伝達するデジタル部と、標本化されかつ量子化されていない信号を伝達するサンプル・ホールド部150bとによってサンプリング回路150を構成する。サンプル・ホールド部150bは、入力信号によって生じる電荷を蓄積する複数のキャパシタと、各キャパシタにそれぞれ電荷を蓄積するための複数のスイッチとを含み、少なくとも複数のスイッチを駆動する第2クロック信号に対して動作タイミングが互いに異なる複数のクロック信号を生成するクロック遅延変換部によって生成される遅延量を制御するクロック遅延制御回路とによってD/A変換器を構成する。
【選択図】図10
Description
しかし、電子部品を離して配置することは、上述した電子機器の小型化を妨げるために好ましくない。また、電子部品のプロセスによってノイズが外部に影響することを防ぐためには、高度なプロセス技術が必要になり、製造コストの上昇を招くために好ましくない。さらに、電子部品の入力端子や出力端子を分けることは、電子機器の多ピン化が起こり、電子部品を小型化することに不利になる。
D/A変換器のノイズ対策の従来技術としては、例えば、特許文献1に記載されたものがある。この特許文献1に記載のものは、D/A変換器の入力信号の同期信号(制御用クロック信号)にジッタを付加している。このような特許文献1に記載のD/A変換器によれば、出力信号を出力するための同期信号(変換用クロック信号)と制御用クロック信号とに起因するビートノイズの輻射を拡散させることが可能になる。
また、従来技術はデジタル部にのみジッタを加えるため、アナログ部の突入電流起因の周期ノイズを拡散することはできない。このため、従来技術の拡散効果は限定的なものになる。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記クロック遅延制御回路は、前記サンプル・ホールド部に供給される入力信号の周波数特性から、サンプリングされた前記入力信号に混入されるノイズがピークを持つピーク周波数を検出する検出器(図11の170)と、該検出器によって検出されたノイズのピーク周波数を任意の遅延量に変換する遅延量変換部(図11の141)とを備えていることを特徴とする。
さらに、検出器によって検出されたノイズ周波数のピークに対して、サンプル・ホールド部において複数の動作タイミングによるサンプリング動作によって得られるFIRフィルタの零点を合わせることにより、効果的にノイズを抑制し所望の周波数帯域(例えば、in−band帯域)において最適な特性が得られる。
以下、デジタル部は、一般的なデジタル回路で構成され、量子化され、標本化された信号を伝達することを意味している。サンプル・ホールド部は、一般的なスイッチトキャパシタ回路(SC回路)で構成され、量子化されず、標本化された信号を伝達することを意味している。コンテニアス部は、一般的な連続信号回路(Continuous回路;コンテニアス回路)で構成され、量子化されず、標本化されていない信号を伝達することを意味している。
図1は、本発明に係るD/A変換器におけるサンプリング回路を説明するための回路構成図である。このサンプリング回路150は、デジタル部150c(図11参照)とサンプル・ホールド部150bとコンテニアス部150aとによって構成されている。デジタル部150cは、一般的なデジタル回路で構成され、量子化され、標本化された信号を伝達する構成である。サンプル・ホールド部150bは、一般的なスイッチトキャパシタ回路(SC回路)で構成され、量子化されず、標本化された信号を伝達する構成である。コンテニアス部150aは、一般的な連続信号回路(Continuous回路)で構成され、量子化されず、標本化されていない信号を伝達する構成である。
サンプル・ホールド部150bは、スイッチ101_1、101_2、102_1、102_2と、キャパシタ111_1、111_2と、を含んでいる。スイッチ101_1、キャパシタ111_1、スイッチ102_1は互いに直列に接続されていて、スイッチ101_2、キャパシタ111_2、スイッチ102_2は互いに直列に接続されている。スイッチ101_1及び101_2はスイッチユニット101を構成し、スイッチ102_1及び102_2はスイッチユニット102を構成する。
演算増幅器121の出力端子は端子106に接続されていて、端子106からはアナログ信号VAoutが出力される。演算増幅器121の非反転入力端子と反転入力端子とには、直接、またはスイッチ102_1、102_2、104_1、104_2を介してコモンモード(common mode)電圧による基準信号Vcom1が供給されている。
以上のサンプリング回路150には、端子105から参照信号Vrefが入力される。参照信号Vrefは、スイッチ101_1、102_1によってサンプリングされる。サンプリングにより、キャパシタ111_1に電荷が蓄積される。また、参照信号Vrefは、スイッチ101_2、102_2によってサンプリングされ、キャパシタ111_2には電荷が蓄積される。スイッチ101_1、101_2、102_2、102_2によってサンプリングされた参照信号Vrefを入力信号Vinと記す。
以上説明した図1に示したサンプリング回路150では、サンプル・ホールド部150bのキャパシタ111_1、111_2が複数(図1に示した例では2つ)設けられている。コンテニアス部150aのスイッチユニット103、104に含まれるスイッチの個数は、キャパシタ111_1、111_2の数に対応している。キャパシタ111_1に蓄積される電荷の量は、スイッチ103_1、104_1によって決定される。また、キャパシタ111_2に蓄積される電荷の量は、スイッチ103_2、104_2によって決定される。
図1に示したサンプリング回路150では、キャパシタ111_1、111_2の個数Mが増えるにしたがって、スイッチユニット103、104に含まれるスイッチの数が同様に増加する。なお、キャパシタ111_1、111_2の個数が増加した場合、コンテニアス部150aの構成は、スイッチユニット103、104に含まれるスイッチの数が増加する以外、図1に示した構成から変更されることがない。
以下の説明では、本実施形態の効果を理解しやすくするため、先ず、図1に示したサンプリング回路150のスイッチ101_1とスイッチ101_2とを同一タイミングのクロック信号で駆動し、スイッチ102_1とスイッチ102_2とを同一タイミングのクロック信号で駆動し、スイッチ103_1とスイッチ103_2とを同一タイミングのクロック信号で駆動し、スイッチ104_1とスイッチ104_2とを同一タイミングのクロック信号で駆動(以下、「一般的なクロック信号による駆動」という)する場合について説明する。
なお、図1に示したサンプリング回路150では、参照信号Vref、基準信号Vcom1に周期ノイズが重畳した場合、この周期ノイズがゲイン0dBで出力波形に現れるため、サンプリング回路150のノイズに対する感度が最も高い。本実施形態では参照信号Vrefに周期ノイズが重畳した場合について述べるが、参照信号Vref以外に周期ノイズが重畳した場合でも同様の考察が適応できる。なお、参照信号Vref以外に周期ノイズが重畳される信号としては、例えば、基準信号Vcom1があげられる。ノイズ混入経路としては、サンプリング動作の経路が考えられ、参照信号Vref、基準信号Vcom1に限るものではない。
図2(a)〜(e)は、図1に示したサンプリング回路の、参照信号Vrefに周期ノイズがない場合の動作を説明するための図で、参照信号Vrefに周期ノイズがない場合の、図1に示したサンプリング回路150の動作を説明するための図である。図2(a)は、スイッチ101_1、スイッチ102_1を駆動するクロック信号φS1を示す。クロック信号φS1は、キャパシタ111_1における参照信号Vrefのサンプリングタイミングと一致する。図2(b)は、スイッチ101_2、スイッチ102_2を駆動するクロック信号φS2を示す。クロック信号φS2は、キャパシタ111_2における参照信号Vrefのサンプリングタイミングと一致する。図2に示したクロック信号φS1とクロック信号φS2とが等しいことにより、図1に示したサンプリング回路150では、キャパシタ111_1とキャパシタ111_2とが、同一タイミングで動作する。
次に、参照信号Vrefに周期ノイズがある場合について説明する。なお、この場合であっても、スイッチ101_1、101_2は同一タイミングのクロック信号で駆動され、スイッチ102_1、102_2は同一タイミングのクロック信号で駆動され、スイッチ103_1、103_2は同一タイミングのクロック信号で駆動され、スイッチ104_1、104_2は同一タイミングのクロック信号で駆動されるものとする。
図4(a)は、キャパシタ111_1における参照信号Vrefのサンプリングタイミングを示している。図4(b)は、キャパシタ111_2における参照信号Vrefのサンプリングタイミングを示している。図4(c)は、キャパシタ111_1、111_2が参照信号Vrefによってそれぞれ蓄積された電荷をホールド、放出するタイミングを示し、図4(d)は、直流電圧である参照信号Vrefを示し、図4(e)は、演算増幅器121から出力される、アナログ信号である出力信号VAoutを示している。ここでは、図4(a)と図4(b)は同一タイミングで動作する。図4(d)、図4(e)から明らかなように、図4(d)に示した参照信号Vrefに周期ノイズN1が重畳されている場合、D/A変換器では、出力信号VAoutにも周期ノイズN1に対応する周期ノイズN2が発生することになる。次に、図4(d)、図4(e)に示した周期ノイズを、図5(a)〜(c)を使って説明する。
図6(a)〜(c)は、図5(a)に示したキャパシタから出力される信号を説明するための図である。ここで、図6(a)〜(c)を用い、図5(a)に示したキャパシタ111_1、111_2から出力される信号を、さらに説明する。図6(a)に示したグラフは、図4(d)に示した基準信号Vrefの周波数特性であり、周期ノイズが重畳したVrefをフーリエ変換により周波数軸に変換したスペクトルを示す。図6(a)の破線で示す周波数はナイキスト周波数を表し、サンプリング動作周波数の半分の周波数である。図6(b)に示したグラフはキャパシタ111_1、111_2が入力信号Vinを蓄積する、サンプリングタイミングを律するクロック信号をフーリエ変換により周波数軸に変換したスペクトルを示す。図6(b)の破線で示す周波数f1はナイキスト周波数を表し、サンプリング動作周波数の半分の周波数である。図6(b)の破線Lb1で示した周波数特性(F特性)は、サンプリング動作によって得られるFIRフィルタの周波数特性である。
本実施形態は、上述した周期ノイズN2’を分散することにより、in−band内の信号品質を高めることができることに着目してなされたものである。そして、このため、サンプリング回路150のサンプル・ホールド部が、複数のクロック信号によって動作するようにした。以下に、本実施形態の複数のクロック信号について説明する。
本実施形態では、図7(a)、(b)に示したように、クロック信号φS3とクロック信号φS4とが異なるタイミングでHからLow(以下、Lという)、またはLからHに切り替わる。このタイミングの相違は、クロック信号φS4が、クロック信号φ3よりも遅延して切り替わることによって発生する。本実施形態では、クロック信号φS4のクロック信号φS3に対する遅延量Tを、10nsとする。なお、当然のことながら、本実施形態のクロック信号φS4の遅延量は、10nsに限定されるものでなく、任意に設定することができる。
fc=1/(2×T)+X/T(Hz) ・・・式(1)
ただし、式(1)中のXは整数
ここでは、本実施形態では、遅延時間Tが10nsであるため、fc=50MHz+100×XMHz(図9ではX=0における解であるfc=50MHzのみ記載)に零点を持つFIRフィルタが形成される。
図9(a)で示した通り、図1のキャパシタ111_1、111_2へのサンプリング動作においてFIRフィルタによるフィルタ効果によるサンプリング時にノイズ成分が抑制され、周期ノイズN3のスペクトルは減衰し折り返して周期ノイズN3’となる。
図10は、本発明に係るD/A変換器の一実施形態を説明するための回路構成図であって、図1に示したサンプリング回路150と、このサンプリング回路150を駆動するためのクロック信号φS3、φS4、φIを出力する制御回路(クロック信号供給部)159と、検出器170とを示している。なお、図10において、図1に示した構成と同様の構成については同様の符号を付し、その説明を一部省略している。
また、サンプル・ホールド部150bは、入力信号によって生じる電荷を蓄積する複数の容量素子111_1,111_2と、この複数の容量素子111_1,111_2にそれぞれ蓄積された電荷をコンテニアス部150aに転送する複数のスイッチング素子101_1,101_2,102_1,102_2とを備え、この複数のスイッチング素子101_1,101_2,102_1,102_2は、それぞれ供給された動作タイミングが互いに異なる複数の第2クロック信号に基づいてオン・オフ動作をする。
制御回路159は、図7(a)〜(c)に示したクロック信号φS3、φS4、φIを生成し、出力する。クロック信号φIはコンテニアス部150aに入力され、クロック信号φS3は、サンプル・ホールド部150bのスイッチ101_1、102_1に入力される。また、クロック信号φS4は、サンプル・ホールド部150bのスイッチ101_2、102_2に入力される。なお、クロック信号φS3、φS4、φIは、いずれもHのときにスイッチをオンし、Lのときにはスイッチをオフするように各スイッチを駆動する。
また、クロック遅延制御回路171は、サンプル・ホールド部150bに供給される入力信号の周波数特性から、サンプリングされた入力信号に混入されるノイズがピークを持つピーク周波数を検出する検出器170と、この検出器170によって検出されたノイズのピーク周波数を任意の遅延量に変換する遅延量変換部141とを備えている。
このような本実施形態によれば、サンプル・ホールド部150bは、標本化された信号をコンテニアス部150aに伝達する。伝達される信号成分はDC成分であるから、サンプル・ホールド部150bが複数の動作クロックを持ってもその成分は平均化による減衰が起こらない。しかし、D/A変換器自身が発生する周期ノイズ、または、他の電子機器から混入する周期ノイズはAC成分である。このため、サンプル・ホールド部150bが動作クロックを複数持つことによって周期ノイズの成分は平均化により減衰する。このため、本実施形態のD/A変換器では、周期ノイズの抑制効果が得られる。換言すれば、本実施形態は、STF(Signal Transfer Function)は変化させず、NTF(Noise Transfer Function)のみに平均化による減衰係数をかけることができるものといえる。
以上説明した本実施形態は、D/A変換器周辺の機器から発生するノイズを低減するのみではなく、D/A変換器自身のノイズに対する耐性を強化することができる。このため、D/A変換器周辺の他の機器の構成を変更することなく、D/A変換器のみを変更してD/A変換器に対するノイズの影響を低減することができる。
また、本実施形態は、以上説明した構成に限定されるものではない。すなわち、本実施形態では、クロック遅延変換部141によって加えられる遅延量を遅延素子1個で生成する場合を説明したが、これは図9に示したFIRフィルタの零点を1個持つ場合の構成であり、当然のことながら1個に限定されるものではなく、自然数Mであればよい。
本実施形態のD/A変換器は、A/D変換器とD/A変換器とのサンプリング周波数が等しい(横軸の動作周波数差0)場合であっても、A/D変換器とD/A変換器とのサンプリング周波数が約±25Hz程度の差を有する場合であっても、出力信号のディストーションが小さい。このような本実施形態では、A/D変換器とD/A変換器とが異なるクロック信号で動作する非同期動作時においても、同一のクロック信号で動作する同期動作時においても、出力信号のディストーションを低減することができる。
101_1、101_2、102_1、102_2、103_1、103_2、104_1、104_2 スイッチ
105、106 端子
111_1、111_2、112、113 キャパシタ
121 演算増幅器
141 クロック遅延変換部
143 クロック信号生成部
144 遅延素子
144_1 CMOSインバータ
144_2 PMOSトランジスタ
144_3 NMOSトランジスタ
145_1、145_2 抵抗素子群
146_1〜146_4、147_1〜147_4 スイッチ群
148 クロック遅延制御器
150a コンテニアス部
150b サンプル・ホールド部
150c デジタル部
159 制御回路(クロック信号供給部)
150 サンプリング回路
158_1、158_2 フィードバック経路
162 クロック信号選択部
170 検出器
171 クロック遅延制御回路
1391、1591 クロック信号生成部
1392、1392 クロック信号選択部
Claims (4)
- デジタル信号を入力するデジタル部と、該デジタル部によって入力されたデジタル信号に基づく入力信号をサンプリングして、サンプリングされた前記入力信号を保持して転送するサンプル・ホールド部と、該サンプル・ホールド部によって転送された信号をアナログ信号として出力するコンテニアス部とを備えたサンプリング回路と、
前記コンテニアス部に対しては第1クロック信号を供給し、前記サンプル・ホールド部に対しては第2クロック信号を供給するクロック信号供給部と、
少なくとも前記第2クロック信号に対して動作タイミングが互いに異なる複数のクロック信号を生成するクロック遅延変換部と、
該クロック遅延変換部によって生成される遅延量を制御するクロック遅延制御回路とを備え、
前記サンプル・ホールド部は、前記入力信号によって生じる電荷を蓄積する複数の容量素子と、該複数の容量素子にそれぞれ蓄積された電荷を前記コンテニアス部に転送する複数のスイッチング素子とを備えていることを特徴とするD/A変換器。 - 前記クロック遅延制御回路は、前記サンプル・ホールド部に供給される入力信号の周波数特性から、サンプリングされた前記入力信号に混入されるノイズがピークを持つピーク周波数を検出する検出器と、該検出器によって検出されたノイズのピーク周波数を任意の遅延量に変換する遅延量変換部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載のD/A変換器。
- 前記サンプル・ホールド部は、前記入力信号によって生じる電荷を蓄積する複数の容量素子と、該複数の容量素子にそれぞれ蓄積された電荷を前記コンテニアス部に転送する複数のスイッチング素子とを備え、該複数のスイッチング素子は、それぞれ供給された動作タイミングが互いに異なる複数の前記第2クロック信号に基づいてオン・オフ動作をすることを特徴とする請求項1又は2に記載のD/A変換器。
- 請求項1,2又は3に記載のD/A変換器に用いられるクロック遅延制御回路であって、
前記サンプル・ホールド部に供給される入力信号の周波数特性から、サンプリングされた入力信号に混入されるノイズがピークを持つピーク周波数を検出する検出器と、該検出器によって検出されたノイズのピーク周波数に対して任意の遅延量に変換するクロック遅延変換部とを備えていることを特徴とするD/A変換器に用いられるクロック遅延制御回路。
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