JP2013258488A - 暗号鍵生成システム及び認証システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】乱流現象を示す原画像を取得する画像取得部と、原画像を演算可能な画像特性値からなる特性値画像に変換する画像処理部と、特性値画像の画像特性値から求めた乱数の生成に適した乱数因子の集合体である乱数因子構造体を生成する乱数因子構造体生成部と、所定の導出パラメータによって乱数因子構造体から導出された乱数因子から物理乱数を生成する乱数生成部と、物理乱数に基づいて暗号鍵を生成する暗号鍵生成部とを備えた暗号鍵生成システム。
【選択図】図1
Description
例えば、特許文献1には、第一の発振回路の発振開始によって動作を開始し、第二の発振回路の発振開始によって出力を確定する乱数発生器を用いて暗号鍵を生成する暗号鍵生成器が記載されている。
また、特許文献2には、乱数発生手段と、この乱数発生手段が発生させた乱数に基づいて第1秘密鍵と公開鍵とを生成する手段と、この生成した公開鍵を送信する手段と、この送信した公開鍵により暗号化された第2秘密鍵を受信する手段と、この暗号化された第2秘密鍵を第1秘密鍵と公開鍵により復号化する手段と、この復号化した第2秘密鍵によりデータを暗号化して送信する手段とを備えた通信端末装置が記載されている。
上記の構成によると、乱流現象を捉えた画像から乱流現象を特徴付けている特性値からなる特性値画像が生成され、この特性値から乱数の生成に適した乱数因子が求められ、求められた乱数因子群からその集合体としての乱数因子構造体が生成される。その際、この乱数因子構造体は所定の導出パラメータによって所定の乱数因子(乱数因子列)が導出されるように、つまりテーブルないしは関数のような形態で構成されているので、導出された乱数因子から乱流現象に起因する数値列、つまり物理乱数が生成される。このようにして生成された、不規則で再現性のない数値列である物理乱数を、それ自体は公知な暗号鍵アルゴリズムに適用することで優れた暗号鍵が生成される。なお、乱流現象を捉えた画像は、二次元画像に限定されるわけではなく、三次元画像であってもよいし、1つの数値列として取り扱われる一次元画像であってもよい。例えば、その画像がカメラによる撮影画像である場合、ステレオカメラ方式を用いて三次元画像を得ることが可能であるし、さらには高速連続撮影(ビデオ撮影を含む)によって得られた撮影画像群から二次元に時間軸を加えた三次元画像(時空間)を得ることも可能である。乱流現象の撮影にあたっては、その乱流現象が無色透明である場合、色素や粉体を混入して流れを可視化して撮影するとよい。乱流現象は、ノイズ(強度と時間の二次元的情報)と異なって、速度ベクトル、光強度、及び(又は)色情報という不規則情報を四次元(三次元+時間)で発生するところに特徴があり、一度の画像取得で多数の(相互に関連する)情報が得られる。
本発明の好適な実施形態の1つでは、前記画像処理部は、乱流現象時系列に沿って取得された前記原画像を、乱流現象座標点における速度ベクトル値を各画素に特性値として割り当てた特性値画像に変換する機能(第1機能)、前記原画像を、各画素に特性値として三原色または単色の濃度値を割り当てた特性値画像に変換する機能(第2機能)、前記原画像を、各画素に特性値として色相値と彩度値と輝度値を割り当てた特性値画像に変換する機能(第3機能)のうちのいずれかあるいはそれらを組み合わせたものを有する。
第1機能における速度ベクトル値とは、乱流現象が発生している空間における空間座標点でのx、y、z各方向への流速であり、これは、流れの時間変化を算定することで得ることができる。また、この第1機能を簡単化したものとして、動画像処理においてよく知られているオプティカルフロー技法を用いて得られるオプティカルフロー図を特性値画像とすることも好適である。また、各座標軸方向の流れの速さを色彩であらわしたコンター図を特性値画像として採用してもよい。
ノイズの強さの時間変化(物理量と時間の二次元データ)から物理乱数を求めていた従来技術に較べ、乱流現象から物理乱数を求める場合、各座標における流速の時間変化(速度ベクトルと時間の四次元データ)を特性値として採用することができるので、優れた乱数性を有する物理乱数を生成することができる。特に乱流火炎の場合、速度要素だけでなく、化学物質(複数)の濃度変化と温度変化(スカラー)も特性値として取り扱うことができ、つまり、三次元の各座標に対して速度、化学種、温度(密度)を特性値として取り扱うことができ有利である。
なお、第2機能や第3機能に関しては、広く流通しているフォトレタッチアプリケーションを用いた画像処理を通じて簡単にその特性値画像を得ることができるので、コスト的に有利である。
乱流火炎などを通じて乱流現象を生じさせ、この乱流現象の時間的かつ空間的に規定される所定部分を画像化し、その所定部分の画像を原画像として取得する(#01)。取得される原画像の代表的なものは、図2に示されたような、自発光している瞬時の乱流拡散火炎を直接スチルカメラで撮影することで得られるカラーの撮影画像であり、高速シャッタースピード(例えば、1000分の1秒程度)での静止画カメラによって撮影された静止画像、あるいはムービーカメラによって高速度撮影(数千コマ/秒程度)された動画から抜き出したコマ画像として取得されたものである。つまり、これは、乱流拡散火炎の自発光を用いた撮影画像である。
δ -> R(δ) -> s -> G(s) -> r
で表される。もちろん、乱数因子構造体から物理乱数を直接導出するような関数(写像):δ -> RG(δ) -> r を採用してもよい。いずれにせよ、そのような関数(写像)は、本発明では、特別なものに限定されないが、例えば単純な数値から数値への変換式であってもよいし、二次元バーコードのような画像から数値を導くようなアルゴリズムであってもよい。
第1の実施形態は共通鍵暗号システムであり、その機能ブロック図が図6に示されている。この共通鍵暗号システムは、管理装置1と第1ユーザ端末2Aと第2ユーザ端末2Bとを主要構成要素としているが、管理装置1は、各ユーザ端末に組み込むことが可能である。
暗号鍵生成部30は、生成された物理乱数を用いて暗号鍵を生成する、それ自体は公知な暗号鍵作成アルゴリズム、この実施形態では共通鍵作成アルゴリズムを実装している。
まず、第1ユーザ端末2Aは、生成した物理乱数をそのまま秘密鍵Ksとして保持し、共通情報と前記物理乱数(秘密鍵Ks)を用いて公開鍵Kpを生成し、この公開鍵Kpを第2ユーザ端末2Bに送る。
第2ユーザ端末2B側でも同様に、生成した物理乱数をそのまま秘密鍵Ksとして保持し、共通情報と前記物理乱数(秘密鍵Ks)を用いて公開鍵Kpを生成し、この第2ユーザの公開鍵Kpを第1ユーザ端末2Aに送る。
これにより第1ユーザ端末2Aと第2ユーザ端末2Bは、秘密裏にそれぞれの秘密鍵Ks(第1の秘密鍵と第2の秘密鍵)を保持することになるとともに、相互に公開鍵Kpも受け取ることになる。
また、本発明による優れた乱数性や予測困難性を有する物理乱数を認証コードとして用いるだけではなく、本発明による、乱流現象を示す原画像に基づいて生成された、演算可能な画像特性値からなる特性値画像を用いた所有物認証を行うことも可能である。その際、上記の認証を、知識認証(パスワード認証)、所有物(IDカード)認証、生体(指紋・声紋・虹彩・網膜)認証のうちの少なくとも1つの認証と組み合わせることでさらに強固な認証方法が実現する。そのような認証方法の1つは、乱流現象を示す原画像に基づいて生成された、演算可能な画像特性値からなる特性値画像を用いた所有物認証を行う第1認証ステップと、生体認証を行う第2認証ステップとから構成される。
12:画像処理部
13:乱数因子構造体生成部
22:乱数生成部
23:暗号鍵生成部
R:乱数因子構造体
本発明の好適な実施形態の1つでは、前記画像処理部は、乱流現象時系列に沿って取得された前記原画像を、乱流現象座標点における速度ベクトル値を各画素に特性値として割り当てた特性値画像に変換する機能(第1機能)を有する。
第1機能における速度ベクトル値とは、乱流現象が発生している空間における空間座標点でのx、y、z各方向への流速であり、これは、流れの時間変化を算定することで得ることができる。また、この第1機能を簡単化したものとして、動画像処理においてよく知られているオプティカルフロー技法を用いて得られるオプティカルフロー図を特性値画像とすることも好適である。また、各座標軸方向の流れの速さを色彩であらわしたコンター図を特性値画像として採用してもよい。
ノイズの強さの時間変化(物理量と時間の二次元データ)から物理乱数を求めていた従来技術に較べ、乱流現象から物理乱数を求める場合、各座標における流速の時間変化(速度ベクトルと時間の四次元データ)を特性値として採用することができるので、優れた乱数性を有する物理乱数を生成することができる。特に乱流火炎の場合、速度要素だけでなく、化学物質(複数)の濃度変化と温度変化(スカラー)も特性値として取り扱うことができ、つまり、三次元の各座標に対して速度、化学種、温度(密度)を特性値として取り扱うことができ有利である。
乱流火炎を通じて乱流現象を生じさせ、この乱流現象の時間的かつ空間的に規定される所定部分を画像化し、その所定部分の画像を原画像として取得する(#01)。取得される原画像の代表的なものは、図2に示されたような、自発光している瞬時の乱流拡散火炎を直接スチルカメラで撮影することで得られるカラーの撮影画像であり、高速シャッタースピード(例えば、1000分の1秒程度)での静止画カメラによって撮影された静止画像、あるいはムービーカメラによって高速度撮影(数千コマ/秒程度)された動画から抜き出したコマ画像として取得されたものである。つまり、これは、乱流拡散火炎の自発光を用いた撮影画像である。
Claims (9)
- 乱流現象を示す原画像を取得する画像取得部と、
前記原画像を演算可能な画像特性値からなる特性値画像に変換する画像処理部と、
前記特性値画像の画像特性値から求めた乱数の生成に適した乱数因子の集合体である乱数因子構造体を生成する乱数因子構造体生成部と、
所定の導出パラメータによって前記乱数因子構造体から導出された乱数因子から物理乱数を生成する乱数生成部と、
前記物理乱数に基づいて暗号鍵を生成する暗号鍵生成部と、
を備えた暗号鍵生成システム。 - 前記乱流現象が乱流火炎であり、前記原画像が、前記乱流火炎に対する自発光を用いた撮影またはレーザー誘起蛍光法を用いた撮影または粒子添加による撮影によるものである請求項1に記載の暗号鍵生成システム。
- 前記原画像が、コンピュータによる乱流シミュレーションによる画像である請求項1に記載の暗号鍵生成システム。
- 前記画像処理部は、乱流現象時系列に沿って取得された前記原画像を、乱流現象座標点における速度ベクトル値を各画素に特性値として割り当てた特性値画像に変換する機能、前記原画像を、各画素に特性値として三原色または単色の濃度値を割り当てた特性値画像に変換する機能、前記原画像を、各画素に特性値として色相値と彩度値と輝度値を割り当てた特性値画像に変換する機能のうちのいずれかあるいはそれらを組み合わせたものを有する請求項1から3のいずれか一項に記載の暗号鍵生成システム。
- 前記画像処理部は、前記特性値画像に対する、白黒二値化処理、または、解像度低減処理を通じて前記特性値画像を整形する請求項4に記載の暗号鍵生成システム。
- 前記暗号鍵生成部は、前記物理乱数に基づいて共通鍵を生成する共通鍵生成アルゴリズムを有する請求項1から5のいずれか一項に記載の暗号鍵生成システム。
- 前記乱数生成部は、第1の物理乱数と第2の物理乱数を生成し、
前記暗号鍵生成部は、第1の物理乱数から公開鍵を生成するとともに前記第2の物理乱数から秘密鍵を生成する公開暗号鍵生成アルゴリズムを有する請求項1から5のいずれか一項に記載の暗号鍵生成システム。 - 請求項1から6のいずれか一項による暗号鍵生成システムを用いた認証システムであって、
前記乱数生成部によって生成された物理乱数を用いて生成された認証コードを前記暗号鍵生成部によって生成された暗号鍵を用いて秘匿化する認証システム。 - 乱流現象を示す原画像に基づいて生成された、演算可能な画像特性値からなる特性値画像を用いた所有物認証を行う第1認証ステップと、生体認証、知識認証又は他の所有物認証のいずれかを行う第2認証ステップとからなる認証方法。
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